JP2015172524A - ガスセンサ - Google Patents

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大輔 多比良
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慎悟 伊藤
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Yuichi Yamada
裕一 山田
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Abstract

【課題】センサ素子の損傷を防止したガスセンサを提供する。
【解決手段】センサ素子100と、センサ素子の検知部を露出する形態で、センサ素子の径方向周囲を取り囲む略筒状の主体金具と、主体金具の内側にて保持され、センサ素子が挿通される軸孔35aを有する内部部品35と、圧縮充填された圧縮粉末体であって、主体金具の内側において、内部部品の先端向き面又は後端向き面に接して配置される圧縮粉末体と、を備えたガスセンサであって、センサ素子の外面と前記軸孔の内周面との最小距離d2が0.10mm以上である。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば燃焼器や内燃機関等の燃焼ガスや排気ガス中に含まれる特定ガスのガス濃度を検出するのに好適に用いられるガスセンサに関する。
従来、自動車などから発生する排気ガス中の特定ガス成分を検出するセンサ素子を備えたガスセンサが知られている。このようなガスセンサは、板体の長手方向の一端部に排気ガス中の特定ガスを検知する検知部が形成されたセンサ素子と、当該センサ素子の検知部を露出する形態で、前記センサ素子の径方向周囲を取り囲む略筒状の主体金具を備えている。このセンサ素子は、一対の電極で挟まれた固体電解質からなる層を少なくとも一層以上備えた長板状の素子として構成され、さらに、そのセンサ素子には、センサ素子を加熱して活性化する板状のヒータが積層されたものが一般的に知られている。そして、略筒状の主体金具に板体のセンサ素子を保持するために、主体金具の内側にて保持されるホルダ、圧縮粉末体、スリーブがセンサ素子の検知側(以後、先端側という。)から順に備えられている。
このうち、ホルダおよびスリーブは、一般にセラミックで形成され、外観が略円筒状を呈している。さらに、そのホルダおよびスリーブには、センサ素子の長手方向に直交する断面形状に沿った略長方形状の挿通孔が中心軸に沿って各々設けられている。よって、センサ素子はこれら各挿通孔に挿通して保持される。そして、主体金具の後端側がスリーブ側に加締められ、圧縮粉末体がスリーブ側からホルダ側に向かって加圧されることにより、主体金具の内側が密閉され、ガスセンサ内の気密性が保持される。
ところで、ホルダとセンサ素子の板面との間の隙間が大きくなると、排気ガスがその隙間に侵入しやすくなり、さらには、ホルダの挿通孔の隙間からガスセンサ内に排気ガスが侵入しやすくなり、ガスセンサ内の気密性が低下する。そこで、センサ素子の板面とホルダの軸孔の内周面とのセンサ素子の長手方向に垂直な短手方向の距離の総和を0.7mm以下とすることで、上記隙間を小さくし、センサ内の気密性を確保する技術が開発されている(特許文献1参照)。
特開2006−90842号公報
しかしながら、上記隙間を小さくし過ぎると、ホルダの挿通孔の内壁とセンサ素子の板面とが接触し、センサ素子が損傷するおそれがある。
そこで、本発明は、ホルダ等の内部部品とセンサ素子との隙間を最適にすることにより、センサ素子の損傷を防止したガスセンサの提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のガスセンサは、軸線方向に延び、板体の長手方向の一端部にガスを検知する検知部が形成されたセンサ素子と、当該センサ素子の前記検知部を露出する形態で、前記センサ素子の径方向周囲を取り囲む略筒状の主体金具と、前記主体金具の内側にて保持され、前記センサ素子が挿通される軸孔を有する内部部品と、圧縮充填された圧縮粉末体であって、前記主体金具の内側において、前記内部部品の先端向き面又は後端向き面に接して配置される圧縮粉末体と、を備えたガスセンサであって、前記センサ素子の外面と前記軸孔の内周面との最小距離が0.10mm以上である。
