JP2015162260A - 装置および磁気抵抗センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】リーダのために減少したシールド間間隔を提供し、高い磁気異方性を導入する、センサ構造を提供する。
【解決手段】ここに開示された実現化例は、上部シールド合成反強磁性層を含む上部シールドと、底部シールド合成反強磁性層を含む底部シールドとを含むセンサ構造を含む、装置を提供する。
【選択図】図1

Description

背景
磁気ハードディスクドライブは、有体磁気記憶媒体にコード化されたデータを読み書きするトランスデューサヘッドを含む。磁気媒体の表面から検出された磁束は、トランスデューサヘッド内の磁気抵抗(magnetoresistive:MR)センサ内の感知層の磁化ベクトルの回転を引き起こし、それは次にMRセンサの電気抵抗率の変化を引き起こす。MRセンサの抵抗の変化は、MRセンサに電流を通し、MRセンサの両端の電圧変化を測定することによって検出できる。関連する回路は、測定された電圧変化情報を適切なフォーマットに変換し、その情報を操作して、ディスク上にコード化されたデータを復元することができる。
概要
ここに説明され、請求されている実現化例は、上部シールド合成反強磁性(synthetic antiferromagnetic:SAF)層を含む上部シールドと、底部シールドSAF層を含む底部シールドとを含むセンサ構造を含む、装置を提供する。上部シールドSAFはエクスサイチュ(ex situ)層であってもよく、底部シールドSAF層はインサイチュ(in situ)層であってもよい。
この概要は、以下の詳細な説明でさらに説明される概念の簡略化された形での選択を導入するために提供される。この概要は、請求されている主題の主な特徴または基本的な特徴を識別するよう意図されてはおらず、また、請求されている主題の範囲を限定するよう意図されてもいない。請求されている主題の他の特徴、詳細、有用性および利点は、さまざまな実現化例、および、添付図面にさらに示され、添付された請求項に定義されているような実現化例のより特定的に書かれた以下の詳細な説明から明らかであろう。
例示的なディスクドライブアセンブリの平面図、ならびに、エクスサイチュ上部合成反強磁性(SAF)シールド、インサイチュ底部SAFシールド、および側部シールド間に構成された例示的な磁気抵抗センサスタックの、空気軸受面に面する分解図である。 図2Aは、例示的なエクスサイチュタイプ1上部SAFシールドの層図であり、図2Bは、図2Aのエクスサイチュタイプ1上部SAFシールドの一例を示す図であり、図2Cは、図2Bの例示的なエクスサイチュタイプ1上部SAFシールドの磁化のグラフである。 図3Aは、例示的なエクスサイチュタイプ2強化上部SAFシールドの層図であり、図3Bは、図3Aのエクスサイチュタイプ2強化上部SAFシールドの一例を示す図であり、図3Cは、図3Bの例示的なエクスサイチュタイプ2強化上部SAFシールドの磁化のグラフである。 図4Aは、例示的なインサイチュタイプ1底部SAFシールドの層図であり、図4Bは、図4Aのインサイチュタイプ1底部SAFシールドの一例を示す図であり、図4Cは、図4Bのインサイチュタイプ1底部SAFシールドの磁化のグラフである。 図5Aは、例示的なインサイチュタイプ2強化底部SAFシールドの層図であり、図5Bは、図5Aのインサイチュタイプ2強化底部SAFシールドの一例を示す図であり、図5Cは、図5Bの例示的なインサイチュタイプ2強化底部SAFシールドの磁化のグラフである。 図6Aは、例示的なインサイチュタイプ3底部SAFシールドの層図であり、図6Bは、図6Aのインサイチュタイプ3底部SAFシールドの一例を示す図である。 磁気素子作製のための例示的な動作を示す図である。
詳細な説明
磁気媒体からデータを読み出すための高いデータ密度および感知可能なセンサに対する要望は増加している。増加した感度を有する巨大磁気抵抗(Giant Magnetoresistive:GMR)センサは、薄く伝導性がある非磁性スペーサ層によって分離された2つの軟磁性層(「ピン留め層」および「自由層」)からなる。トンネル磁気抵抗(Tunnel Magnetoresistive :TMR)センサは、電子が、層に垂直に配向されたスピンとともに薄い絶縁トンネルバリア層を横切って移動するという拡張を、GMRに提供する。
