JP2015178691A - 身体引き上げ力固定具及び引き上げ力固定下衣 - Google Patents

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Abstract

【課題】引き上げ力発生源から発生する腰部背面への引き上げ力を坐骨で支え、衣類の下にも着用することができる、身体引き上げ力固定具及び引き上げ力固定下衣を提供すること。【解決手段】引き上げ力発生源の腰部側端部と接続する接続部11と、右臀溝に沿って配置される右臀溝部材12Rと、左臀溝に沿って配置される左臀溝部材12Lと、接続部11と右臀溝部材12Rの股間側端部12Ra及び左臀溝部材12Lの股間側端部12Laに接続する臀裂部材13と、接続部11と右臀溝部材12Rの反股間側端部12Rbに接続する右分散部材14Rと、接続部11と左臀溝部材12Lの反股間側端部12Lbに接続する左分散部材14Lとを備え、右臀溝部材12Rの反股間側端部12Rbを右臀溝外側端から右股関節3Rまでの間に配置し、左臀溝部材12Lの反股間側端部12Lbを左臀溝外側端から左股関節3Lまでの間に配置した。【選択図】 図1

Description

本発明は、腰部背面に引き上げ力を発生させる引き上げ力発生源と接続して、引き上げ力を坐骨で受け止めることができる身体引き上げ力固定具、及びその身体引き上げ力固定具が生地に配置されている引き上げ力固定下衣に関する。
移乗介助や体位変換などの介護動作や農作業、工場労働などでは、体幹を深く前屈した姿勢をとることが多く、またその姿勢の持続時間が長いこともあって、体幹前屈を支持する筋負担が大きく、介護者や作業者に腰痛等の障害が引き起こされ易いという問題がある。
この問題に対して、体幹前屈を支持し筋負担を軽減することが可能な腰部負担軽減具が提案されている(例えば、特許文献1から特許文献6)。
特許文献1から特許文献6で提案されている腰部負担軽減具は、身体背面に配置された弾性材又は動力源によって体幹前屈時の筋力を補助し、筋肉疲労を原因とする腰痛を予防することができる。この腰部負担軽減具は、上半身部(以下、「上衣」という)と、下半身部(以下、「下衣」という)から構成されているが、身体を吊り上げるハーネスなどでは上衣と下衣とに分けないこともある。しかし、そのどちらも、腰部背面に加わる引き上げ力を、骨盤もしくは下肢、又はその両方で受け止めている。なお、腰部背面に加わる引き上げ力は、腰部背面の左右対称に2カ所もしくは中央に集中して、又は腰回りに分散して伝達されるが、どの場合でも、その力を骨盤もしくは下肢、又はその両方で受け止める必要がある。この力の受け止め方には、特許文献1から特許文献5に示すように膝又は足の土踏まずで支える方法、特許文献6に示すように股間で支える方法、及び特許文献7又は特許文献8に示すように大腿部で支える方法などがある。
なお、腰部負担軽減具ではないが、股関節の安定性を向上し、腰椎の前湾を弱め、若々しい体型や姿勢を作り、腰痛などの痛みの緩和にも寄与し、高齢者においては転倒の防止にもつながる機能を有する衣料や、ヒップ下部へのフィット性の向上、ヒップ裾ラインのずり上がり防止の確実性を図るショーツ等の衣料が提案されている(例えば、特許文献9及び特許文献10)。
特許第4000254号公報 意匠登録第1457511号公報 意匠登録第1457512号公報 意匠登録第1457336号公報 意匠登録第1457337号公報 特許第4345025号公報 特開2013−81597号公報 登録実用新案第3159873号公報 特開2001−192903号公報 特開2013−7123号公報
特許文献1から特許文献5で提案されている腰部負担軽減具によれば、体幹の前屈時に背部の体表面距離が大きく変化したとき、肩から少なくとも骨盤部に配した弾性材が伸張することによって弾性材に張力が生じ、この力を利用して腰背部の筋負担を軽減することができる。なお、この背筋補助力は弾性材でなくても特許文献6のように動力によっても発生することができる。ところで、これらの力を筋負担の軽減に活かすには、その力の発生源が少なくとも肩と骨盤などの腰の上下に固定されていなければならない。さらに、特許文献7又は特許文献8のように身体を吊り上げる場合にも、その力を受け止める部分が身体側に必要になり、脇下、骨盤又は大腿部などが固定部位に選ばれることが多い。中でも下半身による固定は、これらすべての場合に共通するため、以下では、身体背面に作用して下半身に固定されるべき力を、引き上げ力と呼ぶ。
しかし、特許文献1から特許文献5のように膝や土踏まずで支える方法では、スカートなどの衣類と併用した場合に腰部負担軽減具を衣類の下に隠しにくく美観上の問題があり、着用においての抵抗感が大きい。特に、女性にも無理なく着用してもらうためには、引き上げ力の受け方を変えてインナー性を高める必要がある。
また、特許文献6から特許文献8のように股間や大腿部で支える方法では頻繁な圧迫に耐えられず、特許文献9及び特許文献10のような衣料では大きな引き上げ力を受け止めることができない。
そこで本発明は、引き上げ力発生源から発生する腰部背面への引き上げ力を坐骨で支え、かつ、臀丘の圧迫を防ぎ、また、股下から大きく出ることもなく、スカートなどの衣類の下にも着用することができる引き上げ力固定下衣と、衣類の上からも着用することができる身体引き上げ力固定具を提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明の身体引き上げ力固定具は、腰部背面に引き上げ力を発生させる引き上げ力発生源と接続して、前記引き上げ力を坐骨で受け止める身体引き上げ力固定具であって、前記引き上げ力発生源の腰部側端部と接続する接続部と、右臀溝に沿って配置される右臀溝部材と、左臀溝に沿って配置される左臀溝部材と、前記接続部と前記右臀溝部材の股間側端部及び前記左臀溝部材の股間側端部に接続し、前記接続部に加わる前記引き上げ力を、前記右臀溝部材及び前記左臀溝部材に伝える臀裂部材と、前記接続部と前記右臀溝部材の反股間側端部に接続し、前記接続部に加わる前記引き上げ力を、前記右臀溝部材に伝える右分散部材と、前記接続部と前記左臀溝部材の反股間側端部に接続し、前記接続部に加わる前記引き上げ力を、前記左臀溝部材に伝える左分散部材とを備え、前記右臀溝部材の反股間側端部を右臀溝外側端から右股関節までの間に配置し、前記左臀溝部材の反股間側端部を左臀溝外側端から左股関節までの間に配置したことを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の身体引き上げ力固定具において、前記右臀溝部材の反股間側端部から前記左臀溝部材の反股間側端部までの下腹部に前結部材を配置したことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の身体引き上げ力固定具において、右大腿部に右大腿部材を、左大腿部に左大腿部材をそれぞれ配置し、前記右臀溝部材の下辺の少なくとも一部を前記右大腿部材に接続し、前記左臀溝部材の下辺の少なくとも一部を前記左大腿部材に接続したことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の身体引き上げ力固定具において、腹部から股間にかけて下腹部材を配置し、前記下腹部材の股間側端部を、前記臀裂部材の股間側端部、前記右臀溝部材の前記股間側端部及び前記左臀溝部材の前記股間側端部に接続し、前記下腹部材の反股間側端部を固定したことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の身体引き上げ力固定具において、一方の端部を前記右臀溝部材の前記反股間側端部に接続し、左上前腸骨棘近傍を通って他方の端部を前記接続部に接続する右上り前斜部材と、一方の端部を前記左臀溝部材の前記反股間側端部に接続し、右上前腸骨棘近傍を通って他方の端部を前記接続部に接続する左上り前斜部材とを備えることを特徴とする。
