JP2015169410A - 冷凍装置ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成で、製品コストを抑えることのできる冷凍装置ユニット及び継ぎ配管部品の提供。【解決手段】冷凍装置ユニットは、圧縮機と、第1金属製の第1配管と、熱交換器と、第2金属製の第2配管と、継ぎ配管部品と、を備える。第1配管は、圧縮機から延びている。第2配管は、熱交換器から延びている。継ぎ配管部品は、第1金属製の第1部の第1部接合側端部と、第2金属製の第2部の第2部接合側端部61とが接合されている。また、継ぎ配管部品は、第1部の第1部配管側端部が第1配管に接続される。さらに、継ぎ配管部品は、第2部の第2部配管側端部が第2配管に接続される。そして、第1部接合側端部と第2部接合側端部61との接合部41には、接合部41を覆うようにセラミック系溶射皮膜42が形成されている。【選択図】図3
Description
本発明は、冷凍装置ユニット及び冷凍装置ユニットの備える継ぎ配管部品に関する。
従来より、冷凍装置として、異種金属よりなる配管同士が接続された構成のものがある。ここで、配管に採用される金属の種類によっては、冷凍装置として使用されている間に、外部から接続部分に水が付着することで接続部分が腐食してしまうことがある。そこで、この接続部分の腐食を防止するために、例えば特許文献1(特開平8−267228号公報)では、異種金属よりなる配管同士を、ステンレス部材を介して接続している。
ところで、ステンレスは比較的高価であることから、ステンレスを使用せずに異種金属よりなる配管同士の接続部分の腐食を防止することが製品のコストダウンの観点で望ましい。
そこで、本発明の課題は、簡易な構成で、製品コストを抑えることのできる冷凍装置ユニット及び継ぎ配管部品を提供することにある。
本発明の第1観点に係る冷凍装置ユニットは、圧縮機と、第1金属製の第1配管と、熱交換器と、第2金属製の第2配管と、継ぎ配管部品と、を備える。第1配管は、圧縮機から延びている。第2配管は、熱交換器から延びている。継ぎ配管部品は、第1金属製の第1部の一端側の端部と、第2金属製の第2部の一端側の端部とが接合されている。また、継ぎ配管部品は、第1部の他端側の端部が第1配管に接続される。さらに、継ぎ配管部品は、第2部の他端側の端部が第2配管に接続される。そして、第1部の一端側の端部と第2部の一端側の端部との接合部には、接合部を覆うようにセラミック系溶射皮膜が形成されている。
本発明者は、異種金属同士を接合した接合部を簡易に防食する手段として、溶射を施すことにより接合部に皮膜を形成することを考えた。そして、本発明者は、鋭意検討した結果、溶射皮膜の材料としてセラミック系材料が異種金属同士の接合部の防食に適していることを見いだした。
そこで、本発明の第1観点に係る冷凍装置ユニットでは、異種金属同士が接合された継ぎ配管部品の接合部を覆うようにセラミック系溶射皮膜が形成されている。このため、接合部の腐食を効果的に防止することができる。また、接合部を保護する手段として、溶射による皮膜形成手段を採っているため、簡易に接合部を保護することができる。
これにより、簡易な構成で、製品コストを抑えることができる。
本発明の第2観点に係る冷凍装置ユニットは、第1観点の冷凍装置ユニットにおいて、第1金属は、銅である。第2金属は、アルミニウムである。この冷凍装置ユニットでは、銅製の第1配管とアルミニウム製の第2配管とが接続される。
ここで、銅製の第1部とアルミニウム製の第2部との接合部では、アルミニウム製の第2部に腐食が生じやすい。しかしながら、本発明では、接合部がセラミック系溶射皮膜で覆われているため、アルミニウム製の第2部の腐食を効果的に防止することができる。
なお、ここでいう銅には銅及び銅合金が含まれており、アルミニウムには、アルミニウム及びアルミニウム合金が含まれるものとする。
本発明の第3観点に係る冷凍装置ユニットは、第1観点又は第2観点の冷凍装置ユニットにおいて、接合部におけるセラミック系溶射皮膜の厚さは、100乃至500μmである。この冷凍装置ユニットでは、接合部におけるセラミック系溶射皮膜の厚さが100μm以上あるため、接合部に外部から水が侵入するおそれを低減することができる。
