JP2015172405A - 高圧ホースの製造方法、及び高圧ホース - Google Patents
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Abstract
【課題】内面ゴム層とその外周表面に鋼線等の金属ワイヤを巻き付けた補強ワイヤ層とを有する高圧ホースを製造する方法であって、コスト的なロスや材料的な制約を生じることなく、内面ゴム層と金属ワイヤとを十分に接着することができる製造方法を提供する。【解決手段】加硫ゴムからなる内面ゴム層と、その外周に金属ワイヤを巻き付けた補強ワイヤ層とを有する高圧ホースを製造する方法であって、前記内面ゴム層の外周表面に接着剤層を形成する工程、前記接着剤層の外周に金属ワイヤを巻き付けて補強ワイヤ層を形成する工程、及び加熱により前記接着剤層を介して前記内面ゴム層及び前記補強ワイヤ層とを接着させる工程を含み、前記接着剤層が、ポリチオール、IPDI又はその変性体、及び熱開始剤を含む接着剤組成物からなり、且つ前記接着剤組成物におけるIPDIのNCO基のポリチオールのSH基に対する官能基比(NCO基(mol)/SH基(mol))が0.35〜0.6の範囲であることを特徴とする製造方法。【選択図】図1
Description
本発明は、高圧ホースに関し、特に油圧機器類への圧力を伝える配管に用いられる高圧ホース及びその製造方法に関する。
従来から、建築機器等の油圧機器類へ圧力を伝える配管に用いられる高圧ホースは、高い圧力に耐え得るように、内面ゴム層とその外周表面に鋼線等の金属ワイヤを巻き付けた補強ワイヤ層とを有する(例えば、特許文献1)。このような構成を有する高圧ホースを製造する場合、通常、管状に押出成形した内面ゴム層に、金属ワイヤを巻き付けるワイヤ巻き付け工程、及び金属ワイヤを内面ゴム層と接着する接着工程が必要である。
ワイヤ巻き付け工程においては、後述のように接着工程をゴムの加硫時の反応を利用して行う場合、未加硫の状態の内面ゴム層に金属ワイヤを巻き付けることになり、その際、金属ワイヤが内面ゴム層に食い込み、得られたホースにおいて作業油等の漏れが生じる恐れがある。従って、従来から、冷却により未加硫の内面ゴム層を硬くしたり、有機繊維糸や繊維シート等の有機繊維層を巻き付けたりすることで内面ゴム層を補強してから金属ワイヤを巻き付けるといった食い込み防止方法がとられている。一方、接着工程においては、通常、接着処方(コバルト等を配合)を含むゴムと、めっき処理した金属ワイヤとを加硫時の反応で接着させている。
しかしながら、ワイヤ巻き付け工程において、上記の食い込み防止方法を用いても、金属ワイヤの種類やゴムの種類、厚み等によっては十分でない場合があり、有機繊維層自体は高圧ホースの性能面では不要な部材であり、コスト的なロスが生じている。また、内面ゴム層が加硫後のゴムであれば、金属ワイヤの食い込みは生じないが、通常の接着剤では接着し難く、金属ワイヤを接着するために、例えば、内面ゴム層の外周に未加硫層間ゴムを接着させ、その外周に金属ワイヤを巻き付けたり、未加硫の内面ゴムに加硫した層間ゴムを巻き付けて、その外周に金属ワイヤを巻き付けたりする煩雑な工程が必要となり、製造が困難である。また、接着工程において、上記の接着処方を含むゴムでは、接着材料を金属ワイヤと内面ゴム層が接する表層だけでなく内面ゴム層全体に混合することになるため、コスト的なロスが生じている。更に、一般に、接着工程では上記接着処方を含むゴムとブラスめっき(真鍮めっき)処理した金属ワイヤとの組合せが採用されるため、金属ワイヤの材料に制約があり、例えばSUSワイヤ等の非めっきの材料を使用することができない。
