JP2015176855A - 振動センサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】振動センサの少なくとも一部の電極を、真空蒸着等の成膜技術を用いずに簡単に形成することができる振動センサの製造方法を提供する。【解決手段】振動センサ1の製造方法は、底面12bに第1の固定電極7の設けられた円筒状の空洞31を有する絶縁性の基部10における空洞31の開口に、開口の中心から放射状に延びる切り込みを有する導電性薄膜5を配設するステップと、空洞31の開口に存在する導電性薄膜5の部分を開口の周縁で折り曲げ、空洞31の内壁面12aに貼着させるステップと、球状の導電性の可動接続体6を空洞31内に移動可能に収容するステップと、空洞31の開口の周囲を囲むように、基部10の上面に絶縁性の環状の枠体13を設けるステップと、枠体13の開口を塞ぐように、第2の固定電極8を有する蓋体14を枠体13上に設けるステップとを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、球状の導電性の可動接続体を有する振動センサの製造方法に関する。
従来、振動を検知する振動センサとして、導電性球体を用いた振動センサが知られている。また、そのような振動センサを量産する方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。
そのような振動センサの搭載される電子機器等の小型化に応じて、振動センサも小型化することが要求される。そのような小型の振動センサにおける電極の配設には、高い精度が要求される。そのため、例えば、メッキや真空蒸着、スパッタリング等の成膜技術を用いて電極を形成することが行われていた。なお、そのように真空蒸着等の成膜技術を用いて電極を形成する場合には、製造装置が大がかりになり、それに応じて製造コストが高くなるという問題があった。したがって、簡単に電極を形成できる方法の開発が望まれていた。
本発明は、上記事情に応じてなされたものであり、振動センサの少なくとも一部の電極を、真空蒸着等の成膜技術を用いずに簡単に形成することができる振動センサの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による振動センサの製造方法は、底面に第1の固定電極の設けられた円筒状の空洞を有する絶縁性の基部における空洞の開口に、開口の中心から放射状に延びる切り込みを有する導電性薄膜を配設するステップと、空洞の開口に存在する導電性薄膜の部分を開口の周縁で折り曲げ、空洞の内壁面に貼着させるステップと、空洞の開口の周囲を囲むように、基部の上面に絶縁性の環状の枠体を設けるステップと、球状の導電性の可動接続体を空洞内に挿入するステップと、枠体の開口を塞ぐように、第2の固定電極を有する蓋体を枠体上に設けるステップと、を備えたものである。
このような構成により、真空蒸着等の成膜技術を用いずに、円筒状の空洞の内壁面に沿って導電性の電極を形成することができる。その結果、より簡単に振動センサを製造することができ、例えば、製造コストを低減させることが可能となる。
このような構成により、真空蒸着等の成膜技術を用いずに、円筒状の空洞の内壁面に沿って導電性の電極を形成することができる。その結果、より簡単に振動センサを製造することができ、例えば、製造コストを低減させることが可能となる。
また、本発明による振動センサの製造方法では、導電性薄膜を配設するステップは、空洞の開口を塞ぐように、切り込みのない導電性薄膜を基部の上面に載置するステップと、導電性薄膜に、空洞の開口の中心から放射状に延びる複数の切り込みを入れるステップと、を有してもよい。
このような構成により、導電性薄膜を基部の上面に載置した後に切り込みを入れるため、空洞の開口と切り込みとの位置関係を適切にすることができ、高い精度で振動センサを製造できるようになりうる。
このような構成により、導電性薄膜を基部の上面に載置した後に切り込みを入れるため、空洞の開口と切り込みとの位置関係を適切にすることができ、高い精度で振動センサを製造できるようになりうる。
また、本発明による振動センサの製造方法では、空洞の底面に相当する上面を有する絶縁性の第1の板状部材の上面に、絶縁性の第2の板状部材を固定するステップと、第2の板状部材に、空洞に相当する貫通孔を設けるステップと、空洞の底面に第1の固定電極を設けるステップと、を有する基部を製造するステップをさらに備えてもよい。
