本発明は、暗闇であっても、できるだけ自然な配色を有するカラー画像を形成することを課題の一つとする。
上記の目的を果たすために、本発明の一側面として、照射部、撮像部及び表色設定部を備え、前記照射部は、異なる波長強度分布を有する赤外線を被写体に照射し、前記撮像部は、前記被写体により反射された異なる波長強度分布を有するそれぞれの赤外線による前記被写体の画像を撮像してそれぞれの画像を表わす画像情報を形成し、前記表色設定部は、前記形成された画像情報が表わす画像それぞれを異なる単色により表色するための表色情報を前記画像情報に設定することを特徴とする画像撮影装置を開示する。
なお、一般に、さまざまな色空間が定義可能であり、それにより様々な表色が可能である
。その中でも、光の3原色「R」、「G」及び「B」を用いるRGB表色系が代表的な例である。RGB表色系では、波長700nmの光を原色「R」、波長546.1nmの光を原色「G」、波長435.8nmの光を原色「B」とし、RGB3原色を定義してもよい。但し、レーザープロジェクタのような特殊な表示装置以外の多くの表示装置では、そのような固定した一波長を表示することは困難であるので、特定の波長強度分布を有するものとして「R」、「G」及び「B」を適宜設定ないしは定義してもよい。つまり「R」、「G」及び「B」という表現は、それぞれ、特定の一波長の原色又は単色を表す場合だけでなく、特定の波長強度分布を有し、見た目が「R」、「G」及び「B」の3原色にそれぞれ近似した原色又は単色を表す場合がある。
また、一般に、人の視細胞である錐体細胞には、中心波長564nm程度で波長範囲400nm程度から680nm程度の赤色波長領域又は「R波長領域」に感度を有する細胞、中心波長534nm程度で波長範囲400nm程度から650nm程度の緑色波長領域又は「G波長領域」に感度を有する細胞及び中心波長420nm程度で波長範囲370nm程度から530nm程度の青色波長領域又は「B波長領域」に感度を有する細胞の3種類があるとされている。そして、人は、それら3種類の細胞によりそれぞれ「R」、「G」及び「B」に対応する色を視覚するとされる。なお、これら波長範囲には個人差があるため、厳密な定義は困難である。
また、被写体からの可視光線を色ガラスフィルタ等により「R波長領域」、「G波長領域」及び「B波長領域」に分離し、それぞれの波長領域による画像を撮像する。そして、「R波長領域」による画像の明度を「R」で、「G波長領域」による画像の明度を「G」で、「B波長領域」による画像の明度を「B」により表色し、それら3つの表色された画像を光の3原色を重ねて表示するいわゆる加法混色により、カラー画像として表色して表示してもよい。
また、「C」(Cyan)、「M」(Magenta)及び「Y」(Yellow)を3原色としてカラー表示するCMYカラー表示を行うこともできる。これは、特定の色濃度を有するインク等を白色の紙などに塗布し画像の明度を表現する場合によく用いられ、光を遮る形で色を混色するため、減法混色と呼ばれる。
なお、RGBカラー表示ないしはCMYカラー表示にB(Black)を追加したRGBBカラー表示ないしはCMYBk(key)、あるいは、CMYK(Key)カラー表示なども用いることが好ましい。
なお、本発明の各側面においては、表色とは、可視光線下における画像の明度又は特定の物理量の面内強度分布を、色の明度で表現することである。ただし、上述のように、原色あるいは単色により表色する場合や、カラー画像あるいはカラー表示のため加法混色や減法混色により複色で表色する場合がある。なお、原色あるいは単色は、特定の一波長から成る場合や、特定の波長強度分布を有する場合がある。
なお、一方、赤外線とは、人の目の感度の国際標準である比視感度曲線によると、750nm程度以上の人の目に見えない波長の光ないしは電磁波とすることも出来る。ただし、人の目の波長感度は個人差があるため、厳密な線引きは困難で、場合により前記波長は変動し得る。
また、赤外線は一般に人の目に見えない不可視光線とされる。ただし、赤外線の範疇に属する光であっても強度が非常に強い場合は人によっては見える場合がある。
なお、「R」又は「R波長領域」を中心波長640nm程度の色ないしは光としても良く
、「G」又は「G波長領域」を中心波長530nm程度の色ないしは光としても良く、「B」又は「B波長領域」を中心波長435nm程度の色ないしは光などとしても良い。
なお、「R」又は「R波長領域」を波長範囲625nmから740nm程度の色ないしは光としても良く、「G」又は「G波長領域」を波長範囲500nmから565nm程度の色ないしは光としても良く、「B」又は「B波長領域」を波長範囲450nmから485nm程度の色ないしは光などとしても良い。
なお、「R」又は「R波長領域」を、波長範囲570nmから750nm程度の色ないしは光としても良く、「G」又は「G波長領域」を、波長範囲480nmから570nm程度の色ないしは光としても良く、「B」又は「B波長領域」を、波長範囲400nmから480nm程度の色ないしは光などとしてもよい。
このように、「R」、「G」、「B」、「R波長領域」、「G波長領域」及び「B波長領域」の厳密な区別は困難であり、場合により変動し、重なりの度合いも変動し得る。なお、光と光線は同じものを意味する。
また、本発明の別の側面として、上記のいずれかの側面において、更に前記照射部は、更に前記異なる波長強度分布を有する赤外線を、LED(発光ダイオード)又は赤外線LED及びLD(レーザダイオード)又は赤外線LDのいずれか一又は複数が放射する赤外線により生成する構成を開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に前記撮像部は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーないしCMOS(Complementary Metal Organic Semiconductor)イメージセンサーないしAPD(Avalanche Photodiode)イメージセンサーなどの固体撮像素子、ないしは、イメージディセクタないしアイコノスコープないしイメージオルシコンないしビジコンないしサチコンないしプランビコンないしニュービコンないしニューコスビコンないしカルニコンないしトリニコンないしHARP(High−gain Avalanche Rushing amorphous
Photoconductor)ないし磁気フォーカス型イメージインテンシファイアないしは電場フォーカス型イメージインテンシファイアないしマイクロチャンネルプレートなどの撮像管ないし撮像板、ないしは、MEMS(Micro Electro Mechanical System)ボロメーターなどのボロメーター系撮影素子、ないしは、焦電系撮影素子などによる構成を開示する。
撮像素子は、SiないしはGeなどの単元素系ないしはSiGeないしはInAsないしはInSbないしはPbSないしはPbSeないしはInGaAsないしはHgCdTeなど化合物系を用いた固体撮像素子などにより構成されることが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に前記撮像部は、レンズ、絞り、フィルタなどによる構成を開示する。
なお、表色設定とは、画像を表示する際、画像の明度をどのような色により表色するかを予め設定しておくことである。表色設定は、例えば、画像情報又は画像信号の伝送のタイミングで設定することや、基準トリガーに逐次的に画像情報又は画像信号を対応させることにより設定することが出来る。また、表色情報又は表色設定信号を別途生成することで設定することや、画像情報又は画像信号に表色情報又は表色設定信号を重畳させることにより設定することや、メモリにおける番地で設定することや、信号処理おけるラベル付けやフラッグ付けにより設定すること等により行うことも出来る。
また、本発明のさらに別の側面として、照射部、撮像部、表色設定部及び制御処理部を備え、前記撮像部は、撮像動作開始信号を前記制御処理部に送り、前記制御処理部は、前記撮像動作開始信号を基に、照射動作開始指示信号を前記照射部に送り、更に表色設定動作開始指示信号を前記表色設定部に送り、前記照射部は、前記照射動作開始指示信号を基に、異なる波長強度分布を有する赤外線を被写体に照射し、前記撮像部は、前記被写体により反射された異なる波長強度分布を有するそれぞれの赤外線による前記被写体の画像を撮像してそれぞれの画像を表わす画像情報を形成して前記表色設定部に送り、前記表色設定部は、前記表色設定動作開始指示信号を基に、前記形成された画像情報が表わす画像のそれぞれを異なる単色により表色するための表色情報を前記画像情報に設定することを特徴とする画像撮影装置を開示する。
なお、本発明の各側面において、情報とは、事物や物事の内容又は様子、及び、その知らせである。情報は、信号により伝えられることが好ましい。そのため、情報と信号は同じものを意味する場合がある。
また、本発明のさらに別の側面として、照射部、撮像部、表色設定部及び制御処理部を備え、前記制御処理部は、照射動作開始指示信号を前記照射部に送り、更に撮像動作開始指示信号を前記撮像部に送り、更に表色設定動作開始指示信号を前記表色設定部に送り、前記照射部は、前記照射動作開始指示信号を基に、異なる波長強度分布を有する赤外線を被写体に照射し、前記撮像部は、前記撮像動作開始指示信号を基に、前記被写体により反射された異なる波長強度分布を有するそれぞれの赤外線による前記被写体の画像を撮像してそれぞれの画像を表わす画像情報を形成して前記表色設定部に送り、前記表色設定部は、前記表色設定動作開始指示信号を基に、前記形成された画像情報が表わす画像のそれぞれを異なる単色により表色するための表色情報を前記画像情報に設定することを特徴とする画像撮影装置を開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、更に照射部、撮像部、表色設定部及び制御処理部を備え、前記照射部は、照射動作開始信号を制御処理部に送り、更に異なる波長強度分布を有する赤外線を被写体に照射し、前記制御処理部は、前記照射動作開始信号を基に、撮像動作開始指示信号を前記撮像部に送り、更に表色設定動作開始指示信号を前記表色設定部に送り、前記撮像部は、前記被写体により反射された異なる波長強度分布を有するそれぞれの赤外線による前記被写体の画像を撮像してそれぞれの画像を表わす画像情報を形成して前記表色設定部に送り、前記表色設定部は、前記表色設定動作開始指示信号を基に、前記形成された画像情報が表わす画像それぞれを異なる単色により表色するための表色情報を前記画像情報に設定することを特徴とする画像撮影装置を開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、更に照射部、撮像部、表色設定部及び制御処理部を備え、前記表色設定部は、表色設定動作開始信号を前記制御処理部に送り、前記制御処理部は、前記表色設定動作開始信号を基に、照射動作開始指示信号を前記照射部に送り、更に撮像動作開始指示信号を前記撮像部に送り、前記照射部は、前記照射動作開始指示信号を基に、異なる波長強度分布を有する赤外線を被写体に照射し、前記撮像部は、前記撮像動作開始指示信号を基に、前記被写体により反射された異なる波長強度分布を有するそれぞれの赤外線による前記被写体の画像を撮像してそれぞれの画像を表わす画像情報を形成して前記表色設定部に送り、前記表色設定部は、前記形成された画像情報が表わす画像のそれぞれを異なる単色により表色するための表色情報を前記画像情報に設定することを特徴とする画像撮影装置を開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に表示部を備え、前記制御処理部は、更に表示動作開始指示信号を前記表示部に送り、前記表示部は、前
記表示動作開始指示信号を基に、前記表色情報が設定された画像情報の表わす画像のそれぞれを前記表色情報に従って表色して表示する構成を開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に画像保存部を備え、前記制御処理部は、更に画像保存動作開始指示信号を前記画像保存部に送り、前記画像保存部は、前記画像保存動作開始指示信号を基に、前記表色情報が設定された画像情報を保存する構成を開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に前記画像保存部は、前記画像保存部に保存された前記表色情報が設定された画像情報を、前記画像保存動作開始指示信号を基に前記表示部に送り、前記表示部は、前記表示動作開始指示信号を基に、前記表色情報が設定された画像情報及び前記画像保存部に保存された前記表色情報が設定された画像情報のいずれか一又は両方である表色情報が設定された画像情報の表わす画像を前記表色情報に従って表色して表示する構成を開示する。
本発明の別の側面においては、上記いずれかの側面において、更に分離照射部は、照射動作開始指示信号を受けたことを、照射動作開始指示信号を送った側に伝えることが好ましい。
本発明の別の側面においては、上記いずれかの側面において、更に撮像部は、撮像動作開始指示信号を受けたことを、撮像動作開始指示信号を送った側に伝えることが好ましい。
本発明の別の側面においては、上記いずれかの側面において、更に表色指定部は、表色設定動作開始指示信号を受けたことを、表色設定動作開始指示信号を送った側に伝えることが好ましい。
本発明の別の側面においては、上記いずれかの側面において、更に制御処理部は、撮像動作開始信号を受けたことを撮像部に伝えることが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記照射動作開始指示信号、前記撮像動作開始信号及び前記表色設定動作開始指示信号のいずれか一又は複数を赤外線により送ることが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記照射動作開始指示信号、前記撮像動作開始指示信号及び前記表色設定動作開始指示信号のいずれか一又は複数を赤外線により送ることが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記照射動作開始信号、前記撮像動作開始指示信号及び前記表色設定動作開始指示信号のいずれか一又は複数を赤外線により送ることが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記照射動作開始指示信号、前記撮像動作開始指示信号及び前記表色設定動作開始信号のいずれか一又は複数を赤外線により送ることが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に前記表示動作開始指示信号及び画像保存動作開始指示信号のいずれか一又は複数を赤外線により送る構成を開示する。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に各種動作開
