JP2015177744A - コンバイン - Google Patents

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Takayasu Sato
孝康 佐藤
入江 信行
Nobuyuki Irie
信行 入江
修一 三谷
Shuichi Mitani
修一 三谷
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Abstract

【課題】回転可能に支持する縦送りコンベヤの支持構造を高剛性で且つ組立容易とするコンバインを提供しようとするものである。【解決手段】エンジン7上方に配置されるグレンタンク6の底部に、グレンタンク6に貯留された穀粒を後方に搬送する底送りコンベヤ60を配置する。グレンタンク6後方に、底送りコンベヤ60で搬送された穀粒を受けて上方の前記排出オーガ8に向かって穀粒を搬送する縦送りコンベヤ61を配置する。縦送りコンベヤ61下方には、旋回アクチュエータ801からの回転力を受けて縦送りコンベヤ61を回転させるギヤ114,802が設けられる。グレンタンク6に固定された円筒状の筒受部材117により縦送りコンベヤ61が回転可能に支持され、排出オーガ9が縦送りコンベヤ61と連結して水平方向で回転可能に構成される。グレンタンク6で固定された筒受部材117で、縦送りコンベヤ61における排出オーガ9及びギヤ114の間の外周面を覆うことで、縦送りコンベヤ61の回転支持を行う。【選択図】図13

Description

本願発明は、圃場の未刈り穀稈を刈取る刈取装置と、刈取り穀稈の穀粒を脱粒する脱穀装置を搭載したコンバインに関するものである。
従来、走行部及び運転座席を有する走行機体と、刈刃を有する刈取装置と、扱胴を有する脱穀装置と、刈取装置から脱穀装置に刈取り穀稈を供給するフィーダハウスと、各部を駆動するエンジンと、脱穀装置の脱粒物を選別する穀粒選別機構と、脱穀装置の穀粒を収集するグレンタンクを備え、圃場の未刈り穀稈を連続的に刈取って脱穀する技術がある(特許文献1)。
特開2012−115213号公報
特許文献1に示された従来技術では、運転座席後方にグレンタンクが配置されている。このような構成のコンバインにおいて、グレンタンクが高い位置に設置される。従って、穀粒排出オーガなどの各種部品やグレンタンク内やのメンテナンスのために、作業者がグレンタンクの天井部に上って作業する必要がある。しかしながら、グレンタンクの天井部の強度が十分でないだけでなく、作業者が安全に歩行できる領域を確認できる構成ではないため、そのメンテナンス作業が困難であった。また、作業者がグレンタンク内をメンテナンスする場合にあっては、グレンタンクの天井部における開口部分が狭く、グレンタンク内のメンテナンス作業を十分に行うことが困難であった。
更に、上記従来技術では、走行機体上に置いて、グレンタンクを脱穀装置に隣接する位置に配置しているので、グレンタンクと脱穀装置との重量や重心位置の関係により、グレンタンクの大きさが制限される。そのため、グレンタンクにおける穀粒の貯蔵量が制限されることから、圃場における刈取面積が広い場合、圃場の刈取作業が完了するまでに、グレンタンクが満量に達することとなる。従って、グレンタンクに貯蔵された穀粒をトラックなどの荷台に排出する穀粒排出オーガを具備したコンバインにおいては、圃場の刈り取りを完了するまでに、荷台への穀粒排出のために刈取作業を何度も中断しなければならず、作業が非効率となる。
また、従来のコンバインでは、グレンタンクから排出オーガに縦搬送を行う縦送りコンベヤは、その縦方向長さが長いことから、下方の受継ケースで軸支されるとともに上下2カ所で回転支持される構成とされていた。しかしながら、このような従来の構造によると、走行機体の体勢によっては、縦送りコンベヤが排出オーガと連結していることから、縦送りコンベヤを回転させたときにそれぞれの支持部分にかかる荷重が異なり、一方の支持部分の負荷が大きくなるなどして、排出オーガの旋回が円滑に行われないことがあった。
そこで、本願発明は、これらの現状を検討して改善を施した普通型コンバインを提供しようとするものである。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明のコンバインは、刈刈取装置及び脱穀装置及びエンジンを走行機体に搭載し、前記脱穀装置から穀粒を貯留するグレンタンクと、該グレンタンクで貯留された穀粒を外部に排出する排出オーガと、を備えたコンバインであって、前記エンジン上方に配置される前記グレンタンクの底部に、前記グレンタンクに貯留された穀粒を後方に搬送する底送りコンベヤを配置するとともに、前記グレンタンク後方に、該底送りコンベヤで搬送された穀粒を受けて上方の前記排出オーガに向かって穀粒を搬送する縦送りコンベヤを配置し、前記縦送りコンベヤ下方には、旋回アクチュエータからの回転力を受けて前記縦送りコンベヤを回転させるギヤが設けられるとともに、前記グレンタンクで固定された円筒状の筒受部材により前記縦送りコンベヤが回転可能に支持され、前記排出オーガが前記縦送りコンベヤと連結して水平方向で回転可能に構成されるものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコンバインにおいて、前記筒受部材を、前記縦送りコンベヤ外周面を覆う2つの半円筒部材で構成するとともに、前記半円筒部材の一方が前記グレンタンクの後部に連結している一方で、前記半円筒部材の他方がエンジンルームに連結しているものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のコンバインにおいて、前記グレンタンクの天井部に、前記運転座席後方から前記グレンタンク後方に向かってフレームを延設して、当該フレーム上に作業者が歩行可能な通路を形成し、前記グレンタンク後方に段差が設けられ、前記排出オーガの排出コンベヤが前記グレンタンクの段差上を通過して前記縦送りコンベヤと連結しているものである。
請求項1に記載の発明によれば、刈刈取装置及び脱穀装置及びエンジンを走行機体に搭載し、前記脱穀装置から穀粒を貯留するグレンタンクと、該グレンタンクで貯留された穀粒を外部に排出する排出オーガと、を備えたコンバインであって、前記エンジン上方に配置される前記グレンタンクの底部に、前記グレンタンクに貯留された穀粒を後方に搬送する底送りコンベヤを配置するとともに、前記グレンタンク後方に、該底送りコンベヤで搬送された穀粒を受けて上方の前記排出オーガに向かって穀粒を搬送する縦送りコンベヤを配置し、前記縦送りコンベヤ下方には、旋回アクチュエータからの回転力を受けて前記縦送りコンベヤを回転させるギヤが設けられるとともに、前記グレンタンクで固定された円筒状の筒受部材により前記縦送りコンベヤが回転可能に支持され、前記排出オーガが前記縦送りコンベヤと連結して水平方向で回転可能に構成されるものであるから、前記グレンタンクで固定された前記筒受部材で、前記送りコンベヤにおける前記排出オーガ及び前記ギヤの間の外周面を覆うことで、前記縦送りコンベヤの回転支持を行うことができる。従って、穀粒排出機構を構成する部品点数を少なくするだけでなく、その組立作業を単純化できる。また、前記筒受部材が前記縦送りコンベヤの大部分を覆うこととなるため、前記排出オーガとともに回転させたときの前記縦送りコンベヤの振動を抑制でき、装置にかかる負荷を低減できる。
請求項2に記載の発明によれば、前記筒受部材を、前記縦送りコンベヤ外周面を覆う2つの半円筒部材で構成するとともに、前記半円筒部材の一方が前記グレンタンクの後部に連結している一方で、前記半円筒部材の他方がエンジンルームに連結しているものであるから、前記筒受部材を構成する2つの半円筒部材で、前記縦送りコンベヤの外周面両側から挟み込むようにして、前記筒受部材を設置でき、前記縦送りコンベヤにおける前記排出オーガ及び前記ギヤ間に前記筒受部材を容易に設置できる。また、前記筒受部材の組付けや取り外しを容易にでき、作業者が前記縦送りコンベヤへアクセスしやすく構成されている。
請求項3に記載の発明によれば、前記グレンタンクの天井部に、前記運転座席後方から前記グレンタンク後方に向かってフレームを延設して、当該フレーム上に作業者が歩行可能な通路を形成し、前記グレンタンク後方に段差が設けられ、前記排出オーガの排出コンベヤが前記グレンタンクの段差上を通過して前記縦送りコンベヤと連結しているものであるから、作業者は、強度が十分な前記フレーム(通路)上に上って、前記グレンタンクの天井部を移動できるため、コンバイン後方上部に設置された排出オーガなどの各種装置のメンテナンス作業を安全に且つ容易に行える。前記フレームを前記グレンタンク天井部の前後に延設させているため、前記グレンタンク天井部を高剛性に維持できる。
本発明の第1実施形態を示すコンバインの左側面図である。 同コンバインの右側面図である。 同コンバインの平面図である。 同コンバインの前方右側斜視図である。 同コンバインの後方左側斜視図である。 同コンバインの駆動系統図である。 同コンバインの駆動部の背面図である。 同コンバインの油圧回路図である。 同コンバインに搭載されるミッションケースの断面図である。 同コンバインの右側面後方の拡大図である。 同コンバインの穀粒排出機構の構成を示す後方右側斜視図である。 同コンバインの穀粒排出機構の構成を示す後方左側斜視図である。 同コンバインの穀粒排出機構の構成を示す前方左側斜視図である。 同コンバインの穀粒排出機構の構成を示す分解図である。 同コンバインの穀粒排出機構の構成を示す一部断面図である。 同コンバインの穀粒排出機構の構成を示す上方右側斜視図である。 同コンバインの各フレーム枠の構成を示す後方右側斜視図である。 同コンバインの各フレーム枠の構成を示す前方左側斜視図である。 同コンバインに搭載されるグレンタンクの構成を示す斜視図である。 同グレンタンクの平面図である。 同グレンタンクの内部構成を示す分解斜視図である。 同グレンタンクの内部構成を示す斜視断面図である。 同グレンタンクの内部構成を示す断面図である。 同グレンタンクの蓋体の開閉動作を説明するための断面図である。 同グレンタンクの蓋体の開閉動作を説明するための断面図である。 同グレンタンクの蓋体の開閉動作を説明するための断面図である。 同グレンタンクにおける下部タンクの構成を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態を示すコンバインにおけるグレンタンクの構成を示す拡大平面図である。 本発明の第3実施形態を示すコンバインにおけるグレンタンクの構成を示す拡大平面図である。
