JP2015163731A - 金属表面処理剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属材料表面に優れた耐食性を付与できるだけでなく、金属材料表面に厚みムラなく均一に皮膜を形成でき、さらに金属光沢色も損なわずに外観に優れた金属材料とすることができる、新規な金属表面処理剤を提供する。
【解決手段】
有機ホスホン酸ポリマーと、有機ホスホン酸とを含む、金属表面処理剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属表面処理剤、当該金属表面処理剤を用いた金属表面処理方法、及び当該金属表面処理剤で表面処理された金属材料に関する。
アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、鉄、銅、またはこれらの合金などの金属材料は、大気中の水分、酸素、塩素イオン、硫酸イオンなどによって、表面が酸化されやすく、酸化によって生成した腐食物が金属材料の外観を損ねやすい。
金属材料表面における腐食を抑制する方法としては、従来、クロメート処理が知られている。クロメート処理においては、クロム酸クロメート、リン酸クロメート等のクロムを含有する処理液に金属材料表面を接触させてクロメート皮膜を形成させる反応型クロメート処理方法などが知られている。
クロメート処理により形成される皮膜は、優れた耐食性を有している。しかしながら、この処理液には、発がん性を有する6価クロムが含まれているため、表面処理を行う作業環境上、大きな問題がある。また、廃水処理のコストも大きい。さらに、当該処理液で表面処理した金属材料にも6価クロムが含まれるため、環境汚染及び人体への悪影響の懸念から、現在では厳しい使用規制が課せられている。
このため、クロメート処理の代替手段として、金属材料表面に優れた耐食性を付与するクロムフリーの金属表面処理剤が種々開発されている。クロムフリーの金属表面処理剤としては、例えば、Mo,W,Ti,Zr,V,Mn,Co,Fe等の遷移金属のフッ化物、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩等によって耐食性皮膜を形成する化成処理方法が知られている(例えば特許文献1及び2を参照)。しかしながら、このような金属表面処理剤では、金属材料表面の耐食性はある程度向上させることができるものの、クロメート処理と比較すると耐食性は不十分である。
そこで、クロメート処理に匹敵する耐食性を金属材料表面に付与できる金属表面処理剤として、特許文献3には、有機ホスホン酸ポリマーと水溶性錯フッ化物を含むことを特徴とする、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛、及び亜鉛合金用クロムフリー金属表面処理剤が開示されている。このような金属表面処理剤によれば、クロムを用いることなく、従来のクロメート処理と同等の耐食性を金属材料表面に付与できる。
特開2003−155578号公報 特開2004−18930号公報 国際公開第2011/145594号パンフレット
上述のとおり、特許文献3に開示された金属表面処理剤によれば、クロムを用いることなく、従来のクロメート処理と同等の耐食性を金属材料表面に付与できるが、近年、金属材料表面に優れた耐食性を付与できるだけでなく、厚みムラなく均一に皮膜を形成でき、さらに金属光沢色も損なわずに外観に優れた金属材料とすることができる、新規な金属表面処理剤が求められている。
このような状況下、本発明は、金属材料表面に優れた耐食性を付与できるだけでなく、金属材料表面に厚みムラなく均一に皮膜を形成でき、さらに金属光沢色も損なわずに外観に優れた金属材料とすることができる、新規な金属表面処理剤を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、有機ホスホン酸ポリマーと有機ホスホン酸とを含む金属表面処理剤によれば、金属材料表面に厚みムラなく均一に皮膜を形成でき、さらに金属光沢色も損なわずに外観に優れた金属材料とすることができることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成された発明である。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 有機ホスホン酸ポリマーと、有機ホスホン酸とを含む、金属表面処理剤。
項2. 前記有機ホスホン酸ポリマーが、複数のホスホン酸基:−P(=O)(OH)2と、複数のカルボキシル基:−COOHとを有する、項1に記載の金属表面処理剤。
項3. 前記有機ホスホン酸ポリマーが、重合性の不飽和結合を有する有機ホスホン酸と、重合性の不飽和結合を有する有機カルボン酸との共重合体である、項1または2に記載の金属表面処理剤。
項4. 前記重合性の不飽和結合を有する有機ホスホン酸が、下記一般式(1):
1−P(=O)(OH)2 (1)
