JP2015181513A - ゴルフスイング練習用器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】正しいグリップの握り位置を習得可能にすると共に、アドレスからトップまでのバックスイング時のクラブヘッドの軌道を容易に確認でき、正しいスイングフォームに矯正可能なゴルフスイング練習用器具を提供する。
【解決手段】本発明に係るゴルフスイング練習用器具は、クラブヘッドとクラブシャフトとを備えたゴルフスイング練習用器具であって、クラブヘッドはフェイス面とバックフェイス面とを有し、クラブヘッドのバックフェイス面を仮想ゴルフボールの仮想飛行線に対して略直角に形成すると共に、クラブシャフトにおいて、グリップの基端把持側手掌の親指の指腹面が当接する面のクラブシャフト本体上における延長線上に基準平坦面を形成し、基準平坦面は正しいバックスイング時にのみプレイヤーヘッドと対面直視状態となるように構成したことを特徴とする。
【選択図】図1a

Description

本発明は、ゴルフの練習用器具のうちスイングフォームを矯正するゴルフスイング練習用器具に関する。
従来より、ゴルフは自分に合った安定した正しいスイングフォームを習得することでスコアの向上を図ることができるスポーツであると認識されている。また、安定した正しいスイングフォームを得るためには、日々の練習が不可欠であるとされている。しかしながら、一般的なアマチュアゴルファーであれば、自分のスイングフォームが正しいものであるか否かを自分で判断することが難しいばかりか、ゴルフの練習を毎日行うことは非常に困難である。
このような状況から、一般的なアマチュアゴルファーは、ゴルフ練習場でのボールの挙動に一喜一憂しつつ都度スイングフォームを修正しようとするため、スイングフォームの安定化が図られず、正しいスイングフォームを身に付けることが難しくなっている。
従って、まずは自分に合った正しいスイングフォームを知ることが重要となる。近年、スイング理論はフラットスイングと言われる横振りイメージのスイングと、アップライトスイングと言われる縦振りイメージのスイングに大別することができ、その中では細かい無数のスイング理論が存在する。一般的なアマチュアゴルファーは、どのようなスイング理論が自分に合っているのかを判断することさえ難しいのが現状である。
しかしながら、いずれの理論に基づく場合も、究極的にはボールを捕えるインパクトの瞬間、及びその前後数十センチの範囲において、ゴルフクラブのフェイス面が目標方向に対するボールの飛行線と直交するような軌跡でゴルフクラブを振ることができればよい。
このような正確なインパクトを習得するためのゴルフスイング練習器に係る技術が、例えば特許文献1に開示されている。本技術によれば、クラブヘッドに相当する部分に発光体を取り付けて、スイング時の発光体の光の残像による軌跡線によりクラブヘッド部分の軌道を認識することができる。
また、正確なインパクトの再現性を高めるためには、自分に合った正しい握り方の下で、アドレスからトップまでのバックスイングの軌道を安定させることが不可欠である。
そこで、バックスイングの軌道を習得するためのゴルフ用矯正プレートに係る技術が、例えば特許文献2に開示されている。本技術によれば、水平面の角度を調整可能とした水平板を有するゴルフ用矯正プレートを、ゴルフクラブのシャフト部分に装着し、両肩とクラブヘッドとで仮想的に形成される仮想板が地面との間でなす傾斜角度と略同じになるように水平板を傾けて、仮想板と水平板の水平面とが略平行を保つようにしてスイングを行うことでスイング軌道を確認することができる。
特開平11−9749号公報 特開平9−38264号公報
確かに、特許文献1に開示された技術によれば、ゴルフ練習場に行かなくても室内で使用でき、インパクトの瞬間のクラブヘッドの軌道を残像として認識できるため、インパクトの際の自分の癖を短時間で容易に確認する手段としては一定の効果があった。しかしながら、ゴルフのスイングは、アドレスからフィニッシュまでの一連の流れでインパクトの瞬間を迎えるものであることから、本ゴルフスイング練習器のみではインパクトの際の自分の癖を矯正するための適切な方法を知ることはできなかった。
