JP2015182291A - 液温調整装置、液温調整方法及び液体吐出装置 - Google Patents

液温調整装置、液温調整方法及び液体吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】種類の違う複数の液体の温度を、液体の種類ごとに定めた所定の温度に調整するに際して、効率的で安価かつコンパクトな液温調整形態を提供すること。【解決手段】複数の液体の温度を共通して上昇及び下降させることが可能な共通温度調整部17と、複数の液体の温度を、個々に上昇または下降させることが可能な個別温度調整部18と、を備え、共通温度調整部17で共通温度T1に調整された複数の液体の温度を、個別温度調整部18で個々の液体ごとの個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkに調整するようにした。【選択図】図3

Description

種類の違う複数の液体の温度を、液体の種類ごとに定めた所定の温度に調整することが可能な液温調整装置、液温調整方法及び当該液温調整装置を備える液体吐出装置に関する。
インクジェット方式の記録装置や捺染装置では、静電駆動方式、サーマルヘッド方式あるいは電気機械変換素子(ピエゾ)方式等で液体の一例であるインクを吐出して、紙やフィルムあるいは布帛等の媒体の被記録面に対して記録を実行している。
ここで、インクは使用環境等によって温度が変化し、インクの温度が変化するとインクの粘度も変わってしまう。例えば、インクの温度が上がってインクの粘度が低下すると、インクの吐出量が増加するため記録された画像の濃度は濃くなってしまう。
また、インクを吐出する際に発生する、記録の実行に関与しない不要な微小インク滴の量もインクの粘度と関係する。従って、記録実行品質を高め、安定させるためには、インクの温度は、インクの種類ごとに最適な所定の温度の範囲内に収まるように調整することが望ましい。
このような背景の下、記録ヘッドの使用頻度により各色のインクに温度差が生じた場合に、各色のインクを適正な温度にすることができる熱交換機構及び当該熱交換機構を備えた画像記録装置が発案され、下記の特許文献1において開示されている。
特開2008−179066号公報
しかしながら、前記特許文献1では、各色のインクを所定の温度に調整するに際し、インクの色毎に個別に熱交換機構を備え、インクの色毎にそれぞれの熱交換機構を作動させてインクの温度調整を行っていた。また、特許文献1に開示されている熱交換機構は、冷却素子であるペルチェ素子、ヒートシンク及びファンを備えた大掛かりなものであり、このような大型の熱交換機構をインクの色数分、複数備えることはコストアップを招き、装置の大型化を招来してしまう。
また、特許文献1では、記録ヘッドの使用頻度により各色のインクに温度差が生じた場合のインクの温度調整を目的にしており、各色のインクごとに最適な温度があること、そして、当該温度の違いに基づいた効率的なインクの温度調整については何ら触れられていない。
本発明の目的は、種類の違う複数の液体の温度を、液体の種類ごとに定めた所定の温度に調整するに際して、効率的な液温調整を行えるようにすることにある。
本発明の第1の態様の液温調整装置は、複数の液体の温度を共通して上昇させることと下降させることの少なくとも一方を実行可能な共通温度調整部と、前記共通温度調整部で温度調整された前記複数の液体の温度を、個々に上昇させることと下降させることの少なくとも一方を実行可能な個別温度調整部とを備えることを特徴とする。
本発明の第2の態様の液温調整装置は、前記第1の態様において、前記共通温度調整部では、個々の液体毎に予め定められた複数の個別温度のうち、最低温度以下の温度を共通温度として液体の温度が調整され、前記個別温度調整部では、前記共通温度から液体の温度を上昇させて個々の液体毎の個別温度に調整されることを特徴とする。
本発明の第3の態様の液温調整装置は、前記第2の態様において、前記共通温度調整部で調整する共通温度は、個々の液体毎に予め定められた複数の個別温度のうち、最低の温度に設定されることを特徴とする。
本発明の第4の態様の液温調整装置は、前記第1の態様において、前記共通温度調整部で調整される液体の共通温度は選択可能に複数用意されていることを特徴とする。
本発明の第5の態様の液温調整装置は、前記第1の態様から第4の態様のいずれか一つの態様において、種類の違う複数の液体を個別に貯溜する液体貯溜部と、種類の違う複数の液体を個別に吐出する複数のノズル部を有する液体吐出ヘッドと、前記複数の液体貯溜部と液体吐出ヘッド中の複数のノズル部とを個別に連絡する複数の液体供給流路と、を備え、前記複数の液体供給流路は、それぞれ前記共通温度調整部と個別温度調整部を通るように配置されていることを特徴とする。
本発明の第6の態様の液温調整装置は、前記第5の態様において、前記複数の液体供給流路には、前記液体吐出ヘッドの各ノズル部に至る前の液体を共通温度調整部の上流位置に戻す第1回帰流路が各別に接続されていることを特徴とする。
本発明の第7の態様の液温調整装置は、前記第5の態様または第6の態様において、前記複数の液体供給流路には、前記液体吐出ヘッドの各ノズル部に至る前の液体を各個別温度調整部の上流位置に戻す第2回帰流路が各別に接続されていることを特徴とする。
本発明の第8の態様の液温調整装置は、前記第5の態様から第7の態様のいずれか一つの態様において、前記液体吐出ヘッドのノズル部の上流位置に液体供給流路を流れる液体の温度を計測する温度センサーが設けられており、前記温度センサーによって計測した液体の温度に基づいて、前記共通温度調整部で調整する共通温度と、前記個別温度調整部で調整する個々の液体毎の個別温度と、をフィードバックして制御する制御部が備えられていることを特徴とする。
本発明の第9の態様の液温調整方法は、種類の違う複数の液体の温度を、液体の種類毎に定めた所定の温度に調整する液温調整方法であって、前記複数の液体の温度を共通して上昇又は下降させることにより共通温度に調整する共通温度調整工程と、共通温度に調整された複数の液体の温度を、個々に上昇又は下降させることにより液体毎の個別温度に調整する個別温度調整工程と、を備えていることを特徴とする。
