JP6966352B2 - センサ素子、ガスセンサ及びセンサ素子の製造方法 - Google Patents

センサ素子、ガスセンサ及びセンサ素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば燃焼器や内燃機関等の燃焼ガスや排気ガス中に含まれる特定ガスのガス濃度を検出するのに好適に用いられるセンサ素子、ガスセンサ及びセンサ素子の製造方法に関する。
従来から、内燃機関の排気ガス中の特定成分(酸素等)の濃度を検出するためのガスセンサが用いられている。このガスセンサは自身の内部にセンサ素子を有し、センサ素子は、板状の固体電解質体と該固体電解質体に配置された少なくとも一対の電極とを有している。
このようなガスセンサ1000として、図12に示すように、一対の電極1001、1002の一方をセンサ素子1000の内部に配置し、固体電解質体1010を介して酸素が汲み込まれることで酸素基準として機能する基準電極部1002とし、基準電極部1002に基準リード部1004を接続した技術が知られている(特許文献1参照)。このガスセンサにおいては、一対の電極間1001、1002に微小電流を流して基準電極部1002に酸素を溜めさせ、基準酸素としている。このため、基準電極部1002及び基準リード部1004には、導電性だけでなく、酸素を溜め込められるよう多孔質性(酸素透過性)も要求されている。
さらに、この技術では、基準リード部1004よりもガス透過性の高い多孔質部1006を基準リード部1004に積層し、さらにセンサ素子1000の後端側にスルーホール1020を設けている。
そして、スルーホール導体1021cを介して基準リード部1004の基準電圧を電極パッド1021に取り出すと共に、多孔質部1006をスルーホール1020の内部に臨ませることで、スルーホール1020を介して多孔質部1006で酸素透過性を確保している。
特開第4897912号公報(図5)
しかしながら、上記した特許文献1記載の技術の場合、基準リード部1004の全面、及び基準電極部1002に至るまで多孔質部1006が積層されているため、多孔質部1006を介して基準電極部1002が実質的に大気(スルーホール1020)と連通してしまう。このため、基準電極部1002の基準電圧が大気基準に制限され、基準電極部1002の酸素濃度を大気よりも高めてガスセンサの検出出力を種々設計することが困難である。
さらに、多孔質部1006が基準リード部1004の全面、及び基準電極部1002に至るまで積層されているため、多孔質部1006の面積が広く、特許文献1記載のガスセンサは強度の点で改善の余地がある。
一方、図13に示すように、従来から、基準リード部1004に多孔質部1006を積層せずに、基準リード部1004にガス非透過性のセラミック層1130を直接積層するガスセンサ(センサ素子)1100が知られている。
この従来技術では、基準電極部1002で過剰となった酸素は、基準リード部1004からスルーホール導体1021c(スルーホール1020)を介して外部へ排出されるが、基準リード部1004がガス非透過性のセラミック層1130で覆われているので、酸素は基準リード部1004が律速となって排出される。このため、基準電極部1002の酸素濃度を大気よりも高い所定の濃度に維持することができる。
ところで、図14に示すように、このセンサ素子1100を製造する際、固体電解質体1010の表面のスルーホール導体1021cの上に基準リード部となる導電ペースト層1004xを印刷し、さらにグリーンシート等の比較的硬質の未焼成のセラミック層1130xを積層する。このとき、スルーホール導体1021cと重なった導電ペースト層1004xにセラミック層1130xが接点Pで直接接触し、スルーホール導体1021cや基準リード部1004xが押し潰れてしまう。
特にスルーホール導体1021cxの角部の上に印刷された導電ペースト層1004xのエッジ部Eにセラミック層1130xが接触すると、スルーホール導体1021cや導電ペースト層1004xの厚みが大幅に薄くなり、得られた基準リード部1004の酸素透過性が変化するおそれがある。又、エッジ部E以外の導電ペースト層1004xについても、セラミック層1130xで圧縮されると厚みが変化し、同様に酸素透過性が変化してしまう。
そして、基準リード部1004の酸素透過性が変化すると、センサ素子1100の電極1001、1002間の出力も変動してばらつき、ガス検出出力が不安定になるという問題がある。
さらに、図13に示すように、センサ素子1100において、基準リード部1004はスルーホール1020の底面に配置されており、スルーホール1020に溜まった水Wが基準リード部1004付近から抜け難く、基準リード部1004を閉塞して酸素透過を阻害するおそれがある。この場合も、センサ素子1100の出力が変動し、ガス検出出力が不安定になる。
