JP2015178805A - 排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気中のNOxを効果的に除去する。
【解決手段】気液接触吸収装置16では、内燃機関10からの排気と捕集液を接触させて、排気に含まれるNOxガスを捕集液に吸収する。制御部48は、気液接触吸収装置16に流入する排気中の水蒸気濃度を気液接触吸収装置16内部における排気の飽和水蒸気濃度以上の濃度に調節する。
【選択図】図1
【解決手段】気液接触吸収装置16では、内燃機関10からの排気と捕集液を接触させて、排気に含まれるNOxガスを捕集液に吸収する。制御部48は、気液接触吸収装置16に流入する排気中の水蒸気濃度を気液接触吸収装置16内部における排気の飽和水蒸気濃度以上の濃度に調節する。
【選択図】図1
Description
本発明は湿式の排気浄化装置に関する。
内燃機関からの排気には、窒素酸化物(NOx:NO,NO2)などの有害成分が含まれており、これを無害化する処理が必要である。その処理法として、触媒を用いて窒素酸化物を窒素ガスに還元する方式が知られている。一方、水などを用いる湿式法も知られており、湿式法では、排気と捕集液を接触させることで、排気に含まれるNOxを捕集液へ吸収して浄化する。
特許文献1には、湿式のNOxの浄化処理装置が記載されており、排気にオゾンを添加し硝酸生成触媒によりNOxを改質することが示されている。
特許文献2には、被処理ガス中の被処理ガス成分であるNOxをオゾン酸化し、このオゾン酸化後の被処理ガス中の残存NOx成分を吸収液によって吸収除去するNOxを含有する被処理ガスの脱硝方法が示されている。
特許文献3には、ボイラなどの燃焼装置からの排ガス中に含まれる硫黄酸化物を除去するために、アルカリ金属またはアルカリ土類金属等の吸収剤と気液接触させる脱硫塔を備えた湿式脱硫装置が示されている。そして、この湿式脱硫装置では、脱硫塔内あるいは脱硫塔出口ダクト内に水蒸気を吹き込む水蒸気管を設け、ダストの捕集効率を上昇している。
ここで、湿式法では、気液接触装置において、排気と捕集液を接触させ、NOxを捕集液に捕集する。そこで、気液接触装置において、確実にNOxを捕集したいという要求がある。特に、車両の排気中のNOxを処理する場合においては、気液接触装置をなるべく小さくしたいという要求があり、より効果的なNOxの捕集が望まれる。
本発明は、内燃機関の排気と捕集液を接触させて、排気に含まれるNOxガスを捕集液に吸収する気液接触吸収装置と、前記気液接触吸収装置に流入する排気中の水蒸気濃度を前記気液接触吸収装置内部における排気の飽和水蒸気濃度以上の濃度に調節する水蒸気濃度調節手段と、を備える。
一実施形態では、前記水蒸気濃度調節手段は、前記気液接触吸収装置に流入する排気に水蒸気を添加することで気液接触吸収装置に流入する排気の水蒸気濃度を上昇させる水蒸気添加装置である。
他の実施形態では、前記水蒸気濃度調節手段は、前記内燃機関における空燃比を下げることで気液接触吸収装置に流入する排気の水蒸気濃度を上昇させる空燃比制御手段である。
さらに他の実施形態では、前記水蒸気濃度調節手段は、前記気液接触吸収装置内部の温度を低下させることで気液接触吸収装置に流入する排気の水蒸気濃度を上昇させる温度調整制御手段である。
本発明によれば、気液接触吸収装置に流入してくる排気の水蒸気濃度を、気液接触吸収装置内での飽和水蒸気濃度よりも高く維持できるため、排気に含まれるNOxを捕集液へ効率よく吸収することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、ここに記載される実施形態に限定されるものではない。
<全体構成>