[一般式(1)において、R1は、重合性の不飽和結合を有する炭素数2〜10の炭化水素基を示す。]
で表される、項3に記載の金属表面処理剤。
項5. 前記重合性の不飽和結合を有する有機ホスホン酸が、ビニルホスホン酸、プロペン−1−ホスホン酸、及びプロペン−2−ホスホン酸からなる群から選択された少なくとも1種である、項3または4に記載の金属表面処理剤。
項6. 前記重合性の不飽和結合を有する有機カルボン酸が、下記一般式(2):
2−COOH (2)
[一般式(2)において、R2は、重合性の不飽和結合を有する炭素数2〜10の炭化水素基を示す。]
で表される、項3〜5のいずれかに記載の金属表面処理剤。
項7. 前記重合性の不飽和結合を有する有機カルボン酸が、アクリル酸、クロトン酸、およびメタクリル酸からなる群から選択された少なくとも1種である、項3〜6のいずれかに記載の金属表面処理剤。
項8. 前記有機ホスホン酸ポリマーが、ビニルホスホン酸とアクリル酸との共重合体である、項1〜7のいずれかに記載の金属表面処理剤。
項9. 前記有機ホスホン酸が、アルキルホスホン酸である、項1〜8のいずれかに記載の金属表面処理剤。
項10. 前記アルキルホスホン酸が、下記一般式(3):
3−P(=O)(OH)2 (3)
[一般式(3)において、R3は、炭素数4〜18のアルキル基を示す。]
で表される、項9に記載の金属表面処理剤。
項11. 前記アルキルホスホン酸が、オクチルホスホン酸である、項9に記載の金属表面処理剤。
項12. 前記有機ホスホン酸が、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、及び2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸からなる群から選択された少なくとも1種である、項1〜8のいずれかに記載の金属表面処理剤。
項13. 前記有機ホスホン酸ポリマーの含有量が、10〜100,000ppmである、項1〜12のいずれかに記載の金属表面処理剤。
項14. 前記有機ホスホン酸の含有量が、50〜20,000ppmである、項1〜13のいずれかに記載の金属表面処理剤。
項15. 前記有機ホスホン酸ポリマーと前記有機ホスホン酸との質量比(有機ホスホン酸ポリマー:有機ホスホン酸)が、1:100〜200:1の範囲にある、項1〜14のいずれかに記載の金属表面処理剤。
項16. pHが6〜11の範囲にある、項1〜15のいずれかに記載の金属表面処理剤。
項17. pH調整剤をさらに含む、項1〜16のいずれかに記載の金属表面処理剤。
項18. 前記pH調整剤が、有機アミン化合物である、項17に記載の金属表面処理剤。
項19. 前記pH調整剤が、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びトリイソプロパノールアミンからなる群から選択された少なくとも1種である、項17に記載の金属表面処理剤。
項20. 項1〜19のいずれかに記載の金属表面処理剤を、金属材料表面に接触させる表面処理工程を備える、金属表面処理方法。
項21. 前記表面処理工程を、15〜70℃の温度下、10〜240秒間行う、項20に記載の金属表面処理方法。
項22. 項1〜19のいずれかに記載の金属表面処理剤で表面処理されてなる、金属材料。
本発明によれば、クロムを用いることなく、金属材料表面に優れた耐食性を付与できるだけでなく、厚みムラなく均一な耐食性皮膜を形成でき、さらに金属光沢色も損なわずに外観に優れた金属材料とすることができる、新規な金属表面処理剤を提供することができる。また、本発明によれば、当該金属表面処理剤を用いた金属表面処理方法、及び当該金属表面処理剤によって表面処理された金属材料を提供することができる。さらに、本発明によれば、金属表面処理剤によって表面処理された金属材料にさらに塗料を塗布した金属材料を提供することもできる。
本発明の金属表面処理剤は、有機ホスホン酸ポリマーと有機ホスホン酸とを含むことを特徴とする。以下、本発明の金属表面処理剤、当該金属表面処理剤を用いた金属表面処理方法、及び当該金属表面処理剤によって表面処理された金属材料について詳述する。
1.金属表面処理剤
本発明の金属表面処理剤は、有機ホスホン酸ポリマーと、有機ホスホン酸とを含む。有機ホスホン酸ポリマーとしては、ホスホン酸基(−P(=O)(OH)2)を分子内に複数有するポリマーであれば特に制限されないが、後述する有機ホスホン酸と併用することによって、より優れた耐食性及び外観を金属材料表面に付与する観点からは、好ましくは複数のホスホン酸基(−P(=O)(OH)2)と、複数のカルボキシル基(−COOH)とを有する有機ホスホン酸ポリマーが挙げられる。
さらに好ましい有機ホスホン酸ポリマーとしては、重合性の不飽和結合を有する有機ホスホン酸と、重合性の不飽和結合を有する有機カルボン酸との共重合体が挙げられる。当該共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよい。
