JP2015173197A - 積層型電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】クラックの抑制が図られた積層型電子部品を提供する。
【解決手段】積層型電子部品1においては、作製時に、フェライト素体2を積層して圧着したとき、所定の領域に空隙30が形成されていることで、高い圧着力を実現することができる。それにより、フェライト層間の密着性が向上し、中央部分における焼結性が高まり、この部分における強度の向上が図られる。
【選択図】図3
【解決手段】積層型電子部品1においては、作製時に、フェライト素体2を積層して圧着したとき、所定の領域に空隙30が形成されていることで、高い圧着力を実現することができる。それにより、フェライト層間の密着性が向上し、中央部分における焼結性が高まり、この部分における強度の向上が図られる。
【選択図】図3
Description
本発明は、積層型電子部品に関する。
従来より、チップビーズなどの積層型電子部品として、フェライトからなるシートとコイル導体とを積層して積層体を形成し、形成した積層体の両端面に導電ペーストを塗布して端子電極を形成したものが知られている。
例えば、下記特許文献1には、略直方体形状の素体内にコイルを備えて構成された積層型電子部品が開示されている。コイルの引出部は、コイルの中心軸に沿って延びており、素体の端面に形成された端子電極に接続されている。このような電子部品では、実装面に対してコイルが平行となり、端子電極とコイルとの間の浮遊容量を低減できるため、高周波帯域でのノイズ除去機能を確保できる。
ところで、上述のような積層型電子部品は、例えばコイルを形成する内部導体(コイル導体)を備えた絶縁体層と、引出部を形成する内部導体(引出導体)を備えた絶縁体層と、コイルと引出部を接続する内部導体(接続導体)を備えた絶縁体層とを所定の順序で積層して圧着し、これを焼結することで作製される。
このようにして得られた積層型電子部品は、基板に実装された後、高温環境下に曝されると、基板の膨張や撓みなどに起因する応力により中央部分にクラックが生じる虞がある。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、クラックの抑制が図られた積層型電子部品を提供することを目的とする。
発明者らは、積層型電子部品の中央部分にクラックが発生する原因について鋭意研究を重ねた結果、この中央部分では、他の部分に比べて焼結性が悪いとの知見を得た。これは、中央部分は、コイルと素体側面との距離が短く、フェライト素体の肉厚が薄いためであり、シート同士の密着性が十分に確保されず、焼結性が悪いために、強度が低下したものと考えられる。
そこで、本発明の一側面に係る積層型電子部品は、実装面に実装されるべき積層型電子部品であって、複数のフェライト層を積層してなるフェライト素体と、フェライト素体内に形成され、フェライト層に形成されたコイルパターンが接続されて構成されたコイルと、フェライト素体の端部における端面および側面を覆う外部端子とを備え、コイルの軸方向が実装面に対して平行であり、コイルの軸方向におけるコイル端部と素体端面との間の領域、かつ、コイルの軸方向からの平面視でコイルパターンの形成領域と重なる領域に、空隙が設けられており、空隙が外部端子の形成領域と重なっている。
このような積層型電子部品においては、作製時に、フェライト素体を積層して圧着したとき、上述した領域に空隙が形成されていることで、高い圧着力を実現することができる。それにより、フェライト層間の密着性が向上する。その結果、中央部分における焼結性が高まり、この部分における強度の向上が図られるため、クラックの発生を効果的に抑制することができる。
一実施形態においては、空隙が、コイルの軸方向からの平面視でのコイルパターンの形成領域の外形と同一形状である。この場合、より高い圧着力を実現することができ、中央部分におけるさらなる強度の向上が図られる。
一実施形態においては、コイルの軸方向からの平面視でのコイルパターンの形成領域の外形が矩形環状である。この場合、コイルパターンの形成領域の外形が円環状である場合に比べて内径を大きく設計することができる。
一実施形態においては、空隙が、コイルパターンの形成領域の4つの角部分に設けられている。このような空隙によれば、小さい設置領域で、効率よく、圧縮力の向上を図ることができる。
本発明の一側面及び種々の実施形態によれば、クラックの抑制が図られた積層型電子部品が提供される。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る積層型電子部品の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る積層型電子部品の一実施形態を示す斜視図である。また、図2は、図1に示した積層型電子部品の層構成を示す分解斜視図であり、図3は、図1におけるIII−III線断面図である。
積層型電子部品1は、たとえばチップビーズであり、その内部に、積層方向に対して軸Lが平行であるコイルMが形成されている。図1〜図3に示すように、積層型電子部品1は、略直方体形状のフェライト素体2と、フェライト素体2の表面に設けられた一対の外部端子3,3とを備えている。
