以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
(第1実施形態)
本実施形態に係るゲームシステムは、ゲーム端末及び管理サーバ間で通信を行い、ゲームをユーザへ提供するゲームシステムである。ユーザとは、ゲームシステムに登録された利用者を意味する。ユーザはゲームシステムにおいてユーザID等のユーザ情報によって識別される。ユーザは、端末の使用者と同一人物であってもよいし、端末の使用者とは異なる人物であってもよい。また、ユーザは、ゲームシステム上にて他のユーザと関連付けされ得る。以下では、ユーザに関連付けされた他のユーザである関連ユーザを「フレンド」という。ゲームシステムでは、例えば、ゲーム端末にインストールされたソフトウェア(アプリケーション)が起動され、ユーザに対してゲームが提供される。ゲームシステムによって提供されるゲームの種類は、特に限定されない。以下では、所定の条件を満たすと報酬として得点がユーザへ与えられるゲームを一例として説明する。
図1は、実施形態に係るゲームシステム1の構成を示す概要図である。図1に示すように、ゲームシステム1は、例えば、複数のゲーム端末10A、及び、管理サーバ20を備える。複数のゲーム端末10Aは、ゲーム端末10A1〜ゲーム端末10Anを含む(nは1より大きい自然数である)。ゲーム端末10A1〜ゲーム端末10Anは、双方向通信機能を備えた機器で、例えば携帯電話機、通信機能付き携帯ゲーム機又はパーソナルコンピュータ等である。ゲーム端末10A1〜ゲーム端末10Anは、ネットワークNを介して管理サーバ20と通信可能に構成されている。ネットワークNは、例えばインターネット又は専用回線等である。ゲーム端末10A1〜ゲーム端末10Anは、ほぼ同様に構成されるため、以下では、ゲーム端末10A1を代表して説明する。また、ゲーム端末10A1を用いてゲームをプレイする1又は複数のユーザに含まれる1のユーザを所定ユーザとして説明する。なお、図1のゲームシステム1は一例であり、一台のゲーム端末10A1及び管理サーバ20からなるゲームシステム1であってもよい。
図2は、図1に示すゲーム端末10A1及び管理サーバ20のハードウェア構成を説明するブロック図である。図2に示すように、ゲーム端末10A1及び管理サーバ20は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等の主記憶部102、ハードディスク等の補助記憶部103、通信を制御するネットワークカード等の通信制御部104、カメラ又はタッチパネル等の入力機器及びディスプレイ等の出力機器等の入出力部105を含む通常のコンピュータとして構成される。後述するゲーム端末10A1及び管理サーバ20の各機能は、例えば、CPU101の制御により、主記憶部102等のハードウェア上に所定のソフトウェアを読み込ませ、入出力部105を動作させ、主記憶部102又は補助記憶部103に記憶されたデータの読み出し又は書き込みを行い、通信制御部104により通信する等、の各ハードウェアの動作の組み合わせによって実現される。
図3は、ゲームシステム1の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、ゲーム端末10A1は、例えば、表示部11、入力部12、音声出力部13、記憶部15、制御部16及び端末側送受信部17を備える。
表示部11は、画像や文字等の情報を表示する画面を有する表示デバイスである。入力部12は、所定ユーザによる操作に応じて入力信号を生成する入力デバイスである。例えば、入力部12には、キーボード、ボタン、マウス又はタッチパネル等が適用できる。ここでは、一例として、表示部11と入力部12とが一体に構成されたタッチパネル14が採用されている。音声出力部13は、音声を出力するスピーカである。記憶部15及び制御部16については後述する。端末側送受信部17は、管理サーバ20と双方向で通信する通信デバイスである。
管理サーバ20は、サーバ側送受信部21、成績特定部22及びハイスコア記憶部23を備える。サーバ側送受信部21は、ゲーム端末10A1〜ゲーム端末10Anと双方向で通信する通信デバイスである。成績特定部22及びハイスコア記憶部23については後述する。
ここで、ゲームシステム1が提供するゲームの一例を説明する。図4は、タッチパネル14の画面に表示させるゲーム画面の例を示す図である。ゲームシステム1が提供するゲームは、画面内で動作するオブジェクトに合わせたタイミングで所定ユーザから入力される所定の操作に応じて成否判定を行うタイミングゲームである。このタイミングゲームでは、楽曲の進行に合わせて移動する2つのオブジェクトの組み合わせを画面に表示させる。そして2つのオブジェクトが画面内の基準位置に到達したタイミングで、基準位置から所定範囲内において操作が行われた場合、所定ユーザに報酬が付与される。報酬とは、例えば得点又はゲーム内における何らかのアイテム等である。以下では、報酬が得点の場合を説明する。また、所定の操作とは、タッチパネルをタッチする操作である。以下、タッチパネルをタッチする操作を「タッチ操作」という。
ゲーム開始前に、所定ユーザは、タイミングゲームで使用される楽曲、及び、ゲームの難易度を設定し得る。そして、ゲームが開始されると、例えば、第1のオブジェクトa1を画面内の左上部分(画面左側の上端;符号a1−1に示す位置)から出現させ、所定の基準位置に向かって移動させる。ここでは、画面内を直線的に下方向(破線の矢印a1−2に示す方向)に移動させる。一方、第1のオブジェクトa1に対応する第2のオブジェクトa2を画面内の左下部分(画面左側の下端;符号a2−1に示す位置)から出現させ、第1のオブジェクトa1と同一の基準位置に向かって移動させる。ここでは、画面内を直線的に上方向(破線の矢印a2−2に示す方向)に移動させる。そして、第1のオブジェクトa1と第2のオブジェクトa2とが基準位置において重なり合った基準タイミングにおいて、基準位置から所定範囲内においてタッチ操作が行われると、タッチ操作のタイミングで所定ユーザに報酬が付与される。基準位置とは、画面内において第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとが重なり合う位置であり、例えば重なり合ったオブジェクトの中心点である。基準位置は表示されておらず、所定ユーザは第1のオブジェクトa1と第2のオブジェクトa2との動きを見ながら、基準位置を予測して操作を行う。ただし、第1のオブジェクトa1及び第2のオブジェクトa2が重なり合う前に、操作を行うべき位置である基準位置を表示してもよい。基準タイミングとは、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとが重なり合うタイミングである。なお、図4に示した破線の矢印a1−2及びa2−2は説明のために付したものであり、ゲーム画面には表示させなくてもよい。また、図4では第1のオブジェクトa1及び第2のオブジェクトa2にのみ矢印を付し、他の移動中のオブジェクトa6乃至a15については図示を省略している。
