JP2015175616A - バイオセンサーおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】感度の経時劣化を防止し、さらに簡便なプロセスで電極層を製造できるバイオセンサー及びその製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁性基板10と、少なくとも作用極101と対極102を有する電極系と、前記電極系と電気的に接続する配線部103と、前記電極系と接触する反応部110とを備えるバイオセンサーであって、前記作用極および/または前記対極が炭素材料および導電性粒子を含むことを特徴とするバイオセンサー。
【選択図】図1

Description

本発明は、バイオセンサーに関する。より詳しくは、炭素材料および導電性粒子を含む電極を利用したバイオセンサーに関する。
血液や唾液などの生体試料などに存在する特定成分について、試料の希釈および攪拌を行うことなく迅速かつ簡便に濃度等を定量しうる方法として電気化学的検出手段によるバイオセンサーが実用化されている。一例としてグルコースセンサーがある。グルコースセンサーにおいては、血液中のグルコースを選択的に酵素が酸化するのに伴い、電子伝達体(メディエーター)が還元される。このメディエーターにセンサーの電極で一定電圧を印加することで、還元体が再び酸化され、このとき得られる酸化電流値を測定する。この電流値は血液中のグルコース濃度に依存することから、血液中のグルコースを定量化することができる。
一方、カーボンナノチューブ(以下、CNT)をはじめとした先鋭な先端形状と高アスペクト比を持つカーボンナノ材料は導電性を有しており、半導体材料や燃料電池用材料として多くの開発がなされ、バイオセンサーの電極への利用もなされている。例えばCNTは他の電極材料より触媒活性が高く、同一電位における還元電流が大きくなるため検出感度の向上につながることや、測定妨害物質に対する選択性があるといった特徴が挙げられる(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、CNTを用いた電極が良好な導電性を示すためには、CNTが均一に分散していることが重要である。CNTの不純物や有機成分の焼成残分であるアモルファスカーボンの存在により、良好な導電性を示さずセンサー感度が低下することがある。
そこで、導電性の高い金属層上にCNTを含む電極層を形成することで導電性を確保する技術が公開されている(例えば、特許文献1、2参照)。また、溶剤等への分散性が高いホウ素含有CNTを用いることで均一に分散させたCNTを電極に用いる技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2008−64724号公報 特開2013−190212号公報 特開2008−157930号公報
Nature、354、56(1991)
しかしながら、特許文献1に開示された技術では電極層中のCNT間に存在する空隙から試料中の水分やメディエーターが電極内部に侵入し、酸化還元反応により電極下部の金属層を腐食させ、センサー感度が低下するという課題を有している。また特許文献2に開示された技術では、CNTを含む電極層を積層で形成させるため、電極層製造プロセスが複雑になる課題を有している。特許文献3に開示された技術でも、CNTにホウ素を含有させる処理が必要となり、電極層製造プロセスが複雑になるという課題を有している。
本発明は上記課題に着目し、感度の経時劣化を防止し、さらに簡便なプロセスで電極層を製造できるバイオセンサー及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。すなわち本発明は、絶縁性基板と、少なくとも作用極と対極を有する電極系と、前記電極系と電気的に接続する配線部と、前記電極系と接触する反応部とを備えるバイオセンサーであって、前記作用極および/または前記対極が炭素材料および導電性粒子を含むことを特徴とするバイオセンサーである。
本発明によれば、高感度なバイオセンサー用の電極を簡便なプロセスで作製することができる。また、時間経過によるバイオセンサーの感度低下を抑制することができる。
本発明のバイオセンサーの一例の斜視図 本発明のバイオセンサーの一例の斜視図 本発明のバイオセンサーの一例の斜視図 同バイオセンサーの断面図(図1のA−A’断面)
本発明のバイオセンサーは、絶縁性基板と、少なくとも作用極と対極を有する電極系と、前記電極系と電気的に接続する反応部とを備え、前記作用極および/または前記対極が炭素材料および導電性粒子を含む。
本発明のバイオセンサーの一例を図1、図2、図3および図4に示す。これらの図面において、バイオセンサーは、絶縁性基板10と、少なくとも作用極101と対極102を有する電極系200と、前記電極系200と接触する反応部110とを備える。また、作用極101と対極102は配線部103と電気的に接続されている。
<絶縁性基板>
