JP2015164389A - 積層鉄心製造方法、積層鉄心製造装置、および積層鉄心 - Google Patents

積層鉄心製造方法、積層鉄心製造装置、および積層鉄心 Download PDF

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Abstract

【課題】高い剥離強度と剛性とを有する積層鉄心を製造すること。【解決手段】複数の鋼板Sのそれぞれに凸形状のダボDを形成し、鋼板S同士のダボDを嵌合させて一体化するに当たり、鋼板S同士のダボDを嵌合させる際、ダボD同士を接着剤Aで固着させる。この場合に、接着剤Aは、ダボDを嵌合させる前にダボDの凸形状の外周に塗布されるとよい。接着剤Aの塗布面積は、鋼板Sの面積の50%以下とすればよい。鋼板Sに形成される複数のダボDのうちの80%以上が接着剤Aで固着されればよい。鋼板Sの板厚は0.25mm以下であることが望ましい。また、積層鉄心の直径または最大長が100mmより大きいことが望ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、カシメと接着剤との併用により鋼板を締結することによりモータや発電機に用いられる積層鉄心を製造する積層鉄心製造方法、積層鉄心製造装置、および積層鉄心に関する。
一般に、モータや発電機の鉄心として電磁鋼板の積層体(積層鉄心)が用いられる。このような積層鉄心では、モータや発電機の製造時および使用時に、積層体を構成する電磁鋼板が一定以上の力で結合(締結)されている必要がある。
鋼板の締結方法として、ボルトによる固定や溶接、あるいは鋼板同士の接着などもあるが、もっとも頻繁に使用される鋼板の締結方法として、カシメと呼ばれる方法がある。カシメとは、鋼板のそれぞれに対してカシメパンチにより押し出し加工を施して、部分的に鋼板のカシメパンチとの反対側に凸形状(カシメパンチ側は凹形状)を形成し、各鋼板に形成された凸形状の部位(凸形状部)を嵌合させることで鋼板同士を互いに固定する方法である。このような凸形状部をダボと称する。
具体的に、カシメ加工では、鉄心のプレス加工工程で形成されたダボに対して、プレス金型内での次工程あるいは金型の外に設けられた次工程で、ダボの位置を合わせて上下から圧力をかけてダボ同士を互いに嵌合させることにより、鋼板を一体化させている。
このようにカシメ加工が施されて製造された積層鉄心において、積層された鋼板同士の締結力が弱いと、モータや発電機の製造中に積層鉄心の鋼板同士が剥離したり、製品(モータや発電機)の使用中に積層鉄心の鋼板が剥離したりするため、好ましくない。一方、鋼板同士の締結力を高めようとカシメ点数を増加させると、ダボ周辺の加工歪や弾性応力場によって鉄心の磁気特性が劣化する。そのため、カシメ1点あたりの締結力を高くすることが求められる。
カシメによる締結力(剥離強度)は、ダボの高さ(カシメ深さ)や、ダボを形成するカシメパンチとダイ穴との間のクリアランスなどに影響されるため、これらを調整することによって、ある程度制御することは可能である。しかしながら、ダボの高さを高くするには限界がある。また、ダボの高さを高くするに従って鋼板のダボ周辺の加工領域が広がるので、鋼板の磁気特性が劣化する。また、クリアランスの調整にも、安定的な加工を行う上で限界がある。したがって、これらの調整に依らずに剥離強度を向上させる技術が期待されている。
剥離強度に加え、鉄心の剛性を確保することも、製品の信頼性確保や騒音低減の点で重要である。すなわち、モータ自体の電磁振動や外力により鉄心が変形すると、鉄心の振動による騒音増加の原因となる。さらに、変形により積層鉄心の鋼板同士が剥離すると、さらに騒音が大きくなるばかりでなく、製品の長期的な信頼性が低下する。したがって、剥離強度に加え、鉄心の剛性を確保する技術が期待されている。
鉄心材の剥離強度と剛性とを確保するために、鋼板同士を接着することが有効なことが知られている。しかしながら、金型の内部で全面に接着剤を塗布してから積層・固着することには種々の困難が伴う。例えば、鉄心材の全面を接着しようとする場合、接着剤の塗布量が多いと、占積率が低下するだけでなく、鉄心端部から接着剤が漏れ出て種々のトラブルを招く原因となる。反対に、接着剤の塗布量が少ないと、有効に接着力が確保されない。電磁鋼板の表面に接着性絶縁被膜を有する鋼板を適用する場合には、高温・長時間の焼鈍を必要とするなどの困難が伴う。
