JP2015171348A - トッピング材、トッピング材の溶解抑制方法、及びトッピング材の退色抑制方法 - Google Patents

トッピング材、トッピング材の溶解抑制方法、及びトッピング材の退色抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】容易に製造することが可能であり、水分の吸収による溶解が充分に抑制されたトッピング材を提供すること。
【解決手段】酸味料と、結晶又は顆粒状の糖類とを含有し、上記糖類がイソマルツロース及び還元イソマルツロースから選ばれる1以上の糖を含む、トッピング材。
【選択図】なし

Description

本発明は、トッピング材、トッピング材の溶解抑制方法、及びトッピング材の退色抑制方法に関する。
トッピング材は、食品に対して種々の色味、香り、食感等を付加するために使用される。
トッピング材はそれ自体が水分に対する高い親和性を有していることも多く、空気中又は食品中の水分を吸収して溶解する場合がある。トッピング材の溶解は、これを使用した食品の美観を損ね、商品価値を著しく低下させる。また、トッピング材の溶解は、保存安定性を確保する観点からも好ましくない。
近年、トッピング材の溶解を抑制する方法(以下、「溶解抑制方法」ともいう)が検討されている。例えば、特許文献1には、粉糖類の粒子表面に、融点が50℃以上の油脂からなる被覆層を設け、かつ該被覆層の外層部に、25℃において液状を呈する油脂を付着させたことを特徴とする被覆粉糖類が開示されている。また、特許文献2には、製菓用トッピング素材をHLB4〜6のショ糖ステアリン酸エステルでコーティングして成り、表面温度40℃以下の菓子に振り掛けて使用されることを特徴とする製菓用トッピングが開示されている。
特開平11−056290号公報 特開2003−245041号公報
しかし、上記の溶解抑制方法を採用するためには、トッピング材の製造工程において、被覆層、又はコーティングを形成する工程を別途設けることが必要となり、製造工程の煩雑化、生産効率の低下などの問題が生じ得る。
本発明は、容易に製造することが可能であり、水分の吸収による溶解が充分に抑制されたトッピング材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行い、驚くべきことに、単独では吸湿性が高くトッピング材の溶解を促進すると考えられる酸味料を、特定の糖と組み合わせて用いることにより、得られるトッピング材の水分の吸収による溶解が抑制されることを見出した。
本発明は、酸味料と、結晶又は顆粒状の糖類とを含有し、上記糖類がイソマルツロース及び還元イソマルツロースから選ばれる1以上の糖を含む、トッピング材に関する。
上記のトッピング材は、容易に製造することが可能であり、水分の吸収による溶解が充分に抑制されたものである。また、酸味料の添加は、トッピング材に、色素、香料等を添加する従来の方法と同様の方法により行うことができることから、別途、製造工程を設ける必要がない。
上記のトッピング材は、着色料を更に含有するものであってもよい。トッピング材は、上記構成を備えることから、水分の吸収による溶解が充分抑制されており、着色料の滲みによる美観の悪化を抑制することができる。
本発明はまた、上記のトッピング材でトッピングされた、飲食品に関する。
上記の飲食品は、本発明に係るトッピング材を使用していることから、トッピング材の水分の吸収による溶解に起因した美観の悪化が抑制されている。
本発明はまた、トッピング材の溶解抑制方法であって、上記トッピング材が酸味料と結晶又は顆粒状の糖類とを含有し、上記糖類がイソマルツロース及び還元イソマルツロースから選ばれる1以上の糖を含み、上記糖類に上記酸味料を吸着させることを含む、トッピング材の溶解抑制方法に関する。
上記のトッピング材は、着色料を更に含有するものであってもよい。トッピング材の溶解抑制方法は、水分の吸収によるトッピング材の溶解が充分抑制されており、且つ着色料の滲みによる美観の悪化も抑制することができる。
本発明はまた、着色料を含有するトッピング材の退色抑制方法であって、上記トッピング材が酸味料、結晶又は顆粒状の糖類、及び着色料を含有し、上記糖類がイソマルツロース及び還元イソマルツロースから選ばれる1以上の糖を含み、上記糖類に酸味料を吸着させることを含む、着色料を含有するトッピング材の退色抑制方法に関する。
上記の退色抑制方法によれば、着色料を含有するトッピング材の退色を抑制することができる。
本発明によれば、容易に製造することが可能であり、水分の吸収による溶解が充分に抑制されたトッピング材を提供することができる。