そこで、本発明は、基準電極の酸素濃度を大気と違う濃度に設定できると共に、ガス検出出力を安定化させたセンサ素子、ガスセンサ及びセンサ素子の製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のセンサ素子は、第1セラミック層と、該第1セラミック層の表面に配置された一対の電極と、を備え、軸線方向に延びる板状積層型のセンサ素子であって、前記一対の電極は前記センサ素子の前記軸線方向における一端側に配置され、被測定ガスに接触して特定ガスを検出する測定電極と、基準ガスに接触する基準電極と、からなり、さらに、少なくとも前記第1セラミック層の前記センサ素子における他端側に形成され、前記センサ素子の積層方向に延びるスルーホールと、前記スルーホールの内壁に設けられるスルーホール導体と、前記基準電極に電気的に接続すると共に、前記センサ素子の他端側に向かって延びて前記スルーホール導体に連結する多孔質の基準リードと、前記第1セラミック層の前記基準電極側に向き、少なくとも前記基準リードに積層されるガス非透過性の第2セラミック層と、を備え、前記第1セラミック層と前記第2セラミック層との間には、前記スルーホールに臨むと共に、前記基準リードに連通する通気部が形成され、該通気部は記基準リードより気孔率の大きい多孔質体からなることを特徴とする。
センサ素子を製造する際、基準リードとなる導電ペースト層に、グリーンシート等の比較的硬質の未焼成の第2基体を積層する。このとき、第2基体でスルーホール導体や、スルーホール導体近傍の上記導電ペースト層が押し潰れてしまう。
そこで、このセンサ素子によれば、通気部となる材料を、スルーホール導体近傍の導電ペースト層の表面に設けることで、第2基体がスルーホール導体や導電ペースト層に直接接触することが抑制される。
これにより、スルーホール導体や導電ペースト層が押し潰れて薄くなることが抑制され、得られた基準リードの酸素透過性が変化してガス検出出力が不安定になることが抑制できる。又、基準リードが通気部に連通する(露出する)ことによっても、基準リードから通気部を介してスルーホールに酸素を確実に排出できる。
以上の結果、基準電極の酸素濃度を大気と違う濃度に設定できると共に、ガス検出出力を安定化させることができる。
さらに、基準リードはスルーホールの底面(第2基体)に配置されているが、基準リード近傍では、スルーホールの径が通気部により拡径して内容積が増え、通気部や基準リードに侵入した水が通気部の拡径部からスルーホールを経由して外部に抜けやすくなる。これにより、基準リードが水で閉塞されて酸素透過を阻害することを抑制し、これによってもガス検出出力を安定化させることができる。
本発明のガスセンサは、被測定ガス中の特定ガス成分の濃度を検出するセンサ素子と、該センサ素子を保持する主体金具とを備えるガスセンサにおいて、前記センサ素子は、請求項1に記載のセンサ素子を用いることを特徴とする。
本発明のセンサ素子の製造方法は、第1セラミック層と、該第1セラミック層の表面に配置された一対の電極と、を備え、軸線方向に延びる板状積層型のセンサ素子の製造方法であって、前記一対の電極は前記センサ素子の前記軸線方向における一端側に配置され、被測定ガスに接触して特定ガスを検出する測定電極と、基準ガスに接触する基準電極と、からなり、少なくとも未焼成の前記第1セラミック層の前記センサ素子における他端側に、前記センサ素子の積層方向に延びるスルーホールを形成するスルーホール形成工程と、前記スルーホールの内壁に未焼成のスルーホール導体を形成するスルーホール導体形成工程と、前記スルーホール導体形成工程の前又は後に、前記未焼成の第1セラミック層の前記基準電極側の表面に、多孔質の基準リードとなる未焼成リードであって、前記基準電極に電気的に接続すると共に、前記センサ素子の他端側に向かって延びて前記未焼成のスルーホール導体に連結する未焼成リードを形成する未焼成リード形成工程と、前記未焼成の第1セラミック層の前記基準電極側に向き、少なくとも前記未焼成リードに、焼成によりガス非透過性となる未焼成の第2セラミック層を積層する積層工程と、前記未焼成リードと前記未焼成の第2セラミック層とを焼成する焼成工程と、を有し、前記焼成工程より前に、前記未焼成の第1セラミック層と前記未焼成の第2セラミック層の間に、前記スルーホールに臨むと共に、前記未焼成リードと連通する位置に、記基準リードより気孔率の大きい多孔質体を予め形成することを特徴とする。
センサ素子を製造する際、基準リードとなる導電ペースト層からなる未焼成リードに、グリーンシート等の比較的硬質の未焼成の第2基体を積層する。このとき、第2基体でスルーホール導体や、スルーホール導体近傍の上記未焼成リードが押し潰れてしまう。
そこで、このセンサ素子の製造方法によれば、通気部となる孔質体を、スルーホール導体近傍の導電ペースト層の表面に設けることで、第2基体がスルーホール導体や未焼成リードに直接接触することが抑制される。
これにより、スルーホール導体や導電ペースト層が押し潰れて薄くなることが抑制され、得られた基準リードの酸素透過性が変化してガス検出出力が不安定になることが抑制できる。又、基準リードが通気部に連通する(露出する)ことによっても、基準リードから通気部を介してスルーホールに酸素を確実に排出できる。
以上の結果、基準電極の酸素濃度を大気と違う濃度に設定できると共に、ガス検出出力を安定化させることができる。


本発明のセンサ素子の製造方法において、前記スルーホール導体形成工程の代わりに、前記未焼成リード形成工程において、前記未焼成リードと前記未焼成のスルーホール導体とを一体に形成してもよい。
このセンサ素子の製造方法によれば、製造工程を低減して生産効率を向上できる。
この発明によれば、センサ素子の基準電極の酸素濃度を大気と違う濃度に設定できると共に、ガス検出出力を安定化させることができる。
