JP2015169203A - 並列2軸クランク−クランクホルダ揺動式圧縮比可変装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】クランクホルダ揺動式圧縮比可変装置は、クランクホルダ、シリンダケースの剛性、強度、耐久性確保、総ての運転時にてクランク回転軸位置の安定可変、保持制御及び保持動力の不要、軽減化、最高、最低圧縮比リミット安全機構と、動弁伝動機構の軸間距離の変化及びアクセルに対応し、圧縮比を瞬時に可変できる応答性が必須となる。【解決手段】クランク両端ジャーナル間幅と略同長の円筒を、変速機に動力伝達するアウトプットシャフトと同芯にてケース合せ面で締結固定しピボット軸とし、両側に並列配置したクランクを軸支するホルダをピボット軸直角方向視櫛状に平行方向視V字状に形成、ホルダを揺動させるジャッキ機構の一部に非可逆伝達機構を用い、それより駆動上流側伝達機構の動きを制限すると共に、動弁の駆動をアウトプットシャフトから行う。【選択図】図1−1
Description
本発明は、自動車等の動力装置において、平行に配置した2軸のクランクを別々のクランクホルダにて回転可能に軸支し、変速機に動力伝達するアウトプットシャフトと同芯の1本のピボット軸回りに揺動させることで、クランク回転軸とアウトプットシャフトの軸間距離を一定に保ちつつ、燃焼室に対するクランク回転軸位置を変え圧縮比を可変するものである。また、平行に配置した2軸のクランクを用いロンビック機構を構成することで、ピストン側圧を限りなく零に抑えメカロスを大幅に低減する圧縮比可変装置に関するものである。
燃焼室に対するクランク回転軸位置を固定したままで圧縮比を可変するものに、ピストンピン軸上のピストン長を変えるもの、コンロッド大小端軸部の偏芯軸によりコンロッド又はピストンピン位置を変えるもの、コンロッドを2節としコンロッド長を変えるもの、コンロッド大端軸をクランクピンとは別位置としクランクピン位置に対する大端軸位置を変えるもの等が提案されているが、往復運動部重量増加、機構が大掛かりとなることによるコスト、重量増加、振動増加等の欠点がある。クランクケースに対しクランク回転軸位置は固定したままで、燃焼室容積を変えるものも提案されているが、往復運動部重量、振動増加の欠点は出ないが、変動部の大重量化及び動弁駆動軸間の変動に対する対応を図らないと素早い圧縮比可変は不可能で、圧縮比可変駆動力の大容量化及びドライブシャフト動弁駆動機構等での軸間の変動に対する対応が不可欠となり、コスト、重量が大幅に増加する欠点がある。往復運動部重量、振動増加を招かずコスト、重量増加も比較的抑えられる方法として、燃焼室に対するクランク回転軸位置を変えることで圧縮比を可変する特許文献1〜3がある。
クランクを偏芯軸受にてシリンダケースに回転可能に軸支し、偏芯軸受を駆動装置にて回転させ、燃焼室に対するクランク回転軸位置を変えることで圧縮比を可変する特許文献1がある。
登録実用新案第3038403号
クランクを回転可能に軸支するクランクホルダを、変速機軸又は変速機に動力伝達するアウトプットシャフトと同芯のピボット軸にて揺動させ、変速機軸又は変速機に動力伝達するアウトプットシャフトとの軸間距離を一定に保ちつつ、燃焼室に対するクランク回転軸位置を変え圧縮比を可変する特許文献2、3がある。
特開昭58−220926号公報 特許第4229867号
ピストン側圧を大幅に低減するものとしては下記等の機構が公知である。
1.クロスヘッド機構
ピストンの下にもう一つのピストンシリンダ機構を設けたもので、大型舶用機関に採用されているが、メカロス大で大型化してしまう欠点がある。
2.斜板機構
シューと斜板でカムの様に斜板を回転させるものは構造簡単で高出力エンジンに向くがメカロス大である。自在軸継手やピローボールを用い斜板自体は回転させないものは、メカロス小だが構造複雑で強度面で難がある。
3.スコッチヨーク機構
出力軸に偏芯して取り付けられたクランクピン軸受が、長円形の溝の中を転がることでヨークが往復運動するもので、往復運動部重量増大によるメカロス増加やヨーク部接点の強度、摩耗の問題がある。
4.T型クランク機構
T字型のヨークの中心に制御ヨークを取り付け動きを制御するもので、構造簡単でメカロス小だがバランス面の問題がある。
5.ロンビック機構
歯車で連動する2本のクランク軸の2本のコンロッドにヨークを介して接続されたピストンがストロークするもので、ピストン側圧を限りなく零に抑えることが出来るがクランク回りが大型になる欠点がある。
以上は何れも主にスターリングエンジンに用いられる機構で、自動車等の高回転エンジンへの採用が困難な機構であるが、ロンビック機構はヨーク部を小型軽量化すれば高回転エンジンへの採用が可能となる。ロンビック機構の片方のクランクを廃止し、コンロッド大端部をガイド部材で案内させストロークさせる特許文献4、5がある。
特開2005−120859号 特開2005−140108号
1.クロスヘッド機構
ピストンの下にもう一つのピストンシリンダ機構を設けたもので、大型舶用機関に採用されているが、メカロス大で大型化してしまう欠点がある。
2.斜板機構
シューと斜板でカムの様に斜板を回転させるものは構造簡単で高出力エンジンに向くがメカロス大である。自在軸継手やピローボールを用い斜板自体は回転させないものは、メカロス小だが構造複雑で強度面で難がある。
3.スコッチヨーク機構
出力軸に偏芯して取り付けられたクランクピン軸受が、長円形の溝の中を転がることでヨークが往復運動するもので、往復運動部重量増大によるメカロス増加やヨーク部接点の強度、摩耗の問題がある。
4.T型クランク機構
T字型のヨークの中心に制御ヨークを取り付け動きを制御するもので、構造簡単でメカロス小だがバランス面の問題がある。
5.ロンビック機構
歯車で連動する2本のクランク軸の2本のコンロッドにヨークを介して接続されたピストンがストロークするもので、ピストン側圧を限りなく零に抑えることが出来るがクランク回りが大型になる欠点がある。
以上は何れも主にスターリングエンジンに用いられる機構で、自動車等の高回転エンジンへの採用が困難な機構であるが、ロンビック機構はヨーク部を小型軽量化すれば高回転エンジンへの採用が可能となる。ロンビック機構の片方のクランクを廃止し、コンロッド大端部をガイド部材で案内させストロークさせる特許文献4、5がある。
特許文献1は、クランクが偏芯軸受を介してシリンダケースに回転可能に軸支され、偏芯軸受を駆動装置にて回転させることで、燃焼室に対するクランク回転軸位置が変更され、ピストン上死点位置が変わり圧縮比が変更されるもので、クランク回転軸位置がシリンダケースに対し半円状の軌跡で変化し、シリンダケースに対し位置固定された変速機軸又は変速機に動力伝達するアウトプットシャフトとの軸間距離が変化してしまうので、対応を図らないと適正な動力伝達が困難になる。伝達効率の良いギヤ伝動では、たとえ半円軌跡の半径を大きくしてもバックラッシュが変化して噛合い音が増加するので採用困難であり、等速ジョイント等を採用する必要があるが、コスト、メカロスが増加してしまう欠点がある。
特許文献2、3は、クランクを回転可能に軸支するクランクホルダを、変速機軸又は変速機に動力伝達するアウトプットシャフトと同芯のピボット軸にて揺動させ、動力伝達軸間距離を不変とするもの故、往復運動部重量、振動増加を招かずコスト、重量増加も比較的抑えつつ、駆動力伝達騒音も抑えられるものであるが、単気筒に限らず多気筒でも、圧縮比固定の従来内燃機関並みの性能を確保しつつ圧縮比可変を成立させる為には、下記内容の対応が必須である。
1.クランクホルダ、シリンダケース及びそれらの連結部の剛性、強度、耐久性確保燃焼圧を回転力に変換するクランクを軸支し、変速機軸又は変速機に動力伝達するアウトプットシャフトに、動力伝達するギヤ、ベルト等を保持するクランクホルダ、シリンダケース及びそれらの連結部は、燃焼圧とクランク回転による巨大な負荷変動、及び動力伝達により発生する負荷に対する充分な剛性、強度、耐久性が必要だが、特許文献2では、シリンダケースの揺動ピボット部の剛性、強度不足が懸念される構造であり、圧縮比を可変させる偏芯カムとクランクホルダとの接触が線接触故に、燃焼圧変動やクランク回転起因の振動により摩耗しやすく耐久性が無い。
特許文献3では、圧縮比を可変させる力点、作用点をシリンダ軸、クランク軸付近に設けることで支点(ピボット部)への負荷を軽減させているが、力点である駆動機構保持部に負荷が集中するので、その部分のケース剛性、強度を向上させる必要があり、小排気量、単気筒エンジンには採用出来ても大排気量、多気筒エンジンへの採用は困難である。
特許文献3では、圧縮比を可変させる力点、作用点をシリンダ軸、クランク軸付近に設けることで支点(ピボット部)への負荷を軽減させているが、力点である駆動機構保持部に負荷が集中するので、その部分のケース剛性、強度を向上させる必要があり、小排気量、単気筒エンジンには採用出来ても大排気量、多気筒エンジンへの採用は困難である。
2.クランク軸位置の安定可変、保持制御及び保持動力不要、軽減化
エンジン始動時及び圧縮比可変時を含めた総ての運転時において、クランク軸位置の安定保持が必須であるが、特許文献2では、始動時油圧が上がらない間低圧縮比となると共に、油圧が上がっても燃焼圧変動に対しスプリング反力と油圧では位置を安定して保持することが困難であるし、偏芯カム故、上、下支点付近は非可逆伝達となり負荷側の力により駆動側が動かないので駆動力無しでも位置を保てるが、上、下支点付近以外では可逆伝達となり駆動力を保持しないと位置がずれてしまう。特許文献3も、油圧を使った場合では油圧が確保されていれば非可逆伝達にでき安定して保持できるが、油圧が上がらないと位置可変が不可能となるか応答が遅くなると共に保持が不安定となるし、偏芯カムを使った場合も、上、下支点付近以外では電動モータにて位置保持制御をする必要があり電力を消費してしまう。また、圧縮比を下げる場合は、圧縮行程終了付近や膨張行程のクランクホルダを燃焼室に対しクランク軸を遠ざける方向に揺動させる力が働く時に、圧縮比を上げる場合は、ピストンの慣性力によりクランクホルダを燃焼室に対しクランク軸を近づける方向に揺動させる力が働く時に、油圧ピストンを作動させる方法も提案されているが、単気筒エンジンにて成り立つ案で多気筒エンジンでは成立困難である。また、たとえ単気筒でも成立させる為にはピストン径に掛かる高燃焼圧に対し、安定して制御可能な油圧ピストン径と油圧が必要となる。
エンジン始動時及び圧縮比可変時を含めた総ての運転時において、クランク軸位置の安定保持が必須であるが、特許文献2では、始動時油圧が上がらない間低圧縮比となると共に、油圧が上がっても燃焼圧変動に対しスプリング反力と油圧では位置を安定して保持することが困難であるし、偏芯カム故、上、下支点付近は非可逆伝達となり負荷側の力により駆動側が動かないので駆動力無しでも位置を保てるが、上、下支点付近以外では可逆伝達となり駆動力を保持しないと位置がずれてしまう。特許文献3も、油圧を使った場合では油圧が確保されていれば非可逆伝達にでき安定して保持できるが、油圧が上がらないと位置可変が不可能となるか応答が遅くなると共に保持が不安定となるし、偏芯カムを使った場合も、上、下支点付近以外では電動モータにて位置保持制御をする必要があり電力を消費してしまう。また、圧縮比を下げる場合は、圧縮行程終了付近や膨張行程のクランクホルダを燃焼室に対しクランク軸を遠ざける方向に揺動させる力が働く時に、圧縮比を上げる場合は、ピストンの慣性力によりクランクホルダを燃焼室に対しクランク軸を近づける方向に揺動させる力が働く時に、油圧ピストンを作動させる方法も提案されているが、単気筒エンジンにて成り立つ案で多気筒エンジンでは成立困難である。また、たとえ単気筒でも成立させる為にはピストン径に掛かる高燃焼圧に対し、安定して制御可能な油圧ピストン径と油圧が必要となる。
3.最高及び最低圧縮比リミット安全機構
特に最高圧縮比側でクランクホルダ揺動機構がオーバーランしてしまうと、ピストン頂部が吸、排気バルブやシリンダヘッド燃焼室と接触し各部が破損してしまうので、最高、最低圧縮比を制限する機構が必須である。特許文献2、3共、偏芯カム又は油圧ピストンの上、下死点にて制限されているので問題無いが、他の方法を採用するときはリミット安全機構が不可欠である。
特に最高圧縮比側でクランクホルダ揺動機構がオーバーランしてしまうと、ピストン頂部が吸、排気バルブやシリンダヘッド燃焼室と接触し各部が破損してしまうので、最高、最低圧縮比を制限する機構が必須である。特許文献2、3共、偏芯カム又は油圧ピストンの上、下死点にて制限されているので問題無いが、他の方法を採用するときはリミット安全機構が不可欠である。
4.動弁伝動機構のクランク回転軸とカムシャフト軸間距離の変化対応及びアクセルに対する瞬時応答性の確保
特許文献3の図のように動弁伝動機構にチェーンを用い駆動スプロケットをクランク軸に設けた場合、クランク回転軸とカムシャフト軸間距離の変化によるバルブタイミングの変化は、VVT等にて対応できるので問題から除外して良いが、圧縮比可変範囲を広くとろうとすると(例えば圧縮比を10〜15位に可変)クランク回転軸とカムシャフト軸間距離の変化によるチェーンの周長変化量が、耐久寿命のチェーンの伸び相当分程度になり、双方を吸収し適正なチェーンの張りを確保する為に、チェーンテンショナの揺動量を倍位とる必要があり、SOHCではチェーンガイド側とチェーンテンショナ側のチェーンが当ってしまったり、DOHCでもチェーンテンショナのRが小さくなりすぎテンショナの耐久性に問題が出てきたりする。また、アクセルに対応して圧縮比を瞬時に変化させる必要上、クランク回転軸とカムシャフト軸間距離の変化に対応して、チェーンを適正に張りつつチェーテンショナを揺動させる必要がある。低圧縮比から高圧縮比に可変する時は、適正に張りつつテンショナを張る側に揺動させるので速い応答速度で対応できるが、高圧縮比から低圧縮比に可変する時は、適正に張りつつテンショナを緩める側に揺動させる必要があり、通常用いられているチェーンアジャスタ装置では困難であり、電動又は油圧と電子制御を組合せた高度なチェーンアジャスタが必要となるし応答速度も遅くなる。対策としては、クランク軸とカムシャフトに傘歯車を設けシャフトドライブにて駆動力を伝達し、シャフトドライブの軸間距離をスプライン継ぎ手等にて可変可能にする方法があるが、コスト、重量高となる。チェーンを用いる場合での対策は、特許文献3にて考え方が述べられているように、カムシャフトに対し軸間の変化しないメイン軸等にクランク軸と一体回転する駆動スプロケットを設ける方法が効率的である。
