JP2015165260A - 波長変換レーザ装置 - Google Patents

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Masami Hatori
正美 羽鳥
廣橋 淳二
Junji Hirohashi
淳二 廣橋
牧尾 諭
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諭 牧尾
康弘 冨張
Yasuhiro Tomihari
康弘 冨張
浩一 今井
Koichi Imai
浩一 今井
正幸 星
Masayuki Hoshi
正幸 星
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Abstract

【課題】二回連続で波長変換する波長変換レーザ装置において、第一の波長変換素子と第二の波長変換素子を同じ温度で制御し小型で高変換効率の波長変換レーザ装置を提供する。
【解決手段】第一の波長変換素子を単一周期のQPM素子402、第二の波長変換素子をファンアウト構造のQPM素子403とし、温調温度をQPM素子402が最大の変換効率に到達後に入射基本波ビーム401の位置をX1からファンアウト構造のQPM素子403の変換効率が最大となる位置X2に調整することで、QPM素子402とQPM素子403が同一の温度でもどちらの変換効率が最大となることから、同一温度で制御しても高い変換効率の波長変換レーザ装置となる。
【選択図】図5a

Description

本発明は、波長変換素子を用いて入射レーザ光の波長を変換する波長変換レーザ装置において、入射レーザ光が連続して2つ以上の波長変換素子を通過して波長を変換する波長変換レーザ装置に関するものである。
従来より、波長変換レーザ装置において、非線形光学結晶を利用して光波長を変換する波長変換素子が用いられている。代表的な例では、非線形光学結晶としては強誘電体のLiNbO3があり、この結晶に周期分極させたQPM(Quasi Phase Matching、疑似位相整合)構造を形成した波長変換素子に、波長λの基本波を通すことで波長がλ/2の第二高調波を発生させることができる。この第二高調波発生をSHG(Second Harmonic Generation)と呼ぶ。さらに、先の波長変換素子で得られた変換光と元の基本波との波長変換により和周波SFG(Sum Frequency Generation)が発生でき、λ/3の波長の変換光を発生させることができる。
例えば、特許文献1には、第一の非線形結晶である擬似位相整合デバイス(以下QPMデバイスともいう)を配置して、1064nm波長のファイバーレーザからの光でQPMデバイスに集光しSHGを発生させて、次に第二の非線形結晶を配置して第一の非線形結晶からの二つの出力光(1064nm、532nm)を入力し、1064nm波長の光と532nm波長の光の和周波により355nmの波長の光を発生させることが記載されている。
波長変換素子であるQPM素子は高い波長変換効率という特徴があるものの、温度に敏感であるため、SHG、SFGに使う時には精密な温調が必要である。例えば、MgOをドープしたストイキオメトリックLiTaO(MgSLT)では素子長30mm長での波長を1064nmから532nmへ変換するQPMデバイスの場合、位相整合温度から0.35℃変化すると変換光の出力が10%も低下する(図1)。尚、変換効率が最大になる時の温度を位相整合温度という。
そのため、下記特許文献2では、反転ドメイン構造のQPMデバイスをペルチェ素子にて高精度に温度コントロールすることが提案されている。
下記特許文献3ではSHG素子としてはKTP結晶を、THG(Third Harmonic Generation)としてはGdYCOB結晶を備え、両方をペルチェ素子で同時温調することが記載されており、この場合は、温度許容幅が広い結晶の組合わせとなることから温度制御と光軸調整で高い変換効率を得ることが出来るという記載がある。しかし、これは逆に温度許容範囲が狭いと二つの非線形結晶を同時に温調することは困難であることを意味している。
QPM素子には、単一周期の周期構造以外に、下記特許文献4に記載されているようなファンアウト構造をとったものがある。この構造は帯形の反転領域と非反転領域とを扇状を呈する縞状となるよう交互に配置したものであり、波長に対して周期が微調できるという特長がある。
また、下記特許文献5にはチャープ構造のQPMの記載がある。これは、伝播方向に向かって周期が除々に変化しているので、基本波の波長に対して許容範囲が広いという特長がある。
特開2013-148796号公報 特開2007-281499号公報 特開2007-128017号公報 特開2004-21011号公報 特開2008-83620号公報
