JP2015165899A - 脈波計、信号処理方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
たとえば、脈波を精度よく捉えることができれば、心臓動態に関する情報を取得することができる。脈波の間隔は心電図のRR間隔と同等に使用されることもあり、一部不整脈の判断に用いられる他、長期データが取得できれば、周波数解析することで自律神経指標を導き出し睡眠状態判定に利用されており、またRR間隔のゆらぎから心機能の分析にも用いられている場合もある。
特許文献1では、光電センサーで脈波計を取得することで、心電R−R間隔に相当する脈のピーク間隔を捕らえようとしている。また、ノイズとなる反射波や切痕を除去するノイズ除去処理を行っている。
しかし、上記の方法においては、たとえば検体が安静にしていない場合など、信号処理的に言い換えれば光電センサー出力信号の直流成分が安定していない場合には体動等ノイズ除去が不十分であって、高周波ノイズ、低周波ノイズ、直流成分の変化にも対応できる信号処理が必要となる。そのような信号処理法の例としては、脈波特有のスペクトルを取り出す適応フィルター(たとえば、特許文献2参照)、独立成分分析法の応用(たとえば、特許文献3参照)などさまざまなものが提案されている。
その点、特許文献1の信号処理は単純なものが実現可能であるが、ノイズに対する十分な処理ができないため、測定結果の信頼性が無くなる課題がある。したがって、お互いに補完するように複数の信号処理結果を保存する必要があるが、組み込み機器では保存するための記憶容量も限られる。
脈波計は、AD変換部2、データバッファー3、信号処理選択部4、信号処理部5、信号処理部6、データバッファー7、データバッファー8、保存データ生成部9、および保存用メモリー10を備える。
AD変換部2はA/D変換回路120を制御し、AD変換部2、信号処理選択部4、信号処理部5、信号処理部6、および保存データ生成部9は、ROM1317に記録されたプログラムの一部として保存されており、CPU1315で実行される。データバッファー3、データバッファー7、およびデータバッファー8は、RAM1316の特定領域に確保されCPU1315によって管理されている。メモリー1318は、例えば32メガバイト程度の大容量の不揮発性書き換え可能メモリーで、保存用メモリー10として使用される。
以下では、ボタンスイッチ16によって測定モードに切り替えられたのちの動作を説明する。
CPU1315では20ミリ秒ごとにAD変換部2を動作させる。AD変換部2はA/D変換回路120にAD変換の処理を行う命令をレジスタに書き込むとAD変換を開始し結果をレジスタに書き込む。A/D変換回路120とCPU1315は割り込み信号線でも結ばれており、CPU1315はA/D変換回路120の処理が終了したことをA/D変換回路120からの終了割り込み信号線によって検知する。CPU1315はA/D変換回路120の終了割り込みを検知するとAD変換部2によりAD変換器のレジスタより変換結果データを読み出し、RAM1316に設けられているデータバッファー3に保存する。一例として、A/D変換回路120に備えられているレジスタは、メモリーマップドIO方式でCPU11およびプログラムからはRAMアクセスと同様のアドレス方式でデータにアクセスできるものとする。
信号処理選択部4は、AD変換部2からの信号保存終了の通知を受けると信号保存中フラグをクリアする。信号保存中フラグはRAM1316の領域に変数として保持される。同様に、信号処理部5または信号処理部6の信号処理がともに終了した場合、信号処理部5および信号処理部6から信号処理終了通知を一つまたは二つ必要なだけ受け取ることで信号処理中フラグをクリアする。信号処理中フラグもRAM1316の領域に変数として保持される。
信号処理選択部4は、3軸加速度計160を制御し、20ミリ秒ごとに加速度データを取得する。ある時刻tミリ秒のX軸の加速度、Y軸の加速度、Z軸の加速度をXg(t)、Yg(t)、Zg(t)とすると、信号処理選択部4は、加速度指標G(t)として都度次式(1)を計算する。
G(t)=f(Ax×Xg(t)×Xg(t)+Ay×Yg(t)×Yg(t)+Az×Zg(t)×Zg(t))・・・(1)
ここで関数f(x)はxの平方根とする。重みづけ係数Ax、Ay、Azは取り付け方向に応じて、軸の優先度を変えるための値であるが、仮にAx=Ay=Az=1としてよい。また、これと同時に時刻tを含む最新の50個のG(t−980)、G(t−960)、・・・G(t)の平均値GAveSecを計算する。また時刻tを含む最新の3000個のG(t−59980)、G(t−59960)、・・・、G(t)の平均値GAveMinを計算する。同時に、信号処理選択部4は、一秒間のG()の平均値GAveSecが1以上のとき、第二処理部動作要求フラグFL1をセットする。逆にGAveSecが1未満の時第二処理部動作要求フラグFL1をクリアする。同時に、信号処理選択部4は、一分間のG()の平均値GAveMinが0.001を下回るとき第二処理部動作要求フラグFL2をセットする。逆にGAveMinが0.001以上とき第二処理部動作要求フラグFL2をクリアする。この第二処理部動作要求フラグFL1と第二処理部動作要求フラグFL2はRAM1316の領域に確保される変数である。
(C1)第二処理部動作要求フラグFL1がセットされている場合、
(C2)第二処理部動作要求フラグFL2がセットされている場合、
の条件による組み合わせに対して動作を記述する。
(A1)C1成立かつC2非成立の場合、信号処理部6に対して信号処理開始を指示する。
(A2)C1成立かつC2成立の場合、なおかつ信号処理選択部4はRAM1316に確保されている変数であるFL2Countが30以下ならば、FL2Countに1を足し、信号処理部6に対して信号処理開始を指示する。