本発明の第10の態様の液体吐出装置は、種類の違う複数の液体を個別に吐出するノズル部を有する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに供給する種類の違う複数の液体の温度を、液体の種類毎に定めた所定の温度に調整する液温調整装置とを備え、前記液温調整装置は、複数の液体の温度を共通して上昇させることと下降させることの少なくとも一方を実行可能な共通温度調整部と、前記共通温度調整部で温度調整された前記複数の液体の温度を、個々に上昇させることと下降させることの少なくとも一方を実行可能な個別温度調整部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、種類の違う複数の液体の温度を、液体の種類ごとに定めた所定の温度に調整するに際して、効率的な液体の温度調整を行うことができる。
本発明の実施形態1に係る液温調整装置を搭載した液体吐出装置を表す概略構成側面図。 本発明の実施形態1に係る液温調整装置を表す概略構成平面図。 本発明の実施形態1に係る液温調整装置の一つの液体供給流路をとり上げて表す概略構成側面図。 本発明の実施形態2に係る液温調整装置の一つの液体供給流路をとり上げて表す概略構成側面図。 本発明の実施形態3に係る液温調整装置の一つの液体供給流路をとり上げて表す概略構成側面図。 本発明の実施形態4に係る液温調整装置の液温調整の一例を表すグラフ。 本発明の実施形態5に係る液温調整装置の液温調整の他の一例を表すグラフ。 本発明の実施形態6に係る液温調整方法を表すフローチャート。 本発明の実施形態7に係る液温調整方法を表すフローチャート。 従来の液温調整装置の液温調整の様子を表すグラフ。
以下に、本発明の実施形態に係る液温調整装置、液温調整方法及び液体吐出装置について、添付図面を参照して詳細に説明する。
以下の説明では、最初に実施形態1に係る液温調整装置が搭載されたインクジェット捺染装置を例にとって、本発明の実施形態に係る液体吐出装置の概略の構成について説明する。次に、当該液温調整装置の具体的構成について説明し、当該液温調整装置との差異を中心に実施形態2に係る液温調整装置と実施形態3に係る液温調整装置の構成について説明する。
続いて、液温調整の形態が異なる実施形態4と実施形態5の2つの実施形態を例にとって、液温調整装置の液温調整の様子を従来の液温調整と比較しながら説明する。
更に、これに続いて本発明の液温調整方法を実施形態6と実施形態7の2つの実施形態を例にとって説明し、最後に前記各実施形態と部分的構成を異にする他の実施形態について簡単に説明する。
[実施形態1](図1〜図3参照)
図1〜図3に示したように、本実施形態に係る液温調整装置5Aは、種類の違う複数の液体の温度を、液体の種類ごとに定めた所定の温度に調整する液温調整装置5であって、複数の液体の温度を共通して上昇させることと下降させることの少なくとも一方を実行可能な共通温度調整部17と、共通温度調整部17で温度調整された前記複数の液体の温度を、個々に上昇させることと下降させることの少なくとも一方を実行可能な個別温度調整部18と、を備えることによって基本的に構成されている。
そして、共通温度調整部17で共通温度T1に調整された複数の液体の温度を、個別温度調整部18で個々の液体ごとの個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkに調整するようにしたことを特徴としている。
(1)液体吐出装置の概略の構成(図1参照)
本実施形態の液体吐出装置1は、種類の違う複数の液体を個別に吐出するノズル部20を有する液体吐出ヘッド19と、該液体が吐出された媒体Mを支持する媒体支持部8と、液体吐出ヘッド19と媒体支持部8の存する液体吐出領域11に向けて媒体Mを搬送する媒体搬送部3と、本実施形態の液温調整装置5と、を備えることによって基本的に構成されている。
図1に示したように、図示の液体吐出装置1は、布帛を媒体Mとして使用するインクジェット捺染装置であり、図1では当該インクジェット捺染装置の液体吐出領域11周辺を拡大して模式的に示している。
尚、ここで「布帛」とは、綿、麻、絹等の天然繊維やナイロン、ポリエステル等の化学繊維、またはこれらを混合したもの等を原糸とする布や織物等の繊維製品である。
また、本明細書中で使用する「媒体」Mには、前記布帛の他、各種厚さの紙やフィルム等が含まれる。
また、この液体吐出装置1には、前述した構成部材の他に、一例としてロール状に巻き取られた媒体Mを所定量ずつ繰り出す図示しない繰出し部と、液体吐出ヘッド19を一例として下面に搭載した状態でキャリッジガイド軸21に沿って媒体Mの搬送方向Aと交差する幅方向Bを走査方向として往復動するキャリッジ23と、液体が吐出された後、媒体搬送部3の搬送ベルト9から剥離された媒体Mを巻き取る図示しない巻取り部と、搬送ベルト9の表面の粘着層7に媒体Mを貼り付けるために使用される加圧ローラー34と、液体吐出装置1の各部の制御を司る制御部39と、が備えられている。
液体吐出ヘッド19は、媒体Mの被記録面に直接、液体の一例であるインクを吐出して所望の記録を実行する部材である。
従って、本実施形態では液体はインクであり、電磁波の幅射熱によってインク中の液体成分が加熱乾燥されて媒体Mの被記録面にインク中の顔料成分が定着する性質を有する液体ということになる。
そして、本実施形態では種類の違う複数の液体として、シアン(Cy)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のインクを一例として使用している。
媒体支持部8は、搬送中の媒体Mを支持する部材であり、液体吐出ヘッド19の下方に設けられる部位では、媒体支持部8の支持面と、液体吐出ヘッド19のノズル部20の開口を備える液体吐出面と、の間のギャップを規定する役割を有している。本実施形態では、媒体支持部8は搬送ベルト9が兼ねる構造になっている。
媒体搬送部3は、液体吐出領域11を通るように循環して搬送される無端帯状の搬送ベルト9と、搬送ベルト9に一例として回転方向Cの駆動力を伝達する駆動ローラー31と、この駆動ローラー31に対して離間配置され、駆動ローラー31と共に搬送ベルト9が巻回された状態で搬送ベルト9を張設保持する従動ローラー33と、を備えることによって基本的に構成されている。
また、図示の実施形態では、媒体Mの搬送方向Aの下流位置に駆動ローラー31を一例として配置し、媒体Mの搬送方向Aの上流位置に従動ローラー33を一例として配置している。また、無端帯状の搬送ベルト9の外側となる表面に、媒体Mを貼り付けて仮固定するための粘着層7が形成されている。搬送ベルト9と媒体Mを従動ローラー33との間で挟むように従動ローラー33の近傍における上方位置に加圧ローラー34が配置されている。
(2)液温調整装置の具体的な構成(図2及び図3参照)
本実施形態に係る液温調整装置5は、種類の違う複数の液体を個別に貯留する液体貯溜部13と、種類の違う複数の液体を個別に吐出する複数のノズル部20を有する液体吐出ヘッド19と、これら複数の液体貯溜部13と液体吐出ヘッド19中の複数のノズル部20とを個別に連絡する複数の液体供給流路15と、を備えている。
