JP2015177206A - 閾値マトリクス生成装置、画像記録装置、閾値マトリクス生成方法および閾値マトリクス - Google Patents

閾値マトリクス生成装置、画像記録装置、閾値マトリクス生成方法および閾値マトリクス Download PDF

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Abstract

【課題】実際の着色状態を考慮して粒状性を低減することが可能な閾値マトリクスを容易に生成する。
【解決手段】画像記録装置1では、画像領域において一の閾値マトリクス要素に対応する対応画素へのインクの吐出をONにした場合に、実際に着色される着色画素群と対応画素との位置関係を示す着色情報が予め記憶される。閾値マトリクスの生成の際には、閾値が付与された付与済み要素に対応する画素へのインクの吐出をONにした場合に実際に着色される着色画素群が、着色情報を利用して求められる。続いて、閾値が付与されていない各未付与要素について、各未付与要素に対応する画素を着色画素群に含めた場合の着色画素群の分布の偏りを示す評価値が求められる。その後、評価値が示す偏りが最も小さい一の未付与要素に次の閾値が付与される。これにより実際の着色状態を考慮して粒状性を低減することが可能な閾値マトリクスを容易に生成することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像記録装置において多階調の元画像のハーフトーン化に利用される閾値マトリクスを生成する技術に関する。
従来より、多階調(すなわち、連続階調)の元画像を閾値マトリクスを利用してハーフトーン化し、記録媒体に記録することが行われている。閾値マトリクスを生成する際には、先に描画された画素から離れた位置に、次に描画される画素が配置されるように閾値が決定される。
例えば、特許文献1では、マトリクス領域内の複数の要素の点灯順序を決定する際に、点灯順序が未決定の各要素について、点灯順序が既に決定された各要素からの距離に基づく評価値が求められ、当該評価値に基づいて点灯順序が決定される。また、特許文献2では、閾値のハイライト側およびシャドウ側と中間部とで閾値の決定方法を変更する技術が開示されている。具体的には、中間部における閾値の決定の際に、既に決定された閾値の位置を中心に重み付けフィルタを作用させる。
ところで、複数のノズルから記録媒体に向けてインクの微小液滴を吐出して画像を記録する画像記録装置では、記録媒体上に着弾した液滴が、着色すべき画素の周囲へと拡がることがある。そこで、特許文献3では、閾値マトリクスの各要素を分解して高解像度にて示す高解像度マトリクスと、高解像度マトリクスに対応する領域において実際にインクが付着する点付き状態とを利用し、高解像度マトリクスにおいてインクが付着する各要素からの距離に基づいて点灯順序を決定する技術が提案されている。
特開2008−294702号公報 特許第3762800号公報 特開2013−184316号公報
ところで、特許文献1および特許文献2では、記録媒体上における実際の着色状態は考慮されていない。したがって、画像データ上では描画画素がおよそ均等に分散されているにもかかわらず、記録媒体上においてインクのドットの分布に偏りが生じ、画像の粒状性が増大する可能性がある。一方、特許文献3では、マトリクスサイズが大きい高解像度マトリクスを利用するため、閾値を決定するための計算時間が増大する。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、実際の着色状態を考慮して粒状性を低減することが可能な閾値マトリクスを容易に生成することを主な目的としている。
請求項1に記載の発明は、吐出部に対して予め定められた移動方向に相対的に移動する記録媒体に向けて前記吐出部からインクの液滴を吐出することにより画像を前記記録媒体に記録する画像記録装置において、多階調の元画像のハーフトーン化に利用される閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成装置であって、閾値マトリクスおよび着色情報を記憶する記憶部と、前記閾値マトリクスに含まれる複数の閾値マトリクス要素の閾値を決定する閾値決定部とを備え、前記着色情報が、記録媒体上において前記閾値マトリクスに対応する画像領域にて、一の閾値マトリクス要素に対応する対応画素へのインクの吐出をONにした場合に、前記対応画素とインクにより着色される複数の画素との位置関係を示す位置関係情報を含み、前記閾値決定部が、a)前記閾値マトリクスに含まれる一の閾値マトリクス要素に最初の閾値を付与する工程と、b)前記画像領域において、閾値が付与された閾値マトリクス要素である付与済み要素に対応する画素へのインクの吐出をONにした場合に、インクにより着色される複数の画素である着色画素群を前記着色情報を利用して求める工程と、c)閾値が付与されていない閾値マトリクス要素である一の未付与要素を選択する工程と、d)元画像の網点化時の前記閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ、前記一の未付与要素に対応する画素を前記着色画素群に含めた場合の前記着色画素群の分布の偏りを示す評価値、または、前記一の未付与要素に対応する画素へのインクの吐出をONにした場合にインクにより着色される複数の画素を前記着色画素群に含めた場合の前記着色画素群の分布の偏りを示す評価値を求める工程と、e)全ての未付与要素について、前記c)工程および前記d)工程を繰り返して評価値を求める工程と、f)前記e)工程にて求められた前記評価値を参照して、評価値が示す偏りが最も小さい一の未付与要素に次の閾値を付与する工程と、g)前記複数の閾値マトリクス要素の全てに閾値が付与されるまで、前記b)工程ないし前記f)工程を繰り返す工程とを実行する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の閾値マトリクス生成装置であって、前記着色情報に含まれる前記位置関係情報において、前記対応画素が、インクにより着色される前記複数の画素に含まれる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の閾値マトリクス生成装置であって、前記着色情報に含まれる前記位置関係情報において、インクにより着色される前記複数の画素が、前記対応画素、および、前記対応画素に前記記録媒体の前記移動方向の後側にて隣接する1つの画素である。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の閾値マトリクス生成装置であって、前記b)工程において、前記付与済み要素に対応する画素へのインクの吐出をONにすると前記画像領域外に位置する領域外画素がインクにより着色される場合、前記元画像の網点化時の前記閾値マトリクスの反復適用を考慮して、前記画像領域において前記領域外画素に対応する画素が前記着色画素群に含められる。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の閾値マトリクス生成装置であって、前記b)工程において求められた前記着色画素群に、インクにより部分的に着色される部分着色画素が含まれる場合、前記d)工程において、前記着色画素群の分布の偏りに対する前記部分着色画素の影響を全体が着色される画素の影響に比べて小さくする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の閾値マトリクス生成装置であって、前記吐出部から吐出されるインクの微小液滴のサイズが、第1サイズと第2サイズとの間にて切り換え可能であり、前記着色情報に含まれる前記位置関係情報が、前記第1サイズに対応する閾値マトリクスを生成する際に利用される第1位置関係情報と、前記第2サイズに対応する閾値マトリクスを生成する際に利用される第2位置関係情報とを含む。