本発明の第1の実施形態に係るガスセンサ(酸素センサ)の長手方向に沿う断面図である。 図1のセンサ素子の模式分解斜視図である。 図2のA−A線に沿う断面図である。 図3の部分拡大断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るセンサ素子の製造方法を示す工程図である。 本発明の第2の実施形態に係るセンサ素子を示す断面図である。 図6の部分拡大断面図である。 通気部の変形例の模式斜視図である。 図8の通気部の製造方法を示す斜視図である。 図8の通気部の製造方法を示す工程図である。 スルーホール導体と基準リードとが同一組成で一体な例を示す部分拡大断面図である。 従来のセンサ素子の断面図である。 従来の別のセンサ素子の断面図である。 図13のセンサ素子の製造方法を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係るガスセンサ(酸素センサ)1の長手方向(軸線L方向)に沿う断面図、図2はセンサ素子100の模式分解斜視図、図3は図2のA−A線に沿う断面図、図4は図3の部分拡大断面図である。
図1に示すように、ガスセンサ1は、酸素濃度検出セル140及び酸素濃度検出セル140に積層されるヒータ部200から構成される1セルのセンサ素子100、センサ素子100等を内部に保持する主体金具30、主体金具30の先端部に装着されるプロテクタ24等を有している。センサ素子100は軸線L方向に延びるように配置され、センサ素子100の先端側部位の全周を覆って多孔質保護層20が設けられている。
ている。
センサ素子100のうち、ヒータ部200は、図2に示すように、アルミナを主体とする基体101及び第2基体103と、基体101と第2基体103とに挟まれ、白金を主体とする発熱体102を有している。発熱体102は、先端側に位置する発熱部102aと、発熱部102aから基体101の長手方向に沿って延びる一対のヒータリード部102bとを有している。そして、ヒータリード部102bの端末は、基体101に設けられるヒータ側スルーホール101aに形成された導体を介してヒータ側パッド120と電気的に接続している。
酸素濃度検出セル140は、固体電解質体105と、その固体電解質105の両面に形成された測定電極110a及び基準電極108aとから形成されている。測定電極110aには、固体電解質体105の長手方向に沿って延びる測定リード110bが電気的に接続されている。基準電極108aには、固体電解質体105の長手方向に沿って延びる基準リード108bが電気的に接続されている。
さらに、測定電極110a及び測定リード110bを覆うようにして保護層111が設けられている。
そして、測定リード110bの端末は、保護層111に設けられる第1スルーホール111cに形成される導体を介して検出素子側パッド121と電気的に接続する。一方、基準リード108bの端末は、固体電解質体105に設けられる第2スルーホール105a、保護層111に設けられる第3スルーホール111aのそれぞれに形成されるスルーホール導体121c(図3参照)を介して検出素子側パッド121と電気的に接続する。
固体電解質体105は、ジルコニア(ZrO)に安定化剤としてイットリア(Y)又はカルシア(CaO)を添加してなる部分安定化ジルコニア焼結体から構成されている。
そして、酸素濃度検出セル140の各電極108a、110a間に微小電流を流して基準電極108に酸素を溜めさせ、基準酸素としている。
第2スルーホール105a、及び第3スルーホール111aが特許請求の範囲の「スルーホール」に相当する。
固体電解質体105、第2基体103がそれぞれ特許請求の範囲の「第1セラミック層」、「第2セラミック層」に相当する。
なお、第1セラミック層は、図3のように層全体が固体電解質体であるものに限らず、測定電極110a及び基準電極108aが配置される部位が固体電解質体で、その周囲が枠状の絶縁セラミックスからなる埋め込みタイプの複合セラミック層であってもよい。
測定電極110a、基準電極108aは、貴金属を主成分とすると共にセラミックを含有した組成からなる。貴金属としては白金族元素を用いることができる。これらを形成する好適な白金族元素としては、Pt、Rh、Pd等を挙げることができ、これらはその一種を単独で使用することもできるし、又二種以上を併用することもできる。セラミック成分は、固着という観点から、積層される側の主体となる材料(例えば、固体電解質体105)と同様の成分であることが好ましい。
又、測定リード110b、基準リード108bも貴金属を主成分とすることができ、測定電極110a及び基準電極108aよりも緻密とするとよい。測定リード110bは必ずしも多孔質でなくてもよいが、基準リード108bは多孔質であって酸素透過性を有する必要がある。従って、基準リード108bは貴金属と共にセラミックを含有し、基準電極108aよりもセラミックの割合が少ない組成とすることができる。
発熱体102、ヒータ側パッド120及び検出素子側パッド121は、白金族元素で形成することができる。
もっとも、発熱体102、測定電極110a、基準電極108a、ヒータ側パッド120及び検出素子側パッド121は、耐熱性及び耐酸化性を考慮するとPtを主体にして形成することがより一層好ましい。さらに、発熱体102、測定電極110a、基準電極108a、、測定リード110b、基準リード108b、ヒータ側パッド120及び検出素子側パッド121は、主体となる白金族元素の他にセラミック成分を含有することが好ましい。