また、特許文献2に開示された技術によれば、実際のゴルフクラブに装着して使用するものであるため、室内での練習には適しておらず、また、視認できない擬似的な仮想板に対して水平板の水平面を略平行に調節することは非常に難しく、更には、スイング途中でスイングを停止させ、顔を水平板に向けたとしても、視界に入る周りの景色との関係から仮想板と水平板の水平面とが略平行であるか否かを判断することはほとんど不可能であった。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、正しいグリップの握り位置を習得可能にすると共に、アドレスからトップまでのバックスイング時のクラブヘッドの軌道を容易に確認でき、正しいスイングフォームに矯正可能なゴルフスイング練習用器具を提供することにある。
以上のような目的を達成するために、本発明は以下のようなものを提供する。
請求項1に係る発明では、クラブヘッドとクラブシャフトとを備えたゴルフスイング練習用器具であって、クラブヘッドはフェイス面とバックフェイス面とを有し、クラブヘッドのバックフェイス面を仮想ゴルフボールの仮想飛行線に対して略直角に形成すると共に、クラブシャフトにおいて、グリップの基端把持側手掌の親指の指腹面が当接する面のクラブシャフト本体上における延長線上に基準平坦面を形成し、基準平坦面は正しいバックスイング時にのみプレイヤーヘッドと対面直視状態となるように構成したことを特徴とするゴルフスイング練習用器具。
請求項2に係る発明では、前記クラブヘッドは前記フェイス面と前記バックフェイス面とを略平行に形成したことを特徴とする請求項1に記載のゴルフスイング練習用器具。
請求項3に係る発明では、前記基準平坦面はバックスイングする前記プレイヤーが認識しやすい色彩や模様や形状等を施してなることを特徴とする請求項1または2に記載のゴルフスイング練習用器具。
請求項4に係る発明では、前記フェイス面又は/及び前記バックフェイス面はバックスイングする前記プレイヤーが認識しやすい色彩や模様や形状等を施してなることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のゴルフスイング練習用器具。
請求項5に係る発明では、前記基準平坦面は前記クラブヘッドに対してバックスイング側に略45°傾斜して形成していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のゴルフスイング練習用器具。
請求項6に係る発明では、前記クラブシャフトは前記クラブヘッドに対して略45°垂直方向に対して上方へ傾斜して連結していることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のゴルフスイング練習用器具。
本発明によるゴルフスイング練習用器具によれば、クラブヘッドのバックフェイス面を仮想ゴルフボールの仮想飛行線に対して略直角に形成することでアドレス及びインパクトの際のクラブヘッドの向きを容易に確認可能にすると共に、クラブシャフトにおいて、グリップの基端把持側手掌の親指の指腹面が当接する面のクラブシャフト本体上における延長線上に基準平坦面を形成し、基準平坦面は正しいバックスイング時にのみプレイヤーヘッドと対面直視状態となるように構成したことで正しいグリップの握り位置の習得と正しいバックスイング時のクラブヘッドの軌道を容易に確認して矯正できる。
本発明の一実施形態に係るゴルフスイング練習用器具を示す図である。 本発明の一実施形態に係るゴルフスイング練習用器具を示す図である。 本発明の一実施形態に係るゴルフスイング練習用器具を示す図である。 本発明の一実施形態に係るゴルフスイング練習用器具を用いた際の仮想ゴルフボールに対するアドレスの状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係るゴルフスイング練習用器具のグリップを把持する様子を示す図である。 本発明の一実施形態に係るゴルフスイング練習用器具を用いた際のアドレス以降の一部の状態を時系列で示す図である。 本発明の一実施形態に係るゴルフスイング練習用器具を用いた際のトップまでの一部の状態を時系列で示す図である。 アドレス、及びテイクバックの状態でプレイヤーが視認する景色の一例を示す図である。 本発明の第一変形例に係るゴルフスイング練習用器具を示す図である。 本発明の第一変形例に係るゴルフスイング練習用器具を示す図である。 本発明の第一変形例に係るゴルフスイング練習用器具を示す図である。 本発明の第二変形例に係るゴルフスイング練習用器具を示す図である。
本発明の要旨は、正しいグリップの握り位置を習得可能にすると共に、アドレスからトップまでのバックスイング時のクラブヘッドの軌道を容易に確認でき、正しいスイングフォームに矯正可能なゴルフスイング練習用器具の提供を図ろうとするものである。