請求項7に記載の発明は、吐出部に対して予め定められた移動方向に1回だけ相対的に移動する記録媒体に向けて前記吐出部からインクの液滴を吐出することにより画像を前記記録媒体に記録する画像記録装置において、多階調の元画像のハーフトーン化に利用される閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成装置であって、閾値マトリクスを記憶する記憶部と、前記閾値マトリクスに含まれる複数の閾値マトリクス要素の閾値を決定する閾値決定部とを備え、前記閾値決定部が、a)前記閾値マトリクスに含まれる一の閾値マトリクス要素に最初の閾値を付与する工程と、b)閾値が付与された閾値マトリクス要素である付与済み要素と、前記付与済み要素に前記記録媒体の前記移動方向に対応する方向の後側にて隣接する閾値マトリクス要素とを、対象マトリクス要素群として求める工程と、c)閾値が付与されていない閾値マトリクス要素である一の未付与要素を選択する工程と、d)元画像の網点化時の前記閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ、前記一の未付与要素を前記対象マトリクス要素群に含めた場合の前記対象マトリクス要素群の分布の偏りを示す評価値、または、前記一の未付与要素に前記記録媒体の前記移動方向に対応する方向の後側にて隣接する閾値マトリクス要素と前記一の未付与要素とを前記対象マトリクス要素群に含めた場合の前記対象マトリクス要素群の分布の偏りを示す評価値を求める工程と、e)全ての未付与要素について、前記c)工程および前記d)工程を繰り返して評価値を求める工程と、f)前記e)工程にて求められた前記評価値を参照して、評価値が示す偏りが最も小さい一の未付与要素に次の閾値を付与する工程と、g)前記複数の閾値マトリクス要素の全てに閾値が付与されるまで、前記b)工程ないし前記f)工程を繰り返す工程とを実行する。
請求項8に記載の発明は、画像記録装置であって、記録媒体に向けてインクの微小液滴を吐出する吐出部と、前記記録媒体を前記吐出部に対して移動方向へと相対的に移動する移動機構と、請求項1ないし7のいずれかに記載の閾値マトリクス生成装置と、前記閾値マトリクス生成装置により生成された閾値マトリクスを利用して多階調の元画像をハーフトーン化してハーフトーン画像を生成し、前記ハーフトーン画像に基づいて前記吐出部からのインクの吐出を制御する制御部とを備える。
請求項9に記載の発明は、インクの液滴を吐出部から記録媒体に向けて吐出することにより画像を前記記録媒体に記録する画像記録装置において、多階調の元画像のハーフトーン化に利用される閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成方法であって、閾値マトリクスおよび着色情報を記憶する工程と、前記閾値マトリクスに含まれる複数の閾値マトリクス要素の閾値を決定する工程とを備え、前記着色情報が、記録媒体上において前記閾値マトリクスに対応する画像領域にて、一の閾値マトリクス要素に対応する対応画素へのインクの吐出をONにした場合に、前記対応画素とインクにより着色される複数の画素との位置関係を示す位置関係情報を含み、前記閾値を決定する工程が、a)前記閾値マトリクスに含まれる一の閾値マトリクス要素に最初の閾値を付与する工程と、b)前記画像領域において、閾値が付与された閾値マトリクス要素である付与済み要素に対応する画素へのインクの吐出をONにした場合に、インクにより着色される複数の画素である着色画素群を前記着色情報を利用して求める工程と、c)閾値が付与されていない閾値マトリクス要素である一の未付与要素を選択する工程と、d)元画像の網点化時の前記閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ、前記一の未付与要素に対応する画素を前記着色画素群に含めた場合の前記着色画素群の分布の偏りを示す評価値、または、前記一の未付与要素に対応する画素へのインクの吐出をONにした場合にインクにより着色される複数の画素を前記着色画素群に含めた場合の前記着色画素群の分布の偏りを示す評価値を求める工程と、e)全ての未付与要素について、前記c)工程および前記d)工程を繰り返して評価値を求める工程と、f)前記e)工程にて求められた前記評価値を参照して、評価値が示す偏りが最も小さい一の未付与要素に次の閾値を付与する工程と、g)前記複数の閾値マトリクス要素の全てに閾値が付与されるまで、前記b)工程ないし前記f)工程を繰り返す工程とを備える。
請求項10に記載の発明は、吐出部に対して予め定められた移動方向に1回だけ相対的に移動する記録媒体に向けて前記吐出部からインクの液滴を吐出することにより画像を前記記録媒体に記録する画像記録装置において、多階調の元画像のハーフトーン化に利用される閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成方法であって、閾値マトリクスを記憶する工程と、前記閾値マトリクスに含まれる複数の閾値マトリクス要素の閾値を決定する工程とを備え、前記閾値を決定する工程が、a)前記閾値マトリクスに含まれる一の閾値マトリクス要素に最初の閾値を付与する工程と、b)閾値が付与された閾値マトリクス要素である付与済み要素と、前記付与済み要素に前記記録媒体の前記移動方向に対応する方向の後側にて隣接する閾値マトリクス要素とを、対象マトリクス要素群として求める工程と、c)閾値が付与されていない閾値マトリクス要素である一の未付与要素を選択する工程と、d)元画像の網点化時の前記閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ、前記一の未付与要素を前記対象マトリクス要素群に含めた場合の前記対象マトリクス要素群の分布の偏りを示す評価値、または、前記一の未付与要素に前記記録媒体の前記移動方向に対応する方向の後側にて隣接する閾値マトリクス要素と前記一の未付与要素とを前記対象マトリクス要素群に含めた場合の前記対象マトリクス要素群の分布の偏りを示す評価値を求める工程と、e)全ての未付与要素について、前記c)工程および前記d)工程を繰り返して評価値を求める工程と、f)前記e)工程にて求められた前記評価値を参照して、評価値が示す偏りが最も小さい一の未付与要素に次の閾値を付与する工程と、g)前記複数の閾値マトリクス要素の全てに閾値が付与されるまで、前記b)工程ないし前記f)工程を繰り返す工程とを備える。
請求項11に記載の発明は、多階調の元画像をハーフトーン化する際に前記元画像と比較される閾値マトリクスであって、請求項9または10に記載の閾値マトリクス生成方法にて生成されたものである。
本発明では、粒状性を低減することが可能な閾値マトリクスを容易に生成することができる。
第1の実施の形態に係る画像記録装置の構成を示す斜視図である。 吐出ユニットを示す底面図である。 制御ユニットの機能を示すブロック図である。 元画像および閾値マトリクスを示す図である。 閾値マトリクスの生成の流れを示す図である。 閾値マトリクスを示す図である。 対応画素と着色画素群との位置関係を示す図である。 対応画素と着色画素群との位置関係を示す図である。 対応画素と着色画素群との位置関係を示す図である。 対応画素と着色画素群との位置関係を示す図である。 閾値マトリクスを示す図である。 第2の実施の形態に係る画像記録装置における閾値マトリクスの生成の流れの一部を示す図である。 第3の実施の形態に係る画像記録装置における閾値マトリクスの生成の流れを示す図である。 第4の実施の形態に係る画像記録装置における閾値マトリクスの生成の流れの一部を示す図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像記録装置1の構成を示す斜視図である。画像記録装置1は、長尺シート状の記録媒体9上にインクの微小液滴を吐出することにより、記録媒体9上にカラー画像を記録する印刷装置(いわゆる、インクジェットプリンタ)である。記録媒体9は、例えば印刷用紙である。
図1に示すように、画像記録装置1は、移動機構2と、吐出ユニット3と、制御ユニット4とを備える。移動機構2は、記録媒体9を、予め定められた移動方向に移動する。図1に示す例では、記録媒体9の移動方向は(+Y)方向である。吐出ユニット3は、移動機構2を跨ぐようにして基台20に設けられるフレーム25に、移動機構2の上方(すなわち、(+Z)側)にて固定される。吐出ユニット3は、移動機構2による搬送途上の記録媒体9に向けてインクの微小液滴を吐出する。制御ユニット4は、移動機構2および吐出ユニット3を制御する。
移動機構2では、それぞれが図1中のX方向に長い複数のローラ21がY方向に配列される。X方向は、水平かつY方向に垂直な方向であり、記録媒体9の幅方向でもある。複数のローラ21の(−Y)側にはロール状の記録媒体9(供給ロール)を保持する供給部22が設けられ、複数のローラ21の(+Y)側にはロール状の記録媒体9(巻取ロール)を保持する巻取部23が設けられる。記録媒体9は供給部22および巻取部23のそれぞれにてロール状とされる。以下の説明では、単に記録媒体9という場合は搬送途上の記録媒体9(すなわち、複数のローラ21上の記録媒体9)を意味するものとする。
