JP3076802U - 準位相整合非線形光学的単結晶及びこれを用いた固体レーザー発生装置 - Google Patents

準位相整合非線形光学的単結晶及びこれを用いた固体レーザー発生装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】連続的な非線形周波数転換及び大幅な波長調整
が可能な「準位相整合非線形光学的単結晶及びその固体
レーザー発生装置を提供すること。 【解決手段】単結晶の結晶本体が、第1の方向に沿って
第1の光学格子周期を有する準位相整合単一光学格子区
2011と、複数個の内光学格子が第2の方向に沿って
平行に配列組成されている準位相整合多重光学格子区2
012と、を備え、前記第1の方向は前記第2の方向に
垂直し、各内光学格子はいずれも該第1の方向に沿って
特殊の光学格子周期を有し、前記結晶本体の第1の光学
格子区は該単一光学格子区2011又は多重光学格子区
2012である、ことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は非線形光学的単結晶のグレティング設計に関し、特に、準位相整合( Quasi−Phase Matching)非線形光学的単結晶のグレティン グ設計及び該結晶を利用して周波数変換(frequency convers ion)を生ずる固体レーザー発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術および考案が解決しようとする課題】
従来からレーザー光は主として量子エネルギージャンプにより波長の固定又は 周波数の電磁放射を引起こさせている。しかしながら、これら応用の大部分は加 減波長のレーザー光源を必要としている。例えば、環境微量ガスの検出において 、不同ガスに不同の吸収波長があるので、加減波長のレーザーにスペクトル検出 発生装置を付加すると多種の微量ガス分析を達成することができる。また例えば 、平面表示器においては、各画素毎に固定的に赤色、緑色、青色の三色波長のレ ーザー光源を発射することができる。一部のレーザー光源、例えば染料レーザー 、自由電子レーザー、非線形結晶レーザー等の波長はいずれもある一定程度その 発射レーザーの波長を変調できるが、その変調幅はまだ十分でなく、高価で効率 が低く、操作が不便である。
【0003】 最近では非線形光学の発展につれて、加減波長レーザーも大幅に進歩している 。非線形光学的効果は2入射レーザー信号(場合により、該2入射信号は同一の レーザー信号により得られる)が同軸的に非線形光学的結晶を通過して交互作用 を発生させることにより、予期中の特殊波長のレーザー光を発射する。そして二 次非線形光学的効果はセカンド・ハーモニック・ジェネレーション(SHB)、差 周波数(Difference Frequency Generation: DFG)、光パラメトリック発生・増幅・振動(Optical Paramet ric Generation.Amplification.Oscilla tion:OPG.OPA.OPO)を含む。二次非線形転換の過程において、 発射したレーザー信号と他の2入射レーザー信号とが結晶の中で位相整合(ph ase−matching)に達すると、発射されたレーザーの強度は結晶への 通過の長さにより増強される。他方、この3信号の位相が整合しないと、発射さ れたレーザーの強度は持続的に増強できない。この非線形光学的結晶において、 発射されるレーザー信号の強度を増強する距離をコヒーレンス・レングスと称す る。したがって、位相が整合していない状況下では、発射レーザーの強度は僅に 単一のコヒーレンス・レングスを通して累積したのみのものであり、結果該コヒ ーレンス・レングスは僅にマイクロメータ(μm)の大きさしかない。この3信号 を位相整合の状況に達成させるには、結晶の非線形光学的特性を巧妙に設計して 、発生するレーザー強度を非線形結晶中で持続増長させなければならない。また 、温度も結晶の屈折率を改変できることから、これにより位相整合の条件が改変 される。したがって、レーザー波長の発射を調整する方法の一つとして、非線形 結晶温度を変えることが考えられる。
【0004】 準位相整合非線形レーザーは、最近、加速波長レーザーの効率を改良するため に発展したものである。フェージャーらが発表した”クウェイジ−フェイズ−マ ッチド セカンド ハーモニック ジェネレーション:チューニング アンド タレランス”IEEE ジャーナル オブ クォンタム エレクトロニクス,V ol.28,1992年 p.p2631〜2654,及びアメリカ特許第5, 036,220号、第5,800,767号、第5,714,198号、第5, 838,702号を参照されたし。先行技術では位相整合の目的を達成するため に、コヒーレンス・レングスを単位として結晶の非線形光学的パラメータを周期 的に符号変化させ(これを準位相整合という)、かつ効果的に別の周波数のレーザ ーを発生させている。周期的の符号変化は周期的に強誘電性物質の自発分極方向 を変えることにより達成される。ポンピングレーザーの波長及び操作温度の他に 、交互分極区域の間隔周期が発射レーザーの波長を決定する。そしてポンピング レーザーの波長及び強誘電体のグレティング周期がいずれも固定されると温度を 変化させることにより小幅に発射レーザーの波長を調整することができる。多く の強誘電体例えば、NiNbO3、LiTaO3、LiIO3、KNbO3、KTi OPO4(KTP)、RbTiOAsO4(RTA)、RbTiOPO4等は頗る 良好な準位相整合非線形光学的結晶を形成することができる。
【0005】 図1に示す従来の非線形光学的結晶101は単一のグレティングしか有してい ないために一種の非線形光学的応答しか発生しない。例えばマイヤーズらにより 発表された”クウェイジ−フェイズ−マッチング 1.064μm−ポンプド オプティカル パラメトリック オシレーター イン バルク ピリオディカリ ー ポールド LiNbO3”,オプティクス レターズ Vol.20,NO .1,1995年1月,PP.52−54はこれに属する。又、他に、例えばロ ーゼンバーグにより発表された”2.5−W コンティニュアス−ウエーブ,6 29−nm ソリッド ステート レーザー ソース”, オプティクス レタ ーズ,Vol.23 NO.1,1998年2月1日,PP.207〜209, 及びアメリカ特許第5,768,302号に示されているように、非線形光学的 結晶が異なるグレティング周期の2部分単結晶により組成されているので2種の 非線形光学的応答を発生する。しかしながら、単結晶により組成された2グレテ ィングが非線形光学的応答を行う時はある温度下で行っているので、その温度が 少しでも変化するとその中の一グレティングの位相が整合しないという状態を引 起こしてしまうことがある。このためにレーザー波長の加減幅に限度があり、実 際の需要を満足することができない。
