JP2015168862A - 時計用外装部品の製造方法、時計用外装部品および時計 - Google Patents

時計用外装部品の製造方法、時計用外装部品および時計 Download PDF

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【課題】材料の無駄が少なく、環境への負荷の小さい方法で、美的外観に優れた時計用外装部品を効率よく製造する方法の提供。【解決手段】時計用外装部品10の製造方法は、開口部P61を有するマスクP6を介して、基材P1に向けて、粒子P31が気体中に分散してなるエアロゾルをノズルから吹き付けて、その衝撃力によって被膜P3を形成する被膜形成工程を有する。基材P1の構成材料は光の透過率85%以上の透明性を有する。マスクP6の構成材料は金属材料を含む各種樹脂材料とする。前記マスクP6は、前記基材P1に対向する面から反対の面に向かって前記開口部P61の断面積が増大する断面積増大部を有する時計用外装部品10の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、時計用外装部品の製造方法、時計用外装部品および時計に関する。
時計には、実用品としての機能が求められるとともに、装飾品として優れた審美性(美的外観)が要求される。
このため、時計用外装部品には、各種金属材料等の優れた質感を有する材料が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
そして、さらなる審美性の向上のために、所定のパターンで装飾層(被膜)を設けることが行われている。
従来においては、所定のパターンで装飾層(被膜)を設けるためには、マスク(レジスト等)を配した状態で真空蒸着等の気相成膜を行ったり、基材の全面に成膜を行った後にエッチングで不要部分を除去する方法等が採用されたりしている。
しかしながら、これらの方法では、最終的な時計用外装部品に含まれる被膜の構成材料は、製造に用いる材料のごく一部であり、材料の無駄が多く、省資源の観点から好ましくなかった。
また、被膜形成用材料の回収、回収した材料のリサイクル等に伴う工程増加等が、環境負荷やコスト増大の問題を引き起こしていた。
特開2008−150660号公報
本発明の目的は、材料の無駄が少なく、環境への負荷の小さい方法で、美的外観に優れた時計用外装部品を効率よく製造することができる時計用外装部品の製造方法を提供すること、美的外観に優れ、製造時における材料の無駄が少なく、環境への負荷の小さい時計用外装部品を提供すること、また、美的外観に優れ、製造時における材料の無駄が少なく、環境への負荷の小さい時計用外装部品を備えた時計を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の時計用外装部品の製造方法は、開口部を有するマスクを介して、基材に向けて、粒子が気体中に分散してなるエアロゾルをノズルから吹き付けて、その衝撃力によって被膜を形成する被膜形成工程を有することを特徴とする。
これにより、材料の無駄が少なく、環境への負荷の小さい方法で、美的外観に優れた時計用外装部品を効率よく製造することができる時計用外装部品の製造方法を提供することができる。
本発明の時計用外装部品の製造方法では、前記被膜形成工程に先立ち、前記基材にマスクを形成するマスク形成工程を有することが好ましい。
これにより、被膜の形状をより好適に制御することができる。
本発明の時計用外装部品の製造方法では、前記被膜形成工程の後に、前記マスクを除去するマスク除去工程を有することが好ましい。
これにより、所望の形状の被膜をより確実に得ることができる。
本発明の時計用外装部品の製造方法では、前記マスクは、前記基材に対向する面から反対の面に向かって前記開口部の断面積が増大する断面積増大部を有するものであることが好ましい。
これにより、形成される被膜の外表面の平坦性をより高いものとすることができ、被膜が設けられた部位と被膜が設けられていない部位とのコントラストをより高めることができ、最終的に得られる時計用外装部品の美的外観をより優れたものとすることができる。
本発明の時計用外装部品の製造方法では、前記基材の法線と前記断面積増大部の表面とのなす角が、10°以上60°以下であることが好ましい。
これにより、形成される被膜の外表面の平坦性をさらに高いものとすることができ、被膜が設けられた部位と被膜が設けられていない部位とのコントラストをさらに高めることができ、最終的に得られる時計用外装部品の美的外観をさらに優れたものとすることができる。
本発明の時計用外装部品の製造方法では、前記マスクは、第1の開口部および第2の開口部を含む複数個の前記開口部を有するものであり、
前記エアロゾルを通過させる前記第1の開口部の近傍に所定量の前記粒子が付着した場合に、前記エアロゾルを通過させる前記開口部を前記第1の開口部から前記第2の開口部に切り替えることが好ましい。
これにより、例えば、エアロゾルを通過させる開口部(第1の開口部)の近傍に所定量の粒子が付着した場合に、エアロゾルを通過させる開口部を他の開口部(第2の開口部)に切り替えることができる。その結果、マスクの交換やメンテナンス(マスクに付着した粒子の除去等)の頻度を少なくすることができ、時計用外装部品の生産性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用外装部品の製造方法では、前記マスクは、円盤状をなすものであり、
円周方向に沿って、複数個の前記開口部が設けられていることが好ましい。
これにより、例えば、円盤の中心軸で回動させることにより、被膜の形成に利用する開口部の切り替えを容易に行うことができ、時計用外装部品の生産性を向上させるうえで有利である。
本発明の時計用外装部品の製造方法では、前記マスクの厚さは、0.1mm以上5.0mm以下であることが好ましい。
これにより、マスクの形状の安定性、耐久性、取扱い性(取り扱いのしやすさ)を特に優れたものとすることができ、形成される被膜をより確実に所望の形状を有するものとすることができる。また、マスク除去工程での除去が容易となり、時計用外装部品の生産性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用外装部品の製造方法では、前記マスクは、Al、Si、Ta、Au、Cr、Cu、Pt、Pd、Ru、In、Sn、Ti、IrおよびZnよりなる群から選択される少なくとも1種を含む金属材料で構成されたものであることが好ましい。
これにより、マスクの形状の安定性、耐久性、取扱い性(取り扱いのしやすさ)を特に優れたものとすることができ、形成される被膜をより確実に所望の形状を有するものとすることができる。また、マスク除去工程での除去が容易となり、時計用外装部品の生産性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用外装部品の製造方法では、前記被膜形成工程に先立って、基材の表面に少なくとも1層の下地層を形成する下地層形成工程を有することが好ましい。
これにより、例えば、基材と被膜との密着性を特に優れたものとすることができる。また、例えば、下地層を着色層として機能させることにより、時計用外装部品の美的外観のさらなる向上を図ることもできる。また、下地層をギャップ層として機能させることにより、被膜が浮き上がったような立体感のある外観を得ることができる。
本発明の時計用外装部品の製造方法では、前記被膜形成工程の後に、反射防止膜を形成する反射防止膜形成工程を有することが好ましい。
これにより、外光の不本意な映り込みを効果的に防止することができ、時計用外装部品の美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用外装部品は、本発明の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、美的外観に優れ、製造時における材料の無駄が少なく、環境への負荷の小さい時計用外装部品を提供することができる。
本発明の時計は、本発明の時計用外装部品を備えたことを特徴とする。