始信号及び各種動作開始指示信号のいずれか一又は複数を無線により送ることが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記照射部は、前記照射動作開始信号を前記異なる波長強度分布を有する赤外線のいずれか一又は複数に重畳させることが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記撮像部は、更に波長検出部を備え、前記波長検出部は、前記異なる波長強度分布を有する赤外線のいずれか一又は複数の波長、及びまたは、前記被写体により反射された異なる波長強度分布を有するそれぞれの赤外線のいずれか一又は複数の波長を計測し、前記照射部の動作の状態を検知することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、前記撮像部は、更に情報生成部を備え、前記撮像動作開始信号及び前記画像情報からコンポジット信号及びまたはコンポーネント信号を生成することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、前記制御処理部は、更に情報分離部を備え、前記コンポジット信号及びまたはコンポーネント信号を前記撮像動作開始信号及び前記画像情報のいずれか一又は複数に分離することが好ましい。なお、コンポーネント信号は、画像を構成する輝度信号、同期信号、色信号をそれぞれ分解して扱えるようにした映像信号又は画像情報であり、コンポジット信号は、映像を構成する輝度信号、色信号、同期信号を合成し、信号線1本でも扱えるようにした複合同期信号又は画像情報である。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に画像変換部を備え、前記画像変換部は、前記表色情報が設定された画像情報及び前記画像保存部に保存された前記表色情報が設定された画像情報のいずれか一又は複数に、加算、減算、乗算および除算のいずれかの四則演算、指数関数、対数関数および任意関数のいずれか一又は複数を用いた演算を適用して変換された画像情報又は画像を形成する構成を開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に前記撮像部は、撮像動作開始信号を生成し、更に情報生成部を備え、前記情報生成部は、前記撮像動作開始信号及び前記画像情報を分離可能に合成した合成情報を生成する構成を開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、前記制御処理部は、更に情報分離部を備え、前記情報分離部は、前記合成情報から前記撮像動作開始信号及び前記画像情報のいずれか一又は複数を分離する構成を開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に前記表色設定部は、前記形成された画像情報が表わす画像のうち、波長範囲又は中心波長が最も短波長側にある波長強度分布を有する赤外線により撮像された第1画像を「R」により表色するための表色情報を、前記第1画像を表す画像情報に設定し、前記第1画像以外の前記撮像された画像を前記「R」以外により表色するための表色情報を、前記第1画像を表す画像情報以外の前記形成された画像情報に設定する構成を開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、分離部、撮像部及び表色設定部を備え、前記分離部は、被写体からの光線を、異なる波長強度分布を有する赤外線に分離し、前記撮像部は、それぞれの前記赤外線により前記被写体の画像を撮像して画像情報を形成し、前記表色設定部は、前記撮像された画像のうち、波長範囲又は中心波長が最も短波長側にある波長
強度分布を有する赤外線により撮像された第1画像を「R」により表色するための表色情報を、前記第1画像を表す画像情報に設定し、前記第1画像以外の前記撮像された画像を前記「R」以外により表色するための表色情報を、前記第1画像を表す画像情報以外の前記形成された画像情報に設定することを特徴とする画像撮影装置を開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、前記表色設定部は、前記撮像された画像のうち、波長範囲又は中心波長が最も短波長側にある波長強度分布を有する第1赤外線により撮像された第1画像を「R」により表色するための表色情報を、前記第1画像を表す画像情報に設定し、波長範囲又は中心波長が前記第1赤外線の次に短波長側にある波長強度分布を有する赤外線により撮像された第2画像を「G」により表色するための表色情報を、前記第2画像を表す画像情報に設定し、前記第1画像及び前記第2画像以外の前記撮像された第3画像を「B」により表色するための表色情報を、前記第3画像を表す画像情報に設定することを特徴とする画像撮影装置を開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、分離部、撮像部及び表色設定部を備え、前記分離部は、被写体からの光線を、異なる波長強度分布を有する光線に分離し、前記撮像部は、それぞれの前記異なる波長強度分布を有する光線により前記被写体の画像を撮像して画像情報を形成し、前記表色設定部は、前記撮像された画像のうち、「R波長領域」を有する可視光線及び前記「R波長領域」に最も近い波長強度分布を有する赤外線により撮像された第1画像を「R」により表色するための表色情報を、前記第1画像を表す画像情報に設定し、前記第1画像以外の前記撮像された画像を前記「R」以外により表色するための表色情報を、前記第1画像を表す画像情報以外の前記形成された画像情報に設定することを特徴とする画像撮影装置を開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、前記表色設定部は、前記撮像された画像のうち、「R波長領域」を有する可視光線及び前記「R波長領域」に最も近い波長強度分布を有する第1赤外線により撮像された第1画像を「R」により表色するための表色情報を、第1画像を表す画像情報に設定し、「G波長領域」を有する可視光線及び前記第1赤外線に最も近接した波長強度分布を有する赤外線により撮像された第2画像を「G」により表色するための表色情報を、前記第2画像を表す画像情報に設定し、前記第1画像及び前記第2画像以外の前記撮像された第3画像を「B」により表色するための表色情報を、前記第3画像を表す画像情報に設定することを特徴とする画像撮影装置を開示する。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記第1画像を「R」により表色し、第2画像を「B」により表色し、第3画像を「G」により表色することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記第1画像を「G」により表色し、第2画像を「B」により表色し、第3画像を「R」により表色してもよい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記第1画像を「G」により表色し、第2画像を「R」により表色し、第3画像を「B」により表色してもよい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記第1画像を「B」により表色し、第2画像を「R」により表色し、第3画像を「G」により表色してもよい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記第1画像を「B」により表色し、第2画像を「G」により表色し、第3画像を「R」により表色してもよい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に、前記所定のカラーを「R」、「G」及び「B」の単色あるいは原色のいずれか一又は複数、あるいは、適当な異なる単色または原色、更にそれらの組み合わせとすることが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記分離部を、異なる透過波長強度分布または異なる反射波長強度分布を有する一又は複数のバンドパスフィルタ、一又は複数のダイクロイックプレートフィルタ、一又は複数のダイクロイックプリズムフィルタのいずれか一又は複数などを用いて構成することが好ましい。
なお、ダイクロイックプリズムにより構成される3板用フィルタとしては、三つのプリズムを備え、第1と2ダイクロイックプリズムからそれぞれ2回の内面反射で出射させる複合プリズム(いわゆるフィリップスタイプのダイクロイックプリズム)、三つのプリズムを備え、第1ダイクロイックプリズムから2回の内面反射で出射させ第2ダイクロイックプリズムから1回の内面反射で出射させる複合プリズム(いわゆるソニータイプのダイクロイックプリズム)、三つの直角三角柱と一つの二等辺三角柱とを備え、正三角柱状複合プリズム(いわゆるカスケードタイプのダイクロイックプリズム)、四つの直角二等辺三角柱を備え、X状の接合面を有する正四角柱状複合プリズム(いわゆるクロスダイクロイックプリズム、あるいは、Xキューブ)、二つの三角錐と二つの四角錐とを備え、Z状の辺と接合面とを有し3次元の光路を有する立方体状複合プリズム(いわゆるZキューブ)などがある。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記分離部をガラスフィルタ、プラスチックフィルタ、液晶フィルタなどを用いて構成することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に前記撮像部は、複数の画素を備え、前記分離部は、前記複数の画素のそれぞれに被着して成る構成を開示する。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記バンドパスプレートフィルタがレンズ形状であることが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記ダイクロイックプリズムフィルタの入射口をレンズ形状にすることが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記撮像部が複数の撮像部を備え、前記複数の撮像部の動作の開始を同期させることが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記複数の撮像部の動作の開始をGenlock又はそれに準ずる手段により同期させることが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に紫外線、可視光線及び赤外線のいずれか一又は複数をカットして撮影することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に表示部を備え
、前記表示部は、前記表色情報が設定された画像情報の表わす画像のそれぞれを前記表色情報に従って表色して表示する構成を開示する。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記表示部は、前記表色情報が設定された画像情報の表わす画像のそれぞれを前記表色情報に従って表色して時間をずらして表示することが好ましい。
本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、画像撮影装置は、更に前記表示部が、前記異なる画像を連続表示しカラー画像を表示する構成を開示する。
本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、画像撮影装置は、更に前記表示部が、前記異なる画像を加法混色しカラー画像を表示する構成を開示する。
本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、画像撮影装置は、更に前記表示部が、前記異なる画像を減法混色しカラー画像を表示する構成を開示する。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、画像撮影装置は、更に前記表示部がブラウン管モニターや液晶モニターなどの発光型表示装置、透過型表示装置又は反射型表示装置、あるいは、印刷物などで構成されることが好ましい。
なお、一般に、表示部であるブラウン管モニターや液晶モニターは、表色情報が設定された画像情報により、被写体の画像を、「R」、「G」及び「B」を用い加法混色によりカラー画像を表示することが好ましい。
また、印刷による表示は、表色情報が設定された画像情報により、被写体の画像を、「C」、「M」及び「Y」を用い減法混色によりカラー画像を表示することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に画像保存部を備え、前記画像保存部は、前記表色情報が設定された画像情報を保存する構成を開示する。
なお、前記画像保存部は、ビデオデコーダ、ビデオエンコーダ、FPGA、PLD、CPLD、DSP、SDRAM、フィールドメモリ、フレームメモリや、SAMPLE&HOLD回路、ラッチ回路などを用いて構成することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に前記照射部は、前記赤外線のそれぞれを、位相差を付けて強度変調して前記被写体に照射する構成を開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に前記照射部は、前記赤外線のそれぞれを異なる周波数で強度変調して前記被写体に照射する構成を開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に前記照射部は、前記赤外線のそれぞれを実質的に異なる時間範囲に前記被写体に照射する構成を開示する。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に異なる波長強度分布を有する赤外線を、LED及びLDのいずれか一又は複数を点滅させることにより強度変調することが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に異なる波長強度分布を有する赤外線を、LED及びLDのいずれか一又は複数をパルス的に発光させることにより強度変調することが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に異なる波長強度分布を有する赤外線を、矩形波、サイン波、コサイン波、三角波、鋸波などのような波形、それらの合成波、デューティー比やバイアスを持ったそれらの波形、合成波などの波形状に強度変調されることが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に異なる波長強度分布を有する赤外線を、開閉スリットやチョッパーで強度変調して被写体に照射することが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、更に異なる波長強度分布を有する赤外線のそれぞれの単一のパルス赤外線照射に時間差を付けることにより位相差を付けて強度変調された異なる波長強度分布を有する赤外線を被写体に照射することが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、更に異なる波長強度分布を有する赤外線のそれぞれの複数のパルス赤外線照射に時間差を付けることにより位相差を付けて強度変調された異なる波長強度分布を有する赤外線を被写体に照射することが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、更に異なる波長強度分布を有しかつ位相差を付けて強度変調された異なる波長強度分布を有する赤外線の異なる位相の差が、0.1秒以下であることが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に異なる波長強度分布を有する赤外線を、赤外線LED及び又は赤外線ランプと赤外線フィルタにより形成することが好ましい。
なお、赤外線フィルタとしては、各種透過波長帯を有する赤外線バンドパスフィルタ、赤外線長波長透過フィルタと赤外線短波長透過フィルタの組み合わせなどがある。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に異なる波長強度分布を有する赤外線を、赤外線LED及び又は赤外線LDを波長変調や偏光変調することにより形成することが好ましい。なお、波長変調や偏光変調は、電磁的に行うことが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に赤外線LED及び又は赤外線LDが750nm程度から1200nm程度の波長範囲の中の波長範囲で発光することが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に赤外線LED及び又は赤外線LDが750nm程度から1200nm程度の波長範囲の中の中心波長で発光することが好ましい。
なお、本発明のさらに別の側面としては、異なる波長強度分布を有する赤外線を、複数の赤外線光源により発せられることが好ましい。
なお、本発明のさらに別の側面としては、異なる波長強度分布を有する赤外線は、一つ以