本発明の第4観点に係る冷凍装置ユニットは、第1観点から第3観点のいずれかの冷凍装置ユニットにおいて、第1部の一端側の端部と第2部の一端側の端部とは、ロウ材を用いたロウ付けにより接合されている。そして、第1部の一端側の端部及び/又は第2部の一端側の端部から第1部の一端側の端部外面及び/又は第2部の一端側の端部外面にはみ出たロウ材を少なくとも覆うようにセラミック系溶射皮膜が形成されている。このため、この冷凍装置ユニットでは、第1部の一端側の端部外面及び/又は第2部の一端側の端部外面にはみ出たロウ材部分から接合部に水が侵入するおそれを低減することができる。
本発明の第5観点に係る冷凍装置ユニットは、第1観点から第4観点のいずれかの冷凍装置ユニットにおいて、第1部の一端側の端部及び第2部の一端側の端部のうちのいずれか一方の端部は、他方の端部の外径よりも大きくなるように拡管されている。また、接合部は、一方の端部の内部に他方の端部が挿入された状態で接合されている。そして、一方の端部の外周端縁におけるセラミック系溶射皮膜の厚さは、100乃至500μmである。
ここで、拡管された一方の端部の内部に他方の端部が挿入された状態で接合されている接合部において、接合部を覆うような皮膜を塗装により形成する場合、一方の端部の外周端縁に形成される皮膜は他の部分よりも薄くなりやすくかつ剥がれやすい傾向にあるため、該外周端縁において皮膜の厚さをある程度確保するためには皮膜形成作業が煩雑になる。
そこで、本発明の第5観点に係る冷凍装置ユニットでは、溶射により接合部に皮膜が形成されるため、一方の端部の外周端縁であっても皮膜の厚さを簡易に100μm以上に形成することができる。また、一方の端部の外周端縁におけるセラミック系溶射皮膜の厚さが100μm以上あるため、一方の端部の外周端縁付近を保護することができる。
本発明の第6観点に係る冷凍装置ユニットは、第1観点から第5観点のいずれかの冷凍装置ユニットにおいて、第1部の一端側の端部のロウ材との接触面及び/又は第2部の一端側の端部のロウ材との接触面にフラックスを塗布して、或いはフラックスを含むロウ材を用いて、第1部の一端側の端部と第2部の一端側の端部とがロウ付けにより接合されることで、接合部にはロウ材融着層が形成されている。そして、セラミック系溶射皮膜は、ロウ材融着層の直上に形成されている。
ここで、現在用いられている非腐食性フラックスは除去し難い傾向にあり、また、塗装により接合部に皮膜を形成する場合、ロウ材融着層にフラックスが残留していると、皮膜材料がロウ材融着層に乗りにくい傾向にあり、密着性を担保することが難しい。したがって、塗装により接合部に皮膜を形成する場合には、密着性を担保するために、皮膜を形成する前にフラックスを除去する操作が必要になり、製造コストの増加につながる。
そこで、本発明の第6観点に係る冷凍装置ユニットでは、セラミック系溶射皮膜がロウ材融着層の直上に形成される。この冷凍装置ユニットでは、溶射により接合部に強固に皮膜が形成されるため、ロウ材融着層にフラックスが残留しているか否かに拘わらず、皮膜をロウ材融着層の直上に形成することができる。
これにより、フラックス除去による製造コストの増加を防止し、かつ簡易に接合部に皮膜を形成することができる。
本発明の第7観点に係る継ぎ配管部品は、第1観点の継ぎ配管部品であって、接合部を覆うようにセラミック系溶射皮膜が形成された後に、第1配管及び第2配管に接続される。この継ぎ配管部品では、接合部にセラミック系溶射皮膜が形成された後に、第1部の他端側の端部が第1配管に接続され、第2部の他端側の端部が第2配管に接続される。このため、接合部にセラミック系溶射皮膜が形成された状態で、第1配管及び第2配管に接続することができる。
本発明の第1観点に係る冷凍装置ユニットでは、簡易な構成で、製品コストを抑えることができる。
本発明の第2観点に係る冷凍装置ユニットでは、アルミニウム製の第2部の腐食を効果的に防止することができる。
本発明の第3観点に係る冷凍装置ユニットでは、接合部に外部から水が侵入するおそれを低減することができる。
本発明の第4観点に係る冷凍装置ユニットでは、第1部の一端側の端部外面及び/又は第2部の一端側の端部外面にはみ出たロウ材部分から接合部に水が侵入するおそれを低減することができる。
