JP2015171837A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】操舵角と転舵輪の実転舵角との対応関係に係る中点ずれが生じた場合であっても、この中点ずれを適確に解消する。
【解決手段】操舵反力モータ16を有する操舵反力発生装置15と、ハンドル13に係る操舵角を検出する操舵反力モータレゾルバ45と、転舵モータ29を有する転舵装置17と、転舵輪21に係る転舵角を検出する転舵モータレゾルバ47と、ハンドル13に係る操舵角と転舵輪21の実転舵角との対応関係に係るずれの発生有無判定を行うずれ判定部61と、転舵輪21の実転舵角を、目標転舵角に追従させるように転舵モータ29の駆動制御を行う駆動制御部65と、を備える。駆動制御部65は、ずれが生じており、かつ、転舵モータ29の駆動によって転舵輪21の転舵角の修正を試みてもずれが解消しないと予測される場合に、操舵反力モータ16の駆動制御を行い、これをもって、ハンドル13に係る操舵角を修正することでずれを解消する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステア・バイ・ワイヤ方式の車両用操舵装置に関する。
最近の車両には、ステア・バイ・ワイヤ(Steer By Wire)と呼ばれる方式の車両用操舵装置が搭載されている。ステア・バイ・ワイヤ方式(以下、“SBW方式”と省略する。)の車両用操舵装置では、操向ハンドル(以下、“ハンドル”と省略する。)及び操舵反力モータを有する操舵部と、転舵モータ及び転舵輪を有する転舵部との間が、機械的に切り離されている。また、転舵輪に係る転舵可能範囲は、車両の種別毎に予め設定されている。そのため、運転者に対し、転舵輪に係る転舵可能範囲を、何らかの手法を用いて顕現することが求められる。
こうした要請にこたえる技術が特許文献1に記載されている。特許文献1に係るSBW方式の車両用操舵装置は、ハンドルの操作量に応じて転舵輪の目標転舵角を決定する目標転舵角設定部と、転舵輪の実際の転舵角を測定する実転舵角センサと、転舵輪を転舵するための転舵モータと、ハンドルに付与する操舵反力を設定する操舵反力設定部と、ハンドルに操舵反力を付与するための操舵反力モータとを有する。この車両用操舵装置は、実転舵角が、転舵輪に係る転舵可能範囲の限界を規定する限界転舵角に近づいた場合に、操舵反力の増加率を上昇させることであたかも壁があるような感触(以下、こうした操舵反力を“壁反力”と呼ぶ。)をつくりだすように動作する。
特許文献1に係るSBW方式の車両用操舵装置によれば、運転者に対し、転舵輪に係る転舵可能範囲を、操舵反力の増加による手応え感として顕現することができる。
特開2004−306717号公報
ところで、特許文献1に係るSBW方式の車両用操舵装置では、運転者のハンドル操作に従う操舵角と、転舵輪の転舵角との間に、“中点ずれ”と呼ばれる現象を生じる場合がある。中点ずれとは、ハンドルの操舵角を中立位置(中点)にした場合に、転舵輪の転舵角が中立位置(中点)からずれている現象をいう。この中点ずれは、例えば、転舵輪が縁石に突き当たっていたり溝にはまりこんでいるなど、転舵輪の動きが拘束されている際に、壁反力を超えるような強い操舵力でハンドル操作を行った場合などに生じる。
こうした中点ずれが生じた場合に、かかるずれをいかにして解消するかが問題となる。この点、特許文献1に係るSBW方式の車両用操舵装置は、中点ずれが生じた場合に、かかるずれをいかにして解消するかを開示も示唆もしていない。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、操舵角と転舵輪の実転舵角との対応関係に係るずれ(中点ずれ)が生じた場合であっても、この中点ずれを適確に解消可能な車両用操舵装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、(1)に係る発明は、車両の転舵輪を転舵する際に操作される操舵部材に対して操舵反力を付与する操舵反力アクチュエータを有する操舵部と、前記操舵部材に係る操舵角を検出する操舵角検出部と、前記転舵輪を転舵するための転舵力を付与する転舵アクチュエータを有し、前記操舵部に対し機械的に切り離された状態で前記転舵輪を転舵可能な転舵部と、前記転舵輪に係る転舵角を検出する転舵角検出部と、前記操舵部材に係る操舵角と前記転舵輪の実転舵角との対応関係に係るずれの発生有無判定を行うずれ判定部と、前記転舵輪の実転舵角を、少なくとも前記操舵角に基づき算出される目標転舵角に追従させるように前記転舵アクチュエータの駆動制御を行う制御部と、を備える。前記制御部は、前記ずれ判定部で前記ずれが生じている旨の判定が下され、かつ、前記転舵アクチュエータの駆動によって前記転舵輪の転舵角の修正を試みても前記ずれが解消しないと予測される場合に、前記操舵反力アクチュエータの駆動制御を行い、これをもって、前記操舵部材に係る操舵角を修正することで前記ずれを解消する、ことを最も主要な特徴とする。
(1)に係る発明によれば、ずれ判定部でずれが生じている旨の判定が下され、かつ、転舵アクチュエータの駆動によって転舵輪の転舵角の修正を試みてもずれが解消しないと予測される場合に、操舵反力アクチュエータの駆動制御を行い、これをもって、操舵部材に係る操舵角を修正することでずれを解消するため、操舵角と転舵輪の実転舵角との対応関係に係るずれ(中点ずれ)が生じた場合であっても、この中点ずれを適確に解消することができる。