そして、複数の液体供給流路15は、それぞれ共通温度調整部17と個別温度調整部18を通るように配置されている。
具体的には、図2に示したように、4色のインクに対応した4つの液体貯溜部13Cy、13M、13Y、13Kと、4つの個別温度調整部18Cy、18M、18Y、18Kと、4つのノズル部20Cy、20M、20Y、20Kと、4本の液体供給流路15Cy、15M、15Y、15Kと、が設けられている。
また、4本の液体供給流路15Cy、15M、15Y、15Kは、単一の共通温度調整部17を通って、同時に共通温度T1に調整されるように構成されている。
そして、このうちシアン(Cy)のインクを供給する液体供給流路15Cyを例にとると、図3に示したように、液体貯溜部13Cy内のシアン(Cy)のインクは、液体供給流路15Cyに流入後、共通温度調整部17に供給される。
共通温度調整部17は、断熱タンク35内に熱交換部37を備え、外部に設けられる温度調整剤循環装置41から供給される温度調整剤を熱媒あるいは冷媒として利用し、断熱タンク35内を通過するインク(Cy)を所定の共通温度T1に調整する役割を有している。
尚、断熱タンク35は、外部循環からの温度の影響を低く抑えるために断熱構造を適用したタンクである。また、断熱タンク35内では、液体供給流路15Cyを図示のように一例として蛇行させて、水または不凍液などによって構成される温度調整剤との接触面積を拡大させる態様で熱交換部37が構成されている。
従って、熱交換部37では、液体供給流路15Cyを流れるインク(Cy)は、液体供給流路15Cyを構成するチューブ管等を介して温度調整剤循環装置41から供給される温度調整剤と熱交換されて所望の共通温度T1に調整される。
また、熱交換部37を通過する部位の液体供給流路15Cyは、熱伝導特性が高い銅などの金属によって形成することが望ましいが、他の部位の液体供給流路15Cyと同じ軟質プラスチック製のインクチューブをそのまま利用することも可能である。
温度調整剤循環装置41は、液体の温度調整用に使用される各種の装置が適用でき、この温度調整剤循環装置41を使用すると循環路43に温度調整剤が循環して、一例として−10〜80℃の間でインク(Cy)の温度を調整することが可能になっている。従って、共通温度調整部17において調整されるインク(Cy)の共通温度T1は、前記温度の範囲内で、当該地点の環境温度よりも高く調整することも低く調整することも可能である。
共通温度調整部17で共通温度T1に調整されたインク(Cy)は、液体供給流路15Cyを通って個別温度調整部18に供給される。個別温度調整部18に供給されるインク(Cy)の温度は、目標とする個別温度Tcyに近い温度の共通温度T1に調整されているから、個別温度調整部18としては、共通温度調整部17よりも能力の小さな安価で簡易なタイプのチューブカバー方式等の加熱手段や冷却手段が適用可能である。
尚、個別温度調整部18を構成する加熱手段や冷却手段のON/OFFの切り替えや個別温度Tcyの設定は、制御部39で行われ、液体供給流路15Cyの適宜の位置に配置される後述する温度センサー25、26によって検出されるインク(Cy)の実温度に基づいて行われる。
そして、個別温度調整部18で個別温度Tcyに調整されたインク(Cy)は、液体供給流路15Cyを更に通って液体吐出ヘッド19に送られる。
液体吐出ヘッド19には、前述したように各色のインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)に対応したノズル部20Cy、20M、20Y、20Kが設けられており、当該インク(Cy)は、このうちノズル部20Cyに供給される。
尚、各ノズル部20Cy、20M、20Y、20Kには、本実施形態では、各色のインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)を個別に吐出する駆動素子として機能する図示しないピエゾ素子が設けられている。
そして、このピエゾ素子は、両端に設けた電極間に所定時間幅の電圧を印加することで電圧の印加時間に応じて伸縮し、液体供給流路15Cy、15M、15Y、15Kを変形させる性質を利用したもので、液体供給流路15Cy、15M、15Y、15K内の容積がピエゾ素子の伸縮に応じて収縮し、その収縮分に相当するインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)をインク滴として吐出させる機能を有している。
また、本実施形態では、各個別温度調整部18Cy、18M、18Y、18Kの上流位置と、液体吐出ヘッド19の各ノズル部20Cy、20M、20Y、20Kの上流位置に、各液体供給流路15Cy、15M、15Y、15Kを流れる液体の実温度を計測する温度センサー25、26が設けられている。
そして、このうち液体吐出ヘッド19の各ノズル部20Cy、20M、20Y、20Kの上流位置に設けられる温度センサー26によって計測した液体の実温度に基づいて、共通温度調整部17で調整する共通温度T1と、各個別温度調整部18Cy、18M、18Y、18Kで調整する個々のインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)ごとの個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkを制御部39において制御できるように構成されている。
因みに、このような温度センサー25、26を使用した液体の実温度に基づく液体の温度制御を行うことで、共通温度T1と個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkの設定値を補正でき、該補正を行うことで、より一層正確で効率的な液体の温度調整が可能になる。
そして、このように構成される実施形態1によれば、単一の共通温度調整部17によって複数の液体の温度を一括して共通温度T1に調整し、その後、この共通温度T1を基準にして目標とする各個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkになるように微調整しているから、効率的で安価かつコンパクトな液温調整が可能になる。
[実施形態2]
図4に示したように、本実施形態2に係る液温調整装置5Bは、前述した実施形態1の液温調整装置5Aの構成に第1回帰流路27を追加した構成になっている。従って、ここでは前記実施形態1と同様の構成については説明を省略し、本実施形態において新たに追加した第1回帰流路27の構成に絞って説明する。
