JP2015167085A - 蓄電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 端子と端子壁とが短絡することを抑制する技術を提供する。【解決手段】 蓄電装置100は、ケース1と、端子5と、電流遮断装置30を備える。端子5は、ケースの端子壁9に形成された開口11、13を介してケースの内外に通じている。端子5は、開口に挿通された柱状部14と、ケースの内部に位置する基底部15を有する。端子と端子壁との間には、シール部分において端子と端子壁との間をシールする環状のシール部材26が配置されている。シール部材と端子との間と、シール部材と端子壁との間の少なくとも一方には、環状の第1絶縁部材22、24が配置されている。端子と端子壁との間の空間のうちシール部分よりもケース内部側の第1空間20には、環状の第2絶縁部材35が配置されている。第1空間には、第1空間のケース外部側の端面からケース内部側の端面まで、シール部材、第1絶縁部材または第2絶縁部材のいずれかが配置されている。【選択図】 図2

Description

本明細書に開示する技術は、電流遮断装置を備えている蓄電装置に関する。
蓄電装置の技術分野では、蓄電装置が過充電されたり、内部で短絡が発生したりしたときに、端子間(正極端子と負極端子)に流れる電流を遮断する電流遮断装置の開発が進められている。電流遮断装置は、端子と集電体(正極集電体又は負極集電体)の間に配置される。特許文献1には、集電体に接続された通電板と、端子に接続された変形板とが接合された電流遮断装置が開示されている。蓄電装置内の圧力が上昇して所定値を超えると、電流遮断装置が動作して変形板が通電板から離反する。この結果、端子と通電板の間の電流が遮断される。
特開2012−38529号公報
特許文献1の蓄電装置では、ケースの端子壁に形成された開口に端子が固定されている。端子と端子壁との間には絶縁性のシール部材及び絶縁部材が配置されている。絶縁部材は、シール部材よりもケース内部側に、シール部材から間隔を空けて配置されている。このため、シール部材と絶縁部材との間には空間が形成されている。当該空間では、端子と端子壁とが直接対向している。ここで、ケース内の電解液が、絶縁部材と端子及び/又は端子壁との間の隙間を伝って、当該空間に浸入する場合がある。電流遮断装置が動作した後に、当該空間が電解液で満たされた状態で端子と端子壁との間に高電圧が印加されると、当該空間に満たされた電解液によって端子と端子壁とが短絡する可能性がある。特に、複数の蓄電装置が直列接続された蓄電装置モジュールでは、1つの電流遮断装置が動作すると端子と端子壁との間に極めて高い電圧が印加されるため、端子と端子壁とが短絡する可能性がより高くなる。
本明細書では、端子と端子壁とが短絡することを抑制する技術を提供する。
本明細書が開示する蓄電装置は、ケースと、端子と、電流遮断装置と、を備える。ケースは、正極電極及び負極電極を備えている電極組立体と、電解液と、を収容可能としている。端子は、ケースの端子壁に形成された開口を介してケースの内外に通じている。電流遮断装置は、ケース内に収容されており、端子と正極電極、又は端子と負極電極に電気的に接続されていると共に、端子と正極電極、又は負極電極を導通状態から非導通状態に切換える導電性部材を有する。端子は、開口に挿通された柱状部と、柱状部の一端に配置されておりケースの内部に位置する基底部と、を有する。基底部は、端子壁を平面視した状態で開口より大きく、かつ、導電性部材と電気的に接続されている。端子と端子壁との間には、柱状部を一巡するシール部材が配置されている。シール部材と端子との間と、シール部材と端子壁との間の少なくとも一方には、柱状部を一巡する絶縁性の第1絶縁部材が配置されている。シール部材は、第1絶縁部材と共に、端子と端子壁との間をシールしている。端子と端子壁との間の空間のうちシール部材よりもケース内部側の第1空間には、柱状部を一巡する絶縁性の第2絶縁部材が配置されている。第1空間には、第1空間のケース外部側の端面からケース内部側の端面まで、シール部材、第1絶縁部材または第2絶縁部材のいずれかが配置されている。
上記の蓄電装置では、シール部材が、第1絶縁部材と共に、端子と端子壁との間をシールしている。このため、ケース内の電解液が、シール部材及び第1絶縁部材よりもケース外部側の空間に漏出することが抑制される。また、上記の蓄電装置では、第1空間には、第1空間のケース外部側の端面からケース内部側の端面まで、シール部材、第1絶縁部材または第2絶縁部材のいずれかが配置されている。このため、第1空間では端子と端子壁とが直接対向することがない。従って、端子と端子壁との間に高電圧が印加されても、端子と端子壁とが短絡することを抑制することができる。
本明細書が開示する技術の詳細、及び、さらなる改良は、発明を実施するための形態、及び、実施例にて詳しく説明する。
実施例1の蓄電装置の縦断面図。 図1の負極端子を構成するかしめ端子近傍の部分拡大図。 図1の正極端子を構成するかしめ端子近傍の部分拡大図。 変形例1の蓄電装置の負極端子を構成するかしめ端子近傍の部分拡大図。 実施例2の蓄電装置の負極端子を構成するかしめ端子近傍の部分拡大図。 実施例3の蓄電装置の負極端子を構成するかしめ端子近傍の部分拡大図。 実施例4の蓄電装置の負極端子を構成するかしめ端子近傍の部分拡大図。 実施例5の蓄電装置の負極端子を構成するかしめ端子近傍の部分拡大図。 実施例6の蓄電装置の負極端子近傍の部分拡大図。
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
(特徴1) 第1絶縁部材のケース内部側の端面は、第2絶縁部材のケース外部側の端面と当接していてもよい。この構成によると、第1空間において端子と端子壁とが直接対向することを抑制することができる。
