JP2015169443A - グリーンの傾斜測定具 - Google Patents

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Abstract

【課題】グリーン面の任意の領域における全体としての傾斜程度及び傾斜方位を、視覚を通じて容易に理解させることが可能なグリーンの傾斜測定具を提供すること。
【解決手段】本体と、本体内部に設けられ、かつ本体が水平なグリーン面上に置かれたとき、均一な深さとなるように液体を溜めることができる液溜め空所と、液溜め空所に溜められる光透過性の着色液体とを包含し、本体には、前記液溜め空所を上から覗くことができるように透明領域が設けられており、それにより、傾斜度合いを知りたい被測定グリーン面に前記本体を置いて、前記透明領域を通して前記液溜め空所を上から覗くと、被測定グリーン面の傾斜度合いに応じた色濃度変化率を有する色のグラデーションが傾斜方位に沿って現れる。
【選択図】図3

Description

この発明は、ゴルフ場において、グリーンの傾斜程度や傾斜方位を測定する場合に使用される傾斜測定具に関する。
ゴルフのスコアの約半分は、グリーン上のパッティングが占めると言われている。そのため、ゴルフの初心者のみならず、熟練者にあっても、パット回数を如何にして減らすかは、ゴルファーにとって最大の関心事の1つである。
パット回数低減のための代表的な対策の1つとしては、グリーンの傾斜態様(いわゆる、上りラインなのか、下りラインなのか、スライスラインなのか、フックラインなのか)を読むことが挙げられる。そのための一般的な方法としては、例えば、自分のゴルフボールとカップとを結ぶ直線上の手前に立って傾斜を眺めて傾斜態様を読む方法、グリップを軽く握って鉛直にぶら下げたパターをボールの真上に位置させ、カップが左右いずれに見えるかで傾斜態様を読む方法等が知られている。
しかし、それらの方法は、グリーンの傾斜態様を主として感覚的に把握するものであることから、読みが外れたとしても、自分の読みを修正することが難しく、結局、時間を掛けて経験と勘を磨くほかはない。
そこで、グリーンの傾斜態様を経験と勘に頼ることなく、物理的に計測可能としたグリーンの傾斜測定具が従来より幾つか知られている。斯かる傾斜測定具は、透明なドーム状天板を有する空間内に液体を満たして、その中に取り残された気泡の動きを観察する気泡観察方式のもの(例えば、特許文献1、2、及び非特許文献1、2参照)と、垂直姿勢に支持された環状管体に半分程度まで満たされた着色液体の液面レベルを所定目盛りと比較する液面レベル観察方式のもの(例えば、特許文献3、4参照)とが知られている。
実開昭59−005970号公報 実開昭60−122173号公報 特開2013−148593公報 特許4677507号公報
http://store.shopping.yahoo.co.jp/golbaka/suihei-marker-new.html http://store.shopping.yahoo.co.jp/e-tee/htc-9792m.html
気泡観察方式によるグリーンの傾斜測定具は、閉じこめられた気泡は、僅かな傾きにも敏感に反応してドーム状天板内面に沿って移動することから、計測感度及び精度は比較的に良好なものの、気泡の移動範囲を小半径のドーム状天板内に閉じこめると言う計測原理から、大径化が難しく、その結果、傾斜度合いや傾斜方位を大ざっぱに把握することには不向きである。加えて、底面が小径であることから、芝の凹凸の影響を受けて、グリーン面の傾斜を代表するように、グリーン面に載置することが難しく、結局、十分には実用に供し得ない。
液面レベル観察方式によるグリーンの傾斜測定具は、環状管体を垂直姿勢に支持することから、傾斜測定の対象となるグリーン面の傾斜度を正確に測定するためには、当該環状管体の支持具の一側部をグリーン面に直接接地させるか、あるいは透視プレートを環状管体の支持具に固定して、遠方から透視されたグリーンの傾斜面を環状管体の液面レベルと比較する他はなく、仮に、そのようにして被測定グリーン面の傾きが測定できたとしても、環状管体を垂直姿勢にして測定する以上、それはある特定方位における傾きであって、グリーンの特定領域が全体としてどの方位へと傾斜するかまでもを判断することは困難であるから、結局、十分には実用には供し得ない。
