JP2015164248A - 入出力回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】出力動作時も入力回路の動作を止めることができる入出力回路を提供する。【解決手段】入出力ノードBUSと、VDD2とBUS間に直列に接続されたPTr1,PTr2と、GNDとBUS間に直列に接続されたNTr1,NTr2と、BUS信号をVDD2よりも小さくGNDよりも大きい第1バイアス電圧に制限する第1降圧部PTr5と、BUS信号を第1バイアス電圧よりも小さくGNDよりも大きい第2バイアス電圧に制限する第2降圧部NTr5と、第1反転部NAND1と、第2反転部NAND2と、第1端子がPTr1のゲート端子と第1反転部に接続切り替え可能で、第2端子がNTr2のゲート端子に接続される第1容量C6と、第3端子がNTr1のゲート端子と第2反転部に接続切り替え可能で、第4端子がNTr2のゲート端子に接続される第2容量C7と、を有し、入力時と出力時で第1および第3端子の接続を切り替える。【選択図】図13
Description
開示の技術は、低耐圧トランジスタにより形成した高電圧の入出力回路に関する。
近年、半導体装置においては、インターフェース(I/F)部の高速化・低電圧化が進み、それに伴い、先端に属するプロセスほどトランジスタは、対応可能な電圧が低下する傾向にある。しかし、先端に属さないI/Fの規格には、高電圧を要するものが大多数を占める。そのため、先端プロセスで製造した低耐圧トランジスタで形成した入出力回路で、高電圧の出力を行うが、耐圧が不足するという状況が生じる。
そこで、低耐圧のトランジスタをカスコード接続して、トランジスタに印加される電圧を分散することにより、低耐圧のトランジスタを使用して高電圧の入出力回路を形成することが行われる。このような入出力回路では、レベルシフトした駆動信号を一部のトランジスタのゲートに印加すると共に、他のトランジスタのゲートにはバイアス電圧を印加する。
入出力回路では、駆動信号および入出力ノードからのノイズがバイアス電圧に影響し、バイアス電圧を変動させる。バイアス電圧が変動すると、トランジスタに印加される電圧が耐圧を超えて、トランジスタが破壊される場合がある。
このような入出力回路で、高周波動作を行う場合、入出力端子から見えるPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタの素子サイズを大きくする。そのため、トランジスタのゲート−ドレイン間容量も連動して大きくなり、その容量を介して入出力端子のAC変動成分が、バイアス電圧のノードへ大きく影響する。そのため、バイアス電圧が変動し、この変動が大きいと、耐圧保障ができなくなる。
そこで、バイアス電圧の信号線と基準電圧源(GND)の間にバイパス容量を接続して、雑音によるバイアス電圧の変動を抑制することが行われる。しかし、一般的にLSI内で使用する容量は、LSIのサイズを大きくするため、大きな容量を設けるとサイズが大きくなり、サイズを小さくすると、容量が小さくなり、ノイズを十分に低減できない。
入出力回路は、入出力端子(ノード)に信号を出力する出力動作と、入出力端子に外部から信号が印加される入力動作と、を行う。出力回路について、バイアス電圧の信号線と駆動信号の信号線間に容量を接続し、バイアス電圧の変動を抑制することが提案されている。
先行技術では、出力動作時も入力回路をオンし続ける必要があるため、入力回路をオフとする必要がある場合に対処することができないという問題があった。
実施形態によれば、そのような場合においても入力回路をオフとすることが可能となる回路が開示される。
実施形態によれば、そのような場合においても入力回路をオフとすることが可能となる回路が開示される。
第1の態様の入出力回路は、第1PMOSトランジスタと、第2PMOSトランジスタと、第1NMOSトランジスタと、第2NMOSトランジスタと、第1降圧部と、第2降圧部と、第1反転部と、第2反転部と、第1容量と、第2容量と、を有する。第1PMOSトランジスタおよび第2PMOSトランジスタは、高電位側電源と入出力ノードとの間に直列に接続され、第1PMOSトランジスタが高電位側電源の側に接続され、第2PMOSトランジスタが入出力ノード側に接続される。第1NMOSトランジスタおよび第2NMOSトランジスタは、低電位側電源と入出力ノードとの間に直列に接続され、第1NMOSトランジスタが低電位側電源の側に接続され、第2NMOSトランジスタが入出力ノード側に接続される。第1降圧部は、入出力ノードの電圧信号が入力され、電圧信号の振幅の最大値を、高電位電源の電圧よりも小さく低電位側電源よりも大きい第1バイアス電圧に制限する。第2降圧部は、入出力ノードの電圧信号が入力され、電圧信号の振幅の最大値を、第1バイアス電圧よりも小さく低電位側電源よりも大きい第2バイアス電圧に制限する。第1反転部は、第1降圧部の出力信号を反転する。第2反転部は、第2降圧部の出力信号を反転する。第1容量は、第1端子と第2端子とを含み、第1端子が、第1PMOSトランジスタのゲート端子と第1反転部の出力端子の何れかに接続され、第2端子が、第2NMOSトランジスタのゲート端子に接続される。第2容量は、第3端子と第4端子とを含み、第3端子が、第1NMOSトランジスタのゲート端子と第2反転部の出力端子の何れかに接続され、第4端子が、第2PMOSトランジスタのゲート端子に接続される。第2PMOSトランジスタのゲート端子には、第1バイアス電圧が印加され、第2NMOSトランジスタのゲート端子には、第2バイアス電圧が印加される。第1PMOSトランジスタのゲート端子には、第1駆動信号が供給され、第1NMOSトランジスタのゲート端子には、第2駆動信号が供給される。入出力ノードに外部から前記電圧信号が入力される時には、第1容量の第1端子が第1反転部の出力端子に接続され、第2容量の第3端子が第2反転部の出力端子に接続される。入出力ノードから前記電圧信号が出力される時には、第1容量の第1端子が第1PMOSトランジスタのゲート端子に接続され、第2容量の第3端子が第1NMOSトランジスタのゲート端子に接続される。
第2の態様の入出力回路は、第1PMOSトランジスタと、第2PMOSトランジスタと、第1NMOSトランジスタと、第2NMOSトランジスタと、降圧部と、反転部と、第1容量と、第2容量と、を有する。第1PMOSトランジスタおよび第2PMOSトランジスタは、高電位側電源と入出力ノードとの間に直列に接続され、第1PMOSトランジスタが高電位側電源の側に接続され、第2PMOSトランジスタが入出力ノード側に接続される。第1NMOSトランジスタおよび第2NMOSトランジスタは、低電位側電源と入出力ノードとの間に直列に接続され、第1NMOSトランジスタが低電位側電源の側に接続され、第2NMOSトランジスタが入出力ノード側に接続される。降圧部は、入出力ノードの電圧信号が入力され、電圧信号の振幅の最大値を、高電位電源の電圧よりも小さく前記低電位側電源よりも大きいバイアス電圧に制限する。反転部は、降圧部の出力信号を反転する。第1容量は、第1端子と第2端子とを含み、第1端子が、第1PMOSトランジスタのゲート端子と反転部の出力端子の何れかに接続され、第2端子が、第2NMOSトランジスタのゲート端子に接続される。第2容量は、第3端子と第4端子とを含み、第3端子が、第1NMOSトランジスタのゲート端子と反転部の出力端子の何れかに接続され、第4端子が、第2PMOSトランジスタのゲート端子に接続される。第2PMOSトランジスタのゲート端子および第2NMOSトランジスタのゲート端子には、バイアス電圧が印加される。第1PMOSトランジスタのゲート端子には、第1駆動信号が供給され、第1NMOSトランジスタのゲート端子には、第2駆動信号が供給される。入出力ノードに外部から前記電圧信号が入力される時には、第1容量の第1端子および第2容量の第3端子が反転部の出力端子に接続される。入出力ノードから前記電圧信号が出力される時には、第1容量の第1端子が第1PMOSトランジスタのゲート端子に接続され、第2容量の第3端子が、第1NMOSトランジスタのゲート端子に接続される。
第1および第2の態様の入出力回路によれば、小さな容量値の容量で、駆動信号および入出力ノードからのバイアス電圧へのノイズの影響が低減される。さらに、出力動作時には、入力力ノードのバイアス電圧へのフィードバックが不要となるため、入力動作を止めることが可能となる。
実施形態の入出力回路を説明する前に、低耐圧のトランジスタで形成され、高電圧の信号を出力する一般的な出力回路、および実施形態の入出力回路の基礎となる先行技術について説明する。
図1は、一般的な出力回路の構成を示す図である。