重合性の不飽和結合を有する有機ホスホン酸としては、特に制限されないが、後述する有機ホスホン酸と併用することによって、より優れた耐食性及び外観を金属材料表面に付与する観点からは、好ましくは下記一般式(1):
1−P(=O)(OH)2 (1)
[一般式(1)において、R1は、重合性の不飽和結合を有する炭素数2〜10の炭化水素基を示す。]
で表される化合物(モノマー)が挙げられる。
一般式(1)において、R1の炭化水素基は、直鎖、分岐鎖、脂環式のいずれであってもよい。R1としては、好ましくは重合性の不飽和結合を有する炭素数2〜4の炭化水素基が挙げられる。重合性の不飽和結合を有する有機ホスホン酸の特に好ましい具体例としては、ビニルホスホン酸(CH2=CH−P(=O)(OH)2)、プロペン−1−ホスホン酸(CH3−CH=CH−P(=O)(OH)2)、プロペン−2−ホスホン酸(CH2=C(CH3)−P(=O)(OH)2)などが挙げられる。重合性の不飽和結合を有する有機ホスホン酸は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
重合性の不飽和結合を有する有機カルボン酸としては、特に制限されないが、後述する有機ホスホン酸と併用することによって、より優れた耐食性及び外観を金属材料表面に付与する観点からは、下記一般式(2):
2−COOH (2)
[一般式(2)において、R2は、重合性の不飽和結合を有する炭素数2〜10の炭化水素基を示す。]
で表される化合物(モノマー)が挙げられる。
一般式(2)において、R2の炭化水素基は、直鎖、分岐鎖、脂環式のいずれであってもよい。R2としては、好ましくは重合性の不飽和結合を有する炭素数2〜4の炭化水素基が挙げられる。重合性の不飽和結合を有する有機カルボン酸の特に好ましい具体例としては、アクリル酸(CH2=CH−COOH)、クロトン酸(CH3−CH=CH−COOH)、メタクリル酸(CH2=C(CH3)−COOH)などが挙げられる。重合性の不飽和結合を有する有機カルボン酸は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
後述する有機ホスホン酸と併用することによって、特に優れた耐食性及び外観を金属材料表面に付与する観点からは、有機ホスホン酸ポリマーとしては、ビニルホスホン酸とアクリル酸との共重合体が特に好ましい。
有機ホスホン酸ポリマーの重量平均分子量としては、特に制限されないが、後述する有機ホスホン酸と併用することによって特に優れた耐食性及び外観を金属材料表面に付与する観点からは、好ましくは1万〜10万程度、より好ましくは3万〜9万程度が挙げられる。なお、当該重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、ポリエチレンオキシドを標準物質として測定した値である。
本発明の金属表面処理剤において、上記の有機ホスホン酸ポリマーと併用される有機ホスホン酸としては、アルキルホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、及び2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸などが挙げられる。有機ホスホン酸は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。なお、本発明において、有機ホスホン酸は、上述の有機ホスホン酸ポリマーとは異なる化合物であり、ポリマーではない。
アルキルホスホン酸としては、アルキル基とホスホン酸基(−P(=O)(OH)2)とを有するものであれば特に制限されないが、好ましくは下記一般式(3):
3−P(=O)(OH)2 (3)
[一般式(3)において、R3は、炭素数4〜18のアルキル基を示す。]
で表される化合物が挙げられる。
本発明の金属表面処理剤においては、有機ホスホン酸ポリマーと有機ホスホン酸とを併用することにより、クロムを用いることなく、優れた耐食性及び外観を金属材料表面に付与することができる。より具体的には、これらを併用することにより、金属材料表面に優れた耐食性を付与できるだけでなく、厚みムラなく均一に金属表面処理剤の皮膜を形成でき、さらに金属光沢色も損なわずに外観も優れた金属材料とすることができる。
一般式(3)において、R3のアルキル基は、直鎖、分岐鎖のいずれであってもよい。R3としては、好ましくは炭素数6〜12のアルキル基、より好ましくは炭素数6〜10のアルキル基が挙げられる。上記の有機ホスホン酸ポリマーと併用することによって、より優れた耐食性及び外観を金属材料表面に付与する観点から、有機ホスホン酸の特に好ましい具体例としては、オクチルホスホン酸などが挙げられる。有機ホスホン酸は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