以下、本発明に係るゴルフスイング練習用器具の一実施形態と変形例について図面を参照しながら説明する。また、本説明中において左右同一又は左右対称の構造や部品については、原則として同一の符号を付し、左右何れか一方のみを説明して、他方については説明を適宜省略する。
また、本説明中においては右利きのプレイヤーが使用する器具であることを前提として説明するが、左利きのプレイヤーが使用する場合には、説明中の左右の関係が逆になるだけであり、左利き用の器具については説明を省略する。
なお、本発明に係るゴルフスイング練習用器具は、実際にゴルフボールを打つものではなく、室内等の限られた空間でもフルスイングを可能とする大きさに形成されており、ゴルフボールを打つことなくスイングフォームを習得できるように構成されたものである。
[一実施形態]
図1aは本発明の一実施形態に係るゴルフスイング練習用器具1を示す正面図であり、図1bは背面図であり、図1cは斜視図であり、図2(a)仮想ゴルフボール50に対するアドレスの状態を示す正面図であり、図2(b)は左側面図であり、図2(c)は平面図であり、図3は本発明の一実施形態に係るゴルフスイング練習用器具1のグリップ6を把持する様子を示す正面図であり、図4(a)〜図5(c)はアドレスからトップまでの状態を時系列で示す正面図であり、図6はアドレス、及びテイクバックの状態でプレイヤーが視認する景色の一例を示す図である。
本発明の一実施形態に係るゴルフスイング練習用器具1は、クラブヘッド2とクラブシャフト3とを備え、クラブヘッド2はフェイス面4とバックフェイス面5とを有し、クラブヘッド2のバックフェイス面5を仮想ゴルフボール50の仮想飛行線(仮想ゴルフボール50が移動する水平方向の理想的な軌道であり、仮想ゴルフボール50の進行方向の前後に渡る仮想の直線を示す)51に対して略直角に形成すると共に、クラブシャフト3において、グリップ6の基端把持側7手掌の親指301の指腹面が当接する面のクラブシャフト3本体上における延長線上に基準平坦面8a(網掛け部分)を形成し、基準平坦面8aは正しいバックスイング時にのみプレイヤーヘッド302と対面直視状態となるように構成されている。
このように構成することで、アドレス及びインパクトの際のクラブヘッド2の向きを容易に確認できると共に、正しいグリップ6の握り位置の習得と正しいバックスイング時のクラブヘッド2の軌道を容易に確認して矯正することができる。
なお、以下の説明におけるバックスイングとは図4(c)に示す状態後から図5(c)に示すトップまでの動作、すなわち、クラブシャフト3が略水平の状態よりもプレイヤー300側に上方へ傾いた状態からトップまでの動作を示すこととする。
更に、テイクバックとは図4(a)に示すアドレス後の状態から、図4(c)に示すクラブシャフト3が略水平となる状態までの動作を示すこととする。
以下に、本発明の一実施形態に係るゴルフスイング練習用器具1の各部の構成について詳述する。
図1、図2に示すようにクラブヘッド2は木製で1辺が略9cmの正方形立方体状に形成され、仮想ゴルフボール50の仮想飛行線51と略直交する右面をフェイス面4とし、左面をバックフェイス面5としている。また、クラブヘッド2の上面9とフェイス面4の上端部とが直交する角部をフェイス角部10とし、クラブヘッド2の上面9とバックフェイス面5の上端部とが直交する角部をバックフェイス角部11としている。
このように形成することでアドレスの際に、フェイス面4やバックフェイス面5ばかりでなく、フェイス角部10やバックフェイス角部11を基準として仮想ゴルフボール50の仮想飛行線51に対してクラブヘッド2の向きを容易に合わせることができる。特に、バックフェイス面5を仮想ゴルフボール50の仮想飛行線51に対して略直角に形成しているので、バックフェイス面5の面積や形状を把握しつつ仮想飛行線51に対してクラブヘッド2の向きを容易に合わせることができる。
また、フェイス面4とバックフェイス面5には、アドレスからバックスイングの際にプレイヤー300が認識しやすい色彩が施されている。なお、プレイヤー300が認識しやすいものであれば、色彩以外に、例えば模様や形状等を施してもよく、バックフェイス面5のみに施してもよい。
このように、少なくともバックフェイス面5に色彩等を施すことで、例えば図6に示すように、アドレスA時にプレイヤー300から視認されるバックフェイス面5の面積や形状を容易に把握できる。更に、テイクバックB時やバックスイング中においてもプレイヤー300がクラブヘッド2側に視線を向ければ同様にバックフェイス面5の面積や形状を容易に把握できる。