図1は、トッピング材の耐溶解性に関する評価結果を示す写真である。 図2は、別のトッピング材の耐溶解性に関する評価結果を示す写真である。 図3は、着色料を含むトッピング材の耐溶解性に関する評価結果を示す写真である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。しかし、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではない。
本実施形態に係るトッピング材は、酸味料と、結晶又は顆粒状の糖類とを含有する。また、上記糖類がイソマルツロース及び還元イソマルツロースから選ばれる1以上の糖を含む。
酸味料としては、食品に使用される酸味料であれば特に制限なく使用することができる。このような酸味料としては、例えば、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、フィチン酸、乳酸等が挙げられる。これらの酸味料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
糖類としては、食品に使用される糖であれば特に制限なく使用することができるが、少なくともイソマルツロース又は還元イソマルツロースを含む。糖類としては、還元イソマルツロースを含むことが好ましい。
糖類には、その他の糖が含まれていてもよい。その他の糖としては、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、マルトース、ラクトース等が挙げられる。これらの糖は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
イソマルツロースは、グルコースとフルクトースとがα−1,6結合した二糖類であり、スクロースの構造異性体である。イソマルツロースは、例えば、天然の蜂蜜中に見出される。工業的には、イソマルツロースは、プロタミノバクター・ルブラム(Protaminobacter rubrum)、セラチア・プリムチカ(Serratia plymuthica)等の細菌に由来するα−グルコシルトランスフェラーゼをショ糖に作用させることにより製造される。
還元イソマルツロースとは、イソマルツロースを水素化等することにより還元したものである。還元イソマルツロースは、α−D−グルコピラノシル−1,1−マンニトール(以下、GPMともいう)とα−D−グルコピラノシル−1,6−ソルビトール(以下、GPSともいう)との混合物である。その混合比は特に制限されるものではなく、GPMとGPSとがほぼ等モル量(乾燥固形分重量比で95%以上)である混合物であってもよく、GPM又はGPSのいずれかに富む混合物であってもよい。
GPMとGPSとは水に対する溶解度に差がある。この2成分の溶解度の違いを利用して混合比を調整することができる(例えば、特開平10−310595参照)。すなわち、溶解平衡は温度依存性があるため、還元イソマルツロースを含む水溶液の温度を制御することで、2成分の濃度比を調整することができる。溶解平衡の状態に上記水溶液を調整した後、温度変化の速度を定めて還元イソマルツロース中のGPM及びGPSの濃度を制御することができる。
イソマルツロース(isomaltulose)は、パラチノース(palatinose)とも称される。なお、「パラチノース/PALATINOSE」は、三井製糖株式会社の登録商標である。
本実施形態において糖類は、結晶又は顆粒状の形態で用いるが、トッピング材の水分の吸収による溶解抑制の観点からは、顆粒状にして用いることが好ましい。顆粒状に造粒する方法は、特に制限されるものではない。例えば、次のような方法で造粒してもよい。イソマルツロース又は還元イソマルツロースを含む糖類の濃縮溶液を調製し、これを減圧下でゆっくりと回転するドラムの内壁に吹きつける。その後、内壁に析出し付着した糖類を攪拌機などでかき取り、さらにかき取られた糖類をドラム内で回転させることにより顆粒状に造粒することができる。
顆粒状の糖類は、例えば、イソマルツロースの複数の結晶粒子の集合体と、非晶質の糖分とを含み、該糖分が結晶粒子の集合体に内包されている、(球状)粒子であってもよい。このような顆粒は、例えば、イソマルツロースと非晶質の糖分とを含む糖液からイソマルツロースの結晶粒子を析出させ、該結晶粒子を含む糖液をスプレードライする方法により、得ることができる。あるいは、上記糖液を加熱しながらこれに剪断力を加えてイソマルツロースの結晶核を析出させ、該結晶核を含む混合物を冷却する方法により、イソマルツロースを含む顆粒を得ることもできる。イソマルツロースの場合、上記糖液は、例えば、ショ糖に酵素を作用させることにより、得ることができる。この場合、糖液及び得られる顆粒は、トレハルロース、フルクトース、グルコース、スクロース及びイソマルトース等を非晶質の糖分として含む。顆粒は、特開2012−179045号公報等に記載の固形物であってもよい。なお、本明細書において、スプレードライする方法により得られたイソマルツロースを含む顆粒状の糖類を特にパラチノースSDという。