先に述べたようにQPM構造素子における波長変換の効率を高めるには、位相整合温度に素子温度を制御することが重要となる。単一のQPM素子であれば、単一の精密な温調器で温調することで可能であるが、二回連続で波長変換するレーザの場合、第一の波長変換素子と第二の波長変換素子は以下の理由で温調温度を厳密に一致させることが出来ないため、温調器が2つ必要となり、光学系も大きくなり、大型で高コストとなるという問題がある。
QPM素子は、周期反転のピッチにより変換波長が決定されるが、反転作製のマスクの精度、リソグラフィーウエハーのバラツキのため、デバイス毎に狙った位相整合温度と数℃のずれが出てしまい、そのため、設定温度を調整して最適な温度を探すことで最大の変換効率を得る。マスクは電子ビーム描画装置で作製するが、電子ビーム描画装置の最小ビット分解能ではSHG素子とTHG素子の反転周期マスクパターンが温度を調整しても完全に一致させることが出来ない(図2)。そのため、同一温度で温調するとSHGとTHGのどちらかの変換効率が低くなってしまう。
また、高出力を出すために、波長1064nmの基本波の入力パワーを上げると、デバイスが基本波および変換波のレーザの熱を僅かに吸収することでデバイスが発熱するため、温度を下げる必要が生じ、第一と第二の波長変換素子が各々異なる温度設定とならざるを得ない。このようにマスク精度不足、プロセスバラツキで設計通りのものが出来ないという問題と、動作条件により設計とは異なる温度に設定する必要が生じるという問題がある。
以上の理由から、第一と第二の二つの波長変換素子を同一の温度で、一つの温調器で同時温調し、光学系をコンパクトにしようとしてもデバイス作製のバラツキとデバイスのレーザ吸収による発熱の問題により、両方の波長変換効率が最大となる同一の温度が見出せないため、性能が不十分なレーザとなってしまうという問題がある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、2回連続で波長変換する波長変換レーザ装置において、第一の波長変換素子と第二の波長変換素子を同じ温度で制御し小型で高変換効率の波長変換レーザ装置を得ることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では入射された基本波の波長とは異なる第1の波長の光に変換する第一の波長変換素子と、前記第一の波長変換素子により変換された光および前記第一の波長変換素子を通過した前記基本波が入射されてこれらの一部を前記第1の波長とは異なる第2の波長の光に変換する第二の波長変換素子とを備え、
前記第一の波長変換素子と前記第二の波長変換素子の少なくともいずれか一方が、ファンアウト構造の疑似位相整合素子か、チャープ構造の疑似位相整合素子であり、前記第一の波長変換素子と前記第二の波長変換素子が同じ温度に制御されていることを特徴とする波長変換レーザ装置である。
前記第一の波長変換素子と前記第二の波長変換素子のいずれかが、単一周期構造の疑似位相整合素子であることを特徴とする第一の波長変換素子と前記第二の波長変換素子のいずれかが、単一周期構造の疑似位相整合素子であっても構わない。
本発明の波長変換レーザ装置においては、前記第一の波長変換素子と前記第二の波長変換素子が同一基板からなるように構成してもよい。
本発明の波長変換レーザ装置においては、前記第一の波長変換素子の波長変換結晶の出力面と前記第二の波長変換素子の波長変換結晶の入力面が接しているように構成してもよい。
本発明の波長変換レーザ装置においては、前記第一の波長変換素子と前記第二の波長変換素子のいずれか一方のみが、KTP,KN,BBO,LBGO,LBO,CLBOから選択されている結晶からなるように構成してもよい。
本発明の波長変換レーザ装置においては、前記第一の波長変換素子と前記第二の波長変換素子のいずれかが、単一周期構造の疑似位相整合素子であるように構成してもよい。その場合は、この単一周期構造の疑似位相整合素子が、LT、LN、MgLN、MgLT、SLT、SLN、MgSLN、MgSLT、KTP、LBGO、BBO、LB4から選択されている結晶を基板として周期反転ドメイン構造が形成されていてもよい。
本発明の波長変換レーザ装置においては、前記ファンアウト構造の疑似位相整合素子および前記チャープ構造の疑似位相整合素子は、LT、LN、MgLN、MgLT、SLT、SLN、MgSLN、MgSLT、KTP、LBGO、BBO、LB4から選択されている結晶を基板として周期反転ドメイン構造が形成されていてもよい。
本発明の波長変換レーザ装置においては、前記第一の波長変換素子と前記第二の波長変換素子が同一ホルダーに固定され温調されているように構成してもよい。