また、固体電解質体105の表面には、測定電極110a及び測定リード110bを挟み込むようにして、保護層111が形成されている。この保護層111は、測定電極110aを挟み込むようにして、測定電極110aを被毒から防御するための多孔質の電極保護部113aと、測定リード110bを挟み込むようにして、固体電解質体105を保護するための補強部112とからなる。
図1に戻り、主体金具30は、SUS430製のものであり、ガスセンサを排気管に取り付けるための雄ねじ部31と、取り付け時に取り付け工具をあてがう六角部32とを有している。また、主体金具30には、径方向内側に向かって突出する金具側段部33が設けられており、この金具側段部33はセンサ素子100を保持するための金属ホルダ34を支持している。
そしてこの金属ホルダ34の内側にはセラミックホルダ35、滑石36が先端側から順に配置されている。この滑石36は金属ホルダ34内に配置される滑石37と金属ホルダ34の後端に渡って配置される第2滑石38とからなる。
金属ホルダ34内で滑石37が圧縮充填されることによって、センサ素子100は金属ホルダ34に対して固定される。また、主体金具30内で第2滑石38が圧縮充填されることによって、センサ素子100の外面と主体金具30の内面との間のシール性が確保される。そして第2滑石38の後端側には、アルミナ製のスリーブ39が配置されている。このスリーブ39は多段の円筒状に形成されており、軸線に沿うように軸孔39aが設けられ、内部にセンサ素子100を挿通している。そして、主体金具30の後端側の加締め部30aが内側に折り曲げられており、ステンレス製のリング部材40を介してスリーブ39が主体金具30の先端側に押圧されている。
また、主体金具30の先端側外周には、主体金具30の先端から突出するセンサ素子100の先端部を覆うと共に、複数のガス取り入れ孔24aを有する金属製のプロテクタ24が溶接によって取り付けられている。このプロテクタ24は、二重構造をなしており、外側には一様な外径を有する有底円筒状の外側プロテクタ41、内側には後端部42aの外径が先端部42bの外径よりも大きく形成された有底円筒状の内側プロテクタ42が配置されている。
一方、主体金具30の後端側には、SUS430製の外筒25の先端側が挿入されている。この外筒25は先端側の拡径した先端部25aを主体金具30にレーザ溶接等により固定している。外筒25の後端側内部には、セパレータ50が配置され、セパレータ50と外筒25の隙間に保持部材51が介在している。この保持部材51は、後述するセパレータ50の突出部50aに係合し、外筒25を加締めることにより外筒25とセパレータ50とにより固定されている。
また、セパレータ50には、酸素濃度検出セル140やヒータ部200用のリード線11〜14を挿入するための通孔50bが先端側から後端側にかけて貫設されている(なお、リード線14については図示せず)。通孔50b内には、リード線11〜14と、酸素濃度検出セル140の検出素子側パッド121及びヒータ部200のヒータ側パッド120とを接続する接続端子16が収容されている。各リード線11〜14は、外部において、図示しないコネクタに接続されるようになっている。このコネクタを介してECU等の外部機器と各リード線11〜14とは電気信号の入出力が行われることになる。また、各リード線11〜14は詳細に図示しないが、導線を樹脂からなる絶縁皮膜にて披覆した構造を有している。
さらに、セパレータ50の後端側には、外筒25の後端側の開口部25bを閉塞するための略円柱状のゴムキャップ52が配置されている。このゴムキャップ52は、外筒25の後端内に装着された状態で、外筒25の外周を径方向内側に向かって加締めることにより、外筒25に固着されている。ゴムキャップ52にも、リード線11〜14をそれぞれ挿入するための通孔52aが先端側から後端側にかけて貫設されている。
次に、図3、図4を参照し、本発明の特徴部分である基準リード108bとスルーホール(第2スルーホール105a及び第3スルーホール111a)近傍の構成について説明する。なお、図3は図2のA−A線に沿い、軸線L方向及び積層方向に平行な面で切断した断面図である。
基準リード108bは、基準電極108aの後端側に重なるように接続されると共に、固体電解質体105の一方の面(ヒータ部200側の面)に接してセンサ素子100の軸線L方向に沿って延設されている。又、基準リード108bの後端は、第2スルーホール105a及び第3スルーホール111aのそれぞれの内壁に設けられたスルーホール導体121cに連結されている。
そして、固体電解質体105と第2基体103との間には、第2スルーホール105a及び第3スルーホール111aに臨むと共に、基準リード108bに連通する空隙(通気部)130が形成されている。つまり、空隙130は、軸線L方向に沿って第2スルーホール105a及び第3スルーホール111aの内壁を跨ぎ、さらにスルーホール導体121cを抜けて延び、各スルーホールに臨んでいる。
より詳細には、空隙130は、第2スルーホール105aの底面(第2基体103)から、各スルーホールとほぼ同軸で各スルーホールよりも径大の略円錐状に固体電解質体105に向かって広がっている。そして、基準リード108bの末端の下面(第2基体103側の面)が第2基体103と積層方向に離間して露出し、空隙130の一部を構成している。