(A3)C1非成立かつC2非成立の場合、FL2Countを0にする。信号処理部6に対して信号処理開始を指示しない。
(A4)C1非成立かつC2成立の場合、FL2Countが30以下ならば、FL2Countに1を足し、信号処理部6に対して信号処理開始を指示する。
第二処理部動作要求フラグFL3がセットされている場合、信号処理部6に対して信号処理開始を指示する。第二処理部動作要求フラグFL3がクリアされている場合、信号処理部6に対して信号処理開始を指示しない。
第二処理部動作要求フラグFL4がセットされている場合、信号処理部6に対して信号処理開始を指示する。第二処理部動作要求フラグFL4がクリアされている場合、信号処理部6に対して信号処理開始を指示しない。
Tzero=t+(0+20×(M−1))/2・・・(2)
同時に、全サンプルを二階微分処理を行い二階微分データ列を作成し、極点時間列の各時刻において、二階微分値が負の値の場合のみ抽出する。抽出後の時刻列をピーク時刻列をする。次に、ピーク時刻列の時刻間隔を求め、RR間隔列を作成する。このとき、最後のピーク時刻を「前回の最終ピーク時刻」としてRAM1316上に記録しておく。「前回の最終ピーク時刻」が保存されている場合、最初のピーク時刻から最初のRR間隔を計算し、RR間隔列の先頭にデータを追加する。このRR間隔列はデータバッファー7に記録するものである。
たとえば、図4にプロットできるようなサンプルデータ列があった場合、図5のような極点時刻列を生成する。次に図6に示されるようなピークを抽出したピーク時刻列を生成する。図6の最後のピーク時刻(6−Xの位置のデータ。Xは場合によって先頭からの位置は変化する。)は、次のサイクルにおいて先頭のピーク時刻として6−Aの位置で用いられる。図7は、図6のピーク時刻列から求めたRR間隔列である。
データ伝送処理において、PC400のCPU4011はデータ伝送を指示する操作が行われると、コマンドCMを脈波計1に伝送する(S1011)。脈波計1のCPU1315は、保存用メモリー10のファイル7−Fもしくはファイル8−Fをメモリー1318から読み出し無線区間を介してPC400に伝送する(S1012)。この伝送は、XMODEMなどのバイナリー転送プロトコルに従って行うがこれに限らない。PC400のCPU4011は脈波計1から伝送されてくる生体情報ファイル7−Fもしくはファイル8−Fをハードディスク4005に保存する(S1013)。
また、Bluetoothを含めた通信手段で説明したが、脈波計1のメモリー1318は、取り外し可能なメディア例えばSDカードであってもよい。この場合、PC400にSDカードメディア読み込み装置を備えれば、ファイル7−F、ファイル8−Fをメディア読み込み装置から直接読み込むことができる。
Claims (6)
- 人体からの放出光量を検出し電気信号を出力する光電センサー部と、
前記光電センサー部の出力信号を信号処理する第一の信号処理部と、
前記センサー部の出力信号を信号処理するものであって、第一の信号処理部と処理方式が異なる第二の信号処理部と、
前記第一の信号処理部に加え前記第二の信号処理部も同時に動作させるか否かを判断する信号処理選択部と、
前記第一の信号処理部と前記第二の信号処理部との信号処理結果のうち前記信号処理選択部で選択されたものを保存する信号処理結果保存部と、
を有することを特徴とする脈波計。 - 前記信号処理選択部は、人体の動き量を検出し信号を出力する動きセンサー部と、
前記動きセンサー部の出力信号を信号処理する動き信号処理部とを有し
前記動き信号処理部の出力値に応じて前記第一の信号処理部に加え前記第二の信号処理部も同時に動作させるか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の脈波計。 - 前記信号処理選択部は、前記光電センサーの人体からのずれ量を検出し信号を出力するずれセンサー部と、
前記ずれセンサー部の出力信号を信号処理するずれ信号処理部とを有し、
前記ずれ信号処理部の出力値に応じて、前記第一の信号処理部に加え前記第二の信号処理部も同時に動作させるか否かを判断することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の脈波計。 - 前記信号処理選択部は、前記第一の信号処理部と第二の信号処理部との少なくとも一方の信号処理結果を解析する解析部と、
前記解析部の出力値に応じて、前記第一の信号処理部に加え前記第二の信号処理部も同時に動作させるか否かを判断することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の脈波計。 - 前記第一の信号処理部は、前記光電センサー部の出力信号から特徴点を抽出し、
前記特徴点を前記第一の信号処理部の信号処理結果とし、
前記第二の信号処理部は、前記光電センサー部の出力信号をデジタル信号に変換し信号振幅値系列として信号処理結果とすることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の脈波計。 - コンピューターを、
人体からの放出光量を検出し電気信号を出力する光電センサー部からの出力信号を第一の信号処理部と、
第一の信号処理部と処理方式が異なる第二の信号処理部と、
前記第一の信号処理部に加え前記第二の信号処理部も同時に動作させるか否かを判断する信号処理選択部と、
前記第一の信号処理部と前記第二の信号処理部との信号処理結果のうち前記信号処理選択部で選択されたものを保存する信号処理結果保存部、
として機能させるためのプログラム。
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