移動機構2の一のローラ21aには記録媒体9の走査方向の移動速度を検出するエンコーダ29が設けられ、制御部7がエンコーダ29の出力に基づいて巻取部23のモータの回転を制御することにより、記録媒体9が(+Y)方向に一定速度にて搬送される。記録媒体9の搬送時には、供給部22が有するモータにて記録媒体9に対して走査方向とは逆向き(すなわち、(−Y)方向)の負荷(テンション)を付与することにより、複数のローラ21上の記録媒体9が波打つことなく滑らかに移動する。
図2は吐出ユニット3を示す底面図である。吐出ユニット3は、それぞれが互いに異なる色のインクを記録媒体9に向けて吐出する複数(本実施の形態では、4個)の吐出部であるヘッド31を備える。複数のヘッド31は同様の構造を有する。複数のヘッド31はY方向(すなわち、移動方向)に配列されて吐出ユニット3の取付部30に取り付けられる。各ヘッド31は、記録媒体9の移動方向であるY方向に垂直なX方向(以下、「幅方向」という。)に配列される複数の吐出口を有する。なお、複数の吐出口は、必ずしもX方向に配列される必要はなく、Y方向に対して交差する方向に配列されていればよい。
図2中の最も(−Y)側のヘッド31はK(ブラック)の色のインクを吐出する。Kのヘッド31の(+Y)側のヘッド31はC(シアン)の色のインクを吐出する。Cのヘッド31の(+Y)側のヘッド31はM(マゼンタ)の色のインクを吐出する。最も(+Y)側のヘッド31はY(イエロー)の色のインクを吐出する。なお、吐出ユニット3では、ライトシアン、ライトマゼンタ、ホワイト等の他の色用のヘッド等も設けられてよい。
画像記録装置1では、幅方向であるX方向に関し、各ヘッド31が記録媒体9上の記録領域の全体に亘って(本実施の形態では、記録媒体9のX方向の全体に亘って)設けられる。そして、本体制御部41(図3参照)により吐出ユニット3と移動機構2とが制御され、記録媒体9が、吐出ユニット3の複数のヘッド31に対向する位置を、吐出ユニット3に対してY方向に1回だけ相対移動する(すなわち、1回だけ通過する)ことにより、記録媒体9への画像の記録が完了する。換言すれば、画像記録装置1では、記録媒体9に対するシングルパス印刷が行われる。
制御ユニット4は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶するROM、および、各種情報を記憶するRAMを含む一般的なコンピュータシステムの構成となっている。図3は、制御ユニット4の機能を示すブロック図である。図3では、制御ユニット4に接続される画像記録装置1の構成の一部を併せて示す。制御ユニット4は、制御部40と、閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成部43とを備える。制御部40は、上述の本体制御部41と、各種演算を行う演算部42とを備える。また、制御部40には、各種情報を入力するための入力部44が接続されている。
閾値マトリクス生成部43は、多階調の元画像のハーフトーン化に利用される複数の閾値マトリクスを生成する。閾値マトリクス生成部43は、記憶部431と、閾値決定部432とを備える。記憶部431は、複数の閾値マトリクス、および、後述する着色情報等を記憶する。閾値決定部432は、各閾値マトリクスを構成する複数の閾値マトリクス要素に割り当てられる閾値を決定する。閾値マトリクスの生成方法については後述する。
演算部42は、画像メモリ421と、複数のマトリクス記憶部422(SPM(Screen Pattern Memory)とも呼ばれる。)と、比較部である比較器423(ハーフトーン化回路)とを備える。画像メモリ421は、外部から入力されるカラーの元画像のデータ(以下、「元画像データ」という。)を記憶する。複数のマトリクス記憶部422は、複数の色成分について閾値マトリクス生成部43により生成された閾値マトリクスがそれぞれ格納されるメモリである。比較器423は、元画像データと閾値マトリクスとを色成分毎に比較する比較部である。なお、当該比較部はソフトウェアにて実現されてもよい。
本体制御部41は、吐出制御部411と、移動制御部412とを備える。移動制御部412は、演算部42からの出力に基づいて、移動機構2による記録媒体9の吐出ユニット3に対する相対移動を制御する。吐出制御部411は、演算部42からの出力に基づいて、記録媒体9の相対移動に同期して吐出ユニット3の複数のヘッド31からのインクの吐出を制御する。
次に、画像記録装置1が画像を記録する動作の詳細について説明する。画像記録装置1では、外部のコンピュータから演算部42の画像メモリ421に、カラーの元画像データが入力部44を介して入力されて記憶される。
図4は、元画像70および閾値マトリクス81を抽象的に示す図である。元画像70および閾値マトリクス81のそれぞれでは、記録媒体9の移動方向に対応する列方向(図4中にてy方向として示す。)、および、列方向に垂直な行方向(図4中にてx方向として示す。)に複数の画素または複数の要素が配列されている。以下の説明では、元画像70は0〜255までの階調範囲にて表現されるものとする。
演算部42では、元画像70を示す元画像データが、色成分毎に選択された閾値マトリクス81と比較され、これにより、元画像データが示す多階調の画像を表現するためのカラーのハーフトーン画像データが生成される。換言すれば、演算部42では、選択された閾値マトリクス81を利用してハーフトーン画像データが生成される。当該ハーフトーン画像データは、実際には、記録媒体9上に記録された場合にFMスクリーンにより表現されるハーフトーン画像を示す。
元画像のハーフトーン化の際には、図4に示すように元画像70が示す全体の領域を同一の大きさの多数の領域に分割してハーフトーン化の単位となる繰り返し領域71が設定される。各マトリクス記憶部422は1つの繰り返し領域71に相当する記憶領域を有し、この記憶領域の各アドレス(座標)に閾値が設定されることにより、上述の選択された閾値マトリクス81を記憶している。そして、概念的には元画像70の各繰り返し領域71と各色成分の閾値マトリクス81とを重ね合わせ、繰り返し領域71の各画素の当該色成分の階調値(画素値)と閾値マトリクス81の対応する閾値とが比較されることにより、記録媒体9上のその画素の位置に記録(当該色のドットの形成)を行うか否かが決定される。
実際には、図3の比較器423が有するアドレス発生器からのアドレス信号に基づいて、画像メモリ421から元画像データの1つの画素の階調値が色成分毎に読み出される。一方、アドレス発生器では元画像70中の当該画素に相当する繰り返し領域71中の位置を示すアドレス信号も生成され、各色成分の閾値マトリクス81における1つの閾値が特定されてマトリクス記憶部422から読み出される。そして、画像メモリ421からの階調値とマトリクス記憶部422からの閾値とが比較器423にて色成分毎に比較されることにより、各色成分の2値の出力画像データにおけるその画素の位置(アドレス)の階調値が決定される。したがって、一の色成分に着目した場合に、図4に示す多階調の元画像70において、階調値が閾値マトリクス81の対応する閾値よりも大きい位置には、例えば、階調値「1」が付与され(すなわち、ドットが置かれ)、残りの画素には階調値「0」が付与され(すなわち、ドットは置かれず)、2値の出力画像データが当該色成分のハーフトーン画像データとして生成される。
以上のように、図3に示す制御部40の演算部42は、入力された元画像データが有する複数の階調値と、閾値マトリクス81が有する複数の閾値とを、比較器423により互いに対応する画素位置(閾値マトリクス81では要素位置)において比較することにより、元画像データをハーフトーン化してハーフトーン画像データを生成する。換言すれば、演算部42は、閾値マトリクス生成部43により生成された閾値マトリクスを利用し、元画像をハーフトーン化してハーフトーン画像を生成するハーフトーン画像生成装置である。
画像記録装置1では、本体制御部41の吐出制御部411により、ハーフトーン画像データに基づいて、吐出ユニット3の各ヘッド31からのインクの吐出が制御される。また、本体制御部41では、移動制御部412により、移動機構2による記録媒体9の移動速度や移動量等も制御される。
画像記録装置1では、元画像70において最初に記録される部分(例えば、最も(+y)側の複数の繰り返し領域71)のハーフトーン画像データ(の部分)が各色に対して生成されると、移動制御部412が移動機構2を駆動することにより記録媒体9の移動が開始される。そして、上記ハーフトーン化処理(ハーフトーン画像データの生成処理)と並行して、記録媒体9の吐出ユニット3に対する走査方向への相対移動に同期して各ヘッド31における複数の吐出口からのインクの吐出が吐出制御部411により制御される。
