JP2015180615A - フルフラールの製造方法 - Google Patents

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裕介 市川
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Abstract

【課題】ヘミセルロースを含むバイオマス原料から、金属製の反応器の金属部分の腐食を抑制して、生産効率良くフルフラールを製造するフルフラールの製造方法を提供する。【解決手段】硫酸を含む触媒と、ヘミセルロースを含むバイオマス原料とを、金属製の反応器内に供給し、120℃以上230℃以下の過熱水蒸気を前記バイオマス原料に通気してフルフラールを生成する反応工程を有するフルフラールの製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、フルフラールの製造方法に関する。
フルフラールを水素化することによって生成されるフルフリルアルコールは、フラン樹脂に加工され、鋳物製造用の鋳型用の樹脂、接着剤、プラスチック材料等、幅広く使われている。石化原料に依存せず、バイオマス資源を原料としてプラスチック材料等を製造することは、二酸化炭素の排出量を抑制し、石油の枯渇問題の解消等、環境面への負担を軽減することができ、注目されている。
フルフラールをバイオマス原料から製造する方法は古くから研究されており、1921年にクエーカーオーツ社がフルフラールのバッチ製造プロセスを工業化している。フルフラールを製造する方法としては、ペントサン、ペントース等を含むバイオマス原料に触媒として硫酸を添加した後、飽和水蒸気と接触させる方法(例えば、非特許文献1及び2参照)が古くから知られている。
しかし、触媒として使用する硫酸は価格が安く入手が容易である等の利点があるが、反応器の金属部分を腐食させる難点があった。非特許文献3には、硫酸水溶液中の各種金属材料の耐食性が示されている。非特許文献1では、硫酸による腐食を想定し、厚さ50mmの鋼材を反応器に使用していることが報告されている。
また、反応器の腐食を抑制し、バイオマス原料からフルフラールを製造する方法として、バイオマス原料を、特定のアルカリ金属とリン酸との塩を含む水溶液層及び有機溶媒層の二層系で反応する方法が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
また、フルフラールを製造する方法ではないが、300℃以上の水蒸気で金属表面処理することで耐食性部材を製造する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
更に、直列連続槽型反応器中で気体酸を用いたバイオマスの加水分解によりフルフラールを製造する方法(例えば、特許文献3参照)、飽和水蒸気を用いた方法(例えば、特許文献4参照)なども知られている。
特開2012−149008号公報 国際公開第2008/044555号 中国特許出願公開第102766120号明細書 特開昭52−118460号公報
Karl J. Zeitsch, Sugar Series13, The chemistry and technology of furfural and its many by-products(2000). P.K.N.Panicker,Chem.AGE OF INDIA,26(1975),P.457-464. 幡野佐一著、『改訂化学装置材料耐食表』化学工業社(1989)、P.63-68.
これまでに開示されているペントサン、ペントース等を含むバイオマス原料を硫酸触媒の存在下に水蒸気と接触させてフルフラールを製造する方法は、反応器材質を腐食させる課題があった。非特許文献3に記載されているように、耐食性材料として知られているニッケル合金、チタン等であっても硫酸水溶液中において金属の腐食速度が著しく速いことが知られており、非特許文献1に記載されているように、金属の腐食を想定して反応器の金属部分の厚みを増す方法だけでは、根本的な解決にならず高温の水蒸気を用いるフルフラールの製造においては、設備補修が必要となるために長時間運転することが困難であった。
特許文献1に記載されている方法では、有機層からフルフラールを回収する操作が必要であった。また、特許文献1に記載されている方法では、使用する有機溶媒を高収率で回収し、再利用する必要があり、生産効率よくフルフラールを製造することが困難であった。また、原料を水に溶解させる必要があるため、バイオマス原料を糖化処理する工程も必要となる等の課題もあった。
特許文献2には、300℃以上の水蒸気で金属表面処理することで、金属に耐食性を付与することが報告されているが、バイオマス原料に供給する水蒸気温度を300℃以上にすると、バイオマス原料の変性、生成したフルフラールの熱分解等の課題があるため、別途金属表面処理工程を含める必要がある。
また、特許文献2に記載の方法で予め反応器に耐食性を与えてから、耐食化した反応器でフルフラールの製造をすると、フルフラールの生産工程に、定期的に反応器を耐食化する工程を含める必要があり、フルフラールの生産効率が低下した。
特許文献3では、液体酸触媒において装置が腐食し、副反応が多く、酸含有スラグの処理が難しいこと、気体酸触媒においてフルフラール含有量が低く、エネルギー消費が高いとして、気体酸を用いることに着目している。また、特許文献4のように飽和水蒸気を用いても反応器の金属の腐食は抑制しにくかった。
本発明は、ヘミセルロースを含むバイオマス原料から、金属製の反応器の金属部分の腐食を抑制して、有機溶媒の回収工程及び反応器を耐食化する工程が不要であり、生産効率良く且つ簡易な方法でフルフラールを製造するフルフラールの製造方法を提供することに関する。
本発明は、硫酸を含む触媒と、ヘミセルロースを含むバイオマス原料とを、金属製の反応器内に供給し、120℃以上230℃以下の過熱水蒸気を前記バイオマス原料に通気してフルフラールを生成する反応工程を有するフルフラールの製造方法である。
本発明によれば、ヘミセルロースを含むバイオマス原料から、金属製の反応器の金属部分の腐食を抑制して、生産効率良くフルフラールを製造することができる。
比較例3のテストピース表面を撮影した光学像である。
本発明のフルフラールの製造方法は、硫酸を含む触媒と、ヘミセルロースを含むバイオマス原料とを、金属製の反応器内に供給し、120℃以上230℃以下の過熱水蒸気を前記バイオマス原料に通気してフルフラールを生成する反応工程を有する。
本発明のフルフラールの製造方法は、更に、他の工程を有していてもよく、例えば、バイオマス原料中に含まれる水分量を調整する水分量調整工程を有していてもよい。