結晶又は顆粒状の糖類の粒径は、特に制限されるものではないが、トッピング材の水分の吸収による溶解抑制の観点からは、4.0mm以下であることが好ましく、3.5mm以下であることがより好ましく、3.0mm以下であることがさらに好ましく、また、100μm以上であることが好ましく、150μm以上であることがより好ましく、200μm以上であることがさらに好ましい。なお、粒径は、振動篩により測定される値を示す。本明細書において、顆粒状の還元イソマルツロースのうち、粒径が0.2〜0.7mmとなるものが顆粒全量の90質量%以上となるものを特に還元イソマルツロースST−Fといい、粒径が0.5〜3.5mmとなるものが顆粒全量の90質量%以上となるものを特に還元イソマルツロースPNという。
酸味料の含有量は、特に制限されるものではないが、トッピング材の全質量に対して、0.01質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上7.0質量%以下であることがより好ましく、0.2質量%以上5.0質量%以下であることがさらに好ましい。酸味料の含有量を0.01質量以上とすることにより、トッピング材の溶解抑制効果を充分に得ることが可能である。また、酸味料の含有量を10.0質量%以下とすることにより、トッピング材の抑制効果を充分に発揮しつつ、且つトッピング材の酸味を適度なものとすることができる。酸味料の含有量は、トッピング材の製造工程における配合量、後述する添加剤溶液の濃度や顆粒状の糖類への添加剤溶液の吸収量を制御することにより調整することができる。
糖類の含有量は、特に制限されるものではないが、トッピング材の全質量に対して、99.0質量%以上99.99質量%以下であることが好ましく、93.0質量%以上99.9質量%以下であることがより好ましい。糖類の含有量は、トッピング材の製造工程における配合量を制御することにより調整することができる。
糖類の全量に占めるイソマルツロース又は還元イソマルツロースの割合は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上あることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%又は実質的にすべてがイソマルツロース又は還元イソマルツロースであることが特に好ましい。糖類の全量に占めるイソマルツロース又は還元イソマルツロースの割合を、80質量%以上とすることにより、トッピング材の溶解抑制効果を充分に得ることができる。
上述の各成分の含有量は、所定量のトッピング材を採取し、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により酸味料、糖などを定量することにより、決定することができる。測定条件は、以下のように設定してもよい。
<酸味料の定量>
カラム:TSKgel ODS−100V(4.6mmID×25cm)
溶媒:0.1% HPO水溶液
注入量:20μL
流量:1.0mL/min
検出:UV(210nm)
<糖の定量>
カラム:野村化学株式会社製 Develosil RPAQUEOUS 3本連結
溶媒:水
注入量:20μL
流量:0.6mL/min
検出:RI
本実施形態に係るトッピング材は、酸味料とイソマルツロース又は還元イソマルツロースを含む糖類とを組み合わせることにより、水分の吸収による溶解が抑制されたものとなる。従来、酸味料は単独では吸湿性が高く、トッピング材の溶解を促進すると考えられている。例えば、トッピング材を構成する成分として汎用されているソルビトールでは、顆粒状のソルビトールと酸味料とを組み合わせた場合に、顆粒状のソルビトールを単独でトッピング材として使用した場合に比べて、溶解が促進される。本実施形態においてトッピング材の水分の吸収による溶解が抑制される効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、上記のとおり、単独では吸湿性が高く溶解を促進すると考えられる酸味料を、特定の糖類とを組み合わせることで、トッピングの溶解性が抑制されることは驚くべきことである。また、上記トッピング材は、酸味料を含有することから、柑橘類を含む果物、ウメ、ヨーグルト、ソーダ、コーラのような味質を演出することが可能となるため、有用である。