また、本発明による振動センサの製造方法では、空洞の底面に相当する上面を有する絶縁性の第1の板状部材の上面に、空洞に相当する貫通孔を有する絶縁性の第2の板状部材を固定するステップと、第1の板状部材の空洞の底面に相当する部分に、第1の固定電極を設けるステップと、を有する基部を製造するステップをさらに備えてもよい。
また、本発明による振動センサの製造方法では、第1の固定電極と、第2の固定電極とを接続させるステップをさらに備えてもよい。
本発明による振動センサの製造方法によれば、振動センサの少なくとも一部の電極を、真空蒸着等の成膜技術を用いずに簡単に形成することができるようになる。
以下、本発明による振動センサの製造方法について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による振動センサについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による振動センサは、球状の可動接続体を有しており、その可動接続体の接触する電極が、円筒状の空洞の開口部分で導電性薄膜が折り曲げられることにより形成されるものである。
本発明の実施の形態1による振動センサについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による振動センサは、球状の可動接続体を有しており、その可動接続体の接触する電極が、円筒状の空洞の開口部分で導電性薄膜が折り曲げられることにより形成されるものである。
図1は、本実施の形態による振動センサ1の構成を示す断面図である。図2は、図1の上方から見た振動センサ1の内部構成を示す横断面図である。なお、図1は、図2のI−I線断面図である。なお、図1の上下方向(図2の紙面に垂直な方向)を、上下方向と呼び、図1の左右方向(図2の紙面の方向)を、水平方向と呼ぶことがある。
振動センサ1は、導電性薄膜5と、可動接続体6と、第1の固定電極7と、基部10と、枠体13と、蓋体14とを備えている。基部10は、絶縁性のものであり、絶縁性の第1の板状部材11と、絶縁性の第2の板状部材12とを有している。基部10の第2の板状部材12の部分には、上下方向に延びる円筒状の空洞31が設けられている。その空洞31の底面12b(すなわち、第1の板状部材11の上面)に、導電性の第1の固定電極7が設けられている。図2では、第1の固定電極7が円盤状である場合について示しているが、そうでなくてもよい。第1の固定電極7は、例えば、多角形状や、矩形状や、正方形状などであってもよい。第1の固定電極7は、例えば、板状の導電体であってもよく、導電性の薄膜やメッキ等であってもよい。
空洞31の内壁面12a、及び空洞31の開口の周囲には、導電性薄膜5が設けられている。具体的には、導電性薄膜5の中心部分は、内壁面12aに貼着されており、外周側部分は、基部10の上面のうち、枠体13の内側の部分に貼着されている。なお、空洞31の内壁面12aは、その全体に導電性薄膜5が貼着されているのではなく、図7で示されるように、その一部に導電性薄膜5が貼着されることになる。ただし、導電性薄膜5の開口付近の部分5bについては、開口の周方向に連続している。すなわち、空洞31の開口付近では、開口の全周にわたって導電性薄膜5が存在することになる。その導電性薄膜5の各部分は、それぞれ導通していることが好適である。なお、導電性薄膜5が空洞31の内壁面12a、及び空洞31の開口の周囲に形成される方法については、後述する。
基部10の上面には、絶縁性の環状の枠体13が設けられている。その枠体13は、空洞31の開口の周囲を囲むように設けられる。すなわち、枠体13の貫通孔の部分は、図2で示されるように、空洞31の開口よりも大きいことが好適である。また、枠体13の貫通孔は、図2で示されるように、導電性薄膜5と同じ程度の大きさであってもよく、または、図3で示されるように、導電性薄膜5よりも大きくてもよい。また、その貫通孔の水平方向の断面は、図2のように円状であってもよく、図3で示されるように矩形状もしくは正方形状であってもよく、または、その他の形状であってもよい。