特許文献3の図のように動弁伝動機構にチェーンを用い駆動スプロケットをクランク軸に設けた場合、クランク回転軸とカムシャフト軸間距離の変化によるバルブタイミングの変化は、VVT等にて対応できるので問題から除外して良いが、圧縮比可変範囲を広くとろうとすると(例えば圧縮比を10〜15位に可変)クランク回転軸とカムシャフト軸間距離の変化によるチェーンの周長変化量が、耐久寿命のチェーンの伸び相当分程度になり、双方を吸収し適正なチェーンの張りを確保する為に、チェーンテンショナの揺動量を倍位とる必要があり、SOHCではチェーンガイド側とチェーンテンショナ側のチェーンが当ってしまったり、DOHCでもチェーンテンショナのRが小さくなりすぎテンショナの耐久性に問題が出てきたりする。また、アクセルに対応して圧縮比を瞬時に変化させる必要上、クランク回転軸とカムシャフト軸間距離の変化に対応して、チェーンを適正に張りつつチェーテンショナを揺動させる必要がある。低圧縮比から高圧縮比に可変する時は、適正に張りつつテンショナを張る側に揺動させるので速い応答速度で対応できるが、高圧縮比から低圧縮比に可変する時は、適正に張りつつテンショナを緩める側に揺動させる必要があり、通常用いられているチェーンアジャスタ装置では困難であり、電動又は油圧と電子制御を組合せた高度なチェーンアジャスタが必要となるし応答速度も遅くなる。対策としては、クランク軸とカムシャフトに傘歯車を設けシャフトドライブにて駆動力を伝達し、シャフトドライブの軸間距離をスプライン継ぎ手等にて可変可能にする方法があるが、コスト、重量高となる。チェーンを用いる場合での対策は、特許文献3にて考え方が述べられているように、カムシャフトに対し軸間の変化しないメイン軸等にクランク軸と一体回転する駆動スプロケットを設ける方法が効率的である。
特許文献4、5は、ロンビック機構の片方のクランクを廃止し、コンロッド大端部をガイド部材で案内させストロークさせる構造ゆえ、クランク廃止側が全て往復運度部になる。また、コンロッド大端部にモーメント荷重が掛かり自在鉤の様になり過大な摺動抵抗が発生し、条件次第でロックしてしまう危険性があるので、安全性確保及びメカロス低減を図る為には案内部をコロガリ軸受にする必要があり更に重量が増加してしまう。故にクランク回りはコンパクトに出きるが、高回転化困難、メカロス増加を招き易い機構である。また、ガイド部材のシリンダ軸に対する角度を変えコンロッド小端位置を変えることで圧縮比を変えられる構造としているが、圧縮比可変範囲が狭く、ピストン側圧も発生してしまう欠点がある。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたもので、2本のクランク毎にシリンダ(列)を有するエンジン又は2本のクランクに一つのシリンダ(列)を有するエンジンの、2本のクランクを回転可能に軸支する別々のクランクホルダを、変速機に動力伝達するアウトプットシャフトと同芯のピボット軸にて揺動させ、動力伝達軸間距離を不変とし燃焼室に対するクランク回転軸位置を変え圧縮比を可変する装置において、クランクの両端ジャーナル間幅と略同長の1本の円筒をケース合せ面にて締結固定してピボット軸とし、クランクホルダを櫛状に形成、ケース合せ面にて締結固定した円筒にジャッキ機構を保持する等して、クランクホルダ、ケース及びそれらの連結部の剛性、強度、耐久性を確保しつつ、クランクホルダを揺動させるジャッキ機構の一部に非可逆伝達機構を用い、それより圧縮比制御モータ側の上流伝達機構部の動きの範囲を制限すると共に、動弁伝動機構の駆動をアウトプットシャフトから行いカムシャフトとの軸間距離を不変とすることで、始動時及び圧縮比可変時等も含めた総ての運転時においてクランク軸位置の安定可変、保持制御及び保持動力の不要化が図れ、最高及び最低圧縮比リミット安全機構を有しピストン頂部と燃焼室の部品類との接触による関係部品の破損を防止でき、動弁伝動機構のクランク回転軸とカムシャフト軸間距離の変化対応及びアクセルに対する瞬時応答性を確保できる圧縮比可変装置を提供することを目的とする。
前述の課題を解決する為の請求項1の発明は、クランクの両端ジャーナル間幅と少なくとも略同長の1本の円筒を、クランクにギヤを介して変速機構と連結するアウトプットシャフトと同芯にケース合せ面にて締結固定したピポット軸とし、その両側に配置したシリンダ内で往復運動するピストンがコンロッドにて連結される2本のクランクを、別々のクランクホルダにてピボット軸に平行に回転可能に軸支し、一部に非可逆伝達機構を用いたジャッキ機構にて揺動させ燃焼室に対するクランク回転軸の位置を変えることを特徴とする。
特許文献2の様に、ピボット軸を揺動アーム毎に分割しシリンダケースに固定したものは、シリンダケースの剛性、強度向上にピボット軸は寄与しておらず剛性、強度不足となり易い。特許文献3の例では、1本の変速機入力軸をピボット軸としクランクケースに玉軸受にて軸支しており、入力軸はクランクケースの剛性、強度向上に寄与しておらず剛性、強度不足となり易い。また、単気筒であれば左右揺動アームスパンと入力軸のギヤ列幅が近いので入力軸をピボット軸にできるが、多気筒になると幅が違いすぎピボット軸とすることは困難となる。また、クランクホルダ揺動駆動機構(ジャッキ機構)をシリンダ軸線、クランク回転軸付近に設けることで、燃焼圧とクランク回転による巨大な負荷変動によるピボット軸部の負荷を極力少なくしているが、揺動駆動機構を保持する部分のクランクケースに負荷が集中するので、その部分のケースの剛性、強度不足を招き易く大排気量エンジンには向かない。
本発明は、クランクを保持する揺動アームのピボット軸を、クランクの両端ジャーナル間幅と少なくとも略同長の円筒としケース合せ面にて締結固定することにより、ケースの剛性、強度を増すことができるので、燃焼圧とクランク回転による巨大な負荷変動、及び動力伝達により発生する負荷に対し、ケースの充分な剛性、強度、耐久性を、多気筒、大排気量エンジンにおいても確保できるようになる。
また、特許文献2、3の例でクランクホルダの揺動駆動機構として偏芯カムをもちいたものは、クランクホルダ揺動機構がオーバーランしても、ピストン頂部が吸、排気バルブやシリンダヘッド燃焼室と接触し各部を破損させることは無いが、偏芯カム故、上、下支点付近は非可逆伝達となり負荷側の力により駆動側が動かないので駆動力無しでも位置を保てるが、上、下支点付近以外では可逆伝達となり駆動力を保持しないと位置がずれてしまう。さらに特許文献2では、始動時油圧が上がらない間低圧縮比となると共に、油圧が上がっても燃焼圧変動に対しスプリング反力と油圧では位置を安定して保持することが困難である。特許文献3の例でクランクホルダの揺動駆動機構として油圧を使った場合では、油圧が確保されていれば非可逆伝達にでき安定して保持できるが、油圧が上がらないと位置可変が不可能となるか応答が遅くなると共に保持が不安定となる。また、圧縮比を下げる場合は、圧縮行程終了付近や膨張行程のクランクホルダを燃焼室に対しクランク軸を遠ざける方向に揺動させる力が働く時に、圧縮比を上げる場合は、ピストンの慣性力によりクランクホルダを燃焼室に対しクランク軸を近づける方向に揺動させる力が働く時に、油圧ピストンを作動させる方法が提案されているが、単気筒にて成り立つ案で多気筒では成立困難であり、多気筒で成立させる為にはピストン径に掛かる高燃焼圧に対し、安定して制御可能な油圧ピストン径と油圧が必要となる。
本発明は、ジャッキの斜面カム部傾斜角を動摩擦係数以下に設定することで常時非可逆伝達としており、負荷側からの荷重によりスライダジャッキから制御モータ側の上流伝達機構に力が働かないので、圧縮比可変時、保持時共に全運転時においてクランク軸位置の安定可変、保持が可能となると共に、保持電力が不要となる。
特許文献2の様に、ピボット軸を揺動アーム毎に分割しシリンダケースに固定したものは、シリンダケースの剛性、強度向上にピボット軸は寄与しておらず剛性、強度不足となり易い。特許文献3の例では、1本の変速機入力軸をピボット軸としクランクケースに玉軸受にて軸支しており、入力軸はクランクケースの剛性、強度向上に寄与しておらず剛性、強度不足となり易い。また、単気筒であれば左右揺動アームスパンと入力軸のギヤ列幅が近いので入力軸をピボット軸にできるが、多気筒になると幅が違いすぎピボット軸とすることは困難となる。また、クランクホルダ揺動駆動機構(ジャッキ機構)をシリンダ軸線、クランク回転軸付近に設けることで、燃焼圧とクランク回転による巨大な負荷変動によるピボット軸部の負荷を極力少なくしているが、揺動駆動機構を保持する部分のクランクケースに負荷が集中するので、その部分のケースの剛性、強度不足を招き易く大排気量エンジンには向かない。
本発明は、クランクを保持する揺動アームのピボット軸を、クランクの両端ジャーナル間幅と少なくとも略同長の円筒としケース合せ面にて締結固定することにより、ケースの剛性、強度を増すことができるので、燃焼圧とクランク回転による巨大な負荷変動、及び動力伝達により発生する負荷に対し、ケースの充分な剛性、強度、耐久性を、多気筒、大排気量エンジンにおいても確保できるようになる。
また、特許文献2、3の例でクランクホルダの揺動駆動機構として偏芯カムをもちいたものは、クランクホルダ揺動機構がオーバーランしても、ピストン頂部が吸、排気バルブやシリンダヘッド燃焼室と接触し各部を破損させることは無いが、偏芯カム故、上、下支点付近は非可逆伝達となり負荷側の力により駆動側が動かないので駆動力無しでも位置を保てるが、上、下支点付近以外では可逆伝達となり駆動力を保持しないと位置がずれてしまう。さらに特許文献2では、始動時油圧が上がらない間低圧縮比となると共に、油圧が上がっても燃焼圧変動に対しスプリング反力と油圧では位置を安定して保持することが困難である。特許文献3の例でクランクホルダの揺動駆動機構として油圧を使った場合では、油圧が確保されていれば非可逆伝達にでき安定して保持できるが、油圧が上がらないと位置可変が不可能となるか応答が遅くなると共に保持が不安定となる。また、圧縮比を下げる場合は、圧縮行程終了付近や膨張行程のクランクホルダを燃焼室に対しクランク軸を遠ざける方向に揺動させる力が働く時に、圧縮比を上げる場合は、ピストンの慣性力によりクランクホルダを燃焼室に対しクランク軸を近づける方向に揺動させる力が働く時に、油圧ピストンを作動させる方法が提案されているが、単気筒にて成り立つ案で多気筒では成立困難であり、多気筒で成立させる為にはピストン径に掛かる高燃焼圧に対し、安定して制御可能な油圧ピストン径と油圧が必要となる。
本発明は、ジャッキの斜面カム部傾斜角を動摩擦係数以下に設定することで常時非可逆伝達としており、負荷側からの荷重によりスライダジャッキから制御モータ側の上流伝達機構に力が働かないので、圧縮比可変時、保持時共に全運転時においてクランク軸位置の安定可変、保持が可能となると共に、保持電力が不要となる。
また、請求項2の発明は、請求項1、7の発明において、ピボット軸方向視、2本のクランクに対し、シリンダの反対側でコンロッド大端の最大回転軌跡より略内側にジャッキ機構のジャッキ部を配置することを特徴とする。
ジャッキ部(本実施例ではジャッキを形成するジャッキホルダパイプ、スライダジャッキ、ジャッキピースが相当する)を収める両側クランクホルダのジャッキアーム部外幅を、ピボット軸方向視両側クランクホルダの補強連結底板部外幅と略同幅以内に出きるのでケース幅をコンパクトに出きる。また、シリンダの反対側に配置することによりクランク機構やクランク揺動保持機構に邪魔されることなく、ジャッキを連動して動かす機構部分の配置が可能となり、一つの圧縮比制御モータでの両側クランクホルダの揺動制御が可能となる。
ジャッキ部(本実施例ではジャッキを形成するジャッキホルダパイプ、スライダジャッキ、ジャッキピースが相当する)を収める両側クランクホルダのジャッキアーム部外幅を、ピボット軸方向視両側クランクホルダの補強連結底板部外幅と略同幅以内に出きるのでケース幅をコンパクトに出きる。また、シリンダの反対側に配置することによりクランク機構やクランク揺動保持機構に邪魔されることなく、ジャッキを連動して動かす機構部分の配置が可能となり、一つの圧縮比制御モータでの両側クランクホルダの揺動制御が可能となる。
また、請求項3の発明は、請求項1、7の発明において、二つのクランクホルダの揺動を一つの圧縮比制御モータにて制御することを特徴とする。
左右のクランクホルダ毎に圧縮比制御機構を設ければ、ジャッキ機構を含む圧縮比制御機構の配置に自由度が増すと共に、左右気筒別々の圧縮比制御が可能となるが左右気筒の圧縮比を均一にする制御が難しくなる。左右のクランクホルダを一つの制御機構で制御すれば、レイアウトがクランクやクランクホルダを避けて二つのクランクホルダを揺動可能に配置する必要があり難しくなるが、組立時に左右のクランク位相及びコンロッド小端位置の調整さえしておけば均一に制御でき、コスト重量も低減できる。第二実施例の様にロンビック機構を用いた圧縮比可変装置では、左右のコンロッド小端位置を合せて左右対称にストロークさせる必要があるので、組立時に左右のクランク位相及びコンロッド小端位置を調整し、左右のクランクホルダを一つの制御機構で制御することが必須となる。
左右のクランクホルダ毎に圧縮比制御機構を設ければ、ジャッキ機構を含む圧縮比制御機構の配置に自由度が増すと共に、左右気筒別々の圧縮比制御が可能となるが左右気筒の圧縮比を均一にする制御が難しくなる。左右のクランクホルダを一つの制御機構で制御すれば、レイアウトがクランクやクランクホルダを避けて二つのクランクホルダを揺動可能に配置する必要があり難しくなるが、組立時に左右のクランク位相及びコンロッド小端位置の調整さえしておけば均一に制御でき、コスト重量も低減できる。第二実施例の様にロンビック機構を用いた圧縮比可変装置では、左右のコンロッド小端位置を合せて左右対称にストロークさせる必要があるので、組立時に左右のクランク位相及びコンロッド小端位置を調整し、左右のクランクホルダを一つの制御機構で制御することが必須となる。
また、請求項4の発明は、請求項1、7の発明において、両側のクランクホルダをピボット軸方向視V字状に配置することを特徴とする。
