JP2015161880A - マクロレンズおよび撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】近距離撮影時にも色収差が良好に補正されたマクロレンズとする。
【解決手段】物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、負の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3、負の屈折力を有する第4レンズ群G4、正の屈折力を有する第5レンズ群G5、負の屈折力を有する第6レンズ群G6からなり、第2レンズ群G2の像側面から第4レンズ群G4の物体側面の間に、フォーカス時に固定される絞りStを備え、無限遠物体から最至近物体へのフォーカスに際して、第2レンズ群G2、第4レンズ群G4、第5レンズ群G5を独立に光軸方向に移動し、無限遠物体から最至近物体へのフォーカスに際して、第2レンズ群G2を像側へ、第4レンズ群G4を物体側へ移動するものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、デジタルカメラ、ビデオカメラや放送用カメラ、監視用カメラ等の電子カメラに適したマクロレンズおよび該マクロレンズを備えた撮像装置に関するものである。
従来より、撮影倍率が等倍程度の近距離撮影を行うことを主目的としたマクロレンズがある。
このマクロレンズは、無限遠物体から撮影倍率が等倍程度の近距離物体までの撮影時において、連続的に合焦可能であり、特に近距離物体の撮影時に高い光学性能を得られるように設計されている。
一般的に、フォーカシングに伴う収差変動を抑えるため、フォーカス時に2つ以上のレンズ群を移動させるフローティングフォーカス方式が用いられている。
従来は、最も物体側のレンズ群を前に繰り出すことによってフォーカシングを行うフロントフォーカスタイプが採用されていたが、近距離物体を撮影する際、レンズが被写体に近づいてしまうため、操作性が悪くなってしまう。また、外径の大きな第1レンズ群を移動させる場合、重量が重くなるため、高速なフォーカスが難しくなる。また、等倍程度まで近距離撮影した場合、軸上色収差が大きく発生するという問題もあった。
近年、第1レンズ群を固定させて、複数のレンズ群を移動させてフォーカスを行うフローティングフォーカス方式の撮影レンズが用いられている。さらにフォーカシングによる収差変動をより抑えるため、下記特許文献1,2のように、3つのレンズ群を移動させることによってフォーカシングを行う方式が提案されている。
特開2012−058682号公報 特開2011−048232号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載されているマクロレンズはいずれも近距離撮影時の色収差が十分ではなく、さらに良好な特性のマクロレンズが望まれている。
本発明は、撮影倍率が等倍程度であり、近距離撮影時にも色収差が良好に補正されたマクロレンズおよび該レンズを備えた撮像装置を提供することを目的とするものである。
本発明のマクロレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、負の屈折力を有する第4レンズ群、正の屈折力を有する第5レンズ群、負の屈折力を有する第6レンズ群からなり、第2レンズ群の像側面から第4レンズ群の物体側面の間に、フォーカス時に固定される絞りを備え、無限遠物体から最至近物体へのフォーカスに際して、第2レンズ群、第4レンズ群、第5レンズ群を独立に光軸方向に移動し、無限遠物体から最至近物体へのフォーカスに際して、第2レンズ群を像側へ、第4レンズ群を物体側へ移動することを特徴とする。
本発明のマクロレンズにおいて、第1レンズ群は、少なくとも1枚正レンズを有し、下記条件式(1),(2)を満たすことが好ましい。
N1d<1.65 …(1)
60.0<ν1d …(2)
ただし、N1d:第1レンズ群中の正レンズのd線の屈折率、ν1d:第1レンズ群中の正レンズのd線に対するアッベ数とする。
また、第2レンズ群は、負レンズと正レンズとの接合レンズを有し、下記条件式(3)を満たすことが好ましい。
20.0<ν2dn−ν2dp …(3)
ただし、ν2dp:第2レンズ群中の接合レンズを構成する正レンズのd線に対するアッベ数、ν2dn:第2レンズ群中の接合レンズを構成する負レンズのd線に対するアッベ数とする。
また、第3レンズ群は、1枚の正レンズからなり、下記条件式(4)を満たすことが好ましい。
ν3d<30.0 …(4)
ただし、ν3d:第3レンズ群の正レンズのd線に対するアッベ数とする。
また、下記条件式(5)を満たすことが好ましい。
0.5<f3/f<1.5 …(5)
ただし、f:無限遠物体に合焦状態のときの焦点距離、f3:第3レンズ群の焦点距離とする。
また、下記条件式(6)を満たすことが好ましい。