上の赤外線光源を複数に分割して発せられることが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、前記照射部の動作と前記撮像部の動作とが同期して開始することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、前記照射部の動作と前記撮像部の動作と前記表色設定部の動作とが同期して開始することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、前記照射部の動作及び前記撮像部の動作が所定の時間間隔で開始することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、前記照射部の動作、前記撮像部の動作及び前記表色設定部の動作が所定の時間間隔で開始することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に前記撮像部は、前記被写体に反射された異なる周波数で強度変調された異なる波長強度分布を有する赤外線のそれぞれを検波して分離して撮像する構成を開示する。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、前記照射部の動作及び前記撮像部の動作が10Hz以上の周波数で定期的に開始することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、前記照射部の動作、前記撮像部の動作及び前記表色設定部の動作が10Hz以上の周波数で定期的に開始することが好ましい。これは、10Hz以上の周波数で異なる画像を連続表示すれば人の目にはほぼカラー静止画像ないしはカラー動画に見えるからである。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に前記表示部は、前記表色情報が設定された画像情報及び前記画像保存部に保存された前記表色情報が設定された画像情報のいずれか一方又は両方である表色情報が設定された画像情報の表わす画像を前記表色情報に従って表色して表示する構成を開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に前記表示部は、前記表色情報が設定された画像情報が表わす画像それぞれを前記表色情報に従って表色して、同時に表示する構成を開示する。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、前記照射部の動作、前記撮像部の動作、前記表色設定部の動作及び前記保存部の動作が同期して開始することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、前記照射部の動作、前記撮像部の動作、前記表色設定部の動作及び前記保存部の動作が所定の時間間隔で開始することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、前記照射部、前記撮像部、前記制御処理部、前記表色設定部、前記画像保存部、前記画像変換部及び前記画像表示部のいずれか一又は複数が1体化されていることが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、前記制御処理部、前記照射部、前記撮像部、前記表色設定部、前記画像保存部、前記画像変換部及び前記
画像表示部のいずれか一又は複数がオンチップ化されていることが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、前記照射部、前記撮像部、前記制御処理部、前記表色設定部、前記画像保存部、前記画像変換部及び前記画像表示部のいずれか一又は複数は、更に濃度調整部を備え、前記濃度調整部は、前記表色情報が設定された画像情報、前記画像保存部に保存された前記表色情報が設定された画像情報及び前記変換された画像情報のいずれか一又は複数の表色の明度若しくは濃度、コントラスト及びガンマー補正のパラメータのいずれか一又は複数を調整することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、前記表色設定部又は前記制御処理部は、RGBビデオ信号、NTSCビデオ信号、PALビデオ信号、SECAMビデオ信号、その他のコンポジット映像信号、YC分離信号、Sビデオ信号、SDI信号、その他のコンポーネント映像信号、MPEG系デジタル映像信号、イーサーネット映像信号及びその他のデジタル映像信号などのいずれか一又は複数を出力する信号出力部を備えることが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、前記照射部、前記撮像部、前記表色設定部及び前記制御処理部のいずれか一又は複数は、RGBビデオ信号、NTSCビデオ信号、PALビデオ信号、SECAMビデオ信号、その他のコンポジット映像信号、YC分離信号、Sビデオ信号、SDI信号、その他のコンポーネント映像信号、MPEG系デジタル映像信号、イーサーネット映像信号及びその他のデジタル映像信号などのいずれか一又は複数を出力することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、異なる波長強度分布を有する赤外線を被写体に照射し、前記被写体により反射された異なる波長強度分布を有するそれぞれの赤外線による前記被写体の画像を撮像してそれぞれの画像を表わす画像情報を形成し、前記形成された画像情報の表わす画像のそれぞれを異なる単色により表色することを特徴とする画像撮影方法を開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、更に、前記撮像された画像のうち、波長範囲又は中心波長が最も短波長側にある波長強度分布を有する赤外線により撮影された第1画像を「R」により表色し、前記第1画像以外の前記撮像された画像を前記「R」以外により表色することを開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、更に、前記撮像された画像のうち、波長範囲又は中心波長が最も短波長側にある波長強度分布を有する第1赤外線により撮影された第1画像を「R」により表色し、波長範囲又は中心波長が前記第1赤外線の次に短波長側にある波長強度分布を有する第2赤外線により撮影された第2画像を「G」により表色し、前記第1画像及び前記第2画像以外の前記撮像された画像を前記「B」以外により表色することを開示する。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記第2画像を「B」により表色し、前記第1画像及び前記第2画像以外の画像を「G」により表色することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に、前記異なる単色を「R」、「G」及び「B」のいずれか一又は複数、あるいは、適当な異なる単色または原色、更にそれらの組み合わせとすることが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記第1画像を「R」により表色し、前記第1画像以外の前記撮像された画像を「G」及び「B」のいずれか一又は複数、あるいは、適当な異なる単色または原色、更にそれらの組み合わせにより表色することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に、前記異なる単色または原色を「C」、「M」及び「Y」のいずれか一又は複数、あるいは、適当な異なる単色または原色、更にそれらの組み合わせとすることが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記表色された画像を、加法混色した適当な2単色、2原色又は「R」、「G」及び「B」のいずれか二つのよるカラー画像を形成することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記表色された画像を、減法混色した適当な2単色、2原色又は「C」、「M」及び「Y」のいずれか二つのよるカラー画像を形成することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記表色された画像を加法混色した適当な3単色、3原色又は「R」、「G」及び「B」によるカラー画像を形成することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記表色された画像を減法混色した適当な3単色、3原色又は「C」、「M」及び「Y」によるカラー画像を形成することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記RGBカラー画像をRGBBカラー、インデックスカラー、CMYカラー、CMYKカラー又はその他の別種のカラー表示による変換カラー画像に変換することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記画像に、加算、減算、乗算及び除算のいずれかの四則演算、指数関数、対数関数及び任意関数のいずれか一又は複数を用いた演算を適用して変換された画像を形成することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記撮影された画像、前記撮像された画像、2単色又は2原色カラー画像、3単色又は3原色カラー画像、RGBカラー画像、CMYカラー画像、変換された画像及び変換カラー画像のいずれか一又は複数を保存することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記撮影された画像、前記撮像された画像、2単色又は2原色カラー画像、3単色又は3原色カラー画像、RGBカラー画像、CMYカラー画像、変換された画像及び変換カラー画像のいずれか一又は複数を表示することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記表色された画像、2単色又は2原色カラー画像、3単色又は3原色カラー画像、RGBカラー画像、変換された画像及び変換カラー画像のいずれか一又は複数のカラーのカラーバランス、色相、明度又は濃度、コントラスト及びガンマー補正のパラメータのいずれか一又は複数をそれぞれ調整することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に二つ、三つ
又は四つ以上の異なる波長強度分布を有する赤外線を被写体に照射することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に前記異なる波長強度分布を有する赤外線のそれぞれを、位相差を付けて強度変調して前記被写体に照射することを開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に前記異なる波長強度分布を有する赤外線のそれぞれを異なる周波数で強度変調して前記被写体に照射することを開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に前記異なる波長強度分布を有する赤外線を異なる時間範囲に前記被写体に照射することを開示する。すなわち、それぞれの赤外線は実質的に同時に照射されないのが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記照射の動作と、前記撮像の動作とを同期して開始することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記照射の動作と、前記撮像の動作と、前記表色の実行とを同期して開始することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面として、被写体からの赤外線を、異なる波長強度分布を有する赤外線に分離し、前記異なる波長強度分布を有するそれぞれの赤外線により前記被写体の画像を撮像し、前記撮像された画像のうち、波長範囲又は中心波長が最も短波長側にある波長強度分布を有する赤外線により撮影された第1画像を「R」により表色し、前記第1画像以外の前記撮像された画像を前記「R」以外により表色することを特徴とする画像撮影方法を開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、前記撮像された画像のうち、波長範囲又は中心波長が最も短波長側にある波長強度分布を有する第1赤外線により撮影された第1画像を「R」により表色し、波長範囲又は中心波長が前記第1赤外線の次に短波長側にある波長強度分布を有する第2赤外線により撮影された第2画像を「G」により表色し、前記第1画像及び前記第2画像以外の画像を「B」により表色する画像撮影方法を開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に前記第2画像を「B」により表色し、前記第1画像及び前記第2画像以外の画像を「G」により表色することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に一つの波長強度分布を有する赤外線、二つ又は三つ以上の異なる波長強度分布を有する赤外線を被写体に照射することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記照射の動作と、前記撮像の動作とを同期して開始することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記照射の動作と、前記撮像の動作と、前記表色の実行とを同期して開始することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面として、被写体からの光線を、異なる波長強度分布を有する光線に分離し、前記異なる波長強度分布を有するそれぞれの光線により前記被写体の画像を撮像し、前記撮像された画像のうち、「R波長領域」を有する可視光線及び前記「R
波長領域」に最も近い波長強度分布を有する赤外線により撮像された第1画像を「R」により表色し、前記第1画像以外の前記撮像された画像を前記「R」以外により表色することを特徴とする画像撮影方法を開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、前記撮像された画像のうち、「R波長領域」を有する可視光線及び前記「R波長領域」に最も近い波長強度分布を有する第1赤外線により撮像された第1画像を「R」により表色し、「G波長領域」を有する可視光線及び前記第1赤外線に近い波長強度分布を有する第2赤外線により撮像された第2画像を「G」により表色し、前記第1画像及び前記第2画像以外の画像を「B」により表色することを特徴とする画像撮影方法を開示する。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記第2画像を「B」により表色し、前記第1画像及び前記第2画像以外の画像を「G」により表色することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に一つ、二つ又は三つ以上の異なる波長強度分布を有する光線を被写体に照射することが好ましい。
また本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記異なる波長強度分布を有する光線を、位相差を付けて強度変調して前記被写体に照射することを開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に前記異なる波長強度分布を有する光線のそれぞれを異なる周波数で強度変調して前記被写体に照射することを開示する。
また、本発明のさらに別の側面として、上記いずれかの側面において、更に前記異なる波長強度分布を有する光線を異なる時間範囲に前記被写体に照射することを開示する。すなわち、それぞれの赤外線は実質的に同時に照射されないのが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記照射の動作と、前記撮像の動作とを同期して開始することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に前記照射の動作と、前記撮像の動作と、前記表色の実行とを同期して開始することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、前記撮像された画像を表色して表示することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、前記撮像された画像を保存することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、前記撮像された画像及び前記保存された画像のいずれか一方又は両方を表色して表示することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、前記撮像された画像及び前記保存された画像のいずれか一方又は両方を表色して同時に表示することが好ましい。