即ち、本実施形態2では、複数の液体供給流路15Cy、15M、15Y、15Kに対して、液体吐出ヘッド19の各ノズル部20Cy、20M、20Y、20Kに至る前のインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)を共通温度調整部17の上流位置に戻す第1回帰流路27Cy、27M、27Y、27Kが各別に接続されている。
このうち、第1回帰流路27Cyを例にとって説明すると、図4に示したように、液体吐出ヘッド19のノズル部20Cyに連結されている液体供給流路15Cyに対して、ノズル部20Cyの上流位置と共通温度調整部17の上流位置とを結ぶ第1回帰流路27Cyが接続されている。
この第1回帰流路27Cyを接続したことによって、温度センサー26の計測結果から、インク(Cy)の実温度が個別温度Tcyに達していないと判断されたような場合に、図示しない回帰駆動部を駆動させて再び共通温度調整部17に戻して共通温度T1の調整からやり直すことができるように構成されている。
そして、このようにして構成される実施形態2によっても、前述した実施形態1と同様の作用、効果が享受でき、更に本実施形態によれば、液体が吐出される直前の段階で液体の実温度を再確認し、当該実温度が個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkに達していない場合に再び共通温度T1の調整から液体の温度調整をやり直すことができるから液体の温度調整の精度が向上する。
[実施形態3](図5参照)
図5に示したように、本実施形態に係る液温調整装置5Cは、前述した実施形態2の液温調整装置5Bの構成に第2回帰流路28と第3回帰流路29を追加した構成になっている。従って、ここでは前記実施形態2と同様の構成については説明を省略し、本実施形態において新たに追加した第2回帰流路28と第3回帰流路29の2つの構成に絞って説明する。
即ち、本実施形態では、複数の液体供給流路15Cy、15M、15Y、15Kに対して、液体吐出ヘッド19の各ノズル部20Cy、20M、20Y、20Kに至る前のインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)を各個別温度調整部18Cy、18M、18Y、18Kの上流位置に戻す第2回帰流路28Cy、28M、28Y、28Kが各別に接続されている。
また、本実施形態では、複数の液体供給流路15Cy、15M、15Y、15Kに対して、各個別温度調整部18Cy、18M、18Y、18Kに至る前のインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)を共通温度調整部17に戻す第3回帰流路29Cy、29M、29Y、29Kが各別に接続されている。
このうち、第2回帰流路28Cy及び第3回帰流路29Cyを例にとって説明すると、図5に示したように、液体吐出ヘッド19のノズル部20Cyに連結されている液体供給流路15Cyに対して、ノズル部20Cyの上流位置と個別温度調整部18Cyの上流位置とを結ぶ第2回帰流路28Cyと、個別温度調整部18Cyの上流位置と共通温度調整部17の上流位置とを結ぶ第3回帰流路29Cyと、が接続されている。
このうち、第2回帰流路28Cyは、温度センサー26等によって、インク(Cy)の実温度が個別温度Tcyに達していないと判断されたような場合に、図示しない回帰駆動部を駆動させて再び個別温度調整部18Cyでの個別温度Tcyの調整をやり直すことができるように配設されているものである。
また、第3回帰流路29Cyは、温度センサー25等によって、インク(Cy)の実温度が共通温度T1に達していないと判断されたような場合に、図示しない回帰駆動部を駆動させて再び共通温度調整部17での共通温度T1の調整をやり直すことができるように配設されているものである。
そして、このようにして構成される実施形態3によっても、前述した実施形態2と同様の作用、効果が享受でき、更に本実施形態によれば、液体が個別温度調整部18Cy、18M、18Y、18Kに到達する前の段階と、液体が吐出される直前の段階との2回に分けて液体の実温度を確認することで、当該実温度が共通温度T1に達していない場合には再び共通温度T1の調整から、当該実温度が個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkに達していない場合には再び個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkの調整から液体の温度調整をやり直すことが可能になっている。従って、液体の温度調整の精度が向上し、液体の温度の効率的な再調整が可能になる。
[実施形態4](図6及び図10参照)
本実施形態では、前述した実施形態1、2、3で説明した液温調整装置5A、5B、5Cにおける共通温度調整部17と個別温度調整部18Cy、18M、18Y、18Kで行われる液温調整の形態の一例を説明している。
尚、図6及び図10では、各色のインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)の温度変化をtemp_cy、temp_m、temp_y、temp_kの4本の曲線で模式的に図示している。
即ち、本実施形態では、共通温度調整部17において、個々のインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)ごとに予め定められた複数の個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkのうち、最低温度以下の温度を共通温度T1として液体の温度が調整されている。また、各個別温度調整部18Cy、18M、18Y、18Kでは、共通温度T1からインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)の温度を上昇させて個々のインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)ごとの個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkに調整するように構成されている。
具体的には、インク(Cy)、(M)、(Y)、(K)の目標とする個別温度Tcy、Tm、Ty、TkがTcy<Tm<Ty<Tkという関係があると仮定した場合、初期温度Taのインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)を先ず、共通温度調整部17で最低温度の個別温度Tcy以下の温度を共通温度T1として一括して冷却する。次に、各個別温度調整部18でそれぞれ目標とする個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkまで加熱する。