センサの磁気抵抗スタックを通る電気抵抗は、スタック内に位置付けられた自由層および磁気基準層の相対的な磁気配向に依存している。これら2つの層の磁気配向が反平行の場合、電流に対する抵抗は最高となり、一方、これら2つの層の磁気配向が平行の場合、抵抗は最小となる。磁気抵抗スタックは、磁性層の磁気配向を設定するために、磁気アニールプロセスを経る。ここで、磁場は、空気軸受面(air-bearing surface:ABS)方向に対して垂直に印加される。アニールプロセスの後、自由層の(実質的に異方性の方向の)容易軸はABS方向へと向けられ、磁気基準層およびピン留め層は、ABS方向に対して垂直に、反平行に位置付けられている。
センサスタックでは、第1の軟磁性層、すなわち「ピン留め層」(そして特にその磁化)が回転しないよう防止するために、反強磁性(AFM)材料が、ピン留め層に隣接して配置されてもよい。磁化はそれにより、予め定められた方向に固定される。第2の軟磁性層、すなわち「自由層」の磁化は、外部磁場に応答して自由に回転する。センサはまた、他のいくつかの層を含んでいてもよい。
AFM/ピン留め層構造の使用は、リーダのシールド間間隔(shield-to-shield spacing:SSS)を増加させる。記録システムにおける信号対雑音(signal-to-noiseSNR)比を定める磁気センサのパルス幅PW50は、ヘッダのSSSに依存しているため、より低いSSSの達成は、記録システムのSNRを減少させる。
モデル化および実験の双方によって示唆されるような、PW50とSSSとの関係の一例は、ΔPW50≒0.3ΔSSSのように与えることができる。このため、SSSの減少はPW50の値の減少につながり、ひいては記録システム用のSNRの値の増加につながる。このため、SSSを減少させることにより、リーダのより高い線密度を達成することができる。さらに、より小さいSSSはまた、媒体リーダのクロストラック解像度を向上させ、クロストラック解像度のそのような減少は、媒体リーダによって達成可能な面密度のさらなる向上に寄与する。
磁気抵抗装置のサイズが減少するにつれて、ピン留め層の磁化方向の変化が増加する。AFM層の組織および粒の成長を促進するために、シード層が使用されてもよい。その原子構造または配置用に選択されたシード層は、AFM層および磁性層の好ましい結晶学的方向に対応している。シード層は、非磁性材料(たとえばTa、Ru、Cr、Pt、Pd)、または合金(たとえばNiCr)であってもよい。シード層はまた、磁性材料(たとえばNiFe)であってもよく、それは、AFM層と磁気ピン留め層との間の交換バイアス磁場をさらに強化することができる。磁気シード層の磁気配向は、ピン留め層と同じ方向であるABS方向に垂直にピン留めされている。
しかしながら、記録媒体の上方を飛行するリーダヘッドの読取り中、磁気シード層の磁気モーメントは、記録媒体からの漂遊磁場の下でフリップフロップし、スタックの下のシールド磁性層およびスタックの上部のセンサ磁性層の双方にとって望ましくないドメイン移動を引き起こす場合がある。これらの望ましくないドメイン移動は、駆動不安定性の問題につながる場合がある。磁気抵抗スタックは、低い磁気異方性(Hk)を有し得る軟磁性材料(たとえばNiFeまたはCoNiFe)で作られたシールド間に構成されてもよい。
ここに開示されたセンサ構造は、リーダのために減少したSSSを提供し、高い磁気異方性を導入する。具体的には、センサ構造は、上部シールドSAF層を含む上部シールドと、底部シールドSAF層を含む底部シールドとを含む。上部シールドSAF層はエクスサイチュ層であってもよく、底部シールドSAF層はインサイチュ層であってもよい。「インサイチュ」とは、インサイチュ堆積、すなわち、真空を破壊することなく磁気抵抗スタックを用いた堆積を指す。「エクスサイチュ」とは、エクスサイチュ堆積、すなわち、磁気抵抗スタックの堆積に続く真空破壊後の堆積を指す。
さらに、上部シールドSAF層および底部シールドSAF層は高い磁気異方性を有しており、それはシールドの安定性を向上させ、また、シールド間間隔を減少させることを可能にする。加えて、底部シールドSAF層は、AFM層と磁気ピン留め層との間の交換バイアス磁場を強化するために、シード層として作用し、結晶組織成長を促進し、粒径を制御する。上部シールドSAF層を含む上部シールドと底部シールドSAF層を含む底部SAFシールドとの間に位置付けられた磁気抵抗スタックは、自由層、バリア層、磁気基準層、結合スペーサ層、磁気ピン留め層、および反強磁性層から構成されてもよい。