本発明の第5観点に係る冷凍装置ユニットでは、一方の端部の外周端縁であっても皮膜の厚さを簡易に100μm以上に形成することができ、かつ一方の端部の外周端縁付近を保護することができる。
本発明の第6観点に係る冷凍装置ユニットでは、フラックス除去による製造コストの増加を防止し、かつ簡易に接合部に皮膜を形成することができる。
本発明の第7観点に係る継ぎ配管部品では、接合部にセラミック系溶射皮膜が形成された状態で、第1配管及び第2配管に接続することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る冷凍装置ユニット100について説明する。なお、本発明に係る冷凍装置ユニット100の実施形態は、以下に説明する実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(1)冷凍装置ユニット100の構成
図1は、冷凍装置の構成の概略を示す冷媒回路図である。冷凍装置は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うことによって、冷房運転及び暖房運転等の各種運転を行う。なお、図1に示す冷凍装置は、1台の室外機20と1台の室内機10とが冷媒管によって接続されたいわゆるペア型の冷凍装置であるが、本発明に係る冷凍装置はこれに限定されず、1台の室外機20に複数台の室内機10が接続されたいわゆるマルチ型の冷凍装置であってもよい。
図1は、冷凍装置の構成の概略を示す冷媒回路図である。冷凍装置は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うことによって、冷房運転及び暖房運転等の各種運転を行う。なお、図1に示す冷凍装置は、1台の室外機20と1台の室内機10とが冷媒管によって接続されたいわゆるペア型の冷凍装置であるが、本発明に係る冷凍装置はこれに限定されず、1台の室外機20に複数台の室内機10が接続されたいわゆるマルチ型の冷凍装置であってもよい。
図1に示すように、冷凍装置の冷媒回路では、圧縮機21と、四路切替弁22と、外気と熱交換を行う熱源側熱交換器23と、膨張機構24と、内気と熱交換を行う利用側熱交換器11と、が冷媒管によって順に接続されている。室外機20内には、圧縮機21、四路切替弁22、熱源側熱交換器23、室外ファン25及び膨張機構24等が収納されており、室内機10内には利用側熱交換器11及び室内ファン12等が収納されている。
冷媒回路の冷媒管には、第1金属を主成分とする第1配管30と、第2金属を主成分とする第2配管31とが含まれる。そして、冷凍装置ユニット100は、冷凍装置の有する圧縮機21及び熱源側熱交換器23の他に、継ぎ配管部品40を備えており、圧縮機21から延びる第1配管30と熱源側熱交換器23から延びる第2配管31とが継ぎ配管部品40によって接続されている。
(2)詳細構成
(2−1)圧縮機21
圧縮機21は、例えば回転数が可変なインバータ式の圧縮機であって、吸入したガス冷媒を圧縮するためのものである。圧縮機21の吐出部及び吸入部には、第1金属製の第1配管30が接続されている。なお、本実施形態の第1金属は、銅又は銅合金であるものとする。
(2−1)圧縮機21
圧縮機21は、例えば回転数が可変なインバータ式の圧縮機であって、吸入したガス冷媒を圧縮するためのものである。圧縮機21の吐出部及び吸入部には、第1金属製の第1配管30が接続されている。なお、本実施形態の第1金属は、銅又は銅合金であるものとする。
(2−2)熱源側熱交換器23
熱源側熱交換器23は、冷凍装置において蒸発器及び/又は凝縮器として利用することができる熱交換器である。熱源側熱交換器23としては、例えば冷媒流路の内径が小さい熱交換器、いわゆるマイクロチャネル熱交換器等が挙げられる。また、熱源側熱交換器23への冷媒の流入部及び流出部には、第2金属製の第2配管31が接続されている。なお、本実施形態の第2金属は、アルミニウム又はアルミニウム合金であるものとする。