このガスセンサによれば、最小距離を0.10mm以上とすることで、内部部品とセンサ素子との隙間を最適にし、センサ素子を内部部品の軸孔に挿通する際に、センサ素子が軸孔に接触して損傷することや、ガスセンサ組み付け時の滑石(圧縮粉末体)充填によるセンサ素子の折れを防止することができる。少なくとも、センサ素子の厚み方向における内部部品とセンサ素子との最小距離を両側とも0.10mm以上に設定することが、センサ素子の折れを防止するという観点から好ましい。
また、センサ素子、内部部品、滑石等が一体となった素子ユニットを形成する際の偏芯量を考慮すると、前記最小距離が0.18mm以上であることがより好ましい。
前記内部部品は、前記圧縮粉末体の先端側に配置されたホルダ、又は前記圧縮粉末体の後端側に配置されたスリーブであってもよい。
この発明によれば、センサ素子の損傷を防止したガスセンサが得られる。
本発明の実施形態に係るガスセンサ(酸素センサ)の長手方向に沿う断面図である。 センサ素子の模式分解斜視図である。 図1の部分拡大断面図である。 図3の位置Pで径方向に切断した断面図である。 最小距離を変化させた場合の、センサ素子の折れの有無の実験結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係るガスセンサ(酸素センサ)1の長手方向(軸線L方向)に沿う断面図、図2はセンサ素子100の模式分解斜視図、図3は図1の部分拡大断面図、図4は図3の位置Pで径方向に切断した断面図である。
図1に示すように、ガスセンサ1は、先端側にガスを検知する検知部100aが形成された板状のセンサ素子100、検知部100aを先端側に露出させつつセンサ素子100を内部に保持する略筒状の主体金具30等を有している。センサ素子100は軸線L方向に延びるように配置されている。なお、センサ素子100の検知部100aを多孔質保護層20が覆っている。
主体金具30は、SUS430製のものであり、ガスセンサを排気管に取り付けるための雄ねじ部31と、取り付け時に取り付け工具をあてがう六角部32とを有している。また、主体金具30には、径方向内側に向かって突出する金具側段部33が設けられており、この金具側段部33はセンサ素子100を保持するための金属ホルダ34を支持している。そしてこの金属ホルダ34の内側にはセラミック製のホルダ35、滑石36が先端側から順に配置されている。セラミック製のホルダ35は略円筒状に形成されており、軸線に沿うように断面が略長方形の軸孔35aが設けられ、内部にセンサ素子100を挿通している。
滑石36は金属ホルダ34内に配置される第1滑石37と金属ホルダ34の後端に渡って配置される第2滑石38とからなる。金属ホルダ34内で第1滑石37が圧縮充填されることによって、センサ素子100は金属ホルダ34に対して固定される。また、主体金具30内で第2滑石38が圧縮充填されることによって、センサ素子100の外面と主体金具30の内面との間のシール性が確保される。
そして第2滑石38の後端側には、アルミナ製のスリーブ39が配置されている。このスリーブ39は多段の円筒状に形成されており、軸線に沿うように断面が略長方形の軸孔39aが設けられ、内部にセンサ素子100を挿通している。そして、主体金具30の後端側の加締め部30aが内側に折り曲げられており、ステンレス製のリング部材40を介してスリーブ39が主体金具30の先端側に押圧されている。
ホルダ35、及びスリーブ39が特許請求の範囲の「内部部品」に相当する。又、滑石36(第1滑石37、第2滑石38)が特許請求の範囲の「圧縮粉末体」に相当する。なお、第1滑石37はホルダ35の後端向き面35cに接し、第2滑石38はスリーブ39の先端向き面39bに接している。
また、主体金具30の先端側外周には、主体金具30の先端から突出するセンサ素子100の先端部を覆うと共に、複数のガス取り入れ孔24aを有する金属製のプロテクタ24が溶接によって取り付けられている。このプロテクタ24は、二重構造をなしており、外側には一様な外径を有する有底円筒状の外側プロテクタ41、内側には後端部42aの外径が先端部42bの外径よりも大きく形成された有底円筒状の内側プロテクタ42が配置されている。
一方、主体金具30の後端側には、SUS430製の外筒25の先端側が挿入されている。この外筒25は先端側の拡径した先端部25aを主体金具30にレーザ溶接等により固定している。外筒25の後端側内部には、セパレータ50が配置され、セパレータ50と外筒25の隙間に保持部材51が介在している。この保持部材51は、後述するセパレータ50の突出部50aに係合し、外筒25を加締めることにより外筒25とセパレータ50とにより固定されている。