(特徴2) 第2絶縁部材のケース外部側の端面には、その端面と直交する方向に凹となる溝が周方向に亘って形成されていてもよい。第1絶縁部材のケース内部側の端面は、その溝内に位置していてもよい。この構成によると、端子壁を平面視したときに、その溝内において、第1絶縁部材と第2絶縁部材とが重なる。このため、何らかの要因で第1絶縁部材や第2絶縁部材の位置がずれても、第1空間において端子と端子壁とが直接対向することを抑制することができる。
(特徴3) 特徴2に加えて、溝の幅は、第1絶縁部材が溝内に配置される前の第1絶縁部材の厚み以下であってもよい。この構成によると、当該溝内の第1絶縁部材は、当該溝の側面と当接する。このため、第1絶縁部材と第2絶縁部材との相対的な位置関係が変化し難く、第1空間において端子と端子壁とが直接対向することを抑制することができる。
(特徴4) 第1絶縁部材のケース内部側の端面がシール部材のケース内部側の端部よりもケース内部側に位置していてもよい。シール部材は、端子に配置された第1の第1絶縁部材と、端子壁に配置された第2の第1絶縁部材と、に第1シール部分において接触していてもよい。第1の第1絶縁部材が端子と接触している面積及び第2の第1絶縁部材が端子壁と接触している面積は、シール部材の第1シール部分の面積よりも大きくてもよい。この構成によると、第1及び第2の第1絶縁部材またはシール部材をそれらの接触面方向に移動させる際の摩擦抵抗は、第1及び第2の第1絶縁部材のほうがシール部材よりも大きくなり易い。このため、第1及び第2の第1絶縁部材のほうがシール部材よりも位置ずれが起こり難くなり易い。従って、何らかの要因でシール部材の位置がずれても、第1又は第2の第1絶縁部材により、第1空間において端子と端子壁とが直接対向することを抑制し得る。
(特徴5) 第1の第1絶縁部材のケース内部側の端面及び第2の第1絶縁部材のケース内部側の端面が、シール部材のケース内部側の端部よりもケース内部側に位置していてもよい。電流遮断装置は、ケースの内圧が所定値を超えると、端子と正極電極、又は端子と負極電極を導通状態から非導通状態に切換えてもよい。ケースの内圧が所定値に達しても、第1の第1絶縁部材と第2絶縁部材との相対的な位置関係及び第2の第1絶縁部材と第2絶縁部材との相対的な位置関係が保持される構成であってもよい。シール部材、第1及び第2の第1絶縁部材及び第2絶縁部材のケースの内部に面している部分には、ケースの内圧が作用する。このため、ケースの内圧が上昇すると、シール部材、第1及び第2の第1絶縁部材及び第2絶縁部材の位置がずれる可能性がある。上記の構成によると、ケースの内圧が上昇して所定値に達しても、第1及び第2の第1絶縁部材と第2絶縁部材との相対的な位置関係が変化しない。このため、第1空間において端子と端子壁とが直接対向することを抑制することができる。
(特徴6) 特徴5に加えて、第1の第1絶縁部材が端子に固定されており、第2の第1絶縁部材が端子壁に固定されていてもよい。この構成によると、ケースの内圧が上昇しても、第1及び第2の第1絶縁部材、及び第2絶縁部材の位置がずれることがない。このため、第1空間において端子と端子壁とが直接対向することを抑制することができる。
(特徴7) 第1絶縁部材のケース内部側の端面がシール部材のケース内部側の端部よりもケース内部側に位置していてもよい。シール部材は、端子又は端子壁の一方に配置された第1絶縁部材と、端子又は端子壁の他方と、に第2シール部分において接触していてもよい。第1絶縁部材が端子又は端子壁と接触している面積は、シール部材の第2シール部分の面積よりも大きくてもよい。この構成によると、第1絶縁部材またはシール部材をそれらの接触面方向に移動させる際の摩擦抵抗は、第1絶縁部材のほうがシール部材よりも大きくなり易い。このため、第1絶縁部材のほうがシール部材よりも位置ずれが起こり難くなり易い。従って、何らかの要因でシール部材の位置がずれても、第1絶縁部材により、第1空間において端子と端子壁とが直接対向することを抑制し得る。
実施例1の蓄電装置100について図1〜3を参照して説明する。蓄電装置100は、二次電池の一種であるリチウムイオン二次電池である。図1に示すように、蓄電装置100は、ケース1と、電極組立体3と、かしめ端子5、7と、電流遮断装置30を備えている。ケース1は、金属製であり、略直方体形状である。ケース1の内部には、電極組立体3と電流遮断装置30が収容されている。電極組立体3は、負極電極と正極電極を備えている。負極集電タブ43が負極電極に固定されており、正極集電タブ45が正極電極に固定されている。ケース1の内部は、電解液が注入されている。
ケース1には、開口11、13が形成されている。以下では、ケース1において、開口11、13が形成されている壁を特にケース上壁9と称する。かしめ端子5は、開口11を介してケース1の内外に通じており、かしめ端子7は、開口13を介してケース1の内外に通じている。かしめ端子5の下端はケース1の内部に位置しており、電流遮断装置30(後述)に接続されている。電流遮断装置30は、接続端子23及び負極リード25を介して、負極集電タブ43に接続されている。負極リード25は、絶縁シート27によってケース上壁9から絶縁されている。一方、かしめ端子7の下端はケース1の内部に位置しており、正極リード41を介して正極集電タブ45に接続されている。正極リード41は、絶縁シート29によってケース上壁9から絶縁されている。
ケース上壁9の上面には、樹脂製のガスケット62、63が配置されている。ガスケット62は、ケース上壁9より上方に突出した突出部66と、ケース上壁9に沿って伸びる平板部68を有する。突出部66はケース上壁9の中央側に配置され、平板部68はケース上壁9の開口11側に配置される。ガスケット62の上面には、外部端子60が、ガスケット62の上面の形状に沿って配置されている。ボルト64の頭部は、突出部66に形成された有底穴62aに配置されている。ボルト64の軸部は、外部端子60の開口を通って上方に突出している。かしめ端子5、外部端子60及びボルト64は、互いに電気的に接続されており、負極端子を構成している。ガスケット63、外部端子61及びボルト65の構成は上述したガスケット62、外部端子60及びボルト64の構成と同様である。かしめ端子7、外部端子61及びボルト65は、互いに電気的に接続されており、正極端子を構成している。