また、(2)に係る発明は、車両の転舵輪を転舵する際に操作される操舵部材に対して操舵反力を付与する操舵反力アクチュエータを有する操舵部と、前記操舵部材に係る操舵角を検出する操舵角検出部と、前記転舵輪を転舵するための転舵力を付与する転舵アクチュエータを有し、前記操舵部に対し機械的に切り離された状態で前記転舵輪を転舵可能な転舵部と、前記転舵輪に係る転舵角を検出する転舵角検出部と、前記操舵角と前記転舵輪の実転舵角との対応関係に係るずれの発生有無判定を行うずれ判定部と、前記操舵部及び前記転舵部の間を機械的な連結状態にし又は切離状態にする動作を行う切替アクチュエータを有するクラッチ装置と、前記転舵輪の実転舵角を、少なくとも前記操舵角に基づき算出される目標転舵角に追従させるように前記転舵アクチュエータの駆動制御を行い、前記転舵輪の実転舵角が予め定められる限界転舵角に近づくにつれて、操舵反力を増大させることで壁反力をつくりだすように前記操舵反力アクチュエータの駆動制御を行い、前記操舵部材の操舵力が前記壁反力を超えた場合に、前記クラッチ装置を前記連結状態にするように前記切替アクチュエータの駆動制御を行う制御部と、を備える。
前記制御部は、前記ずれ判定部で前記ずれが生じている旨の判定が下され、かつ、前記操舵部材の操舵力が前記壁反力を超えた際に前記クラッチ装置が前記連結状態にされた場合に、前記操舵反力アクチュエータの駆動制御を行い、これをもって、前記操舵部材に係る操舵角を修正することで前記ずれを解消する、ことを特徴とする。
(2)に係る発明では、操舵部及び転舵部の間を機械的な連結状態にし又は切離状態にする動作を行う切替アクチュエータを有するクラッチ装置を、必須の構成要件として規定している。
(2)に係る発明によれば、ずれ判定部でずれが生じている旨の判定が下され、かつ、操舵部材の操舵力が壁反力を超えた際にクラッチ装置が連結状態にされた場合に、操舵反力アクチュエータの駆動制御を行い、これをもって、操舵部材に係る操舵角を修正することでずれを解消するため、(1)に係る発明と同様に、操舵角と転舵輪の実転舵角との対応関係に係るずれ(中点ずれ)が生じた場合であっても、この中点ずれを適確に解消することができる。
なお、操舵部材に係る操舵角を修正するために操舵反力アクチュエータの駆動制御を行う動作は、実際には、後記する(4)に係る発明に記載の通り、クラッチ装置が連結状態にされた後、切離状態にされた場合であって、クラッチ装置が切離状態にある際に実行される。クラッチ装置が連結状態にある、操舵部及び転舵部間が機械的に連結しているタイミングでは、仮に、操舵反力アクチュエータの駆動制御を行うことで操舵部材に係る操舵角を修正しても、車両の転舵輪が転舵されてしまい、中点ずれを解消できないからである。
また、(3)に係る発明は、(2)に係る発明に記載の車両用操舵装置であって、前記制御部は、前記ずれ判定部で前記ずれが生じている旨の判定が下され、前記転舵アクチュエータの駆動によって前記転舵輪の転舵角の修正を試みても前記ずれが解消せず、かつ、前記操舵部材の操舵力が前記壁反力を超えた際に前記クラッチ装置が前記連結状態にされた場合に、前記操舵反力アクチュエータの駆動制御を行い、これをもって、前記操舵部材に係る操舵角を修正することで前記ずれを解消する、ことを特徴とする。
(3)に係る発明によれば、ずれ判定部でずれが生じている旨の判定が下され、転舵アクチュエータの駆動によって転舵輪の転舵角の修正を試みてもずれが解消せず、かつ、操舵部材の操舵力が壁反力を超えた際にクラッチ装置が連結状態にされた場合に、操舵反力アクチュエータの駆動制御を行い、これをもって、操舵部材に係る操舵角を修正することでずれを解消するため、(2)に係る発明の作用効果に加えて、実際には、転舵輪の転舵角の修正を試みた際にずれが解消する場面において、操舵部材に係る操舵角を修正することでずれを解消する機会を減らすことができる。
なお、操舵部材に係る操舵角を修正するために操舵反力アクチュエータの駆動制御を行う動作が、実際には、クラッチ装置が連結状態にされた後、切離状態にされた場合であって、クラッチ装置が切離状態にある際に実行される点は、(2)に係る発明と同じである。
また、(4)に係る発明は、(2)又は(3)に係る発明に記載の車両用操舵装置であって、前記制御部は、前記クラッチ装置が前記連結状態にされた後、前記切離状態にされた場合であって、当該クラッチ装置が当該切離状態にある際に、前記操舵反力アクチュエータの駆動制御を行い、これをもって、前記操舵部材に係る操舵角を修正することで前記ずれを解消する、ことを特徴とする。
(4)に係る発明によれば、クラッチ装置が連結状態にされた後、切離状態にされた場合であって、クラッチ装置が切離状態にある際に、操舵反力アクチュエータの駆動制御を行い、これをもって、操舵部材に係る操舵角を修正することでずれを解消するため、(2)又は(3)に係る発明の作用効果に加えて、操舵部材に係る操舵角を修正することでずれを解消する際の好ましい手順を明らかにすることができる。
本発明によれば、操舵角と転舵輪の実転舵角との対応関係に係るずれ(中点ずれ)が生じた場合であっても、この中点ずれを適確に解消することができる。
本発明の実施形態に係る車両用操舵装置の概略構成図である。 操舵反力アクチュエータがつくりだす転舵角に対する壁反力特性を表す図である。 本発明の実施形態に係る車両用操舵装置の操舵モードがSBWモードである際の制御装置の動作説明に供するフローチャート図である。 本発明の実施形態に係る車両用操舵装置を搭載した車両の始動時における制御装置の動作説明に供するフローチャート図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用操舵装置の概略構成図である。
車両用操舵装置11は、ステア・バイ・ワイヤ(SBW)方式の操舵装置である。この車両用操舵装置11は、後記する転舵モータ29の駆動により転舵力を発生させる機能(SBWモード)、例えば後記する操舵反力モータ16の失陥時において、転舵モータ29の駆動により運転者の手動による操舵に係る補助力を発生させる電動パワーステアリング(Electronic Power steering:EPS)機能(EPSモード)、並びに、例えば操舵反力モータ16及び転舵モータ29の失陥時において、運転者の手動による操舵を行わせる機能(マニュアルステアリングモード)を有する。