両側クランク軸とピボット軸を直線的に配置し連結アーム部に本実施例のようなジャッキを採用すれば、両側クランク軸、ピボット軸及びジャッキホルダパイプ中心を同一平面上の合せ面に配置でき、ケース及びクランクホルダの加工が容易になると共に、アーム比も大きくできジャッキ部への負荷も低減できるが、クランク回転の邪魔にならないように、クランクホルダの連結アーム部及びピボット軸をコンロッド大端の最大回転軌跡を逃げた位置に配置する必要があり、ピボット軸方向視左右方向のケース幅が広くなりすぎてしまう。両側クランクホルダをピボット軸方向視V字状に配置することで、両側クランクのコンロッド大端の最大回転軌跡どうしが当らない位置まで狭めて両側クランクを配置でき、左右方向のケース幅をコンパクトにできると共に、第一実施例のようにクランク毎にシリンダを有するものにおいては、シリンダの挟み角を0°から180°まで採用可能となりシリンダ配置自由度が増す。また、第二実施例ではヨークの小型化及び両側コンロッドの挟み角を狭くでき、高回転化及びメカロス低減が図れる。
両側クランク軸とピボット軸を直線的に配置し連結アーム部に本実施例のようなジャッキを採用すれば、両側クランク軸、ピボット軸及びジャッキホルダパイプ中心を同一平面上の合せ面に配置でき、ケース及びクランクホルダの加工が容易になると共に、アーム比も大きくできジャッキ部への負荷も低減できるが、クランク回転の邪魔にならないように、クランクホルダの連結アーム部及びピボット軸をコンロッド大端の最大回転軌跡を逃げた位置に配置する必要があり、ピボット軸方向視左右方向のケース幅が広くなりすぎてしまう。両側クランクホルダをピボット軸方向視V字状に配置することで、両側クランクのコンロッド大端の最大回転軌跡どうしが当らない位置まで狭めて両側クランクを配置でき、左右方向のケース幅をコンパクトにできると共に、第一実施例のようにクランク毎にシリンダを有するものにおいては、シリンダの挟み角を0°から180°まで採用可能となりシリンダ配置自由度が増す。また、第二実施例ではヨークの小型化及び両側コンロッドの挟み角を狭くでき、高回転化及びメカロス低減が図れる。
また、請求項5の発明は、請求項1の発明において、クランクホルダのオイルパン側各揺動アーム間を板状に連結し船底状とすることを特徴とする。
オイルパンのオイルが波立って、回転しているクランクに当たることによるメカロス増加を、専用の波立ち防止板を設けることなく船底状のクランクホルダ補強連結底板部にて防止できる。
オイルパンのオイルが波立って、回転しているクランクに当たることによるメカロス増加を、専用の波立ち防止板を設けることなく船底状のクランクホルダ補強連結底板部にて防止できる。
また、請求項6の発明は、請求項1の発明において、片方のクランクを逆回転させることを特徴とする。
ジャイロ効果の方向性をキャンセルできるので運転時のエンジン回転及び回転変化による挙動を抑えられ車体への影響を少なくできる。
ジャイロ効果の方向性をキャンセルできるので運転時のエンジン回転及び回転変化による挙動を抑えられ車体への影響を少なくできる。
また、請求項7の発明は、2本のクランクのクランク軸直角方向視、シリンダ軸を含む略同一平面上にある両側2本のコンロッドをヨークを介して一つのピストンに連結し、両側クランクのクランク位相を合せると共に逆回転させることでコンロッドを左右対称に動かし、ピストンを限りなく直線的にストロークさせるものにおいて、クランクの両端ジャーナル間幅と少なくとも略同長の1本の円筒を、クランクにギヤを介して変速機構と連結するアウトプットと同芯にケース合せ面にて締結固定したピボット軸とし、その両側に2本のクランクを揺動可能な別々のクランクホルダにてピボット軸に平行に回転可能に軸支し、一部に非可逆伝達機構を用いたジャッキ機構にて揺動させ燃焼室に対するクランク回転軸の位置を変えることを特徴とする。
クランクが2軸となりクランク回りの左右幅が広くなると共にコスト重量が増加し、動力伝達ギヤ追加によるメカロスも増加してしまうデメリットはあるが、ピストンを限りなく直線的にストロークさせることができ側圧を略零にできメカロスを大幅に低減できる。
クランクが2軸となりクランク回りの左右幅が広くなると共にコスト重量が増加し、動力伝達ギヤ追加によるメカロスも増加してしまうデメリットはあるが、ピストンを限りなく直線的にストロークさせることができ側圧を略零にできメカロスを大幅に低減できる。
また、請求項8の発明は、請求項7の発明において、左右のクランク位相及びコンロッド小端位置の調整機構を有することを特徴とする。
スターリングエンジンのように低回転でコンロッド小端部のヨークスパンを長くとれるものは、小端位置が多少ずれてもピストン側圧は小さくでき問題無いが、高回転エンジンに対応する為にヨークを極力小さく軽くする為にヨークスパンが短く、しかも可変圧縮とする為にクランク軸位置を可変するものは、クランク軸位置も誤差が出易いので左右のクランク位相及びコンロッド小端位置の調整機構が必須となる。
スターリングエンジンのように低回転でコンロッド小端部のヨークスパンを長くとれるものは、小端位置が多少ずれてもピストン側圧は小さくでき問題無いが、高回転エンジンに対応する為にヨークを極力小さく軽くする為にヨークスパンが短く、しかも可変圧縮とする為にクランク軸位置を可変するものは、クランク軸位置も誤差が出易いので左右のクランク位相及びコンロッド小端位置の調整機構が必須となる。
燃焼室に対するクランク回転軸位置を固定したままで往復運動部にて圧縮比を可変するものは、往復運動部重量増加、機構が大掛かりとなることによるコスト、重量増加、振動増加等の欠点がある。クランク回転軸位置を固定したままで燃焼室容積を変えるものも提案されており、往復運動部重量、振動増加の欠点は出ないが、変動部の大重量化及び動弁駆動軸間の変動に対する対応を図らないと素早い圧縮比可変は不可能で、圧縮比可変駆動力の大容量化及びドライブシャフト動弁駆動機構等での軸間の変動に対する対応が不可欠となりコスト、重量が大幅に増加する欠点がある。
往復運動部重量、振動増加を招かずコスト、重量増加も比較的抑えられる圧縮比可変装置として、燃焼室に対するクランク回転軸位置を変えるものがあるが、変速機軸又は変速機への動力伝達部品との軸間距離を不変にしないと、適正な動力伝達が困難で動力装置として成立しない。
往復運動部重量、振動増加を招かずコスト、重量増加も比較的抑えられる圧縮比可変装置として、燃焼室に対するクランク回転軸位置を変えるものがあるが、変速機軸又は変速機への動力伝達部品との軸間距離を不変にしないと、適正な動力伝達が困難で動力装置として成立しない。
クランクを回転可能に軸支するクランクホルダを変速機軸又は変速機に動力伝達する出力軸と同芯のピボット軸にて揺動させ軸間距離を不変とするものが公知であるが、単気筒に限らず多気筒でも、圧縮比固定の従来内燃機関並みの性能を確保しつつ圧縮比可変を成立させる為には、クランクホルダ、シリンダケース及びそれらの連結部は、燃焼圧とクランク回転による巨大な負荷変動及び動力伝達により発生する負荷に対し充分な剛性、強度、耐久性が確保でき、始動時及び圧縮比可変時等も含め総ての運転時において、クランク回転軸位置の安定可変、保持制御及び保持動力の不要、軽減化ができ、圧縮比可変装置がオーバーランしたとしても、ピストン頂部が燃焼室の部品類と接触し関係部品が破損しないよう、最高及び最低圧縮比リミット安全機構が不可欠であると共に、動弁伝動機構がクランク回転軸とカムシャフト軸間距離の変化に対応できるだけでなく、アクセルに対応して圧縮比を瞬時に変化できる応答性が必須であり、本発明は並列2軸クランクを有するエンジン、及び2軸クランクを用いロンビック機構とすることでピストン側圧を略零に抑えメカロス低減を図るものにおいて、それらの問題を解決するものである。
以下図面により、本発明による圧縮比可変装置及びそれを備えた内燃機関の好適な実施形態を説明する。本発明による圧縮比可変装置は自動車等に搭載される各種ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンを用いた動力装置に適用可能である。
第一実施形態の圧縮比可変装置は請求項1〜6の具体的実施例で、クランクを回転可能に軸支するクランクホルダを変速機に動力伝達するアウトプットシャフトと同芯のピボット軸にて揺動させ、動力伝達軸間距離を不変とし燃焼室に対するクランク回転軸位置を変え圧縮比を可変する動力装置において、クランクの両端ジャーナル間幅と略同長の1本の円筒をケース合せ面にて締結固定したピボット軸とし、その両側に配置したシリンダ内で往復運動するピストンがコンロッドにて連結される2本のクランクを、クランク回転軸芯及び円筒軸芯を結んだ平面にて二つ割りとし締結した櫛状に形成した別々のクランクホルダにてピボット軸に平行に回転可能に軸支し、一部に非可逆伝達機構を用いたジャッキ機構にて揺動させ、非可逆伝達機構より圧縮比制御モータ側の上流伝達機構部の動きの範囲を制限するもので、クランク機構10、クランク揺動保持機構20、圧縮比制御機構30、アウトプット部40、クランク揺動機構50を含む。
クランクとアウトプットシャフト間をギヤにて動力伝達する為に、総ての運転時において、クランクから変速機に直結伝達する一般的な多気筒エンジンに対し、片方クランクを逆転させた場合4%弱程度ギヤ伝達メカロスが増加してしまうが、変速機及び動弁駆動部のクランク軸受がメタルとなる一般的エンジンに比べ、本発明ではギヤ伝達部クランク軸受及びアウトプットシャフトの軸受をコロガリ軸受にできるので、負担が大きな部位の軸受メカロスを大幅に低減できトータルメカロス増加を抑えることができる。
クランクとアウトプットシャフト間をギヤにて動力伝達する為に、総ての運転時において、クランクから変速機に直結伝達する一般的な多気筒エンジンに対し、片方クランクを逆転させた場合4%弱程度ギヤ伝達メカロスが増加してしまうが、変速機及び動弁駆動部のクランク軸受がメタルとなる一般的エンジンに比べ、本発明ではギヤ伝達部クランク軸受及びアウトプットシャフトの軸受をコロガリ軸受にできるので、負担が大きな部位の軸受メカロスを大幅に低減できトータルメカロス増加を抑えることができる。
クランク機構10は、クランク揺動保持機構20に回転自在に軸支されており、シリンダケース2に並列に配置し組付けられたR、Lシリンダ1R、1Lに、ストローク自在に挿入されたピストン11が、ピストンピン12及びR、Lクランクシャフト14R、14Lのクランクピン部14Rb、14Lbに、回転自在に軸支されたコンロッド13にてR、Lクランクシャフト14R、14Lに連結され、往復運動を回転運動に変換するもので、ピストンピン12はピストンピンサークリップ12−1にて抜け止めされ、コンロッド13は、クランクピン部軸芯にて二つ割りされたコンロッドアームとコンロッドキャップとを、コンロッド大端メタルを組み込みコンロッドボルトにて締結一体化した、多気筒一体クランクに一般的に用いられるもので、本実施例では小端部をコンロッド小端メタルにて摩耗対策し耐久性を向上させたものとしている。R、Lクランクシャフト14R、14Lは、R、Lクランクホルダ21R、21Lにクランクジャーナル部14Ra、14Laを、クランクジャーナルメタル21−5及びクランクジャーナルベアリング14−6を介して回転自在に軸支した2気筒一体クランクで、クランクの一端にアウトプット部40に減速比1にて動力伝達するR,Lドライブピニオンギヤ14R−3、14L−3をスプライン結合にて回転固定し、ナット14−4又はボルト14−5にて軸方向固定をしている。クランク両端のクランクホイール部14Rc、14Lc側面と、R、Lクランクホルダ21R、21Lの揺動アーム部21R−1b、21L−1b、21R−2b、21L−2bの間に、リング状のシム14−2F、14−2Rを挿入し隙間を調整しつつクランクの軸方向位置決めをしている。クランクジャーナルベアリング14−6はソリッド形針状ころ軸受で、R、Lクランクホルダ21R、21Lの段付穴に外輪を収めサークリップ14−7にて軸方向を固定され、内輪はクランクジャーナル部14Ra、14Laに圧入固定されている。(図1−1〜3参照)
燃焼圧とクランクの回転による負荷に加えて動力伝達による負荷が掛かるドライブピニオンギヤ側部の軸受を、ころ軸受とすることで、変速機をクランク軸に直付けする圧縮比無可変エンジンに一般的に用いられる総メタル軸受に比べ、メカロスを低減できクランク軸位置を可変する為に追加したギヤ伝達によるメカロス増加を抑え、圧縮比可変による燃焼効率向上効果をより有効に得ることが出きる。変速機をクランク軸に直付けするものは、変速機側の巨大なイナーシャによる負荷も受けるので強度対応の為に、変速機係合ボス部とクランクシャフトを一体としメタル軸受としている例が殆どである。
燃焼圧とクランクの回転による負荷に加えて動力伝達による負荷が掛かるドライブピニオンギヤ側部の軸受を、ころ軸受とすることで、変速機をクランク軸に直付けする圧縮比無可変エンジンに一般的に用いられる総メタル軸受に比べ、メカロスを低減できクランク軸位置を可変する為に追加したギヤ伝達によるメカロス増加を抑え、圧縮比可変による燃焼効率向上効果をより有効に得ることが出きる。変速機をクランク軸に直付けするものは、変速機側の巨大なイナーシャによる負荷も受けるので強度対応の為に、変速機係合ボス部とクランクシャフトを一体としメタル軸受としている例が殆どである。
尚本実施例では、簡潔構造にてクランク位相を検知し点火時期制御を可能とする為に、アウトプットシャフト41の軸上にクランク位相検知ピン44−3を配置できる様に、アウトプット部40への動力伝達減速比を1としているが、クランク位相検知センサをクランク軸位置の変動に対応できる構造とすればアウトプット部40以外に配置でき、4サイクルエンジンではクランク軸から動弁カム軸への減速比を2にする必要があるが、アウトプット部40への動力伝達減速比を1にする必要はなく、変速機と内燃機関との性能の釣り合いで自由に選択できる。また本実施例では、振動低減の為のクランクバランサを用いていないが、アウトプット部40のドリブンギヤ48等から動力伝達を受け、ケース又はクランクホルダにバランサを設けることも可能である。
また本実施例では、左右シリンダ間にセルモータを配置たり、左右シリンダ間に配置した吸気ポートの曲がりを緩やかにする為に、シリンダ挟み角を30°としているが、バルブ挟み角やカム軸位置を工夫しシリンダ軸に対する吸気ポート傾斜角を小さく、セルモータを左右シリンダ間外に配置する等し、シリンダ挟み角を0°にすれば振動面で有利となるし、シリンダ挟み角を180°の水平対向にすれば更に有利なものにできる。(図1−1、2参照)