ここで、図2を参照してかしめ端子5について説明する。図2は、図1の二点鎖線部200aの拡大図を示す。かしめ端子5は、円筒部14、基底部15及び固定部16を有する。円筒部14は円筒形状をしており、開口11を挿通している。円筒部14には軸方向(上下方向)に貫通孔14aが形成されている。このため、貫通孔14a内は大気圧に保たれる。基底部15は環状に形成されており、円筒部14の下端に接続されている。即ち、基底部15はケース1の内部に位置している。基底部15の上面は円筒部14の軸方向と略直交している。基底部15の外径は、開口11の径より大きい。円筒部14と基底部15は同心円状に配置されている。基底部15の下面中央には、凹所15aが形成されている。凹所15aの中心と貫通孔14aは連通しており、凹所15a内は大気圧に保たれる。固定部16は環状に形成されており、円筒部14の上端に接続されている。即ち、固定部16はケース1の外部に位置している。かしめ端子5は、固定部16によりケース上壁9に固定されている。かしめ端子5がケース上壁9に固定される前は、固定部16は円筒部14の軸方向に延びている。即ち、円筒部14と固定部16は、軸方向に延びる1つの円筒状の部分を構成している(以下、当該部分を円筒部分という)。なお、円筒部14は、「柱状部」の一例に相当する。
かしめ端子5をケース上壁9に固定する際には、円筒部分をケース1の内部から開口11、ガスケット62の開口及び外部端子60の開口に挿通させる。その後、円筒部分の上部(ケース1の外部に突出している部分)を軸直方向外側に屈曲させて押し広げる。これにより、当該円筒部分は外部端子60の上面に当接し、かしめ端子5がケース上壁9にかしめ固定される。当該円筒部分(即ち、円筒部分のうち屈曲された部分)が固定部16に相当する。かしめ端子5をケース上壁9に固定することで、Oリング26(後述)、絶縁部材35(後述)、ガスケット62及び外部端子60がかしめ端子5とケース上壁9との間に挟持される。このとき、ケース上壁9と基底部15と固定部16は互いに略平行となっている。ガスケット62により、外部端子60とケース上壁9とが絶縁される。
次に、図2を参照して、かしめ端子5とケース上壁9との間に配置されている部材について説明する。ケース上壁9の下面には、環状の絶縁性を有するフィルム22が接着されている。基底部15の上面には、環状の絶縁性を有するフィルム24が接着されている。フィルム22、24は、円筒部14の周囲を一巡している。フィルム22、24にはポリプロピレン(PP)が用いられる。フィルム22、24の厚み(上下方向の長さ)はそれぞれ一定である。フィルム22、24の接着に用いられる接着剤には、耐電解液性を有する材料が用いられる。このため、フィルム22とケース上壁9との間の液密、及びフィルム24と基底部15との間の液密が確保される。フィルム22の内径は、開口11の径と略同一であり、その内周面は開口11の下端に位置している。フィルム24の内径は、円筒部14の外径と略同一であり、その内周面は円筒部14の外周面に当接している。フィルム22の外径とフィルム24の外径は略同一である。なお、フィルム22、24には、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などの耐電解液性及び絶縁性を有する樹脂が用いられてもよい。
フィルム22とフィルム24との間には、Oリング26が配置されている。Oリング26は、円筒部14の周囲を一巡している。Oリング26には、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)などのエチレン−プロピレン系ゴム(EPM)が用いられる。Oリング26は、シール部分S1においてフィルム22とフィルム24の両者に接触し、フィルム22とフィルム24との間をシールしている。これにより、ケース上壁9とかしめ端子5との間がシールされる。フィルム22、24の外周端の位置は、Oリング26(厳密には、ケース上壁9とかしめ端子5との間に挟持された状態のOリング26)の外周端の位置よりも、径方向外側に位置している。なお、Oリング26の材料は上記に限られず、シール性、絶縁性及び耐電解液性を有する材料であればよい。
空間18は、ケース上壁9を平面視したときにケース上壁9と基底部15とが対向する範囲のうち、固定部16が占める範囲の空間である。空間18は円筒部14の周囲を一巡している。シール部分S1は、空間18内に位置している。
図2の矢印は、ケース1の外側から内側に向かう方向を示している。以下では、当該矢印が示す方向を「ケース内部側」と称し、当該矢印が示す方向と反対の方向を「ケース外部側」と称する。これは、その他の実施例及び変形例でも同様とする。かしめ端子5とケース上壁9との間の空間のうち、シール部分S1よりケース内部側(即ち、径方向外側)には空間20が形成されている。空間20は円筒部14の周囲を一巡している。空間20はケース1の内部と連通している。空間20には、フィルム22、24の一部及びOリング26の一部がそれぞれ配置されている。また、空間20には、環状の絶縁部材35が配置されている。絶縁部材35には、PPSが用いられる。絶縁部材35は、円筒部14の周囲を一巡している。絶縁部材35は、ケース上壁9の下面及び基底部15の上面に当接している。フィルム22、24の外周端は、絶縁部材35の上端の内周面35aに当接している。なお、絶縁部材35の材料は上記に限られず、絶縁性と耐電解液性を有し、荷重支持に必要な強度特性に優れた材料(例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK))が用いられてもよい。