絶縁性基板10、11としては、少なくとも電極系が配置される面が絶縁性であればいかなる材質のものでもよい。例えばガラス、シリコン、石英、サファイア、アルミナ焼結体、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシレンなどの平滑な基板が好適に用いられる。
<電極系>
電極系200は少なくとも作用極101と対極102を有する。作用極および対極の幅、厚み、配置は任意である。電極幅は0.5m〜10mm、厚みは0.1〜100μm、電極間隔は0.5〜10mmが好ましい。例えば、幅10mm、厚み0.5μmの電極を2mmの間隔を置いて2本配置するがこれに限られない。作用極はメディエーターに電圧を印加するための一方の電極である。対極はメディエーターから作用極に放出された電子によって流れた電流を計測するための電極である。
上記作用極および対極は、炭素材料と導電性粒子を含有する。炭素材料としては、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、グラフェン、黒鉛、アモルファスカーボン、ダイヤモンドライクカーボン、カーボンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノファイバーなどを用いることができる。安定性などの観点からCNTを用いるのが好ましい。以下の説明では、炭素材料としてCNTを用いた場合を例に詳細に説明するが、その内容は炭素材料をカーボンナノホーン、カーボンナノコイル等に置き換えても同様に当てはまる。
(CNT)
CNTは物理的・化学的耐久性に優れているだけでなく、優れた電気伝導性を有するとともに、溶液中の電子伝達の仲介、生体分子との電子移動反応を促進することから、バイオセンサーの高感度化を図る点でも期待されている。
CNTとしては、1枚の炭素膜(グラフェン・シート)が円筒状に巻かれた単層CNT、2枚のグラフェン・シートが同心円状に巻かれた2層CNT、複数のグラフェン・シートが同心円状に巻かれた多層CNTのいずれを用いてもよいが、高い導電性を得るためには2層CNTや多層CNTを用いるのが好ましい。CNTは、アーク放電法、化学気相成長法(CVD法)、レーザー・アブレーション法等により得ることができる。
本発明において、CNTの平均長さは、特に限定されないが1μm以上が好ましい。より好ましくは5μm以上である。CNTの平均長さとは、ランダムにピックアップした20本以上のCNTの長さの平均値を言う。CNT平均長さの測定方法としては、原子間力顕微鏡、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡等で得た画像の中から、20本以上のCNTをランダムにピックアップし、それらの長さの平均値を得る方法が挙げられる。
また、CNTの直径は特に限定されないが、1nm以上100nm以下が好ましく、より好ましくは50nm以下である。
また、CNTの末端が閉じているか開いているかなどについては特に制限はなく、いかなる状態のものであっても使用可能である。
(導電性粒子)
導電性粒子は、導電性のあるものであれば特に限定されない。なお、導電性とは導電率が10S/m以上であることをいう。
導電性粒子は、銀、銅、ニッケル、鉄等の金属粒子や導電性酸化物を含む粒子、あるいは酸化物表面の一部または全部に導電性材料がコーティングされた粒子などが挙げられる。導電性酸化物を含む粒子、あるいは酸化物表面の一部または全部に導電性材料がコーティングされた粒子は触媒活性が低く、より安定していることから、導電性酸化物を含む粒子、あるいは酸化物表面の一部または全部に導電性材料がコーティングされた粒子であることが好ましい。導電性酸化物としては、酸化インジウム・スズ(ITO)、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化スズ・アンチモン(ATO)、酸化亜鉛・アルミニウム(AZO)などが好ましい。また、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどの酸化物表面の一部または全部にITO、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、ATO、AZO、金、白金、銀、銅、パラジウム、ニッケル、鉄、コバルトなどの導電性材料がコーティングされたものも好ましい。この場合も、コーティングされる酸化物としては、ITO、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、ATO、AZOなどの導電性酸化物が好ましい。
導電性粒子の平均粒径は0.01μm以上、1.5μm以下であることが好ましい。下限としては0.1μm以上がより好ましい。また上限としては1μm以下がより好ましく、0.6μm以下がさらに好ましく、0.3μm以下が特に好ましい。下限値以上では、CNTと導電性粒子の接点数が少なく、抵抗値はより低下するため、後述の反応部で進行する反応で生じる電子の授受が電流として効率よく感知される。上限値以下であれば表面凹凸が小さくより均一な抵抗値を得ることができ、センサーの感度がより均一になる。