オブジェクトa3は、2つのオブジェクトが衝突した際の表示例を示している。この例では、移動する2つのオブジェクトが基準位置において重なり合うと衝突し、オブジェクトが合体して大きくなった様子を表している。オブジェクトa4は、基準タイミングにおいて基準位置にタッチ操作が行われた場合の表示例を示している。ゲームシステム1は、基準タイミングと、タッチ操作が行われた操作タイミングとの差が所定時間内であれば成功と判定し、所定時間を超えていれば失敗と判定するタイミング判定処理を行う。ここでは、基準タイミングと操作タイミングとの差に応じて複数段階の異なる評価を判定することもできる。例えば、成功の判定を3段階に分け、基準タイミングと操作タイミングとの差が、0.0秒以上0.2秒以内である場合の判定結果は「COOL」とし、差が0.21秒以上0.4秒以内である場合の判定結果は「Great」とし、差が0.41秒以上0.8秒以内である場合の判定結果は「Good」とし、差が0.81秒以上である場合の判定結果は失敗とすることができる。
ゲームシステム1は、このようなタイミング判定処理を行うことに加えて、基準位置と、タッチ操作が行われた操作位置との位置関係に応じて位置判定処理を行う。ゲームシステム1は、楽曲の進行に合わせて表示させるオブジェクトの組み合わせが重なり合う基準位置を、組み合わせ毎に異なる位置になるように制御することができる。ゲームシステム1は、基準位置と、操作位置との位置関係が所定範囲内であれば成功と判定し、所定範囲内でなければ失敗と判定する位置判定処理を行う。ゲームシステム1は、タイミング判定処理により成功と判定し、かつ位置判定処理において成功と判定した場合に、所定ユーザに報酬を付与する。すなわち、ゲームシステム1は、楽曲の進行に合わせてこのようなオブジェクトの組み合わせを表示させ、基準タイミング毎にタイミング判定処理と位置判定処理との判定処理を行い、基準タイミング毎に判定結果に応じた報酬を所定ユーザへ付与する。
オブジェクトa4は、タイミング判定処理による判定結果が「COOL」であり、かつ位置判定処理の判定結果が成功であった場合の表示例である。オブジェクトa5は、タイミング判定処理と位置判定処理との少なくとも何れかの判定結果が失敗であった場合の表示例である。
第1のオブジェクトa6及び第2のオブジェクトa7は、所定ユーザに長押し操作を要求するオブジェクトである。長押し操作を要求するオブジェクトは、ここではオブジェクトの移動方向に向かって後方に尾を引いたような画像として表される。例えば、第1のオブジェクトa6と第2のオブジェクトa7とが基準位置において重なり合って停止したときから、オブジェクトの尾の全体が基準位置に到達するまでの間、タッチ操作が行われ続けた場合に、タイミングの成否判定において成功と判定される。
第1のオブジェクト及び第2のオブジェクトは、重なり合う少し手前の時点から、オブジェクトの大きさが大きくなるように変化させて表示することができる。重なり合う少し手前の時点とは、例えば、オブジェクト同士が重なり合う所定時間前、または楽曲の進行における所定拍数(1拍、3拍等)手前などである。第1のオブジェクトa8及び第2のオブジェクトa9は、重なり合う直前の、長押し操作を要求するオブジェクトの表示例である。このように、オブジェクトが重なり合う少し手前の時点からオブジェクトの形状を変化させて表示させることで、オブジェクトが重なり合うタイミング、すなわちユーザが操作すべきタイミングをユーザに把握させやすくすることができる。ここではオブジェクトの大きさを変化させることで形状を変化させる例を示したが、オブジェクトに他の変化を行うことによって、オブジェクトが重なり合うタイミングを視覚的にユーザに把握させてもよい。例えば、オブジェクトが重なり合う少し手前の時点から、オブジェクトの色を変化させて表示させたり、オブジェクトが点滅するように表示させたり、キャラクタの顔の表情や形態を変化させたりすることもできる。
第1のオブジェクトa10及び第2のオブジェクトa11は、所定ユーザに連打操作を要求するオブジェクトである。連打操作を要求するオブジェクトは、連打回数を示す数字が重ねて表示される。第1のオブジェクトa10と第2のオブジェクトa11とが重なり合った基準タイミングにおいて、第1のオブジェクトa10及び第2のオブジェクトa11に表示された連打回数に応じてなされたタッチ操作の回数に応じて成否を判定する。このとき、第1のオブジェクトa10及び第2のオブジェクトa11が重なり合った基準タイミングから所定時間以内に、オブジェクトに表示された連打回数分のタッチ操作がなされたか否かを判定するタイミング判定処理が行われる。さらに、そのタッチ操作がなされた操作位置が、第1のオブジェクトa10及び第2のオブジェクトa11が重なり合った基準位置から所定範囲内に存在するか否かを判定する位置判定処理も行われる。
第1のオブジェクトa12及び第2のオブジェクトa13の組み合わせ、並びに、第1のオブジェクトa14及び第2のオブジェクトa15の組み合わせは、所定ユーザに複数個所の同時押し操作を要求するオブジェクトである。第1のオブジェクトa12が左端から出現して右方向に向かって移動し、第2のオブジェクトa13が上端から出現して下方向に向かって移動し、第1のオブジェクトa14が上端から出現して下方向に向かって移動し、第2のオブジェクトa15が右端から出現して左方向に向かって移動する。第1のオブジェクトa12及び第2のオブジェクトa13の組み合わせと、第1のオブジェクトa14及び第2のオブジェクトa15の組み合わせとが、異なる基準位置で同じ基準タイミングで重なり合う。双方の組み合わせの基準位置および基準タイミングに合わせてタッチ操作が行われたか否かに応じて成否を判定する。この場合、双方の組み合わせの基準位置および基準タイミングが成功と判定された場合に、所定ユーザに報酬が付与される。ただし、このような形態に限られるものではなく、例えば片方の組み合わせは基準位置及び基準タイミングが成功と判定され、他方の組み合わせは基準位置及び基準タイミングの少なくともいずれかが失敗と判定された場合、成功と判定された組み合わせについては所定ユーザに報酬を付与することとし、双方の組み合わせの両方がともに成功と判定された場合は、所定ユーザに追加的にボーナス報酬を付与するような構成としてもよい。
スコアa16は、所定ユーザの途中成績と、関連ユーザであるフレンドの成績との差分に相当する値である。成績とは、ユーザがゲームをプレイすることにより得られた結果である。本実施形態に係るゲームのように、報酬として得点がユーザへ与えられるゲームの場合には、成績は例えば得点となる。なお、レースゲームにあるようにタイムを競うゲームの場合には、タイムが成績となる。また、シューティングゲーム又はアクションゲームにあるように倒した敵の数を競うゲームの場合には、倒した敵の数が成績となる。