枠体13の上方側の開口は、蓋体14によって塞がれている。その蓋体14は、絶縁性の第3の板状部材15と、導電性を有する第2の固定電極8とを有している。なお、導電性の第2の固定電極8は、蓋体14の内側、すなわち、空洞31に面する側に形成されている。その第2の固定電極8は、第3の板状部材15の全面にわたって設けられていてもよく、または、その一部に設けられていてもよい。図1で示されるように、第2の固定電極8は、第3の板状部材15よりも大きくてもよく、または、そうでなくてもよい。第2の固定電極7は、例えば、板状の導電体であってもよく、導電性の薄膜や、導電性のメッキ等であってもよい。
空洞31と、その空洞31に連続している枠体13の内側(貫通孔)とを含む空間には、可動接続体6が移動可能に収容されている。すなわち、空洞31の直径の方が、可動接続体6の直径よりも大きく、また、第1及び第2の固定電極7,8の間隔の方が、可動接続体6の直径よりも大きいものとする。その可動接続体6は、導電性の球状のものである。そして、振動センサ1の振動に応じて、その可動接続体6がその空間内を移動し、その結果、導電性薄膜5と第1の固定電極7とが電気的に接続されたり、導電性薄膜5と第2の固定電極8とが電気的に接続されたりすることになる。その結果、例えば、第1及び第2の固定電極7,8と、導電性薄膜5との導通の有無やその頻度を取得することによって、振動センサ1が振動しているかどうかを判断できるようになる。なお、可動接続体6が空洞31の底面12bを転動する際には、可動接続体6が第1の固定電極7に接していることが好適である。したがって、第1の固定電極7は、転動する可動接続体6が接しうる底面12bの領域に少なくとも設けられていることが好適である。また同様に、図1の振動センサ1の上下が反対になった場合に、転動する可動接続体6が接しうる蓋体14の領域に、第2の固定電極8が少なくとも設けられていることが好適である。
なお、蓋体14によって封止された空間、すなわち、可動接続体6が存在する空間は、気密に封止されることが好適である。その空間は、例えば、真空であってもよく、または、絶縁性の気体が封止されてもよい。絶縁性の気体は、例えば、乾燥空気や、窒素ガス、希ガス等であってもよい。また、その空間は、ほこり等の微粒子や、水分等が入らないように封止されることが好適である。
また、第1の固定電極7と、第2の固定電極8とは、図1で示されるように、接続導体21,22と、導体層23とを介して、電気的に接続されていてもよく、または、そうでなくてもよい。後者の場合には、第1の固定電極7と導電性薄膜5との導通と、第2の固定電極8と導電性薄膜5との導通とが別々に検知されてもよい。接続導体21は、基部10及び枠体13に設けられたスルーホール(貫通孔)を介して第2の固定電極8と導体層23とを電気的に接続する。また、接続導体22は、第1の板状部材11に設けられたスルーホールを介して、第1の固定電極7と導体層23とを電気的に接続する。導体層23は、基部10の底面に、例えば、ろう付けやメッキ等によって設けられた導電性を有する金属の層であってもよい。その金属は、例えば、タングステン、モリブデン、マンガン、またはそれらの合金などであってもよい。また、接続導体21,22の材料は、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、銅、またはそれらの合金などであってもよい。また、図1では図示していないが、導電性薄膜5と、振動センサ1の外部とを電気的に接続する接続導体が存在してもよい。その接続導体は、例えば、基部10に設けられたスルーホールを介して、導電性薄膜5の開口の周囲部分と、振動センサ1の裏面側の導体層(図示せず)とを電気的に接続するものであってもよい。
基部10や枠体13、第3の板状部材15等の絶縁性を有する材料は、例えば、アルミナや窒化アルミニウム等のセラミックスや、ガラス、または、それらの混合体であってもよく、エンプラや、スーパーエンプラなどの耐熱性やガスバリア性を有する樹脂であってもよい。非導電性樹脂としては、例えば、液晶ポリマー(LCP)や、PPS樹脂(ポリフェニレンサルファイド樹脂)、フッ素樹脂、PBI、ナイロン系アロイ等を挙げることができる。
第1の固定電極7等が金属薄膜によって形成される場合には、その形成方法は、例えば、メッキや、薄膜印刷、コーティング、真空蒸着、スパッタリング等による成膜であってもよい。また、その薄膜に用いられる金属は、例えば、ロジウムや白金、ルテニウム等であってもよい。また、第1及び第2の固定電極7,8が板状部材である場合には、その材料は、例えば、鉄、タングステン、モリブデン、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、またはそれらの合金等であってもよい。また、可動接続体6は、例えば、タングステンやステンレス、鋼、銅、ニッケル等の球体であってもよい。また、その可動接続体6の表面に、導電性に優れている金属薄膜が形成されてもよい。また、導電性薄膜5の材料は、例えば、銅等であってもよい。