熱源側熱交換器23は、冷凍装置において蒸発器及び/又は凝縮器として利用することができる熱交換器である。熱源側熱交換器23としては、例えば冷媒流路の内径が小さい熱交換器、いわゆるマイクロチャネル熱交換器等が挙げられる。また、熱源側熱交換器23への冷媒の流入部及び流出部には、第2金属製の第2配管31が接続されている。なお、本実施形態の第2金属は、アルミニウム又はアルミニウム合金であるものとする。
(2−3)継ぎ配管部品40
図2は、継ぎ配管部品40の断面図である。図3は、継ぎ配管部品40の断面拡大図である。図4は、継ぎ配管部品40の拡径部53付近の断面拡大図である。継ぎ配管部品40は、異種金属製の配管同士を接続するための部品であって、本実施形態では、第1金属製の第1配管30と第2金属製の第2配管31とを接続する。
図2は、継ぎ配管部品40の断面図である。図3は、継ぎ配管部品40の断面拡大図である。図4は、継ぎ配管部品40の拡径部53付近の断面拡大図である。継ぎ配管部品40は、異種金属製の配管同士を接続するための部品であって、本実施形態では、第1金属製の第1配管30と第2金属製の第2配管31とを接続する。
継ぎ配管部品40は、第1金属製の第1部50と、第2金属製の第2部60と、を有する。すなわち、本実施形態の第1部50は第1配管30と同じく銅又は銅合金からなり、本実施形態の第2部60は第2配管31と同じくアルミニウム又はアルミニウム合金からなる。また、本実施形態の第1部50及び第2部60は、いずれも管状の部材であって、第1部50の一端側の端部(以下、第1部接合側端部51という)と第2部60の一端側の端部(以下、第2部接合側端部61という)とが接合されており、第1部50の他端側の端部(以下、第1部配管側端部52という)が第1配管30に接続されており、第2部60の他端側の端部(以下、第2部配管側端部62という)が第2配管31に接続されている。
第1部接合側端部51は、第2部接合側端部61との接続に用いられる拡径部53を有する。拡径部53は、その内径が第2部接合側端部61の外径よりも大きくなるように拡管されている。そして、第1部接合側端部51の内部に第2部接合側端部61が挿入された状態で、第1部接合側端部51と第2部接合側端部61とが接合されている。具体的には、拡径部53の開口端から拡径部53の基端側に向かって第2部接合側端部61が挿入された状態で接合されている。基端とは、拡径部53と拡径部53に隣接する隣接部54との境界部分であり、内径が変わる部位である。
拡径部53は、例えば、第1部接合側端部51をフレア加工することによって形成されている。なお、拡径部53の深さ、すなわち拡径部53の内周面の鉛直方向の長さは、第1部接合側端部51と第2部接合側端部61との接合面積を十分に確保できるように設計されている。また、第1部50及び第2部60のサイズは特に限定されるものではないが、冷媒が継ぎ配管部品40内を流れる際の抵抗を軽減する観点から、第1部50の隣接部54の内径と第2部60の内径とがほぼ同程度に設計されることが好ましい。
さらに、本実施形態では、第1部接合側端部51と第2部接合側端部61とは、ロウ材を用いたロウ付けにより接合されている。第1部接合側端部51と第2部接合側端部61とがロウ付けされることで、第1部接合側端部51と第2部接合側端部61との接合部41にはロウ材融着層43が形成されている。図3に示すように、ロウ材融着層43は、拡径部53の内面と第2部接合側端部61の外面との間に介在している。第2部接合側端部61の外面には、第2部接合側端部61の外周面と、第2部接合側端部61の先端面とが含まれる。拡径部53の内面には、拡径部53の内周面と、第2部接合側端部61の先端面に対向する拡径部53の段差面と、拡径部53の先端面とが含まれる。なお、本実施形態では、拡径部53の内周面と隣接部54の内周面とをつなぐ段差面が、傾斜している。そして、ロウ材融着層43は、拡径部53の内面のほぼ全域と第2部接合側端部61の外面のほぼ全域とを覆うように配設されている。
なお、ロウ材としては、第1金属又は第2金属を主成分とするものを用いることができるが、本実施形態では、アルミニウムを主成分とするロウ材であって、ロウ材と第1部接合側端部51との接合性を高めるためにフラックスを含むロウ材が用いられているものとする。なお、必ずしもロウ材にフラックスが含まれている必要はなく、また、フラックスを含まないロウ材を用いる場合には拡径部53のロウ材との接触面である拡径部53の内面及び/又は第2部接合側端部61のロウ材との接触面である第2部接合側端部61の外面にフラックスが塗布されていてもよい。