0.5<f45/f<1.5 …(6)
ただし、f45:第4レンズ群と第5レンズ群の無限遠での合成焦点距離とする。
また、第4レンズ群は、正レンズと負レンズとの接合レンズを有し、下記条件式(7)を満たすことが好ましい。
20.0<ν4dp−ν4dn …(7)
ただし、ν4dp:第4レンズ群中の接合レンズを構成する正レンズのd線に対するアッベ数、ν4dn:第4レンズ群中の接合レンズを構成する負レンズのd線に対するアッベ数とする。
また、第1レンズ群中の少なくとも1面が非球面であることが好ましい。
また、第2レンズ群中の少なくとも1面が非球面であることが好ましい。
また、フォーカス時に移動するレンズ群を構成するレンズの枚数の合計が7枚以下であることが好ましい。
また、第1レンズ群が、3枚のレンズからなることが好ましい。
また、第1レンズ群は、少なくとも1枚正レンズを有し、下記条件式(1),(2−1)を満たすことが好ましい。
N1d<1.65 …(1)
65.0<ν1d …(2−1)
また、第2レンズ群は、負レンズと正レンズとの接合レンズを有し、下記条件式(3−1)を満たすことが好ましい。
25.0<ν2dn−ν2dp …(3−1)
また、第3レンズ群は、1枚の正レンズからなり、下記条件式(4−1)を満たすことが好ましい。
ν3d<26.0 …(4−1)
また、下記条件式(5−1)を満たすことが好ましく、下記条件式(5−2)を満たせばより好ましい。
0.6<f3/f<1.2 …(5−1)
0.65<f3/f<1.0 …(5−2)
また、下記条件式(6−1)を満たすことが好ましい。
0.6<f45/f<1.0 …(6−1)
また、第4レンズ群は、正レンズと負レンズとの接合レンズを有し、下記条件式(7−1)を満たすことが好ましい。
25.0<ν4dp−ν4dn …(7−1)
本発明の撮像装置は、上記記載の本発明のマクロレンズを備えたことを特徴とするものである。
なお、上記「〜からなり」とは、構成要素として挙げたレンズ群以外に、実質的にパワーを有さないレンズ、絞り、マスク、カバーガラス、フィルタ等のレンズ以外の光学要素、レンズフランジ、レンズバレル、撮像素子、手ぶれ補正機構等の機構部分、等を含んでもよいことを意図するものである。
また、上記のレンズの面形状や屈折力の符号は、非球面が含まれている場合は近軸領域で考えるものとする。
本発明のマクロレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、負の屈折力を有する第4レンズ群、正の屈折力を有する第5レンズ群、負の屈折力を有する第6レンズ群からなり、第2レンズ群の像側面から第4レンズ群の物体側面の間に、フォーカス時に固定される絞りを備え、無限遠物体から最至近物体へのフォーカスに際して、第2レンズ群、第4レンズ群、第5レンズ群を独立に光軸方向に移動し、無限遠物体から最至近物体へのフォーカスに際して、第2レンズ群を像側へ、第4レンズ群を物体側へ移動するものとしたので、近距離撮影時にも色収差が良好に補正されたマクロレンズとすることが可能となる。
また、本発明の撮像装置は、本発明のマクロレンズを備えているため、高画質の映像を得ることができる。
本発明の一実施形態にかかるマクロレンズ(実施例1と共通)のレンズ構成を示す断面図 本発明の一実施形態にかかるマクロレンズ(実施例1と共通)のフォーカス時の各レンズ群の移動軌跡を示す図 本発明の実施例2のマクロレンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例2のマクロレンズのフォーカス時の各レンズ群の移動軌跡を示す図 本発明の実施例3のマクロレンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例3のマクロレンズのフォーカス時の各レンズ群の移動軌跡を示す図 本発明の実施例4のマクロレンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例4のマクロレンズのフォーカス時の各レンズ群の移動軌跡を示す図 本発明の実施例5のマクロレンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例5のマクロレンズのフォーカス時の各レンズ群の移動軌跡を示す図 本発明の実施例1のマクロレンズの各収差図(A〜L) 本発明の実施例2のマクロレンズの各収差図(A〜L) 本発明の実施例3のマクロレンズの各収差図(A〜L) 本発明の実施例4のマクロレンズの各収差図(A〜L) 本発明の実施例5のマクロレンズの各収差図(A〜L) 本発明の実施形態にかかる撮像装置の概略構成図
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態にかかるマクロレンズのレンズ構成を示す断面図、図2はこのマクロレンズのフォーカス時の各レンズ群の移動軌跡を示す図である。図1および図2に示す構成例は、後述の実施例1のマクロレンズの構成と共通である。図1および図2においては、左側が物体側、右側が像側である。