絶縁部材35は基底部15の上面を径方向外側に向かって延びており、基底部15の外周面を覆い、破断板34(後述)と略同一の高さまで延びている。このため、空間20には、空間20のケース外部側の端面からケース内部側の端面まで、フィルム22、24、Oリング26、及び絶縁部材35のいずれかが配置されている。別言すれば、ケース上壁9を平面視すると、空間20の全体に、フィルム22、24、Oリング26、及び絶縁部材35のいずれかが配置されている。なお、空間20の上下方向には、上記部材22、24、26、35が配置されていない空間があってもよい。絶縁部材35の下端面は、絶縁部材39と当接している。絶縁部材39は破断板34の下面の外周部を周方向に亘って覆っている。絶縁部材35、39の外周面には、環状の金属製の板材40がかしめられている。これにより、基底部15、変形板32及び破断板34が上下方向に挟持される。
続いて、図3を参照してかしめ端子7と、かしめ端子7とケース上壁9との間に配置される部材について説明する。図3は、図1の二点鎖線部200bの拡大図を示す。図2と同様の構成については説明を省略する。かしめ端子7は円柱部94、基底部95及び固定部96を有する。かしめ端子7は中実であり、貫通孔及び凹所が形成されていない。固定部96を軸直方向外側に屈曲させることにより、かしめ端子7がケース上壁9にかしめ固定される。これにより、Oリング26、絶縁部材115、ガスケット63及び外部端子61がかしめ端子7とケース上壁9との間に挟持される。基底部95は、正極リード41に接続されている。
空間20には、環状の絶縁性の絶縁部材115が配置されている。絶縁部材115は、絶縁部材35と同一の材料により形成されている。フィルム22、24の外周端は、絶縁部材115の内周面115aに当接している。絶縁部材115は、基底部95の上面を径方向外側に基底部95の外周面の位置まで延びている。このため、空間20には、空間20のケース外部側の端面からケース内部側の端面まで、フィルム22、24、Oリング26、及び絶縁部材115のいずれかが配置されている。別言すれば、ケース上壁9を平面視すると、空間20の全体に、フィルム22、24、Oリング26、及び絶縁部材115のいずれかが配置されている。
図2に戻って電流遮断装置30について説明する。電流遮断装置30は、金属製の変形板32と、金属製の破断板34を備えている。変形板32の外周部は、基底部15の下面の外周部と接続されており、基底部15の凹所15aの下端は変形板32により覆われている。凹所15a内は大気圧に保たれているため、変形板32の上面には大気圧が作用する。基底部15、変形板32及び破断板34は、環状の絶縁部材35、39、及び板材40により挟持されている。変形板32は、円形の導電性のダイアフラムであり、下方に凸となっている。変形板32の中央部は破断板34と接続されている。破断板34は円形の板材であり、変形板32の下方に位置している。破断板34には接続端子23が接続されている。破断板34の下面の中央部には溝部34aが形成されている。溝部34aの内側で破断板34と変形板32の中央部とが接続されている。溝部34aが形成された位置における破断板34の機械的強度は、溝部34a以外の位置における破断板34の機械的強度よりも低い。破断板34には通気孔34bが形成されており、変形板32と破断板34との間の空間46がケース1内の空間と連通している。また、変形板32の外周部と破断板34の外周部との間には環状の絶縁部材38が配置されている。
電流遮断装置30は、接続端子23と、破断板34と、変形板32と、かしめ端子5とを直列につなぐ通電経路を有している。このため、電極組立体3とかしめ端子5は、電流遮断装置30の通電経路を介して電気的に接続されている。
ここで、電流遮断装置30の遮断動作について説明する。上述した蓄電装置100においては、かしめ端子5とかしめ端子7の間が通電可能な状態となっている。ケース1内の圧力が上昇すると、通気孔34bを介して変形板32の下面に作用する圧力が上昇する。一方、変形板32の上面には大気圧が作用する。このため、ケース1の内圧が上昇して所定値に達すると、変形板32が反転して、上方に凸の状態に変化する。すると、変形板32の中央部に接続されていた破断板34が、機械的に脆弱な溝部34aを起点に破断する。これによって、破断板34と変形板32とを接続する通電経路が遮断され、電極組立体3とかしめ端子5との間の通電が遮断される。このとき、変形板32は接続端子23から絶縁されると共に、破断板34はかしめ端子5から絶縁される。
実施例1の蓄電装置100の作用効果について説明する。以下では、特に記載しない限り、「かしめ端子5」は「かしめ端子7」と読み替えることができる。その他の実施例及び変形例における作用効果についても同様である。上記の蓄電装置100では、ケース上壁9とかしめ端子5との間の空間は、フィルム22、24を介して、Oリング26のシール部分S1においてシールされている。このため、ケース1内の電解液がシール部分S1よりもケース1の外部に漏出することが抑制される。また、空間20には、ケース上壁9を平面視したときに、フィルム22、24、Oリング26及び絶縁部材35のいずれかが必ず配置されている。このため、空間20ではかしめ端子5とケース上壁9とが直接対向することがない。従って、電流遮断装置30が動作した後に、電解液が空間20に浸入し、かしめ端子5とケース上壁9との間に高電圧が印加されても、かしめ端子5とケース上壁9とが短絡することを抑制することができる。なお、板材40とケース上壁9とは直接対向しているが、板材40は絶縁部材35によって通電経路から絶縁されている。このため、板材40がケース上壁9と導通しても特に問題はないことに注意されたい。