以下に、本願発明を具体化した実施形態を、普通型コンバインに適用した図面に基づいて説明する。図1はコンバインの左側面図、図2は同右側面図、図3は同平面図、図4は同前方右側斜視図、図5は同後方左側斜視図、である。まず、図1〜図5を参照しながら、コンバインの概略構造について説明する。なお、以下の説明では、走行機体1の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。
図1〜図5に示す如く、第1実施形態における普通型コンバインは、走行部としての鉄クローラ製の左右一対の履帯2にて支持された走行機体1を備えている。走行機体1の前部には、稲(又は麦又は大豆又はトーモロコシ)等の未刈り穀稈を刈取りながら取込む刈取装置3が単動式の昇降用油圧シリンダ4にて昇降調節可能に装着されている。なお、図1〜図5の例では、走行部となる左右一対の履帯2を、鉄クローラ製で構成するものとしたが、ゴムクローラ製でも構成できる。
走行機体1の前部には、オペレータが搭乗する運転台5を搭載する。運転台5の後方には、脱穀後の穀粒を貯留するためのグレンタンク6を配置する。グレンタンク6の後方には、動力源としてのエンジン7を配置する。グレンタンク6の後部の右側には、穀粒排出オーガ8を旋回可能に設ける。グレンタンク6内の穀粒は、排出オーガ8先端の籾投げ口8aから例えばトラックの荷台やコンテナ等に搬出されるように構成する。走行機体1の他側(実施形態では左側)には、刈取装置3から供給された刈取穀稈を脱穀処理するための脱穀装置9を搭載する。脱穀装置9の下部には、揺動選別及び風選別を行うための穀粒選別機構10を配置する。
刈取装置3は、脱穀装置9前部の扱口に連通したフィーダハウス11と、フィーダハウス11の前端に連設された横長バケット状の穀物ヘッダー12とを備えている。穀物ヘッダー12内に掻込みオーガ13を回転可能に軸支する。掻込みオーガ13の前部上方にタインバー付き掻込みリール14を配置する。穀物ヘッダー12の前部にバリカン状刈刃15を配置する。穀物ヘッダー12前部の左右両側に左右の分草体16を突設する。また、フィーダハウス11には、供給コンベヤ17を内設している。供給コンベヤ17の送り終端と脱穀装置9前部の扱口間に刈取り穀稈投入用ビータ18を設けている。なお、フィーダハウス11の下面部と走行機体1の前端部とが昇降用油圧シリンダ4を介して連結され、刈取装置3が昇降用油圧シリンダ4にて昇降動する。
上記の構成により、左右の分草体16間の未刈り穀稈の穂先側が掻込みリール14にて掻込まれ、未刈り穀稈の稈側が刈刃15にて刈取られ、掻込みオーガ13の回転駆動によって穀物ヘッダー12の左右幅の中央部付近に集められる。穀物ヘッダー12の刈取り穀稈の全量は、供給コンベヤ17によって搬送され、ビータ18によって脱穀装置9の扱口に投入されるように構成している。
また、図1〜図3に示す如く、脱穀装置9の扱室内に扱胴21を回転可能に設ける。走行機体1の前後方向に延長させた扱胴軸20に扱胴21を軸支する。扱胴21の下方側には、穀粒を漏下させる受網24を張設する。なお、扱胴21前部の外周面には、螺旋状のスクリュー羽根状の取込み羽根25が半径方向外向きに突設されている。
上記の構成により、脱穀装置9の扱口から投入された刈取り穀稈は、扱胴21の回転によって走行機体1の後方に向けて搬送されながら、扱胴21と受網24との間で混練されて脱穀される。受網24の網目よりも小さい穀粒等の脱穀物は受網24から漏下する。受網24から漏下しない藁屑等は、扱胴21の搬送作用によって、脱穀装置9後部の排塵口から圃場に排出される。
なお、扱胴21の上方側には、扱室内の脱穀物の搬送速度を調節する複数の送塵弁(図示省略)を回動可能に枢着する。前記送塵弁の角度調整によって、扱室内の脱穀物の搬送速度(滞留時間)を、刈取穀稈の品種や性状に応じて調節できる。一方、脱穀装置9の下方に配置された穀粒選別機構10として、グレンパン及びチャフシーブ及びグレンシーブ及びストローラック等を有する比重選別用の揺動選別盤26を備える。
また、穀粒選別機構10として、選別風を供給する唐箕ファン29等を備える。扱胴21にて脱穀されて受網24から漏下した脱穀物は、揺動選別盤26の比重選別作用と唐箕ファン29の風選別作用とにより、穀粒等の一番物(精粒)、枝梗付き穀粒等の二番物(再選別物)、及び藁屑等の排塵に選別されるように構成する。
揺動選別盤26の下側方には、穀粒選別機構10として、一番コンベヤ機構30及び二番コンベヤ機構31を備える。揺動選別盤26及び唐箕ファン29の選別によって、揺動選別盤26から落下した穀粒等の一番物は、一番コンベヤ機構30及び揚穀コンベヤ32によってグレンタンク6に収集される。枝梗付き穀粒等の二番物は、二番コンベヤ機構31及び二番還元コンベヤ33等を介して揺動選別盤26の選別始端側に戻され、揺動選別盤26によって再選別される。藁屑等は、走行機体1後部の排塵口34から圃場に排出されるように構成する。
さらに、図1〜図5に示す如く、運転台5には、操縦コラム41と、オペレータが座乗する運転座席42とを配置している。操縦コラム41(フロントコラム41a、サイドコラム41b)には、走行機体1の進路を変更したり移動速度を変更するための操縦レバーとしての左右の変速レバー43,44と、前後方向に傾倒させて刈取装置3を昇降させたり左右方向に傾倒させて掻込みリール14を昇降させるための刈取姿勢レバー45と、エンジン7の回転を制御するアクセルレバー46と、穀粒排出オーガ8を作動させる穀粒排出レバー47が配置されている。なお、刈取装置3への動力伝達を入り切り操作する刈取クラッチレバー39と、脱穀装置9への動力伝達を入り切り操作する脱穀クラッチレバー40等も配置されている。脱穀クラッチレバー40及び刈取クラッチレバー39は、運転座席42の左右に振り分けて配置されている。
加えて、運転座席42に座乗したオペレータが立ち姿勢のときに握るガードフレーム5aが、フロントコラム41aの上方側と左右側方を囲むように延設されている。運転座席42は、運転台5の後部に設置された座席架台42a上でスライド可能に配置されている。そして、座席架台42aの右側には、オペレータが昇降する際に利用する手すり35が設置されている。手すり35は、座席架台42aの前方から上部中央に跨ぐ形状で屈曲させたパイプで構成されている。そして、刈取クラッチレバー39が、座席架台42aの上部中央で左右方向に延びた手すり35の一部に軸支されている。また、運転台5の上方側に日除け用の屋根体(サンバイザ)49が取付けられている。
また、図2及び図4に示すように、運転座席42の下側には、その上部に運転座席42が固定されたシートフレーム268を介して燃料タンク267が配置される。即ち、燃料タンク267は、走行機体1上面の前側の右側方で、その給油口267aが右側上方を向くように配置される。そして、燃料タンク267は、右側後方には位置された給油口267a以外の部分がシートフレーム268により覆われる。このように、燃料タンク267が、シートフレーム268の下側で、その給油口267aが走行機体1の右側(外側)を向くように配置されるため、燃料タンク267への燃料の補給作業を簡単に行える。
また、図1〜図4に示すように、運転台5の前方に除塵ファン36を突設している。除塵ファン36の送風面を左右方向に対して垂直な面とすることで、除塵ファン36により左右方向の空気流れを形成し、刈取装置3からの塵埃の運転台5への舞い上がりを防止できる。除塵ファン36は、刈取装置3の左右中心に対して右側に配置されており、左側(脱穀装置6側)から右側(運転台5側)に流れる空気流れを形成し、運転台5への塵埃の侵入を防止できる。
図1及び図2に示す如く、走行機体1の下面側に左右のトラックフレーム50を配置している。トラックフレーム50には、履帯2にエンジン7の動力を伝える駆動スプロケット51と、履帯2のテンションを維持するテンションローラ52と、履帯2の接地側を接地状態に保持する複数のトラックローラ53と、履帯2の非接地側を保持する中間ローラ54とを設けている。駆動スプロケット51によって履帯2の後側を支持させ、テンションローラ23によって履帯2の前側を支持させ、トラックローラ53によって履帯2の接地側を支持させ、中間ローラ54によって履帯2の非接地側を支持させるように構成する。
また、図1〜図3に示す如く、グレンタンク6の底部に配置させる底送りコンベヤ60と、グレンタンク6の後部に配置させる縦送りコンベヤ61を備える。底送りコンベヤ60は、グレンタンク6の底部で前後方向に延長されていて、垂直に設けた縦送りコンベヤ61の下端側に向けてグレンタンク6底部の穀粒を搬送する。縦送りコンベヤ61は、グレンタンク6の後部で上下方向に延長されていて、グレンタンク6右側の穀粒排出オーガ8の送り始端側に向けて縦送りコンベヤ61上端側から穀粒を搬送する。グレンタンク6内の穀粒は、排出オーガ8先端(送り終端側)の籾投げ口8aに搬送されるように構成する。
穀粒排出オーガ8は、縦送りコンベヤ61の上端側に上下方向に回動可能に支持されている。穀粒排出オーガ8の送り終端側である籾投げ口8a側を昇降可能に構成する。また、縦送りコンベヤ61のコンベヤ軸芯回り(水平方向)に籾投げ口8a側を移動可能に構成する。即ち、走行機体1の前部下方側に籾投げ口8a側を移動させて、運転台5及びグレンタンク6の右側部にオーガレスト8bを介して穀粒排出オーガ8を収納する。一方、穀粒排出オーガ8の送り終端側である籾投げ口8a側を上昇させ、走行機体1の側方または後方に籾投げ口8a側を移動させて、走行機体1の側方または後方に穀粒排出オーガ8を突出させ、トラックの荷台又はコンテナ等に籾投げ口8aを対向させ、トラックの荷台又はコンテナ等にグレンタンク6内の穀粒を搬出するように構成する。