図1は、一般的な出力回路の構成を示す図である。
図1の回路は、各トランジスタの耐圧は、電源電圧VDD(例えば、10V)の半分=VDD/2+α(例えば5.5V)が限界で、ドレイン−ソース間にVDD相当の電圧が印加されると破壊されるという前提とする。ここで、出力回路を、VDDとGND(0V)の間にPMOSトランジスタ(以下、PTr)およびNMOSトランジスタ(以下、NTr)を直列に接続した一般的なインバータで構成する場合を考える。この場合、低(L)レベル(GND)出力時にはPTrに、高(H)(VDD)出力時はNTrに、VDD相当の電圧が掛かり、各素子が破壊されることになる。
そこで、出力回路を、図1に示すように形成する。出力回路は、出力部1を有する。出力部1は、高電位側電源端子2と低電位側電源端子3の間に直列に接続された2個のPTr1およびPTr2と、2個のNTr1およびNTr2と、を有する。ここでは、高電位側電源端子2の電圧をVDDとし、低電位側電源端子3の電圧を0V(GND)とする。各トランジスタのチャネルの基板はソースに接続されている。PTr2とNTr2の接続ノードNoutが出力端子outに接続される。
PTr1のゲートは、バッファ(インバータ)4の出力ノードN3に接続され、NTr1のゲートは、バッファ5の出力ノードN4に接続される。バッファ4は、出力ノードN3に出力する信号の電圧が、VDD/2〜VDD間で変化するように制御し、バッファ5は、出力ノードN4に出力する信号の電圧が、GND〜VDD/2間で変化するように制御する。言い換えれば、N3およびN4の信号は、VDD/2およびGNDを電源電圧とする回路で生成された出力信号を、GNDとVDD間の信号にレベル変換した信号である。
PTr2のゲートおよびNTr2のゲートは、バイアス電圧生成回路6の出力ノードN5およびN6に接続される。N5の電圧はVbiasp=VDD/2−Vth、N6の電圧はVbiasn=VDD/2+Vthである。例えば、Vth=0.3Vであり、VDD/2=5.0Vとすると、Vbiasp=4.7V、Vbiasn=5.3Vであり、PTr2およびNTr2は、常時オンとなる。これにより、PTr2は、ノードN1の電位を、VbiaspからVth分だけ高くしたVDD/2に固定する。また、NTr2は、ノードN2の電位を、VbiasnからVth分だけ低くしたVDD/2に固定する。
Nout=0V出力時には、PTr1のソース−ドレイン間には、VDD−VDD/2=VDD/2の電圧が、PTr2のソース−ドレイン間には、VDD/2−0V=VDD/2の電圧が印加され、どちらも耐圧以下である。また、NTr1およびNtr2のソース−ドレイン間は、0Vである。Nout=VDD出力時には、NTr1のソース−ドレイン間には、VDD/2−0V=VDD/2の電圧が、NTr2のソース−ドレイン間には、VDD−VDD/2=VDD/2の電圧が印加され、どちらも耐圧以下である。また、PTr1およびPTr2のソース−ドレイン間は、0Vである。
以上の通り、Noutに0〜VDDで変化する信号を出力しても、出力部1のPTr1およびPTr2と、NTr1およびNTr2が、耐圧不足となることを防止できる。
なお、バイアス電圧生成回路6の出力するバイアス電圧の設定については、トランジスタの耐圧に応じて適宜設定すればよく、バイアスノードを1ラインにまとめて、サイズを小さくしてもよい。
図2は、バイアス電圧生成回路6がノードN7に出力するバイアス電圧を1種類とし、PTr2およびNTr2のゲートに印加するバイアス電圧を、VDD/2とした例である。図2の回路では、例えば、out=0V出力時のノードN1の電位はバイアス電圧+Vth=VDD/2+Vth(例5.3V)となるため、トランジスタの耐圧がこの電位差以上、例えば5.5Vであれば問題ない。NTr1およびNTr2についても同様である。
図1および図2の例では、2個のPTrおよび2個のNTrを直列に接続した例を示したが、出力電圧とトランジスタの耐圧に応じて、3個以上のPTrおよび3個以上のNTrを接続するようにしてもよい。
まず、図2の回路を例として説明を続ける。
まず、図2の回路を例として説明を続ける。
図2の出力回路は、高周波動作を行う場合、出力端子outから見えるPTr2およびNTr2の素子サイズを大きくとることが望ましい。そのため、このトランジスタのゲート−ドレイン間容量も連動して大きくなり、その容量を介してノードNoutのAC変動分がバイアス電圧のノードN7へ無視できない大きさで伝わる。これによりN7の電圧が変動し、この変動が大きいと、ノードN1およびN2の電位も変動し、トランジスタに印加される電圧が耐圧以下であることを保障できなくなる。
そこで、図1の回路では、バイアス電圧生成回路6のバイアス電圧出力ノードN5およびN6とGNDの間にバイパス容量C1およびC2を接続した。また、図2の回路では、バイアス電圧生成回路6のバイアス電圧出力ノードN7とGNDの間にバイパス容量C3を接続した。バイパス容量C3を設けることにより、ノードN7に生じる雑音の振幅を低減する。
バイパス容量C3は、容量値が大きいほど雑音の振幅を低減するが、一般的にLSI内に設ける容量の容量値を大きくするとそのサイズも大きくなるため、サイズインパクトが課題となる。
出力ノードNoutのAC変動は、ノードN3およびN4の駆動信号に連動しており、バイアス電圧出力ノードN7とノードN3およびN4間にそれぞれ、容量を設けて、N7に発生する雑音を低減することが考えられる。
出力ノードNoutのAC変動は、ノードN3およびN4の駆動信号に連動しており、バイアス電圧出力ノードN7とノードN3およびN4間にそれぞれ、容量を設けて、N7に発生する雑音を低減することが考えられる。
図3は、第1先行技術の出力回路の構成と等価回路を示す図であり、(A)は出力回路の構成例を、(B)は等価回路を示す。
図3の(A)に示すように、第1先行技術の出力回路は、図2の出力回路で、ノードN3およびN4とバイアス電圧出力ノードN7間を、それぞれ容量C4およびC5で容量結合(デカップリング)した構成を有する。
図3の(A)に示すように、第1先行技術の出力回路は、図2の出力回路で、ノードN3およびN4とバイアス電圧出力ノードN7間を、それぞれ容量C4およびC5で容量結合(デカップリング)した構成を有する。
出力ノードNoutから出力される出力信号は、ノードN3およびN4の駆動信号の逆相の信号である。そのため、容量C4およびC5により、ノードN3およびN4の駆動信号の変化に応じてノードN7に生じる電圧変化は、NoutからPTr2およびNTr2のゲート−ドレイン間容量を介してN7に生じる電圧変化と逆相であり、互いにキャンセルし合う。従って、容量C4は第1逆相結合キャンセル部として、容量C5は第2逆相結合キャンセル部として機能する。
図3の(A)の出力回路は、出力ノードNoutの電圧変動によりノードN7に生じる電圧変動(雑音)をキャンセルするものであり、図1および図2に示したバイパス容量C1〜C3に比べて容量値が小さくてよい。ただし、電圧変動をキャンセルするものであり、キャンセルの条件を十分に満たさないと、ノードN7に生じる電圧変動を十分に抑制できず、電圧変動が逆に大きくなる場合も起こり得る。
出力ノードNoutからの雑音をキャンセルするため、容量結合する信号は、出力ノードNoutの信号を正相信号とすると、その逆相、すなわち位相180度ずれた信号から、あまり位相がずれていない信号が望ましい。そのため、図3の回路では、ノードN7を、駆動信号が出力されるノードN3およびN4と、容量C4およびC5で容量結合する。このように、図3の回路では、既存回路間を容量結合するだけであり、逆相信号を用意するために新規に回路追加をする必要がない。
次に、図3の出力回路の動作を説明する。
図3の回路では、出力動作時、出力端子outに接続される出力ノードNoutの電位が0V〜VDD間で変化する。このAC変動成分は、出力端子から見えるPTr2およびNTr2のゲート−ドレイン間容量を介して、バイアス電圧出力ノードN7へ伝わる。これとほぼ同じ瞬間、バッファ4およびバッファ5が出力ノードN3およびN4に出力する駆動信号は、「逆相の信号」である。N3およびN4は、ノードN7に対して容量C4およびC5を介した容量結合されているため、出力ノードNoutのAC変動と「逆相の信号」間でキャンセル動作が生じ、N7の電圧変動を抑制する。容量C4およびC5は、PTr2およびNTr2のゲート−ドレイン間容量と同程度の容量値であればよく、バイパスコンデンサを用いる場合よりも少ない容量値でもバイアス電圧出力ノードN7の電圧変動を効果的に抑制する。