この発明は上述の技術的背景下になされたものであり、その目的(技術課題)とするところは、グリーン面の任意の領域における全体としての傾斜程度及び傾斜方位を、視覚を通じて容易に理解させることが可能なグリーンの傾斜測定具を提供することにある。
この発明のさらに他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の記述に基づいて、当業者であれば容易に理解されるであろう。
上述の技術的課題は、以下の構成を有する本発明に係るグリーンの傾斜測定具により解決されると考えられる。
すなわち、本発明に係るグリーンの傾斜測定具は、本体と、前記本体の内部に設けられ、かつ前記本体が水平なグリーン面上に置かれたとき、均一な深さとなるように液体を溜めることができる液溜め空所と、前記液溜め空所に溜められる光透過性の着色液体とを包含し、前記本体には、前記液溜め空所を上から覗くことができるように透明領域が設けられており、それにより、傾斜度合いを知りたい被測定グリーン面に前記本体を置いて、前記透明領域を通して前記液溜め空所を上から覗くと、前記液溜め空所内に溜められた着色液体の深さによる光透過率の相違により、被測定グリーン面の傾斜度合いに応じた色濃度変化率を有する色のグラデーションが傾斜方位に沿って現れる、ことを特徴とする。
このような構成によれば、前記本体が水平なグリーン面上に置かれたとき、液溜め空所内に溜められた着色液体の深さは全面に亘り均一となる。そうすると、任意の方向から液面に入射したのち、底面で乱反射して、人の目に届く乱反射光は、液層を通過する間に、液面全面に亘り均一に減衰して人の目に届くことから、前記透明領域を通して前記液溜め空所を上から覗くと、着色液体の表面は、液面全体に亘り均一な濃度の色に見える。この液面全体に亘り均一な濃度の色に見えることから、利用者は、被測定グリーン面が水平であることを直観的に認識することができる。
これに対して、前記本体が傾斜したグリーン面上に置かれたとき、液溜め空所内に溜められた着色液体の深さは、傾斜方位において最も低い部分が深く、最も高い部分が浅くなり、それらの中間の高さの部分は中間の深さとなる。そうすると、任意の方向から液面に入射しのち、底面で乱反射して、人の目に届く乱反射光は、液層を通過する間に、深い部分では相対的に大きな減衰量をもって、他方浅い部分では相対的に小さな減衰量をもって減衰したのち、人の目に届くことから、前記透明領域を通して前記液溜め空所を上から覗くと、着色液体の表面は、最も深い部分が最濃色(乃至暗色)、最も浅い部分が最淡色(乃至明色)、それらの中間深さ部分については、それらの中間濃度の色となり、その結果、着色液体の表面は、傾斜方位において最も低い部分が最濃色(乃至暗色)、最も高い部分が最淡色(乃至明色)、それらの中間高さ部分については、それらの中間濃度の色となって、傾斜方位に沿った色のグラデーションがみえる。この色のグラデーションが見えることから、利用者は、最濃色(乃至暗色)部と最淡色(乃至明色)とを結ぶ直線より傾斜方位を直観的に認識することができると共に、色のグラデーションにおける色の変化率の大小により傾斜度合いを直観的に認識することができる。
このようにして、グリーン面の任意の領域における全体としての傾斜程度及び傾斜方位を、視覚を通じて直観的に理解させることが可能となる。
なお、言うまでもないが、計測対象となるグリーン面の傾斜程度が増すに連れ、着色液体の深さ変化は増加し、いずれ、傾斜方向の高い側では底面が露出する一方、低い側では着色液体が偏在することとなるが、その場合には、なお一層、傾斜方位並びに傾斜度合いが視覚的に明瞭となる。
好ましい実施の態様においては、前記液溜め空所が、前記本体が水平面上に載置されたとき、円環のなす面が水平となる円環状となるようにしてもよい。
このような構成によれば、全方位について、均等な表示態様からなる色のグラデーションを得ることができることに加えて、着色液体の量を必要最小限に留めることで、測定具の軽量化を実現することができる。
好ましい実施の態様においては、前記本体が、前記円環状の液溜め空所を内部に有する円環状の管体であってもよい。