次に、図6〜8を参照してコンバインの駆動構造を説明する。図6に示す如く、一対の斜板可変型の左右走行油圧ポンプ65を有する走行変速用のポンプケース66を備える。そして、図7に示す如く、走行機体1の右側後部上面にエンジン7を搭載し、エンジン7右側の走行機体1上面にポンプケース66を配置する。また、図6及び図7に示す如く、左右のトラックフレーム50の後端部に左右の減速ギヤケース63をそれぞれ設ける。左右の減速ギヤケース63に走行油圧モータ69をそれぞれ配置する。ポンプケース66から後方に突出させた走行駆動入力軸64と、エンジン7から後方に突出させた出力軸67とを、走行出力ベルト230を介して連結する。脱穀装置9後部側方の走行機体1上面側にエンジン7とポンプケース66を設け、脱穀装置9とポンプケース66の間にエンジン7を配置している。
なお、刈取装置3の昇降用油圧シリンダ4等を駆動するチャージポンプ68も、走行油圧ポンプ65と同軸64上に設けている。また、刈取装置3の昇降用油圧シリンダ4などを作動させる作業用油圧ポンプ70を備え、エンジン7に作業用油圧ポンプ70を配置し、走行油圧ポンプ65と同様に、チャージポンプ68及び作業用油圧ポンプ70をエンジン7にて駆動するように構成している。
上記の構成により、左右走行油圧ポンプ65に出力軸67を介してエンジン7の駆動出力が伝達される。左右走行油圧ポンプ65によって左右走行油圧モータ69を各別にそれぞれ駆動し、左右走行油圧モータ69によって左右履帯2を正逆転させて前後進移動させる。また、左右走行油圧モータ69の回転速度を制御し、左右走行油圧モータ69によって駆動する左右履帯2の回転速度を異ならせて、走行機体1の移動方向(走行進路)を変更し、圃場の枕地での方向転換などを実行するように構成している。
即ち、図8に示す如く、左右の走行油圧ポンプ65に、閉ループ油圧回路261を介して左右一対の走行油圧モータ69が油圧接続される。左右走行油圧モータ69によって、駆動スプロケット51を介して、左右履帯2が前進方向又は後進方向に駆動される。オペレータが左右の変速レバー43,44を操縦操作して、左右の走行油圧ポンプ65の出力調節用斜板65a角度(変速制御)をそれぞれ調節することによって、左右の走行油圧モータ69の回転数又は回転方向がそれぞれ変更され、左右の履帯2が互いに独立的に駆動されて、走行機体1が前進移動又は後進移動するように構成している。
図6及び図7に示す如く、エンジンルーム枠56によってエンジンルーム57を形成し、エンジンルーム57にエンジン7を内設する。エンジンルーム枠56に第1軸受体58を介して脱穀入力用の第1カウンタ軸71を軸支する。また、エンジンルーム枠56に第2軸受体59を介して脱穀入力用の第2カウンタ軸72を軸支する。エンジン7の出力軸67に作業出力ベルト231を介して第1カウンタ軸71を連結する。第1カウンタ軸71に脱穀駆動ベルト232を介して第2カウンタ軸72を連結する。テンションローラを兼用した脱穀クラッチ233と脱穀駆動ベルト232を介して、第1カウンタ軸71から第2カウンタ軸72にエンジン7の動力を伝達させる。なお、オペレータのレバー操作によって脱穀クラッチ233が入り切り制御される。また、扱胴軸20の一端側(後端側)に扱胴駆動ベルト234を介して第2カウンタ軸72が連結されている。脱穀クラッチ233の入り切り操作によって、第2カウンタ軸72を介して扱胴21が駆動制御されて、ビータ18から投入された穀稈が扱胴21によって連続的に脱穀されるように構成している。
さらに、脱穀装置9の前面壁体に刈取り選別入力ケース73を設ける。刈取り選別入力ケース73に刈取り選別入力軸74を軸支する。扱胴軸20の他端側(前端側)にベベルギヤ75を介して刈取り選別入力軸74の一端側(右側端部)を連結する。ビータ18が軸支されたビータ軸82の左側端部にビータ駆動ベルト238及び刈取クラッチ242を介して刈取り選別入力軸74の他端側(左側端部)を連結する。唐箕ファン29を軸支した唐箕軸76の左側端部に選別入力ベルト235を介してビータ軸82の左側端部を連結する。一番コンベヤ機構30の一番コンベヤ軸77の左側端部と、二番コンベヤ機構31の二番コンベヤ軸78の左側端部とに、コンベヤ駆動ベルト237を介して唐箕軸76を連結している。揺動選別盤26後部を軸支したクランク状の揺動駆動軸79の左側端部に揺動選別ベルト236を介して二番コンベヤ軸78の左側端部を連結している。なお、一番コンベヤ軸77を介して揚穀コンベヤ32が駆動されて、一番コンベヤ機構30の一番選別穀粒がグレンタンク6に収集される。また、二番コンベヤ軸78を介して二番還元コンベヤ33が駆動されて、二番コンベヤ機構31の藁屑が混在した二番選別穀粒が揺動選別盤26の上面側に戻される。
一方、ビータ軸82の左側端部には、刈取り駆動ベルト241を介して、供給コンベヤ17の送り終端側が軸支された刈取入力軸89の左側端部を連結している。穀物ヘッダー12に設けたヘッダー駆動軸91に、ヘッダー駆動チェン90を介して刈取入力軸89の右側端部を連結する。掻込みオーガ13を軸支した掻込み軸93に、掻込み駆動チェン92を介してヘッダー駆動軸91を連結する。掻込みリール14を軸支したリール軸94に、中間軸95及びリール駆動チェン96,97を介してヘッダー駆動軸91を連結する。また、ヘッダー駆動軸91の右側端部には、刈刃駆動クランク機構98を介して刈刃15が連結されている。刈取クラッチ242の入り切り操作によって、ビータ18と、供給コンベヤ17と、掻込みオーガ13と、掻込みリール14と、刈刃15が駆動制御されて、圃場の未刈り穀稈の穂先側を連続的に刈取るように構成している。
さらに、図6に示す如く、第1カウンタ軸71の後端部に、穀粒排出ベルト244及び穀粒排出クラッチ245を介して、下部仲介軸105の一端側を連結させる。底送りコンベヤ軸103の後端部に縦送り駆動チェン104を介して、下部仲介軸105の他端側を連結させる。縦送りコンベヤ61の縦送りコンベヤ軸106の下端側に、ベベルギヤ機構107を介して仲介軸105の他端側を連結させる。縦送りコンベヤ軸106の上端側に、ベベルギヤ機構108を介して上部仲介軸109の一端側を連結させる。上部仲介軸109の他端側に穀粒排出駆動チェン110を介して穀粒排出軸111の一端側を連結させる。穀粒排出軸111の他端側にベベルギヤ機構113を介して穀粒排出オーガ8の排出オーガ軸112の送り始端側を連結させる。穀粒排出クラッチ245の入り切り操作によって、底送りコンベヤ60と縦送りコンベヤ61と穀粒排出オーガ8が駆動制御されて、グレンタンク6内の穀粒がトラック荷台またはコンテナなどに排出されるように構成している。
次に、図8を参照して、コンバインの油圧構造を説明する。図8に示す如く、油圧アクチュエータとして、前記刈取昇降用油圧シリンダ4と、掻込みリール14を昇降可能に支持する左右のリール昇降用油圧シリンダ251と、穀粒排出オーガ8を昇降可能に支持するオーガ昇降用油圧シリンダ252とを備える。
また、刈取昇降用手動油圧バルブ255を介して、刈取昇降用油圧シリンダ4に作業用油圧ポンプ70を油圧接続する。刈取姿勢レバー45を前後方向に傾倒させる操作によって、刈取昇降用油圧シリンダ4を作動させ、オペレータが刈取装置3を任意高さ(例えば刈取り作業高さまたは非作業高さ等)に昇降動させるように構成している。一方、リール昇降用手動油圧バルブ256を介して、リール昇降用油圧シリンダ251に作業用油圧ポンプ70を油圧接続する。刈取姿勢レバー45を左右方向に傾倒させる操作によって、リール昇降用油圧シリンダ251を作動させ、オペレータが掻込みリール14を任意高さに昇降動させ、圃場の未刈り穀稈を刈取るように構成している。
他方、オーガ昇降用手動油圧バルブ257を介して、オーガ昇降用油圧シリンダ252に作業用油圧ポンプ70を油圧接続する。穀粒排出レバー47を前後方向に傾倒させる操作によって、オーガ昇降用油圧シリンダ252を作動させ、オペレータが穀粒排出オーガ8の籾投げ口8aを任意高さに昇降動させる。なお、電動モータ801によって穀粒排出オーガ8を水平方向に回動させて、籾投げ口8aを横方向に移動させる。即ち、トラック荷台またはコンテナの上方に籾投げ口8aを位置させ、トラック荷台またはコンテナ内にグレンタンク6内の穀粒を排出するように構成している。
さらに、図8に示す如く、左右の走行油圧ポンプ65に左右の閉ループ油圧回路261を介して左右の走行油圧モータ69をそれぞれ油圧接続させている。左右の走行油圧ポンプ65の出力調節用斜板65aに、サーボバルブ機構262を介して左右の変速レバー43,44をそれぞれ連結させ、左右の変速レバー43,44の前後方向の傾斜角度に比例させて出力調節用斜板65aの支持角度が変更されるように構成している。即ち、左右の走行油圧ポンプ65によって左右の走行油圧モータ69がそれぞれ駆動され、減速ギヤケース63の減速ギヤ機構263を介して左右の走行油圧モータ69の駆動力が左右の履帯2にそれぞれ伝達され、左右の履帯2が前進方向または後進方向に駆動される。
上記の構成により、左右の変速レバー43,44を機体前方に傾倒させることによって、左右の変速レバー43,44の傾斜角度に比例した車速で前進方向に直進移動できる。左右の変速レバー43,44を機体後方に傾倒させることによって、左右の変速レバー43,44の傾斜角度に比例した車速で後進(後退)方向に直進移動できる。一方、左右の変速レバー43,44の機体前方への傾斜角度を異ならせた場合、または左右の変速レバー43,44の機体後方への傾斜角度を異ならせた場合、または左右の変速レバー43,44のいずれか一方を機体前方に傾倒させながら他方を機体後方に傾倒させた場合、走行機体1の進路を左右方向に修正できる。
換言すると、左右の変速レバー43,44の操作量または操作方向を相違させた場合、左右の変速レバー43,44の傾斜角度に比例した車速で、左右の変速レバー43,44の傾斜角度の差に比例した旋回半径で、走行機体1を左右方向に旋回移動できる。なお、チャージポンプ68の高圧油吐出側に、オイルクーラ264及びラインフィルタ265を介して左右の閉ループ油圧回路261が接続され、左右の閉ループ油圧回路261にオイルタンク266内の作動油を補給するように構成している。また、図8及び図9に示す如く、走行油圧モータ69のモータ軸295上に、ブレーキ制動レバー296を有するブレーキ機構297を設けている。ブレーキ制動レバー296の操作によってブレーキ機構297を作動し、前記モータ軸295を制動するように構成している。