また、セパレータ50には、センサ素子100に接続されるリード線11〜15を挿入するための通孔50bが先端側から後端側にかけて貫設されている(なお、リード線14、15については図示せず)。通孔50b内には、リード線11〜15と、後述する検出素子部300の検出素子側パッド121及びヒータ部200のヒータ側パッド120とを接続する接続端子16が収容されている。各リード線11〜15は、外部において、図示しないコネクタに接続されるようになっている。このコネクタを介してECU等の外部機器と各リード線11〜15とは電気信号の入出力が行われることになる。また、各リード線11〜15は詳細に図示しないが、導線を樹脂からなる絶縁皮膜にて披覆した構造を有している。
さらに、セパレータ50の後端側には、外筒25の後端側の開口部25bを閉塞するための略円柱状のゴムキャップ52が配置されている。このゴムキャップ52は、外筒25の後端内に装着された状態で、外筒25の外周を径方向内側に向かって加締めることにより、外筒25に固着されている。ゴムキャップ52にも、リード線11〜15をそれぞれ挿入するための通孔52aが先端側から後端側にかけて貫設されている。
次に、図2を参照してセンサ素子100の詳細な構成について説明する。図2に示すように、センサ素子100は、検出素子部300及び検出素子部300に積層されるヒータ部200から構成されている。
検出素子部300は、酸素濃度検出セル130と酸素ポンプセル140とを備える。酸素濃度検出セル130は、第1固体電解質体105と、その第1固体電解質105の両面に形成された第1電極104及び第2電極106とから形成されている。第1電極104は、第1電極部104aと、第1電極部104aから第1固体電解質体105の長手方向に沿って延びる第1リード部104bとから形成されている。第2電極106は、第2電極部106aと、第2電極部106aから第1固体電解質体105の長手方向に沿って延びる第2リード部106bとから形成されている。
そして、第1リード部104bの端末は、第1固体電解質体105に設けられる第1スルーホール105a、後述する絶縁層107に設けられる第2スルーホール107a、第2固体電解質体109に設けられる第4スルーホール109a及び保護層111に設けられる第6スルーホール111aのそれぞれに形成される導体を介して検出素子側パッド121と電気的に接続する。一方、第2リード部106bの端末は、後述する絶縁層107に設けられる第3スルーホール107b、第2固体電解質体109に設けられる第5スルーホール109b及び保護層111に設けられる第7スルーホール111bのそれぞれに形成される導体を介して検出素子側パッド121と電気的に接続する。
一方、酸素ポンプセル140は、第2固体電解質体109と、その第2固体電解質体109の両面に形成された第3電極108、第4電極110とから形成されている。第3電極108は、第3電極部108aと、この第3電極部108aから第2固体電解質体109の長手方向に沿って延びる第3リード部108bとから形成されている。第4電極110は、第4電極部110aと、この第4電極部110aから第2固体電解質体109の長手方向に沿って延びる第4リード部110bとから形成されている。
そして、第3リード部108bの端末は、第2固体電解質体109に設けられる第5スルーホール109b及び保護層111に設けられる第7スルーホール111bのそれぞれに形成される導体を介して検出素子側パッド121と電気的に接続する。一方、第4リード部110bの端末は、後述する保護層111に設けられる第8スルーホール111cに形成される導体を介して検出素子側パッド121と電気的に接続する。なお、第2リード部106bと第3リード部108bは同電位となっている。
これら第1固体電解質体105、第2固体電解質体109は、ジルコニア(ZrO)に安定化剤としてイットリア(Y)又はカルシア(CaO)を添加してなる部分安定化ジルコニア焼結体から構成されている。
発熱体102、第1電極104、第2電極106、第3電極108、第4電極110、ヒータ側パッド120及び検出素子側パッド121は、白金族元素で形成することができる。これらを形成する好適な白金族元素としては、Pt、Rh、Pd等を挙げることができ、これらはその一種を単独で使用することもできるし、又二種以上を併用することもできる。