【0006】
【課題を解決するため手段】
上記事情にかんがみ、その問題を解決するために鋭意研究及び試験を重ねた結 果、連続的な非線形周波数転換及び大幅な波長調整が可能な「準位相整合非線形 光学的単結晶及びそれを用いた固体レーザー発生装置」を創作した。
【0007】 本考案の主たる目的は並列及び直列のレーザー周波数転換を行いえる準位相整 合非線形光学的単結晶を開示することにある。
【0008】 本考案の次の目的は2種以上の不同温度下でレーザー周波数転換を行いえる非 線形光学的結晶を提案することにある。
【0009】 本考案の準位相整合非線形光学的単結晶は、第1の方向に沿って単一の準位相 光学格子周期を有する単一準位相光学格子区と、複数の内光学格子が第2の方向 に沿って配列組成されている多重準位相光学格子区とを備え、該第1の方向が第 2の方向に垂直することを特徴とする。
【0010】 本考案のまた次の目的は上記準位相整合単結晶を使用した固体レーザー発生装 置を提供することにある。
【0011】 該固体レーザー発生装置は、 結晶本体が第1の方向に沿って単一の光学格子区を有する準位相整合非線形光 学格子区(a QPM single−grating region)と、該 第1の方向に垂直した第2の方向に沿って平行に配列した複数の内光学格子によ り組成された準位相整合多重光学格子区(a QPM multiple−gr ating region)とを備え、内光学格子毎に該第1の方向に沿って特 殊の光学格子周期を有する準位相整合非線形光学的単結晶(a quasi−p hase−matching(QPM)nonlinear optical material)と、 第1の波長を有する第1のレーザー信号を提供してそれを第1の方向に沿って 該準位相整合非線形光学的単結晶に入射させるレーザー光源と を備え、 該結晶本体の第1の光学格子区は単一の光学格子区又は多重光学格子区であり 、 該第1のレーザー信号が該準位相整合非線形光学的単結晶に入射された後、結 晶内部がそれぞれの光学格子特性に応じて2又は多数個の非線形光学的周波数又 は波長転換効果を生じ、最後に第1の波長と異なる一個又は多数の第2のレーザ ー信号を発射することを特徴とする。
【0012】 本考案のアイディアによれば、結晶における単一準位相光学格子区と多重準移 相光学格子区との配列順序は固定的でなく、先ずポンピングレーザー光源を単一 光学格子区に入射してから多重光学格子区に入射してもよく、反対に先ず多重光 学格子区に入射してから単一光学格子区に入射してもよい。そしてポンピングレ ーザー光源が第1の光学格子区に入射されると、ポンピングレーザーの周波数が 第1回の転換をし、これに続いて第2の光学格子区に入射されるとポンピングレ ーザーの周波数が第2回の転換を行う。
【0013】 該固体レーザー発生装置はさらに、結晶の準位相特性を変えて波長の変調範囲 を増大させる温度制御炉を備えてなることを特徴とする。
【0014】 また、該固体レーザー発生装置はさらに、非線形光学的結晶の両側の2レンズ に設置され、又は、非線性光学的結晶の両端面の2反射フィルムにメッキされて なる共振キャビティを備えてなることを特徴とする。
【0015】
【考案の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本考案の好適な実施の形態を説明する。
【0016】 図1は本考案に係る準位相整合非線形光学的単結晶の実施形態1を示す図であ る。図1において、準位相光学的結晶201は例えばLiNbO3、LiTaO3 、LiIO3、KNbO3、KTiOPO4(KTP)、RbTiOAsO4(RT A)、RbTiOPO4等を好適な例とする、単結晶周期分極の強誘電体である 。結晶201における光学格子(grating)は、第1の方向(光学格子周 期方向及びレーザー進行方向)に沿って非線形光学的特性を有する単一光学格子 区2011と、第2の方向に沿って平行配列された複数の内光学格子20121 、20122、20123により組成され、各内光学格子毎に第1の方向に沿う 非線形光学的特性を有する多重光学格子2012との両区を含むように設計され ている。該第1の方向と第2の方向とは互いに垂直しており、かつ、各内光学格 子の非線形光学的特性はいずれも異なっている。
【0017】 多重光学格子区2012における内光学格子区20121、20122、20 123はレーザー進行方向に垂直するように平行配列されている。隣り合う2内 光学格子の間には通常(必ずしも必要ではない)隣り合う内光学格子を仕切るた めの固定間隔2013を有する。また、結晶201における単一光学格子区と多 重光学格子区との配列順序は固定的でなく、ポンピングレーザー光源は先ず単一 光学格子区に入射してから多重光学格子区に入射するか、又は先ず多重光学格子 区に入射してから単一光学格子区に入射するかのいずれでもよい。そして、ポン ピングレーザー光源が第1の光学格子区に入射されると、ポンピングレーザーの 周波数が第1回の転換をし、これに続いて第2の光学格子区に入射されるとポン ピングレーザーの周波数が第2回の転換を行うことは図2(A)に示す通りであ る。図2(B)は本考案に係る非線形光学的結晶の好適な実施例である実施形態 2を示す図であり、この結晶における光学格子は図1及び図2(A)の結晶をも 含むように設計されている。注意すべきは本考案の結晶における光学格子は他の 修飾及び変化が許容され、上記に開示された実施形態に限定されるものでない。