また、蓄電装置100では、フィルム22、24の外周端が、Oリング26よりも径方向外側に位置している。即ち、フィルム22、24及び絶縁部材35により、空間20においてかしめ端子5とケース上壁9とが直接対向しない構成としている。フィルム22とケース上壁9との接触面積及びフィルム24とかしめ端子5との接触面積は、シール部分S1の面積よりも大きい。このため、フィルム22,24の材料を適切に選択することで、フィルム22、24又はOリング26を径方向に移動させる際の摩擦抵抗を、フィルム22、24のほうがOリング26よりも大きくすることができる。特に、実施例1ではフィルム22、24は接着されているため、フィルム22,24がケース上壁9又はかしめ端子5に対してスライド移動し難くなっている。従って、ケース1の内圧が上昇して、フィルム22、24及びOリング26にケース1の外部方向(即ち、かしめ端子5の径方向内側)に向かう力が作用する場合、フィルム22、24のほうが、Oリング26よりもそれらの位置がずれ難い。フィルム22、24を配置しない従来の構成では、空間20においてかしめ端子5とケース上壁9とが直接対向しないようにするためには、Oリング26を絶縁部材35の上端の内周面35aに当接させる必要があった。このため、ケース1の内圧が上昇すると、Oリング26が径方向内側にずれて絶縁部材35の上端の内周面35aから離間し、かしめ端子5とケース上壁9とが直接対向することにより両者が短絡する可能性があった。本実施例では、絶縁部材35は、比較的に位置ずれし難い部材(即ち、フィルム22、24)と当接することによりケース上壁9とかしめ端子5とが直接対向することを防止している。このため、ケース1の内圧が上昇してOリング26の位置がずれたとしても、フィルム22、24は比較的に位置ずれし難いため、空間20においてかしめ端子5とケース上壁9とが直接対向することを抑制できる。
また、蓄電装置100では、フィルム24は、その内周面が円筒部14に当接することで位置決めされている。また、絶縁部材35は板材40によりかしめ端子5に固定されている。このため、フィルム24及び絶縁部材35に径方向の外力が作用しても、フィルム24及び絶縁部材35は位置ずれし難い。従って、ケース1の内圧が上昇して所定値に達しても、フィルム24と絶縁部材35との相対的な位置関係が変化し難い。結果として、空間20においてかしめ端子5とケース上壁9とが直接対向することをより抑制できる。
また、蓄電装置100では、シール部分S1は空間18内に位置している。このため、シール部分S1においてフィルム22とフィルム24との間(即ち、かしめ端子5とケース上壁9との間)を強固にシールでき、電解液がケース1の外部に漏出することをより抑制できる。
なお、複数の蓄電装置100を備えた蓄電装置モジュールでは、各蓄電装置100が直列に接続され、所望の電圧が得られるまで直列に接続される。これにより、高出力で大容量の蓄電装置モジュールを構成することができる。
(変形例1) 次に、図4を参照して変形例1について説明する。以下では、実施例1と相違する点についてのみ説明し、実施例1と同一の構成についてはその詳細な説明を省略する。その他の実施例及び変形例でも同様である。また、特に記載がない限りは、かしめ端子7とケース上壁9との間の各部材の位置関係は、かしめ端子5とケース上壁9との間の各部材の位置関係と同様である。
図4の二点鎖線部300aは、図1の二点鎖線部200aに相当する。かしめ端子5の上面には、環状のフィルム124が接着されている。フィルム124の内径は円筒部14の外径と略同一であり、フィルム124の外径は絶縁部材35の内径より僅かに大きい。フィルム124をかしめ端子5に接着する際は、まず、絶縁部材35にかしめ端子5の円筒部分を挿通し、かしめ端子5に絶縁部材35を取付ける。その後、フィルム124の下面に接着剤を塗布した状態で、フィルム124にかしめ端子5の円筒部分を挿通する。フィルム124の外径は絶縁部材35の内径よりも大きいため、フィルム124の外周部は絶縁部材35の上端の内周面35aの一部を覆うようにかしめ端子5に接着される。この構成によっても、実施例1の蓄電装置100と同様の作用効果を奏する。また、フィルム124の外径が絶縁部材35の内径よりも大きいため、フィルム124と絶縁部材35とが確実に接触した状態とすることができる。
次に、図5を参照して実施例2について説明する。図5の二点鎖線部400aは、図1の二点鎖線部200aに相当する。絶縁部材135の上端の内周面135aには、上端面と略直交する方向に凹となる溝36、37が形成されている。溝36は、絶縁部材135の上端の内周面135aと上面とを接続する角部を周方向に亘ってくり抜いた形状を有する。溝36は、絶縁部材135の上端の内周面135aと略直交する側面36aと、側面36aと略直交する底面36bを有する。面36bの上下方向の長さが溝36の幅に相当する。溝37は、絶縁部材135の上端の内周面135aと下面とを接続する角部を周方向に亘ってくり抜いた形状を有する。溝37は、絶縁部材135の上端の内周面135aと略直交する側面37aと、側面37aと略直交する底面37bを有する。面37bの上下方向の長さが溝37の幅に相当する。
溝36には、フィルム22の外周部が配置されている。溝36の幅は、フィルム22の厚みと略同一である。このため、フィルム22の外周部は、溝36の側面36a及びケース上壁9に当接している。溝37には、フィルム24の外周部が配置されている。溝37の幅は、フィルム24の厚みと略同一である。このため、フィルム24の外周部は、溝37の側面37a及び基底部15に当接している。フィルム22と側面36aとの当接面及びフィルム24と側面37aとの当接面は、空間18内に位置している。
実施例2の蓄電装置は、実施例1の蓄電装置100と同様の作用効果を奏する。また、本実施例では、フィルム22、24の外周部はそれぞれ溝36、37内に配置されている。このため、ケース上壁9を平面視すると、フィルム22、24の外周部と、絶縁部材135の上端部とが重なっている。従って、仮にケース1の内圧が上昇して絶縁部材135、フィルム22、24、及びOリング26のいずれかの位置がずれても、フィルム22、24の外周部と絶縁部材135の上端部とが平面視した状態で重なっている限りは、空間20においてかしめ端子5とケース上壁9とが直接対向することを抑制できる。結果として、溝36、37が形成されていない構成と比較して、かしめ端子5とケース上壁9とが短絡することをより抑制することができる。特に、本実施例では、フィルム22と溝36の側面36aとが当接しており、フィルム24と溝37の側面37aとが当接している。このため、ケース1内の圧力が上昇してフィルム22及び絶縁部材135に径方向内側に向かう力が作用しても、フィルム22と側面36aとの間に生じる摩擦力により、フィルム22と絶縁部材135との相対的な位置関係が変化することを抑制できる。これにより、空間20においてかしめ端子5とケース上壁9とが直接対向することをより抑制できる。フィルム24と側面37aについても同様のことが言える。また、本実施例では、フィルム22と側面36aとの当接部分及びフィルム24と側面37aとの当接部分が空間18内に位置しているため、フィルム22、24及び絶縁部材135に外力が作用した場合における、上記の当接部分の径方向の摩擦力がさらに増大する。