そこで、鉄心の締結をカシメで行いつつ、鉄心材を部分的に接着する技術が開示されている。例えば、特許文献1には、交互に積層されたカシメを形成した鋼板とジャンピングカットした鋼板との間を接着剤で固着する技術が記載されている。
また、特許文献2には、カシメ加工の際に鋼板表面に形成されている絶縁被膜を破壊しないようにすることにより鉄心の磁気特性を改善する技術やカシメ嵌合部分の剪断面間に接着剤を注入する技術が記載されている。
特開2009−72014号公報 特開2008−36671号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ダボ位置と接着剤による固着位置とは別の位置となっているため、カシメ1点当たりの剥離強度を高めることはできない。また、特許文献2にはカシメ嵌合部分の剪断面間に接着剤を注入する理由は開示されていないが、特許文献2記載の技術の課題を考えるとカシメ嵌合部分での短絡を防止することを目的としていると考えられる。また、特許文献2記載の技術には、本発明が意図するような、カシメ嵌合部分を含む限定的な部分に接着剤を塗布することによる生産性の向上及び高い鉄心強度の確保という観点はなく、接着剤の適用方法としては、接着剤を剪断面間に浸透させる方法又は接着性のコーティングを適用する方法しか開示されていない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高い剥離強度と剛性とを有する積層鉄心を製造可能な積層鉄心製造方法および積層鉄心製造装置を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、高い剥離強度と剛性とを有する積層鉄心を提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る積層鉄心製造方法は、複数の鋼板のそれぞれに凸形状のダボを形成し、鋼板同士の該ダボを嵌合させて一体化する積層鉄心製造方法であって、前記鋼板同士のダボを嵌合させる際、前記ダボ同士を接着剤で固着させるステップを含むことを特徴とする。
また、本発明に係る積層鉄心製造方法は、上記発明において、前記凸形状のダボを鋼板表面から突出させる際のダボの高さが前記鋼板の板厚の105〜400%の範囲内にあることを特徴とする。
また、本発明に係る積層鉄心製造方法は、上記発明において、前記接着剤は、前記ダボを嵌合させる前に前記ダボの凸形状の外周に塗布されることを特徴とする。
また、本発明に係る積層鉄心製造方法は、上記発明において、前記接着剤が塗布および/または進展した領域が、前記ダボの中心位置を中心とする半径10mmの円領域および前記ダボの中心位置を中心とし、該中心位置と積層鉄心の端部との間の距離を半径とする円領域のうちの小さい方の領域内であることを特徴とする。
また、本発明に係る積層鉄心製造方法は、上記発明において、前記接着剤の塗布面積は、前記鋼板の面積の50%以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る積層鉄心製造方法は、上記発明において、前記鋼板に形成される複数のダボのうちの80%以上が接着剤で固着されることを特徴とする。
また、本発明に係る積層鉄心製造装置は、複数の鋼板のそれぞれに凸形状のダボを形成し、鋼板同士の該ダボを嵌合させて一体化する積層鉄心製造装置であって、前記鋼板同士のダボを嵌合させる際、前記ダボ同士を接着剤で固着させる手段を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る積層鉄心は、複数の鋼板のそれぞれに凸形状のダボが形成され、鋼板同士の該ダボが嵌合されて一体化した積層鉄心であって、前記鋼板同士のダボが嵌合され、前記ダボ同士が接着剤で固着されていることを特徴とする。
また、本発明に係る積層鉄心は、上記発明において、前記凸形状のダボが鋼板表面から突出する高さが前記鋼板の板厚の105〜400%の範囲内にあることを特徴とする。
また、本発明に係る積層鉄心は、上記発明において、前記接着剤が塗布および/または進展した領域が、前記ダボの中心位置を中心する半径10mmの円領域および前記ダボの中心位置を中心とし、該中心位置と積層鉄心の端部との間の距離を半径とする円領域のうちの小さい方の領域内であることを特徴とする。
また、本発明に係る積層鉄心は、上記発明において、前記接着剤の塗布面積は、前記鋼板の面積の50%以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る積層鉄心は、上記発明において、前記鋼板に形成された複数のダボのうちの80%以上が接着剤で固着されていることを特徴とする。