図3の回路では、出力動作時、出力端子outに接続される出力ノードNoutの電位が0V〜VDD間で変化する。このAC変動成分は、出力端子から見えるPTr2およびNTr2のゲート−ドレイン間容量を介して、バイアス電圧出力ノードN7へ伝わる。これとほぼ同じ瞬間、バッファ4およびバッファ5が出力ノードN3およびN4に出力する駆動信号は、「逆相の信号」である。N3およびN4は、ノードN7に対して容量C4およびC5を介した容量結合されているため、出力ノードNoutのAC変動と「逆相の信号」間でキャンセル動作が生じ、N7の電圧変動を抑制する。容量C4およびC5は、PTr2およびNTr2のゲート−ドレイン間容量と同程度の容量値であればよく、バイパスコンデンサを用いる場合よりも少ない容量値でもバイアス電圧出力ノードN7の電圧変動を効果的に抑制する。
ここで重要なのは、出力前段Bufferを利用することによって、元の正相信号と「逆相の信号」間の位相ズレをほぼ180度にしていることである。図3でのN7の電圧変動の抑制は、あくまで「キャンセル」であり、結合する信号の位相ズレが大きい場合、出力端子変動による電圧変動が現れる前後に、逆相信号によるキャンセル効果が現れる可能性がある。そのような場合、N7の電圧変動を抑制できず、トランジスタの耐圧保障ができなくなる恐れがある。
ここで、逆相信号により生じるバイアス電圧出力ノードの電圧変動をキャンセルするための条件の算出方法について説明する。
図3の(B)は、図3の(A)の出力回路におけるノードN7の電圧変動に関係する小信号等価回路を示す。
図3の(B)は、図3の(A)の出力回路におけるノードN7の電圧変動に関係する小信号等価回路を示す。
図3の(B)において、Viは、出力ノードNoutよりN7へ伝わるAC変動を示す。V0は、N7におけるAC変動を示す。aは、N1およびN2からN7へ伝わるAC変動の振幅をViとの比率で示す。bは、N3およびN4からN7へ伝わるAC変動の振幅をViとの比率で示す。CGDは、NoutとN7間の寄生容量を示す。CGSは、N1とN7間およびN2とN7間の寄生容量を示す。
図3の(B)の等価回路から、出力ノードNoutからバイアス電圧ノードN7へ伝達する電圧変動(AC変動)を示す伝達関数として、以下の式が求められる。CGDとCGSが等しく、C4とC5が等しいとすると、式の右側のように近似される。
例えば、N7の電圧変動をキャンセルしたい場合、上記の式の分子=0とすればよいので、C4およびC5の容量値はCGDの(a+1)/(2b)倍の値ということになる。なお、ある程度キャンセルすればよい場合は、抑制したい電圧変動の程度に応じて容量値を小さくしてもよく、容量値としてはCGDの(a+1)/(2b)倍以下の値に適宜設定する。
ここで、図2の出力回路との比較のために、図2のバイパスコンデンサC3として、図3の出力回路と同程度の容量値の容量を接続した場合に、どの程度電圧変動を抑制するかを検討する。
前提として、図3の(B)で、a≒b≒0.5であると仮定し、図3の出力回路で電圧変動を完全にキャンセルするための設定、すなわちC4およびC5をCGDの(a+1)/(2b)=1.5倍に設定したとする。また、図2の回路と図3の回路の容量値の比較のため、図3のC4とC5を合わせた容量値と、図2のC3の容量値を同値とする。
この場合、図2の出力回路のノードN7の電圧変動は、次の式で表すことができる。
この場合、図2の出力回路のノードN7の電圧変動は、次の式で表すことができる。
前述の前提より、C3=C4+C5=2×C4、a=0.5としているので、以下の式が導き出され、
これから、出力ノードNoutのAC変動の約0.3倍の変動がバイアス出力ノードN7に伝わることになる。
このように、同じ容量値の容量を用いた場合でも、図2の出力回路ではN7の電圧変動を約0.3倍に抑制できるだけである。これに対して、図3の出力回路では、N7の電圧変動をキャンセルしてほぼゼロに抑制する。
このように、同じ容量値の容量を用いた場合でも、図2の出力回路ではN7の電圧変動を約0.3倍に抑制できるだけである。これに対して、図3の出力回路では、N7の電圧変動をキャンセルしてほぼゼロに抑制する。
図4は、図2の出力回路で各ノードの電圧変動をシミュレーションした結果を示す。
シミュレーションを行った回路定数は以下の通りである。
シミュレーションを行った回路定数は以下の通りである。
VDD=10V、温度=25°C、トランジスタ耐圧=5.5Vである。出力部1のPTr1およびPTr2はW/L=200μm/0.7μm、NTr1およびNTr2はW/L=100μm/0.7μmである。CGDとCGS=約0.157pFである。C3=0.5pFである。図3の回路ではC4=C5=0.25pFである。
図4の(A)では、実線が出力ノードNoutの電圧変動を、破線がノードN7の電圧変動を示す。図4の(B)では、実線がノードN1の電圧変動を、破線がノードN2の電圧変動を示す。図4の(C)では、実線がノードN3の電圧変動を、破線がノードN4の電圧変動を示す。
前述のように、出力ノードNoutの電圧変動の約0.3倍である3Vが、N7に伝達されるが、図4の(A)でもそのようになっており、シミュレーションの結果と一致する。
このため、PTr2およびNTr2のドレイン−ソース間電圧は最大6.5V程度となり、これはトランジスタの耐圧以上の電位差が印加されることを意味するため、このままでは耐圧保障をすることができない。したがって、バイパス容量C3の容量をさらに増加させることになる。
このため、PTr2およびNTr2のドレイン−ソース間電圧は最大6.5V程度となり、これはトランジスタの耐圧以上の電位差が印加されることを意味するため、このままでは耐圧保障をすることができない。したがって、バイパス容量C3の容量をさらに増加させることになる。
図5は、図2の出力回路でバイアス電圧出力ノードの電圧変動をシミュレーションした結果と、図3の出力回路でバイアス電圧出力ノードの電圧変動をシミュレーションした結果の比較を示す。
シミュレーションの条件は、C4=C5=0.25pFとした以外は、図4のシミュレーションの条件と同じである。図5では、実線が図3のノードN7の電圧変動を、破線が図2のノードN7の電圧変動を示す。
前述のように、C4=C5=0.25pFとした容量結合により、Noutからの電圧変動の影響はキャンセルされ、ノードN7の電位は、ほぼ本来のバイアス電圧の目標値=VDD/2(5V)付近を維持される。
以上の通り、第1先行技術の出力回路は、直流特性としては耐圧を満たすことができるが、スイッチングの瞬間に注目してバイアス電圧出力ノードN7の波形では、スパイクにより一瞬だけトランジスタの耐圧を越える電位差に達していることが分かる。スパイクは、主に出力部の前段のバッファの出力波形が急峻であることに起因しており、耐圧の観点からはこのスパイクによる電圧変動も抑制することが望ましい。
図6は、第2先行技術の出力回路の構成を示す図である。
第2先行技術の出力回路は、容量C4とノードN3の間に、抵抗R1とPMOSトランジスタPTr3を並列に接続し、容量C5とノードN4の間に、抵抗R2とNMOSトランジスタNTr3を並列に接続したことが、図3の第1先行技術の出力回路と異なる。言い換えれば、第2先行技術では、第1逆相結合キャンセル部は、並列に接続した抵抗R1およびPMOSトランジスタPTr3と、それらに直列に接続した容量C4と、を有する。また、第2逆相結合キャンセル部は、並列に接続した抵抗R2およびNMOSトランジスタNTr3と、それらに直列に接続した容量C5と、を有する。
第2先行技術の出力回路は、容量C4とノードN3の間に、抵抗R1とPMOSトランジスタPTr3を並列に接続し、容量C5とノードN4の間に、抵抗R2とNMOSトランジスタNTr3を並列に接続したことが、図3の第1先行技術の出力回路と異なる。言い換えれば、第2先行技術では、第1逆相結合キャンセル部は、並列に接続した抵抗R1およびPMOSトランジスタPTr3と、それらに直列に接続した容量C4と、を有する。また、第2逆相結合キャンセル部は、並列に接続した抵抗R2およびNMOSトランジスタNTr3と、それらに直列に接続した容量C5と、を有する。
以下、第2先行技術の出力回路の動作を説明する。
一般的に、出力部の前段のバッファ4および5の出力信号は、出力部における貫通電流抑制のために、PTr1およびNTr1が同時にオンしないように、駆動信号によるゲート制御タイミングを意図的にずらしている。出力ノードNoutの電位が高(H)に立ち上がる信号の場合、N4の電位を低(L)としてNTr1をオフ(遮断)した後、N5をLとしてPTr1をオン(導通)させる。そのため、波形の時系列としては、N4の電位の急峻な立ち下り、N3の電位の緩やかな立ち下り、出力ノードNoutの緩やかな立ち上がり、という順序となる。これにより、各ノードの電圧信号間には僅かながら位相のズレ、すなわち、N4とNout間の位相ズレは180度+α、N3とNout間の位相ズレはほぼ180度となる。