次に、図9を参照して、左右の履帯2を駆動する左右のミッションケースとしての前記左右の減速ギヤケース63の構造を説明する。図9に示す如く、前記減速ギヤケース63は、第1ハウジング301と、第2ハウジング302と、第3ハウジング303を有する。第2ハウジング302の一端側に第1ハウジング301をボルト締結し、第2ハウジング302の他端側に第3ハウジング303をボルト締結し、密閉構造に構成した減速ギヤケース63内に適量の潤滑油を入れる。第1ハウジング301の外側面に油路ベース体304を介して走行油圧モータ69を配置する。油路ベース体304及び油圧配管(図示省略)を介して走行油圧ポンプ65に走行油圧モータ69を油圧接続している。走行油圧モータ69のモータ軸295の一端側に、ブレーキレバー296を有するブレーキ機構297を設ける。ブレーキレバー296の操作によってモータ軸295を制動する。
また、第1ハウジング301及び第2ハウジング302内にモータ軸295の他端側を突入させる。第1ハウジング301と、第2ハウジング302と、第3ハウジング303に減速中間軸308を軸支する。減速ギヤ機構263としての第1減速ギヤ群309を介してモータ軸305の他端側に減速中間軸308の一端側を連結する。第2ハウジング302と、第3ハウジング303に走行車軸310を軸支する。第3ハウジング303から走行車軸310を突出させ、走行車軸310の突出端部に駆動スプロケット51を軸支する。減速ギヤ機構263としての第2減速ギヤ群311を介して走行車軸310に減速中間軸308の他端側を連結する。
上記の構成により、走行油圧ポンプ65によって走行油圧モータ69が駆動されたときに、第1減速ギヤ群309を介してモータ軸295の回転が減速中間軸308に減速伝達され、第2減速ギヤ群311を介して減速中間軸308の回転が走行車軸310に減速伝達され、駆動スプロケット51によって履帯2が前進方向または後退方向に駆動される。
さらに、トラックフレーム50の後端部に減速ギヤケース63を固着した組付け状態で、左側の走行車軸310に対して左側の走行油圧モータ69が前方斜め上方に支持される一方、右側の走行車軸310に対して右側の走行油圧モータ69が後方斜め上方に支持される。即ち、履帯2の非接地側と同じ高さ位置に左右の走行油圧モータ69を支持すると共に、走行車軸310に対して左側の走行油圧モータ69を前方に変位させて支持させ、走行車軸310に対して右側の走行油圧モータ69を後方に変位させて支持させる。
その結果、走行油圧モータ69を支持した左右二組の減速ギヤケース63の左右幅寸法の和が、左右履帯2間の減速ギヤケース63設置間隔よりも大きくても、左右の走行油圧モータ69が同一高さ位置で前後に支持位置がずれた状態で取付けられる。左右のブレーキレバー296が走行機体1の左右幅中央部に近接して配置される。また、左右二組の減速ギヤケース63が背面視(正面視)で門形に支持される。左右の減速ギヤケース63の門形に形成された内部空間を、圃場の泥土が移動し、履帯2の走行移動抵抗が低減される。
さらに、図9に示す如く、走行油圧モータ69が配置されるミッションケースとしての減速ギヤケース63(第1ハウジング301、第2ハウジング302、第3ハウジング303)の内部に、鉄粉吸着用のマグネット314を設けている。第1減速ギヤ群309または第2減速ギヤ群311が摩耗して減速ギヤケース63内に鉄粉が発生したときに、その鉄粉をマグネット314に吸着させて除去するように構成している。また、減速ギヤケース63(第1ハウジング301、第2ハウジング302、第3ハウジング303)の内面側にマグネット支持ホルダ315を一体的に形成する。
前記マグネット支持ホルダ315は、減速ギヤケース63(第1ハウジング301、第2ハウジング302、第3ハウジング303)を成型加工する成形型抜き方向からマグネット314を圧入して固定できる形状に形成する。また、第2ハウジング302及び第3ハウジング303の各室内の底部、または本機走行方向に対して外れにくい位置に、複数の各マグネット支持ホルダ315を介して複数の各マグネット314をそれぞれ設けている。即ち、第2ハウジング302または第3ハウジング303の底部(上向き平面部)または垂直平面部に、マグネット支持ホルダ315をダイキャスト加工にて一体形成でき、第2ハウジング302または第3ハウジング303の成形型抜き開口側から、マグネット支持ホルダ315にマグネット314を簡単に組付けることができる。第2ハウジング302または第3ハウジング303内に発生する鉄粉にてギヤが摩耗するのを低減できるものでありながら、第2ハウジング302または第3ハウジング303内にマグネット314を簡単に組付けることができる。
図9に示す如く、走行油圧モータ69が配置されるミッションケースとしての減速ギヤケース63の内部に鉄粉吸着用のマグネット314を設けている。したがって、減速ギヤケース63内の鉄粉をマグネット314に吸着させて除去でき、減速ギヤケース63内に発生する鉄粉にてギヤが摩耗するのを低減できる。また、例えば、減速ギヤケース63の底部(上向き平面部)にマグネット支持ホルダ315を成形加工にて一体形成する構造では、減速ギヤケース63の成形型抜き方向から前記マグネット支持ホルダ315にマグネット314を圧入でき、減速ギヤケース63内にマグネット314を簡単に固着できる。マグネット314支持構造の簡略化または低コスト化を簡単に図ることができる。
また、図7及び図10に示すように、エンジン7の吸気取入れ側は、エアクリーナ100が接続されている。エアクリーナ100の吸気取入れ側は、吸気ダクト101を介してプリクリーナ102に接続されている。エアクリーナ100は、エンジン7の上部右側となる位置で、前方から後方に向かって右側に斜行して配置されるように、支持ブラケット99を介して、エンジンルーム枠56に固定される。吸気ダクト101は、エアクリーナ100の前方上側から上方に向かって延設され、エンジンルーム57上部に配置されるグレンタンク6における後方右側の段差部600を貫通する。プリクリーナ102は、その上端部がグレンタンク6の上端よりも下側となるように、段差部600を貫通した吸気ダクト101の上部に設置される。プリクリーナ102からエアクリーナ100に吸い込まれた新気(外部空気)は、エアクリーナ100で除塵・浄化されたのち、エンジン7の吸気側に供給される。
次に、図11〜16を参照して、グレンタンク6内の穀粒を外部に排出させる穀粒排出機構の構造を説明する。図11〜13に示す如く、穀流排出機構は、底送りコンベヤ60、縦送りコンベヤ61、及び穀粒排出オーガ8を、グレンタンク6右側後方で連結させて構成している。穀流排出機構は、底送りコンベヤ軸103後端(送り終端)と縦送りコンベヤ軸106の下端(送り始端)とを軸支している受継ぎケース157に、縦送りコンベヤ61を覆う筒型ケース156の下端を挿入させており、筒型ケース(縦排出オーガ筒)156を回動可能としている。筒型ケース156の上端が、縦送りコンベヤ軸106の上端(送り終端)を軸支させた上部ケース155と連結しており、上部ケース155の側面が、排出オーガ軸112の後端(送り始端)を軸支させたオーガ筒後端ケース153と連結している。
受継ぎケース157は、中空状の部材であり、エンジンルーム枠56の支柱フレーム561,562を架設する梁フレーム(後部上横フレーム)563で支持されている。受継ぎケース157は、底送りコンベヤ60を挿入するべく、左側前面に開口部を有しており、当該左側前面をグレンタンク6の底側後端面と連結させている。受継ぎケース157の左側後面には、底送りコンベヤ60の底送りコンベヤ軸103を軸支する軸受149を設けており、軸受149より外部に底送りコンベヤ軸103を突出させている。この受継ぎケース157の左側部分は、グレンタンク6の後端側とともに、後部取付けブラケット163と連結することで、梁フレーム563で支持される。また、受継ぎケース157の左側部分の上方に、電動モータ801を載置している。底送りコンベヤ軸103後端をメンテナンス可能とするべく、受継ぎケース157の左側方に、着脱可能な左側カバー146を設けている。
受継ぎケース157の右側下端部分は、下部仲介軸105を軸支するとともに、べベルギヤ機構107(図6参照)を内装している。受継ぎケース157の右側下端部分は、底送りコンベヤ軸103を軸支する左側部分より下側に配置されており、梁フレーム563で支持されている。受継ぎケース157の右側下端部分で軸支されている下部仲介軸105の後端は、底送りコンベヤ軸103と同様、受継ぎケース157後部から突出しており、駆動チェン104を介して、底送りコンベヤ軸103の後端と連結している。受継ぎケース157の右側部分は、ベベルギヤ機構107の上側となる位置に、縦送りコンベヤ61の縦送りコンベヤ軸106を軸支し、ベベルギヤ機構107と連結させている。縦送りコンベヤ61下端をメンテナンス可能とするべく、受継ぎケース157の右側方に、着脱可能な右側カバー147を設けている。
受継ぎケース157は、図14及び15に示す如く、右側部分の上端に、縦送りコンベヤ61が挿入される開口部分を設けており、当該開口部分に、縦送りコンベヤ61を覆う筒型ケース156が回動可能な状態で挿入されている。また、受継ぎケース157は、図11及び14に示す如く、右側部分上端の外周面に、筒型ケース156の回転を規制する回転規制受け部材148を設けている。回転規制受け部材148は、受継ぎケース157の右側部分外周面における2か所に、同じ高さ位置で外側に突出するように配置されている。
縦送りコンベヤ61を覆う筒型ケース156は、図11〜16に示す如く、中空筒状の部材であって、その下端側外周面に大径ギヤ114を外嵌固定するとともに、その上端位置に上部ケース155と連結させる接続用フランジ115を備える。筒型ケース156に設けられた大径ギヤ114は、電動モータ801の出力軸に設けた小径ギヤ802と噛合しており、電動モータ801による回転動力が伝達される。電動モータ801の回転動力が大径ギヤ114に伝達されることにより、大径ギヤ114と一体となる筒型ケース156が旋回する。大径ギヤ114の下面には、回転規制部材116を突設させており、回転規制受け部材148と当接させることで、筒型ケース156の回転位置を規制させる。電動モータ801は、受継ぎケース157の左側部分上面から離間するように配置されており、その下面より突出させた出力軸に小径ギヤ802を嵌合させている。