導電性粒子の平均粒径は、吸着ガスにNを、キャリアガスにN/He=30/70を用いる流動法BET一点法比表面積測定装置(ユアサアイオニクス(株)製、MONOSORB)で測定できる。導電性粒子の平均粒径とは、流動法BET一点法により得られる比表面積(m/g)と密度(g/cm)を用いて次式から得られる値をさす。
平均粒径=6/(密度×比表面積)。
<反応部>
反応部110は、上記電極系と接触する。より具体的には、反応部は電極系上に配置されているか、電極系と接する箇所に配置されている。電極系上に配置されているとは、反応部の少なくとも一部が、電極系における作用極および/または対極の上面の少なくとも一部を覆うように配置されていることをいう。電極系と接する箇所に配置されているとは、反応部の少なくとも一部が、電極系における作用極および/または対極の側面の少なくとも一部と接するように配置されていることをいう。
反応部110は、酵素、および必要に応じて以下に例示するメディエーターなどの試薬を含む。測定試料中の特定成分を基質として反応部において酵素反応が進行し、その結果生じた酸化還元電位が電極上で電流として感知される。酵素は、血液、尿、唾液、汗、涙などの生体試料、食料品中などに由来する基質(特定成分)に対し特異的に作用し、それらを酸化もしくは還元し、その反応によって電子の授受が引き起こされるものであればいかなる酵素でもよい。好ましくはグルコースオキシダ−ゼ、ウリカーゼ、ザルコシンオキシダ−ゼ、乳酸オキシダ−ゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、アルコールオキシダ−ゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、コレステロールオキシダ−ゼ、コレステロールデヒドロゲナ−ゼ、NADHオキシダーゼ、ジアホラーゼ、ウレアーゼ、フルクトースオキシダーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、アスコルビン酸デヒドロゲナーゼを用いることができる。
本発明では酵素を適当に選択することにより、種々の物質の濃度を測定することができる。例えば、グルコースオキシダーゼを使用したグルコース濃度の測定、ウリカーゼを使用した尿酸濃度の測定、およびコレステロールオキシダーゼを使用したコレステロール濃度の測定、乳酸オキシダーゼを使用した乳酸濃度の測定、フルクトースデヒドロゲナーゼを使用したフルクトース濃度の測定、アルコールデヒドロゲナーゼとジアホラーゼを併用したアルコール濃度の測定をすることができる。
また、試薬には上記酵素以外にメディエーターを含ませてもよい。メディエーターとしてはフェリシアン化物塩、フェロセンおよびその誘導体、メチレンブルー、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノン、フェナジンメトサルフェート、チオニンなどをあげることができる。特に好ましくは、フェリシアン化カリウムが採用できる。
<配線部>
配線部103は上記電極系と電気的に接続されており、電圧印加、電気信号の取り出しを行うことができる。配線部の材料としては、一般的に電極として使用されうる導電材料であればいかなるものでもよく、具体的には、炭素材料、金属、合金、金属および合金の種々の化合物(例えば酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、硫化物、窒化物、炭化物)などをあげることができる。好適には炭素材料、白金、パラジウム、金、銀、アルミニウムなどが用いられる。炭素材料としては、CNT、グラファイト、熱分解炭素、グラッシーカーボン、アセチレンブラック、カーボンブラックなどがあげられる。
<バイオセンサーの製造方法>
(配線部の形成)
絶縁性基板10の表面に所定のパターンを有する配線部103を形成する。形成方法としては、配線材料に合わせて適宜選択できるが、例えば金属蒸着、ペーストの印刷、例えばバーコーター法、スリットダイコーター法、スクリーン印刷法、スピンコート法、スプレー法などを用いることができる。また、直接形成してもよく、公知のフォトリソグラフィー技術で所定のパターンに加工してもよい。
(電極系の形成)
配線部103を形成後に、絶縁性基板10の表面に所定のパターンを有する作用極101および/または対極102を含む電極系200をCNTと導電性粒子を含む組成物(以下「CNT組成物」という)を用いて形成する。また、上記作用極101と対極102は図2に示すように、異なる絶縁性基板10、11上に作製し、最終的に図3に示すように貼合せて形成してもよい。このときは貫通孔を両基板に設けることにより、絶縁性基板10の貫通孔22からは対極に電気的に接続されている配線部の一部が露出し、絶縁性基板11の貫通孔21からは作用極101に電気的に接続されている配線部103の一部が露出する。また試料供給口23からは前記反応部110の少なくとも一部が露出しており、試料供給口23から反応部101に試料を供給することができる。なお、貫通孔、試料供給口の大きさ、配置、形状は任意であり、図2、図3に示すものに限定されない。
