JP2015163484A - ダイヤグラムリーフレット - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐久性が高くて見やすく、また作成の容易なダイヤグラムリーフレットを提供する。
【解決手段】 折り畳み可能な長尺な合成樹脂製の媒体シート2をロール状に巻いた媒体ロール21を、ロール供給方式のオンデマンド印刷機3のロール搭載部32に搭載する。データ入力部35にダイヤグラムデータを入力し、媒体ロール21から引き出した媒体シート2の両面にダイヤグラム1を印刷し、さらに媒体シート2を引き出して次の領域の両面に連続したダイヤグラム1を印刷する。これを繰り返した後、裁断することで個々のダイヤグラムリーフレット4を得る。必要に応じて、通常は人の目に見えない隠し印刷が施される。
【選択図】 図1

Description

本願の発明は、交通機関の運行計画図を表したダイヤグラムリーフレットに関するものである。
従来より、列車等の交通機関の正確な運行を確保するため、策定された運行ダイヤを表した運行計画図(ダイヤグラム)を印刷したダイヤグラムリーフレットが作成されている。作成されたダイヤグラムリーフレットは、乗務員に貸与され、乗務員が乗務に際して携帯するようにしている。尚、「ダイヤグラムリーフレット」という用語は一般的ではないが、ダイヤグラム自体と、ダイヤグラムを印刷したものとを区別するため、本明細書において特に「ダイヤグラムリーフレット」という名称を採用する。
図4及び図5は、従来のダイヤグラムリーフレットの概略図である。
図4及び図5に示すように、ダイヤグラムリーフレットは、全体としては横長の長方形のものを折り畳んだものである。図4が開いた状態、図5が折り畳んだ状態を示す。
ダイヤは列車等の交通機関が運行される路線毎に策定される。したがって、ダイヤグラムも路線毎に策定される。図4及び図5に示すダイヤグラム1において、縦軸は距離であり、図4に示すように一番左側にその路線の駅名11が列記されている。そして、横軸を時間軸とし、列車の運行計画が線(以下、スジと呼ぶ)12によって表現されている。
横軸は時間であるため、縦軸に比して非常に長くなるのが一般的である(例えば10倍程度)。したがって、図5に示すようにダイヤグラムリーフレットは折り畳んだ状態で携帯される。
ダイヤグラムリーフレットは、上記のように非常に横長であるため、1枚の紙に印刷されて作成されることはなく、複数枚に分けて印刷し、貼り合わせを行っている。図4において、線13が貼り合わせ箇所を示している。
特開平5−131930号公報
上記のようなダイヤグラムリーフレットは、乗務員が乗務に際して携帯し、必要に応じて開いて参照することが予定されている。ダイヤグラムリーフレットは、次のダイヤ改正までは乗務員が同じものを携帯して使用するから、十分な耐久性を有することが要請されている。
しかしながら、従来のダイヤグラムリーフレットでは、複数枚に分けて印刷したものを貼り合わせいるため、貼り合わせ箇所で耐久性が低くなっており、貼り合わせ箇所の剥がれや綻び等が生ずる場合がある。また、長く使用すると、貼り合わせ箇所が目立ってきてスジ12が見にくくなることもある。
また、貼り合わせの箇所は、どうしても段差が出来てしまうので、このため、ダイヤグラムが見づらくなってしまうこともある。特に首都圏のような交通機関が発達した地域では、過密ダイヤのため、スジ12が非常に密に複雑に描かれたものが多くなってきている。このような密で複雑なダイヤグラムを印刷したダイヤグラムリーフレットでは、貼り合わせ箇所の段差のため、スジ12が見づらいことが多い。
また、貼り合わせを行う場合、スジ12のずれ等が無いように正しい位置で貼り合わせを行う必要がある。このための作業は面倒で、少しでもずれると製品としては不合格となってしまう。
また、過密ダイヤのダイヤグラムでは、多くのスジ12を描き込まなければならないため、横軸(時間軸)を長くせざえるを得ない。この場合、紙の一方の面だけを利用すると非常に横長になってしまいかさばるので、紙の両面に印刷し、横軸を連続させる構成を採用すると好適である。しかしながら、従来のような貼り合わせを行う構成では、紙の表裏において正しい位置で貼り合わせを行うことは難しく、位置ずれによってダイヤグラムが見づらくなってしまうことが多い。