なお、空隙130が「基準リード108bに連通する」とは、空隙130が基準リード108bに連通する(面している)が、基準電極108aには連通しないことを意味する。空隙130が基準電極108aに連通すると、基準電極108aの酸素濃度が大気と同じになってしまい、大気と違う酸素濃度に設定できなくなるからである。
又、空隙130が基準リード108bと連通する軸線L方向の長さは限定されないが、連通長さが長すぎるとセンサ素子100の強度が低下する。従って、空隙130が基準リード108bの一部のみに連通することが好ましく、基準リード108bの末端側の部位のみに連通することがより好ましい。
ここで、後述するように、センサ素子100を製造する際、基準リード108bとなる導電ペースト層に、グリーンシート等の比較的硬質の未焼成の第2基体103を積層する。このとき、第2基体103でスルーホール導体121cや、スルーホール導体121c近傍の導電ペースト層が押し潰れてしまう。
そこで、通気部(空隙や多孔質体)130となる焼失材や造孔材を、スルーホール導体121c近傍の導電ペースト層の表面に設けることで、第2基体103がスルーホール導体121cや導電ペースト層に直接接触することが抑制される。
これにより、スルーホール導体121cや、スルーホール導体121c近傍の(スルーホール導体121cと連結された部位の)導電ペースト層が押し潰れて薄くなることが抑制され、得られた基準リード108bの酸素透過性が変化してガス検出出力が不安定になることが抑制できる。又、基準リード108bが通気部130に連通する(露出する)ことによっても、基準リード108bから通気部130を介してスルーホールに酸素を確実に排出できる。
以上の結果、基準電極108aの酸素濃度を大気と違う濃度に設定できると共に、ガス検出出力を安定化させることができる。
なお、通気部130の厚みは0でなければよいが、通気部130の厚みが1μm以上であると酸素透過性の観点から好ましい。
さらに、基準リード108bはスルーホールの底面(第2基体103)に配置されているが、基準リード108b近傍では、スルーホールの径が通気部(空隙や多孔質体)130により拡径して内容積が増え、通気部130や基準リード108bに侵入した水が通気部の拡径部からスルーホールを経由して外部に抜けやすくなる。これにより、基準リード108bが水で閉塞されて酸素透過を阻害することを抑制し、これによってもガス検出出力を安定化させることができる。
次に、図5を参照し、センサ素子100の製造方法の一例について説明する。
まず、図5(a)に示すように、未焼成の固体電解質体105xの表面(図5の上面)に、それぞれ測定電極110a及び測定リード110bとなる導電ペースト110ax、110bxを印刷する。そして、導電ペースト110ax、110bxを覆うように、グリーンシートからなる未焼成の保護層111x(未焼成の電極保護部113axを含む)を固体電解質体105xに積層する。
そして、固体電解質体105x及び保護層111xの後端側に、積層方向に延びるスルーホール(第2スルーホール105a及び第3スルーホール111a)、第1スルーホール111cを形成する(スルーホール形成工程)。
次に、図5(b)に示すように、検出素子側パッド121及びスルーホール導体121cの材料となる導体ペースト121xを、保護層111x側の第3スルーホール111aから供給(充填)する。このとき、各スルーホール111a、111cの一部を埋めるよう、導体ペースト121xを供給する。
そして、図5(c)に示すように、保護層111xと各スルーホールを挟んで反対の固体電解質体105x側を負圧NPとし、導体ペースト121xを、各スルーホールを通して固体電解質体105xの表面まで流動(吸引)する。導体ペースト121xは、固体電解質体105x表面の各スルーホールの周りに負圧NPによって突出する。このようにして、それぞれ未焼成の検出素子側パッド121x及びスルーホール導体121cxを形成する(スルーホール導体形成工程)。
なお、本発明には関係しないが、第1スルーホール111c側のスルーホール導体は、積層する前の各層においてスルーホール導体を形成した後、各層を積層して形成している。
次に、図5(d)に示すように、図5(c)のスルーホール導体形成工程の前又は後(本例ではスルーホール導体形成工程の後)に、固体電解質体105xの下面(基準電極108a側の表面)に、それぞれ基準電極108a及び基準リード108bとなる導電ペースト108ax、108bxを印刷する。このとき、導電ペースト(未焼成リード)108bxの後端が、固体電解質体105xの下面に広がったスルーホール導体121cxの上に重なる(スルーホール導体121cxと電気的に連結する)ようにする(未焼成リード形成工程)。
次に、図5(e)に示すように、予め、グリーンシートからなる未焼成の基体101x及び第2基体103xを、発熱部102aとなる導電ペースト102axを挟んで積層しておく。そして、この積層体の第2基体103x側の表面のうち、スルーホール(第2スルーホール105a及び第3スルーホール111a)の軸線Axを中心としてスルーホールより径大となる位置(スルーホールに臨むと共に、未焼成リード108bxと接する位置)に、予め焼失部材130xをドーム状に盛り上がるように印刷する。
そして、図5(f)に示すように、固体電解質体105xの下面に、少なくとも未焼成リード108bxを覆うように、積層体の第2基体103x側を積層する(積層工程)。このとき、金属を含む導電ペースト108bx、121xは焼失部材130xよりも柔らかいので、導電ペースト108bx、121xが焼失部材130xに押されて上方(保護層111x側)へ凹む。