次に、図6を参照して実施例3について説明する。図6の二点鎖線部500aは、図1の二点鎖線部200aに相当する。ケース上壁9の上面には、環状のフィルム222が接着されており、固定部16の下面には、環状のフィルム224が接着されている。フィルム222とフィルム224との間には、Oリング26が配置されている。Oリング26は、シール部分S2において、フィルム222、224を介してケース上壁9とかしめ端子5との間をシールしている。フィルム222、224の内周端の位置は、Oリング26の内周端の位置よりも、径方向内側に位置している。空間218は、ケース上壁9を平面視したときにケース上壁9と固定部16とが対向する範囲の空間を表す。シール部分S2は、空間218内に位置している。
かしめ端子5とケース上壁9との間の空間のうち、シール部分S2よりケース内部側(即ち、径方向内側、及び下方)には空間220が形成されている。空間220には、絶縁部材235と絶縁部材238が配置されている。絶縁部材235の上端の内周面235aには、溝236と溝237が形成されている。フィルム222、224の厚みはそれぞれ溝236、237の幅と略同一である。フィルム222の内周部は、溝236内に配置されており、フィルム224の内周部は、溝237内に配置されている。絶縁部材235の下端面は、絶縁部材238の上端面と当接している。絶縁部材238は基底部15の上面を径方向外側に向かって延びており、基底部15の外周面を覆い、破断板34と略同一の高さまで延びている。このため、空間220には、空間220のケース外部側の端面からケース内部側の端面まで、フィルム222、224、Oリング26、絶縁部材235、及び絶縁部材238のいずれかが配置されている。別言すれば、ケース上壁9を平面視すると、空間220の全体に、フィルム222、224、Oリング26、絶縁部材235、及び絶縁部材238のいずれかが配置されている。この構成によっても、実施例2の蓄電装置と同様の作用効果を奏することができる。
次に、図7を参照して実施例4について説明する。図7の二点鎖線部600aは、図1の二点鎖線部200aに相当する。ケース上壁9の下面には、環状のシール部材322が配置されている。シール部材322は、内周側の端部322aが他の部分よりも厚くなっている。シール部材322をケース上壁9の下面に配置する前の端部322aの径方向の長さは、かしめ端子5の円筒部14と開口11との間の長さよりも長い。かしめ端子5の上面には、環状のシール部材324が配置されている。シール部材324の内周面は、円筒部14に当接している。シール部材322とシール部材324の外径は略同一である。シール部材322、324は、Oリング26と同一の材料により形成されている。シール部材322の外周部は、絶縁部材135の溝36内に配置されている。シール部材322の外周部を溝36内に配置する前のシール部材322の端部322aを除く厚みは、溝36の幅よりも厚い。シール部材324の外周部は、溝37内に配置されている。シール部材324を溝37内に配置する前のシール部材324の厚みは、溝37の幅よりも厚い。シール部材322とシール部材324との間には、Oリング26が配置されている。Oリング26は、シール部分S3において、シール部材322とシール部材324との間(即ち、ケース上壁9とかしめ端子5との間)をシールしている。
実施例4の蓄電装置は、実施例2の蓄電装置100と同様の作用効果を奏することができる。また、シール部材322は、シール性を有しており、ケース上壁9とシール部材322との間の液密を確保できる。同様に、シール部材324も、かしめ端子5とシール部材324との間の液密を確保できる。従って、シール部材322,324をケース上壁9とかしめ端子5に接着剤で接着する必要はなく、蓄電装置の製造コストを低減できる。また、シール部材322は、その端部322aが開口11に配置されることにより位置決めされている。このため、ケース1の内圧の上昇に対して、シール部材322の位置がずれ難くなり、空間20においてケース上壁9とかしめ端子5とが直接対向することを抑制できる。また、シール部材322、324の外周部の厚みは、溝36、37の幅よりもそれぞれ厚い。このため、ケース上壁9とかしめ端子5との間は、シール部材322と側面36aとの当接面、及びシール部材324と側面37aとの当接面においてシールされる。従って、電解液が、Oリング26、シール部材322、324、及び絶縁部材135により囲まれた空間に浸入することを抑制でき、ケース上壁9とかしめ端子5との短絡をより抑制することができる。
次に、図8を参照して実施例5について説明する。図8の700aは、図1の二点鎖線部200aに相当する。この蓄電装置では、電流遮断装置の構成が実施例1と異なっており、それ以外の構成は実施例1と同様である。
電流遮断装置70は、金属製の第1変形板75と、金属製の破断板73と、金属製の第2変形板71を備えている。基底部15、第1変形板75、破断板73及び第2変形板71は、絶縁性の絶縁部材35、78により支持されている。絶縁部材35、78の外周面には、金属製の板材79がかしめられている。これにより、基底部15、第1変形板75、破断板73及び第2変形板71が上下方向に挟持される。