本願の発明は、上記のような課題を解決するために為されたものであって、耐久性が高くて見やすく、また作成の容易なダイヤグラムリーフレットを提供する技術的意義を有するものである。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、交通機関の運行計画図を表したダイヤグラムリーフレットであって、交通機関の正確な運行を確保するために作成され、交通機関の正確な運行を確保するための情報として上りの列車と下りの列車の交差を示すスジの交わりが示されており、交通機関の乗務員が当該交通機関を正確に運行させる乗務に際して携帯し、当該交通機関を正確に運行させるために必要に応じて開いて参照することが予定されているダイヤグラムリーフレットであり、
折り畳み可能な一枚の媒体シートにダイヤグラムが印刷されて作成されたものであり、一枚の媒体シートは貼り合わせ箇所の無いものであって、その一枚の媒体シートの表面に平日のダイヤグラムが印刷され、裏面に休日のダイヤグラムが印刷され、開くことができる状態で折り畳まれており、
通常は人の目に見えない隠し印刷が施されており、隠し印刷は他のダイヤグラムリーフレットとは異なるものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記媒体シートは合成樹脂より成るものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項2の構成において、前記媒体シートは、ポリエチレンテレフタレートより成るものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項1、2又は3の構成において、前記隠し印刷は、媒体シートに印刷された特定箇所の表記について、通常は人の目には見えない微小な文字、図形又は記号から成る構成としたものであるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願の請求項1記載の発明によれば、貼り合わせ箇所が無いので耐久性が高くて見易いダイヤグラムリーフレットが得られる。また、隠し印刷が施されるので、乗務員が不正にダイヤグラムを流出させるのを防止するのに役立てることができる。
また、請求項2又は3記載の発明によれば、上記効果に加え、媒体シートが合成樹脂製であるので、より耐久性の高いダイヤグラムリーフレットが得られる。
実施形態のダイヤグラムリーフレットの作成方法を示した概略図である。 ダイヤグラムが印刷された媒体シートを示した概略図である。 実施形態のダイヤグラムリーフレットにおける不正流出防止について示した概略図である。 乗務員携帯用の従来のダイヤグラムリーフレットの概略図である。 乗務員携帯用の従来のダイヤグラムリーフレットの概略図である。
次に、本願発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。図1は、実施形態のダイヤグラムリーフレットの作成方法を示した概略図である。
実施形態のダイヤグラムリーフレットの作成方法の大きな特徴点の一つは、オンデマンド印刷機を使用し、貼り合わせ無しでダイヤグラムリーフレットを作成する点である。
対比のため、従来のダイヤグラムリーフレットの作成方法についてより詳しく説明すると、前述したように、従来のダイヤグラムリーフレットは、個々に印刷したもの(以下、リーフレット片と呼ぶ)を貼り合わせて繋ぎ合わせることで作成される。個々のリーフレット片は、オフセット印刷により印刷されている。即ち、個々のリーフレット片用にそれぞれ版下を作成し、個々にオフセット印刷を行ってリーフレット片を得る。
より具体的には、まず、コンピュータ上で個々のリーフレット片用データを作る。これを、版下作成用のフィルムにそれぞれ出力して印刷し、各リーフレット片用のフィルムを得る。そして、光学的な手法、即ち、フィルムを通して露光を行うことにより、各リーフレット片用の版胴を製作し、これを使用して各リーフレット片の印刷を行う。そして、得られた各リーフレット片を貼り合わせて繋ぎ合わせることで、ダイヤグラムリーフレットが出来上がる。
一方、実施形態のダイヤグラムリーフレットの作成方法では、一つのシート状の印刷媒体(以下、媒体シート)2の両面に一回の印刷を行うことで一つのダイヤグラムリーフレットが作成される。即ち、各リーフレット片の貼り合わせ作業は存在しない。また、オンデマンド印刷機3を使用するので、製版作業も存在しない。