筒型ケース156は、その外周面が筒受部材117によって覆われてることで、円筒形状の筒受部材117に対して回動可能に支持されている。筒受部材117は、半円形状の断面を有する半円弧体118,119を付き合わせて連結することで構成される。半円弧体118,119はそれぞれ、その外周面に連結ブラケット137,138を接続している。グレンタンク6側の半円弧体118は、連結ブラケット137をグレンタンク6の後端面601に連結することで、グレンタンク6の下部タンク6bに支持される。また、グレンタンク6と逆側の半円弧体119は、連結ブラケット138を延設ステー139を介して支柱フレーム562上端側に連結することで、エンジンルーム枠56に支持される。
筒受部材117は、図14及び15に示す如く、その軸方向中途部における内径を上下端側の内径より大きくすることで、内周面に段差部120を設けている。筒受部材117の段差部120の内周面と筒型ケース156の外周面とで形成される空間に、グリスなどの潤滑剤が注入されており、筒型ケース156旋回時の摺動性を良好なものとしている。潤滑剤は、筒受部材117の軸方向中途部に設けられた潤滑剤注入口126を通じて、筒受部材117の段差部120の内周面と筒型ケース156の外周面の間の空間に注入される。筒型ケース156の筒受部材117の下端位置には、リング状のフランジ127を外嵌しており、フランジ127に筒受部材117の下端を当接させている。
上部ケース155は、図11〜16に示す如く、中空状の部材であり、その下端側と上側右側面に開口部を有している。上部ケース155は、その下端側を筒型ケース156の上端部分と連結させて、下端側開口部を筒型ケース156の上端側開口部と連通し、縦送りコンベヤ61の上端側が挿入される。上部ケース155は、図16に示す如く、縦送りコンベヤ軸106の上端を上方で軸支するとともに、その上方に設けたベベルギヤ機構108と連結している。ベベルギヤ機構108は、上部ケース155上部左側に内装している上部仲介軸109と連結しており、縦送りコンベヤ軸106の回転がベベルギヤ機構108を介して上部仲介軸109に伝達される。
図16に示す如く、上部仲介軸109の一端と噛合させた穀粒排出駆動チェン110が、上部ケース155の左側方で穀粒排出軸111一端と噛合している。上部ケース155は、その上側右側面をオーガ筒後端ケース153と連結して、右側面開口部をオーガ筒後端ケース153の左側面開口部と連通させる。上部ケース155後方に穀粒排出軸111を配置して、上部ケース155の右側に配置したオーガ筒後端ケース153の後端部左側面に、穀粒排出軸111の他端を軸支させる。オーガ筒後端ケース153の後端部に、ベベルギヤ機構113を内装しており、穀粒排出軸111が、ベベルギヤ機構113を介して排出オーガ軸112の後端と連結している。
上部ケース155の前面にシリンダ支持部材128を突設しており、シリンダ支持部材128で昇降シリンダ252を挟持固定している。昇降シリンダ252におけるピストンロッド258の上端は、オーガ筒後端ケース153の左側面に連結された支持棒259と連結しており、昇降シリンダ252におけるピストンロッド258の伸縮操作により、穀粒排出オーガ8を俯仰回動させる。また、上部ケース155の右側面には、オーガ筒後端ケース153の左側方開口部のフランジ140を把持させる固定ブラケット129〜131を設置している。固定ブラケット129〜131は、オーガ筒後端ケース153のフランジ140の外周側に締結されており、上部ケース155の右側面とでフランジ140を狭持する。すなわち、穀粒排出オーガ8は、オーガ筒後端ケース153の左側方開口部を中心として回動できるように、上部ケース155に枢着している。
筒型ケース156に大径ギヤ114を一体形成し、グレンタンク6後方に固定させる旋回部材である旋回モータ(旋回アクチュエータ)801の出力軸に小径ギヤ802を設けており、モータ801によって各ギヤ114,802を介して筒型ケース156を回転させる。穀粒排出オーガ8上部ケース155、及び筒型ケース156が連結しており、筒型ケース156の回転により、穀粒排出オーガ8を水平方向に旋回させて方向転換させる。また、筒型ケース156は、その下端側が受継ぎケース157で軸支される一方、その中途部が筒受部材117で軸支されており、受継ぎケース157及び筒受部材117に対して回動して、穀粒排出オーガ8を水平方向に旋回させる。このとき、大径ギヤ114に突設された回転規制部材116を受継ぎケース157に設置の回転規制受け部材148に当接させることで、水平方向に旋回する穀粒排出オーガ8をグレンタンク6などに衝突することを防止できる。
エンジン7上方に配置されるグレンタンク6の底部に、グレンタンク6に貯留された穀粒を後方に搬送する底送りコンベヤ60を配置する。グレンタンク6後方に、底送りコンベヤ60で搬送された穀粒を受けて上方の前記排出オーガ8に向かって穀粒を搬送する縦送りコンベヤ61を配置する。縦送りコンベヤ61下方には、旋回アクチュエータ(電動モータ)801からの回転力を受けて縦送りコンベヤ61を回転させるギヤ114,802が設けられる。グレンタンク6に固定された円筒状の筒受部材117により縦送りコンベヤ61が回転可能に支持され、排出オーガ9が縦送りコンベヤ61と連結して水平方向で回転可能に構成される。グレンタンク6で固定された筒受部材117で、縦送りコンベヤ61における排出オーガ9及びギヤ114の間の外周面を覆うことで、縦送りコンベヤ61の回転支持を行うことができる。そのため、穀粒排出機構を構成する部品点数を少なくするだけでなく、その組立作業を単純化できる。また、筒受部材117が縦送りコンベヤ61の大部分を覆うこととなるため、排出オーガ9とともに回転させたときの縦送りコンベヤ61の振動を抑制でき、装置にかかる負荷を低減できる。
筒受部材117は、縦送りコンベヤ61外周面を覆う2つの半円筒部材(半円弧体)118,119で構成されるとともに、半円筒部材118をグレンタンク6の後部に連結固定させる一方で、半円筒部材119がエンジンルーム枠56と連結される。筒受部材117を2つの半円筒部材118,119で構成することで、縦送りコンベヤ61の外周面両側から半円筒部材118,119で挟み込むようにして、筒受部材117を設置できるため、縦送りコンベヤ61における排出オーガ9及びギヤ801間に筒受部材を容易に設置できる。そして、半円筒部材118をグレンタンク6に連結するものとし、半円筒部材119をエンジンルーム枠56に連結する構造としているため、コンバインへの組付けや取り外しを容易にでき、作業者が縦送りコンベヤ61へアクセスしやすく構成されている。
次に、走行機体1上における、グレンタンク6の支持構造について、図4、図5、図10〜13を参照して説明する。左右一対の履帯2にて支持された走行機体1は、複数本のフレームを平面視略格子状に連結してなる機体フレーム150を備えている。機体フレーム150の前部一側には、箱枠を組み合わせてなるシートフレーム268が設けられている。実施形態では、機体フレーム150のうち右寄りにある一対の桁フレーム152が前向きに延びていて、これら桁フレーム152の前向き突出部に、シートフレーム268が立設されている。シートフレーム268上に運転台5が配置されている。走行機体1における脱穀装置9の後部一側方、すなわち、機体フレーム150の後部右側(シートフレーム268の後方)には、箱枠状のエンジンルーム枠56が立設されている。エンジンルーム枠56の内部にエンジン7が防振支持されている。
シートフレーム268及びエンジンルーム枠56は、脱穀装置9の右側壁体を左右横振れ不能に支持している。この場合、シートフレーム268の後側左コーナ部が、連結プレート154を介して脱穀装置9の右側壁体に連結されている。エンジンルーム枠56の前側左コーナ部が、突っ張りアーム(図示せず)を介して脱穀装置9の右側壁体に連結されている。そして、エンジンルーム枠56のうち左上梁フレームの中途部が、連結ブロック(図示せず)を介して脱穀装置9の右側壁体に連結されている。
グレンタンク6の底部が、シートフレーム268及びエンジンルーム枠56それぞれに支持される。また、グレンタンク6の左側面606が、脱穀装置9の装置フレーム22に支持される。グレンタンク6は、底から天井に向かって左側に広がる形状を有しており、グレンタンク6の左側面606は、その外面が下側に向くように傾斜した傾斜面となる。このグレンタンク6の左側面606が、脱穀装置9に上方から被さるようにオーバーラップしている。一方、グレンタンク6の右側面607は、左側面606と異なり、下端側が傾斜した形状となる。すなわち、グレンタンク6内における下窄まりの底部は、グレンタンク6の右側に配置されている。よって、脱穀装置9の右側に位置するグレンタンク6の底部が、シートフレーム268及びエンジンルーム枠56に支持される一方で、脱穀装置9の上側に位置するグレンタンク6の左側面606が、装置フレーム22に支持される。
機体フレーム150の前部一側にあるシートフレーム268と、機体フレーム150の後部一側にあるエンジンルーム枠56とによって、グレンタンク6が下方から支持されている。この場合、シートフレーム268の後部上横フレーム573、並びに、エンジンルーム枠56における前部上横フレーム564及び後部上横フレーム563の中央部に、グレンタンク6の下端部が載置固定される取付けブラケット161〜163が設けられている。これら取付けブラケット161〜163は、グレンタンク6における前後長手の下端部に対応するように一列状に並んでいる。シートフレーム268側の取付けブラケット161には、グレンタンク6の下端前部がボルト締結されている。エンジンルーム枠56の前部取付けブラケット162には、グレンタンク6の下端中途部がボルト締結されている。エンジンルーム枠56の後部取付けブラケット163には、グレンタンク6の下端前部とともに、グレンタンク6の後面側に設けられた受継ぎケース157(図7参照)がボルト締結されている。