本発明の製造方法により反応器の金属部分の腐食を抑制することができる理由は必ずしも明確ではないが、以下のように考えられる。
触媒として液体酸である硫酸を用いる反応では、液体の水が存在することによりバイオマス原料中に触媒が拡散することができ、反応が促進される。しかし、硫酸のイオン解離により生じた水素イオンの影響で、反応器の金属部分が腐食される。
本発明の製造方法では、飽和水蒸気ではなく、乾燥作用のある過熱水蒸気を用いるために、バイオマス原料の表面が乾燥することで、硫酸はバイオマス原料の内部に存在し、バイオマス原料の表面にほとんど存在しないと考えられる。そのために、硫酸が反応器の金属部分と接触する可能性が低くなり、反応器の金属部分の腐食が抑制されると考えられる。また、バイオマス原料の内部には硫酸が存在するためにヘミセルロースと水の反応性は抑制されないと考えられる。さらに反応温度が高いとバイオマス原料中の水分が減少し、硫酸水溶液の濃度は高くなるにも関わらず、硫酸が反応器の金属部分と接触する可能性がさらに低くなり、金属部分の腐食がさらに抑制されると考えられる。
従って、本発明のフルフラールの製造方法によれば、特別な耐食処理が施された反応器を用いたり、反応器に対して特別な耐食化を施す工程を行うことなく、金属製の反応器の金属部分の腐食を抑制して、生産効率良くフルフラールを製造することができる。
まず、本発明のフルフラールの製造方法に用いるバイオマス原料、触媒、及び反応器について説明する。
<バイオマス原料>
本発明のフルフラールの製造方法で用いるバイオマス原料は、ヘミセルロースを含めば特に限定されず、例えば、草本系バイオマス、木質系バイオマス等が挙げられ、入手性の観点から、好ましくは草本系バイオマスである。
草本系バイオマスの例としては、サトウキビ、麦、コメ、とうもろこし、竹、ススキ、ケナフ、スイッチグラス等から得られるものが挙げられる。これらの中でも入手性の観点から、好ましくは農業残渣(ざんさ)のバガス、麦わら、稲わら、とうもろこし芯、又はとうもろこしの穂軸であり、より好ましくはバガス、とうもろこし芯であり、更に好ましくはバガスである。ここで、バガスとは、サトウキビの搾汁した後の残渣を指す。
木質系バイオマスの例としては、廃建材、森林残材、木質チップ、木屑、おが屑、古紙等が挙げられる。木材の種類では、キシロースの含有量が多い観点から、広葉樹系の木材が好ましい。
これらのバイオマス原料は、単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。また、バイオマス原料は粉砕機で粉砕して用いてもよい。
<触媒>
本発明の製造方法において、触媒が原料中に拡散し且つ過熱水蒸気と共に揮発せずに原料中に留まり反応を進行させ、フルフラールの収率を向上させる観点から、硫酸を含む触媒を用いる。
本発明の製造方法に用いる触媒は、硫酸を含んでいれば特に制限されず、本発明の効果を損なわない範囲で、硫酸以外に、例えば、塩酸、リン酸、ギ酸、酢酸、クロム酸等を含んでいてもよい。フルフラールの収率を向上させる観点及び入手性の観点から、触媒全量中、硫酸の含有量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
硫酸は、バイオマス原料に均一に付与する観点から、水溶液として用いることが好ましい。
また、触媒は、反応器の金属部分の腐食を抑制する観点及びフルフラールの収率を向上させる観点から、予め、バイオマス原料に付与、例えば、バイオマス原料に含浸させることが好ましい。
触媒をバイオマス原料に付与する方法としては、例えば、硫酸水溶液中にバイオマス原料を浸漬する方法、バイオマス原料に硫酸水溶液を散布する方法等が挙げられる。
触媒を目的の濃度で均一にバイオマス原料に付与する観点から、硫酸水溶液中にバイオマス原料を投入し撹拌する方法、撹拌中のバイオマス原料に硫酸水溶液を散布する方法等により、バイオマス原料に触媒を付与することが好ましい。
バイオマス原料に対する触媒の使用量は、バイオマス原料からのフルフラールの収率を向上させる観点から、バイオマス乾燥質量1質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.03質量部以上、更に好ましくは0.04質量部以上である。
バイオマス原料に対する触媒の使用量は、反応器の金属部分の腐食を抑制する観点から、バイオマス乾燥質量1質量部に対して、好ましくは0.20質量部以下、より好ましくは0.15質量部以下、更に好ましくは0.10質量部以下、より更に好ましくは0.06質量部以下である。
<反応器>
本発明の製造方法において、過熱水蒸気を接触させて、バイオマス原料を効率よく加熱する観点から、金属製の反応器を用いる。
金属製の反応器とは触媒が接触する部分の全部又は一部が金属製の反応器である。
反応器の形状及び構成は、バイオマス原料と過熱水蒸気を接触させることができれば特に制限されない。例えば、直立円筒状の反応器にバイオマス原料を充填する充填層型反応器、水平方向に傾斜させて設置した円筒状の反応器を、円筒の軸方向と直行する方向に回転させて使用する回転円筒型反応器等がある。また、反応器内の温度及びバイオマス原料に対する硫酸の濃度を均一にする観点から、バイオマス原料を撹拌する攪拌機を設置してもよい。バイオマス原料の効率的な加温を目的に、外部ジャケット、内部コイル等が反応器に設置されていてもよい。ここで、触媒が接触する部分とは、反応器を構成する胴部の内部、撹拌翼、加熱管、内部コイル、邪魔板等であり、触媒及び触媒を含有するバイオマス原料が接触する可能性のある全ての部分を含む。
金属製の反応器は一般に無機酸により腐食し易い。また、ステンレス鋼に比べて耐腐食性のあるチタン、チタン合金等も硫酸に対する耐食性は低い傾向にある。しかし、本発明のフルフラールの製造方法によれば、特別な耐食処理が施された反応器を用いたり、反応器に対して特別な耐食化を施す工程を行うことなく、金属製の反応器の金属部分の腐食を抑制して、生産効率良くフルフラールを製造することができるため、種々の金属種の反応器を用いることができる。
なお、金属の腐食の様式はその外観の変化と物理的性質の変化により分類され、大きくは全面腐食、局部腐食に分類される。全面腐食は、金属表面が一様に浸食され、その度合いを前記の腐食率で判断することができる。局部腐食は、孔食に代表される局部的な腐食で、ある部分の腐食速度が他の部分に比べて大きい場合に生じる。
局部腐食の場合、浸食度合いは腐食率で判断することができず、外観観察等で判断する必要がある。例えば、試験片の表面を、拡大鏡、光学顕微鏡、又は走査型電子顕微鏡を用いて観察し、局部腐食の有無を判断することができる。
テストピースの金属の腐食率は、例えば、下記計算式を用いて算出することができる。