途中成績とは、ゲーム中における成績の合計である。すなわち、途中成績とは、ゲーム開始から途中成績が算出されるタイミングまでに所定ユーザにより獲得された成績の合計を意味する。例えば、本実施形態に係るゲームのように、報酬として得点がユーザへ付与されるゲームの場合には、途中成績は、ゲーム開始から途中成績を算出するタイミングまでにユーザが獲得した得点の合計となる。なお、レースゲームのようにタイムを競うゲームの場合には、途中成績を算出するタイミングにおけるタイムとなる。また、シューティングゲーム又はアクションゲームのように倒した敵キャラクタの数を競うゲームの場合には、倒した敵キャラクタの数が成績となる。フレンドの成績は、例えばフレンドのハイスコアであってもよい。ハイスコアとは、過去の成績の中で最も良い成績である。すなわち、ハイスコアとは、最高得点、最高タイム又は倒した敵キャラクタの最大数を意味する。
図4では、スコアa16は、フレンドの最高得点と所定ユーザがこれまでに獲得した得点との差分に相当する値を示している。すなわち、フレンドのハイスコアまでの残りの得点がゲームのプレイ中に所定ユーザへ報知される。スコアa16は、所定ユーザの途中成績が更新される毎に更新される。所定ユーザは、プレイ中のゲームの途中成績とフレンドのハイスコアとの比較結果を意識しながら、ゲームをプレイすることができる。このような情報をゲーム中に所定ユーザへ報知することにより、所定ユーザはフレンドのハイスコアを更新することができそうなのか否かをプレイ中に容易に知ることができるため、ゲームにより熱中することになる。したがって、所定ユーザをゲームへ惹きつけるための動機を十分に所定ユーザへ与えることができる。
ボタンa17は、ゲームの進行を一時的に停止するためのボタンであり、このボタンが押下されると、ゲームの進行を一時的に停止する。再度ボタンa17が押下されると、ゲームの進行を再開する。上記説明したゲームは、楽曲に基づいたタイミングゲームであるため、1ゲームあたりの時間が予め定められたゲームとなる。
図3に戻り、上記ゲームを提供するゲームシステム1の構成を、詳細に説明する。記憶部15は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記録媒体またはこれらの組合せを用いて構成され、ゲームシステム1が備える各部を制御するための各種プログラムや各種情報を記憶する。記憶部15は、楽曲データ記憶部150及びシーケンスデータ記憶部151を備える。楽曲データ記憶部150は、ゲームの対象となる楽曲データを記憶する。シーケンスデータ記憶部151は、楽曲の進行に合わせて所定ユーザが操作を入力すべき基準タイミングと基準位置とを記述したシーケンスデータを記憶する。ここで、図5を参照してシーケンスデータの詳細を説明する。図5は、シーケンスデータbの内容の例を示す図である。図5に示すように、シーケンスデータbは、条件定義情報b1と、操作シーケンス情報b2とを含む。条件定義情報b1には、楽曲を識別する楽曲ID、音楽のテンポ、ビート、トラック、楽曲の長さといったゲームを実行するための各種の条件を指定する情報が記述される。なお、条件定義情報b1は、楽曲を識別する楽曲IDの難易度ごとに用意されてもよい。例えば、難易度に応じて、音楽のテンポ、ビート、トラック、楽曲の長さ等が予め用意されていてもよい。
操作シーケンス情報b2には、タッチ操作を行う基準位置が楽曲中の時刻である基準タイミングと対応付けて記述される。操作シーケンス情報b2は、画面内にオブジェクトを表示するために利用されるオブジェクト情報b3を含んでいる。オブジェクト情報b3には、2つのオブジェクトを衝突させる基準位置と、楽曲中の基準タイミングと、その2つのオブジェクトのそれぞれを出現させる画面内の位置(オブジェクト出現位置)と、その2つのオブジェクトを画面に表示させ続ける時間(画面存在時間)とが含まれる。オブジェクト情報b3は、これらの情報を互いに対応付けた複数のレコードの集合として構成されている。図の例では、各情報は、左から基準位置、基準タイミング、オブジェクト出現位置、画面存在時間の順に記述されている。
基準位置は、例えば矩形の画面における左下の角の点を基準としたX座標とY座標との座標値により表される。例えば、画面の上下左右それぞれの幅が所定の数で等分され、当分された単位長さ(単位範囲)に対応する各位置が下端または左端から順に番号付けられた場合の数(単位長さの数)が利用される。この例では、所定の数として128が利用されている。また、X座標を示す値として、左右方向における左端の位置から右端の位置まで0、1、2という具合に右端の位置の128まで各位置に番号が付されている。同様に、Y座標を示す値として、上下方向における下端の位置から上端の位置まで0、1、2という具合に上端の位置の128まで各位置に番号が付されている。そして、X座標の値とY座標の値とがカンマで区切られて記述されている。例えば、画面の左下の角の点は「0,0」として記述され、画面の右上の角の点は「128,128」として記述される。基準位置は、対応する基準タイミングが到来した際に、座標値で指定された画面内の位置において2つのオブジェクトが重なり合うことを意味する。
楽曲中の基準タイミング情報は、楽曲中の小節番号、拍数、及び拍中の時刻を示す値がカンマで区切られて記述されている。拍中の時刻は、一拍の先頭からの経過時間であり、一拍の長さをn個の単位時間に等分して先頭からの単位数で表現される。例えば、n=96で、楽曲の一小節目の四拍目で、かつその拍の先頭から1/8だけ経過した時刻を基準時期として指定する場合には、「01,4,012」と記述される。
オブジェクト出現位置は、2つのオブジェクトが出現する画面上の位置を示している。例えば、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの2つのオブジェクトのそれぞれについて、画面の上下左右のいずれの辺のいずれの位置から出現するかを示す情報が記述される。例えば、上辺をU、下辺をD、右辺をR、左辺をLとし、それぞれの辺における位置を基準位置と同様の単位長さの数により位置が記述される。例えば、第1のオブジェクトが上辺の左端から100単位の位置から出現し、第2のオブジェクトが右辺の下端から10単位の位置から出現する場合、「U100,R10」として記述される。画面存在時間は、対応する2つのオブジェクトが画面に出現してから重なり合うまでの時間を示す。画面存在時間は、例えば、基準タイミング情報において一拍の長さを等分した単位時間により表される。例えば、n=96とした場合、1小節分の画面存在時間は「096」として記述される。本実施形態では、画面存在時間は、オブジェクトが画面に表示されてから基準位置に到達するまでの時間として定義している。
図3に戻り、制御部16の詳細を説明する。制御部16は、ゲーム端末10A1の制御中枢として機能するCPU(Central Processing Unit)等の情報処理装置を備えており、ゲーム端末10A1が備える各部を制御する。制御部16は、ゲーム制御部160を備えている。ゲーム制御部160は、例えば予めインストールされ記憶部15に記憶されたゲームプログラムが読み出されることによって構成される。ゲーム制御部160は、出力制御部161、受付部162、判定部163、報酬制御部164、成績差分算出部165及び成績取得部166を備えている。