CNT組成物は、ガラス粉末、バインダー樹脂、溶媒、分散剤等を適宜含むことができる。バインダー樹脂として、セルロース系樹脂(エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロースプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロース、ブチルセルロース、ベンジルセルロース、変性セルロースなど)、アクリル系樹脂(アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、アクリルアミド、メタアクリルアミド、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなど単量体のうち少なくとも1種からなる重合体)、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、プロピレングリコール、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。
溶媒はバインダー樹脂等有機成分を溶解するものが好ましい。例えば、エチレングリコールやグリセリンに代表されるジオールやトリオールなどの多価アルコール、アルコールをエーテル化および/またはエステル化した化合物(エチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート)などが挙げられる。より具体的には、テルピネオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、ブチルカルビトールアセテートなどやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
分散剤はアミン系くし形ブロックコポリマーが好ましい。アミン系くし形ブロックコポリマーとしては、たとえば、アビシア(株)製のソルスパース13240、ソルスパース13650、ソルスパース13940、ソルスパース24000SC、ソルスパース24000GR、ソルスパース28000(いずれも商品名)などが挙げられる。
また、CNT組成物は感光性を付与してもよく、感光性有機成分を含有することによって、露光および現像を通してパターン加工を行うことができる。感光性有機成分としては、紫外線を照射した時に化学的な変化が生じることによって、紫外線照射前には現像液に可溶であったものが露光後は現像液に不溶になるネガ型感光性有機成分と、紫外線照射前には現像液に不溶であったものが露光後は現像液に可溶になるポジ型感光性有機成分のいずれかを選ぶことができる。ネガ型感光性有機成分としては、感光性ポリマー、感光性オリゴマー、感光性モノマーのうち少なくとも1種類から選ばれる感光性成分を含有し、さらに必要に応じて、バインダー、光重合開始剤、紫外線吸光剤、増感剤、増感助剤、重合禁止剤、可塑剤、増粘剤、酸化防止剤、分散剤、有機あるいは無機の沈殿防止剤やレベリング剤等の添加成分を含むものが好ましい。
感光性ポリマーはバインダー樹脂の機能も持つ。感光性ポリマーとしてはカルボキシル基を有することが好ましい。カルボキシル基を有するポリマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸またはこれらの酸無水物等のカルボキシル基含有モノマーおよびメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、2−ヒドロキシアクリレート等のモノマーを選択し、アゾビスイソブチロニトリルのような開始剤を用いて共重合することにより得られる。
カルボキシル基を有するポリマーとしては、焼成時の熱分解温度が低いことから、(メタ)アクリル酸エステルおよび(メタ)アクリル酸を共重合成分とするコポリマーが好ましく用いられる。とりわけ、スチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体が好ましく用いられる。
カルボキシル基を有するコポリマーの樹脂酸価は50〜150mgKOH/gであることが好ましい。酸価が150mgKOH/gより大きいと、現像許容幅が狭くなる。また、酸価が50mgKOH/g未満では未露光部の現像液に対する溶解性が低下する。現像液濃度を高くすると露光部まで剥がれが発生し、高精細なパターンが得られにくくなる。
側鎖にエチレン性不飽和結合を導入する方法として、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライド、マレイン酸等のカルボン酸を反応させて作る方法がある。
グリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエーテル等が挙げられる。とりわけ、CH=C(CH)COOCHCHOHCH−が好ましく用いられる。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリロイルイソシアナート、(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート等がある。また、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドは、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して0.05〜1モル当量反応させることが好ましい。
