JP2015173917A - 腹腔鏡を用いた検査方法及び検査装置 - Google Patents

腹腔鏡を用いた検査方法及び検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】センチネルリンパ節の正確な位置を特定し、高感度且つ高分解能でセンチネルリンパ節を検査して、癌細胞・癌組織の転移が有るか否かを判断するための情報を提供可能な方法と装置を提供する。【解決手段】少なくとも2つの腹腔鏡を用い、観察範囲に照明光を照射して得た可視光画像と、その観察範囲に第1の励起光を照射して得た第1の蛍光画像とを重畳表示して、センチネルリンパ節の位置を確認するステップと、位置を確認したセンチネルリンパ節の中から選択したセンチネルリンパ節に対し、そのセンチネルリンパ節のサイズに合わせた第2の励起光を照射するステップと、その第2の励起光を照射して得た第2の蛍光を受光して第2の蛍光画像を表示するステップ、及び、第2の励起光を照射して得た第2の蛍光から蛍光スペクトルを測定して表示するステップの一方又は両方の表示ステップとを有する方法と装置によって上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、腹腔鏡を用いた検査方法及び検査装置に関し、さらに詳しくは、センチネルリンパ節への癌細胞・癌組織の転移判断のための情報を提供する検査方法及び検査装置に関する。
一般に固形癌の手術では、病変部を切除すると共に、その病変部の周囲で癌の転移が疑われる複数のリンパ節を切除することが多い(「リンパ節廓清」と呼ばれる。)。リンパ節廓清は、癌の根治のためには有効である。しかしながら、例えば早期胃癌に限った場合では、リンパ節への転移比率は3%〜10%程度であり、転移していない90%以上の患者にとっては無用なリンパ節廓清が行われたことになり、患者の負担が大きいという難点がある。
癌の原発巣からリンパ管に入った癌細胞が最初に到達するリンパ節をセンチネルリンパ節(Sentinel−Lymph−Node)といい、癌がリンパ節に転移している場合には、必ずセンチネルリンパ節に転移があると考えられている(これをセンチネルリンパ節理論という。)。このセンチネルリンパ節理論によれば、早期癌の手術では、センチネルリンパ節を見つけ、生検(患部の一部を切り取って顕微鏡等で調べる検査)し、迅速に病理検査を行うことにより、リンパ節への癌の転移の有無を判定することができる。センチネルリンパ節に癌が転移していない場合は、腹腔鏡手術による病変部だけの切除で済むか、又は、リンパ節廓清そのものが不要となる。一方、センチネルリンパ節に癌が転移している場合は、転移状況に応じたリンパ節廓清が必要となる。例えばリンパ節に転移している胃癌の場合には、リンパ節廓清を伴う胃1/2以上の切除手術が必要となる。
こうしたリンパ節は臓器の外側にある。そのため、癌の転移があるかどうかは、内視鏡で発見することができず、臓器の外側から観察する必要がある。
近年、蛍光色素を用いて病変組織を検出する蛍光色素法が提案されている。例えば特許文献1には、励起光によって蛍光を発する光感受性物質(例えばシアニン系色素)を蛍光診断薬として予め生体に投与し、その光感受性物質の励起波長帯域にある励起光を照射し、病変部に集積した光感受性物質から蛍光を生じさせ、生じた蛍光を受光して、病変部の局在範囲及び浸潤範囲を検出する方法が提案されている。そして、この方法は、センチネルリンパ節にも適用可能であると提案されている。
特許文献2には、そうしたセンチネルリンパ節を生体組織表面から容易に且つ高精度に検出するための検出システムが提案されている。この検出システムは、近赤外蛍光色素であるインドシアニングリーンを予め腫瘍周囲に局部的に注入し、所定時間後に開腹手術を行い、観察部に励起光を照射してインドシアニングリーンを発光させるシステムである。具体的には、同文献の図2に示されているように、観察部に励起光照射ユニットから近赤外励起光を照射する。センチネルリンパ節には、インドシアニングリーンが蓄積されているため、そのインドシアニングリーンが近赤外蛍光を発し、その近赤外蛍光は、イメージインテンシファイアで増幅され、蛍光板で可視化像に変換される。観察者は、ハーフミラーを透過した通常像と、ミラー及びハーフミラーを反射した可視化像とを同時に観察する。励起光及び蛍光は、センチネルリンパ節を覆っている脂肪等の生体組織により吸収されにくい近赤外波長の光であるため、生体組織の表面からセンチネルリンパ節を検出することができる。
開腹手術は患者の負担が大きいため、最近では、例えば特許文献3に示すような腹腔鏡を利用した非開腹手術が行われるようになってきた。この特許文献3に記載の腹腔鏡は、患者に空けられた小さな穴から内部に腹腔鏡を挿入し、患部の画像を取得して診断するものである。同文献で提案されている腹腔鏡は、挿入される所定長さの先端部を有し、この先端部には患部の画像を取得し、取得した患部の画像を伝達する機構が設けられている。画像を伝達する機構は、剛性のある部材で形成された長いシースチューブと、このシースチューブ内に配置され、画像を伝達する手段の外表面を横切って流体を流し、そこから画像の邪魔になる物を除去するための手段とを備えている。
特許文献4には、センチネルリンパ節の位置を容易に迅速に特定できる腹腔鏡診断装置及びセンチネルリンパ節の検査方法が提案されている。この検査方法によれば、撮像用腹腔鏡から照射される白色照明光の照射位置及び照射範囲と、励起用腹腔鏡から照射される励起光の照射位置及び照射範囲とを変えることができ、センチネルリンパ節の探索範囲を任意に変更できる。撮像用腹腔鏡の観察範囲より広い範囲で励起用腹腔鏡による探索が行えるので、センチネルリンパ節の位置探索を迅速に行うことができる。また、撮像用腹腔鏡によって照射した白色照明光の観察対象に向けて励起用腹腔鏡から励起光を照射するので、白色照明光の反射光から得られるカラー画像と蛍光物質から発した蛍光から得られる蛍光画像とを同じ撮像用腹腔鏡で重畳的に取得してモニタに表示することができる。また、その画像取得と蛍光分光測定部で取得した蛍光スペクトルとを同時に取得し、モニタに表示することができる。
国際公開WO98/48845 特開2001−299676号公報 特開平6−22902号公報 特開2013−153951号公報
現状の手術では、センチネルリンパ節への癌の転移は、切開して採取したセンチネルリンパ節を生検(病理検査)して判定するために、すぐに判断ができない。そのため、内臓の手術においては、生検の結果を確認する前に、転移している場合と同じ手術が行われているのが現状である。例えば胃癌の場合は、60%程度が早期癌で、センチネルリンパ節には転移していない場合があり、このような患者に対しても手術が行われるため、患者に大きな負担をさせていることになる。
また、特許文献2で提案されている技術は、励起光を照射する腹腔鏡と、白色照明光を照射する腹腔鏡とが同一の腹腔鏡である。そのため、照射される励起光は、観察部の広い範囲に照射されることから、癌細胞に結合した蛍光物質が微量である場合には、その蛍光物質は微弱な蛍光しか発光せず、癌が転移しているセンチネルリンパ節の特定が著しく困難となる。また、従来は、励起光と白色照明光とを切り替える装置を用いて交互に照射し、蛍光測定時に白色照明光の影響を受けない工夫がされていたが、この技術のように、同一の腹腔鏡を用いた場合、励起光の照射位置と白色照明光の照射位置とが一致するというメリットがある。しかしながら、励起光と白色照明光とで照射位置や照射範囲を変えることができないので、センチネルリンパ節を探索する場合、腹腔鏡の照射範囲に探索範囲が限定されてしまい、センチネルリンパ節の位置を正確に且つ迅速に探索するには限界があった。そのため、センチネルリンパ節を探索して癌の転移先を検査することには限界があった。
また、特許文献2で提案されている技術では、連続的に蛍光画像を計測できない、臓器が動いている、腹腔鏡の手ぶれ等の原因によって、可視光画像と蛍光画像とが正確に同じ位置を観察できず、センチネルリンパ節の検出精度が低下する等の問題がある。このため、可視光画像と蛍光画像との同時測定への要請がある。さらに、特許文献2で提案されている技術では、蛍光物質(検査試薬)の注入時からの蛍光強度の時間変化を詳細に計測できず、センチネルリンパ節の最適な検出時間の把握が難しく、センチネルリンパ節の検出効率と検出精度が適正化できておらず、いずれも改善の必要がある。また、励起光と白色照明光とが同時に照射されるので、白色照明光による蛍光波長帯でのノイズが発生し、蛍光の感度が悪化するという問題があった。また、センチネルリンパ節の検出は、リンパの形状とモニタ上での相対輝度とから判定していたが、相対輝度は、蛍光物質(検査試薬)の投薬や注入からの時間に依存するので、適切な時間の画像を選定して判断する必要があり、センチネルリンパ節の位置により測定誤差が大きくなるという懸念もあった。
また、センチネルリンパ節の位置が分かったとしても、センチネルリンパ節に癌が転移しているか否かは、センチネルリンパ節を摘出し、病理検査によって行う必要がある。そのため、病理検査の結果を待つ時間がかかり、患者に対する負担が大きかった。また、迅速な病理検査ができない場合には、従来のようなリンパ節廓清の大手術が行われていた。こうしたことから、腹腔鏡によるその場でのセンチネルリンパ節への転移の検査が望まれている。
また、特許文献3で提案されている技術は、腹腔鏡で撮像する際に、腹腔鏡が汚れて画像を撮像することができないことを防止するために、腹腔鏡を洗浄することができるようにしたものであり、癌による病変部の特定や癌の転移を検査するための技術については提案されていない。
また、特許文献4で提案されている技術は、腹腔鏡によりセンチネルリンパ節の位置を容易に迅速に特定できる診断装置と検査方法に関するものであるが、癌の転移を検査するための技術については提案されていない。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、センチネルリンパ節の正確な位置を特定し、高感度且つ高分解能でセンチネルリンパ節を検査して、癌細胞・癌組織の転移が有るか否かを判断するための情報を提供可能な検査方法及び検査装置を提供することにある。
(1)上記課題を解決するための本発明に係る検査方法は、少なくとも2つの腹腔鏡を用い、観察範囲内にあるセンチネルリンパ節への癌細胞・癌組織の転移の判断のための情報を提供する検査方法であって、
前記観察範囲に照明光を照射して得た可視光画像と、前記観察範囲に第1の励起光を照射して得た第1の蛍光画像とを重畳表示して、前記センチネルリンパ節の位置を確認する位置確認ステップと、
位置を確認した前記センチネルリンパ節の中から選択したセンチネルリンパ節に対し、該センチネルリンパ節のサイズに合わせた第2の励起光を照射する第2励起光照射ステップと、
前記第2の励起光を照射して得た第2の蛍光を受光して第2の蛍光画像を表示する第2蛍光画像表示ステップ、及び、前記第2の励起光を照射して得た第2の蛍光から蛍光スペクトルを測定して表示する蛍光スペクトル表示ステップの一方又は両方の表示ステップと、を有することを特徴とする。