出力制御部161は、音声出力部13に対する音声の出力と、タッチパネル14に対する画像の出力とを制御する。出力制御部161は、ユーザへの報知部として機能する。例えば、出力制御部161は、楽曲データ記憶部150に記憶されている楽曲データを読み出し、音声出力部13に出力して再生する。また、出力制御部161は、タッチパネル14の画面に、上述したようなゲーム画面を表示させる。例えば、出力制御部161は、シーケンスデータに基づくタイミングでオブジェクトの組み合わせを画面に表示させ、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとを画面内において移動させて重なり合うように表示する。ここで、出力制御部161は、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの組み合わせを複数表示し、その組み合わせ毎の基準位置が異なるように第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとを移動させる。
すなわち、ひとつの楽曲におけるゲーム中には、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの組み合わせを複数個、複数回表示するものとし、このようなオブジェクトの組み合わせが重なり合う基準位置は、複数個、複数回表示する組み合わせ毎に異なる位置とすることができる。このとき、全てのオブジェクトの組み合わせが全てに対して異なる基準位置である必要はなく、少なくとも連続する2つの組み合わせの基準位置が異なるものが含まれていればよい。また、オブジェクトの組み合わせは、組み合わせ毎に、例えば赤、青、黄、緑等の色に分けて表示することができる。このようにすれば、オブジェクトの複数の組み合わせが同時に画面内に表示されている場合において、複数表示されるオブジェクトのうち、どのオブジェクトとどのオブジェクトとが組み合わせであるかを、所定ユーザが認識し易くすることができる。
すなわち、出力制御部161は、2つのオブジェクトの組み合わせを複数表示するとともに、一の組み合わせについての基準位置と他の組み合わせについての前記基準位置が異なるように制御することができる。また、出力制御部161は、2つのオブジェクトの組み合わせを複数表示するとともに、所定の組み合わせについての基準位置と、その次に基準位置に到達する第1のオブジェクト及び第2のオブジェクトの組み合わせについての基準位置とが異なるように制御することができる。
例えば、出力制御部161は、所定ユーザによってゲームをプレイする楽曲及び難易度が選択されると、選択された楽曲の楽曲データを楽曲データ記憶部150から読み出して音声出力部13に出力して再生する。また、出力制御部161は、再生した楽曲及び難易度に対応付けられてシーケンスデータ記憶部151に記憶されているシーケンスデータを読み出す。出力制御部161は、現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる基準タイミングをシーケンスデータに基づいて判定し、判定した各基準タイミングから画面存在時間を差し引いたタイミングで、画面内のオブジェクト出現位置にオブジェクトを表示させ、各基準タイミングと現在時刻との時間差の減少に伴って各オブジェクトと基準位置との間の距離が減少するように、各オブジェクトと基準位置との間に所定の経路に沿った相対的変異を生じさせることにより、基準タイミングを案内する。
受付部162は、入力部12に対して行われた操作の入力を受け付ける。例えば、受付部162は、画面内の任意の操作位置に対する操作を受け付ける。判定部163は、オブジェクトの組み合わせが重なり合う基準位置と、そのオブジェクトの組み合わせが重なり合う基準タイミングに応じて受付部162に対して行われた操作の操作タイミングと、その操作の操作位置とに基づいて成否判定を行う。成否判定には、タイミング判定処理と位置判定処理とが含まれる。
タイミング判定処理において、判定部163は、シーケンスデータに示される基準タイミングと、受付部162が操作を受け付けた操作タイミングとの差が所定時間内であれば成功と判定し、所定時間内でなければ失敗と判定する。位置判定処理において、判定部163は、受付部162が操作を受け付けた操作位置が、シーケンスデータに示される基準位置を基準として、設定情報に定められた範囲内であれば成功と判定し、設定情報に定められた範囲内でなければ失敗と判定する。判定部163は、タイミング判定処理と位置判定処理との双方において成功と判定した場合に成功と判定し、少なくともいずれかにおいて失敗と判定した場合には失敗と判定する。なお、タイミング判定処理及び位置判定処理は、判定部163が行う処理または判定ステップの一例である。
報酬制御部164は、判定部163による判定結果に基づいて、ユーザに報酬を付与する。判定部163が成功と判定した場合にはユーザに所定の報酬を付与し、判定部163が失敗と判定した場合にはユーザに報酬を付与しない。
成績差分算出部165は、所定ユーザの途中成績と、関連ユーザであるフレンドの成績との差分に相当する値、すなわち上述したスコアa16を算出する。例えば、成績差分算出部165は、フレンドの成績情報の少なくとも一部と、報酬制御部164によって付与された報酬に関する情報とに基づいて、フレンドの過去のハイスコアと所定ユーザの途中成績との差分に相当する値を算出する。フレンドの成績情報とは、フレンドによってゲームがプレイされたことにより得られた成績を示す情報であって、例えば管理サーバ20に格納されている。フレンドの成績情報は、ハイスコアを示すハイスコア情報を含んでいる。なお、フレンドの成績情報の少なくとも一部とは、1のフレンドの成績情報に含まれるハイスコア情報を意味するだけでなく、フレンドが複数存在する場合における1のフレンドのハイスコア情報をも意味する。フレンドのハイスコア情報の取得手順については後述する。報酬制御部164によって付与された報酬に関する情報とは、1ゲームのプレイ中における所定ユーザの成績に関する情報である。この情報を、以下では単にプレイ中成績情報という。プレイ中成績情報は、プレイ中に所定ユーザにより逐次獲得された得点と、プレイ中に所定ユーザにより逐次獲得された得点から算出される値との少なくとも一方を含み得る。