前記の諸機能を実現するために、車両用操舵装置11は、図1に示すように、ハンドル13と、操舵反力発生装置15と、転舵装置17と、クラッチ装置19と、を備える。車両用操舵装置11は、車両Vに搭載されている。車両Vは、一対の転舵輪21a,21bを備える。
ハンドル13は、運転者の操舵に係る運転意図にしたがって操作される部材である。ハンドル13は、本発明の“操舵部材”に相当する。ハンドル13には、操舵軸23が設けられている。操舵軸23は、運転者によるハンドル13の操作にしたがって、軸周りに回転するように構成されている。
操舵反力発生装置15は、車両用操舵装置11がSBWモードで動作している際に、ハンドル13を握る運転者の手元に操舵に係る反力(手応え)を発生させる機能を有する。操舵反力発生装置15は、操舵反力モータ16を有する。操舵反力モータ16は、本発明の“操舵反力アクチュエータ”に相当する。操舵反力モータ16には、操舵軸23が連結されている。操舵反力モータ16は、操舵軸23を軸周りに回転させるための操舵トルクを発生させる。これにより、車両用操舵装置11がSBWモードで動作している際に、ハンドル13を握る運転者の手元には、操舵に係る反力(手応え)が伝えられるようになっている。
ハンドル13、操舵軸23、及び、操舵反力モータ16を有する操舵反力発生装置15は、本発明の“操舵部”に相当する。
転舵装置17は、ラック・アンド・ピニオン機構(不図示)を介して、転舵軸25の回転運動をラック軸27の直線運動に変換する機能を有する。転舵装置17は、転舵モータ29を有する。転舵モータ29には、転舵軸25及びラック軸27が連結されている。転舵モータ29は、ラック軸27を軸方向に沿って直線運動させるための転舵トルクを発生させる。ラック軸27には、図示しないタイロッドを介して一対の転舵輪21a,21bが連結されている。一対の転舵輪21a,21bは、ラック軸27の直線運動によって転舵されるようになっている。
転舵軸25、ラック軸27、及び、転舵モータ29を有する転舵装置17は、本発明の“転舵部”に相当する。
クラッチ装置19は、操舵軸23及び転舵軸25の間を連結し又は切り離す機能を有する。こうした機能を実現するために、クラッチ装置19は、遊星歯車機構31を備える。この遊星歯車機構31は、内歯歯車31aと、遊星歯車31bと、太陽歯車31cと、遊星キャリア31dと、を有して構成されている。
また、クラッチ装置19は、ロック用歯車33及びロック装置35を備える。ロック装置35は、ロック用歯車33の歯溝に係合するロックピン39と、ロックピン39を駆動する電磁ソレノイド37と、から構成される。
内歯歯車31aは、操舵軸23のうち転舵装置17の側端部に固定され、操舵軸23と一体に回転するように構成される。太陽歯車31cは、転舵軸25と同軸の回転軸周りに自在に回転するように構成される。遊星歯車31bは、太陽歯車31c及び内歯歯車31aのそれぞれに係合するように複数設けられる。複数の遊星歯車31bのそれぞれは、転舵軸25と一体に回転する遊星キャリア31dに対して回転自在に軸支されている。
ロック用歯車33は、外歯歯車である。ロック用歯車33は、太陽歯車31cと一体に回転するように構成される。ロックピン39は、不図示の付勢手段によってロック用歯車33に近接する方向に付勢されている。ロックピン39がロック用歯車33の歯溝に係合すると、ロック用歯車33の回転運動が規制されるようになっている。
電磁ソレノイド37は、励磁電流の供給によってロックピン39を引き込むように変位させることで、ロックピン39とロック用歯車33との係合を解除するように動作する。電磁ソレノイド37は、本発明の“切替アクチュエータ”に相当する。
ロック装置35は、制御装置40から送られてくる制御信号にしたがって動作するように構成される。制御装置40は、電磁ソレノイド37に励磁電流を供給することで、ロック用歯車33に対するロックピン39の係合を解除するように動作する。
次に、クラッチ装置19の作用について説明する。ロックピン39がロック用歯車33の歯溝に係合すると、ロック用歯車33と一体に回転する太陽歯車31cの回転運動が規制される。
太陽歯車31cの回転運動が規制された状態で、運転者がハンドル13を操作すると、操舵軸23の回転に伴って内歯歯車31aが回転する。このとき、太陽歯車31cの回転運動が規制されているため、遊星歯車31bは自転しながら太陽歯車31cの周囲を公転する。遊星歯車31bの公転によって、遊星歯車31bを軸支する遊星キャリア31d及びこの遊星キャリア31dと一体に回転する転舵軸25が回転する。
要するに、ロックピン39がロック用歯車33の歯溝に係合した状態では、クラッチ装置19は、操舵軸23及び転舵軸25の間を連結する連結状態になる。このとき、操舵軸23の回転力は、転舵軸25へと伝えられる。
一方、ロック用歯車33の歯溝に対するロックピン39の係合が解除されると、ロック用歯車33と一体に回転する太陽歯車31cは回転自在な状態になる。
太陽歯車31cが回転自在な状態で、運転者がハンドル13を操作すると、操舵軸23の回転に伴って内歯歯車31aが回転する。このとき、遊星歯車31bは、自転しながら太陽歯車31cの周囲を公転しようとする。しかし、遊星キャリア31dには、転舵軸25及びラック軸27を介して転舵輪21a,21bが連結されている。このため、遊星キャリア31dの回転に対する抵抗力は、回転自在の状態にある太陽歯車31cの回転に対する抵抗力と比べてはるかに大きい。したがって、遊星歯車31bが自転すると、太陽歯車31cの方が回転(自転)し、遊星キャリア31dは回転しない。つまり、転舵軸25は回転しない。
要するに、ロック用歯車33の歯溝に対するロックピン39の係合が解除された状態では、クラッチ装置19は、操舵軸23及び転舵軸25の間を切り離した切離状態になる。このとき、操舵軸23の回転力は、転舵軸25へと伝えられない。
次に、制御装置40に対する入出力系統について説明する。
