JP2015169254A - 電磁弁の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スリーブにストレーナを装着する際、スリーブに傷が付くことを防ぐことができる電磁弁の製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】ストレーナ4の端部に一対の舌片431,432を形成すると共に、スリーブ3に一対の舌片431,432を係止する一対の係止突起391,392を形成し、スリーブ3をスリーブ受け部513に配置するスリーブ配置工程と、ストレーナ4をストレーナ受け部531に配置するストレーナ配置工程と、スリーブ3の外面にストレーナ4を装着する装着工程とによって電磁弁1を製造する。装着工程は、ストレーナ4の一対の舌片431,432がスリーブ3の一対の係止突起391,392に係止された状態でスリーブ3とストレーナ受け部531とを相対回転させ、相対回転によってストレーナ4の両端部の間隔を広げてストレーナ4をスリーブ3に巻き付ける工程である。
【選択図】図6

Description

本発明は、ストレーナが外面に嵌着された筒状のスリーブを備えた電磁弁の製造方法及び製造装置に関する。
従来、筒状のスリーブ内に軸方向移動可能に収容された軸状のスプール弁を備え、このスプール弁を軸方向移動させることで、作動油の流路及び流路面積が変化するように構成された電磁弁が知られている。この種の電磁弁には、弁内外への異物の進入又は流出を抑制するためのストレーナが、作動油が供給される供給ポートや作動油を出力する出力ポートに装着されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のストレーナは、ステンレスの薄板を略円形状に成形したものであり、ストレーナの略全面に亘って網目部分を形成すると共に、長手方向の一端部にフック部が形成されている。網目部分は、スリーブにおける出力ポートの外周に形成されたストレーナ取付溝に装着された際に、ストレーナの弾性力によってストレーナ取付溝に密着する。また、フック部がストレーナ取付溝に形成された凹部に係合することで、ストレーナの円周方向の回転ずれを防いでいる。
特開2013−170620号公報
特許文献1に記載のものでは、ストレーナは両端部を押し広げるようにして出力ポートの上方からスリーブに押し込み、ストレーナ自身の弾性力によってスリーブに固定されている。すなわち、ストレーナ自身の弾性力に抗してストレーナをスリーブに押し込むことで組み付けるので、ストレーナとスリーブとが擦り合うこととなる。その結果、スリーブに傷が付くおそれがある。
そこで、本発明は、スリーブにストレーナを装着する際、スリーブに傷が付くことを防ぐことができる電磁弁の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、円弧帯状に形成されたストレーナと、前記ストレーナが外面に装着された筒状のスリーブとを備えた電磁弁の製造方法であって、前記ストレーナの長手方向の両端部のうち少なくとも一方の端部に被係止部を形成すると共に、前記スリーブに前記被係止部を係止する係止部を形成し、前記スリーブをスリーブ受け部に配置するスリーブ配置工程と、前記ストレーナをストレーナ受け部に配置するストレーナ配置工程と、前記スリーブの外面に前記ストレーナを装着する装着工程とを有し、前記装着工程は、前記ストレーナの前記被係止部が前記スリーブの前記係止部に係止された状態で前記スリーブと前記ストレーナ受け部とを相対回転させ、前記相対回転によって前記ストレーナの両端部の間隔を広げて前記ストレーナを前記スリーブに巻き付ける工程である、電磁弁の製造方法を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するために、円弧帯状に形成され、その長手方向の両端部のうち少なくとも一方の端部に被係止部を有するストレーナを、前記被係止部を係止する係止部が形成された筒状のスリーブに装着する電磁弁の製造装置であって、前記ストレーナが配置されるストレーナ受け部と、前記スリーブがその軸線周りに回転可能に配置されるスリーブ受け部とを備え、前記ストレーナ受け部は、前記ストレーナの長手方向の他方の端部に係合する爪部を有し、前記ストレーナの前記被係止部が前記スリーブの前記係止部に係止され、かつ前記ストレーナの前記他方の端部が前記爪部に係合した状態で前記スリーブを前記ストレーナ受け部に対して相対回転させることにより前記ストレーナの両端部の間隔が広がり、前記相対回転の終期段階で前記ストレーナの前記他方の端部と前記爪部との係合が解除されて前記ストレーナが前記スリーブに装着される、電磁弁の製造装置を提供する。