すなわち、アドレス時の状態とテイクバックやバックスイング時のバックフェイス面5の面積等をプレイヤー300が容易に比較することができるため、手首の角度や体の開き具合等を容易に判断することができる。
また、フェイス面4とバックフェイス面5に直交する面であって、アドレス時にプレイヤー300側を向いたシャフト面12には、後述するクラブシャフト3が連設されている。
なお、クラブヘッド2の材料は軽量で加工性の良い木製としているが、木以外の他の材料を用いてもよい。更に、クラブシャフト3も含めてゴルフスイング練習用器具1全体の重量バランスを実際のゴルフクラブの重量に近似したものとしてもよく、その際の材料は特に限定されない。
また、クラブヘッド2の形状は正方形立方体状である必要はなく、少なくとも上述したバックフェイス面5を有していれば任意の形状としてもよく、大きさも特に限定されるものではない。
クラブシャフト3は木製で長さが略40cm、正四角形の1辺が2.7cmの正四角柱状に形成され、クラブシャフト3の一端部をクラブヘッド2のシャフト面12に略45°垂直方向に対して上方へ傾斜して連結している。また、クラブシャフト3は、シャフト面12に対してクラブシャフト3の軸線周りに略45°回転させて連結し、バックスイング側に相当する上側平坦面を基準平坦面8aとしている。すなわち、基準平坦面8aが垂直方向に対して略45°傾斜するように形成している。なお、クラブシャフト3の他端部側は、プレイヤー300がゴルフスイング練習用器具1を使用する際に把持するグリップ6としている。
このように、クラブシャフト3をクラブヘッド2のシャフト面12に略45°垂直方向に対して傾斜して連結することで、アドレス時にクラブヘッド2の上面9を略水平に保つように構えると、一般的なプレイヤー300が実際のゴルフクラブにおいて最も長尺のドライバー(1番ウッド)を使用した際の構えに相当するアドレスを再現することができる。
なお、上面9には、液体と気泡とを密封して構成した気泡水準器(図示せず)を配設してもよい。
また、クラブシャフト3をシャフト面12に対してクラブシャフト3の軸線周りに略45°回転させて連結することで、図3に示すようにプレイヤー300の左手303側グリップ6の基端把持側7手掌の親指301の指腹面を基準平坦面8aに沿わせて把持し、右手304を添えて握ることで、容易にストロンググリップを形成することができる。ここで、ストロンググリップとは、左手303の親指301をクラブヘッド2のフェイス面4を基準としてクラブシャフト3の右側に位置するように把持すること、すなわち、アドレス時に左手303の甲305が左斜め上方を向いた状態となった握り方を意味する。
また、基準平坦面8aには、アドレスからバックスイングの際にプレイヤー300が認識しやすい色彩が施されている。なお、プレイヤー300が認識しやすいものであれば、色彩以外に、例えば模様や形状等を施してもよい。
また、基準平坦面8aには、液体と気泡とを密封して構成した気泡水準器(図示せず)を配設してもよい。
このように基準平坦面8aに色彩等を施すことで、例えば図6に示すように、アドレスA時にプレイヤー300から視認される基準平坦面8aの面積や形状を容易に把握できる。更に、テイクバックB時やバックスイング中においてもプレイヤー300がクラブヘッド2側に視線を向ければ同様に基準平坦面8aの面積や形状を容易に把握できる。
すなわち、アドレス時の状態とテイクバックやバックスイング時の基準平坦面8aの面積等をプレイヤー300が容易に比較することができるため、手首の角度や体の開き具合等を容易に判断することができる。
また、実際にゴルフを行う際に使用するゴルフクラブ(図示せず)のクラブシャフトは周面が略一様な円柱状であり、断面は円形であるため、少なくともグリップを把持した基端把持側手掌の親指の指腹面がクラブシャフトの周面のどの部分に位置しているのかを目視以外で認識することはできない。しかしながら、本ゴルフスイング練習用器具1のクラブシャフト3は正四角柱状に形成されており、断面が正方形であるため、無造作にグリップ6を把持しても基準平坦面8aに基端把持側7手掌の親指301の指腹面を沿わせることが容易であると共に、親指301の位置をプレイヤー300が明確に意識して練習を行うことができる。
また、右利き、左利きの両者に共通して使用できるように構成するに際して、フェイス面4とバックフェイス面5とを略平行に形成することでクラブヘッド2を共通化できるばかりでなく、図1に示すようにバックスイング側とは反対側に相当する側のクラブシャフト3の上側においても、必然的に略45°の傾斜となる別途の基準平坦面8bが形成されるため、左右兼用のゴルフスイング練習用器具の製造が容易となる。