従来の方法でも、最終的な製品としてのダイヤグラムリーフレットに相当するパターン及び大きさの版を製作し、それを使って印刷すれば、リーフレット片の貼り合わせ作業は無くなる。しかしながら、前述したようにダイヤグラムリーフレットは、非常に横に長いものであり、一回の印刷で作成しようとすると、版下もそれだけ横に長いものになる。オフセット印刷で行う場合には、版胴の周長を非常に長くする必要が生じ、それは、非常に大きな径の版胴を製作しなければならないことを意味する。現実には、1回の印刷でダイヤグラムリーフレットが出来上がるような版胴を製作して印刷することは不可能か、もしくは非常に困難である。出来たとしても、非常にコストが高くなったり、必要な印刷精度が得られなかったりする。
実施形態のダイヤグラムリーフレットの作成方法は、このような点を考慮し、オンデマンド印刷機3を使用している。オンデマンド印刷機3は、元々は、要求があり次第すぐに印刷できる印刷機を意味していた。最近では、コンピュータのデータを入力することでそのまま印刷することができるデジタル印刷機がオンデマンド印刷機3と呼ばれることが多い。本実施形態においても、オンデマンド印刷機3は、ダイヤグラムデータを入力することで、そのままダイヤグラムの印刷ができるものとなっている。「そのまま」とは、特に版下を製作することなく、データを印刷媒体に直接印刷するということである。
実施形態のダイヤグラムリーフレットの作成方法は、オンデマンド印刷機3を使用し、媒体シート2の両面に同時に印刷を行い、貼り合わせをせずにダイヤグラムリーフレット4を得る方法となっている。また、実施形態の方法では、媒体シート2をロール状に巻いたもの(以下、媒体ロール)21を用意し、媒体ロール21から引き出しながら媒体シート2の所定の領域の両面に印刷を行う。
また、実施形態のダイヤグラムリーフレットの作成方法の別の大きな特徴点は、印刷媒体として紙ではなく、合成樹脂を使用する点である。合成樹脂としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)が想定されているが、PETの他、ポリエチレン系共重合体、ポリプロピレン等を使用することができる。
このような実施形態のダイヤグラムリーフレットの作成方法に使用されるオンデマンド印刷機3としては、両面同時印刷が可能なこと、媒体ロール21による媒体シート2の供給が可能なこと、PET等の合成樹脂よりなる媒体シート2への印刷が可能なことが必要である。また、最近の非常に過密となった運行ダイヤにおけるダイヤグラム印刷においては、600dpi程度の高精細の印刷が必要になってきており、この程度の解像度の印刷が行えることもまた必要である。このような各要請を満たすオンデマンド印刷機3としては、オランダに本社のあるXeikon N.V.社(Brieversstraat 70 4529 GZ Eede, Netherlands)からXEIKONのブランド名で販売されているデジタルカラー印刷機シリーズの中から適宜選んで使用することができる。例えば、XEIKON5000plusが好適に使用できる。XEIKONシリーズの印刷機は、日本では、Xeikon N.V.社の日本法人であるザイコンジャパン株式会社(東京都千代田区)を通じて購入することができる。
オンデマンド印刷機3は、媒体シート2に対して印刷を行う印刷ユニット31と、媒体ロール21を搭載するロール搭載部32と、印刷が行われた媒体シート2を巻き取る巻き取り部34と、ロール搭載部32から媒体シート2を引き出して印刷ユニット31に供給した後、巻き取り部まで搬送するシート搬送系33と、印刷するパターンのデータを入力するデータ入力部35と、データ入力部35に入力されたデータに従って印刷ユニット31等を制御する制御ユニット36とを備えている。
オンデマンド印刷機3は、多くの場合、乾式電子写真方式で印刷を行うものとなっており、印刷ユニット31は、感光体ドラム、露光光源、トナー供給部、現像部等を備えている。本実施形態のオンデマンド印刷機3は、媒体シート2の両面に同時にカラー印刷を行うため、媒体シート3の搬送ラインの両側に各色の印刷ユニット31を設けた構成となっている。各印刷ユニット31では、その色の印刷パターンに応じて感光体を帯電させてトナーを付着させ、そのトナーが付着した面に媒体シート2が圧接されながら搬送されるようにして印刷が行われる。
印刷ユニット3の下流側には、トナーの定着を行う定着ユニット37が設けられている。定着ユニット37は、ヒータの熱によりトナーの定着を行うものである。その他、定着後に媒体シート3の冷却を行う冷却ユニットが設けられている。
シート搬送系33は、媒体シート2の搬送ラインに沿って多数のローラ331を設けた構成となっている。多数のローラ331のうちの少なくとも一つは駆動ローラ332と圧力ローラ333であり、媒体シート2を挟んで引っ張ることで搬送を行うものである。