これにより、美的外観に優れ、製造時における材料の無駄が少なく、環境への負荷の小さい時計用外装部品を備えた時計を提供することができる。
本発明の時計用外装部品の製造方法の第1実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。 本発明の時計用外装部品の製造方法の第2実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。 本発明の時計用外装部品の製造方法の第3実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。 図3に示す製造方法の被膜形成工程において用いるマスクの形状、および、マスクと基材との位置関係を説明するための平面図である。 被膜の形成に用いられる被膜形成装置の好適な実施形態を示す縦断面側面図である。 被膜形成装置が備える解砕器の構成の一例を示す縦断面側面図である。 図5に示す被膜形成装置の主要部のブロック図である。 本発明の時計用外装部品をカバーガラスに適用した場合の好適な実施形態を示す模式図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるA−A断面図である。 本発明の時計用外装部品をカバーガラスに適用した場合の他の好適な実施形態を示す模式的な平面図である。 本発明の時計(携帯時計)の好適な実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の時計用外装部品の製造方法、時計用外装部品および時計を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<<時計用外装部品の製造方法>>
まず、本発明の時計用外装部品の製造方法について説明する。
本発明において、時計用外装部品とは、時計の構成部品であり、時計の使用時において、外部から視認可能な部品のことをいい、時計の外部に露出して用いられるもののほか、時計の内部に収納した部品も含む概念である。
時計用外装部品としては、例えば、カバーガラス(風防ガラス)、文字板、針(地震、分針、秒針等)、ベゼル、ケース、裏蓋、りゅうず、円盤針、日車、曜車、月齢板等の回転表示体等が挙げられる。
[第1実施形態]
図1は、本発明の時計用外装部品の製造方法の第1実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の製造方法は、基材P1を準備する基材準備工程(1a)と、基材P1の表面に下地層P2を形成する下地層形成工程(1b)と、下地層P2が設けられた基材P1にマスクP6を形成するマスク形成工程(1c)と、被膜P3を形成する被膜形成工程(1d)と、マスクP6を除去するマスク除去工程(1e)と、基材P1の被膜P3が設けられた面側に反射防止膜P4を形成する反射防止膜形成工程(1f)とを有している。
<基材準備工程>
基材準備工程では、基材P1を準備する(1a)。
基材P1は、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、透明性を有するものであるのが好ましい。
これにより、例えば、時計用外装部品P10の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、例えば、時計用外装部品P10を備えた時計において、時計用外装部品P10の被膜P3が設けられた面とは反対側の面が外表面側を向くように配置した場合であっても、使用者等が被膜P3を好適に視認することができ、被膜P3を備えることによる効果を効果的に発揮させつつ、被膜P3等が摩擦等により損傷することをより確実に防止することができ、当該時計の耐久性を特に優れたものとすることができる。なお、本明細書において、「時計用外装部品P10の美的外観」とは、時計用外装部品P10を単独で観察した際の美的外観に加え、時計用外装部品P10が時計に組み込まれた状態での当該部位についての美的外観も含むものである。
基材P1の光の透過率(波長:600nmの光の透過率)は、特に限定されないが、85%以上であるのが好ましく、90%以上であるのがより好ましい。
基材P1の好適な構成材料としては、例えば、サファイアガラス、石英、プラスチック等が挙げられる。
基材P1がこれらの群から選択される1種または2種以上を含む材料で構成されたものである場合、時計用外装部品P10の美的外観をさらに優れたものとすることができる。また、時計用外装部品P10を備えた時計の耐久性をさらに優れたものとすることができる。
基材P1は、各部位で均一な組成を有するものであってもよいし、異なる組成を有するものであってもよい。例えば、厚さ方向に組成の異なる層が積層された積層体や、傾斜的に組成が変化する傾斜材料で構成されたものであってもよい。
本工程で用意する基材P1は、水洗、アルカリ洗、酸洗、有機溶媒による洗浄等の清浄化処理が施されたものであってもよい。
また、基材P1上に形成される層との密着性向上等を目的として表面処理が施されたものであってもよい。
<下地層形成工程>
下地層形成工程では、基材P1の表面に下地層P2を形成する(1b)。
これにより、例えば、基材P1と被膜P3との密着性(下地層P2を介した密着性)を特に優れたものとすることができる。また、例えば、下地層P2を着色層として機能させることにより、時計用外装部品P10の美的外観のさらなる向上を図ることもできる。また、下地層P2をギャップ層として機能させることにより、被膜P3が浮き上がったような立体感のある外観を得ることができる。
下地層P2の平均厚さは、0.01μm以上10μm以下であるのが好ましい。
これにより、下地層P2は、前述したような機能をより効果的に発揮することができる。
下地層P2は、いかなる材料で構成されたものであってもよく、下地層P2の構成材料としては、例えば、TiN、AlN、SiN、GaN、SiO、SiON、AlO等が挙げられるが、下地層P2は、TiN、AlN、SiN、SiO、SiONおよびAlOよりなる群から選択される1種または2種以上を含む材料で構成されたものであるのが好ましい。
これにより、基材P1と被膜P3との密着性(下地層P2を介した密着性)、特に、被膜P3が金属材料や金属酸化物、金属窒化物で構成されたものである場合の密着性を特に優れたものとすることができる。また、TiN、AlN、SiN、SiO、SiONおよびAlOは、前述したような厚さで、高い透明性を有する材料であるため、時計用外装部品P10全体としての外観に悪影響を及ぼすことをより効果的に防止することができる。
なお、図示の構成では、基材P1の被膜P3が設けられた側の面全体に下地層P2を形成しているが、例えば、下地層P2は、被膜P3と接触する部位のみに選択的に形成してもよい。また、下地層P2は、基材P1の被膜P3で被覆される部位のうちの一部のみに設けられるものであってもよい。
また、図示の構成では、1層の下地層P2を形成しているが、2層以上の下地層を形成してもよい。
下地層P2は、各部位で均一な組成を有するものであってもよいし、異なる組成を有するものであってもよい。例えば、厚さ方向に組成の異なる層が積層された積層体や、傾斜的に組成が変化する傾斜材料で構成されたものであってもよい。
下地層P2は、例えば、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング、化学蒸着法(CVD)等の気相成膜法(乾式めっき法)、湿式めっき法、ディッピング等により形成することができる。
また、下地層P2は、被膜P3と同様の形成方法、すなわち、粒子(下地層P2の構成材料で構成された粒子)が気体中に分散してなるエアロゾルをノズルから、基材P1に向けて吹き付けて、その衝撃力によって下地層P2を形成する方法を採用してもよい。これにより、所望の部位に選択的かつ効率よく下地層P2を形成することができる。
<マスク形成工程>
次に、下地層P2が設けられた基材P1にマスクP6を形成する(1c)。
このように、本実施形態では、基材P1(下地層P2が設けられた基材P1)にマスクP6を形成するマスク形成工程を有している。