・テストピースの質量減少速度(g/h)=テストピースの減少質量(g)/試験時間(h)
・テストピースの減少肉厚(mm/h)=〔テストピースの質量減少速度(g/h)/テストピースの密度(g/mm)〕/試験前のテストピースの表面積(mm
・テストピースの腐食率(mm/y)=テストピースの減少肉厚(mm/h)×〔365(日/y)×24(h/日)〕
腐食率が0.1〜0.5mm/yでは「やや耐食性あり」、0.05〜0.1mm/yでは「耐食性あり」、0.05mm/y以下では「完全耐食」との評価が知られている。 本発明において、反応器の金属の腐食率は、反応器保全の観点から0.5mm/y以下であることが好ましく、0.15mm/y以下であることがより好ましく、0.05mm/y以下であることが更に好ましく、0.01mm/y以下であることがより更に好ましい。
反応器を構成する金属は、腐食を抑制する観点から、好ましくはチタン、ニッケル及び鉄から選ばれる1種以上の元素を含有する金属である。
反応器を構成する金属の腐食を抑制する観点から、反応器を構成する金属は、好ましくはチタン、チタンを主成分とした合金、ニッケルを主成分とした合金、又は鉄を主成分とした合金である。なお、合金において、「主成分」とは、合金全量中の含有量が50質量%を超える成分を意味する。
チタンを主成分とした合金としては、例えば、チタン及びパラジウムの合金、チタン、パラジウム及びコバルトの合金、並びにチタン、ルテニウム及びニッケルの合金等が挙げられる。
ニッケルを主成分とした合金としては、Monel等のニッケル及び銅の合金、Inconel等のニッケル、クロム及び鉄の合金、Hastelloy B等のニッケル、モリブデン及び鉄の合金、Hastelloy G等のニッケル、クロム、モリブデン及び鉄の合金、及びHstelloy C等のニッケル、クロム、モリブデン、タングステン及び鉄の合金等が挙げられる。
鉄を主成分とした合金としては、耐酸性に優れる低合金鋼である耐硫酸・塩酸露点腐食鋼並びに鉄及びクロムの合金であるステンレス鋼が挙げられる。
耐硫酸・塩酸露点腐食鋼としては、具体的には鉄並びに銅、マンガン、ケイ素、硫黄、アンチモン、スズ、リン、ニッケル、クロム及びモリブデンの中から選ばれる1種以上の元素を含有する低合金鋼であり、より具体的にはS−TEN1、S−TEN2、新S−TEN1(日鉄住金テクノロジー株式会社製)、JFE−ASA400、AFE−ASA440(JFEスチール株式会社製)、及びタイコールS(株式会社神戸製鋼所製)が挙げられる。
ステンレス鋼としてはAISI Type No.403等のマルテンサイト系、AISI Type No.446等のフェライト系、鉄、クロム及びニッケルを含有するAISI Type No.304及びNo.316L等のオーステナイト系が挙げられる。
これらの中でも反応器を構成する金属は、腐食を抑制する観点から、好ましくはチタン、チタンを主成分とした合金、ニッケルを主成分とした合金、又はステンレス鋼であり、より好ましくはチタン、チタンを主成分とした合金、又はステンレス鋼であり、更に好ましくはチタン又はチタンを主成分とした合金であり、より更に好ましくはチタンである。
なお、本発明に係るチタンは、チタンとしての性質に影響を及ぼさない程度の微量成分の混入は許容される。
<フルフラールの製造>
〔反応工程〕
本発明のフルフラールの製造方法は、フルフラールを生成する反応工程を有し、反応工程では、硫酸を含む触媒と、ヘミセルロースを含むバイオマス原料とを、金属製の反応器内に供給し、120℃以上230℃以下の過熱水蒸気を前記バイオマス原料に通気することによって行う。
フルフラールの生成反応は、反応中にバイオマス原料の供給を行わずに、水蒸気及び反応生成物、又は水蒸気、反応生成物及び反応残渣の排出のみを行う半回分式反応;反応中に連続的にバイオマス原料を供給し、水蒸気、反応生成物及び反応残渣の排出も行う連続式反応のいずれの形式よっても実施することができる。
本発明における過熱水蒸気(SHS:Superheated Steam)は、与えられた圧力における水蒸気の露点よりも高温加熱された状態にある水蒸気を意味する。前記圧力は、絶対圧で0.01Mpa以上1MPa以下が好ましく、0.09MPa以上0.2MPa以下がより好ましく、実質的に大気圧(0.1MPa)が好ましい。ここで、実質的とは、あえて加圧、又は減圧は行わないが、装置運転のために微加圧、又は微減圧になることを許容することを表す。
過熱水蒸気の一態様として、大気圧下において100℃超に加熱された状態の水蒸気を、常圧過熱蒸気という。常圧過熱蒸気は、加圧、減圧等の設備を要さないことから、安価に得ることができる点で好ましい。
過熱水蒸気は例えば、飽和水蒸気を、熱交換器を用いて等圧的に加熱することによって得られる。
本発明において、バイオマス原料に通気する過熱水蒸気の温度は、120℃以上230℃以下である。過熱水蒸気の温度が120℃以上であることで、反応器の金属部分の腐食を抑制しつつ、フルフラールを効率よく製造することができ、230℃以下であることで、バイオマス原料の変性及び生成したフルフラールの熱分解を抑制し、フルフラールを高い収率で製造することができる。
バイオマス原料に通気する過熱水蒸気の温度は、反応器の金属部分の腐食を抑制する観点から、120℃以上、好ましくは125℃以上、より好ましくは130℃以上、更に好ましくは145℃以上、より更に好ましくは165℃以上、より更に好ましくは170℃以上、より更に好ましくは175℃以上である。過熱水蒸気の温度は、フルフラールの分解を抑制し高い収率で製造する観点から、230℃以下、好ましくは210℃以下、より好ましくは190℃以下、更に好ましくは185℃以下、より更に好ましくは180℃以下、より更に好ましくは175℃以下、より更に好ましくは170℃以下である。
バイオマス原料に通気する過熱水蒸気の温度は、反応器の金属部分の腐食を抑制する観点及びフルフラールの分解を抑制し高い収率で製造する観点から、好ましくは125℃以上230℃以下、より好ましくは125℃以上210℃以下、更に好ましくは125℃以上190℃以下、より更に好ましくは125℃以上185℃以下、より更に好ましくは130℃以上180℃以下である。
バイオマス原料に通気する過熱水蒸気の温度は、反応器の金属部分の腐食を抑制する観点から、好ましくは145℃以上230℃以下、より好ましくは165℃以上210℃以下、更に好ましくは170℃以上210℃以下、より更に好ましくは175℃以上190℃以下、より更に好ましくは175℃以上185℃以下である。
