JP2015172382A - ベルト式無段変速機 - Google Patents

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晃尚 岡本
Akihisa Okamoto
晃尚 岡本
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Abstract

【課題】アクチュエータケースの材質によらずコネクタの抜止めを行うことができるベルト式無段変速機を提供することを課題とする。
【解決手段】モータ32の電源端子51に接続したコネクタ52の抜止めを行うため、アクチュエータケースの第2ケース42に抜止め部60を設けた。
【効果】アクチュエータケースの材質によらずコネクタ52の抜止めを行うことができる。結果、アクチュエータケースの材質を自由に選択することができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、可動シーブを移動させるアクチュエータを備えたベルト式無段変速機に関する。
エンジンの出力回転を適度に変速して駆動輪に伝える変速機には各種の構造が提案されている。中でも、近年は、ベルト式無段変速機が普及するようになってきた。ベルト式無段変速機は、駆動プーリと従動プーリとベルトを基本要素としており、駆動プーリ及び従動プーリは、各々固定シーブと可動シーブからなっている。このようなベルト式無段変速機の一例として、例えば特許文献1には、可動シーブをアクチュエータで移動させる技術が開示されている(特許文献1(図1、図17)参照。)。
特許文献1のベルト式無段変速機では、アクチュエータハウジング(13)(括弧付き数字は、特許文献1に記載された符号を示す。以下同様)とアクチュエータカバー(14)とでアクチュエータケースが構成されている。アクチュエータハウジング(13)には電動モータ(22)が収容されており、この電動モータ(22)から、モータ軸と平行に2本のモータ側モータ電源雄端子(23、23)が延びている。アクチュエータカバー(14)は樹脂製であり、このアクチュエータカバー(14)にコネクタとしての中間端子(42、42)と薄板配線(40)とがインサート成形されている。
これにより、アクチュエータハウジング13にアクチュエータカバー(14)を組付けるだけで、モータ側モータ電源雄端子(23、23)が中間端子(42、42)に差し込まれる。さらに、アクチュエータカバー(14)に中間端子(42、42)がインサート成形されているため、中間端子(42、42)の抜止めも図られる。
しかしながら、特許文献1の構造では、中間ギヤ(特許文献1の図3、符号(26))を支持する中間軸(28)が片持支持であるため、中間ギヤ(26)の回転振れが大きくなり易い。これに対しては、中間軸(28)の自由端をアクチュエータカバー(14)で支持する方法もあるが、樹脂製のアクチュエータカバー(14)では十分な強度が得られないため、剛性に富む金属製とすることが望ましい。
特開2012−21609公報
本発明は、アクチュエータケースの材質によらずコネクタの抜止めを行うことができるベルト式無段変速機を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、プーリ軸に固定される固定シーブと、前記プーリ軸に支持され前記固定シーブに対して相対移動可能な可動シーブと、この可動シーブと前記固定シーブとの間に巻き掛けられるベルトと、前記可動シーブを移動させるアクチュエータとを備えたベルト式無段変速機において、
前記アクチュエータは、駆動源としての電動モータと、この電動モータの動力を伝達するギヤと、このギヤを収容するアクチュエータケースとを有し、
前記アクチュエータケースは、前記ギヤの回転軸を両端でそれぞれ支持する第1ケースと第2ケースとからなり、
前記電動モータは、電源端子が前記第2ケースに向かって延びるようにして前記第1ケースに取付けられており、
前記電源端子に接続したコネクタの抜止めを行うため、前記第2ケースに抜止め部を設けたことを特徴とする。
請求項2に係る発明では、抜止め部を、第2ケースの周縁部に設けたことを特徴とする。
請求項3に係る発明では、第1ケース及び第2ケースには、ギヤを収容するギヤ収容空間が区画して設けられており、抜止め部を、ギヤ収容空間よりも外側に設けたことを特徴とする。
請求項4に係る発明では、コネクタには、電気配線が接続されており、第1ケース又は第2ケースの少なくとも一方に、電気配線の引出し方向を除くコネクタの周囲に保護壁を設けたことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、電源端子に接続したコネクタの抜止めを行うため、第2ケースに抜止め部を設けた。これにより、従来の構造では、樹脂製のアクチュエータケースでコネクタの抜止めを図ったが、本発明ではアクチュエータケースの材質によらずコネクタの抜止めを行うことができる。結果、アクチュエータケースの材質を自由に選択することができる。
請求項2に係る発明では、抜止め部を第2ケースの周縁部に設けたため、コネクタに接続される電気配線を容易にアクチュエータケースから引き出すことができる。
請求項3に係る発明では、抜止め部をギヤ収容空間よりも外側に設けた。すなわち、ギヤ収容空間よりも外側で、コネクタが電源端子に接続されるようにした。通常、ギヤ収容空間は潤滑油やグリスが満たされるため、ギヤ収容空間よりも外側でコネクタが電源端子に接続されるようにすることで、潤滑油やグリスがコネクタや電源端子に付着することがない。結果、導通不良などの不具合を防ぐことができる。
請求項4に係る発明では、第1ケース又は第2ケースの少なくとも一方に、電気配線の引出し方向を除くコネクタの周囲に保護壁を設けたため、振動や外力がコネクタに加わったとしても、保護壁でコネクタの振れが制限される。結果、電源配線の断線を防止することができる。
加えて、コネクタの周囲が保護壁で保護されるため、飛散物などからもコネクタを保護することができる。