尚、図6では、共通温度T1を最低温度の個別温度Tcyに設定した実施形態を示しており、この実施形態の場合には、インク(Cy)については個別温度調整部18Cyでの温度調整を省略することが可能である。
そして、このようにして構成される本実施形態によれば、従来、図10に示したように、各インク(Cy)、(M)、(Y)、(K)ごとに個別に行っていた温度差の大きな液体の温度調整を、効率的で無駄のない態様で実施することが可能になる。
[実施形態5](図7及び図6、10参照)
本実施形態では、前述した実施形態1、2、3で説明した液温調整装置5A、5B、5Cにおける共通温度調整部17と個別温度調整部18Cy、18M、18Y、18Kで行われる液温調整の形態の他の一例を説明している。
尚、図7及び図6、10では、各色のインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)の温度変化をtemp_cy、temp_m、temp_y、temp_kの4本の曲線で模式的に図示している。
即ち、本実施形態では、共通温度調整部17で調整されるインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)の共通温度T1が予め複数用意されており、ユーザーの仕様の違いに基づいて最適な共通温度T1が選択できるように構成されている。
具体的には、前記実施形態4と同様、インク(Cy)、(M)、(Y)、(K)の目標とする個別温度Tcy、Tm、Ty、TkがTcy<Tm<Ty<Tkという関係があると仮定した場合、ユーザーの仕様が4色のインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)をすべて使うフルカラー印刷と、2色のインク(M)、(K)を使う2色印刷と、単色のインク(K)のみを使う単色印刷の3つの仕様が選択できるように構成されている場合には、以下に示すような液体の温度制御を実施することが可能である。
先ず、フルカラー印刷が選択された場合には、図7中、太い実線で示すように、前記実施形態4と同様、共通温度T1を4色のインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)の最低の個別温度Tcyに設定し、その後、インク(M)、(Y)、(K)について目標とするそれぞれの個別温度Tm、Ty、Tkに加熱して行く液体の温度制御を採用することが可能である。
また、2色印刷が選択された場合には、図7中、太い破線で示すように、共通温度T1を2色のインク(M)、(K)の低い方の個別温度Tmに設定し、その後、インク(K)のみを目標とする個別温度Tkに加熱して行く液体の温度制御を採用することが可能である。
更に、単色印刷が選択された場合には、図7中、太い一点鎖線で示すように、共通温度T1をインク(K)の個別温度Tkに設定し、その後、個別温度調整部18Kでは、インク(K)の温度調整を省略する液体の温度制御を採用することが可能である。
そして、このようにして構成される本実施形態によっても、前述した実施形態4と同様の作用、効果を享受でき、更にユーザーの仕様の違いに対応した効率的で無駄のない液体の温度調整が可能になる。
[実施形態6](図8参照)
本実施形態に係る液温調整方法は、前述した実施形態1に係る液温調整装置5Aを使用した場合に実行される液温調整方法である。
基本的には、複数の液体の温度を共通して上昇又は下降させることにより共通温度T1に調整する共通温度調整工程と、該共通温度調整工程で共通温度T1に調整された複数の液体の温度を上昇又は下降させることにより個々の液体ごとの個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkに調整する個別温度調整工程と、の2つの工程を備えることによって、この液温調整方法は構成されている。
本実施形態に係る液温調整方法を、図8に示すフローチャートに従って、以下具体的に説明する。先ず、記録の実行の指令を受けてステップS1で液体の供給を開始する。これにより、各液体貯溜部13Cy、13M、13Y、13Kに貯溜されていた各色のインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)は、図示しない駆動部によりそれぞれの液体供給流路15Cy、15M、15Y、15Kに流入する。
次に、ステップS2に移行し、共通温度調整部17ですべてのインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)の温度が共通温度T1に調整される。続いて、温度センサー25によって計測されたインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)の実温度に基づいて、ステップS3で当該インクの実温度が共通温度T1になっているか否かの判断が行われる。
ステップS3で当該インクの実温度が共通温度T1になっていると判断された場合には、ステップS4に移行して、各個別温度調整部18において、個々のインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)の温度をそれぞれの個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkにする液温調整が実行される。
続いて、温度センサー26によって計測されたインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)の実温度に基づいて、ステップS5で当該インクの実温度が各個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkになっているか否かの判断が行われる。
ステップS5で当該インクの実温度がそれぞれ個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkになっていると判断された場合には、各色のインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)は、図示しない駆動部によりそれぞれ対応するノズル部20Cy、20M、20Y、20Kに流入し、ステップS6で液体の吐出が開始される。