ここで、ハーフトーン画像データは記録媒体9上に画像を記録するためのデータであるため、ハーフトーン画像データの複数の画素は記録媒体9上に配列して設定されていると捉えることができる。吐出制御部411では、ドット形成部である吐出ユニット3の記録媒体9に対する相対移動に同期して、各吐出口の記録媒体9上の吐出位置(すなわち、ドットの形成位置)に対応するハーフトーン画像データの階調値が「1」である場合には当該吐出位置にドットが形成され、ハーフトーン画像データの階調値が「0」である場合には当該吐出位置にはドットは形成されない。
このようにして、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのそれぞれに関して、複数の吐出口にそれぞれ対応する記録媒体9上の複数の吐出位置を記録媒体9に対して相対的に移動しつつ、複数の吐出位置における元画像70の階調値と、元画像70をハーフトーン化するための閾値マトリクス81の対応する閾値との比較結果であるハーフトーン画像データに基づいて、各ヘッド31の複数の吐出口からのインクの吐出が制御される(すなわち、各吐出口からのインクの吐出量が決定される)。
画像記録装置1では、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローに関して、ハーフトーン画像データを生成しつつ当該ハーフトーン画像データに従って画像を記録する動作が並行して行われ、記録媒体9上にカラーの元画像を表現するカラーのハーフトーン画像が記録される。
次に、図5を参照しつつ、閾値マトリクス生成部43による閾値マトリクスの生成、すなわち、閾値マトリクスにおける複数の閾値マトリクス要素の閾値の決定について説明する。画像記録装置1では、各色成分に対応する閾値マトリクスが生成される。以下では、一の色成分に係る閾値マトリクスの生成について説明する。
閾値マトリクス81が生成されるマトリクス領域は、図6に示すように、記録媒体9の移動方向に対応する列方向(y方向)、および、列方向に垂直な行方向(x方向)に規定されている。換言すれば、閾値マトリクス81に含まれる複数の閾値マトリクス要素811が、行方向および列方向に配列される。閾値マトリクス81および各閾値マトリクス要素811は正方形であるものとする。図6では、閾値マトリクス要素811の数を実際よりも少なく描いている。
閾値マトリクス生成部43(図3参照)では、まず、閾値マトリクス81に含まれる複数の閾値マトリクス要素811のうち一の閾値マトリクス要素811に最初の閾値が付与される(ステップS11)。閾値が付与された閾値マトリクス要素811を、以下、「付与済み要素」という。図6では、閾値マトリクス81に含まれる複数の閾値マトリクス要素811のうち、左上の角部の閾値マトリクス要素811に最初の閾値「1」が付与され、当該閾値マトリクス要素811が付与済み要素となる。図6では、当該付与済み要素内に閾値を示す数字を丸で囲んで示す(図11においても同様)。なお、最初の閾値が付与される閾値マトリクス要素811の位置は任意に定められてよい。
続いて、記録媒体9上において閾値マトリクス81に対応する画像領域にて、付与済み要素に対応する画素へのインクの吐出をONにした場合に、インクにより実際に着色される複数の画素(以下、「着色画素群」という。)が、着色情報を利用して求められる(ステップS12)。
着色情報は、上述のように記憶部431(図3参照)に予め記憶されており、位置関係情報を含む。位置関係情報は、画像領域において一の閾値マトリクス要素811に対応する画素(以下、「対応画素」という。)へのインクの吐出をONにした場合(すなわち、対応画素へのインクの吐出が指示された場合)に、実際に着色される複数の画素と対応画素との位置関係を示す。
図7は、位置関係情報の一例を示すための図である。図7では、上述の画像領域の一部を示す。図7では、画像領域における対応画素96を太線にて囲み、平行斜線を付す。また、対応画素96へのインクの吐出をONにした場合に、画像領域に実際に形成されるインクのドット95に、対応画素96よりもピッチが大きい平行斜線を付す(図8ないし図10においても同様)。
図7に示すように、ドット95は、記録媒体9の移動方向であるY方向に長い略楕円形である。ドット95の当該形状は、例えば、記録媒体9が移動方向に高速にて移動することにより生じる。ドット95により、対応画素96と、対応画素96の(−Y)側に隣接する1つの画素とが着色される。換言すれば、図7に示す位置関係情報において、インクのドット95により着色される複数の画素は、対応画素96、および、対応画素96に記録媒体9の移動方向の後ろ側にて隣接する1つの画素である。以下の説明では、図7に示す位置関係情報が着色情報に含まれるものとして説明する。
ステップS12では、上述のように、当該着色情報を利用して付与済み要素に対応する着色画素群が求められる。図6では、閾値マトリクス81の複数の閾値マトリクス要素811のうち、着色画素群に対応する複数の閾値マトリクス要素811(以下、「着色マトリクス要素811a」という。)に平行斜線を付す。図6では、付与済み要素、および、付与済み要素の(−y)側に隣接する1つの閾値マトリクス要素が、着色画素群に対応する着色マトリクス要素811aである。上述のように、図7に示す対応画素96は、インクのドット95により着色される複数の画素に含まれるため、図6において、付与済み要素は、複数の着色マトリクス要素811aに含まれる。
着色画素群が求められると、閾値が付与されていない一の閾値マトリクス要素811(以下、「未付与要素」という。)が選択される(ステップS13)。続いて、選択された一の未付与要素である選択未付与要素と、各着色マトリクス要素811aとの間の距離に基づいて、選択未付与要素を複数の着色マトリクス要素811aに含めた場合の着色マトリクス要素811aの分布の偏りを示す評価値が求められる。換言すれば、選択未付与要素に対応する画素を着色画素群に含めた場合の着色画素群の分布(すなわち、着色画素群を構成する複数の画素の分布)の偏りを示す評価値が求められる(ステップS14)。
実際には、元画像70において繰り返し領域71(図4参照)が上下左右に繰り返されることから、評価値の算出に際しては、元画像70の網点化時の閾値マトリクス81の反復適用を考慮し、9つの閾値マトリクス81を正方形状に並べた上で、中央の閾値マトリクス81の選択未付与要素と、9つの閾値マトリクス81のそれぞれにおいて同位置に位置する複数の着色マトリクス要素811aとの間のそれぞれの距離に基づいて評価値が求められる。
具体的には、まず、9つの閾値マトリクス81において同位置に位置する各着色マトリクス要素811aについて、行方向に関する選択未付与要素と各着色マトリクス要素811aとの間の距離である第1距離dxiと、列方向に関する選択未付与要素と各着色マトリクス要素811aとの間の距離である第2距離dyiとに基づいて、数1にて評価値要素E1が求められる。
Figure 2015177206
数1中の添え字のiは0〜8の整数であり、上述の9つの第1閾値マトリクス81を示す。第1距離dxiが大きくなると評価値要素E1は小さくなる。第2距離dyiが大きくなる場合も評価値要素E1は小さくなる。各着色マトリクス要素811aに係る評価値要素E1が求められると、これらの評価値要素E1が合計されることにより、ステップS13において選択された選択未付与要素に係る評価値が求められる。
評価値は、上述のように、選択未付与要素に対応する画素を着色画素群に含めた場合の着色画素群の分布の偏りを示す。評価値が大きいと、着色画素群の分布の偏りが大きく、画像領域において、実際に着色される複数の画素がある程度固まって存在する。評価値が小さいと、着色画素群の分布の偏りが小さく、画像領域において、実際に着色される複数の画素がおよそ均等に分布する。なお、第1距離dxiおよび第2距離dyiのうち一方の距離の影響を他方の距離の影響よりも大きくしたい場合、評価値要素E1を求めるための数1において、第1距離dxiまたは第2距離dyiに重み係数が乗算されてもよい。
閾値マトリクス81において、評価値が求められていない未付与要素が存在する場合は(ステップS15)、ステップS13に戻り、一の未付与要素の選択、各着色マトリクス要素811aに係る評価値要素E1の算出、および、評価値要素E1の合計である評価値の算出(ステップS13,S14)が行われる。画像記録装置1では、全ての未付与要素について、ステップS13,S14が繰り返されて評価値が求められる(ステップS15)。