請求項6記載の本発明の身体引き上げ力固定具は、腰部背面に引き上げ力を発生させる引き上げ力発生源と接続して、前記引き上げ力を坐骨で受け止める身体引き上げ力固定具であって、前記引き上げ力発生源の腰部側端部と接続する接続部と、右臀溝に沿って配置される右臀溝部材と、左臀溝に沿って配置される左臀溝部材と、前記接続部と前記右臀溝部材の股間側端部及び前記左臀溝部材の股間側端部に接続し、前記接続部に加わる前記引き上げ力を、前記右臀溝部材及び前記左臀溝部材に伝える臀裂部材と、前記右臀溝部材の反股間側端部から前記左臀溝部材の反股間側端部までの下腹部に配置される前結部材とを備え、前記右臀溝部材の反股間側端部を右臀溝外側端から右股関節までの間に配置し、前記左臀溝部材の反股間側端部を左臀溝外側端から左股関節までの間に配置したことを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項6に記載の身体引き上げ力固定具において、腹部から股間にかけて下腹部材を配置し、前記下腹部材の股間側端部を、前記臀裂部材の股間側端部、前記右臀溝部材の前記股間側端部及び前記左臀溝部材の前記股間側端部に接続し、前記下腹部材の反股間側端部を固定したことを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の身体引き上げ力固定具において、前記引き上げ力発生源と一体的に形成したことを特徴とする。
請求項9記載の本発明の引き上げ力固定下衣は、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の身体引き上げ力固定具が生地に配置されていることを特徴とする。
本発明の身体引き上げ力固定具及び引き上げ力固定下衣によれば、特に前屈姿勢時において右臀溝部材及び左臀溝部材が臀溝で確実に圧接されるため、引き上げ力発生源から発生する腰部背面への引き上げ力を坐骨に引っかけて受けることができる。
さらに、本発明によれば、臀丘の圧迫を防ぎ、また、股下から大きく出ることもなく、スカートなどの衣類の下にも着用することができる引き上げ力固定下衣と、衣類の上からも着用することができる身体引き上げ力固定具を提供することができる。
本発明の第1の実施例による身体引き上げ力固定具を示す概略構成図 第2の実施例による身体引き上げ力固定具を示す概略構成図 第3の実施例による身体引き上げ力固定具を示す概略構成図 第4の実施例による身体引き上げ力固定具を示す概略構成図 第5の実施例による身体引き上げ力固定具を示す概略構成図 第6の実施例による身体引き上げ力固定具を示す概略構成図 第7の実施例による身体引き上げ力固定具を示す概略構成図 第8の実施例による身体引き上げ力固定具を示す概略構成図 第9の実施例による引き上げ力固定下衣を示す概略構成図 第10の実施例による身体引き上げ力固定具及び引き上げ力発生源を示す概略構成図 第11の実施例による身体引き上げ力固定具及び引き上げ力発生源を示す概略構成図 臀溝部材が坐骨結節に掛かる状態を示す図 大腿部材が股関節屈曲を妨げないことを示す図
本発明の第1の実施の形態による身体引き上げ力固定具は、引き上げ力発生源の腰部側端部と接続する接続部と、右臀溝に沿って配置される右臀溝部材と、左臀溝に沿って配置される左臀溝部材と、接続部と右臀溝部材の股間側端部及び左臀溝部材の股間側端部に接続し、接続部に加わる引き上げ力を、右臀溝部材及び左臀溝部材に伝える臀裂部材と、接続部と右臀溝部材の反股間側端部に接続し、接続部に加わる引き上げ力を、右臀溝部材に伝える右分散部材と、接続部と左臀溝部材の反股間側端部に接続し、接続部に加わる引き上げ力を、左臀溝部材に伝える左分散部材とを備え、右臀溝部材の反股間側端部を右臀溝外側端から右股関節までの間に配置し、左臀溝部材の反股間側端部を左臀溝外側端から左股関節までの間に配置したものである。
本実施の形態によれば、接続部に加わる引き上げ力発生源から発生する腰部背面への引き上げ力を右臀溝部材及び左臀溝部材に伝えることができ、体幹を前屈させた姿勢などにおいて、右臀溝部材及び左臀溝部材が臀溝で確実に圧接されるため、引き上げ力発生源から発生する腰部背面への引き上げ力を坐骨に引っかけて受けることができる。
また、引き上げ力発生源から発生する腰部背面への引き上げ力を右分散部材と左分散部材と臀裂部材とによって分散させることができるため、各部材への負担を弱めることができるとともに、臀丘の圧迫を回避することができる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による身体引き上げ力固定具において、右臀溝部材の反股間側端部から左臀溝部材の反股間側端部までの下腹部に前結部材を配置したものである。
本実施の形態によれば、前結部材によって右臀溝部材及び左臀溝部材が常に臀溝に圧接され、右臀溝部材及び左臀溝部材のずり上がりを防ぐことができる。
また、右臀溝部材、左臀溝部材、右分散部材及び左分散部材の水平方向のずれも防ぐことができる。
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による身体引き上げ力固定具において、右大腿部に右大腿部材を、左大腿部に左大腿部材をそれぞれ配置し、右臀溝部材の下辺の少なくとも一部を右大腿部材に接続し、左臀溝部材の下辺の少なくとも一部を左大腿部材に接続したものである。
本実施の形態によれば、右大腿部材及び左大腿部材によって、右臀溝部材及び左臀溝部材のずれを防止でき、臀溝への圧迫を分散しつつ,確実な圧接を行える。
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3のいずれかの実施の形態による身体引き上げ力固定具において、腹部から股間にかけて下腹部材を配置し、下腹部材の股間側端部を、臀裂部材の股間側端部、右臀溝部材の股間側端部及び左臀溝部材の股間側端部に接続し、下腹部材の反股間側端部を固定したものである。
本実施の形態によれば、下腹部材を、臀裂部材、右臀溝部材及び左臀溝部材と股下で接続することで、右臀溝部材及び左臀溝部材のずれを防止でき、臀溝への確実な圧接を行うことができる。