図1は、本実施形態に係る排気浄化装置の全体構成を示す図である。内燃機関としてのエンジン10は、複数のシリンダを有し、シリンダ内に空気と燃料を導入し、ここで燃料が燃焼されて動力が取り出される。そして、燃焼後の排気が各シリンダから排出される。なお、エンジン10には、空燃比調整部30が設けられており、エンジン10のシリンダ内で燃焼される混合気の空気と燃料の比率を調整する。燃料はシリンダ内に直接供給しても、吸気管内に供給してもよい。
図1は、本実施形態に係る排気浄化装置の全体構成を示す図である。内燃機関としてのエンジン10は、複数のシリンダを有し、シリンダ内に空気と燃料を導入し、ここで燃料が燃焼されて動力が取り出される。そして、燃焼後の排気が各シリンダから排出される。なお、エンジン10には、空燃比調整部30が設けられており、エンジン10のシリンダ内で燃焼される混合気の空気と燃料の比率を調整する。燃料はシリンダ内に直接供給しても、吸気管内に供給してもよい。
エンジン10からの排気にはNOxなどの有害成分が含まれ、その排気は排気管12を通り、水蒸気添加装置14に供給される。この水蒸気添加装置14は、例えば水を排気中に噴霧して水蒸気濃度を増加させる。水蒸気添加装置14は、ガスの水蒸気濃度を調節できればどのような手段でもよく、例えばスプレノズルなどで水を噴霧してもよいし、多孔質膜型の加湿器を用いてもよい。
水蒸気濃度が調節された排気は気液接触吸収装置16に供給される。この気液接触吸収装置16は、例えば膜式であり、多孔質膜の一方側(捕集液室)に捕集液を供給し、他方側(排気室)を流通する排気中の水溶性ガス(NOxなど)が捕集液側に吸収されて除去される。
このように、NOxなどの有害成分が、気液接触吸収装置16において捕集液と接触することで吸収されて排気が浄化され、浄化された排気が排気口18より排出される。なお、排気中のNOxは水と反応することで硝酸へ変換されて捕集液に吸収される。このため、気液接触吸収装置16は、排気に含まれるNOxを硝酸(HNO3)または硝酸イオン(NO3 −)として捕集液に吸収させて排気から分離除去する。気液接触吸収装置16は、NOxや硝酸または硝酸イオンを捕集液に吸収できればどのような形式のものでもよく、捕集液を排気中に噴霧することなどにより気液を直接接触させる形式のものでもよい。
硝酸または硝酸イオンを吸収する捕集液としては、例えば水が用いられる。また、炭酸カリウムや炭酸ナトリウム等のアルカリ塩類、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム等のアルカリ土類塩類、炭酸アンモニウムや炭酸水素アンモニウム等のアンモニウム塩等が水に溶解している水溶液でもよい。
ここで、捕集液貯蔵タンク20が設けられ、捕集液貯蔵タンク20内に貯蔵された捕集液が、ポンプ22によって汲み上げられて気液接触吸収装置16内へ供給される。気液接触吸収装置16で硝酸または硝酸イオンを吸収した捕集液は、捕集液貯蔵タンク20ヘ戻されて循環する。また、捕集液貯蔵タンク20内の水量は水量レベルセンサ等で監視し、規定量を維持するようにするとよい。水量が減った場合は外部より補充したり、排気中の水分を回収して捕集液貯蔵タンク20ヘ投入するなどして、捕集液貯蔵タンク20の水量が規定値を維持されるようにする。なお、捕集液貯蔵タンク20内の捕集液は、処理の経過に伴い、NOx濃度が上昇してくる。そこで、適当な頻度で交換する。NOx濃度の高くなった捕集液は別途処理するとよい。捕集液に吸収された硝酸または硝酸イオンは、硝酸イオン濃度計やpH計により監視するとよい。
また、水蒸気添加装置14の下流側の排気管12には、水蒸気濃度センサ(湿度計)24が設けられており、気液接触吸収装置16の入口の水蒸気濃度を計測する。水蒸気濃度は、本実施形態では、水蒸気圧/大気圧(%)とするが、水蒸気質量/空気質量(%)などとすることもできる。また、この水蒸気濃度は、エンジンの空燃比より計算して求めてもよい。