従って、本発明の目的は、内面ゴム層とその外周表面に鋼線等の金属ワイヤを巻き付けた補強ワイヤ層とを有する高圧ホースを製造する方法であって、ワイヤ巻き付け工程における金属ワイヤの内面ゴムへの食い込みをコスト的なロスを生じることなく十分に防止し、且つ接着処方を含まないゴムからなる内面ゴム層を用いても、ブラスめっきした金属ワイヤ材料以外の金属ワイヤを用いても、内面ゴム層と金属ワイヤとを十分に接着することができる製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、内面ゴム層とその外周表面に鋼線等の金属ワイヤを巻き付けた補強ワイヤ層とを有する高圧ホースであって、ワイヤ巻き付け工程における金属ワイヤの内面ゴムへの食い込みがコスト的なロスを生じることなく十分に防止され、且つ接着処方を含まないゴムからなる内面ゴム層であっても、ブラスめっきした金属ワイヤ材料以外からなる金属ワイヤであっても、内面ゴム層と金属ワイヤとが十分に接着されている高圧ホースを提供することにある。
上記目的は、加硫ゴムからなる管状の内面ゴム層と、その外周に金属ワイヤを巻き付けた補強ワイヤ層とを有する高圧ホースを製造する方法であって、前記内面ゴム層の外周表面に接着剤層を形成する工程、前記接着剤層の外周に金属ワイヤを巻き付けて補強ワイヤ層を形成する工程、及び加熱により前記接着剤層を介して前記内面ゴム層及び前記補強ワイヤ層とを接着させる工程を含み、前記接着剤層が、ポリチオール、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと省略する)又はその変性体、及び熱開始剤を含む接着剤組成物からなり、且つ前記接着剤組成物におけるIPDI由来のNCO基の、ポリチオール由来のSH基に対する官能基比(NCO基(mol)/SH基(mol))が0.35〜0.6の範囲であることを特徴とする製造方法によって達成される。
上述の通り、内面ゴム層が加硫後のゴムの場合、金属ワイヤを接着することは困難であるが、本発明者らの検討により、上記接着剤組成物からなる接着剤層を用い、加熱することで、加硫ゴムからなる内面ゴム層と金属ワイヤや他のゴム層との十分な接着が可能となることが見いだされた。これにより、上述のゴムの冷却や有機繊維層を用いることなく、金属ワイヤの内面ゴム層への食い込みを容易に防止することができるとともに、内面ゴム層と補強ワイヤ層とを十分に接着させることができ、コスト的なロスをなくすことができる。また、内面ゴム層のゴムがコバルト等の接着処方を含む必要がなく、コストの削減を図ることができる。更に、補強ワイヤ層の材料もブラスめっきした金属ワイヤである必要がなくなるため、従来、使用できなかった、非めっきの金属ワイヤや、より安価なめっきワイヤ、及びSUSワイヤ等の金属ワイヤを使用することができる等、より柔軟な材料設計が可能となる。
本発明に係わる高圧ホースの製造方法の好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記接着剤層を形成する工程を、シート状の接着剤を前記内面ゴム層外周に巻き付けて行う。シート状の接着剤を用いることにより、液状の接着剤を塗布する等の工程よりも容易に行うことができる。
(2)前記内面ゴム層が、接着処方を含まないゴム材料からなる。接着処方コストの削減を図ることができる。
(3)前記接着剤層を形成する工程の後、接着剤層の外周に未加硫のゴムからなる中間ゴム層を形成する工程を含む。内面ゴム層と補強ワイヤ層とをより十分に接着させることができる。
(4)前記補強ワイヤ層の外周に、更に、外被ゴム層を形成する工程を含む。
また、上記目的は、加硫ゴムからなる管状の内面ゴム層と、その外周に金属ワイヤを巻き付けた補強ワイヤ層とを有する高圧ホースであって、前記補強ワイヤ層が、前記内面ゴム層に接着剤層を介して接着されており、前記接着剤層が、ポリチオール、IPDI又はその変性体、及び熱開始剤を含む接着剤組成物が加熱されて形成された層であり、且つ前記接着剤組成物におけるIPDI由来のNCO基の、ポリチオール由来のSH基に対する官能基比(NCO基(mol)/SH基(mol))が0.35〜0.6の範囲であることを特徴とする高圧ホースによって達成される。