図1および図2に示すように、このマクロレンズは、光軸Zに沿って、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、負の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3、負の屈折力を有する第4レンズ群G4、正の屈折力を有する第5レンズ群G5、負の屈折力を有する第6レンズ群G6からなり、第2レンズ群G2の像側面から第4レンズ群G4の物体側面の間に、フォーカス時に固定される絞りStを備え、無限遠物体から最至近物体へのフォーカスに際して、第2レンズ群G2、第4レンズ群G4、第5レンズ群G5を独立に光軸方向に移動し、無限遠物体から最至近物体へのフォーカスに際して、第2レンズ群G2を像側へ、第4レンズ群G4を物体側へ移動するように構成されている。なお、絞りStは必ずしも大きさや形状を表すものではなく、光軸Z上の位置を示すものである。
このマクロレンズを撮像装置に適用する際には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、光学系と像面Simの間にカバーガラス、プリズム、赤外線カットフィルタやローパスフィルタなどの各種フィルタを配置することが好ましいため、図1では、これらを想定した平行平面板状の光学部材PPをレンズ系と像面Simとの間に配置した例を示している。
上記のように、マクロレンズを正負正負正負の6群で構成し、フォーカス時に第2レンズ群G2、第4レンズ群G4、第5レンズ群G5を独立に光軸方向に移動させることにより、フォーカス時における収差変動を抑え、良好な結像性能を得ることができる。
また、第2レンズ群G2と第4レンズ群G4が絞りStを挟んで対称に移動するため、特に倍率色収差の変動を抑えることができる。
本発明のマクロレンズにおいて、第1レンズ群G1は、少なくとも1枚正レンズを有し、下記条件式(1),(2)を満たすことが好ましい。条件式(1),(2)は、第1レンズ群G1中の正レンズの屈折率とアッベ数に関する式で、これら条件式(1),(2)を満たすことにより、無限遠物体撮影時と最至近物体撮影時において色収差をバランス良く補正することが可能となる。なお、下記条件式(1)および(2−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
N1d<1.65 …(1)
60.0<ν1d …(2)
65.0<ν1d …(2−1)
ただし、N1d:第1レンズ群中の正レンズのd線の屈折率、ν1d:第1レンズ群中の正レンズのd線に対するアッベ数とする。
また、第2レンズ群G2は、負レンズと正レンズとの接合レンズを有し、下記条件式(3)を満たすことが好ましい。条件式(3)は、第2レンズ群G2中の接合レンズのアッベ数に関する式で、この条件式(3)を満たすことにより、無限遠物体撮影時から最至近物体撮影時まで良好に色収差を補正することができる。なお、下記条件式(3−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
20.0<ν2dn−ν2dp …(3)
25.0<ν2dn−ν2dp …(3−1)
ただし、ν2dp:第2レンズ群中の接合レンズを構成する正レンズのd線に対するアッベ数、ν2dn:第2レンズ群中の接合レンズを構成する負レンズのd線に対するアッベ数とする。
また、第3レンズ群G3は、1枚の正レンズからなり、下記条件式(4)を満たすことが好ましい。条件式(4)は、第3レンズ群G3の正レンズのアッベ数に関する式で、この条件式を満たすことにより、軸上色収差を良好に補正することができる。なお、下記条件式(4−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
ν3d<30.0 …(4)
ν3d<26.0 …(4−1)
ただし、ν3d:第3レンズ群の正レンズのd線に対するアッベ数とする。
また、下記条件式(5)を満たすことが好ましい。条件式(5)は、第3レンズ群G3のパワーに関する式で、条件式(5)の下限値を超えないようにすることで、第3レンズ群G3のパワーが強くなりすぎるのを抑えて、球面収差を良好に補正することができる。また、条件式(5)の上限値を超えないようにすることで、第3レンズ群G3のパワーが弱くなりすぎないため、移動レンズ群の外径が小さくてすみ軽量化できるため、フォーカスを高速化することができる。なお、下記条件式(5−1)、さらに好ましくは条件式(5−2)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0.5<f3/f<1.5 …(5)
0.6<f3/f<1.2 …(5−1)