また本実施例では、左右シリンダ間にセルモータを配置たり、左右シリンダ間に配置した吸気ポートの曲がりを緩やかにする為に、シリンダ挟み角を30°としているが、バルブ挟み角やカム軸位置を工夫しシリンダ軸に対する吸気ポート傾斜角を小さく、セルモータを左右シリンダ間外に配置する等し、シリンダ挟み角を0°にすれば振動面で有利となるし、シリンダ挟み角を180°の水平対向にすれば更に有利なものにできる。(図1−1、2参照)
クランク揺動保持機構20は、クランク機構10を回転自在に軸支すると共に、一部を非可逆伝達としクランク機構10側からの負荷により圧縮比制御機構30が動かない構造としたクランク揺動機構50により揺動自在としている。
R、Lクランクシャフト14R、14Lの両端ジャーナル間幅と少なくとも略同長の円筒状とした1本のクランクホルダピボットパイプ22を、シリンダケース2とアッパクランクケース3の合せ面を軸芯とし、並列に配置されたシリンダ及びクランクの中間に、ノックピン22−1にて位相及び軸方向を位置決めし、シリンダケースボルトにて締結固定することでピボット軸としている。(図1−1、2、4参照)
特許文献2の様に、ピボット軸を揺動アーム毎に分割しシリンダケースに固定したものは、シリンダケースの剛性、強度向上にピボット軸は寄与しておらず剛性、強度不足となり易い。特許文献3の例では、1本の変速機入力軸をピボット軸としクランクケースに玉軸受にて軸支しており、入力軸はクランクケースの剛性、強度向上に寄与しておらず剛性、強度不足となり易い。また、単気筒であれば左右揺動アームスパンと入力軸のギヤ列幅が近いので入力軸をピボット軸にできるが、多気筒になると幅が違いすぎピボット軸とすることは困難となる。また、クランクホルダ揺動駆動機構(ジャッキ機構)をシリンダ軸線、クランク回転軸付近に設けることで、燃焼圧とクランク回転による巨大な負荷変動によるピボット軸部の負荷を極力少なくしているが、揺動駆動機構を保持する部分のクランクケースに負荷が集中するので、その部分のケースの剛性、強度不足を招き易く大排気量エンジンには向かない。
本発明は、クランクを保持する揺動アームのピボット軸を、クランクの両端ジャーナル間幅と少なくとも略同長の円筒としケース合せ面にて締結固定することにより、ケースの剛性、強度を増すことができるので、燃焼圧とクランク回転による巨大な負荷変動、及び動力伝達により発生する負荷に対する、ケースの充分な剛性、強度、耐久性を、多気筒、大排気量エンジンにおいても確保できるようになる。
R、Lクランクシャフト14R、14Lの両端ジャーナル間幅と少なくとも略同長の円筒状とした1本のクランクホルダピボットパイプ22を、シリンダケース2とアッパクランクケース3の合せ面を軸芯とし、並列に配置されたシリンダ及びクランクの中間に、ノックピン22−1にて位相及び軸方向を位置決めし、シリンダケースボルトにて締結固定することでピボット軸としている。(図1−1、2、4参照)
特許文献2の様に、ピボット軸を揺動アーム毎に分割しシリンダケースに固定したものは、シリンダケースの剛性、強度向上にピボット軸は寄与しておらず剛性、強度不足となり易い。特許文献3の例では、1本の変速機入力軸をピボット軸としクランクケースに玉軸受にて軸支しており、入力軸はクランクケースの剛性、強度向上に寄与しておらず剛性、強度不足となり易い。また、単気筒であれば左右揺動アームスパンと入力軸のギヤ列幅が近いので入力軸をピボット軸にできるが、多気筒になると幅が違いすぎピボット軸とすることは困難となる。また、クランクホルダ揺動駆動機構(ジャッキ機構)をシリンダ軸線、クランク回転軸付近に設けることで、燃焼圧とクランク回転による巨大な負荷変動によるピボット軸部の負荷を極力少なくしているが、揺動駆動機構を保持する部分のクランクケースに負荷が集中するので、その部分のケースの剛性、強度不足を招き易く大排気量エンジンには向かない。
本発明は、クランクを保持する揺動アームのピボット軸を、クランクの両端ジャーナル間幅と少なくとも略同長の円筒としケース合せ面にて締結固定することにより、ケースの剛性、強度を増すことができるので、燃焼圧とクランク回転による巨大な負荷変動、及び動力伝達により発生する負荷に対する、ケースの充分な剛性、強度、耐久性を、多気筒、大排気量エンジンにおいても確保できるようになる。
クランクホルダピボットパイプ22の変速機側内径部には、ラビリンスシール溝を有するオイルシール22−2が挿入され、反対側の端部内径側にはラビリンスシール溝が彫られており、アウトプットシャフト41外径との間に設けられた油路からのオイルの漏れを抑えている。オイルシール等にて漏れを完全に防止する方法もあるが、メカロス低減と、ラビリンスシール外側に配置されたアウトプット側ベアリング42、カムシャフトドライブチェーン側ベアリング43を潤滑する為に、R、Lクランクホルダ21R、21Lのピボット軸穴部からも含めて適正油圧を確保しつつオイルを漏らし噴射する構造としている。また、クランクホルダピボットパイプ22のR、Lクランクホルダ21R、21Lのピボット軸受部には、R、Lクランクホルダ21R、21Lのピボット軸穴部の軸方向略中央全周に設けられた油溝に連通する油穴が設けられている。クランクホルダピボットパイプ22内径とアウトプットシャフト41外径との間に設けられた油路へのオイル供給は、図1−4のようにオイルパン6に溜められたオイルがオイルポンプ(図示せず)により、ロアー、ミドル、アッパクランクケース5、4、3に設けたクランク潤滑オイル通路5e、4b、3aを経由し供給される。
(図1−1、2、4参照)
特許文献3の例の様に、クランクホルダとクランクホイール側面に保持されたシールプレートの側面を摺動接触させ油路を形成する方法では、油圧を上げることが困難で玉軸受には採用可能だがメタル軸受では採用困難であり、エンジン回転と同回転にて摺動接触するのでメカロス大で耐久性も劣るし、なによりも多気筒にはシールプレートの組立面から採用できないものである。揺動するクランクに潤滑油を供給する他の方法としては、可撓性のあるホースにてクランクジャーナル部に油を送る方法があるが、メタル軸受の場合は高圧で供給する必要があり、高温、高圧、可撓耐久性を有するホースが必要となりコストUPを招く。
本発明の様に、潤滑油供給専用部品を使わずに、シール性があり高圧を確保し易いピボット軸から、揺動アーム部に設けた油路を経由してクランクジャーナル部に油を送るのが合理的な方法であり、クランクの両端ジャーナル間幅つまりはクランクホルダ両端揺動アーム部幅と少なくとも略同長とした円筒(ピボット軸)の内径穴部をクランク等にオイルを供給するオイル通路とすることで、コスト、重量UPすること無く多気筒にも高圧油を供給できるものである。
(図1−1、2、4参照)
特許文献3の例の様に、クランクホルダとクランクホイール側面に保持されたシールプレートの側面を摺動接触させ油路を形成する方法では、油圧を上げることが困難で玉軸受には採用可能だがメタル軸受では採用困難であり、エンジン回転と同回転にて摺動接触するのでメカロス大で耐久性も劣るし、なによりも多気筒にはシールプレートの組立面から採用できないものである。揺動するクランクに潤滑油を供給する他の方法としては、可撓性のあるホースにてクランクジャーナル部に油を送る方法があるが、メタル軸受の場合は高圧で供給する必要があり、高温、高圧、可撓耐久性を有するホースが必要となりコストUPを招く。
本発明の様に、潤滑油供給専用部品を使わずに、シール性があり高圧を確保し易いピボット軸から、揺動アーム部に設けた油路を経由してクランクジャーナル部に油を送るのが合理的な方法であり、クランクの両端ジャーナル間幅つまりはクランクホルダ両端揺動アーム部幅と少なくとも略同長とした円筒(ピボット軸)の内径穴部をクランク等にオイルを供給するオイル通路とすることで、コスト、重量UPすること無く多気筒にも高圧油を供給できるものである。
R、Lクランクシャフト14R、14Lを回転可能に軸支するR、Lクランクホルダ21R、21Lは、R、Lクランクシャフト14R、14Lの回転軸芯及びクランクホルダピボットパイプ22の軸芯を結んだ平面にて二つ割りとした、R、Lアッパクランクホルダ21R−1、21L−1及びR、Lロアークランクホルダ21R−2、21L−2を、ノックピン21−6にて正確に位置決めしクランクホルダボルト21−4にて締結一体化し、クランクホルダピボットパイプ22に左右振分けに揺動自在に軸支されている。
R、Lクランクシャフト14R、14Lの回転軸芯及びクランクホルダピボットパイプ22の軸芯を含む平面に対し、直角方向から視たR、Lクランクホルダ21R、21Lの形状は、揺動アーム部21R−1b、21L−1b、21R−2b、21L−2bを、R、Lクランクシャフト14R、14Lの回転軸に略直角に各クランクジャーナル部14Ra、14Laとクランクホルダピボットパイプ22を連結すると共に、R、Lクランクシャフト14R、14Lの回転軸に対してクランクホルダピボットパイプ22の反対方向側にまで延長して形成し、クランクホルダピボットパイプ22の反対側のR、Lクランクシャフト14R、14Lの外側で、各揺動アーム部21R−1b、21L−1b、21R−2b、21L−2bをR、Lクランクシャフト14R、14Lの回転軸に略平行な連結アーム部21R−1a、21L−1a、21R−2a、21L−2aにて連結した櫛状としている。各揺動アーム部のピボット軸穴とクランクジャーナル穴間の揺動アーム部21R−2b、21L−2bの合せ面部には、オイル通路21R−2d、21L−2dが設けられており、クランクジャーナル部14Ra、14La、クランクピン部14Rb、14Lbへオイルを供給している。また、R、Lクランクシャフト14R、14Lの回転軸芯及びクランクホルダピボットパイプ22の軸芯を含む平面は、ピボット軸方向視V字状に配置されており、本実施例では略90°としている。尚、クランクホルダを収納する部分のクランクケースはクランク軸付近で上下2分割され、クランクホルダ類のクランクケースへの組付けを可能にしている。
本実施例では、クランクホルダの軸方向位置決めをRクランクホルダ21RはX部、Lクランクホルダ21LはX’部のケース及びホルダのスパン公差を精密にし、最少隙間とすることでガタツキを最少限におさえつつ揺動自在とし、他の部分は隙間を大きくし公差をラフにしているが、位置決めはどの揺動アーム部で行っても良い。
(図1−1〜4参照)
特許文献3の例の様に、揺動アームを結合部材で締結しクランクホルダを形成するものは、剛性、強度を確保しにくく小排気量、単気筒であれば成立するが、多気筒、大排気量に採用することは非常に困難となる。特許文献2の例では、クランクホルダをコの字状に一体形成しており比較的に剛性を確保し易いが、クランクジャーナル部を半割状の軸受具にて保持する方式ゆえ、半割り片方のクランクホルダのみで剛性、強度を確保する必要があると共に、ジャーナル部を潤滑する油路の形成が難しい。また、ピボット軸が揺動アーム部毎に別体であるのでアーム根元部が剛性不足となり大排気量への採用は困難である。
本発明の様に、クランクジャーナル部毎に設けた揺動アームをピボット軸穴の反対側のクランク外側でクランク回転軸に略平行なアームにて連結し櫛状としたクランクホルダを、ピボット軸として各揺動アームに亘って1本の円筒にて揺動保持することにより、クランク回転軸芯及び円筒軸芯を含む平面方向の剛性、強度を著しく向上させることができ、クランク回転軸芯及び円筒軸芯を結んだ平面にて二つ割りとし締結することで、割面両側に略均等に揺動アームを形成できるので割面に直角方向の剛性、強度も確保し易く、多気筒、大排気量化が可能となる。また、割面部に鋳造による溝を形成できるのでピボット部やクランク等への油路を容易に形成できる。
両側クランク軸とピボット軸を直線的に配置し連結アーム部に本実施例のようなジャッキを採用すれば、両側クランク軸、ピボット軸及びジャッキホルダパイプ中心を同一平面上の合せ面に配置でき、ケース及びクランクホルダの加工が容易になると共に、ジャッキ部への負荷も低減できるが、クランク回転の邪魔にならないようにクランクホルダの連結アーム部及びピボット軸はコンロッド大端の最大回転軌跡を逃げた位置に配置する必要があり、ピボット軸方向視左右方向のケース幅が広くなりすぎてしまう。両側クランクホルダをピボット軸方向視V字状に配置することで、両側クランクのコンロッド大端の最大回転軌跡どうしが当らない位置まで狭めて配置でき、左右方向のケース幅をコンパクトにできると共に、本実施例のようにクランク毎にシリンダを有するものにおいてはシリンダの挟み角を0°から180°まで採用可能となる。
R、Lクランクシャフト14R、14Lの回転軸芯及びクランクホルダピボットパイプ22の軸芯を含む平面に対し、直角方向から視たR、Lクランクホルダ21R、21Lの形状は、揺動アーム部21R−1b、21L−1b、21R−2b、21L−2bを、R、Lクランクシャフト14R、14Lの回転軸に略直角に各クランクジャーナル部14Ra、14Laとクランクホルダピボットパイプ22を連結すると共に、R、Lクランクシャフト14R、14Lの回転軸に対してクランクホルダピボットパイプ22の反対方向側にまで延長して形成し、クランクホルダピボットパイプ22の反対側のR、Lクランクシャフト14R、14Lの外側で、各揺動アーム部21R−1b、21L−1b、21R−2b、21L−2bをR、Lクランクシャフト14R、14Lの回転軸に略平行な連結アーム部21R−1a、21L−1a、21R−2a、21L−2aにて連結した櫛状としている。各揺動アーム部のピボット軸穴とクランクジャーナル穴間の揺動アーム部21R−2b、21L−2bの合せ面部には、オイル通路21R−2d、21L−2dが設けられており、クランクジャーナル部14Ra、14La、クランクピン部14Rb、14Lbへオイルを供給している。また、R、Lクランクシャフト14R、14Lの回転軸芯及びクランクホルダピボットパイプ22の軸芯を含む平面は、ピボット軸方向視V字状に配置されており、本実施例では略90°としている。尚、クランクホルダを収納する部分のクランクケースはクランク軸付近で上下2分割され、クランクホルダ類のクランクケースへの組付けを可能にしている。
本実施例では、クランクホルダの軸方向位置決めをRクランクホルダ21RはX部、Lクランクホルダ21LはX’部のケース及びホルダのスパン公差を精密にし、最少隙間とすることでガタツキを最少限におさえつつ揺動自在とし、他の部分は隙間を大きくし公差をラフにしているが、位置決めはどの揺動アーム部で行っても良い。
(図1−1〜4参照)