上述の通り、内面ゴム層が加硫後のゴムであるので、補強ワイヤ層の間に有機繊維層等を形成する等の食い込み防止策がなくても、内面ゴム層に金属ワイヤが食い込むことがなく、且つ上記接着剤層であれば、加硫ゴムであっても内面ゴム層と補強ワイヤ層とが十分に接着された高圧ホースとすることができる。また、本発明の高圧ホースは、内面ゴム層が接着処方を含まないゴムであっても、補強ワイヤ層がブラスめっきした金属ワイヤでなくても良いため、コストの削減や柔軟な材料設計が可能な高圧ホースである。
本発明に係わる高圧ホースの好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記内面ゴム層が、接着処方を含まないゴム材料からなる。接着処方コストが削減された高圧ホースである。
(2)前記内面ゴム層と前記補強ワイヤ層との間に、中間ゴム層を有する。内面ゴム層と補強ワイヤ層とが、より十分に接着された高圧ホースである。
(3)前記内面ゴム層と前記補強ワイヤ層との間に、有機繊維層を有していない。高圧ホースの性能に寄与しない有機繊維層のコストを削減することができる。
(4)前記補強ワイヤ層の外周に、更に、外被ゴム層を有する。
本発明の高圧ホースの製造方法は、上記接着剤組成物からなる接着剤層を用い、加熱することで、加硫ゴムからなる内面ゴム層と金属ワイヤや他のゴム層との十分な接着することができるので、特別な食い込み防止策を講じることなく金属ワイヤの内面ゴム層への食い込みを容易に防止することができ、更に内面ゴム層のゴムが接着処方を含む必要や、補強ワイヤ層の材料にブラスめっきの金属ワイヤを使用する必要がなくなるため、コストの削減を図ることができ、柔軟な材料設計が可能な製造方法である。従って、本発明の高圧ホースは、金属ワイヤの内面ゴムへの食い込みがコスト的なロスを生じることなく十分に防止され、且つ内面ゴム層が接着処方を含まないゴムであっても、補強ワイヤ層がブラスめっきした金属ワイヤでなくても良いため、コストの削減や柔軟な材料設計が可能な高圧ホースであるといえる。
以下に、本発明の高圧ホースの製造方法の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の製造方法により得られる、本発明の高圧ホースの一例を示す一部切欠き概略斜視図である。
図1において、高圧ホース20は、加硫ゴムからなる管状の内面ゴム層11、その外周表面に接着剤層12、その外周に金属ワイヤが巻き付けられ接着剤層12(加熱後)を介して内面ゴム層11に接着された補強ワイヤ層13、及び外被ゴム層14を有する。
本発明の製造方法においては、まず、管状に形成され、加硫されたゴムからなる内面ゴム層11の外周表面に接着剤層12’(加熱前の接着剤層12)を形成する。接着剤層12’は、ポリチオール、IPDI(イソホロンジイソシアネート)又はその変性体、及び熱開始剤を含み、IPDI由来のNCO基の、ポリチオール由来のSH基に対する官能基比(NCO基(mol)/SH基(mol))が0.35〜0.6の範囲である接着剤組成物から形成されている。従来、加硫後のゴムに金属ワイヤやその他のゴム層を接着することは困難であったが、上記配合の接着剤組成物からなる接着剤層であれば、後述する加熱工程により加硫後のゴムと金属、又は他のゴム層とを十分に接着することができる。