捕集液貯蔵タンク20には、捕集液温度センサ26が設けられ、気液接触吸収装置16に循環される捕集液の温度を検出する。さらに、捕集液貯蔵タンク20内には、捕集液熱交換器32が配置されており、これによって捕集液貯蔵タンク20内の捕集液の温度を調整することができる。この例では、冷媒を循環して捕集液からの熱を冷媒に移動して冷媒を冷却する熱交換器を採用したが、捕集液温度を下げることができればどのような温度調整手段を採用してもよい。例えば、ペルチェ素子などを利用してもよい。
水蒸気濃度センサ24、捕集液温度センサ26の検出結果は制御装置28に供給される。制御装置28には、エンジン10の運転状態の情報も供給されており、制御装置28は、供給される各種情報(信号)に基づいて、空燃比調整部30における空燃比や、水蒸気添加装置14における水蒸気添加、捕集液熱交換器32による捕集液温度などを制御する。
<水蒸気濃度の調整>
ここで、制御装置28における気液接触吸収装置16へ流入する排気中の水蒸気濃度の調整する手順について、図2に基づいて説明する。
ここで、制御装置28における気液接触吸収装置16へ流入する排気中の水蒸気濃度の調整する手順について、図2に基づいて説明する。
まず、気液接触吸収装置16における水蒸気濃度W1を計測する(S11)。本実施形態では、捕集液温度センサ26で計測した捕集液温度に基づき、気液接触吸収装置16内の排気の水蒸気濃度を求める。例えば、捕集液温度は、排気温度と同一であり、排気は飽和していると仮定することで、計算で求めることができる。また、実際の運転から、温度と水蒸気濃度の関係を求め、その関係をマップとして持っておいてもよい。さらに、気液接触吸収装置16内の排気の湿度を湿度計で計測してもよい。
次に、気液接触吸収装置16の入口の排気中の水蒸気濃度W2を計測する(S12)。本実施形態では、気液接触吸収装置16の入口近くの排気管12に設けられた水蒸気濃度センサ24によって、気液接触吸収装置16の入口の排気中の水蒸気濃度を計測する。
このように、気液接触吸収装置16内の水蒸気濃度W1と、入口の水蒸気濃度W2が求められた場合には、S11で求めた気液接触吸収装置16内の水蒸気濃度W1がS12で求めた入口の水蒸気濃度W2より大きいか(W1>W2)であるか判定する(S13)。W1は、気液接触吸収装置16内における飽和水蒸気濃度と基本的に一致する。従って、この判定は、気液接触吸収装置16に流入する排気の水蒸気濃度W2が気液接触吸収装置16内の飽和水蒸気濃度W1より高いかを判定していることになる。なお、捕集液熱交換器32によって、気液接触吸収装置16内の温度(捕集液温度)を常に所定値に保てば、W1は一定値になる。従って、S13におけるW1は予め設定した所定値としたり、温度によって変化する所定値とすることができる。また、W1を気液接触吸収装置16内の飽和水蒸気濃度より所定量大きな値とすることも好適である。
このS13の判定で、NOであれば、気液接触吸収装置16へ流入してくる排気内の水蒸気濃度は十分であるため、処理を終了する。
一方、S13の判定で、YESであれば、気液接触吸収装置16へ流入してくる排気の水蒸気濃度は十分でない。そこで、エンジン10の運転状態を変更して気液接触吸収装置16の入口の排気中の水蒸気濃度W1が増量できるか(W1>W2にできるか)を判定する(S14)。エンジン10における空燃比を下げて燃料リッチにすることにより、排気中の水蒸気濃度を上昇できるが、空燃比は基本的に理論空燃比に基づいて決定されるものであり、それほど大きく変更することはできない。そこで、その時のエンジン10の運転状態に基づいて排気中の水蒸気濃度を増量できるかを判定する。
S14の判定でYESであれば、空燃比を下げて、燃料リッチとして水蒸気濃度を上昇し(S15)、処理を終了する。
この場合には、内燃機関における空燃比を下げることで気液接触吸収装置に流入する排気の水蒸気濃度を上昇させるため、空燃比制御が水蒸気濃度調節手段である。