これにより、基材P1(下地層P2が設けられた基材P1)とマスクP6とが密着した状態とすることができるため、後の工程で形成される被膜P3の形状をより好適に制御することができる。
マスクP6の構成材料としては、例えば、各種樹脂材料(例えば、レジスト材料)、各種金属材料等が挙げられる。
マスクP6を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂やこれらの共重合体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等として)用いることができる。
中でも、マスクP6の構成材料としては、Al、Si、Ta、Au、Cr、Cu、Pt、Pd、Ru、In、Sn、Ti、IrおよびZnよりなる群から選択される少なくとも1種を含む金属材料であるのが好ましい。
これにより、マスクP6の形状の安定性、耐久性、取扱い性(取り扱いのしやすさ)を特に優れたものとすることができ、形成される被膜P3をより確実に所望の形状を有するものとすることができる。また、後述するマスク除去工程での除去が容易となり、時計用外装部品P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
マスクP6は、被膜P3を形成するべき部材(本実施形態では下地層が設けられた基材P1)の全面に形成してもよいが、被膜P3を形成すべき領域およびその近傍に選択的に形成してもよい。このような場合であっても、保護すべき領域(被膜P3を形成すべきでない領域)を確実に保護することができる
マスクP6には、被膜P3を形成するべき部位に、開口部P61が設けられている。
マスクP6は、例えば、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング、化学蒸着法(CVD)等の気相成膜法(乾式めっき法)、湿式めっき法、インクジェット法、ディッピング、刷毛塗り等の塗布法等による成膜後、フォトリソグラフィー法、エッチング法、レーザー加工等により開口部P61を形成すること等により得ることができる。また、マスクP6は、基材P1に貼着することにより設けられたものであってもよい。
マスクP6の厚さは、特に限定されないが、0.1mm以上5.0mm以下であるのが好ましく、0.2mm以上2.0mm以下であるのがより好ましい。
これにより、マスクP6の形状の安定性、耐久性、取扱い性(取り扱いのしやすさ)を特に優れたものとすることができ、形成される被膜P3をより確実に所望の形状を有するものとすることができる。また、後述するマスク除去工程での除去が容易となり、時計用外装部品P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
<被膜形成工程>
次に、被膜P3を形成する(1d)。
被膜P3の形成は、粒子P31が気体中に分散してなるエアロゾルをノズルから基材P1に向けて吹き付けて、その衝撃力によって、粒子P31を堆積(付着)させることにより行う。
このような方法で被膜P3を形成することにより、製造時における材料の無駄が少なく、環境への負荷の小さい時計用外装部品P10を提供することができる。すなわち、所望の部位に選択的に被膜P3を形成することができ、材料の無駄の発生を効果的に防止することができる。
ところで、単に、粒子が気体中に分散してなるエアロゾルをノズルから基材に向けて吹き付けて、その衝撃力によって、粒子を堆積(付着)させることにより被膜を形成した場合、その方法の特性上、形成される被膜は、厚みに所定の分布があるものとなる。すなわち、ノズルの中心付近では、被膜の厚みが大きくなり、縁部に向かって急激に厚みが小さくなる正規分布状の厚さの分布(釣鐘形状)を有するものとなる。
形成される被膜にこのような厚みの分布があると、被膜が設けられた部位と被膜が設けられていない部位とのコントラストが低いものとなるため、最終的に得られる時計用外装部品は、美的外観に劣ったものとなる。このような問題は、被膜の幅が小さい場合に、より顕著に発生する。
これに対し、本実施形態では、マスクP6を介してエアロゾル(粒子P31)を吹き付けるため、被膜P3を、他の部位に比べて極端に厚みの小さい部分がないもの(厚さのばらつきが小さいもの)として好適に形成することができる。より具体的に説明すると、厚みの薄いノズルから噴射された粒子P31により形成される膜のうち、厚みの薄い部分をマスクP6上に形成し、比較的厚みの大きい部分を選択的に目的とする部位(図示の構成では下地層P2の表面)に形成することができる。その結果、目的とする部位に形成される被膜P3は、外周部における厚みが比較的大きいものとなり、被膜P3が設けられた部位と被膜P3が設けられていない部位とのコントラストを高めることができる。その結果、最終的に得られる時計用外装部品P10の美的外観は優れたものとなる。また、特に、幅が小さいパターンの被膜P3においてもコントラストを十分に高いものとすることができるため、複雑なパターン、微細なパターンの被膜P3の形成にも好適に対応することができる。
粒子P31の構成材料としては、例えば、各種金属、各種金属酸化物、各種金属窒化物、各種金属炭化物、各種金属ホウ化物、各種金属硫化物、各種炭素材料、各種顔料、各種樹脂材料等が挙げられる。
粒子P31を構成する金属材料としては、例えば、Au、Pt、Pd、Ni、Ag、Al、Cu、Ti、Crやこれらのうち少なくとも1種を含む合金等が挙げられるが、Au、Cr、Cuまたはこれらのうち少なくとも1種を含む合金を含むものであるのが好ましい。
粒子P31を構成する金属酸化物としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化クロム、酸化ケイ素等が挙げられる。
粒子P31を構成する金属窒化物としては、例えば、窒化チタン、窒化クロム、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化タンタル、窒化ケイ素等が挙げられる。
粒子P31を構成する金属炭化物としては、例えば、炭化チタン、炭化クロム、炭化ジルコニア、炭化アルミニウム、炭化カルシウム、炭化タングステン、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化ケイ素等が挙げられる。
粒子P31を構成する金属ホウ化物としては、例えば、ホウ化ジルコニウム、ホウ化モリブデン等が挙げられる。
粒子P31を構成する金属硫化物としては、例えば、硫化亜鉛、硫化クロム、硫化カドミウム等が挙げられる。
粒子P31を構成する炭素材料としては、例えば、黒鉛、グラフェン、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、フラーレン等が挙げられる。
粒子P31を構成する顔料としては、例えば、以下のようなものを挙げることができる。
すなわち、黒色顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、酸化チタン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等が挙げられる。
また、黄色顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G 、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエローNCG等が挙げられる。
また、橙色顔料としては、例えば、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR 、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK等が挙げられる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンB レーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等が挙げられる。
また、青色顔料としては、例えば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどが挙げられる。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等が挙げられる。