上記官能基比は、接着剤組成物中のIPDI由来のNCO基のmol数の、ポリチオール由来のSH基のmol数に対する比である。なお、NCO基またはSH基が1molとなるためのIPDI等の材料の質量を、官能基当量という。上記官能基比は、0.40〜0.55が好ましい。ポリチオールは、分子中にメルカプト基(チオール基)を2個以上有する化合物である。ポリチオールとしては、特に制限はないが、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、及びジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)等が挙げられる。IPDIの変性体としては、例えば、イソシアヌレート体、トリメチロールプロパン(TMP)アダクト体、ビウレット体、アロファネート体、プレポリ型変性体等が挙げられる。熱開始剤としては、特に制限はないが、一般に、有機過酸化物、アゾ化合物が用いられる。特に有機過酸化物が好ましい。例えば、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート等が挙げられる。
また、接着剤層12’を形成する工程は、どのような方法でも良く、例えば、液状の接着剤組成物を内面ゴム層11の外周表面に塗布する方法や、接着剤組成物をシート状に成形した接着剤を、内面ゴム層11の外周に巻き付ける方法を採用することができる。接着剤組成物の保存等を考慮すると、シート状の接着剤を巻き付ける方法が好ましい。接着剤層12’の層厚は、特に制限はないが、10〜150μmが好ましく、更に50〜80μmが好ましい。
次いで、接着剤層12’の外周に金属ワイヤを巻き付けて補強ワイヤ層13を形成する。金属ワイヤの巻き付けは、どのような巻き方でも良く、スパイラル状、ブレード状等所望の形状に巻回するか編組する。本発明においては、内面ゴム層11が加硫後のゴムからなるので、上述のような、ゴムの冷却、及び内面ゴム層と補強ワイヤ層の間に有機繊維糸や繊維シートを巻き付けることによる有機繊維層の形成等の特別な食い込み防止策を施さなくても金属ワイヤが内面ゴム層11に食い込むことがない。
また、従来は、接着処方を含む未加硫のゴムからなる内面ゴム層とブラスめっき処理した金属ワイヤとの反応により内面ゴム層と補強ワイヤ層とを接着していたため、金属ワイヤの材料は制限されていたが、本発明においては、金属ワイヤに特に制限はない。金属ワイヤとしては、例えば、SUSワイヤ等の非めっきのスチールワイヤ、銅ワイヤ、アルミワイヤ、亜鉛めっきスチールワイヤ、亜鉛アルミ合金めっきスチールワイヤ等が挙げられ、当然、ブラスめっきスチールワイヤを使用することもできる。SUSワイヤ、ブラスめっきスチールワイヤが好ましい。
その後、上述の中間品を加熱する加熱工程を行う。これにより接着剤層12’が接着力を発現して、接着剤層12となり内面ゴム層11と補強ワイヤ層13とを十分に接着することができる。加熱温度は、熱開始剤の種類に応じて設定することができ、一般に、70〜200℃、好ましくは100〜150℃であり、加熱時間は、一般に1〜120分である。図1においては、外被ゴム層14が形成されているが、加熱工程は外被ゴム層14を形成する前後のどちらでも良い。特に外被ゴム層14も加硫する場合は、外被ゴム層14を形成した後に加熱工程を行うことが好ましい。
内面ゴム層11、及び外被ゴム層14の材料には特に制限はなく、通常、高圧ホースに用いられるゴム材料を用いることができる。また、金属ワイヤとの接着をゴムの加硫時の反応により行わないため、コバルト等の接着処方を含む必要はない。接着処方コストを削減できるので、接着処方を含まないゴム材料が好ましい。ゴム材料としては、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、イソブチレンゴム(IIR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、アクリルゴム(ACM)等が挙げられる。上記接着剤組成物による接着性を考慮するとNBR、NR、SBR等のジエン系ゴムが好ましく、ホース耐久性の点からNBRが特に好ましい。管状の内面ゴム層11は従来公知のホースの形成方法により形成することができる。例えば、マンドレル上に押し出し機からゴム材料を含む組成物を押し出して形成することができる。また、内面ゴム層11の加硫は従来公知の方法で行うことができる。例えば、硫黄等の加硫剤を配合し、130〜200℃で、10〜120分加熱することで行う。