このような構成によれば、円環状の管体とすることで、円環により囲まれる内部が空間となって、一層の軽量化が図られることに加えて、グリーン面との接地点は全方位均一となる一方、その接地点は円環に沿った僅かの面積(線接触)となるため、グリーン上に芝の不規則突起が疎らに存在する場合にも、それらの不規則突起を適宜に回避しつつ、測定具をグリーン面の傾斜を代表するように配置することが可能となる。
好ましい実施の態様においては、前記管体からなる円環の内径は、グリーン上のホールカップよりも大径とされていてもよい。
このような構成によれば、本体を構成する円環状管体の輪の内側にカップが収まるようにして、カップを囲むように、測定具をグリーン上に配置することにより、パット周りのグリーンの傾斜態様を測定し、これにより、パットに際して問題となるカップ近傍の低速転がり状態におけるボールの挙動を的確に予測することが可能となる。
好ましい実施の態様においては、前記円環状の管体が透明素材により形成されていてもよい。
このような構成によれば、前記液溜め空所を上から覗くために、本体側に、特別な透視用開口等を設けずとも、透明な管体のどこからでも、前記液溜め空所を上から覗くことが可能となる。
好ましい実施の態様においては、前記液溜め空所の底に相当する内面には光の乱反射を促進する反射性が付与されていてもよい。
このような構成によれば、液溜め空所の底面からの乱反射光の光量を増すことにより、着色液体の有する光量減衰特性の調整とも相まって、光のグラデーションにおけるダイナミックレンジを拡大することができる。
好ましい実施の態様においては、前記本体には、前記液溜め空所内へと着色液体を注入するための止め栓付きの注入口が設けられていてもよい。
このような構成によれば、着色液体の注入量、着色液体の色彩、着色液体の流動性、着色液体の光減衰度等々の着色液体に関する性質を、メーカーの側のみならず、ユーザの側においても自由に選択することが可能となる。
好ましい実施の態様においては、前記本体には、前記円環状の液溜め空所内へと着色液体を注入するための止め栓付きの注入口が設けられ、かつ前記本体には、前記円環状の液溜め空所が前記円環のなす面が垂直となるような起立姿勢のとき、注入されるべき着色液体の最適液面又液面範囲を示す目盛が設けられていてもよい。
このような構成によれば、前記円環状の液溜め空所内への着色液体の注入作業が容易となる。すなわち、円環状液溜め空所内への着色液体最適注入量は、当該円環状液溜め空所が水平姿勢にあるとき、想定されるグリーン面の傾斜角度範囲において、溜められた着色液体に十分な深さ変動が生ずるように調整されねばならない。しかし、このような深さ調整を円環状液溜め空所の水平姿勢のままで行うとすれば、円環を含む平面に対する垂直方向の高さ範囲での深さ微調整となり容易ではない。これに対して、これを垂直姿勢で行うと、円環を含む面に方向の高さ範囲での深さ調整となり、調整作業は円環の直径範囲での深さ調整となり、しかも適量は液量と目盛りとの照合作業となって一層用意となる。
別の一面から見た本発明は、前記いずれかに記載のグリーンの傾斜測定具の製造に使用される部品として、捉えることもできる。すなわち、この部品は、前記本体と、前記本体の内部に設けられ、かつ前記本体が水平なグリーン面上に置かれたとき、均一な深さとなるように液体を溜めることができる液溜め空所と、前記液溜め空所内へと着色液体を注入するための止め栓付きの注入口とを包含し、かつ前記本体には、前記液溜め空所を上から覗くことができるように透明領域が設けられている、ものであって、着色液体は未だ注入されていない。
このような部品であれば、購入後、好みの色や性質を有する着色液体を適量注入するだけで、本発明に係るグリーンの傾斜測定具を製作することができる。
本発明によれば、グリーン面の任意の領域における全体としての傾斜程度及び傾斜方位を、視覚を通じて容易に理解させることが可能となる。
図1は、本体を円環状管体により構成してなる傾斜測定具の説明図である。 図2は、本体に注入される液量の説明図である。 図3は、傾斜測定具の作用説明図である。 図4は、本発明の原理説明図(推定)である。 図5は、本体を円環状管体により構成するメリットの説明図である。 図6は、傾斜方位別の色のグラデーション態様を示す説明図である。 図7は、ホール周りの傾斜を測定する場合の説明図である。 図8は、傾斜度別の色のグラデーション態様を示す説明図である。 図9は、着書液体の注入に関する説明図である。 図10は、管体断面の変形例を示す説明図である。 図11は、傾斜測定具の作用説明図(円形の液溜め空所の場合)の説明図である。