S14の判定でNOであれば、水蒸気添加装置14において、水蒸気が添加できるかを判定する(S16)。例えば、排気温度が低い場合、水を必要量添加すると添加した水が十分気化できない場合もある。そこで、必要量の水を添加して気化できる排気温度かを判断する。
このS16の判定でYESであれば、水蒸気添加装置14により、W1<W2になるように水蒸気を添加する(S17)。
この場合は、気液接触吸収装置16に流入する排気に水蒸気を添加することで気液接触吸収装置に流入する排気の水蒸気濃度を上昇させており、水蒸気添加装置14が水蒸気濃度調節手段である。
一方、S16の判定で、水蒸気添加装置14において水蒸気添加装置で水蒸気が添加できない場合、W1<W2になるように気液接触吸収装置16の温度を調節する(S18)。すなわち、気液接触吸収装置16の温度を低下させることで、飽和水蒸気濃度が小さくなりW1を小さくでき、これによってW1<W2とできる。このように、S18では、捕集液熱交換器32によって、気液接触吸収装置16の捕集液温度を調節することで、捕集液の温度より求められる飽和水蒸気濃度が気液接触装置に流入する排気の水蒸気濃度よりも低くなるように調節することができる。
この場合、気液接触吸収装置16内部の温度を低下させることで気液接触吸収装置16に流入する排気の水蒸気濃度を上昇させており、この温度調整制御が水蒸気濃度調節手段である。
例えば、エンジン10がA/F=44で運転される場合には、その排気の水蒸気濃度8%、露点42℃となる。この場合であって、捕集液温度が46℃である場合を考えると、各ステップでの数値は下記のようなものが例示できる。
S11の気液接触吸収装置16の捕集液温度46℃、水蒸気濃度10%。S12の気液接触吸収装置16の入口の排気の水蒸気濃度8%。S14ではA/F<22まで下げられるかを判定する。S15では水蒸気添加装置14において、水蒸気を2%以上添加できるか、すなわち排気が水を2%添加して気化できる温度であるかを判断する。S17では水蒸気を2%添加する。S18では46度から42℃まで冷却する。
なお、上述の説明では、S15の空燃比制御、S17の水蒸気添加、S18の気液接触吸収装置の温度調整のいずれかを行ったが、これらの2つ以上を組み合わせて、気液接触吸収装置16の入口における水蒸気濃度が気液接触吸収装置内部の飽和水蒸気濃度以上になるように調整することも好適である。
<水蒸気濃度の影響について>
ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関からの排気には燃料の燃焼で生成した水が含まれている。排気温度が100℃以上であれば排気に含まれる水は水蒸気として存在する。排気に含まれる水蒸気濃度は空燃比A/Fによつて変化し、例えば理論空燃比A/F=14.7で燃焼した排気には約15%の水蒸気が含まれ、酸素過剰雰囲気のA/F=40では約6%の水蒸気が含まれることになる。
ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関からの排気には燃料の燃焼で生成した水が含まれている。排気温度が100℃以上であれば排気に含まれる水は水蒸気として存在する。排気に含まれる水蒸気濃度は空燃比A/Fによつて変化し、例えば理論空燃比A/F=14.7で燃焼した排気には約15%の水蒸気が含まれ、酸素過剰雰囲気のA/F=40では約6%の水蒸気が含まれることになる。
図3に、A/Fに対する水蒸気濃度(H2O濃度:実線)と、その水蒸気濃度における露点温度(破線)の関係を示す。このように、A/Fが小さく(リーン)なるに従って水蒸気濃度(H2O濃度)および露点温度が上昇する。