【0018】 本考案の結晶が従来の結晶よりも優れているのは、以下の2種のレーザー発生 機構を備えていることに所以する。第1種のレーザー発生機構は、本願では並列 レーザー発生と称している。すなわち、並列レーザーが発生した時、ポンピング レーザー光源の大きさはあらゆる単一及多重の光学格子区を包含し、この状況下 で、単一光学格子区において先ず非線形光学的応答により1レーザー(例えばS HG)又は2レーザー(例えばOPG)を発生してから、単一光学格子区で発生 した一部又は全部のレーザーが各内光学格子において再度他の周波数に転換され る。したがって、多重光学格子のあらゆる内光学格子には各種類の周波数のレー ザーが発生し、本願の結晶をして一度に周波数幅が非常に広いレーザーを発射せ しむることができる。
【0019】 第2種のレーザー発生機構は本願では直列レーザー発生と称し、従来の直列単 結晶(例えばアメリカ特許第5,767,302号)の温度に対する変調が困難 である欠点を解決することができる。すなわち、従来の技術においては、結晶が 2個の単一光学格子の直列により組成され、温度が原設定値からずれると、両光 学格子は同時に位相整合状態に達することができず、波長変調の範囲が制限され てしまうこととなるが、本考案の第2種のレーザー発生機構の場合は、ポンピン グレーザー光源の大きさが各内光学格子幅よりも小さいために、ポンピングレー ザー光源が単一光学格子と該多重光学格子のある一内光学格子とのみに入射され ることとなる。これにより、例えば温度がT1の時、ポンピングレーザー光源は 先ず単一光学格子区2011に入射してから多重光学格子区2012の内光学格 子20122に入り、プリセット波長のレーザー光を出力することとなり、そし て温度がT2の時、ポンピングレーザー光源はその入射位置を変え、両光学格子 の位相整合が保証されるように、ポンピングレーザーを先ず単一光学格子区20 11に入射させてから多重光学格子区2012の内光学格子20122に入射さ せ、同じく、温度がT3の時、適当に単一光学格子区と内光学格子とを組み合わ せることにより第3波長のレーザー光が発生する。また、この第2種のレーザー 発生機構によれば、レーザー光源の入射位置の位置合わせは、機械的に非線形光 学的単結晶をスライド又は光学レンズを使用することにより実現され、これによ りレーザーが正確な光路に入射される。
【0020】 図3は本考案に係る固体レーザー発生装置の実施形態1を示す図である。図に おいて、ポンピングレーザー光源301は第1の波長を有する入力レーザー信号 を発射して結晶201に入射させるものであり、光学レンズ601又は光学レン ズ発生装置は入力されたレーザー信号をフォーカスすると共に案内して正確な位 置に入射させるものである。このように正確な位置に入射されると、結晶201 により上記の並列又は直列のレーザー周波数転換が行われると共に、プリセット 波長のレーザーを発射する。結晶201は好ましくは結晶の順位相特性を変える ことでその温度変化により出力レーザーの波長を調整する温度制御炉に設置され る。直列レーザー発生機構にはさらに精確にポンピングレーザーを押して正確に 光路中に入射させる精密プッシャーが設けられている。
【0021】 図4は本考案に係る固体レーザー発生装置の実施形態2を示す図である。この 実施形態は図3の単一光路機構から演繹したものであり、結晶201の両側には レンズ501,502により組成された共振キャビティがあり、1個又は複数個 のレーザー信号を循環させてポンピングレーザーの開始値を減少すると共に全体 のレーザー転換効率を増強するものである。
【0022】 図5は本考案に係る固体レーザー発生装置の実施形態3を示す図である。レー ザー発生装置の大きさを減少するために図4におけるレンズ501、502の代 りに、光学フィルム503、504が結晶201の両端面にメッキされている。 該光学フィルムのスペクトル反射率と曲率半径は発生装置の需要に応じて変化す る。
【0023】 図6は本考案に係る固体レーザー発生装置の実施形態4を示す図である。図に おいて結晶201は増幅器として、ポンピングレーザー光源302を使用して並 列又は直列周波数転換を行う時にシードレーザー(増幅待機中にあるレーザー光 )303を増幅する。そして、レーザー信号ダイクロイックミラー604を通し てシードレーザー303およびポンピングレーザー302により発射されたレー ザーを結晶201に入射する前に結合させる。光学レンズ又は光学レンズ発生装 置602、603はそれぞれポンピングレーザー302とシードレーザー303 とをフォーカスするために用いられる。また、図6におけるポンピングレーザー 302とシードレーザー303との位置は互換可能である。
【0024】 実験結果 この実験は図1の結晶に図3の固体レーザー発生装置を加えたものを例として いる。この場合は他の場合よりも高いポンピング初期エネルギーを使用しなけれ ばならないので、この実験の結果は極めて代表性を有し、かつ、直接他の場合の 実施可能性を証明することができる。つまり、この場合の多重レーザー周波数転 換は一度に完成しなければならず、かつなんらのシードレーザーまたは共振キャ ビティをも使用しないことから、最高のポンピングレーザー強度が必要となる。
【0025】 実験中の準位相整合単結晶は電界周期分極を経過した厚さが500μmのZ− cutニオブ酸リチウムウェーハ(Z−cut congruent lith ium niobate wafer)である。ここでは、単一光学格子区の長 さは1cm、光学格子周期は 20.4μmであり40.6℃の温度においてサ ードオーダの二次調和振動(third−order SHG)により1064 nmポンピングレーザーを532nmレーザーに転換するのに適している。そし て、多重光学格子の長さは4cmで5個の内光学格子があり、各内光学格子の周 期はそれぞれ11μm 、11.25μm、11.50μm、11.75μm、 12μmである。40.6℃の温度の場合、532nm波長のレーザーが多重光 格子(並列レーザーを生ずる)に入射されると、不同の内光学格子が不同の光学 パラメータ発生過程において不同の波長組合のレーザーを出力する。内光学格子 で発生したレーザー光の波長組合は順にそれぞれ[621.2nm,3704. 7nm]、[615.3nm,3828.8nm]、[609.4m,4186.8 nm]、[603.3nm,4501.2nm]、[596.2nm,5941.0 nm]である。