最初に、プレイ中成績情報が、プレイ中に所定ユーザにより逐次獲得された得点から算出される値である場合を説明する。プレイ中に所定ユーザにより獲得された得点から算出される値とは、例えば、ゲーム開始から所定のタイミングより前までに所定ユーザによって獲得された得点の合計値である。以下では、獲得得点の合計値を累積スコアともいう。例えば、報酬制御部164により所定のタイミング(例えば、オブジェクトの操作が成功と判定され、ユーザに所定の報酬が付与されたタイミング)で付与された得点が100点であり、ゲーム開始から所定のタイミングより前までに所定ユーザによって獲得された得点の合計値が19000点であるとした場合、プレイ中成績情報を19100点としてもよい。すなわち、この場合には、プレイ中成績情報が、途中成績を示す情報となる。したがって、成績差分算出部165は、ハイスコア情報によって示されるハイスコアからプレイ中成績情報によって示される途中成績を減算して、フレンドの過去のハイスコアと所定ユーザの途中成績との差分に相当する値を算出する。
次に、プレイ中成績情報が、プレイ中に所定ユーザにより逐次獲得された得点である場合を説明する。この場合、成績差分算出部165は、途中成績そのものを算出することなく、フレンドの過去のハイスコアと所定ユーザの途中成績との差分に相当する値を算出する。例えば、報酬制御部164により所定のタイミング(例えば、オブジェクトの操作が成功と判定され、ユーザに所定の報酬が付与されたタイミング)で付与された得点が100点であれば、プレイ中成績情報を100点とする。例えば、報酬制御部164により上記の所定のタイミングの次のタイミングで付与された得点が50点であれば、プレイ中成績情報を50点とする。このように、成績差分算出部165は、累積スコアを算出することなく、プレイ中にそれぞれのタイミングで獲得された得点であるプレイ中成績情報を用いて、フレンドのハイスコアからスコアを逐次減算してもよい。この場合、成績差分算出部165は、算出された結果を、次回の差分の算出のために記録する。このように計算した場合であっても、フレンドの過去のハイスコアと所定ユーザの途中成績との差分に相当する値を算出することができる。
成績取得部166は、端末側送受信部17を介してフレンドのハイスコア情報を取得する。成績取得部166は、フレンドのハイスコア情報の送信を、端末側送受信部17を介して管理サーバ20へ要求する。成績取得部166は、ゲームの開始前に所定ユーザにより選択された楽曲を識別する情報及びゲームの難易度に関する情報を、管理サーバ20へ送信し、所定ユーザにより選択された楽曲と同一の楽曲で、かつ、同一の難易度でプレイしたフレンドの成績を要求してもよい。
管理サーバ20のサーバ側送受信部21は、端末側送受信部17と通信可能に構成される。サーバ側送受信部21は、端末側送受信部17を介して、所定ユーザに関する情報、及び、フレンドのハイスコア情報の要求等を受信し、所定ユーザに関する情報に基づいて特定されたフレンドのハイスコア情報を、端末側送受信部17へ送信する。所定ユーザに関する情報とは、例えば、ユーザIDである。ゲーム端末10A1と管理サーバ20との間で既にセッションが確立している場合には、所定ユーザに関する情報として、セッション情報を用いてもよい。
成績特定部22は、所定ユーザに関する情報に基づいて、所定ユーザのフレンドを特定する。成績特定部22は、例えば、ハイスコア記憶部23を参照して所定ユーザのフレンドを特定する。図6は、ハイスコア記憶部23に格納されたテーブルの一例である。図6に示すように、ハイスコア記憶部23は、ユーザIDと当該ユーザIDのフレンドのユーザIDとを関連付けて記憶している。以下ではフレンドのユーザIDをフレンドIDという。例えば、ユーザIDが「ユーザAのID」である場合には、フレンドIDとして、「ユーザBのID」及び「ユーザCのID」が関連付けされている。ユーザBのIDには、「ユーザAのID」及び「ユーザDのID」が関連付けされている。ユーザCのIDには、「ユーザAのID」及び「ユーザDのID」が関連付けされている。ユーザDのIDには、「ユーザCのID」及び「ユーザBのID」が関連付けされている。ユーザEのIDには、フレンドIDが関連付けされていないため、「null」値が関連付けされる。ユーザIDに「null」が関連付けされている場合には、ユーザEにフレンドが存在しないことを意味する。このように、ハイスコア記憶部23は、ユーザIDとフレンドIDとが関連付けされて記憶されており、所定ユーザのフレンドを特定可能に構成されている。
さらに、ハイスコア記憶部23は、ユーザIDとプレイ可能な楽曲を識別する情報とを関連付けて記憶している。例えば、図6では、ユーザAのIDと曲M1の使用可否の情報とが関連付けされている。図中においては、ユーザが曲を使用することができる場合には「○」、ユーザが曲を使用することができない場合には「×」としている。例えば、ユーザA及びユーザBのIDは、曲M1の使用可否として「○」が関連付けされており、曲M2の使用可否として「○」が関連付けされている。また、ユーザC,D,EのIDは、曲M1の使用可否として「○」が関連付けされており、曲M2の使用可否として「×」が関連付けされている。なお、曲の使用可否とは、ユーザが特定の楽曲に基づくプレイを行うことを許可されているか否かを指し、例えばユーザが金銭的価値と引き換えに許可を得たり、ユーザが他のゲームを行うことにより許可を得たりなど、所定の許可条件を満たすことにより許可される。
そして、ハイスコア記憶部23は、ユーザIDと曲の難易度ごとの当該ユーザIDのハイスコアとを関連付けして記憶している。例えば、図6では、ユーザAのIDと、難易度が低い場合の楽曲M1のハイスコア「100000」、難易度が中程度の場合の楽曲M1のハイスコア「94583」、及び、難易度が高い場合の楽曲M1のハイスコア「66120」とが関連付けされている。さらに、ユーザAのIDと、難易度が低い場合の楽曲M2のハイスコア「97405」、難易度が中程度の場合の楽曲M2のハイスコア「92561」、及び、難易度が高い場合の楽曲M2のハイスコア「66120」とが関連付けされている。上述したハイスコア「100000」「94583」「66120」「97405」「92561」「66120」のそれぞれが、曲及び難易度ごとのユーザAの最高得点情報(ハイスコア情報)である。このように、ユーザAのユーザIDに対して、曲及び難易度ごとにハイスコアが関連付けされている。その他のユーザIDについても、同様であり、曲及び難易度ごとにハイスコア情報が関連付けされている。なお、ユーザが使用することができない曲の場合、又は、ユーザが使用することができる曲であっても一度もユーザがプレイしたことが無い難易度の場合には、ユーザIDと「null」値とが関連付けされる。図6に示したテーブルは一例であって、ユーザを特定可能な情報(例えばユーザID)と当該ユーザのハイスコア情報とが関連付けられ、及びユーザを特定可能な情報と当該ユーザと特定の関係(例えばフレンド関係)にある他のユーザを特定可能な情報とが関連付けられていれば、どのようなデータベースの構造であってもよい。例えばリレーショナルデータベースとしてもよい。
成績特定部22は、ハイスコア記憶部23を参照し、例えば所定ユーザのユーザIDを用いて、所定ユーザのフレンドIDを特定する。その後、成績特定部22は、ハイスコア記憶部23を参照し、特定されたフレンドIDと関連付けされた曲及び難易度のハイスコア情報を取得する。成績特定部22は、取得されたハイスコア情報を、サーバ側送受信部21を介してゲーム端末10A1へ送信する。ゲーム端末10A1の成績差分算出部165は、受信されたハイスコア情報を用いて、上述したスコアa16を算出する。