また、緑色顔料としては、例えば、酸化クロム、クロムグリーン、ピクメントグリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等が挙げられる。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等が挙げられる。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等が挙げられる。
樹脂材料としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系樹脂、ロジン変性樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、繊維素系樹脂(例えば、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシプロピルセルロース等)、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリウレタン系樹脂、ウレア系樹脂等が挙げられる。
なお、粒子P31として、異なる複数種の粒子を用いてもよい。
粒子P31の平均粒径は、1nm以上150μm以下であるのが好ましく、100nm以上100μm以下であるのがより好ましい。
これにより、時計用外装部品P10の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、基材P1と被膜P3との密着性(下地層P2を介した密着性)を特に優れたものとすることができ、時計用外装部品P10の耐久性を特に優れたものとすることができる。また、被膜P3の形成効率が特に優れたものとなり、時計用外装部品P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
なお、本明細書では、「平均粒径」とは、質量基準の平均粒径のことを指すものとする。この平均粒径は、例えば、エアロゾルのモビリティーを測定し、エアロダイナミック径を求めることにより得ることができる。粒径の測定には、例えば、TSI社製微分型静電分級器等を用いることができる。なお、平均粒径は、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡の測定結果から求めてもよい。
被膜P3は、時計用外装部品P10が時計に組み込まれた状態において、観察可能な部位の一部に選択的に設けられるものであるのが好ましい。
これにより、被膜P3自体が特定のパターンを有するものであることの効果や、被膜P3が設けられた部位と被膜P3が設けられていない部位との組み合わせによる効果により、時計用外装部品P10、時計の美的外観を特に優れたものとすることができる。
また、従来においては、時計用外装部品が時計に組み込まれた状態において、被膜が観察可能な部位の一部に選択的に設けられたものである場合に、時計用外装部品の製造時における材料の無駄が特に多くなる等の問題があったが、本発明によれば、このような問題の発生を確実に防止することができる。したがって、被膜P3が、時計用外装部品P10が時計に組み込まれた状態において観察可能な部位の一部に選択的に設けられたものである場合に、本発明による効果がより顕著に発揮される。
時計用外装部品P10が時計に組み込まれた状態において、時計用外装部品P10の観察可能な部位のうち、被膜P3が設けられている部位の占める面積率(基材P1の表面が平坦なものである場合には、当該面の法線方向から観察した際の面積率)は、特に限定されないが、70%以下であるのが好ましく、2%以上50%以下であるのがより好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
被膜P3の平均厚さは、0.01μm以上300μm以下であるのが好ましく、0.05μm以上160μm以下であるのがより好ましく、0.10μm以上70μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、時計用外装部品P10の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、時計用外装部品P10の耐久性を特に優れたものとすることができる。また、時計用外装部品P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
本工程で形成される被膜P3は、各部位で均一な組成を有するものであってもよいし、異なる組成を有するものであってもよい。例えば、時計用外装部品P10は、異なる質感(例えば、異なる色彩)の複数種の被膜P3を所定のパターンで有するものであってもよい。これにより、時計用外装部品P10の美的外観のさらなる向上を図ることができる。
本工程で用いる被膜形成装置については、後に詳述する。
<マスク除去工程>
次に、マスクP6を除去する(1e)。
これにより、マスクP6上に堆積した粒子P31もマスクとともに除去され、目的とする形状の被膜P3が現れる。特に、外周部付近の厚みが比較的大きい被膜P3が現れる。
マスクP6の除去は、例えば、マスクP6の剥離、マスクP6の溶解等により行うことができる。
<反射防止膜形成工程>
反射防止膜形成工程では、基材P1の被膜P3が設けられた面側に反射防止膜P4を形成する(1f)。
これにより、外光の不本意な映り込みを効果的に防止することができ、時計用外装部品P10の美的外観を特に優れたものとすることができる。
また、時計用外装部品P10がカバーガラス(風防ガラス)に適用される場合においては、上記のように美的外観を向上させる効果が得られるとともに、文字板の視認性も向上させることができ、時計全体としての美的外観を特に優れたものとすることができる。また、時刻等の識別性も向上する等、実用品としての機能も向上する。
反射防止膜P4は、例えば、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング、化学蒸着法(CVD)等の気相成膜法(乾式めっき法)、湿式めっき法、ディッピング等により形成することができる。また、反射防止膜P4を気相成膜法により形成する場合、基材P1の法線方向から所定角度傾斜した方向から気相成膜を行ってもよい。
反射防止膜P4の厚さは、特に限定されないが、0.2μm以上10μm以下であるのが好ましく、0.3μm以上7μm以下であるのがより好ましい。
これにより、時計用外装部品P10が大型化、厚型化するのを効果的に防止しつつ、前述したような機能をより効果的に発揮することができる。
なお、図示の構成では、基材P1の被膜P3が設けられた側の面全体に反射防止膜P4を形成しているが、例えば、反射防止膜P4は、基材P1の被膜P3が設けられた側の面の一部のみに選択的に設けられるものであってもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の時計用外装部品の製造方法の第2実施形態について説明する。
図2は、本発明の時計用外装部品の製造方法の第2実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。以下の説明では、前述した実施形態との相違点について中心的に説明し、同様の事項についての説明は省略する。
図2に示すように、本実施形態の製造方法は、前述した実施形態と同様に、基材P1を準備する基材準備工程(2a)と、基材P1の表面に下地層P2を形成する下地層形成工程(2b)と、下地層P2が設けられた基材P1にマスクP6を形成するマスク形成工程(2c)と、被膜P3を形成する被膜形成工程(2d)と、マスクP6を除去するマスク除去工程(2e)と、基材P1の被膜P3が設けられた面側に反射防止膜P4を形成する反射防止膜形成工程(2f)とを有しているものの、マスク形成工程で形成するマスクP6の形状が前述した実施形態とは異なる。
すなわち、本実施形態では、マスクP6は、基材P1に対向する面から反対の面に向かって開口部P61の断面積が傾斜的に増大する断面積増大部P611を有するものである(図2中の2c参照)。