バイオマス原料に通気する過熱水蒸気の温度は、フルフラールの分解を抑制し高い収率で製造する観点から、好ましくは120℃以上210℃以下、より好ましくは120℃以上190℃以下、更に好ましくは120℃以上185℃以下、より更に好ましくは120℃以上180℃以下、より更に好ましくは125℃以上175℃以下、より更に好ましくは130℃以上170℃以下である。
バイオマス原料に対する過熱水蒸気の通気量は、フルフラールの収率を向上させる観点から、バイオマス乾燥質量1質量部あたり、好ましくは毎時0.1質量部以上、より好ましくは毎時1質量部以上、更に好ましくは毎時3質量部以上である。バイオマス原料に対する過熱水蒸気の通気量は、エネルギー消費を抑制する観点から、バイオマス乾燥質量1質量部あたり、好ましくは毎時50質量部以下、より好ましくは毎時30質量部以下、更に好ましくは毎時25質量部以下である。
反応器内中のバイオマス原料は、次の温度に加熱することが好ましい。すなわち、バイオマス原料の加熱温度は、反応器の金属部分の腐食を抑制する観点から、好ましくは120℃以上、より好ましくは125℃以上、更に好ましくは130℃以上、より更に好ましくは145℃以上、より更に好ましくは165℃以上、より更に好ましくは170℃以上、より更に好ましくは175℃以上である。バイオマス原料の加熱温度は、フルフラールの分解を抑制し高い収率で製造する観点から、好ましくは230℃以下、より好ましくは210℃以下、更に好ましくは190℃以下、より更に好ましくは185℃以下、より更に好ましくは180℃以下、より更に好ましくは175℃以下、より更に好ましくは170℃以下である。
バイオマス原料の加熱温度は、反応器の金属部分の腐食を抑制する観点及びフルフラールの分解を抑制し高い収率で製造する観点から、好ましくは125℃以上230℃以下、より好ましくは125℃以上210℃以下、更に好ましくは125℃以上190℃以下、より更に好ましくは125℃以上185℃以下、より更に好ましくは130℃以上180℃以下である。
バイオマス原料の加熱温度は、反応器の金属部分の腐食を抑制する観点から、好ましくは145℃以上230℃以下、より好ましくは165℃以上210℃以下、更に好ましくは170℃以上210℃以下、より更に好ましくは175℃以上190℃以下、より更に好ましくは175℃以上185℃以下である。
バイオマス原料の加熱温度は、フルフラールの分解を抑制し高い収率で製造する観点から、好ましくは120℃以上210℃以下、より好ましくは120℃以上190℃以下、更に好ましくは120℃以上185℃以下、より更に好ましくは120℃以上180℃以下、より更に好ましくは125℃以上175℃以下、より更に好ましくは130℃以上170℃以下である。
フルフラールの生成反応時の反応器内の圧力は、230℃以下の過熱水蒸気を供給できる条件であれば限定されないが、反応器を耐圧容器としないで済む観点から、常圧条件であることが好ましい。
〔水分量調整工程〕
バイオマス原料は、水分を含んだ状態で用いることができるが、反応器の金属部分の腐食を抑制する観点から、水分を含んだバイオマス原料の水分量を調整してから用いることが好ましい。バイオマス原料に触媒を含浸させる場合は、含浸させたバイオマス原料の水分量を調整することが好ましい。
すなわち、本発明のフルフラールの製造方法は、反応工程の前に、バイオマス原料の水分量を調整する水分量調整工程を有することが好ましい。
水分を調整する方法としては、水分を含んだバイオマス原料を圧搾、脱水、乾燥等の処理をすることが挙げられる。触媒を含浸させたバイオマス原料を用いる場合、バイオマス原料の水分量の調整は、反応器内で行ってもよく、例えば、バイオマス原料を含む反応器内を減圧することにより、又はバイオマス原料を加熱することにより行うことができる。
バイオマス原料に含まれる水分量は、バイオマス原料からフルフラールを生成する反応の反応性を向上させる観点から、バイオマス乾燥質量1質量部に対して、好ましくは0.02質量部以上、より好ましくは0.10質量部以上、更に好ましくは0.25質量部以上、より更に好ましくは0.40質量部以上である。バイオマス原料中の水分量は、生成したフルフラールの回収効率の観点及び反応器の金属部分の腐食を抑制する観点から、バイオマス原料の乾燥質量1質量部に対して、好ましくは2.0質量部以下、より好ましくは1.1質量部以下である。
なお、バイオマス原料中の水分量を算出する際のバイオマス乾燥質量とは、バイオマス原料の質量を予め測定し(質量a)、当該バイオマス原料について、JIS K 0068に記載されている乾燥減量法によって水分質量を求め(質量b)、バイオマス原料の質量aから質量bを差し引いた数値である。
上述した実施形態に関し、本発明は以下のフルフラールの製造方法を開示する。
<1> 硫酸を含む触媒と、ヘミセルロースを含むバイオマス原料とを、金属製の反応器内に供給し、120℃以上230℃以下の過熱水蒸気を前記バイオマス原料に通気してフルフラールを生成する反応工程を有するフルフラールの製造方法。
<2> 前記金属が好ましくはチタン、ニッケル及び鉄から選ばれる1種以上の元素を含有し、より好ましくはチタン、チタンを主成分とした合金、ニッケルを主成分とした合金、又は鉄を主成分とした合金であり、更に好ましくはチタン、チタンを主成分とした合金、ニッケルを主成分とした合金、又はステンレス鋼であり、より更に好ましくはチタン、チタンを主成分とした合金、又はステンレス鋼であり、より更に好ましくはチタン又はチタンを主成分とした合金であり、より更に好ましくはチタンである<1>に記載のフルフラールの製造方法。
<3> バイオマス原料に通気する過熱水蒸気の温度が、120℃以上、好ましくは125℃以上、より好ましくは130℃以上、更に好ましくは145℃以上、より更に好ましくは165℃以上、より更に好ましくは170℃以上、より更に好ましくは175℃以上である<1>又は<2>に記載のフルフラールの製造方法。
<4> バイオマス原料に通気する過熱水蒸気の温度が、230℃以下、好ましくは210℃以下、より好ましくは190℃以下、更に好ましくは185℃以下、より更に好ましくは180℃以下、より更に好ましくは175℃以下、より更に好ましくは170℃以下である<1>〜<3>のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
<5> 前記バイオマス原料に通気する過熱水蒸気の温度が、好ましくは125℃以上230℃以下、より好ましくは125℃以上210℃以下、更に好ましくは125℃以上190℃以下、より更に好ましくは125℃以上185℃以下、より更に好ましくは130℃以上180℃以下である<1>又は<2>に記載のフルフラールの製造方法。