0.65<f3/f<1.0 …(5−2)
ただし、f:無限遠物体に合焦状態のときの焦点距離、f3:第3レンズ群の焦点距離とする。
また、下記条件式(6)を満たすことが好ましい。条件式(6)は、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5の合成のパワーに関する式で、条件式(6)の下限値を超えないようにすることで、第4レンズ群G4のパワーが強くなりすぎるのを抑えて、フォーカスによる収差変動を小さく保つことができる。また、条件式(6)の上限値を超えないようにすることで、フォーカシングの移動量を抑え、レンズ全長の大型化を防ぐことができる。なお、下記条件式(6−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0.5<f45/f<1.5 …(6)
0.6<f45/f<1.0 …(6−1)
ただし、f45:第4レンズ群と第5レンズ群の無限遠での合成焦点距離とする。
また、第4レンズ群G4は、正レンズと負レンズとの接合レンズを有し、下記条件式(7)を満たすことが好ましい。条件式(7)は、第4レンズ群G4中の接合レンズのアッベ数に関する式で、この条件式(7)を満たすことにより、無限遠物体撮影時から最至近物体撮影時まで軸上色収差を良好に補正することができる。なお、下記条件式(7−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
20.0<ν4dp−ν4dn …(7)
25.0<ν4dp−ν4dn …(7−1)
ただし、ν4dp:第4レンズ群中の接合レンズを構成する正レンズのd線に対するアッベ数、ν4dn:第4レンズ群中の接合レンズを構成する負レンズのd線に対するアッベ数とする。
また、第1レンズ群G1中、第2レンズ群G2中の少なくとも1面を非球面とすることにより、レンズ枚数を増やすことなく良好に収差補正が可能となるため、撮影レンズの小型化、軽量化に寄与することができる。
また、フォーカス時に移動するレンズ群を構成するレンズの枚数の合計を7枚以下とすることにより、移動レンズの軽量化をはかることができ、フォーカスの高速化に寄与することができる。
また、第1レンズ群G1を3枚のレンズで構成することにより、外径の大きな第1レンズ群G1の枚数を抑えることができるため、低コスト化、軽量化に寄与することができる。
本マクロレンズにおいて、最も物体側に配置される材料としては、具体的にはガラスを用いることが好ましく、あるいは透明なセラミックスを用いてもよい。
また、本マクロレンズが厳しい環境において使用される場合には、保護用の多層膜コートが施されることが好ましい。さらに、保護用コート以外にも、使用時のゴースト光低減等のための反射防止コートを施すようにしてもよい。
また、図1に示す例では、レンズ系と像面Simとの間に光学部材PPを配置した例を示したが、ローパスフィルタや特定の波長域をカットするような各種フィルタ等をレンズ系と像面Simとの間に配置する代わりに、各レンズの間にこれらの各種フィルタを配置してもよく、あるいは、いずれかのレンズのレンズ面に、各種フィルタと同様の作用を有するコートを施してもよい。
次に、本発明のマクロレンズの数値実施例について説明する。
まず、実施例1のマクロレンズについて説明する。実施例1のマクロレンズのレンズ構成を示す断面図を図1に、実施例1のマクロレンズのフォーカス時の各レンズ群の移動軌跡を示す図を図2に示す。なお、図1,2および後述の実施例2〜5に対応した図3〜10においては、光学部材PPも合わせて示しており、左側が物体側、右側が像側であり、図示されている絞りStは必ずしも大きさや形状を表すものではなく、光軸Z上の位置を示すものである。
実施例1のマクロレンズの基本レンズデータを表1に、諸元に関するデータを表2に、移動面の間隔に関するデータを表3に、非球面係数に関するデータを表4に示す。以下では、表中の記号の意味について、実施例1のものを例にとり説明するが、実施例2〜5についても基本的に同様である。
表1のレンズデータにおいて、Siの欄には最も物体側の構成要素の面を1番目として像側に向かうに従い順次増加するi番目(i=1、2、3、…)の面番号を示し、Riの欄にはi番目の面の曲率半径を示し、Diの欄にはi番目の面とi+1番目の面との光軸Z上の面間隔を示す。また、Ndjの欄には最も物体側の光学要素を1番目として像側に向かうに従い順次増加するj番目(j=1、2、3、…)の光学要素のd線(波長587.6nm)に対する屈折率を示し、νdjの欄には同じくj番目の光学要素のd線(波長587.6nm)に対するアッベ数を示す。
なお、曲率半径の符号は、面形状が物体側に凸の場合を正、像側に凸の場合を負としている。基本レンズデータには、絞りSt、光学部材PPも含めて示している。絞りStに相当する面の面番号の欄には面番号とともに(絞り)という語句を記載している。また、表1のレンズデータにおいて、変倍時に間隔が変化する面間隔の欄にはそれぞれDD[i]と記載している。また、Diの最下欄の値は、光学部材PPの像側の面と像面Simとの間隔である。