本発明によれば、スリーブにストレーナを装着する際、スリーブに傷が付くことを防ぐことができる。
本発明の実施の形態に係る電磁弁の側面図である。 電磁弁のスリーブを示す斜視図である。 電磁弁の出力ポートの周辺部を示す部分斜視図である。 ストレーナの構成例を示し、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 製造装置を示し、(a)は制御装置の全体を示す斜視図、(b)は製造装置の第1治具を示す斜視図である。 (a)は、装着工程の開始前の状態を示す模式図であり、(b)〜(d)は、装着工程におけるスリーブのストレーナ受け部に対する相対回転の初期段階、中期段階、及び終期段階をそれぞれ示す模式図である。 (a)は、装着工程におけるストレーナの移動軌跡を図1のA−A線断面で説明するための説明図であり、(b)は(a)の部分拡大図である。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態に係る電磁弁の製造方法及び製造装置について、図1乃至図7を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る電磁弁1の側面図である。図2は、電磁弁1のスリーブ3を示す斜視図である。図3は、電磁弁1の出力ポート32の周辺部を示す部分斜視図である。図4は、ストレーナ4の構成例を示し、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
この電磁弁1は、例えば車両用自動変速機の油圧装置を制御する流体制御弁として使用される。電磁弁1は、ソレノイド部2と、筒状のスリーブ3と、スリーブ3の外面に装着されたストレーナ4とを備えており、図略のバルブボディに形成された嵌合穴にスリーブ3を嵌合した状態で取り付けられる。
(電磁弁1の構成)
ソレノイド部2は、有底円筒状のソレノイドケース21を有しており、電磁弁1における軸線O方向の一方側に配置されている。ソレノイドケース21には、ソレノイド部2の一構成部品である電磁コイル(図示せず)が収容され、この電磁コイルに外部の制御装置からコネクタ部22を介して励磁電流が供給される。
スリーブ3の筒部内には、弁孔(図示せず)が軸線O方向に沿って形成されている。弁孔には、ソレノイド部2のプランジャに当接するスプール弁(図示せず)が軸線O方向に沿って移動可能に収容されている。スリーブ3の弁孔におけるソレノイドケース21とは反対側の端部には、栓体300(図2に示す)が螺合し、この栓体300とスプール弁との間にコイルバネが収容されている。電磁弁1は、ソレノイド部2への電流供給によってスプール弁を軸方向移動させることで、弁孔内における作動油の流路及び流路面積が変化する。
スリーブ3は、作動油が供給される供給ポート31、出力ポート32、ドレンポート33、及び出力ポート32から出力される作動油の一部を供給ポート31の出力ポート32とは反対側に戻すためのフィードバックポート34を有している。ドレンポート33には、環状溝331が連通している。また、供給ポート31と出力ポート32との間には、第1中間ポート35が形成されている。出力ポート32とドレンポート33との間には、第2中間ポート36が形成されている。フィードバックポート34に軸線Oを挟んで対向する位置には、鋳抜きによって形成された開口37が形成されている。
(スリーブ3の凹溝38の構成)
スリーブ3の出力ポート32の周囲を囲む外周面には、軸線Oを中心とする中心角が180°を超える円弧角をもって湾曲する円弧状の凹溝38が形成されている。凹溝38には、帯状のフィルタ部材としてのストレーナ4が装着されている。
凹溝38は、出力ポート32の開口周辺部に形成された溝部381と、溝部381の周方向一端部にあってスリーブ3の外周面から内方に向かう段差をもって形成された窪部382とを有している。溝部381の幅方向両端部において対向する側壁面には、ストレーナ4を引っ掛けて係り止めする一対の係止突起391,392が互いに接近する方向に突出して形成されている。これら一対の係止突起391,392は、後述するストレーナ4の被係止部としての一対の舌片431,432を係止する係止部に相当する。