<6> 前記バイオマス原料に通気する過熱水蒸気の温度が、好ましくは145℃以上230℃以下、より好ましくは165℃以上210℃以下、更に好ましくは170℃以上210℃以下、より更に好ましくは175℃以上190℃以下、より更に好ましくは175℃以上185℃以下である<1>又は<2>に記載のフルフラールの製造方法。
<7> 前記バイオマス原料に通気する過熱水蒸気の温度が、好ましくは120℃以上210℃以下、より好ましくは120℃以上190℃以下、更に好ましくは120℃以上185℃以下、より更に好ましくは120℃以上180℃以下、より更に好ましくは125℃以上175℃以下、より更に好ましくは130℃以上170℃以下である<1>又は<2>に記載のフルフラールの製造方法。
<8> バイオマス原料の加熱温度が、好ましくは120℃以上、より好ましくは125℃以上、更に好ましくは130℃以上、より更に好ましくは145℃以上、より更に好ましくは165℃以上、より更に好ましくは170℃以上、より更に好ましくは175℃以上である<1>〜<7>のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
<9> バイオマス原料の加熱温度が、好ましくは230℃以下、より好ましくは210℃以下、更に好ましくは190℃以下、より更に好ましくは185℃以下、より更に好ましくは180℃以下、より更に好ましくは175℃以下、より更に好ましくは170℃以下である<1>〜<8>のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
<10> バイオマス原料の加熱温度が、好ましくは125℃以上230℃以下、より好ましくは125℃以上210℃以下、更に好ましくは125℃以上190℃以下、より更に好ましくは125℃以上185℃以下、より更に好ましくは130℃以上180℃以下である<1>〜<7>のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
<11> バイオマス原料の加熱温度が、好ましくは145℃以上230℃以下、より好ましくは165℃以上210℃以下、更に好ましくは170℃以上210℃以下、より更に好ましくは175℃以上190℃以下、より更に好ましくは175℃以上185℃以下である<1>〜<7>のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
<12> バイオマス原料の加熱温度が、好ましくは120℃以上210℃以下、より好ましくは120℃以上190℃以下、更に好ましくは120℃以上185℃以下、より更に好ましくは120℃以上180℃以下、より更に好ましくは125℃以上175℃以下、より更に好ましくは130℃以上170℃以下である<1>〜<7>のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
<13> 前記バイオマス原料に対する前記過熱水蒸気の通気量が、バイオマス乾燥質量1質量部あたり、好ましくは毎時0.1質量部以上、より好ましくは毎時1質量部以上、更に好ましくは毎時3質量部以上、また、好ましくは毎時50質量部以下であり、より好ましくは毎時30質量部以下であり、更に好ましくは毎時25質量部以下である<1>〜<12>のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
<14> 前記バイオマス原料に含まれる水分量を前記バイオマス原料の乾燥質量1質量部に対して、好ましくは0.02質量部以上、より好ましくは0.10質量部以上、更に好ましくは0.25質量部以上、より更に好ましくは0.40質量部以上であり、そして、好ましくは2.0質量部以下、より好ましくは1.1質量部以下に調整する水分量調整工程を、前記反応工程の前に有する<1>〜<13>のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
<15> 前記バイオマス原料が好ましくは、草本系バイオマスと木質系バイオマスとから選ばれる1種以上であり、より好ましくは草本系バイオマスであり、更に好ましくはサトウキビ、麦、コメ、とうもろこし、竹、ススキ、ケナフ、スイッチグラスから得られるものであり、より更に好ましくはバガス、麦わら、稲わら、とうもろこし芯、又はとうもろこしの穂軸であり、より更に好ましくはバガス、とうもろこし芯であり、より更に好ましくはバガスである<1>〜<14>のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
<16> 前記触媒が、触媒全量中、硫酸を、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上、さらに好ましくは95質量%含有する<1>〜<15>のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
<17> バイオマス原料の乾燥質量1質量部に対する前記触媒の使用量が、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.03質量部以上、更に好ましくは0.04質量部以上、また、好ましくは0.20質量部以下、より好ましくは0.15質量部以下、更に好ましくは0.10質量部以下、より更に好ましくは0.06質量部以下である<1>〜<16>のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
<18> 前記過熱水蒸気が、常圧過熱水蒸気である<1>〜<17>のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
<テストピースの耐食性評価>
先ず、実施例及び比較例それぞれの反応条件におけるテストピースの表面を、拡大鏡、光学顕微鏡、又は走査型電子顕微鏡を用いて観察し、局部腐食の有無を確認した。そして、局所腐食が確認された反応条件については、反応器の保全の判断が難しく、望ましくないと判断した。
次に局部腐食が確認されなかったテストピースについて全面腐食を評価した。全面腐食の評価は、テストピースの減少質量から、テストピースの腐食率を算出して実施した。腐食率の算出は、下記の計算式を用いて行った。
・テストピースの質量減少速度(g/h)=テストピースの減少質量(g)/試験時間(h)
・テストピースの減少肉厚(mm/h)=〔テストピースの質量減少速度(g/h)/テストピースの密度(g/mm)〕/試験前のテストピースの表面積(mm
・テストピースの腐食率(mm/y)=テストピースの減少肉厚(mm/h)×〔365(日/y)×24(h/日)〕
<テストピース>
テストピースは、次の金属片を用いた。