また、本発明に係る積層鉄心は、上記発明において、前記鋼板の板厚が0.25mm以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る積層鉄心は、上記発明において、直径または最大長が100mmより大きいことを特徴とする。
本発明によれば、高い剥離強度と剛性とを有する積層鉄心を得ることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層鉄心製造装置の概略構成を示す模式 図である。 図2は、本実施の形態の積層鉄心のダボの短辺方向の断面を示す模式図であ る。 図3は、本実施の形態のダボ周辺各部を示す模式図である。 図4は、本実施の形態の接着剤の塗布・進展領域を示す模式図である。 図5は、本実施例の剥離強度測定に用いる本発明例の鉄心材の概略構成を示 す模式図である。 図6は、本実施例の剥離強度測定に用いる比較例の鉄心材の概略構成を示す 模式図である。 図7は、本実施例の剥離強度試験に用いる積層鉄心の概略構成を示す模式図 である。 図8は、本実施例の鉄心材の板厚ごとの本発明例と比較例との剥離強度比を 示す図である。 図9は、本実施例の鉄心材のダボ高さごとの本発明例と比較例との剥離強度比を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層鉄心製造装置の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、積層鉄心製造装置は、金型1と、カシメパンチ2と、接着剤吐出口3とを備える。金型1は、下型11と上型12を備える。下型11には、ダイ穴4が形成され、接着剤吐出口3が配置されている。上型12には、締結用突起5が形成され、カシメパンチ2が昇降可能に配置されている。カシメパンチ2は、先端部の長辺方向の断面がV字状に形成されており、V字状のダボDを形成する。これにより、この積層鉄心製造装置は、Vカシメによる積層鉄心を製造する。
この積層鉄心製造装置において、下型11に形成されたダイ穴4の真上に搬送された鋼板(電磁鋼板)Sが、上型12から下降したカシメパンチ2によってダイ穴4に押し込まれることにより、鋼板Sに下方に凸形状のダボDが形成される。次に、この鋼板SのダボDが接着剤吐出口3の真上に位置するように搬送され、接着剤吐出口3から吐出した接着剤Aが鋼板SのダボDの下方から、ダボDの凸形状の外周に塗布される。次に、鋼板SのダボDが締結用突起5の真下に位置するように搬送され、先に搬送された鋼板Sの上にダボD同士が重なるように積み重ねられ、上方から下降した締結用突起5によって、ダボDが下の鋼板SのダボDに嵌合する。その際、各ダボDの下方から塗布された接着剤Aにより、ダボD同士が固着する。このようにして、鋼板S同士がVカシメおよび接着剤Aの併用により締結される。
このようにして、接着剤AでダボDの内部(積層上下のダボDの内外周)が固着された場合、固着された部位に加わる応力の方向が引張(剥離)方向から剪断方向になることや、ダボDでの剥離の起点の生成が抑制されることなどから、製造された積層鉄心の剥離強度が高くなる。
図2は、締結された鋼板SのダボDの短辺方向の断面を示す模式図である。なお、以下では、図3に示すように、ダボDの周辺各部を、ダボ上面d1、ダボ下面d2、ダボ凸側側面d3、ダボ凹側側面d4、鋼板上面c1、鋼板下面c2と称する。図2に示すように、鋼板S1および鋼板S2のブロックと、鋼板S3より下方のブロックとが剥離しようとする場合、鋼板S2と鋼板S3との間に図2に矢印で示す剥離力f1が働く。また、対向するダボ凸側側面d3とダボ凹側側面d4とが接着剤Aにより固着されることにより、ダボDの側面(ダボ凸側側面d3、ダボ凹側側面d4)に充填された接着剤Aに、図2に矢印で示す剪断力f2が働く。この場合には、ダボ凸側側面d3とダボ凹側側面d4とが固着されずに鋼板S2、S3同士が剥離しようとする場合より、剥離強度が増すと考えられる。
このように、本発明では、図3に示すダボ凹側側面d4およびダボ凸側側面d3に接着剤が付着し、カシメ締結状態において対向するダボ凹側側面d4とダボ凸側側面d3とが固着されていることが重要である。したがって、本発明はVカシメに適用し、鋼板表面から突出するダボの高さを鋼板の板厚の105〜400%の範囲内とすることが好ましい。これは、Vカシメの深さが鋼板の板厚を超えた場合、ダボの側面が完全に破断・分離した部分(図3におけるダボ側面空隙部)が生じ、この部分に接着剤が浸透・固化することによって、鋼板と接着剤との結合が高まり、剥離強度が増加するためである。