図3に示すように、溝部381の周面381aと窪部382の底面382aとの間には、段差面としての壁面382bが形成されている。壁面382bは、スリーブ3の径方向に平行な平面であり、窪部382における溝部381側の端部に形成されている。また、壁面382bは、係止突起391,392の窪部382側の端面と同一平面上に連続している。
(ストレーナ4の構成)
ストレーナ4は、図4(a)〜(c)に示すように、帯状のステンレス等の弾性を有する金属板からなり、180°以上の円弧角を有する円弧帯状に形成されている。ストレーナ4は、その周方向が長手方向であり、この長手方向の両端部に被係止部としての一対の舌片431,432が形成されている。なお、本実施の形態では、一対の舌片431,432がストレーナ4の長手方向の両端部に形成されているが、これに限らず、ストレーナ4の長手方向の一方の端部のみに一対の舌片431,432が形成されていてもよい。すなわち、ストレーナ4の長手方向の両端部のうち、少なくとも一方の端部に一対の舌片431,432が形成されていればよい。
ストレーナ4には、作動油を流通させる多数の円形状の貫通孔41が形成されており、電磁弁1を介して制御対象に作動油を排出する際に、作動油に交じって異物が流出することを抑制している。貫通孔41は、ストレーナ4の長手方向における両端部以外の部位に複列に形成されている。貫通孔41が形成された領域と、一対の舌片431,432が形成された端部との間には、ストレーナ4の短手方向(軸方向)の中心部に向かって窪むように形成された切欠き42が形成されている。この切欠き42は、ストレーナ4の短手方向の両端部から中心部に向かって切れ込むように、対称形状に形成されている。
図4(c)に示すようにストレーナ4の長手方向における一対の舌片431,432の幅を幅dとし、図3に示すようにスリーブ3における窪部382の壁面382bの高さ(スリーブ3の径方向における壁面382bの幅)を高さhとすると、一対の舌片431,432の幅dは、壁面382bの高さhと同等もしくは高さhよりも短く形成されている。本実施の形態では、一対の舌片431,432の幅dが壁面382bの高さhよりも僅かに短く形成されている。
また、図3に示すようにスリーブ3の溝部381における一対の係止突起391,392間の幅を幅wとし、図4(c)に示すように切欠き42が形成された部分におけるストレーナ4の幅を幅wとすると、幅wは、幅wと同等もしくは幅wよりも狭く形成されている。本実施の形態では、幅wが幅wよりも僅かに短く形成されている。
ストレーナ4は、切欠き42にスリーブ3の係止突起391,392が嵌合することで、一対の舌片431,432が係止突起391,392に係止され、スリーブ3に対する周方向の移動が規制されている。また、ストレーナ4は、スリーブ3に装着される前の状態では、その円弧径がスリーブ3の溝部381における周面381aの外径よりも小さく形成されている。これにより、ストレーナ4は、ストレーナ4自身の弾性力(復元力)により、スリーブ3に装着された状態において溝部381における周面381aに密着する。
(電磁弁1の製造装置)
次に、上記のように構成された電磁弁1を製造する製造装置5について、図5(a)及び図5(b)を参照して説明する。
図5(a)は、第1乃至第3治具51〜53からなる製造装置5を示す斜視図である。図5(b)は、製造装置5の第1治具51を示す斜視図である。図5(a)では、製造装置5に、ソレノイド部2に連結されたスリーブ3、ならびにストレーナ4が配置された状態を示している。
この製造装置5は、ストレーナ4が配置されるストレーナ受け部531と、スリーブ3がその軸線周りに回転可能に配置されるスリーブ受け部513とを備え、ストレーナ受け部531は、ストレーナ4の長手方向の端部(スリーブ3の一対の係止突起391,392に係止される一方の端部とは反対側の端部)に係合する爪部532を有している。以下、この製造装置5の詳細について説明する。
第1治具51には、スリーブ3の凹溝38にストレーナ4を装着するための装着空間511が治具搭載面512から下方に窪んで形成されている。治具搭載面512には、スリーブ3を回転可能に保持する第2治具52が搭載されており、装着空間511を形成する底面511aには、ストレーナ4を保持するための第3治具53が搭載されている。第3治具53は、装着空間511を進退移動可能に底面511a上に配置されている。第1治具51は、図略のベース部材に固定されている。