第2変形板71は、破断板73の下方に配置されており、その中央部が下方に突出している。第2変形板71の上面の外周部には絶縁部材81が配置されている。また、第2変形板71の上面中央には、上方に突出する突出部83が設けられている。突出部83の上方には破断板73の中央部73b(溝部73aに囲まれた部分)が位置している。第2変形板71の下面にはケース1内の空間の圧力が作用する。第2変形板71の上面には、第2変形板71と破断板73の間の空間86の圧力が作用する(後述)。空間86はケース1内の空間からシールされている。
破断板73は、第2変形板71と第1変形板75の間に配置されている。破断板73は、溝部73aによって、溝部73aに囲まれた中央部73bと、溝部73aの外周側に位置する外周部73cに区分されている。中央部73bの板厚は薄く、外周部73cの板厚は厚くされている。破断板73には通気孔73dが形成されている。空間86は、通気孔73dを介して第1変形板75と破断板73との間の空間88と連通している。
第1変形板75は、破断板73の上方に配置されている。第1変形板75は、実施例1の変形板32と略同一の構成を有する。第1変形板75と破断板73の間には、絶縁部材85が配置されている。第1変形板75の上面と基底部15の下面との間には空間87が形成されている。空間87は、大気圧に保たれている。破断板73と基底部15の外周部との間にはシール部材89が配置されており、基底部15と破断板73との隙間をシールしている。
電流遮断装置70は、接続端子23と、破断板73と、第1変形板75と、かしめ端子5とを直列につなぐ通電経路を有している。このため、電極組立体3とかしめ端子5は、電流遮断装置70の通電経路を介して電気的に接続されている。
ここで、電流遮断装置70の遮断動作について説明する。上述した蓄電装置ではかしめ端子5とかしめ端子7の間が通電可能な状態となっている。ケース1の内圧が上昇すると、第2変形板71の下面に作用する圧力が上昇する。一方、第2変形板71の上面には、ケース1内の空間からシールされた空間86の圧力が作用する。このため、ケース1内の圧力が所定値を超えると、第2変形板71が反転して、下方に凸の状態から上方に凸の状態に変化する。このとき、空間86内の空気は通気孔73dを通って空間88に移動し、空間88内の圧力が上昇する。また、第2変形板71が反転すると、第2変形板71の突出部83が破断板73の中央部73bに衝突し、破断板73が溝部73aで破断する。これにより、第1変形板75が反転し、第1変形板75及び破断板73の中央部73bが上方に変位する。このため、破断板73と第1変形板75を接続する通電経路が遮断され、電極組立体3とかしめ端子5との間の導通が遮断される。このとき、第1変形板75は接続端子23から絶縁されると共に、破断板73はかしめ端子5から絶縁されている。この構成によっても、実施例1の蓄電装置100と同様の作用効果を奏することができる。なお、上記の電流遮断装置70は、その他の実施例及び変形例の蓄電装置に取付けられてもよい。
次に、図9を参照して実施例6について説明する。図9の二点鎖線部800aは、図1の二点鎖線部200aに相当する。この蓄電装置では、負極端子405の構成が実施例1と異なっている。負極端子405は円筒部414と基底部415を有する。ケース上壁9の下面及び基底部15の上面には、フィルム22及びフィルム24がそれぞれ接着されている。負極端子405をケース上壁9に固定する際には、円筒部414にOリング26、絶縁部材35、及び板材40を挿通した状態で、円筒部414をケース1の内部からケース上壁9の開口11に挿通する。そして、ケース1の外部から環状の絶縁部材17を円筒部414に取付ける。その後、ケース1の外部からナット21を円筒部414に締結する。これにより、負極端子405がケース上壁9に固定されると共に、Oリング26、及び絶縁部材35が基底部415とケース上壁9との間に挟持される。Oリング26は、シール部分S4において基底部415とケース上壁9との間をシールしている。空間418は、ケース上壁9を平面視したときに基底部415とケース上壁9とが対向する範囲で、かつ、ナット21が占める範囲を表す。シール部分S4は空間418内に位置している。負極端子405とケース上壁9との間の空間のうち、シール部分S4よりも径方向外側には、空間420が形成されている。空間420には、空間420のケース外部側の端面からケース内部側の端面まで、フィルム22、24、Oリング26、及び絶縁部材35のいずれかが配置されている。別言すれば、ケース上壁9を平面視すると、空間420の全体に、フィルム22、24、Oリング26、及び絶縁部材35のいずれかが配置されている。負極端子405には軸方向(上下方向)に貫通孔414aが形成されている。貫通孔414aには、バスバーボルト47が取付けられる。バスバーボルト47の頭部と負極端子405の間にはバスバー49が配置されている。この構成によっても、実施例1の蓄電装置100と同様の作用効果を奏することができる。また、この構成によると、ナット21がケース上壁9に及ぼす締め付け力の方向と、基底部415とケース上壁9とをシールするための圧縮力の方向とが同一となり、シール部分S4において基底部415とケース上壁9との間を強固にシールできる。なお、その他の実施例及び変形例の構成は、上記の負極端子405に適用されてもよい。
以上、本明細書が開示する技術の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本明細書が開示する蓄電装置は、上記の実施例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、上記の実施例ではケース上壁9及びかしめ端子5の両者にフィルム又はシール部材が配置されたが、これに限られず、ケース上壁9又はかしめ端子5の一方にフィルム又はシール部材が配置される構成であってもよい。
また、フィルム又はシール部材がケース上壁9及びかしめ端子5の両者に配置される場合は、2つのフィルムの外径は異なっていてもよい。シール部材についても同様である。
また、フィルムを接着する代わりに、ケース上壁9及び/又はかしめ端子5を樹脂塗膜でコーティングしてもよい。
また、フィルムの外周部が溝内に配置される場合、フィルムと溝の側面は当接していなくてもよい。別言すれば、溝の幅が、フィルムの厚みよりも長くてもよい。
