JP2015179741A - 板状物の保持機構 - Google Patents

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篤史 井上
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Abstract

【課題】光学センサを用いることなく吸引保持の可否を適切に判定可能な板状物の保持機構を提供する。
【解決手段】板状物(11)を非接触で吸引保持する非接触吸引保持器(32)と、非接触吸引保持器に吸引された板状物の水平方向への移動を規制する規制手段(16)と、を有する板状物の保持機構(2)であって、非接触吸引保持器は、先端側に流体案内面を有する凹部(36)が形成された本体部(34)と、本体部の凹部内に取り付けられ、流体案内面に向けて流体(A1)を噴出する流体噴射口(44g)を側面(44f)に有するノズル(44)と、板状物と対面するノズルの先端面(44h)の開口(44j)に一端側を接続した圧力検出用配管(50)と、圧力検出用配管の他端側に接続された真空計(52)と、真空計によって計測される圧力が所定以下となることで板状物が吸引されていると判定する判定手段(54)と、を有する構成とした。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体ウェーハ等の板状物を非接触で吸引保持する保持機構に関する。
半導体ウェーハ等の板状物に加わるストレスを低減するために、ベルヌーイの定理を応用した非接触型の保持機構で板状物を吸引保持することがある(例えば、特許文献1参照)。この保持機構は、板状物の被保持面に近接する円柱状の筐体と、筐体と被保持面との隙間にエアの流れを形成するノズルとを備え、エアの流速を高めることで隙間の圧力を低下させて板状物を非接触で吸引保持する。
ところで、保持機構と板状物との間に生じる負圧は、隙間の広さやエアの流速等の条件に応じて異なるので、例えば、保持機構に対する板状物の位置(距離)が適切でないと、保持機構で板状物を吸引保持できない。そこで、例えば、保持機構に光学センサを設け、この光学センサで保持機構に対する板状物の位置をモニタすることで、吸引保持の可否を判定している。
特許4256132号公報
しかしながら、上述のような光学センサを設けると、保持機構は大型化してしまう。また、水等の液体を使用する装置に保持機構を組み込む場合等には、各種の処理で飛散する液体が光学センサに付着し、吸引保持の可否を判定できなくなる恐れもあった。この問題は、誤判定を防ぐ機構を設けることで解決できるが、その場合、保持機構は更に大型化してしまう。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光学センサを用いることなく吸引保持の可否を適切に判定可能な板状物の保持機構を提供することである。
本発明によれば、板状物に流体を噴出することで負圧を生成し板状物を非接触で吸引保持する非接触吸引保持器と、該非接触吸引保持器に吸引された板状物の水平方向への移動を規制する規制手段と、を有する板状物の保持機構であって、該非接触吸引保持器は、先端側に流体案内面を有する凹部が形成された本体部と、該本体部の該凹部内に取り付けられ、該流体案内面に向けて流体を噴出する流体噴射口を側面に有するノズルと、板状物と対面する該ノズルの先端面の開口に一端側が接続された圧力検出用配管と、該圧力検出用配管の他端側に接続された真空計と、該真空計によって計測される圧力が所定以下となることで板状物が吸引されていると判定する判定手段と、を有することを特徴とする板状物の保持機構が提供される。
本発明に係る板状物の保持機構は、ノズルの先端面の開口に一端側が接続された圧力検出用配管と、圧力検出用配管の他端側に接続された真空計とを備えるので、ノズルの先端面近傍の圧力を真空計で計測し、板状物を吸引保持できるか否かを適切に判定できる。すなわち、本発明によれば、光学センサを用いることなく吸引保持の可否を適切に判定可能な板状物の保持機構を提供できる。