内燃機関は運転状態によつてA/Fを変えており、そのために排気に含まれる水蒸気濃度も変化する。水蒸気は温度が低くなれば露点温度で凝縮して液体の水になるが、その露点温度は排気に含まれる水蒸気濃度によつて変化する。すなわち、内燃機関の運転状態(A/F)によつて排気の水蒸気が凝縮する露点温度は変化することになる。特に、酸素過剰の希薄燃焼(リーンバーン)では排気に含まれる水蒸気濃度が低くなるため、露点温度も相対的に低くなる。
本実施形態では、気液接触吸収装置16において、水などの捕集液水を用い、水溶性の有害ガスであるNOxを捕集液へ吸収して浄化する。本発明者らの検討において、排気に含まれるNOxをHNO3などとして吸収除去する時の排気浄化性能は排気の水蒸気濃度と捕集液温度に大きく依存することが明らかとなった。
その結果の例を図4により説明する。図4はHNO3(150ppm)であって、水蒸気濃度(H20)8%と、10%を含む模擬排気を本実施形態の多孔質膜型の気液接触吸収装置16で処理した場合の、捕集液温度に対するHNO3吸収率を示す。
ここで、模擬排気の水蒸気(8%)(図中黒丸で示す)が凝縮する露点温度は42℃以下である。捕集液温度が42℃以下の場合、温度が低いほどHNO3吸収率は高くなっている。この時の気液接触吸収装置16における飽和水蒸気濃度は<8%であり、気液接触吸収装置16に流入する模擬排気の水蒸気濃度よりも低くなつていることから、模擬排気の水蒸気は捕集液と接触することで一部凝縮していると考えられる。
一方、水蒸気濃度を10%に増やした場合(図中白四角で示す)、捕集液温度に対するHNO3吸収率は水蒸気(8%)のときよりも高温側へシフトしている。水蒸気(19%)の露点は46℃であるため、それより低い温度では高い吸収率を示した。
捕集液温度が42℃の場合を見ると、水蒸気濃度を8%から10%に増やすことでHNO3吸収率は30%〜90%に増える。これにより、排気中の水蒸気濃度を上げたり、捕集液温度を下げることでHNO3吸収率を向上できることがわかる。
従って、本実施形態のように、気液接触吸収装置16の入口での水蒸気濃度を気液接触吸収装置16内での飽和水蒸気濃度以上(W1<=W2)とすることで、HNO3の吸収を効果的に行うことができる。また、捕集液温度を33度以下にすることで、吸収率が上がっていることから、W2を実際の気液接触吸収装置16内の飽和水蒸気濃度ではなく、数度〜数10度高い温度での飽和水蒸気濃度より大きくすることも好適である。
<排気の改質>
ここで、気液接触吸収装置16では、排気に含まれるNOxを硝酸(HNO3)または硝酸イオン(NO3 −)として捕集液に吸収させて排気から分離除去する。そこで、排気中のNOxを気液接触吸収装置16に流入する前に硝酸への変換を促進する改質装置を備えていてもよい。
ここで、気液接触吸収装置16では、排気に含まれるNOxを硝酸(HNO3)または硝酸イオン(NO3 −)として捕集液に吸収させて排気から分離除去する。そこで、排気中のNOxを気液接触吸収装置16に流入する前に硝酸への変換を促進する改質装置を備えていてもよい。
図5には、改質装置を設けた場合の構成例が示してある。この例では、エンジン10からの排気管12には、最初に酸化触媒部40に接続される。従って、エンジン10からのNOxガスを含む排気は、排気管12を通って酸化触媒部40へ流入し、ここで酸化触媒により未燃の炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)が酸化されて浄化される。
酸化触媒部40からの排気管12は熱交換器42に接続されており、酸化触媒部40から流出した排気は熱交換器42へ流入し、350℃以下(より好ましくは300℃以下)のガス温度に調節される。この熱交換器42では、排気の温度を350℃以下、好ましくは100℃〜250℃程度に冷却することで後段のNOxの除去効率を上昇することができる。