図2に示す振動センサ1の平面視の一辺は、例えば、1mm以上、10mm以下であってもよい。また、図1に示す振動センサ1の断面の高さは、例えば、0.7mm以上、7mm以下であってもよい。また、可動接続体6の直径は、例えば、0.2mm以上、5mm以下であってもよい。なお、前述のように、空洞31の開口付近では、円形状の開口の全周にわたって導電性薄膜5が存在するため、可動接続体6は、その付近で導電性薄膜5と接触するようにしてもよい。そのようにすることによって、可動接続体6が内壁面12aに接触した際には必ず、導電性薄膜5と接触することができるからである。その場合には、振動の検出感度が向上することになる。そのため、例えば、可動接続体6の半径が、空洞31の高さ(内壁面12aの高さ)の略同じとなるようにしてもよい。また、導電性薄膜5の厚さは、例えば、30〜200μmの範囲内であってもよく、それ以上の厚さでもよく、または、それ以下の厚さであってもよい。
このような振動センサ1は、例えば、家電製品や、電子機器、携帯可能な装置等に組み込まれ、振動をトリガーとした処理を行うために用いられる。振動をトリガーとした処理は、例えば、振動をトリガーとして装置を起動させる処理であってもよく、振動をトリガーとして、ディスプレイ等をスリープ状態から復帰させる処理であってもよく、その他の処理であってもよい。
次に、振動センサ1の製造方法について、図5A〜図5G、図6A〜図6Hを参照しながら、図4のフローチャートを用いて説明する。なお、図5A〜図5Gは、それぞれ図6A〜図6GにおけるVA−VA線〜VG−VG線の断面図である。また、図6A〜6Hは、振動センサ1の製造過程における平面図である。
(ステップS101)図5A,図6Aで示されるように、底面に導体層23を有する絶縁性の第1の板状部材11を用意する。その第1の板状部材11の上面は、空洞31の底面12bに相当する面である。そして、図5B,図6Bで示されるように、その第1の板状部材11の上面に、絶縁性の第2の板状部材12を貼着する。なお、後述するように、空洞31に相当する部分を後から除去するため、空洞31の底面12bに相当する領域については、第1の板状部材11と第2の板状部材12とが貼着されないことが好適である。
(ステップS102)図5C,図6Cで示されるように、第2の板状部材12の中央部分に、空洞31に相当する貫通孔を設けることによって、空洞31を形成する。なお、第1及び第2の板状部材11,12の材料がセラミックである場合には、焼成する前に、その穿孔を行うものとする。このようにして、基部10が生成されたことになる。
(ステップS103)図5D,図6Dで示されるように、空洞31の底面12bに第1の固定電極7を設ける。その第1の固定電極7は、前述のように、例えば、導電性の板状または膜状の部材を、空洞31の底面12bに貼着することによって形成してもよく、導電性の金属薄膜をメッキや蒸着等の成膜技術によって形成してもよい。また、第1の板状部材11の中央部分に設けられたスルーホールに接続導体22を設けることにより、その第1の固定電極7と導体層23とを電気的に接続してもよい。
(ステップS104)基部10の上面、すなわち、第2の板状部材12の上面に、空洞31の開口を塞ぐように、円盤状の導電性薄膜5を載置する。なお、その導電性薄膜5は、後述する切り込みのまだ形成されていないものである。また、その導電性薄膜5は、その中心が、空洞31の中心と略同じ位置となるように基部10の上面に載置されることが好適である。なお、その導電性薄膜5と、基部10の上面とは、接着剤等によって貼着されてもよい。