続いて、ステップS13〜S15において全ての未付与要素について求められた評価値を参照して、評価値が最も小さい(すなわち、評価値が示す上記偏りが最も小さい)一の未付与要素が特定される。換言すれば、全ての未付与要素のうち、着色マトリクス要素811aに含まれると仮定した場合の着色マトリクス要素811aの分布の偏りが最も小さい一の未付与要素が特定される。そして、特定された未付与要素に次の閾値(すなわち、最も新しく付与された閾値の次に大きい閾値)が付与されて付与済み要素となる(ステップS16)。例えば、次の閾値として、最も新しく付与された閾値よりも1だけ大きい閾値が付与される。なお、閾値の増分は適宜変更されてよい。
閾値が付与されていない閾値マトリクス要素811(すなわち、未付与要素)が存在する場合は(ステップS17)、ステップS12に戻り、着色情報を利用して各付与済み要素に対応する着色画素群が求められる。そして、全ての未付与要素について評価値が求められ(ステップS12〜S15)、評価値が示す上記偏りが最小の一の未付与要素に次の閾値が付与される(ステップS16)。画像記録装置1では、閾値マトリクス81に含まれる複数の閾値マトリクス要素811の全てに閾値が付与されるまで、ステップS12〜S17が繰り返される。これにより、閾値マトリクス81に含まれる複数の閾値マトリクス要素811に割り当てられる閾値が全て決定される。
実際には、ステップS11〜S17にて各閾値マトリクス要素811に付与された閾値は、正規化前の仮閾値であり、これらの仮閾値を記録媒体9に記録される画像の階調数に基づいて正規化することにより最終的な閾値が取得され、当該閾値が各閾値マトリクス要素811に付与される。第2ないし第4の実施の形態においても同様である。閾値マトリクス81は、記憶部431(図3参照)に記憶される。
以上に説明したように、画像記録装置1では、閾値マトリクス81の生成の際に、閾値が付与された付与済み要素に対応する画素へのインクの吐出をONにした場合に、記録媒体9上の上記画像領域においてインクにより実際に着色される着色画素群が、上述の着色情報を利用して求められる。続いて、閾値が付与されていない各未付与要素について、各未付与要素に対応する画素を着色画素群に含めた場合の着色画素群の分布の偏りを示す評価値が求められる。そして、評価値が示す偏りが最も小さい一の未付与要素に次の閾値が付与される。
これにより、記録媒体9上に着弾したインクによる実際の着色状態を考慮しつつ、元画像の階調値の増大に従って閾値マトリクス81に対応する画像領域において画素をON状態にする順番、すなわち、インクの吐出する順序を決定することができる。その結果、記録媒体9に記録される画像の粒状性を低減することができる。また、画像記録装置1では、実際の着色状態を考慮して粒状性を低減することが可能な閾値マトリクスを、マトリクスサイズが大きい高解像度マトリクス等を使用することなく、容易に生成することができる。
上述のように、着色情報は、一の閾値マトリクス要素811に対応する対応画素96へのインクの吐出をONにした場合に、画像領域において実際に着色される着色画素群と対応画素との位置関係を示す位置関係情報を含む。上述の例における当該位置関係情報では、対応画素96が着色画素群に含まれる。画像記録装置1では、図7に示すように、記録媒体9上においてインクのドット95が対応画素96から周囲へと拡がる場合に、着色情報に基づいて当該インクの拡がりを考慮し、粒状性を低減することが可能な閾値マトリクスを容易に生成することができる。上述の例における位置関係情報では、より詳細には、着色画素群は、対応画素96、および、対応画素96に記録媒体9の移動方向後側にて隣接する1つの画素である。画像記録装置1では、記録媒体9の高速移動等によりインクが移動方向後側に拡がる場合に、着色情報に基づいて当該インクの拡がりを考慮し、粒状性を低減することが可能な閾値マトリクスを容易に生成することができる。
画像記録装置1では、着色情報に含まれる位置関係情報は、図7に示す例とは異なるものであってよい。図8ないし図10はそれぞれ、位置関係情報が示す対応画素96と着色画素群との位置関係の他の例を示す図である。例えば、図8に示す例では、対応画素96へのインクの吐出をONにした場合に、吐出されたインクの微小液滴が2つに分離し、対応画素96、および、対応画素96に記録媒体9の移動方向後側(すなわち、(−Y)側)にて隣接する1つの画素が、インクのドット95により着色される。この場合、図7に示す例と同様に、着色情報に含まれる位置関係情報では、着色画素群は、対応画素96、および、対応画素96に記録媒体9の移動方向後側にて隣接する1つの画素である。なお、着色画素群は、たとえば、対応画素96、および、対応画素96から記録媒体9の移動方向後側に1画素以上離れた1つの画素であってもよい。
図9に示す例では、吐出されたインクの微小液滴が3つに分離し、対応画素96、および、対応画素96に記録媒体9の移動方向後側にて隣接するとともに当該移動方向に並ぶ2つの画素が、インクのドット95により着色される。この場合、着色情報に含まれる位置関係情報では、着色画素群は、対応画素96を含むとともに対応画素96から移動方向後側に連続する3つの画素である。いずれの場合も、画像記録装置1では、上記と同様に、着色情報に基づいて実際の着色状態を考慮し、粒状性を低減することが可能な閾値マトリクスを容易に生成することができる。
図10に示す例では、対応画素96に吐出されたインクのドット95が周囲に拡がり、対応画素96を含む12の画素が着色される。具体的には、X方向の長さが3画素、かつ、Y方向の長さが4画素の矩形状に配列された12個の画素が着色される。着色画素群の12個の画素のうち、当該矩形の角部に位置する4個の画素は、インクにより部分的に着色される部分着色画素97aであり、他の8個の画素は、インクによりおよそ全体が着色される全体着色画素97bである。画像記録装置1において図10に示す位置関係情報が利用される場合、ステップS12において求められる着色画素群に、部分着色画素97aが含まれる。
着色画素群に部分着色画素97aが含まれる場合、ステップS14において評価値を求める際に、部分着色画素97aを全体着色画素97bと同様に扱ってもよいが、着色画素群の分布の偏りに対する部分着色画素97aの影響を、全体着色画素97bの影響に比べて小さくすることが好ましい。例えば、部分着色画素97aに対応する着色マトリクス要素811aに係る評価値要素E1を上述の数1により求める際に、閾値マトリクス要素811のx方向の幅の半分だけ第1距離dxiを大きくし、閾値マトリクス要素811のy方向の幅の半分だけ第2距離dyiを大きくする。これにより、部分着色画素97aの影響を小さくすることができる。
このように、ステップS14において評価値を求める際に、着色画素群の分布の偏りに対する部分着色画素97aの影響を、全体着色画素97bの影響に比べて小さくすることにより、閾値マトリクス81の生成時に、記録媒体9上における実際の着色画素の分布の偏りをさらに詳細に考慮することができる。その結果、粒状性をより一層低減することが可能な閾値マトリクスを容易に生成することができる。なお、着色画素群における部分着色画素97aと全体着色画素97bとの区別は、各画素の着色割合に基づいて行われる。具体的には、所定の割合(例えば、50%)以下の面積が着色される画素が部分着色画素97aとされ、当該所定の割合よりも大きい面積が着色される画素が全体着色画素97bとされる。
ここで、図10に例示されるドット95が、閾値マトリクス81の左上の角部の閾値マトリクス要素811に対応する対応画素96に付与される場合を考える。上述のように、ステップS14では、閾値マトリクス81の反復適用を考慮し、正方形状に配置された9つの閾値マトリクス81のうち中央の閾値マトリクス81の選択未付与要素と、各閾値マトリクス81の着色マトリクス要素811aとの間の距離に基づいて評価値が求められる。図11では、9つの閾値マトリクス81のそれぞれにおいて、図10に示すドット95により着色される着色画素群に対応する複数の着色マトリクス要素811a(以下、「着色マトリクス要素群」という。)に平行斜線を付す。
図11に示すように、1つのドット95に対応する着色マトリクス要素群 は、当該ドット95の対応画素96を含む1つの閾値マトリクス81のみならず、隣接する閾値マトリクス81にも広がって存在する。換言すれば、一の閾値マトリクス81に対応する画像領域に吐出されたインクにより、当該画像領域外に位置する領域外画素も着色される。
このように、ステップS14において評価値を求める際に、付与済み要素に対応する画素へのインクの吐出をONにすると画像領域外の領域外画素がインクにより着色される場合、閾値マトリクス81の反復適用を考慮して、各画像領域において領域外画素に対応する画素が着色画素群に含められることが好ましい。具体的には、図11において平行斜線を付す全ての閾値マトリクス要素を着色マトリクス要素811aとして、各着色マトリクス要素811aに係る評価値要素E1が求められ、これらの評価値要素E1が合計されて評価値が求められる。これにより、閾値マトリクス81の生成時に、記録媒体9上における実際の着色画素の分布の偏りをさらに詳細に考慮することができる。その結果、粒状性をより一層低減することが可能な閾値マトリクスを容易に生成することができる。