本発明に係る検査方法において、前記第2の蛍光画像と前記第1の蛍光画像とを重畳表示する、又は、前記第2の蛍光画像と前記可視光画像とを重畳表示する、ように構成することができる。
(2)上記課題を解決するための本発明に係る検査装置は、少なくとも2つの腹腔鏡を用い、観察範囲内にあるセンチネルリンパ節への癌細胞・癌組織の転移の判断のための情報を提供する検査装置であって、前記腹腔鏡のいずれかが下記(A)〜(E)を備えることを特徴とする。
(A)前記観察範囲に照明光を照射するための照明光照射用手段、
(B)前記観察範囲に第1の励起光を照射するための第1の励起光照射用手段、
(C)前記センチネルリンパ節に第2の励起光を照射するための第2の励起光照射用手段、
(D)前記照明光を照射して得た可視光と、前記第1の励起光を照射して得た、前記センチネルリンパ節検出用蛍光物質から発する第1の蛍光と、前記第2の励起光を照射して得た、前記癌細胞・癌組織検出用蛍光物質から発する第2の蛍光と、を受光して画像化するための画像撮像用手段、
(E)前記第1の励起光を照射して得た、前記観察範囲から発する第1の蛍光及び前記第2の励起光を照射して得た前記癌細胞・癌組織検出用蛍光物質から発する第2の蛍光を受光して蛍光測定するための蛍光測定用手段。
本発明に係る検査装置において、前記腹腔鏡のうち第1の腹腔鏡が、前記画像撮像用手段を備え、前記腹腔鏡のうち第2の腹腔鏡が、前記照明光照射用手段と、前記第1の励起光照射用手段と、前記第2の励起光照射用手段と、前記第1及び第2の蛍光測定用手段とを備えるように構成することができる。
本発明に係る検査装置において、前記腹腔鏡のうち第1の腹腔鏡が、前記照明光照射用手段と、前記画像撮像用手段とを備え、前記腹腔鏡のうち第2の腹腔鏡が、前記第1の励起光照射用手段と、前記第2の励起光照射用手段と、前記第1及び第2の蛍光測定用手段とを備えるように構成することができる。
本発明に係る検査装置において、
前記照明光を照射するための照明光源と、
前記第1の励起光を照射するための第1の励起光源と、
前記第2の励起光を照射するための第2の励起光源と、
前記可視光を画像化するための可視光撮像装置と、
前記第1の蛍光又は第2の蛍光を画像化するための蛍光撮像装置と、
前記可視光撮像装置及び蛍光撮像装置で得た画像情報を処理する画像処理装置と、
前記第1及び第2の蛍光から蛍光スペクトルを測定するための蛍光スペクトル測定装置と、
前記各光源及び装置を制御するための制御装置と、
前記装置からの出力結果を表示する表示装置と、
を少なくとも備えるように構成することができる。
本発明に係る検査方法及び検査装置によれば、センチネルリンパ節の正確な位置を特定し、高感度且つ高分解能でセンチネルリンパ節を検査して、癌細胞・癌組織の転移が有るか否かを判断するための情報を提供することができる。
詳しくは、この検査方法及び検査装置によれば、リンパ管・リンパ節、癌細胞・癌組織から発生する蛍光画像によりその位置を捉え、また励起光照射により発生した蛍光を受光しそのスペクトル情報から位置情報が正しいか確認することができるので、癌転移の有無についてその場で情報を得ることができる。得られた検査結果と他の検査結果及び医師の診断により、癌の転移の判断を短時間で行うことができ、適切な治療方針の決定に役立つことができる。手術が必要な場合には、手術時間を短縮でき、また無用なリンパ節廓清を無くすことができるので、患者への負担を軽減することができる。
本発明に係る検査装置の一例(ケース1)を示す構成図、及び位置観察ステップを示す説明図である。 図1の検査装置を用いて第2励起光照射ステップを示す説明図である。 本発明に係る検査装置の他の一例(ケース2)を示す構成図、及び位置観察ステップを示す説明図である。 図3の検査装置を用いて第2励起光照射ステップを示す説明図である。 本発明に係る検査装置の他の一例(3本の腹腔鏡)を示す構成図である。 ケース1の検査装置で用いた励起光照射用の腹腔鏡の一例を示す断面図である。 ケース1の検査装置で用いた撮像用の腹腔鏡の一例を示す断面図である。 ケース1の検査装置で用いた励起光照射用の腹腔鏡の他の一例を示す断面図である。 ケース2の検査装置で用いた励起光照射用の腹腔鏡の一例を示す断面図である。 ケース2の検査装置で用いた撮像用の腹腔鏡の一例を示す断面図である。 リレーレンズ系を使用した撮像用の腹腔鏡、撮像装置、及び画像処理部の一例を示す構成図である。 撮像用の腹腔鏡に接続される撮像装置及び画像処理部の一例を示す構成図である。 モニタの表示画像の一例を示す説明図である。 撮像装置の構成例である。 蛍光測定部の一例を示す説明図である 蛍光測定部の他の一例を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の技術的範囲は、以下の記載や図面にのみ限定されるものではない。
[検査方法]
本発明に係る検査方法は、図1〜図4に示すように、少なくとも2つの腹腔鏡10,20を用い、観察範囲P内にあるセンチネルリンパ節Sへの癌細胞・癌組織の転移の判断のための情報を提供する検査方法である。そして、その主要な構成は、センチネルリンパ節Sの位置を確認するステップと、第2の励起光Cを照射するステップと、第2蛍光画像を表示するステップ及び/又は蛍光スペクトルを表示する表示ステップと、を有する。
詳しくは、位置確認ステップは、図1及び図3に示すように、観察範囲Pに照明光Aを照射して得た可視光画像と、観察範囲Pに第1の励起光Bを照射して得た第1の蛍光画像とを重畳表示して、センチネルリンパ節の位置を確認するステップである。第2励起光照射ステップは、図2及び図4に示すように、位置を確認した前記センチネルリンパ節の中から選択したセンチネルリンパ節Sに対し、該センチネルリンパ節Sのサイズに合わせた第2の励起光Cを照射するステップである。表示ステップは、図2及び図4に示すように、その第2の励起光Cを照射して得た第2の蛍光cを受光して第2の蛍光画像を表示するステップ(第2蛍光画像表示ステップという。)、及び、第2の励起光Cを照射して得た第2の蛍光cから蛍光スペクトルを測定して表示するステップ(蛍光スペクトル表示ステップという。)、の一方又は両方の表示ステップである。
検査方法が上記各ステップで構成されることにより、センチネルリンパ節Sの正確な位置を特定し、高感度且つ高分解能でセンチネルリンパ節Sを検査して、癌細胞・癌組織の転移が有るか否かを判断するための情報を提供することができる。さらに詳しく説明すれば、第1の励起光Aの照射によりリンパ管・リンパ節から発生する第1の蛍光を画像化した蛍光画像によりその位置を捉えることができ、また第2の励起光Cの照射によりセンチネルリンパ節Sから発生した第2の蛍光cを測定したスペクトル情報から癌細胞・癌組織の転移の有無についての情報を、その場で得ることができる。得られた検査結果、他の検査結果及び医師の診断により、癌細胞・癌組織の転移の判断を短時間で行うことができ、適切な治療方針の決定に役立つことができる。手術が必要な場合には、手術時間を短縮でき、また無用なリンパ節廓清を無くすことができるので、患者への負担を軽減することができる。
本発明に係る検査方法は、早期癌への対応に極めて有効である。例えば、腹腔鏡によって癌が胃の外から見える場合は、もはや早期癌ではなく、胃を大きく切除する手術が一般的に行われている。この発明では、図13(A)に示すように、他の一般的な検査手段で予め癌の病変部C’の存在とおよその位置がわかっている場合、その病変部C’の癌が近くに転移しているか否かを、病変部C’近くのセンチネルリンパ節Sを検査し、判断情報を提供するという検査方法である。
[検査装置]
本発明に係る検査装置1は、図1〜図4に示すように、少なくとも2つの腹腔鏡10,20を用い、観察範囲P内にあるセンチネルリンパ節Sへの癌細胞・癌組織の転移の判断のための情報を提供する検査装置である。そして、腹腔鏡10,20のいずれかが下記(A)〜(E)の各手段を備えることに特徴がある。
(A)観察範囲Pに照明光Aを照射するための照明光照射用手段、
(B)観察範囲Pに第1の励起光Bを照射するための第1の励起光照射用手段、
(C)センチネルリンパ節Sに第2の励起光Cを照射するための第2の励起光照射用手段、
(D)照明光Aを照射して得た可視光aと、第1の励起光Bを照射して得た、センチネルリンパ節検出用蛍光物質から発する第1の蛍光bと、第2の励起光Cを照射して得た、癌細胞・癌組織検出用蛍光物質から発する第2の蛍光cと、を受光して画像化するための画像撮像用手段、
(E)第1の励起光Bを照射して得た、観察範囲Pから発する前記第1の蛍光b、及び第2の励起光Cを照射して得た、癌細胞・癌組織検出用蛍光物質から発する前記第2の蛍光cを受光して蛍光測定するための蛍光測定用手段。
なお、この検査方法は、図1〜図4に示すような2本の腹腔鏡10,20で構成された検査装置1(1A,1B)を主に用いているが、図5に示すような3本の腹腔鏡10,20,30で構成された検査装置(1C)を用いてもよい。
以下では、2本の腹腔鏡10,20を用いた検査装置1について説明する。
図1及び図2に示すケース1の検査装置1Aは、腹腔鏡10が、照明光照射機能と、第1励起光照射機能と、第1蛍光受光機能と、第2励起光照射機能と、第2蛍光受光機能とを担い、腹腔鏡20が、撮像機能を担っている。一方、図3及び図4に示すケース2の検査装置1Bは、腹腔鏡10が、第1励起光照射機能と、第1蛍光受光機能と、第2励起光照射機能と、第2蛍光受光機能とを担い、腹腔鏡20が、照明光照射機能と、撮像機能とを担っている。なお、図5に示す検査装置1Cは、腹腔鏡10が、照明光照射機能と、第1励起光照射機能とを担い、腹腔鏡20が、第1蛍光受光機能と、第2励起光照射機能と、第2蛍光受光機能とを担い、腹腔鏡30が、撮像機能を担っている。
[検査方法/ケース1]
先ず、ケース1の検査装置1Aを用いた場合の検査方法について説明する。検査方法は、上記のとおり、センチネルリンパ節Sの位置を確認するステップと、第2励起光Cを照射するステップと、第2蛍光画像を表示する表示ステップ及び/又は蛍光スペクトルを表示する表示ステップとを有する。ここで用いるケース1の検査装置1Aは、腹腔鏡10が、照明光照射機能と、第1励起光照射機能と、第1蛍光受光機能と、第2励起光照射機能と、第2蛍光受光機能とを担い、腹腔鏡20が、撮像機能を担っている。なお、撮像機能を有する腹腔鏡20を「撮像用腹腔鏡20」ともいう。
(位置観察ステップ)
位置確認ステップでは、図1に示すように、腹腔鏡10から観察範囲Pに照明光Aを照射し、可視光aを腹腔鏡20で受光して得た可視光画像と、腹腔鏡10から観察範囲Pに第1の励起光Bを照射し、第1の蛍光bを腹腔鏡20で受光して得た第1の蛍光画像とを重畳表示して、センチネルリンパ節の位置を確認する。