(ステップS105)図5E,図6Eで示されるように、基部10の上面に載置された導電性薄膜5に、空洞31の開口の中心から放射状に延びる複数の切り込み5aを入れる。その切り込み5aは、開口の周方向に対して均等に形成されることが好適である。また、通常、その切り込み5aは、導電性薄膜5を4個以上の部分に分けるように設けられることが好適であり、導電性薄膜5を6個以上の部分に分けるように設けられることがさらに好適である。図6Eでは、切り込み5aによって、導電性薄膜5が12個の部分に均等に分けられる場合について示している。また、図6Eでは、導電性薄膜5の中心部分についてのみ切り込み5aが設けられており、外周側部分には切り込み5aが設けられていない場合について示している。その切り込み5aは、空洞31の開口に対応する導電性薄膜5の領域に少なくとも形成されていればよく、それ以外の領域に形成されていてもよく、あるいは、形成されていなくてもよい。また、その切り込み5aを設ける方法は問わない。例えば、図5Eの上方から下方に向けて、切り込み5aを設けるための放射状の刃を有する切断手段を移動させることにより、複数の切り込み5aを同時に形成してもよく、または、カッターなどの刃を、導電性薄膜5の切り込み5aに相当する位置上で順番に移動させることによって、複数の切り込み5aを順次、形成してもよい。なお、上述のように、切り込み5aが形成された後であっても、切り込み5aによって切り分けられる各箇所が導通するようになっていることが好適である。
(ステップS106)図5F,図6Fで示されるように、空洞31の開口に存在する導電性薄膜5の部分を、その開口の周縁12cで折り曲げ、空洞31の内壁面12aに貼着させる。具体的には、図5Eにおける切り込み5aの入れられた導電性薄膜5の中心部分を、開口の周縁12cで空洞31側に折り曲げ、内壁面12aに押しつけて貼着させる。その貼着は、例えば、接着剤等によって行われてもよい。その場合には、ステップS104において、例えば、底面側(基部10側)の全面に接着剤の塗布された導電性薄膜5が基部10の上面に載置されてもよい。そのようにして、導電性薄膜5の一部が内壁面12aに貼着されることにより、可動接続体6が接触または非接触となる電極が形成されることになる。なお、導電性薄膜5の中心部分を、開口の周縁12cで空洞31側に折り曲げ、内壁面12aに押しつける処理は、例えば、空洞31に嵌合可能な円柱状の部材を、空洞31に嵌合させることによって行われてもよい。すなわち、その嵌合により導電性薄膜5の中心部分の折り曲げと、内壁面12aへの押圧とが行われてもよい。なお、その円柱状の部材は、導電性薄膜5の厚さ分だけ空洞31よりも小さいものであることが好適である。また、空洞31の内壁面12aにおいて、導電性薄膜5が浮いていると、適切に振動検知を行うことができないため、導電性薄膜5の中心部分は、確実に内壁面12aに貼着されることが好適である。そのようにして、内壁面12aに貼着された導電性薄膜5は、例えば、図7で示されるようになる。なお、図7は、内壁面12aを、内壁面12aの法線方向から見た図である。
また、ステップS105,S106の処理を同時に行ってもよい。例えば、上述の円柱状の部材の先端に、切り込み5aを設けるための放射上の刃が形成されており、その円柱状の部材を空洞31と嵌合するように移動させることによって、切り込み5aの形成と、導電性薄膜5の中心部分の内壁面12aへの貼着とが連続して行われてもよい。
(ステップS107)図5G,図6Gで示されるように、空洞31の開口の周囲を囲むように枠体13を設ける。その枠体13は、基部10の上面に貼着されてもよい。なお、図6Gでは、導電性薄膜5の切り込み5aの記載を省略している。
(ステップS108)図5G,図6Gで示されるように、空洞31に可動接続体6を挿入する。その結果、その可動接続体6は、空洞31及びその空洞31に連続する枠体13の内部を含む空間内において移動可能に収容されることになる。
(ステップS109)図1,図6Hで示されるように、枠体13の開口を塞ぐように、第2の固定電極8を有する蓋体14を枠体13上に設ける。その蓋体14によって、可動接続体6を収容している空間が封止されることになる。なお、このステップは、例えば、枠体13の上面側に第2の固定電極8を貼着するステップと、その第2の固定電極8の上面側に第3の板状部材15を固定するステップとを備えていてもよい。または、第2の固定電極8を有する第3の板状部材15を枠体13の上面側に固定することによって、蓋体14による封止を行ってもよい。
(ステップS110)図1,図6Hで示されるように、基部10及び枠体13を貫通しているスルーホールを介した接続導体21によって、第2の固定電極8と、導体層23とを電気的に接続させる。その結果、第1及び第2の固定電極7,8が、電気的に接続されることになる。