開示されたセンサ構造の磁気モーメントは、記録媒体から生じる任意の方向の漂遊磁場に対して直線的に応答する。上部、底部および側部シールドは、センサスタックの自由層、磁気基準層および磁気ピン留め層の磁気配向に干渉することなく、漂遊磁場を吸収する。上部シールドSAF層および底部シールドSAF層、ならびに上部シールドSAF層と磁気的に接続された側部シールドの高い磁気異方性は、リーダヘッドにドメイン安定性を提供する。加えて、上部シールドおよび底部シールドにおけるSAF層は、シールド構造の一部を形成し、それはSSSを減少させることを可能にする。さらに、底部シールドにおけるインサイチュSAF層はシード層として機能し、それは、底部シールドの上方に位置するAFM層の結晶組織成長を促進し、底部シールドの上方に位置するAFM層の粒径を制御して、センサスタックのAFM層と磁気ピン留め層との間の交換バイアス磁場の強化をもたらす。上部シールドおよび底部シールドにおけるSAF層はまた、シールド内のドメイン壁移動によって生じるバルクハウゼン雑音を減少させる。
底部および上部SAFシールドは、シールド構造の一部を形成し、シールド間間隔(SSS)を減少させる。減少したSSSは減少したPW50につながり、ひいてはリーダの線密度能力の増加につながる。さらに、SSSの減少はまた、リーダのクロストラック解像度を向上させ、ひいてはリーダの面密度能力を向上させる。
図1は、例示的なディスクドライブアセンブリ100の平面図を示す。例示的なディスクドライブアセンブリ100は、媒体ディスク108上に位置付けられたアクチュエータアーム110の遠位端上に、スライダ120を含む。スライダ120をデータトラック(たとえばデータトラック140)上に位置付けるために、アクチュエータ回転軸106を中心に回転する回転式ボイスコイルモータが使用され、媒体ディスク108を回転させるために、ディスク回転軸111を中心に回転するスピンドルモータが使用される。特に図Aを参照して、媒体ディスク108は、外径102および内径104を含み、それらの間には、円形の点線によって示されたデータトラック140などの複数のデータトラックがある。
スライダ120は、さまざまな機能を行なうさまざまな層を有する積層構造である。スライダ120は、ライタ区分(図示せず)と、媒体ディスク108からデータを読み出すための1つ以上のMRセンサとを含む。
図1の図Bは、ディスクドライブアセンブリ100の使用時に媒体ディスク108のABSに面する例示的なMRセンサ130の側部を示す。このため、図Bに示すMRセンサ130は、図Aに示すスライダ120に動作的に取付けられている場合、(たとえばZ軸を中心として)約180度回転されてもよい。
ダウントラック方向(z方向)において、インサイチュSAF層を含む底部シールド114(インサイチュ底部SAFシールド114とも呼ばれる)およびエクスサイチュSAF層を含む上部シールド116(エクスサイチュ上部SAFシールド116とも呼ばれる)というシールド素子間に、センサスタック132が位置付けられている。エクスサイチュ上部SAFシールド116は、磁気抵抗接合部、堆積絶縁体171および172、ならびに側部シールド160および161の形成後、形成される。
インサイチュ底部SAFシールド114は、外部底部シールド112の隣りに位置付けられ、エクスサイチュ上部SAFシールド116は、外部上部シールド118の隣りに位置付けられている。インサイチュ底部SAFシールド114は、センサスタック132を形成する一部として形成される。言いかえれば、インサイチュ底部SAFシールド114は、センサスタック132の他の層が真空を破壊することなく形成されている場合に形成され、それは、インサイチュ底部SAFシールド114とセンサスタック132とのよりよい統合を提供する。シールド素子は、電磁干渉、主としてz方向の干渉からセンサスタック132を隔離して、処理電子機器(図示せず)に接続された電導性の第1および第2の導線として機能する。