また、第1治具51には、第3治具53を第2治具52に対して接近及び離間する方向に移動させる駆動機構54が搭載されている。駆動機構54としては、例えばシリンダやソレノイド等のアクチュエータを用いることができる。以下、駆動機構54による第3治具53の移動方向をX方向とし、装着空間511の底面511aに沿ってX方向に直交する方向をY方向とし、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向とする。本実施の形態では、X方向及びY方向が水平方向であり、Z方向が鉛直方向であるものとする。
また、第1治具51には、スリーブ3が配置されるスリーブ受け部513が形成されている。スリーブ受け部513は、第1治具51をZ方向に貫通する貫通孔として形成され、その内径はスリーブ3の外径よりも僅かに大きく形成されている。スリーブ3は、スリーブ受け部513内において、X方向、Y方向、及びZ方向に移動不能に支持されており、Z方向となるスリーブ3の軸線方向周りに回転可能に支持されている。
スリーブ3は、例えばソレノイド部2を把持して電磁弁1を搬送する搬送装置によって第2治具52に保持される。この際、スリーブ3における出力ポート32の周辺部がスリーブ受け部513に配置される。なお、スリーブ3は、後述する装着工程において、例えば上記の搬送装置に設けられた回転駆動機構によって、その軸線周りに回転駆動される。
第3治具53には、ストレーナ4が配置されるストレーナ受け部531が形成されている。ストレーナ受け部531には、ストレーナ4をスリーブ3に装着する際にストレーナ4を案内する湾曲凹状のガイド面531aが形成されている。ガイド面531aは、後述する装着工程においてスリーブ3がストレーナ受け部531に対して相対回転する際のストレーナ4の移動軌跡に沿って形成されている。このガイド面531aは、第1治具51の装着空間511を構成する内面511bに連続する。
また、第3治具53には、ストレーナ4の長手方向の端部に係合する爪部532が形成されている。爪部532は、ストレーナ受け部531におけるストレーナ4の収容空間の中心部に向かって突出する突起であり、ストレーナ4をストレーナ受け部531に配置する際の位置決めを容易にする機能を有している。
また、爪部532は、ストレーナ4をスリーブ3に装着する装着工程においてスリーブ3がストレーナ受け部531に対して相対回転する際、スリーブ3の一対の係止突起391,392に係止されたストレーナ4の一方の端部とは反対側の他方の端部に係合することにより、ストレーナ4の両端部の間隔を広げると共に、このストレーナ4の他方の端部がスリーブ3の溝部381の周面381aを引っ掻くことを抑制する機能を有している。爪部532とストレーナ4との係合は、装着工程の最終段階で解除される。これにより、ストレーナ4の全体がスリーブ3の凹溝38内に収容される。
つまり、ストレーナ4の一方の端部が一対の舌片431,432においてスリーブ3の一対の係止突起391,392に係止され、かつストレーナ4の他方の端部が爪部532に係合した状態でスリーブ3をストレーナ受け部531に対して相対回転させることによりストレーナ4の両端部の間隔が広がり、この相対回転の終期段階でストレーナ4の他方の端部と爪部532との係合が解除されてストレーナ4がスリーブ3に装着される。
(電磁弁1の製造方法)
次に、上記のように構成された製造装置5を用いて電磁弁1を製造する方法について、説明する。この電磁弁1の製造方法は、スリーブ3をスリーブ受け部513に配置するスリーブ配置工程と、ストレーナ4をストレーナ受け部531に配置するストレーナ配置工程と、スリーブ3の外面にストレーナ4を装着する装着工程とを有している。この装着工程は、ストレーナ4の一対の舌片431,432がスリーブ3の一対の係止突起391,392に係止された状態でスリーブ3とストレーナ受け部531とを相対回転させ、この相対回転によってストレーナ4の両端部の間隔を広げてストレーナ4をスリーブ3に巻き付ける工程である。以下、これら各工程について、図6及び図7を参照してより詳細に説明する。
図6(a)は、装着工程の開始前の状態を示す模式図である。図6(b)〜(d)は、装着工程におけるスリーブ3のストレーナ受け部531に対する相対回転の各段階を示し、(b)は初期段階を、(c)は中期段階を、(d)は終期段階を、それぞれ示す模式図である。図7(a)は、装着工程におけるストレーナ4の移動軌跡を、スリーブ3を基準として図1のA−A線断面で説明するための説明図であり、図7(b)は、図7(a)の破線部の拡大図である。