また、有機ホスホン酸として、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、及び2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸からなる群から選択された少なくとも1種を用いることにより、これらの効果に加えて、金属処理剤による表面処理後における後述の各種塗料との高い付着性を発揮しつつ、塗料が塗布された金属材料表面の硬度及び耐食性を高めることができる。
本発明の金属表面処理剤における有機ホスホン酸ポリマーと前記有機ホスホン酸との質量比(有機ホスホン酸ポリマー:有機ホスホン酸)としては、特に制限されないが、より優れた耐食性及び外観を金属材料表面に付与する観点からは、1:100〜200:1の範囲にあることが好ましく、1:80〜180:1の範囲にあることがより好ましく、1:50〜160:1の範囲にあることがさらに好ましい。
本発明の金属表面処理剤は、水などを媒体として上記有機ホスホン酸ポリマーと有機ホスホン酸とを表面処理対象となる金属材料表面に接着させ、媒体を乾燥させることにより、金属表面処理剤の皮膜を形成することができる。すなわち、本発明の金属表面処理剤は、通常、上記の有機ホスホン酸ポリマー及び有機ホスホン酸に加えて、水などの媒体を含む。媒体として使用する水は、特に限定されないが、不純物が少ないことが望ましいため、イオン交換水、蒸留水などが好ましい。なお、媒体としては、アルコールなどを用いてもよい。例えば、水にアルコールを配合したものを媒体とすることにより、金属材料表面における水分の乾燥が早められる。
本発明の金属表面処理剤が水などの媒体を含む場合、表面処理に供する際の金属表面処理剤中における有機ホスホン酸ポリマーの含有量としては、特に制限されないが、後述する有機ホスホン酸と併用することによって、より優れた耐食性及び外観を金属材料表面に付与する観点からは、好ましくは10〜100,000ppm程度、より好ましくは50〜10,000ppm程度、さらに好ましくは100〜5,000ppm程度が挙げられる。また、有機ホスホン酸としてアルキルホスホン酸を用いる場合、アルキルホスホン酸の含有量としては、特に制限されないが、同様の観点からは、好ましくは50〜20,000ppm程度、より好ましくは100〜15,000ppm程度、さらに好ましくは300〜10,000ppm程度が挙げられる。また、有機ホスホン酸として1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、及び2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸からなる群から選択された少なくとも1種を用いる場合、これらの有機ホスホン酸の含有量としては、特に制限されないが、同様の観点からは、好ましくは10〜1000ppm程度、より好ましくは20〜800ppm程度、さらに好ましくは50〜500ppm程度が挙げられる。さらに、本発明の金属表面処理剤においては、有機ホスホン酸ポリマーの含有量が300〜3700ppm程度であり、かつ、アルキルホスホン酸の含有量が300〜6000ppm程度である場合、さらに優れた耐食性及び外観を金属材料表面に付与することができ、有機ホスホン酸ポリマーの含有量が2700〜3600ppm程度であり、かつ、アルキルホスホン酸の含有量が500〜5000ppm程度である場合、特に優れた耐食性及び外観を金属材料表面に付与することができる。また、有機ホスホン酸として1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、及び2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸からなる群から選択された少なくとも1種を用いる場合は、有機ホスホン酸ポリマーの含有量が100〜300ppm程度であり、かつ、これらの有機ホスホン酸の含有量が50〜500ppm程度である場合、金属処理剤の金属材料へのより高い付着性を発揮し、硬度が高く、各種の耐食性にも優れた塗膜を形成することができる。さらに、有機ホスホン酸ポリマーの含有量が100〜170ppm程度であり、かつ、これらの有機ホスホン酸の含有量が130〜290ppm程度である場合、金属処理剤による表面処理後における後述の各種塗料との高い付着性を発揮しつつ、塗料が塗布された金属材料表面の硬度及び耐食性を高めることができる。
本発明の金属表面処理剤は、上記の有機ホスホン酸ポリマー、有機ホスホン酸、及び媒体に加えて、さらに他の添加剤を含んでいてもよい。他の添加剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
他の添加剤としては、例えば、金属表面処理剤のpHを例えば後述の範囲に設定するために用いるpH調整剤などが挙げられる。pH調整剤としては、特に制限されないが、より優れた耐食性及び外観を金属材料表面に付与する観点からは、好ましくは有機アミン化合物が挙げられる。有機アミン化合物の好ましい具体例としては、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどが挙げられる。pH調整剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の金属表面処理剤のpHとしては、特に制限されないが、より優れた耐食性及び外観を金属材料表面に付与する観点からは、好ましくは6〜11程度、より好ましくは7.5〜11程度、さらに好ましくは7.5〜10程度が挙げられる。