一方、前記ステップS3でインクの実温度が共通温度Tになっていないと判断された場合と、前記ステップS5でインクの実温度がそれぞれの個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkになっていないと判断された場合には、ステップS7に移行して液体の吐出が停止される。そして、マニュアルで操作したり、制御部39で算出した補正部に基づく自動処理によって、共通温度T1と各個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkの設定温度を微調整する等して前記条件を満たす状態にしてから再度記録の実行を指令ないし再開する。
そして、このようにして構成される本実施形態に係る液温調整方法によれば、共通温度調整工程と個別温度調整工程の2つの工程に分けて液体の温度を調整することにより、効率的で無駄が無く、安価かつコンパクトな液温調整が可能になる。
[実施形態7](図9参照)
本実施形態に係る液温調整方法は、前述した実施形態2に係る液温調整装置5Bや実施形態3に係る液温調整装置5Cを使用した場合に実行される液温調整方法であって、前述した実施形態6に係る液温調整方法にフィードバック処理を追加したものである。
従って、本実施形態に係る液温調整方法は、インクの実温度が共通温度T1になっていないと判断された場合と、インクの実温度がそれぞれ個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkになっていないと判断された場合の処理が違うだけで、他の処理については、前記実施形態6に係る液温調整方法と同様である。
これに伴い、ここでは、前記実施形態6と同様の処理については説明を省略し、前記実施形態6と相違する本実施形態で新たに採用した処理に絞って説明する。
先ず、実施形態2に係る液温調整装置5Bを使用した場合には、ステップS15でインクの実温度がそれぞれの個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkになっていないと判断されると、ステップS12に移行して、共通温度調整部17での共通温度T1にする処理が再度実行されるようになる。尚、ステップS13でインクの実温度が共通温度T1になっていないと判断された場合の処理は、前記実施形態6と同様であり、ステップ17に移行して液体の吐出が停止される。そして、マニュアルで操作したり、制御部39で算出した補正値に基づく自動処理によって、共通温度T1の設定温度を微調整する等して前記条件を満たす状態にしてから再度記録の実行を指令ないし再開することになる。
一方、実施形態3に係る液温調整装置5Cを使用した場合には、ステップS15でインクの実温度がそれぞれの個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkになっていないと判断された場合には、ずれ量の大きさ等によって、ステップS12に移行する経路とステップS14に移行する経路の2経路に分かれて、共通温度T1にする処理または個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkにする処理が実行される。
また、ステップS13でインクの実温度が共通温度T1になっていないと判断された場合には、ステップS12に移行して共通温度T1にする処理が再度実行される。
そして、このようにして構成される本実施形態に係る液温調整方法によっても、前記実施形態6に係る液温調整方法と同様の作用、効果が享受でき、更に本実施形態によれば、より一層、効率的で無駄のない液温調整が可能になる。
[他の実施例]
本発明に係る液温調整装置5、液温調整方法及び液体吐出装置1は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内の部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。
例えば、共通温度調整部17で設定される共通温度T1は、各色のインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)のそれぞれの個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkのうち、最低の温度のものに設定する他、最高の温度のものに設定してもよいし、これらの中間の温度のものに設定しても構わない。
そして、共通温度T1を前記最高の温度のものに設定したり、中間の温度のものに設定した場合には、該共通温度T1よりも個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkが低いインク(Cy)、(M)、(Y)、(K)については、個別温度調整部18Cy、18M、18Y、18Kで当該インク(Cy)、(M)、(Y)、(K)を冷却して目標とする個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkにすることが可能である。
更に、本発明の液温調整装置5は、前記実施形態1で述べたインクジェット捺染装置に限らず、紙やフィルムを媒体Mとして使用するインクジェットプリンター等、液体吐出ヘッド19を備える種々の液体吐出装置1に適用することが可能である。
また、上記実施形態ではインクの実温度の測定を行っているが、インクの実温度そのものを測定しなくても、インクの実温度と相関がある部材等の温度を測定してもよい。
インクの実温度と相関のある温度としては、例えば液体供給流路や液体吐出ヘッドを構成する部材の温度や、それら部材近傍の雰囲気温度などがあり、これらの温度を測定する場合には、液体の実温度とこれら部材で測定される温度との相関関係を予め把握しておけば、部材の温度を測定することで、その時のインク温度を知ることができる。
尚、本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内での種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
以上、本発明について具体的な実施形態に基づいて詳述した。ここで本発明について、もう一度まとめて以下に説明する。
本発明の第1の態様の液温調整装置5は、複数の液体の温度を共通して上昇させることと下降させることの少なくとも一方を実行可能な共通温度調整部17と、共通温度調整部17で温度調整された前記複数の液体の温度を、個々に上昇させることと下降させることの少なくとも一方を実行可能な個別温度調整部18とを備えることを特徴とする。
本態様によれば、単一の共通温度調整部17によって複数の液体の温度を一括して共通温度T1に調整し、その後、この共通温度T1を基準にして目標とする各個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkになるように微調整しているから、効率的で安価かつコンパクトな液温調整が可能になる。