エチレン性不飽和結合を有するアミン化合物の調製は、エチレン性不飽和結合を有するグリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸クロリド、(メタ)アクリル酸無水物等をアミノ化合物と反応させればよい。複数のエチレン性不飽和基含有化合物を混合して用いてもよい。
バインダー成分が必要な場合にはポリマーとして、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、ブチルメタクリレート樹脂等を用いることができる。
感光性モノマーの具体的な例としては、光反応性を有する炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物を用いることができ、例えばアルコール類(例えば、エタノール、プロパノール、ヘキサノール、オクタノール、シクロヘキサノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど)のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル、カルボン酸(例えば、酢酸プロピオン酸、安息香酸、アクリル酸、メタクリル酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、酒石酸、クエン酸など)とアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジル、またはテトラグリシジルメテキシリレンジアミンとの反応生成物、アミド誘導体(例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミドなど)、エポキシ化合物とアクリル酸またはメタクリル酸との反応物などを挙げることができる。また、多官能感光性モノマーにおいて、不飽和基は、アクリル、メタクリル、ビニル、アリル基が混合して存在してもよい。
本発明では、これらを1種または2種以上使用することができる。感光性モノマーは、全感光性有機成分に対し、好ましくは2〜40重量%の範囲で添加され、より好ましくは、5〜30重量%である。感光性モノマーの量が少なすぎると光硬化不足になりやすく、露光部の感度が低下したり、現像耐性が低下したりする。感光性モノマーの量が多すぎる場合には未露光部の水に対する溶解性が低下したり、架橋密度が高すぎるために焼成時に脱バインダー不良を引き起こすおそれがある。
光重合開始剤は、ラジカル種を発生するものから選んで用いられる。光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アルキル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロペンアミニウムクロリド一水塩、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イロキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロリド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、メチルフェニルグリオキシエステル、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフルオロフォスフェイト(1−)、ジフェニルスルフィド誘導体、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、4−ベンゾイル−4−メチルフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,3−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、ベンジルメトキシエチルアセタール、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、N−フェニルグリシン、テトラブチルアンモニウム(+1)n−ブチルトリフェニルボレート(1−)、ナフタレンスルフォニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイルおよびエオシン、メチレンブルー等の光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミン等の還元剤の組み合わせ等が挙げられる。
本発明では、これらを1種または2種以上使用することができる。光重合開始剤は、感光性有機成分に対し、0.05〜10重量%の範囲で添加され、より好ましくは、0.1〜10重量%である。重合開始剤の量が少なすぎると光感度が不良となり、光重合開始剤の量が多すぎる場合には露光部の残存率が小さくなるおそれがある。