本発明の金属表面処理剤によれば、クロムを用いることなく、従来のクロメート処理と同等の耐食性を金属材料表面に付与できる。さらに、本発明の金属表面処理剤によれば、金属材料表面に優れた耐食性を付与できるだけでなく、厚みムラなく均一に金属表面処理剤による皮膜を形成でき、さらに金属光沢色も損なわずに外観に優れた金属材料とすることができる。このため、本発明の金属表面処理剤は、特に、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、鉄、銅、またはこれらの金属のうち少なくとも1種を含む合金などにより構成された金属材料の表面処理剤として好適に使用することができる。
本発明の金属表面処理剤は、大気中の水分、酸素、塩素イオン、硫酸イオンなどに対する高い耐食性を金属材料表面に付与することができ、特に、大気中の水分、塩素イオンに対する優れた耐食性を金属材料表面に付与することができる。
本発明の表面処理剤は、上記の有機ホスホン酸ポリマー、上記の有機ホスホン酸、上記の媒体、及び必要に応じて上記の他の添加剤を混合することにより製造することができる。本発明の表面処理剤において、例えば媒体として水を用いる場合、有機ホスホン酸ポリマーと、有機ホスホン酸とを水中で均一に混合することにより容易に製造することができる。
2.金属表面処理方法
本発明の金属表面処理方法は、上記本発明の金属表面処理剤を、金属材料表面に接触させる表面処理工程を備える。金属表面処理剤を、金属材料表面に接触させる方法等としては、特に制限されないが、例えば、ロールコート法、スピンコート法、スプレー法、浸漬法などの公知の方法により行うことができる。
表面処理工程を行う温度及び時間としては、金属表面処理剤が金属材料表面に十分に接触されれば特に制限されないが、好ましくは、15〜70℃程度の温度下において、10〜240秒間程度行うことが好ましい。
本発明の金属表面処理方法によって、金属材料表面に形成させる皮膜(金属表面処理剤から水などの溶媒が蒸発した後に形成される皮膜)の量としては、特に制限されないが、より優れた耐食性及び外観を金属材料表面に付与する観点からは、 好ましくは120〜200mg/m2程度、より好ましくは140〜180mg/m2程度とすることができる。
本発明の金属表面処理方法は、表面を洗浄した金属材料表面に対して行うことが好ましい。金属材料表面の洗浄は、金属材料表面に付着した各種の汚れ(油など)を除去することを主な目的とする。金属材料表面の洗浄方法としては、特に制限されないが、例えば、アルカリ脱脂剤、酸性脱脂剤などの公知の洗浄剤を用いる方法を採用することができる。また、洗浄工程においては、金属表面処理方法に供する前に、金属材料表面に付着した洗浄剤の水洗を行うことが好ましい。
また、本発明の金属表面処理方法の後、金属表面処理剤に含まれる水などの媒体を乾燥させる乾燥工程を行うことにより、金属表面処理の皮膜が形成される。乾燥工程においては、自然乾燥により乾燥させてもよいし、30〜200℃程度の温度で5〜30分間乾燥させてもよい。
本発明の金属表面処理方法によれば、上記の金属表面処理剤を用いているため、クロムを用いることなく、従来のクロメート処理と同等の耐食性を金属材料表面に付与できる。さらに、本発明の金属表面処理方法によれば、金属材料表面に優れた耐食性を付与できるだけでなく、厚みムラなく均一に金属表面処理剤による皮膜を形成でき、さらに金属光沢色も損なわずに外観に優れた金属材料とすることができる。このため、本発明の金属表面処理方法は、特に、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、鉄、銅、またはこれらの金属のうち少なくとも1種を含む合金などにより構成された金属材料の表面処理方法として好適である。
3.金属材料
本発明の金属材料は、上記本発明の金属表面処理剤によって表面処理されてなるものである。本発明の金属材料の表面に形成された上記皮膜の量としては、上記のとおりである。
本発明の金属材料は、上記本発明の金属表面処理剤によって表面処理されているため、クロムを含まずに、従来のクロメート処理と同等の耐食性が付与されている。さらに、本発明の金属材料は、表面に優れた耐食性を付与されているだけでなく、厚みムラなく均一に金属表面処理剤による皮膜が形成されており、さらに金属光沢色も損なわずに優れた外観を有する。
本発明の金属材料を構成する金属としては、好ましくは、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、鉄、銅、またはこれらの金属のうち少なくとも1種を含む合金などが挙げられる。