本発明の第2の態様の液温度調整製装置5は、第1の態様において、共通温度調整部17では、個々の液体毎に予め定められた複数の個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkのうち、最低温度以下の温度を共通温度T1として液体の温度が調整され、個別温度調整部18Cy、18M、18Y、18Kでは、共通温度T1から液体の温度を上昇させて個々の液体毎の個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkに調整されることを特徴とする。
本態様によれば、従来、各液体毎に個別に行っていた温度差の大きな液体の温度調整を、効率的で無駄のない態様で実施することが可能になる。また、個別温度調整部18Cy、18M、18Y、18Kでは、加熱のみを行えばよいから、チューブカバーヒーター等の低コストの加熱手段が使用可能になる。
本発明の第3の態様の液温調整装置5は、第2の態様において、共通温度調整部17で調整する共通温度T1は、個々の液体ごとに予め定められた複数の個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkのうち、最低の温度に設定されることを特徴とする。
本態様によれば、複数の液体の個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkのうち最低の温度のものについては、個別温度調整部18Cy、18M、18Y、18Kでの温度調整が省略できるから、一層効率的で無駄のない液体の温度調整が可能になる。
本発明の第4の態様の液温調整装置5は、第1の態様において、共通温度調整部17で調整される液体の共通温度は選択可能に複数用意されていることを特徴とする。
本態様によれば、ユーザーの仕様の違いを反映した効率的で無駄のない液体の温度調整が可能になる。
本発明の第5の態様の液温調整装置5は、第1の態様から第4の態様のいずれか一つの態様において、種類の違う複数の液体を個別に貯溜する液体貯溜部13と、種類の違う複数の液体を個別に吐出する複数のノズル部20を有する液体吐出ヘッド19と、複数の液体貯溜部13Cy、13M、13Y、13Kと液体吐出ヘッド19中の複数のノズル部20Cy、20M、20Y、20Kとを個別に連絡する複数の液体供給流路15Cy、15M、15Y、15Kと、を備え、複数の液体供給流路15Cy、15M、15Y、15Kは、それぞれ共通温度調整部17と個別温度調整部18Cy、18M、18Y、18Kを通るように配置されていることを特徴とする。
本態様によれば、液体吐出ヘッド19中の複数のノズル部20Cy、20M、20Y、20Kに対して供給する液体の温度をそれぞれの液体の吐出に適した最適な温度に調整することが可能になる。従って、液体の吐出量の多少によって生じる画像の濃淡や滲み等の発生を少なくして液体吐出品質を向上させることが可能になる。
本発明の第6の態様の液温調整装置5は、第5の態様において、複数の液体供給流路15Cy、15M、15Y、15Kには、液体吐出ヘッド19の各ノズル部20Cy、20M、20Y、20Kに至る前の液体を共通温度調整部17の上流位置に戻す第1回帰流路27Cy、27M、27Y、27Kが各別に接続されていることを特徴とする。
本態様によれば、液体が吐出される前の段階で、液体の実温度を再確認し、当該液体の実温度が個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkに達していない場合に再び共通温度T1の調整から液体の温度調整をやり直すことができるから液体の温度調整の精度が向上する。
本発明の第7の態様の液温調整装置5は、第5の態様または第6の態様において、複数の液体供給流路15Cy、15M、15Y、15Kには、液体吐出ヘッド19の各ノズル部20Cy、20M、20Y、20Kに至る前の液体を各個別温度調整部18Cy、18M、18Y、18Kの上流位置に戻す第2回帰流路28Cy、28M、28Y、28Kが各別に接続されていることを特徴とする。
本態様によれば、液体が個別温度調整部18Cy、18M、18Y、18Kに到達する前の段階と、液体が吐出される前の段階との2回に分けて液体の実温度を確認することで、当該液体の実温度が共通温度T1の達していない場合には再び共通温度T1の調整から、当該液体の実温度が個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkに達していない場合には再び個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkの調整から、それぞれ液体の温度調整をやり直すことが可能になる。
従って、液体の温度調整の精度が向上し、液体の温度の効率的な再調整が可能になる。
本発明の第8の態様の液温調整装置5は、第5の態様から第7の態様のいずれか一つの態様において、液体吐出ヘッド19のノズル部20の上流位置に液体供給流路15を流れる液体の温度を計測する温度センサー25が設けられており、温度センサー25によって計測した液体の温度に基づいて、共通温度調整部17で調整する共通温度T1と、個別温度調整部18で調整する個々の液体毎の個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkと、をフィードバックして制御する制御部39が備えられていることを特徴とする。
本態様によれば、温度センサー26を設けたことで液体吐出ヘッド19の各ノズル部20Cy、20M、20Y、20Kに至る直前の段階で各液体がそれぞれ個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkに調整されているか否かを再確認することが可能になる。そして、温度センサー26で計測した液体の実温度に基づいて液体の温度制御を行うことで、共通温度T1と個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkの設定値を補正することが可能になり、該補正値を考慮することで、より一層正確で効率的な液体の温度調整を行うことが可能になる。
本発明の第9の態様の液温調整方法は、種類の違う複数の液体の温度を、液体の種類毎に定めた所定の温度に調整する液温調整方法であって、前記複数の液体の温度を共通して上昇又は下降させることにより共通温度T1に調整する共通温度調整工程と、共通温度T1に調整された複数の液体の温度を、個々に上昇又は下降させることにより液体毎の個別温度Tcy、Tm、Ty、Tkに調整する個別温度調整工程とを備えていることを特徴とする。