そして、未焼成リード108bxと第2基体103xを含む全体を焼成する(焼成工程)。焼成により、焼失部材130xが焼失して空隙130となり、図3、図4に示すセンサ素子100が完成する。
なお、図5(d)の未焼成リード形成工程を、図5(c)のスルーホール導体形成工程の前に行ってもよい。この場合は、未焼成リード108bxを、固体電解質体105xの下面のうち第2スルーホール105aの周縁に近い位置まで延ばして形成する。これにより、図5(c)にて負圧NPにより固体電解質体105xの下面にスルーホール導体121cxが広がった際、未焼成リード108bxの上に重なって両者が連結される。
又、図5(e)、(f)の積層工程にて、予め焼失部材130xを形成する態様としては、焼失部材130xを第2基体103x側に形成する代わりに、固体電解質体105x側に焼失部材130xを形成してもよい。
焼失部材130xとしては、例えばカーボン等の1000℃以下で焼失する材料を用いることができる。
次に、図6、図7を参照し、本発明の第2の実施形態に係るガスセンサについて説明する。但し、第2の実施形態に係るガスセンサは、センサ素子100Bの構成が異なること以外は、第1の実施形態に係るガスセンサと同一であるので、センサ素子100Bの構成についてのみ説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態に係るセンサ素子100Bの軸線L方向に沿う断面図であり、図3に対応する。
図6に示すように、センサ素子100Bは、酸素濃度検出セル140、酸素濃度検出セル140に積層されるヒータ部200に加え、酸素濃度検出セル140の反対面に積層される酸素ポンプセル150を備えた2セルのセンサ素子である。
酸素濃度検出セル140及びヒータ部200は、第1の実施形態に係るセンサ素子100と同一であるので説明を省略する。
酸素ポンプセル150は、固体電解質体165と、その固体電解質165の両面に形成された第1ポンプ電極162a及び第2ポンプ電極163aとから形成されている。第1ポンプ電極162a及び第2ポンプ電極163aには、固体電解質体165の長手方向に沿ってそれぞれ延びるリード(図示せず)が電気的に接続されている。
第1ポンプ電極162aは固体電解質体165の下面(酸素濃度検出セル140側)に配置され、保護層111の先端側を略矩形にくり抜いた測定空間161の内部に臨んでいる。同様に、測定空間161の内部には測定電極110aが臨み、第1ポンプ電極162aと測定電極110aとが測定空間161の内部で対向している。
なお、測定空間161は、第1の実施形態に係るセンサ素子100における電極保護部113aを取り去った形態である。
一方、第2ポンプ電極163aは固体電解質体165の上面(酸素濃度検出セル140と反対側)に配置されている。そして、第2ポンプ電極163a及びリード(図示せず)を覆うようにして保護層167が設けられている。
この保護層167は、第1の実施形態に係るセンサ素子100における保護層111と同様に、第2ポンプ電極163aを挟み込むようにして第2ポンプ電極163aを被毒から防御するための多孔質の電極保護部113aと、リード(図示せず)を挟み込むようにして固体電解質体165を保護するための補強部166とからなる。
第2の実施形態においては、基準リード108bの端末は、固体電解質体105に設けられる第2スルーホール105a(図2参照)、保護層111に設けられる第3スルーホール111a(図2参照)、固体電解質体165に設けられる第4スルーホール165a、保護層167に設けられる第5スルーホール166aのそれぞれに形成されるスルーホール導体169cを介して検出素子側パッド169と電気的に接続する。
第2スルーホール105a、第3スルーホール111a、第4スルーホール165a、第5スルーホール166aが特許請求の範囲の「スルーホール」に相当する。
なお、第1ポンプ電極162a及び第2ポンプ電極163aからそれぞれ延びるリードの端末は、固体電解質体165及び保護層167を貫通するスルーホールに形成される導体(図示せず)を介して検出素子側パッド169と電気的に接続する。
センサ素子100Bは、酸素濃度検出セル140の電極間に生じる電圧(起電力)が所定の値(例えば、450mV)となるように、酸素ポンプセル150の電極間に流れる電流の方向及び大きさが調整され、酸素ポンプセル150に流れる電流に応じた被測定ガス中の酸素濃度をリニアに検出する酸素センサ素子に相当する。
図7に示すように、センサ素子100Bにおいても、固体電解質体105と第2基体103との間には、第2スルーホール105a及び第3スルーホール111aに臨むと共に、基準リード108bに連通する多孔質体(通気部)132が形成されている。多孔質体132は、第1の実施形態に係るセンサ素子100における空隙130を多孔質に置き換えた形態であり、第2基体103から固体電解質体105に向かって凸のドーム状に形成されている。
多孔質体132は、基準リード108bより気孔率が大きく(ガス透過性が高く)、基準リード108bから多孔質体132を介して酸素を外部(スルーホール)に導出可能である。多孔質体132は、例えばアルミナ多孔質体からなり、アルミナ等のセラミック粒子と、カーボン等の焼失性粒子とを含むペーストからなる造孔材を所定の位置に塗布し、センサ素子の製造時に焼成する(上述の焼成工程)ことで形成することができる。