次に、ゲームシステム1の動作例を説明する。図7は、ゲームシステム1による処理を説明するフローチャートである。図7に示す処理は、ゲーム端末10A1及び管理サーバ20によって実行される。例えば、ゲーム端末10A1は、アプリケーションの起動から図7に示す処理を開始し、所定の間隔で繰り返し実行する。また、管理サーバ20は、ハイスコアを管理するためのプログラムの起動から図7に示す処理を開始し、所定の間隔で繰り返し実行する。なお、以下では、所定ユーザがユーザAである場合を一例として説明する。
最初に、出力制御部161が、ユーザAからの操作に応じて、楽曲及び難易度を選択する画面をタッチパネル14に表示させる。そして、受付部162が、ユーザAから楽曲及び難易度の設定操作を受け付けて、選択曲情報とする(S10)。なお、以下では、ユーザAが、難易度が中程度の曲M1を選択した場合を例に説明する。選択曲情報が入力されると、成績取得部166は、端末側送受信部17を介して管理サーバ20のサーバ側送受信部21へ、選択曲情報及びユーザAのユーザIDを送信し、フレンドのハイスコアの送信を要求する(S12)。
管理サーバ20は、選択曲情報、ユーザID及び送信要求を受信する(S14)。成績特定部22は、ハイスコア記憶部23を参照し、S14の処理で受信されたユーザAのユーザIDに基づいて、ユーザAのフレンドを特定する。例えば、図6に示すように、ユーザAのユーザIDに関連付けされたユーザBのユーザID及びユーザCのユーザIDを取得する。成績特定部22は、ハイスコア記憶部23を参照し、特定されたユーザBのユーザID、ユーザCのユーザID、及び、選択曲情報に基づいて、ユーザB及びユーザCのハイスコアを取得する。例えば、図6に示すように、難易度が中程度の曲M1におけるユーザBのハイスコアは、「97020」であり、難易度が中程度の曲M1におけるユーザCのハイスコアは、「null」値である。成績特定部22は、フレンドが複数存在する場合には、取得されたハイスコアのうち、最も良い成績を選択する。ここでは、ユーザCのデータが存在しないため、ユーザBのハイスコア「97020」がフレンドのハイスコア情報であると判定される。成績特定部22は、取得されたユーザBのハイスコア情報をサーバ側送受信部21へ出力する。サーバ側送受信部21は、ユーザAへユーザBのハイスコア情報を送信する。
端末側送受信部17は、ユーザBのハイスコア情報を受信し、成績取得部166へ出力する(S20)。そして、ユーザAによってゲームシステム1が提供するゲームを開始することが選択される。出力制御部161は、選択された楽曲M1のデータを楽曲データ記憶部150から読み出し、音声出力部13に対して楽曲M1を出力して再生させるとともに、楽曲M1に対応するシーケンスデータを読み出し、ゲームをスタートさせる(S22)。
出力制御部161は、進行する楽曲M1に合わせて、シーケンスデータに基づくタイミングでオブジェクトをタッチパネル14に表示させる出力制御処理を開始する(S24)。そして、ゲーム制御部160は、ユーザAから入力される操作に応じて、基準タイミング毎にゲーム制御処理を行い(S26)、楽曲が終わるとゲームを終了する(S28)。
図8は、S26におけるゲーム制御処理の動作例を示すフローチャートである。基準タイミングにおいて、受付部162が操作を受け付けると、判定部163は、タイミング判定処理と位置判定処理とを含む成否判定の処理を行う(S40)。成否判定処理において、判定部163が失敗と判定すると(S42:NO)、その基準タイミングにおけるゲーム制御処理を終了する。一方、成否判定処理において、判定部163が成功と判定すると(S42:YES)、報酬制御部164が報酬を決定し(S44)、決定された報酬をユーザAに付与する(S46)。
ユーザAに報酬が付与された場合、成績差分算出部165は、ユーザAの途中成績を算出する。そして、成績差分算出部165は、S20の処理で取得されたフレンドのハイスコアとユーザAの途中成績である累積スコアとの差分を算出する(S48)。例えば、ユーザAの獲得した得点が0点の場合には、差分「97020」がスコアa16として出力制御部へ出力される(S50)。あるいは、例えば、ユーザAが累積スコアとして「80020」の得点を獲得している場合には、図4のスコアa16で示すように、差分「17000」が表示される。そして、成績差分算出部165は、差分をスコアa16として出力制御部へ出力する(S50)。S50の処理が終了すると、図8に示す制御処理を終了する。図8に示す制御処理は、ゲームが終了するまで繰り返し実行される。
図7に戻り、1曲分のゲームが終了後において、ゲーム制御部160は、ユーザAがハイスコアを更新したか否かを判定する。ゲーム制御部160は、例えば、ユーザAの過去のハイスコアを図示しないメモリ等に記録しておき、ユーザAの過去のハイスコアとゲーム終了時の最終的な成績とを比較してハイスコアが更新されたか否かを判定する(S30)。例えば、難易度が中程度の曲M1のユーザAの過去のハイスコアは「94583」であるとする。今回の最終的な成績が「94583」より大きなスコアである場合には、ゲーム制御部160は、ハイスコアが更新されたと判定する。一方、今回の最終的な成績が「94583」以下である場合には、ゲーム制御部160は、ハイスコアが更新されなかったと判定する。
S30の処理において、ゲーム制御部160が、ハイスコアは更新されたと判定した場合には、ゲーム制御部160が、端末側送受信部17を介して、ユーザAの更新後のハイスコア情報を管理サーバ20へ送信する(S32)。送信が終了すると、ゲーム端末10A1の処理を終了する。
管理サーバ20は、ハイスコア情報を受信する(S34)。そして、管理サーバ20の図示しないデータ管理部がハイスコア記憶部23を更新する(S36)。更新が終了すると、管理サーバ20の処理を終了する。
以上で図7及び図8に示す制御処理を終了する。図7及び図8に示す制御処理を実行することで、所定ユーザのフレンドのハイスコアとの差分がゲームの実行中に所定ユーザへ提供される。
以上説明したように、本実施形態のゲームシステム1によれば、途中成績とフレンドのハイスコア情報との差がゲーム中にユーザへ報知されるので、ユーザは、プレイ中のゲームの途中成績とフレンドのハイスコアとの差分を意識しながら、ゲームをプレイすることができる。このような差分をゲーム中に所定ユーザへ報知することにより、所定ユーザはフレンドのハイスコアを更新することができそうか否かをプレイ中に容易に知ることができるため、ゲームにより熱中することになる。したがって、所定ユーザをゲームへ惹きつけるための動機を十分に所定ユーザへ与えることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を説明する。本実施形態に係るゲーム端末10Bは、第1実施形態において説明したゲーム端末10A1とほぼ同様に構成され、ゲーム端末10A1と比較して、管理サーバ20と通信しない点が相違する。すなわち、第2実施形態では、フレンドに関する情報を用いることなく、ゲーム端末10Bを利用するユーザの情報を用いてハイスコアに関する報知を行う。また、第2実施形態に係るゲーム端末10Bにより提供されるゲームの内容は、ゲーム端末10A1により提供されるゲームの内容とほぼ同様であり、スコアa16の算出方法のみが相違する。以下では、ゲーム端末10A1との相違点を中心に説明し、ゲーム端末10A1との共通部分については説明を省略する。