一般的に、出力部の前段のバッファ4および5の出力信号は、出力部における貫通電流抑制のために、PTr1およびNTr1が同時にオンしないように、駆動信号によるゲート制御タイミングを意図的にずらしている。出力ノードNoutの電位が高(H)に立ち上がる信号の場合、N4の電位を低(L)としてNTr1をオフ(遮断)した後、N5をLとしてPTr1をオン(導通)させる。そのため、波形の時系列としては、N4の電位の急峻な立ち下り、N3の電位の緩やかな立ち下り、出力ノードNoutの緩やかな立ち上がり、という順序となる。これにより、各ノードの電圧信号間には僅かながら位相のズレ、すなわち、N4とNout間の位相ズレは180度+α、N3とNout間の位相ズレはほぼ180度となる。
前述のように、逆相信号によるバイアスノード揺れのキャンセルを考える場合、使用する「逆相の信号」は元の正相信号に対し、位相180度からあまり位相がずれていない信号が望ましい。そのため、後者のN3とNout間の位相ズレならば、N3の信号をそのまま容量結合しても問題はないが、前者のN4とNout間は理想的な状態ではない。すなわち、N4とNout間は、N4が一瞬早く変動してしまう。そのため、そのまま「逆相の信号」として利用すると、図5に示した通り、スイッチングの瞬間に一瞬早くキャンセル動作をしてしまい、バイアス電圧出力ノードN7にスパイクを発生させる要因となる。
そこで、第2先行技術の出力回路では、ノードN3とバイアス電圧出力ノードN7の間に接続する第1逆相結合キャンセル部を、並列に接続した抵抗R1およびPMOSトランジスタPTr3と、それらに直列に接続した容量C4と、で形成する。PTr3のゲートは、ノードN1に接続される。また、ノードN4とバイアス電圧出力ノードN7の間に接続する第2逆相結合キャンセル部を、並列に接続した抵抗R2およびNMOSトランジスタNTr3と、それらに直列に接続した容量C5と、で形成する。NTr3のゲートは、ノードN2に接続される。
第2先行技術では、PTr3およびNTr3のゲートの制御信号として、出力回路自身の信号をフィードバックする形で利用することで、第1および第2逆相結合キャンセル部のインピーダンスを調整する。これにより、ノードN3およびN4の駆動信号が、ノードN7へ伝達されるタイミングを適宜調整する制御を行う。
出力ノードNoutがLからHに立ち上がる場合を説明する。
まず、N3からN7へのAC変動伝達に着目した場合、先述の通りN3とNout間の位相ズレはほぼ180度であるため、C4による容量結合におけるタイミング調整は不要であり、N3とC4間の抵抗成分はほぼ無い状態とすることが望ましい。第2先行技術では、この状態を、PTr3をオンすることにより実現する。すなわち、出力の瞬間におけるN1の電位の遷移はVDD/2+VthからVDDへと変化し、連動してPTr3は、オンからオフへと遷移するため、出力の瞬間に於いてはN3とC4間の抵抗成分はほぼなくなる。
まず、N3からN7へのAC変動伝達に着目した場合、先述の通りN3とNout間の位相ズレはほぼ180度であるため、C4による容量結合におけるタイミング調整は不要であり、N3とC4間の抵抗成分はほぼ無い状態とすることが望ましい。第2先行技術では、この状態を、PTr3をオンすることにより実現する。すなわち、出力の瞬間におけるN1の電位の遷移はVDD/2+VthからVDDへと変化し、連動してPTr3は、オンからオフへと遷移するため、出力の瞬間に於いてはN3とC4間の抵抗成分はほぼなくなる。
同様に、N4からN7へのAC変動伝達については、C5による容量結合におけるタイミング調整が必要であり、N4とC5間の抵抗成分にて調整する。この調整は、第2抵抗R2とNTr3により実現される。すなわち、出力の瞬間におけるN2の電位の遷移は0VからVDD/2−Vthであり、連動してNTr3は、オフからオンへと遷移するため、出力の瞬間においては、N4とC5間の抵抗成分はほぼR2となり、これによりタイミング調整が行われる。
出力ノードNoutがHからLに立ち下がる場合は、逆の動作を行うので説明は省略する。
以上の一連の動作により、バイアス電圧出力ノードN7への容量結合タイミングを調整して、位相のずれた前段のバッファ4および5の出力を逆相信号として利用しても、電圧変動のキャンセル時に発生するスパイクを抑制する。
以上の一連の動作により、バイアス電圧出力ノードN7への容量結合タイミングを調整して、位相のずれた前段のバッファ4および5の出力を逆相信号として利用しても、電圧変動のキャンセル時に発生するスパイクを抑制する。
図7は、第2先行技術の出力回路で各ノードの電圧変動をシミュレーションした結果を示す。
シミュレーションを行った回路定数は以下の通りである。
シミュレーションを行った回路定数は以下の通りである。
VDD=10V、温度=25°C、トランジスタ耐圧=5.5Vである。出力部1のPTr1およびPTr2はW/L=200μm/0.7μm、NTr1およびNTr2はW/L=100μm/0.7μmである。CGDとCGS=約0.16pFである。C4=C5=0.25pFであり、合わせた容量値はCGSの約1.5倍である。
図7の(A)では、実線が出力ノードNoutの電圧変動を、破線がノードN7の電圧変動を示す。図7の(B)では、実線がノードN1の電圧変動を、破線がノードN2の電圧変動を示す。図7の(C)では、実線がノードN3の電圧変動を、破線がノードN4の電圧変動を示す。
図7で、バッファ4および5の出力ノードN3およびN4の波形に着目すると、前述の通り、出力NoutがLからHに立ち上がる時は、N5が急峻に立ち下り、N4が緩やかに立ち下る。出力NoutがHからLに立ち下る時は、N3が急峻に立ち上がり、N4が緩やかに立ち上がる。立ち上がり・立ち下がりが急峻となる一方のノードが、他方の容量結合ノードと比較して一瞬早い変動をするため、何も対策をしないと、図5に示すように、バイアス電圧出力ノードN7にスパイクが発生する。しかし、第2先行技術においては、Noutの立ち上がり時は、N4が急峻に立ち下る瞬間にN2が0VとなりNTr3がオフに制御されるため、抵抗R2によりN4によるN7への結合が緩やかになる。また、Noutの立ち下がり時は、N3が急峻に立ち上がる瞬間にN1がVDDとなりPTr3がオフに制御されるため、抵抗R1によりN3のN7への結合が緩やかになる。これにより、N3およびN4の急峻な変動によるスパイクの発生が抑制される。
図8は、スパイク抑制効果をより明確に示すために、第1先行技術と第2先行技術のバイアス電圧出力ノードN7の電圧変動のシミュレーション結果を合わせて示す図であり、実線が第1先行技術の場合を、破線が第2先行技術の場合を示す。言い換えれば、図8は、図5の実線に、第2先行技術のシミュレーション結果を重ねて示す図である。
図8から、第2先行技術では、第1先行技術に比べて、スイッチング時のスパイクが大幅に抑制されていることが確認される。
図8から、第2先行技術では、第1先行技術に比べて、スイッチング時のスパイクが大幅に抑制されていることが確認される。
図9は、第3先行技術の出力回路の構成を示す図である。
第3先行技術の出力回路は、2個のバイアス電圧出力ノードN5およびN6を有する出力回路において、N3とN6間に容量C6を、N4とN5間に容量C7を接続したものである。言い換えれば、第3先行技術の出力回路は、2個のバイアス電圧出力ノードを有する図1の出力回路に、第1先行技術の構成を適用した例である。
第3先行技術の出力回路は、2個のバイアス電圧出力ノードN5およびN6を有する出力回路において、N3とN6間に容量C6を、N4とN5間に容量C7を接続したものである。言い換えれば、第3先行技術の出力回路は、2個のバイアス電圧出力ノードを有する図1の出力回路に、第1先行技術の構成を適用した例である。
一般に、バイアス電圧出力ノードを別々に設けるのは、多くの場合、素子耐圧制約が厳しい場合であると考えられる。一般に容量もトランジスタと同じプロセスで製造されるために、容量の耐圧もトランジスタと同程度である。例えば、図9では、トランジスタの耐圧がVDD/2である場合で、結合容量は、各バイアス電圧出力ノードに対して、ノードとの電位差が小さい前段のバッファの出力ノードとの間にだけ設ける。図9の第3先行技術の出力回路では、ノードN5のバイアス電圧がVDD/2−Vthであり、ノードN6のバイアス電圧がVDD/2+Vthである。ノードN3の駆動信号は、VDD/2〜VDDの間で変化し、ノードN4の駆動信号は0〜VDD/2の間で変化する。したがって、N5とN4の間の最大電位差はVDD/2−Vth程度であり、容量C7を接続することができる。同様に、N3とN6の間の最大電位差はVDD/2−Vth程度であり、容量C6を接続することができる。