特許文献3の例の様に、揺動アームを結合部材で締結しクランクホルダを形成するものは、剛性、強度を確保しにくく小排気量、単気筒であれば成立するが、多気筒、大排気量に採用することは非常に困難となる。特許文献2の例では、クランクホルダをコの字状に一体形成しており比較的に剛性を確保し易いが、クランクジャーナル部を半割状の軸受具にて保持する方式ゆえ、半割り片方のクランクホルダのみで剛性、強度を確保する必要があると共に、ジャーナル部を潤滑する油路の形成が難しい。また、ピボット軸が揺動アーム部毎に別体であるのでアーム根元部が剛性不足となり大排気量への採用は困難である。
本発明の様に、クランクジャーナル部毎に設けた揺動アームをピボット軸穴の反対側のクランク外側でクランク回転軸に略平行なアームにて連結し櫛状としたクランクホルダを、ピボット軸として各揺動アームに亘って1本の円筒にて揺動保持することにより、クランク回転軸芯及び円筒軸芯を含む平面方向の剛性、強度を著しく向上させることができ、クランク回転軸芯及び円筒軸芯を結んだ平面にて二つ割りとし締結することで、割面両側に略均等に揺動アームを形成できるので割面に直角方向の剛性、強度も確保し易く、多気筒、大排気量化が可能となる。また、割面部に鋳造による溝を形成できるのでピボット部やクランク等への油路を容易に形成できる。
両側クランク軸とピボット軸を直線的に配置し連結アーム部に本実施例のようなジャッキを採用すれば、両側クランク軸、ピボット軸及びジャッキホルダパイプ中心を同一平面上の合せ面に配置でき、ケース及びクランクホルダの加工が容易になると共に、ジャッキ部への負荷も低減できるが、クランク回転の邪魔にならないようにクランクホルダの連結アーム部及びピボット軸はコンロッド大端の最大回転軌跡を逃げた位置に配置する必要があり、ピボット軸方向視左右方向のケース幅が広くなりすぎてしまう。両側クランクホルダをピボット軸方向視V字状に配置することで、両側クランクのコンロッド大端の最大回転軌跡どうしが当らない位置まで狭めて配置でき、左右方向のケース幅をコンパクトにできると共に、本実施例のようにクランク毎にシリンダを有するものにおいてはシリンダの挟み角を0°から180°まで採用可能となる。
R、Lアッパクランクホルダ21R−1、21L−1の上側連結アーム部付近は揺動アーム部21R−1b、21L−1bと連結アーム部21R−1a、21L−1aを補強連結天井部21R−1c、21L−1cにて板状に橋渡して連結、R、Lロアークランクホルダ21R−2、21L−2のオイルパン側は、揺動アーム部21R−2b、21L−2bと連結アーム部21R−2a、21L−2aを補強連結底板部21R−2c、21L−2cにて板状に橋渡して連結し船底状に形成、それより張出す形でジャッキアーム部21R−2e、21L−2eを設け、ジャッキキャップ21R−3F、21R−3R、21L−3F、21L−3Rとて゛、ジャッキピース53に当接するピボット軸に平行な円筒穴を形成している。円筒穴は芯にて二つ割りされており、穴部にジャッキ類を収めた後にジャッキキャップをジャッキキャップボルト21−8にて締結することでケースへの組付けを可能にしている。
補強連結部にてクランクホルダの剛性、強度向上を図ると共に、船底状補強部でオイルパンのオイルが波立って、回転しているクランクに当たることによるメカロス増加を、専用の波立ち防止板を設けることなく防止している。尚、船底状補強部には上面に溜まったオイルをオイルパン6に戻す、オイル戻し穴21R−2f、21L−2fが設けられている。
ジャッキキャップ21R−3F、21R−3R、21L−3F、21L−3Rの側部にはスラスト荷重受け面21R−3Fa、21R−3Ra、21L−3Fa、21L−3Raが設けられており、ロアークランクケース5に設けられたクランクホルダスラスト荷重受け面5dに摺動接触させている。(図1−1、2参照)
動力伝達ギヤのトルク伝達能力向上及び騒音対策として斜歯歯車の採用等により、より増加するクランク回転軸芯及びヒボット軸芯を含む平面方向のモーメントを、ケースにても受けることで剛性、強度を向上できる。
補強連結部にてクランクホルダの剛性、強度向上を図ると共に、船底状補強部でオイルパンのオイルが波立って、回転しているクランクに当たることによるメカロス増加を、専用の波立ち防止板を設けることなく防止している。尚、船底状補強部には上面に溜まったオイルをオイルパン6に戻す、オイル戻し穴21R−2f、21L−2fが設けられている。
ジャッキキャップ21R−3F、21R−3R、21L−3F、21L−3Rの側部にはスラスト荷重受け面21R−3Fa、21R−3Ra、21L−3Fa、21L−3Raが設けられており、ロアークランクケース5に設けられたクランクホルダスラスト荷重受け面5dに摺動接触させている。(図1−1、2参照)
動力伝達ギヤのトルク伝達能力向上及び騒音対策として斜歯歯車の採用等により、より増加するクランク回転軸芯及びヒボット軸芯を含む平面方向のモーメントを、ケースにても受けることで剛性、強度を向上できる。
クランク揺動機構50は、斜面カムを設けたシャフトのスライドにてピースがストロークしクランクホルダを揺動させるジャッキを、シリンダケースに締結固定したパイプにて保持するものである。
加工誤差を吸収できる構造では無いので、加工精度を上げるか選別するかしないと前後二ヶ所のジャッキ部で揺動アームを拗らせてしまう可能性があるが、構造が簡単で部品点数も少ないので加工精度を上げ易くまた選別組立も容易にできると共に、ジャッキ部の剛性、強度を高くできる利点がある。
R、Lジャッキホルダパイプ51R、51Lは、ジャッキアーム部21R−2e、21L−2e及びジャッキキャップ21R−3F、21R−3R、21L−3F、21L−3Rにより形成された円筒穴を貫通する形で、ミドル、ロアークランクケース4、5の合せ面を軸芯とし、ピボット軸と左右クランク軸の中間を通る線に近づけると共に対象位置でピボット軸に平行に、スライドガイド兼用ノックピン51−1にて位相、軸方向位置を決められて締結固定されている。(図1−1、2、6参照)
ジャッキ機構を保持するパイプをケース合せ面にて締結固定することで、ジャッキ側のケースの剛性、強度を増すことができるので、ピボット軸側と合せてクランク軸両側のケースの剛性、強度をバランス良く増すことができ、大きな負荷に耐えられ、大排気量化、ディーゼル化に対応できる。
加工誤差を吸収できる構造では無いので、加工精度を上げるか選別するかしないと前後二ヶ所のジャッキ部で揺動アームを拗らせてしまう可能性があるが、構造が簡単で部品点数も少ないので加工精度を上げ易くまた選別組立も容易にできると共に、ジャッキ部の剛性、強度を高くできる利点がある。
R、Lジャッキホルダパイプ51R、51Lは、ジャッキアーム部21R−2e、21L−2e及びジャッキキャップ21R−3F、21R−3R、21L−3F、21L−3Rにより形成された円筒穴を貫通する形で、ミドル、ロアークランクケース4、5の合せ面を軸芯とし、ピボット軸と左右クランク軸の中間を通る線に近づけると共に対象位置でピボット軸に平行に、スライドガイド兼用ノックピン51−1にて位相、軸方向位置を決められて締結固定されている。(図1−1、2、6参照)
ジャッキ機構を保持するパイプをケース合せ面にて締結固定することで、ジャッキ側のケースの剛性、強度を増すことができるので、ピボット軸側と合せてクランク軸両側のケースの剛性、強度をバランス良く増すことができ、大きな負荷に耐えられ、大排気量化、ディーゼル化に対応できる。
R、Lジャッキホルダパイプ51R、51L内径穴部にはR、Lスライダジャッキ52R、52Lが、スライドガイド兼用ノックピン51−1にスライドガイド溝52Ra、52Laを臨ませることで、位相固定、軸方向自在にスライド可能に挿入されている。R、Lスライダジャッキ52R、52LにはR、Lクランクホルダ21R、21Lの揺動方向上下に軸方向に傾斜する斜面カム部52Rb、52Lbが形成されており、カムに当接し揺動方向上下にストロークするジャッキピース53一対が、円筒穴と隙間を最少に抑えて当接するよう配置されている。斜面カム部52Rb、52Lbの傾斜角を動摩擦係数以下に設定することで、ジャッキピース53のストロークを非可逆伝達にすると共に、斜面カム部52Rb、52Lbの端部に圧縮比リミットストッパ部52Rc、52Lcを設け、ジャッキピース53に当てることでR、Lスライダジャッキ52R、52Lのスライド範囲を規制し、Lクランクホルダ21R、21Lの揺動範囲を決め最高、最低圧縮比範囲を制限している。
(図1−1、2、6参照)
特許文献2、3の例でクランクホルダの揺動駆動機構として偏芯カムをもちいたものは、クランクホルダ揺動機構がオーバーランしても、ピストン頂部が吸、排気バルブやシリンダヘッド燃焼室と接触し各部を破損させることは無いが、偏芯カム故、上、下支点付近は非可逆伝達となり負荷側の力により駆動側が動かないので駆動力無しでも位置を保てるが、上、下支点付近以外では可逆伝達となり駆動力を保持しないと位置がずれてしまう。さらに特許文献2では、始動時油圧が上がらない間低圧縮比となると共に、油圧が上がっても燃焼圧変動に対しスプリング反力と油圧では位置を安定して保持することが困難である。特許文献3の例でクランクホルダの揺動駆動機構として油圧を使った場合では、油圧が確保されていれば非可逆伝達にでき安定して保持できるが、油圧が上がらないと位置可変が不可能となるか応答が遅くなると共に保持が不安定となる。また、圧縮比を下げる場合は、圧縮行程終了付近や膨張行程のクランクホルダを燃焼室に対しクランク軸を遠ざける方向に揺動させる力が働く時に、圧縮比を上げる場合は、ピストンの慣性力によりクランクホルダを燃焼室に対しクランク軸を近づける方向に揺動させる力が働く時に、油圧ピストンを作動させる方法が提案されているが、単気筒にて成り立つ案で多気筒では成立困難であり、多気筒で成立させる為にはピストン径に掛かる高燃焼圧に対し、安定して制御可能な油圧ピストン径と油圧が必要となる。
本発明は、ジャッキの斜面カム部傾斜角を動摩擦係数以下に設定することで常時非可逆伝達としており、負荷側からの荷重によりスライダジャッキから制御モータ側の上流伝達機構に力が働かないので、圧縮比可変時、保持時共に全運転時においてクランク軸位置の安定可変、保持が可能となると共に、保持電力が不要となる。傾斜角を静摩擦係数以下にすればスライダジャッキ軸方向をよりコンパクトにできるが、微振動により可逆伝達とならないよう動摩擦係数以下の傾斜角としている。
また、特許文献2、3の例では、偏芯カム又は油圧ピストンの上、下死点にて圧縮比可変範囲を制限しているので、たとえクランクホルダ揺動機構がオーバーランしても偏芯カムであれば上、下死点から中央側に戻るだけであるし、油圧の場合もピストンをシリンダ壁に押付ける荷重が上がるだけであるが、非可逆伝達機構にネジを用いた場合はネジ部がロックしてしまい、制御モータで戻そうとすると過大な電力が必要になるか、最悪の場合はロックを解除できなくなってしまう危険がある。本実施例の様に非可逆伝達部より圧縮比制御モータ側の上流伝達部の動きを規制することで、R、Lスライダジャッキ52R、52Lをロックさせることなく圧縮比可変範囲を制限できている。
(図1−1、2、6参照)
特許文献2、3の例でクランクホルダの揺動駆動機構として偏芯カムをもちいたものは、クランクホルダ揺動機構がオーバーランしても、ピストン頂部が吸、排気バルブやシリンダヘッド燃焼室と接触し各部を破損させることは無いが、偏芯カム故、上、下支点付近は非可逆伝達となり負荷側の力により駆動側が動かないので駆動力無しでも位置を保てるが、上、下支点付近以外では可逆伝達となり駆動力を保持しないと位置がずれてしまう。さらに特許文献2では、始動時油圧が上がらない間低圧縮比となると共に、油圧が上がっても燃焼圧変動に対しスプリング反力と油圧では位置を安定して保持することが困難である。特許文献3の例でクランクホルダの揺動駆動機構として油圧を使った場合では、油圧が確保されていれば非可逆伝達にでき安定して保持できるが、油圧が上がらないと位置可変が不可能となるか応答が遅くなると共に保持が不安定となる。また、圧縮比を下げる場合は、圧縮行程終了付近や膨張行程のクランクホルダを燃焼室に対しクランク軸を遠ざける方向に揺動させる力が働く時に、圧縮比を上げる場合は、ピストンの慣性力によりクランクホルダを燃焼室に対しクランク軸を近づける方向に揺動させる力が働く時に、油圧ピストンを作動させる方法が提案されているが、単気筒にて成り立つ案で多気筒では成立困難であり、多気筒で成立させる為にはピストン径に掛かる高燃焼圧に対し、安定して制御可能な油圧ピストン径と油圧が必要となる。
本発明は、ジャッキの斜面カム部傾斜角を動摩擦係数以下に設定することで常時非可逆伝達としており、負荷側からの荷重によりスライダジャッキから制御モータ側の上流伝達機構に力が働かないので、圧縮比可変時、保持時共に全運転時においてクランク軸位置の安定可変、保持が可能となると共に、保持電力が不要となる。傾斜角を静摩擦係数以下にすればスライダジャッキ軸方向をよりコンパクトにできるが、微振動により可逆伝達とならないよう動摩擦係数以下の傾斜角としている。
また、特許文献2、3の例では、偏芯カム又は油圧ピストンの上、下死点にて圧縮比可変範囲を制限しているので、たとえクランクホルダ揺動機構がオーバーランしても偏芯カムであれば上、下死点から中央側に戻るだけであるし、油圧の場合もピストンをシリンダ壁に押付ける荷重が上がるだけであるが、非可逆伝達機構にネジを用いた場合はネジ部がロックしてしまい、制御モータで戻そうとすると過大な電力が必要になるか、最悪の場合はロックを解除できなくなってしまう危険がある。本実施例の様に非可逆伝達部より圧縮比制御モータ側の上流伝達部の動きを規制することで、R、Lスライダジャッキ52R、52Lをロックさせることなく圧縮比可変範囲を制限できている。
ジャッキピース53は断面形状をT字状としており、R、Lクランクホルダ21R、21Lの円筒穴に接する部分は円弧状とし、斜面カム部52Rb、52Lbと接する部分は平面形状としている。軸方向は端面部をR、Lジャッキホルダパイプ51R、51Lに設けられたジャッキピーススライドガイド鍔51Ra、51Laにて規制され、軸方向固定、軸直角方向ストローク自在としており、T字の縦棒部が臨むR、Lジャッキホルダパイプ51R、51Lの溝穴は、R、Lクランクホルダ21R、21Lの揺動により変動する余弦方向円筒穴位置を吸収できるように隙間を確保してある。(図1−1、2、6参照)