熱交換器42からの排気管12には改質装置44が接続されている。この改質装置44はオゾン添加部46と、改質触媒部48とからなっている。すなわち、改質触媒部48の手前の排気管には、オゾン添加部46のオゾン添加弁50が設けられており、ここにオゾン発生装置52で発生されたオゾン含有気体(オゾン含有空気またはオゾン含有酸素)が供給される。オゾンが添加された排気は、改質装置44の改質触媒部48内に流入する。改質触媒部48はその内部に硝酸生成触媒が備えられており、排気に含まれるのNOxと水蒸気にオゾンを反応させて硝酸を生成させる。硝酸生成触媒としては、例えばH−BEAゼオライトやAg,Fe,Cs等イオン交換したBEAゼオライト等が例示される。なお、改質はこの方法に限定されることはなく、捕集液に過酸化水素等の酸化剤を添加しておくことで、硝酸の生成反応を促進してもよい。
NOxを硝酸に改質する改質装置44が排気管12における気液接触吸収装置16より上流側の位置に設けられ、排気の温度を調節するための熱交換器(温度調節装置)42が改質装置44より上流側に設けられ、酸化触媒部40が熱交換器42より上流側に設けられていてもよい。
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、気液接触吸収装置16に流入してくる排気の水蒸気濃度は、気液接触吸収装置の飽和水蒸気濃度よりも高く維持できる。気液接触吸収装置16における水溶性ガス(NOx)の吸収率は、捕集液表面での水蒸気の凝縮により促進されるため、排気に含まれるNOxを捕集液へ効率よく吸収することができる。
本実施形態によれば、気液接触吸収装置16に流入してくる排気の水蒸気濃度は、気液接触吸収装置の飽和水蒸気濃度よりも高く維持できる。気液接触吸収装置16における水溶性ガス(NOx)の吸収率は、捕集液表面での水蒸気の凝縮により促進されるため、排気に含まれるNOxを捕集液へ効率よく吸収することができる。
これによって、内燃機関の運転条件が変化して排気の水蒸気濃度が変化しても、NOxを効率的に除去することができる。
さらに、排気中のNOxを硝酸に改質しておくことで、より効率的なNOxの浄化処理が行える。
10 エンジン、12 排気管、14 水蒸気添加装置、16 気液接触吸収装置、18 排気口、20 捕集液貯蔵タンク、22 ポンプ、24 水蒸気濃度センサ、26 捕集液温度センサ、28 制御装置、30 空燃比調整部、32 捕集液熱交換器、40 酸化触媒部、42 熱交換器、44 改質装置、46 オゾン添加部、48 改質触媒部、50 オゾン添加弁、52 オゾン発生装置。
Claims (4)
- 内燃機関の排気と捕集液を接触させて、排気に含まれるNOxガスを捕集液に吸収する気液接触吸収装置と、
前記気液接触吸収装置に流入する排気中の水蒸気濃度を前記気液接触吸収装置内部における排気の飽和水蒸気濃度以上の濃度に調節する水蒸気濃度調節手段と、
を備える、排気浄化装置。 - 請求項1に記載の排気浄化装置であって、
前記水蒸気濃度調節手段は、前記気液接触吸収装置に流入する排気に水蒸気を添加することで気液接触吸収装置に流入する排気の水蒸気濃度を上昇させる水蒸気添加装置である、排気浄化装置。 - 請求項1に記載の排気浄化装置であって、
前記水蒸気濃度調節手段は、前記内燃機関における空燃比を下げることで気液接触吸収装置に流入する排気の水蒸気濃度を上昇させる空燃比制御手段である、排気浄化装置。 - 請求項1に記載の排気浄化装置であって、
前記水蒸気濃度調節手段は、前記気液接触吸収装置内部の温度を低下させることで気液接触吸収装置に流入する排気の水蒸気濃度を上昇させる温度調整制御手段である、排気浄化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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