また、骨盤周囲の圧力バランスを向上させ、着用の安定感を増すことができる。
本発明の第5の実施の形態は、第1から第4のいずれかの実施の形態による身体引き上げ力固定具において、一方の端部を右臀溝部材の反股間側端部に接続し、左上前腸骨棘近傍を通って他方の端部を接続部に接続する右上り前斜部材と、一方の端部を左臀溝部材の反股間側端部に接続し、右上前腸骨棘近傍を通って他方の端部を接続部に接続する左上り前斜部材とを備えるものである。
本実施の形態によれば、右上り前斜部材と左上り前斜部材とによって、右臀溝部材、左臀溝部材を臀溝に安定的に圧接させることができるとともに、右分散部材及び左分散部材の水平方向のずれを防ぐことができる。
また、引き上げ力作用点である接続部の左右方向の固定を行うことができる。
また、下腹部材、あるいは右大腿部材及び左大腿部材と併せて使用した場合は、下腹部材、あるいは右大腿部材及び左大腿部材の局所的な身体圧迫を軽減し、かつ、前屈に伴う下腹の膨隆を抑え、腹圧を高める効果も期待できる。
本発明の第6の実施の形態による身体引き上げ力固定具は、引き上げ力発生源の腰部側端部と接続する接続部と、右臀溝に沿って配置される右臀溝部材と、左臀溝に沿って配置される左臀溝部材と、接続部と右臀溝部材の股間側端部及び左臀溝部材の股間側端部に接続し、接続部に加わる引き上げ力を、右臀溝部材及び左臀溝部材に伝える臀裂部材と、右臀溝部材の反股間側端部から左臀溝部材の反股間側端部までの下腹部に配置される前結部材とを備え、右臀溝部材の反股間側端部を右臀溝外側端から右股関節までの間に配置し、左臀溝部材の反股間側端部を左臀溝外側端から左股関節までの間に配置したものである。
本実施の形態によれば、接続部に加わる引き上げ力発生源から発生する腰部背面への引き上げ力を右臀溝部材及び左臀溝部材に伝えることができ、体幹を前屈させた姿勢などにおいて、右臀溝部材及び左臀溝部材は、臀溝に確実に圧接されるため、引き上げ力発生源から発生する腰部背面への引き上げ力を坐骨に引っかけて受けることができる。
また、前結部材によって、右臀溝部材及び左臀溝部材のずり上がり及び水平方向のずれを防ぐことができる。
本発明の第7の実施の形態は、第6の実施の形態による身体引き上げ力固定具において、腹部から股間にかけて下腹部材を配置し、下腹部材の股間側端部を、臀裂部材の股間側端部、右臀溝部材の股間側端部及び左臀溝部材の股間側端部に接続し、下腹部材の反股間側端部を固定したものである。
本実施の形態によれば、下腹部材を、臀裂部材、右臀溝部材及び左臀溝部材と股下で接続することで、右臀溝部材及び左臀溝部材のずれを防止でき、臀溝への確実な圧接を行うことができる。
また、骨盤周囲の圧力バランスを向上させ、着用の安定感を増すことができる。
本発明の第8の実施の形態は、第1から第7のいずれかの実施の形態による身体引き上げ力固定具において、引き上げ力発生源と一体的に形成したものである。
本実施の形態によれば、上衣と下衣を一体的に着用することができる。
本発明の第9の実施の形態による引き上げ力固定下衣は、第1から第8のいずれかの実施の形態による身体引き上げ力固定具が生地に配置されているものである。
本実施の形態によれば、各部材を強固な布などで立体的、一体的に製作したり、スパッツ状、ショーツ状、又はすててこ状などに形成した生地に配置したりすることができ、身体引き上げ力固定具を構成する各部材の相対位置を保つことができるとともに、着脱が容易となる。
以下本発明の実施例による身体引き上げ力固定具及び引き上げ力固定下衣について説明する。
図1は第1の実施例による身体引き上げ力固定具を示す概略構成図である。
図1(a)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した前面図、図1(b)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した左側面図、図1(c)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した背面図である。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、腰部背面に引き上げ力Fを発生させる引き上げ力発生源と接続して、引き上げ力Fを坐骨で受け止める。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、引き上げ力発生源の腰部側端部と接続する2箇所の接続部11R、11Lを備えている。
同図(c)に示すように、右接続部11Rは、右上後腸骨棘2R近傍に配置し、左接続部11Lは、左上後腸骨棘2L近傍に配置する。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、右臀部と右大腿後部との境界となる右臀溝に沿って配置される右臀溝部材12Rと、左臀部と左大腿後部との境界となる左臀溝に沿って配置される左臀溝部材12Lとを備えている。
同図(c)に示すように、右臀溝部材12Rの股間側端部12Raは股間近傍に配置し、左臀溝部材12Lの股間側端部12Laは股間近傍に配置する。
同図(b)及び(c)に示すように、右臀溝部材12Rの反股間側端部12Rbは右臀溝外側端から右股関節3Rまでの間に配置し、左臀溝部材12Lの反股間側端部12Lbは左臀溝外側端から左股関節3Lまでの間に配置する。
このように、右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lは、右股関節3R及び左股関節3Lの屈伸に干渉せず、かつ、臀丘形状を保つように配置する。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、右接続部11R及び左接続部11Lに加わる引き上げ力発生源からの引き上げ力Fを、右臀溝部材12Rの股間側端部12Ra及び左臀溝部材12Lの股間側端部12Laに伝える臀裂部材13を備えている。
同図(c)に示すように、臀裂部材13は、Y字状であり、二股に分かれる反股間側端部13bは、それぞれ右接続部11R、左接続部11Lと接続し、股間側端部13aは、右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lと接続する。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、右分散部材14Rと左分散部材14Lとを備えている。
同図(b)及び(c)に示すように、右分散部材14Rは、右接続部11Rと右臀溝部材12Rの反股間側端部12Rbに接続し、右接続部11Rに加わる引き上げ力発生源からの引き上げ力Fを、右臀溝部材12Rの反股間側端部12Rbに伝える。