フェライト素体2は、複数の矩形状のフェライト層11(図2参照)を積層することによって構成されている。フェライト層11は、例えばFe、Ni、Cu、Znなどを主成分としたフェライト材料のグリーンシートを用いて形成される。フェライト素体2は、各グリーンシートに所定の導体パターン及びスルーホールを形成し、これらを所定の順序で積層及び圧着して得られた積層体を焼成することによって作製される。なお、フェライト素体2において、各フェライト層11は、互いの境界が視認できない程度に一体化されている。
外部端子3は、フェライト素体2における積層方向の端面2aを覆う端面部分3aと、4つの側面2bそれぞれの端部近傍を覆う側面部分3bとを有し、フェライト素体2における積層方向の端部における端面2aと側面2bとを一体的に覆っている。外部端子3は、フェライト素体2の形成後に、例えばAgやガラスを主成分とした導電性ペーストをディップ法などによって塗布し、これを焼成することによって得られる。外部端子3の表面には、必要に応じてメッキ処理が施される。
フェライト素体2の内部には、図1及び図2に示すように、コイルMを形成するコイル導体12と、コイルMを外部端子3側に引き出す引出導体13と、コイル導体12と引出導体13との間に介在する接続導体14とが配置されている。
コイル導体12を形成する導体パターン21は、いずれも略コの字状に形成されている。導体パターン21の一端部及び他端部には、スルーホール22に対応する略円形のパッド部23がそれぞれ形成されている。各導体パターン21は、図2に示すように、90度ずつ位相をずらした状態でスルーホール22を介して直列に接続されており、積層方向に延在するコイルMを形成している。
このようなコイルMにおいては、積層方向(すなわち、コイル軸Lの方向)からの平面視において、導体パターン21の形成領域の外形は矩形環状となる。上述したように、フェライト層11が矩形状であるため、その外縁に沿うように矩形環状の導体パターン21を設けると、円環状の導体パターンを設ける場合に比べて、コイルMの内径を大きく設計することができる。
引出導体13を形成する導体パターン24は、スルーホール25に対応する略円形のパッド部26からなる。パッド部26は、コイル導体12のパッド部23より大径となっており、コイル導体12によって形成されるコイルMのコイル軸L(図3参照)と同軸に配置されている。各導体パターン24は、図2に示すように、スルーホール25を介して直列に接続されており、コイルMのコイル軸Lに沿って延在する引出導体13を形成している。引出導体13の外側端部は、フェライト素体2の積層方向の端面に露出し、上述した外部端子3に接続されている。
接続導体14を形成する導体パターン27は、コイル導体12の一方のパッド部23に対応する位置と、引出導体13のパッド部26に対応する位置とを結ぶように直線状に形成されている。導体パターン27の一端部には、スルーホール25に対応する略円形のパッド部28が引出導体13のパッド部26と同軸かつ略同形に形成され、導体パターン27の他端部には、スルーホール22に対応する略円形のパッド部29がコイル導体12のパッド部23と同軸かつ略同形に形成されている。図2に示すように、導体パターン27の一端部は、スルーホール25を介して引出導体13の他端部に接続され、導体パターン27の他端部は、スルーホール22を介してコイル導体12の端部に接続されている。
以上のような導体パターン21、導体パターン24、及び導体パターン27は、例えばAgを主成分とした導電性ペーストをスクリーン印刷などを用いてグリーンシートにパターン形成し、これを焼成することによって得られる。
ここで、引出導体13を形成する導体パターン24が形成されたフェライト層11の一つには、空隙30(スリット)が形成されている。具体的には、接続導体14を形成する導体パターン27が形成されたフェライト層11の一つ上のフェライト層11Aに、空隙30が形成されている。このフェライト層11Aに空隙30が形成することで、図3に示すとおり、空隙30が、コイル軸Lの方向におけるコイルMのコイル導体12の端部とフェライト素体2の端面2aとの間の領域に形成され、かつ、外部端子3の形成領域と重なる。
また、空隙30は、図4に示すように、コイル軸Lの方向からの平面視で、コイルパターン(すなわち、コイル導体12の導体パターン21)の形成領域と重なる領域に設けられている。空隙30は、矩形環状であるコイルパターンの形成領域と重なるように、コイルパターンと略同一形状および略同一寸法で設けられている。
このような空隙30は、焼成されてフェライト層11Aになる前の、グリーンシートの時点で形成される。グリーンシートに形成される空隙の断面形状は、図5の二点鎖線で示したような台形である。そして、フェライト素体となるべきグリーンシートが積層及び圧着した後、焼成されることで、図5の実線で示したような形状の空隙30となる。すなわち、空隙30は、コイル軸Lの方向において対向する両端部の中央部分が凹み、コイル軸Lに直交する方向において対向する両端部の中央部が凹んだX字状の断面形状を呈する。
以下、上述した積層型電子部品1が実装される態様について、図3を参照しつつ説明する。
図3に示すように、積層型電子部品1が実装される基板40には、一対のパターン電極42、42が形成されている。そして、パターン電極42上にはんだを形成した後、積層型電子部品1は、コイル軸Lの方向が基板40の実装面40aに対して平行となるように、基板40上に搭載される。このとき、積層型電子部品1の外部端子3と、基板40のパターン電極42とが位置合わせされる。そして、リフロー処理により、はんだを溶融させた後に冷却して、積層型電子部品1の外部端子3と基板40のパターン電極42とをはんだ44で接合することで、積層型電子部品1が基板40に実装される。