先ず、検査する前に、患者には、リンパ節に浸入し、近赤外線である第1の励起光Bの照射により発光する第1の蛍光物質を予め投与しておくか、又はその第1の蛍光物質を検査前に直接注入する。第1の蛍光物質としては、インドシアニングリーンを挙げることができる。さらに、患者には、癌細胞・癌組織と特異結合し、第2の励起光Cの照射により発光する第2の蛍光物質を予め投与しておく。第2の蛍光物質としては、タラポルフィリン、レザフィリン、ヘマトポルフィリン、5-アミノレブリン酸等を挙げることができる。
そして、患者に2つの小さな挿入口Hを形成し、腹部に炭酸ガスを注入して膨らまし、これら2つの挿入口Hそれぞれに腹腔鏡10,20を挿入する。こうした準備が終了した後、撮像用腹腔鏡20の観察範囲Pに、腹腔鏡10から照明光Aを照射する。照明光Aは可視光領域の白色光等が使用される。そして、撮像用腹腔鏡20で観察範囲Pで反射した可視光aを受光し、その可視光aを撮像装置90に導光させる。撮像装置90に導光された可視光aは、図12に示すように、撮像装置90に設けられたダイクロイックミラー92を透過してCCDカメラ93で撮像される。CCDカメラ93で撮像された可視光の画像は、可視光画像処理部120に供給されて可視光画像処理され、記録装置(図示しない)に保存する。処理画像は、図13(A)に示すように、表示の指示に従って観察範囲Pの可視光画像がモニタ200に表示される。モニタ200に表示された可視光画像によって、病変部C’のある臓器の外側を確認することができる。
照明光Aを照射するための照明光照射用光源としては、ハロゲンランプ等のランプや白色LED光源を使用できる。第1の励起光Bを照射するための第1励起光線源としては、ハロゲンランプや赤外線レーザー光源等の近赤外線源を使用できる。このうち、広い波長の光を発するハロゲンランプを使用する場合は、見たい可視光画像に使う波長帯以外の波長は光学フィルタを用いてカットすることが好ましい。例えば、可視光画像を撮像する場合は、第1の蛍光物質を励起する第1の励起光Bから照射される近赤外線や、第2の蛍光物質を励起する第2の励起光Cから照射される波長を、光学フィルタでカットして、可視光画像を形成するのに必要な波長の光を用いることが好ましい。近赤外線を照射する場合も同様であり、光学フィルタで不要な光をカットして、可視光画像を形成するのに必要な波長の光を用いることが好ましい。波長の選定は、レーザー光源やLED光源を用いると容易であり、且つ不要な波長が少ないので、照射部の発熱も低減できる。
次いで、図13(B)に示すように、病変部C’の周辺部に存在するセンチネルリンパ節Sの特定を行う。センチネルリンパ節Sの特定は、図1に示すように、第1励起光源60を点灯させ、腹腔鏡10から波長が700nm〜830nm(一例として780nm)の第1の励起光B(近赤外線)を観察範囲Pに照射して行う。第1の蛍光物質として例えばインドシアニングリーンを患者に投与した場合、このインドシアニングリーンに波長が700nm〜830nmの近赤外線を照射すると、インドシアニングリーンは、波長が830nm〜850nmの蛍光(第1の蛍光b)を発光する。
このようにして発光した第1の蛍光bを腹腔鏡20で受光して撮像装置90に導光する。撮像装置90に導光された第1の蛍光bは、図12に示すように、ダイクロイックミラー92によって近赤外線CCDカメラ94に導かれ、近赤外線CCDカメラ94は、この第1の蛍光bを画像化して撮像する。この際、近赤外線CCDカメラ94のレンズの前方には、第2フィルタ96を装着し、第1の励起光Bの照射により発光する波長が830nm以上(一例として850nm)の第1の蛍光b又は830〜850nm(一例として850nm)の第1の蛍光bのみを近赤外線CCDカメラ94に導いて撮像する。撮像された第1の蛍光bは、蛍光画像処理部130に供給され、図13(B)に示すように、蛍光画像処理部130に処理された第1の蛍光画像がモニタ200に表示される。なお、図13(C)は、可視光画像と第1の蛍光画像とを重畳的に表示したものである。このモニタ200の表示に基づいてセンチネルリンパ節Sの特定が医師により行われる。
可視光画像と第1の蛍光画像とが同じ位置を撮影していることが、得られた結果に基づいた診断にとって重要となる。そのためには、腹腔鏡20で両方の画像が撮影できることは便利である。また、腹腔鏡10で照明光Aの照射と第1の励起光Bの照射の両方が行えることも便利である。
(第2励起光照射ステップ)
第2励起光照射ステップでは、図2に示すように、位置を確認したセンチネルリンパ節S1,S2,S3等の中から選択したセンチネルリンパ節Sに対し、そのセンチネルリンパ節Sのサイズに合わせた第2の励起光Cを腹腔鏡20から照射する。
先ず、特定されたセンチネルリンパ節Sに、腹腔鏡10から第2の励起光Cを照射する。患者には、癌細胞・癌組織に特異結合する第2の蛍光物質を予め投与しているので、センチネルリンパ節Sに第2の励起光Cを照射することで第2の蛍光物質が励起されて第2の蛍光物質に特有の第2の蛍光cが検出された場合においては、そのセンチネルリンパ節Sに癌細胞・癌組織の存在を確認することができる。こうしたステップによって、センチネルリンパ節Sに癌細胞・癌組織が転移しているか否かを検査することができる。
第2の励起光Cは、可視光領域の光であり、その第2の励起光Cの照射によって生じた第2の蛍光cも可視光領域の蛍光である。それらの波長は第2の蛍光物質の種類によって決まるので、その種類に応じた波長の第2の励起光Cを照射する。なお、第2の蛍光物質としては、タラポルフィリン、レザフィリン、ヘマトポルフィリン、5-アミノレブリン酸等を挙げることができる。こうした第2の蛍光物質から第2の蛍光cを生じさせる第2の励起光Cとしては、例えば664nmのピーク波長を持つ光を挙げることができ、その結果として生じる第2の蛍光としては、672nmのピーク波長を持つ光を挙げることができる。また、第2の励起光Cとして、例えば405nmのピーク波長を持つ光も挙げることができ、その結果として生じる第2の蛍光cとしては、633nmのピーク波長をもつ光を挙げることができる。
第2の励起光Cを当てるサイズは、照射するセンチネルリンパ節Sと同じサイズであることが望ましい。そのため、第2の励起光Bを照射する腹腔鏡10には、センチネルリンパ節Sと同じ大きさ程度のサイズに絞って第2の励起光Cを照射させるための励起光絞り手段が設けられている。センチネルリンパ節Sは、外径が約1mm〜2mmであるので、腹腔鏡10では、第2の励起光Cのサイズを、センチネルリンパ節Sと同じ程度の約0.05mm〜2.5mmの範囲に絞って照射する。好ましくは0.1mm〜1mmの範囲である。励起光を絞ると励起光の強度が増すことから、特定されたセンチネルリンパ節Sに強度の高い励起光を照射することも可能になるという利点も併せ持つ。強度が高まった第2の励起光Cを照射することにより、センチネルリンパ節Sに含有される第2の蛍光物質が微量でも、励起光の強度に比例した第2の蛍光強度が得られるので、比較的高い蛍光強度が得られる。また、センチネルリンパ節Sと同程度のサイズで照射した第2の励起光Cの焦点位置を移動させれば、癌の位置を特定することも可能であり、高感度、高分解能の観察も可能になる。
このように、第2の励起光Cをセンチネルリンパ節Sと同じ程度の大きさで当てる効果は、検査対象とするセンチネルリンパ節の周囲に存在する癌細胞・癌組織からのノイズとなる蛍光を低減することができ、検査の精度を高めることにつながる。
(表示ステップ)
表示ステップは、上記した第2の励起光照射ステップで第2の励起光Cを照射し、得られた第2の蛍光cを処理して表示するステップである。この表示ステップでは、表示方法を第2蛍光画像だけの表示とするか、蛍光スペクトルだけの表示とするか、その両方とするかを任意に選択することができる。すなわち、この表示ステップでは、第2の励起光Cを照射して生じた第2の蛍光cを腹腔鏡20で受光し、受光した第2の蛍光cを画像化して第2の蛍光画像を表示する。また、蛍光スペクトル表示ステップでは、第2の励起光Cを照射して生じた第2の蛍光cを腹腔鏡20で受光し、受光した第2の蛍光cから蛍光スペクトルを測定して表示する。この表示ステップでは、第2蛍光画像の表示と、蛍光スペクトル測定結果の表示とを併せて行ってもよいし、第2蛍光画像の表示だけを行ってもよいし、蛍光スペクトル測定結果の表示だけを行ってもよい。なお、第2蛍光画像の表示と、蛍光スペクトル測定結果の表示とを併せて行う場合、それらを別々に表示してもよいし、並べて表示してもよい。
第2の励起光Cを照射して生じた第2の蛍光cは、図2に示すように、腹腔鏡10で受光され、蛍光受光用光ファイバケーブル27で蛍光測定部80に導光される。なお、第2の励起光Cを特定したセンチネルリンパ節Sの場所に正しく照射できるように、第2の励起光Cの照射位置を表示するレーザーポインタ等の目印機能を腹腔鏡10に設けてもよい。レーザーポインタとしては、各種のものを適用でき、例えば緑色等のレーザーポインタを用いることができる。
蛍光測定部80が「蛍光検出器」である場合、蛍光検出器は、第2の蛍光物質が発する第2の蛍光cの波長のみを検出するように光学フィルタを選択して設ける等して設定しておく。この蛍光検出器が、第2の蛍光物質が発する第2の蛍光cを検出すれば、測定結果表示制御部160は、蛍光検出器が第2の蛍光cを検出したことをモニタ200に表示する。そのため、医師は、第2の蛍光物質が発する第2の蛍光cの波長を検出したか否かをモニタ200の表示によって判断することができる。蛍光検出器が、第2の蛍光物質が発する第2の蛍光cを検出し、その結果がモニタ200に表示されれば、センチネルリンパ節Sには癌細胞・癌組織と結合した第2の蛍光物質が存在することになる。その場合には、センチネルリンパ節Sに癌細胞・癌組織が転移していることが判明する。
例えば、図13(C)に示すように、近赤外線CCDカメラ94が撮像した第1の蛍光aに基づいて画像処理された第1の蛍光画像をモニタ200に表示すると、センチネルリンパ節Sの位置を視覚的に特定することができる。この場合、重畳画像処理部140によって、可視光画像と第1の蛍光画像とをモニタ200に重畳的に表示させることで、位置を視覚的に正確に把握することができる。この可視光画像と第1の蛍光画像の重畳画像は、リアルタイムに重畳する処理であることが好ましい。
また、図13(E)に示すように、検査するセンチネルリンパ節をモニタの中心に来るように腹腔鏡20と腹腔鏡10とを調整することで、センチネルリンパ節の検査をしやすくする。具体的には、検査するセンチネルリンパ節をモニタの中心に来る位置で重畳画像を作成する。検査するセンチネルリンパ節に腹腔鏡10から出射する第2の励起光Cが照射できるように、そのセンチネルリンパ節Sに第2の励起光Cを照射して得た第2の蛍光強度をモニタに表示し、更に撮像用の腹腔鏡10で第2の励起光Cの照射位置画像をモニタに表示する。照射位置画像でモニタ上の第2の励起光Cの照射位置が重畳画像の前記センチネルリンパ節Sの場所にくるように、腹腔鏡10の照射位置を調整する。照射位置が決まったら、第2の蛍光強度のモニタで第2の蛍光cが観察されるかを確認する。前記第2の励起光Cの照射スポット径がセンチネルリンパ節と同じ程度であるので、そのセンチネルリンパ節で蛍光が検出されるかを確認する。