・テストピースSU(ステンレス鋼製、合金全量中の鉄の含有量:67質量%)・・・ステンレスSUS316L(日鉄住金テクノロジー株式会社製)
・テストピースST(耐硫酸腐食鋼製、合金全量中の鉄の含有量:98質量%)・・・S−TEN1(日鉄住金テクノロジー株式会社製)
・テストピースTP(チタン製)・・・チタンTP−270(日鉄住金テクノロジー株式会社製)
・テストピースAK(チタン合金製、合金全量中のチタンの含有量:99質量%)・・・KS50AKOT(株式会社コベルコ科研製)
・テストピースHC(Hastelloy C鋼製、合金全量中のニッケルの含有量:55質量%)・・・HastelloyC−276(日鉄住金テクノロジー株式会社製)
テストピースの寸法は、テストピースSU、テストピースST、テストピースTP、及びテストピースHCについては、縦50mm、横25mm、厚さ3mm;テストピースAKについては縦50mm、横25mm、厚さ1mmである。
また、テストピースの密度 は、上記の寸法と、それぞれ測定したテストピースの質量をもとに計算した。
<フルフラールの反応収率>
実施例及び比較例それぞれの反応条件におけるフルフラールの反応収率は、バイオマス原料中のキシラン成分より生成するフルフラールの理論生成量に対する質量%にて算出した。フルフラール収率の算出は、下記の計算式を用いて行った。
・フルフラール収率(質量%)=フルフラールの回収量(g)/フルフラールの理論生成量(g)×100
・フルフラールの理論生成量(g)=バイオマス原料仕込乾燥質量(g)×バイオマス原料中のキシラン成分量(%)×フルフラール分子量(g/mol)/キシランユニット分子量(g/mol)/100
・フルフラール分子量=96(g/mol)
・キシランユニット分子量=132(g/mol)
・バイオマス原料中のキシラン成分量・バガス中のキシラン成分量=23.7(質量%)
(調製例1−硫酸含浸バガスの調製)
乾燥質量1質量部当たり1.55質量部の水分を含んだバガス153.0g(乾燥質量60.0g)を、1.11質量%の硫酸水溶液270.0g中に投入し、30分間撹拌した。
〔水分量調整工程〕
その後、50℃の熱風乾燥器で乾燥処理を行い、硫酸含浸バガス124.3g〔バガス乾燥質量1質量部当たり1.02質量部の水分、バガス乾燥質量1質量部当たり0.05質量部の硫酸〕を得た。
(調製例2−硫酸含浸とうもろこし芯の調製)
乾燥質量1質量部当たり0.11質量部の水分を含んだとうもろこし芯83.6g(乾燥質量75.2g)を、1.27質量%の硫酸水溶液295.1g中に投入し、30分間撹拌した。
〔水分量調整工程〕
その後、50℃の熱風乾燥器で乾燥処理を行い、硫酸含浸とうもろこし芯155.3g〔とうもろこし芯乾燥質量1質量部当たり1.02質量部の水分、とうもろこし芯乾燥質量1質量部当たり0.05質量部の硫酸〕を得た。
<実施例1>
(フルフラールの製造)
〔反応工程〕
フルフラールの生成反応は、200mlガラス容器(反応器)を備える柴田科学株式会社製の有機合成装置Chemi Chemi−300を用いて実施した。
反応器に、テストピースSUと、調製例1で得た硫酸含浸バガスの内30gを仕込み、プログラム温度調節器を用いて反応器内を130℃に設定した。反応器内に仕込んだバガス温度が100℃に到達した時点から、130℃に調整した常圧の過熱水蒸気を、バガス乾燥質量全量(14.5g)に対して1.2g/min(乾燥質量1質量部に対して毎時5質量部)の速度で反応器に投入した。生成したフルフラールを含んだ水蒸気は、コンデンサーで凝縮して回収した。硫酸含浸バガスは、96時間毎に新たに硫酸を含浸させたバガスに交換した。延べ反応時間336時間後のテストピースの減少質量は0.0927gであり、腐食率は0.105mm/yであった。なお、金属表面に局部腐食は確認されなかった。
<実施例2>
〔反応工程〕
プログラム温度調節器を180℃に設定し、180℃に調整した常圧の過熱水蒸気を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。延べ反応時間336時間後のテストピースの減少質量は0.0029gであり、腐食率は0.003mm/yであった。なお、金属表面に局部腐食は確認されなかった。
<比較例1>
〔反応工程〕
プログラム温度調節器を100℃に設定し、110℃に調整した常圧の過熱水蒸気を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。延べ反応時間53時間後のテストピースの減少質量は0.0938gであり、腐食率は0.671mm/yであった。なお、金属表面に局部腐食は確認されなかった。
<実施例3>
〔反応工程〕
反応器に、テストピースSTと、調製例1で得た硫酸含浸バガス30gとを仕込み、プログラム温度調節器を用いて反応器内を130℃に設定した。反応器内に仕込んだバガス温度が100℃に到達した時点から、130℃に調整した常圧の過熱水蒸気を、バガス乾燥質量全量(14.5g)に対して1.2g/min(乾燥質量1質量部に対して毎時5質量部)の速度で反応器に投入した。生成したフルフラールを含んだ水蒸気は、コンデンサーで凝縮して回収した。硫酸含浸バガスは、96時間毎に新たに硫酸を含浸させたバガスに交換した。延べ反応時間238時間後のテストピースの減少質量は0.2336gであり、腐食率は0.401mm/yであった。なお、金属表面に局部腐食は確認されなかった。
<実施例4>
〔反応工程〕
プログラム温度調節器を180℃に設定し、180℃に調整した常圧の過熱水蒸気を用いたこと以外は実施例3と同様に行った。延べ反応時間238時間後のテストピースの減少質量は0.0595gであり、腐食率は0.102mm/yであった。なお、金属表面に局部腐食は確認されなかった。
<比較例2>
〔反応工程〕
プログラム温度調節器を100℃に設定し、110℃に調整した常圧の過熱水蒸気を用いたこと以外は実施例3と同様に行った。延べ反応時間238時間後のテストピースの減少質量は1.2700gであり、腐食率は2.180mm/yであった。なお、金属表面に局部腐食は確認されなかった。
<実施例5>
〔反応工程〕
反応器に、テストピースTPと、調製例1で得た硫酸含浸バガス30gとを仕込み、プログラム温度調節器を用いて反応器内を130℃に設定した。反応器内に仕込んだバガス温度が100℃に到達した時点から、130℃に調整した常圧の過熱水蒸気を、バガス乾燥質量全量(14.5g)に対して1.2g/min(乾燥質量1質量部に対して毎時5質量部)の速度で反応器に投入した。生成したフルフラールを含んだ水蒸気は、コンデンサーで凝縮して回収した。硫酸含浸バガスは、96時間毎に新たに硫酸を含浸させたバガスに交換した。延べ反応時間448時間後及び572時間後のテストピースの減少質量は0gであり、腐食率は0mm/yであった。なお、金属表面に局部腐食は確認されなかった。