また、右分散部材14Rと同様に、左分散部材14Lは、左接続部11Lと左臀溝部材12Lの反股間側端部12Lbに接続し、左接続部11Lに加わる引き上げ力発生源からの引き上げ力Fを、左臀溝部材12Lの反股間側端部12Lbに伝える。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、以上のように構成することで、右接続部11R及び左接続部11Lに加わる引き上げ力発生源から発生する腰部背面への引き上げ力Fを、右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lに伝えることができ、図12に示すように、体幹を前屈させた姿勢などにおいて、右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lが臀溝で確実に圧接されるため、引き上げ力発生源から発生する腰部背面への引き上げ力Fを坐骨に引っかけて受けることができる。
また、引き上げ力発生源から発生する腰部背面への引き上げ力Fを右分散部材14Rと左分散部材14Lと臀裂部材13とによって分散させことができるため、各部材の負担を軽減することができるとともに、臀丘の圧迫を回避することができる。
なお、本実施例による身体引き上げ力固定具は、引き上げ力発生源の腰部側端部とは2箇所の接続部11R、11Lで接続するものとして説明したが、接続部は1箇所だけとしてもよく、あるいは3箇所以上の複数としてもよい。
また、本実施例による身体引き上げ力固定具は、臀裂部材13は、Y字状のものとして説明したが、臀丘中央の臀裂付近に配置するものであれば、途中で分岐しないI字状であってもよいし、複数本に分離して配置されたものであってもよい。
図2は第2の実施例による身体引き上げ力固定具を示す概略構成図である。
図2(a)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した前面図、図2(b)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した左側面図、図2(c)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した背面図である。なお、第1の実施例と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による身体引き上げ力固定具では、右接続部11R、左接続部11L、右臀溝部材12R、左臀溝部材12L、臀裂部材13、右分散部材14R及び左分散部材14Lを備え、さらに、右臀溝部材12Rの反股間側端部12Rbから左臀溝部材12Lの反股間側端部12Lbまでの下腹部に前結部材16を配置している。
同図(a)及び(b)に示すように、前結部材16は、一方の端部を右臀溝部材12Rの反股間側端部12Rbに接続し、他方の端部を左臀溝部材12Lの反股間側端部12Lbに接続する。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、以上のように構成することで、前結部材16によって右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lが常に臀溝に圧接され、右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lのずり上がりを防ぐことができる。
また、右臀溝部材12R、左臀溝部材12L、右分散部材14R及び左分散部材14Lの水平方向のずれも防ぐことができる。
なお、前結部材16は、同図(a)のように出来るだけ水平に下腹部に巻くようにしたほうが、ずり上がり又は水平方向のずれを、より効果的に防止することができる。
また、身体引き上げ力固定具の各部材は、それぞれ分離可能としてもよいし、強固な布などで立体的・一体的に製作してもよい。
図3は第3の実施例による身体引き上げ力固定具を示す概略構成図である。
図3(a)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した前面図、図3(b)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した左側面図、図3(c)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した背面図である。なお、第1の実施例及び第2の実施例と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による身体引き上げ力固定具では、右接続部11R、左接続部11L、右臀溝部材12R、左臀溝部材12L、臀裂部材13、右分散部材14R及び左分散部材14Lを備え、さらに、右大腿部4Rに右大腿部材15Rを、左大腿部4Lに左大腿部材15Lをそれぞれ配置している。
同図(a)、(b)及び(c)に示すように、右大腿部材15Rは右大腿部4Rの全周を包囲し、左大腿部材15Lは左大腿部4Lの全周を包囲している。また、右臀溝部材12Rの下辺は右大腿部材15Rに接続し、左臀溝部材12Lの下辺は左大腿部材15Lに接続している。
同図(a)及び(b)に示すように、右大腿部材15R及び左大腿部材15Lは、体側部から前面を通って内腿に至るまでの縦幅が徐々に小さくなるように斜めにカットしている。このことにより、図13に示すように、大腿全体の着圧を不必要に高めず、かつ、股関節屈曲時に大腿部材が下腹に干渉することを回避できる。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、以上のように構成することで、右大腿部材15R及び左大腿部材15Lによって、右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lのずれを防止でき、臀溝への確実な圧接を行うことができる。
なお、身体引き上げ力固定具の各部材は、それぞれ分離可能としてもよいし、強固な布などで立体的・一体的に製作してもよい。
図4は第4の実施例による身体引き上げ力固定具を示す概略構成図である。
図4(a)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した前面図、図4(b)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した左側面図、図4(c)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した背面図である。なお、第1の実施例から第3の実施例と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、右接続部11R、左接続部11L、右臀溝部材12R、左臀溝部材12L、臀裂部材13、右分散部材14R、左分散部材14L及び前結部材16を備え、さらに、腹部から股間にかけて下腹部材17を配置している。また、腰部の全周に腰囲部材18を配置している。
同図(c)に示すように、下腹部材17の股間側端部17aは、臀裂部材13の股間側端部13a、右臀溝部材12Rの股間側端部12Ra及び左臀溝部材12Lの股間側端部12Laに接続している。なお、股間の圧迫を避けるために、会陰部を回避して接続する。