本実施形態に係るトッピング材は、必要に応じて、その他の添加剤を含有させてもよい。その他の添加剤としては、着色料、香料、高甘味度甘味料、抗酸化物質、日持ち向上剤等を挙げることができる。
着色料としては、食品の色付けに使われているものであれば、天然着色料及び合成着色料のいずれも使用することができる。例えば、クロロフィル、カラメル、赤色40号、クチナシ色素(ガーデニアンレッド等)、ウコン色素、紅花色素、トマト色素、サフラン色素、コチニール色素、モナスカス色素、パプリカ色素、アスタキサンチン、フィフィア色素、β-カロチン色素、チョウマメ色素、ベニコウジ色素、トウガラシ色素、アナトー色素、ラック色素、ビートレッド色素、アカキャベツ色素、ムラサキイモ色素、アカダイコン色素、ブドウ果皮色素、シソ色素、エルダベリー色素、紫トウモロコシ色素、アントシアニン色素、ポリフェノール系茶色色素、クロロフィリン、カカオ色素、カキ色素、コウリャン色素、葉緑素、リボフラボン色素、植物炭末色素、金、銀、魚鱗箔、黄色4号、黄色5号、青色1号、青色2号、パテントブルーV、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、緑色3号、ベニバナ色素、イカ墨色素等が挙げられる。
香料としては、食品の香り付けに一般に使用される物質であれば如何なるものでもよく、例えば、レモンフレーバー、オレンジフレーバー、グレープフレーバー、イチゴフレーバー、アップルフレーバー、パイナップルフレーバー、ブルーベリーフレーバー、アプリコットフレーバー、メロンフレーバー、サクランボフレーバー、ピーチフレーバー、マンゴーフレーバー、ウメフレーバー、ミントフレーバー、メンソール、ソーダフレーバー、コーラフレーバー、抹茶フレーバー、コーヒーフレーバー、紅茶フレーバー、ココアフレーバー、チョコレートフレーバー、バニラフレーバー、バターフレーバー等の香料が挙げられる。
高甘味度甘味料としては、例えば、ステビア甘味料、甘草(グリチルリチン)、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、アリテーム、ネオテーム等が挙げられる。
本実施形態に係るトッピング材は、飲食品にトッピングして用いることができる。上記トッピング材を使用することにより、トッピング材の水分の吸収による溶解に起因した美観の悪化が抑制された飲食品を提供することができる。また、トッピング材の水分吸収による溶解が抑制されていることから、飲食品の製造時のトッピングの状態を維持したまま、消費者に提供することができる。
トッピング材を使用する飲食品は、特に制限されるものではなく、固形の食品に限らず、飲料(例えば、液面にホイップクリーム、アイスクリームを有する飲料等)などであってもよい。本実施形態に係るトッピング材は、水分含有量の多い食品、又は飲料に使用した場合に、特に効果が発揮される。このような食品としては、ゼリー、ヨーグルト、生クリーム、カスタードクリーム、プリン、ムース、アイスクリーム、アイスキャンディー、ケーキ、葛餅、わらびもち、羊羹等が挙げられる。
次に、トッピング材の製造方法について、説明する。
本実施形態に係るトッピング材の製造方法は、結晶又は顆粒状の糖類に対して酸味料やその他の添加剤を吸着させる工程を有する。糖類、酸味料、その他の添加剤としては、上述のものを用いることができる。
結晶又は顆粒状の糖類に対して酸味料やその他の添加剤を吸着させる工程は、例えば、酸味料やその他の添加剤を溶剤に溶解させ、添加剤溶液を調製し、これを結晶又は顆粒状の糖類に吸収させることにより行う。
添加剤の溶液を調製する際に用いる溶剤としては、例えば、水、エタノール等を用いることができる。添加剤の溶液の濃度は、適宜調整して使用可能である。
イソマルツロース又は還元イソマルツロースは、添加剤等を加えた溶液を容易に且つ多量に吸収させることが可能である。このような効果はイソマルツロース又は還元イソマルツロースを顆粒状とした場合に、顕著である。イソマルツロース又は還元イソマルツロースは、溶液を吸収させた後、乾燥させてもよい。しかし、顆粒状のイソマルツロース又は還元イソマルツロースの場合は、溶液を吸収させた後、格別乾燥させなくても溶液を吸収させる前と同等のさらさら感を保持することができる。