表2の諸元に関するデータに、無限遠物体撮影状態・中間・最至近物体撮影状態の各々の、焦点距離f´、バックフォーカスBf´、F値FNo.および全画角2ωの値を示す。
基本レンズデータ、諸元に関するデータ、および移動面の間隔に関するデータにおいて、角度の単位としては度を用い、長さの単位としてはmmを用いているが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても使用可能なため他の適当な単位を用いることもできる。
表1のレンズデータでは、非球面の面番号に*印を付しており、非球面の曲率半径として近軸の曲率半径の数値を示している。表4の非球面係数に関するデータには、非球面の面番号Siと、これら非球面に関する非球面係数を示す。非球面係数は、以下の式(A)で表される非球面式における各係数KA、Am(m=3、4、5、…20)の値である。
Zd=C・h/{1+(1−KA・C・h1/2}+ΣAm・h …(B)
ただし、
Zd:非球面深さ(高さhの非球面上の点から、非球面頂点が接する光軸に垂直な平面に
下ろした垂線の長さ)
h:高さ(光軸からの距離)
C:近軸曲率半径の逆数
KA、Am:非球面係数(m=3、4、5、…20)
実施例1のマクロレンズの各収差図を図11(A)〜(L)に示す。図11(A)〜(D)はそれぞれ無限遠物体撮影状態の球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示し、図11(E)〜(H)はそれぞれ中間の球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示し、図11(I)〜(L)はそれぞれ最至近物体撮影状態の球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す。
球面収差、非点収差、歪曲収差を表す各収差図には、d線(波長587.6nm)を基準波長とした収差を示す。球面収差図にはd線(波長587.6nm)、C線(波長656.3nm)、F線(波長486.1nm)についての収差をそれぞれ実線、破線、点線で示す。非点収差図にはサジタル方向、タンジェンシャル方向の収差をそれぞれ実線と点線で示す。倍率色収差図にはC線(波長656.3nm)、F線(波長486.1nm)についての収差をそれぞれ破線、点線で示す。なお、球面収差図のFno.はF値、その他の収差図のωは半画角を意味する。
次に、実施例2のマクロレンズについて説明する。実施例2のマクロレンズのレンズ構成を示す断面図を図3に、実施例2のマクロレンズのフォーカス時の各レンズ群の移動軌跡を示す図を図4に示す。また、実施例2のマクロレンズの基本レンズデータを表5に、諸元に関するデータを表6に、移動面の間隔に関するデータを表7に、非球面係数に関するデータを表8に、各収差図を図12(A)〜(L)に示す。
次に、実施例3のマクロレンズについて説明する。実施例3のマクロレンズのレンズ構成を示す断面図を図5に、実施例3のマクロレンズのフォーカス時の各レンズ群の移動軌跡を示す図を図6に示す。また、実施例3のマクロレンズの基本レンズデータを表9に、諸元に関するデータを表10に、移動面の間隔に関するデータを表11に、非球面係数に関するデータを表12に、各収差図を図13(A)〜(L)に示す。
次に、実施例4のマクロレンズについて説明する。実施例4のマクロレンズのレンズ構成を示す断面図を図7に、実施例4のマクロレンズのフォーカス時の各レンズ群の移動軌跡を示す図を図8に示す。また、実施例4のマクロレンズの基本レンズデータを表13に、諸元に関するデータを表14に、移動面の間隔に関するデータを表15に、非球面係数に関するデータを表16に、各収差図を図14(A)〜(L)に示す。
次に、実施例5のマクロレンズについて説明する。実施例5のマクロレンズのレンズ構成を示す断面図を図9に、実施例5のマクロレンズのフォーカス時の各レンズ群の移動軌跡を示す図を図10に示す。また、実施例5のマクロレンズの基本レンズデータを表17に、諸元に関するデータを表18に、移動面の間隔に関するデータを表19に、非球面係数に関するデータを表20に、各収差図を図15(A)〜(L)に示す。
実施例1〜5のマクロレンズの条件式(1)〜(7)に対応する値を表21に示す。なお、全実施例ともd線を基準波長としており、下記の表21に示す値はこの基準波長におけるものである。
以上のデータから、実施例1〜5のマクロレンズは全て、条件式(1)〜(7)を満たしており、近距離撮影時にも色収差が良好に補正されたマクロレンズであることが分かる。
次に、本発明の実施形態にかかる撮像装置について説明する。図16に、本発明の実施形態の撮像装置の一例として、本発明の実施形態のマクロレンズを用いたミラーレス一眼カメラの一構成例を示す外観図を示している。