4.金属材料の塗装
本発明の金属材料においては、上記本発明の金属表面処理剤によって表面処理が施された後、塗料によって塗装することができる。塗料としては、特に制限されず、例えば、アクリル樹脂系、フッ素樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコン樹脂系、エポキシ樹脂系、メラミン樹脂系、ポリエステル樹脂系などの公知の塗料を用いることができる。本発明においては、上記の本発明の金属処理剤によって金属材料が表面処理されているため、これらの塗料によって金属材料の表面に塗装を行うことにより、金属処理剤による表面処理後における塗料との高い付着性を発揮しつつ、塗料が塗布された金属材料表面の硬度及び耐食性を高めることができる。さらに、塗料として透明なものを用いることにより、本発明の金属材料に対して、下地金属の光沢を生かした優れた外観を付与することができる。塗料による塗装の際には、焼き付けを行うことが好ましい。焼き付けの条件としては、特に制限されず、塗料の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば100〜250℃で5〜90分間での焼き付けが挙げられる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
(実施例1〜11及び比較例1〜3)
下記表1に示す配合比率及びpHとなるように、有機ホスホン酸ポリマーと有機ホスホン酸と、pH調整剤と、水とを混合して、金属表面処理剤を得た。有機ホスホン酸ポリマーとしては、ビニルホスホン酸とアクリル酸との共重合体(重量平均分子量4万、ビニルホスホン酸とアクリル酸とのモル比は、1:3)を用い、有機ホスホン酸としてはオクチルホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、及び2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸を用い、pH調整剤としてはN−メチルジエタノールアミンを用いた。なお、実施例9〜11、比較例1及び3では、pH調整剤を使用しなかった。
Figure 2015163731
[金属表面処理による外観評価]
表2に示す3種類のアルミニウム板材(A1050材、A5052材、A6063材、ADC12材、AC4CH材)の表面を、貴和化学薬品社製「アルキレンF500K」の3%水溶液を用いて洗浄し(50℃×180秒)、水洗した。次に、このアルミニウム板材を、実施例1〜11及び比較例1〜3で得られた金属表面処理剤に浸漬し(30℃×180秒)、その後、150℃にて10分間乾燥させて、表面処理アルミニウム板材を得た。次に、得られた表面処理アルミニウム板材の外観を目視で観察し、金属表面処理剤による皮膜が均一に形成されているか、金属光沢色が保持されているかなどを確認した。なお、ADC12材及びAC4CH材については、実施例9〜11及び比較例3でのみ評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2015163731
表2に示される結果から明らかな通り、有機ホスホン酸ポリマーと有機ホスホン酸とを併用した実施例1〜11の金属表面処理剤を用いた場合、3種類のアルミニウム板材のいずれについても、均一な薄膜が形成され、金属光沢色を保持していた。特に、実施例9〜11の金属表面処理剤を用いた場合、5種類全てのアルミニウム板材について、均一な薄膜が形成され、金属光沢色を保持していた。一方、アルキルホスホン酸のみを配合した比較例1及び2の金属表面処理剤では、皮膜の厚みにムラがあり、白色を呈して金属光沢色が保持されなかった。また、有機ホスホン酸ポリマーのみを配合した比較例3の金属表面処理剤では、均一な薄膜が形成されたが、白色、干渉色を呈して金属光沢色が保持されなかった。
[金属表面処理によって付着した皮膜の量]
上記の金属表面処理によって得られた表面処理アルミニウム板材(A1050材、A5052材、A6063材)に形成された皮膜の量(mg/m2)を、(株式会社リガク社製の蛍光X線分析装置)によって測定した。結果を表3に示す。
Figure 2015163731
[耐食性評価(96時間後の白錆発生面積%)]
上記で得られた表面処理アルミニウム板材(A1050材、A5052材、A6063材)の表面における耐食性を評価するために、塩水(濃度5%)を表面に噴霧して、96時間、室温で放置した後における白錆発生面積(%)を目視で評価した。結果を表4に示す。
Figure 2015163731
表4に示される結果から明らかな通り、有機ホスホン酸ポリマーと有機ホスホン酸とを併用した実施例1〜11の金属表面処理剤を用いた場合、アルミニウム板材の表面に塩水を噴霧して96時間放置した場合にも、白錆の発生が効果的に抑制されていた。特に、実施例4〜7、11の金属表面処理剤では、白錆発生面積が極めて少なく、金属材料表面に非常に優れた耐食性を付与できることが明らかとなった。一方、アルキルホスホン酸のみを配合した比較例1及び2の金属表面処理剤では、アルミニウム板材の表面の広い範囲で白錆が発生してしまった。有機ホスホン酸ポリマーのみを配合した比較例3の金属表面処理剤では、白錆の発生が抑制されていた。