二回連続で波長変換する波長変換レーザの場合、従来は二つの波長変換素子の位相整合温度が異なるため、別々の温度に設定する温調器が必要であり、波長変換素子同士を光学的に結合させるレンズ系も必要であったため、大型で高価になるという問題があった。
本発明では少なくともどちらか一方をファンアウト構造かチャープ構造のQPM素子とすることで、たとえ温度に敏感でプロセスバラツキあるQPM素子を使っても、二つの波長変換素子を同一の温度で最適な位相整合温度にすることができることから高波長変換効率を得ることができ、なおかつ同一の温度で温調が可能となることから二つの波長変換素子を一つの温調器で温調可能となり、両者を結合する光学系も不要となることから、高変換効率、即ち、高出力で安価で小型の波長変換レーザ装置が提供可能となる。
QPM素子の温度特性を現す図である。 SHGとTHG温度特性と周期反転マスクとの関係を表す図である。 本発明の第一実施例の波長変換レーザ装置の側面を表す図である。 本発明の第一実施例の波長変換レーザ装置のA面を表す図である。 本発明の第一実施例の波長変換レーザ装置の上面を表す図である。 本発明の第一実施例の波長変換レーザ装置の側面図を表す図である。 本発明の第一実施例の波長変換レーザ装置の光学調整を説明する図である。 本発明の第1実施形態に係る波長変換レーザ装置のQPM素子のファンアウトQPM素子を表す。 本発明の第1実施形態に係る波長変換レーザ装置の変換効率を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る波長変換レーザ装置の波長変換部分の概略構成図である。 本発明の第2実施形態のQPM変換効率を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係るQPM素子のチャープ構造を概略的に示す図である。 本発明の第2実施形態に係るチャープ構造のQPM素子の反転ピッチと温度の関係を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る波長変換レーザ装置の光学調整を説明するための図である。 本発明の第3実施形態に係る波長変換レーザ装置の変換効率を説明する図である。 本発明の第4実施形態に係る波長変換レーザ装置の波長変換部分の概略構成図である。 本発明の第4実施形態に係る波長変換レーザ装置の変換効率を説明する図である。 本発明の第4実施形態に係るQPM素子のチャープ構造を概略的に示す図である。 本発明の第4実施形態に係るチャープ構造のQPM素子の反転ピッチと温度の関係を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る波長変換レーザ装置の一構成例の波長変換部分の概略構成図である。 本発明の第5実施形態に係る波長変換レーザ装置の別の構成例の波長変換部分の概略構成図である。 本発明の第6実施形態に係る波長変換レーザ装置の一構成例の波長変換部分の概略構成図である。 本発明の第6実施形態に係る波長変換レーザ装置の別の構成例の波長変換部分の概略構成図である。 本発明の第7実施形態に係る波長変換レーザ装置の波長変換部分の概略構成図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
《第1実施形態》
図4は本発明の第1実施形態に係る波長変換レーザ装置の概略的な側面図である。出力25W、波長1064nmのファイバーレーザ410から出射したレーザは、偏波保持シングルモードファイバー411に結合し出射される。偏波保持シングルモードファイバー411からの出射光である基本波401は、一旦コリメートレンズ412で平行ビームとなり、その後集光レンズ413で集光される。基本波401は、第一の波長変換素子402と第二の変換素子403の間に集光される。第一の波長変換素子402と第二の波長変換素子403は同一の下ホルダー405上に配置される。下ホルダー405は、段差がなく、光学調整することもなく、第一の波長変換素子402と第二の変換素子403の中心の高さを揃えることが可能である。下ホルダー405の直下には、温度を調整可能なペルチェ素子407が熱伝導性の高い接着剤により貼り合わされている。ペルチェ素子407の直下には放熱と設置のためのベースプレート408があり、同じく熱伝導性が高い接着剤で固定されている。
第一の波長変換素子402と第二の波長変換素子403の上部には上ホルダー403があり、各々の素子が一定温度になるようにされている。上ホルダー403、下ホルダー404は銅材料が使われ熱伝導が良い構造となっている。波長変換されなかった基本波401と第一の変換素子で変換された410、第二の波長変換素子で変換された変換光411は、レンズを通して出射される。波長変換の動作については、後で詳しく述べる。