気孔率は、断面のSEMを画像解析することで測定できる。
第2の実施形態においても、センサ素子100Bを製造する際、多孔質体(造孔材)132を、スルーホール導体121c近傍の導電ペースト層の表面に設けることで、スルーホール導体121cや、スルーホール導体121c近傍の(スルーホール導体121cと連結された)導電ペースト層が押し潰れて薄くなることが抑制され、得られた基準リード108bの酸素透過性が変化してガス検出出力が不安定になることが抑制できる。又、基準リード108bが多孔質体132に連通することによっても、基準リード108bから多孔質体132を介してスルーホールに酸素を確実に排出できる。
以上の結果、基準電極108aの酸素濃度を大気と違う濃度に設定できると共に、ガス検出出力を安定化させることができる。
さらに、基準リード108b近傍では、スルーホールの径が多孔質体132により内容積が増え、多孔質体132や基準リード108bに侵入した水が多孔質体132からスルーホールを経由して外部に抜けやすくなる。これにより、基準リード108bが水で閉塞されて酸素透過を阻害することを抑制し、これによってもガス検出出力を安定化させることができる。
本発明は上記実施形態に限定されず、固体電解質体と、測定電極と基準電極とを有する酸素検出セルを有するあらゆるガスセンサ(センサ素子)に適用可能であり、本実施の形態の酸素センサ(酸素センサ素子)に限らず、例えばNOxセンサ(NOxセンサ素子)に適用することができる。セルの数も上述の1セルや2セルに限定されず、例えば3セルのNOxセンサに適用することができる。
さらに、図3、図7の例では、通気部130、132は基準リード108bと第2基体103の間に配置されたが、図8に示すように、通気部134が基準リード108bと同一面上にあってもよい。つまり、通気部134は、固体電解質体105と第2基体103との間に配置されていればよく、必ずしも基準リード108bと第2基体103の間に配置されなくてもよい。
ここで、図8の例では、基準リード108bのうち、第2スルーホール105a側の末端がコの字状に凹み、この凹部が空隙(通気部)134を形成している。そして、この空隙134はスルーホール導体121cを貫通して第2スルーホール105aに臨んでいる。
又、基準リード108bの末端の端面がスルーホール導体121cに連結している。
図8の構造は、図9、図10に示すようにして製造することができる。
なお、図5に示したように、センサ素子100の製造の際、予め固体電解質体105xには保護層111xが積層され、第2基体103xには基体101xが積層されているが、理解をしやすくするため、図9、図10では、保護層111x及び基体101xの図示を省略してある。
まず、図9に示すように、固体電解質体105xの下面(第2基体103x側の面)における第2スルーホール105aの近傍に、略矩形のシート状の焼失部材134xを接着する。ここで、焼失部材134xは、基準リード108bの末端の幅方向中央に重なるよう、かつ第2スルーホール105aの内部に突出部134fがはみ出るように接着する。突出部134fのはみ出し長さは、少なくともスルーホール導体121cの厚みを超えるようにする。
図10は通気部134の製造方法を示す工程図である。
まず、図9で説明したように、焼失後に通気部134となる焼失部材134xを固体電解質体105xの下面に接着する(図10(a))。
次に、図10(b)に示すように、図5(b)〜(d)と同様にして、未焼成のスルーホール導体121cx及び未焼成リード108bxを形成する(スルーホール導体形成工程、未焼成リード形成工程)。このとき、焼失部材134xは、スルーホール導体121cx及び未焼成リード108bxの内部に埋設されるが、突出部134fがスルーホール導体121cxからはみ出す。
なお、スルーホール導体121cxは保護層111x側まで延びているが、上述の理由により図示しない。
そして、図10(c)に示すように、固体電解質体105xの下面に、少なくとも未焼成リード108bxを覆うように、第2基体103x側を積層する(積層工程)。
このとき、焼失部材134xの下面と重なったスルーホール導体121cx及び未焼成リード108bxに第2基体103xが接点Pで接触し、スルーホール導体121cx及び未焼成リード108bxが押し潰れる。
しかしながら、焼失部材134xは、金属を含むスルーホール導体121cx及び未焼成リード108bxよりも硬いので、焼失部材134xの厚みt(図10(b))よりもスルーホール導体121cx及び未焼成リード108bxが潰されることが抑制される。つまり、焼失部材134xと隣接する同一面上では、スルーホール導体121cx及び未焼成リード108bの厚みがtに維持される。
従って、得られた基準リード108bの酸素透過性が変化してガス検出出力が不安定になることが抑制でき、ガス検出出力を安定化させることができる。
最後に、図10(d)に示すように、未焼成リード108bxと第2基体103xを含む全体を焼成する(焼成工程)。焼成により、焼失部材134xが焼失して空隙134となり、センサ素子が完成する。
又、図11に示すように、スルーホール導体123と基準リード123とが同一組成で一体であってもよい。この場合も、上記と同様にして未焼成リードと未焼成のスルーホール導体とを一体に形成することができる。