グレンタンク6の後端面601(段差部600における端面)が、図17に示す如く、エンジンルーム枠56の支柱フレーム561,562の上端と連結されるとともに、支柱フレーム561,562を架設する梁フレーム(後部上横フレーム)563と取付けブラケット163を介して連結される。グレンタンク6の前端面602が、図18に示す如く、シートフレーム268の上方に立設させた2本のグレンタンク支持フレーム603,604に連結される。
シートフレーム268後部は、左右の支柱フレーム571,572を機体フレーム150より立設させるとともに、梁フレーム573で支柱フレーム571,572を架設させている。そして、左側の支持フレーム603の下端が、シートフレーム268左側の支柱フレーム571上端と、連結ブラケット164を介して連結しており、右側の支持フレーム604の下端が、シートフレーム268の梁フレーム573の上面と、連結ブラケット165を介して連結している。
グレンタンク6の前端面602の最下部には、底送りコンベヤ軸103の前端側を被覆するコンベヤ軸カバー605が固定されている。コンベヤ軸カバー605が、梁フレーム573に取付けブラケット161を介して連結されることで、グレンタンク6の前端面602の最下部がシートフレーム268の梁フレーム573上に固定される。従って、グレンタンク6の前端面602は、支柱フレーム603,604及び取付けブラケット161を介して、シートフレーム268上で支持されている。
脱穀装置9の装置フレーム22は、扱胴21を回転可能に軸支する上部脱穀室22aと、上部脱穀室22a下側に設けられて揺動選別版26等を駆動可能に収容している下部脱穀室22bとを構成している。また、装置フレーム22は、上部脱穀室22a及び下部脱穀室22bの前方に、穀稈投入用ビータ18を軸支させた前部脱穀室22cを設けている。刈り取り装置3のフィーダハウス11は、前部脱穀室22cと連結することで、上部脱穀室22aの前方下側に設けられた扱口に連通している。脱穀装置9は、前部脱穀室22cの上側に、刈取り選別入力ケース73を設置しており、前部脱穀室22c上側で固定される脱穀前カバー23により、刈取り選別入力ケース73を被覆する。
脱穀装置9の装置フレーム22は、前部脱穀室22c上部における前部右コーナを、連結ブラケット164でシートフレーム268左側の支柱フレーム571上端と連結させている。すなわち、グレンタンク6の前端面602左側が、連結ブラケット164及び左側支持フレーム603を介して、シートフレーム268左側の支柱フレーム571と装置フレーム22の前部脱穀室22cとにより支持される。
脱穀装置9の装置フレーム22上面左右には、図18及び図19に示す如く、2本の梁フレーム611,612が延設されており、この梁フレーム611,612上面に扱胴21を覆う扱胴カバー27が固着されている。前後に並ぶ2本の支持フレーム613は、その下端が梁フレーム611に連結する一方、その上端がグレンタンク6の左側面(傾斜面)606に連結しており、脱穀装置9の装置フレーム22上面から斜設して突っ張るように、グレンタンク6左側上側を支持している。前後に配設された3つの支持ブラケット614は、その下端が梁フレーム612に連結する一方、その上端がグレンタンク6の左側面606下側に設けられる補強フレーム615と連結しており、グレンタンク6左側下側を支持している。
また、図17に示す如く、グレンタンク6の右側面607に、前後の穀粒排出口221,222を設けている。すなわち、走行機体1(機体フレーム150)のうちシートフレーム268とエンジンルーム枠56との間作業可能なスペースに、前後の穀粒排出口221,222が設けられている。そして、穀粒排出口221,222下方の走行機体1上面側に籾受け台223を出し入れ可能に配置している。籾受け台223を水平な作業姿勢に支持した状態で、運転座席42のオペレータとは別の作業者が籾受け台223に搭乗し、籾受け棒224に籾袋(図示省略)を装着して、その籾袋にグレンタンク6内の穀粒を排出する。穀粒が充填された籾袋は、籾受け台223から圃場に転落させて、回収する。グレンタンク6の下面側(穀粒排出口221,222)と、機体フレーム150との間は、籾袋を装着して穀粒を充填させる作業が十分可能な程度の上下間隔が空いている。
上記の構成により、穀粒排出口221,222からグレンタンク6内の穀粒を排出することによって、刈取り脱穀作業を中断することなく、グレンタンク6内の穀粒を排出できる。即ち、穀粒排出オーガ8からグレンタンク6内の穀粒を排出する作業に比べ、刈取り脱穀作業を中断する必要が殆どないから、収穫作業において、刈取り脱穀作業を中断する時間を短縮でき、収穫作業能率を向上できる。
以上の構成によると、エンジンルーム枠56とシートフレーム268とによって、グレンタンク6が下方から支持され、グレンタンク6の一部を脱穀装置9の上方にオーバーラップさせている。従って、コンバインの全高を低く抑えながらグレンタンク6の容量を十分確保した上で、走行機体1(機体フレーム150)の左右幅内に、脱穀装置9とグレンタンク6とを左右バランスよく配置できる。このため、コンバイン全体の重心バランスを向上させ(低重心化を図れ)、走行安定性の改善を図れるという効果を奏する。また、走行機体1の左右重量バランスが安定化するので、走行機体1の左右幅方向の振れを抑制できる利点もある。
さらに、グレンタンク6の底部は、遮蔽板225により、穀粒排出口221,222が設けられる部分よりも左の位置で、走行機体1と連結している。この遮蔽板225は、ボルト締結などにより、その上部がグレンタンク6の底部と連結するとともに、その下部が走行機体1と連結する。即ち、唐箕ファン29の吸気側と、穀粒排出口221,222下方における籾袋の装着位置との間に、遮蔽板225が設置される。したがって、この籾袋の装着位置が、遮蔽板225により、唐箕ファン29の吸気側から遮蔽されることとなる。籾受け棒224に装着された籾袋が、唐箕ファン29の回転により穀粒選別機構10側に吸い込まれることを防止できる。
図19〜図27を参照して、グレンタンク6の構造について、以下に説明する。グレンタンク6は、その天井部に複数の蓋体621を有している。本実施形態の例では、図19及び図20に示す如く、グレンタンク6の左側(脱穀装置9上側)に3つの蓋体621を前後に配列し、グレンタンク6の右側(運転台5後側)に1つの蓋体621を設けている。グレンタンク6左側に配置された蓋体621はそれぞれ、蝶番(ヒンジ)622によりグレンタンク6の天井部の左縁板623に回転可能に軸着されている。グレンタンク6右側に配置された蓋体621は、蝶番(ヒンジ)622によりグレンタンク6の天井部の右縁板624に回転可能に軸着されている。なお、グレンタンク6の天井部右側は、蓋体621前縁から天井部前縁に向かって、蓋体621と右縁板624とを併せた幅の前側板625で覆われるとともに、蓋体621後縁から天井部後縁に向かって、蓋体621と右縁板624とを併せた幅の後側板626で覆われる。
グレンタンク6の天井部は、その左側が蓋体621と左縁板623で覆われる一方で、その右側が蓋体621と右縁板624と前側板625と後側板626とで覆われる。すなわち、グレンタンク6の天井部左側では、左縁板623の延設方向に沿って蓋体621が隣接して配置されており、グレンタンク6の天井部右側では、前側板625と後側板626との間に、蓋体621及び右縁板624が配置される。また、図19及び図20に示す如く、グレンタンク6の天井部は、左右の蓋体621の間となる中央位置(左側蓋体621と前側板625又は後側板626との間となる位置)に、作業者が歩行可能な通路627を前後方向に延設している。
通路627は、図21〜図23に示す如く、グレンタンク6の前端面602及び後端面603と連結する1対の桁フレーム628と、1対の桁フレーム628上面に載置される通路板629と、通路板629上面で通路板629幅方向に延設される複数本の補強フレーム630とで構成される。桁フレーム628は、水平方向の平板を上側とするT字断面を有しており、通路板629の下面を上面に当接させて通路板629を固定している。すなわち、通路板629が、幅方向(左右方向)に併設されている2本の桁フレーム628上面で固定され、桁フレーム628の両端がグレンタンク6の前後両端面602,603と連結して、通路627がグレンタンク6の天井部に設置される。また、複数本の補強フレーム630が、通路板629上面で前後方向に間隔をおいて配置されることで、通路板629の耐荷重を、作業者が歩行可能な通路627として十分な値とできる。
桁フレーム628の前後両端は、グレンタンク6の前後両端面602,603内壁に固定される連結フレーム608と締結される。連結フレーム608は、グレンタンク6の前後両端面602,603に対して上下方向に延設され、桁フレーム628と共にグレンタンク6上部(後述の上部タンク6a)の補強フレームとして機能する。また、グレンタンク6上部(後述の上部タンク6a)は、支持フレーム613を介して、脱穀装置9の装置フレーム22と連結している。一方、グレンタンク6下部(後述の下部タンク6b)は、支持ブラケット614を介して補強フレーム615を装置フレーム22と連結させている。
通路板629は、互いに対向する桁フレーム628の内側縁を架設するように、桁フレーム628上面に締結されている。すなわち、通路板629の左側縁が、左側の桁フレーム5628の内側縁(右側縁)に固定され、通路板629の右側縁が、右側の桁フレーム628の内側縁(左側縁)に固定される。また、前側板625及び後側板626の左側縁が、右側の桁フレーム628上面における外側縁(右側縁)に締結されている。すなわち、前側板625が、グレンタンク6の前測板(前端面)602及び右側板(右側面)607それぞれの上縁と右側の桁フレーム628上面とによって固定され、後側板626が、グレンタンク6の後測板(後端面)603及び右側板607それぞれの上縁と右側の桁フレーム628上面とによって固定される。左縁板623は、グレンタンク6の前側板602、後側板603及び左側板606の上縁によって固定される。