これにより、マスクP6への粒子P31の付着(特に、断面積増大部P611への付着)を効果的に防止することができる。そして、これにより、断面積増大部P611に衝突した粒子P31を目的とする移動、付着させることができ、形成される被膜P3の外表面の平坦性をより高いものとすることができる(図2中の2d参照)。その結果、被膜P3が設けられた部位と被膜P3が設けられていない部位とのコントラストをより高めることができ、最終的に得られる時計用外装部品P10の美的外観をより優れたものとすることができる。また、マスクP6への粒子P31の付着が効果的に防止されるので、マスク除去工程を効率よく行うことができる。また、マスクP6を繰り返し利用する上でも有利である。
基材P1の法線と断面積増大部P611の表面とのなす角θは、10°以上60°以下であるのが好ましく、15°以上45°以下であるのがより好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
なお、図示の構成では、マスクP6の厚さ方向の一部に断面積増大部P611が設けられているが、マスクP6の厚さ方向の全体が断面積増大部P611となっていてもよい。
また、本実施形態において、反射防止膜P4を気相成膜法により形成する場合、基材P1の法線方向から所定角度傾斜した方向から気相成膜を行うのが好ましい。
これにより、下地層P2と被膜P3との間に存在する隙間(図2中の2e参照)にも、効率よく反射防止膜P4を形成することができる(図2中の2f参照)。
また、下地層P2と被膜P3との間に存在する隙間に反射防止膜P4を形成することにより、最終的に得られる時計用外装部品P10の耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の時計用外装部品の製造方法の第3実施形態について説明する。
図3は、本発明の時計用外装部品の製造方法の第3実施形態について、各工程を模式的に示す断面図、図4は、図3に示す製造方法の被膜形成工程において用いるマスクの形状、および、マスクと基材との位置関係を説明するための平面図である。なお、図4中、エアロゾルを噴射するノズルの位置を破線部で示している。以下の説明では、前述した実施形態との相違点について中心的に説明し、同様の事項についての説明は省略する。
図3に示すように、本実施形態の製造方法は、基材P1を準備する基材準備工程(3a)と、基材P1の表面に下地層P2を形成する下地層形成工程(3b)と、下地層P2から離間した状態でマスクP6を配して、被膜P3を形成する被膜形成工程(3c)と、基材P1の被膜P3が設けられた面側に反射防止膜P4を形成する反射防止膜形成工程(3d)とを有している。
このように、本実施形態では、マスクP6を被膜を形成すべき部材(下地層P2が設けられた基材P1)に密着させることなく、下地層P2とマスクP6とが離間した状態で、被膜P3の形成を行う。
このようなマスクP6を用いることにより、例えば、複数個の時計用外装部品P10の製造に、同一のマスクP6を繰り返し好適に使用することができる。このため、省資源、時計用外装部品P10の生産コストの低減等の観点から有利である。
なお、図3に示す構成では、開口部P61が断面積増大部P611を有しているが、本実施形態のようにマスクP6を被膜を形成すべき部材(下地層P2が設けられた基材P1)に密着させない場合であっても、図1中の1cで示すような断面積増大部を有さない開口部を備えたマスクを用いてもよい。
また、本実施形態では、図4に示すように、複数個の開口部P61を有するマスクP6を用いる。
これにより、例えば、エアロゾルを通過させる開口部P61(第1の開口部)の近傍に所定量の粒子P31が付着した場合に、エアロゾルを通過させる開口部P61を他の開口部P61(第2の開口部)に切り替えることができる。その結果、マスクP6の交換やメンテナンス(マスクに付着した粒子P31の除去等)の頻度を少なくすることができ、時計用外装部品P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、マスクP6は、異なる大きさ、形状の開口部P61を有するものであってもよい(図4参照)。
これにより、単一の時計用外装部品P10の製造において、異なる部位、異なる形状の被膜P3を好適に作り分けることができる。また、被膜P3の条件の異なる複数種の時計用外装部品P10の製造に同一のマスクP6を用いることができる。
また、図4に示す構成では、マスクP6は、円盤状をなすものであり、その円周方向に沿って、複数個の開口部P61が設けられている。
このような構成であると、例えば、円盤の中心軸で回動させることにより、被膜P3の形成に利用する開口部P61の切り替えを容易に行うことができ、時計用外装部品P10の生産性を向上させるうえで有利である。
なお、図示の構成では、開口部P61は、いずれも円形状のものであるが、開口部の形状は限定されず、例えば、楕円形、長円形、長方形等いかなる形状であってもよい。
<被膜形成装置>
次に、被膜P3の形成に用いる被膜形成装置について説明する。
図5は、被膜の形成に用いられる被膜形成装置の好適な実施形態を示す縦断面側面図、図6は、被膜形成装置が備える解砕器の構成の一例を示す縦断面側面図、図7は、図5に示す被膜形成装置の主要部のブロック図である。なお、以下では、説明の便宜上、図5において、互いに直交する3つの軸として、x軸、y軸およびz軸を図示している。x軸は、水平方向のうちの一方向に沿った軸であり、y軸は、水平方向であって前記x軸に対し垂直な方向に沿った軸であり、z軸は、鉛直方向(上下方向)に沿った軸である。また、図示した各矢印の先端側を「正側(+側)」、基端側を「負側(−側)」とする。また、図5中の上側を「上(上方)」と言い、下側を「下(下方)」と言う。また、図5においては、基材P1上に設けられた下地層P2およびマスクP6の図示を省略している。
図5、図6、図7に示すように、被膜形成装置1は、エアロゾル発生器15と、解砕器4と、成膜室16と、連結管2と、連結管8と、ガス供給手段3と、圧力調整手段5と、変位手段6と、制御部7とを備えている。
エアロゾル発生器15は、気密性を維持することができるよう構成され、その内部に被膜P3となる粒子P31を収納することができる。
解砕器4は、連結管8によりエアロゾル発生器15と連結している。
解砕器4は、エアロゾル発生器15で発生したエアロゾル中に含まれる粒子P31を解砕する機能を有する。
成膜室16は、エアロゾル発生器15、解砕器4と独立して設けられている。この成膜室16も、気密性を維持することができるよう構成され、その内部に基材P1を収納することができる。
なお、成膜室16内の室温は、例えば、水冷により、すなわち、配管を通過する冷媒により、25℃以上30℃以下に調整されている。
連結管2は、解砕器4と成膜室16とを連結するものであり、その内腔部22が、被膜P3となる粒子P31が通過する流路として機能する。
連結管2は、その一端に開口した第1の開口部(一端開口部)25が解砕器4内に臨んでおり、他端に開口した第2の開口部(他端開口部)21が成膜室16内に臨んでいる。
このような構成により、エアロゾル発生器15と成膜室16とは、連結管8、解砕器4および連結管2を介して、連通する。
連結管2(内腔部22)を通過する粒子P31は、第2の開口部21から基材P1に吹き付けられる。これにより、被膜P3が基材P1上に形成される。このように、連結管2では、第2の開口部21側の部分がノズル部24として機能する。
なお、連結管2の平均内径は、特に限定されないが、例えば、1mm以上10mm以下であるのが好ましい。また、第2の開口部21の内径は、特に限定されないが、例えば、0.1mm以上5mm以下であるのが好ましい。
これにより、連結管2内における粒子P31の搬送性を特に優れたものとすることができる。
また、連結管2の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼等のような金属材料を用いることができる。