第3先行技術の基本的な動作は、第1先行技術と同じなので、説明は省略する。
第3先行技術の出力回路において、容量C6およびC7の望ましい容量値は、第1先行技術と同様の計算式より求めることができる。ただし、図3の(B)において、片側のバイアス電圧出力ノードN7における電圧変動に関わる成分を除外する。例えば、ノードN5については、N4との結合容量C7のみとし、N3との結合容量を設けない。この場合の等価回路による伝達関数は、以下の式が求められ、CGDとCGSがほぼ等しいとすると、式の右側のように近似される。
第3先行技術の出力回路において、容量C6およびC7の望ましい容量値は、第1先行技術と同様の計算式より求めることができる。ただし、図3の(B)において、片側のバイアス電圧出力ノードN7における電圧変動に関わる成分を除外する。例えば、ノードN5については、N4との結合容量C7のみとし、N3との結合容量を設けない。この場合の等価回路による伝達関数は、以下の式が求められ、CGDとCGSがほぼ等しいとすると、式の右側のように近似される。
従って、電圧変動をキャンセルしたい場合、C6およびC7の容量値は、CGDの(a+1)/b倍の値ということになる。なお、ある程度キャンセルすればよい場合は、抑制したい電圧変動の程度に応じて容量値を小さくしてもよく、容量値としてはCGDの(a+1)/b倍以下の値に適宜設定する。
図10は、第4先行技術の出力回路の構成を示す図である。
第4先行技術の出力回路は、第3先行技術の出力回路に、第2先行技術の第1および第2逆相結合キャンセル部の構成、すなわち並列に接続した抵抗とトランジスタを、結合容量と駆動信号のノード間に接続する構成を適用した例である。
第4先行技術の出力回路は、第3先行技術の出力回路に、第2先行技術の第1および第2逆相結合キャンセル部の構成、すなわち並列に接続した抵抗とトランジスタを、結合容量と駆動信号のノード間に接続する構成を適用した例である。
第4先行技術の出力回路の基本動作は、第2先行技術と同様に、逆相信号が急峻に入るタイミングを、PTr3と抵抗R1の組およびNTr3と抵抗R2の組で、トランジスタをオン・オフにより抵抗を接続するか否かで調整する。これにより、バイアス電圧出力ノードN5およびN6において発生するスパイクを抑制する。
図11は、第5先行技術の出力回路の構成を示す図であり、(A)は出力回路の構成を、(B)は等価回路を示す。
図11に示すように、第5先行技術の出力回路は、図2の出力回路で、出力ノードNoutが、入出力用のバス端子BUSに接続され、NMOSトランジスタNTr4と、リエントリー入力初段バッファ7と、容量C8と、をさらに設けた回路である。NTr4のソースは、Noutに接続され、ゲートにはVx+Vthが印加され、ドレインがリエントリー入力初段バッファ7の入力に接続される。リエントリー入力初段バッファ7は、電圧VxとGND(0V)を電源として動作する。容量C8は、リエントリー入力初段バッファ7の出力ノードN8とノードN7の間に接続される。
図11に示すように、第5先行技術の出力回路は、図2の出力回路で、出力ノードNoutが、入出力用のバス端子BUSに接続され、NMOSトランジスタNTr4と、リエントリー入力初段バッファ7と、容量C8と、をさらに設けた回路である。NTr4のソースは、Noutに接続され、ゲートにはVx+Vthが印加され、ドレインがリエントリー入力初段バッファ7の入力に接続される。リエントリー入力初段バッファ7は、電圧VxとGND(0V)を電源として動作する。容量C8は、リエントリー入力初段バッファ7の出力ノードN8とノードN7の間に接続される。
第5先行技術では、リエントリー入力初段バッファ7の出力を「逆相の信号」としてN7へ容量結合する。「逆相の信号」がリエントリー入力初段バッファ7の出力を利用している点を除けば、基本構成および動作は、第1先行技術と同じである。リエントリー入力初段バッファ7は、他のトランジスタと同じプロセスで製造されており、ゲート耐圧が低い。そのため、降圧素子としてNTr4を設けている。第5先行技術は、リエントリー入力初段バッファ7を0〜Vxの電源(例えば、Vx=VDD/2)で動作させる場合を想定している。そのため、降圧素子NTr4のゲートにVx+Vthの電位を与えることで、リエントリー入力初段バッファ7に入る信号を0〜Vx間に制限している。
第1から第4先行技術と同様に、位相ズレがほとんどない状態で逆相信号を容量結合して利用することで、少ない容量値でバイアス電圧出力ノードの電圧変動抑制効果が実現できる。
また、第1から第4先行技術が、出力回路の前段のバッファの出力信号を利用している場合のみに実施可能であるのに対して、第5先行技術の構成は入力信号が印加される入出力回路にも適用可能という汎用性の高さを有する。
また、第1から第4先行技術が、出力回路の前段のバッファの出力信号を利用している場合のみに実施可能であるのに対して、第5先行技術の構成は入力信号が印加される入出力回路にも適用可能という汎用性の高さを有する。
第5先行技術でバイアス電圧出力ノードの電圧変動をキャンセルするのに適した容量C8の容量値は、第1から第2先行技術で説明したのと同様の計算式より求めることができる。
図11の(A)の出力回路の等価回路は図11の(B)のようになる。この等価回路より、第5先行技術における入出力端子等からバイアス電圧出力ノードN7へ伝達する「電圧変動」は、以下の伝達関数が求めることができ、CGDとCGSが等しいとすると、式の右側のように近似される。
図11の(A)の出力回路の等価回路は図11の(B)のようになる。この等価回路より、第5先行技術における入出力端子等からバイアス電圧出力ノードN7へ伝達する「電圧変動」は、以下の伝達関数が求めることができ、CGDとCGSが等しいとすると、式の右側のように近似される。
従って、電圧変動をキャンセルしたい場合、C8の容量値は、CGDの(a+1)/b倍の値(a=b=0.5であれば、3倍)ということになる。なお、ある程度キャンセルすればよい場合は、抑制したい電圧変動の程度に応じて容量値を小さくしてもよく、容量値としてはCGDの(a+1)/b倍以下の値に適宜設定する。
図12は、第6先行技術の出力回路の構成を示す図である。
第6先行技術の出力回路は、2個のバイアス電圧出力ノードN5およびN6を有する出力回路に、第5先行技術のリエントリー入力初段バッファの出力を「逆相の信号」としてN7へ容量結合する構成を適用したものである。
第6先行技術の出力回路は、2個のバイアス電圧出力ノードN5およびN6を有する出力回路に、第5先行技術のリエントリー入力初段バッファの出力を「逆相の信号」としてN7へ容量結合する構成を適用したものである。
図12に示すように、第6先行技術の出力回路は、図1の出力回路で、出力ノードNoutが入出力用のバス端子BUSに接続される。さらに、第6先行技術の出力回路は、PMOSトランジスタPTr5と、NMOSトランジスタNTr5と、リエントリー入力初段バッファ8および9と、容量C9およびC10と、をさらに設けた回路である。PTr5のソースは、Noutに接続され、ゲートにはVDD/2−Vthが印加され、ドレインがリエントリー入力初段バッファ9の入力に接続される。NTr5のソースは、Noutに接続され、ゲートにはVDD/2+Vthが印加され、ドレインがリエントリー入力初段バッファ8の入力に接続される。リエントリー入力初段バッファ9は、電圧VDDとVDD/2を電源として動作する。リエントリー入力初段バッファ8は、電圧VDD/2とGND(0V)を電源として動作する。容量C9は、リエントリー入力初段バッファ8の出力ノードN9とノードN5の間に接続される。容量C10は、リエントリー入力初段バッファ9の出力ノードN10とノードN6の間に接続される。
第6先行技術では、第3および第4先行技術と同様に、結合容量C9およびC10を配置する場合、素子耐圧制約(図12では、VDD/2)を満たす必要があるため、各バイアス電圧出力ノードにリエントリー入力初段バッファ8および9を用意している。第6先行技術では、バイアス電圧出力ノードN5の電位はVDD/2−Vthであり、出力ノードN9の電位を0〜VDD/2で変化させるリエントリー入力初段バッファ8を用意して、N9とN5を容量C9で接続する。また、バイアス電圧出力ノードN6の電位はVDD/2+Vthであり、出力ノードN10の電位をVDD/2〜VDDで変化させるリエントリー入力初段バッファ9を用意して、N10とN6を容量C10で接続する。これにより、容量C9およびC10に印加される最大電位差をVDD/2−Vth程度に抑制し、素子耐圧違反を避けるよう設定している。また、降圧素子NTr5およびPTr5を用意して、各リエントリー入力初段バッファのゲートに対する信号が、動作電源と同じ電圧範囲の信号となるように制御している。具体的には、0〜VDD/2で動作する信号経路に対しては、NTr5のゲートにVDD/2+Vthを与えることで、また、VDD/2〜VDDで動作する信号経路に対しては、PTr5のゲートにVDD/2−Vthを与えることで実現している。