以下に、本発明に係るグリーンの傾斜測定具の好適な実施の一形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
[発明の構成]
本発明に係るグリーンの傾斜測定具は、本体と、前記本体の内部に設けられ、かつ前記本体が水平なグリーン面上に置かれたとき、均一な深さとなるように液体を溜めることができる液溜め空所と、前記液溜め空所に溜められる光透過性の着色液体とを包含し、前記本体には、前記液溜め空所を上から覗くことができるように透明領域が設けられており、それにより、傾斜度合いを知りたい被測定グリーン面に前記本体を置いて、前記透明領域を通して前記液溜め空所を上から覗くと、前記液溜め空所内に溜められた着色液体の深さによる光透過率の相違により、被測定グリーン面の傾斜度合いに応じた色濃度変化率を有する色のグラデーションが傾斜方位に沿って現れる、ことを特徴とするものである。
このように、本体としての要件は、「本体が水平なグリーン面上に置かれたとき、均一な深さとなるように液体を溜めることができる液溜め空所を有し、かつこの液溜め空所を上から覗くことができるように透明領域を有する」ことである。そうすると、この要件を満足する限り、本体に関しては、具体的には、様々な形状、構造、及び材質のものを採用することができる。
[実施例の構成]
一例として、本体を円環状管体により構成してなるグリーンの傾斜測定具の説明図が図1に示されている。同図に示されるよう、この傾斜測定具1は、プラスチック製の無色透明な円環状管体2aからなる本体2を有する。
円環状管体2aを構成する管体の断面形状及びサイズは、単位長さ当たり溜められる着色液体の深さや管体の強度などを考慮して決定され、この例にあっては、外径D2(図1(a)参照)は約15mm、肉厚は約1mmの断面真円状の管体とされている。
円環状管体2aを構成する円環の内径D1(図1(b)参照)は、後述するカップ周りの傾斜測定の便宜、グリーン上に持ち運ぶ際の携行の便宜、色のグラデーションによる傾斜態様の直観的な理解の便宜などを考慮して決定され、この例にあっては、内径D1は約200mm(>カップ径108mm)とされている。そして、これだけの内径があれば、カップを取り囲むようにグリーン上に設置して(図7参照)、カップ周りの傾斜測定が可能となる。また、グリーン面の任意の位置に置かれたときにも、想定される傾斜角度において明瞭な色のグラデーション(図3(a)参照)を出現させることができる。さらに、グリーン上の持ち運びにもサイズ的に支障を来すことがない。本発明者等の研究によれば、円環の内径D1は、カップ周りの測定の便宜並びにキャリーバッグに入れての搬送の便宜を考慮すると、150mm〜300mm程度が好ましいとの知見が得られた。
本体2を円環状管体2aにて構成した場合、その内部にある円環状空間は液溜め空所3として機能する(図1(b)参照)。この液溜め空所3内には、図1(b)に示されるように、着色液体4が適当な深さまで溜められる。この円環状管体2aを水平なグリーン上に横に寝かせて置くと、液溜め空所3に溜められた着色液体4の深さは均一になる(図1(b)及び図2(a)参照)。
本体2を構成する円環状管体2aの材質は無色透明なプラスチックであるから、液溜め空所3に溜められた着色液体4は、図1(a)に示されるように、透明な管体2aを通して、上から覗くことができる。因みに、着色液体4の深さが均一なとき、液溜め空所3に溜められた着色液体4を上から見ると、その液面は均一な濃度の色となって見える(図1(a)参照)。
着色液体4は、光透過性を有するものでなければならない。ここで言う、「光透過性」とは、完全に光を遮断する性質の着色液体を排除する意味である。同時に、円環状管体2aが傾斜したことにより、液溜め空所3内において深さ変化が生じたとき、その深さ変化に応じて底面における乱反射光の透過光量が変化するような着色液体であることを意味している。また、ここで言う「着色」とは、無彩色と有彩色との双方を含む。この例では、このような着色液体として、車両のエンジン冷却用に使用される不凍液が採用されている。当業者にはよく知られているように、様々な種別の不凍液には他の種別の不凍液との混合防止等の観点から着色剤が含まれており、その結果として、青色、赤色、黄色に着色された不凍液が存在する。本発明者の研究によれば、いずれの色の不凍液も使用可能ではあるものの、ゴルフ場のグリーンにおける視認性などの観点からは、青色の不凍液が最も好ましいとの結論が得られた。