シリンダケースに保持されるパイプ、斜面カムを有するシャフト及びピースに対して、ピースに当接するクランクホルダ側穴位置が、ピボット軸芯とジャッキ機構を保持するパイプの軸芯を結ぶ線上方向で、クランクホルダの揺動により変動しずれるので揺動による角度変化と共に吸収する必要があるが、クランクホルダ側穴を円筒とし接触断面を円弧とすることで相対回転することで角度変化を吸収でき、ピースと斜面カムの接触も横ずれ可能にすることでピボット軸芯とジャッキ機構を保持するパイプの軸芯を結ぶ線上方向の位置ずれも吸収できる。ピースとクランクホルダ穴側の接触断面を平面にしてもピースと斜面カムの片方の接触断面を弧状とすれば位置ずれ、角度変化共吸収可能ではあるが、穴を円筒としたほうが加工が簡単で精度も出しやすく、ピースと斜面カムの接触面も広くとれ剛性、強度、耐久性も高くできる。
シリンダケースに保持されるパイプ、斜面カムを有するシャフト及びピースに対して、ピースに当接するクランクホルダ側穴位置が、ピボット軸芯とジャッキ機構を保持するパイプの軸芯を結ぶ線上方向で、クランクホルダの揺動により変動しずれるので揺動による角度変化と共に吸収する必要があるが、クランクホルダ側穴を円筒とし接触断面を円弧とすることで相対回転することで角度変化を吸収でき、ピースと斜面カムの接触も横ずれ可能にすることでピボット軸芯とジャッキ機構を保持するパイプの軸芯を結ぶ線上方向の位置ずれも吸収できる。ピースとクランクホルダ穴側の接触断面を平面にしてもピースと斜面カムの片方の接触断面を弧状とすれば位置ずれ、角度変化共吸収可能ではあるが、穴を円筒としたほうが加工が簡単で精度も出しやすく、ピースと斜面カムの接触面も広くとれ剛性、強度、耐久性も高くできる。
圧縮比制御機構30は、圧縮比制御モータ31及びその駆動力をジャッキ機構に伝達する伝達機構部と、圧縮比制御モータの正逆回転により揺動するクランクホルダの位置変化を測定するセンサ部とで構成される。
R、Lスライダジャッキ52R、52Lの斜面カム部52Rb、52Lb軸方向中間部にラックギヤ部52Rd、52Ldが設けられており、それに噛合うドライブピニオンギヤ部36aを有するスライダジャッキ連動ドリブンギヤシャフト36が、回転軸をR、Lスライダジャッキ52R、52Lに直角に設けられており、それに平行な回転軸にてアイドルギヤピン35−1にベアリング35−2にて回転自在に軸支されたアイドルギヤ35が噛合い、さらにアイドルギヤ35に圧縮比制御モータ31のドライブピニオンギヤ部31aが噛合い減速機列を形成している。減速機列はケース合せ面に直角な合せ面を持つギヤケースカバー34にて液封、保持されており、減速機列を収納する室にはクランク室から油を取り込むギヤ潤滑油取入窓4aとギヤ潤滑油戻し穴5cを設け取り入れた油を適正レベルに溜めてギヤ部や軸部を潤滑している。
圧縮比制御モータ31はギヤケースカバー34に、Oリング31−2にて液封しボルト31−1にて固定されている。
スライダジャッキ連動ドリブンギヤシャフト36は、ギヤケースカバー34合せ面とロアークランクケース5のドリブンギヤシャフト軸受ボス端面とで軸方向固定し、回転自在にロアークランクケース5に軸支されており、減速機列を収納する室側の軸受外径をドライブピニオンギヤ部36a外径より大きく設定することで、室側からのスライダジャッキ連動ドリブンギヤシャフト36挿入組付けを可能にしている。
ジャッキホルダパイプ51R、51Lの変速機側ミドルクランクケース4及びロアークランクケース5加工穴はプラグ51−2にて液封されている。
(図1−1、2、5〜7参照)
左右のクランクホルダ毎に圧縮比制御機構を設ければ、ジャッキ機構を含む圧縮比制御機構の配置に自由度が増すと共に、左右気筒別々の圧縮比制御が可能となるが左右気筒の圧縮比を均一にする制御が難しくなる。左右のクランクホルダを一つの制御機構で制御すれば、レイアウトはクランクやクランクホルダを避けて二つのクランクホルダを揺動可能に配置する必要があり難しくなるが、組立時に左右のクランク角及びコンロッド小端位置が合っていれば均一に制御でき、コスト重量も低減できる。
本実施例では構造を簡潔にしコスト、重量を軽減する為に、コンロッド小端位置調整機構を設けていないので、左右気筒の圧縮比を合せる為に、動力伝達ギヤの位相を合せ、左右のスライダジャッキの斜面カムに対するラック&ピニオンの歯の位置を合せて歯切りすると共に、関係部品の精度を上げる必要があるが、第二実施例に採用のコンロッド小端位置調整機構を設け組立時に調整すればより精密に合せることができる。
R、Lスライダジャッキ52R、52Lの斜面カム部52Rb、52Lb軸方向中間部にラックギヤ部52Rd、52Ldが設けられており、それに噛合うドライブピニオンギヤ部36aを有するスライダジャッキ連動ドリブンギヤシャフト36が、回転軸をR、Lスライダジャッキ52R、52Lに直角に設けられており、それに平行な回転軸にてアイドルギヤピン35−1にベアリング35−2にて回転自在に軸支されたアイドルギヤ35が噛合い、さらにアイドルギヤ35に圧縮比制御モータ31のドライブピニオンギヤ部31aが噛合い減速機列を形成している。減速機列はケース合せ面に直角な合せ面を持つギヤケースカバー34にて液封、保持されており、減速機列を収納する室にはクランク室から油を取り込むギヤ潤滑油取入窓4aとギヤ潤滑油戻し穴5cを設け取り入れた油を適正レベルに溜めてギヤ部や軸部を潤滑している。
圧縮比制御モータ31はギヤケースカバー34に、Oリング31−2にて液封しボルト31−1にて固定されている。
スライダジャッキ連動ドリブンギヤシャフト36は、ギヤケースカバー34合せ面とロアークランクケース5のドリブンギヤシャフト軸受ボス端面とで軸方向固定し、回転自在にロアークランクケース5に軸支されており、減速機列を収納する室側の軸受外径をドライブピニオンギヤ部36a外径より大きく設定することで、室側からのスライダジャッキ連動ドリブンギヤシャフト36挿入組付けを可能にしている。
ジャッキホルダパイプ51R、51Lの変速機側ミドルクランクケース4及びロアークランクケース5加工穴はプラグ51−2にて液封されている。
(図1−1、2、5〜7参照)
左右のクランクホルダ毎に圧縮比制御機構を設ければ、ジャッキ機構を含む圧縮比制御機構の配置に自由度が増すと共に、左右気筒別々の圧縮比制御が可能となるが左右気筒の圧縮比を均一にする制御が難しくなる。左右のクランクホルダを一つの制御機構で制御すれば、レイアウトはクランクやクランクホルダを避けて二つのクランクホルダを揺動可能に配置する必要があり難しくなるが、組立時に左右のクランク角及びコンロッド小端位置が合っていれば均一に制御でき、コスト重量も低減できる。
本実施例では構造を簡潔にしコスト、重量を軽減する為に、コンロッド小端位置調整機構を設けていないので、左右気筒の圧縮比を合せる為に、動力伝達ギヤの位相を合せ、左右のスライダジャッキの斜面カムに対するラック&ピニオンの歯の位置を合せて歯切りすると共に、関係部品の精度を上げる必要があるが、第二実施例に採用のコンロッド小端位置調整機構を設け組立時に調整すればより精密に合せることができる。
センサ部は、Lクランクホルダ21Lの揺動ピボット軸方向中央付近の連結アーム部に配置され、アッパ及びロアークランクホルダの締結ボルトの役目を兼ねるクランク位置検知センサボルト21−7の頭部頂面に、測定子先端が接触するようにミドルクランクケース4にボルト33−1にて固定されたクランク位置検知センサ33にて構成され、Lクランクホルダ21Lの揺動変化位置を測定することでLクランクシャフト14Lの回転軸位置の変化を読み取り、電子制御装置(図示せず)により圧縮比制御モータ31の回転制御を行うことで圧縮比可変を正確、精密に制御する。(図1−1参照)
圧縮比可変駆動源としてモータを用いることで、油圧を用いた場合の様な始動時の油圧不足による応答の遅さや、保持位置の不安定化の問題を防げる。また、クランク位置検知センサを、揺動アーム比が約2倍となるクランクホルダ先端部に設けたことで、センサの測定分解能の約2倍の精密さでクランク位置を検知できると共に、クランクホルダ揺動軸方向の中央付近に配置したことでホルダの揺動軸方向の振れの節部分で測定することで、測定データの振れを抑えられより正確な検知が可能となっている。
圧縮比可変駆動源としてモータを用いることで、油圧を用いた場合の様な始動時の油圧不足による応答の遅さや、保持位置の不安定化の問題を防げる。また、クランク位置検知センサを、揺動アーム比が約2倍となるクランクホルダ先端部に設けたことで、センサの測定分解能の約2倍の精密さでクランク位置を検知できると共に、クランクホルダ揺動軸方向の中央付近に配置したことでホルダの揺動軸方向の振れの節部分で測定することで、測定データの振れを抑えられより正確な検知が可能となっている。
アウトプット部40は、変速機、動弁、オイルポンプ、補機類への動力伝達部等で構成されている。
アウトプットシャフト41は、クランクホルダピボットパイプ22の穴部に同軸芯に配置されており、外径部とクランクホルダピボットパイプ22の内径部とで油路を形成している。潤滑油供給専用部品を使わずに、シール性があり高圧を確保し易いピボット軸から、揺動アーム部に設けた油路を経由してクランクジャーナル部に油を送るのが合理的な方法であり、クランクの両端ジャーナル間幅つまりはクランクホルダ両端揺動アーム部幅と少なくとも略同長とした円筒(ピボット軸)の内径穴部をクランク等にオイルを供給するオイル通路とすることで、コスト、重量UPすること無く多気筒にも高圧油を供給できるものである。
アウトプットシャフト41は、クランクホルダピボットパイプ22の穴部に同軸芯に配置されており、外径部とクランクホルダピボットパイプ22の内径部とで油路を形成している。潤滑油供給専用部品を使わずに、シール性があり高圧を確保し易いピボット軸から、揺動アーム部に設けた油路を経由してクランクジャーナル部に油を送るのが合理的な方法であり、クランクの両端ジャーナル間幅つまりはクランクホルダ両端揺動アーム部幅と少なくとも略同長とした円筒(ピボット軸)の内径穴部をクランク等にオイルを供給するオイル通路とすることで、コスト、重量UPすること無く多気筒にも高圧油を供給できるものである。
アウトプットシャフト41は、Lクランクシャフト14Lの動力を伝達するアイドルギヤ47に噛合うドリブンギヤ部41aを有し、その外側側部のドリブンギヤ圧入部41cに、変速機係合ボス部48aを有するドリブンギヤ48がスプライン係合にて回転方向固定、圧入にて軸方向固定され、Rクランクシャフト14RのRドライブピニオンギヤ14R−3に噛合い動力を伝達している。変速機係合ボス部48a外径部はシリンダケース2及びアッパクランクケース3に圧入されたオイルシール41−1にて液封されている。巨大な負荷に耐えしかもクランクケースの軸方向寸法をコンパクトに抑える為に、内側側部のクランクホルダピボットパイプ22内径部に、ドリブンギヤ部41a段付部とオイルシール22−2にて軸方向固定した保持器付針状ころ軸受のアウトプット側ベアリング42を配置し、アウトプットシャフト41を回転自在に軸支している。クランクホルダピボットパイプ22を挟んでドリブンギヤ部41aの反対側には、段付軸部41bが設けられており、クランクホルダピボットパイプ22の直ぐ外側にカムシャフトドライブチェーン側ベアリング43、その外側にカムシャフトドライブスプロケット44、補機ドライブプーリ45の順に配置され、ボルト45−1にて締結され軸方向を固定されている。尚、カムシャフトドライブスプロケット44、補機ドライブプーリ45はスプラインにて位相を決め、回転固定されている。また、カムシャフトドライブスプロケット44は、Oリング44−1及びカムシャフトドライブチェーンカバー7に圧入されたオイルシール44−2にて液封されており、オイルポンプドライブスプロケット44aクランク位相検知ピン44−3が併設されている。カムシャフトドライブチェーン側ベアリング43は深溝玉軸受とし外輪をCリング43−1にて位置決めすることで、アウトプットシャフト41を軸方向固定、回転自在に軸支している。尚、カムシャフトドライブスプロケット44のスプロケットは左右気筒のカムを別々のカムチェーンで駆動する方式の為二列としている。(図1−2、4、7、8参照)
特許文献3の例の様に、変速機入力軸にクランクホルダを揺動軸支するものは多気筒でのレイアウトが困難であり、クランク回転軸からチェーンにて動弁の駆動をしているが、発明が解決しようとする課題の対応必須項目4で述べたクランク回転軸とカムシャフト軸間距離の変化対応及びアクセルに対する瞬時応答性の確保が不十分である。
本発明の様に、クランクにギヤを介して変速機構と連結するアウトプットを円筒穴部と同芯にて貫通するシャフトとし、ギヤ列側に配置した変速機係合ボス部の反対側の円筒外側に動弁、オイルポンプ、補機類等駆動の為のスプロケット、プーリ等を配置することで、動弁伝動機構のクランク回転軸とカムシャフト軸間距離を不変とし、変動する場合の多くの問題を解決すると共に、シリンダブロック(クランク)に対し変速機構の反対側に動弁、オイルポンプ、補機類等を配置することで、コンパクトで整備しやすいエンジンにできる。
特許文献3の例の様に、変速機入力軸にクランクホルダを揺動軸支するものは多気筒でのレイアウトが困難であり、クランク回転軸からチェーンにて動弁の駆動をしているが、発明が解決しようとする課題の対応必須項目4で述べたクランク回転軸とカムシャフト軸間距離の変化対応及びアクセルに対する瞬時応答性の確保が不十分である。
本発明の様に、クランクにギヤを介して変速機構と連結するアウトプットを円筒穴部と同芯にて貫通するシャフトとし、ギヤ列側に配置した変速機係合ボス部の反対側の円筒外側に動弁、オイルポンプ、補機類等駆動の為のスプロケット、プーリ等を配置することで、動弁伝動機構のクランク回転軸とカムシャフト軸間距離を不変とし、変動する場合の多くの問題を解決すると共に、シリンダブロック(クランク)に対し変速機構の反対側に動弁、オイルポンプ、補機類等を配置することで、コンパクトで整備しやすいエンジンにできる。
カムシャフトドライブスプロケット44とカムシャフト(以下図示せず)の一端に組付けられたドリブンスプロケットとの間に、カムチェーンがチェーンガイド、チェーンテンショナ、チェーンアジャスタ等により適正走行するよう巻回装架され、カムシャフトドライブスプロケット44がカムシャフトを回転させ、吸、排気バルブを作動させている。