動作中、媒体ディスク108上のトラック140に沿ったあるビットは連続的に、外部底部シールド112、インサイチュ底部SAFシールド114の下を通り、センサスタック132、エクスサイチュ上部SAFシールド116の下を通り、それから外部上部シールド118の下を通る。したがって、外部底部シールド112の近位にあるセンサスタック132の縁は、センサスタックの「前縁」と呼ばれ、外部上部シールド118の近位にあるセンサスタック132の縁は、センサスタックの「後縁」と呼ばれてもよい。
センサスタック132は、複数の機能を行なう複数の層を有する。さまざまな実現化例では、そのような層の機能性および個数は変化してもよい。一実現化例では、センサスタック132は、印加された磁場に応答して自由に回転する磁気モーメントを有する磁性層(すなわち自由層)を含む。媒体ディスク108上のデータビットは、図1の平面に対して垂直な方向において、図の平面に向かって、または図の平面から出るように磁化される。このため、MRセンサ130があるデータビットの上方を通る場合、自由層の磁気モーメントは、図1の平面に向かって、または図1の平面から出るように回転されて、MRセンサ130の電気抵抗を変化させる。MRセンサ130によって感知されているビットの値(たとえば、1または0)はしたがって、センサスタック132を流れる電流に基づいて判断されてもよい。
図1では、センサスタック132の前縁はインサイチュ底部SAFシールド114に接しており、それは外部底部シールド112に隣接して位置付けられている。センサスタック132は、(インサイチュ底部SAFシールド114の隣りに位置付けられた)AFM層122と、磁気ピン留め層124と、Ru層126と、磁気基準層128と、バリア層(またはスペーサ)134と、自由層136と、キャッピング層138とを含む(センサスタック132内のさまざまな層のダウントラック幅は、縮尺通りに示されてはいない)。
ピン留め層124は、隣接するAFM層122によってバイアスをかけられた磁気モーメントを有する。そのようなバイアシングの方向は、基準層128の磁気配向と実質的に反平行の方向にある。これらの反平行の磁気配向は、層126を横切る反強磁性結合によるものであり、層126は、ルテニウム(Ru)または他の好適なルーダーマン−キッテル−糟谷−芳田(Ruderman-Kittel-Kasuya-Yosida:RKKY)結合材料の層であってもよい。キャッピング層138はエクスサイチュ上部SAFシールド116に隣接して位置付けられており、エクスサイチュ上部SAFシールド116は外部上部シールド118に隣接して位置付けられている。
堆積絶縁体171および172はAlまたはMgOからなってもよく、それらは、側部シールド160および161を底部シールドおよび磁気抵抗接合部から電子的に絶縁し、センサ線幅を規定する。側部シールド160および161は、軟強磁性ニッケル合金(たとえばNiFe、NiFeCr、NiFeMo、NiFeW、CoNiFeおよびCoFeNiB)で作られている。側部シールドは、上部シールドSAF層116に磁気的に接続する。側部シールド160および161はまた、ABS方向に沿って自由層の磁気モーメントを安定させるために、バイアス磁場を提供する。
図2Aは、エクスサイチュタイプ1上部SAFシールド202の一実現化例を示す。磁性層21および磁性層24は、軟強磁性ニッケル合金(たとえばNiFe、NiFeCr、NiFeMo、NiFeW、CoNiFeおよびCoFeNiB)で作られている。これらの層は、およそ10nm〜50nmの厚さを有していてもよい。磁性層22、磁性層23および磁性層25は、軟強磁性コバルト合金(たとえばCoFe、CoFeB、CoNiFeまたはCoNiFeB)を含んでいてもよい。これらの層はおよそ0.5nm〜20nmの厚さを有していてもよい。非磁性層27は、スペーサ層として作用する。この層はCu、Cr、Ag、RuまたはMoを含んでいてもよく、およそ0.3nm〜1.0nmの厚さを有していてもよく、それは磁性層22と層23との間に反強磁性結合を提供する。反強磁性層200は、PtMn、IrMn、NiMn、FeMn、CrPtMn、CrIrMn、CrNiMnまたはCrFeMnを含んでいてもよい。この層はおよそ5.0nm〜10nmの厚さを有していてもよく、それは磁性層25の磁化をABS方向にピン留めする。