もっとも、発熱体102、第1電極104、第2電極106、第3電極108、第4電極110、ヒータ側パッド120及び検出素子側パッド121は、耐熱性及び耐酸化性を考慮するとPtを主体にして形成することがより一層好ましい。さらに、発熱体102、第1電極104、第2電極106、第3電極108、第4電極110、ヒータ側パッド120及び検出素子側パッド121は、主体となる白金族元素の他にセラミック成分を含有することが好ましい。このセラミック成分は、固着という観点から、積層される側の主体となる材料(例えば、第1固体電解質体105、第2固体電解質体109の主体となる成分)と同様の成分であることが好ましい。
そして、上記酸素ポンプセル140と酸素濃度検出セル130との間に、絶縁層107が形成されている。絶縁層107は、絶縁部114と拡散律速部115とからなる。この絶縁層107の絶縁部114には、第2電極部106a及び第3電極部108aに対応する位置に中空のガス検出室107cが形成されている。このガス検出室107cは、絶縁層107の幅方向で外部と連通しており、該連通部分には、外部とガス検出室107cとの間のガス拡散を所定の律速条件下で実現する拡散律速部115が配置されている。
絶縁部114は、絶縁性を有するセラミック焼結体であれば特に限定されなく、例えば、アルミナやムライト等の酸化物系セラミックを挙げることができる。
拡散律速部115は、アルミナからなる多孔質体である。この拡散律速部115によって検出ガスがガス検出室107cへ流入する際の律速が行われる。
また、第2固体電解質体109の表面には、第4電極110を挟み込むようにして、保護層111が形成されている。この保護層111は、第4電極部110aを挟み込むようにして、第4電極部110aを被毒から防御するための多孔質の電極保護部113aと、第4リード部110bを挟み込むようにして、第2固体電解質体109を保護するための補強部112とからなる。なお、本実施の形態のセンサ素子100は、酸素濃度検出セル130の電極間に生じる電圧(起電力)が所定の値(例えば、450mV)となるように、酸素ポンプセル140の電極間に流れる電流の方向及び大きさが調整され、酸素ポンプセル140に流れる電流に応じた被測定ガス中の酸素濃度をリニアに検出する酸素センサ素子に相当する。
ヒータ部200は、アルミナを主体とする第1基体101及び第2基体103と、第1基体101と第2基体103とに挟まれ、白金を主体とする発熱体102を有している。発熱体102は、先端側に位置する発熱部102aと、発熱部102aから第1基体101の長手方向に沿って延びる一対のヒータリード部102bとを有している。そして、ヒータリード部102bの端末は、第1基体101に設けられるヒータ側スルーホール101aに形成された導体を介してヒータ側パッド120と電気的に接続している。第1基体101及び第2基体103を積層したものが絶縁セラミック体にあたる。
次に、本発明の特徴部分について、図3、図4を参照して説明する。
図3は、図1のセンサ素子100とホルダ35の部分拡大断面図である。なお、この時の断面は、センサ素子100の重心とホルダ35の重心とが一致した状態を示している。センサ素子100の一方の板面100s1と、ホルダ35の軸孔35aの内周面35a1との距離をd1とする。又、センサ素子100の板面100s1と対向する板面100s2と、ホルダ35の軸孔35aの内周面35a2との距離をd2とする。
ここで、ホルダ35の軸孔35aの先端側及び後端側の隅部35dは、ホルダ35の割れ等を防止するために面取りされており、軸孔35aの内周面とセンサ素子100の板面との距離が隅部35dで大きくなっている。このため、距離d1、d2を測定する場合は、隅部35dを除く軸孔35a(具体的には、軸線L方向に、ホルダ35の先端側及び後端側の隅部35dの間の位置P)での値とする。
図4は、図3の位置Pで径方向(軸線L方向に垂直な方向)に切断した断面図である。センサ素子100の板面100s1、100s2と交差する2つの板面100s3、100s4についても、それぞれホルダ35の軸孔35aの内周面との距離d3、d4を同様にして求める。換言すると、距離d1、d2、d3、d4は、センサ素子100の外面と軸孔35aの内周面との片側のクリアランスである。
このようにして得られた距離d1〜d4のうち最も小さい値(図4の例では距離d2)を、センサ素子100の板面とホルダ35の軸孔35aとの最小距離とし、この最小距離を0.10mm以上に規定する。
最小距離を0.10mm以上とすることで、センサ素子100をホルダ35の軸孔35aに挿通する際に、センサ素子100が軸孔35aに接触して損傷することを防止することができる。