特に図16(A)は、このカメラを前側から見た外観を示し、図16(B)は、このカメラを背面側から見た外観を示している。このカメラは、カメラ本体10を備え、そのカメラ本体10の上面側には、レリーズボタン32と電源ボタン33とが設けられている。カメラ本体10の背面側には、表示部36と操作部34,35とが設けられている。表示部36は、撮像された画像を表示するためのものである。
カメラ本体10の前面側中央部には、撮影対象からの光が入射する撮影開口が設けられ、その撮影開口に対応する位置にマウント37が設けられ、マウント37により交換レンズ20がカメラ本体10に装着されるようになっている。交換レンズ20は、鏡筒内にレンズ部材を収納したものである。カメラ本体10内には、交換レンズ20によって形成された被写体像に応じた撮像信号を出力するCCD等の撮像素子、その撮像素子から出力された撮像信号を処理して画像を生成する信号処理回路、およびその生成された画像を記録するための記録媒体等が設けられている。このカメラでは、レリーズボタン32を押圧操作することにより、1フレーム分の静止画の撮影が行われ、この撮影で得られる画像データがカメラ本体10内の記録媒体(図示せず)に記録される。
このようなミラーレス一眼カメラにおける交換レンズ20として、本実施形態によるマクロレンズを用いることで、近距離撮影時にも色収差が良好に補正された高画質の映像を得ることができる。
以上、実施形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数等の値は、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得るものである。
10 カメラ本体
20 交換レンズ
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
G5 第5レンズ群
G6 第6レンズ群
L11〜L62 レンズ
PP 光学部材
Sim 像面
St 絞り
Z 光軸

Claims (19)

  1. 物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、負の屈折力を有する第4レンズ群、正の屈折力を有する第5レンズ群、負の屈折力を有する第6レンズ群からなり、
    前記第2レンズ群の像側面から前記第4レンズ群の物体側面の間に、フォーカス時に固定される絞りを備え、
    無限遠物体から最至近物体へのフォーカスに際して、前記第2レンズ群、前記第4レンズ群、前記第5レンズ群を独立に光軸方向に移動し、
    無限遠物体から最至近物体へのフォーカスに際して、前記第2レンズ群を像側へ、前記第4レンズ群を物体側へ移動する
    ことを特徴とするマクロレンズ。
  2. 前記第1レンズ群は、少なくとも1枚正レンズを有し、
    下記条件式(1),(2)を満たす
    ことを特徴とする請求項1記載のマクロレンズ。
    N1d<1.65 …(1)
    60.0<ν1d …(2)
    ただし、
    N1d:前記第1レンズ群中の正レンズのd線の屈折率
    ν1d:前記第1レンズ群中の正レンズのd線に対するアッベ数
    とする。
  3. 前記第2レンズ群は、負レンズと正レンズとの接合レンズを有し、
    下記条件式(3)を満たす
    ことを特徴とする請求項1または2記載のマクロレンズ。
    20.0<ν2dn−ν2dp …(3)
    ただし、
    ν2dp:前記第2レンズ群中の接合レンズを構成する正レンズのd線に対するアッベ数
    ν2dn:前記第2レンズ群中の接合レンズを構成する負レンズのd線に対するアッベ数
    とする。
  4. 前記第3レンズ群は、1枚の正レンズからなり、
    下記条件式(4)を満たす
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のマクロレンズ。
    ν3d<30.0 …(4)
    ただし、
    ν3d:前記第3レンズ群の正レンズのd線に対するアッベ数
    とする。
  5. 下記条件式(5)を満たす
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のマクロレンズ。
    0.5<f3/f<1.5 …(5)
    ただし、
    f:無限遠物体に合焦状態のときの焦点距離
    f3:前記第3レンズ群の焦点距離
    とする。
  6. 下記条件式(6)を満たす
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載のマクロレンズ。
    0.5<f45/f<1.5 …(6)
    ただし、