これに対し、蛍光測定部80が「分光器」である場合、分光器に導光された第2の蛍光cは、分光器によって蛍光波長スペクトルが測定される。この測定結果は、蛍光スペクトルの波形及び指定された波長の強度の数値がモニタ200に表示される。医師は、こうしたモニタ200の表示を分析することで、第2の蛍光物質が発する第2の蛍光cが含まれているか否かを判断する。分析の結果、第2の蛍光物質が発する第2の蛍光cの波長が存在すれば、センチネルリンパ節Sには癌細胞・癌組織と結合した第2の蛍光物質が存在することになる。その場合には、センチネルリンパ節Sに癌細胞・癌組織が転移していることが判明する。なお、検査装置1にモニタ200のみを設け、分光された蛍光波長スペクトルの結果をモニタ200に併せて表示してもよい。また、蛍光測定部80が「分光器」である場合にも、図14や図16に示すように、必要に応じて分光器の入射部手前に光学フィルタを選択して設置することで、ノイズとなる波長帯を遮断したり、測定に必要な波長だけを透過させることで波長スペクトルを正確に分析することができる。
以上の表示ステップから、本発明に係る検査方法は、癌細胞・癌組織の転移の診断に役立てることができる。すなわち、センチネルリンパ節検査ステップで得られた結果と、他の検査結果や医師の判断とに基づいて転移の診断を行うことができ、治療方針を決めることができる。
なお、可視光画像と、第1の蛍光画像と、第2の蛍光画像と、第2の蛍光強度の測定結果とを任意に組み合わせて、癌細胞・癌組織が転移したセンチネルリンパ節及び癌細胞・癌組織の位置を視認化するステップを、視認化ステップということができる。
(第2の蛍光強度の測定)
センチネルリンパ節Sに癌細胞・癌組織が存在する場合、その癌細胞・癌組織は第2の蛍光物質と特異結合する。しかし、センチネルリンパ節は小さく、癌細胞・癌組織に特異結合された第2の蛍光物質から発する第2の蛍光は蛍光強度が弱い。そのため、第2の励起光Cを観察範囲内でセンチネルリンパ節よりも広い範囲(第1の励起光Bの照射範囲と同程度に広い範囲)に照射した場合は、第2の蛍光cのスペクトルが測定できない可能性が高い。こうしたことから、第2の励起光Cをセンチネルリンパ節Sの大きさと同じ大きさに絞り、センチネルリンパ節Sに照射することが望ましい。
センチネルリンパ節Sに、その大きさと同程度の第2の励起光Cを照射することによって、癌細胞・癌組織と特異結合した第2の蛍光物質から発する第2の蛍光cを選択的に検出できる。したがって、第1の蛍光画像を基にして、特定したセンチネルリンパ節Sの位置に腹腔鏡10を固定し、その腹腔鏡10から第2の励起光Cを照射し、照射した位置から第2の蛍光cが検出されるかどうか(第2の蛍光cが出るか出ないか)を確認して癌細胞・癌組織がセンチネルリンパ節Sに転移しているかどうかを判断することができる。
以上説明したケース1の検査装置1を用いた検査方法によれば、観察範囲Pの所定のセンチネルリンパ節と同じ大きさに第2の励起光Cを照射するため、高感度で高分解能の診断を行うことができる。また、癌細胞・癌組織が転移しているか否か、転移している場合にはどの位置に転移しているかを正確に診断することができる。
例えば、第2の蛍光cでセンチネルリンパ節に例えば胃癌の転移が見つからなかった場合は、10mm程度の大きさの早期の胃癌C’の部分を切除することになる。胃癌が胃の外側にある場合は、その部分を腹腔鏡手術で切除することができ、胃の内側にある場合は、内視鏡手術で切除することができる。その後においては、後述のように、第2の励起光Cを広く当てることにより、癌細胞・組織が残っている場合、第2の蛍光cが光るので、癌の取り残しが有るか否かを確認できる。
(検査方法の応用)
検査方法の応用例として、上記した本発明に係る検査方法で提供されたセンチネルリンパ節Sへの転移情報を基にして、病変部C’の癌細胞・癌組織を切除した後にも適用することができる。すなわち、その癌細胞・癌組織を切除した後に、切除した部分に癌細胞・癌組織が残っていないことを確認するために、上記本発明に係る検査方法を行うことができる。
すなわち、病変部C’を切除した部分に第2の励起光Cを照射した結果、第2の蛍光画像で観察され、又は第2の蛍光スペクトルや第2蛍光強度が検出されれば、病変部C’に癌細胞・癌組織の取り残しがあることがわかる。また、病変部C’を切除した部分に第2の励起光Bを照射した結果、第2の蛍光画像で観察できず、又は第2の蛍光スペクトルや第2蛍光強度が検出されなければ、病変部C’に癌細胞・癌組織の取り残しがないことがわかる。そのため、この検査方法を適用した観察や検出によって、癌細胞・癌組織の切除手術が確実に行われたか否かの確認ができる。癌細胞・癌組織が残っていた場合は、第2の蛍光画像で観察された部分、又は第2の蛍光スペクトルや第2蛍光強度が検出された部分を除去する。このとき、第2の励起光Cを広く照射して第2の蛍光cが光るか光らないかを検出すれば、癌細胞・癌組織の取り残しを広い範囲で確認することができる。
なお、この応用例は腹腔鏡によるものに限らず、例えば内視鏡に同じ機能を持たせることでも行うことができる。
また、切除後に上記検査方法を適用して観察する範囲は、当初の観察範囲よりも拡げてもよい。癌細胞・癌組織を切除した後に、当初の範囲よりも拡げて観察することにより、切除した癌細胞・癌組織の周辺に存在する可能性のある他の癌細胞・癌組織を見つけ、引き続いて切除するのが有効であるか否かの判断情報とすることができる。本発明に係る検査方法は、こうした再検査手段としても有効に利用することができる。
[検査方法/ケース2]
ケース2の検査装置1Bを用いた場合の検査方法も、上記のとおり、センチネルリンパ節Sの位置を確認するステップと、第2の励起光Cを照射するステップと、第2蛍光画像を表示する表示ステップ及び/又は蛍光スペクトルを表示する表示ステップとを有するが、ここで用いるケース2の検査装置1Bは、図3及び図4に示すように、腹腔鏡10が、第1励起光照射機能と、第1蛍光受光機能と、第2励起光照射機能と、第2蛍光受光機能とを担い、腹腔鏡20が、照明光照射機能と、撮像機能とを担っている。
各機能は、ケース1の検査装置1Aと同じであるので、ここではその説明を省略するが、大きな違いは、このケース2の検査装置1Bは、撮像用の腹腔鏡20が、照射用の腹腔鏡を兼ねている点であり、それ以外はケース1の検査装置と同じである。
[検査方法/ケース3]
ケース3の検査装置1Cを用いた場合の検査方法も上記のとおり、センチネルリンパ節Sの位置を確認するステップと、第2の励起光Cを照射するステップと、第2蛍光画像を表示する表示ステップ及び/又は蛍光スペクトルを表示する表示ステップとを有するが、ここで用いるケース3の検査装置1Cは、図5に示すように、腹腔鏡10が、照明光照射機能と、第1励起光照射機能とを担い、腹腔鏡20が、第1蛍光受光機能と、第2励起光照射機能と、第2蛍光受光機能とを担い、腹腔鏡30が、撮像機能を担っている。
各機能は、ケース1の検査装置1Aと同じであるので、ここではその説明を省略するが、大きな違いは、このケース3の検査装置1Cは、3本の腹腔鏡に役割を分担させている点である。
[検査装置の構成]
次に、図1〜図5に示した各検査装置1(1A,1B,1C)の構成を説明する。検査装置1は、照明光照射用手段、第1の励起光照射用手段、第2の励起光照射用手段、画像撮像用手段、蛍光測定用手段を備えている。以下では、ケース1の検査装置1Aを例にして、腹腔鏡10が、照明光照射用手段、第1の励起光照射用手段、第2の励起光照射用手段、蛍光測定用手段として機能し、腹腔鏡20が、画像撮像用手段として機能する場合について説明するが、必要に応じてケース2の検査装置1Bについても説明する。
腹腔鏡10は、観察範囲Pに照明光Aを照射する手段であるとともに、観察範囲Pに第1の励起光B(近赤外線)及び第2の励起光Cを照射する手段である。さらに、観察範囲P内でリンパ節やリンパ管を検出するための第1の蛍光物質及び癌細胞・癌組織を検出するための第2の蛍光物質の一方又は両方から発する蛍光b,cによる蛍光画像を導光する手段である。腹腔鏡20は、観察範囲Pで反射した可視光aによる可視光と第1の蛍光物質及び第2の蛍光物質の一方又は両方から発する蛍光b,cとを撮像装置90に導光する手段である。
こうした腹腔鏡10,20を備えた検査装置1は、例えば腹腔鏡10から観察範囲Pに照明光A及び第1の励起光Bを照射するので、照明光Aの可視光画像と第1の励起光Bの照射により第1の蛍光物質から発光した蛍光画像とにより、病変部のある臓器の外側周辺の広い範囲でセンチネルリンパ節Sの正確な位置の特定と分布がわかる。そして、第2の蛍光物質から第2の蛍光cを発生させるための第2の励起光Cを照射するので、その第2の励起光Cを、センチネルリンパ節の大きさにほぼ等しい大きさのスポットサイズに絞り込んで当てることにより、高感度且つ高分解能でセンチネルリンパ節を検査することができ、センチネルリンパ節に存在する癌細胞・癌組織の検査を実現できる。また、検査対象のセンチネルリンパ節に第1の励起光Bを照射し、その第1の励起光Bで生じた第1蛍光画像を撮影することで、検査対象のセンチネルリンパ節の位置と励起光の照射位置との確認を表示手段(モニタ)200上で行うことができる。
(腹腔鏡10)
図6は、ケース1の検査装置1Aで用いられる腹腔鏡10Aの一例を示す断面構成図である。腹腔鏡10Aは、図6に示すように、照明光照射用光ファイバ301を照明光照射用手段として備え、第1励起光照射用光ファイバ303を第1の励起光照射用手段として備え、第2励起光照射用光ファイバ302を第2の励起光照射用手段として備え、蛍光受光用光ファイバ304を蛍光測定用手段として備えている。
図6に示す腹腔鏡10Aは、細長い円筒状のシースチューブ305内に、シールドパイプ302a内に挿入された第2励起光照射用光ファイバ302が1本配置されている。その第2励起光照射用光ファイバ302の周りには、4本の第1励起光照射用光ファイバ303が配置されている。その第2励起光照射用光ファイバ302と第1励起光照射用光ファイバ303の周りには、複数の蛍光受光用光ファイバ304が配置され、さらにその周りのシースチューブ305の内壁面には、複数の照明光照射用光ファイバ301が配置されている。なお、シールドパイプ302aは、第2励起光照射用光ファイバ302から漏れた励起光が他の光ファイバに影響することを防ぐように作用する。また、腹腔鏡10Aの先端には、レンズ等が設けられていてもよく、光の広がりを調製することができる。
各光ファイバの本数や配置は特に限定されないが、図6に示すような配置関係にすることが好ましい。シースチューブ305内には、樹脂等の充填剤を含んでいてもよく、その充填剤が接着剤であることが好ましい。なお、図8の例は、シースチューブ305内の中心に1本の第2励起光照射用光ファイバ302と4本の第1励起光照射用光ファイバ303とを配置し、シースチューブ305の内壁面側に蛍光受光用光ファイバ304と照明光照射用光ファイバ301とを配置した例であり、特に、励起光照射用光ファイバ302,303と蛍光受光用光ファイバ304との間隔を空けた例を示す断面構成図である。