同図(a)に示すように、下腹部材17の反股間側端部17bは、腰囲部材18に接続することで固定している。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、以上のように構成することで、下腹部材17を、臀裂部材13、右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lと股下で接続することで、右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lのずれを防止でき、臀溝への確実な圧接を行える。
また、骨盤周囲の圧力バランスを向上させ、着用の安定感を増すことができる。
なお、身体引き上げ力固定具の各部材は、それぞれ分離可能としてもよいし、強固な布などで立体的・一体的に製作してもよい。
また、本実施例においては、臀裂部材13及び下腹部材17のずれを防ぐために腰部の全周に腰囲部材18を配置しているが、引き上げ力発生源や上衣などとの接続によって臀裂部材13及び下腹部材17のずれを防げるのであれば腰囲部材18は配置しなくともよい。
図5は第5の実施例による身体引き上げ力固定具を示す概略構成図である。
図5(a)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した前面図、図5(b)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した左側面図、図5(c)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した背面図である。なお、第1の実施例から第4の実施例と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、右接続部11R、左接続部11L、右臀溝部材12R、左臀溝部材12L、臀裂部材13、右分散部材14R、左分散部材14L、右大腿部材15R及び左大腿部材15Lを備え、さらに、前斜部材19を配置している。
同図(a)及び(b)に示すように、前斜部材19は、一方の端部を右臀溝部材12Rの反股間側端部12Rbに接続し、左上前腸骨棘1L近傍を通って他方の端部を左接続部11Lに接続する右上り前斜部材19Rと、一方の端部を左臀溝部材12Lの反股間側端部12Lbに接続し、右上前腸骨棘1R近傍を通って他方の端部を右接続部11Rに接続する左上り前斜部材19Lとからなり、右上り前斜部材19Rと左上り前斜部材19Lとは、下腹中央近傍で交差する。
なお、本実施例においては、同図(c)に示すように、右上り前斜部材19Rの他方の端部と左上り前斜部材19Lの他方の端部とを腰背面で接続しているが、接続させなくともよい。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、以上のように、右上り前斜部材19R、左上り前斜部材19L、右大腿部材15R及び左大腿部材15Lを併せて用いることによって、右臀溝部材12R、左臀溝部材12L、右分散部材14R及び左分散部材14Lの上下および左右方向のずれを防ぐことができる。
また、引き上げ力作用点である右接続部11R及び左接続部11Lの左右方向の固定を行うことができる。
また、右上り前斜部材19R及び左上り前斜部材19Lが臀溝部材を臀溝に圧接させるため、右大腿部材15R及び左大腿部材15Lの局所的な身体圧迫を軽減し、かつ、前屈に伴う下腹の膨隆を抑え、腹圧を高める効果も期待できる。
なお、身体引き上げ力固定具の各部材は、それぞれ分離可能としてもよいし、強固な布などで立体的・一体的に製作してもよい。
図6は第6の実施例による身体引き上げ力固定具を示す概略構成図である。
図6(a)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した前面図、図6(b)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した左側面図、図6(c)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した背面図である。なお、第1の実施例から第5の実施例と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、右接続部11R、左接続部11L、右臀溝部材12R、左臀溝部材12L、臀裂部材13、右分散部材14R、左分散部材14L、右大腿部材15R、左大腿部材15L、下腹部材17及び前斜部材19を備えている。
同図(a)に示すように、下腹部材17の反股間側端部17bは、右上り前斜部材19Rと左上り前斜部材19Lとが交差する近傍で、右上り前斜部材19R及び左上り前斜部材19Lと接続することで固定している。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、以上のように構成することで、右接続部11R及び左接続部11Lに加わる引き上げ力発生源から発生する腰部背面への引き上げ力Fを、右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lに伝えることができ、右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lが臀溝で確実に圧接されるため、引き上げ力発生源から発生する腰部背面への引き上げ力Fを坐骨に引っかけて受けることができる。
また、引き上げ力発生源から発生する腰部背面への引き上げ力Fを右分散部材14Rと左分散部材14Lと臀裂部材13と下腹部材17とによって分散させことができるため、各部材の負担を軽減することができるとともに、臀丘の圧迫を回避することができる。
また、右大腿部材15R及び左大腿部材15Lによって、右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lのずれを防止でき、臀溝への確実な圧接を行える。
また、下腹部材17を、臀裂部材13、右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lと股下で接続することで、右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lのずれを防止でき、臀溝への確実な圧接を行える。
また、骨盤周囲の圧力バランスを向上させ、着用の安定感を増すことができる。
また、右上り前斜部材19R、左上り前斜部材19L、下腹部材17、右大腿部材15R及び左大腿部材15Lを併せて用いることによって、右臀溝部材12R、左臀溝部材12L、右分散部材14R及び左分散部材14Lの上下及び水平方向のずれを防ぐことができる。
また、引き上げ力作用点である右接続部11R及び左接続部11Lの左右方向の固定を行うことができる。