【0026】 実験におけるポンピングレーザー光源は受動式Q−切換Nd:YAGレーザー (passively Q−switched Nd:YAG laser)が 好適であり、その単発エネルギーは8μJ/pulse、反復周波数は8.3K Hz、発射波長は1064nm、ポンピングパルス幅は600psecである。 ポンピングレーザーの最高エネルギーが13キロワットをオーバーできることか ら、ポンピングエネルギーは単一光学格子区でほとんど100%近く、二次調和 振動により532nmレーザーに転換することができる。この532nmの緑光 レーザーは継続して多重光学格子区を通過すると共に、不同内光学格子で不同の 光学的パラメータ過程を経て不同波長のレーザー光を生ずる。非線形転換効果に より発生するレーザーのパルス幅は約150psecである。不同波長のレーザ ー出力に対するレーザー効率も差異があり、例えば多重光学格子における12μ m内光学格子に対しては、その出力波長組合における4941nm波長の光子は ニオブ酸リチウムの吸収スペクトル中に位置している。したがって、この種の光 学周期時には、ポンピング初期エネルギーは比較的に高くならなければならず、 一方転換効率は比較的に低くならなければならない。また、多重光学格子におけ る11μm内光学格子に対し、単一光路、OPGの組織下では1064nmレー ザーから621.2nmレーザーに転換する転換効率は5%である。また、上記 した如く、他の組織に基づく転換効率(図2ないし図6)は本実験により得られ た値よりもはるかに大きい。
【0027】 結晶を直列レーザー発生として実験した結果は次の通りである。すなわち、準 位相整合単結晶は厚さ500μmのニオブ酸リチウムの単結晶ウェーハであり、 単一光学格子区の長さが3cm、光学格子周期が30μm、多重光学格子区の長 さが2cmで周期がそれぞれ19μm及び19.25μmの内光学格子を有する との条件下で実験が行われた。そして受動式Q−転換レーザーが1064nm波 長のポンピングレーザーを射出した時、準位相温度60℃下で単一光学格子区に 1555nm波長のレーザーが発生した。その転換効率は25%である。そして 、同一温度下で、ポンピングレーザー入力位置が19μmの内光学格子に対応す ると、19μmの内光学格子は一歩進んで1555nm波長信号をダブル周波数 とし、777.5nm波長信号を出力させた。温度が100.2℃に上昇すると 、単一光学格子区に1570nm波長のレーザーが発生し、同一温度下でレーザ ー入力位置が19.25μmの内光学格子に対応すると、19.25μmの内光 学格子は一歩進んで1570nm波長信号をダブル周波数とし、785nm波長 信号を出力させた。8uJ/pulseのポンピングレーザーに対して、直列レ ーザーが発生する平均光子転換効率は約10%である。このように、本実験結果 により本考案の出力波長に対する加減レーザーの実用性を証明することができた 。
【0028】 上記実施形態は本考案をより具体的に説明するためのもので、当然ながら本考 案はこれに限定されず、本考案の添付クレームを逸脱しないかぎり、当業者によ りなされた種種及び単なる設計変更はいずれも本考案の技術的範囲に属する。
【提出日】平成12年11月28日(2000.11.28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は非線形光学的単結晶のグレティング設計に関し、特に、準位相整合( Quasi−Phase Matching)非線形光学的単結晶のグレティン グ設計及び該結晶を利用して周波数変換(frequency convers ion)を生ずる固体レーザー発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術および考案が解決しようとする課題】
従来からレーザー光は主として量子エネルギージャンプにより波長の固定又は 周波数の電磁放射を引起こさせている。しかしながら、これら応用の大部分は加 減波長のレーザー光源を必要としている。例えば、環境微量ガスの検出において 、不同ガスに不同の吸収波長があるので、加減波長のレーザーにスペクトル検出 発生装置を付加すると多種の微量ガス分析を達成することができる。また例えば 、平面表示器においては、各画素毎に固定的に赤色、緑色、青色の三色波長のレ ーザー光源を発射することができる。一部のレーザー光源、例えば染料レーザー 、自由電子レーザー、非線形結晶レーザー等の波長はいずれもある一定程度その 発射レーザーの波長を変調できるが、その変調幅はまだ十分でなく、高価で効率 が低く、操作が不便である。
【0003】 最近では非線形光学の発展につれて、加減波長レーザーも大幅に進歩している 。非線形光学的効果は2入射レーザー信号(場合により、該2入射信号は同一の レーザー信号により得られる)が同軸的に非線形光学的結晶を通過して交互作用 を発生させることにより、予期中の特殊波長のレーザー光を発射する。そして二 次非線形光学的効果はセカンド・ハーモニック・ジェネレーション(SHB)、差 周波数(Difference Frequency Generation: DFG)、光パラメトリック発生・増幅・振動(Optical Paramet ric Generation.Amplification.Oscilla tion:OPG.OPA.OPO)を含む。二次非線形転換の過程において、 発射したレーザー信号と他の2入射レーザー信号とが結晶の中で位相整合(ph ase−matching)に達すると、発射されたレーザーの強度は結晶への 通過の長さにより増強される。他方、この3信号の位相が整合しないと、発射さ れたレーザーの強度は持続的に増強できない。この非線形光学的結晶において、 発射されるレーザー信号の強度を増強する距離をコヒーレンス・レングスと称す る。したがって、位相が整合していない状況下では、発射レーザーの強度は僅に 単一のコヒーレンス・レングスを通して累積したのみのものであり、結果該コヒ ーレンス・レングスは僅にマイクロメータ(μm)の大きさしかない。この3信号 を位相整合の状況に達成させるには、結晶の非線形光学的特性を巧妙に設計して 、発生するレーザー強度を非線形結晶中で持続増長させなければならない。また 、温度も結晶の屈折率を改変できることから、これにより位相整合の条件が改変 される。したがって、レーザー波長の発射を調整する方法の一つとして、非線形 結晶温度を変えることが考えられる。