液溜め空所3内の着色液体の量について、図2を参照して説明する。同図(a)に示されるように、液溜め空所3に溜められるべき着色液体4には、深さの漸次変化に応じて色のグラデーションが得られるために、最適量(又は範囲)が存在する。この最適量(又は範囲)は、この例にあっては、同図(b)に示されるように、液溜め空所3の全容量に比べて1/4にも満たない程度の少ない量である。すなわち、円環状管体2aを垂直姿勢に支持したとき、点P1と点P2とで挟まれる領域が着色液体4の液だまり部分である。後述するように、点P1及び点P2に相当する位置に予め目盛りを付して置くことにより、着色液体注入時の目安とすることができる。
[実施例の基本的な作用]
次に、以上の構成よりなる傾斜測定具1の作用について説明する。傾斜測定具の作用説明図が図3に示されている。なお、同図においては、作用説明の便宜のために、各部の寸法は幾分誇張されていることに注意されたい。
本体2を構成する円環状管体2aが水平なグリーン面上に置かれたとき、液溜め空所3内に溜められた着色液体4の深さは全面に亘り均一となる(図1(b)、図2(a)参照)。そうすると、任意の方向から液面に入射した入射光5のうち、底面3aで乱反射して、人の目7に届く乱反射光6は(図4参照)、液層を通過する間に、液面全面に亘り均一に減衰して人の目7に届くことから、透明領域(管体2aの管壁)を通して液溜め空所3を上から覗くと、着色液体4の表面は、液面全体(円環の全周)に亘り均一な濃度の色に見える(図1(a)参照)。この液面全体に亘り均一な濃度の色に見えることから、利用者は、被測定グリーン面が水平であることを直観的に認識することができる。
これに対して、図3(b)に示されるように、本体2を構成する円環状管体2aが傾斜したグリーン面8上に置かれたとき、液溜め空所3内に溜められた着色液体4の深さは、傾斜方位において最も低い部分(同図中左端部)が深く、最も高い部分(同図中右端部)が浅くなり、それらの中間の高さの部分は中間の深さとなる。そうすると、任意の方向から液面に入射した入射光5のうち、底面3aで乱反射して、人の目7に届く乱反射光6は、液層を通過する間に、深い部分(d1)では相対的に大きな減衰量をもって(図4(a)参照)、他方浅い部分(d2)では相対的に小さな減衰量をもって(図4(b)参照)減衰したのち、人の目7に届くことから、透明領域(管体2aの管壁)を通して液溜め空所3を上から覗くと、着色液体4の表面は、図3(a)に示されるように、最も深い部分が最濃色C1(乃至暗色)、最も浅い部分が最淡色C2(乃至明色)、それらの中間深さ部分については、それらの中間濃度の色C3となる。その結果、着色液体4の表面は、傾斜方位において最も低い部分が最濃色C1(乃至暗色)、最も高い部分が最淡色C2(乃至明色)、それらの中間高さ部分については、それらの中間濃度の色C3となって、図3(a)に示されるように、傾斜方位に沿った色の(明度の)グラデーションがみえる。この色のグラデーションが見えることから、利用者は、最濃色C1(乃至暗色)部と最淡色C2(乃至明色)部とを結ぶ直線より傾斜方位を直観的に認識することができると共に(図6参照)、色のグラデーションにおける色の変化率の大小により傾斜度合いを直観的に認識することができる(図8参照)。
このようにして、グリーン面の任意の領域における全体としての傾斜程度及び傾斜方位を、視覚を通じて直観的に理解させることが可能となる。
[円環状管体の作用]