(スリーブ配置工程)
スリーブ配置工程では、第1治具51のスリーブ受け部513にスリーブ3を配置する。スリーブ3の配置は、例えば図略の搬送装置によって行うことができる。また、作業者による手作業によってスリーブ3を配置してもよい。このスリーブ配置工程におけるスリーブ受け部513内でのスリーブ3の角度位置は、図6(a)に示すように、窪部382の底面382aがストレーナ4側を指向する位置である。
(ストレーナ配置工程)
ストレーナ配置工程では、第3治具53のストレーナ受け部531にストレーナ4を配置する。このストレーナ4の配置は、スリーブ配置工程におけるスリーブ3の配置と同様に、搬送装置によって行ってもよく、手作業で行ってもよい。ストレーナ4の配置は、図5(a)に示すように、第3治具53が第2治具52から離間した位置にある状態で行われる。また、このストレーナ配置工程において配置されるストレーナ4の向きは、ストレーナ4の両端部の間の開口がスリーブ受け部513に配置されるスリーブ3側を指向する向きである。
また、本実施の形態では、ストレーナ配置工程において、ストレーナ4をストレーナ受け部531に配置した後、駆動機構54によって第3治具53を第2治具52側に移動させる。これにより、ストレーナ受け部531のガイド面531aが第1治具51の内面511bに連続し、スリーブ3とストレーナ4とが図6(a)に示す位置関係となる。この際、スリーブ3の一対の係止突起391,392は、ストレーナ4の両端部の間に挟まれる。つまり、スリーブ配置工程及びストレーナ配置工程において、スリーブ3及びストレーナ4は、ストレーナ4の一方の端部における一対の舌片431,432とスリーブ3の一対の係止突起391,392とが、スリーブ3の周方向に沿って並ぶ位置に配置される。なお、スリーブ配置工程とストレーナ配置工程とは、何れの工程を先に行ってもよく、両工程を同時並行で行ってもよい。
(ストレーナ装着工程)
ストレーナ装着工程では、ストレーナ4の一方の端部における一対の舌片431,432がスリーブ3の一対の係止突起391,392に係止され、かつストレーナ4の他方の端部がストレーナ受け部531に形成された爪部532に係合した状態でスリーブ3とストレーナ受け部531とを相対回転させることによりストレーナ4の両端部の間隔を広げ、この相対回転の終期段階でストレーナ4の他方の端部と爪部532との係合が解除されてストレーナ4がスリーブ3に装着される。以下、このストレーナ装着工程について、図6を参照してより詳細に説明する。
ストレーナ受け部531に対するスリーブ3の相対回転の初期段階では、ストレーナ4の一対の舌片431,432がスリーブ3の一対の係止突起391,392に係止される。この初期段階では、図6(b)に示すように、まずストレーナ4の一方の端部における一対の舌片431,432が窪部382の壁面382bに当接し、その後さらにスリーブ3がストレーナ受け部531に対して回転すると、切欠き42にスリーブ3の係止突起391,392が嵌合し、ストレーナ4の一対の舌片431,432がスリーブ3の一対の係止突起391,392に係止される。
そして、ストレーナ受け部531に対するスリーブ3の相対回転の中期段階では、ストレーナ4の一方の端部における一対の舌片431,432がスリーブ3の一対の係止突起391,392に係止され、かつストレーナ4の他方の端部が爪部532に係合していることにより、図6(c)に示すように、ストレーナ4の両端部の間が徐々に拡開される。
また、上記の初期段階及び中期段階では、ストレーナ4の移動軌跡がストレーナ受け部531に形成されたガイド面531aによって規制される。つまり、ストレーナ4の一方の端部における一対の舌片431,432がスリーブ3の一対の係止突起391,392に係止され、かつストレーナ4の他方の端部が爪部532に係合した状態を維持するように、スリーブ3から離間する方向のストレーナ4の移動をガイド面531aによって規制する。換言すれば、ガイド面531aをストレーナ4が摺動することで、ストレーナ4の一方の端部がスリーブ3に係止され、かつストレーナ4の他方の端部が爪部532に係合した状態を保ちながら、スリーブ3がストレーナ受け部531に対して回転することを可能としている。