図2Bは、NiFe25nm/CoFe2.0nm/Ru0.8nm/CoFe2.0nm/NiFe25nm/CoFe2.0nm/IrMn7.0nmという層を有する、一実現化例におけるエクスサイチュタイプ1上部SAFシールド204を示す。図2Cは、上部SAFシールドを含むセンサ構造の、図2Bの容易軸に沿った磁化曲線(またはBHループ)210(点線で示す)と、(実質的に容易軸に直交する方向の)困難軸に沿った磁化曲線212とを含むグラフ206を示す。グラフ206は、(x軸に沿った)磁場強度に対する(y軸に沿った)磁束密度の値を示す。磁場強度(エルステッドで測定)が増加し続けるにつれて、磁束密度(nWbで測定)は、それがもはや増加できないある値に達するまで磁場強度に比例して増加し、一定になる。図2CのBHループ210は、タイプ1上部SAFシールドが300Oeまでの磁場内で平らな平坦部分を有することを示す。それは、漂遊磁場によって影響を受けたシールドで望ましくないドメイン移動を防止し、それによりセンサ安定性を向上させることができる。図2CのBHループ212は、図2Bのタイプ1上部SAFシールドが、軟強磁性材料(たとえばNiFeおよびCoFe)を含む上部シールドの異方性よりも、およそHk〜500Oeのはるかにより高い磁気異方性と、困難軸飽和磁場(Hsat_H95)〜1100Oe(95%が飽和された、困難軸に沿った磁場)とを有することを示す。
図3Aは、エクスサイチュタイプ2強化上部SAFシールド302の一実現化例を示す。磁性層31および層34は、およそ10nm〜50nmの厚さを有する軟強磁性ニッケル合金(たとえばNiFe、NiFeCr、NiFeMo、NiFeW、CoNiFeまたはCoNiFeB)で作られている。磁性層32、磁性層33、磁性層35および磁性層36は、0.5nm〜20nmの厚さを有する軟強磁性コバルト層(たとえばCoFe、CoFeB、CoNiFeおよびCoNiFeB)で作られている。非磁性層37および層38は、およそ0.3nm〜1.0nmの厚さを有する金属(たとえばCu、Cr、Ag、RuまたはMo)で作られたスペーサ層であり、それは磁性層32と層33との間に、および磁性層35と層36との間に反強磁性結合を提供する。反強磁性層300は、およそ5.0nm〜10nmの厚さを有するPtMn、IrMn、NiMn、FeMn、CrPtMn、CrIrMn、CrNiMnまたはCrFeMnで作られており、それは上部SAFシールドの磁化をABS方向に向けてピン留めする。
図3Bは、NiFe25nm/CoFe2.0nm/Ru0.8nm/CoFe2.0nm/NiFe25nm/CoFe2.0nm/Ru0.8nm/CoFe5nm/IrMn7nmを有する、一実現化例におけるエクスサイチュタイプ2上部SAFシールド304を示す。
図3Cは、エクスサイチュタイプ2上部SAFシールドの、図3Bの容易軸に沿ったBHループ310(点線)と、困難軸に沿ったBHループ312とを含むグラフ306を示す。図3CのBHループ310は、タイプ2上部SAFシールドが300Oeまで以内で平らな平坦部分を有することを示す。それは、漂遊磁場によって影響を受けたシールドで望ましくないドメイン移動を防止し、それによりシールド内の安定性を向上させることができる。図3CのBHループ312は、図3Bのタイプ2上部SAFシールドが、軟強磁性材料(たとえばNiFeおよびCoFe)を含む上部シールドの異方性に比べ、およそHk〜700Oeのはるかにより高い磁気異方性と、Hsat_H95〜2100Oeとを有することを示す。
図4Aは、インサイチュタイプ1底部SAFシールド402の一実現化例を示す。磁性層41および層44という層は、軟強磁性ニッケル合金(たとえばNiFe、NiFeCr、NiFeMo、NiFeW、CoNiFeまたはCoNiFeB)で作られている。磁性層42、層43および層45は、軟強磁性コバルト合金(たとえばCoFe、CoFeB、CoNiFeまたはCoNiFeB)を含んでいてもよい。非磁性層40は、およそ0nm〜3.0nmの厚さを有する金属(たとえばCu、Ag、Au、Al、Pt、Pd、Ru、Ta、CrまたはMo)を含んでいてもよく、それは組織成長を促進し、上方の層の粒径を制御する。
非磁性層47は、0.3nm〜1.0nmの厚さを有する金属(たとえばCu、Cr、Ag、RuまたはMo)で作られたスペーサ層であり、それは磁性層42と磁性層43との間に反強磁性結合を提供する。これはまた、上方のセンサスタックのための平滑層であり、上方のAFM層400の粒径を制御する。