また、鉄心内部に接着剤が広がる領域はダボを中心とする限定された部分とすることが好ましい。これは、接着剤が広範囲に広がった場合、鉄心の端部から接着剤が浸み出して金型に付着してトラブルを発生するおそれがあるためである。一方、接着剤が鉄心の端部まで達しない場合であっても接着剤の塗布領域が広い(接着剤の塗布量が多い)と、多くの薬剤を使用するためにコストが上昇するだけでなく、積層間の空隙高さが不均一となり、鉄心の寸法精度が不良となりやすい。これらの観点から、図4(a),(b)に示すように、接着剤が塗布および/または進展した領域は、ダボDの中心位置を中心とする半径10mmの円領域R1内(図4(a))およびダボDの中心位置を中心とし、ダボDの中心位置と鉄心S1の端部との間の距離を半径とする円領域R2内(図4(b))のうちの小さい方の領域内とすることが望ましい。より望ましくは、接着剤が塗布および/または進展した領域は、ダボDの中心位置を中心とする半径10mmの円領域R1内(図4(a))およびダボDの中心位置を中心とし、ダボDの中心位置と鉄心S1の端部との間の距離から0.5mmを減算した値を半径とする円領域R3内(図4(c))のうちの小さい方の領域内とする。
ここで、接着剤Aを鋼板Sの全面に塗布すると、前述したように、鋼板の全面に必要最低量の接着剤Aを均一に塗布することに種々の困難が伴ううえに、接着剤Aによる鋼板S面間の固着力が強固なため、カシメを併用する効果が現れにくい。したがって、本発明では、ダボD位置を含む積層鉄心の面積の50%以下の部分に接着剤Aを塗布する。なお、必ずしも個々のダボDの内部の空隙の全てが接着剤Aで充填されている必要はない。また、積層鉄心全体の80%以上のダボDに対して接着剤Aが塗布されていればよい。
以上、説明したように、本実施の形態の積層鉄心製造方法および積層鉄心製造装置によれば、必要最低限の接着剤を使用して、ダボDの内部が接着剤Aにより固着された積層鉄心を製造することができる。これにより、ダボD同士の嵌合の摩擦力のみで締結された積層鉄心より、高い剥離強度と剛性とを有する積層鉄心を得ることできる。
また、実施の形態の積層鉄心製造方法および積層鉄心製造装置によれば、接着剤Aの塗布は締結用突起5の反対面としたので、金型1に接着剤Aが付着することによるトラブルを防止できる。
また、特に板厚が0.25mm以下の薄い鋼板Sを使用して製造された積層鉄心では、ダボD位置の強度が低下するため剥離強度が低下するが、本実施の形態の積層鉄心製造方法および積層鉄心製造装置によれば、剥離強度を向上させることが可能である。
なお、本発明は、上記したVカシメの他、丸みを帯びた凸形状のダボDによる丸カシメなど、通常のいずれのカシメ方法にも適用可能である。
また、本発明により製造された積層鉄心は、直径(もしくは最大長)が100mmを超えるような大きな鉄心に有効である。これは、鉄心の外径が大きいと、鉄心に局部的な応力が作用した場合に、作用点から締結点までの距離が長くなるため剥離力として作用するトルクが大きくなり、鉄心材の剥離が起こりやすく、かつ、鉄心の剛性低下に伴う変形量も大きくなるからである。
また、本発明により製造された積層鉄心は、モータや発電機用の鉄心にも適している。モータや発電機用の鉄心は、電磁振動による騒音が大きく、かつ振動に耐えて長期の信頼性が必要とされ、強い締結力が求められるからである。
上記実施の形態は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、仕様などに応じて種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施の形態が可能であることは上記記載から自明である。
[実施例]
本実施例では、表1に示す板厚の電磁鋼板を鉄心材に用いて、本発明例として、図1に示す積層鉄心製造装置を用いて、図5に示すモータコア(直径120mmのステータコア)を製造し、剥離強度を測定した。図5に長方形で示す位置にダボDを形成し、ダボDの周囲に丸で示す接着剤Aの塗布領域の面積の、鉄心材の面積に対する面積率を算定した。なお、ダボの高さは表1に示すような種々の条件とした。また、比較例として、図6に示すモータコアを製造し、同様に剥離強度を測定した。図6に示す比較例のモータコアは、図5に示す本発明例のモータコアとは、同量の接着剤Aが、ダボD位置から離れた丸で示す位置に塗布されている点のみが異なる。図5および図6に示す鉄心の積層方向の高さは50mmとした。剥離強度として、図7に矢印で示すように、鉄心(モータコア)を軸方向に平行に引っ張って、剥離が生じたときの力を測定した。