本発明に係るベルト式無段変速機の要部断面図である。 電動モータの斜視図である。 図1の3矢視図である。 アクチュエータケースの分解図である。 アクチュエータケースの組付け手順を説明する図である。 図3の6−6線断面図である。 図3の7−7線断面図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1に示すように、ベルト式無段変速機10は、クランク軸11の一端に形成されるプーリ軸12と、このプーリ軸12に支持される駆動プーリ13と、この駆動プーリ13と図示しない従動プーリとに掛け渡されるベルト14とを基本要素としている。さらに、駆動プーリ13は、プーリ軸12に固定される固定シーブ15と、プーリ軸12に支持され固定シーブ15に対して相対移動可能な可動シーブ16からなり、これら固定シーブ15と可動シーブ16との間にベルト14が巻き掛けられている。
可動シーブ16の背後には、ランププレート17がプーリ軸12に固定されており、これら可動シーブ16とランププレート17との間に複数の遠心ウエイト19が保持されている。プーリ軸12が回転し、その回転速度に応じた遠心力が遠心ウエイト19に作用すると、遠心ウエイト19が可動シーブ16のカム面21に沿って径外方へ移動し、可動シーブ16を固定シーブ15側へ移動させる。結果、固定シーブ15と可動シーブ16との間隔が狭くなり、ベルト14の巻き掛け半径が大きくなる。
また、可動シーブ16は、ベルト14の摺動面とカム面21とが別部品で構成されており、両面間のボス部23には、軸受24を介してアーム26が取付けられている。さらに、アーム26の先端には、遠心ウエイト19と協働して可動シーブ16を移動させるアクチュエータ30の出力軸31が係合されている。
アクチュエータ30は、モータ32の動力を伝達するギヤ群33と、このギヤ群33を介して回転駆動されるナット部材34と、このナット部材34の回転を直線運動に変えて出力する出力軸31とを有している。ギヤ群33は複数個のギヤで構成されており、最終段のギヤ36は、ナット部材34と一体に形成されている。これらギヤ群33及びナット部材34は、アクチュエータケース38に収容されている。
アクチュエータケース38は、ギヤ群33の各回転軸およびナット部材34を両端でそれぞれ支持する構造となっており、いずれも金属製の第1ケース41と第2ケース42とからなっている。
図2に示すように、電動モータ32は、モータケース47の一端にフランジ48を備えており、このフランジ48からモータ軸49と電源端子51、51とが突出している。各電源端子51にはコネクタ52が接続されており、このコネクタ52に接続された電気配線58を通じて電動モータ32に電源が供給されるようになっている。この電動モータ32は、電源端子51、51が第2ケース42に向かって延びるようにして第1ケース41に取付けられる(図1参照。)。
図3に示すように、第2ケース42の周縁部42aには、電動モータ32の電源端子51、51に接続されたコネクタ52、52の抜止めを行うため、抜止め部60、60が設けられている。
図4は第1ケース41から第2ケース42を取外した状態を示す図である。図4に示すように、第1ケース41及び第2ケース42には、電気配線58の引出し方向を除きコネクタ52の周囲を囲うようにして、第1ケース側保護壁61及び第2ケース側保護壁65が設けられている。なお、本例では、第1ケース側保護壁61と第2ケース側保護壁65との両方を設けたが、第1ケース側保護壁61又は第2ケース側保護壁65のいずれか一方のみを設けるようにしても良い。
また、第1ケース41及び第2ケース42には、ギヤ群33を収容するギヤ収容空間62、66が区画して設けられている。コネクタ52、52に接続される電気配線58、58は、このギヤ収容空間62、66から離れる方向へ引出されており、電気配線58、58の取回しが容易にされている。
第2ケース42の抜止め部60、60は、ギヤ収容空間62、66よりも外側に設けられており、ギヤ収容空間62、66よりも外側でコネクタ52を電源端子(図2、符号51)に接続するようになっている。これにより、ギヤ収容空間62、66内に満たされた潤滑油やグリスがコネクタ52や電源端子51に付着することがなく、結果、導通不良などの不具合を防ぐことができる。
なお、ギヤ収容空間62、66を区画する周囲の壁には、無端状のシール材64が取付けられており、このシール材64でも潤滑油やグリスが遮断される。
図5はアクチュエータケース38の組付け手順を説明する図である。図5に示すように、アクチュエータケース38を組付ける際は、まず、モータ32の電源端子51にコネクタ52を接続し、その後、第1ケース41に第2ケース42を組付ける。
結果、図6に示すように、コネクタ52の直上に抜止め部60が対向し、この抜止め部60でコネクタ52の抜止めを行うことができる。さらに、抜止め部60を第2ケース42の周縁部42aに設けたため、コネクタ52に接続される電気配線58を容易にアクチュエータケース38から引き出すことができる。
図7に示すように、第1ケース41と第2ケース42とが組付けられた状態では、コネクタ52の周囲が第1ケース側保護壁61と第2ケース側保護壁65とで保護される。これにより、振動や外力がコネクタ52に加わったとしても、第1ケース側保護壁61と第2ケース側保護壁65とでコネクタ52の振れが制限される。結果、電源配線58の断線を防止することができる。加えて、コネクタ52の周囲が第1ケース側保護壁61と第2ケース側保護壁65とで保護されるため、小石や砂利などの飛散物からもコネクタ52を保護することができる。
本発明は、自動二輪車に搭載されるベルト式無段変速機に好適である。
10…ベルト式無段変速機、12…プーリ軸、14…ベルト、15…固定シーブ、16…可動シーブ、30…アクチュエータ、32…電動モータ、33…ギヤ、38…アクチュエータケース、41…第1ケース、42…第2ケース、51…電源端子、52…コネクタ、58…電気配線、60…抜止め部、61…第1ケース側保護壁、62…ギヤ収容空間、65…第2ケース側保護壁、66…ギヤ収容空間。