また、上記の初期段階及び中期段階では、図7に示すように、スリーブ3のストレーナ受け部531に対する回転動作に伴って、スリーブ3における一対の係止突起391,392を支点として、ストレーナ4をスリーブ3に対して回転させながら、ストレーナ4の両端部の間を拡開させる。この過程において、ストレーナ4の移動軌跡は第3治具53のガイド面531aによって規制される。また、この過程では、一対の係止突起391,392に係止されたストレーナ4の一方の端部とは反対側の他方の端部が、スリーブ3から離間した状態を保ちながらスリーブ3の外周面に沿って相対的に移動する。これにより、ストレーナ4がスリーブ3の外面を引っ掻くことなくスリーブ3に巻き付けられる。
ストレーナ受け部531に対するスリーブ3の相対回転の終期段階では、図6(d)に示すように、爪部532に対するストレーナ4の位置が変化することにより、爪部532とストレーナ4との係合状態が解除される。これにより、ストレーナ4がスリーブ3の凹溝38内に嵌着される。
以上の一連の工程により、スリーブ3へのストレーナ4の装着が完了する。そして、駆動機構54によって第3治具53を第2治具52から離間させ、第3治具53を初期位置に復帰移動させた後、電磁弁1を製造装置5から取り出す。
[本実施の形態の効果]
以上説明した実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
(1)ストレーナ4のスリーブ3への装着工程において、ストレーナ4の端部がスリーブ3の外面(溝部381の周面381a)を摺動しないので、スリーブ3に傷が付くことを防ぐことができる。また、ストレーナ4の端部がスリーブ3を引っ掻くことによる異物の発生も抑制することができる。
(2)装着工程では、ストレーナ4がスリーブ3に巻き付けられた後に爪部532との係合が解除され、これによりストレーナ4がスリーブ3の外面に嵌着されるので、簡素な構成によってストレーナ4の端部がスリーブ3の外面を摺動することを確実に抑制することができる。
(3)ストレーナ4の一方の端部における一対の舌片431,432は、ストレーナ受け部531に対するスリーブ3の相対回転の初期段階でスリーブ3の一対の係止突起391,392に係止される。すなわち、スリーブ配置工程及びストレーナ配置工程では、ストレーナ4の一対の舌片431,432をスリーブ3の一対の係止突起391,392に係止する必要がないので、スリーブ3及びストレーナ4の製造装置5への配置が容易となる。
(4)ストレーナ受け部531には、ストレーナ4の移動軌跡を規制するガイド面531aが形成されているので、ストレーナ4の一対の舌片431,432がスリーブ3の一対の係止突起391,392に係止され、かつストレーナ4の他端部が爪部532に係合した状態を確実に維持してスリーブ3をストレーナ受け部531に対して相対回転させることができる。これにより、ストレーナ4の組み付け不良が発生することが抑制される。
(5)スリーブ3へのストレーナ4の装着を自動化することができ、製造コストの削減を図ることが可能となる。
(6)スリーブ3をストレーナ受け部531に対して相対回転させるだけの単純な動作によってスリーブ3にストレーナ4を装着することが可能であるので、製造装置5を簡素な構成とすることができ、製造装置5の小型化及び低コスト化が可能となる。
以上、本発明の電磁弁1の製造方法、及び電磁弁1の製造装置5を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば次に示すような変形も可能である。
上記実施の形態では、ストレーナ受け部531が固定され、スリーブ3がスリーブ受け部513内で回転することにより、ストレーナ受け部531とスリーブ3とを相対回転させるように構成したが、スリーブ3を固定し、ストレーナ受け部531がスリーブ3の周囲を回転するように製造装置5を構成してもよい。この場合でも、上記実施の形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
上記実施の形態では、第3治具53が駆動機構54によって第1治具51の装着空間511における底面511a上を移動するように製造装置5を構成したが、これとは逆に、第3治具53を固定し、この固定された第3治具53に対して第1治具51及び第2治具が進退移動するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、第1治具51の装着空間511における底面511aが水平面である場合について説明したが、製造装置5の設置の向きに制限はなく、ストレーナ4をストレーナ受け部531に安定的に配置することが可能であれば、図5(a)に示すX方向又はY方向が鉛直方向であってもよい。
