JP2015175038A - 樹脂成形品への金属メッキ方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストを増加させることなく、汎用的な樹脂材料を用いつつ電気回路にも対応可能な微細な金属パターンを無電解メッキにより形成する方法を提供する。【解決手段】樹脂成形品1の表面2に金属メッキ(10c〜10e)によるパターン10を形成する方法であって、前記パターンを描画するようにレーザー光線を前記樹脂成形品の表面に照射して、当該樹脂成形品における前記レーザー光線の照射部位を多孔質化させる発泡粗化ステップs2と、前記多孔質化した部位にメッキ塗料を選択的に塗布するメッキ塗料塗布ステップs3と、無電解メッキ法により、前記多孔質化された部位で、かつ前記メッキ塗料が塗布された部位に1層以上の金属メッキ層を形成するメッキステップ(s6〜s8)とを含んでいる樹脂成形品への金属メッキ方法としている。【選択図】図3

Description

この発明は、樹脂成形品への金属メッキ方法に関する。具体的には、樹脂成形品の表面に金属メッキによるパターンを形成する方法に関する。
従来、樹脂成形品の表面に金属によるパターンを形成するために、樹脂成形品側に平面形状が所望のパターンとなる溝を形成しておき、その溝にパターン形状に切り抜いた板金など嵌め込むなどしていた。しかし、この従来方法では、成形品や金属パターンの形状ごとに金型を用意する必要があることから、仕様変更などに柔軟に対応することができなかった。そこで最近では、LDS(Laser Direct Structuring)法と呼ばれる樹脂成形品への金属メッキ方法が普及している。
LDS法は、LCP(液晶ポリマー)やPBT(ポリブチレンテフタレート)などのベースポリマーにフィラーとLDS添加剤と呼ばれる有機金属を混合した特殊な樹脂材料からなる成形品を用意し、その成形品に対してレーザー光線を照射してパターンを描画する。レーザー光線が照射された部位はLDS添加剤が金属核として析出するため、レーザー光線照射後の成形品を金属の無電解メッキ浴に浸漬すると、析出したLDS添加剤に選択的に金属がメッキされて金属のパターンが形成される。このLDS法は、とくに樹脂成形品の表面に微細な電気配線を形成できることから、例えば、スマートフォン(多機能携帯電話機)などに組み込まれる各種帯域に対応するアンテナを、スマートフォンの樹脂製筐体の裏側に形成するのに利用されている。なおLDS法に関わる技術については以下の特許文献1〜3などに記載されている。また以下の特許文献4には、本発明に関連する技術について記載されている。
特表2000−503817号公報 特表2004−534408号公報 特許第5340513号公報 特開2013−1955号公報
上述したようにLDS法は電気回路にも対応可能な微細な金属パターンを樹脂成形品上に形成することができる。しかしながら、LDS法では成形品を専用の樹脂を用いて成形する必要があるため、樹脂材料自体が高価であり、成形品のコストが嵩む。またLDS法では、レーザー光線を成形品に照射した際に樹脂が溶融し、その溶融した樹脂が飛散して成形品の意図しない部位に付着する、所謂「飛び」が発生することがある。そして、その「飛び」を放置したまま金属メッキを行えばその意図しない部位に金属が析出することになる。複雑な形状の成形品であれば、レーザー光源からレーザー光線を目的とする照射位置までの途上の部位にレーザー光線のスポットの一部が照射される可能性もあり、その目的外の照射部位もメッキされてしまう。このように意図しない部位に金属がメッキされた場合、形成しようとする金属パターンが電気回路であれば、その回路が短絡する可能性がある。金属パターンが装飾であれば美観を大きく損ねる結果となる。
また、既存の成形品に対する仕様変更などによって、成形品の形状を変えずに金属パターンのみをその成形品の表面に形成する必要が生じた場合、譬え成形品用の成形金型が同じであっても樹脂材料が異なることになり、当然、その成形条件(射出成形時の温度、圧力など)を変える必要がある。したがって、LDS法では急な仕様変更などに即応することができない。
そこで本発明は、製造コストを増加させることなく、汎用的な樹脂材料を用いつつ電気回路にも対応可能な微細な金属パターンを無電解メッキにより形成する方法を提供することを主な目的としている。
上記目的を達成するための本発明は、樹脂成形品の表面に金属メッキによるパターンを形成する方法であって、