制御装置40には、入力系統として、操舵角センサ41、操舵トルクセンサ43、操舵反力モータレゾルバ45、転舵モータレゾルバ47、ラックストロークセンサ49、車速センサ51、ヨーレートセンサ53、及び、加速度センサ55が接続されている。
操舵角センサ41及び操舵トルクセンサ43は、操舵軸23に設けられている。操舵角センサ41は、運転者によるハンドル13の操舵角を検出し、検出した操舵角情報を制御装置40に与える。操舵角センサ41は、本発明の“操舵角検出部”に相当する。また、操舵トルクセンサ43は、運転者によるハンドル13の操舵トルクを検出し、検出した操舵トルク情報を制御装置40に与える。
操舵反力モータレゾルバ45は、操舵反力モータ16に設けられている。操舵反力モータレゾルバ45は、操舵反力モータ16の回転動作量(操舵角)を検出し、検出した操舵角情報を制御装置40に与える。操舵反力モータレゾルバ45も、操舵角センサ41と同様に、本発明の“操舵角検出部”に相当する。
転舵モータレゾルバ47は、転舵モータ29に設けられている。転舵モータレゾルバ47は、転舵モータ29の回転動作量(転舵角)を検出し、検出した転舵角情報を制御装置40に与える。転舵モータレゾルバ47は、本発明の“転舵角検出部”に相当する。
ラックストロークセンサ49は、ラック軸27に設けられている。ラックストロークセンサ49は、ラック軸27の直線移動量(転舵角)を検出し、検出した転舵角情報を制御装置40に与える。ラックストロークセンサ49も、転舵モータレゾルバ47と同様に、本発明の“転舵角検出部”に相当する。
車速センサ51は、車両Vの速度(車速)を検出し、検出した車速情報を制御装置40に与える。ヨーレートセンサ53は、車両Vのヨーレートを検出し、検出したヨーレート情報を制御装置40に与える。そして、加速度センサ55は、車両Vの横加速度(横G)及び縦加速度(縦G)を検出し、検出した横G情報及び縦G情報を制御装置40に与える。
一方、制御装置40には、出力系統として、操舵反力モータ16、転舵モータ29、及び、電磁ソレノイド37が接続されている。
制御装置40は、入力系統を介して入力した検出信号、及び、車両用操舵装置11の各種構成部材に係る異常診断結果などに基づいて、車両用操舵装置11の操舵モードを、SBWモード、EPSモード、又は、マニュアルステアリングモードのいずれかに決定する機能、決定した操舵モードにしたがって、操舵反力モータ16、転舵モータ29、及び、電磁ソレノイド37の駆動制御をおこなうための制御信号をそれぞれ生成する機能、並びに、生成した制御信号に基づいて、操舵反力モータ16、転舵モータ29、及び、電磁ソレノイド37の駆動制御を行う機能を有する。
制御装置40は、車両用操舵装置11がSBWモードで動作している際に、操舵反力モータ16の駆動制御を行うことにより、ハンドル13を握る運転者の手元に対し、適切な操舵に係る反力(手応え)を伝えるように動作する。
また、制御装置40は、車両用操舵装置11がSBWモードで動作している際に、転舵輪21a,21bの実転舵角を、操舵角及び操舵トルクに基づき算出される目標転舵角に追従させるように転舵モータ29の駆動制御を行うことにより、運転者の運転意図にしたがって転舵輪21a,21bを転舵するように動作する。
また、制御装置40は、例えば図2に示すように、転舵輪21a,21bの実転舵角が、転舵輪21a,21bに係る転舵可能範囲の限界を規定する限界転舵角に近づくにつれて、操舵反力を増大させることで壁反力をつくりだすように操舵反力モータ16の駆動制御を行うことにより、運転者に対し、転舵輪21a,21bに係る転舵可能範囲を、操舵反力の増加による手応え感として顕現するように動作する。
なお、限界転舵角は、転舵機構の設計要件に従って固定的に設定される値である。
また、制御装置40は、ハンドル13の操舵力が壁反力を超えた場合に、クラッチ装置19を切離状態から連結状態に切替えるように電磁ソレノイド37の駆動制御を行うことにより、操舵角と転舵輪21a,21bの実転舵角との対応関係に係る中点ずれの発生を抑制するように動作する。
ここで、壁反力とは、転舵輪21a,21bの実転舵角が限界転舵角を超えないことを考慮して、ハンドル13の操舵力に対抗するように操舵反力モータ16の駆動によって与えられる操舵反力を意味する。“ハンドル13の操舵力が壁反力を超えた”か否かは、例えば、操舵トルクセンサ41により検出される操舵トルクが、壁反力に対応するトルクを超えたか否かに係る判定結果に基づき判定される。
さらに、制御装置40は、中点ずれの発生が後記するずれ判定部61で判定され、かつ、運転者によるハンドル13の操舵力が壁反力を超えた際にクラッチ装置19が連結状態にされた場合に、この中点ずれ履歴を後記する履歴記憶部63に記憶しておく。そして、例えば、イグニッションスイッチがオンされた際に、履歴記憶部63に中点ずれ履歴ありの旨が記憶されている場合に、制御装置40は、操舵反力モータ16の駆動制御を行い、これをもって、ハンドル13に係る操舵角を修正することで中点ずれを解消するように動作する。
詳しく述べると、制御装置40は、ずれ判定部61、履歴記憶部63、及び、駆動制御部65を備えて構成される。
ずれ判定部61は、ハンドル13の操舵角と転舵輪21a,21bの実転舵角との対応関係に係る中点ずれの発生有無判定を行う機能を有する。詳しく述べると、ずれ判定部61は、例えば、操舵角センサ41で検出される操舵角情報、ラックストロークセンサ49で検出される転舵角情報、並びに、操舵角及び転舵角のそれぞれに係る中点情報に基づいて、中点ずれが生じているか否かの判定を行うと共に、中点ずれが生じている旨の判定が下された際に、そのずれ量の診断・評価を行う。
なお、操舵角及び転舵角のそれぞれに係る中点情報としては、例えば、操舵角センサ41及びラックストロークセンサ49のそれぞれに係る原点位置情報(固定でもよいし、適宜更新してもよい)を採用すればよい。