上記実施の形態では、出力ポート32にストレーナ4を装着する場合について説明したが、これに限らず、供給ポート31にストレーナ4を装着してもよい。また、供給ポート31及び出力ポート32の両方にストレーナ4を装着してもよい。
1…電磁弁、2…ソレノイド部、3…スリーブ、4…ストレーナ、5…製造装置、21…ソレノイドケース、22…コネクタ部、31…供給ポート、32…出力ポート、33…ドレンポート、34…フィードバックポート、35…第1中間ポート、36…第2中間ポート、37…開口、38…凹溝、41…貫通孔、42…切欠き、431,432…舌片、51…第1治具、52…第2治具、53…第3治具、54…駆動機構、300…栓体、331…環状溝、381…溝部、382…窪部、381a…周面、382a…底面、382b…壁面、391,392…係止突起、511…装着空間、511a…底面、511b…内面、512…治具搭載面、513…スリーブ受け部、531…ストレーナ受け部、531a…ガイド面、532…爪部

Claims (6)

  1. 円弧帯状に形成されたストレーナと、前記ストレーナが外面に装着された筒状のスリーブとを備えた電磁弁の製造方法であって、
    前記ストレーナの長手方向の両端部のうち少なくとも一方の端部に被係止部を形成すると共に、前記スリーブに前記被係止部を係止する係止部を形成し、
    前記スリーブをスリーブ受け部に配置するスリーブ配置工程と、
    前記ストレーナをストレーナ受け部に配置するストレーナ配置工程と、
    前記スリーブの外面に前記ストレーナを装着する装着工程とを有し、
    前記装着工程は、前記ストレーナの前記被係止部が前記スリーブの前記係止部に係止された状態で前記スリーブと前記ストレーナ受け部とを相対回転させ、前記相対回転によって前記ストレーナの両端部の間隔を広げて前記ストレーナを前記スリーブに巻き付ける工程である、
    電磁弁の製造方法。
  2. 前記装着工程は、前記ストレーナの一方の端部における前記被係止部が前記スリーブの前記係止部に係止され、かつ前記ストレーナの他方の端部が前記ストレーナ受け部に形成された爪部に係合した状態で前記スリーブと前記ストレーナ受け部とを相対回転させることにより前記ストレーナの両端部の間隔を広げ、前記相対回転の終期段階で前記ストレーナの前記他方の端部と前記爪部との係合が解除されて前記ストレーナが前記スリーブに装着される工程である、
    請求項1に記載の電磁弁の製造方法。
  3. 前記スリーブ配置工程及び前記ストレーナ配置工程において、前記スリーブ及び前記ストレーナは、前記被係止部と前記係止部とが前記スリーブの周方向に沿って並ぶ位置に配置され、
    前記装着工程における前記相対回転の初期段階において、前記ストレーナの前記被係止部が前記スリーブの前記係止部に係止される、
    請求項1又は2に記載の電磁弁の製造方法。
  4. 前記装着工程において、前記ストレーナの移動軌跡が前記ストレーナ受け部に形成されたガイド面によって規制される、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の電磁弁の製造方法。
  5. 円弧帯状に形成され、その長手方向の両端部のうち少なくとも一方の端部に被係止部を有するストレーナを、前記被係止部を係止する係止部が形成された筒状のスリーブに装着する電磁弁の製造装置であって、
    前記ストレーナが配置されるストレーナ受け部と、
    前記スリーブがその軸線周りに回転可能に配置されるスリーブ受け部とを備え、
    前記ストレーナ受け部は、前記ストレーナの長手方向の他方の端部に係合する爪部を有し、
    前記ストレーナの前記被係止部が前記スリーブの前記係止部に係止され、かつ前記ストレーナの前記他方の端部が前記爪部に係合した状態で前記スリーブを前記ストレーナ受け部に対して相対回転させることにより前記ストレーナの両端部の間隔が広がり、前記相対回転の終期段階で前記ストレーナの前記他方の端部と前記爪部との係合が解除されて前記ストレーナが前記スリーブに装着される、
    電磁弁の製造装置。
  6. 前記ストレーナ受け部には、前記スリーブの前記相対回転時における前記ストレーナの移動軌跡に沿ったガイド面が形成されている、
    請求項5に記載の電磁弁の製造装置。
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