また、継ぎ配管部品40において、接合部41には、接合部41を覆うようにセラミック系溶射皮膜42が形成されている。セラミック系溶射皮膜42は、第1部接合側端部51と第2部接合側端部61とがロウ付けにより接合された後にセラミック系材料が接合部41に溶射されることで形成される。このため、セラミック系溶射皮膜42は、第2部接合側端部61の外周面のうち拡径部53に嵌っていない部分、拡径部53の先端面にはみ出したロウ材融着層43、拡径部53の先端面のうちロウ材融着層43が形成されていない部分、及び拡径部53の外周面に形成される。したがって、セラミック系溶射皮膜42は、ロウ材融着層43の直上に形成されているといえる。
また、本実施形態では、接合部41を覆うようにセラミック系溶射皮膜42が形成された後に、第1部配管側端部52が第1配管30に接続され、第2部配管側端部62が第2配管31に接続される。
ところで、接合部41の周囲を覆うように形成される皮膜の厚さは、接合部41の耐食性に影響を与える。そこで、本実施形態では、皮膜の厚さが100μm以上となるように設定されている。一方、皮膜の厚さを大きくすることで、製造コストが増加することになる。このため、耐食性を確保し、かつ製造コストの増加をおさえる観点から、皮膜の厚さは、100乃至500μmの範囲内にあることが好ましい。
また、拡径部53の外周端縁(エッジ部分)からの水の侵入を防ぐために、本実施形態では、拡径部53の外周端縁における皮膜の厚さtとして、100μm以上の厚さが確保されるように設計されている。
(3)耐食性評価試験
図5は、実施例及び比較例における耐食性評価試験実施後の結果を示す図である。なお、図5(a)は実施例の結果を示しており、図5(b)は比較例1の結果を示しており、図5(c)は比較例2の結果を示しており、図5(d)は比較例3の結果を示している。
図5は、実施例及び比較例における耐食性評価試験実施後の結果を示す図である。なお、図5(a)は実施例の結果を示しており、図5(b)は比較例1の結果を示しており、図5(c)は比較例2の結果を示しており、図5(d)は比較例3の結果を示している。
耐食性評価試験は、銅製の管とアルミニウム製の管とを本実施形態のロウ材を用いてロウ付けにより接合した試験品の接合部の周囲に所定材料を溶射して該接合部の周囲を覆うように所定材料の溶射皮膜を形成したものに対して、塩水噴霧を5年間相当時間継続することで行った。
実施例では、所定材料をアルミナ及び酸化チタンよりなるセラミック系材料とし、試験品の接合部の周囲を覆うようにセラミック系溶射皮膜を形成した。
比較例1では、所定材料をNi−Cr系材料とし、試験品の接合部の周囲を覆うようにNi−Cr系溶射皮膜を形成した。
比較例2では、所定材料をNi−Al系材料とし、試験品の接合部の周囲を覆うようにNi−Al系溶射皮膜を形成した。
比較例3では、所定材料を亜鉛とし、試験品の接合部の周囲を覆うように亜鉛溶射皮膜を形成した。
表1は、実施例及び比較例1−3における耐食性評価試験での耐食性の結果を示したものである。図5及び表1によると、塩水噴霧を5年間相当時間継続した後の結果は、実施例については健全であったが、比較例1−3についてはいずれもアルミニウム管が極端に腐食した。比較例1の溶射皮膜はその一部に膨れや亀裂が生じており、比較例2の溶射皮膜はその一部が剥がれ落ちており、比較例3の溶射皮膜は全体的に腐食し、孔食のようなものが生じた。比較例1,2では、溶射皮膜の隙間から水が侵入したためにアルミニウム管が電食したと考えられ、比較例3では、溶射皮膜である亜鉛が全体的に均一でないために水が溜まり腐食が生じたと考えられる。
これらの結果から、異種金属よりなる配管同士の接合部を覆うように形成する皮膜としては、実施例のようなセラミック系材料の皮膜が適していることが判明した。
そして、本発明者は、継ぎ配管部品40の接合部41を覆うようにセラミック系溶射皮膜を形成することで、接合部41の腐食を効果的に防止することができるという知見を得た。このような知見を利用して、本実施形態の冷凍装置ユニットでは、第1金属製の第1部50と第2金属製の第2部60とを有する継ぎ配管部品40において、第1部接合側端部51と第2部接合側端部61との接合部41にセラミック系材料を溶射し、該接合部41の周囲にセラミック系溶射皮膜を形成するという防食手段を採用した。