履歴記憶部63は、ずれ判定部61で中点ずれが生じている旨の判定が下され、かつ、運転者によるハンドル13の操舵力が壁反力を超えた際にクラッチ装置19が連結状態にされた場合に、その旨を中点ずれ履歴ありとして記憶する機能を有する。
駆動制御部65は、例えば、イグニッションスイッチがオンされた際に、履歴記憶部63に中点ずれ履歴ありの旨が記憶されている場合に、操舵反力モータ16の駆動制御を行い、これをもって、ハンドル13に係る操舵角を修正することで中点ずれを解消するように動作する。
次に、車両用操舵装置11の操舵モードがSBWモードである際の制御装置40の動作について、図3Aを参照して説明する。
図3AのステップS11において、制御装置40は、操舵反力モータレゾルバ45により検出される操舵角情報、及び、転舵モータレゾルバ47により検出される実転舵角情報に基づいて、操舵角及び実転舵角間の偏差(中点ずれ)をなくすことを考慮して、目標となるラック軸27のストローク(目標転舵角)を設定する。制御装置40の駆動制御部65は、設定した目標ストローク(目標転舵角)だけラック軸27をストローク動作させるように、転舵モータ29の駆動制御を行う。
また、制御装置40は、操舵反力モータレゾルバ45により検出される操舵角情報、操舵トルクセンサ43により検出される操舵力情報、及び、車速センサ51により検出される車速情報に基づいて、操舵軸23に対して与える目標となる目標操舵反力を設定する。制御装置40は、設定した目標操舵反力を実現させるように、操舵反力モータ16の駆動制御を行う。
ステップS12において、制御装置40は、運転者によるハンドル13の操舵力が壁反力を超えたか否かを判定する。ステップS12の判定の結果、運転者によるハンドル13の操舵力が壁反力を超えない旨の判定が下された場合(ステップS12の“No”)、制御装置40は、処理の流れをステップS1に戻し、以下の処理を順次行わせる。一方、ステップS12の判定の結果、運転者によるハンドル13の操舵力が壁反力を超えた旨の判定が下された場合(ステップS12の“Yes”)、制御装置40は、処理の流れを次のステップS13へと進ませる。
ステップS13において、制御装置40は、クラッチ装置19を切離状態(SBWモード)から連結状態(非SBWモード)に切替えるように電磁ソレノイド37の駆動制御を行う。
ステップS14において、制御装置40は、クラッチ装置19が連結状態(非SBWモード)に切替えられたか否かを判定する。この判定は、例えば、ハンドル13の操舵角と転舵輪21a,21bの実転舵角とが同期動作しているか否かを通して行えばよい。ステップS14の判定の結果、クラッチ装置19が連結状態(非SBWモード)に切替えられた旨の判定が下された場合(ステップS14の“Yes”)、制御装置40は、処理の流れを次のステップS15へと進ませる。一方、ステップS12の判定の結果、クラッチ装置19が連結状態(非SBWモード)に切替えられない旨の判定が下された場合(ステップS14の“No”)、制御装置40は、処理の流れをステップS17へとジャンプさせる。
ステップS15において、制御装置40のずれ判定部61は、中点ずれが発生したか否かに係る発生有無判定を行う。ステップS15の判定の結果、中点ずれが発生した旨の判定が下された場合(ステップS15の“Yes”)、制御装置40は、処理の流れを次のステップS16へと進ませる。一方、ステップS15の判定の結果、中点ずれが発生していない旨の判定が下された場合(ステップS15の“No”)、制御装置40は、一連の処理の流れを終了させる。
ステップS16において、制御装置40の履歴記憶部63は、中点ずれが生じている旨の判定が下され、かつ、運転者によるハンドル13の操舵力が壁反力を超えた際にクラッチ装置19が連結状態にされた場合に、中点ずれ履歴ありとして記憶する。その後、制御装置40は、一連の処理の流れを終了させる。
ステップS17において、制御装置40は、クラッチ装置19を切離状態(SBWモード)から連結状態(非SBWモード)に切替える処理を行ったのにもかかわらず、クラッチ装置19が連結状態(非SBWモード)に切替えられていない場合に、操舵系統に異常が生じた旨を報知する異常処理を行う。その後、制御装置40は、一連の処理の流れを終了させる。
次に、車両用操舵装置11を搭載した車両Vの始動時における制御装置40の動作について、図3Bを参照して説明する。
図3BのステップS21において、制御装置40は、イグニッションスイッチがオンされたか否かを判定する。ステップS21の判定の結果、イグニッションスイッチがオンされていない旨の判定が下された場合(ステップS21の“No”)、制御装置40は、ステップS21の判定処理を繰り返し行わせる。一方、ステップS21の判定の結果、イグニッションスイッチがオンされた旨の判定が下された場合(ステップS21の“Yes”)、制御装置40は、処理の流れを次のステップS22へと進ませる。
ステップS22において、制御装置40は、クラッチ装置19を連結状態(非SBWモード)から切離状態(SBWモード)に切替えるように電磁ソレノイド37の駆動制御を行う。
ステップS23において、制御装置40は、クラッチ装置19が切離状態(SBWモード)に切替えられたか否かを判定する。この判定は、例えば、ハンドル13の操舵角と転舵輪21a,21bの実転舵角とが非同期の動作状態に陥るか否かを通して行えばよい。ステップS23の判定の結果、クラッチ装置19が切離状態(SBWモード)に切替えられない旨の判定が下された場合(ステップS23の“No”)、制御装置40は、処理の流れを次のステップS24へと進ませる。一方、ステップS23の判定の結果、クラッチ装置19が切離状態(SBWモード)に切替えられた旨の判定が下された場合(ステップS23の“Yes”)、制御装置40は、処理の流れをステップS25へとジャンプさせる。