【0004】 準位相整合非線形レーザーは、最近、加速波長レーザーの効率を改良するため に発展したものである。フェージャーらが発表した”クウェイジ−フェイズ−マ ッチド セカンド ハーモニック ジェネレーション:チューニング アンド タレランス”IEEE ジャーナル オブ クォンタム エレクトロニクス,V ol.28,1992年 p.p2631〜2654,及びアメリカ特許第5, 036,220号、第5,800,767号、第5,714,198号、第5, 838,702号を参照されたし。先行技術では位相整合の目的を達成するため に、コヒーレンス・レングスを単位として結晶の非線形光学的パラメータを周期 的に符号変化させ(これを準位相整合という)、かつ効果的に別の周波数のレーザ ーを発生させている。周期的の符号変化は周期的に強誘電性物質の自発分極方向 を変えることにより達成される。ポンピングレーザーの波長及び操作温度の他に 、交互分極区域の間隔周期が発射レーザーの波長を決定する。そしてポンピング レーザーの波長及び強誘電体のグレティング周期がいずれも固定されると温度を 変化させることにより小幅に発射レーザーの波長を調整することができる。多く の強誘電体例えば、NiNbO3、LiTaO3、LiIO3、KNbO3、KTi OPO4(KTP)、RbTiOAsO4(RTA)、RbTiOPO4等は頗る 良好な準位相整合非線形光学的結晶を形成することができる。
【0005】 図1に示す従来の非線形光学的結晶101は単一のグレティングしか有してい ないために一種の非線形光学的応答しか発生しない。例えばマイヤーズらにより 発表された”クウェイジ−フェイズ−マッチング 1.064μm−ポンプド オプティカル パラメトリック オシレーター イン バルク ピリオディカリ ー ポールド LiNbO3”,オプティクス レターズ Vol.20,NO .1,1995年1月,PP.52−54はこれに属する。又、他に、例えばロ ーゼンバーグにより発表された”2.5−W コンティニュアス−ウエーブ,6 29−nm ソリッド ステート レーザー ソース”, オプティクス レタ ーズ,Vol.23 NO.1,1998年2月1日,PP.207〜209, 及びアメリカ特許第5,768,302号に示されているように、非線形光学的 結晶が異なるグレティング周期の2部分単結晶により組成されているので2種の 非線形光学的応答を発生する。しかしながら、単結晶により組成された2グレテ ィングが非線形光学的応答を行う時はある温度下で行っているので、その温度が 少しでも変化するとその中の一グレティングの位相が整合しないという状態を引 起こしてしまうことがある。このためにレーザー波長の加減幅に限度があり、実 際の需要を満足することができない。
【0006】
【課題を解決するため手段】
上記事情にかんがみ、その問題を解決するために鋭意研究及び試験を重ねた結 果、連続的な非線形周波数転換及び大幅な波長調整が可能な「準位相整合非線形 光学的単結晶を用いた固体レーザー発生装置」を創作した。
【0007】 本考案の主たる目的は、並列及び直列のレーザー周波数転換を行いえる準位相 整合非線形光学的単結晶を開示し、2種以上の不同温度下でレーザー周波数転換 を行いえる非線形光学的結晶を提案し、さらにこの準位相整合非線形光学的単結 晶は、第1の方向に沿って単一の準位相光学格子周期を有する単一準位相光学格 子区と、複数の内光学格子が第2の方向に沿って配列組成されている多重準位相 光学格子区とを備え、該第1の方向が第2の方向に垂直することを特徴としてお り、この 準位相整合単結晶を使用した固体レーザー発生装置を提供することにあ る。
【0008】 該固体レーザー発生装置は、 結晶本体が第1の方向に沿って単一の光学格子区を有する準位相整合非線形光 学格子区(a QPM single−grating region)と、該 第1の方向に垂直した第2の方向に沿って平行に配列した複数の内光学格子によ り組成された準位相整合多重光学格子区(a QPM multiple−gr ating region)とを備え、内光学格子毎に該第1の方向に沿って特 殊の光学格子周期を有する準位相整合非線形光学的単結晶(a quasi−p hase−matching(QPM)nonlinear optical material)と、 第1の波長を有する第1のレーザー信号を提供してそれを第1の方向に沿って 該準位相整合非線形光学的単結晶に入射させるレーザー光源と を備え、 該結晶本体の第1の光学格子区は単一の光学格子区又は多重光学格子区であり 、 該第1のレーザー信号が該準位相整合非線形光学的単結晶に入射された後、結 晶内部がそれぞれの光学格子特性に応じて2又は多数個の非線形光学的周波数又 は波長転換効果を生じ、最後に第1の波長と異なる一個又は多数の第2のレーザ ー信号を発射することを特徴とする。
【0009】 本考案のアイディアによれば、結晶における単一準位相光学格子区と多重準移 相光学格子区との配列順序は固定的でなく、先ずポンピングレーザー光源を単一 光学格子区に入射してから多重光学格子区に入射してもよく、反対に先ず多重光 学格子区に入射してから単一光学格子区に入射してもよい。そしてポンピングレ ーザー光源が第1の光学格子区に入射されると、ポンピングレーザーの周波数が 第1回の転換をし、これに続いて第2の光学格子区に入射されるとポンピングレ ーザーの周波数が第2回の転換を行う。
【0010】 該固体レーザー発生装置はさらに、結晶の準位相特性を変えて波長の変調範囲 を増大させる温度制御炉を備えてなることを特徴とする。
【0011】 また、該固体レーザー発生装置はさらに、非線形光学的結晶の両側の2レンズ に設置され、又は、非線性光学的結晶の両端面の2反射フィルムにメッキされて なる共振キャビティを備えてなることを特徴とする。
【0012】
【考案の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本考案の好適な実施の形態を説明する。 図1は本考案に係る準位相整合非線形光学的単結晶の実施形態1を示す図である 。図1において、準位相光学的結晶201は例えばLiNbO3、LiTaO3、 LiIO3、KNbO3、KTiOPO4(KTP)、RbTiOAsO4(RTA )、RbTiOPO4等を好適な例とする、単結晶周期分極の強誘電体である。 結晶201における光学格子(grating)は、第1の方向(光学格子周期 方向及びレーザー進行方向)に沿って非線形光学的特性を有する単一光学格子区 2011と、第2の方向に沿って平行配列された複数の内光学格子20121、 20122、20123により組成され、各内光学格子毎に第1の方向に沿う非 線形光学的特性を有する多重光学格子2012との両区を含むように設計されて いる。該第1の方向と第2の方向とは互いに垂直しており、かつ、各内光学格子 の非線形光学的特性はいずれも異なっている。