また、連結管2の外周部には、当該連結管2を加熱する加熱機構90が設けられているのが好ましい。この加熱機構90により、連結管2を通過する粒子P31が連結管2の内周部(内壁)に付着するのを防止することができる。なお、加熱温度としては、特に限定されず、例えば、100℃以上300℃以下が好ましく、250℃以上300℃以下がより好ましい。
図5に示すように、ガス供給手段3は、エアロゾル発生器15内にガスを供給するものである。なお、この供給量としては、特に限定されず、例えば、1L/分以上90L/分以下であるのが好ましい。
ガス供給手段3は、ガスが充填されたタンク31と、タンク31とエアロゾル発生器15とを連結する連結管32と、連結管32の途中に設置された電磁弁33とを有している。
タンク31は、ガスを気密的に貯留することができるものである。
タンク31に貯留されるガスとしては、特に限定されず、例えば、窒素ガスを用いることができ、その他、ヘリウムやアルゴン等のような不活性ガスも用いることができる。また、粒子P31として金属酸化物で構成されたものを用いる場合には、当該ガスとして、酸素を含むものを好適に用いることができる。これにより、粒子P31の不本意な還元を防止することができる。
タンク31とエアロゾル発生器15とは、連結管32を介して、連通している。この連結管32は、硬質のものであってもよいし、可撓性を有するものであってもよい。
また、連結管32には、その長手方向の途中に電磁弁33が設置されている。電磁弁33は、連結管32を開閉するものである。そして、電磁弁33が開状態のときに、タンク31とエアロゾル発生器15とが連通する。これにより、タンク31からエアロゾル発生器15へのガスの供給が行われる。また、電磁弁33が閉状態のときに、タンク31とエアロゾル発生器15との連通が遮断される。これにより、タンク31からエアロゾル発生器15へのガスの供給が停止する。
タンク31からエアロゾル発生器15にガスが供給されることにより、エアロゾル発生器15に収納された粒子P31がガスに分散したエアロゾルが発生する。
このようにしてエアロゾル発生器15内で発生したエアロゾルは、タンク31からのガスがキャリアガスとして機能することにより、連結管8を介して、解砕器4内に導入される。
図6に示すように、解砕器4は、粒子P31を含むエアロゾルが導入される容器41と、連結管8から粒子P31を含むエアロゾルが導入されるエアロゾル導入口42と、粒子P31の解砕を行う解砕具43と、解砕された粒子P31を含むエアロゾルを連結管2に導出するエアロゾル導出口44と、解砕具43に粒子P31が付着した場合にこれを除去するブラシ45と、容器41内にガスを導入するガス導入口46a、46bと、超音波振動装置47とを備えている。
解砕器4においては、容器41内にエアロゾル導入口42が設置され、その先に円筒型の解砕具43が図示しないモーターによって軸回転が可能な状態で配置されている。エアロゾル導入口42の開口は、解砕具43の円筒軸方向が長辺となるスリット状となっている。当該スリットの幅は、特に限定されないが、1mm以下であるのが好ましい。
解砕具43としては、エアロゾルが衝突する円筒側面が炭化チタン等の高硬度材料で構成されたものであるのが好ましい。
解砕具43の上方には、エアロゾル導出口44が配置されている。また、解砕具43に接するようにブラシ45が設置されている。解砕具43からエアロゾル導出口44にかけての空間に、ガス導入口46a、46bが配置され、エアロゾル導出口44の外周部には超音波振動装置47が設置されている。
エアロゾル発生器15において発生させたエアロゾルをエアロゾル導入口42にて加速させて、解砕具43の円筒側面に衝突させる。図中の太い矢印はエアロゾルの進行方向を示している。解砕具43は図の矢印のように時計周り方向に回転する。したがって導入される位置を次々と変化させるエアロゾルは解砕具43の円筒側面に、常に衝突面を変えながら衝突する。これにより、エアロゾル発生器15において発生させたエアロゾルが凝集粒を比較的多く含むものであっても、当該凝集粒を効率よく解砕することができる。
円筒側面には、多少エアロゾル中の粒子P31が付着することがあるが、付着粉はブラシ45にてこすり落とされ、容器41の底に蓄積される。解砕具43に衝突して凝集粒が解砕され、一次粒子に富むエアロゾルに変換される。エアロゾル導入口42から導入されるエアロゾルは解砕具43の円筒側面に斜めに衝突するため、エアロゾルの大部分は円筒側面の接線方向に沿って反射するものの、ある程度の拡散幅を持っているため、エアロゾル導出口44の内壁に衝突し付着することが考えられるが、これを防ぐためにガス導入口46a、46bからガスを導入し、エアロゾル導出口44の内面にカーテン状のガス膜を形成させて付着を防いだり、超音波振動装置47を運転させてエアロゾル導出口44を振動させ、付着が進行しないように工夫することが好適である。ガス導入口46a、46bからの小さな矢印は、ここから導入されるガスの流れを示している。さらに、導入するガスをあらかじめイオン化させておくことで、解砕された粒子P31の表面電荷を中和して、エアロゾル中で再凝集を防止するのが好ましい。
このようにして一次粒子に富んだエアロゾルに変換され導出されたエアロゾルは、図示しないノズルへと導かれ、したがって効率よく、また欠陥が少ない状態で長時間に亘って不具合なく構造物を形成させることが可能となる。
解砕器4において一次粒子に富んだものに変換されたエアロゾルは、連結管2に導入され、第2の開口部21から基材P1に吹き付けられる。そして、この粒子P31は、基材P1に衝突して付着することとなり、その結果、被膜P3が形成される。
圧力調整手段5は、成膜室16内の圧力を、エアロゾル発生器15内の圧力、解砕器4内の圧力よりも低くするものである。
このような圧力調整手段(第1の圧力調整手段)5を、前述したガス供給手段(第2の圧力調整手段)3とともに備えることにより、成膜室16内とエアロゾル発生器15内との圧力差をより好適に調整することができ、ノズル部24からのエアロゾル(粒子P31)の噴射速度等をより好適に制御することができる。また、成膜室16内の不本意な圧力変動をより効果的に抑制することができ、より安定した成膜環境を維持することができる。
図5に示すように、圧力調整手段5は、成膜室16内を吸引するポンプ51と、ポンプ51と成膜室16とを連結する連結管52と、連結管52の途中に設置された電磁弁53とを有している。
ポンプ51は、成膜室16内のガスGを吸引するものである。この吸引により、成膜室16内のガスGが連結管52を介して排出され、よって、成膜室16内の圧力がエアロゾル発生器15内の圧力、解砕器4内の圧力よりも確実に低くなる。これにより、粒子P31が成膜室16内に確実に流出することができ、よって、被膜P3を確実に形成することができる。
なお、成膜室16内の圧力としては、エアロゾル発生器15内の圧力等にもよるが、例えば、エアロゾル発生器15内の圧力が10kPa以上1MPa以下である場合、10kPa未満とすることができる。
これにより、ノズル部24からのエアロゾル(粒子P31)の噴射速度等をさらに好適に制御することができる。
また、ポンプ51が排圧10−5Paまで可能なものである場合、欠陥の発生が防止された被膜P3をより速い成膜速度で形成することができる。
また、ポンプ51としては、特に限定されず、例えば、ターボ分子ポンプ、ドライポンプ、メカニカルブースターポンプ、ロータリーポンプ等を用いることができる。
ポンプ51は、連結管52を介して、成膜室16と連結されている。この連結管52は、硬質のものであってもよいし、可撓性を有するものであってもよい。
また、連結管52には、その長手方向の途中に電磁弁53が設置されている。電磁弁53は、連結管52を開閉するものである。そして、電磁弁53が開状態のときに、ポンプ51の吸引力により、成膜室16内を吸引することができ、よって、成膜室16内を減圧することができる。また、電磁弁53が閉状態のときに、ポンプ51の吸引力が成膜室16内に及ぶのが阻止される。
変位手段6は、基材P1を変位させるものである。