なお、本発明は、本実施例のみに限定されるものではなく、所定材料がセラミック系材料であれば同様の効果が期待できる。
(4)特徴
(4−1)
冷凍装置において異種金属の配管同士が接続されている場合、その接続部分には、凝縮水や外部からの水の侵入により電食が生じることがある。これを防ぐために、ステンレス部材を用いる方法の他に、接続部分に熱収縮チューブを被せる方法もある。ところで、接続部分に熱収縮チューブを被せて接続部分の電食を防ぐ場合、熱収縮チューブ単独では耐食性が低いため、粘着材付きの熱収縮チューブが用いられることがある。しかしながら、熱収縮チューブを用いる場合には、配管径毎に熱収縮チューブの径を変える必要があり、また、粘着材付きの熱収縮チューブは特に高価であるため、製造コストの増加につながる。
(4−1)
冷凍装置において異種金属の配管同士が接続されている場合、その接続部分には、凝縮水や外部からの水の侵入により電食が生じることがある。これを防ぐために、ステンレス部材を用いる方法の他に、接続部分に熱収縮チューブを被せる方法もある。ところで、接続部分に熱収縮チューブを被せて接続部分の電食を防ぐ場合、熱収縮チューブ単独では耐食性が低いため、粘着材付きの熱収縮チューブが用いられることがある。しかしながら、熱収縮チューブを用いる場合には、配管径毎に熱収縮チューブの径を変える必要があり、また、粘着材付きの熱収縮チューブは特に高価であるため、製造コストの増加につながる。
本実施形態では、異種金属同士が接合された継ぎ配管部品40の接合部41を覆うようにセラミック系溶射皮膜42が形成されている。このため、ステンレスや熱収縮チューブを使用しなくても、接合部41の腐食を効果的に防止することができる。
また、本実施形態では、異種金属同士を接合した接合部41を保護する手段として、溶射による皮膜形成手段を採っているため、簡易に接合部41を保護することができている。
これにより、簡易な構成で、製品コストを抑えることができている。
(4−2)
銅又は銅合金製の第1部50とアルミニウム又はアルミニウム合金製の第2部60との接合部41では、アルミニウム製の第2部60に腐食が生じやすい。
銅又は銅合金製の第1部50とアルミニウム又はアルミニウム合金製の第2部60との接合部41では、アルミニウム製の第2部60に腐食が生じやすい。
本実施形態では、接合部41がセラミック系溶射皮膜42で覆われているため、アルミニウム製の第2部60の腐食を効果的に防止することができている。
(4−3)
本実施形態では、接合部41におけるセラミック系溶射皮膜42の厚さが100μm以上ある。このため、接合部41に外部から水が侵入するおそれを低減することができている。
本実施形態では、接合部41におけるセラミック系溶射皮膜42の厚さが100μm以上ある。このため、接合部41に外部から水が侵入するおそれを低減することができている。
(4−4)
本実施形態では、拡径部53の先端面にロウ材融着層43がはみ出している。そして、拡径部53の先端面にはみ出したロウ材融着層43を覆うようにセラミック系溶射皮膜42が形成されている。このため、はみ出したロウ材融着層43部分から接合部41が腐食するおそれを低減することができている。
本実施形態では、拡径部53の先端面にロウ材融着層43がはみ出している。そして、拡径部53の先端面にはみ出したロウ材融着層43を覆うようにセラミック系溶射皮膜42が形成されている。このため、はみ出したロウ材融着層43部分から接合部41が腐食するおそれを低減することができている。
(4−5)
本実施形態では、第1部接合側端部51の内部に第2部接合側端部61が挿入された状態で接合部41が接合されている。ところで、このような接合部41を覆うような皮膜を塗装により形成しようとすると、第1部接合側端部51の外周端縁に形成される皮膜は、他の部分よりも薄くなりやすくかつ剥がれやすい傾向にあることから、該外周端縁において皮膜の厚さをある程度確保するためには、皮膜形成作業が煩雑になる。