[表面処理後の塗装]
実施例9〜11及び比較例1〜3で得られた表面処理アルミニウム板材の表面に、市販のメラミン樹脂塗料(大日本塗料株式会社製のデリコン♯300)を用い、焼き付け条件140℃、20分間として、塗膜厚20〜40μmの塗膜を形成した。
[付着性評価(剥離試験)]
上記で塗料の塗装を行った実施例9〜11及び比較例1〜3の表面処理アルミニウム板材(A1050材、A5052材、A6063材、ADC12材、AC4CH材)の表面に、1mm幅で100マスのクロスカットを施した。この上から粘着テープを貼り付けた後、剥離を行い、100マスのうちの剥離個数を測定し、下記の基準により、塗料の付着性を評価した。結果を表5に示す。
○:塗膜の剥離なし
△:塗膜の剥離が20%以下
×:塗膜の剥離が20%を超える
Figure 2015163731
表5に示される結果から明らかな通り、金属表面処理剤の有機ホスホン酸として、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、及び2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸を用いた実施例9〜11においては、各種のアルミニウム板材を用いた剥離試験に対しても高い塗料の付着性を有していた。一方、アルキルホスホン酸のみを配合した比較例1及び2では、塗料が剥離しやすかった。有機ホスホン酸ポリマーのみを配合した比較例3では、高い塗料の付着性を有していた。
[硬度の評価(鉛筆引っかき試験)]
上記で塗料の塗装を行った実施例9〜11及び比較例1〜3の表面処理アルミニウム板材(A1050材、A5052材、A6063材、ADC12材、AC4CH材)の表面の硬度を鉛筆引っかき試験により評価した。鉛筆引っかき試験は、JIS K5600の規定に準拠した方法により行った。結果を表6に示す。
Figure 2015163731
表6に示される結果から明らかな通り、金属表面処理剤の有機ホスホン酸として、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、及び2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸を用いた実施例9〜11では、表面が高い硬度を有していた。一方、アルキルホスホン酸のみを配合した比較例1及び2では、表面の硬度がやや低かった。有機ホスホン酸ポリマーのみを配合した比較例3の金属表面処理剤では、表面の硬度が低かった。
[耐食性評価(耐中性塩水噴霧試験)]
上記で塗料の塗装を行った実施例9〜11及び比較例1〜3の表面処理アルミニウム板材(A1050材、A5052材、A6063材、ADC12材、AC4CH材)の表面の中央付近にカッターにてクロスカットを付け、JIS K 5600−7−1記載の中性塩水噴霧試験を1000時間行い、クロスカット部分の塗膜の膨れ幅を測定し、下記の基準により評価した。結果を表7に示す。
○:膨れ幅が1.5mm以下
△:膨れ幅が1.5mmを超え、3mm以下
×:膨れ幅が3mmを超える
Figure 2015163731
表7に示される結果から明らかな通り、金属表面処理剤の有機ホスホン酸として、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、及び2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸を用いた実施例9〜11では、5種類全てのアルミニウム板材に対する耐中性塩水噴霧試験においても優れた耐食性を有していた。一方、アルキルホスホン酸のみを配合した比較例1及び2では、耐中性塩水噴霧試験に対する耐食性が低かった。有機ホスホン酸ポリマーのみを配合した比較例3では、A1050材、A5052材、A6063材に適用した場合には、耐中性塩水噴霧試験においても優れた耐食性を有していたが、ADC12材、AC4CHに適用した場合、耐中性塩水噴霧試験に対する耐食性がやや低かった。
[耐食性評価(耐酢酸塩水噴霧試験)]
上記で塗料の塗装を行った実施例9〜11及び比較例1〜3の表面処理アルミニウム板材(A1050材、A5052材、A6063材、ADC12材、AC4CH材)の表面の中央付近にカッターにてクロスカットを付け、JIS H 8502−1999記載の酢酸塩水噴霧試験を500時間行い、クロスカット部分の塗膜の膨れ幅を測定し、下記の基準により評価した。結果を表8に示す。
○:膨れ幅が1.5mm以下
△:膨れ幅が1.5mmを超え、3mm以下
×:膨れ幅が3mmを超える
Figure 2015163731