本実施例では、R、Lクランクの回転方向を逆とする為に、Lクランクシャフト14Lとアウトプットシャフト41の中間にアイドルギヤ47を設けている。アイドルギヤ47は、Lクランクホルダ21Lの合せ面上を軸芯とし、ボルト46−1にて固定されたアイドルギヤホルダ46にベアリング47−1を介して回転自在に、スクリュ47−3で固定されたホルダプレート47−2にて軸方向固定し軸支されている。
(図1−2、8参照)
左右のクランク回転を逆にすることにより、ジャイロ効果の方向性をキャンセルできるので運転時のエンジン回転及び回転変化による挙動を抑えられ車体への影響を少なくできる。従来エンジンの様にジャイロ効果の方向性を問題にしなければ、右クランクの動力伝達ギヤ列と同列に同様なギヤにて伝達できるのでクランクケースの軸方向寸法をコンパクトに抑えることができる。
(図1−2、8参照)
左右のクランク回転を逆にすることにより、ジャイロ効果の方向性をキャンセルできるので運転時のエンジン回転及び回転変化による挙動を抑えられ車体への影響を少なくできる。従来エンジンの様にジャイロ効果の方向性を問題にしなければ、右クランクの動力伝達ギヤ列と同列に同様なギヤにて伝達できるのでクランクケースの軸方向寸法をコンパクトに抑えることができる。
第二実施形態の圧縮比可変装置は請求項2〜4、7、8の具体的実施例で、第一実施形態の2列並列シリンダを1列直列シリンダに変え平行に配置した2本のクランクを用いロンビック機構を構成することで、ピストン側圧を限りなく零に抑えメカロスを大幅に低減するもので、クランク機構10、クランク揺動保持機構20、圧縮比制御機構30、アウトプット部40、クランク揺動機構50を含む。尚、第一実施形態と同様な部分については説明を省略し、異なる点について説明する。
クランク機構10は第一実施形態のV型シリンダ2気筒2軸並列クランクに対し直列シリンダ4気筒2軸並列クランクとしたもので、コンロッドより下回りはアウトプット側ベアリング42の構造変更により、クランクジャーナルベアリング14−6とRドライブピニオンギヤ14R−3とのスパンが増加したので、ころ長をL側より長いものに変更すると共に、Lクランクシャフト14Lのクランクピン部14Lbに対するRクランクシャフト14Rのクランクピン部14Rbの位相を調整可能にする為に、動力伝達ギヤが平歯車の場合はRドライブピニオンギヤ14R−3のRクランクシャフト14Rへの取付部を捻りスプライン、斜歯歯車の場合は取付部を平歯のスプラインとし、アジャストナット14−8及びロックナット14−4にて軸方向位置を調整して位相を調整後固定する。それ以外は同様な構造ゆえ説明を省略する。
両側クランクの位相合せは、本実施例では各クランクをシム調にて軸方向位置、隙間を規定範囲に調整しクランクホルダに動力伝達ギヤ類も含めて組付後、Lクランクシャフト14L及びLクランクホルダ21Lのクランク位相合せ穴14Lx、21Lxにピンを挿入し基準の位相に固定後、Rクランクシャフト14R及びRクランクホルダ21Rのクランク位相合せ穴14Rx、21Rxにアジャストナット14−8及びロックナット14−4にて軸方向位置を調整して位相を調整しピンが挿入できるようにすることで位相を合せている。
ピストン回りは、両側クランク軸の中間位置でクランク軸に平行にアッパクランクケース3に組付けられたシリンダ1に、ストローク自在に挿入されたピストン11に、クランク軸直角方向視、シリンダ軸を含む略同一平面上にある両側2本のコンロッド13をヨーク15を介して連結し、両側クランクのクランク角を合せると共に逆回転させることでコンロッド13を左右対称に動かし、ピストン11を限りなく直線的にストロークさせ側圧を略零に抑えることでピストンスカートを省略している。尚、ヨーク15はピストンピン12にてピストン11に揺動自在に軸支されると共に、コンロッド小端ピン16にて両側2本のコンロッド13に軸方向固定、揺動自在に軸支されており、ピストンピン12はピストンピンサークリップ12−1、コンロッド小端ピン16はサークリップ16−1にて抜け止めされている。ヨーク15のピストンピン及びコンロッド小端ピン穴は、軽量化の為に可能な限り短いスパンの二等辺三角形位置に設け、左右のコンロッド小端ピン穴をシリンダ軸穴中心に対し左右振分けで軸方向高さを揃えた位置としている。尚、図2−1におけるコンロッド実線は上死点位相のコンロッド13を、鎖線はクランクピン部の位相が180°ずれた他の気筒のコンロッド13を示し、二点鎖線は下死点位相時のコンロッド13を示す。各クランクは上死点から下死点側にシリンダ軸線側に回転するので、吸入、膨張行程のクランク回転角が圧縮、排気行程より広い回転角となり、空気の吸入及び燃焼圧をトルクに変換する回転角が広くなると共に、膨張行程初期の燃焼圧が高い時に、コンロッドアーム大小端軸線がピストンストローク軸に対し傾斜角が小さく、しかもクランク半径の接線方向にも近いので効率良くトルクに変換できる。(図2−1〜3参照)
クランクが2軸となりクランク回りの左右幅が広くなると共にコスト重量が増加し、動力伝達ギヤ追加によるメカロスも増加してしまうデメリットはあるが、燃焼圧を2本のクランクで分担することにより、1本のクランクの場合に比べクランクピン径を細くでき、周速減によるメカロス低減によりギヤ追加による増加は抑えられる。また、ピストンを限りなく直線的にストロークさせることで側圧を略零にできメカロスを大幅に低減すると共に、効率良くトルクに変換できる。
両側クランクの位相合せは、本実施例では各クランクをシム調にて軸方向位置、隙間を規定範囲に調整しクランクホルダに動力伝達ギヤ類も含めて組付後、Lクランクシャフト14L及びLクランクホルダ21Lのクランク位相合せ穴14Lx、21Lxにピンを挿入し基準の位相に固定後、Rクランクシャフト14R及びRクランクホルダ21Rのクランク位相合せ穴14Rx、21Rxにアジャストナット14−8及びロックナット14−4にて軸方向位置を調整して位相を調整しピンが挿入できるようにすることで位相を合せている。
ピストン回りは、両側クランク軸の中間位置でクランク軸に平行にアッパクランクケース3に組付けられたシリンダ1に、ストローク自在に挿入されたピストン11に、クランク軸直角方向視、シリンダ軸を含む略同一平面上にある両側2本のコンロッド13をヨーク15を介して連結し、両側クランクのクランク角を合せると共に逆回転させることでコンロッド13を左右対称に動かし、ピストン11を限りなく直線的にストロークさせ側圧を略零に抑えることでピストンスカートを省略している。尚、ヨーク15はピストンピン12にてピストン11に揺動自在に軸支されると共に、コンロッド小端ピン16にて両側2本のコンロッド13に軸方向固定、揺動自在に軸支されており、ピストンピン12はピストンピンサークリップ12−1、コンロッド小端ピン16はサークリップ16−1にて抜け止めされている。ヨーク15のピストンピン及びコンロッド小端ピン穴は、軽量化の為に可能な限り短いスパンの二等辺三角形位置に設け、左右のコンロッド小端ピン穴をシリンダ軸穴中心に対し左右振分けで軸方向高さを揃えた位置としている。尚、図2−1におけるコンロッド実線は上死点位相のコンロッド13を、鎖線はクランクピン部の位相が180°ずれた他の気筒のコンロッド13を示し、二点鎖線は下死点位相時のコンロッド13を示す。各クランクは上死点から下死点側にシリンダ軸線側に回転するので、吸入、膨張行程のクランク回転角が圧縮、排気行程より広い回転角となり、空気の吸入及び燃焼圧をトルクに変換する回転角が広くなると共に、膨張行程初期の燃焼圧が高い時に、コンロッドアーム大小端軸線がピストンストローク軸に対し傾斜角が小さく、しかもクランク半径の接線方向にも近いので効率良くトルクに変換できる。(図2−1〜3参照)
クランクが2軸となりクランク回りの左右幅が広くなると共にコスト重量が増加し、動力伝達ギヤ追加によるメカロスも増加してしまうデメリットはあるが、燃焼圧を2本のクランクで分担することにより、1本のクランクの場合に比べクランクピン径を細くでき、周速減によるメカロス低減によりギヤ追加による増加は抑えられる。また、ピストンを限りなく直線的にストロークさせることで側圧を略零にできメカロスを大幅に低減すると共に、効率良くトルクに変換できる。
クランク揺動保持機構20及びクランク揺動機構50は、第一実施形態に対しクランクホルダピボットパイプ22を、両側クランク軸に対しシリンダの反対側シリンダ軸線上に配置すると共に、R、Lジャッキホルダパイプ51R、51Lをクランクホルダピボットパイプ22と共に、ミドル、ロアークランクケース4、5の合せ面を軸芯に、R、Lジャッキホルダパイプ51R、51Lを含めたジャッキ部を、ピボット軸方向視、2本のクランクに対し、コンロッド大端の最大回転軌跡Wより略内側に配置変更している。それ以外は同様な構造ゆえ説明を省略する。(図2−1〜3参照)
ジャッキ部(本実施例ではジャッキを形成するジャッキホルダパイプ、スライダジャッキ、ジャッキピースが相当する)を収める両側クランクホルダのジャッキアーム部外幅を、ピボット軸方向視両側クランクホルダの補強連結底板部外幅と略同幅以内に出きるのでケース幅をコンパクトに出きる。また、シリンダの反対側に配置することによりクランク機構やクランク揺動保持機構に邪魔されることなく、ジャッキを連動して動かす機構部分の配置が可能となり、一つの圧縮比制御モータでの両側クランクホルダの揺動制御が可能となる。ロンビック機構を用いた圧縮比可変装置では左右のコンロッド小端位置を正確に合せて左右対称にストロークさせる必要があるので、組立時に左右のクランク位相及びコンロッド小端位置を調整し左右のクランクホルダを一つの制御機構で制御することが必須となる。
ジャッキ部(本実施例ではジャッキを形成するジャッキホルダパイプ、スライダジャッキ、ジャッキピースが相当する)を収める両側クランクホルダのジャッキアーム部外幅を、ピボット軸方向視両側クランクホルダの補強連結底板部外幅と略同幅以内に出きるのでケース幅をコンパクトに出きる。また、シリンダの反対側に配置することによりクランク機構やクランク揺動保持機構に邪魔されることなく、ジャッキを連動して動かす機構部分の配置が可能となり、一つの圧縮比制御モータでの両側クランクホルダの揺動制御が可能となる。ロンビック機構を用いた圧縮比可変装置では左右のコンロッド小端位置を正確に合せて左右対称にストロークさせる必要があるので、組立時に左右のクランク位相及びコンロッド小端位置を調整し左右のクランクホルダを一つの制御機構で制御することが必須となる。
圧縮比制御機構30は、第一実施形態ではスライダジャッキ連動ドリブンギヤシャフト36にて直接R、Lスライダジャッキ52R、52Lを動かしたのに対し、Lスライダジャッキ52Lのラックギヤ部52Ldに噛合うドライブピニオンギヤ36a側部に、同様に噛合う連動ギヤ55をスプライン軸にて回転固定、圧入にて軸方向固定したスライダジャッキ連動シャフト54をドリブンギヤシャフト36とは別に設け、Rスライダジャッキ52Rのラックギヤ部52Rdに噛合う連動アジャストギヤ56を捻りスプライン軸にて回転固定、スプリング56−3及びアジャストナット56−1にて軸方向位置を調整後、ロックナット56−2にてアジャストナット56−1をロックし軸方向固定することで、連動アジャストギヤ56の位相を調整し両側クランク軸の位置を調整可能としている。但し、連動アジャストギヤ56の取付部を捻りスプラインとする場合は、Rスライダジャッキ52R及び連動アジャストギヤ56のラック&ギヤが平歯の時で、斜歯にすれば平歯のスプライン軸でよい。尚、捻りスプライン及び斜歯ラック&ギヤの傾斜角を動摩擦係数以下に設定することで、回転トルクにより連動アジャストギヤ56が軸方向に動くことはなく、スプリング56−3にて連動アジャストギヤ56をアジャストナット56−1側に押付けるバネ力で軸方向を固定できている。両側クランク軸位置の調整は、クランク位相を調整し両側コンロッド小端にヨークを組付後コンロッド小端高さを合わすのがよい方法だが、両側クランクホルダに基準を設け基準を測る等他の方法でもよい。
連動アジャストギヤ56の収納室は連動アジャストギヤケースカバー57にて液封され、ロアークランクケース5に設けたギヤ潤滑油取入窓5aよりオイルを取り入れ、ギヤ潤滑油戻し穴5cにて適正レベルに溜めてギヤ、軸受等を潤滑している。圧縮比制御モータ31、減速ギヤ類及びセンサ部は第一実施形態とレイアウトは違うが構造は同様ゆえ説明を省略する。(図2−1、2、4〜7参照)
ロンビック機構を用いたものは左右のコンロッド小端位置を合せて左右対称にストロークさせる必要があり、スターリングエンジンのように低回転でコンロッド小端部のヨークスパンを長くとれるものは、小端位置が多少ずれてもピストン側圧は小さくでき問題無いが、高回転エンジンに対応する為にヨークを極力小さく軽くする為にヨークスパンが短く、しかも可変圧縮とする為にクランク軸位置を可変するものはクランク軸位置も誤差が出易いので、左右のクランク位相及びコンロッド小端位置の調整機構が必須となる。
連動アジャストギヤ56の収納室は連動アジャストギヤケースカバー57にて液封され、ロアークランクケース5に設けたギヤ潤滑油取入窓5aよりオイルを取り入れ、ギヤ潤滑油戻し穴5cにて適正レベルに溜めてギヤ、軸受等を潤滑している。圧縮比制御モータ31、減速ギヤ類及びセンサ部は第一実施形態とレイアウトは違うが構造は同様ゆえ説明を省略する。(図2−1、2、4〜7参照)
ロンビック機構を用いたものは左右のコンロッド小端位置を合せて左右対称にストロークさせる必要があり、スターリングエンジンのように低回転でコンロッド小端部のヨークスパンを長くとれるものは、小端位置が多少ずれてもピストン側圧は小さくでき問題無いが、高回転エンジンに対応する為にヨークを極力小さく軽くする為にヨークスパンが短く、しかも可変圧縮とする為にクランク軸位置を可変するものはクランク軸位置も誤差が出易いので、左右のクランク位相及びコンロッド小端位置の調整機構が必須となる。
アウトプット部40は、第一実施形態ではアウトプット側ベアリング42を保持器付針状ころ軸受とし、ドリブンギヤ部41aの内側側部のクランクホルダピボットパイプ22内径部に設けたのに対し、円筒ころ軸受に変えドリブンギヤ部41aの外側側部のドリブンギヤ圧入部41cに内輪を挿入、その外側に変速機係合ボス部48aを有するドリブンギヤ48がスプライン係合にて回転方向固定、圧入にて軸方向固定され、Rクランクシャフト14RのRドライブピニオンギヤ14R−3に噛合い動力を伝達している。尚、本実施例ではドリブンギヤ部41a外径をアウトプット側ベアリング42内輪外径より小さくし、ドリブンギヤ48圧入後のころ及び外輪の取付、取外しを可能にしている。また、カムシャフトドライブスプロケット44の動弁駆動スプロケットが一列に変更されている。それ以外は第一実施形態と同様な構造ゆえ説明を省略する。(図2−2参照)