本実施形態では、第1部接合側端部51の内部に第2部接合側端部61が挿入された状態で接合部41が接合されている。ところで、このような接合部41を覆うような皮膜を塗装により形成しようとすると、第1部接合側端部51の外周端縁に形成される皮膜は、他の部分よりも薄くなりやすくかつ剥がれやすい傾向にあることから、該外周端縁において皮膜の厚さをある程度確保するためには、皮膜形成作業が煩雑になる。
本実施形態では、溶射により接合部41に皮膜が形成されるため、第1部接合側端部51の外周端縁であっても、100μm以上の厚さを有する皮膜を簡易に形成することができる。また、第1部接合側端部51の外周端縁におけるセラミック系溶射皮膜42の厚さが100μm以上あるため、第1部接合側端部51の外周端縁部分を保護することができている。
(4−6)
現在用いられている非腐食性フラックスは除去し難い傾向にあり、また、接合部41に皮膜を形成する際にロウ材融着層43にフラックスが残留していると、塗装ではセラミック系材料がのりにくいため、皮膜の形成が難しくなる。このため、塗装により接合部41に皮膜を形成する場合には、皮膜を形成する前にフラックスを除去する操作が必要になり、製造コストの増加につながる。
現在用いられている非腐食性フラックスは除去し難い傾向にあり、また、接合部41に皮膜を形成する際にロウ材融着層43にフラックスが残留していると、塗装ではセラミック系材料がのりにくいため、皮膜の形成が難しくなる。このため、塗装により接合部41に皮膜を形成する場合には、皮膜を形成する前にフラックスを除去する操作が必要になり、製造コストの増加につながる。
本実施形態では、接合部41のロウ付けに用いられるロウ材として、ロウ材と第1部接合側端部51との接合性を高めるためにフラックスを含むロウ材が用いられている。また、セラミック系材料が接合部41に溶射されることで、セラミック系溶射皮膜42がロウ材融着層43の直上に形成される。このため、ロウ材融着層43にフラックスが残留していたとしても、ロウ材融着層43の直上に強固に皮膜を形成することができる。したがって、フラックス除去操作が不要となるため、フラックス除去による製造コストの増加を防止することができる。
(5)変形例
(5−1)変形例A
上記実施形態では、第1部接合側端部51が拡管されている。
(5−1)変形例A
上記実施形態では、第1部接合側端部51が拡管されている。
これに代えて、第2部接合側端部61が拡管されており、第2部接合側端部61の内部に第1部接合側端部51が挿入された状態で接合されていてもよい。この場合、第2部接合側端部61の先端面からはみ出したロウ材融着層43がセラミック系溶射皮膜42で覆われることになる。
また、第1部接合側端部51及び第2部接合側端部61のいずれも拡管されておらず、先端面同士が接合されていてもよい。この場合、第1部接合側端部51及び第2部接合側端部61の各端面からはみ出したロウ材融着層43がセラミック系溶射皮膜42で覆われることになる。
本発明は、異種金属よりなる配管同士を接続する際に継ぎ配管部品を用いることで、簡易な構成で製品コストを抑えることができるため、異種金属よりなる配管同士を接続する冷凍装置への適用が有効である。
21 圧縮機
23 熱源側熱交換器(熱交換器)
30 第1配管
31 第2配管
40 継ぎ配管部品
41 接合部
42 セラミック系溶射皮膜
50 第1部
51 第1部接合側端部(一端側の端部)
52 第1部配管側端部(他端側の端部)
60 第2部
61 第2部接合側端部(一端側の端部)
62 第2部配管側端部(他端側の端部)
100 冷凍装置ユニット
23 熱源側熱交換器(熱交換器)
30 第1配管
31 第2配管
40 継ぎ配管部品
41 接合部
42 セラミック系溶射皮膜
50 第1部
51 第1部接合側端部(一端側の端部)
52 第1部配管側端部(他端側の端部)
60 第2部
61 第2部接合側端部(一端側の端部)
62 第2部配管側端部(他端側の端部)
100 冷凍装置ユニット
Claims (7)
- 圧縮機(21)と、
前記圧縮機から延びる第1金属製の第1配管(30)と、
熱交換器(23)と、
前記熱交換器から延びる第2金属製の第2配管(31)と、