図4Bは、Ta1.0nm/NiFe4.5nm/CoFe0.5nm/Ru0.8nm/CoFe0.5nm/NiFe4.0nm/CoFe0.5nm/IrMn7.0nmを含むインサイチュタイプ1底部シールド404の一実現化例を示す。
図4Cは、底部SAFシールドの、図4Bの容易軸に沿ったBHループ410(点線)と、困難軸に沿ったBHループ412とを含むグラフ406を示す。図4CのBHループ412は、図4Bのタイプ1底部SAFシールドが、軟強磁性材料(たとえばNiFeまたはCoFe)の外部底部シールドよりも、およそ300〜800Oeのはるかにより高い磁気異方性Hkと、800〜1600OeのHsat_H95とを有することを示す。図4CのBHループ410は、タイプ1底部SAFシールドが300Oe以上で平らな平坦部分を有することを示す。それは、漂遊磁場によるシールドで望ましくないドメイン移動を防止し、それにより安定性を向上させることができる。
図5Aは、インサイチュタイプ2強化底部SAFシールド502の一実現化例を示す。磁性層51および層54という層は、軟強磁性ニッケル合金(たとえばNiFe、NiFeCr、NiFeMo、NiFeW、CoNiFeまたはCoNiFeB)で作られている。磁性層52、層53、層55および層56は、軟強磁性コバルト合金(たとえばCoFe、CoFeB、CoFeNiまたはCoNiFeB)で作られている。非磁性層50という層は、およそ0.0nm〜3.0nmの厚さを有する金属(たとえばCu、Ag、Au、Al、Pt、Pd、Ru、Ta、CrまたはMo)で作られており、それは組織成長を促進し、上方の層の粒径を制御する。非磁性層57および層58は、およそ0.3nm〜1.0nmの厚さを有する金属(たとえばCu、Cr、Ag、RuまたはMo)で作られたスペーサ層であり、それは磁性層52と層53との間に、および磁性層55と層56との間に反強磁性結合を提供し、それはまた、上方のスタックのための平滑層であり、上方のAFM層500の粒径を制御する。
図5Bは、Ta1nm/NiFe4.5nm/CoFe0.5nm/Ru0.8nm/CoFe0.5nm/NiFe4.0nm/CoFe0.5nm/Ru0.8nm/CoFe1.0nm/IrMn7.0nmを含む、一実現化例における例示的なインサイチュタイプ2強化底部SAFシールド504を示す。
図5Cは、底部SAFシールドの、図5Bの容易軸に沿ったBHループ510と、困難軸に沿ったBHループ512とを含むグラフ506を示す。図5CのBHループ512は、図5Bのタイプ2強化底部SAFシールドが、軟強磁性材料(たとえばNiFeおよびCoFe)を含む底部シールドの異方性に比べ、およそHk〜2100Oeのはるかにより高い磁気異方性と、Hsat_H95〜2900Oeとを有することを示す。図5CのBHループ510は、タイプ2底部SAFシールドが300Oe以上で平らな平坦部分を有することを示す。それは、漂遊磁場によるシールドで望ましくないドメイン移動を防止し、それにより安定性を向上させることができる。
図6Aは、インサイチュタイプ3底部SAFシールド602の一実現化例を示す。磁性層61および層64という層は、軟強磁性ニッケル合金(たとえばNiFe、NiFeCr、NiFeMo、NiFeW、CoFeNiまたはCoNiFeB)で作られている。磁性層62および層63は、軟強磁性コバルト合金(たとえばCoFe、CoFeB、CoFeNiまたはCoNiFeB)で作られている。
非磁性層60は、およそ0nm〜3.0nmの厚さを有する金属(たとえばCu、Cr、Ag、Au、Al、Pt、Pd、Ta、RuまたはMo)で作られており、それは組織成長および上方の層の粒径を促進する。
非磁性層67は、およそ0.3nm〜1.0nmの厚さを有する金属(たとえばCu、Ag、Ru、CrまたはMo)で作られたスペーサ層であり、それは磁性層62と磁性層63との間に反強磁性結合を提供し、それはまた、上方のスタックのための平滑層であり、上方のAFM層600の粒径を制御する。
図6Bは、Ta1.0nm/NiFe4.5nm/CoFe0.5nm/Ru0.8nm/CoFe0.5nm/NiFe4.5nm/IrMn7.0nmを含む、一実現化例における図6Aのインサイチュタイプ3底部SAFシールド604の一例を示す。