<実施例6>
〔反応工程〕
プログラム温度調節器を180℃に設定し、180℃に調整した常圧の過熱水蒸気を用いたこと以外は実施例5と同様に行った。延べ反応時間1000時間後のテストピースの減少質量は0gであり、腐食率は0mm/yであった。なお、金属表面に局部腐食は確認されなかった。
<実施例7>
〔反応工程〕
反応器に、テストピースTPと、調製例2で得た硫酸含浸とうもろこし芯30gとを仕込み、プログラム温度調節器を用いて反応器内を130℃に設定した。反応器内に仕込んだとうもろこし芯温度が100℃に到達した時点から、130℃に調整した常圧の過熱水蒸気を、とうもろこし芯乾燥質量全量(14.8g)に対して1.2g/min(乾燥質量1質量部に対して毎時5質量部)の速度で反応器に投入した。生成したフルフラールを含んだ水蒸気は、コンデンサーで凝縮して回収した。延べ反応時間101時間後のテストピースの減少質量は0gであり、腐食率は0mm/yであった。なお、金属表面に局部腐食は確認されなかった。
<比較例3>
〔反応工程〕
プログラム温度調節器を100℃に設定し、110℃に調整した常圧の過熱水蒸気を用いたこと以外は実施例5と同様に行った。延べ反応時間569時間後のテストピースの減少質量は0.0400gであり、金属表面に局部腐食が確認された。局部腐食の一例として、拡大鏡を用いて、比較例3の反応条件におけるテストピース表面を撮影した光学像を図1に示す。
<実施例8>
〔反応工程〕
反応器に、テストピースAKと、調製例1で得た硫酸含浸バガス30gとを仕込み、プログラム温度調節器を用いて反応器内を130℃に設定した。反応器内に仕込んだバガス温度が100℃に到達した時点から、130℃に調整した常圧の過熱水蒸気を、バガス乾燥質量全量(14.5g)に対して1.2g/min(乾燥質量1質量部に対して毎時5質量部)の速度で反応器に投入した。生成したフルフラールを含んだ水蒸気は、コンデンサーで凝縮して回収した。延べ反応時間139時間後のテストピースの減少質量は0gであり、腐食率は0mm/yであった。なお、金属表面に局部腐食は確認されなかった。
<実施例9>
〔反応工程〕
プログラム温度調節器を180℃に設定し、180℃に調整した常圧の過熱水蒸気を用いたこと以外は実施例8と同様に行った。延べ反応時間139時間後のテストピースの減少質量は0gであり、腐食率は0mm/yであった。なお、金属表面に局部腐食は確認されなかった。
<比較例4>
〔反応工程〕
プログラム温度調節器を100℃に設定し、110℃に調整した常圧の過熱水蒸気を用いたこと以外は実施例8と同様に行った。延べ反応時間133時間後のテストピースの減少質量は0.0086gであり、金属表面に局部腐食が確認された。
<実施例10>
〔反応工程〕
反応器に、テストピースHCと、調製例1で得た硫酸含浸バガス30gとを仕込み、プログラム温度調節器を用いて反応器内を180℃に設定した。反応器内に仕込んだバガス温度が100℃に到達した時点から、180℃に調整した常圧の過熱水蒸気を、バガス乾燥質量全量(14.5g)に対して1.2g/min(乾燥質量1質量部に対して毎時5質量部)の速度で反応器に投入した。生成したフルフラールを含んだ水蒸気は、コンデンサーで凝縮して回収した。延べ反応時間115時間後のテストピースの減少質量は0.0060gであり、腐食率は0.018mm/yであった。なお、金属表面に局部腐食は確認されなかった。
<比較例5>
〔反応工程〕
フルフラールの生成反応は、120mlガラス内筒容器を有する耐圧容器(反応器)を備える柴田科学株式会社製の有機合成装置Chemi Chemi−300加圧ユニット付を用いて実施した。
反応器に、テストピースSUと、調製例1で得た硫酸含浸バガスの内30gを仕込み、反応器内の圧力を130℃の飽和水蒸気圧である0.27MPa(絶対圧)に設定し、プログラム温度調節器を用いて反応器内を130℃に設定した。反応器内に仕込んだバガス温度が100℃に到達した時点から、130℃に調整した飽和水蒸気を、バガス乾燥質量全量(14.5g)に対して1.2g/min(乾燥質量1質量部に対して毎時5質量部)の速度で反応器に投入した。生成したフルフラールを含んだ水蒸気は、コンデンサーで凝縮して回収した。延べ反応時間95時間後のテストピースの質量減は0.1421gであり、腐食率は0.567mm/yであった。なお、金属表面に局部腐食は確認されなかった。
<比較例6>
〔反応工程〕
反応器内の圧力を160℃の飽和水蒸気圧である0.62MPa(絶対圧)に設定し、プログラム温度調節器を160℃に設定し、160℃に調整した飽和水蒸気を用いたこと以外は比較例7と同様に行った。延べ反応時間115時間後のテストピースの質量減は0.1748gであり、腐食率は0.577mm/yであった。なお、金属表面に局部腐食は確認されなかった。
上記実施例及び比較例より得られた結果を表1から表3に示す。
反応容器の金属材質が同じ実施例1及び2と比較例1との対比、実施例3及び4と比較例2との対比、実施例5、6及び7と比較例3との対比、実施例8及び9と比較例4との対比からわかるように、過熱水蒸気温度を120℃〜230℃とすることで、金属の腐食率を大きく下げることができた。
また、実施例1〜実施例10の方法によれば、特許文献2に示されている高温の水蒸気を用いた金属表面処理に比べて、100℃以上低い温度の処理で腐食の抑制を行うことができている。これは、過熱水蒸気を用いることで金属表面を乾燥状態とすることができ、金属表面に存在する水分及び酸触媒量を抑えることができるからだと考えられる。
また、実施例1及び2と比較例5及び6との対比からわかるように、過熱水蒸気を利用することで、飽和水蒸気を使用した際に比べて、金属の腐食率を大きく下げることができた。
このように、反応容器の金属の腐食を大きく抑制することができることから、フルフラールの生産工程に、定期的に反応器を耐食化する工程を含める必要がなく、フルフラールの生産効率を向上することができる。
(調製例3−硫酸含浸バガスの調製)
乾燥質量100質量部当たり155質量部の水分を含んだバガス153.0g(乾燥質量60.0g)を、1.11質量%の硫酸水溶液270.0g中に投入し、30分間撹拌した。
〔水分量調整工程〕
その後、減圧乾燥装置で乾燥処理を行い、硫酸含浸バガス88.6g〔バガス乾燥質量1質量部当たり0.427質量部の水分、バガス乾燥質量1質量部当たり0.05質量部の硫酸〕を得た。
<実施例11>