ステップS24において、制御装置40は、クラッチ装置19を連結状態(非SBWモード)から切離状態(SBWモード)に切替える処理を行ったのにもかかわらず、クラッチ装置19が切離状態(SBWモード)に切替えられていない場合に、操舵系統に異常が生じた旨を報知する異常処理を行う。その後、制御装置40は、一連の処理の流れを終了させる。
ステップS25において、制御装置40は、履歴記憶部63の記憶内容を参照して、中点ずれ履歴の有無に係る判定を行う。ステップS25の判定の結果、中点ずれ履歴がある旨の判定が下された場合(ステップS25の“Yes”)、制御装置40は、処理の流れを次のステップS26へと進ませる。一方、ステップS25の判定の結果、中点ずれ履歴がない旨の判定が下された場合(ステップS25の“No”)、制御装置40は、一連の処理の流れを終了させる。
ステップS26において、制御装置40の駆動制御部65は、転舵モータ29の駆動制御を行い、これをもって、転舵輪21a,21bの実転舵角を修正することで中点ずれを解消するように動作する。
ステップS27において、制御装置40は、ずれ判定部61のずれ発生有無判定結果を参照して、転舵輪21a,21bの実転舵角を修正することで中点ずれを修正可能か否かを判定する。ステップS27の判定の結果、中点ずれを修正不能である旨の判定が下された場合(ステップS27の“No”)、制御装置40は、処理の流れを次のステップS28へと進ませる。一方、ステップS27の判定の結果、中点ずれを修正可能である旨の判定が下された場合(ステップS27の“Yes”)、制御装置40は、処理の流れをステップS29へとジャンプさせる。
ステップS28において、制御装置40の駆動制御部65は、操舵反力モータ16の駆動制御を行い、これをもって、ハンドル13に係る操舵角を修正することで中点ずれを解消するように動作する。
ステップS29において、制御装置40は、ずれ判定部61のずれ発生有無判定結果を参照して、中点ずれの修正が完了したか否かを判定する。ステップS29の判定の結果、中点ずれの修正が完了していない旨の判定が下された場合(ステップS29の“No”)、制御装置40は、処理の流れをステップS26へと戻し、以下の処理を順次行わせる。一方、ステップS29の判定の結果、中点ずれの修正が完了した旨の判定が下された場合(ステップS29の“Yes”)、制御装置40は、一連の処理の流れを終了させる。
〔本発明の実施形態に係る車両用操舵装置11の作用効果〕
第1の観点(請求項1に対応)に基づく車両用操舵装置11は、車両Vの転舵輪21a,21bを転舵する際に操作されるハンドル(操舵部材)13に対して操舵反力を付与する操舵反力モータ(操舵反力アクチュエータ)16を有する操舵反力発生装置(操舵部)15と、ハンドル(操舵部材)13に係る操舵角を検出する操舵反力モータレゾルバ(操舵角検出部)45と、転舵輪21a,21bを転舵するための転舵力を付与する転舵モータ(転舵アクチュエータ)29を有し、操舵反力発生装置(操舵部)15に対し機械的に切り離された状態で転舵輪21a,21bを転舵可能な転舵装置(転舵部)17と、転舵輪21a,21bに係る転舵角を検出する転舵モータレゾルバ(転舵角検出部)47と、ハンドル(操舵部材)13に係る操舵角と転舵輪21a,21bの実転舵角との対応関係に係るずれの発生有無判定を行うずれ判定部61と、転舵輪21a,21bの実転舵角を、少なくとも操舵角に基づき算出される目標転舵角に追従させるように転舵モータ(転舵アクチュエータ)29の駆動制御を行う駆動制御部(制御部)65と、を備える。
駆動制御部(制御部)65は、ずれ判定部61でずれが生じている旨の判定が下され、かつ、転舵モータ(転舵アクチュエータ)29の駆動によって転舵輪21a,21bの転舵角の修正を試みてもずれが解消しないと予測される場合に、操舵反力モータ(操舵反力アクチュエータ)16の駆動制御を行い、これをもって、ハンドル(操舵部材)13に係る操舵角を修正することでずれを解消する。
中点ずれが生じた場合、転舵輪21a,21bの転舵修正によってずれの解消を図るのが原則である。このように構成すれば、運転者の意図に反してハンドル13が動きだす事態は生じないため、運転者に対して違和感を与えることはないからである。
しかし、例えば、転舵輪21a,21bが縁石に突き当たっていたり溝にはまりこんでいるなど、転舵輪21a,21bの動きが拘束されている場合には、転舵輪21a,21bの転舵修正によってずれの解消を図ることができない。
そこで、前記のような場合には、ハンドル13に係る操舵角の修正によってずれの解消を図ることとした。
第1の観点に基づく車両用操舵装置11によれば、ずれ判定部61でずれが生じている旨の判定が下され、かつ、転舵モータ(転舵アクチュエータ)29の駆動によって転舵輪21a,21bの転舵角の修正を試みてもずれが解消しないと予測される場合に、操舵反力モータ(操舵反力アクチュエータ)16の駆動制御を行い、これをもって、ハンドル(操舵部材)13に係る操舵角を修正することでずれを解消するため、操舵角と転舵輪21a,21bの実転舵角との対応関係に係るずれ(中点ずれ)が生じた場合であっても、この中点ずれを適確に解消することができる。