第6先行技術の動作は、第5先行技術を同じであるため、説明は省略する。
また、第6先行技術で、電圧変動をキャンセルするのに適した容量C9およびC10の容量値は、第5先行技術の計算式と同様であり、C9およびC10の容量値は、CGDの(a+1)/b倍の値(a=b=0.5であれば、3倍)ということになる。なお、ある程度キャンセルすればよい場合は、抑制したい電圧変動の程度に応じて容量値を小さくしてもよく、容量値としてはCGDの(a+1)/b倍以下の値に適宜設定する。
また、第6先行技術で、電圧変動をキャンセルするのに適した容量C9およびC10の容量値は、第5先行技術の計算式と同様であり、C9およびC10の容量値は、CGDの(a+1)/b倍の値(a=b=0.5であれば、3倍)ということになる。なお、ある程度キャンセルすればよい場合は、抑制したい電圧変動の程度に応じて容量値を小さくしてもよく、容量値としてはCGDの(a+1)/b倍以下の値に適宜設定する。
以上説明したように、先行技術によれば、バイアス電圧出力ノードと、電源(高電位電源、GND)等との間にバイパスコンデンサを配置するよりも、小さい容量値でバイアス電圧出力ノードの電圧変動を抑制できる。
また、先行技術によれば、容量を付加するのみで、電圧変動を抑制でき、新規に回路追加をする必要がない。
また、先行技術によれば、容量を付加するのみで、電圧変動を抑制でき、新規に回路追加をする必要がない。
次に、実施形態の入出力回路を説明する。実施形態の入出力回路は、上記の先行技術に基づくものであり、先行技術の説明が適用される。まず、先行技術の出力回路を入出力回路に適用する場合の問題について説明する。
前述のように、第1から第4先行技術の出力回路は、出力動作のみを行う回路に適用可能で、入出力ノードに接続されると、対向デバイスからの入力動作を想定する必要があり、耐えられない場合が生じる。これに対して、図11および図12に示した第5および第6先行技術の出力回路は、入出力ノードに接続され、入力動作時にも動作可能であるという利点がある。この点についてさらに詳しく説明する。
例えば、図6に示した第2先行技術の出力回路が入出力ノードに接続されて使用され、out端子が繋がる先、すなわち対向デバイスICから入力信号が入ってくる場合を想定する。out端子が入力信号に対して逆極性の信号を出していた場合、バスコンフリクトを引き起こして大電流を流し続けることとなり、回路劣化を加速し、最悪破壊される可能性がある。そこで、バスコンフリクトを避けるために、N3=HとしてPTr1をオフし、N4=LとしてNTr1をオフするように制御し、out端子は出力オフ状態、すなわちHiz(ハイインピーダンス)とする。
この時、バイアスノードN7については、PTr1、PTr2、NTr1およびNTr2にかかる電圧がトランジスタ耐圧より小さいことを守り続けるために、継続してバイアス電圧を与え続ける。仮に、out端子に高(High)信号(VDD=10V相当とする)が印加されてきた場合、N7へのバイアス電圧供給をオフとしてこのノードがGNDに張り付いたとする。この場合、N2のノード電圧は0V(GND)になるため、NTr2のドレイン−ソース間電圧として0V〜VDD(10V)が印加されてしまい、耐圧違反により破壊されてしまうことになる。逆のケースとして、out端子に低(Low)信号(GND相当とする)が印加されてきた場合でも、先述の想定下では、今度はN1のノード電圧が0+Vth(0.3〜0.7V程度)となり、PTr1のドレイン−ソース間電圧がVDD−Vth(9.3〜9.7V程度)となり、破壊が生じる。
さらに、バイアスノードをオン(ON)のままに維持しなくてはならないということは、out端子の変動がバイアスノードにも伝わる状態が、入力信号受け入れ想定時でも、そのまま維持されているということになる。第1から第4先行技術の出力回路では、容量C4およびC5を介してバイアスノードN7と接続することにより、出力回路前段のバッファ4および5の出力信号をその「揺れ」への対策として用いていた。しかし、入力信号受け入れ想定時は、バッファ4および5の出力端子の電位が固定されてしまうために、「揺れ」対策として用いることができない。
以上説明したような理由で、第1から第4先行技術の出力回路は、入出力端子(ノード)に接続される入出力回路としては使用できない。これに対して、第5および第6先行技術の出力回路は、入出力端子への入力信号そのものを利用してバイアスノードの変動(揺れ)対策を行うため、入出力回路として使用できるということになる。
ところで、第5および第6先行技術の回路を入出力回路として使用する場合、出力動作時でも、NTr4およびリエントリー入力初段バッファ7、またはPTr5、NTr5およびリエントリー入力初段バッファ8および9が常時オンすることが求められる。これは、入出力端子BUSの電圧が、容量C8、またはC9およびC9を介してバイアスノードN5−N7にフィードバックして、バイアスノードの電位変動を抑制するためである。一方、入出力回路には、出力動作時に、リエントリー入力回路部をオフすることを求められる場合があり、そのような要求に対応できないという課題がある。
入出力回路で出力動作時に、リエントリー入力回路の部分をオフすることが求められるのは、以下のような場合である。
(1)外部対向デバイスICとつながる入出力端子に大きな容量がついてしまうため、出力信号の立ち上がり、もしくは立下がり遷移が緩くなり、リエントリー入力回路のゲートに中間電位が印加される時間が長くなる。入力初段のバッファ7、8および9に中間電位が長時間印加されると、貫通電流を大きく流し続けることとなる。そのため、出力動作時には、入力回路を停止して、余分な消費電流を削減することが求められる場合である。
(1)外部対向デバイスICとつながる入出力端子に大きな容量がついてしまうため、出力信号の立ち上がり、もしくは立下がり遷移が緩くなり、リエントリー入力回路のゲートに中間電位が印加される時間が長くなる。入力初段のバッファ7、8および9に中間電位が長時間印加されると、貫通電流を大きく流し続けることとなる。そのため、出力動作時には、入力回路を停止して、余分な消費電流を削減することが求められる場合である。
(2)内部論理回路の構成の都合上、リエントリー入力回路の出力信号として、出力動作時に入出力回路が出力する信号がそのまま戻ってきて内部に印加されてしまうと、問題が発生する場合がある。そのため、リエントリー入力回路を止めておきたい場合である。
以下に説明する実施形態の入出力回路は、上記の要求にも対応できるものである。
以下に説明する実施形態の入出力回路は、上記の要求にも対応できるものである。
図13は、第1実施形態の入出力回路の構成を示す図である。
第1実施形態の入出力回路は、入力ON/OFF制御信号および出力ON/OFF制御信号により、入力動作時には図12の第6先行技術の入出力回路を、出力動作時には図10の第4先行技術の出力回路になるように、切り替え可能にしたものである。図13では、図12の第6先行技術の入出力回路および図10の第4先行技術の出力回路と対応する要素には、同じ符号を付しており、同様に機能するので、切り替えに関係する部分についてのみ説明する。
第1実施形態の入出力回路は、入力ON/OFF制御信号および出力ON/OFF制御信号により、入力動作時には図12の第6先行技術の入出力回路を、出力動作時には図10の第4先行技術の出力回路になるように、切り替え可能にしたものである。図13では、図12の第6先行技術の入出力回路および図10の第4先行技術の出力回路と対応する要素には、同じ符号を付しており、同様に機能するので、切り替えに関係する部分についてのみ説明する。
第1実施形態の入出力回路は、図10と図12の回路を合わせた上で、さらにSW1−SW4、ゲートAND5およびインバータINV1および2を付加した構成を有する。
入力動作時には、入力ON/OFF制御信号=1(High)(ON:オン)、かつ出力ON/OFF制御信号=0(Low)(OFF:オフ)とする。これにより、PTr1およびNTr1はオフする。さらに、PTr2のゲート(N5)にはバイアス電圧VDD/2−Vthが印加され、NTr2のゲート(N6)にはバイアス電圧VDD/2+Vthが印加され、PTr2およびNTr2はオフ(遮断)する。したがって、出力段のPTr1、PTr2、NTr1およびNTr2はオフ(遮断)しており、出力回路は入出力ノードに対して出力オフ(Hi−Z)状態になる。