ここで図7を参照して、磁気素子作製のための方法の例示的な動作700を示す。図示されているように、底部シールド形成動作702で、底部シールドが形成される。一実現化例では、堆積動作704で、インサイチュ底部SAFシールド磁気抵抗スタックが、真空を破壊することなく堆積される。次に、形成動作706で、磁気抵抗接合部がミリングによって形成される。堆積動作708で、絶縁体が堆積される。次に、別の堆積動作710で、側部シールドが堆積される。堆積動作712で、エクスサイチュ上部SAFシールドが堆積される。最後に、上部シールド形成動作714で、上部シールドが形成される。
上述の明細書、例およびデータは、この発明の例示的な実現化例の構造および使用の完全な説明を提供する。この発明の多くの実現化例は、この発明の精神および範囲から逸脱することなく作成できるため、この発明は、添付された請求項に存在する。また、異なる実現化例の構造的特徴は、記載された請求項から逸脱することなく、さらに別の実現化例と組合わされてもよい。上述の実現化例および他の実現化例は、請求項の範囲内にある。
100:ディスクドライブアセンブリ、114:底部シールド、116:上部シールド116、130:MRセンサ、132:センサスタック。

Claims (20)

  1. 上部シールド合成反強磁性(SAF)層を含む上部シールドと、底部シールドSAF層を含む底部シールドとを含むセンサ構造を含む、装置。
  2. 底部SAFシールド層はシード層構造の一部である、請求項1に記載の装置。
  3. 上部SAFシールド層はエクスサイチュSAF層である、請求項1に記載の装置。
  4. 底部SAFシールド層はインサイチュSAF層である、請求項1に記載の装置。
  5. インサイチュ底部SAFシールド層はシード層である、請求項4に記載の装置。
  6. 上部シールドSAF層と底部シールドSAF層との間に、自由層、バリア層、磁気基準層、結合スペーサ、磁気ピン留め層、および反強磁性層を含む、磁気抵抗センサ素子をさらに含む、請求項1に記載の装置。
  7. 上部シールドSAF層はエクスサイチュSAF層であり、底部シールドSAF層はインサイチュSAF層であり、インサイチュ底部シールドSAF層はシード層である、請求項1に記載の装置。
  8. 底部シールドSAF層に隣接する多結晶組成の反強磁性層をさらに含む、請求項7に記載の装置。
  9. 反強磁性層は、白金およびマンガンのうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の装置。
  10. 上部シールドSAF層は、ニッケル合金およびコバルト合金のうちの少なくとも1つの層をさらに含む、請求項1に記載の装置。
  11. 底部シールドSAF層は、ニッケル合金およびコバルト合金のうちの少なくとも1つの層をさらに含む、請求項1に記載の装置。
  12. 上部シールド合成反強磁性(SAF)層を含む上部シールドと、底部シールドSAF層を含む底部シールドとを含むセンサ構造を含む、装置であって、
    上部シールドSAF層はエクスサイチュ上部シールドSAF層であり、底部シールドSAF層はインサイチュ底部シールドSAF層である、装置。
  13. 底部シールドSAF層は、AFM層のためのシード層を形成する、請求項12に記載の装置。
  14. 上部シールドSAF層は、300Oeよりも大きい磁気異方性Hkを有する、請求項12に記載の装置。
  15. 底部シールドSAF層は、300Oeよりも大きい磁気異方性Hkを有する、請求項14に記載の装置。
  16. 上部シールドと底部シールドとの間にダウントラック方向に沿って構成された磁気抵抗(MR)スタックと、
    上部シールドに構成された上部シールドSAF層と、
    底部シールドに構成された底部シールドSAF層とを含む、MRセンサ。
  17. 上部シールドSAF層は、エクスサイチュプロセスを使用して構成される、請求項16に記載のMRセンサ。
  18. 底部シールドSAF層は、インサイチュプロセスを使用して構成される、請求項16に記載のMRセンサ。
  19. 底部シールドSAF層は、センサスタックのAFM層のためのシード層を形成する、請求項16に記載のMRセンサ。
  20. 上部シールドSAF層の異方性Hkは300Oeよりも大きい、請求項16に記載のMRセンサ。
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