また、ガイドローラ331のうちの幾つかは、調湿ユニット38に設けられたものとなっている。調湿ユニット38は、媒体シート3を印刷に先立って加熱することでその湿り気を調節するものとなっている。
実施形態のダイヤグラムリーフレットの作成方法の実施について、図1及び図2を使用して説明する。図2は、ダイヤグラムが印刷された媒体シートを示した概略図である。
まず、印刷するダイヤグラムのデータ(ダイヤグラムデータ)を用意する。ダイヤグラムデータは、通常は、鉄道会社等の交通機関から提供される。ダイヤグラムデータのファイル形式は、PostScript、EPS、PDF、PPML、PPML/VDX等、デジタルプリントのファイル形式として定められているものである。前述したXEIKON5000plusは、これらのファイル形式をサポートしている。
交通機関から提供されるデータがオンデマンド印刷機3がサポートしていない形式である場合、データ変換が必要となる。また、デジタルデータが提供されず、紙に出力したものしか提供されない場合、スキャナーで読みとった後、データ変換を行う。
このようにして、所定のファイル形式のダイヤグラムデータをオンデマンド印刷機3に入力するとともに、媒体ロール21を用意する。媒体シート2としては、例えば厚さ80μm〜250μm程度のPETが使用できる。尚、媒体ロール21は、媒体シート2の製造工場にてロール状に巻かれて出荷されることが多く、ロール状に巻く作業は媒体シート2の製造工場で行われる場合が多い。
このような媒体ロール21を、オンデマンド印刷機3のロール搭載部32に搭載する。そして、印刷速度、裁断サイズ等、所要のデータを入力した後、オンデマンド印刷機3を稼働させ、印刷を行う。
即ち、シート搬送系33が媒体ロール21から媒体シート2を引き出し、印刷ユニット31が媒体シート2の所定の領域にダイヤグラム1を印刷する。所定の領域とは、例えば図2に示すように、媒体シート2の幅方向の中央に位置する領域であり、媒体シート2の長さ方向(シート搬送系33による引き出し方向)では、裁断ライン(図2に符号340で示す)の間隔の中央に位置する領域である。
図2に示すように、ダイヤグラム1は横長のものであるが、この長手方向が媒体シート2の長さ方向とされる。この点には、ダイヤグラム1がどんなに横長になっても容易に印刷が行えるという意義がある。本実施形態の方法において、ダイヤグラム1の長手方向を媒体シート2の幅方向(引き出し方向に対して直角の方向)とすることも可能であるが、このようにすると、印刷されるダイヤグラム1の横幅は媒体シート2の幅までが限界となってしまう。一方、長手方向を引き出し方向とすると、ダイヤグラム1の横幅は実質的に無制限となり、どんなに横幅が長いダイヤグラムでも印刷することができる。
また、ダイヤグラム1は媒体シート2の両面に印刷される。通常は、媒体シート2の表面に平日のダイヤグラムが印刷され、裏面に休日のダイヤグラムが印刷される。表面用のデータと裏面用のデータとがそれぞれ作成され、オンデマンド印刷機3に入力される。そして、表面の印刷と裏面の印刷を同時に行い、二つのダイヤグラムが表裏に印刷されたダイヤグラムリーフレットを得るようにする。
尚、別の構成として、一つの路線の連続したダイヤグラム1を媒体シート2の両面に印刷する場合もある。この場合、例えば、ある路線の一日のダイヤグラムのうち、表面に前半のダイヤグラムが印刷され、裏面に後半のダイヤグラムが印刷される。
このようにしてダイヤグラム1が媒体シート2の両面に同時に印刷された後、シート搬送系33はさらに媒体シート2を引き出し、媒体シート2の次の所定の領域に印刷ユニット31が次のダイヤグラム1の印刷を行う。ダイヤグラム1の印刷間隔は裁断ライン340に応じたものとされるが、このデータもデータ入力部35から入力され、制御ユニット36により制御される。
このようにして、媒体シート2の長さ方向に所定間隔をおいて順次ダイヤグラム1の印刷を行う。そして、巻き取り部34が媒体シート2を巻き取る。巻き取り部34が所定の長さまで媒体シート2を巻き取ったら、巻かれた媒体シート2のロールを巻き取り部34から取り外す。その後、図2に示す裁断ライン340で媒体シート2を裁断し、折り畳むことでダイヤグラムリーフレット4が出来上がる。
実施形態のダイヤグラムリーフレットの作成方法によれば、ロール供給方式のオンデマンド印刷機3を使用して一枚の媒体シート2に一つのダイヤグラム1を一括して印刷することでダイヤグラムリーフレット4を作成するので、貼り合わせ箇所の無い一枚もののダイヤグラムリーフレット4が容易に作成できる。オフセット印刷による場合には、非常に大きな径の版胴を製作して使用する必要があるが、このような非実用的で困難な作業は不要である。