また、右上り前斜部材19R及び左上り前斜部材19Lが臀溝部材を臀溝に圧接するため、右大腿部材15R及び左大腿部材15L、もしくは下腹部材17の局所的な身体圧迫を軽減し、かつ、前屈に伴う下腹の膨隆を抑え、腹圧を高める効果も期待できる。
なお、身体引き上げ力固定具の各部材は、それぞれ分離可能としてもよいし、強固な布などで立体的・一体的に製作してもよい。
また、本実施例においては、下腹部材17の反股間側端部17bは、右上り前斜部材19R及び左上り前斜部材19Lと接続することで固定しているが、腰囲部材18をさらに備える場合は、下腹部材17の反股間側端部17bは、腰囲部材18に接続することで固定してもよい。
図7は第7の実施例による身体引き上げ力固定具を示す概略構成図である。
図7(a)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した前面図、図7(b)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した左側面図、図7(c)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した背面図である。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、腰部背面に引き上げ力Fを発生させる引き上げ力発生源と接続して、引き上げ力Fを坐骨で受け止める。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、引き上げ力発生源の腰部側端部と接続する2箇所の接続部11R、11Lを備えている。また、腰部の全周に腰囲部材18を配置している。
同図(c)に示すように、右接続部11Rは、右上後腸骨棘2R近傍に配置し、左接続部11Lは、左上後腸骨棘2L近傍に配置する。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、右臀部と右大腿後部との境界となる右臀溝に沿って配置される右臀溝部材12Rと、左臀部と左大腿後部との境界となる左臀溝に沿って配置される左臀溝部材12Lとを備えている。
同図(c)に示すように、右臀溝部材12Rの股間側端部12Raは股間近傍に配置し、左臀溝部材12Lの股間側端部12Laは股間近傍に配置する。
同図(b)及び(c)に示すように、右臀溝部材12Rの反股間側端部12Rbは右臀溝外側端から右股関節3Rまでの間に配置し、左臀溝部材12Lの反股間側端部12Lbは左臀溝外側端から左股関節3Lまでの間に配置する。
このように、右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lは、右股関節3R及び左股関節3Lの屈伸に干渉せず、かつ、臀丘形状を保つように配置する。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、右接続部11R及び左接続部11Lに加わる引き上げ力発生源からの引き上げ力Fを、右臀溝部材12Rの股間側端部12Ra及び左臀溝部材12Lの股間側端部12Laに伝える臀裂部材13を備えている。
同図(c)に示すように、臀裂部材13は、Y字状であり、二股に分かれる反股間側端部13bは、それぞれ右接続部11R及び腰囲部材18、並びに左接続部11L及び腰囲部材18と接続し、股間側端部13aは、右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lと接続する。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、右臀溝部材12Rの反股間側端部12Rbから左臀溝部材12Lの反股間側端部12Lbまでの下腹部に前結部材16を配置している。
同図(a)及び(b)に示すように、前結部材16は、一方の端部を右臀溝部材12Rの反股間側端部12Rbに接続し、他方の端部を左臀溝部材12Lの反股間側端部12Lbに接続する。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、以上のように構成することで、右接続部11R及び左接続部11Lに加わる引き上げ力発生源から発生する腰部背面への引き上げ力Fを、右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lに伝えることができ、図12に示すように、体幹を前屈させた姿勢などにおいて、右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lは臀溝で確実に圧接されるため、引き上げ力発生源から発生する腰部背面への引き上げ力Fを坐骨に引っかけて受けることができる。
また、前結部材16によって右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lが常に臀溝に圧接され、右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lのずり上がりを防ぐことができる。
また、前結部材16によって右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lの水平方向のずれも防ぐことができる。
なお、前結部材16は、同図(a)のように出来るだけ水平に下腹部に巻くようにしたほうが、ずり上がり又は水平方向のずれを、より効果的に防止することができる。
なお、本実施例による身体引き上げ力固定具は、引き上げ力発生源の腰部側端部とは2箇所の接続部11R、11Lで接続するものとして説明したが、接続部は1箇所だけとしてもよく、あるいは3箇所以上の複数としてもよい。
また、本実施例においては、臀裂部材13のずれを防ぐために腰部の全周に腰囲部材18を配置しているが、引き上げ力発生源との接続などによって臀裂部材13のずれを防げるのであれば腰囲部材18は配置しなくともよい。
また、本実施例による身体引き上げ力固定具は、臀裂部材13は、Y字状のものとして説明したが、臀丘中央の臀裂付近に配置するものであれば、途中で分岐しないI字状であってもよいし、複数本に分離して配置されたものであってもよい。
また、身体引き上げ力固定具の各部材は、それぞれ分離可能としてもよいし、強固な布などで立体的・一体的に製作してもよい。
図8は第8の実施例による身体引き上げ力固定具を示す概略構成図である。
図8(a)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した前面図、図8(b)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した左側面図、図8(c)は同身体引き上げ力固定具を身体に着用した背面図である。なお、第7の実施例と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、右接続部11R、左接続部11L、右臀溝部材12R、左臀溝部材12L、臀裂部材13及び前結部材16を備え、さらに、腹部から股間にかけて下腹部材17を配置している。また、腰部の全周に腰囲部材18を配置している。