図5、図7に示すように、変位手段6は、基材P1が設置されるステージ(テーブル)61と、ステージ61(基材P1)をx軸方向に並進させるx方向移動手段62xと、ステージ61(基材P1)をy軸方向に並進させるy方向移動手段62yと、ステージ61(基材P1)をz軸方向に並進させるz方向移動手段62zと、ステージ61(基材P1)をx軸周りに回動させるx軸周り回動手段63xと、ステージ61(基材P1)をy軸周りに回動させるy軸周り回動手段63yと、ステージ61(基材P1)をz軸周りに回動させるz軸周り回動手段63zとを有している。
ステージ61が、x軸周り、y軸周り、z軸周りに回動可能であることにより、エアロゾル(粒子P31)の基材P1への入射方向を変化させつつエアロゾル(粒子P31)を好適に吹き付けることができる。
また、ステージ61が、ノズル部24に対しxy方向に任意に稼働可能であると、基材P1の所望の部位に所望の量だけ粒子P31を容易かつ確実に供給することができ、複雑なパターンの被膜P3であっても、容易かつ確実に形成することができる。
また、ステージ61が、ノズル部24に対しz方向に任意に稼働可能であることにより、基材P1の表面(被膜P3が形成されるべき表面)に比較的大きい凹凸がある場合であっても、好適に成膜を行うことができる。
ガス供給手段3、圧力調整手段5、変位手段6等の各作動は、それぞれ、制御部7により制御される。制御部7は、例えば、CPU(Central Processing Unit)が内蔵されたパーソナルコンピューター(PC)である。
図7に示すように、制御部7は、ガス供給手段3の電磁弁33と、圧力調整手段5のポンプ51および電磁弁53と、変位手段6のx方向移動手段62x、y方向移動手段62y、z方向移動手段62z、x軸周り回動手段63x、y軸周り回動手段63yおよびz軸周り回動手段63zとそれぞれ電気的に接続されている。そして、制御部7は、これらをそれぞれ独立して作動させることができる。なお、制御プログラムは、制御部7に内蔵された記憶部(記録媒体)71に予め記憶されている。
なお、記憶部71は、例えば、RAM(Random Access Memory:揮発性、不揮発性のいずれをも含む)、FD(Floppy Disk(Floppyは登録商標))、HD(Hard Disk)、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)等のような、磁気的、光学的記録媒体、もしくは半導体メモリーで構成されている。
次に、被膜形成工程における被膜形成装置1の作動について、詳細に説明する。
被膜形成工程では、図5に示すように、連結管2の第2の開口部21を基材P1に対向するように、ステージ61を連結管2の第2の開口部21に対し位置合わせを行なう。なお、この位置合わせは、CCD(Charge Coupled Device)カメラを用いて、当該CCDカメラで撮像された画像に基づいて行われる。
また、このとき、被膜形成装置1では、圧力調整手段5が作動している。これにより、成膜室16内の圧力がエアロゾル発生器15内の圧力よりも低くなる。なお、この状態は、基材P1に対する被膜P3の形成が完了するまで維持される。
被膜形成装置1では、ガス供給手段3も作動している。
そして、変位手段6を作動させ、基材P1の所望の部位に所望の角度でエアロゾル(粒子P31)が衝突するようにする。
以上のようにガス供給手段3、圧力調整手段5、変位手段6等が作動することにより、エアロゾル発生器15内で発生した粒子P31を含むエアロゾルは、成膜室16に向かって連結管2を確実に通過する。粒子P31は、キャリアガスによって、円滑に連結管2を通過することができる。その後、粒子P31は、第2の開口部21から排出されて、各基材P1に対し所望の部位に所望の角度で順に吹き付けられて付着する。これにより、基材P1の所望の部位に、所望の形状を有する被膜P3を迅速に形成することができる。
前述したような本発明の時計用外装部品の製造方法によれば、材料の無駄が少なく、環境への負荷の小さい方法で、美的外観に優れた時計用外装部品を効率よく製造することができる時計用外装部品の製造方法を提供することができる。
<<時計用外装部品>>
次に、本発明の時計用外装部品について説明する。
本発明の時計用外装部品は、前述した本発明の製造方法を用いて製造されたものである。
これにより、美的外観に優れ、製造時における材料の無駄が少なく、環境への負荷の小さい時計用外装部品を提供することができる。
以下、本発明の時計用外装部品をカバーガラス(風防ガラス)に適用した場合の具体例について説明する。
図8は、本発明の時計用外装部品をカバーガラスに適用した場合の好適な実施形態を示す模式図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるA−A断面図である。図9は、本発明の時計用外装部品をカバーガラスに適用した場合の他の好適な実施形態を示す模式的な平面図である。
図8に示すように、カバーガラスとしての時計用外装部品P10は、平面視した際の外周部付近に選択的に被膜P3が設けられている。
また、図8に示す構成では、平面視した際の形状が円形の被膜P3が設けられている。このような被膜P3は、例えば、基材P1を、その中心を通る法線を軸に複数回回転させつつ、エアロゾル(粒子P31)を吹き付けて成膜を行うことにより、容易かつ確実に、所望の形状を有するもの(図8(b)参照)として形成することができる。
図9に示すように、カバーガラスとしての時計用外装部品P10は、平面視した際の外周部付近に選択的に被膜P3が設けられている。
特に、図9に示す構成では、所定のパターン(唐草模様)で被膜が設けられている。このように、複雑なパターンの被膜P3であっても、本発明によれば、製造時における材料の無駄が少なく、環境への負荷の小さいものとして得ることができる。
時計用外装部品は、時計に組み込まれた状態において、基材の被膜が設けられた面が、内側を向くように配置されるものであるのが好ましい。これにより、被膜の不本意な剥離等をより効果的に防止することができ、時計の耐久性を特に優れたものとすることができる。
<<時計>>
次に、本発明の時計について説明する。
本発明の時計は、上述したような本発明の時計用外装部品を有するものである。
これにより、美的外観に優れ、製造時における材料の無駄が少なく、環境への負荷の小さい時計用外装部品を備えた時計を提供することができる。
また、時計全体としても、美的外観に優れたものとすることができ、製造時における材料の無駄が少なく、環境への負荷の小さいものとすることができる。
なお、本発明の時計は、少なくとも1つの時計用外装部品として、本発明の時計用外装部品を備えるものであればよく、それ以外の部品としては、公知のものを用いることができるが、以下に、本発明の時計の構成の一例について説明する。
図10は、本発明の時計(腕時計)の好適な実施形態を示す断面図である。
図10に示すように、本実施形態の腕時計(携帯時計)P100は、胴(ケース)P82と、裏蓋P83と、ベゼル(縁)P84と、ガラス板(カバーガラス)P85とを備えている。また、ケースP82内には、時計用文字板P7と、太陽電池P94と、ムーブメントP81とが収納されており、さらに、図示しない針(指針)等が収納されている。
ガラス板P85は、通常、透明性の高い透明ガラスやサファイア等で構成されている。これにより、時計用文字板P7や針等の視認性を十分に優れたものとすることができるとともに、太陽電池P94に十分な光量の光を入射させることができる。
ムーブメントP81は、太陽電池P94の起電力を利用して、指針を駆動する。
図10中では省略しているが、ムーブメントP81内には、例えば、太陽電池P94の起電力を貯蔵する電気二重層コンデンサー、リチウムイオン二次電池や、時間基準源として水晶振動子や、水晶振動子の発振周波数をもとに時計を駆動する駆動パルスを発生する半導体集積回路や、この駆動パルスを受けて1秒毎に指針を駆動するステップモーターや、ステップモーターの動きを指針に伝達する輪列機構等を備えている。
また、ムーブメントP81は、図示しない電波受信用のアンテナを備えている。そして、受信した電波を用いて時刻調整等を行う機能を有している。