0.5インチのSUS316L製の反応管の中に、調製例3で得た硫酸含浸バガス2.3gを仕込み、130℃のオイルバスの中に浸漬した。反応管内のバガスの温度が100℃に到達した時点から、130℃に調整した常圧の過熱水蒸気を、バガス乾燥質量全量(1.5g)に対して0.50g/min(乾燥質量1質量部に対して毎時20.0質量部)の速度で反応管に投入した。生成したフルフラールを含んだ水蒸気は、コンデンサーで凝縮して回収した。80分反応した後、凝縮水から得られたフルフラールは0.16gで、フルフラール収率は59%であった。また、反応終了後に反応管の内部を目視したところ、腐食及び局部腐食は確認されず実用上の問題はなかった。
<実施例12>
0.5インチのSUS316L製の反応管の中に、調製例3で得た硫酸含浸バガス2.1gを仕込み、150℃のオイルバスの中に浸漬した。反応管内のバガスの温度が100℃に到達した時点から、150℃に調整した常圧の過熱水蒸気を、バガス乾燥質量全量(1.4g)に対して0.50g/min(乾燥質量1質量部に対して毎時21.4質量部)の速度で反応管に投入した。生成したフルフラールを含んだ水蒸気は、コンデンサーで凝縮して回収した。60分反応した後、凝縮水から得られたフルフラールは0.14gで、フルフラール収率は56%であった。また、反応終了後に反応管の内部を目視したところ、腐食及び局部腐食は確認されず実用上の問題はなかった。
<実施例13>
0.5インチのSUS316L製の反応管の中に、調製例3で得た硫酸含浸バガス2.0gを仕込み、170℃のオイルバスの中に浸漬した。反応管内のバガスの温度が100℃に到達した時点から、170℃に調整した常圧の過熱水蒸気を、バガス乾燥質量全量(1.4g)に対して0.50g/min(乾燥質量1質量部に対して毎時21.4質量部)の速度で反応管に投入した。生成したフルフラールを含んだ水蒸気は、コンデンサーで凝縮して回収した。60分反応した後、凝縮水から得られたフルフラールは0.14gで、フルフラール収率は58%であった。また、反応終了後に反応管の内部を目視したところ、腐食及び局部腐食は確認されず実用上の問題はなかった。
<実施例14>
0.5インチのSUS316L製の反応管の中に、調製例3で得た硫酸含浸バガス2.0gを仕込み、200℃のオイルバスの中に浸漬した。反応管内のバガスの温度が100℃に到達した時点から、200℃に調整した常圧の過熱水蒸気を、バガス乾燥質量全量(1.4g)に対して0.50g/min(乾燥質量1質量部に対して毎時21.4質量部)の速度で反応管に投入した。生成したフルフラールを含んだ水蒸気は、コンデンサーで凝縮して回収した。60分反応した後、凝縮水から得られたフルフラールは0.11gで、フルフラール収率は46%であった。また、反応終了後に反応管の内部を目視したところ、腐食及び局部腐食は確認されず実用上の問題はなかった。
<比較例7>
0.5インチのSUS316L製の反応管の中に、調製例3で得た硫酸含浸バガス2.3gを仕込み、100℃のオイルバスの中に浸漬した。反応管内のバガスの温度が90℃に到達した時点から、110℃に調整した常圧の過熱水蒸気を、バガス乾燥質量全量(1.5g)に対して0.50g/min(乾燥質量1質量部に対して毎時20.0質量部)の速度で反応管に投入した。生成したフルフラールを含んだ水蒸気は、コンデンサーで凝縮して回収した。80分反応した後、凝縮水から得られたフルフラールは0.0004gで、フルフラール収率は0.2%であった。また、反応終了後に反応管の内部を目視したところ、顕著な腐食痕を確認した。なお、金属表面に局部腐食は確認されなかった。
<比較例8>
0.5インチのSUS316L製の反応管の中に、調製例3で得た硫酸含浸バガス2.3gを仕込み、300℃に設定したリビンヒーターを用いて加熱を行った。反応管内のバガスの温度が100℃に到達した時点から、300℃に調整した常圧の過熱水蒸気を、バガス乾燥質量全量(1.5g)に対して0.50g/min(乾燥質量1質量部に対して毎時20.0質量部)の速度で反応管に投入した。生成したフルフラールを含んだ水蒸気は、コンデンサーで凝縮して回収した。60分反応した後、凝縮水から得られたフルフラールは0.09gで、フルフラール収率は33%であった。また、反応終了後に反応管の内部を目視したところ、腐食及び局部腐食は確認されなかった。
上記実施例より得られた結果を表4に示す。
以上の結果からわかるように、実施例11〜実施例14において、腐食は見られなかった。また、何れも40質量%以上、特に実施例11〜13においては50質量%以上のフルフラール収率を得ることができ、比較例7及び比較例8と比較して高収率を得られた。これは、過熱水蒸気温度を120℃以上230℃以下とすることで、バイオマス成分の変性及びフルフラールの熱分解を抑制しつつ、フルフラールを効率よく生成、回収することができたためだと考えられる。フルフラールの生成反応に有機溶媒を用いないため、有機溶媒の回収が不要であり、従来の手法に比べ、フルフラールの生産効率に優れた。

Claims (7)

  1. 硫酸を含む触媒と、ヘミセルロースを含むバイオマス原料とを、金属製の反応器内に供給し、120℃以上230℃以下の過熱水蒸気を前記バイオマス原料に通気してフルフラールを生成する反応工程を有するフルフラールの製造方法。
  2. 前記金属がチタン、ニッケル及び鉄から選ばれる1種以上の元素を含有する請求項1に記載のフルフラールの製造方法。
  3. 前記金属がチタン又はチタンを主成分とした合金である請求項1又は2に記載のフルフラールの製造方法。
  4. 前記バイオマス原料を120℃以上230℃以下に加熱する請求項1〜3のいずれかに記載のフルフラールの製造方法
  5. 前記過熱水蒸気が、常圧過熱水蒸気である請求項1〜4のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
  6. 前記バイオマス原料に含まれる水分量を前記バイオマス原料の乾燥質量1質量部に対して0.02質量部以上2.0質量部以下に調整する水分量調整工程を、前記反応工程の前に有する請求項1〜5のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
  7. 前記バイオマス原料に対する前記過熱水蒸気の通気量が、前記バイオマス原料の乾燥質量1質量部あたり毎時0.1質量部以上50質量部以下である請求項1〜6のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
JP2015042806A 2014-03-07 2015-03-04 フルフラールの製造方法 Pending JP2015180615A (ja)

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