発明者らは、基板40に実装した後、高温環境下に曝される等により基板40に膨張や撓み等が生じた場合、積層型電子部品1には図3に示すような向きの引張応力が生じ、それにより、積層型電子部品1の中央部分にクラックCが生じる虞があるとの知見を得た。
そこで、このようなクラックCが発生する原因についてさらに研究を重ねた結果、本発明を見出すに至った。
すなわち、積層型電子部品1の中央部分は、コイルMから素体側面2bまでの距離Dが他の部分に比べて短く、フェライト素体2の肉厚が薄くなっている。そのため、中央部分は圧着力を高めにくく、十分に焼結することが難しい。その結果、フェライト層11同士の密着性を確保するのも困難で、十分な強度を得にくい。
上述した積層型電子部品1においては、作製時に、フェライト素体2となるべきグリーンシートを積層して圧着したとき、上述した領域に空隙30が形成されていることで、高い圧着力を実現することができる。
それにより、フェライト層11間の密着性が向上する。その結果、中央部分における焼結性が高まり、この部分における強度の向上が図られるため、クラックの発生を効果的に抑制される。
なお、空隙30は、上述したように、外部端子3の形成領域と重なっている。すなわち、外部端子3に囲まれ、外部端子3の端面部分3aおよび側面部分3bにより補強されて十分な強度が確保されているフェライト素体2の部分に、空隙30が形成されている。空隙30は、強度が低下する部分ではあるが、外部端子3の形成領域と重なるように設けることで、他の領域に形成する場合に比べて強度の低下が抑えられる。
また、空隙30が、コイル軸Lの方向からの平面視でのコイルパターンの形成領域の外形と同一形状であるため、より高い圧着力を実現することができる。その結果、積層型電子部品1の中央部分におけるさらなる強度の向上が図られている。
さらに、上述した積層型電子部品1においては、コイル軸Lの方向からの平面視での導体パターン21の形成領域の外形が矩形環状である。そのため、導体パターン21の形成領域の外形が円環状である場合に比べて内径を大きく設計することができるものの、内径を大きくしようとすると導体パターン21を素体側面2bの近傍に形成する必要がある。そのため、中央部分におけるコイルMから素体側面2bまでの距離Dが短くなりやすく、クラックCの発生が生じやすい。そのため、導体パターン21の形成領域の外形が矩形環状である場合に、特に、本発明は有効である。
なお、空隙30は、コイル軸Lの方向からの平面視で導体パターン21の形成領域と重なる領域に形成されていれば、上述した矩形環状に限らず、その他の形状であってもよい。たとえば、図6に示すように、導体パターン21の形成領域の4つの角部分にそれぞれ空隙30Aを設ける態様であってもよい。このような空隙30Aによれば、上述した圧縮力の向上を図ることができる。すなわち、空隙30Aは、上述した空隙30よりも小さい設置領域で、効率よく、圧縮力の向上を図ることができる。
また、空隙30とは別に、追加的な空隙を設けることができる。たとえば、図3に二点鎖線で示したように、引出導体13の近傍のコイル軸L上に空隙30Bを追加的に設けてもよい。
1…積層型電子部品、2…フェライト素体、3…外部端子、11…フェライト層、12…コイル導体、13…引出導体、14…接続導体、30、30A、30B…空隙、M…コイル、L…コイル軸。
Claims (4)
- 実装面に実装されるべき積層型電子部品であって、
複数のフェライト層を積層してなるフェライト素体と、
前記フェライト素体内に形成され、前記フェライト層に形成されたコイルパターンが接続されて構成されたコイルと、
前記フェライト素体の端部における端面および側面を覆う外部端子と
を備え、
前記コイルの軸方向が前記実装面に対して平行であり、
前記コイルの軸方向におけるコイル端部と素体端面との間の領域、かつ、前記コイルの軸方向からの平面視で前記コイルパターンの形成領域と重なる領域に、空隙が設けられており、
前記空隙が前記外部端子の形成領域と重なっている、積層型電子部品。 - 前記空隙が、前記コイルの軸方向からの平面視での前記コイルパターンの形成領域の外形と同一形状である、請求項1に記載の積層型電子部品。
- 前記コイルの軸方向からの平面視での前記コイルパターンの形成領域の外形が矩形環状である、請求項1または2に記載の積層型電子部品。
- 前記空隙が、前記コイルパターンの形成領域の4つの角部分に設けられている、請求項3に記載の積層型電子部品。
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---|---|---|---|
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JP2014048640A JP2015173197A (ja) | 2014-03-12 | 2014-03-12 | 積層型電子部品 |
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-
2014
- 2014-03-12 JP JP2014048640A patent/JP2015173197A/ja active Pending
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