表1は、鉄心材の板厚ごとの剥離強度の測定結果を示す。また、図8は、鉄心材の板厚ごとの本発明例と比較例との剥離強度比を、図9は、ダボ高さごとの本発明例と比較例との剥離強度比を示す。表1に示すように、本発明例では、接着剤の塗布領域の面積率が同じ場合に、ダボD位置から離れた位置に接着剤を塗布した比較例より、高い剥離強度が得られることが確認された。また、図8に示すように、板厚が0.25mm以下の鋼板を用いた場合や、図9に示すように、ダボ高さが板厚比で105%以上の場合に、特に剥離強度比が高く、高い効果が得られることが確認された。
Figure 2015164389
1 金型
11 下型
12 上型
2 カシメパンチ
3 接着剤吐出口
4 ダイ穴
5 締結用突起
S 鋼板(電磁鋼板)
D ダボ
A 接着剤

Claims (14)

  1. 複数の鋼板のそれぞれに凸形状のダボを形成し、鋼板同士の該ダボを嵌合させて一体化する積層鉄心製造方法であって、
    前記鋼板同士のダボを嵌合させる際、前記ダボ同士を接着剤で固着させるステップを含むことを特徴とする積層鉄心製造方法。
  2. 前記凸形状のダボを鋼板表面から突出させる際のダボの高さが前記鋼板の板厚の105〜400%の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の積層鉄心製造方法。
  3. 前記接着剤は、前記ダボを嵌合させる前に前記ダボの凸形状の外周に塗布されることを特徴とする請求項1または2に記載の積層鉄心製造方法。
  4. 前記接着剤が塗布および/または進展した領域が、前記ダボの中心位置を中心とする半径10mmの円領域および前記ダボの中心位置を中心とし、該中心位置と積層鉄心の端部との間の距離を半径とする円領域のうちの小さい方の領域内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層鉄心製造方法。
  5. 前記接着剤の塗布面積は、前記鋼板の面積の50%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層鉄心製造方法。
  6. 前記鋼板に形成される複数のダボのうちの80%以上が接着剤で固着されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層鉄心製造方法。
  7. 複数の鋼板のそれぞれに凸形状のダボを形成し、鋼板同士の該ダボを嵌合させて一体化する積層鉄心製造装置であって、
    前記ダボを嵌合させる際、前記鋼板同士の該ダボを接着剤で固着させる手段を備えることを特徴とする積層鉄心製造装置。
  8. 複数の鋼板のそれぞれに凸形状のダボが形成され、鋼板同士の該ダボが嵌合されて一体化した積層鉄心であって、
    前記鋼板同士のダボが嵌合され、前記ダボ同士が接着剤で固着されていることを特徴とする積層鉄心。
  9. 前記凸形状のダボが鋼板表面から突出する高さが前記鋼板の板厚の105〜400%の範囲内にあることを特徴とする請求項8に記載の積層鉄心。
  10. 前記接着剤が塗布および/または進展した領域が、前記ダボの中心位置を中心とする半径10mmの円領域および前記ダボの中心位置を中心とし、該中心位置と積層鉄心の端部との間の距離を半径とする円領域のうちの小さい方の領域内であることを特徴とする請求項8または9に記載の積層鉄心。
  11. 前記接着剤の塗布面積は、前記鋼板の面積の50%以下であることを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の積層鉄心。
  12. 前記鋼板に形成された複数のダボのうちの80%以上が接着剤で固着されていることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の積層鉄心。
  13. 前記鋼板の板厚が0.25mm以下であることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の積層鉄心。
  14. 直径または最大長が100mmより大きいことを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の積層鉄心。
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