    f45:前記第4レンズ群と前記第5レンズ群の無限遠での合成焦点距離
    とする。
  7. 前記第4レンズ群は、正レンズと負レンズとの接合レンズを有し、
    下記条件式(7)を満たす
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載のマクロレンズ。
    20.0<ν4dp−ν4dn …(7)
    ただし、
    ν4dp:前記第4レンズ群中の接合レンズを構成する正レンズのd線に対するアッベ数
    ν4dn:前記第4レンズ群中の接合レンズを構成する負レンズのd線に対するアッベ数
    とする。
  8. 前記第1レンズ群中の少なくとも1面が非球面である
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載のマクロレンズ。
  9. 前記第2レンズ群中の少なくとも1面が非球面である
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載のマクロレンズ。
  10. フォーカス時に移動するレンズ群を構成するレンズの枚数の合計が7枚以下である
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載のマクロレンズ。
  11. 前記第1レンズ群が、3枚のレンズからなる
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載のマクロレンズ。
  12. 前記第1レンズ群は、少なくとも1枚正レンズを有し、
    下記条件式(1),(2−1)を満たす
    ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載のマクロレンズ。
    N1d<1.65 …(1)
    65.0<ν1d …(2−1)
    ただし、
    N1d:前記第1レンズ群中の正レンズのd線の屈折率
    ν1d:前記第1レンズ群中の正レンズのd線に対するアッベ数
    とする。
  13. 前記第2レンズ群は、負レンズと正レンズとの接合レンズを有し、
    下記条件式(3−1)を満たす
    ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項記載のマクロレンズ。
    25.0<ν2dn−ν2dp …(3−1)
    ただし、
    ν2dp:前記第2レンズ群中の接合レンズを構成する正レンズのd線に対するアッベ数
    ν2dn:前記第2レンズ群中の接合レンズを構成する負レンズのd線に対するアッベ数
    とする。
  14. 前記第3レンズ群は、1枚の正レンズからなり、
    下記条件式(4−1)を満たす
    ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項記載のマクロレンズ。
    ν3d<26.0 …(4−1)
    ただし、
    ν3d:前記第3レンズ群の正レンズのd線に対するアッベ数
    とする。
  15. 下記条件式(5−1)を満たす
    ことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項記載のマクロレンズ。
    0.6<f3/f<1.2 …(5−1)
    ただし、
    f:無限遠物体に合焦状態のときの焦点距離
    f3:前記第3レンズ群の焦点距離
    とする。
  16. 下記条件式(5−2)を満たす
    ことを特徴とする請求項1から15のいずれか1項記載のマクロレンズ。
    0.65<f3/f<1.0 …(5−2)
    ただし、
    f:無限遠物体に合焦状態のときの焦点距離
    f3:前記第3レンズ群の焦点距離
    とする。
  17. 下記条件式(6−1)を満たす
    ことを特徴とする請求項1から16のいずれか1項記載のマクロレンズ。
    0.6<f45/f<1.0 …(6−1)
    ただし、
    f45:前記第4レンズ群と前記第5レンズ群の無限遠での合成焦点距離
    とする。
  18. 前記第4レンズ群は、正レンズと負レンズとの接合レンズを有し、
    下記条件式(7−1)を満たす
    ことを特徴とする請求項1から17のいずれか1項記載のマクロレンズ。
    25.0<ν4dp−ν4dn …(7−1)
    ただし、
    ν4dp:前記第4レンズ群中の接合レンズを構成する正レンズのd線に対するアッベ数
    ν4dn:前記第4レンズ群中の接合レンズを構成する負レンズのd線に対するアッベ数
    とする。
  19. 請求項1記載のマクロレンズを備えたことを特徴とする撮像装置。
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