また、第2の観点(請求項2に対応)に基づく車両用操舵装置11は、車両Vの転舵輪21a,21bを転舵する際に操作されるハンドル(操舵部材)13に対して操舵反力を付与する操舵反力モータ(操舵反力アクチュエータ)16を有する操舵反力発生装置(操舵部)15と、ハンドル(操舵部材)13に係る操舵角を検出する操舵反力モータレゾルバ(操舵角検出部)45と、転舵輪21a,21bを転舵するための転舵力を付与する転舵モータ(転舵アクチュエータ)29を有し、操舵反力発生装置(操舵部)15に対し機械的に切り離された状態で転舵輪21a,21bを転舵可能な転舵装置(転舵部)17と、転舵輪21a,21bに係る転舵角を検出する転舵モータレゾルバ(転舵角検出部)47と、ハンドル(操舵部材)13に係る操舵角と転舵輪21a,21bの実転舵角との対応関係に係るずれの発生有無判定を行うずれ判定部61と、操舵反力発生装置(操舵部)15及び転舵装置(転舵部)17の間を機械的な連結状態にし又は切離状態にする動作を行う電磁ソレノイド(切替アクチュエータ)37を有するクラッチ装置19と、転舵輪21a,21bの実転舵角を、少なくとも操舵角に基づき算出される目標転舵角に追従させるように転舵モータ(転舵アクチュエータ)29の駆動制御を行い、転舵輪21a,21bの実転舵角が予め定められる限界転舵角に近づくにつれて、操舵反力を増大させることで壁反力をつくりだすように操舵反力モータ(操舵反力アクチュエータ)16の駆動制御を行い、ハンドル(操舵部材)13の操舵力が壁反力を超えた場合に、クラッチ装置19を連結状態にするように電磁ソレノイド(切替アクチュエータ)37の駆動制御を行う駆動制御部(制御部)65と、を備える。
駆動制御部(制御部)65は、ずれ判定部61でずれが生じている旨の判定が下され、かつ、ハンドル(操舵部材)13の操舵力が壁反力を超えた際にクラッチ装置19が連結状態にされた場合に、操舵反力モータ(操舵反力アクチュエータ)16の駆動制御を行い、これをもって、ハンドル(操舵部材)13に係る操舵角を修正することでずれを解消する。
第2の観点に基づく車両用操舵装置11では、操舵反力発生装置(操舵部)15及び転舵装置(転舵部)17の間を機械的な連結状態にし又は切離状態にする動作を行う電磁ソレノイド(切替アクチュエータ)37を有するクラッチ装置19を、必須の構成要件として規定している。
ここで、ハンドル13に係る操舵角の修正は、中点ずれが生じており、かつ、ハンドル13の操舵力が壁反力を超えた際にクラッチ装置19が連結状態にされたケースに生じる傾向があることがわかった。
そこで、前記のケースをトリガとして、中点ずれの解消手段を、転舵輪21a,21bの転舵修正から、ハンドル13に係る操舵角の修正に切り替えることとした。
第2の観点に基づく車両用操舵装置11によれば、ずれ判定部61でずれが生じている旨の判定が下され、かつ、ハンドル(操舵部材)13の操舵力が壁反力を超えた際にクラッチ装置19が連結状態にされた場合に、操舵反力モータ(操舵反力アクチュエータ)16の駆動制御を行い、これをもって、ハンドル(操舵部材)13に係る操舵角を修正することでずれを解消するため、第1の観点に基づく車両用操舵装置11と同様に、操舵角と転舵輪21a,21bの実転舵角との対応関係に係るずれ(中点ずれ)が生じた場合であっても、この中点ずれを適確に解消することができる。
なお、ハンドル(操舵部材)13に係る操舵角を修正するために操舵反力モータ(操舵反力アクチュエータ)16の駆動制御を行う動作は、実際には、後記する第4の観点に基づく発明に記載の通り、クラッチ装置19が連結状態にされた後、切離状態にされた場合であって、クラッチ装置19が切離状態にある際に実行される。クラッチ装置19が連結状態にある、操舵反力発生装置(操舵部)15及び転舵装置(転舵部)17間が機械的に連結しているタイミングでは、仮に、操舵反力モータ16の駆動制御を行うことでハンドル(操舵部材)13に係る操舵角を修正しても、車両Vの転舵輪21a,21bが転舵されてしまい、中点ずれを解消できないからである。
また、第3の観点(請求項3に対応)に基づく車両用操舵装置11は、第2の観点に基づく車両用操舵装置11であって、駆動制御部(制御部)65は、ずれ判定部61でずれが生じている旨の判定が下され、転舵モータ(転舵アクチュエータ)29の駆動によって転舵輪21a,21bの転舵角の修正を試みてもずれが解消せず、かつ、ハンドル(操舵部材)13の操舵力が壁反力を超えた際にクラッチ装置19が連結状態にされた場合に、操舵反力モータ(操舵反力アクチュエータ)16の駆動制御を行い、これをもって、ハンドル(操舵部材)13に係る操舵角を修正することでずれを解消する、構成を採用してもよい。
第3の観点に基づく車両用操舵装置11によれば、ずれ判定部61でずれが生じている旨の判定が下され、転舵モータ(転舵アクチュエータ)29の駆動によって転舵輪21a,21bの転舵角の修正を試みてもずれが解消せず、かつ、ハンドル(操舵部材)13の操舵力が壁反力を超えた際にクラッチ装置19が連結状態にされた場合に、操舵反力モータ(操舵反力アクチュエータ)16の駆動制御を行い、これをもって、ハンドル(操舵部材)13に係る操舵角を修正することでずれを解消するため、第2の観点に基づく車両用操舵装置11の作用効果に加えて、実際には、21a,21bの転舵角の修正を試みた際にずれが解消する場面において、ハンドル(操舵部材)13に係る操舵角を修正することでずれを解消する機会を減らすことができる。
なお、ハンドル(操舵部材)13に係る操舵角を修正するために操舵反力モータ(操舵反力アクチュエータ)16の駆動制御を行う動作が、実際には、クラッチ装置19が連結状態にされた後、切離状態にされた場合であって、クラッチ装置19が切離状態にある際に実行される点は、(2)に係る発明と同じである。
そして、第4の観点(請求項4に対応)に基づく車両用操舵装置11は、第2又は第3の観点に基づく車両用操舵装置11であって、駆動制御部(制御部)65は、クラッチ装置19が連結状態にされた後、切離状態にされた場合であって、クラッチ装置19が切離状態にある際に、操舵反力モータ(操舵反力アクチュエータ)16の駆動制御を行い、これをもって、ハンドル(操舵部材)13に係る操舵角を修正することでずれを解消する、構成を採用してもよい。
第4の観点に基づく車両用操舵装置11によれば、クラッチ装置19が連結状態にされた後、切離状態にされた場合であって、クラッチ装置19が切離状態にある際に、操舵反力モータ(操舵反力アクチュエータ)16の駆動制御を行い、これをもって、ハンドル(操舵部材)13に係る操舵角を修正することでずれを解消するため、第2又は第3の観点に基づく車両用操舵装置11の作用効果に加えて、操舵部材19に係る操舵角を修正することでずれを解消する際の好ましい手順を明らかにすることができる。