前記第1金属製の第1部(50)の一端側の端部(51)と前記第2金属製の第2部(60)の一端側の端部(61)とが接合されており、前記第1部の他端側の端部(52)が前記第1配管に接続され前記第2部の他端側の端部(62)が前記第2配管に接続される継ぎ配管部品(40)と、
を備え、
前記第1部の前記一端側の端部と前記第2部の前記一端側の端部との接合部(41)には、前記接合部を覆うようにセラミック系溶射皮膜(42)が形成されている、
冷凍装置ユニット(100)。 - 前記第1金属は、銅であり、
前記第2金属は、アルミニウムである、
請求項1に記載の冷凍装置ユニット。 - 前記接合部における前記セラミック系溶射皮膜の厚さは、100乃至500μmである、
請求項1又は2に記載の冷凍装置ユニット。 - 前記第1部の前記一端側の端部と前記第2部の前記一端側の端部とは、ロウ材を用いたロウ付けにより接合されており、
前記セラミック系溶射皮膜は、前記第1部の前記一端側の端部及び/又は前記第2部の前記一端側の端部から前記第1部の前記一端側の端部外面及び/又は前記第2部の前記一端側の端部外面にはみ出た前記ロウ材を少なくとも覆うように形成されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の冷凍装置ユニット。 - 前記第1部の前記一端側の端部及び前記第2部の前記一端側の端部のうちのいずれか一方の端部は、他方の端部の外径よりも大きくなるように拡管されており、
前記接合部は、前記一方の端部の内部に前記他方の端部が挿入された状態で接合されており、
前記一方の端部の外周端縁における前記セラミック系溶射皮膜の厚さは、100乃至500μmである、
請求項1から4のいずれか1項に記載の冷凍装置ユニット。 - 前記第1部の前記一端側の端部のロウ材との接触面及び/又は前記第2部の前記一端側の端部のロウ材との接触面にフラックスを塗布して、或いはフラックスを含むロウ材を用いて、前記第1部の前記一端側の端部と前記第2部の前記一端側の端部とがロウ付けにより接合されることで、前記接合部にはロウ材融着層が形成されており、
前記セラミック系溶射皮膜は、前記ロウ材融着層の直上に形成されている、
請求項1から5のいずれか1項に記載の冷凍装置ユニット。 - 請求項1に記載の継ぎ配管部品であって、
前記接合部を覆うように前記セラミック系溶射皮膜が形成された後に、前記第1配管及び前記第2配管に接続される、
継ぎ配管部品(40)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014046201A JP2015169410A (ja) | 2014-03-10 | 2014-03-10 | 冷凍装置ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014046201A JP2015169410A (ja) | 2014-03-10 | 2014-03-10 | 冷凍装置ユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015169410A true JP2015169410A (ja) | 2015-09-28 |
Family
ID=54202297
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014046201A Pending JP2015169410A (ja) | 2014-03-10 | 2014-03-10 | 冷凍装置ユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015169410A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020067092A (ja) * | 2018-10-22 | 2020-04-30 | 三菱重工冷熱株式会社 | 配管の接続構造 |
-
2014
- 2014-03-10 JP JP2014046201A patent/JP2015169410A/ja active Pending
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