Claims (4)

  1. プーリ軸に固定される固定シーブと、前記プーリ軸に支持され前記固定シーブに対して相対移動可能な可動シーブと、この可動シーブと前記固定シーブとの間に巻き掛けられるベルトと、前記可動シーブを移動させるアクチュエータとを備えたベルト式無段変速機において、
    前記アクチュエータは、駆動源としての電動モータと、この電動モータの動力を伝達するギヤと、このギヤを収容するアクチュエータケースとを有し、
    前記アクチュエータケースは、前記ギヤの回転軸を両端でそれぞれ支持する第1ケースと第2ケースとからなり、
    前記電動モータは、電源端子が前記第2ケースに向かって延びるようにして前記第1ケースに取付けられており、
    前記電源端子に接続したコネクタの抜止めを行うため、前記第2ケースに抜止め部を設けたことを特徴とするベルト式無段変速機。
  2. 前記抜止め部を、前記第2ケースの周縁部に設けたことを特徴とする請求項1記載のベルト式無段変速機。
  3. 前記第1ケース及び前記第2ケースには、前記ギヤを収容するギヤ収容空間が区画して設けられており、
    前記抜止め部を、前記ギヤ収容空間よりも外側に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のベルト式無段変速機。
  4. 前記コネクタには、電気配線が接続されており、
    前記第1ケース又は前記第2ケースの少なくとも一方に、前記電気配線の引出し方向を除く前記コネクタの周囲に保護壁を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のベルト式無段変速機。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017090501A1 (ja) * 2015-11-26 2017-06-01 本田技研工業株式会社 ベルト式無段変速機およびベルト式無段変速機におけるアクチュエータの取付方法
WO2018051741A1 (ja) * 2016-09-16 2018-03-22 武蔵精密工業株式会社 ベルト式無段変速機
EP3421839A4 (en) * 2016-02-23 2019-02-27 Honda Motor Co., Ltd. ELECTRONICALLY CONTROLLED LEVEL BELT GEAR
EP3412931A4 (en) * 2016-02-02 2019-10-30 Musashi Seimitsu Industry Co., Ltd. CONTINUOUS VARIATION TYPE BELT TRANSMISSION

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