本発明は上記実施形態に限定されず、板状のあらゆるガスセンサ(センサ素子)に適用可能であり、本実施の形態の酸素センサ(酸素センサ素子)に限られず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。例えば、被測定ガス中のNOx濃度を検出するNOxセンサ(NOxセンサ素子)や、HC濃度を検出するHCセンサ(HCセンサ素子)等に本発明を適用してもよい。
又、スリーブ39について、センサ素子100の板面とスリーブ39の軸孔39aとの最小距離を0.10mm以上にしてもよい。この場合には、センサ素子100と軸孔39aとの接触を防止することができる。
ホルダ35とスリーブ39の双方について、上記最小距離を0.10mm以上としてもよい。
ホルダ35とスリーブ39の材質についても、上記したセラミック等の絶縁体の他、例えば金属としてもよい。また、金属ホルダ34は省略してもよい。
ホルダ35の軸孔35aの大きさを種々変更し、図1、図2に示すガスセンサ1を製造した。
まず、金属ホルダ34の内側に、ホルダ35、及び圧縮前の第1滑石37を順に配置し、ホルダ35の軸孔35a及び第1滑石37の中心軸孔にセンサ素子100を挿通して、第1滑石37を押圧した。これにより、センサ素子100、金属ホルダ34、セラミックホルダ35、及び第1滑石37が一体となった素子ユニットを形成した。この時、センサ素子100の重心とセラミックホルダ35の重心とが一致するように形成している。そして、形成された素子ユニットを、ガスセンサ素子100の先端側から主体金具30の内側に配置した。
次に、第1滑石37の後端側の主体金具30の内側にて、センサ素子100に圧縮前の第2滑石38、スリーブ39及びリング部材40を挿通した。そして、主体金具30の後端側の加締め部30aを内側にかつ先端側へ向かって加締め、スリーブ39を主体金具30の先端側に押圧し、第1滑石37及び第2滑石38を圧縮充填した。
得られたガスセンサ1を解体し、センサ素子100の折れの有無を目視で評価した。折れたサンプルはNG品、折れていないサンプルはOK品として評価した。
得られた結果を図5に示す。なお、図5では、各クリアランス(最小距離)ごとに10本のサンプルにおける結果を示している。
図5から明らかなように、センサ素子100の板面とホルダ35の軸孔35aとの最小距離が0.10mm未満の場合、センサ素子100の折れが生じた。これは、主体金具30の加締め部30aを加締めてスリーブ39を主体金具30の先端側に押圧した際に、圧縮された滑石の移動に伴ってセンサ素子100に対し、径方向に応力がかかることで生じたものと考えられる。
一方。センサ素子100の板面とホルダ35の軸孔35aとの上記最小距離を0.10mm以上とすると、滑石の移動に伴うセンサ素子100の折れを防止できることがわかった。
なお、素子ユニットを形成する際に、センサ素子が少なからず偏芯して重心が一致しないことがあり、その偏芯量は最大で0.08mmであることが分かっている。
従って、上記偏芯量を考慮し、センサ素子100の板面とホルダ35の軸孔35aとの上記最小距離を0.18mm以上と設定すると、センサ素子の折れを防止するという観点ではより好ましい。
1 ガスセンサ
30 主体金具
35 内部部品(ホルダ)
35a ホルダの軸孔
35a1、35a2 軸孔の内周面
35c ホルダの後端向き面
37 圧縮粉末体(第1滑石)
38 圧縮粉末体(第2滑石)
39 内部部品(スリーブ)
39a スリーブの軸孔
39b スリーブの先端向き面
100 センサ素子
100a 検知部
100s1〜100s4 センサ素子の板面
L 軸線
d2 最小距離

Claims (3)

  1. 軸線方向に延び、板体の長手方向の一端部にガスを検知する検知部が形成されたセンサ素子と、
    当該センサ素子の前記検知部を露出する形態で、前記センサ素子の径方向周囲を取り囲む略筒状の主体金具と、
    前記主体金具の内側にて保持され、前記センサ素子が挿通される軸孔を有する内部部品と、
    圧縮充填された圧縮粉末体であって、前記主体金具の内側において、前記内部部品の先端向き面又は後端向き面に接して配置される圧縮粉末体と、
    を備えたガスセンサであって、
    前記センサ素子の外面と前記軸孔の内周面との最小距離が0.10mm以上であるガスセンサ。
  2. 前記最小距離が0.18mm以上である請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記内部部品は、前記圧縮粉末体の先端側に配置されたホルダ、又は前記圧縮粉末体の後端側に配置されたスリーブである請求項1又は2に記載のガスセンサ。
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