なお、基準平坦面8aは線ではなく面である必要がある。例えば、グリップ6の基端把持側7手掌の親指301の指腹面が当接する面のクラブシャフト3本体上における延長線上に基準平坦面8aではなく基準線(図示せず)を形成した場合、クラブシャフト3の傾きによる線の面積の違いを把握することは困難であるばかりか、面積によって形成される線の形状の違いも把握し難い。すなわち、スイング中におけるクラブシャフト3の傾き具合を線によって把握することは困難である。よって、基準平坦面8aは面である必要がある。
以上説明したように本発明の一実施形態に係るゴルフスイング練習用器具1は構成されている。
次に、本発明に係るゴルフスイング練習用器具1について好適なスイングフォームの1例を習得する際の使用例について説明する。
ここで、アドレス時に両腕310,311とクラブシャフト3が同一平面上となるように構えれば、両肩308,309とクラブヘッド2とで仮想的に形成される仮想板(図示せず)に沿うようにして両腕310,311を振り上げ、そのままの軌道で振り下ろせばよい。しかしながら、トップからインパクトに至るまではこのような軌道で良いが、アドレスからトップに至るまでの軌道が上述したようなものであると、手首の柔軟性が阻害され、更に、両肩308,309や腰の回転が不充分となり、クラブヘッド2に充分な遠心力を与えることができない等、スイングとしては多くの欠点を有することとなる。
そこで、実際のスイングにおいては、図2(b)に示すように、両腕310,311とクラブシャフト3とは角度を有するように構えることになり、少なくともアドレスからテイクバックまでの間は上述した仮想板よりも両腕310,311が下方へ位置することとなる。しかし、トップからインパクトに至るまでは両腕310,311が仮想板に沿って動くため、2つの軌道を習得することが必要となる。
ここで、アドレス、テイクバック、バックスイング、トップ、ダウンスイング、インパクト、フォロースルー、フィニッシュに至る一連の動作の中で、アドレス、トップ、フィニッシュの各動作は、それぞれ動作が停止した状態であり、自分でスイングフォームを確認することは容易である。また、テイクバックを含めバックスイングは連続動作であるが、自分の意思で任意の位置に止めることができるため、同様に自分でスイングフォームを確認することが可能である。しかし、ダウンスイングからインパクト、フォロースルーにかけては、完全な連続動作となるため自分でゴルフクラブの軌跡等を確認することは困難である。
しかしながら、ダウンスイングからインパクトまでの動作は、テイクバックやバックスイングの際の両肩308,309や腰の回転により遠心力を得ながら戻す動作に他ならず、すなわち、両腕310,311を仮想板に沿ったイメージで戻せばよいため、テイクバックやバックスイングに比して習得するための困難性は高くない。従って、いかにして自然体で正確なテイクバックを含めたバックスイングを行うことができるか、それが、スイングフォームにおいて重要となる。本発明に係るゴルフスイング練習用器具1は、例えば、以下に示すような使用例を実践することで、このような課題を解決することができる。
なお、本使用例によれば、プレイヤー300自身が想定するゴルフクラブの番手によって、ゴルフクラブの仮想長さに応じ背中の傾斜角度を変化させるだけで、パタークラブを含め、全ての番手に共通したスイングフォームを習得することができる。この場合、背中の傾斜角度はスイング軌道の傾斜角度の違いとして現れることになる。
まず、図3に示すように、プレイヤー300の左手303側グリップ6の基端把持側7手掌の親指301の指腹面を基準平坦面8aに沿わせて把持し、右手304を添えて握る。このようにクラブシャフト3を把持することで容易にストロンググリップを形成することができる。
アドレスは、図2(a)、(b)、(c)、図4(a)に示すように、両脚306,307を肩幅程度に開き、フェイス面4、またはバックフェイス面5、若しくはフェイス角部10またはバックフェイス角部11を基準として仮想ゴルフボール50の仮想飛行線51に対してクラブヘッド2の向きが略直角となるように合わせる。この場合、クラブヘッド2の上面9が略水平となるように構えると、ドライバー等の長尺のゴルフクラブを想定したアドレスとなる。
また、図6に示すように、アドレスAの際にプレイヤー300から視認されるバックフェイス面5や基準平坦面8aの面積と形状を覚えておくことで、後のスイングフォームの確認において有効となる。