前記パターンを描画するようにレーザー光線を前記樹脂成形品の表面に照射して、当該樹脂成形品における前記レーザー光線の照射部位を多孔質化させる発泡粗化ステップと、
前記多孔質化した部位にメッキ塗料を選択的に塗布するメッキ塗料塗布ステップと、
無電解メッキ法により、前記多孔質化された部位で、かつ前記メッキ塗料が塗布された部位に1層以上の金属メッキ層を形成するメッキステップと
を含むことを特徴とする樹脂成形品への金属メッキ方法としている。
前記発泡粗化ステップにて描画した前記パターンを縁取るように、当該発泡粗化ステップにて用いたレーザー光線の強度よりも強いレーザー光線を照射することで、当該パターンの輪郭を明瞭化するトリミング工程を含むことを特徴とする樹脂成形品への金属メッキ方法としてもよい。
前記パターンが電気回路を構成する導体パターンである樹脂成形品への金属メッキ方法、および当該導体パターンがアンテナのパターンである樹脂成形品への金属メッキ方法とすることもできる。
本発明の製造方法によれば、製造コストを増加させることなく、汎用的な樹脂材料を用いつつ電気回路にも対応可能な微細な金属パターンを無電解メッキにより形成することができる。その他の効果については以下の記載で明らかにする。
本発明の実施例に係る金属メッキ方法によってアンテナとなる導体パターン(アンテナパターン)が形成された成形品を示す概略図である。 上記アンテナパターンの形状を示す概略図である。 上記実施例に係る金属メッキ方法の流れを示す図である。 上記アンテナパターンの形成過程を示す遷移図である。 上記アンテナパターンの形成過程における上記成形品の表面状態を示す図である。 上記アンテナパターンの表面状態を示す図である。 上記アンテナの特性を示す図である。
本発明の実施例について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明に用いた図面において、同一または類似の部分に同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。図面によっては説明に際して不要な符号を省略することもある。
===実施例===
本発明の一実施例として樹脂成形品の表面にアンテナとして機能する導体パターン(以下、アンテナパターン)を形成する事例を挙げる。
<アンテナパターンの構成>
本実施例では、スマートフォンの筐体を構成する背面カバー(裏蓋)にアンテナを形成することを想定し、その裏蓋を模した樹脂成形品の表面にアンテナパターンを形成した。図1にアンテナパターン10が形成された状態の成形品1の概略図を示した。成形品1は矩形皿状で、その成形品1の内側の面(以下、表面とも言う)2にアンテナパターン10が形成されている。図2は本実施例の方法によって試作したアンテナパターン10の平面図である。この図に示したアンテナパターン10は、800MHz帯の電波を送信(あるいは受信)するアンテナとして機能し、葛折れ状の配線パターン11の一端および他端にL字状および矩形状の端子パッド(12,13)を備えた導体により構成されている。アンテナパターン10を構成する導体は成形品1の表面に無電解メッキされた金属であり、成形品の表面を下地として、その下地から上方に向かってCu、Ni、Auの各メッキ層が順に積層されたものである。
ここで葛折れ状のパターン(以下、葛折れ部)の延長方向を前後方向とするとともに、L字状の端子パッド12側を前方とし、成形品の表面上で前後方向と直交する方向を左右方向とする。また左右の各方向については便宜的に前方から後方を見たときの方向で規定すると、試作したアンテナパターンは、前後長L=42.22mm、左右幅W=5.48mmである。葛折れ部11については、前後長La=22.00mm、左右幅Wa=2.50mm、線幅d=0.50mmとなっている。また葛折れ部11における繰り返しパターンのピッチPはP=2.00mmである。葛折れ部11の前方に配置されたL字状の端子パッド12は、前端側が左方に屈曲する形状で、前後方向の全長Lb=8.47mmのうち、前端側の前後長Lb1=4.60mmの部分が左右幅Wb1=4.38mmの幅広の矩形領域となっており、この幅広の矩形領域の後方に前後長Lb2=3.87mm、左右幅Wb2=2.00mmの細長い矩形領域が連続している。後方の端子パッド13は、前後長Lc=11.75mm、左右幅Wc=3.57mmのサイズを有している。
<アンテナパターンの形成手順>