腹腔鏡10Aは、各光ファイバが分岐部(図示しない)で分岐される。分岐された各光ファイバは、図1に示すように、それぞれに配線されて接続される。例えば、照明光照射用光ファイバ301は、照明光照射用光ファイバケーブル14として照明光源50に接続し、第1励起光照射用光ファイバ303は、第1励起光照射用光ファイバケーブル15として第1励起光源60に接続し、第2励起光照射用光ファイバ302は、第2励起光照射用光ファイバケーブル26として第2励起光源70に接続し、蛍光受光用光ファイバ304は、蛍光受光用光ファイバケーブル27として蛍光測定部80に接続している。なお、それぞれの光ファイバケーブルは、バンドル構造としたり、保護カバーが設けられていたり、接着剤等の固定手段で固定されていてもよい。
なお、図9は、ケース2の検査装置1Bで用いられる腹腔鏡10Bの一例を示す断面構成図である。腹腔鏡10Bは、図9に示すように、複数の光ファイバで構成された光ファイババンドルであり、第1励起光照射用光ファイバ303を第1の励起光照射用手段として備え、第2励起光照射用光ファイバ302を第2の励起光照射用手段として備え、蛍光受光用光ファイバ304を蛍光測定用手段として備えている。このケース2の検査装置1Bは、ケース1の検査装置1Aとは異なり、腹腔鏡10Bが照明光照射用手段を有さないので、図9に示す腹腔鏡10Bも照明光照射用光ファイバ301を有していない。それ以外は、腹腔鏡10Aの構成と同じである。
(腹腔鏡20)
図7は、ケース1の検査装置1Aで用いられる腹腔鏡20Aの一例を示す断面構成図である。腹腔鏡20Aは、図7に示すように、撮像用光ファイババンドル310を画像撮像用手段として備えている。この腹腔鏡20Aは、細長い円筒状のシースチューブ313内の中央に、撮像用光ファイババンドル310が配置されている。その撮像用光ファイババンドル310の周りには充填剤311が充填されている。こうした配置は特に限定されないが、図7に示すような配置関係にすることが好ましい。また、図示はしないが、撮像用光ファイババンドル310の先端側に集光用レンズがあってもよい。撮像用光ファイババンドルは、図1に示すように、撮像用ファイバケーブル27として撮像装置90に接続している。
なお、図10は、ケース2の検査装置1Bで用いられる腹腔鏡20Bの一例を示す断面構成図である。この腹腔鏡20Bは、図10に示すように、撮像用光ファイババンドル310を画像撮像用手段としてシースチューブ313内の中央に備え、照明光照射用光ファイバ312を照明光照射用手段としてシースチューブ313の内壁面側に備えている。こうした配置は特に限定されないが、図10に示すような配置関係にすることが好ましい。また、図示はしないが、撮像用光ファイババンドル310の先端側に集光用レンズがあってもよい。撮像用光ファイババンドル310は、図3に示すように、撮像用ファイバケーブル41として撮像装置90に接続し、照明光照射用光ファイバ301は、照明光照射用光ファイバケーブル14として照明光源50に接続している。
これらの腹腔鏡10,20は、患者に装着される。腹腔鏡10,20の患者への装着は、図1〜図4に示すように、腹腔鏡10、20にホルダ11,21を取り付け、患者に形成された挿入口Hから予め腹部に炭酸ガスを導入して膨らませておき、腹腔鏡10,20の先端から内部に挿入して行う。ホルダ11,21は、円筒状に形成された部材であり、患者の外皮に形成された挿入口Hの内側(内壁部)に挿入されて配置され、そのホルダ11,21によって腹腔鏡10,20を挿入口Hに気密に保持することができる。ホルダ11,21の中央は、軸方向に延びる貫通部を有し、シースチューブ12,22は、その貫通部に挿入されてホルダ11,21に保持される。
腹腔鏡10,20の先端には、その先端を密閉する透明封止部13,24が設けられていることが好ましい。この透明封止部13,24は、ガラスやプラスチックフィルム等の透明な部材で構成されており、光ファイバの先端から出射される照明光A及び第1の励起光B(近赤外線)を観察範囲Pを含む広い範囲に照射できるようになっているとともに、可視光a、第1の蛍光b及び第2の蛍光cを受光できるようになっている。
ケース1の検査装置1Aでは、図1に示すように、腹腔鏡10は、広い観察範囲Pに照明光Aと第1の励起光Bを照射する。ここでいう「観察範囲P」は、センチネルリンパ節を検出するための第1の蛍光物質を観察する範囲のことである。図1に示すように、照明光Aと第1の励起光Bとを広い観察範囲Pに照射することにより、撮像用の腹腔鏡20を用いて内蔵表面Qを容易に観察できると共に、照明光Aの強度分布の影響も小さくでき、受光強度が撮像する観察範囲Pで均一化できる。
広い観察範囲Pに照射するためには、腹腔鏡10の先端構造を任意に設計して行う。腹腔鏡10の先端に透明封止部13だけを設けたものであってもよいし、腹腔鏡10の先端に透明封止部13を設けると共に、先端と透明封止部13との間にレンズ(図示しない)を設けてもよい。
一方、ケース2の検査装置1Bでは、図3に示すように、腹腔鏡10は、広い観察範囲Pに第1の励起光Bを照射し、腹腔鏡20は、広い観察範囲Pに照明光Aを照射する。図3に示すように、腹腔鏡10,20それぞれによって、第1の励起光Bと照明光Aとを広い観察範囲Pに照射することにより、撮像用の腹腔鏡20を用いて内蔵表面Qを容易に観察できると共に、照明光Aの強度分布の影響も小さくでき、受光強度が撮像する観察範囲Pで均一化できる。なお、透明封止部13とレンズは上記の場合と同様である。
(撮像用腹腔鏡の機能)
撮像用の腹腔鏡20は、図1〜図4に示すように、腹腔鏡10(ケース1の検査装置)又は腹腔鏡20(ケース2の検査装置)から照射した照明光Aが観察範囲Pで反射した可視光a、腹腔鏡10(ケース1,2の検査装置)から照射した第1の励起光Bにより励起され、観察範囲P内でリンパ節、リンパ管を検出するための第1の蛍光物質から発する第1の蛍光b、及び、腹腔鏡10(ケース1,2の検査装置)から観察範囲P内の特定のセンチネルリンパ節と同じ大きさに絞って照射した第2の励起光Cにより励起され、癌細胞・癌組織を検出するための第2の蛍光物質から発する第2の蛍光c、のいずれか1又は2以上の光を導光して画像化するための画像伝送手段である。
こうした撮像用の腹腔鏡20は、光ファイバケーブル41を介して撮像装置90に接続されており、その撮像装置90は、導光された可視光aを可視光画像とし、導光された第1の蛍光bを第1の蛍光画像とし、導光された第2の蛍光cを第2の蛍光画像とする。画像化された可視光画像と第1の蛍光画像とにより、病変部C’の周辺の広い範囲でセンチネルリンパ節の正確な位置の特定と分布を検知できる。また、第2の蛍光物質から発した第2の蛍光cを画像化した第2の蛍光画像を撮影することで、検査対象である特定のセンチネルリンパ節の位置と励起光の照射位置とを表示手段(モニタ)上で確認することができる。
(撮像装置)
撮像装置90は、撮像用の腹腔鏡20に接続されて、その撮像用の腹腔鏡20に導光された可視光aを画像化して可視光画像とし、一方、腹腔鏡20に導光された第1の蛍光bを画像化して第1の蛍光画像とし、その腹腔鏡20に導光された第2の蛍光cを画像化して第2の蛍光画像とすることができる。
具体的には、図11及び図12に示すように、外殻をなすハウジング91と、ハウジング91の内部に設けられた光分離手段であるダイクロイックミラー92(光分離手段92ともいう。)と、ダイクロイックミラー92によって分離された光を撮像するCCDカメラ93と、蛍光を撮像する近赤外線CCDカメラ94とを備えている。
光分離手段92は、腹腔鏡20から延びる光ファイババンドル41が導光した可視光a及び蛍光(第1の蛍光b、第2の蛍光c)を分離すると共に、画像処理部110に接続されている。具体的には、ダイクロイックミラー92は、光ファイバケーブル41内を導光する可視光aや蛍光b,cの進行方向に対して斜めに傾けられて配置されている。このダイクロイックミラー92は、可視光をそのまま透過させ、蛍光を透過させることなく反射させるように作用する。
(制御)
ケース1の検査装置1Aにおいて、腹腔鏡10は、図1に示すように、照明光照射用光ファイバケーブル14を介して照明光源50に接続され、第1励起光照射用光ファイバケーブル15を介して第1励起光源60に接続され、第2励起光照射用光ファイバケーブル26を介して第2励起光源70に接続され、蛍光受光用光ファイバケーブル27を介して蛍光測定部80に接続されている。照明光照射用光ファイバケーブル14は、照明光源50が発する照明光Aを腹腔鏡10の先端まで導光し、第1励起光照射用光ファイバケーブル15は、第1励起光源60が発する第1の励起光Bを腹腔鏡10の先端まで導光し、第2励起光照射用光ファイバケーブル26は、第2励起光源70が発する第2の励起光Cを腹腔鏡10の先端まで導光する。
照明光源50は、照明光Aを発する光源であれば特に限定されない。例えば、ハロゲンランプ、水銀ランプ若しくは白色LED等の白色光を発するもの、又は、可視光を発するものを使用することができる。
第1励起光源60は、第1の励起光Bを発する光源であれば特に限定されないが、波長が700nm〜830nmの近赤外線を発する光源が好ましい。第1励起光源60として、ハロゲンランプや水銀ランプを用いる場合は、700nm未満の波長をカットして使用することが好ましい。また、700nm〜830nmの波長帯のLED光源やレーザー光源を使用してもよい。
第2励起光源70は、レーザー光を発する半導体レーザーと、半導体レーザーをON/OFFするドライバとを備えている。第2励起光源70の励起光としては、発光させる蛍光物質の種類にもよるが、波長が400〜1300nmのレーザー光を使用することが好ましく、600〜1100nmのレーザー光を使用することがより好ましく、使用する蛍光物質に応じて選択して使用する。
腹腔鏡10の制御は、制御装置100で行われる。制御装置100は、上記した位置観察ステップで照明光Aと第1の励起光Bのタイミングを制御するタイミング制御部150を備えている。タイミング制御部150は、照明光源50及び第1励起光源60に接続され、さらに後述の第2励起光源70に接続されて、照明光源50の点灯と消灯を制御し、第1励起光源60の点灯と消灯を制御し、さらに後述する第2励起光源70の点灯と消灯を制御する。照明光源50、第1励起光源60及び第2励起光源70は、相互に関連づけられてタイミングが制御される。なお、タイミングの制御は、光を遮断するシャッターを設けて、そのシャッターを開閉させてタイミングを制御する方法でもよい。
こうしたタイミング処理部150は、(a)照射させる光源を適宜に切り換えて、観察範囲Pに照明光Aを照射して観察範囲Pの可視光画像を取得して全体を検査すること、(b)観察範囲Pに第1の励起光Bを照射して、第1の蛍光物質に基づく第1の蛍光画像を取得して、第1の蛍光物質が含有されている場所を特定すること、(c)可視光画像と第1の蛍光画像とを合成して、リンパ管やセンチネルリンパ節の位置を検査すること、(d)観察範囲Pの所定部位(センチネルリンパ節)に第2の蛍光物質を励起させる第2の励起光Cを照射して、第2の蛍光cを発生させ、第2の蛍光物質が結合する癌細胞・癌組織が存在するかを検査すること、等を行うことができる。こうした検査結果や他の検査結果が総合され、治療方針が決定されることになる。