【0013】 多重光学格子区2012における内光学格子区20121、20122、20 123はレーザー進行方向に垂直するように平行配列されている。隣り合う2内 光学格子の間には通常(必ずしも必要ではない)隣り合う内光学格子を仕切るた めの固定間隔2013を有する。また、結晶201における単一光学格子区と多 重光学格子区との配列順序は固定的でなく、ポンピングレーザー光源は先ず単一 光学格子区に入射してから多重光学格子区に入射するか、又は先ず多重光学格子 区に入射してから単一光学格子区に入射するかのいずれでもよい。そして、ポン ピングレーザー光源が第1の光学格子区に入射されると、ポンピングレーザーの 周波数が第1回の転換をし、これに続いて第2の光学格子区に入射されるとポン ピングレーザーの周波数が第2回の転換を行うことは図2(A)に示す通りであ る。図2(B)は本考案に係る非線形光学的結晶の好適な実施例である実施形態 2を示す図であり、この結晶における光学格子は図1及び図2(A)の結晶をも 含むように設計されている。注意すべきは本考案の結晶における光学格子は他の 修飾及び変化が許容され、上記に開示された実施形態に限定されるものでない。
【0014】 本考案の結晶が従来の結晶よりも優れているのは、以下の2種のレーザー発生 機構を備えていることに所以する。第1種のレーザー発生機構は、本願では並列 レーザー発生と称している。すなわち、並列レーザーが発生した時、ポンピング レーザー光源の大きさはあらゆる単一及多重の光学格子区を包含し、この状況下 で、単一光学格子区において先ず非線形光学的応答により1レーザー(例えばS HG)又は2レーザー(例えばOPG)を発生してから、単一光学格子区で発生 した一部又は全部のレーザーが各内光学格子において再度他の周波数に転換され る。したがって、多重光学格子のあらゆる内光学格子には各種類の周波数のレー ザーが発生し、本願の結晶をして一度に周波数幅が非常に広いレーザーを発射せ しむることができる。
【0015】 第2種のレーザー発生機構は本願では直列レーザー発生と称し、従来の直列単 結晶(例えばアメリカ特許第5,767,302号)の温度に対する変調が困難 である欠点を解決することができる。すなわち、従来の技術においては、結晶が 2個の単一光学格子の直列により組成され、温度が原設定値からずれると、両光 学格子は同時に位相整合状態に達することができず、波長変調の範囲が制限され てしまうこととなるが、本考案の第2種のレーザー発生機構の場合は、ポンピン グレーザー光源の大きさが各内光学格子幅よりも小さいために、ポンピングレー ザー光源が単一光学格子と該多重光学格子のある一内光学格子とのみに入射され ることとなる。これにより、例えば温度がT1の時、ポンピングレーザー光源は 先ず単一光学格子区2011に入射してから多重光学格子区2012の内光学格 子20122に入り、プリセット波長のレーザー光を出力することとなり、そし て温度がT2の時、ポンピングレーザー光源はその入射位置を変え、両光学格子 の位相整合が保証されるように、ポンピングレーザーを先ず単一光学格子区20 11に入射させてから多重光学格子区2012の内光学格子20122に入射さ せ、同じく、温度がT3の時、適当に単一光学格子区と内光学格子とを組み合わ せることにより第3波長のレーザー光が発生する。また、この第2種のレーザー 発生機構によれば、レーザー光源の入射位置の位置合わせは、機械的に非線形光 学的単結晶をスライド又は光学レンズを使用することにより実現され、これによ りレーザーが正確な光路に入射される。
【0016】 図3は本考案に係る固体レーザー発生装置の実施形態1を示す図である。図に おいて、ポンピングレーザー光源301は第1の波長を有する入力レーザー信号 を発射して結晶201に入射させるものであり、光学レンズ601又は光学レン ズ発生装置は入力されたレーザー信号をフォーカスすると共に案内して正確な位 置に入射させるものである。このように正確な位置に入射されると、結晶201 により上記の並列又は直列のレーザー周波数転換が行われると共に、プリセット 波長のレーザーを発射する。結晶201は好ましくは結晶の順位相特性を変える ことでその温度変化により出力レーザーの波長を調整する温度制御炉に設置され る。直列レーザー発生機構にはさらに精確にポンピングレーザーを押して正確に 光路中に入射させる精密プッシャーが設けられている。
【0017】 図4は本考案に係る固体レーザー発生装置の実施形態2を示す図である。この 実施形態は図3の単一光路機構から演繹したものであり、結晶201の両側には レンズ501,502により組成された共振キャビティがあり、1個又は複数個 のレーザー信号を循環させてポンピングレーザーの開始値を減少すると共に全体 のレーザー転換効率を増強するものである。
【0018】 図5は本考案に係る固体レーザー発生装置の実施形態3を示す図である。レー ザー発生装置の大きさを減少するために図4におけるレンズ501、502の代 りに、光学フィルム503、504が結晶201の両端面にメッキされている。 該光学フィルムのスペクトル反射率と曲率半径は発生装置の需要に応じて変化す る。
【0019】 図6は本考案に係る固体レーザー発生装置の実施形態4を示す図である。図に おいて結晶201は増幅器として、ポンピングレーザー光源302を使用して並 列又は直列周波数転換を行う時にシードレーザー(増幅待機中にあるレーザー光 )303を増幅する。そして、レーザー信号ダイクロイックミラー604を通し てシードレーザー303およびポンピングレーザー302により発射されたレー ザーを結晶201に入射する前に結合させる。光学レンズ又は光学レンズ発生装 置602、603はそれぞれポンピングレーザー302とシードレーザー303 とをフォーカスするために用いられる。また、図6におけるポンピングレーザー 302とシードレーザー303との位置は互換可能である。