光重合開始剤と共に増感剤を使用し、感度を向上させたり、反応に有効な波長範囲を拡大することができる。
増感剤の具体例としては、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニルビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオテトラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオテトラゾール等が挙げられる。
本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。なお、増感剤の中には光重合開始剤としても使用できるものがある。増感剤を本発明のCNT組成物に添加する場合、その添加量は感光性有機成分に対して通常0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。増感剤の量が少なすぎれば光感度を向上させる効果が発揮されず、増感剤の量が多すぎれば露光部の残存率が小さくなるおそれがある。
CNT組成物は、各種成分を所定の組成になるよう調合した後、3本ローラー、ボールミル、ビーズミル等の混練機、または超音波処理で均質に混合分散することによって作製することができる。CNT組成物を懸濁する方法としては、さまざまな方法が考えられるが、再現性のよいバイオセンサーを作製するには分散性がよいことが望ましい。好適には、超音波処理を行うことが望ましく、その強度や時間については、適宜検討により決定することができる。
電極系200の形成方法としては、CNT組成物の分散性を保った塗布方法であればいかなる方法でもよく、例えばバーコーター法、スリットダイコーター法、スクリーン印刷法、スピンコート法、スプレー法などで用いるのが好ましい。また、直接塗布してもよく、公知のフォトリソグラフィー技術で所定のパターンに加工してもよい。この作用極101および/または対極102は配線部103と電気的に接触しており、作用極101と対極102は絶縁されている。塗布後は適宜乾燥工程を加えることができる。
また、上記配線部103を電極系200と同一の材料で形成することも好ましい。こうすることで、配線部と電極系を一度のプロセスで形成できるため、製造工程数を減少させることができる。
(反応部の形成)
このように形成した電極系200の上面および/または電極系と接する箇所に、酵素、および必要に応じメディエーターを含む溶液をディスペンサーなどで塗布した後、乾燥させ、溶媒成分を除去し、電極系上および/または電極系と接する箇所に反応部110を形成することによりバイオセンサーを作製する。その後、カバーおよび/またはスペーサーを適宜絶縁膜基板上に貼合してもよい。
<バイオセンサーの使用方法>
上記バイオセンサーを用いた特定物質の検出方法としては、反応部に試料を供給し、電流または電圧、電気抵抗、伝導度、キャパシタンス等の測定を行う。当業者であれば、その他の電気的特性を容易に観察し、測定することができ、上記例示した電気的特性の測定に限定するものではない。試料に被検出物質が含まれる場合は、被検出物質と反応部に配置された酵素および/またはメディエーターとが反応することにより生じる電気信号が電極系で検出され、配線部の端部から測定装置に伝達される。測定装置は、バイオセンサーから受信した電気信号を測定値に変換し、表示することにより特定物質の測定を行う。
上記バイオセンサーは、電極系上または電極系と接する箇所に酵素および/またはメディエーターなどの試薬を具備し、測定試料中の特定成分を基質として酵素反応を行い、その結果生じた酸化還元電位を電極上で電流として感知するセンサーであれば、どのようなセンサーでもよい。
以下に、本発明の実施例を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。用いた原料は次の通りである。
CNT1:東レ(株)製2層CNT
CNT2:CheapTube社製多層CNT
導電性粒子1:白色導電性粉末(球状の酸化チタンを核として、SnO/Sb導電層を被覆したもの)(石原産業(株)製、ET−500W、比表面積6.9m/g、密度4.6g/cm、平均粒径0.19μm)
導電性粒子2:銀粉末、三井金属鉱業(株)製、FHD、比表面積2.54m/g、密度10.5g/cm、平均粒径0.22μm
導電性粒子3:白色導電性粉末(球状の酸化チタンを核として、SnO/Sb導電層を被覆したもの)、石原産業(株)製、ET−300W、比表面積28m/g、密度5g/cm、平均粒径0.04μm
導電性粒子4:銀粉末、三井金属鉱業(株)製、SPN10J、比表面積0.52m/g、密度10.5g/cm、平均粒径1.1μm
バインダー:和光純薬工業(株)製エチルセルロース(約49%エトキシ)。
<導電性粒子の粒径測定>
用いた導電性粒子の平均粒径(μm)は、吸着ガスにNを、キャリアガスにN/He=30/70を用いる流動法BET一点法比表面積測定装置(ユアサアイオニクス(株)製、MONOSORB)により得られた比表面積(m/g)から、密度(g/cm)を用いて次式により算出した。