次に、図4(b)に示すようにテイクバックを開始する。この場合、両肩308,309と両腕310,311で形成される略三角形を維持したまま両肩308,309、次いで腰の順でそれらを回転させながらゴルフスイング練習用器具1を振り上げていく。このとき、図6に示したテイクバックB時に、プレイヤー300がゴルフスイング練習用器具1側に顔を向けた際、プレイヤー300から視認されるバックフェイス面5や基準平坦面8aの面積や形状の見え方が図6に示したアドレスA時の状態と同様であれば、理想的なテイクバックができていることになる。
また、クラブシャフト3が略水平の位置に相当する図4(c)の状態になったら、スイングを停止させ、基準平坦面8aの状態を確認する。この場合、クラブシャフト3に対して略45°右側にずらした角度で把持する本ストロンググリップにおいては、基準平坦面8aが略水平、すなわち基準平坦面8aがクラブシャフト3の真上(図中の矢印方向)を向いていることが理想とされる。更に、このような理想的な状態においては、左手303の甲305が地面に対して略垂直となっている。
従って、基準平坦面8aが略水平となっていない場合には、左手303の甲305が地面側に傾斜、または上方側に傾斜しているため、プレイヤー300はこのような状態を基準平坦面8aを視認するだけで容易に確認することができる。
更に、基準平坦面8aが略水平となっていれば、この時にプレイヤー300が視認できるバックフェイス面5の面積や形状はアドレスAの際に確認していた図6に示すようなバックフェイス面5の面積や形状と同じような見え方となる。これは、上述したように図6で示したテイクバックB時の状態とも一致するものである。従って、基準平坦面8aの視認のみならず、バックフェイス面5を視認することでもスイングフォームの確認を容易に行うことができる。
また、図5(c)に示すトップの位置に至るまでの図4(d)、図5(a)、(b)に示すバックスイングの各段階においては、基準平坦面8aが常にプレイヤーヘッド302と対面直視状態(図中の矢印方向)となるように、すなわち、基準平坦面8aの向く方向がトップに至るまで常にプレイヤーの頭部302方向を向いている状態が理想となる。
従って、バックスイングの途中でスイングを停止させ、クラブシャフト3側に顔を向けた際に、基準平坦面8aがプレイヤー300側を向いているか否かを視認するだけで自分のバックスイングのフォームを容易に確認することができる。この場合も、バックフェイス面5の面積や形状を視認することで、アドレスA時の状態との差異を容易に確認することができる。
このようにバックスイングにおいて、クラブシャフト3が略水平状態からトップに至るまでのクラブシャフト3の軌道を上述したように維持することは、必然的に右脇がしぼられた状態であって、更に、右肘が地面と略垂直状態となるような理想的なスイングフォームを習得することに他ならない。
このように、本発明の一実施形態に係るゴルフスイング練習用器具1を用いれば、多くの一般的なアマチュアゴルファーが悩む正しいバックスイングの軌道、すなわち正しいバックスイングのフォームを容易に習得することができると共に、基準平坦面8aやバックフェイス面5の状態から体のどの部分の動きに問題があるのかを容易に知ることができる。また、正しいテイクバックの軌道も同様に容易に習得できることは言うまでもない。
このような事を可能にするのは、本ゴルフスイング練習用器具1のバックフェイス面5の位置と基準平坦面8aの位置とが、変化することなく固定された位置関係にあるからである。すなわち、バックフェイス面5をコントロールすることは、グリップ6を把持した両手303,304や両腕310,311をコントロールすることを示しており、基準平坦面8aに基端把持側7手掌の親指301の指腹面を沿わせてグリップ6を把持すれば、必然的にバックフェイス面5の動きを確認することができるのである。
従って、両手303,304や両腕310,311をコントロールする際に付随して連動する両肩308,309や腰をコントロールしようとする時に、両腕310,311等が正しい動きをしているのか否かを判断するためには、バックフェイス面5の状態を確認すれば一目瞭然となる。これは、本ゴルフスイング練習用器具1が、プレイヤー300自身の体との間で相互作用をなすように構成されているからである。
なお、トップからインパクトまでのダウンスイングについては、クラブヘッド2が仮想ゴルフボール50に当たるようにイメージしながら、両腕310,311とクラブシャフト3を上述した仮想板に沿った軌道で振り下ろせばよい。