なお、図4のフローチャートにおいて、各部材を貼着したり、固定したりする際の方法は問わない。例えば、接着剤を用いて貼着や固定を行ってもよく、樹脂等の加熱によって貼着や固定を行ってもよい。または、絶縁性の基部10等がセラミックであって焼成を行う場合には、例えば、基部10と枠体13は、その焼成によって固着されてもよい。
また、図4のフローチャートでは、枠体13を設けた後に可動接続体6を挿入する場合について説明したが、そうでなくてもよい。空洞31に可動接続体6を挿入した後に、枠体13を基部10の上面に配設してもよい。
また、図4のフローチャートでは、切り込み5aのない導電性薄膜5を、基部10の上面に載置した後に切り込み5aを設けるようにしたが、そうでなくてもよい。あらかじめ切り込み5aの設けられた導電性薄膜5を、基部10の上面に載置してもよい。そのように、基部10における空洞31の開口に、その開口の中心から放射状に延びる切り込み5aを有する導電性薄膜5を配設する工程において、切り込み5aの設けられた導電性薄膜5を基部10の上面に載置してもよく、または、切り込み5aのない導電性薄膜5を基部10の上面に載置し、その後に切り込み5aを形成してもよい。
また、図4のフローチャートでは、空洞31に相当する貫通孔の設けられていない第2の板状部材12を第1の板状部材11の上面に固定してから空洞31を設ける場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、振動センサ1の製造方法のステップS101〜S103に代えて、空洞31の底面に相当する上面を有する絶縁性の第1の板状部材11の上面に、空洞31に相当する貫通孔を有する絶縁性の第2の板状部材12を貼着するステップと、第1の板状部材11の空洞31の底面12bに相当する部分に、第1の固定電極7を設けるステップとを実行するようにしてもよい。その場合に、第1の固定電極7は、第2の板状部材12が第1の板状部材11に固定される前に、第1の板状部材11に設けられてもよく、その固定後に設けられてもよい。
また、図4のフローチャートでは、1個の振動センサ1を製造する方法について説明したが、上記特許文献1に記載されているように、絶縁性のシート部材を用いて碁盤の目のように縦横に連続した振動センサ1を構成してもよい。そして、積層されたシートを切断することによって、多数の振動センサ1を一括して製造するようにしてもよい。
次に、振動センサ1の使用方法について簡単に説明する。振動センサ1の取り付けられている装置が振動すると、その振動に応じて可動接続体6が内部で移動し、その結果、第1及び第2の固定電極7,8と、導電性薄膜5との間において、導通・非導通が繰り返されることになる。したがって、図示しない振動検知部は、その導通・非導通が繰り返される場合(チャタリング)に振動を検知する。具体的には、振動検知部は、単位時間にN回以上の導通・非導通(オン・オフ)が繰り返された場合に、振動を検知してもよい。Nは2以上の整数である。なお、この振動を検知する振動検知部は公知のものであり、その詳細な説明を省略する。また、その導通・非導通の検知で用いる電圧・電流は、例えば、3V程度、1〜3μA程度であってもよく、または、その他の値であってもよい。
以上のように、本実施の形態による振動センサ1によれば、切り込み5aを有する導電性薄膜5の中心部分を、空洞31の内壁面12aに折り曲げることによって、可動接続体6が接触または非接触となる電極が構成されることになる。通常、円筒状の空洞31の内壁面12aの周方向に電極を構成することは容易ではないが、本実施の形態で説明したようにすることで、内壁面12aに簡単に電極を構成することができるようになる。その結果、例えば、真空蒸着等の成膜技術を用いずに、導電性薄膜5による電極を形成することができ、真空蒸着やスパッタリング等の成膜技術を用いた場合よりも製造コストを低減させることができる。
なお、本実施の形態では、導電性薄膜5が円盤形状である場合について説明したが、そうでなくてもよい。導電性薄膜5は、空洞31の開口を覆うのに十分な大きさを有しているのであれば、例えば、矩形状や正方形状、多角形状、三角形状、楕円状等であってもよい。
また、本実施の形態では、蓋体14が第2の固定電極8と第3の板状部材15とを有する場合について説明したが、そうでなくてもよい。蓋体14は、例えば、第2の固定電極8そのものであってもよい。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