また、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、前記撮像された画像及び前記保存された画像のいずれか一方又は両方を表色して異なった時間範囲に表示することが好ましい。
なお、本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に被写体からの光線が、被写体により反射された光線、被写体を透過した光線又は被写体から放射された光線のいずれか一方又は複数であることが好ましい。
なお、一般に、光線又は光は、紫外線、可視光線及び赤外線のいずれか一又は複数から成る。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に紫外線、可視光線及び赤外線のいずれか一又は複数を用いることが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に太陽光線を用いることが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に月からの光線を用いることが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に星や星雲など宇宙からの光線を用いることが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に白熱灯光線を用いることが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に蛍光灯光線を用いることが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に紫外線ないしは可視光線ないしは赤外線をバイアス光として用いることが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に日中に前記撮像部であるカラーCCDカメラを用い、夜間に前記撮像部であるモノクロCCDカメラを用いるよう切り替えることが好ましい。なお、切り替えは光検出素子、照度計、太陽電池などにより明るさを計測することに基づいて行われることが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に日中と夜間ともに前記撮像部であるモノクロCCDカメラを用いることが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に日中と夜間ともに前記撮像部であるカラーCCDカメラを用いることが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、夜間には赤外線照明を用いて前記撮像部であるカラーCCDカメラを用いることが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に日中に前記撮像部であるカラーCMOSカメラを用い、夜間に前記撮像部であるモノクロCMOSカメラを用いるよう切り替えることが好ましい。なお、切り替えは光検出素子、照度計や太陽電池などにより明るさを計測することに基づいて行われることが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に日中と夜間ともに前記撮像部であるモノクロCMOSカメラを用いることが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に日中と夜間ともに前記撮像部であるカラーCMOSカメラを用いることが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に日中に赤外線カットフィルタを用い、夜間に赤外線カットフィルタを用いないよう切り替えることが好ましい。なお、切り替えは光検出素子、照度計や太陽電池などにより明るさを計測することに基づいて行われることが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更にカラー前記撮像部であるCCDないしは前記撮像部であるカラーCMOSカメラの場合は、NTSCビデオ信号のようにRGB成分を一つにまとめて1画像とすることが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に暗視カメラなどの監視ないしはセキュリティー用に用いることが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に暗視ゴーグルないしは暗視眼鏡として用いることが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に、カラー画像表示を白黒画像表示で行ってもよい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に複数の照射部を複数個所に固定設置し、持ち運び可能に一体化した撮像部と表色設定部により画像撮影を行ってもよい。この場合、照射部は独立したもののようにも見えるが、本発明による画像撮影のためには、別途、撮像部、表色設定部、制御処理部などが必要である。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に照射部、撮像部、表色設定部、制御処理部などを天井などの屋内や、自動車、電車、船舶や飛行機などの車内、船内や機内などに設置してもよい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に照射部、撮像部、表色設定部、制御処理部などを街灯や看板や信号機などに用いるような柱に設置してもよい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に照射部、撮像部、表色設定部、制御処理部などを家屋やビルなどの建造物に設置してもよい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、更に照射部、撮像部、表色設定部、制御処理部などを蛍光灯に内蔵させてもよい。
本発明のさらに別の側面としては、所定の波長強度分布を有する赤外線を反射する被着性部材を備える被写体に赤外線を照射し、前記被写体により反射された赤外線を撮像することにより前記被写体のカラー画像を得ることが好ましい。
本発明のさらに別の側面としては、上記いずれかの側面において、所定の波長強度分布を有する赤外線を反射する被着性部材を備える被写体に赤外線を照射し、前記被写体により
反射された赤外線を撮像することにより可視光域の白色光下における被写体のカラーと同一又は近似した前記被写体のカラー画像を得ることが好ましい。
本発明のさらに別の側面として、照射部、分離部、撮像部及び表色設定部を備え、前記照射部は、赤外線を被写体に照射し、前記分離部は、前記被写体により反射された赤外線を、異なる波長強度分布を有する赤外線に分離し、前記撮像部は、それぞれの前記赤外線により前記被写体の画像を撮像して画像情報を形成し、前記表色設定部は、前記形成された画像情報が表わす画像それぞれを異なる単色により表色するための表色情報を前記画像情報に設定することを特徴とする画像撮影装置を提供する。
本発明のさらに別の側面として、分離部、撮像部及び表色設定部を備え、前記分離部は、被写体からの光線を、異なる波長強度分布を有する光線に分離し、前記撮像部は、それぞれの前記異なる波長強度分布を有する光線により前記被写体の画像を撮像して画像情報を形成し、前記表色設定部は、前記形成された画像情報が表わす画像のそれぞれを異なる単色により表色するための表色情報を前記画像情報に設定することを特徴とする画像撮影装置を提供する。
本発明のさらに別の側面として、被写体からの赤外線を異なる波長強度分布を有する赤外線に分離し、異なる波長強度分布を有するそれぞれの赤外線による前記被写体の画像を撮像してそれぞれの画像を表わす画像情報を形成し、前記形成された画像情報の表わす画像のそれぞれを異なる単色により表色することを特徴とする画像撮影方法を提供する。
本発明のさらに別の側面として、赤外線を被写体に照射し、前記被写体により反射された赤外線を、異なる波長強度分布を有する赤外線に分離し、前記異なる波長強度分布を有するそれぞれの赤外線により前記被写体の画像を撮像してそれぞれの画像を表わす画像情報を形成し、前記形成された画像情報の表わす画像のそれぞれを異なる単色により表色することを特徴とする画像撮影方法を提供する。
本発明のさらに別の側面として、被写体からの光線を、異なる波長強度分布を有する光線に分離し、前記異なる波長強度分布を有するそれぞれの赤外線により前記被写体の画像を撮像してそれぞれの画像を表わす画像情報を形成し、前記形成された画像情報の表わす画像のそれぞれを異なる単色により表色することを特徴とする画像撮影方法を提供する。
本発明のさらに別の側面として、被写体からの光線を、異なる波長強度分布を有する光線に分離し、前記異なる波長強度分布を有するそれぞれの光線により前記被写体の画像を撮像し、前記撮像された画像のうち、「R波長領域」を有する可視光線及び前記「R波長領域」に最も近い波長強度分布を有する赤外線により撮像された第1画像を「R」により表色し、「B波長領域」を有する可視光線及び前記「R波長領域」に最も近い波長強度分布を有する赤外線の次に近い波長強度分布を有する赤外線により撮像された第2画像を「B」により表色し、前記第1画像および前記第2画像以外の前記撮像された画像を「G」により表色することを特徴とする画像撮影方法を提供する。
本発明のさらに別の側面として、可視光域の白色光下における被写体のカラーと同一又は近似したカラー画像を、前記被写体からの赤外線により撮像された画像より得ることを特徴とする画像撮影方法を提供する。
本発明のさらに別の側面として、可視光域の白色光下における被写体のカラーと同一又は近似したカラー画像を、前記被写体に赤外線を照射して前記被写体により反射された赤外線により撮像された画像より得ることを特徴とする画像撮影方法を提供する。
本発明のさらに別の側面として、可視光域の白色光下における人の肌のカラーと同一又は近似したカラー画像を、前記人の肌に赤外線を照射して前記人の肌により反射された赤外線により撮像された画像より得ることを特徴とする画像撮影方法を提供する。
本発明のさらに別の側面として、更に前記撮像部がシリコンイメージセンサーを備え、可視光域の白色光下における被写体のカラーと同一又は近似したカラー画像を、前記被写体からの赤外線により撮像された画像より得ることを特徴とする画像撮影装置を提供する。
本発明のさらに別の側面として、更に前記撮像部がシリコンイメージセンサーを備え、可視光域の白色光下における被写体のカラーと同一又は近似したカラー画像を、前記被写体に赤外線を照射し、前記被写体により反射された赤外線により撮像された画像より得ることを特徴とする画像撮影装置を提供する。
本発明のさらに別の側面として、分離部、撮像部及び表色設定部を備え、前記分離部は、被写体からの光線を、異なる波長強度分布を有する光線に分離し、前記撮像部は、更にシリコンイメージセンサーを備え、それぞれの前記異なる波長強度分布を有する光線により前記被写体の画像を撮像して画像情報を形成し、前記表色設定部は、前記撮像された画像のうち、最も可視光域に近い波長分布を有する赤外線により撮像された第1画像を「R」により表色し、前記第1画像の撮像に用いた赤外線の波長分布の次に可視光域に近い波長分布を有する赤外線により撮像された第2画像を「B」により表色し、前記第2画像の撮像に用いた赤外線の波長分布の次に可視光域に近い波長分布を有する赤外線により撮像された第3画像を「G」により表色し、前記第1画像、前記第2画像および前記第3画像を合成して、可視光域の白色光下における前記被写体のカラーと同一又は近似したカラー画像を得ることを特徴とする画像撮影装置を提供する。
本発明のさらに別の側面として、所定の波長強度分布を有する赤外線を反射する被着性部材を備える被写体に赤外線を照射し、前記被写体により反射された赤外線により撮像された画像より前記被写体のカラー画像を得ることを特徴とする画像撮影方法を提供する。
本発明のさらに別の側面として、所定の波長強度分布を有する赤外線を反射する被着性部材を備える被写体に赤外線を照射し、前記被写体により反射された赤外線により撮像された画像より可視光域の白色光下における被写体のカラーと同一又は近似した前記被写体のカラー画像を得ることを特徴とする画像撮影方法を提供する。
本発明による画像撮影装置および画像撮影方法によれば、赤外線における被写体のより自然なカラー画像を形成することが可能である。また、従来のモノクロ表示ないしはグレースケール表示や単色カラースケール表示あるいは擬似カラースケール表示と比較して、本発明による画像撮影装置および画像撮影方法により得られるカラー画像は、多くの情報量を有している。このため、1つの効果として、より自然で見え易いカラー画像を提供することが出来る。
本発明に関する実施形態及び例を、図面を参照して、以下に説明する。但し、本発明は以下に説明される内容には限定されない。また、定義が同じ部分には同じ符号を付し、繰り返し説明をしない場合がある。
(本発明の概要)
本発明の概要について説明を行う。
本発明の一実施形態に係る画像撮影装置は、照射部と撮像部とを備える。照射部は、異なる波長強度分布を有する赤外線を被写体に照射する。ここに「異なる波長強度分布を有する赤外線」とは、互いに異なった波長範囲ないしは中心波長を有する赤外線を意味する。撮像部は、被写体により反射された異なる波長強度分布を有するそれぞれの赤外線により被写体の赤外線画像を撮像する。
例えば、照射部が照射する赤外線の有する波長が、λ1、λ2、λ3であるとする。この場合、撮像部は、被写体から反射されλ1の波長を有する赤外線を、CCDイメージセンサーなどの光イメージを撮像する撮像面に結像させ、撮像面におけるλ1の波長を有する赤外線の面内強度分布を取得する。この面内強度分布をλ1の波長を有する赤外線による被写体の画像又は赤外線画像という。通常、このような面内強度分布は、2次元の分布関数で表現出来る。そこで、2次元上の位置を(x,y)という座標で表わす場合、中心又は重心の位置(x,y)を有する撮像面内のある区画におけるλ1の波長を有する赤外線の強度をI1(x,y)と表わすことにする。同様に、撮像部は、被写体から反射されλ2の波長を有する赤外線を撮像面に結像させ、撮像面におけるλ2の波長を有する赤外線の面内強度分布を取得する。位置(x,y)におけるλ2の波長を有する赤外線の強度をI2(x,y)と表わす。また、撮像部は、被写体から反射されλ3の波長を有する赤外線を撮像面に結像させ、撮像面におけるλ3の波長を有する赤外線の面内強度分布を取得する。位置(x,y)におけるλ3の波長を有する赤外線の強度をI3(x,y)と表わす。
I1(x,y)、I2(x,y)及びI3(x,y)などは、二次元の配列データなどとして表示することが可能である。このような表現の形式を用いることにより、画像情報を
メモリ中に格納したり、信号として送受信したりすることが可能となる。
なお、撮像部は、I1(x,y)、I2(x,y)、I3(x,y)を同時に取得してもよいし、異なる時に取得してもよい。例えば、波長がλ1、λ2、λ3の赤外線を同時に照射して、それぞれの波長の赤外線をフィルタで分離することでI1(x,y)、I2(x,y)、I3(x,y)を同時に取得できる。また、波長がλ1、λ2、λ3の赤外線を照射する時間をずらすことにより、I1(x,y)、I2(x,y)、I3(x,y)を異なる時間に順次取得することができる。
赤外線画像は、撮像面における無色の赤外線の面内強度分布に対応するので、その強度によって赤外線画像を液晶ディスプレイ装置などの表示装置に表示すると、赤外線の強度に応じたモノクロ、モノカラー又は疑似カラーの画像が表示される。