【0020】 実験結果 この実験は図1の結晶に図3の固体レーザー発生装置を加えたものを例として いる。この場合は他の場合よりも高いポンピング初期エネルギーを使用しなけれ ばならないので、この実験の結果は極めて代表性を有し、かつ、直接他の場合の 実施可能性を証明することができる。つまり、この場合の多重レーザー周波数転 換は一度に完成しなければならず、かつなんらのシードレーザーまたは共振キャ ビティをも使用しないことから、最高のポンピングレーザー強度が必要となる。
【0021】 実験中の準位相整合単結晶は電界周期分極を経過した厚さが500μmのZ− cutニオブ酸リチウムウェーハ(Z−cut congruent lith ium niobate wafer)である。ここでは、単一光学格子区の長 さは1cm、光学格子周期は 20.4μmであり40.6℃の温度においてサ ードオーダの二次調和振動(third−order SHG)により1064 nmポンピングレーザーを532nmレーザーに転換するのに適している。そし て、多重光学格子の長さは4cmで5個の内光学格子があり、各内光学格子の周 期はそれぞれ11μm 、11.25μm、11.50μm、11.75μm、 12μmである。40.6℃の温度の場合、532nm波長のレーザーが多重光 格子(並列レーザーを生ずる)に入射されると、不同の内光学格子が不同の光学 パラメータ発生過程において不同の波長組合のレーザーを出力する。内光学格子 で発生したレーザー光の波長組合は順にそれぞれ[621.2nm,3704. 7nm]、[615.3nm,3828.8nm]、[609.4m,4186.8 nm]、[603.3nm,4501.2nm]、[596.2nm,5941.0 nm]である。
【0022】 実験におけるポンピングレーザー光源は受動式Q−切換Nd:YAGレーザー (passively Q−switched Nd:YAG laser)が 好適であり、その単発エネルギーは8μJ/pulse、反復周波数は8.3K Hz、発射波長は1064nm、ポンピングパルス幅は600psecである。 ポンピングレーザーの最高エネルギーが13キロワットをオーバーできることか ら、ポンピングエネルギーは単一光学格子区でほとんど100%近く、二次調和 振動により532nmレーザーに転換することができる。この532nmの緑光 レーザーは継続して多重光学格子区を通過すると共に、不同内光学格子で不同の 光学的パラメータ過程を経て不同波長のレーザー光を生ずる。非線形転換効果に より発生するレーザーのパルス幅は約150psecである。不同波長のレーザ ー出力に対するレーザー効率も差異があり、例えば多重光学格子における12μ m内光学格子に対しては、その出力波長組合における4941nm波長の光子は ニオブ酸リチウムの吸収スペクトル中に位置している。したがって、この種の光 学周期時には、ポンピング初期エネルギーは比較的に高くならなければならず、 一方転換効率は比較的に低くならなければならない。また、多重光学格子におけ る11μm内光学格子に対し、単一光路、OPGの組織下では1064nmレー ザーから621.2nmレーザーに転換する転換効率は5%である。また、上記 した如く、他の組織に基づく転換効率(図2ないし図6)は本実験により得られ た値よりもはるかに大きい。
【0023】 結晶を直列レーザー発生として実験した結果は次の通りである。すなわち、準 位相整合単結晶は厚さ500μmのニオブ酸リチウムの単結晶ウェーハであり、 単一光学格子区の長さが3cm、光学格子周期が30μm、多重光学格子区の長 さが2cmで周期がそれぞれ19μm及び19.25μmの内光学格子を有する との条件下で実験が行われた。そして受動式Q−転換レーザーが1064nm波 長のポンピングレーザーを射出した時、準位相温度60℃下で単一光学格子区に 1555nm波長のレーザーが発生した。その転換効率は25%である。そして 、同一温度下で、ポンピングレーザー入力位置が19μmの内光学格子に対応す ると、19μmの内光学格子は一歩進んで1555nm波長信号をダブル周波数 とし、777.5nm波長信号を出力させた。温度が100.2℃に上昇すると 、単一光学格子区に1570nm波長のレーザーが発生し、同一温度下でレーザ ー入力位置が19.25μmの内光学格子に対応すると、19.25μmの内光 学格子は一歩進んで1570nm波長信号をダブル周波数とし、785nm波長 信号を出力させた。8uJ/pulseのポンピングレーザーに対して、直列レ ーザーが発生する平均光子転換効率は約10%である。このように、本実験結果 により本考案の出力波長に対する加減レーザーの実用性を証明することができた 。
【0024】 上記実施形態は本考案をより具体的に説明するためのもので、当然ながら本考 案はこれに限定されず、本考案の添付クレームを逸脱しないかぎり、当業者によ りなされた種種及び単なる設計変更はいずれも本考案の技術的範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本考案に係る準位相整合非線形光学的単
結晶の実施形態1を示す図である。
【図2】図2(A)および図2(B)は本考案に係る準
位相整合非線形光学的単結晶の実施形態2を示す図であ
る。
【図3】図3は共振レンズ組を使用しない固体レーザー
発生装置の実施形態1を示す図である。
【図4】図4は結晶両側に2共振レンズを有する本考案
の固体レーザー発生装置の実施形態2を示す図である。
【図5】図5は結晶両端面に2共振フィルムがメッキさ
れている本考案の固体レーザー発生装置の実施形態3を
示す図である。
【図6】図6はさらにシードレーザーを備えた本考案の
固体レーザー発生装置の実施形態4を示す図である。
【図7】図7は従来技術の準位相整合非線形光学的単結
晶、及びそれにより周波数転換を発生させる固体レーザ
ー発生装置の見取図である。
【符号の説明】
201・・・準位相光学的結晶 2011・・・単一光学格子区 2012・・・多重光学格子 20121、20122、20123・・・複数の内光
学格子
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年11月28日(2000.11.