保持機構の構成例を模式的に示す斜視図である。 保持機構の構成例を模式的に示す一部断面側面図である。 非接触吸引保持器の構成例を模式的に示す図である。 板状物が吸引保持される様子を模式的に示す図である。
添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る保持機構(板状物の保持機構)の構成例を模式的に示す斜視図であり、図2は、保持機構の構成例を模式的に示す一部断面側面図である。図1に示すように、保持機構2は、各構成を支持する支持アーム4を備えている。
支持アーム4の基端側には移動機構(不図示)が設けられており、支持アーム4を含む保持機構2は、この移動機構で水平方向に移動する。支持アーム4の先端下部には、昇降機構6が設けられている。昇降機構6は、例えば、エアシリンダであり、筒状のシリンダケース8と、シリンダケース8に挿通されたピストンロッド10とを含む。
シリンダケース8は、エア供給管(不図示)等を介してエア供給源(不図示)と接続されており、エア供給源から供給されるエアの圧力でピストンロッド10を昇降させる。ピストンロッド10の下端には、円柱状の連結部材12の上底面12a側が固定されている。また、連結部材12の下底面12b側には、円盤状の保持板14が連結されている。保持板14は、上面14aの中央領域において連結部材12の下底面12bと接している。
保持板14の外周領域には、保持板14を上面14aから下面14bまで貫通する複数(例えば、6本)の長穴14cが放射状に形成されている。各長穴14cの下面14b側には、板状物11の水平方向(保持板14の径方向)の位置を規制する規制部材(規制手段)16が取り付けられている。各規制部材16は、長穴14cに沿って移動可能な移動ブロック18を含んでいる。
図2に示すように、移動ブロック18の下面18bは、上面18aに対して傾斜しており、移動ブロック18は、長穴14cに取り付けられた状態で保持板14の中央領域側が薄くなっている。移動ブロック18の下面18bには、ゴム等の材料で形成されたシート20が貼着されている。
シート20の下面には、保持機構2で吸引保持された板状物11(図3等参照)の外周部分が当接する。これにより、板状物11の水平方向への移動を抑制できる。移動ブロック18の上面18aには、長穴14cと係合する係合凸部18cが設けられている。また、移動ブロック18の上面18aには、係合凸部18cと隣接する位置にネジ穴18dが形成されている。このネジ穴18dには、位置調整用のネジ22が螺合される。
例えば、係合凸部18cを下面14b側から長穴14cに係合させた上で、長穴14cを通じてネジ22を上面14a側からネジ穴18dに締め込むことで、規制部材16を保持板14に取り付けることができる。規制部材16を取り付ける水平方向の取り付け位置は、板状物11の径(寸法)に応じて変更される。
保持板14の中央領域には、複数(例えば、4個)の非接触吸引保持器32が設けられている。各非接触吸引保持器32は、保持板14の下面14bから下向きに突出する円柱状の筐体(本体部)34を備える。図3は、非接触吸引保持器32の構成例を模式的に示す図である。
図3に示すように、筐体34には、先端側(下端側)の底面34aに円形の開口を備えた凹部36が形成されている。この凹部36は、円柱状にくり貫かれた中央側の同径部36aと、円錐台状にくり貫かれた先端側の拡径部36bとを含む。拡径部36bの径は、筐体34の先端側に向かって大きくなっている。
また、筐体34の内部には、凹部36の同径部36aに下流側を接続したエア供給路38が設けられている。このエア供給路38の上流側は、筐体34の側面34bに形成された開口においてエア供給管40の下流側と接続されている。エア供給管40の上流端には、板状物11を吸引保持するためのエア(流体)を供給するエア供給源42が連結されている。
上述した凹部36内には、凹部36の形状に対応するノズル44が設けられている。すなわち、ノズル44は、凹部36の同径部36aに対応する円柱状の柱状部44aと、凹部36の拡径部36bに対応する円錐台状の錐台部44bとを含む。錐台部44bは、拡径部36bより小型に形成されており、筐体34(拡径部36b)との間に所定の隙間を形成する。