同図(c)に示すように、下腹部材17の股間側端部17aは、臀裂部材13の股間側端部13a、右臀溝部材12Rの股間側端部12Ra及び左臀溝部材12Lの股間側端部12Laに接続している。なお、股間の圧迫を避けるために、会陰部を回避して接続する。
同図(a)に示すように、下腹部材17の反股間側端部17bは、腰囲部材18に接続することで固定している。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、以上のように構成することで、下腹部材17を、臀裂部材13、右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lと股下で接続することで、右臀溝部材12R及び左臀溝部材12Lのずれを防止でき、臀溝への確実な圧接を行える。
また、骨盤周囲の圧力バランスを向上させ、着用の安定感を増すことができる。
なお、身体引き上げ力固定具の各部材は、それぞれ分離可能としてもよいし、強固な布などで立体的・一体的に製作してもよい。
また、本実施例においては、臀裂部材13及び下腹部材17のずれを防ぐために腰部の全周に腰囲部材18を配置しているが、引き上げ力発生源や上衣などとの接続によって臀裂部材13及び下腹部材17のずれを防げるのであれば腰囲部材18は配置しなくともよい。
図9は第9の実施例による引き上げ力固定下衣を示す概略構成図である。
図9(a)は同引き上げ力固定下衣を身体に着用した前面図、図9(b)は同引き上げ力固定下衣を身体に着用した左側面図、図9(c)は同引き上げ力固定下衣を身体に着用した背面図である。なお、第1の実施例と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による引き上げ力固定下衣は、第1の実施例による身体引き上げ力固定具が生地に配置されているものである。
同図(b)及び(c)に示すように、右接続部11R、左接続部11L、右臀溝部材12R、左臀溝部材12L、臀裂部材13、右分散部材14R及び左分散部材14Lが、生地20に配置されている。
同図(a)、(b)及び(c)に示すように、生地20は、スパッツ状に形成されている。
本実施例による引き上げ力固定下衣は、以上のように構成することで、右接続部11R、左接続部11L、右臀溝部材12R、左臀溝部材12L、臀裂部材13、右分散部材14R及び左分散部材14Lの相対位置を保ち、着脱が容易となる。
なお、各部材を体表面に密着させるために、各部材よりも伸縮性が大きい生地を用いるか、例えば水平方向など特定の方向に伸縮性を持つ生地を用いてもよい。
また、本実施例による引き上げ力固定下衣は、第1の実施例による身体引き上げ力固定具を生地20に配置するものとして説明したが、第2の実施例から第8の実施例で説明したような身体引き上げ力固定具を生地20に配置してもよい。
また、本実施例による引き上げ力固定下衣は、生地20は、スパッツ状に形成するものとして説明したが、生地の大腿部分がないショーツ状、又は生地のゆとりが多いすててこ状など、形状は任意に変更してよい。
図10は第10の実施例による身体引き上げ力固定具及び引き上げ力発生源を示す概略構成図である。
図10(a)は同身体引き上げ力固定具及び引き上げ力発生源を身体に着用した前面図、図10(b)は同身体引き上げ力固定具及び引き上げ力発生源を身体に着用した左側面図、図10(c)は同身体引き上げ力固定具及び引き上げ力発生源を身体に着用した背面図である。なお、第1の実施例及び第2の実施例と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による身体引き上げ力固定具及び引き上げ力発生源は、第2の実施例による身体引き上げ力固定具と、引き上げ力発生源である上具30とを一体的に形成したものである。
同図(a)、(b)及び(c)に示すように、本実施例による身体引き上げ力固定具は、右接続部11R、左接続部11L、右臀溝部材12R、左臀溝部材12L、臀裂部材13及び前結部材16を備える。
同図(a)、(b)及び(c)に示すように、本実施例による上具30は、左脇から左肩、背部を通り右腰部にかけて配置され接続部11Rと接続する一方の上具30aと、右脇から右肩、背部を通り左腰部にかけて配置され接続部11Lと接続する他方の上具30bとからなる。一方の上具30aと他方の上具30bとは背中中央近傍で交差し、胸側から脇下を通る一方の上具30aの端部は2Lと、他方の上具30bの端部は2Rと接続している。上具30は、それ自体の弾性力や動力、あるいは外部からの吊り上げ力などによって腰部背面への引き上げ力Fを発生させるものである。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、以上のように構成することで、上下一体型とすることができる。なお、上下一体型であっても、身体引き上げ力固定具と上具30とは、右接続部11R及び左接続部11Lで分離可能であってもよい。
上下一体型でも、身体引き上げ力固定具の部分をズボンなどの下に着用し、上具30の部分を下着やシャツの外に出して着用することができる。
なお、本実施例による身体引き上げ力固定具及び上具30を生地20に配置してもよい。生地20に配置することで、各部材の相対位置を保ち、着脱が容易となる。
また、本実施例による身体引き上げ力固定具には、第2の実施例による身体引き上げ力固定具を用いるものとして説明したが、第1の実施例又は第3から第8の実施例のいずれかの身体引き上げ力固定具を用いてもよい。
図11は第11の実施例による身体引き上げ力固定具及び引き上げ力発生源を示す概略構成図である。
図11(a)は同身体引き上げ力固定具及び引き上げ力発生源を身体に着用した前面図、図11(b)は同身体引き上げ力固定具及び引き上げ力発生源を身体に着用した左側面図、図11(c)は同身体引き上げ力固定具及び引き上げ力発生源を身体に着用した背面図である。なお、第1の実施例から第4の実施例と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による身体引き上げ力固定具及び引き上げ力発生源は、第4の実施例による身体引き上げ力固定具と、引き上げ力発生源である上具31とを一体的に形成したものである。
同図(a)、(b)及び(c)に示すように、本実施例による身体引き上げ力固定具は、接続部11、右臀溝部材12R、左臀溝部材12L、臀裂部材13、右分散部材14R、左分散部材14L、前結部材16及び下腹部材17を備える。また、腰部の全周に腰囲部材18を配置している。
同図(a)、(b)及び(c)に示すように、本実施例による上具31は、右肩から右脇を通り腰部にかけて配置され接続部11と接続する一方の上具31aと、左肩から左脇を通り腰部にかけて配置され接続部11と接続する他方の上具31bとからなり、一方の上具31aと他方の上具31bは背中中央近傍で合流してY字状に背中に配置される。上具31は、それ自体の弾性力や動力、あるいは外部からの吊り上げ力などによって腰部背面への引き上げ力Fを発生させるものである。