なお、スルーホール導体123と基準リード123とが同一組成で一体の場合、両者の境界を、スルーホール(第2スルーホール)105aの内壁(図11の破線)とする。
通気部の形状や個数も上記実施形態に限定されない。
又、焼成工程で焼失して通気部となる消失部材又は多孔質体を予め形成する工程は、焼成工程より前であればいずれの工程でもよい。又、例えば図10(a)に示すように、スルーホール形成工程より前にこれら消失部材又は多孔質体を形成しておいてもよい。
又、通気部として多孔質体を用いる場合、焼失して多孔質体となる造孔材を用いる場合に限らず、既に多孔質体に焼成された部材を接着してもよい。
なお、通気部を空隙とすると、基準リード108bから通気部130を介した通気性が高まり、基準リード108bからスルーホールに酸素をさらに排出し易くなる。
一方、通気部を多孔質体とすると、空隙の場合に比べてセンサ素子の強度が向上する。特にスルーホールの周囲に荷重が掛かるため、多孔質体とすることにより強度がより向上する。
又、上記実施形態では、未焼成のスルーホール導体121cxは、未焼成の固体電解質体105xと保護層111xとを積層した後に形成されたが、積層前の固体電解質体105xと保護層111xとのそれぞれに対してスルーホール導体を形成した後、各層を積層してもよい。
1 ガスセンサ
30 主体金具
100 センサ素子
103 第2セラミック層(第2基体)
103x 未焼成の第2セラミック層
105 第1セラミック層(固体電解質体)
105a、111a、165a、166a スルーホール(第2スルーホール、第3スルーホール)
105x 未焼成の第1セラミック層
108a 基準電極
108b 基準リード
108bx 未焼成リード
110a 測定電極
121c、123、169c スルーホール導体
121cx 未焼成のスルーホール導体
130、132、134 通気部
130、134 空隙
132
130x 消失部材
L 軸線

Claims (4)

  1. 第1セラミック層と、
    該第1セラミック層の表面に配置された一対の電極と、を備え、軸線方向に延びる板状積層型のセンサ素子であって、
    前記一対の電極は前記センサ素子の前記軸線方向における一端側に配置され、被測定ガスに接触して特定ガスを検出する測定電極と、基準ガスに接触する基準電極と、からなり、
    さらに、少なくとも前記第1セラミック層の前記センサ素子における他端側に形成され、前記センサ素子の積層方向に延びるスルーホールと、
    前記スルーホールの内壁に設けられるスルーホール導体と、
    前記基準電極に電気的に接続すると共に、前記センサ素子の他端側に向かって延びて前記スルーホール導体に連結する多孔質の基準リードと、
    前記第1セラミック層の前記基準電極側に向き、少なくとも前記基準リードに積層されるガス非透過性の第2セラミック層と、を備え、
    前記第1セラミック層と前記第2セラミック層との間には、前記スルーホールに臨むと共に、前記基準リードに連通する通気部が形成され、
    該通気部は記基準リードより気孔率の大きい多孔質体からなることを特徴とするセンサ素子。
  2. 被測定ガス中の特定ガス成分の濃度を検出するセンサ素子と、該センサ素子を保持する主体金具とを備えるガスセンサにおいて、
    前記センサ素子は、請求項1に記載のセンサ素子を用いることを特徴とするガスセンサ。
  3. 第1セラミック層と、
    該第1セラミック層の表面に配置された一対の電極と、を備え、軸線方向に延びる板状積層型のセンサ素子の製造方法であって、
    前記一対の電極は前記センサ素子の前記軸線方向における一端側に配置され、被測定ガスに接触して特定ガスを検出する測定電極と、基準ガスに接触する基準電極と、からなり、
    少なくとも未焼成の前記第1セラミック層の前記センサ素子における他端側に、前記センサ素子の積層方向に延びるスルーホールを形成するスルーホール形成工程と、
    前記スルーホールの内壁に未焼成のスルーホール導体を形成するスルーホール導体形成工程と、
    前記スルーホール導体形成工程の前又は後に、前記未焼成の第1セラミック層の前記基準電極側の表面に、多孔質の基準リードとなる未焼成リードであって、前記基準電極に電気的に接続すると共に、前記センサ素子の他端側に向かって延びて前記未焼成のスルーホール導体に連結する未焼成リードを形成する未焼成リード形成工程と、
    前記未焼成の第1セラミック層の前記基準電極側に向き、少なくとも前記未焼成リードに、焼成によりガス非透過性となる未焼成の第2セラミック層を積層する積層工程と、
    前記未焼成リードと前記未焼成の第2セラミック層とを焼成する焼成工程と、を有し、
    前記焼成工程より前に、前記未焼成の第1セラミック層と前記未焼成の第2セラミック層の間に、前記スルーホールに臨むと共に、前記未焼成リードと連通する位置に、記基準リードより気孔率の大きい多孔質体を予め形成することを特徴とするセンサ素子の製造方法。
  4. 前記スルーホール導体形成工程の代わりに、前記未焼成リード形成工程において、前記未焼成リードと前記未焼成のスルーホール導体とを一体に形成する請求項3に記載のセンサ素子の製造方法。
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