柱状部44aの内部には、噴射流路44cが形成されている。柱状部44aの底面44dには、噴射流路44cの上流端となる開口44eが形成されている。また、柱状部36aの側面44fには、筐体34(拡径部36b)と錐台部44bとの隙間に対応する位置に、噴射流路44cの下流端となる開口(流体噴射口)44gが形成されている。
図4は、板状物11が吸引保持される様子を模式的に示す図である。エア供給源42から供給されるエアA1は、エア供給管40、エア供給路38を通じて、噴射流路44cへと流れ込む。噴射流路44cへと流れ込んだエアA1は、下流端の開口44gから筐体34(拡径部36b)と錐台部44bとの隙間に向けて噴射される。
隙間に噴射されたエアA1は、拡径部36bの外縁を規定する筐体34の内壁面(流体案内面)及び錐台部44bの側面に沿って、筐体34の底面34aと錐台部44bの底面(先端面)44hとの境界付近に導かれる。板状物11の被保持面11aに筐体34の底面34aを接近させておけば、底面34aと底面44hとの境界付近から流れ出たエアA1は、板状物11の被保持面11aに吹き付けられる。
板状物11の被保持面11aに吹き付けられたエアA1は、底面34aと被保持面11aとの隙間を筐体34の外側に向かって流れる。エアA1の流速を高めると、底面34aと被保持面11aとの隙間の圧力はベルヌーイの定理に従って低下し、板状物11は筐体34に引き付けられる。
そのため、この負圧による引力と、エアA1の噴射圧力や板状物11の重力等とが釣り合う位置において、板状物11は非接触で吸引保持される。板状物11は、例えば、円盤状の半導体ウェーハ、樹脂基板、セラミックス基板等である。ただし、板状物11の形状、材質等は特に限定されない。
本実施の形態のノズル44には、中央側の底面44dから先端側の底面44hまで貫通する貫通穴44iが形成されている。また、図3に示すように、筐体34の基端側には、基端側の底面34cに開口を備えた凹部46が形成されている。凹部46は、エア供給路38の下流側及び凹部36の中央側(同径部36a)と接続されており、筐体34は、凹部36、エア供給路38、及び凹部46によって、先端側の底面34aから基端側の底面34cまで貫通されている。
凹部46の開口には、筒状の配管支持構造48が嵌合されている。配管支持構造48の内部には、支持穴48aが形成されており、この支持穴48aには、圧力検出用配管50が設置されている。圧力検出用配管50の先端側は、ノズル44の貫通穴44iに挿通されており、ノズル44の底面44h側の開口44jには、圧力検出用配管50の先端側の開口50aが位置付けられている。
圧力検出用配管50の基端側には、真空計52が接続されている。すなわち、図3及び図4に示すように、ノズル44の底面44h近傍の領域A2は、圧力検出用配管50を通じて真空計52と繋がっている。これにより、ノズル44の底面44h近傍の領域A2の圧力を真空計52で計測できる。
真空計52には、板状物11が適切に吸引保持されるか否かを判定する判定装置(判定手段)54が接続されている。例えば、板状物11が適切に吸引保持される状態では、領域A2の圧力は十分に小さくなる。そこで、本実施の形態の判定装置54は、真空計52の計測値を所定の閾値と比較する。
真空計52の計測値が閾値以下(又は閾値より小さい)の場合、判定装置54は、板状物11が適切に吸引保持されると判定する。一方、真空計52の計測値が閾値より大きい(又は閾値以上)の場合、判定装置54は、板状物11が適切に吸引保持されないと判定する。
判定に用いられる閾値は、エアA1の噴射圧力や板状物11の重量等の条件に応じて任意に設定される。なお、閾値は、あらかじめ設定されたものでも良いし、各種条件に応じて判定装置54の計算処理等で設定されるものでも良い。判定装置54は、各種条件に対応した閾値を規定するテーブル等を保持しても良い。
以上のように、本実施の形態に係る板状物の保持機構2は、ノズル44の底面(先端面)44hの開口44jに一端側が接続された圧力検出用配管50と、圧力検出用配管50の他端側に接続された真空計52とを備えるので、ノズル44の底面44h近傍の領域A2の圧力を真空計52で計測し、計測された圧力に基づいて、板状物11を吸引保持できるか否かを適切に判定できる。