しかし、一般に赤外線の波長が異なると、被写体の赤外線反射率が異なるので、上述のように、複数の異なる波長を有する赤外線を被写体に照射した場合、被写体上の同じ位置であっても、I1(x,y)、I2(x,y)及びI3(x,y)の値は、異なることになる。そこで、I1(x,y)、I2(x,y)及びI3(x,y)の値のそれぞれを、一定の自然法則に従って、異なる単色の明度/濃度にそれぞれ対応させ、被写体の可視光線下での色を再現し、被写体のカラー画像を得ることが本実施形態の目的の一つである。
色の表現方法としては、種々のものが知られている。例えば、「R」、「G」及び「B」それぞれの明度により、色を表現する場合、I1(x,y)の値が「R」成分の明度に、I2(x,y)の値が「G」成分の明度に、I3(x,y)の値が「B」成分の明度にそれぞれ比例するとし、適当な比例係数を設定することにより得られた各明度を、加法混色することにより、位置(x,y)の区画での色が決定される。そして、面内に渡る各区画での色を決定することによりカラー画像を得ることができる。
より具体的には、例えば、表示画面内のある区画の「R」、「G」及び「B」成分それぞれの明度R、G及びBは、
R=αI1(x,y) (1)
G=βI2(x,y) (2)
B=γI3(x,y) (3)
と表現することが出来る。ここで、α、β、γは、赤外線の強度I1(x,y)、I2(x,y)及びI3(x,y)のそれぞれを、R、G及びBそれぞれに換算するための比例係数である。
このように、画像情報I1(x,y)、I2(x,y)及びI3(x,y)に対して、表示画面内のある区画の色を式(1)から(3)で表現することを、式(1)から(3)の表す情報に従って表色すると言う場合があり、α、β及びγを表色情報と言う場合がある。また、式(1)から(3)のR、G及びBを表色情報が設定された画像情報という場合もある。
もちろん、I1(x,y)の値を「R」の明度、I2(x,y)の値を「G」の明度、I3(x,y)の値を「B」の明度に対応させることは、一つの例であり、一般的には、様々な色による表色が可能である。そこで、画像情報を|I>、表色情報をH、表色情報を設定された画像情報を|C>とすると、例えば、
|C>=H|I> (4)
ここで、
|C>=(R,G,B) (5)
|I>T=(I1(x,y),I2(x,y),I3(x,y)) (7)として表現することが出来る。なお、ベクトルVに対して、VTは、ベクトルVの転置ベクトルを表わす。
先のI1(x,y)の値を「R」の明度、I2(x,y)の値を「G」の明度、I3(x,y)の値を「B」の明度に対応させることは、式(6)の右辺の非対角項をゼロにすることに対応する。その場合、
(R,G,B)=(α1I1(x,y),β2I2(x,y),γ3I3(x,y))
(8)
=(αI1(x,y),βI2(x,y),γI3(x,y))
(9)
と表現することが出来る。ここで、式(8)又は(9)は、式(1)から(3)と同じこと別の形で表現している。なお、先に述べたように、一般的には、様々な色による表色が可能であるが、式(6)の右辺の非対角項をゼロにしない場合がそれに相当すると言うことも出来る。
なお、上記は、三次元ベクトルと3x3マトリックスによる二次元の画像の表色に関する表式であるが、三次元の画像の表色に対しても同様に記述することが可能である。
なお、上述の撮像面内のある区画及び表示画面内のある区画の数やサイズは、様々に設定可能であるが、区画数が多い程、あるいは、サイズが小さい程、画像の解像度又は分解能が良くなる。
本発明の一側面においては、画像情報に表色情報を設定することで、画像情報をカラー画像として表示、印刷などによる再現を可能とする。
後に述べるように、λ1<λ2<λ3とした場合、「R」の明度を主にI1(x,y)の値に依存させる、つまり、式(6)の右辺において、対角項と比較して非対角項を小さくする又はほぼ零にすると、被写体の可視光線下での色がよく再現できるという法則が本願発明者により見出された。
なお、表色情報を設定された画像情報の「R」成分の明度を主にI1(x,y)の値に依存させることを、λ1の波長を有する赤外線による画像を「R」により表色するという場合がある。「G」成分及び「B」成分についても同様である。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像撮影装置の構成を示す。図1に示すように、画像撮影装置は、照射部1、撮像部2及び表色設定部3を備える。照射部1は、異なる波長強度分布を有する赤外線5を被写体4に照射する。撮像部2は、被写体4により反射された異なる波長強度分布を有する赤外線6それぞれにより被写体4の画像を撮像し、それぞれの画像を表わす画像情報7を形成する。表色設定部3は、形成された画像情報7が表わす画像のそれぞれを異なる単色により表色するための表色情報を画像情報7に設定する。
異なる波長強度分布を有する赤外線5は、それぞれの波長強度分布を有する赤外線が実質的に同時に照射されないように、時間をずらして照射されてもよい。実質的に同時に照射
されないとは、異なる波長強度分布を有する赤外線が同時に照射されることがあっても、その時間の長さは、一つの波長強度分布を有する赤外線が照射される時間の長さよりも短いことをいう。また、異なる波長強度分布を有する赤外線5が同時に照射されてもよい。この場合には、フィルタなどを用いて、反射された異なる波長強度分布を有する赤外線6を分離することが行われる。
また、異なる波長強度分布を有する赤外線5が同時に照射されることがあっても、異なる波長強度分布を有する赤外線5のそれぞれを異なる周波数で強度変調して被写体4に照射されてもよい。この場合には、被写体4に反射された異なる周波数で強度変調され異なる波長強度分布を有する赤外線6のそれぞれを検波して分離することにより、反射された異なる波長強度分布を有する赤外線6を分離することが行われる。
画像情報7の伝達には、アナログ信号やデジタル信号が用いられる場合があり、それぞれの画像を表わす情報が分離可能に格納され、伝達される。なお、画像の明度情報あるいは輝度情報と明度情報の開始位置あるいは撮像開始時間や画面の垂直同期などの表示タイミングに関する信号情報などが格納される場合がある。また、デジタル信号の場合は、例えば、画像情報7のヘッダ情報に、それぞれの画像を表わす情報の開始位置、サイズを表わす情報などが含まれる場合がある。
画像情報7が表わすそれぞれの画像は、反射された赤外線6の強度の分布を示す。このため、画像情報7が表わすそれぞれの画像をディスプレイや印刷などでそのまま表示すると、単色またはモノカラーにて表示されることになる。ここに単色とは一色だけの明度/濃度により表現されることをいう。例えば、反射された赤外線6の強度が強い位置を明るい赤色により表現し、赤外線6の強度が弱い位置を暗い赤色により表現する。この場合、赤色による単色表現が得られる。そこで、画像情報7が表わすそれぞれの画像をどの色の単色により表現するかを示す情報を画像情報7に設定することで、単色のカラー画像を得ることができる。
例えば、3つの異なる波長強度分布を有する第1赤外線、第2赤外線、第3赤外線を被写体に照射した結果得られる画像を、それぞれ第1画像、第2画像、第3画像とする。この場合、例えば、第1画像を赤色による単色にて表色し、第2画像を緑色による単色にて表色し、第3画像を青色による単色にて表色することを表わす情報を表色情報と言うことが出来る。
また、表色情報には、どの色の単色にて表現するかを指定せずに、画像ごとに異なる色による単色にて表現することを示す場合もある。また、複数の画像を同じ色による単色にて表現することを示す場合もある。例えば、表色情報は、第1画像と第3画像とを同じ色による単色にて表現し、第2画像を異なる色による単色にて表現することを示す場合もある。表色情報の情報内容は後から変更可能である。
また、表色設定部3による表色情報を画像情報7に設定することすなわち表色設定は、画像を表示する際、画像の明度をどのような色により表色するかを予め設定しておくことであり、画像情報7の伝送のタイミングで設定することや、画像情報7を基準トリガーに逐次的に対応させることにより設定することや、表色設定信号を別途生成することで設定することや、画像情報7に表色設定情報を重畳させることにより設定することや、メモリにおける番地で設定することや、信号処理おけるラベル付けやフラッグ付けにより設定すること等により行うことが出来る。画像情報7のヘッダ情報の一部として、表色情報を含ませることにより、埋め込みを行うことも出来る。
図2は、本発明の別の実施形態に係る画像撮影装置の構成を示す図である。図2に示すよ
うに、本発明は、更に表示部9を備え、表示部9は、表色情報が設定された画像情報8により異なる画像のそれぞれを所定のカラーにより表色して表示しても良い。すなわち、本実施形態に係る画像撮影装置は、上述の実施形態に係る画像撮影装置が、更に表示部9を備えている。表示部9は、画像情報7に表色情報が設定されて形成された画像情報8により画像情報7が表わす画像のそれぞれを表色情報により指定された表現にて表示する。なお、画像情報7が表わす画像が複数ある場合には、同時に表示部9に表示されてもよいし、異なる時間に表示されるようになっていてもよい。異なる時間に表示される場合には、表示時間を短くし、人間には複数の色の画像が別々に表示されていることが認識されないようにするのが好ましい。例えば、一つの画像を24分の1秒だけ表示し、次の画像を表示する。このように、表示部9が、所定の単色、例えば、「R」、「G」及び「B」を用いて画像情報8に基づき、異なる波長強度分布を有するそれぞれの赤外線により撮像された被写体の異なる画像を表色して高速で連続表示すれば、見かけ上、RGBカラー画像が表示される。
また、本実施形態に係る画像撮影装置は、更に画像保存部10を備えてもよい。この場合、画像保存部10は、画像情報8を保存しても良い。
また、本実施形態に係る画像撮影装置において、表示部9は、画像情報8及び画像保存部10に保存された画像情報11のいずれか一又は両方を表示してもよい。この場合、表示される画像は、画像情報8あるいは画像情報11に設定された表色情報に従って表示する。あるいは、画像情報8に設定された表色情報に従って画像情報11を表示するなどというように、画像情報に設定された表色情報とは別の表色情報に従って表示してもよい。また、利用者などが新たに設定した表色情報に従って、画像情報8あるいは画像情報11を表色して表示してもよい。
なお、表示部9が、画像情報8及び画像情報11のいずれか一又は両方から合計三つの画像を同時に表示しても良い。その場合、表示部9が、画像情報に含まれる画像を所定の色、例えば、「R」、「G」及び「B」を用いて同時に表示すれば、RGBカラー画像を表示することが出来る。
図3は、本発明の別の一実施形態に係る画像撮影装置の構成を示す。図3に示すように、本実施形態に係る画像装置は、照射部1、撮像部2、表色設定部3及び制御処理部12を備える。撮像部2は、撮像動作開始信号13を制御処理部12に送る。制御処理部12は、撮像動作開始信号13を基に、照射動作開始指示信号14を照射部1に送り、更に表色設定動作開始指示信号15を表色設定部3に送る。照射部1は、照射動作開始指示信号14を基に、異なる波長強度分布を有する赤外線5を被写体4に照射し、撮像部2は、被写体4により反射された異なる波長強度分布を有する反射赤外線6それぞれによる被写体4の画像を撮像し、更にそれぞれの画像を表わす画像情報7を形成し表色設定部3に送る。表色設定部3は、表色設定動作開始指示信号15を基に、画像情報7に表色情報を設定する。
なお、本実施形態に係る画像装置は、更に表示部9を備えてもよい。この場合、制御処理部12は、更に表示動作開始指示信号16を表示部9に送り、表示部9は、表示動作開始指示信号16を基に、表色情報が設定された画像情報8により表わされる画像のそれぞれを表色情報に従って表色して表示しても良い。
なお、本実施形態に係る画像装置は、更に画像保存部10を備えてもよい。この場合、制御処理部12は、更に画像保存動作開始指示信号17を画像保存部10に送り、画像保存部10は、画像保存動作開始指示信号17を基に、画像情報8を保存してもよい。
なお、本実施形態に係る画像装置において、更に画像保存部10は、画像保存部10に保存された表色情報が設定された画像情報11を、画像保存動作開始指示信号17を基に、表示部9に送り、表示部9は、表示動作開始指示信号16を基に、画像情報8及び画像情報11のいずれか一又は複数を表色情報に従って、表色して表示してもよい。
また、更に表色設定部9は、形成された画像情報が表わす画像のうち、波長範囲又は中心波長が最も短波長側にある波長強度分布を有する赤外線により撮像された第1画像を「R」により表色するための表色情報を、第1画像を表す画像情報に設定し、第1画像以外の撮像された画像を「R」以外により表色するための表色情報を、第1画像を表す画像情報以外の形成された画像情報に設定すると、可視光線による撮影画像に近い表色が可能となる。
なお、更に照射部1は、赤外線5のそれぞれを、位相差を付けて強度変調し被写体4に照射すると、動画表示に適した画像情報が形成できる。
なお、更に照射部は、赤外線5のそれぞれを異なる周波数で強度変調して被写体4に照射してもよい。
また、更に照射部1は、赤外線5のそれぞれが実質的に同時に照射されないように被写体4に赤外線5を照射すると色分離が良くなる。
なお、更に表示部9は、表色情報が設定された画像情報8及び画像保存部10に保存された表色情報が設定された画像情報11のいずれか複数が表わす画像それぞれを表色情報に従って表色して、同時に表示すると、チラツキが少なくなる。
また、更に、異なる単色を「R」、「G」及び「B」のいずれか2以上の組み合わせた色としても良い。
また、異なる波長強度分布を有する赤外線を被写体に照射し、被写体により反射された異なる波長強度分布を有するそれぞれの赤外線による被写体の画像を撮像してそれぞれの画像を表わす画像情報を形成し、形成された画像情報の表わす画像のそれぞれを異なる単色により表色してもよい。
なお、更に、撮像された画像のうち、波長範囲又は中心波長が最も短波長側にある波長強度分布を有する赤外線により撮影された第1画像を「R」により表色し、第1画像以外の撮像された画像を「R」以外により表色してもよい。
また、更に、異なる単色を「R」、「G」及び「B」のいずれか2以上の組み合わせ色としても良い。
図4は、異なる波長強度分布を有する赤外線が、三つの異なる波長分布から成る場合の一例を示す。なお、異なる波長強度分布を有する赤外線は、二つ又は四つ以上の異なる波長強度分布から成っても良い。
なお、異なる波長強度分布を有する赤外線は、図4のように、異なる波長強度分布が一部重なっていてもよい。あるいは、重なりがなくてもよい。また、異なる波長強度分布は、矩形波状、ガウス分布状又はローレンツ分布の形状であっても良い。あるいは、それらを合成した分布、非対称分布または任意分布の形状であっても良い。
なお、図4には、紫外線や可視光線との波長関係も示しているが、赤外線は可視光線より
も長波長側に位置する。また、可視光線の紫、青、緑、赤は、それぞれ、「V」、「B」、「G」、「R」と一般に表示され、紫外線、赤外線は、それぞれ、「UV」、「IR」と一般に表示される。X線は紫外線より短波長側に位置する。マイクロ波などの電波は赤外線より長波長側に位置する。
なお、このような異なる波長強度分布を有する赤外線あるいは波長変調赤外線は、白熱灯などの発熱体や蛍光灯などのプラズマ発光や赤外線LED(発光ダイオード)などの赤外線を発する赤外線ランプ類などと赤外線バンドパスフィルタなどにより生成できる。また、可視光線を除去するなどのために赤外線カットフィルタを組み合わせて生成しても良い。
なお、赤外線バンドパスフィルタとしては、各種透過波長帯を有する赤外線バンドパスフィルタや長波長透過フィルタと短波長透過フィルタの組み合わせなどがある。波長選択型液晶フィルタなどを用いても良い。
また、白熱灯などの発熱体や蛍光灯などのプラズマ発光や赤外線LEDなどの赤外線を発する赤外線ランプ類などとシャッター機能付き波長選択型液晶フィルタなどを用いても良い。
また、開閉スリット、チョッパーやシャッターにより強度変調しても良い。