蓋体621は、図22及び図23に示す如く、グレンタンク6の上方外側に開くように枢支されている。グレンタンク6の天井部には、長穴形状の案内孔(レール部)632を有するガイドレール631と、ガイドレール631の案内孔632を移動する滑車635を先端に有する棒付き滑車634が、蓋体621毎に設けられており、蓋体621の開閉支持機構として機能する。ガイドレール631には、長手方向に沿って案内孔632が設けられており、案内孔632の中途部を下側に切り欠いて規制溝633が設けられている。棒付き滑車634は、一端が蓋体621裏面に連結された指示棒636と、該指示棒636の他端に軸支された滑車635とで構成される。
棒付き滑車634の滑車635は、ガイドレール631の案内孔632に嵌合されており、蓋体621の開閉動作に従い、ガイドレール631長手方向に設けられた案内孔632に沿って移動する。棒付き滑車634の指示棒636の他端(蓋体621側端部)は、L字に屈曲させており、蓋体621裏面に設けられた補強部材637に軸支されている。すなわち、棒付き滑車634の指示棒636の他端が、蓋体621を閉じたときにガイドレール631の延設方向と同一方向に延設される補強部材637に設けられた孔に、回動可能に挿入されている。従って、棒付き滑車634は、蓋体621の開閉動作にあわせて、指示棒636の姿勢を変更可能に構成している。なお、蓋体621は、その前後両縁側に補強部材637を設けており、少なくとも一方の補強部材637に指示棒636を軸支している。
グレンタンク6の天井部左側において、ガイドレール631は、その一端が左縁板623の内側縁(右側縁)裏面に固定される一方、その他端が左側桁フレーム628の外側縁(左側縁)裏面に固定される。そして、ガイドレール631は、蓋体621の前後縁の少なくとも一方と重なる位置で、左縁板623と左側桁フレーム628とを架設している。一方、グレンタンク6の天井部右側において、ガイドレール631は、その一端が右縁板624の内側縁(左側縁)裏面に固定される一方、その他端が右側桁フレーム628の外側縁(右側縁)裏面に固定される。そして、ガイドレール631は、蓋体621の前後縁の少なくとも一方と重なる位置で、右縁板624と右側桁フレーム628とを架設している。
蓋体621は、裏面の内側縁(桁フレーム628寄り縁)側に、略U字形状の断面を有する把持部材638を固着している。蓋体621が閉じているとき、蓋体621は、桁フレーム628に固定されている規制部材639に把持部材638を係止させて、グレンタンク6天井部の開口部分を覆う姿勢で規制される。把持部材638は、蓋体621の裏面と反対側を開いた形状とし、桁フレーム628の長手方向と平行に延設される。規制部材639は、両端部分を屈曲させてU字状とした棒状の部材であり、両屈曲部分の先端を桁フレーム628の下側の垂直板側面に固定し、把持部材638により把持される領域を桁フレーム628から蓋体621に向けて突設させている。すなわち、蓋体621の把持部材638と桁フレーム628の規制部材639とが、蓋体621を閉じたときのストッパ機構を構成している。
蓋体621の開閉させたときの各部の状態について、図24〜図26を参照して、以下に説明する。蓋体621を閉じたとき、図24に示すように、棒付き滑車634の滑車635が、ガイドレール631の案内孔632における内側(桁フレーム628側)端に当接している。このとき、把持部材638が規制部材639を把持することで、蓋体621が固定されている。把持部材638は、開放端側から固定端に向かって波形断面を有することで、その中途部分に規制部材639外周面に沿った形状の把持部を設けると同時に、開放端側を開いた構成としている。
蓋体621を閉じた状態から開くと、滑車635が案内孔632の内側端から外側端に向かって移動する。また、蓋体621の把持部材638が規制部材639から離間し、蓋体621は、ガイドレール631と連結している棒付き滑車634の指示棒636により支持されることとなる。蓋体621が開いて、滑車635を案内孔632の規制溝633位置に到達させたとき、滑車635を規制溝633に嵌め込むことで、滑車635の移動を規制溝633で規制できる。このとき、図25に示すように、滑車635が規制溝633で固定されるため、蓋体621を少し開いた状態で固定できる。
蓋体621を更に開くと、滑車635が案内孔632の規制溝633から外側端に向かって移動する。案内孔632は、図24及び図25に示すように、滑車635を外側端に固定させるべく、外側端を下側位置(規制溝621と同等の高さ位置)に形成している。従って、蓋体621が開いて、滑車635を案内孔632の外側端位置に到達させたとき、滑車635を外側端に嵌め込んで、滑車635の移動を規制することとなる。このとき、図26に示すように、滑車635が案内孔632の外側端で固定されるため、蓋体621を全開にした状態で固定できる。
上述したように、グレンタンク6は、その下端側が左右の傾斜板(側板)606,607によって下窄まり状に形成されている。図7、図19、図22、及び図27に示す如く、グレンタンク6内における下窄まりの底部に、前後長手の底送りコンベヤ60が配置されている。底送りコンベヤの後端側は、グレンタンク6の後面から後ろ向きに突出して、グレンタンク6の後面下部に設けられた受継ぎケース157に収容されている。底送りコンベヤ軸103は受継ぎケース157の後面側を貫通している。底送りコンベヤ軸103の後突出端側に穀粒排出プーリ287が設けられている。受継ぎケース154は、グレンタンク6の後面側に設けられた縦送りコンベヤ61の下端側に連通接続されている。なお、グレンタンク6内のうち底送りコンベヤ60の上方には、断面山型で前後長手の庇体158が設けられている。庇体158の存在によって、グレンタンク6内の穀粒自体が底送りコンベヤ60を圧密して穀粒搬送の障害になるのを防止している。
脱穀装置9における右側壁体の外面側には、図6に示す如く、一番コンベヤ機構30に集められた一番物をグレンタンク6に搬送する縦長の揚穀コンベヤ32が立設支持されている。揚穀コンベヤ32は、図22及び図27に示す如く、グレンタンク6の左傾斜板(左側板)606を下から上向きに貫通している。揚穀コンベヤ32の長手中途部が、グレンタンク6の左傾斜板606に、固定プレート164を介して連結されている。揚穀コンベヤ32の貫通部分は固定プレート164によって塞がれている。固定プレート614は、左傾斜板606内壁に固定されており、揚穀コンベヤ32外周面と連結するように、グレンタンク6内部に突設される。従って、揚穀コンベヤ32は、シートフレーム268やエンジンルーム枠56と同様に、グレンタンク6を下方から支持する強度メンバーとしても機能している。
なお、実施形態では、揚穀コンベヤ32の上端側に、補助揚穀コンベヤ165が動力伝達可能で且つ着脱可能に装着されている。補助揚穀コンベヤ165の存在によって収穫作業時の揚穀高さが確保され、グレンタンク6内に穀粒が分散して放出されることになる。また、螺旋羽根を有する補助揚穀コンベヤ165の上端は開放されているので、穀粒をグレンタンク6内において360度の全方向に向かって放出できる。コンバイン輸送時の全高は、補助揚穀コンベヤ165を取り外しておくことで低くできる。揚穀コンベヤ32がグレンタンク6を下方から支持する強度メンバーとして機能することになる。また、揚穀コンベヤ32がグレンタンク6を貫通しているから、揚穀コンベヤ32の存在によって、左右幅方向のグレンタンク6の左右幅方向の振れ、ひいては走行機体1の左右幅方向の振れをより一層低減できる。
また、揚穀コンベヤ32の上方を覆うように蓋体621を設けている。すなわち、グレンタンク6の右側(運転台5後側)に設けられている蓋体621が、補助揚穀コンベヤ165の上側を覆っている。揚穀コンベヤ32によりグレンタンク6内に穀粒を充填しているとき、グレンタンク6内で穀粒が満杯になったとき、グレンタンク6の天井部における蓋体621が穀粒に押し上げられて開く。従って、グレンタンク6の容量を超える穀粒がグレンタンク6内に搬送される場合であっても、蓋体621が開くことにで穀粒が外部にこぼれることを防止できる。特に、揚穀コンベヤ32周辺に穀粒が蓄積されやすいが、グレンタンク6の右側(運転台5後側)に設けられている蓋体621が開くため、穀粒がグレンタンク6からこぼれることが防止される。また、グレンタンク6内に充填される穀粒が蓋体621を押し開く構造とすることで、運転台5に搭乗しているオペレータがグレンタンク6が満杯であることを早期に認識できる。
上記構成のグレンタンク6は、図21に示す如く、上部タンク6a及び下部タンク6bに分割可能に構成されている。上部タンク6aは、図19〜図23に示すように、蓋体621及び通路627を備える天井部を有しており、底側を開口させた構成となる。下部タンク6bは、図19、図21〜図23及び図27に示すように、プリクリーナ102が配置される後方の段差部600と、底送りコンベヤ60が配置される下窄まりの底部とを有しており、天井側を開口させた構成となる。すなわち、下部タンク6bの天井側開口部と上部タンク6aの底側開口部とを連通させるように、下部タンク6bの上端縁上に上部タンク6aの下端縁を重ねて締結し、一体のグレンタンク6を形成する。
このように、グレンタンク6は、上部タンク6aを下部タンク6bに対して着脱可能としており。コンバインを出荷・輸送する際には、ボルト等を取り外すことにより、上部タンク6aを取り外して、トラックの荷台やコンテナ等に載せて輸送する場合における制限高さ以下に設定できる。また、上部タンク6aを下部タンク6bから取り外すとき、揚穀コンベヤ32から補助揚穀コンベヤ165を取り外すことで、揚穀コンベヤ32の高さを下部タンク6bと同等の高さとでき、コンバインの出荷・輸送が可能となる。
グレンタンク6の下部タンク6bは、対向する2面間を架橋させた複数の補強フレームを有している。そして、揚穀コンベヤ32の上側外周面が、下部タンク6bで前後方向に延設された補強フレーム(パイプ部材)640の中途部に、支持ブラケット641を介して連結されている。すなわち、揚穀コンベヤ32は、支持ブラケット641と固定プレート164と上下で連結することにより、グレンタンク6内を立設するように支持されている。また、補助揚穀コンベヤ165の筒体下端と揚穀コンベヤ32の筒対上端とにはそれぞれ、フランジが設けられており、これらのフランジを重ね合わせてボルト締結して、揚穀コンベヤ32上に補助揚穀コンベヤ165を固定させる。