図2は本発明の製造方法により得られる、本発明の高圧ホースの別の一例を示す一部切欠き概略斜視図である。図2において、高圧ホース30は、加硫ゴムからなる管状の内面ゴム層11、その外周表面に接着剤層12(加熱後)、その外周に中間ゴム層15(加硫ゴム層)、その外周に金属ワイヤが巻き付けられ接着剤層12と中間ゴム層15を介して内面ゴム層11に接着された補強ワイヤ層13、及び外被ゴム層14を有する。なお、このように補強ワイヤ層の内周側に中間ゴムを設ける場合のほか、複数の補強ワイヤ層の間に中間ゴムを設ける場合もある。
図2の高圧ホースを製造する場合、図1の場合と同様に、管状に形成され、加硫されたゴムからなる内面ゴム層11の外周表面に接着剤層12’を形成し、その外周に中間ゴム層15’ (未加硫の中間ゴム層15))を形成し、次いで、中間ゴム層15’の外周に金属ワイヤを巻き付けて補強ワイヤ層13を形成する。その後は、上述の図1の場合と同様に、加熱工程を行い、接着剤層12’及び中間ゴム層15’をそれぞれ加熱及び加硫し、内面ゴム層11と補強ワイヤ層13とを接着剤層12及び中間ゴム層15を介して十分に接着させる。中間ゴム層15を有することにより、より十分な接着性が得られる。中間ゴム層15’のゴム材料としては、通常、高圧ホースに用いられるゴム材料を用いることができる。例えば、上述の内面ゴム層11等に用いられるゴム材料が挙げられる。なお、中間ゴム層15以外の材料や工程は図1の場合と同様である。
本発明の高圧ホースの製造方法、又は高圧ホースにおいては、加硫ゴムからなる内面ゴム層と、その外周に金属ワイヤを巻き付けた補強ワイヤ層とが、特定の接着剤層を介して接着されていることを特徴とする。従って、その他の高圧ホースの構成は、どのような構成でも良い。
本発明の高圧ホースの製造方法においては、上述の通り、内面ゴム層と補強ワイヤ層の間に有機繊維層がなくても金属ワイヤが食い込むことがない。従って、本発明の高圧ホースは有機繊維層を有していても良いが、高圧ホースの性能に寄与していない有機繊維層のコストを削減できる点で、有機繊維層を有していないことが好ましい。
本発明の高圧ホースは、補強ワイヤ層の金属ワイヤが内面ゴム層に食い込むことにより生じ得る、油漏れが低コストで効果的に防止されているので、建築機器等の油圧機器類へ圧力を伝える配管に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例により説明する。
[実施例1〜3、比較例1〜6]
(1)接着性評価用サンプル作製(接着剤組成物中のイソシアネート化合物の比較)
表1に記載した各接着剤組成物を調製し、基材1(NBRゴム基材(接着処方なし))に塗布し、その上に基材2(NBRゴム(接着処方なし)、又はブラスめっきスチール基材)(長さ及び幅、基材1と同じ)を積層し、0.2MPaで加圧して120℃、30分間加熱処理して、評価用サンプルを作成した。基材1は長さ50mm×幅25mmであり、このうち長さ25mm×幅25mmの部分に接着剤組成物を塗布した。なお、官能基当量は、NCO基またはSH基が1molとなるためのIPDI等の材料の質量である。
(2)接着性評価方法
基材2がゴムの場合は、T字ピール試験により評価した。即ち、基材1及び基材2間の一方の端部を一部剥離し、各基材を反対方向に90°折り曲げ、各基材の端部を、引張試験機を用いて引張速度50mm/分で引っ張り、その際の引き剥がし力を測定した。また、基材2がブラスめっきスチール基材の場合は、180°ピール試験により評価した。即ち、基材1及び基材2の一方の端部を一部剥離し、基材1を180°折り返して引張試験機を用いて引っ張り速度50mm/分で引っ張り、その際の引き剥がし力を測定した。評価は、引き剥がし力が100Nを超える場合を○とし、50〜100Nの場合を△とし、50N未満を×とした。なお、評価は接着処理後1日経過後に実施した。