なお、観察範囲Pに照明光Aのみを照射する場合には、照明光源50のみを点灯させ、第1励起光源60を消灯すると共に、後述する第2励起光源70のドライバをOFFにする。また、観察範囲Pに第1の励起光Bのみを照射する場合には、第1励起光源60のみを点灯させ、照明光源50を消灯すると共に、後述する第2励起光源70のドライバをOFFにする。また、観察範囲Pに照明光Aと第1の励起光Bの両方を照射する場合には、照明光源50及び第1励起光源60を共に点灯すると共に、後述する第2励起光源70のドライバをOFFにする。また、観察範囲Pに第1の励起光Bを照射すると共に、観察範囲P内の所定のセンチネルリンパ節に第2の励起光Cを照射する場合には、第1励起光源60を点灯すると共に第2励起光源70のドライバをONにし、照明光源50を消灯するように制御する。なお、観察範囲Pの所定のセンチネルリンパ節に後述する第2の励起光Cのみを照射する場合には、照明光源50及び第1励起光源60を消灯し、第2励起光源70のドライバをONにする。これら光源のON,OFFは、相互に関連づけられて制御され、その制御は、シャッターを設けて、シャッターを開閉させるタイミングを制御する等して行われる。
タイミング制御部150には、後述する画像処理部110の重畳画像処理部140が接続されており、モニタ200に表示させる画像の種類を照明光、近赤外線及び励起光の照射に関連づけて選択するように制御している。モニタ200への表示制御の詳細は後述する。
(画像処理部)
受光した可視光や蛍光等を画像化する画像処理は、画像処理部110で行う。その画像処理部110は、図11及び図12に示すように、可視光画像処理部120と蛍光画像処理部130と重畳画像処理部140とを備え、さらに画像切り換え部(図示しない)を備えている。
可視光画像処理部120は、可視光を画像化して可視光画像にするための処理部である。詳しくは、可視光画像処理部120は、光分離手段92によって分離された可視光をCCDカメラ93で取り込んで、その可視光を画像化した可視光画像をモニタ200に映し出すための処理部である。この可視光画像処理部120では、撮像装置90のハウジング91内に設けられたCCDカメラ93に接続され、そのCCDカメラ93が撮像した可視光(照明光が反射したもの。)を取り込んで画像化して可視光画像(カラー画像等)を得ている。
蛍光画像処理部130は、蛍光(主に第1の蛍光)を画像化して蛍光画像(主に第1の蛍光画像)にするための処理部である。詳しくは、光分離手段92によって分離された蛍光を近赤外線CCDカメラ94で取り込んで、その蛍光を画像化した蛍光画像をモニタ200に映し出すための処理部である。この蛍光画像処理部130では、撮像装置90のハウジング91内に設けられた近赤外線CCDカメラ94に接続され、その近赤外線CCDカメラ94が撮像した蛍光(第1の蛍光物質から発光した蛍光。)を取り込んで画像化して蛍光画像を得ている。
重畳画像処理部140は、可視光画像処理部120で得られた可視光画像と、蛍光画像処理部130で得られた蛍光画像とを重ね合わせて画像化した重畳画像をモニタ200に表示可能に処理する処理部である。画像を重ね合わせる処理は、第2の蛍光物質を励起する第2の励起光Cの照射位置(すなわち特定のセンチネルリンパ節の位置)を、可視光画像、蛍光画像又は重畳画像に重ね合わせる場合も同様の処理により行うことができる。
重畳画像処理部140は、既述したタイミング制御部150に接続されている。そのため、モニタ200に表示させる画像の選択は、タイミング処理部150で制御される照明光A、第1の励起光B及び第2の励起光Cの照射のタイミングに関連づけられている。
モニタ200に任意の画像を表示させるためのタイミング処理部150の制御としては、以下の例を挙げることができる。例えば、(1)観察範囲Pに照明光Aのみを照射するように照明光源50、第1励起光源60及び第2励起光源70が制御されている場合は、モニタ200には、可視光aを画像化した可視光画像が表示される。(2)また、観察範囲Pに第1の励起光Bのみを照射するように照明光源50、第1励起光源60及び第2励起光源70が制御されている場合は、モニタ200には、第1の蛍光物質から発した第1の蛍光bを画像化した第1の蛍光画像が表示される。(3)また、観察範囲P内の所定のセンチネルリンパ節に第2の励起光Cのみを照射するように照明光源50、第1励起光源60及び第2励起光源70が制御されている場合は、モニタ200には、第2の蛍光物質から発した第2の蛍光cを画像化した第2の蛍光画像が表示される。
これに対し、(4)照明光Aと第1の励起光Bとが同時に照射されるか又は交互に照射されるが、第2の励起光Cは照射されないように照明光源50、第1励起光源60及び第2励起光源70が制御されている場合は、モニタ200には、可視光画像及び第1の蛍光画像が重畳的に表示される。(5)また、第2の励起光Cが照射されるが、照明光Aと第1の励起光Bとは照射されないように照明光源50、第1励起光源60及び第2励起光源70が制御されている場合は、モニタ200には、予め撮像された可視光画像、第1の蛍光画像及び第2の蛍光画像が重畳的に表示される。そして、モニタ200への画像の表示は、各画像単体、選定された2つの画像、又は3つすべての重畳画像を選択することができる。(6)また、蛍光測定部80を使用して波長スペクトルを測定する場合は、特定のセンチネルリンパ節に特異結合される第2の蛍光物質は微量であるために、観察範囲Pに照射される照明光がノイズとなることから、照明光源50と第1励起光源60をOFFにして第2の蛍光を検出することが好ましい。
この検査装置1では、モニタ200に表示させる画像を、観察範囲Pに照射する照明光A、第1の励起光B及び第2の励起光Cを照射するタイミングに関連づけて自動的に切り換える自動モードの切り換え手段を備えていてもよいし、医師が手動で切り換える手動モードの切り換え手段を備えていてもよい。手動モードでの切り換え手段は、医師の判断に基づいて、モニタ200に表示させる画像の種類を自由に選択できる。
なお、第2の蛍光物質から第2の蛍光cを発光させるために照射する第2の励起光Cが近赤外光から赤外光の波長範囲である場合は、その光を近赤外線CCDカメラで測定して画像化し、上記した可視光画像と蛍光画像とを重ね合わせた重畳画像にさらに重ね合わせてもよい。また、第2の蛍光物質から第2の蛍光cを発光させるために照射する第2の励起光Cが可視光の波長範囲である場合は、その光をCCDカメラで測定して画像化し、上記した可視光画像と蛍光画像とを重ね合わせた重畳画像にさらに重ね合わせてもよい。これらの重ね合わせを行うことで、目的とした場所(センチネルリンパ節)に第2の励起光Cが照射されているか否かを確認することができる。
画像切り換え部(図示しない)は、可視光画像、蛍光画像又は重畳画像がモニタ200に選択的に表示させるための処理部である。なお、撮像した画像や画像処理した後の画像は、記録装置(図示しない)に記録することができ、さらにその記録装置に記録された画像を用いてモニタ200に表示することもできる。
可視光Aを撮像するCCDカメラ93は、図11及び図12に示すように、撮像用の腹腔鏡20の出射端とダイクロイックミラー92の中心とを結ぶ直線上の位置で、ダイクロイックミラー92の後方に設けられ、レンズをダイクロイックミラー92に向けてセットされている。一方、蛍光を撮像する近赤外線CCDカメラ94は、図11及び図12に示すように、撮像用の腹腔鏡20の出射端とダイクロイックミラー92の中心とを結ぶ直線に直交する位置であり且つダイクロイックミラー92の側方の位置に設けられ、レンズをダイクロイックミラー92に向けてセットされている。これらのCCDカメラ93,94を備えた撮像装置90には、可視光や反射励起光をカットして蛍光のみが近赤外線CCDカメラ94に取り込まれるように、近赤外線CCDカメラ94とダイクロイックミラー92との間に第1フィルタ95が取り付けられている。
さらに、撮像装置90には、第1の蛍光物質が発する第1の蛍光bのみを近赤外線CCDカメラ94に透過させる第2フィルタ96が用意されており、その第2フィルタ96をレンズの前方で撮像装置90に着脱自在であるように構成できる。この第2フィルタ96が第1の蛍光物質以外の蛍光物質が発する蛍光をカットするので、近赤外線CCDカメラ94は、第1の蛍光物質が発する第1の蛍光bのみを撮像することができる。また、第1の蛍光物質の種類を変えた場合、着脱可能な第2フィルタ96を交換するだけで、他の蛍光物質(蛍光波長帯が異なる物質)に対しても使用することができる。
こうして構成された撮像装置90では、撮像用の腹腔鏡20で受光した可視光aは、ダイクロイックミラー92を透過してCCDカメラ93に導かれる。CCDカメラ93は、導かれた可視光を撮像して画像化し、画像化された画像を画像処理部110に供給する。一方、撮像用の腹腔鏡20で受光した蛍光a,bは、ダイクロイックミラー92への進入方向に対して直角方向に反射し、近赤外線CCDカメラ94に導かれる。
この近赤外線CCDカメラ94で第1の蛍光bを撮像する場合には、レンズの前方に第2フィルタ96を装着し、第1の蛍光bと反射近赤外線とを分離するための近赤外線カットフィルタである第2フィルタ96で反射近赤外線をカットし、近赤外線CCDカメラ94には第1の蛍光bのみを導く。
また、後述する腹腔鏡20から第2の蛍光物質が特異結合している特定のセンチネルリンパ節に第2の励起光Cを照射し、その照射位置を撮像する場合には、照射する第2の励起光Cの波長又は第2の蛍光cの波長に応じて照明光照射用CCDカメラ93又は近赤外線CCDカメラ94を選択して用いる。第2の蛍光物質を選定することによって適用可能な第2の励起光Cの波長と第2の蛍光cの波長が決まるので、その第2の励起光Cの波長と第2の蛍光cの波長に対応してダイクロイックミラー92やフィルタ95,96の波長特性を選定する。一方、第2の蛍光物質から発した第2の蛍光cを撮像する場合には、レンズの前方にある第2フィルタ96をその第2の蛍光cに適合したフィルタ95,96に交換する。近赤外線CCDカメラ94は、導かれた第2の蛍光cを撮像して画像化し、その画像を画像処理部110に供給する。第2の蛍光cが可視光である場合は、CCDカメラ93の手前に第2の蛍光cに適合したフィルタを設けるか(着脱や切替可能であってもよい)、近赤外線CCD94の位置に可視光用CCDを設ける等する。