上述のように、本実施形態のコンバインは、グレンタンク6の天井部に、左右中央位置に前後方向に延設されたフレーム628が固定配置されて通路627が形成されている。そして、当該通路627の両側に開閉可能な複数の蓋621を設けている。蓋621をグレンタンク6の縁部に軸支して、閉じた蓋621をフレーム628に係止させている。グレンタンク6の天井部にフレーム628が固定配置されることで、作業者は、強度が十分なフレーム628による通路627上に上って、グレンタンク6の天井部を移動できる。そのため、コンバイン後方上部に設置された各種装置のメンテナンス作業を安全に且つ容易に行える。また、作業者が歩行可能な通路627の両側に開閉可能な蓋621を配置することにより、グレンタンク6の天井部の開口面積を広くできるため、グレンタンク6内部のメンテナンス作業を容易にできる。更に、フレーム628に蓋621が係止される構造であるため、蓋621を閉じたときのグレンタンク6の天井部を高剛性に維持できる。
そして、グレンタンク6の天井部において、フレーム628の左右両側に複数の蓋621を配置しており、フレーム628の左右両側のうち少なくとも一方に蓋621を前後に配列させている。グレンタンク6の天井部の一方を複数の蓋621で覆う構成とすることで、グレンタンク6の開口面積を広くとることができ、作業者は容易にグレンタンク6内部に潜り込むことができ、メンテナンス作業の繁雑性を解消できる。
更に、グレンタンク6は、エンジン7を内部に収容しているエンジンルーム57と、脱穀装置9と、運転座席42を備える運転台5とにより支持されている。そして、グレンタンク6の天井部において、フレーム628が運転座席42後部で脱穀装置9寄りに設置される。運転座席42後方で脱穀装置9側にフレーム628が設置されるため、運転座席42上方にサンバイザ49が設けられたものであっても、運転座席42後方から簡単にグレンタンク6の天井部の通路627へ、作業者が容易に上ることができる。このとき、運転台5横に配置される脱穀装置9前方の脱穀前カバー23を剛性を有する金属製とすることで、作業者は、脱穀前カバー23を介して、グレンタンク6の通路627へ容易に到達できる。
本実施形態のコンバインは、走行機体1後方で脱穀装置9及びエンジン7を左右に並べて配置しており、エンジン7の吸排気系統をグレンタンク6後方に配置している。そして、グレンタンク6の天井部には、運転座席42後方からエンジン7に向かう方向にフレーム628を延設して、作業者が歩行可能な通路627を形成している。そのため、作業者は、強度が十分なフレーム628による通路627上に上って、グレンタンク6後方に移動できるため、コンバイン後方上部に設置されたプリクリーナ102等のメンテナンス作業を安全に且つ容易に行える。
本実施形態のコンバインは、グレンタンク6を、上部タンク6aと下部タンク6bとに上下分割可能に構成している。そして、グレンタンク6を、エンジン7を内部に収容しているエンジンルーム57と、脱穀装置9と、運転座席42を備える運転台5とにより支持する。また、脱穀装置9からの穀粒をグレンタンク6に搬送する揚穀コンベヤ32を下部タンク6b底側から立設するように貫通させた状態で連結させて、グレンタンク6を内部から支持する。揚穀コンベヤ32の高さを下部タンク6bの高さと同等とする一方で、揚穀コンベヤ32の上端に上部タンク6aまで補助揚穀コンベヤ165を延設させる。従って、グレンタンク6の貯蔵量を大容量とできる一方で、コンバインを出荷・輸送する際には、上部タンク6aを取り外して、トラックの荷台やコンテナ等に載せて輸送する場合における制限高さ以下に設定できる。
本発明のコンバインにおける別実施形態について、図28及び図29を参照して、以下に説明する。図28及び図29は、本発明の別実施形態におけるコンバインの平面拡大図である。
第2実施形態となるコンバインは、図28に示すように、グレンタンク6の天井部の前後に延設させた通路627aを、グレンタンク6前側中央位置から後側側方位置(段差部600前方位置)に向かって平面視でL字状に屈曲させている。本実施形態では、第1実施形態のコンバインと同様、グレンタンク6の天井部において、前後方向に1対の桁フレーム628を延設し、この桁フレーム628上に通路板629を固定している。更に、グレンタンク6の天井部において、右側桁フレーム628の右側面からグレンタンク6の右側面(右側板)607に向けて1対の桁フレーム642を左右方向に延設し、この桁フレーム642上に通路板643を固定している。
通路板643は、通路板643の後側縁がグレンタンク6の段差部600側に位置するよう、通路板629後方で通路板629に対して直角に配置されている。すなわち、後側の桁フレーム642の一部が、グレンタンク6の上部タンク6aの右側後縁付近に位置するように、一対の桁フレーム642を配置している。このように、グレンタンク6の前後端面601,602を前後方向の桁フレーム628で架橋させ、桁フレーム628とグレンタンク6の右側面607とを桁フレーム642で架橋させているので、グレンタンク6を高剛性に構成できる。
また、通路627aが運転座席42後方からグレンタンク6の段差部600までの経路を構成しているので、運転座席42における作業者は、通路627aによりグレンタンク6後方の段差部600まで容易に且つ安全にアクセスできる。すなわち、段差部600上に配置されるプリクリーナ102、穀粒排出コンベヤ8、及び縦送りコンベヤ61などのメンテナンス作業において、作業者は、グレンタンク6の天井部に構成される通路627aを通じて容易に各装置付近まで到達できる。従って、プリクリーナ102、穀粒排出コンベヤ8、及び縦送りコンベヤ61などのメンテナンス作業を簡単に行うことができる。
第3実施形態となるコンバインは、図29に示すように、グレンタンク6の天井部の前後に延設させた通路627bを、グレンタンク6前側中央位置から後側側方位置(段差部600前方位置)に向かって斜行させている。本実施形態では、第1実施形態のコンバインと異なり、グレンタンク6の天井部において、前後方向に斜行した1対の桁フレーム628bを延設し、この桁フレーム628b上に通路板629bを固定している。すなわち、グレンタンク6の天井部において、1対の桁フレーム628bそれぞれの後端を段差部600手前に位置させるようにして、通路627bを構成する。
本実施形態のコンバインは、通路627bを、グレンタンク6の天井部の前方から後方に向かって右側に傾斜するように配置している。従って、通路627b左側に配置される3つの蓋部621は、グレンタンク6の後方に配置されるものほど、その設置面積が広くなる。すなわち、通路627b左側に配置される蓋部621の面積が広くなり、グレンタンク6の通路627b左側における開口面積を広く構成できる。そのため、グレンタンク6内部に作業者が潜り込みやすくなり、グレンタンク6内部でのメンテナンス作業が更に容易になる。
1 走行機体
2 履帯(走行部)
3 刈取装置
6 グレンタンク
6a 上部タンク
6b 下部タンク
7 エンジン
9 脱穀装置
22 装置フレーム
56 エンジンルーム枠
57 エンジンルーム
100 エアクリーナ
101 吸気ダクト
102 プリクリーナ
114 大径ギヤ
115 接続用フランジ
116 回転規制部材
117 筒受部材
118 半円弧体
119 半円弧体
120 段差部
126 潤滑剤注入口
127 フランジ
128 シリンダ支持部材
129 固定ブラケット
130 固定ブラケット
131 固定ブラケット
137 連結ブラケット
138 連結ブラケット
139 延設ステー
140 フランジ
146 左側カバー
147 右側カバー
148 回転規制受け部材
153 オーガ筒後端ケース
155 筒型ケース
156 筒型ケース
157 受継ぎケース
252 オーガ昇降用油圧シリンダ
258 ピストンロッド
259 支持棒
621 蓋体
622 蝶番(ヒンジ)
627 通路
627a 通路
627b 通路
628 桁フレーム
628b 桁フレーム
629 通路板
629b 通路板
632 案内孔
633 規制溝
634 棒付き滑車
635 滑車
636 指示棒
637 補強部材
638 把持部材
639 規制部材
642 桁フレーム
643 通路板
801 電動モータ
802 小径ギヤ

Claims (3)

  1. 刈取装置及び脱穀装置及びエンジンを走行機体に搭載し、前記脱穀装置から穀粒を貯留するグレンタンクと、該グレンタンクで貯留された穀粒を外部に排出する排出オーガと、を備えたコンバインであって、
    前記エンジン上方に配置される前記グレンタンクの底部に、前記グレンタンクに貯留された穀粒を後方に搬送する底送りコンベヤを配置するとともに、前記グレンタンク後方に、該底送りコンベヤで搬送された穀粒を受けて上方の前記排出オーガに向かって穀粒を搬送する縦送りコンベヤを配置し、
    前記縦送りコンベヤ下方には、旋回アクチュエータからの回転力を受けて前記縦送りコンベヤを回転させるギヤが設けられるとともに、前記グレンタンクで固定された円筒状の筒受部材により前記縦送りコンベヤが回転可能に支持され、前記排出オーガが前記縦送りコンベヤと連結して水平方向で回転可能に構成されることを特徴とするコンバイン。
  2. 前記筒受部材を、前記縦送りコンベヤ外周面を覆う2つの半円筒部材で構成するとともに、前記半円筒部材の一方が前記グレンタンクの後部に連結している一方で、前記半円筒部材の他方がエンジンルームに連結していることを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
  3. 前記グレンタンクの天井部に、前記運転座席後方から前記グレンタンク後方に向かってフレームを延設して、当該フレーム上に作業者が歩行可能な通路を形成し、
    前記グレンタンク後方に段差が設けられ、前記排出オーガの排出コンベヤが前記グレンタンクの段差上を通過して前記縦送りコンベヤと連結していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンバイン。
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