また、異なる波長強度分布を有する赤外線は、異なる波長強度分布を有する赤外線を放射するLED又は赤外線LEDを複数用いて形成してもよい。図5は、それぞれ異なる波長強度分布を有する赤外線を放射する三つの赤外線LEDを用いた場合の波長強度分布の一例を示す。
また、異なる波長強度分布を有する赤外線は、異なる波長の光線を放射するLD(レーザダイオード)又は赤外線LDを複数用いて形成してもよい。図6は、それぞれ異なる波長強度分布を有する赤外線を放射する三つの赤外線LDを用いた場合の一例を示す。赤外線LDは放射波長範囲が狭いため、図6に示すように波長強度分布が重ならない場合が一般的であろう。
なお、赤外線LEDと赤外線LDとを組み合わせても良い。
なお、赤外線LED又は赤外線LDを点滅させることにより強度変調しても良い。
なお、赤外線LEDないしは赤外線LDをパルス状に時間変化させて発光させることにより強度変調しても良い。
なお、赤外線LED又は赤外線LDを、矩形波、サイン波、コサイン波、三角波、鋸波などのような波形、それらの合成波、デューティー比やバイアスを持ったそれらの波形又は合成波などの波形状に強度変調しても良い。
なお、赤外線LED又は赤外線LDを、供給される電力を変化させることにより発光の強度変調をしてもよい。あるいは、開閉スリット、チョッパーや液晶シャッターを用いて見掛け上点滅させることにより強度変調しても良い。
なお、赤外線LEDないしは赤外線LDを波長変調することにより、異なる波長強度分布を有する赤外線を形成しても良い。なお、波長変調は、電磁的に行っても良い。なお、更に強度変調しても良い。
なお、異なる波長強度分布を有する赤外線は、複数の赤外線光源により生成してもよい。
なお、異なる波長強度分布を有する赤外線は、一つ以上の赤外線光源を複数に分割して生成してもよい。
なお、撮像には、SiないしはGeなどの単元素系ないしはSiGeないしはInAsないしはInSbないしはPbSないしはPbSeないしはInGaAsないしはHgCdTeなど化合物系を用いた固体撮像素子などを用いることも出来る。一方、Siの感度波長域の長波長側は1200nm辺りまでである。そこで、750nm程度から1200nm程度までにおいて、異なる波長強度分布を有する赤外線を生成しても良い。
なお、赤外線LEDないし赤外線LDは、750nm程度から1600nm程度の波長範囲の中の波長範囲でも発光させることが出来る。そこで、赤外線LEDないし赤外線LDが750nm程度から1200nm程度の波長範囲で発光させて異なる波長強度分布を有する赤外線を生成すると、Siを固体撮像素子に用いた撮像装置との相性が良い。
なお、InSbの場合は、感度波長域は1μmから6μm辺りである。そこで、その間の赤外線波長領域から異なる波長強度分布を有する赤外線を生成しても良い。
なお、HgCdTeの場合は、感度波長域は6μmから16μm辺りである。そこで、その間の赤外線波長領域から異なる波長強度分布を有する赤外線を生成しても良い、等々とすることもできる。
なお、照射の動作と、撮像の動作とを同期して行うことも出来る。
なお、照射の動作と、撮像の動作と、画像情報の形成の動作とを同期して行うことも出来る。さらに、表色情報の設定の動作を同期して行うこともできる。
図7は、本発明の別の実施形態に係る画像撮影装置の構成を示す。図7に示すように、本実施形態に係る画像撮影装置は、分離部18、撮像部2及び表色設定部3を備えている。分離部18は、被写体4からの光線19を、異なる波長強度分布を有する赤外線に分離する。撮像部2は、それぞれの赤外線により被写体4の画像を撮像して画像情報7を形成する。表色設定部3は、撮像された画像のうち、波長範囲又は中心波長が最も短波長側にある波長強度分布を有する赤外線により撮像された第1画像を「R」により表色するための表色情報を、第1画像を表す画像情報7に設定し、第1画像以外の撮像された画像を「R」以外により表色するための表色情報を、第1画像を表す画像情報7以外の形成された画像情報7に設定する。
図8は、被写体からの光線を分離部により三つの異なる波長強度分布を有する赤外線に分離する一例を示している。なお、二つ又は四つ以上の異なる波長強度分布を有する赤外線に分離しても良い。
図8に示すように、分離部により分離され形成された三つの異なる波長強度分布を有する第1赤外線、第2赤外線及び第3赤外線により、撮像部は、被写体の三つの画像を撮像することが出来る。
ここで、なお、被写体は、赤外線領域において被写体の箇所毎に特有の赤外線反射特性あるいは特有の赤外線発光特性を有するのが一般的である。これにより、異なる波長強度分布を有する赤外線により撮像された被写体の画像は、それぞれ異なる画像となる。それに
より、それら異なる画像を異なるカラー又は単色により表色し分けて表示すれば、単色カラースケール表示や疑似カラースケール表示と比較し格段に情報量の多いカラー画像を表示することが出来る。
また、被写体には固体、液体、気体などの形態を有する様々な物体ないしは様々な混合体が想定される。この場合、被写体の各箇所において可視光線の「R波長領域」を反射又は放射する箇所は、「R波長領域」に近い波長領域に波長強度分布を有する赤外線を反射又は放射する傾向にあることが本願発明者により見出された。また、可視光線の「R波長領域」を反射又は放射しない箇所は、「R波長領域」に近い波長領域に波長強度分布を有する赤外線を反射又は放射しない傾向にあることも本願発明者により見出された。
したがって、三つの異なる波長強度分布を有する第1赤外線、第2赤外線及び第3赤外線により撮像された異なる三つの画像の中で、波長範囲又は中心波長が最も短波長側にある波長強度分布を有する第1赤外線による第1画像を「R」により表色し、第1画像以外の画像を「R」以外により表色するための表色情報を設定する。そして、表色情報に従って表色して表示などの再生を行うと、可視光線を用いた撮像によるカラー画像と同一又は近似した被写体の赤外線カラー画像を撮像することが出来る。
なお、第1画像を「R」により表色し、第2赤外線による第2画像を「G」により表色し、第3赤外線による第3画像を「B」により表色する表色情報を設定し、RGB赤外線画像を撮像することも出来る。
なお、第1画像を「R」により表色し、第2赤外線による第2画像を「B」により表色し、第3赤外線による第3画像を「G」により表色する表色情報を設定し、RGB赤外線画像を撮像することも出来る。
なお、第1画像を「G」により表色し、第2画像を「B」により表色し、第3画像を「R」により表色する表色情報を設定してもよい。
なお、第1画像を「G」により表色し、第2画像を「R」により表色し、第3画像を「B」により表色する表色情報を設定してもよい。
なお、第1画像を「B」により表色し、第2画像を「R」により表色し、第3画像を「G」により表色する表色情報を設定してもよい。
なお、第1画像を「B」により表色し、第2画像を「G」により表色し、第3画像を「R」により表色する表色情報を設定してもよい。
なお、図7に示す本実施形態に係る画像撮影装置が更に、分離部18、撮像部2及び表色設定部3を備えてもよい。この場合、分離部18は、被写体4からの光線19を、異なる波長強度分布を有する光線に分離する。撮像部2は、それぞれの異なる波長強度分布を有する光線により被写体4の画像を撮像して画像情報7を形成する。表色設定部は、撮像された画像のうち、「R波長領域」を有する可視光線及び「R波長領域」に最も近い波長強度分布を有する赤外線により撮像された第1画像を「R」により表色するための表色情報を、第1画像を表す画像情報に設定し、第1画像以外の撮像された画像を「R」以外により表色するための表色情報を、第1画像を表す画像情報以外の形成された画像情報に設定しても良い。
図9は、被写体からの光線を分離部により三つの異なる波長強度分布を有する光線に分離した一例を示す。なお、三つに限定されることはなく、二つ又は四つ以上の異なる波長強
度分布を有する光線に分離しても良い。なお、図9には赤外線カットフィルタの透過率の一例も示す。図9が示すように、赤外線カットフィルタは、赤外線をカット又は遮断し、可視光線及び紫外線の一又は複数を透過させる。
また、図9に示すように、分離部により分離され形成された三つの異なる波長強度分布を有する第1光線、第2光線および第3光線により、撮像部は、被写体の三つの異なる画像を撮像することが出来る。そして、三つの異なる画像の中で「R波長領域」及び第1赤外線による第1画像を「R」により表色するための表色情報を、第1画像を表す画像情報に設定し、「G波長領域」及び第2赤外線による第2画像を「G」により表色するための表色情報を、第2画像を表す画像情報に設定し、「B波長領域」及び第3赤外線による第3画像を「B」により表色するための表色情報を、第3画像を表す画像情報に設定する。これにより、表色情報に従って表色し表示などの再生を行うと、可視光線を用いた撮像により得られる画像と同一又は近似した、被写体の可視光線及び赤外線カラー画像を撮像することが出来る。
なお、図9において示すような赤外線カットフィルタを用いると、可視光線による撮像をすることも出来る。
図10は、第1光線が「R波長領域」及び第1赤外線から成り、第2光線が「B波長領域」及び第2赤外線から成り、第3光線が「G波長領域」及び第3赤外線から成る場合の一例を示す。この場合も、表示などの再生を行うと、同様に可視光線を用いた撮像によりえられる画像と同一又は近似した、被写体の可視光線及び赤外線カラー画像を撮像することが出来る。
なお、第1光線が「G波長領域」及び第1赤外線から成り、第2光線が「B波長領域」及び第2赤外線から成り、第3光線が「R波長領域」及び第3赤外線から成っても良い。
なお、第1光線が「G波長領域」及び第1赤外線から成り、第2光線が「R波長領域」及び第2赤外線から成り、第3光線が「B波長領域」及び第3赤外線から成っても良い。
なお、第1光線が「B波長領域」及び第1赤外線から成り、第2光線が「R波長領域」及び第2赤外線から成り、第3光線が「G波長領域」及び第3赤外線から成っても良い。
なお、第1光線が「B波長領域」及び第1赤外線から成り、第2光線が「G波長領域」及び第2赤外線から成り、第3光線が「R波長領域」及び第3赤外線から成っても良い。
なお、図11に示すように、「R波長領域」及び第1赤外線が連続した波長域を透過させてもよい。それにより、より明るい画像を撮像することが出来る。
なお、第1光線が「R波長領域」及び第1赤外線から成り、第2光線が「G波長領域」及び第2赤外線から成り、第3光線が「B波長領域」及び第3赤外線から成る場合において、「R波長領域」及び第1赤外線の波長範囲が連続した波長域を透過させてもよい。
なお、更に撮像部は、複数の画素を備え、分離部が、複数の画素のそれぞれに被着して成っても良い。
被写体からの赤外線を、異なる波長強度分布を有する赤外線に分離し、異なる波長強度分布を有するそれぞれの赤外線により被写体の画像を撮像し、撮像された画像のうち、波長範囲又は中心波長が最も短波長側にある波長強度分布を有する赤外線により撮影された第1画像を「R」により表色し、第1画像以外の撮像された画像を「R」以外により表色し
ても良い。
被写体からの光線を、異なる波長強度分布を有する光線に分離し、異なる波長強度分布を有するそれぞれの光線により被写体の画像を撮像し、撮像された画像のうち、「R波長領域」を有する可視光線及び「R波長領域」に最も近い波長強度分布を有する赤外線により撮像された第1画像を「R」により表色し、第1画像以外の撮像された画像を「R」以外により表色しても良い。
[実施例1]
図12は、本発明による画像撮影装置および画像撮影方法の実施例1を示す。図12に示すように、撮像部であるCCDカメラ2−2は、第0画像情報及び第1撮像動作開始信号が重畳されたNTSCビデオ信号20を、制御処理部12を構成する情報分離部12−2に送る。情報分離部12−2は、NTSCビデオ信号20から撮像動作開始信号となる奇数偶数フィールド信号21を分離する。そして、制御処理部12を構成する制御処理プロセッサ12−3に送る。
次に、制御処理プロセッサ12−3は、第1照射動作開始指示信号14−2−1を、照射部1を構成する照射切替部1−2に送る。照射切替部1−2は、第1赤外線LED1−3−1を発光させ、第1赤外線5−2−1を被写体4に照射する。
また、CCDカメラ2−2は、被写体4により反射された第1赤外線6−2−1から第1画像を撮像して第1画像情報生成し、第1画像情報及び第2撮像動作開始信号が重畳されたNTSCビデオ信号20を情報分離部12−2及び表色設定部3に送る。情報分離部12−2は、NTSCビデオ信号20から奇数偶数フィールド信号21を分離し、制御処理プロセッサ12−3に送る。制御処理プロセッサ12−3は、第1表色設定指示信号15−2−1を表色設定部3に送る。表色設定部3は、NTSCビデオ信号20の中の第1画像情報を、第1カラーにより表色可能とする画像情報8−2−1として、表示部9に送る。表示部9は、第1画像を第1カラーにより表色して表示する。
なお、NTSCビデオ信号内20において、画像情報の主要部分と撮像動作開始信号の主要部分が時間的にずれている場合には、表色設定部3に送られたNTSCビデオ信号20から画像情報を分離することは必ずしも必要ではない。ただし、NTSCビデオ信号20から画像情報を分離することも出来る。
次に、制御処理プロセッサ12−3は、第2照射動作開始指示信号14−2−2を、照射部1を構成する照射切替部1−2に送る。照射切替部1−2は、第2赤外線LED1−3−2を発光させ、第2赤外線5−2−2を被写体4に照射する。
また、CCDカメラ2−2は、被写体4により反射された第2赤外線6−2−2から第2画像を撮像して第2画像情報生成し、第2画像情報及び第3撮像動作開始信号が重畳されたNTSCビデオ信号20を情報分離部12−2及び表色設定部3に送る。情報分離部12−2は、NTSCビデオ信号20から奇数偶数フィールド信号21を分離し、制御処理プロセッサ12−3に送る。制御処理プロセッサ12−3は、第2表色設定指示情報15−2−2を表色設定部3に送る。表色設定部3は、NTSCビデオ信号20の中の第2画像情報を、第2カラーにより表色可能とする画像情報8−2−2として、表示部9に送る。表示部9は、第2画像を第2カラーにより表色して表示する。
次に、制御処理プロセッサ12−3は、第3照射動作開始指示信号14−2−3を、照射部1を構成する照射切替部1−2に送る。照射切替部1−2は、第3赤外線LED1−3−3を発光させ、第3赤外線5−2−3を被写体4に照射する。
また、CCDカメラ2−2は、被写体4により反射された第3赤外線6−2−3から第3画像を撮像して第3画像情報生成し、第3画像情報及び第0撮像動作開始信号が重畳されたNTSCビデオ信号20を情報分離部12−2及び表色設定部3に送る。情報分離部12−2は、NTSCビデオ信号20から奇数偶数フィールド信号21を分離し、制御処理プロセッサ12−3に送る。制御処理プロセッサ12−3は、第3表色設定指示情報15−2−3を表色設定部3に送り、表色設定部3は、NTSCビデオ信号20の中の第3画像情報を、第3カラーにより表色可能とする画像情報8−2−3として、表示部9に送る。表示部9は、第3画像を第3カラーにより表色して表示する。このような動作により、第1から第3カラーにより表色された被写体4の画像を表示部9に表示することが出来る。
なお、レンズ2−3は赤外線6−2−1から6−2−3をCCDカメラ2−2の撮像面ないしは画素上に結像させる。
なお、第1から第3カラーをそれぞれ「R」、「G」、「B」に対応させることも出来る。あるいは、第1から第3カラーをそれぞれ「R」、「B」、「G」に対応させることも出来る。あるいは、第1から第3カラーをそれぞれ「G」、「B」、「R」に対応させてもよい。あるいは、第1から第3カラーをそれぞれ「G」、「R」、「B」に対応させてもよい。あるいは、第1から第3カラーをそれぞれ「B」、「R」、「G」に対応させてもよい。あるいは、第1から第3カラーをそれぞれ「B」、「G」、「R」に対応させてもよい。
なお、撮像部には、CCDカメラなどの全画素信号同時転送仕様のカメラを用いることが出来る。CCDカメラは、モノクロCCDカメラでもカラーCCDカメラでもよい。また、CMOSカメラを全画素信号同時転送仕様にすれば、CCDカメラと同様に扱える。なお、各画素にメモリを備えれば、全画素信号同時転送仕様にすることが可能である。