図3に本実施例に係る金属メッキ方法の流れ図を示した。また図4に上記アンテナパターン10の形成過程における成形品1の表面2の状態の遷移を(A)〜(F)の順に示した。まず樹脂材料からなる成形品を用意する(図3,成形品準備:s1)。ここでは図1に示した矩形皿状の成形品1を用意する。つぎに、図4(A)に示したように、アンテナパターン10の平面形状を描画するように成形品1の表面2の所定位置にレーザー光線を照射する。本実施例では、レーザー光源として波長1064nmのYVO4レーザーを用いている。そしてこのレーザー光線の照射に際し、成形品1の表面の樹脂成分を蒸散させたり焼失させたりせず、成形品1の表面2が多孔質となるように改質している。所謂「発泡粗化」している(発泡粗化工程:s2)。
具体的には、樹脂を多孔質化させるために、レーザー光線の強度、すなわちレーザー光線の照射条件(照射時間、同じパターンを繰り返し描画する回数(描画回数)、レーザー光線の出力、焦点位置を調整することによる照射部位におけるレーザー光のスポット径など)を調整している。それによって成形品1を構成する樹脂が溶融と固化を繰り返えしたり、樹脂成分がガスとして揮発したりして成形品1の表面2が発泡(多孔質化)して粗面化した表面状態となる。なお、レーザー光線の照射条件は、樹脂材料や樹脂の色などに応じて適宜に調整すればよい。
つぎに、図4(B)に示したように、レーザー光線を照射して多孔質化された領域10aにメッキ塗料20を選択的に塗布するとともに(メッキ塗料塗布工程:s3)、そのメッキ塗料20が塗布された成形体を60℃の温度下で20分おいてメッキ塗料20の溶媒を揮発させる(乾燥工程:s4)。それによって、メッキ塗料20がその多孔質化した領域10aに選択的に吸収されるとともに、この領域10aにメッキ塗料20が定着する。なお、メッキ塗料20としては、例えば上記特許文献4などにも記載されているパラジウムを含むメッキ塗料20を用いることができる。またメッキ塗料20の塗布方法については、本実施例では手筆を用いて塗布しているが、工業生産時にはロボットアームにディスペンサーを取り付けるなどしてメッキ塗料塗布工程を自動化すればよい。
乾燥工程s4を終えたならば、最終的に微細な線幅の導体からなるアンテナパターンが短絡しないように、発泡粗化工程s2においてレーザー光線によって描画したパターン10aの周囲をトリミングする(トリミング工程:s5)。具体的には、発泡粗化工程s2において照射したレーザー光線よりも強いレーザー光線を、図4(C)に示したように、多孔質化されているアンテナ状のパターン10aの輪郭を縁取るように照射し、当該輪郭部分10bを蒸散あるいは焼失させる。
参考までに、トリミング工程s5を経た成形品1の樹脂表面2の状態を図5に示した。図5(A)はトリミング工程s5を経て形成されたアンテナ状のパターンの一部を拡大した顕微鏡写真である。図5(B)は当該パターンの表面粗さを示しており、(A)における直線a−aに沿って走査したときの表面粗さに対応している。図5(C)は(A)におけるa−a矢視断面の顕微鏡写真である。図5(A)に示したように、成形品1の表面2において、レーザー光線が照射された領域(10a,10b)が変質していることが確認できる。しかも発泡粗化工程s2において照射された領域10aとトリミング工程s5において照射された領域10bとが明確に区分されて、多孔質化された領域10aの輪郭が明瞭になっている。
また図5(B)に示したように、多孔質化された部分10aは当初の表面2よりも突出し、鋭利な凹凸がある「荒れた」状態になっていることもわかる。なお当初の樹脂表面2に対する突出量t1は0.03mm〜0.04mmであった。そして図5(C)に示したように、レーザー光線が照射された部位(10a,10b)では樹脂が深さ方向にも変質していることが確認できる。
さらに、同じ図5(C)に示したように、本実施例では、発泡粗化工程s2によって描出したアンテナ状のパターンの輪郭がより明瞭になるように、発泡粗化工程s2におけるレーザー光線の照射領域10aの幅L1に対し、トリミング工程s5におけるレーザー光線の照射領域10bの幅L2を所定幅ΔLだけ重複させている。なお、トリミング工程s5は、最終的なアンテナパターンの輪郭が明瞭となるようすることが目的である。したがって、配線間の間隔が広く短絡の可能性が無い金属パターンなど簡素なパターン、あるいは電気回路として利用されないパターンなどを形成するのであれば、このトリミング工程は省略することができる。