次に、本発明の一実施形態に係るゴルフスイング練習用器具1の第一・第二変形例について説明する。なお、本説明中においては、上述したゴルフスイング練習用器具1と同一の構造については同一の符号を付すと共に、説明を適宜省略する。
[第一変形例]
図7a、図7b、図7cは、第一変形例に係るゴルフスイング練習用器具100の正面図と背面図、及び斜視図を示したものである。
このように、第一変形例に係るゴルフスイング練習用器具100は、上述した一実施形態に係るゴルフスイング練習用器具1のクラブシャフト3の形状に差異があるものである。具体的には、クラブシャフト101は木製で長さが略40cm、直径が2.7cmの円柱状に形成されており、クラブヘッド2と連結するシャフト面12と反対側のグリップ102との間に基準平坦面103(網掛け部分)を形成している。
基準平坦面103は、クラブシャフト101のバックスイング側に相当する側の上側において、クラブシャフト101の軸線周りの一部を削り、略45°の傾斜となる基準平坦面103を形成している。
このように形成することで、クラブシャフト101において、グリップ102の基端把持側104手掌の親指301の指腹面が当接する面のクラブシャフト101本体上における延長線上に基準平坦面103が位置するように握れば、上述した一実施形態に係るゴルフスイング練習用器具1と同様の目的を達成することができる。
また、クラブシャフト101のグリップ102が円柱状であるため、違和感無くグリップ102を把持することができると共に、長時間使用しても疲れ難い。
また、右利き、左利きの両者に共通して使用できるように、フェイス面4とバックフェイス面5とを略平行に形成することでクラブヘッド2を共通化し、バックスイング側とは反対側に相当する側のクラブシャフト101の上側においても、クラブシャフト101の軸線周りの一部を削り、略45°の傾斜となる別途の基準平坦面(図示せず)を形成してもよい。
[第二変形例]
図8(a)、図8(b)は、第二変形例に係るゴルフスイング練習用器具200の正面図と斜視図を示したものである。
このように、第二変形例に係るゴルフスイング練習用器具200は、上述した一実施形態に係るゴルフスイング練習用器具1のクラブシャフト3の取付位置に差異があるものである。具体的には、上述した一実施形態に係るゴルフスイング練習用器具1のクラブシャフト3を、クラブヘッド2のシャフト面12の中心に垂直に連結している。
また、クラブシャフト3は、シャフト面12に対してクラブシャフト3の軸線周りに略45°回転させて連結し、バックスイング側に相当する上側平坦面を基準平坦面8a(網掛け部分)としている。すなわち、基準平坦面8aが垂直方向に対して略45°傾斜するように形成している。なお、クラブシャフト3の他端部側は、プレイヤー300がゴルフスイング練習用器具200を使用する際に把持するグリップ6としている。
このように形成することで、上述した一実施形態に係るゴルフスイング練習用器具1と同様の目的を達成することができる。
また、構造が単純なため、ゴルフスイング練習用器具200の各部品コストを低く抑えることができると共に、組立性も良好となり製造原価を低廉に抑えることができるため経費的に有利となる。
更に、右利き、左利きの両者に共通して使用できるように構成するに際して、フェイス面4とバックフェイス面5とを略平行に形成することでクラブヘッド2を共通化できるばかりでなく、図8に示すようにバックスイング側とは反対側に相当する側のクラブシャフト3の上側においても、必然的に略45°の傾斜となる別途の基準平坦面8bが形成されるため、左右兼用のゴルフスイング練習用器具の製造が容易となる。
以上、本発明の好ましい実施形態と変形例を説明したが、本発明は係る特定の実施形態や変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 ゴルフスイング練習用器具(一実施形態)
2 クラブヘッド
3 クラブシャフト
4 フェイス面
5 バックフェイス面
6 グリップ
7 基端把持側
8a 基準平坦面(右利き用の一実施形態と第二変形例)
8b 基準平坦面(左利き用の一実施形態と第二変形例)
50 仮想ゴルフボール
51 仮想飛行線
100 ゴルフスイング練習用器具(第一変形例)
103 基準平坦面(右利き用の第二変形例)
200 ゴルフスイング練習用器具(第二変形例)
300 プレイヤー
301 親指
302 プレイヤーヘッド