また、オンデマンド印刷機3を使用するので、制作に要する期間が短くて済むという効果がある。従来のようにオフセット印刷による場合、ダイヤグラムデータの作成後、各リーフレット片用の版胴を作成し、その後、各リーフレット片の印刷を行って繋ぎ合わせるので、制作に要する期間が長くなりがちである。本実施形態によれば、制作期間が短くなるので、より頻繁にダイヤの変更を行うような交通機関用として好適である。
また、媒体シート2の両面に連続した一つのダイヤグラム1を印刷するようにすると、過密ダイヤとなってもダイヤグラムリーフレット4の横幅はさほど長くはならない。そして、媒体シート2の両面に同時に印刷するので、生産性が高い。
さらに、PET等の合成樹脂から成る媒体シート2を使用しているので、紙に比べて耐久性が高く、乗務員の携帯用として好適なものとなっている。
次に、実施形態のダイヤグラムリーフレットにおける不正流出防止について説明する。図3は、実施形態のダイヤグラムリーフレットにおける不正流出防止について示した概略図である。の実施形態のダイヤグラムリーフレットは、インターネット等を経由した不正な流出を防止するための特別の構成が付加されている。
列車を始めとする各交通機関には、熱心なマニアがいる。上述したダイヤグラムリーフレットは、乗務員携帯用であり、乗務員に対して貸与されるものの、第三者に無断でコピーさせたり譲渡したりすることは禁じられている。しかしながら、ダイヤグラムリーフレットは、一部のマニアでは人気が高く、入手を欲する者が多い。このため、残念なことであるが、インターネット等を通じて第三者が不正な手段で入手するケースがある。即ち、ダイヤグラムリーフレットを貸与された乗務員が、そのダイヤグラムリーフレットをスキャナで読み込み、そのイメージデータをインターネットサイトにアップロードしてダウンロードさせる不正や、コピーしたものをインターネットのオークションサイト等で売買する不正が行われることがある。
このような不正を防止するには、どの乗務員が流出させたか(即ち、無断でアップロードしたり売買したりしたか)を特定し、処罰できるようにすることが重要である。本実施形態のダイヤグラムリーフレットは、この点を考慮し、流出防止用の隠し印刷を行われた構成となっている。
具体的には、実施形態のダイヤグラムリーフレットは、印刷する特定箇所の表記(以下、特定表記)について、普通に人の目で見た場合には確認できないが、大きく拡大した場合に確認できる隠しパターンを設けている。隠しパターンとは、その表記が通常は目には見えない微小な文字、図形又は記号から成る構成であるということである。例えば、ダイヤグラムリーフレットには、いつのダイヤ改正において策定されたダイヤグラムであるかを示す表記がある。この表記について、図3に拡大して示すように、年を表す数字の部分について、小さな文字が集まって一つの文字が表記された構成とされている。例えば、図3に例示するように、「平成20年」の「2」の数字について、xという文字を集めて形成された構成とされる。これに加え、「1月」の「1」の字を隠しパターンの構成としたり、「1日」の「1」の字を隠しパターンの構成としても良い。
どの表記部位について隠しパターンを設けるか、そしてどのような隠しパターンとするか、無数の組み合わせがあり得る。従って、ダイヤグラムリーフレットを貸与する乗務員それぞれについて異なる組み合わせの印刷をすることも可能である。そして、オンデマンド印刷によれば、版を用いる印刷ではないので、一つ一つのダイヤグラムについて異なる隠しパターンを組み込むことが容易にできる。
即ち、例えば100人の乗務員にダイヤグラムリーフレットが貸与される場合、100人について異なる隠しパターンのダイヤグラムデータが用意される。個々の隠しパターンと貸与先の乗務員を識別する情報(乗務員ID)とをデータベースにして保存したデータベースファイルが用意される。オンデマンド印刷機3は、隠しパターンが異なる100個のダイヤグラムデータについてそれぞれ印刷を行い、100個のダイヤグラムリーフレットを作成する。そして、データベースの内容に従って個々の乗務員用に作成された個々のダイヤグラムリーフレットを間違いないように貸与する。
このようにすると、万が一、あるダイヤグラムリーフレットが流出した場合、そのダイヤグラムリーフレットを解析することで、どの乗務員が流出させたかを特定することができる。即ち、インターネットサイト上に無断でアップロードされている場合、そのイメージデータをダウンロードして拡大して分析することで、流出元を特定できる。また、ダイヤグラムリーフレットをカラーコピーしたものが出回っている場合、それを入手し、顕微鏡で拡大すれば、流出元を特定できる。