図3aは、図4の一部の拡大図である。基本波401は、第一の波長変換素子402と第二の波長変換素子403の上下中心付近を通り、A面側に出射される。第一の波長変換素子402と第二の波長変換素子403は、上ホルダー404で覆われていており、この場合、点線で記載されており実際は隠れている。図3bは、A面側から見た図である。第二の波長変換素子403が上ホルダー404、下ホルダー405で覆われている。
図3cは、図4の一部を上面から見た図で上ホルダー404を取り除いた図である。この例では第一の波長変換素子402には単一周期構造のQPM素子が、第二の波長変換素子403にはファンアウト構造のQPM素子が使われている。第一の波長変換素子に基本波401が入射し、波長532nmの第一の変換波310に一部が波長変換される。次に第一の変換波310と変換されずに通過した基本波401の一部は第二の波長変換素子403に入射し、一部が波長355nmの第二の変換波411に変換される。その後、第二の波長変換素子403を通過した後の基本波401は第一の波長分離フィルター407で反射される。第一の波長分離フィルター407を通過した第一の変換波40と第二の変換波311は第二の波長分離フィルター408に入射し、第一の変換波410は反射され第二の変換波411は通過する。これにより基本波401と第一の変換波410と第二の変換波411に分離される。
本実施形態では、基本波401と第一の変換波410と第二の変換波411は空間分離し各々を独立のレーザビームとしたが、用途によっては、分離しないで同一光路にて使用しても構わない。
次に図5aを参照しながら説明する。図5aでは、説明のために本実施形態の第一の波長変換素子402と第二の波長変換素子403を取り出して示す。以降の説明では、波長変換素子の部分を中心に説明し、それ以外の部分については省略する。
前述したように、本実施形態では第一の波長変換素子402に単一周期構造のQPM素子を用い、第二の変換素子403にファンアウト構造のQPM素子を用いている。最初に第一の波長変換素子402に基本波401をX1の位置に入射する。次に温調温度を変化させて波長532nmの第一の変換波410の出力が最大となるように温度を調整する。図6はその特性例である。第一の変換波410の出力が最大となる温度、すなわち、位相整合温度をT1とする。この時、第二の変換波411はT1が位相整合温度にはなく、その出力は最大値より小さい値となっている。第二の変換波411の位相整合温度はT1とは異なるT2である。
次に、この状態から基本波401の入射ビームの位置を図5aに示すX1からX2の位置に移動させる。移動は、基本波401の位置を動かしても第一の波長変換素子402と第二の波長変換素子403を移動させても構わない。移動手段としては例えばXYステージを用いることができる。図6に移動後の第二の変換波411の出力が最大となることが判る。この基本波に略垂直で周期反転構造が並んでいる移動方位においては、第一の波長変換素子402は効率の変化なく一定の光出力が得られ、効率への影響はない構造である。一方、第二のQPM素子403は、図5bにあるような周期反転ピッチがΛ1〜Λ3まで変化しており、この方向への移動により変換効率を変化させることができる。
以上より、最初に、単一周期構造の第一の波長変換素子402を最大の変換効率となるように温度を調整し、次にファンアウト構造の第二の波長変換素子403を周期反転ピッチが変化する方向に基本波401に対して相対的に移動させることにより、第一の波長変換素子402の変換効率を低下させることなく、第二の波長変換素子403の変換効率を最大にすることができる。その結果、第一の波長変換素子402と第二の波長変換素子403を同一の温度に設定しても、どちらの素子も最大の変換効率を得ることが可能となる。
なお、以下に述べる本発明の第2〜第7実施形態に係る波長変換レーザ装置は、上述した第1実施形態に係る波長変換レーザ装置とは波長変換部分(波長変換素子)が異なり、他の構成は略同一であるため、以下では主にこの点に着目して説明し、他の構成については重複説明を省略する。
《第2実施形態》
次に、本発明の第2実施形態に係る波長変換レーザ装置について説明する。図7は、第2実施形態の波長変換部分のみの図である。本実施形態では、第一の波長変換素子702に単一周期構造のQPM素子を用い、第二の波長変換素子703にはチャープ構造のQPM素子を用いている。第二の波長変換素子703は、図9aに概略的に示すように光の伝播方向に向かって周期がΛ3からΛ1まで変化している構造を有している。図8は、温度を変えたときの出力特性である。第一の波長変換素子702は、単一周期構造であるため温度に対して出力が増減する一方、チャープ構造の第二の波長変換素子703は、温度T1からT3の範囲ではほぼ一定の出力である。第二の波長変換素子703を図9bに示すように温度T1からT3までは位相整合するような周期となるように予め設計しておくことで、変換効率が変化せずにほぼ一定値をとることが可能となる。