なお、表示部9にはRGBカラーモニターを用いることが出来る。また、表色可能とする画像情報8−2−1から8−2−3をRGBエンコーダでNTSCビデオ信号に再構成し、NTSCビデオカラーモニターで表示することも出来る。
図13は、本発明による画像撮影装置および画像撮影方法の実施例1のタイミングチャートを示す。図13において、上から順に、垂直同期信号、奇数偶数フィールド信号、第1照射時間範囲、第2照射時間範囲、第3照射時間範囲、第1画像表示時間範囲、第2画像表示時間範囲、第3画像表示時間範囲を示している。第1照射時間範囲、第2照射時間範囲、第3照射時間範囲、第1画像表示時間範囲、第2画像表示時間範囲、第3画像表示時間範囲において、水平線から垂直線に沿って立ち上がる時間が、それぞれの範囲の開始時間を示し、水平線から垂直線に沿って垂直に下がる時間が、終了時間を示す。
図13に示すように、奇数偶数フィールド信号に応じて第1から第3照射時間範囲にそれぞれ第1から第3赤外線を被写体に照射し、第1から第3画像表示時間範囲にそれぞれ第1から第3画像を表示する。その際、第1画像を第1カラーにより表色して表示し、第2画像を第2カラーにより表色して表示し、第3画像を第3カラーにより表色して表示することにより第1から第3カラーで被写体の赤外線画像を表示することが出来る。第1カラー、第2カラー、第3カラーを「R」、「G」及び「B」とすれば、RGBカラーで表示することが出来る。
なお、図13には垂直同期信号も併せて示しているが、奇数偶数フィールド信号の代わりに情報分離部により分離可能な垂直同期信号などを用いても良い。
また、図13において、一般に、NTSCビデオ信号における垂直同期信号の周波数は約60Hzであり、奇数偶数フィールド信号の矩形波の周波数は約30Hzである。その場合、第1から第3画像はそれぞれ約20Hzの周波数で交互に繰り返し表示され、人の目にはカラー画像として認識される。また、被写体と撮像部が相対的に動いていなければカラー静止画として表示され、動いていればカラー動画となる。
また、図13においては、それぞれの照射時間範囲のデューティー比を照射:非照射=1:2と設定している。そして、それぞれの照射が、異なる時間範囲に行われるよう位相差を設定している。これにより、色分離がよくなる。ただし、必ずしも厳密にそのようにしなくてもカラー画像にすることは可能である。また、それぞれの矩形波も厳密な矩形波でなくても良い。
なお、図13においては、第1から第3画像は、第1から第3照射と比較して、時間的に1フィールド分遅れて表示される。つまり、例えば、第1照射時間範囲には、1フィールド前の第3画像がカラーモニター上に表示される。
また、図13では、奇数偶数フィールドの1奇数フィールド又は1偶数フィールドの1フィールドを、照射動作及び画像表示動作の1動作単位としているが、複数フィールドを1動作単位としても良いし、1偶数フィールドと1奇数フィールドで構成される1フレームを1動作単位としても良いし、複数フレームを1動作単位としても良い。
通常のNTSCビデオ信号では、フィールドレート60Hz又はフレームレート30Hzのインターレースであるが、フィールドレート又はフレームレートを上げて同様な動作を行っても良いし、プログレッシブスキャンなどのノンインターレースで表示してもよい。表示レートを上げる程チラツキの少ないカラー静止画又はカラー動画が得られる。
図14は、本実施例による画像撮影装置および画像撮影方法において撮像部としてCMOSカメラのような画素信号逐次読み出し仕様のカメラの場合のタイミングチャートを示す。図14において、図13と同様に、上から順に、垂直同期信号、奇数偶数フィールド信号、第1照射時間範囲、第2照射時間範囲、第3照射時間範囲、第1画像表示時間範囲、第2画像表示時間範囲、第3画像表示時間範囲を示している。
NTSCビデオ信号の奇数フィールド信号又は偶数フィールド信号に同期させて第1〜3赤外線を順次被写体に照射する。すなわち、図14に示すように、NTSCビデオ信号の第1奇数フィールド内に第1赤外線が照射され、次の第2奇数フィールド内に第2赤外線が照射され、第3奇数フィールド内に第3赤外線が照射され、第4奇数フィールド内に第1赤外線が照射され、第5奇数フィールド内に第2赤外線が照射されるように、等々となるように動作させる。なお、偶数フィールド内では、第1〜3赤外線を被写体に照射しない。
なお、奇数フィールド内を偶数フィールド内に置き換えて設定してもよい。あるいは、複数フィールドを1動作単位として設定してもよい。あるいは、1フレームまたは複数フレームを1動作単位として設定してもよい。
図14においては、それぞれの照射時間範囲のデューティー比を照射:非照射=1:5とし、第1〜3赤外線の照射が異なる時間範囲に行われ、かつ、照射時のフィールドと逆パリティーのフィールドに非照射時間範囲を設定している。そして、非照射時間範囲に全画素信号を読み出すと色分離が良くなる。ただし、必ずしも厳密にそのようにしなくてもカラー画像にすることは可能である。なお、それぞれの赤外線の照射時間範囲は重なっても
良い。この場合には、一般的に色分離が低下する。
なお、同様に、第1から第3カラーをそれぞれ「R」、「G」及び「B」に対応させることも出来る。
なお、CMOSカメラは、モノクロCMOSカメラでもカラーCMOSカメラでもよい。
また、複数の偶数フィールドないしは複数の奇数フレーム毎に赤外線照射を切り替えて同様な操作を行っても良い。フィールドないしはフレームレートを上げて赤外線照射を切り替えて同様な操作を行っても良い。
上記は、NTSCビデオ信号の場合の例であるが、PAL信号など別の規格のビデオ信号を用いても良い。
なお、上記は「R」、「G」及び「B」表色等に適用可能な例である。2つの単色を用いる場合に適用させることも出来る。すなわち、第1赤外線の波長範囲ないしは中心波長の方が、第2赤外線のそれより短い場合、第1、2赤外線の照射に対して「R」「G」又は「R」「B」の順で割り当ると可視光線を用いた撮像により得られる画像情報と同一又は近似したカラー画像が得られる。なお、「G」「B」、「G」「R」、「B」「R」又は「B」「G」の順でそれぞれ割り当ててもよい。
また、RGB表色の場合は、赤外線の波長範囲ないしは中心波長がより短い順に「R」「G」「B」又は「R」「B」「G」の順で割り当ると、表示などの再生を行った場合、可視光線を用いた撮像により得られる画像情報と同一又は近似したカラー画像が得られる。なお、「G」「B」「R」、「G」「R」「B」、「B」「R」「G」又は「B」「G」「R」の順でそれぞれ割り当ててもよい。
制御処理部、照射部、撮像部及び表色指定部の一又は複数、すなわち制御処理部、照射部、撮像部及び表色指定部の一つ以上、は、PLL(Phase Lock Loop)により安定化してもよい。
[実施例2]
図15は、本発明による画像撮影装置および画像撮影方法の実施例2を示す。なお、図15では、表色設定部3、画像保存部10及び表示部9以外は省略して示している。図15に示すように、画像保存部10は、更にA/D(Analog Digital)変換機22、画像メモリ23、D/A(Digital Analog)変換機24を備える。
ここで、表色設定部3は、1フィールド毎に表色情報が設定された第1から第3画像情報8−2−1から18−2−3を逐次表示部9及び画像保存部10を構成するA/D変換機22に送る。A/D変換機22は、第1から第3画像情報8−2−1から8−2−3をデジタルデータ化し、第1から第3デジタル画像情報25−1から25−3を逐次画像メモリ23に送る。画像メモリ23は、第1から第3のデジタル画像情報25−1から25−3を保存する。
次に、画像メモリ23は、第1から第3デジタル画像情報25−1から25−3をD/A変換機24に送る。D/A変換機24は、第1から第3デジタル画像情報25−1から25−3をアナログ信号化し、表色情報が設定された画像保存部に保存された第1から第3画像情報11−2−1から11−2−3を表示部9に送る。
ここで、表示部9は、それぞれ、第1画像情報11−2−1、第2画像情報11−2−2
及び第3画像情報8−2−3により、第1、第2及び第3画像をそれぞれ第1、第2及び第3カラーにより表色して同時に表示する。
次に、表示部9は、それぞれ、第2画像情報11−2−2、第3画像情報11−2−3及び第1画像情報8−2−1により、第2、第3及び第1画像をそれぞれ第2、第3及び第1カラーにより表色して同時に表示する。
次に、表示部9は、それぞれ、第3画像情報11−2−3、第1画像情報11−2−1及び第2画像情報8−2−2により、第3、第1及び第2画像をそれぞれ第3、第1及び第2カラーにより表色して同時に表示する。このような動作により、よりチラツキの少ない被写体のカラー画像を表示することが出来る。
なお、実施例1と同様に、第1から第3カラーとしてそれぞれ「R」、「G」及び「B」を用いることが出来る。
なお、撮像部には、CCDカメラなどの全画素信号同時転送仕様のカメラを用いることが出来る。画素信号逐次転送仕様のCMOSカメラでもよい。なお、CCDカメラは、モノクロCCDカメラでもカラーCCDカメラでもよい。なお、CMOSカメラは、モノクロCMOSカメラでもカラーCMOSカメラでもよい。なお、CMOSカメラを全画素信号同時転送仕様にすれば、CCDカメラと同様に扱える。なお、各画素にメモリを備えれば、CMOSカメラを全画素信号同時転送仕様にすることが可能である。
なお、画像保存部は、ビデオデコーダ、ビデオエンコーダ、FPGA、PLD、CPLD、DSP、SDRAM、フィールドメモリ、フレームメモリ、リカーシブフィルタなどを用いて構成することが出来る。
図16は、本発明による画像撮影装置および画像撮影方法の実施例2のタイミングチャートを示す。なお、図16は、CCDカメラなどの全画素信号同時転送仕様のカメラを用いる場合の例である。図16においては、上から、垂直同期信号、奇数偶数フィールド信号、第1照射時間範囲、第2照射時間範囲、第3照射時間範囲、第1画像表示時間範囲、第2画像表示時間範囲、第3画像表示時間範囲、画像保存部に保存された表色情報が設定された第1画像情報による第1画像表示時間範囲、画像保存部に保存された表色情報が設定された第2画像情報による第2画像表示時間範囲、画像保存部に保存された表色情報が設定された第3画像情報による第3画像表示時間範囲を示す。
図16に示すように、例えば画像保存部に保存された表色情報が設定された第1画像情報による第1画像、画像保存部に保存された表色情報が設定された第2画像情報による第2画像及び表色情報が設定された第3画像情報による第3画像を、それぞれ第1、2及び3カラーにより表色して同時に表示する。このような動作により、よりチラツキの少ない被写体の赤外線画像を表示することが出来る。
なお、図17は、本発明による画像撮影装置および方法の実施例2においてCMOSカメラなどの画素信号逐次転送仕様のカメラを用いる場合のタイミングチャートを示す。図17においては、上から、垂直同期信号、奇数偶数フィールド信号、第1照射時間範囲、第2照射時間範囲、第3照射時間範囲、第1画像表示時間範囲、第2画像表示時間範囲、第3画像表示時間範囲、画像保存部に保存された表色情報が設定された第1画像情報による第1画像表示時間範囲、画像保存部に保存された表色情報が設定された第2画像情報による第2画像表示時間範囲、画像保存部に保存された表色情報が設定された第3画像情報による第3画像表示時間範囲を示す。同様に、図17に示す動作により、よりチラツキの少ない被写体の赤外線画像を表示することが出来る。
[実施例3]
図18は、本発明による画像撮影装置および画像撮影方法の実施例3を示す。図18に示すように、撮像部の画素31−1−1から31−1−4、から、31−n−1から31−n−4それぞれの上に、分離部32−1から32−3がそれぞれ被着して成るよう構成されている。ここで「n」は正の整数を示す。
図18において、被写体からの光線を複数の画素から成る撮像面上に結像し、例えば、図9に示すように複数の光線それぞれに分離して被写体の画像を得るため、第1分離部32−1は、「R波長領域」及び第1赤外線を含む第1光線を透過させ、第2分離部32−2は、「G波長領域」及び第2赤外線を含む第2光線を透過させ、第3分離部32−3は、「B波長領域」及び第3赤外線を含む第3光線を透過させる。そして、画素31−1−1から31−n−1により撮像された第1画像を「R」により表色し、画素31−1−2から31−n−2及び画素31−1−3から31−n−3により撮像された第2画像を「G」により表色し、画素31−1−4から31−n−4により撮像された第3画像を「B」により表色して表示する。これにより被写体のカラー画像を得ることが出来る。
なお、図18において、被写体からの光線を画素上に結像し、例えば、図10又は11に示すような光線に分離して被写体の画像を得るため、第1分離部32−1は、「R波長領域」と第1赤外線を含む第1光線を透過させ、第2分離部32−2は、「G波長領域」と第3赤外線を含む第3光線を透過させ、第3分離部32−3は、「B波長領域」と第2赤外線を含む第2光線を透過させてもよい。そして、画素31−1−1から31−n−1により撮像された第1画像を「R」により表色し、画素31−1−2から31−n−2及び画素31−1−3から31−n−3により撮像された第2画像を「G」により表色し、画素31−1−4から31−n−4により撮像された第3画像を「B」により表色して表示してもよい。これにより被写体のカラー画像を得ることも出来る。
なお、このような組み合わせは多数あり、上記以外の組み合わせで撮像しても良い。
なお、例えば、画素31−1−3から31−n−3には、分離部を被着させないで、又は、白色光を透過させる部材を被着させ、被写体のカラー画像を撮像することも出来る。なお、このような組み合わせも多数あり、上記以外の組み合わせで撮像しても良い。
[実施例4]
図19は、本発明による画像撮影装置および画像撮影方法の実施例4を示す。図19に示すように、分離部は、二つのダイクロイックプレートフィルタを備える。被写体からの光線を、例えば、図9に示すように複数の光線それぞれに分離して被写体の画像を得るため、被写体からの光線を第1ダイクロイックプレートフィルタに入射させ、第1ダイクロイックプレートフィルタは、「R波長領域」と第1赤外線を含む第1光線を反射させ撮像された第1画像を「R」により表色する。また、透過した光線を、第2ダイクロイックプレートフィルタに入射させ、第2ダイクロイックプレートフィルタは、「G波長領域」と第2赤外線を含む第2光線を反射させ撮像された第2画像を「G」により表色する。また、透過した「B波長領域」と第3赤外線を含む第3光線から撮像された第3画像を「B」により表色する。このような表色をして表示をすることにより被写体のカラー画像を得ることが出来る。
なお、このような組み合わせは多数あり、上記以外の組み合わせで撮像しても良い。
図20は、本発明による画像撮影装置および画像撮影方法の実施例4の第1及び2ダイクロイックプレートフィルタの反射特性例を示す。図20に示すように、第1ダイクロイッ
クプレートフィルタだけでなく第2ダイクロイックプレートフィルタも反射波長帯域の赤外線領域と可視光線領域が連続していてもよい。
なぜなら、第1ダイクロイックプレートフィルタで「R波長領域」と第1赤外線含む第1光線が反射されているので、第2ダイクロイックプレートフィルタで反射された第2光線に「R波長領域」と第1赤外線含む第1光線が含まれることはない。また、第2ダイクロイックプレートフィルタを透過した第3光線に「R波長領域」と第1赤外線含む第1光線、及び、「G波長領域」と第2赤外線含む第2光線が含まれることもない。
なお、第1から第3光線が届く位置に撮像部を設置することが出来る。
なお、BK7などのガラス材料をダイクロイックプレートフィルタに用いれば、紫外線はほとんど透過しない。また、第1ダイクロイックプレートフィルタの入射口側に紫外線カットフィルタを備えても良いし、撮像部の入射口側に紫外線カットフィルタ、カラーフィルタ又はトリミングフィルタなどを備えても良い。
[実施例5]
図21は、本発明による画像撮影装置および画像撮影方法の実施例5を示す。図21に示すように、分離部として、三つのダイクロイックプリズムフィルタを備える複合プリズムが用いられている。