28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 準位相整合非線形光学的単結晶及びこ
れを用いた固体レーザー発生装置
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項】結晶本体が第1の方向に沿って第1の光学
的格子周期を有する準位相整合単一光学格子区と、複数
個の内光学格子が第1の方向に垂直する第2の方向に沿
って平行に配列組成されてなる準位相整合多重光学格子
区とを備え、前記各内光学格子毎に前記第1の方向に沿
って特殊の光学格子周期を有する、準位相整合非線形光
学的単結晶と、 第1の波長を有する第1のレーザー信号を提供してそれ
を第1の方向に沿って前記準位相整合非線形光学的単結
晶に入射させるレーザー光源と、 を備え、 前記結晶本体の前記第1の光学格子区は前記単一光学格
子区又は前記多重光学格子区であり、 前記第1のレーザー信号が前記準位相整合非線形光学的
単結晶に入射された後、結晶内部がそれぞれの光学格子
特性に応じて2又は多数個の非線形光学的周波数又は波
長転換効果を生じ、最後に第1の波長と異なる一個又は
多数の第2のレーザー信号を発射する、 ことを特徴とした固体レーザー発生装置。
【請求項】固体レーザー発生装置はさらに、前記準位
相整合非線形光学的単結晶の温度を制御し、かつ、前記
光学格子の位相整合特性を調整することにより、レーザ
ー波長出力及び最大出力パワーを調整する温度制御炉を
備えてなることを特徴とした請求項記載の固体レーザ
ー発生装置。
【請求項】固体レーザー発生装置はさらに、前記第2
のレーザー信号の強度を増加する共振キャピティを備え
てなることを特徴とした請求項記載の固体レーザー発
生装置。
【請求項】共振キャビティは前記結晶の両側に位置す
る第1の反射鏡及び第2の反射鏡により組成され、又は
該結晶の両端面にメッキされた2光学反射フィルムによ
り組成されることを特徴とした請求項記載の固体レー
ザー発生装置。
【請求項】非線形光学的周波数又は波長転換効果は二
次及び三次調和振動(Second and Thir
d Harmonic Generation: SH
G and THG)、差周波数(Differenc
e Frequency Generation:DF
G)、和周波数(Sum Frequency Gene
ration:SFG)、光パラメトリック発生・増幅
・振動(OPtical Parametric Ge
neration,Amplification,Os
cillation:OPG,OPA,OPO)を含む
ことを特徴とした請求項記載の固体レーザー発生装
置。
【請求項】レーザー光源は受動式Q−切換レーザー
(Passively Q−switched las
er)であることを特徴とした請求項記載の固体レー
ザー発生装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本考案に係る準位相整合非線形光学的単
結晶の実施形態1を示す図である。
【図2】図2(A)および図2(B)は本考案に係る準
位相整合非線形光学的単結晶の実施形態2を示す図であ
る。
【図3】図3は共振レンズ組を使用しない固体レーザー
発生装置の実施形態1を示す図である。
【図4】図4は結晶両側に2共振レンズを有する本考案
の固体レーザー発生装置の実施形態2を示す図である。
【図5】図5は結晶両端面に2共振フィルムがメッキさ
れている本考案の固体レーザー発生装置の実施形態3を
示す図である。
【図6】図6はさらにシードレーザーを備えた本考案の
固体レーザー発生装置の実施形態4を示す図である。
【図7】図7は従来技術の準位相整合非線形光学的単結
晶、及びそれにより周波数転換を発生させる固体レーザ
ー発生装置の見取図である。
【符号の説明】 201・・・準位相光学的結晶 2011・・・単一光学格子区 2012・・・多重光学格子 20121、20122、20123・・・複数の内光
学格子

Claims (8)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】単結晶の結晶本体が、 第1の方向に沿って第1の光学格子周期を有する準位相
    整合単一光学格子区と、 複数個の内光学格子が第2の方向に沿って平行に配列組
    成されている準位相整合多重光学格子区と、を備え、 前記第1の方向は前記第2の方向に垂直し、各内光学格
    子はいずれも該第1の方向に沿って特殊の光学格子周期
    を有し、 前記結晶本体の第1の光学格子区は該単一光学格子区又
    は多重光学格子区である、ことを特徴とした準位相整合
    非線形光学的単結晶。
  2. 【請求項2】単結晶は強誘電体であって、LiNb
    3、LiTaO3、LiIO3、KNbO3、KTiOP
    4(KTP)、RbTiOAsO4(RTA)、及びR
    bTiOPO4からなる結晶群から選択される1つであ
    ることを特徴とした請求項1記載の非線形光学的単結
    晶。
  3. 【請求項3】結晶本体が第1の方向に沿って第1の光学
    的格子周期を有する準位相整合単一光学格子区と、複数
    個の内光学格子が第1の方向に垂直する第2の方向に沿
    って平行に配列組成されてなる準位相整合多重光学格子
    区とを備え、前記各内光学格子毎に前記第1の方向に沿
    って特殊の光学格子周期を有する、準位相整合非線形光
    学的単結晶と、 第1の波長を有する第1のレーザー信号を提供してそれ
    を第1の方向に沿って前記準位相整合非線形光学的単結
    晶に入射させるレーザー光源と、を備え、 前記結晶本体の前記第1の光学格子区は前記単一光学格
    子区又は前記多重光学格子区であり、 前記第1のレーザー信号が前記準位相整合非線形光学的
    単結晶に入射された後、結晶内部がそれぞれの光学格子
    特性に応じて2又は多数個の非線形光学的周波数又は波
    長転換効果を生じ、最後に第1の波長と異なる一個又は
    多数の第2のレーザー信号を発射する、ことを特徴とし
    た固体レーザー発生装置。
  4. 【請求項4】固体レーザー発生装置はさらに、前記準位
    相整合非線形光学的単結晶の温度を制御し、かつ、前記
    光学格子の位相整合特性を調整することにより、レーザ
    ー波長出力及び最大出力パワーを調整する温度制御炉を
    備えてなることを特徴とした請求項3記載の固体レーザ
    ー発生装置。
  5. 【請求項5】固体レーザー発生装置はさらに、前記第2
    のレーザー信号の強度を増加する共振キャピティを備え
    てなることを特徴とした請求項3記載の固体レーザー発
    生装置。
  6. 【請求項6】共振キャビティは前記結晶の両側に位置す
    る第1の反射鏡及び第2の反射鏡により組成され、又は
    該結晶の両端面にメッキされた2光学反射フィルムによ
    り組成されることを特徴とした請求項5記載の固体レー
    ザー発生装置。
  7. 【請求項7】非線形光学的周波数又は波長転換効果は二
    次及び三次調和振動(Second and Thir
    d Harmonic Generation: SH
    G and THG)、差周波数(Differenc
    e Frequency Generation:DF
    G)、和周波数(Sum Frequency Gene
    ration:SFG)、光パラメトリック発生・増幅
    ・振動(OPtical Parametric Ge
    neration,Amplification,Os
    cillation:OPG,OPA,OPO)を含む
    ことを特徴とした請求項3記載の固体レーザー発生装
    置。
  8. 【請求項8】レーザー光源は受動式Q−切換レーザー
    (PassivelyQ−switched lase
    r)であることを特徴とした請求項3記載の固体レーザ
    ー発生装置。
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