以上より、本実施形態においても第一の波長変換素子702と第二の波長変換素子703を同一の温度で温調しても、どちらの素子も変換効率が最大の値に調整することができる。
《第3実施形態》
図10は、第3実施形態の波長変換部分のみの図である。第3実施形態では、第一の波長変換素子A02にファンアウト構造のQPM素子を、第二の波長変換素子A03に単一周期構造のQPM素子を用いている。この場合は、最初に適当な位置X1で第二の波長変換素子A03の変換出力が最大となる温度T2に調整する(図11)。第一の波長変換素子A02の最適温度T1と第二の波長変換素子の最適温度T2は異なるので、このままでは両素子が最大の出力となる状態とはならない。
次に、入射ビームの位置を第一の波長変換素子A02の出力が最大となる位置X2に移動させる(図11)。この時、第二の波長変換素子A03は、単一周期構造のQPM素子なので移動により出力が変動することはない。
以上より、第一の波長変換素子A02と第二の波長変換素子A03を同じ設定温度のT1の状態にしたままでも、どちらの素子の変換効率も最大となるようにすることができる。
《第4実施形態》
図12は、第4実施形態の波長変換部分のみの図である。第4実施形態では、第一の波長変換素子C02にはチャープ構造のQPM素子を、第二の波長変換素子C03には単一構造のQPM素子を用いている。最初に設定温度をT1からT3まで変化させて、第二の波長変換素子C03の出力が最大となる温度T2に調整し固定する。一方、第一の波長変換素子C02は、チャープ構造であり温度T1〜T3の間は、図14a、14bに示すようにこの温度範囲内で位相整合温度が存在するように設計してあるため、第一の波長変換素子C02の変換効率が変化することはない。
以上より、第一の波長変換素子C02と第二の波長変換素子C03を同一の温度で温調し、どちらの素子も変換効率も最大となるようにすることが出来る。
《第5実施形態》
図15は、第5実施形態に係る波長変換部分の一つの構成例である。この例では、第一の波長変換素子E02を単一周期構造のQPM素子とし、第二の波長変換素子E03をファンアウト構造のQPM素子とし、これら2種の素子を各々の単一周期構造とファンアウト構造の設計を同一の基板で形成することによるモノリシックQPM素子E04で波長変換部分が構成される。
図16は、第5実施形態に係る波長変換部分別の構成例である。この例では、第一の波長変換素子F02を単一周期構造のQPM素子とし、第二の波長変換素子F03をチャープ構造のQPM素子とし、これら2種の素子を各々の単一周期構造とチャープ構造の設計を同一の基板で形成することによるモノリシックQPM素子F04で波長変換部分が構成される。
モノリシック構造は、入出力端面の研磨と反射防止膜が個々のQPM素子のプロセスに較べて一回で済むので、安価に作製が可能となる。また、個々のQPM素子間の調整も不要となるので、光学調整工数も少なくて済む。更に、特殊な使い方では、波長変換の中でも、フェムト秒の波長変換の場合には、モノリシック構造は二つのQPM素子が空気中を光が伝播することが無く、かつ接近して設計も可能なので、群速度分散が少なくて、高性能が期待できるというメリットがある。群速度分散があるとパルス幅の広がりによる劣化で使えなくなる恐れがあるが、本モノリシック構造ではそのような問題がない設計も可能となる。なお、モノリシック構造は、第5実施形態のものに限定されず、別の素子の組み合わせにも適用可能である。
《第6実施形態》
図17は、第6実施形態に係る波長変換部分の一つの構成例を示す。この例では、第一の波長変換素子G02を単一周期構造のQPM素子とし、第二の波長変換素子G03をファンアウト構造のQPM素子とした時に、単一周期構造のQPM素子を下記に示す非線形結晶の内、いずれかからなる波長変換素子G04に変更したものであり、変更してもその機能を損なわずに発揮することが可能となる。
一例として、単一のQPM素子をKTP(KTiOPO4) 、KN(KNbO3)、BBO(β-BaB2O4 ),LBGO(LaBGeO5),LBO( LiB3O5 ),CLBO( CsLiB6O10 )の非線形結晶のいずれかに置き換えることが可能である。
図18は、第6実施形態に係る波長変換部分の別の構成例を示す。この例では、第一の波長変換素子H02を単一周期構造のQPM素子とし、第二の波長変換素子H03をチャープ構造のQPM素子とした時に、単一のQPM素子を上記に示した非線形結晶の内、いずれかからなる波長変換素子H04に変更したものであり、変更してもその機能を損なわずに発揮することが可能となる。