表8に示される結果から明らかな通り、金属表面処理剤の有機ホスホン酸として、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、及び2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸を用いた実施例9〜11では、5種類全てのアルミニウム板材に対する耐酢酸塩水噴霧試験においても優れた耐食性を有していた。一方、アルキルホスホン酸のみを配合した比較例1及び2では、耐酢酸塩水噴霧試験に対する耐食性が低かった。有機ホスホン酸ポリマーのみを配合した比較例3では、A1050材、A5052材、A6063材に適用した場合には、耐酢酸塩水噴霧試験においても優れた耐食性を有していたが、ADC12材、AC4CHに適用した場合、耐酢酸塩水噴霧試験に対する耐食性がやや低かった。

Claims (22)

  1. 有機ホスホン酸ポリマーと、有機ホスホン酸とを含む、金属表面処理剤。
  2. 前記有機ホスホン酸ポリマーが、複数のホスホン酸基:−P(=O)(OH)2と、複数のカルボキシル基:−COOHとを有する、請求項1に記載の金属表面処理剤。
  3. 前記有機ホスホン酸ポリマーが、重合性の不飽和結合を有する有機ホスホン酸と、重合性の不飽和結合を有する有機カルボン酸との共重合体である、請求項1または2に記載の金属表面処理剤。
  4. 前記重合性の不飽和結合を有する有機ホスホン酸が、下記一般式(1):
    1−P(=O)(OH)2 (1)
    [一般式(1)において、R1は、重合性の不飽和結合を有する炭素数2〜10の炭化水素基を示す。]
    で表される、請求項3に記載の金属表面処理剤。
  5. 前記重合性の不飽和結合を有する有機ホスホン酸が、ビニルホスホン酸、プロペン−1−ホスホン酸、及びプロペン−2−ホスホン酸からなる群から選択された少なくとも1種である、請求項3または4に記載の金属表面処理剤。
  6. 前記重合性の不飽和結合を有する有機カルボン酸が、下記一般式(2):
    2−COOH (2)
    [一般式(2)において、R2は、重合性の不飽和結合を有する炭素数2〜10の炭化水素基を示す。]
    で表される、請求項3〜5のいずれかに記載の金属表面処理剤。
  7. 前記重合性の不飽和結合を有する有機カルボン酸が、アクリル酸、クロトン酸、およびメタクリル酸からなる群から選択された少なくとも1種である、請求項3〜6のいずれかに記載の金属表面処理剤。
  8. 前記有機ホスホン酸ポリマーが、ビニルホスホン酸とアクリル酸との共重合体である、請求項1〜7のいずれかに記載の金属表面処理剤。
  9. 前記有機ホスホン酸が、アルキルホスホン酸である、請求項1〜8のいずれかに記載の金属表面処理剤。
  10. 前記アルキルホスホン酸が、下記一般式(3):
    3−P(=O)(OH)2 (3)
    [一般式(3)において、R3は、炭素数4〜18のアルキル基を示す。]
    で表される、請求項9に記載の金属表面処理剤。
  11. 前記アルキルホスホン酸が、オクチルホスホン酸である、請求項9に記載の金属表面処理剤。
  12. 前記有機ホスホン酸が、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、及び2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸からなる群から選択された少なくとも1種である、請求項1〜8のいずれかに記載の金属表面処理剤。
  13. 前記有機ホスホン酸ポリマーの含有量が、10〜100,000ppmである、請求項1〜12のいずれかに記載の金属表面処理剤。
  14. 前記有機ホスホン酸の含有量が、50〜20,000ppmである、請求項1〜13のいずれかに記載の金属表面処理剤。
  15. 前記有機ホスホン酸ポリマーと前記有機ホスホン酸との質量比(有機ホスホン酸ポリマー:有機ホスホン酸)が、1:100〜200:1の範囲にある、請求項1〜14のいずれかに記載の金属表面処理剤。
  16. pHが6〜11の範囲にある、請求項1〜15のいずれかに記載の金属表面処理剤。
  17. pH調整剤をさらに含む、請求項1〜16のいずれかに記載の金属表面処理剤。
  18. 前記pH調整剤が、有機アミン化合物である、請求項17に記載の金属表面処理剤。
  19. 前記pH調整剤が、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びトリイソプロパノールアミンからなる群から選択された少なくとも1種である、請求項17に記載の金属表面処理剤。
  20. 請求項1〜19のいずれかに記載の金属表面処理剤を、金属材料表面に接触させる表面処理工程を備える、金属表面処理方法。
  21. 前記表面処理工程を、15〜70℃の温度下、10〜240秒間行う、請求項20に記載の金属表面処理方法。
  22. 請求項1〜19のいずれかに記載の金属表面処理剤で表面処理されてなる、金属材料。
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