図14は、第2の励起光Cが可視光の場合で、第2の励起光Cの波長と第2の蛍光cの波長が近い場合に好ましく用いられる撮像装置500(図14では撮像装置90を符号500で示す。)の構成例である。図14に示す撮像装置500には、撮像用光ファイバケーブル501(図14ではケーブル41を符号501で示す。)がコネター部502を介して接続されている。そのコネクター部502から撮像装置500内には、可視光a、第1の励起光B、第2の励起光C、第1の蛍光b及び第2の蛍光cが導光される。導光された各光は、コリメートレンズ503で拡大されてダイクロイックミラー508に至る。ダイクロイックミラー508は可視光波長を透過するので、可視光領域の可視光aと第2の励起光Cとが透過する。透過した可視光aと第2の励起光Cのうち、第2の励起光Cは光学フィルタ507でカットされ、可視光aがコリメートレンズ506で集光され、可視光画像の撮像装置510で撮像される。一方、ダイクロイックミラー508で反射した近赤外線(第1の励起光B、第1の蛍光b)は、第1の励起光Bをカットする光学フィルタ509を通過した後にコリメートレンズ503で集光され、近赤外線(第1の蛍光b)の撮像装置の撮像装置504で撮像される。
以上説明した撮像装置90(500)によれば、可視光aを画像化した可視光画像をモニタ200に表示することで、観察範囲Pの全体の状況を詳細に把握することができる。また、第1の励起光Bの照射により第1の蛍光物質から発光した第1の蛍光bを画像化した蛍光画像をモニタ200に表示することで、第1の蛍光物質が含有されている場所を正確に特定することができる。そして、第1の蛍光bに基づく蛍光画像により、センチネルリンパ節の位置を特定し、病変部C’の近傍に位置するセンチネルリンパ節に、第2の蛍光物質から第2の蛍光cを発光させるための第2の励起光Cをセンチネルリンパ節Sと同じ大きさまで絞って高密度のエネルギーで照射することにより、発光した第2の蛍光cを検知することができ、第2の蛍光物質が結合するもの(癌細胞又は癌組織に特異結合する物質)の存在を検出できる。
さらに、撮像用の腹腔鏡20で受光した光を撮像装置90(500)で画像化することにより、照明光Aの照射範囲を映す可視光画像と、第2の励起光Cの照射により発光した第2の蛍光b(第2の蛍光物質の濃度が比較的高い場合に計測が可能。第2の蛍光bの波長に応じて照明光照射用CCDカメラ93又は近赤外線CCDカメラ94を選択して用いる。)から得られた第2の蛍光画像とを重畳画像としてモニタ200に表示することができる。その結果、照明光Aの照射範囲とセンチネルリンパ節の位置とを画像で確認することができる。その結果、センチネルリンパ節を特定する時間を短縮でき、手術時間を短縮できる。
(測定結果表示制御部)
測定結果表示制御部160は、腹腔鏡10で受光した第2の蛍光cの強度やスペクトルを測定する蛍光測定部80に接続されており、その蛍光測定部80で得た測定結果をモニタ200に表示させる制御を行う。蛍光測定部80には、蛍光受光用光ファイバ27が接続されている。
蛍光測定部80は、予め設定された所望の波長の蛍光のみを検出する蛍光検出器であることが好ましい。そうした蛍光検出器としては、所望の蛍光波長又は波長帯を透過させる光学フィルタが好ましく、具体的には、反射励起光をカットして、受光した蛍光のみを透過させるように機能する光学フィルタを用いることが好ましい。なお、蛍光測定部80で第1の蛍光bと第2の蛍光cとを測定する場合は、第1の蛍光bと第2の蛍光cとを分離する光学的手段(光分離手段)を設け、各蛍光を検出できる別々の検出器を設けることで蛍光強度を独立に測定することが好ましい。
このように、蛍光測定部80が予め設定された波長の蛍光を検出する蛍光検出器を備えているので、その蛍光検出器として、使用する蛍光物質の蛍光波長又は波長帯を透過させる光学フィルタを用いれば、例えば癌細胞・癌組織に特異結合する第2の蛍光物質(又は癌細胞・癌組織に特異結合する物質に結合する第2の蛍光物質)が発する第2の蛍光の波長のみを検出することができる。その結果、こうして得られた蛍光測定結果と、既に得られた画像とを総合することにより、特定されたセンチネルリンパ節に癌細胞・癌組織が存在するか(即ち転移があるか)の検査をその場で行うことができる。
センチネルリンパ節Sに第2の蛍光物質が存在する場合、この第2の蛍光物質からは特定波長の第2の蛍光が発光される。蛍光検出器は、検出する第2の蛍光の波長が予め設定されており、センチネルリンパ節Sに存在する第2の蛍光物質が発光する第2の蛍光のみを検出する。その結果、センチネルリンパ節Sで癌細胞・癌組織と特異結合している第2の蛍光物質とは異なる波長の蛍光が発せられても、こうした蛍光を検出することがなく、癌細胞・癌組織と特異結合した第2の蛍光物質からの第2の蛍光のみを検出して、癌細胞・癌組織がセンチネルリンパ節Sにあるか否かを正確に検査することができる。第2の蛍光物質の種類を変えて検査する場合には、蛍光検出部に内蔵されたフィルタを交換する。
また、蛍光測定部80は、蛍光受光用光ファイバケーブル27で導光された蛍光を予め設定された範囲に分光する分光器を備えていてもよい。分光器は、検出された蛍光を、その蛍光の波長スペクトル分布の時間的変化として測定することができる。その結果、分光された蛍光の波長スペクトルを分析することで、分光器に導光された蛍光がどの蛍光物質が発したものであるかの特定が行えるとともに、蛍光物質の結合状態、又はノイズ成分を特定したり分析したりすることができる。なお、分光器を使用した場合でも、必要に応じて分光器の入射部手前に光学フィルタを選択し設置することで、ノイズとなる波長帯を遮断したり、測定に必要な波長だけを透過させることで波長スペクトルを正確に分析することができるようになる。このフィルタは使用する蛍光試薬とそれに合わせた第2の励起光、第2の蛍光に合せて切替可能であることが好ましい。こうした分光器を備えた検査装置1は、癌細胞・癌組織に特異結合した第2の蛍光物質(又は癌細胞・癌組織に特異結合する物質に結合する第2の蛍光物質)が発する第2の蛍光の波長スペクトルを特定することができるので、特定されたセンチネルリンパ節の位置に癌が存在するか(転移があるか否か)の診断に有効である。
センチネルリンパ節Sに癌細胞・癌組織と結合した第2の蛍光物質が存在する場合、この第2の蛍光物質からは第2の蛍光物質に応じた波長の蛍光が発光される。分光器は、取り込まれた蛍光の波長スペクトルを測定する。分光器で測定した波長スペクトルを第2の蛍光物質の蛍光波長スペクトルと比較することで第2の蛍光物質の存在を特定できる。即ち、センチネルリンパ節Sに存在する癌細胞・癌組織と結合した第2の蛍光物質が発光した蛍光であるか、それ以外の蛍光物質が発光した蛍光であるかを識別することができる。
(測定結果表示制御部)
蛍光測定部80が、蛍光検出器として光学フィルタを適用した場合は、測定結果表示制御部160は、蛍光検出器が第2の蛍光物質が発する第2の蛍光cを検出したことをモニタ200に表示するように制御する。
一方、蛍光測定部80が、蛍光検出器として分光器を適用した場合は、測定結果表示制御部160は、分光された各波長の分光結果をモニタ200に表示する。モニタ200への表示は、波長毎に蛍光強度を数値化して表示すると共に、数値化された蛍光強度に基づいて波長毎にグラフを表示する。医師は、モニタ200に表示された数値及びグラフを分析することによって、第2の蛍光物質が発する第2の蛍光が検出されているか否かを判断する。
蛍光測定部80は、制御装置100の測定結果表示制御部160に接続されていて、蛍光測定部80が第2の蛍光物質からの蛍光を検出した際に、測定結果表示制御部160からの指令に基づいて検出結果をモニタ200に表示する。なお、この検査装置1では、検出結果を表示するモニタ200を画像表示用のモニタ200とは別途に設けているが、モニタ200だけを設け、検出結果をモニタ200に表示するように構成してもよい。
図15は、蛍光測定部の一例を示す説明図であり、図16は、蛍光測定部の他の一例を示す説明図である。蛍光測定部も図14に示した撮像装置と同様、受光する励起光(第1の励起光B、第2の励起光C)の強度が大きいので、光学フィルタでカットすることが望ましい。蛍光(第1の蛍光b、第2の蛍光c)の受光強度は、受光する励起光の1/1000〜1/10000と小さいので、高感度で蛍光を計測するためには、光学フィルタでカットする必要がある。
図15は、可視光から近赤外まで測定できるCCD分光器を備えた蛍光測定部(図15では蛍光測定部80をCCD分光器523で示す。)である。このCCD分光器では、回折格子で分光された光をCCD素子等、ライン状又は面状の受光素子で強度を測定することができる。各素子の位置が波長に対応し、各波長の受光強度を同時に測定することができる。
図16は、励起光(第1の励起光B、第2の励起光C)と蛍光(第1の蛍光b、第2の蛍光c)とが混ざった光が受光用光ファイバケーブル531(図16ではケーブル27を符号531で示す。)で導光され、その受光用光ファイバケーブル531がコネクター部532を介して蛍光測定部550(図16では蛍光測定部80を符号550で示す。)に接続されている。そのコネクター部532から蛍光測定部550内には、励起光と蛍光が導光される。励起光と蛍光は、コリメートレンズ535で拡大されてダイクロイックミラー536に至り、励起光と蛍光のうちの可視光成分はダイクロイックミラー536を透過する。通過した可視光のうち、強度が大きい第2の励起光Cをカットできる光学フィルタ537で第2の励起光Cがカットされ、第1の蛍光bが蛍光測定部534で測定される。一方、ダイクロイックミラー536で反射した光のうち、強度が大きい近赤外線をカットできる光学フィルタ539で第1の励起光Bがカットされ、第2の蛍光cが蛍光測定部533で測定される。
図15及び図16の蛍光測定部に示すように、励起光(第1の励起光B、第2の励起光C)と蛍光(第1の蛍光b、第2の蛍光c)との波長が近い場合には、特定の波長をカットできる光学フィルタを用いることにより、得ようとする第1の蛍光bや第2の蛍光cを受光して画像化することができる。
(モニタ)
モニタ200は、観察範囲Pの画像を映し出すモニタであり、表示モード選択スイッチ(図示しない)により、可視光画像、第1の励起光Bの照射により発光する第1の蛍光物質の第1の蛍光画像、及び、第2の励起光Cの照射により発光する第2の蛍光物質の第2の蛍光画像、の各画像をそれぞれ単独に表示できるようになっている。また、モニタ200は、表示モード選択スイッチ(図示しない)により、可視光画像と第1の蛍光画像とを重畳した重畳画像を表示したり、その重畳画像に第2の励起光Cを照射した可視光画像をさらに重畳した重畳画像を表示したり、さらにその第2の励起光Cにより励起された蛍光画像をさらに重畳した重畳画像を表示したりすることができる。こうした重畳画像に対しては、それぞれの画像をモニタ200で見やすくするための画像処理を施すことができる。また、各画像は、記録装置(図示しない)に保存してもよいし、保存した画像をモニタ200や別のモニタに表示してもよい。
モニタ200は、蛍光測定部80の測定結果を表示するモニタであり、上記した蛍光強度の測定結果と、蛍光スペクトルの測定結果とを表示できる。