顆粒状のイソマルツロース又は還元イソマルツロースの場合、溶液吸収処理後における顆粒の固さを、吸収させる溶液量によって調節することができる。したがって、色、味、香りを付与する他に、溶液吸収処理によって、顆粒状のイソマルツロース又は還元パラチノースの食感の調整を行うこともできる。食感を調整することによって、咀嚼に対する様々な抵抗性を有するトッピング材とすることができる。
次に、本実施形態に係るトッピング材の溶解抑制方法について説明する。
本実施形態に係るトッピング材の溶解抑制方法は、上記トッピング材が酸味料と結晶又は顆粒状の糖類とを含有し、上記糖類がイソマルツロース及び還元イソマルツロースから選ばれる1以上の糖を含み、上記糖類に上記酸味料を吸着させることを含む。
本実施形態に係るトッピング材の溶解抑制方法において、トッピング材に使用される成分、配合等は、上述したものをそのまま適用することができる。このような方法により、トッピング材の水分の吸収による溶解を抑制することができる。
次に、本実施形態に係る着色料を含有するトッピング材の退色抑制方法について説明する。
本実施形態に係るトッピング材の退色抑制方法は、着色料を含有するトッピング材の退色抑制方法であって、上記トッピング材が酸味料、結晶又は顆粒状の糖類、及び着色料を含有し、上記糖類がイソマルツロース及び還元イソマルツロースから選ばれる1以上の糖を含み、上記糖類に酸味料を吸着させることを含む。
本実施形態に係るトッピング材の退色抑制方法において、トッピング材に使用される成分、配合等は、上述したものをそのまま適用することができる。
本発明者らの検討によって、従来トッピング材を構成する成分に汎用されている糖(例えば、ソルビトール等)を、酸味料及び着色料と共に使用した場合、保存中にトッピング材の色味が褪せていくことが判明した。これに対して、更なる検討により、特定の糖を含む糖類に、酸味料を吸着させることにより、酸味料、顆粒状の糖類、及び着色料を含有するトッピング材の色あせ(「退色」ともいう)が抑制されることが見出された。
上記トッピング材の退色抑制方法によれば、トッピング材の色あせが抑制される。また、かかるトッピング材は酸味料と特定の糖類とを合わせ含有することにより、空気中の水分の吸収による溶解が抑制されることから、保存安定性に優れ、トッピング材製造時の色味を長期にわたって維持することができる。
トッピング材の退色抑制性能は、例えば、トッピング材の色味を固体で測定する場合は色彩色差計(コニカミノルタセンシング製、CR−400)または水溶液で測定する場合は分光色差計(日本電色工業製、SE6000)を使用して、CIE規格でのL(エルスター)、a(エースター)、b(ビースター)を測定することにより評価することができる。色差の感覚の指標となるΔEが、小さいほど、色味の変化が抑制されていることを示す。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[トッピング材の製造]
表1に示す成分、配合割合(質量%)となるように、トッピング材を製造した。まず、クエン酸2.0gを水2mLに溶解させ、クエン酸水溶液を調製した。得られた水溶液を顆粒状のイソマルツロース100gに振りかけ、酸味料が均一に分散するように混合した。その後、乾燥させることにより、トッピング材を得た。
[トッピング材の耐溶解性に関する評価]
得られたトッピング材の水分の吸収による溶解性に関する評価を行った。まず、目視による観測を行いやすくするようイカ墨色素を加えたゼリー(砂糖、ゲル化剤、イカ墨色素)を調製した。このゼリーの表面に上記のトッピング材2gを振りかけ、2℃の条件下に静置した。振りかけ直後、20分後、40分後、60分後及び90分後にトッピング材の状況を目視により観察し、下記基準で評価した。図1及び図2は、各トッピング材の耐溶解性に関する評価結果を示す写真である。
[評価基準]
◎:溶解抑制効果が長期間(90分以上)維持されたもの
○:溶解抑制効果が確認されたもの
×:溶解が促進されたもの
(実施例2〜3、比較例1〜7)
表1に示す成分、配合割合(質量%)とした他は、実施例1と同様にして、トッピング材を得た。得られたトッピング材に対して、実施例1と同様にして、耐溶解性を評価した。評価結果を表1に示す。
表1に示された各成分は、以下のものを用いた。
(酸味料)
クエン酸:関東化学社製、食品添加物
(糖類)
イソマルツロースIC:三井製糖株式会社製、結晶パラチノースIC(結晶状)
還元イソマルツロースST−F:三井製糖株式会社製、パラチニットST−F(顆粒状)
還元イソマルツロースPN:三井製糖株式会社製、パラチニットPN(顆粒状)