なお、領域外画素の数が画像領域に含まれる全ての画素の数に比べてある程度以上に小さい場合等、ステップS14において評価値を求める際に、上述の領域外画素は着色画素群に含められなくてもよい。
画像記録装置1では、各ヘッド31において、ヘッド31から吐出されるインクの微小液滴のサイズが、第1サイズと、第1サイズよりも大きい第2サイズとの間にて切り換え可能とされてもよい。この場合、上述の着色情報に含まれる位置関係情報には、第1サイズに対応する第1位置関係情報と、第2サイズに対応する第2位置関係情報とが含まれる。第1位置関係情報では、例えば、図7に示すように、対応画素96、および、対応画素96に記録媒体9の移動方向の後ろ側にて隣接する1つの画素が着色画素群である。また、第2位置関係情報では、例えば、図10に示すように、対応画素96を含む12個の画素が着色画素群である。
画像記録装置1では、閾値マトリクス生成部43により、第1サイズのインクの微小液滴を吐出する際に使用される閾値マトリクスである第1閾値マトリクスと、第2サイズのインクの微小液滴を吐出する際に使用される閾値マトリクスである第2閾値マトリクスとが生成される。第1サイズに対応する第1閾値マトリクスが生成される際には、上述の第1位置関係情報が利用され、第2サイズに対応する第2閾値マトリクスが生成される際には、上述の第2位置関係情報が利用される。これにより、インクのサイズの違いによる実際の着色状態の差異を考慮して、各サイズに適した閾値マトリクスを生成することができる。その結果、画像記録に使用されるインクのサイズにかかわらず、記録媒体9上に記録される画像の粒状性を低減することができる。なお、画像記録装置1では、例えば、第1位置関係情報における着色画素群が対応画素96のみを含んでいてもよい。また、画像記録装置1では、インクの微小液滴のサイズは、3種類以上のサイズの間にて切り換え可能とされてもよい。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る画像記録装置について説明する。第2の実施の形態に係る画像記録装置では、閾値マトリクスの生成における選択未付与要素の評価値の求め方が、第1の実施の形態におけるステップS14と異なる。閾値マトリクスの生成におけるステップS14以外の工程、および、画像記録装置の装置構成は、第1の実施の形態と同様であり、以下の説明では同符号を付す。
図12は、第2の実施の形態に係る画像記録装置における閾値マトリクスの生成の流れの一部を示す図である。第2の実施の形態に係る画像記録装置では、まず、第1の実施の形態と同様に、一の閾値マトリクス要素811に最初の閾値が付与されて付与済み要素とされる(図5のステップS11)。続いて、付与済み要素に対応する画素へのインクの吐出をONにした場合に、インクにより実際に着色される着色画素群が、着色情報を利用して求められる(ステップS12)。次に、一の未付与要素が選択される(ステップS13)。
そして、図12に示すように、選択未付与要素に対応する画素へのインクの吐出をONにした場合にインクにより着色される複数の画素(以下、「仮着色画素群」という。)が、着色情報を利用して求められる。仮着色画素群が求められると、仮着色画素群をステップS12において求められた着色画素群に含めた場合の着色画素群の分布の偏りを示す評価値が求められる(ステップS24)。当該評価値は、上述のステップS14と同様に、元画像70の網点化時の閾値マトリクス81の反復適用を考慮して求められる。
具体的には、仮着色画素群の一の画素に対応する閾値マトリクス要素811について、第1の実施の形態と同様の方法により、評価値要素E1の合計が求められる。第2の実施の形態に係る画像記録装置では、評価値要素E1の合計が、当該一の画素の中間評価値として記憶される。そして、仮着色画素群の各画素について中間評価値が同様に求められ、仮着色画素群の全画素の中間評価値の合計が、選択未付与要素の評価値として求められる。
第2の実施の形態に係る画像記録装置では、第1の実施の形態と同様に、全ての未付与要素の評価値が求められ(図5のステップS15)、評価値が示す上述の偏りが最も小さい一の未付与要素に次の閾値が付与される(ステップS16)。そして、閾値マトリクス81に含まれる複数の閾値マトリクス要素811の全てに閾値が付与されるまで、ステップS12,S13,S24,S15〜S17が繰り返される。これにより、閾値マトリクス81に含まれる複数の閾値マトリクス要素811に割り当てられる閾値が全て決定される。
第2の実施の形態に係る画像記録装置では、第1の実施の形態と同様に、実際の着色状態を考慮して粒状性を低減することが可能な閾値マトリクスを容易に生成することができる。これにより、記録媒体9に記録される画像の粒状性を低減することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る画像記録装置について説明する。第3の実施の形態に係る画像記録装置では、閾値マトリクスの生成の流れが、第1の実施の形態におけるものと異なる。また、第3の実施の形態に係る画像記録装置では、閾値マトリクスの生成において上述の着色情報は利用されない。したがって、記憶部431には着色情報は記憶されなくてよい。画像記録装置の装置構成は、第1の実施の形態と同様であり、以下の説明では同符号を付す。
図13は、第3の実施の形態に係る画像記録装置における閾値マトリクスの生成の流れを示す図である。第3の実施の形態に係る画像記録装置では、まず、第1の実施の形態と同様に、一の閾値マトリクス要素811に最初の閾値が付与されて付与済み要素とされる(ステップS31)。
続いて、付与済み要素と、付与済み要素に記録媒体9の移動方向に対応する方向の後側(すなわち、閾値マトリクス81における(−y)側)にて隣接する閾値マトリクス要素811とが、対象マトリクス要素群として求められる(ステップS32)。次に、一の未付与要素が選択され(ステップS33)、選択未付与要素を対象マトリクス要素群に含めた場合の対象マトリクス要素群の分布の偏りを示す評価値が求められる(ステップS34)。当該評価値の算出は、元画像70の網点化時の閾値マトリクス81の反復適用を考慮して行われる。
第3の実施の形態に係る画像記録装置では、第1の実施の形態における複数の着色マトリクス要素811a(すなわち、着色画素群に対応する複数の閾値マトリクス要素)に代えて、上記対象マトリクス要素群に含まれる複数の閾値マトリクス要素(以下、「対象マトリクス要素」という。)を用いて、第1の実施の形態における上述の評価値の算出と同様の方法にて評価値が求められる。具体的には、各対象マトリクス要素に係る評価値要素E1が上述の数1にて算出され、全ての対象マトリクス要素の評価値要素E1が合計されて評価値が求められる。
閾値マトリクス81において、評価値が求められていない未付与要素が存在する場合は(ステップS35)、ステップS33に戻り、一の未付与要素の選択、各対象マトリクス要素に係る評価値要素E1の算出、および、評価値要素E1の合計である評価値の算出(ステップS33,S34)が行われる。画像記録装置では、全ての未付与要素について、ステップS33,S34が繰り返されて評価値が求められる(ステップS35)。
続いて、ステップS33〜S35において全ての未付与要素について求められた評価値を参照して、評価値が最も小さい(すなわち、評価値が示す対象マトリクス要素群の分布の偏りが最も小さい)一の未付与要素が特定される。換言すれば、全ての未付与要素のうち、対象マトリクス要素群に含まれると仮定した場合の対象マトリクス要素群の分布の偏りが最も小さい一の未付与要素が特定される。そして、特定された未付与要素に次の閾値が付与されて付与済み要素となる(ステップS36)。
閾値が付与されていない閾値マトリクス要素811(すなわち、未付与要素)が存在する場合は(ステップS37)、ステップS32に戻り、各付与済み要素と、各付与済み要素に(−y)側にて隣接する閾値マトリクス要素811とが、対象マトリクス要素群として求められる。そして、全ての未付与要素について評価値が求められ(ステップS32〜S35)、評価値が示す上述の偏りが最小の一の未付与要素に次の閾値が付与される(ステップS36)。画像記録装置では、閾値マトリクス81に含まれる複数の閾値マトリクス要素811の全てに閾値が付与されるまで、ステップS32〜S37が繰り返される。これにより、閾値マトリクス81に含まれる複数の閾値マトリクス要素811に割り当てられる閾値が全て決定される。