以上説明したように、本発明に係る検査装置1は、(a)照明光Aを照射して、癌による病変部をモニタに表示し、(b)第1の励起光Bを照射して、センチネルリンパ節に含有される第1の蛍光物質を発光させることでセンチネルリンパ節をモニタに表示し、(c)特定されたセンチネルリンパ節に第2の励起光Cをセンチネルリンパ節Sと同じ大きさで照射して、癌細胞・癌組織に特異結合した第2の蛍光物質(又は癌細胞・癌組織に特異結合する物質に結合する第2の蛍光物質)を発光させて腹腔鏡で高感度に検出できる検出部に分光器を用いることで、第2の蛍光cの波長スペクトルを測定でき、蛍光物質の波長スペクトルの判定も行うことができる。さらに、(d)撮像用の腹腔鏡により、第2の励起光Cの照射位置と第2の蛍光(第2の蛍光物質の濃度が比較的高い場合に計測が可能)とをモニタに表示することができ、第2の励起光Cの照射位置とセンチネルリンパ節の位置とを画像で確認することができる。よって、本発明に係る検査装置1は、癌細胞・癌組織の転移を検査する好適な検査装置となる。
<検査>
検査装置1を利用して患者に癌の転移があるか否かを診断する場合、患者には癌細胞・癌組織と特異結合する試薬である第2の蛍光物質を予め投与しておく。癌の転移がある場合は、癌細胞・癌組織は、センチネルリンパ節Sに存在しており、患者に投与した第2の蛍光物質は、センチネルリンパ節Sに存在する癌細胞・癌組織と特異結合している。この第2の蛍光物質と特異結合した癌細胞・癌組織に励起光を照射すると、第2の蛍光物質は励起されて蛍光を発する。
検査装置1は、予め照明光Aを照射して得た可視光画像と、第1の励起光Bを照射して得た第1の蛍光画像とを用いて、病変部近傍のセンチネルリンパ節Sを特定し、そのセンチネルリンパ節Sにだけ第2の励起光Cを照射する。その結果、特定したセンチネルリンパ節だけからの第2の蛍光cを検出でき、病変部等にある癌細胞・癌組織からの第2の蛍光cと区別できる。
また、得られた可視光画像と第1の蛍光画像との畳重画像により、第1の励起光Bの照射位置をモニタ200で確認できるので、照射位置がずれたとしても判断ができ、確実に特定したセンチネルリンパ節に照射することができる。その結果、センチネルリンパ節の部位で発生した第2の蛍光cの検査を行うことができる。
検査装置1では、観察範囲Pに存在する所定のセンチネルリンパ節であるセンチネルリンパ節Sと同等の範囲か又は所定のセンチネルリンパ節と同じ大きさに絞って第2の励起光Cを照射するので、高い強度の第2の励起光Cを第2の蛍光物質に照射することができる。そのため、観察範囲Pの所定のセンチネルリンパ節に含まれる第2の蛍光物質が微量であっても、確実に第2の蛍光物質から第2の蛍光cを発光させて、第2の蛍光物質と特異結合した癌細胞・癌組織の位置を正確に特定することができる。これにより、センチネルリンパ節に存在する癌細胞・癌組織を検査することが可能である。
また、第2の励起光Cを絞っているので、近くに癌細胞・癌組織があったとしても、その影響を受けにくく、検査の正確度を大幅に向上できる。その結果、高感度且つ高分解能でセンチネルリンパ節Sの検査が行える。そして、センチネルリンパ節Sよりも照射された第2の励起光Cの外径をセンチネルリンパ節Sと同じ程度に絞ることにより、他の部位の癌細胞・癌組織の影響を大幅に削減できる。
腹腔鏡10で照明光Aを照射して観察する範囲は、癌による病変部C’のある臓器を含む広い範囲である。まず、こうした広い範囲から病変部の周りのセンチネルリンパ節S自体を特定する。センチネルリンパ節S自体を特定するために、本発明の検査装置1では、第1励起光源60を用いて、観察範囲Pに第1の励起光Bを照射する。患者には、第1の励起光Bの照射によって発光する第1の蛍光物質を予め投与しておくか、その場で病変部に注入する。例えば、第1の蛍光物質としてインドシアニングリーンを患者に投与した場合、このインドシアニングリーンに波長が700〜830nmの近赤外線が第1の励起光Bとして照射されると、インドシアニングリーンは、波長が830〜850nmの蛍光bを発光する。そして、波長が830〜850nmの蛍光を透過させる光学フィルタを用いて蛍光分離し検出器で検出する。
観察範囲Pに第1の励起光Bを照射すれば、リンパ管やリンパ節の位置が蛍光画像モニタできる。蛍光画像と可視光画像を交互に撮影して畳重画像を作成することで、病変部とリンパ管、リンパ節との位置関係が畳重画像によって分かる。その結果、医師がセンチネルリンパ節Sを特定できるという格別の効果を奏することになる。病変部の特定からセンチネルリンパ節の特定までを本発明の検査装置1だけで短時間で行える。
本発明に係る検査装置1及び検査方法は、腹腔鏡10には照明光源50、第1励起光源60及び第2励起光源70を接続し、腹腔鏡20に観察範囲Pの所定のセンチネルリンパ節と同等の範囲か又は所定のセンチネルリンパ節と同じ程度の大きさに絞って第2の励起光Cを照射させる絞り手段を設けたことを基礎として、種々の特徴を備えるものである。
1,1A,1B,1C 検査装置
10、10A,10A’,10B 腹腔鏡
11 患者装着用のホルダ
12 シースチューブ
13 透明封止部
14 照明光照射用光ファイバケーブル
15 第1励起光照射用光ファイバケーブル
20,20A,20B 腹腔鏡
21 患者装着用のホルダ
22 シースチューブ
24 透明封止部
26 第2励起光照射用光ファイバケーブル
27 蛍光受光用光ファイバケーブル
29 分岐部
30 撮像用腹腔鏡
31 患者装着用のホルダ
32 シースチューブ
33 透明封止部
34 拡大手段
341 レンズ
35 リレーレンズ系
351 レンズ
41 撮像用光ファイバケーブル
50 照明光源
60 第1励起光源
70 第2励起光源
80 蛍光測定部
90 撮像装置
91 ハウジング
91A コネクター
92 ダイクロイックミラー(光分離手段)
93 CCDカメラ
94 近赤外線CCDカメラ
95 第1フィルタ
96 第2フィルタ
100 制御装置
110 画像処理部
120 可視光画像処理部
130 蛍光画像処理部
140 重畳画像処理部
150 タイミング制御部
160 測定結果表示制御部
200 モニタ
301 照明光照射用光ファイバ
302 第2励起光照射用光ファイバ
302a シールドパイプ
303 第1励起光照射用光ファイバ
303a シールドパイプ
304 蛍光受光用光ファイバ
305 シースチューブ
306 充填剤
310 撮像用光ファイバ
311 充填剤
312 照明光照射用光ファイバ
313 シースチューブ
500 撮像装置
501 撮像用光ファイバケーブル
502 コネクター部
503 コリメートレンズ
504 近赤外線の撮像装置
505 近赤外線
506 コリメートレンズ
507 第2励起光カット用光学フィルタ
508 ダイクロイックミラー
509 第1励起光カット用光学フィルタ
510 可視光画像の撮像装置
521 蛍光受光用光ファイバケーブル
522 コネクター部
523 CCD分光器
531 蛍光受光用光ファイバケーブル
532 コネクター部
533 第1の蛍光測定器
534 第2の蛍光測定器
535 コリメートレンズ
536 ダイクロイックミラー
537 光学フィルタ
538 コリメートレンズ
539 光学フィルタ
550 蛍光測定部
A 照明光
a 可視光
B 第1の励起光
b 第1の蛍光
C 第2の励起光
c 第2の蛍光
H 腹腔鏡の挿入口
P 観察範囲
Q 内臓表面
S,S1,S2,S3 センチネルリンパ節
R リンパ管
C’ 病変部(癌)


Claims (6)

  1. 少なくとも2つの腹腔鏡を用い、観察範囲内にあるセンチネルリンパ節への癌細胞・癌組織の転移の判断のための情報を提供する検査方法であって、
    前記観察範囲に照明光を照射して得た可視光画像と、前記観察範囲に第1の励起光を照射して得た第1の蛍光画像とを重畳表示して、前記センチネルリンパ節の位置を確認する位置確認ステップと、
    位置を確認した前記センチネルリンパ節の中から選択したセンチネルリンパ節に対し、該センチネルリンパ節のサイズに合わせた第2の励起光を照射する第2励起光照射ステップと、
    前記第2の励起光を照射して得た第2の蛍光を受光して第2の蛍光画像を表示する第2蛍光画像表示ステップ、及び、前記第2の励起光を照射して得た第2の蛍光から蛍光スペクトルを測定して表示する蛍光スペクトル表示ステップの一方又は両方の表示ステップと、を有することを特徴とする、腹腔鏡を用いた検査方法。
  2. 前記第2の蛍光画像と前記第1の蛍光画像とを重畳表示する、又は、前記第2の蛍光画像と前記可視光画像とを重畳表示する、請求項1に記載の検査方法。
  3. 少なくとも2つの腹腔鏡を用い、観察範囲内にあるセンチネルリンパ節への癌細胞・癌組織の転移の判断のための情報を提供する検査装置であって、前記腹腔鏡のいずれかが下記(A)〜(E)を備えることを特徴とする、腹腔鏡を用いた検査装置。
    (A)前記観察範囲に照明光を照射するための照明光照射用手段、
    (B)前記観察範囲に第1の励起光を照射するための第1の励起光照射用手段、
    (C)前記センチネルリンパ節に第2の励起光を照射するための第2の励起光照射用手段、
    (D)前記照明光を照射して得た可視光と、前記第1の励起光を照射して得た、前記センチネルリンパ節検出用蛍光物質から発する第1の蛍光と、前記第2の励起光を照射して得た、前記癌細胞・癌組織検出用蛍光物質から発する第2の蛍光と、を受光して画像化するための画像撮像用手段、
    (E)前記第1の励起光を照射して得た、前記観察範囲から発する第1の蛍光及び前記第2の励起光を照射して得た前記癌細胞・癌組織検出用蛍光物質から発する第2の蛍光を受光して蛍光測定するための蛍光測定用手段。
  4. 前記腹腔鏡のうち第1の腹腔鏡が、前記画像撮像用手段を備え、
    前記腹腔鏡のうち第2の腹腔鏡が、前記照明光照射用手段と、前記第1の励起光照射用手段と、前記第2の励起光照射用手段と、前記第1及び第2の蛍光測定用手段とを備える、請求項3に記載の検査装置。
  5. 前記腹腔鏡のうち第1の腹腔鏡が、前記照明光照射用手段と、前記画像撮像用手段とを備え、
    前記腹腔鏡のうち第2の腹腔鏡が、前記第1の励起光照射用手段と、前記第2の励起光照射用手段と、前記第1及び第2の蛍光測定用手段とを備える、請求項3に記載の検査装置。
  6. 前記照明光を照射するための照明光源と、
    前記第1の励起光を照射するための第1の励起光源と、
    前記第2の励起光を照射するための第2の励起光源と、
    前記可視光を画像化するための可視光撮像装置と、
    前記第1の蛍光又は第2の蛍光を画像化するための蛍光撮像装置と、
    前記可視光撮像装置及び蛍光撮像装置で得た画像情報を処理する画像処理装置と、
    前記第1及び第2の蛍光から蛍光スペクトルを測定するための蛍光スペクトル測定装置と、
    前記各光源及び装置を制御するための制御装置と、
    前記装置からの出力結果を表示する表示装置と、
    を少なくとも備える、請求項3〜5のいずれか1項に記載の検査装置。


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