また、例えば実施例1では、絶縁部材35は、基底部15、変形板32及び破断板34を径方向に固定するための部材の一部として機能しているが、これに限られない。空間20に、空間20のケース外部側の端面からケース内部側の端面まで、フィルム22、24、Oリング26及び絶縁部材35のいずれかが配置されていれば、絶縁部材35は、上記基底部15、変形板32、及び破断板34を径方向に固定するための部材として機能していなくてもよい。即ち、絶縁部材35は、その径方向外側の端部が、かしめ端子5の基底部15の外周端に位置している形状であってもよい。
また、例えば実施例1では、ケース上壁9とかしめ端子5との間に配置される絶縁部材は1つ(即ち、絶縁部材35)であったが、両者の間には2つ以上の絶縁部材が配置されてもよい。この場合、これらの複数の絶縁部材の全てがケース上壁9とかしめ端子5の両方に当接している必要はない。例えば、フィルムやシール部材に隣接して配置されている絶縁部材(即ち、絶縁部材35)が、かしめ端子5にのみ当接している構成であってもよい。また、これらの複数の絶縁部材は、互いに当接していることが好ましい。
また、円筒部14は円筒形状に限られず、筒状形状であればよい。また、円柱部94は、円柱形状に限られず、柱状形状であればよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1:ケース、3:電極組立体、5:かしめ端子、7:かしめ端子、9:ケース上壁、11:開口、13:開口、14:円筒部、15:基底部、16:固定部、20:空間、21:ナット、22:フィルム、24、フィルム、26:Oリング、30:電流遮断装置、32:変形板、35:絶縁部材、36:溝、37:溝、100:蓄電装置、322:シール部材、324:シール部材

Claims (8)

  1. 正極電極及び負極電極を備えている電極組立体と、電解液と、を収容可能なケースと、
    前記ケースの端子壁に形成された開口を介して前記ケースの内外に通じている端子と、
    前記ケース内に収容されており、前記端子と前記正極電極、又は前記端子と前記負極電極に電気的に接続されていると共に、前記端子と前記正極電極、又は前記負極電極を導通状態から非導通状態に切換える導電性部材を有する電流遮断装置と、を備えており、
    前記端子は、前記開口に挿通された柱状部と、前記柱状部の一端に配置されており前記ケースの内部に位置する基底部と、を有しており、
    前記基底部は、前記端子壁を平面視した状態で前記開口より大きく、かつ、前記導電性部材と電気的に接続されており、
    前記端子と前記端子壁との間には、前記柱状部を一巡するシール部材が配置されており、
    前記シール部材と前記端子との間と、前記シール部材と前記端子壁との間の少なくとも一方には、前記柱状部を一巡する絶縁性の第1絶縁部材が配置されており、
    前記シール部材は、前記第1絶縁部材と共に、前記端子と前記端子壁との間をシールしており、
    前記端子と前記端子壁との間の空間のうち前記シール部材よりもケース内部側の第1空間には、前記柱状部を一巡する絶縁性の第2絶縁部材が配置されており、
    前記第1空間には、前記第1空間のケース外部側の端面からケース内部側の端面まで、前記シール部材、前記第1絶縁部材または前記第2絶縁部材のいずれかが配置されている、蓄電装置。
  2. 前記第1絶縁部材のケース内部側の端面は、前記第2絶縁部材のケース外部側の端面と当接している、請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 前記第2絶縁部材のケース外部側の端面には、前記端面と直交する方向に凹となる溝が周方向に亘って形成されており、
    前記第1絶縁部材のケース内部側の端面は、前記溝内に位置している、請求項1に記載の蓄電装置。
  4. 前記溝の幅は、前記第1絶縁部材が前記溝内に配置される前の前記第1絶縁部材の厚み以下である、請求項3に記載の蓄電装置。
  5. 前記第1絶縁部材のケース内部側の端面が前記シール部材のケース内部側の端部よりもケース内部側に位置しており、
    前記シール部材は、前記端子に配置された第1の第1絶縁部材と、前記端子壁に配置された第2の第1絶縁部材と、に第1シール部分において接触しており、
    前記第1の第1絶縁部材が前記端子と接触している面積及び前記第2の第1絶縁部材が前記端子壁と接触している面積は、前記シール部材の前記第1シール部分の面積よりも大きい、請求項1〜4の何れか一項に記載の蓄電装置。
  6. 前記第1の第1絶縁部材のケース内部側の端面及び前記第2の第1絶縁部材のケース内部側の端面が、前記シール部材のケース内部側の端部よりもケース内部側に位置しており、
    前記電流遮断装置は、前記ケースの内圧が所定値を超えると、前記端子と前記正極電極、又は前記端子と前記負極電極を導通状態から非導通状態に切換え、
    前記ケースの内圧が所定値に達しても、前記第1の第1絶縁部材と前記第2絶縁部材との相対的な位置関係及び前記第2の第1絶縁部材と前記第2絶縁部材との相対的な位置関係が保持される、請求項5に記載の蓄電装置。
  7. 前記第1の第1絶縁部材が前記端子に固定されており、前記第2の第1絶縁部材が前記端子壁に固定されており、前記第2絶縁部材が前記端子または前記端子壁に固定されている、請求項6に記載の蓄電装置。
  8. 前記第1絶縁部材のケース内部側の端面が前記シール部材のケース内部側の端部よりもケース内部側に位置しており、
    前記シール部材は、前記端子又は前記端子壁の一方に配置された前記第1絶縁部材と、前記端子又は前記端子壁の他方と、に第2シール部分において接触しており、
    前記第1絶縁部材が前記端子又は前記端子壁と接触している面積は、前記シール部材の前記第2シール部分の面積よりも大きい、請求項1〜4の何れか一項に記載の蓄電装置。
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