図9は、第2実施形態に係るゲーム端末10Bの機能ブロック図である。図9に示すように、記憶部15Aは、ハイスコア記憶部152を有する。ハイスコア記憶部152は、曲の難易度ごとのハイスコアを記録する。ハイスコアは、ゲーム端末10Bを利用するユーザによってゲームがプレイされたことにより得られた成績のうち最も高い成績を示す最高成績情報である。
成績取得部166Aは、第1実施形態に係る成績取得部166とほぼ同様に構成されており、通信を介することなく成績情報を取得する点が相違する。成績取得部166Aは、記憶部15Aを算出し、ゲーム端末10Bを利用するユーザのハイスコアを取得し、目標成績算出部167へ出力する。
目標成績算出部167は、ゲーム端末10Bを利用するユーザ自身のハイスコアを用いて、目標成績を示す目標成績情報を算出する。目標成績算出部167は、例えば、過去のハイスコアと同一か又はそれ以上に良い成績を目標成績として算出する。目標成績が得点の場合には、目標スコアが算出される。すなわち、目標スコアは、目標成績の一形態である。図10は、ゲーム端末10Bに表示されるゲーム画面の一例である。図10に示すように、目標スコアがゲーム中にタッチパネル14に表示され、獲得された得点で目標スコアが逐次減算されていく表示がなされる。その他の構成及びゲーム内容については、第1実施形態と同様である。
次に、ゲーム端末10Bの動作を説明する。図11は、ゲーム端末10Bによる処理を説明するフローチャートである。図11に示す処理は、ゲーム端末10Bによって実行される。例えば、ゲーム端末10Bは、アプリケーションの起動から図11に示す処理を開始し、所定の間隔で繰り返し実行する。
最初に、出力制御部161が、ゲーム端末10Bを利用するユーザからの操作に応じて、楽曲及び難易度を選択する画面をタッチパネル14に表示させる。そして、受付部162が、ユーザAから楽曲及び難易度の設定操作を受け付けて、選択曲情報とする(S60)。選択曲情報が入力されると、成績取得部166Aは、記憶部15Aのハイスコア記憶部152を参照し、ハイスコア情報を取得する(S62)。
目標成績算出部167は、S62の処理で得られたハイスコア情報を用いて、目標成績を算出する(S64)。例えば、ハイスコア情報以上のスコアを目標スコアとして設定する。例えば、ハイスコアに所定の得点(例えば2000点)を加算して目標スコアとしてもよい。あるいは、ハイスコアを所定の倍率(例えば110%)で増加させた値を目標スコアとしてもよい。あるいは、ハイスコアの値に応じて目標スコアが算出されてもよい。例えば、ハイスコアが第1の所定値(例えば、40000点)より小さい場合には、第1の倍率(例えば140%)で増加させ、ハイスコアが第1の所定値(例えば、40000点)以上で、第2の所定値(例えば80000点)より小さい場合には、第2の倍率(例えば120%)で増加させ、ハイスコアが第2の所定値以上の場合には、第3の倍率(例えば110%)で増加させてもよい。目標スコアの算出方法は上記に限られず、種々の方法を採用することができる。なお、ゲームルールとして得点の上限値が設定されている場合には、目標スコアは、上限値の以下の得点となるように設定される。ハイスコアが上限値の場合には、目標スコアは設定されなくてもよい。
S64の処理が終了すると、ゲーム開始処理へ移行する(S66)。S66〜S72の処理は、図7のS22〜S28の処理とほぼ同様である。すなわち、第1実施形態では、図8のS48の処理において、フレンドのハイスコアと途中成績との差分を算出して表示していたが、本実施形態では、目標スコアと途中成績との差分を算出して表示する。S72の処理が終了すると、図11に示す制御処理を終了する。なお、S72の処理の後に、ハイスコアが更新されている場合には、ハイスコア記憶部152のデータを更新すればよい。
以上で図11に示す制御処理を終了する。図11に示す制御処理を実行することで、ユーザ自身のハイスコアとの差分がゲームの実行中にユーザへ提供される。
次に、コンピュータをゲーム端末10Bとして機能させるためのゲーム端末プログラムを説明する。
ゲーム端末プログラムは、メインモジュール、入力モジュール及び演算処理モジュールを備えている。メインモジュールは、端末処理を統括的に制御する部分である。入力モジュールは、ユーザからの入力を受け付けるようにコンピュータを動作させる。演算処理モジュールは、取得モジュール、目標成績算出モジュール及び報知モジュールを備えている。メインモジュール、入力モジュール及び演算処理モジュールを実行させることにより実現される機能は、上述したゲーム端末10Bの各構成要素の機能と同様である。
ゲーム端末プログラムは、例えば、ROM又は半導体メモリ等の記録媒体によって提供される。また、ゲーム端末プログラムは、データ信号としてネットワークを介して提供されてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係るゲーム端末10Bによれば、途中成績とユーザ自身のハイスコア情報との差がゲーム中にユーザへ報知されるので、ユーザは、プレイ中のゲームの途中成績とユーザ自身のハイスコア情報との差分を意識しながら、ゲームをプレイすることができる。このような差分をゲーム中にユーザへ報知することにより、ユーザはユーザ自身のハイスコアを更新することができそうなのか否かをプレイ中に容易に知ることができるため、ゲームにより熱中することになる。したがって、ユーザをゲームへ惹きつけるための動機を十分にユーザへ与えることができる。
以上、実施形態について説明したが本発明は上記実施形態に限定されるものではない。以下、変形例について説明する。
例えば、上述の実施形態では、ゲーム制御部160が備える各機能部は、ゲーム端末に予めインストールされ記憶部15に記憶されたゲームプログラムに基づいて動作する例を示したが、ゲーム開始時にサーバ等からゲームプログラムを受信して動作する、いわゆるブラウザゲームなどであってもよい。
また、ゲームシステム1は、例えばSNS(Social Networking Service)等と連携し、SNSにおいて友達関係にある他のユーザとの間でのスコアランキングを表示したり、ゲーム結果を含むメッセージをSNSに投稿したりする機能を備えるようにしてもよい。