さらに、入力ON/OFF制御信号=1、かつ出力ON/OFF制御信号=0とすることにより、NAND1およびNAND2が入力スルー状態に、SW1およびSW2がオン(導通)し、SW3およびSW4がオフ(遮断)する。さらに、NAND1およびNAND2はインバータとして機能し、NAND3の出力は1に、AND4の出力は0になり、ノードN11およびN12は、N13およびN14に接続され、図12と同じ回路状態が実現される。したがって、ノードN11およびN12には、バイアスノードN6およびN5の揺れをキャンセルする逆相信号であるリエントリー入力信号が入力され、リエントリー入力信号がキャンセル動作に利用される。
出力動作時には、出力ON/OFF制御信号=1(ON)とすることで、SW1およびSW2がオフし、SW3およびSW4がオンし、NAND3およびAND4は駆動信号のインバータとなり、図10と同じ回路状態が実現される。この回路状態では、バイアスノードN6およびN5の揺れをキャンセルする逆相信号を入力するノードN11およびN12は、出力前段バッファNAND3およびAND4の出力にあたるN3およびN4に接続される。したがって、NAND3およびAND4の出力信号が、キャンセル動作に利用される。この時、リエントリー入力回路はキャンセル動作に一切寄与しないためON/OFFどちらの制御でもよく、OFF制御としても動作上問題は発生しない。
以上説明したように、第1実施形態の入出力回路は、入力動作時は、第6先行技術と同様に、リエントリー入力回路の出力信号を逆相信号として利用する。さらに、出力動作時は、リエントリー入力回路をOFFとして、第4先行技術と同様に、出力前段バッファの出力信号を逆相信号として利用する。このようにして、入力動作時と出力動作時の両方で、バイアスノード揺れのキャンセル動作を実現する。第1実施形態の入出力回路によれば、出力動作時にリエントリー入力回路をOFFとしたい場合にも対応することが可能となる。
第1実施形態の入出力回路は、入力動作時にはリエントリー入力回路の出力信号を、出力動作時には出力前段バッファの出力信号を、それぞれ逆相信号として利用してキャンセル動作を実現するように切り替える。この切り替え構成は、他の先行技術にも適用可能である。すなわち、リエントリー入力回路は、第5および第6先行技術のいずれも使用可能であり、出力回路は、第1から第4先行技術のいずれも使用可能である。第1実施形態では、前述のように第4先行技術と第6先行技術の回路を切り替えている。
図14は、第1実施形態の切り替え構成を利用して、出力動作時には第3先行技術の出力回路に、入力動作時には第6先行技術の回路に切り替える入出力回路の構成を示す図である。詳しい説明は省略する。
図15は、第1実施形態の切り替え構成を利用して、出力動作時には第1先行技術の出力回路に、入力動作時には第5先行技術の回路に切り替える入出力回路の構成を示す図である。詳しい説明は省略する。
図16は、第1実施形態の切り替え構成を利用して、出力動作時には第2先行技術の出力回路に、入力動作時には第5先行技術の回路に切り替える入出力回路の構成を示す図である。詳しい説明は省略する。
図17は、第2実施形態の入出力回路の構成を示す図である。
第2実施形態の入出力回路は、入力ON/OFF制御信号および出力ON/OFF制御信号により、入力動作時には図12の第6先行技術の入出力回路を、出力動作時には図10の第4先行技術の出力回路になるように、切り替え可能にしたものである。図13では、図12の第6先行技術の入出力回路および図10の第4先行技術の出力回路と対応する要素には、同じ符号を付しており、同様に機能するので、切り替えに関係する部分についてのみ説明する。
第2実施形態の入出力回路は、入力ON/OFF制御信号および出力ON/OFF制御信号により、入力動作時には図12の第6先行技術の入出力回路を、出力動作時には図10の第4先行技術の出力回路になるように、切り替え可能にしたものである。図13では、図12の第6先行技術の入出力回路および図10の第4先行技術の出力回路と対応する要素には、同じ符号を付しており、同様に機能するので、切り替えに関係する部分についてのみ説明する。
第2実施形態の入出力回路は、図10と図12の回路を合わせた上で、さらにSW5−SW6、PTr11、NTr11、ゲートAND6、AND7、OR1、OR2およびインバータINV1を付加した構成を有する。
入力動作時には、入力ON/OFF制御信号=1(High)(ON:オン)、かつ出力ON/OFF制御信号=0(Low)(OFF:オフ)とする。これにより、SW5およびSW6はオフ(遮断)し、PTr11およびNTr11はオン(導通)しており、PTr1のゲートは1(High)に、NTr1のゲートは0(Low)になり、PTr1およびNTr1はオフする。また、PTr2のゲート(N5)にはバイアス電圧VDD/2−Vthが印加され、NTr2のゲート(N6)にはバイアス電圧VDD/2+Vthが印加され、PTr2およびNTr2はオフ(遮断)する。したがって、出力段のPTr1、PTr2、NTr1およびNTr2はオフ(遮断)しており、出力回路は入出力ノードに対して出力オフ(Hi−Z)状態になる。
さらに、入力ON/OFF制御信号=1、かつ出力ON/OFF制御信号=0とすることにより、NAND1およびNAND2が入力スルー状態に、OR1およびOR2が入力スルー状態になる。NAND3およびNAND4の出力が1に固定され、AND6およびAND7が入力スルー状態になる。言い換えれば、入出力ノードに入力される入力信号が、PTr5、NAND1、OR1、およびAND6を介してN3に供給され、さらにNTr5、NAND2、OR2、およびAND7を介してN4に供給される状態になる。すなわち、図12の状態になる。N3は、並列に接続されたPTr3およびR1と、容量C6と、を介してN6に接続され、N4は、並列に接続されたNTr3およびR2と、容量C7と、を介してN5に接続されている。したがって、ノードN3およびN4に、リエントリー入力信号が入力され、バイアスノードN6およびN5の揺れを、逆相信号でキャンセルする動作が行われる。
第1実施形態では、NAND1およびNAND2の出力が、SW1およびSW2を介して、N11およびN12を直接充放電するために、NAND1およびNAND2を形成するトランジスタのサイズをある程度大きくすることが求められた。これに対して、第2実施形態では、NAND1およびNAND2は、直接ノードの充放電を行わないため、最小限のサイズで形成でき、サイズの低減が可能となる。なお、入力動作時、N1=L(≒VDD/2)、N2=H(≒VDD/2)固定となるため、PTr3およびNTr3はともにオンするように制御され、入力信号の回り込みを阻害(遅延を増大)しないように動作する。言い換えれば、PTr3およびNTr3のスイッチング制御回路部は、本来出力動作時用に用意された回路であり、入力動作時は余計な動作をしないように制御される。
出力動作時には、出力ON/OFF制御信号=1とすることで、OR1およびOR2の出力がHに固定され、NAND3、NAND4、AND6及びAND7が入力スルー状態となり、SW5およびSW6がオンし、PTr11およびNTr11がオフする。したがって、駆動信号が、PTr1およびNTr1のゲートに印加される図10と同じ回路状態が実現され、駆動信号がバイアスノードN5およびN6のキャンセル動作に利用される。第1実施形態と同様に、この時の入力ON/OFF制御信号は、どちらの設定でも動作上問題は発生しない。
以上説明したように、第2実施形態の入出力回路は、入力動作時に、NAND1およびNAND2が、バイアスノード揺れキャンセル用の逆相信号を入力するN3およびN4を直接駆動せず、AND6およびAND7を介して駆動する。これにより、第2実施形態は、第1実施形態と同じ動作を実現しながら、第1実施形態ではノード駆動のためにサイズを大きくすることが求められたNAND1およびNAND2のサイズを低減する。
第2実施形態の入出力回路における、入力動作時にはリエントリー入力回路の出力信号を、出力動作時には出力前段バッファの出力信号を、それぞれ逆相信号として利用してキャンセル動作を実現するように切り替える構成は、他の先行技術にも適用可能である。
図18は、第2実施形態の切り替え構成を利用して、出力動作時には第3先行技術の出力回路に、入力動作時には第6先行技術の回路に切り替える入出力回路の構成を示す図である。詳しい説明は省略する。