本体2として円環状管体2aを採用したことから、円環により囲まれる内部が空間となって、一層の軽量化が図られることに加えて、グリーン面8との接地は全方位均一となる一方、その接地点は円環に沿った僅かの面積(ほぼ線接触)となるため、図3(b)に示されるように、グリーン上に芝の不規則突起8aが疎らに存在する場合にも、それらの不規則突起8aを適宜に回避しつつ、測定具1をグリーン面8の傾斜を代表するように配置することが可能となる。換言すれば、図5に示されるように、本体2として、図中仮想線に示されるような板状構造のものが採用されたとすれば、本体2はグリーン上の芝の不規則突起8aに突き上げられるようにして、浮き上がってしまい、測定具1をグリーン面8の傾斜を代表するように配置するのが、場合によっては、困難になる虞もある。
また、円環状管体2aにおける円環の内径D1を、グリーン上のホールカップの直径よりも大径としたことにより、図7に示されるように、本体2を構成する円環状管体2aの輪の内側にカップ9が収まるようにして、カップ9を取り囲むように、測定具1をグリーン8上に配置することで、カップ周りのグリーンの傾斜態様を測定し(図8参照)、これにより、パットに際して問題となるカップ近傍の低速転がり状態におけるボールの挙動を的確に予測することが可能となる。なお、図8(a)〜(c)は、カップ周りのグリーンにおいて、傾斜方位が一定のとき、傾斜角度により、色のグラデーションがどのように違うかを示す説明図である。
[注入口付き円環状管体の変形例]
以上の実施例では、着色液体4は円環状管体2a内に封入済みとして説明したが、ユーザの側で着色液体4を注入できるようにしてもよい。図9には、このような構造の円環状管体2aの要部が示されている。この例にあっては、円環状管体2aを構成する円環の一部を切り開き、それらの開口端を結合部材2bの両端小径部に外嵌させることで円環を完成するとともに、この結合部材2bに注入口2cを開口して、栓2dで閉塞可能としたものである。
このような構成によれば、着色液体が満たされた容器10から注入口2cへと着色液体を適量だけ注入することができる。先に説明したように、このとき、図2に示されるように、点P1及び点P2に、最適注入量又は適量範囲を示す目盛りを設けておけば、着色液体注入作業を容易に行うことができる。
[管体断面の変形例]
以上の実施例では、円環状管体2aの断面は真円形としたが、これに代えて、上下に細長い長円形としたり(図10(a)の管体2'参照)、水平な底面を有する矩形(図10(b)の管体2"参照)としてもよい。また、それら断面の底面に相当する領域に、乱反射を促進する反射体11を設ければ(図10(そ)の管体2',2"参照)、底面からの乱反射光を増強することで、より明瞭な色のグラデーションを出現させることができる。なお、この反射帯11は反射性塗料(例えば、白色塗料)でもよいし、また底板の外側に設けてもよい。
[他の実施例]
他の実施例を図11を参照して説明する。同図に示される傾斜測定具1は、比較的薄い矩形状の本体20を有する。この本体20は、中央に円形の液溜め空所30を有する基台20bと透明なカバー20aとを上下に重ねて結合することで構成されている。液溜め空所30内には、光透過性の着色液体4が適当な量だけ溜められている。
このような構成によれば、傾斜したグリーン面8に置かれれば、着色液体4の偏りにより、深さの漸次変化が生ずるから、先の実施例の場合と同様にして、透明カバー20aを通して、液溜め空所30を覗けば、傾斜方位(矢印A参照)に沿って色のグラデーションが出現するから、グリーンの傾斜方向並びに傾斜度合いを直観的に認識することができる。
[円環状管体の製造方法]
円環状管体2aの製造方法としては、様々なものが存在する。もっとも、簡単なものとしては、比較期に剛性の高い無色透明なプラスチックホースを環状に形成し、着色液体を注入封止したのち、2つの開口端を所定の結合部材を介して外嵌固定するものである。その他、プラスチック成形技術を用いるものとしては、一部を切り開かれた環状管体を射出成形により形成して、注入口付きの結合部材を介して、開口端同士を結合して、円環状管体を完成し、ユーザの側で着色液体を注入したのち、適宜の栓で封止するもの、上下に2分割された2つの円形半体を樹脂成形したのち、両者を重ねて結合するもの等々を挙げることができる。
本発明によれば、グリーン面の任意の領域における全体としての傾斜程度及び傾斜方位を、視覚を通じて直観的に理解させることが可能となる。そのため、この傾斜測定具を利用して、例えば、練習ラウンドなどにおいて、各ホールのグリーン各部の傾斜態様を予め知っておくことにより、試合においても、ボールの挙動を的確に予測することが可能となる。