〔その他の実施形態〕
以上説明した実施形態は、本発明の具現化の例を示したものである。したがって、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
例えば、本発明の実施形態に係る説明において、遊星歯車機構31を有するクラッチ装置19を設ける例をあげて説明したが、本発明はこの例に限定されない。クラッチ装置19の構成は、操舵軸23及び転舵軸25の間を連結し又は切り離すことが可能であれば、いかなるものでも構わない。
また、本発明の実施形態に係る説明において、中点ずれの解消を図るタイミングとして、車両Vの始動時を例示して説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、車両Vの停車中に、中点ずれの解消を図る構成を採用してもよい。
11 車両用操舵装置
13 ハンドル(操舵部材)
15 操舵反力発生装置(操舵部)
16 操舵反力モータ(操舵反力アクチュエータ)
17 転舵装置(転舵部)
19 クラッチ装置
21a,21b 転舵輪
25 転舵軸(転舵部)
27 ラック軸(転舵部)
29 転舵モータ(転舵アクチュエータ)
37 電磁ソレノイド(切替アクチュエータ)
41 操舵角センサ(操舵角検出部)
45 操舵反力モータレゾルバ(操舵角検出部)
47 転舵モータレゾルバ(転舵角検出部)
49 ラックストロークセンサ(転舵角検出部)
61 ずれ判定部
65 駆動制御部(制御部)
V 車両

Claims (4)

  1. 車両の転舵輪を転舵する際に操作される操舵部材に対して操舵反力を付与する操舵反力アクチュエータを有する操舵部と、
    前記操舵部材に係る操舵角を検出する操舵角検出部と、
    前記転舵輪を転舵するための転舵力を付与する転舵アクチュエータを有し、前記操舵部に対し機械的に切り離された状態で前記転舵輪を転舵可能な転舵部と、
    前記転舵輪に係る転舵角を検出する転舵角検出部と、
    前記操舵角と前記転舵輪の実転舵角との対応関係に係るずれの発生有無判定を行うずれ判定部と、
    前記転舵輪の実転舵角を、少なくとも前記操舵角に基づき算出される目標転舵角に追従させるように前記転舵アクチュエータの駆動制御を行う制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記ずれ判定部で前記ずれが生じている旨の判定が下され、かつ、前記転舵アクチュエータの駆動によって前記転舵輪の転舵角の修正を試みても前記ずれが解消しないと予測される場合に、前記操舵反力アクチュエータの駆動制御を行い、これをもって、前記操舵部材に係る操舵角を修正することで前記ずれを解消する、
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 車両の転舵輪を転舵する際に操作される操舵部材に対して操舵反力を付与する操舵反力アクチュエータを有する操舵部と、
    前記操舵部材に係る操舵角を検出する操舵角検出部と、
    前記転舵輪を転舵するための転舵力を付与する転舵アクチュエータを有し、前記操舵部に対し機械的に切り離された状態で前記転舵輪を転舵可能な転舵部と、
    前記転舵輪に係る転舵角を検出する転舵角検出部と、
    前記操舵角と前記転舵輪の実転舵角との対応関係に係るずれの発生有無判定を行うずれ判定部と、
    前記操舵部及び前記転舵部の間を機械的な連結状態にし又は切離状態にする動作を行う切替アクチュエータを有するクラッチ装置と、
    前記転舵輪の実転舵角を、少なくとも前記操舵角に基づき算出される目標転舵角に追従させるように前記転舵アクチュエータの駆動制御を行い、
    前記転舵輪の実転舵角が予め定められる限界転舵角に近づくにつれて、操舵反力を増大させることで壁反力をつくりだすように前記操舵反力アクチュエータの駆動制御を行い、
    前記操舵部材の操舵力が前記壁反力を超えた場合に、前記クラッチ装置を前記連結状態にするように前記切替アクチュエータの駆動制御を行う制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記ずれ判定部で前記ずれが生じている旨の判定が下され、かつ、前記操舵部材の操舵力が前記壁反力を超えた際に前記クラッチ装置が前記連結状態にされた場合に、前記操舵反力アクチュエータの駆動制御を行い、これをもって、前記操舵部材に係る操舵角を修正することで前記ずれを解消する、
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項2に記載の車両用操舵装置であって、
    前記制御部は、前記ずれ判定部で前記ずれが生じている旨の判定が下され、前記転舵アクチュエータの駆動によって前記転舵輪の転舵角の修正を試みても前記ずれが解消せず、かつ、前記操舵部材の操舵力が前記壁反力を超えた際に前記クラッチ装置が前記連結状態にされた場合に、前記操舵反力アクチュエータの駆動制御を行い、これをもって、前記操舵部材に係る操舵角を修正することで前記ずれを解消する、
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
  4. 請求項2又は3に記載の車両用操舵装置であって、
    前記制御部は、前記クラッチ装置が前記連結状態にされた後、前記切離状態にされた場合であって、当該クラッチ装置が当該切離状態にある際に、前記操舵反力アクチュエータの駆動制御を行い、これをもって、前記操舵部材に係る操舵角を修正することで前記ずれを解消する、
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
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