図21において、被写体からの光線を、例えば、図9に示すような光線に分離して被写体の画像を得るため、被写体からの光線を第1ダイクロイックプリズムフィルタに入射させ、「R波長領域」と第1赤外線を含む第1光線を第1ダイクロイックプリズムフィルタの内面で2度反射させ外部に出射させ、撮像された第1画像を「R」により表色する。また、透過した光線を第2ダイクロイックプリズムフィルタに入射させ、「G波長領域」と第2赤外線を含む第2光線を第2ダイクロイックプリズムフィルタの内面で2度反射させ外部に出射させ、撮像された第2画像を「G」により表色する。また、透過した光線を第3ダイクロイックプリズムフィルタに入射させ、「B波長領域」と第3赤外線を含む第3光線を第3ダイクロイックプリズムフィルタの内面で反射させることなく外部に出射させ、撮像された第3画像を「B」により表色する。このような表色をして表示をすることにより被写体のカラー画像を得ることが出来る。
なお、第1から第3光線が届く位置に撮像部を設置することが出来る。
なお、このような組み合わせは多数あり、上記以外の組み合わせで撮像しても良い。
なお、BK7などのガラス材料をダイクロイックプリズムフィルタに用いれば、紫外線はほとんど透過しない。また、各ダイクロイックプリズムフィルタの出射口側又は撮像部の入射口側にカラーフィルタ又はトリミングフィルタなどを備えても良い。
[実施例6]
図22は、本発明による画像撮影装置および画像撮影方法の実施例6を示す。図22に示すように、第1から第3赤外線を放射する第1から第3赤外線LED50−1から50−3により個別に構成される赤外線LED群51−1から51−3が、ケース53の表面に円状に配置されている。その中心部に、レンズの付いたCCDカメラ52が配置されている。なお、表色設定部及び制御処理部がケース53の内部に配置される。
ここで、赤外線LED群51−1から51−3から被写体に第1から第3赤外線が照射され、被写体に反射された第1から第3赤外線からCCDカメラ52が被写体の画像を撮像
する。
なお、図22の実施例は、赤外線LED50−1乃至50−3は、個別に3つの赤外線LED群51−1乃至51−3にそれぞれまとめられ、3箇所に分けて配置された例である。赤外線LED50−1乃至50−3が混在して配置されたり、ランダムに配置されたりしても良い。
[実施例7]
図23は、本発明による画像撮影装置および画像撮影方法の実施例7を示す。図23に示すように、第1から第3赤外線を放射する第1から第3赤外線LED50−1から50−3で構成される赤外線LED群54がケース55の表面に円状に配置され、レンズ付きのCCDカメラ52が別のケース56に内包されている。また、表色設定部と制御処理部がケース55の内部に配置されている。また、RGBエンコーダを内蔵していれば、再構成NTSCビデオ信号を出力することも出来る。
ここで、赤外線LED群54から被写体に赤外線が照射され、被写体により反射された第1から第3赤外線から被写体の画像をCCDカメラ52が撮像する。なお、CCDカメラ52はケースに入れなくても良い。
ここで、CCDカメラ52からのNTSCビデオ信号がケーブル57を通してケース55内に送られ、ケース55内の表色設定部と制御処理部が受けたNTSC信号を元に動作を行い、RGBビデオ信号又は再構成NTSCビデオ信号がケーブル58から出力され、モニターに送られる。なお、ケーブル59、ケーブル60によりそれぞれ電力が供給される。
[実施例8]
図24は、本発明による画像撮影装置および画像撮影方法の実施例8を示す。図24に示すように、赤外線LED群54がケース62の表面に円状に配置され、レンズの付いたCCDカメラ52を別のケース63に内包した場合の実施例である。
ここで、赤外線LED群54から被写体に赤外線が照射され、被写体により反射された第1から第3赤外線から被写体の画像をCCDカメラ52が撮像する。なお、制御処理部がケース62の内部に配置されているが、赤外線LED群54から発せられた赤外線に重畳された照射動作開始信号を赤外線センサー61が受け、ケース63の内部に配置されている別の制御処理部に送り、撮像動作が開始される。なお、表色設定部はケース63に内包される。また、RGBエンコーダをケース63に内蔵すると、再構成NTSCビデオ信号をケーブル64から出力することが出来る。RGBビデオ信号を出力してもよい。なお、ケーブル59、ケーブル60によりそれぞれ電力が供給される。
[実施例9]
図25は、本発明による画像撮影装置および画像撮影方法の実施例9を示す。天井などの上部に設置された制御処理部及び照射部が内包されたケース65から第1から第3赤外線が被写体4に照射され、被写体4により反射された第1から第3赤外線により、ケース66に内包された赤外線センサー、制御処理部、撮像部、表色設定部が所定の動作を行う。なお、ケース65の赤外線出射口側は、赤外線を透過する部材により形成される。
[実験例1]
図26は、本発明による画像撮影装置および画像撮影方法の表色と加法混色などを説明する実験例1を示す。ここで、図26(a−1)は、第1赤外線を照射して撮像された第1画像、図26(a−2)は、第2赤外線を照射して撮像された第2画像、図26(a−3
)は、第3赤外線を照射して撮像された第3画像である。それぞれの画像は、反射赤外線の強度を示し、グレースケールで表示されている。第1画像、第2画像、第3画像は、同じ被写体の画像であるが、赤外線の反射特性が波長により異なるので、異なる画像となっている。
なお、第1赤外線は、中心波長780nm、平均パワー約5.7mWを放射するLEDにより生成された。また、第2赤外線は、中心波長870nm、平均パワー約6.1mWを放射するLEDにより生成された。また、第3赤外線は、中心波長940nm、平均パワー約4.5mWを放射するLEDにより生成された。なお、波長強度分布の半値全幅は、それぞれ約50nmであった。また、照射部と被写体の距離は、約30cmであり、撮像部と被写体の距離は、約20cmであった。可視光領域における被写体照度は、ほぼ0ルクスであった。
また、図26(a−1−2)は、図26(a−1)を「R」により表色して表示した第1画像、図26(a−2−2)は、図26(a−2)を「B」により表色して表示した第2画像、図26(a−3−2)は、図26(a−3)を「G」により表色して表示した第3画像である。なお、図26では、それぞれの反射赤外線の強度が、各単色の明度によるモノカラースケールで示されている。
図27(b−1)は、図26(a−1−2)、図26(a−2−2)及び図26(a−3−2)を加法混色したカラー画像を示す。図27(b−1)は、「R」、「G」及び「B」の単色を有する赤外線カラー画像となっている。
また、図27(b−2)は、図26(a−1)、図26(a−2)及び図26(a−3)の画像の対応する各位置の明るさを加法により合成したグレースケール画像である。すなわち、従来の赤外線撮影による画像に対応する。
また、図27(b−3)は、図27(b−2)の画像を従来の疑似カラースケールで示す。
また、図27(b−4)は、約450ルクスの照明下で、従来のカラーCCDカメラにより撮像したカラー画像を示す。
図27に示すように、図26の各々あるいは図27(b−2)及び図27(b−3)と比較し、図27(b−1)は、より情報量が多く鮮明であり、見た目の配色が、図27(b−4)に最も近い。
図28は、表色の仕方を様々に変えた場合の実験例1を示す。ここで、図28(a)は、第1から第3画像を「R」「G」「B」の順に表色して加法混色した赤外線カラー画像を示す。図28(b)は、第1から第3画像を「R」「B」「G」の順に表色して加法混色した赤外線カラー画像を示す。図28(c)は、第1から第3画像を「G」「B」「R」の順に表色して加法混色した赤外線カラー画像を示す。図28(d)は、第1から第3画像を「G」「R」「B」の順に表色して加法混色した赤外線カラー画像を示す。図28(e)は、第1から第3画像を「B」「R」「G」の順に表色して加法混色した赤外線カラー画像を示す。図28(f)は、第1から第3画像を「B」「G」「R」の順に表色して加法混色した赤外線カラー画像を示す。ここで、図28(a)又は図28(b)が、図27(b−4)に近い表色になっていることが分かる。
なお、図27(b−1)および図28の各画像は、動画としてモニターに表示することも可能であり、30fpsのフレームレートの動画として録画することも可能であった。ま
た、その際、リカーシブフィルタを用いて、フレームレートを実質10fpsに下げると、チラツキのより少ない動画を得る事が出来た。リカーシブフィルタを用いて実質30fpsの動画を得る事も可能である。
また、その他の被写体を本発明による画像撮影装置および画像撮影方法により撮像したところ、図27(b−1)および図28(b)における表色条件の方が、図28(a)における表色条件より、被写体の可視線下での色をより良く再現する傾向が見られた。
その場合、人の顔や手などの肌色を良く再現することが出来たし、髪の毛の色も黒く自然に再現することが出来た。また、金属の光沢もよく再現された。
さらに、カラーバランス、色相、ブライトネス、コントラスト、ガンマー補正のパラメータなどの調整による補正を行ったところ、可視光下における被写体のカラー画像にほぼ一致させることが出来た。また、各画像の差分をとるなどの画像処理により、カラーを強調して表示することも出来た。
以下、本願発明の原理についての説明を追加する。物質はそれぞれ特有の色あるいはスペクトルを呈する。その色あるいはスペクトルはその物質の持つ反射率、吸収率あるいは透過率によって決まる。電子物性的には、それら反射率、吸収率あるいは透過率は、物質表面または物質内の電荷と光子との相互作用に依存する。そして、物質固有の基礎吸収端または帯間遷移エネルギー準位が可視光域にある場合、可視光域で変化する反射率、吸収率あるいは透過率を呈するので、その物質による反射光が色として人に認識される。
さらに、ある色を呈する塗料あるいは顔料の基となる色素を化学的に合成する場合、基材に対する原子または分子の入れ替えによる吸収端または帯間遷移エネルギー準位の増減または移動、あるいは、不純物の混入による吸収帯または帯間遷移エネルギー準位の付加などが行われ、それにより、所望の色を呈する色素を合成する事が出来る。
ここで、例えば、一様な素材により構成される光学フィルタの場合は、その素材の透過率によりフィルタを透過する光の色が決まり、その素材の反射率によりフィルタを反射する光の色が決まる。一方、透明な媒質に微粒子を含有するフィルタの場合は、微粒子表面の乱反射だけでなく微粒子を屈折しながら透過する光が透過光、反射光に含まれるので、透過率および反射率はそれぞれ拡散透過率および拡散反射率と呼称されることが多い。非透明な媒質に微粒子を含有するフィルタの場合は、媒質の透過率、微粒子の反射率と拡散反射率によりフィルタを透過する光の波長強度分布(色)が決まる。
代表的な長波長透過フィルタとしてガラスに半導体や金属の微粒子が分散したものがある。例えば、ガラスにCdSを混合し熱処置をすると均一なサイズのCdS微粒子がガラス中に生成する。励起子閉じ込め効果によりCdS微粒子の吸収端の位置が微粒子の大きさにより変化する。なお、微粒子のサイズは熱処置条件により制御可能である。
なお、塗料あるいは顔料の場合は、塗布される素材の反射率、塗料あるいは顔料を構成する媒質の反射率と透過率(塗布される素材により反射があるため)、塗料あるいは顔料を構成する微粒子の反射率と拡散反射率により塗料あるいは顔料の色が決まる。
[実験例2]
図29は、同じ樹脂基材からなり、青「B」、緑「G」および赤「R」をそれぞれ呈する素材の相対反射率の一例を示す。図29に見られるように、可視光域に「B」、「G」、「R」に対応した反射率の大きい波長領域が、それぞれ見られるが、それらの構造がそれぞれの素材の色に主に対応する。また、一方で、赤外域にもそれぞれ特有の反射率を有す
る構造が見られる。
ここで、「B」と「G」の曲線において375nmから1100nmの波長領域における反射率の強度分布の形状を比較すると、ほぼ互いに平行移動した形状の関係になっていることが分かる。これは、上記の「吸収端または帯間遷移エネルギー準位の増減または移動」を示す例であると考えられる。また、可視光域の構造と赤外域の構造が連動して並行移動していることが分かる。
図30は、図29の各曲線の表すデータに図33のシリコン光検出器の受光感度例を表すデータを掛けて得られたデータを、各最大値で規格化した場合の図を示す。すなわち、図30は、青「B」、緑「G」および赤「R」をそれぞれ呈する素材に白色光を照射した場合の反射光をシリコン光検出器で検出し、各信号を各最大値で規格化した相対検出率に対応する。
図30に見られるように、赤「R」を呈する素材は、「IR1」に相対検出率の高い波長領域を有し、緑「G」を呈する素材は、「IR3」に相対検出率の高い波長領域を有し、青「B」を呈する素材は、「IR2」に相対検出率の高い波長領域を有していることが分かる。
したがって、「IR1」に相対検出率の高い波長領域を有する素材は赤「R」を呈し、「IR2」に相対検出率の高い波長領域を有する素材は青「B」を呈し、「IR3」に相対検出率の高い波長領域を有する素材は緑「G」を呈すると推定することが出来る。すなわち、赤外域の反射測定により可視域の反射測定の結果すなわち素材の呈する色を推定することが出来る。
つまり、被写体からの赤外線において、「IR1」に対応する赤外線を撮像した画像を「R」で表色し、「IR2」に対応する赤外線を撮像した画像を「B」で表色し、「IR3」に対応する赤外線を撮像した画像を「G」で表色することにより、可視線下での素材の色を再現することが出来る。
また、「IR1」に対応する赤外線を被写体に照射して被写体から反射した光を撮像した画像を「R」で表色し、「IR2」に対応する赤外線を被写体に照射して被写体から反射した光を撮像した画像を「B」で表色し、「IR3」に対応する赤外線を被写体に照射して被写体から反射した光を撮像した画像を「G」で表色することにより、可視線下での素材の色を再現することが出来る。
[実験例3]
図31(a)は黒い紙の上に緑、赤および青の絵の具を用いて描いた記号および文字を被写体として主に可視光線を発する蛍光灯の光の下で撮像したものであり、図31(b)は同じ被写体を本発明による画像撮影装置により図27(b−1)および図28(b)とほぼ同じ条件で撮像して表示している。
図31(a)と図32(b)を比較すると、本発明による画像撮影装置による撮像により、可視光線を用いた被写体の撮像により得られる画像と同一又は近似したカラー画像を得ることが出来ていることが分かる。すなわち、可視光線下における被写体のカラーを、赤外線照射を用いた本発明による画像撮影装置による撮像により再現出来ていることが分かる。
[実施例10]
図4、図5または図8に示すような各赤外線の強度を検出するためには、光学フィルタと
検出器の組み合わせを工夫することでも可能である。その組み合わせの一例として、図32に3つの長波長透過フィルタの示し、図33に本実施例にて用いるシリコン光検出器の受光感度例を示す。さらに、図34は、図32の各曲線を表すデータと図33の曲線を表すデータを掛けて有られたデータを、各最大値で規格化したデータを示す。この場合も、検出されるそれぞれの赤外線強度は、図4、図5または図8に類似した赤外線の波長範囲に分離されていることが分かる。
[実施例11]
図35は別の光学フィルタの例を示す。ここでは、可視光領域においてはそれぞれ「B」、「G」および「R」を透過させ、赤外領域においてはそれぞれ「第2赤外線」、「第3赤外線」および「第1赤外線」を透過させるフィルタの例を示す。さらに、図36は、図35のそれぞれの曲線を表すデータに図33の曲線を表すデータを掛けて、赤外領域におけるピーク構造の最大値で規格化した図を示す。
[実施例12]
図37は別の光学フィルタの透過率の測定例を示す。「B」と「第2赤外線」、「G」と「第3赤外線」並びに「R」と「第1赤外線」をそれぞれ透過させるフィルタの例を示す。なお、ここでは、「R」と「第1赤外線」が連続している場合を示している。また、赤外カットフィルタの透過率の例(IR−cut)も示している。赤外カットフィルタは、可視光域のみを透過させ、可視光画像を撮像する場合に使用するのが好ましい。
[実施例13から17]
図38から42に各光学フィルタと光検出器であるシリコンイメージセンサーの受光感度の組み合わせ例を示す。撮影条件により各光学フィルタを切り替えて用いてもよい。