平均粒径=6/(密度×比表面積)。
<CNT組成物の導電性測定>
CNT組成物をガラス基材上にバーコーターで塗布後、表面抵抗(Ω/□)を四探針式表面抵抗測定装置(RT−70V ナプソン(株)製)を用いて測定した。また塗布膜厚を表面形状測定装置(サーフコム1400 東京精密(株)製)にて測定した。
実施例1〜6
容積500mlのジルコニア製容器にCNT1gと、CNT1gに対して表1に記載した比率になるように導電性粒子を添加後、溶媒であるテルピネオール(片山化学工業(株)製)を30g加えた。0.3μmφのジルコニアビーズ(東レ(株)製トレセラム(商品名))をそこに加え、遊星式ボールミル(フリッチュ・ジャパン(株)製遊星型ボールミルP−5)にて350rpmで予備分散した。次に、ジルコニアビーズを取り除いた混合物にバインダーを0.5g加え、ハイブリットミキサーにて分散し、CNT組成物を得た。CNT組成物はCNTの沈降はなく、12時間後も沈降は確認されなかった。
続いて、バイオセンサーの配線部および電極系を以下の要領で作製した。1mm厚のガラス基材表面にAuを1.5mm幅の線状パターンを2本蒸着で作製した。CNT組成物を上記各Auの線状パターンの一端に接触するようにバーコーター法により1cm角のパターンで印刷し作用極および対極を作製した。その後100℃の温度で30分乾燥し、電極系を得た。この作製した作用極および対極の性能評価としてCNT膜の表面抵抗、膜厚を測定した結果を表1に示す。
実施例7〜9
配線部をAuの代わりに、作用極および対極と同様のCNT組成物を用いて、バーコーター法により、電極系と同時に作製し工程数を削減したこと以外は実施例1と同様にしてバイオセンサーを作製した。なお、このときのCNT組成物はCNTの沈降はなく、12時間後も沈降は確認されなかった。このときの評価結果を表1に示す。
比較例1、2
導電性粒子を加えないこと以外は、実施例1と同様にしてCNT組成物、およびバイオセンサーの電極を作製した。表面抵抗、膜厚の結果を表2に示す。
比較例1および2のCNT組成物はCNTが沈降していた。この結果から、CNTと導電性粒子を備える組成物は分散性が高いことが明らかとなった。また実施例における電極の抵抗値は比較例における電極の抵抗値に比べ大幅に減少しており、測定試料中の特定成分を基質とした反応の結果生じる酸化還元電位を電極上で電流として効率よく検出できるため高感度なバイオセンサーになることが分かる。
次に実施例1から9、比較例1、2で得た配線部および電極系を用いて、電極系上に0.25w/w%のCMC水溶液を8μL塗布し、1時間乾燥した後、0.5w/w%CMC、0.5w/w%グルコースオキシダーゼ(GOD)、3w/w%フェリシアン化カリウムを含む水溶液を8μL塗布し、さらに1時間乾燥することにより反応部を形成し、グルコース測定用バイオセンサーを作製したものを標準電極とし、これを1ヶ月間保管したものを比較電極とした。
実施例1から9においては、標準電極と比較電極の抵抗値はともにほぼ同等であった。比較例1、2においては比較電極の抵抗値は標準電極のものより大幅に上昇していた。比較例においては配線部の金属が電極上の試薬により酸化や腐食したため、電気抵抗が増大したものと推察される。一方、実施例1から9においては抵抗値の変化がほとんどないことが明らかとなった。配線部の金属腐食が抑制され、良好な電気特性が得られていると推察される。また、これにより、実施例1から9においてはバイオセンサーとしての感度が低下しないことが分かる。
10 絶縁性基板
21、22 貫通孔
23 試料供給口
101 作用極
102 対極
103 配線部
110 反応層
200 電極系

Claims (6)

  1. 絶縁性基板と、少なくとも作用極と対極を有する電極系と、前記電極系と電気的に接続する配線部と、前記電極系と接触する反応部とを備えるバイオセンサーであって、前記作用極および/または前記対極が炭素材料および導電性粒子を含むことを特徴とするバイオセンサー。
  2. 前記炭素材料がカーボンナノチューブである請求項1記載のバイオセンサー。
  3. 前記導電性粒子の平均粒径が0.01μm以上、1.5μm以下である請求項1または2記載のバイオセンサー。
  4. 前記導電性粒子が導電性酸化物を含む粒子、あるいは酸化物表面の一部または全部に導電性材料がコーティングされた粒子である請求項1から3のいずれかに記載のバイオセンサー。
  5. 前記電極系と前記配線部が同一の材料から構成される請求項1から4のいずれかに記載のバイオセンサー。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のバイオセンサーの製造方法であって、炭素材料および導電性粒子を含む組成物を前記絶縁性基板上に塗布して、前記電極系を形成する工程を含むことを特徴とするバイオセンサーの製造方法。
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