アウトプット側ベアリングを動力伝達ギヤ列間に設けることで、クランクケースの軸方向寸法が第一実施形態レイアウトより長くなってしまうが、ベアリング容量設定自由度が増し大排気量化に対応し易く、クランクホルダピボットパイプにころの負荷に耐える材質採用及び熱処理をしなくて済む。
アウトプット側ベアリングを動力伝達ギヤ列間に設けることで、クランクケースの軸方向寸法が第一実施形態レイアウトより長くなってしまうが、ベアリング容量設定自由度が増し大排気量化に対応し易く、クランクホルダピボットパイプにころの負荷に耐える材質採用及び熱処理をしなくて済む。
以下、実施形態例図は最高圧縮比時における圧縮比可変装置の収まるクランクケースブロック部にて説明し、動弁装置を駆動するカムチェーン関係及びオイルポンプ、補機類の駆動関係は図示、説明共に省略する。本実施形態で説明する動力装置はV型4気筒及び直列4気筒であって、シリンダヘッド部に吸、排気バルブを駆動するカムを有する。但し、本発明は4気筒に限定されるものでは無く、単気筒から多気筒内燃機関に採用可能である。
尚、各図では必要に応じて一部図面化を省略している。第二実施形態については第一実施形態と同一または対応する部材には同一符号を用いる。また、符号に用いられるR、L、F、Rは、変速機側から視て右側をR、左側をLとし、変速機側をR、その反対側をFとしている。
尚、各図では必要に応じて一部図面化を省略している。第二実施形態については第一実施形態と同一または対応する部材には同一符号を用いる。また、符号に用いられるR、L、F、Rは、変速機側から視て右側をR、左側をLとし、変速機側をR、その反対側をFとしている。
1(R,L) (R,L)シリンダ
2 シリンダケース
3 アッパクランクケース 3a クランク潤滑オイル通路
4 ミドルクランクケース 4a ギヤ潤滑油取入窓
4b クランク潤滑オイル通路
5 ロアークランクケース 5a ギヤ潤滑油取入窓
5b オイル戻し穴
5c ギヤ潤滑油戻し穴
5d クランクホルダスラスト荷重受け面
5e クランク潤滑オイル通路
5f オイルセパレータ壁
6 オイルパン
7 カムシャフトドライブチェーンカバー
10 クランク機構
11 ピストン
12 ピストンピン
12−1 ピストンピンサークリップ
13 コンロッド
14(R,L) (R,L)クランクシャフト
14(R,L)a クランクジャーナル部
14(R,L)b クランクピン部
14(R,L)c クランクホイール部
14(R,L)x クランク位相合せ穴
14−1 プラグ
14−2(F,R) シム
14(R,L)−3 (R,L)ドライブピニオンギヤ
14−4 (ロック)ナット
14−5 ボルト
14−6 クランクジャーナルベアリング
14−7 サークリップ
14−8 アジャストナット
15 ヨーク
16 コンロッド小端ピン
16−1 サークリップ
20 クランク揺動保持機構
21(R,L) (R,L)クランクホルダ
21(R,L)x クランク位相合せ穴
21(R,L)−1 (R,L)アッパクランクホルダ
21(R,L)−1a 連結アーム部
21(R,L)−1b 揺動アーム部
21(R,L)−1c 補強連結天井部
21(R,L)−2 (R,L)ロアークランクホルダ
21(R,L)−2a 連結アーム部
21(R,L)−2b 揺動アーム部
21(R,L)−2c 補強連結底板部
21(R,L)−2d オイル通路
21(R,L)−2e ジャッキアーム部
21(R,L)−2f オイル戻し穴
21(R,L)−3(F,R)ジャッキキャップ
21(R,L)−3(F,R)a スラスト荷重受け面
21−4 クランクホルダボルト
21−5 クランクジャーナルメタル
21−6 ノックピン
21−7 クランク位置検知センサボルト
21−8 ジャッキキャップボルト
22 クランクホルダピボットパイプ
22−1 ノックピン
22−2 オイルシール
30 圧縮比制御機構
31 圧縮比制御モータ 31a ドライブピニオンギヤ部
31−1 ボルト
31−2 Oリング
33 クランク位置検知センサ
33−1 ボルト
34 ギヤケースカバー
34−1 ガスケット
34−2 ボルト
35 アイドルギヤ
35−1 アイドルギヤピン
35−2 ベアリング
35−3 スラストワッシャ
36 (スライダジャッキ連動)ドリブンギヤシャフト
36a ドライブピニオンギヤ部
40 アウトプット部
41 アウトプットシャフト 41a ドリブンギヤ部
41b 段付軸部
41c ドリブンギヤ圧入部
41−1 オイルシール
42 アウトプット側ベアリング
42−1 Cリング
43 カムシャフトドライブチェーン側ベアリング
43−1 Cリング
44 カムシャフトドライブスプロケット
44a オイルポンプドライブスプロケット
44−1 Oリング
44−2 オイルシール
44−3 クランク位相検知ピン
45 補機ドライブプーリ
45−1 ボルト
46 アイドルギヤホルダ
46−1 ボルト
47 アイドルギヤ
47−1 ベアリング
47−2 ホルダプレート
47−3 スクリュ
48 ドリブンギヤ 48a 変速機係合ボス部
50 クランク揺動機構
51(R,L) (R,L)ジャッキホルダパイプ
51(R,L)aジャッキピーススライドガイド鍔
51−1 スライドガイド兼用ノックピン
51−2 プラグ
52(R,L) (R,L)スライダジャッキ
52(R,L)a スライドガイド溝
52(R,L)b 斜面カム部
52(R,L)c 圧縮比リミットストッパ部
52(R,L)d ラックギヤ部
53 ジャッキピース
54 スライダジャッキ連動シャフト
55 連動ギヤ
56 連動アジャストギヤ
56−1 アジャストナット
56−2 ロックナット
56−3 スプリング
57 連動アジャストギヤケース
57−1 ボルト
57−2 ガスケット
W コンロッド大端の最大回転軌跡
2 シリンダケース
3 アッパクランクケース 3a クランク潤滑オイル通路
4 ミドルクランクケース 4a ギヤ潤滑油取入窓
4b クランク潤滑オイル通路
5 ロアークランクケース 5a ギヤ潤滑油取入窓
5b オイル戻し穴
5c ギヤ潤滑油戻し穴
5d クランクホルダスラスト荷重受け面
5e クランク潤滑オイル通路
5f オイルセパレータ壁
6 オイルパン
7 カムシャフトドライブチェーンカバー
10 クランク機構
11 ピストン
12 ピストンピン
12−1 ピストンピンサークリップ
13 コンロッド
14(R,L) (R,L)クランクシャフト
14(R,L)a クランクジャーナル部
14(R,L)b クランクピン部
14(R,L)c クランクホイール部
14(R,L)x クランク位相合せ穴
14−1 プラグ
14−2(F,R) シム
14(R,L)−3 (R,L)ドライブピニオンギヤ
14−4 (ロック)ナット
14−5 ボルト
14−6 クランクジャーナルベアリング
14−7 サークリップ
14−8 アジャストナット
15 ヨーク
16 コンロッド小端ピン
16−1 サークリップ
20 クランク揺動保持機構
21(R,L) (R,L)クランクホルダ
21(R,L)x クランク位相合せ穴
21(R,L)−1 (R,L)アッパクランクホルダ
21(R,L)−1a 連結アーム部
21(R,L)−1b 揺動アーム部
21(R,L)−1c 補強連結天井部
21(R,L)−2 (R,L)ロアークランクホルダ
21(R,L)−2a 連結アーム部
21(R,L)−2b 揺動アーム部
21(R,L)−2c 補強連結底板部
21(R,L)−2d オイル通路
21(R,L)−2e ジャッキアーム部
21(R,L)−2f オイル戻し穴
21(R,L)−3(F,R)ジャッキキャップ
21(R,L)−3(F,R)a スラスト荷重受け面
21−4 クランクホルダボルト
21−5 クランクジャーナルメタル
21−6 ノックピン
21−7 クランク位置検知センサボルト
21−8 ジャッキキャップボルト
22 クランクホルダピボットパイプ
22−1 ノックピン
22−2 オイルシール
30 圧縮比制御機構
31 圧縮比制御モータ 31a ドライブピニオンギヤ部
31−1 ボルト
31−2 Oリング
33 クランク位置検知センサ
33−1 ボルト
34 ギヤケースカバー
34−1 ガスケット
34−2 ボルト
35 アイドルギヤ
35−1 アイドルギヤピン
35−2 ベアリング
35−3 スラストワッシャ
36 (スライダジャッキ連動)ドリブンギヤシャフト
36a ドライブピニオンギヤ部
40 アウトプット部
41 アウトプットシャフト 41a ドリブンギヤ部
41b 段付軸部
41c ドリブンギヤ圧入部
41−1 オイルシール
42 アウトプット側ベアリング
42−1 Cリング
43 カムシャフトドライブチェーン側ベアリング
43−1 Cリング
44 カムシャフトドライブスプロケット
44a オイルポンプドライブスプロケット
44−1 Oリング
44−2 オイルシール
44−3 クランク位相検知ピン
45 補機ドライブプーリ
45−1 ボルト
46 アイドルギヤホルダ
46−1 ボルト
47 アイドルギヤ
47−1 ベアリング
47−2 ホルダプレート
47−3 スクリュ
48 ドリブンギヤ 48a 変速機係合ボス部
50 クランク揺動機構
51(R,L) (R,L)ジャッキホルダパイプ
51(R,L)aジャッキピーススライドガイド鍔
51−1 スライドガイド兼用ノックピン
51−2 プラグ
52(R,L) (R,L)スライダジャッキ
52(R,L)a スライドガイド溝
52(R,L)b 斜面カム部
52(R,L)c 圧縮比リミットストッパ部
52(R,L)d ラックギヤ部
53 ジャッキピース
54 スライダジャッキ連動シャフト
55 連動ギヤ
56 連動アジャストギヤ
56−1 アジャストナット
56−2 ロックナット
56−3 スプリング
57 連動アジャストギヤケース
57−1 ボルト
57−2 ガスケット
W コンロッド大端の最大回転軌跡
Claims (8)
- クランクの両端ジャーナル間幅と少なくとも略同長の1本の円筒を、クランクにギヤを介して変速機構と連結するアウトプットシャフトと同芯にケース合せ面にて締結固定したピボット軸とし、その両側に配置したシリンダ内で往復運動するピストンがコンロッドにて連結される2本のクランクを、別々のクランクホルダにてピボット軸に平行に回転可能に軸支し、一部に非可逆伝達機構を用いたジャッキ機構にて揺動させ燃焼室に対するクランク回転軸の位置を変える圧縮比可変装置。
- ピボット軸方向視、2本のクランクに対し、シリンダの反対側でコンロッド大端の最大回転軌跡より略内側にジャッキ機構のジャッキ部を配置する請求項1、7に記載した圧縮比可変装置。
- 二つのクランクホルダの揺動を一つの圧縮比制御モータにて制御する請求項1、7に記載した圧縮比可変装置。
- 両側のクランクホルダをピボット軸方向視V字状に配置する請求項1、7に記載した圧縮比可変装置。
- クランクホルダのオイルパン側各揺動アーム間を板状に連結し船底状とする請求項1に記載した圧縮比可変装置。
- 片方のクランクを逆回転させる請求項1に記載した圧縮比可変装置。
- 2本のクランクのクランク軸直角方向視、シリンダ軸を含む略同一平面上にある両側2本のコンロッドをヨークを介して一つのピストンに連結し、両側クランクのクランク位相を合せると共に逆回転させることでコンロッドを左右対称に動かし、ピストンを限りなく直線的にストロークさせるものにおいて、クランクの両端ジャーナル間幅と少なくとも略同長の1本の円筒を、クランクにギヤを介して変速機構と連結するアウトプットシャフトと同芯にケース合せ面にて締結固定したピボット軸とし、その両側に2本のクランクを揺動可能な別々のクランクホルダにてピボット軸に平行に回転可能に軸支し、一部に非可逆伝達機構を用いたジャッキ機構にて揺動させ燃焼室に対するクランク回転軸の位置を変える圧縮比可変装置。
- 左右のクランク位相及びコンロッド小端位置の調整機構を有する請求項7に記載した圧縮比可変装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014062627A JP2015169203A (ja) | 2014-03-06 | 2014-03-06 | 並列2軸クランク−クランクホルダ揺動式圧縮比可変装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014062627A JP2015169203A (ja) | 2014-03-06 | 2014-03-06 | 並列2軸クランク−クランクホルダ揺動式圧縮比可変装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015169203A true JP2015169203A (ja) | 2015-09-28 |
Family
ID=54202149
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014062627A Pending JP2015169203A (ja) | 2014-03-06 | 2014-03-06 | 並列2軸クランク−クランクホルダ揺動式圧縮比可変装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015169203A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106640387A (zh) * | 2016-12-06 | 2017-05-10 | 江苏大学 | 一种可实现转子发动机不同压缩比的执行机构 |
-
2014
- 2014-03-06 JP JP2014062627A patent/JP2015169203A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106640387A (zh) * | 2016-12-06 | 2017-05-10 | 江苏大学 | 一种可实现转子发动机不同压缩比的执行机构 |
CN106640387B (zh) * | 2016-12-06 | 2022-11-18 | 江苏大学 | 一种可实现转子发动机不同压缩比的执行机构 |
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