このように、成形品1の表面2に目的とするアンテナパターンの形状の多孔質化領域10aが形成され、かつその領域10aにメッキ塗料が塗布され、所定のトリミングを行ったならば、このメッキ塗料が塗布された多孔質化領域10aに無電解メッキにより金属メッキ層を形成する。本実施例では、成形品1を3種類の金属メッキ浴に順次浸漬することで、図4(D)〜(F)に示したように、3層の金属メッキ層(10c〜10e)を積層していく。最初に無電解メッキによりCuメッキ層10cを形成し(Cu無電解メッキ工程:s6)、次いで、Niメッキ層10dを形成する(Ni無電解メッキ工程:s7)。最後に保護層としてAuメッキ層10eを無電解メッキにより形成する(Au無電解メッキ工程:s8)。本実施例では、Cu、Ni、Auの各メッキ層(10c〜10e)の厚さを、それぞれ10μm、2μm、0.05μmとしている。
本実施例では、以上説明した各工程s1〜s8を経て導体からなるアンテナパターン10が成形品1の表面2に形成される。図6に最終的なアンテナパターン10の表面状態を示した。図6(A)はアンテナパターン10の表面粗さを示しており、図6(B)はアンテナパターン10の断面を示す顕微鏡写真である。図6(C)は、(B)における矩形100内を拡大した図である。図6(A)に示したように、アンテナパターン10の表面は、メッキ層(10c〜10e)が積層されて最終的な厚さt2が約0.05mm〜0.06mmとなっている。
またメッキ後の表面状態は、発泡粗化工程s2による荒れた表面形状が維持されている。これは、下地の鋭利な凹凸がメッキ層(10c〜10e)に食い込む、所謂「バンプ効果」によってメッキ層(10c〜10e)が樹脂表面に強固に固定されていることを意味する。さらに、図6(B)、(C)に示したように、樹脂の深さ方向にメッキ層(10c〜10e)を構成する金属が網目構造を形成していることが確認できる。これは、樹脂表面が確実に多孔質化されていることを意味するとともに、その網目構造によってメッキ層(10c〜10e)が上記のバンプ効果に加えてさらに強固に固定されていることも意味する。
このように本実施例に係る金属メッキ方法によれば、LDS法のように特殊な樹脂材料を用いることなく汎用的な樹脂からなる成形品1の表面2に金属メッキによるパターン10を形成することができる。また、金属メッキ層(10c〜10e)は発泡粗化工程s2によって多孔質化された部位で、かつメッキ塗料20が塗布された部位にのみ形成されるため、発泡粗化工程s2によって「飛び」が発生したり、目的外の部位が多孔質化されたりしたとしても、メッキ塗料20がその目的外の部位に塗布されていなければその部位には金属がメッキされない。すなわち、短絡などを確実に防止することができる。
さらに、多孔質化されているとともに鋭利な凹凸を多数有する樹脂表面に金属メッキ層(10c〜10e)が形成されるため、メッキ層(10c〜10e)を構成する金属が樹脂表面の凹凸に食い込み、さらには樹脂内部に複雑な網目構造を形成する。それによって、衝撃や摩擦などによるメッキ層(10c〜10e)が剥がれを防止することができる。
<アンテナ特性>
上述したように、本実施例に係る金属メッキ方法によって成形品1の表面2に微細なアンテナパターン10を実際に形成することができた。しかし、そのアンテナパターン10が実際にアンテナとして機能することはもちろん、性能がリン青銅の板金などからなる従来のアンテナに対して大きく劣っていては実用上問題がある。また、成形品1を構成する樹脂材料によってアンテナの特性がばらついては成形品1を構成する樹脂の種類が限定され、汎用性に欠ける。そこで形状が同じで樹脂材料が異なる成形品1に上記実施例の方法でアンテナパターン10を形成するとともに、そのアンテナパターン10のアンテナ特性を評価した。具体的には図1に示したスマートフォンの裏蓋を模した成形品1をアクリル樹脂によって成形し、その成形品1に上記アンテナパターン10を形成したサンプル(以下、サンプル1)と、同じ形状で樹脂材料をポリカーボネイト(PC)樹脂とした成形品1に同様のアンテナパターン10を形成したサンプル(サンプル2)を作製するとともに、本発明の実施例に対する比較例として、リン青銅の板金からなる従来のアンテナをサンプル(サンプル3)として用意した。なおアンテナパターンが金属自体で構成されるサンプル3については、アンテナパターン10の形状に打ち抜いたリン青銅の板材をABS樹脂の表面に貼着したものとした。そして周知のネットワークアナライザを用い、各サンプル1〜3におけるアンテナの放射効率を求めた。