1 傾斜測定具
2 本体
2a 円環状管体
2a' 円環状管体の変形例
2a" 円環状管体の変形例
3 液溜め空所
3a 液溜め空所の底面
4 着色液体
5 任意の方角から到来する入射光
6 人の目の方向へ向かう乱反射光
7 人の目
8 グリーン表面
8a 芝の不規則突部
9 ホールカップ
9a ポール挿入孔
10 着色液体の容器
11 乱反射を促進する反射帯
12 ポール
20 本体(変形例)
20a 透明カバー
20b 基体
30 液溜め空所の変形例
d1 溜められた着色液体の深さ
d2 溜められた着色液体の深さ
A 降下方向を示す矢印
B 降下方向を示す矢印
C1 最濃色部
C2 最淡色部
C3 中間濃色部
P1 最適液量表示マークの付される位置
P2 最適液量表示マークの付される位置
本発明のさらなる特徴としては、前記液溜め空所が、前記本体が水平面上に載置されたとき、円環のなす面が水平となる円環状となるようにしている。
本発明のさらなる特徴としては、前記本体が、前記円環状の液溜め空所を内部に有する円環状の管体である。
本発明のさらなる特徴としては、前記管体からなる円環の内径は、グリーン上のホールカップよりも大径とされている。

Claims (9)

  1. 本体と、
    前記本体の内部に設けられ、かつ前記本体が水平なグリーン面上に置かれたとき、均一な深さとなるように液体を溜めることができる液溜め空所と、
    前記液溜め空所に溜められる光透過性の着色液体とを包含し、
    前記本体には、前記液溜め空所を上から覗くことができるように透明領域が設けられており、
    それにより、傾斜度合いを知りたい被測定グリーン面に前記本体を置いて、前記透明領域を通して前記液溜め空所を上から覗くと、前記液溜め空所内に溜められた着色液体の深さによる光透過率の相違により、被測定グリーン面の傾斜度合いに応じた色濃度変化率を有する色のグラデーションが傾斜方位に沿って現れる、ことを特徴とするグリーンの傾斜測定具。
  2. 前記液溜め空所が、前記本体が水平面上に載置されたとき、円環のなす面が水平となる円環状である、ことを特徴とする請求項1に記載のグリーンの傾斜測定具。
  3. 前記本体が、前記円環状の液溜め空所を内部に有する円環状の管体である、ことを特徴とする請求項2に記載のグリーンの傾斜測定具。
  4. 前記管体からなる円環の内径は、グリーン上のホールカップよりも大径とされている、ことを特徴とする請求項3に記載のグリーンの傾斜測定具。
  5. 前記円環状の管体が透明素材により形成されている、ことを特徴とする請求項4に記載のグリーンの傾斜測定具。
  6. 前記液溜め空所の底に相当する内面には光の乱反射を促進する反射性が付与されている、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のグリーンの傾斜測定具。
  7. 前記本体には、前記液溜め空所内へと着色液体を注入するための止め栓付きの注入口が設けられている、ことを特徴とする請求項1〜7に記載のグリーンの傾斜測定具。
  8. 前記本体には、前記円環状の液溜め空所内へと着色液体を注入するための止め栓付きの注入口が設けられ、かつ前記本体には、前記円環状の液溜め空所が前記円環のなす面が垂直となるような起立姿勢のとき、注入されるべき着色液体の最適液面又液面範囲を示す目盛が設けられている、ことを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載のグリーンの傾斜測定具。
  9. 前記請求項1〜9のいずれかに記載のグリーンの傾斜測定具の製造に使用される部品であって、
    前記本体と、
    前記本体の内部に設けられ、かつ前記本体が水平なグリーン面上に置かれたとき、均一な深さとなるように液体を溜めることができる液溜め空所と、
    前記液溜め空所内へと着色液体を注入するための止め栓付きの注入口とを包含し、かつ
    前記本体には、前記液溜め空所を上から覗くことができるように透明領域が設けられている、ことを特徴とするグリーンの傾斜測定具の部品。
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