この実施形態では、隠し印刷は、ある表記部分を非常に小さな文字、図形又は記号で表したものであったが、それ以外の構成もあり得る。例えば、ダイヤグラムの余白等の用紙の色がそのまま表れている箇所に、人の目ではよく見えないもののスキャナ等では読み込んでしまう小さな点を設け、その点の位置や数を各ダイヤグラムリーフレットで異なるものとする構成が考えられる。
いずれにしても、オンデマンド印刷機3を使用することで、隠し印刷のパターンが個々に異なるダイヤグラムの印刷が可能となり、不正流出防止の構成を容易に付与することができる。
前述した実施形態において、ダイヤグラムリーフレットは乗務員が乗務に際して携帯するものであったが、本願発明は、この用途以外のダイヤグラムリーフレットに対しても適用が可能である。例えば、駅舎等に保管するための保管用ダイヤグラムリーフレットについて適用したり、壁に掛けて掲示する掲示用ダイヤグラムリーフレットについて適用したりすることが可能である。とはいえ、耐久性が高い等の効果は、乗務員携帯用のダイヤグラムリーフレットにおいて極めて顕著である。
前述した実施形態では、媒体シート2は合成樹脂製であったが、ダイヤグラムリーフレット作成方法の発明の実施に際しては、媒体シート2は紙製でも良い。この場合、紙の表面に防水コーティングや耐久性を高めるためのコーティングを施したものを採用しても良い。尚、ダイヤグラムリーフレットの発明についても、特許請求はされていないが、紙製の媒体シートについても同様に実施することは可能である。
上記説明において、オンデマンド印刷機はロール供給方式であることが必要であるが、これは、媒体ロールから引き出しながら媒体シートを印刷場所に供給することが必須であることを意味するのであり、いわゆるロールツーロール(roll-to-roll)方式、即ち、印刷されたものを巻き取る巻き取りローラを備えた印刷機であっても良い。ロールツーロール方式の印刷機を使用する場合、巻き取りローラに巻き取った印刷済みの媒体シート2のロールを印刷機から取り外し、裁断機にセットする。そして、裁断機により媒体シート2を裁断ライン340で裁断することで個々のダイヤグラムリーフレット4を得る。
また、上記説明において、ダイヤグラムリーフレットは乗務員に貸与されるものとして説明したが、貸与ではなく譲渡される場合もある。譲渡の場合も、通常は第三者への流出防止等が勤務規則等で課される。
以上の実施形態では、ダイヤグラムは列車の乗務員用であったが、定期路線バスや飛行機、船舶など、他の交通機関の乗務員用であっても良い。
11 駅名
12 スジ
2 媒体シート
21 媒体ロール
3 オンデマンド印刷機
32 ロール搭載部
4 ダイヤグラムリーフレット

Claims (4)

  1. 交通機関の運行計画図を表したダイヤグラムリーフレットであって、交通機関の正確な運行を確保するために作成され、交通機関の正確な運行を確保するための情報として上りの列車と下りの列車の交差を示すスジの交わりが示されており、交通機関の乗務員が当該交通機関を正確に運行させる乗務に際して携帯し、当該交通機関を正確に運行させるために必要に応じて開いて参照することが予定されているダイヤグラムリーフレットであり、
    折り畳み可能な一枚の媒体シートにダイヤグラムが印刷されて作成されたものであり、一枚の媒体シートは貼り合わせ箇所の無いものであって、その一枚の媒体シートの表面に平日のダイヤグラムが印刷され、裏面に休日のダイヤグラムが印刷され、開くことができる状態で折り畳まれており、
    通常は人の目に見えない隠し印刷が施されており、隠し印刷は他のダイヤグラムリーフレットとは異なるものであることを特徴とするダイヤグラムリーフレット。
  2. 前記媒体シートは、合成樹脂より成るものであることを特徴とする請求項1記載のダイヤグラムリーフレット。
  3. 前記媒体シートは、ポリエチレンテレフタレートより成るものであることを特徴とする請求項2記載のダイヤグラムリーフレット。
  4. 前記隠し印刷は、媒体シートに印刷された特定箇所の表記について、通常は人の目には見えない微小な文字、図形又は記号から成る構成としたものであることを特徴とする請求項1,2又は3記載のダイヤグラムリーフレット。
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