本態様によれば、共通温度調整工程と個別温度調整工程の2つの工程に分けて液体の温度を調整するようにしたことにより、液体毎に個別に温度調整していた従来の液温調整方法の無駄が省け、より効率的で安価かつコンパクトな液温調整が可能になる。
本発明の第10の態様の液体吐出装置1は、種類の違う複数の液体を個別に吐出するノズル部20を有する液体吐出ヘッド19と、液体吐出ヘッド19に供給する種類の違う複数の液体の温度を、液体の種類毎に定めた所定の温度Tcy、Tm、Ty、Tkに調整する液温調整装置5とを備え、液温調整装置5は、複数の液体の温度を共通して上昇させることと下降させることの少なくとも一方を実行可能な共通温度調整部17と、共通温度調整部17で温度調整された前記複数の液体の温度を、個々に上昇させることと下降させることの少なくとも一方を実行可能な個別温度調整部18Cy、18M、18Y、18Kとを備えることを特徴とする。
本態様によれば、液体吐出ヘッド19の各ノズル部20Cy、20M、20Y、20Kから吐出される液体の温度を、それぞれの液体の吐出に適した温度に調整することが可能になる。従って、液体の温度の違いによって生ずる液体の粘度のばら付きが解消でき、当該液体の粘度のばら付きによって生ずる液体の吐出量の変動を少なくして、記録された画像の濃淡や滲み等の発生を少なくして液体吐出品質の向上を図ることが可能になる。
1 液体吐出装置、3 媒体搬送部、5 液温調整装置、7 粘着層、
8 媒体支持部、9 搬送ベルト、11 液体吐出領域、13 液体貯溜部、
15 液体供給流路、17 共通温度調整部、18 個別温度調整部、
19 液体吐出ヘッド、20 ノズル部、21 キャリッジガイド軸、
23 キャリッジ、25 温度センサー、26 温度センサー、27 第1回帰流路、
28 第2回帰流路、29 第3回帰流路、31 駆動ローラー、
33 従動ローラー、34 加圧ローラー、35 断熱タンク、37 熱交換部、
39 制御部、41 温度調整剤循環装置、43 循環路、M 媒体、A 搬送方向、
B 幅方向、C 回転方向、T1 共通温度、Tcy 個別温度、
Tm 個別温度、Ty 個別温度、Tk 個別温度、Ta 初期温度

Claims (10)

  1. 複数の液体の温度を共通して上昇させることと下降させることの少なくとも一方を実行可能な共通温度調整部と、
    前記共通温度調整部で温度調整された前記複数の液体の温度を、個々に上昇させることと下降させることの少なくとも一方を実行可能な個別温度調整部と、を備えることを特徴とする液温調整装置。
  2. 請求項1に記載の液温調整装置において、
    前記共通温度調整部では、個々の液体毎に予め定められた複数の個別温度のうち、最低温度以下の温度を共通温度として液体の温度が調整され、
    前記個別温度調整部では、前記共通温度から液体の温度を上昇させて個々の液体毎の個別温度に調整されることを特徴とする液温調整装置。
  3. 請求項2に記載の液温調整装置において、
    前記共通温度調整部で調整する共通温度は、個々の液体毎に予め定められた複数の個別温度のうち、最低の温度に設定されることを特徴とする液温調整装置。
  4. 請求項1に記載の液温調整装置において、
    前記共通温度調整部で調整される液体の共通温度は選択可能に複数用意されていることを特徴とする液温調整装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の液温調整装置において、
    種類の違う複数の液体を個別に貯溜する液体貯溜部と、
    種類の違う複数の液体を個別に吐出する複数のノズル部を有する液体吐出ヘッドと、
    前記複数の液体貯溜部と液体吐出ヘッド中の複数のノズル部とを個別に連絡する複数の液体供給流路と、を備え、
    前記複数の液体供給流路は、それぞれ前記共通温度調整部と個別温度調整部を通るように配置されていることを特徴とする液温調整装置。
  6. 請求項5に記載の液温調整装置において、
    前記複数の液体供給流路には、前記液体吐出ヘッドの各ノズル部に至る前の液体を共通温度調整部の上流位置に戻す第1回帰流路が各別に接続されていることを特徴とする液温調整装置。
  7. 請求項5または6に記載の液温調整装置において、
    前記複数の液体供給流路には、前記液体吐出ヘッドの各ノズル部に至る前の液体を各個別温度調整部の上流位置に戻す第2回帰流路が各別に接続されていることを特徴とする液温調整装置。
  8. 請求項5から7のいずれか一項に記載の液温調整装置において、
    前記液体吐出ヘッドのノズル部の上流位置に液体供給流路を流れる液体の温度を計測する温度センサーが設けられており、
    前記温度センサーによって計測した液体の温度に基づいて、前記共通温度調整部で調整する共通温度と、前記個別温度調整部で調整する個々の液体毎の個別温度と、をフィードバックして制御する制御部が備えられていることを特徴とする液温調整装置。
  9. 種類の違う複数の液体の温度を、液体の種類毎に定めた所定の温度に調整する液温調整方法であって、
    前記複数の液体の温度を共通して上昇又は下降させることにより共通温度に調整する共通温度調整工程と、
    共通温度に調整された複数の液体の温度を、個々に上昇又は下降させることにより液体毎の個別温度に調整する個別温度調整工程と、を備えていることを特徴とする液温調整方法。
  10. 種類の違う複数の液体を個別に吐出するノズル部を有する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドに供給する種類の違う複数の液体の温度を、液体の種類毎に定めた所定の温度に調整する液温調整装置と、を備え、
    前記液温調整装置は、
    複数の液体の温度を共通して上昇させることと下降させることの少なくとも一方を実行可能な共通温度調整部と、
    前記共通温度調整部で温度調整された前記複数の液体の温度を、個々に上昇させることと下降させることの少なくとも一方を実行可能な個別温度調整部と、を備えることを特徴とする液体吐出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017105155A (ja) * 2015-12-01 2017-06-15 株式会社リコー 液体予備加熱装置、液体吐出ユニット、及び液体を吐出する装置

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