グラニュー糖:三井製糖株式会社製、GN(結晶状)
ソルビトール:MERCK社製、Parteck(顆粒状)
(実施例4)
表2に示す成分、配合割合(質量%)となるように、着色料を含有するトッピング材を製造した。まず、クエン酸2.0g、及びクチナシ赤色素(三井製糖株式会社製、ガーデニアンレッド)1.0gを水2mLに溶解させ、クエン酸水溶液を調製した。得られた水溶液をイソマルツロース100gに振りかけ、酸味料が均一に分散するように混合した。その後、乾燥させることにより、着色料を含有するトッピング材を得た。
得られたトッピング材の水分の吸収による溶解性に関する評価を行った。まず、目視による観測を行いやすくするようにヨーグルトゼリー(機能性クリーム、砂糖、クエン酸、ゲル化剤、香料)を調製した。このゼリー表面に上記着色料を含有するトッピング材3gを振りかけ、2℃の条件下に静置した。振りかけ直後、及び30分後にトッピング材の状況を目視により観察した。図3は、着色料を含有するトッピング材の耐溶解性に関する評価結果を示す写真である。
表2に示すように、本発明に係るトッピング材は、着色料を含有する場合であっても、水分の吸収による溶解が抑制されることが確認された。
(実施例7〜11、及び比較例11)
表3に示す成分、配合割合(質量%)となるように、着色料を含有するトッピング材を製造した。
[トッピング材の退色抑制性に関する評価]
得られたトッピング材について、トッピング材の退色抑制性に関する評価を行った。まず、各トッピング材に対し、20℃、7日間、6000Lxの光(蛍光灯)を照射した。光照射後、各トッピング材について、色彩色差計(コニカミノルタセンシング製、CR−400)を使用して、CIE規格のL、a、b、ΔEを測定した。色差(ΔE値)は、計算式:ΔE=√((L−L’)+(a−a’)+(b−b’))により求めた。上記計算式中、L’、a’及びb’は調製直後のトッピング材の色(基準とする色)の色調であり、そして、L、a及びbは当該基準とする色に対して光照射後のトッピング材の色(比較されるべき色)の色調である。すなわち、ΔE値は、基準とする色素の色調に対して、比較されるべき色素の色調がどれだけ変化したかの程度を示す。結果を表3に示す。
表3に示された着色料は、以下のものを用いた。
(着色料)
クチナシ赤色素:三井製糖株式会社製、ガーデニアンレッド
カカオ色素:三井製糖株式会社製、ポリフェー71
パプリカ色素:三井製糖株式会社製、パプリカ25
表3に示すように、色差の感覚の指標となるΔEが、従来のトッピング材の構成成分として汎用されるソルビトールを用いた場合の比較例11と比較して、実施例7〜11は充分に小さく抑制されていることが確認された。
表1、表2及び表3に記載の糖類の代わりに、パラチノースSD(三井製糖株式会社製、パラチノースSD、顆粒状、組成:イソマルツロース82.5質量%、トレハルロース10質量%、スクロース2質量%)を用いた場合においても、パラチノースIC、還元パラチノースST−F、還元パラチノースPNと同様に顆粒の溶解抑制効果、退色抑制効果が確認された。

Claims (6)

  1. 酸味料と、結晶又は顆粒状の糖類とを含有し、
    前記糖類が、イソマルツロース及び還元イソマルツロースから選ばれる1以上の糖を含む、トッピング材。
  2. 着色料を更に含有する、請求項1に記載のトッピング材。
  3. 請求項1又は2に記載のトッピング材でトッピングされた、飲食品。
  4. トッピング材の溶解抑制方法であって、
    前記トッピング材が、酸味料と、結晶又は顆粒状の糖類とを含有し、
    前記糖類が、イソマルツロース及び還元イソマルツロースから選ばれる1以上の糖を含み、
    前記糖類に前記酸味料を吸着させることを含む、トッピング材の溶解抑制方法。
  5. 前記トッピング材が着色料を更に含有する、請求項4に記載のトッピング材の溶解抑制方法。
  6. 着色料を含有するトッピング材の退色抑制方法であって、
    前記トッピング材が、酸味料、結晶又は顆粒状の糖類、及び着色料を含有し、
    前記糖類が、イソマルツロース及び還元イソマルツロースから選ばれる1以上の糖を含み、
    前記糖類に酸味料を吸着させることを含む、着色料を含有するトッピング材の退色抑制方法。
JP2014049100A 2014-03-12 2014-03-12 トッピング材、トッピング材の溶解抑制方法、及びトッピング材の退色抑制方法 Active JP6514436B2 (ja)

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