(1)接着性評価用サンプル作製(接着剤組成物中のイソシアネート化合物の比較)
表1に記載した各接着剤組成物を調製し、基材1(NBRゴム基材(接着処方なし))に塗布し、その上に基材2(NBRゴム(接着処方なし)、又はブラスめっきスチール基材)(長さ及び幅、基材1と同じ)を積層し、0.2MPaで加圧して120℃、30分間加熱処理して、評価用サンプルを作成した。基材1は長さ50mm×幅25mmであり、このうち長さ25mm×幅25mmの部分に接着剤組成物を塗布した。なお、官能基当量は、NCO基またはSH基が1molとなるためのIPDI等の材料の質量である。
(2)接着性評価方法
基材2がゴムの場合は、T字ピール試験により評価した。即ち、基材1及び基材2間の一方の端部を一部剥離し、各基材を反対方向に90°折り曲げ、各基材の端部を、引張試験機を用いて引張速度50mm/分で引っ張り、その際の引き剥がし力を測定した。また、基材2がブラスめっきスチール基材の場合は、180°ピール試験により評価した。即ち、基材1及び基材2の一方の端部を一部剥離し、基材1を180°折り返して引張試験機を用いて引っ張り速度50mm/分で引っ張り、その際の引き剥がし力を測定した。評価は、引き剥がし力が100Nを超える場合を○とし、50〜100Nの場合を△とし、50N未満を×とした。なお、評価は接着処理後1日経過後に実施した。
[実施例4比較例7及び8]
(1)接着性及び耐久性評価試験サンプル作製(他の接着剤との比較)
表2に記載した接着剤(実施例4は実施例1と同様な配合の接着剤組成物を使用)を、基材1(NBRゴム基材(接着処方なし))(長さ及び幅、上記と同じ)に塗布し(比較例8については、基材2にも塗布)、その上に基材2(ブラスめっきスチール基材、SUS基材、又はクロムめっきスチール(ブラスト処理)基材)を積層し、表2に記載した条件で、接着処理してサンプルを作製した。なお、比較例7及び8では、メチルエチルケトンで基材1の表面を払拭してから積層した。
(2)接着性及び耐久性評価方法
上記接着処理後1日経過後、及び温度60℃、湿度90%RHの環境下で20日放置した後に、上記と同様に180°ピール試験を行い、引き剥がし力を評価した。
(1)接着性及び耐久性評価試験サンプル作製(他の接着剤との比較)
表2に記載した接着剤(実施例4は実施例1と同様な配合の接着剤組成物を使用)を、基材1(NBRゴム基材(接着処方なし))(長さ及び幅、上記と同じ)に塗布し(比較例8については、基材2にも塗布)、その上に基材2(ブラスめっきスチール基材、SUS基材、又はクロムめっきスチール(ブラスト処理)基材)を積層し、表2に記載した条件で、接着処理してサンプルを作製した。なお、比較例7及び8では、メチルエチルケトンで基材1の表面を払拭してから積層した。
(2)接着性及び耐久性評価方法
上記接着処理後1日経過後、及び温度60℃、湿度90%RHの環境下で20日放置した後に、上記と同様に180°ピール試験を行い、引き剥がし力を評価した。
[評価結果]
評価結果を表1及び2に示す。
評価結果を表1及び2に示す。
表1に示した通り、接着剤組成物として、ポリチオール、IPDIの変性体、及び熱開始剤を含み、接着剤組成物における官能基比(NCO基(mol)/SH基(mol))が0.35〜0.6の範囲である実施例1〜3がゴム及びブラスめっきスチール基材両方に対して十分な接着性を示した。一方、他のイソシアネート変性体を用いた比較例1〜6では、このような効果は認められなかった。
また、表1に示した通り、実施例1と同様な接着剤組成物を用いた実施例7では、ブラスめっきスチール基材の他、SUS基材やクロムめっきスチール(ブラスト処理)基材の場合でも、十分に接着し、且つ接着力の耐久性も十分であった。一方、他の接着剤を用いた比較例7及び8では十分な接着性が認められなかった。
なお、本発明は上記の実施の形態の構成及び実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。