第3の実施の形態に係る画像記録装置では、記録媒体9の高速移動等によりインクが移動方向後側に拡がる場合に、当該インクの拡がりを考慮しつつ粒状性を低減することが可能な閾値マトリクスを容易に生成することができる。これにより、記録媒体9に記録される画像の粒状性を低減することができる。
次に、本発明の第4の実施の形態に係る画像記録装置について説明する。第4の実施の形態に係る画像記録装置では、閾値マトリクスの生成における選択未付与要素の評価値の求め方が、第3の実施の形態におけるステップS34と異なる。閾値マトリクスの生成におけるステップS34以外の工程、および、画像記録装置の装置構成は、第3の実施の形態と同様であり、以下の説明では同符号を付す。
図14は、第4の実施の形態に係る画像記録装置における閾値マトリクスの生成の流れの一部を示す図である。第4の実施の形態に係る画像記録装置では、まず、第3の実施の形態と同様に、一の閾値マトリクス要素811に最初の閾値が付与されて付与済み要素とされる(図13のステップS31)。続いて、付与済み要素と、付与済み要素に記録媒体9の移動方向に対応する方向の後側(すなわち、閾値マトリクス81における(−y)側)にて隣接する閾値マトリクス要素811とが、対象マトリクス要素群として求められる(ステップS32)。次に、一の未付与要素が選択される(ステップS33)。
そして、図13に示すように、選択未付与要素と、選択未付与要素に(−y)側にて隣接する閾値マトリクス要素811とを、ステップS32において求められた対象マトリクス要素群に含めた場合の対象マトリクス要素群の分布の偏りを示す評価値が求められる(ステップS44)。当該評価値は、上述のステップS34と同様に、元画像70の網点化時の閾値マトリクス81の反復適用を考慮して求められる。
具体的には、選択未付与要素について、第3の実施の形態と同様の方法により、評価値要素E1の合計が求められる。第4の実施の形態に係る画像記録装置では、評価値要素E1の合計が、選択未付与要素の中間評価値として記憶される。また、選択未付与要素に(−y)側にて隣接する閾値マトリクス要素811の中間評価値も同様に求められ、2つの中間評価値の合計が、選択未付与要素の評価値として求められる。
第4の実施の形態に係る画像記録装置では、第3の実施の形態と同様に、全ての未付与要素の評価値が求められ(図13のステップS35)、評価値が示す上述の偏りが最も小さい一の未付与要素に次の閾値が付与される(ステップS36)。そして、閾値マトリクス81に含まれる複数の閾値マトリクス要素811の全てに閾値が付与されるまで、ステップS32,S33,S44,S35〜S37が繰り返される。これにより、閾値マトリクス81に含まれる複数の閾値マトリクス要素811に割り当てられる閾値が全て決定される。
第4の実施の形態に係る画像記録装置では、第3の実施の形態と同様に、記録媒体9の高速移動等によりインクが移動方向後側に拡がる場合に、当該インクの拡がりを考慮しつつ粒状性を低減することが可能な閾値マトリクスを容易に生成することができる。これにより、記録媒体9に記録される画像の粒状性を低減することができる。
上述の画像記録装置では、様々な変更が可能である。
第1および第2の実施の形態に係る画像記録装置では、着色情報に含まれる位置関係情報は、図7ないし図10に例示される位置関係以外の様々な位置関係を示す情報であってよい。例えば、対応画素96は、必ずしも着色画素群に含まれていなくてもよい。
第1および第2の実施の形態に係る画像記録装置では、ステップS14,S24において算出される評価値は、着色画素群の分布の偏りを示すものであれば、必ずしも、上述の方法にて求められる必要はなく、他の様々な方法にて求められてよい。第3および第4の実施の形態に係る画像記録装置では、ステップS34,S44において算出される評価値は、対象マトリクス要素群の分布の偏りを示すものであれば、必ずしも、上述の方法にて求められる必要はなく、他の様々な方法にて求められてよい。
第1ないし第4の実施の形態に係る画像記録装置では、吐出ユニット3に1つの色成分のインクを吐出する1つのヘッド31のみが設けられてもよい。また、記録媒体9が吐出ユニット3に対してY方向に相対的に移動するのであれば、例えば、停止している記録媒体9の上方にて、吐出ユニット3が移動機構2によりY方向に移動してもよい。画像記録装置の構造は、例えば、複数の記録媒体に画像を順次記録する枚葉式の画像記録装置に適用されてもよく、また、インターレス印刷を行う画像記録装置に適用されてもよい。記録媒体9は、印刷用紙以外にフィルムや金属薄板等であってもよい。
上述の閾値マトリクス生成部43を備えるコンピュータは、閾値マトリクス生成装置として独立して利用されてもよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1 画像記録装置
2 移動機構
9 記録媒体
31 ヘッド
40 制御部
43 閾値マトリクス生成部
70 元画像
81 閾値マトリクス
96 対応画素
97a 部分着色画素
97b 全体着色画素
431 記憶部
432 閾値決定部
811 閾値マトリクス要素
S11〜S17,S24,S31〜S37,S44 ステップ

Claims (11)

  1. 吐出部に対して予め定められた移動方向に相対的に移動する記録媒体に向けて前記吐出部からインクの液滴を吐出することにより画像を前記記録媒体に記録する画像記録装置において、多階調の元画像のハーフトーン化に利用される閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成装置であって、
    閾値マトリクスおよび着色情報を記憶する記憶部と、
    前記閾値マトリクスに含まれる複数の閾値マトリクス要素の閾値を決定する閾値決定部と、
    を備え、
    前記着色情報が、記録媒体上において前記閾値マトリクスに対応する画像領域にて、一の閾値マトリクス要素に対応する対応画素へのインクの吐出をONにした場合に、前記対応画素とインクにより着色される複数の画素との位置関係を示す位置関係情報を含み、
    前記閾値決定部が、
    a)前記閾値マトリクスに含まれる一の閾値マトリクス要素に最初の閾値を付与する工程と、
    b)前記画像領域において、閾値が付与された閾値マトリクス要素である付与済み要素に対応する画素へのインクの吐出をONにした場合に、インクにより着色される複数の画素である着色画素群を前記着色情報を利用して求める工程と、
    c)閾値が付与されていない閾値マトリクス要素である一の未付与要素を選択する工程と、
    d)元画像の網点化時の前記閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ、前記一の未付与要素に対応する画素を前記着色画素群に含めた場合の前記着色画素群の分布の偏りを示す評価値、または、前記一の未付与要素に対応する画素へのインクの吐出をONにした場合にインクにより着色される複数の画素を前記着色画素群に含めた場合の前記着色画素群の分布の偏りを示す評価値を求める工程と、
    e)全ての未付与要素について、前記c)工程および前記d)工程を繰り返して評価値を求める工程と、
    f)前記e)工程にて求められた前記評価値を参照して、評価値が示す偏りが最も小さい一の未付与要素に次の閾値を付与する工程と、
    g)前記複数の閾値マトリクス要素の全てに閾値が付与されるまで、前記b)工程ないし前記f)工程を繰り返す工程と、
    を実行することを特徴とする閾値マトリクス生成装置。
  2. 請求項1に記載の閾値マトリクス生成装置であって、
    前記着色情報に含まれる前記位置関係情報において、前記対応画素が、インクにより着色される前記複数の画素に含まれることを特徴とする閾値マトリクス生成装置。
  3. 請求項2に記載の閾値マトリクス生成装置であって、
    前記着色情報に含まれる前記位置関係情報において、インクにより着色される前記複数の画素が、前記対応画素、および、前記対応画素に前記記録媒体の前記移動方向の後側にて隣接する1つの画素であることを特徴とする閾値マトリクス生成装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の閾値マトリクス生成装置であって、