以上より、本発明による振動センサの製造方法によれば、振動センサの少なくとも一部の電極を、真空蒸着等の成膜技術を用いずに簡単に形成することができるという効果が得られ、振動を検知するための振動センサの製造方法として有用である。
1 振動センサ
5 導電性薄膜
6 可動接続体
7 第1の固定電極
8 第2の固定電極
10 基部
11 第1の板状部材
12 第2の板状部材
13 枠体
14 蓋体
15 第3の板状部材
5 導電性薄膜
6 可動接続体
7 第1の固定電極
8 第2の固定電極
10 基部
11 第1の板状部材
12 第2の板状部材
13 枠体
14 蓋体
15 第3の板状部材
Claims (5)
- 底面に第1の固定電極の設けられた円筒状の空洞を有する絶縁性の基部における前記空洞の開口に、当該開口の中心から放射状に延びる切り込みを有する導電性薄膜を配設するステップと、
前記空洞の開口に存在する前記導電性薄膜の部分を当該開口の周縁で折り曲げ、前記空洞の内壁面に貼着させるステップと、
前記空洞の開口の周囲を囲むように、前記基部の上面に絶縁性の環状の枠体を設けるステップと、
球状の導電性の可動接続体を前記空洞内に挿入するステップと、
前記枠体の開口を塞ぐように、第2の固定電極を有する蓋体を前記枠体上に設けるステップと、を備えた振動センサの製造方法。 - 前記導電性薄膜を配設するステップは、
前記空洞の開口を塞ぐように、切り込みのない導電性薄膜を前記基部の上面に載置するステップと、
前記導電性薄膜に、前記空洞の開口の中心から放射状に延びる複数の切り込みを入れるステップと、を有する、請求項1記載の振動センサの製造方法。 - 前記空洞の底面に相当する上面を有する絶縁性の第1の板状部材の当該上面に、絶縁性の第2の板状部材を固定するステップと、
前記第2の板状部材に、前記空洞に相当する貫通孔を設けるステップと、
前記空洞の底面に前記第1の固定電極を設けるステップと、を有する前記基部を製造するステップをさらに備えた、請求項1または請求項2記載の振動センサの製造方法。 - 前記空洞の底面に相当する上面を有する絶縁性の第1の板状部材の当該上面に、前記空洞に相当する貫通孔を有する絶縁性の第2の板状部材を固定するステップと、
前記第1の板状部材の前記空洞の底面に相当する部分に、前記第1の固定電極を設けるステップと、を有する前記基部を製造するステップをさらに備えた、請求項1または請求項2記載の振動センサの製造方法。 - 前記第1の固定電極と、前記第2の固定電極とを接続させるステップをさらに備えた、請求項1から請求項4のいずれか記載の振動センサの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2014054977A JP2015176855A (ja) | 2014-03-18 | 2014-03-18 | 振動センサの製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018021814A (ja) * | 2016-08-03 | 2018-02-08 | 株式会社山小電機製作所 | 振動感知装置 |
WO2018216708A1 (ja) * | 2017-05-26 | 2018-11-29 | 京セラ株式会社 | 振動センサ |
JPWO2021020473A1 (ja) * | 2019-07-31 | 2021-02-04 |
-
2014
- 2014-03-18 JP JP2014054977A patent/JP2015176855A/ja active Pending
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JPWO2018216708A1 (ja) * | 2017-05-26 | 2019-06-27 | 京セラ株式会社 | 振動センサ |
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JP7174161B2 (ja) | 2019-07-31 | 2022-11-17 | 京セラ株式会社 | セラミックパッケージ及びその製造方法 |
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