上述した各実施形態におけるゲームシステム1が備える各機能部は、クラウド環境やネットワーク環境、ユーザ数の規模、ゲーム性、ゲームシステムを構成するために用意されたハードウェアの数やスペック等に応じて、任意の台数のコンピュータ装置に分散または集約して配置することができる。この場合、ゲームシステム1が備える各機能部は、ネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置に分散することもできる。ここで、ネットワークとは、例えばインターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、専用回線、またはこれらの組み合わせによって構成される情報通信ネットワークを含む。
また、上述した各実施形態において、差分の表示は数字で表示しているが、数値をメータ等に置き換えて、棒グラフや円グラフで表示する場合であってもよい。また、上述した各実施形態における差分の情報は、途中成績からフレンドのハイスコア又は目標成績を減算した値であってもよい。この場合、差分が正となったときに、ハイスコア又は目標成績を更新したことを知ることができる。
また、上述した第2実施形態において、ユーザ自身のハイスコア情報をゲーム端末10Bと通信可能な装置から取得してもよい。
また、以下に記載するゲームシステム、ゲーム端末、ゲーム端末プログラム及びゲーム方法であってもよい。
本発明の一側面に係るゲームシステムは、ゲームを提供するゲーム端末(例えば、ゲーム端末10A1)、及び、ゲーム端末と通信可能な管理装置(例えば、管理サーバ20)を備えるゲームシステム(例えば、ゲームシステム1)であって、管理装置は、ゲームの複数のユーザそれぞれを識別するユーザ情報(例えば、ユーザID)と、複数のユーザそれぞれによりゲームがプレイされたことにより得られた成績を示す成績情報(例えば、ハイスコア情報)とが関連付けられて記録された記録部(例えば、ハイスコア記憶部23)を備え、ゲーム端末は、ゲーム端末を用いてゲームをプレイする所定ユーザのユーザ情報に基づいて、複数のユーザのうち所定ユーザと予め関連付けられた関連ユーザ(例えば、フレンド)の成績情報の少なくとも一部を管理装置と通信することにより取得する取得部(例えば、成績取得部166)と、取得部により取得された成績情報の少なくとも一部と所定ユーザのゲームの提供中における成績であるプレイ中成績情報(例えば、累積スコア又は逐次獲得された得点を示す情報)とに基づいて、関連ユーザの成績と所定ユーザの途中成績との差分に相当する値(例えば、スコアa16)を、所定ユーザへのゲームの提供中に所定ユーザへ報知する報知部(例えば、出力制御部161)と、を備える。
本発明の一側面に係るゲームシステムでは、関連ユーザの成績情報の少なくとも一部がゲーム端末と管理装置とが通信することにより取得され、関連ユーザの成績と所定ユーザの途中成績との差分に相当する値が、所定ユーザへのゲームの提供中に所定ユーザへ報知される。このため、ユーザは、プレイ中のゲームの途中成績とフレンドのハイスコア情報の差分を意識しながら、ゲームをプレイすることができる。
一実施形態では、ゲーム端末の取得部は、関連ユーザの成績情報のうち最も高い成績を示す成績情報を取得してもよい。この場合、ハイスコア情報との差分をユーザへ示すことができるので、ユーザのゲームに対するモチベーションを強く持たせることができる。
一実施形態では、報知部は、所定ユーザの途中成績が更新されたタイミングで、差分を更新して所定ユーザへ報知してもよい。この場合、リアルタイムでフレンドのハイスコアを更新したか否かをユーザへ報知することができる。
一実施形態では、ゲーム端末は、ゲームを表示する表示部をさらに備え、報知部は、ゲームの提供中に表示部に差分を表示させてもよい。また、一実施形態では、ゲームは、1ゲームあたりの時間が予め定められたゲームであってもよい。
本発明の他の側面に係るゲーム端末(例えば、ゲーム端末10B)は、ゲームを提供するゲーム端末であって、ユーザによりゲームがプレイされたことにより得られた成績のうち最も高い成績を示す最高成績情報を取得する取得部(例えば、成績取得部166A)と、取得部により取得された最高成績情報を用いて目標成績を示す目標成績情報を算出する目標成績算出部(例えば、目標成績算出部167)と、目標成績情報とユーザのゲームの提供中における成績であるプレイ中成績情報(例えば、累積スコア又は逐次獲得された得点を示す情報)とを用いて、目標成績とユーザの途中成績との差分(例えば、スコアa16)を、ユーザへのゲームの提供中にユーザへ報知する報知部(例えば、出力制御部161)と、を備える。
本発明のさらに他の側面に係るゲーム端末プログラムは、ゲームを提供するゲーム端末プログラムであって、ユーザによりゲームがプレイされたことにより得られた成績のうち最も高い成績を示す最高成績情報を取得する取得部(例えば、成績取得部166A)、取得部により取得された最高成績情報を用いて目標成績を示す目標成績情報(例えば、目標スコアを示す情報)を算出する目標成績算出部(例えば、目標成績算出部167)、及び、目標成績情報とユーザのゲームの提供中における成績であるプレイ中成績情報(例えば、累積スコア又は逐次獲得された得点を示す情報)とを用いて、目標成績とユーザの途中成績との差分(例えば、スコアa16)を、ユーザへのゲームの提供中にユーザへ報知する報知部(例えば、出力制御部161)としてゲーム端末(例えば、ゲーム端末10B)を動作させる。
本発明のさらに他の側面に係るゲーム方法は、ゲーム端末(例えば、ゲーム端末10A1)にてゲームをプレイ中の所定ユーザに対して情報を提供するゲーム方法であって、ゲーム端末が、所定ユーザに関連付けされた関連ユーザによってゲームがプレイされたことにより得られた成績を示す成績情報を管理する管理装置(例えば、管理サーバ20)と通信することによって、関連ユーザの成績情報の少なくとも一部を取得する取得ステップと、ゲーム端末が、取得ステップにより取得された成績情報の少なくとも一部と所定ユーザのゲームの提供中における成績であるプレイ中成績情報(例えば、累積スコア又は逐次獲得された得点を示す情報)とに基づいて、関連ユーザの成績と所定ユーザの途中成績との差分(例えば、スコアa16)を、所定ユーザへのゲームの提供中に所定ユーザへ報知する報知ステップと、を備える。
本発明のさらに他の側面に係るゲーム方法は、ゲーム端末(例えば、ゲーム端末10B)にてゲームをプレイ中のユーザに対して情報を提供するゲーム方法であって、ユーザによりゲームがプレイされたことにより得られた成績のうち最も高い成績を示す最高成績情報を取得する取得ステップと、取得ステップにより取得された最高成績情報を用いて目標成績を示す目標成績情報(例えば、目標スコアを示す情報)を算出する目標成績算出ステップと、目標成績情報とユーザのゲームの提供中における成績であるプレイ中成績情報(例えば、累積スコア又は逐次獲得された得点を示す情報)とを用いて、目標成績とユーザの途中成績との差分(例えば、スコアa16)を、ユーザへのゲームの提供中にユーザへ報知する報知ステップと、を備える。