本実施例による身体引き上げ力固定具は、以上のように構成することで、上下一体型とすることができる。なお、上下一体型であっても、身体引き上げ力固定具と上具31とは、接続部11で分離可能であってもよい。
上下一体型でも、身体引き上げ力固定具の部分をズボンなどの下に着用し、上具31の部分を下着やシャツの外に出して着用することができる。
なお、本実施例による身体引き上げ力固定具及び上具31を生地20に配置してもよい。生地20に配置することで、各部材の相対位置を保ち、着脱が容易となる。
また、本実施例による身体引き上げ力固定具には、第4の実施例による身体引き上げ力固定具を用いるものとして説明したが、第1から第3又は第5から第8の実施例のいずれかの身体引き上げ力固定具を用いてもよい。
上記の各実施例において説明した、右接続部11R、左接続部11L、右臀溝部材12R、左臀溝部材12L、臀裂部材13、右分散部材14R、左分散部材14L、右大腿部材15R、左大腿部材15L、下腹部材17、腰囲部材18、前斜部材19の材質としては、着用者の体格や体表面圧迫に配慮して適度な弾性素材が適しているが、非伸縮材料としてもよい。
また、各部材は、それぞれ分離可能に独立して製作してもよいし、各部材を布などに縫着してもよく、あるいは高強度で伸びにくい布によって立体縫製するなどして、立体的・一体的に製作してもよい。
本発明は、主に介護や農作業、工場労働などの分野において利用される身体引き上げ力固定具又は引き上げ力固定下衣として適している。
F 引き上げ力
1R 右上前腸骨棘
1L 左上前腸骨棘
2R 右上後腸骨棘
2L 左上後腸骨棘
3R 右股関節
3L 左股関節
4R 右大腿部
4L 左大腿部
11 接続部
11R 右接続部
11L 左接続部
12R 右臀溝部材
12Ra (右臀溝部材の)股間側端部
12Rb (右臀溝部材の)反股間側端部
12L 左臀溝部材
12La (左臀溝部材の)股間側端部
12Lb (左臀溝部材の)反股間側端部
13 臀裂部材
13a (臀裂部材の)股間側端部
13b (臀裂部材の)反股間側端部
14R 右分散部材
14L 左分散部材
15R 右大腿部材
15L 左大腿部材
16 前結部材
17 下腹部材
17a (下腹部材の)股間側端部
17b (下腹部材の)反股間側端部
18 腰囲部材
19 前斜部材
19R 右上り前斜部材
19L 左上り前斜部材
20 生地
30 上具
30a 一方の上具
30b 他方の上具
31 上具
31a 一方の上具
31b 他方の上具

Claims (9)

  1. 腰部背面に引き上げ力を発生させる引き上げ力発生源と接続して、前記引き上げ力を坐骨で受け止める身体引き上げ力固定具であって、
    前記引き上げ力発生源の腰部側端部と接続する接続部と、
    右臀溝に沿って配置される右臀溝部材と、
    左臀溝に沿って配置される左臀溝部材と、
    前記接続部と前記右臀溝部材の股間側端部及び前記左臀溝部材の股間側端部に接続し、前記接続部に加わる前記引き上げ力を、前記右臀溝部材及び前記左臀溝部材に伝える臀裂部材と、
    前記接続部と前記右臀溝部材の反股間側端部に接続し、前記接続部に加わる前記引き上げ力を、前記右臀溝部材に伝える右分散部材と、
    前記接続部と前記左臀溝部材の反股間側端部に接続し、前記接続部に加わる前記引き上げ力を、前記左臀溝部材に伝える左分散部材と
    を備え、
    前記右臀溝部材の反股間側端部を右臀溝外側端から右股関節までの間に配置し、
    前記左臀溝部材の反股間側端部を左臀溝外側端から左股関節までの間に配置した
    ことを特徴とする身体引き上げ力固定具。
  2. 前記右臀溝部材の反股間側端部から前記左臀溝部材の反股間側端部までの下腹部に前結部材を配置したことを特徴とする請求項1に記載の身体引き上げ力固定具。
  3. 右大腿部に右大腿部材を、左大腿部に左大腿部材をそれぞれ配置し、
    前記右臀溝部材の下辺の少なくとも一部を前記右大腿部材に接続し、
    前記左臀溝部材の下辺の少なくとも一部を前記左大腿部材に接続したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の身体引き上げ力固定具。
  4. 腹部から股間にかけて下腹部材を配置し、
    前記下腹部材の股間側端部を、前記臀裂部材の股間側端部、前記右臀溝部材の前記股間側端部及び前記左臀溝部材の前記股間側端部に接続し、
    前記下腹部材の反股間側端部を固定したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の身体引き上げ力固定具。
  5. 一方の端部を前記右臀溝部材の前記反股間側端部に接続し、左上前腸骨棘近傍を通って他方の端部を前記接続部に接続する右上り前斜部材と、
    一方の端部を前記左臀溝部材の前記反股間側端部に接続し、右上前腸骨棘近傍を通って他方の端部を前記接続部に接続する左上り前斜部材とを備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の身体引き上げ力固定具。
  6. 腰部背面に引き上げ力を発生させる引き上げ力発生源と接続して、前記引き上げ力を坐骨で受け止める身体引き上げ力固定具であって、
    前記引き上げ力発生源の腰部側端部と接続する接続部と、
    右臀溝に沿って配置される右臀溝部材と、
    左臀溝に沿って配置される左臀溝部材と、
    前記接続部と前記右臀溝部材の股間側端部及び前記左臀溝部材の股間側端部に接続し、前記接続部に加わる前記引き上げ力を、前記右臀溝部材及び前記左臀溝部材に伝える臀裂部材と、
    前記右臀溝部材の反股間側端部から前記左臀溝部材の反股間側端部までの下腹部に配置される前結部材と
    を備え、
    前記右臀溝部材の反股間側端部を右臀溝外側端から右股関節までの間に配置し、
    前記左臀溝部材の反股間側端部を左臀溝外側端から左股関節までの間に配置した
    ことを特徴とする身体引き上げ力固定具。
  7. 腹部から股間にかけて下腹部材を配置し、
    前記下腹部材の股間側端部を、前記臀裂部材の股間側端部、前記右臀溝部材の前記股間側端部及び前記左臀溝部材の前記股間側端部に接続し、
    前記下腹部材の反股間側端部を固定したことを特徴とする請求項6に記載の身体引き上げ力固定具。
  8. 前記引き上げ力発生源と一体的に形成したことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の身体引き上げ力固定具。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の身体引き上げ力固定具が生地に配置されていることを特徴とする引き上げ力固定下衣。
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