また、本実施の形態に係る板状物の保持機構2は、光学センサを用いないので、水等の付着に起因する誤判定の恐れもない。このように、本実施の形態によれば、光学センサを用いることなく吸引保持の可否を適切に判定可能な板状物の保持機構2を提供できる。
なお、本発明は上記実施の形態の記載に限定されない。例えば、上記実施の形態では、昇降機構6としてエアシリンダを用いているが、昇降機構6は電動のアクチュエータ等でも良い。また、昇降機構6は支持アーム4の基端側等に配置されても良い。
また、上記実施の形態では、保持板14に6本の長穴4cを設け、6個の規制部材16を取り付けているが、長穴4c及び規制部材6の数はこれに限定されない。なお、円盤状の板状物11の外周を安定して保持できるようにするためには、少なくとも3本以上の長穴4cを設け、3個以上の規制部材16を取り付けることが好ましい。
また、上記実施の形態では、4個の非接触吸引保持器32を設けているが、非接触吸引保持器32の数は任意に変更できる。十分な吸引保持力を発揮できるようであれば、非接触吸引保持器32は1個でも良い。
また、上記実施の形態では、円柱状にくり貫かれた中央側の同径部36aと、円錐台状にくり貫かれた先端側の拡径部36bとを含む凹部36を筐体34に形成しているが、筐体34に形成される凹部36の形状は任意に変更できる。
また、上記実施の形態では、凹部36の形状に対応するノズル44を用いているが、ノズル44の形状は、必ずしも凹部36の形状に対応していなくて良い。例えば、ノズル44の全体を円柱状に形成することもできる。この場合、ノズル44の一部が凹部36の同径部36aから先端側に突出した状態となる。
また、上記実施の形態では、ノズルから噴射したエアA1で負圧を発生させて板状物11を吸引保持しているが、ノズル44から噴射する気体の種類は任意に変更できる。水等の液体をノズル44から噴射して板状物11を吸引保持しても良い。すなわち、本発明では、気体及び液体を流体として使用できる。
その他、上記実施の形態に係る構成、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
2 保持機構
4 支持アーム
6 昇降機構
8 シリンダケース
10 ピストンロッド
12 連結部材
12a 上底面
12b 下底面
14 保持板
14a 上面
14b 下面
14c 長穴
16 規制部材(規制手段)
18 移動ブロック
18a 上面
18b 下面
18c 係合凸部
18d ネジ穴
20 シート
22 ネジ
32 非接触吸引保持器
34 筐体(本体部)
34a 底面
34b 側面
34c 底面
36 凹部
36a 同径部
36b 拡径部
38 エア供給路
40 エア供給管
42 エア供給源
44 ノズル
44a 柱状部
44b 錐台部
44c 噴射流路
44d 底面
44e 開口
44f 側面
44g 開口(流体噴射口)
44h 底面(先端面)
44i 貫通穴
44j 開口
46 凹部
48 配管支持構造
48a 支持穴
50 圧力検出用配管
50a 開口
52 真空計
54 判定装置(判定手段)
11 板状物
11a 被保持面
A1 エア(流体)
A2 領域

Claims (1)

  1. 板状物に流体を噴出することで負圧を生成し板状物を非接触で吸引保持する非接触吸引保持器と、該非接触吸引保持器に吸引された板状物の水平方向への移動を規制する規制手段と、を有する板状物の保持機構であって、
    該非接触吸引保持器は、
    先端側に流体案内面を有する凹部が形成された本体部と、
    該本体部の該凹部内に取り付けられ、該流体案内面に向けて流体を噴出する流体噴射口を側面に有するノズルと、
    板状物と対面する該ノズルの先端面の開口に一端側を接続した圧力検出用配管と、
    該圧力検出用配管の他端側に接続された真空計と、
    該真空計によって計測される圧力が所定以下となることで板状物が吸引されていると判定する判定手段と、を有することを特徴とする板状物の保持機構。
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