本発明により、油漏れが低コストで効果的に防止され、建築機器等の油圧機器類へ圧力を伝える配管に好適に用いることができる高圧ホースを提供することができる。
11 内面ゴム層
12 接着剤層
13 補強ワイヤ層
14 外被ゴム層
15 中間ゴム層
20、30 高圧ホース
12 接着剤層
13 補強ワイヤ層
14 外被ゴム層
15 中間ゴム層
20、30 高圧ホース
Claims (10)
- 加硫ゴムからなる管状の内面ゴム層と、その外周に金属ワイヤを巻き付けた補強ワイヤ層とを有する高圧ホースを製造する方法であって、
前記内面ゴム層の外周表面に接着剤層を形成する工程、
前記接着剤層の外周に金属ワイヤを巻き付けて補強ワイヤ層を形成する工程、及び
加熱により前記接着剤層を介して前記内面ゴム層及び前記補強ワイヤ層とを接着させる工程を含み、
前記接着剤層が、ポリチオール、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと省略する)又はその変性体、及び熱開始剤を含む接着剤組成物からなり、且つ
前記接着剤組成物におけるIPDI由来のNCO基の、ポリチオール由来のSH基に対する官能基比(NCO基(mol)/SH基(mol))が0.35〜0.6の範囲であることを特徴とする製造方法。 - 前記接着剤層を形成する工程を、シート状の接着剤を前記内面ゴム層外周に巻き付けて行う請求項1に記載の製造方法。
- 前記内面ゴム層が、接着処方を含まないゴム材料からなる請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記接着剤層を形成する工程の後、接着剤層の外周に未加硫のゴムからなる中間ゴム層を形成する工程を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記補強ワイヤ層の外周に、更に、外被ゴム層を形成する工程を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 加硫ゴムからなる管状の内面ゴム層と、その外周に金属ワイヤを巻き付けた補強ワイヤ層とを有する高圧ホースであって、
前記補強ワイヤ層が、前記内面ゴム層に接着剤層を介して接着されており、
前記接着剤層が、ポリチオール、IPDI又はその変性体、及び熱開始剤を含む接着剤組成物が加熱されて形成された層であり、且つ
前記接着剤組成物におけるIPDI由来のNCO基の、ポリチオール由来のSH基に対する官能基比(NCO基(mol)/SH基(mol))が0.35〜0.6の範囲であることを特徴とする高圧ホース。 - 前記内面ゴム層が、接着処方を含まないゴム材料からなる請求項6に記載の高圧ホース。
- 前記内面ゴム層と前記補強ワイヤ層との間に、中間ゴム層を有する請求項6又は7に記載の高圧ホース。
- 前記内面ゴム層と前記補強ワイヤ層との間に、有機繊維層を有していない請求項6〜8のいずれか1項に記載の高圧ホース。
- 前記補強ワイヤ層の外周に、更に、外被ゴム層を有する請求項6〜9のいずれか1項に記載の高圧ホース。
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JP2014048583A Pending JP2015172405A (ja) | 2014-03-12 | 2014-03-12 | 高圧ホースの製造方法、及び高圧ホース |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015172405A (ja) |
-
2014
- 2014-03-12 JP JP2014048583A patent/JP2015172405A/ja active Pending
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