太陽電池P94は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有する。そして、太陽電池P94で変換された電気エネルギーは、ムーブメントの駆動等に利用される。
太陽電池P94は、例えば、非単結晶シリコン薄膜にp型の不純物とn型の不純物とが選択的に導入され、さらにp型の非単結晶シリコン薄膜とn型の非単結晶シリコン薄膜との間に不純物濃度の低いi型の非単結晶シリコン薄膜を備えたpin構造を有している。
胴P82には巻真パイプP86が嵌入・固定され、この巻真パイプP86内にはりゅうずP87の軸部P871が回転可能に挿入されている。
胴P82とベゼルP84とは、プラスチックパッキンP88により固定され、ベゼルP84とガラス板P85とはプラスチックパッキンP89により固定されている。
また、胴P82に対し裏蓋P83が嵌合(または螺合)されており、これらの接合部(シール部)P93には、リング状のゴムパッキン(裏蓋パッキン)P92が圧縮状態で介挿されている。この構成によりシール部P93が液密に封止され、防水機能が得られる。
りゅうずP87の軸部P871の途中の外周には溝P872が形成され、この溝P872内にはリング状のゴムパッキン(りゅうずパッキン)P91が嵌合されている。ゴムパッキンP91は巻真パイプP86の内周面に密着し、該内周面と溝P872の内面との間で圧縮される。この構成により、りゅうずP87と巻真パイプP86との間が液密に封止され防水機能が得られる。なお、りゅうずP87を回転操作したとき、ゴムパッキンP91は軸部P871と共に回転し、巻真パイプP86の内周面に密着しながら周方向に摺動する。
なお、上記の説明では、時計の一例として、ソーラー電波時計としての腕時計(携帯時計)を挙げて説明したが、本発明は、腕時計以外の携帯時計、置時計、掛け時計等の他の種類の時計にも同様に適用することができる。また、本発明は、ソーラー電波時計を除くソーラー時計や、ソーラー電波時計を除く電波時計等、いかなる時計にも適用することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記のようなものに限定されるものではない。
例えば、本発明の時計用外装部品、時計では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、前述した実施形態では、時計用外装部品が、基材、被膜に加え、下地層、反射防止膜を備える場合について中心的に説明したが、本発明の時計用外装部品は、基材と被膜とを備えるものであればよく、下地層、反射防止膜を備えていないものであってもよい。
また、本発明の時計用外装部品の製造方法においては、必要に応じて、前処理工程、中間処理工程、後処理工程を行ってもよい。
また、前述した実施形態では、単一のノズルを用いるものとして説明したが、本発明では複数のノズルを用いてもよい。
また、前述した実施形態では、基材を変位させつつ成膜を行うものとして説明したが、エアロゾルを噴射するノズルを変位させつつ成膜を行ってもよい。
また、前述した実施形態では、エアロゾルを基材の法線方向から吹き付ける場合について中心的に説明したが、エアロゾルは、基材の法線方向から所定角度傾斜した方向から吹き付けてもよい。
また、前述した実施形態では、別途用意した粒子を用いて、被膜の形成を行う場合について中心的に説明したが、本発明では、装置内で生成した粒子(気体を凝縮させることにより得られた粒子)を用いて被膜の形成を行ってもよい。
また、前述した実施形態では、被膜形成装置が解砕器を備えるものとして説明したが、被膜の形成には、解砕器を備えていないものを用いてもよい。
また、前述した実施形態では、被膜形成装置が連結管を加熱する加熱機構を備えるものとして説明したが、被膜の形成には、前記加熱機構を備えていないものを用いてもよい。
P100……腕時計(携帯時計)
P10……時計用外装部品
P1……基材
P2……下地層
P3……被膜
P31……粒子
P4……反射防止膜
P6……マスク
P61……開口部
P611……断面積増大部
P7……時計用文字板
P81……ムーブメント
P82……胴(ケース)
P83……裏蓋
P84……ベゼル(縁)
P85……ガラス板(カバーガラス)
P86……巻真パイプ
P87……りゅうず
P871……軸部
P872……溝
P88……プラスチックパッキン
P89……プラスチックパッキン
P91……ゴムパッキン(りゅうずパッキン)
P92……ゴムパッキン(裏蓋パッキン)
P93……接合部(シール部)
P94……太陽電池
1……被膜形成装置
2……連結管
21……第2の開口部(他端開口部)
22……内腔部
24……ノズル部
25……第1の開口部(一端開口部)
3……ガス供給手段
31……タンク
32……連結管
33……電磁弁
4……解砕器
41……容器
42……エアロゾル導入口
43……解砕具
44……エアロゾル導出口
45……ブラシ
46a……ガス導入口
46b……ガス導入口
47……超音波振動装置
5……圧力調整手段
51……ポンプ
52……連結管
53……電磁弁
6……変位手段
61……ステージ(テーブル)
62x……x方向移動手段
62y……y方向移動手段
62z……z方向移動手段
63x……x軸周り回動手段
63y……y軸周り回動手段
63z……z軸周り回動手段
7……制御部
71……記憶部(記録媒体)
8……連結管
15……エアロゾル発生器
16……成膜室
90……加熱機構
……ガス

Claims (13)

  1. 開口部を有するマスクを介して、基材に向けて、粒子が気体中に分散してなるエアロゾルをノズルから吹き付けて、その衝撃力によって被膜を形成する被膜形成工程を有することを特徴とする時計用外装部品の製造方法。
  2. 前記被膜形成工程に先立ち、前記基材にマスクを形成するマスク形成工程を有する請求項1に記載の時計用外装部品の製造方法。
  3. 前記被膜形成工程の後に、前記マスクを除去するマスク除去工程を有する請求項2に記載の時計用外装部品の製造方法。
  4. 前記マスクは、前記基材に対向する面から反対の面に向かって前記開口部の断面積が増大する断面積増大部を有するものである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の時計用外装部品の製造方法。
  5. 前記基材の法線と前記断面積増大部の表面とのなす角が、10°以上60°以下である請求項4に記載の時計用外装部品の製造方法。
  6. 前記マスクは、第1の開口部および第2の開口部を含む複数個の前記開口部を有するものであり、
    前記エアロゾルを通過させる前記第1の開口部の近傍に所定量の前記粒子が付着した場合に、前記エアロゾルを通過させる前記開口部を前記第1の開口部から前記第2の開口部に切り替える請求項1ないし5のいずれか1項に記載の時計用外装部品の製造方法。
  7. 前記マスクは、円盤状をなすものであり、
    円周方向に沿って、複数個の前記開口部が設けられている請求項6に記載の時計用外装部品の製造方法。
  8. 前記マスクの厚さは、0.1mm以上5.0mm以下である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の時計用外装部品の製造方法。
  9. 前記マスクは、Al、Si、Ta、Au、Cr、Cu、Pt、Pd、Ru、In、Sn、Ti、IrおよびZnよりなる群から選択される少なくとも1種を含む金属材料で構成されたものである請求項1ないし8のいずれか1項に記載の時計用外装部品の製造方法。
  10. 前記被膜形成工程に先立って、基材の表面に少なくとも1層の下地層を形成する下地層形成工程を有する請求項1ないし9のいずれか1項に記載の時計用外装部品の製造方法。
  11. 前記被膜形成工程の後に、反射防止膜を形成する反射防止膜形成工程を有する請求項1ないし10のいずれか1項に記載の時計用外装部品の製造方法。
  12. 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする時計用外装部品。
  13. 請求項12に記載の時計用外装部品を備えたことを特徴とする時計。
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