請求項1に係る発明では、クラブヘッドとクラブシャフトとを備えたゴルフスイング練習用器具であって、クラブヘッドはフェイス面とバックフェイス面とを有し、クラブヘッドのバックフェイス面を仮想ゴルフボールの仮想飛行線に対して略直角に形成すると共に、クラブシャフトには、クラブヘッドに対してバックスイング側に45°傾斜して斜め上方を向きバックスイングするプレイヤーが認識しやすい色彩や模様を施してなる基準平坦面を形成し、クラブシャフトにおいて、グリップの基端把持側手掌の親指の指腹面が当接する面のクラブシャフト本体上における延長線上に基準平坦面が位置するように把持することで、基準平坦面は正しいバックスイング時にのみプレイヤーヘッドと対面直視状態となるように構成したことを特徴とするゴルフスイング練習用器具。
請求項に係る発明では、前記フェイス面又は/及び前記バックフェイス面はバックスイングする前記プレイヤーが認識しやすい色彩や模様を施してなることを特徴とする請求項1または2に記載のゴルフスイング練習用器具。
請求項に係る発明では、前記クラブシャフトは前記クラブヘッドに対して45°垂直方向に対して上方へ傾斜して連結していることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載のゴルフスイング練習用器具。
請求項1に係る発明では、クラブヘッドとクラブシャフトとを備えたゴルフスイング練習用器具であって、クラブヘッドはフェイス面とバックフェイス面とを有し、クラブヘッドのバックフェイス面を仮想ゴルフボールの仮想飛行線に対して略直角に形成すると共にバックフェイス面にはバックスイングするプレイヤーがバックフェイス面の面積や形状を認識しやすい色彩や模様を施し、クラブシャフトには、クラブヘッドに対してバックスイング側に45°傾斜して斜め上方を向きバックスイングするプレイヤーが面積や形状を認識しやすい色彩や模様を施してなる基準平坦面を形成し、クラブシャフトにおいて、グリップの基端把持側手掌の親指の指腹面が当接する面のクラブシャフト本体上における延長線上に基準平坦面が位置するように把持することで、基準平坦面は正しいバックスイング時にのみプレイヤーヘッドと対面直視状態となるように構成したことを特徴とするゴルフスイング練習用器具。
請求項3に係る発明では、前記基準平坦面には、前記クラブシャフトが略水平となった際に前記基準平坦面が略水平であるか否かを示す気泡水準器を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のゴルフスイング練習用器具。

Claims (6)

  1. クラブヘッドとクラブシャフトとを備えたゴルフスイング練習用器具であって、
    クラブヘッドはフェイス面とバックフェイス面とを有し、
    クラブヘッドのバックフェイス面を仮想ゴルフボールの仮想飛行線に対して略直角に形成すると共に、
    クラブシャフトにおいて、グリップの基端把持側手掌の親指の指腹面が当接する面のクラブシャフト本体上における延長線上に基準平坦面を形成し、基準平坦面は正しいバックスイング時にのみプレイヤーヘッドと対面直視状態となるように構成したことを特徴とするゴルフスイング練習用器具。
  2. 前記クラブヘッドは前記フェイス面と前記バックフェイス面とを略平行に形成したことを特徴とする請求項1に記載のゴルフスイング練習用器具。
  3. 前記基準平坦面はバックスイングする前記プレイヤーが認識しやすい色彩や模様や形状等を施してなることを特徴とする請求項1または2に記載のゴルフスイング練習用器具。
  4. 前記フェイス面又は/及び前記バックフェイス面はバックスイングする前記プレイヤーが認識しやすい色彩や模様や形状等を施してなることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のゴルフスイング練習用器具。
  5. 前記基準平坦面は前記クラブヘッドに対してバックスイング側に略45°傾斜して形成していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のゴルフスイング練習用器具。
  6. 前記クラブシャフトは前記クラブヘッドに対して略45°垂直方向に対して上方へ傾斜して連結していることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のゴルフスイング練習用器具。
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