図7に各サンプル1〜3におけるアンテナの放射効率を示した。ここでは、各サンプル1〜3が備えるアンテナの特性を正しく比較評価できるように、インピーダンス整合後の放射効率特性を示した。この図7に示したように、各サンプル1〜3の放射効率特性に大きな差が無く、本実施例の方法で作製したアンテナパターンは、実際にアンテナとして動作し、かつその特性が成形品1の樹脂材料に依存しないことが確認できた。さらにその特性は従来のアンテナと同等であり、十分に実用性があることも確認できた。
このように本実施例の金属メッキ方法によれば、従来技術であるLDS法のように特殊な樹脂材料を用いることなく、一般的な樹脂材料からなる成形品の表面に微細な導体パターンを形成することができる。導体パターンがアンテナである場合、LDS法では金属を主体とするLDS添加剤が含まれた樹脂材料を用いて成形品を成形しているため、電波が透過しにくく特性が劣化することが懸念されるが、本実施例の金属メッキ方法ではLDS添加物を含まない樹脂材料を用いることができ、樹脂材料本来の電波透過特性を損なうことがない。また本実施例の金属メッキ方法では、成形品1の形状や樹脂材料を一切変えることなく、金属メッキによるパターンのみを自由に変更することが可能となる。したがって、来急な仕様変更にも速やかに対応することができる。既存の成形品1に金属メッキのパターンを追加することもできる。
===その他の実施例===
上述した本発明の実施例では、スマートフォンの裏蓋内面に800MHz帯域の電波に対応するアンテナを形成する方法を挙げた。しかしスマートフォンは、様々な帯域の電波を送受信したり、TV放送波を受信したりする機能を備えている。したがって、実際のスマートフォンに本発明を適用する際には、筐体の裏側などに複数のアンテナを形成することになる。また、使用する帯域に加え、筐体の形状やスマートフォンに実装されている電子回路が発する電磁波との干渉なども考慮すれば、アンテナの形状やサイズも上記実施例とは異なるものとなる。
上記実施例の方法は、アンテナパターンの形成だけではなく、例えばコネクタの端子やその他の電気回路用配線の形成に適用することもできる。アンテナや端子などの電気回路の一部となる導体パターンに限らず、名入れや模様などの装飾に適用することも可能である。もちろん無電解メッキする金属の種類も上記実施例に限らない。メッキ工程の回数が1回でもよい。いずれにしても、無電解メッキが可能であればメッキする金属やメッキ工程の数は金属メッキの対象となる成形品の用途に応じて適宜に設定することができる。
この発明は、電気回路や装飾など、樹脂成形品の表面に金属メッキを施す用途に適している。例えば、スマートフォンの樹脂製筐体の裏側にアンテナとなる導体パターンを形成するのに好適である。
1 成形品、2 成形品の表面、10 アンテナパターン、
10a 多孔質化されている領域、10b トリミング領域、10c Cuメッキ層、
10d Niメッキ層、10e Auメッキ層、20 メッキ塗料

Claims (4)

  1. 樹脂成形品の表面に金属メッキによるパターンを形成する方法であって、
    前記パターンを描画するようにレーザー光線を前記樹脂成形品の表面に照射して、当該樹脂成形品における前記レーザー光線の照射部位を多孔質化させる発泡粗化ステップと、
    前記多孔質化した部位にメッキ塗料を選択的に塗布するメッキ塗料塗布ステップと、
    無電解メッキ法により、前記多孔質化された部位で、かつ前記メッキ塗料が塗布された部位に1層以上の金属メッキ層を形成するメッキステップと
    を含むことを特徴とする樹脂成形品への金属メッキ方法。
  2. 前記発泡粗化ステップにて描画した前記パターンを縁取るように、当該発泡粗化ステップにて用いたレーザー光線の強度よりも強いレーザー光線を照射することで、当該パターンの輪郭を明瞭化するトリミング工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品への金属メッキ方法。
  3. 前記パターンは電気回路を構成する導体パターンであることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂成形品への金属メッキ方法。
  4. 前記導体パターンはアンテナのパターンであることを特徴とする請求項3に記載の樹脂成形品への金属メッキ方法。
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