以上、実施形態を説明したが、ここに記載したすべての例や条件は、発明および技術に適用する発明の概念の理解を助ける目的で記載されたものである。特に記載された例や条件は発明の範囲を制限することを意図するものではなく、明細書のそのような例の構成は発明の利点および欠点を示すものではない。発明の実施形態を詳細に記載したが、各種の変更、置き換え、変形が発明の精神および範囲を逸脱することなく行えることが理解されるべきである。
1 出力部
2 高電位電源
3 低電位電源
4、5 バッファ
6 バイアス電圧生成回路
Nout 出力ノード
N7 バイアス電圧出力ノード
SW1−SW6 スイッチ
2 高電位電源
3 低電位電源
4、5 バッファ
6 バイアス電圧生成回路
Nout 出力ノード
N7 バイアス電圧出力ノード
SW1−SW6 スイッチ
Claims (8)
- 高電位側電源と入出力ノードとの間に直列に接続され、前記高電位側電源の側に接続される第1PMOSトランジスタと前記入出力ノード側に接続される第2PMOSトランジスタと、
低電位側電源と前記入出力ノードとの間に直列に接続され、前記低電位側電源の側に接続される第1NMOSトランジスタと前記入出力ノード側に接続される第2NMOSトランジスタと、
前記入出力ノードの電圧信号が入力され、前記電圧信号の振幅の最大値を、前記高電位電源の電圧よりも小さく前記低電位側電源よりも大きい第1バイアス電圧に制限する第1降圧部と、
前記入出力ノードの電圧信号が入力され、前記電圧信号の振幅の最大値を、前記第1バイアス電圧よりも小さく前記低電位側電源よりも大きい第2バイアス電圧に制限する第2降圧部と、
前記第1降圧部の出力信号を反転する第1反転部と、
前記第2降圧部の出力信号を反転する第2反転部と、
第1端子と第2端子とを含み、前記第1端子が前記第1PMOSトランジスタのゲート端子と前記第1反転部の出力端子の何れかに接続され、前記第2端子が前記第2NMOSトランジスタのゲート端子に接続される第1容量と、
第3端子と第4端子とを含み、前記第3端子が前記第1NMOSトランジスタのゲート端子と前記第2反転部の出力端子の何れかに接続され、前記第4端子が前記第2PMOSトランジスタのゲート端子に接続される第2容量と、
を備え、
前記第2PMOSトランジスタのゲート端子には、前記第1バイアス電圧が印加され、
前記第2NMOSトランジスタのゲート端子には、前記第2バイアス電圧が印加され、
前記第1PMOSトランジスタのゲート端子には、第1駆動信号が供給され、
前記第1NMOSトランジスタのゲート端子には、第2駆動信号が供給され、
前記入出力ノードに外部から前記電圧信号が入力される時には、前記第1容量の前記第1端子が前記第1反転部の出力端子に接続され、前記第2容量の前記第3端子が前記第2反転部の出力端子に接続され、
前記入出力ノードから前記電圧信号が出力される時には、前記第1容量の前記第1端子が前記第1PMOSトランジスタのゲート端子に接続され、前記第2容量の前記第3端子が前記第1NMOSトランジスタのゲート端子に接続されることを特徴とする入出力回路。 - 前記第1容量の前記第1端子と前記第1反転部の出力端子間に設けられた第1スイッチと、
前記第1容量の前記第1端子と前記第1PMOSトランジスタのゲート端子間に設けられた第3スイッチと、
前記第2容量の前記第3端子と前記第2反転部の出力端子間に設けられた第2スイッチと、
前記第2容量の前記第3端子と前記第1NMOSトランジスタのゲート端子間に設けられた第4スイッチと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の入出力回路。 - 前記第1PMOSトランジスタのゲート端子と前記第3スイッチ間に並列に接続された第1抵抗およびゲート端子が前記第1PMOSトランジスタのドレイン端子に接続される第3PMOSトランジスタと、
前記第1NMOSトランジスタのゲート端子と前記第4スイッチ間に並列に接続された第2抵抗およびゲート端子が前記第1NMOSトランジスタのドレイン端子に接続される第3NMOSトランジスタと、を備えることを特徴とする請求項2に記載の入出力回路。 - 前記第1容量の前記第1端子と前記第1反転部の出力端子間に設けられた第1論理ゲート回路と、
前記第1容量の前記第1端子と前記第1PMOSトランジスタのゲート端子間に設けられた第1スイッチと、
前記第2容量の前記第3端子と前記第2反転部の出力端子間に設けられた第2論理ゲート回路と、
前記第2容量の前記第3端子と前記第1NMOSトランジスタのゲート端子間に設けられた第2スイッチと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の入出力回路。 - 前記第1PMOSトランジスタのゲート端子と前記第1論理ゲート回路の出力端子および前記第1スイッチ間に並列に接続された第1抵抗およびゲート端子が前記第1PMOSトランジスタのドレイン端子に接続される第3PMOSトランジスタと、
前記第1NMOSトランジスタのゲート端子と前記第2論理ゲート回路の出力端子および前記第2スイッチ間に並列に接続された第2抵抗およびゲート端子が前記第1NMOSトランジスタのドレイン端子に接続される第3NMOSトランジスタと、を備えることを特徴とする請求項4に記載の入出力回路。 - 高電位側電源と入出力ノードとの間に直列に接続され、前記高電位側電源の側に接続される第1PMOSトランジスタと前記入出力ノード側に接続される第2PMOSトランジスタと、
低電位側電源と前記入出力ノードとの間に直列に接続され、前記低電位側電源の側に接続される第1NMOSトランジスタと前記入出力ノード側に接続される第2NMOSトランジスタと、
前記入出力ノードの電圧信号が入力され、前記電圧信号の振幅の最大値を、前記高電位電源の電圧よりも小さく前記低電位側電源よりも大きいバイアス電圧に制限する降圧部と、
前記降圧部の出力信号を反転する反転部と、
第1端子と第2端子とを含み、前記第1端子が前記第1PMOSトランジスタのゲート端子と前記反転部の出力端子の何れかに接続され、前記第2端子が前記第2NMOSトランジスタのゲート端子に接続される第1容量と、
第3端子と第4端子とを含み、前記第3端子が前記第1NMOSトランジスタのゲート端子と前記反転部の出力端子の何れかに接続され、前記第4端子が前記第2PMOSトランジスタのゲート端子に接続される第2容量と、
を備え、
前記第2PMOSトランジスタのゲート端子および前記第2NMOSトランジスタのゲート端子には、前記バイアス電圧が印加され、
前記第1PMOSトランジスタのゲート端子には、第1駆動信号が供給され、
前記第1NMOSトランジスタのゲート端子には、第2駆動信号が供給され、
前記入出力ノードに外部から前記電圧信号が入力される時には、前記第1容量の前記第1端子および前記第2容量の前記第3端子が前記反転部の出力端子に接続され、
前記入出力ノードから前記電圧信号が出力される時には、前記第1容量の前記第1端子が前記第1PMOSトランジスタのゲート端子に接続され、前記第2容量の前記第3端子が前記第1NMOSトランジスタのゲート端子に接続されることを特徴とする入出力回路。 - 前記第1容量の前記第1端子および前記第2容量の前記第3端子と前記反転部の出力端子間に設けられた第1スイッチと、
前記第1容量の前記第1端子と前記第1PMOSトランジスタのゲート端子間に設けられた第2スイッチと、
前記第2容量の前記第3端子と前記第1NMOSトランジスタのゲート端子間に設けられた第3スイッチと、を備えることを特徴とする請求項6に記載の入出力回路。 - 前記第1PMOSトランジスタのゲート端子と前記第2スイッチ間に並列に接続された第1抵抗およびゲート端子が前記第1PMOSトランジスタのドレイン端子に接続される第3PMOSトランジスタと、
前記第1NMOSトランジスタのゲート端子と前記第3スイッチ間に並列に接続された第2抵抗およびゲート端子が前記第1NMOSトランジスタのドレイン端子に接続される第3NMOSトランジスタと、を備えることを特徴とする請求項7に記載の入出力回路。
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JP2014039456A JP2015164248A (ja) | 2014-02-28 | 2014-02-28 | 入出力回路 |
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-
2014
- 2014-02-28 JP JP2014039456A patent/JP2015164248A/ja active Pending
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