《第7実施形態》
図19は、第7実施形態を説明するための図である。第7実施形態では、第一の波長変換素子I02を単一周期構造のQPM素子とし、第二の波長変換素子I03をファンアウト構造のQPM素子とし、第一の波長変換素子I02の出射端面と第二の波長変換素子I03の入射端面が接しているように各素子を配置する。このようにすると、モノリシック構造と同等の特長がある一方、仮に一方の素子が破壊した時に片方だけを交換可能となり、再利用の観点での優位な点を持つことになる。また、十分に高性能なレーザを得たい時に、QPM素子の製造プロセスバラツキ等で個々に作製された素子の最高性能のもの同士を組み合わせることが出来るので、本実施形態が有効となる。なお、このような第一の波長変換素子の出射端面と第二の波長変換素子の入射端面が接する構成は、第7実施形態のものに限定されず、別の素子の組み合わせにも適用可能である。
401、501、601、701、A01、C01 基本波
402、502、602、702、A02、C02、E02、F02、G02、H02、I02 第一の波長変換素子
403、503、603、703、A03、C03 E03、F03、G03、
H03、I03第二の波長変換素子
410 ファイバーレーザ
407 ペルチェ素子
404 上ホルダー
405 下ホルダー
408 ベース板
E04、F04 モノリシックQPM素子
G02、H02 非線形結晶
407、408 波長分離フィルター


Claims (8)

  1. 入射光の波長とは異なる第1の波長の光に変換する第一の波長変換素子と、前記第一の波長変換素子により変換された光および前記第一の波長変換素子により変換されなかった前記基本波が入射されて前記第1の波長とは異なる第2の波長の光に変換する第二の波長変換素子とを備え、
    前記第一の波長変換素子と前記第二の波長変換素子の少なくともいずれか一方が、ファンアウト構造の疑似位相整合素子か、チャープ構造の疑似位相整合素子であり、前記第一の波長変換素子と前記第二の波長変換素子が同じ温度に制御されていることを特徴とする波長変換レーザ装置。
  2. 前記第一の波長変換素子と前記第二の波長変換素子が同一基板からなることを特徴とする請求項1記載の波長変換レーザ装置。
  3. 前記第一の波長変換素子の波長変換結晶の出力面と前記第二の波長変換素子の波長変換結晶の入力面が接していることを特徴とする請求項1または2記載の波長変換レーザ装置。
  4. 前記第一の波長変換素子と前記第二の波長変換素子のいずれか一方のみが、KTP,KN,BBO,LBGO,LBO,CLBOから選択されている結晶からなることを特徴とする請求項1あるいは3のいずれか1項記載の波長変換レーザ装置。
  5. 前記第一の波長変換素子と前記第二の波長変換素子のいずれかが、単一周期構造の疑似位相整合素子であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の波長変換レーザ装置。
  6. 前記ファンアウト構造の疑似位相整合素子および前記チャープ構造の疑似位相整合素子は、LT、LN、MgLN、MgLT、SLT、SLN、MgSLN、MgSLT、KTP、LBGO、BBO、LB4から選択されている結晶を基板として周期反転ドメイン構造が形成されていること特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の波長変換レーザ装置。
  7. 前記単一周期構造の疑似位相整合素子が、LT、LN、MgLN、MgLT、SLT、SLN、MgSLN、MgSLT、KTP、LBGO、BBO、LB4から選択されている結晶を基板として周期反転ドメイン構造が形成されていることを特徴とする請求項5記載の波長変換レーザ装置。
  8. 前記第一の波長変換素子と前記第二の波長変換素子が同一ホルダーに固定され温調されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の波長変換レーザ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017146386A (ja) * 2016-02-16 2017-08-24 株式会社島津製作所 波長変換光学装置及びレーザ装置
JP2017215538A (ja) * 2016-06-01 2017-12-07 国立研究開発法人物質・材料研究機構 レーザおよびそれを用いたレーザ超音波探傷装置
JP2018503879A (ja) * 2015-02-17 2018-02-08 ノバルティス アーゲー フェムト秒紫外線レーザー

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