    前記b)工程において、前記付与済み要素に対応する画素へのインクの吐出をONにすると前記画像領域外に位置する領域外画素がインクにより着色される場合、前記元画像の網点化時の前記閾値マトリクスの反復適用を考慮して、前記画像領域において前記領域外画素に対応する画素が前記着色画素群に含められることを特徴とする閾値マトリクス生成装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の閾値マトリクス生成装置であって、
    前記b)工程において求められた前記着色画素群に、インクにより部分的に着色される部分着色画素が含まれる場合、前記d)工程において、前記着色画素群の分布の偏りに対する前記部分着色画素の影響を全体が着色される画素の影響に比べて小さくすることを特徴とする閾値マトリクス生成装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の閾値マトリクス生成装置であって、
    前記吐出部から吐出されるインクの微小液滴のサイズが、第1サイズと第2サイズとの間にて切り換え可能であり、
    前記着色情報に含まれる前記位置関係情報が、
    前記第1サイズに対応する閾値マトリクスを生成する際に利用される第1位置関係情報と、
    前記第2サイズに対応する閾値マトリクスを生成する際に利用される第2位置関係情報と、
    を含むことを特徴とする閾値マトリクス生成装置。
  7. 吐出部に対して予め定められた移動方向に1回だけ相対的に移動する記録媒体に向けて前記吐出部からインクの液滴を吐出することにより画像を前記記録媒体に記録する画像記録装置において、多階調の元画像のハーフトーン化に利用される閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成装置であって、
    閾値マトリクスを記憶する記憶部と、
    前記閾値マトリクスに含まれる複数の閾値マトリクス要素の閾値を決定する閾値決定部と、
    を備え、
    前記閾値決定部が、
    a)前記閾値マトリクスに含まれる一の閾値マトリクス要素に最初の閾値を付与する工程と、
    b)閾値が付与された閾値マトリクス要素である付与済み要素と、前記付与済み要素に前記記録媒体の前記移動方向に対応する方向の後側にて隣接する閾値マトリクス要素とを、対象マトリクス要素群として求める工程と、
    c)閾値が付与されていない閾値マトリクス要素である一の未付与要素を選択する工程と、
    d)元画像の網点化時の前記閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ、前記一の未付与要素を前記対象マトリクス要素群に含めた場合の前記対象マトリクス要素群の分布の偏りを示す評価値、または、前記一の未付与要素に前記記録媒体の前記移動方向に対応する方向の後側にて隣接する閾値マトリクス要素と前記一の未付与要素とを前記対象マトリクス要素群に含めた場合の前記対象マトリクス要素群の分布の偏りを示す評価値を求める工程と、
    e)全ての未付与要素について、前記c)工程および前記d)工程を繰り返して評価値を求める工程と、
    f)前記e)工程にて求められた前記評価値を参照して、評価値が示す偏りが最も小さい一の未付与要素に次の閾値を付与する工程と、
    g)前記複数の閾値マトリクス要素の全てに閾値が付与されるまで、前記b)工程ないし前記f)工程を繰り返す工程と、
    を実行することを特徴とする閾値マトリクス生成装置。
  8. 画像記録装置であって、
    記録媒体に向けてインクの微小液滴を吐出する吐出部と、
    前記記録媒体を前記吐出部に対して移動方向へと相対的に移動する移動機構と、
    請求項1ないし7のいずれかに記載の閾値マトリクス生成装置と、
    前記閾値マトリクス生成装置により生成された閾値マトリクスを利用して多階調の元画像をハーフトーン化してハーフトーン画像を生成し、前記ハーフトーン画像に基づいて前記吐出部からのインクの吐出を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする画像記録装置。
  9. インクの液滴を吐出部から記録媒体に向けて吐出することにより画像を前記記録媒体に記録する画像記録装置において、多階調の元画像のハーフトーン化に利用される閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成方法であって、
    閾値マトリクスおよび着色情報を記憶する工程と、
    前記閾値マトリクスに含まれる複数の閾値マトリクス要素の閾値を決定する工程と、
    を備え、
    前記着色情報が、記録媒体上において前記閾値マトリクスに対応する画像領域にて、一の閾値マトリクス要素に対応する対応画素へのインクの吐出をONにした場合に、前記対応画素とインクにより着色される複数の画素との位置関係を示す位置関係情報を含み、
    前記閾値を決定する工程が、
    a)前記閾値マトリクスに含まれる一の閾値マトリクス要素に最初の閾値を付与する工程と、
    b)前記画像領域において、閾値が付与された閾値マトリクス要素である付与済み要素に対応する画素へのインクの吐出をONにした場合に、インクにより着色される複数の画素である着色画素群を前記着色情報を利用して求める工程と、
    c)閾値が付与されていない閾値マトリクス要素である一の未付与要素を選択する工程と、
    d)元画像の網点化時の前記閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ、前記一の未付与要素に対応する画素を前記着色画素群に含めた場合の前記着色画素群の分布の偏りを示す評価値、または、前記一の未付与要素に対応する画素へのインクの吐出をONにした場合にインクにより着色される複数の画素を前記着色画素群に含めた場合の前記着色画素群の分布の偏りを示す評価値を求める工程と、
    e)全ての未付与要素について、前記c)工程および前記d)工程を繰り返して評価値を求める工程と、
    f)前記e)工程にて求められた前記評価値を参照して、評価値が示す偏りが最も小さい一の未付与要素に次の閾値を付与する工程と、
    g)前記複数の閾値マトリクス要素の全てに閾値が付与されるまで、前記b)工程ないし前記f)工程を繰り返す工程と、
    を備えることを特徴とする閾値マトリクス生成方法。
  10. 吐出部に対して予め定められた移動方向に1回だけ相対的に移動する記録媒体に向けて前記吐出部からインクの液滴を吐出することにより画像を前記記録媒体に記録する画像記録装置において、多階調の元画像のハーフトーン化に利用される閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成方法であって、
    閾値マトリクスを記憶する工程と、
    前記閾値マトリクスに含まれる複数の閾値マトリクス要素の閾値を決定する工程と、
    を備え、
    前記閾値を決定する工程が、
    a)前記閾値マトリクスに含まれる一の閾値マトリクス要素に最初の閾値を付与する工程と、
    b)閾値が付与された閾値マトリクス要素である付与済み要素と、前記付与済み要素に前記記録媒体の前記移動方向に対応する方向の後側にて隣接する閾値マトリクス要素とを、対象マトリクス要素群として求める工程と、
    c)閾値が付与されていない閾値マトリクス要素である一の未付与要素を選択する工程と、
    d)元画像の網点化時の前記閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ、前記一の未付与要素を前記対象マトリクス要素群に含めた場合の前記対象マトリクス要素群の分布の偏りを示す評価値、または、前記一の未付与要素に前記記録媒体の前記移動方向に対応する方向の後側にて隣接する閾値マトリクス要素と前記一の未付与要素とを前記対象マトリクス要素群に含めた場合の前記対象マトリクス要素群の分布の偏りを示す評価値を求める工程と、
    e)全ての未付与要素について、前記c)工程および前記d)工程を繰り返して評価値を求める工程と、
    f)前記e)工程にて求められた前記評価値を参照して、評価値が示す偏りが最も小さい一の未付与要素に次の閾値を付与する工程と、
    g)前記複数の閾値マトリクス要素の全てに閾値が付与されるまで、前記b)工程ないし前記f)工程を繰り返す工程と、
    を備えることを特徴とする閾値マトリクス生成方法。
  11. 多階調の元画像をハーフトーン化する際に前記元画像と比較される閾値マトリクスであって、
    請求項9または10に記載の閾値マトリクス生成方法にて生成されたことを特徴とする閾値マトリクス。
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