JP2015161002A - 鋼板の非接触型位置決め装置 - Google Patents

鋼板の非接触型位置決め装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015161002A
JP2015161002A JP2014037606A JP2014037606A JP2015161002A JP 2015161002 A JP2015161002 A JP 2015161002A JP 2014037606 A JP2014037606 A JP 2014037606A JP 2014037606 A JP2014037606 A JP 2014037606A JP 2015161002 A JP2015161002 A JP 2015161002A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel plate
type positioning
attracting
permanent magnet
positioning device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014037606A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6256982B2 (ja
Inventor
宏一 岡
Koichi Oka
宏一 岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kochi University of Technology
Original Assignee
Kochi University of Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kochi University of Technology filed Critical Kochi University of Technology
Priority to JP2014037606A priority Critical patent/JP6256982B2/ja
Publication of JP2015161002A publication Critical patent/JP2015161002A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6256982B2 publication Critical patent/JP6256982B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Coating With Molten Metal (AREA)

Abstract

【課題】高い吸引力を有するとともに磁気飽和が改善された鋼板の非接触型位置決め装置、また、鋼板に発生する渦電流を抑制することにより鋼板の搬送速度を維持しつつより小さな力で鋼板の搬送を行うことができる鋼板の非接触型位置決め装置を提供するものである。
【解決手段】搬送される鋼板の表面側と裏面側に鋼板吸引用永久磁石を備えた鋼板の非接触型位置決め装置であって、前記鋼板吸引用永久磁石は、前記鋼板の表面及び裏面に対し間隔をおいて且つ対向するように配されており、前記鋼板吸引用永久磁石の前記鋼板と対向する面の配列は、ハルバッハ配列であることを特徴とする鋼板の非接触型位置決め装置とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼板の搬送の際に生じる振動を非接触で抑制し、この振動による歪みを矯正して鋼板を位置決めするための鋼板の非接触型位置決め装置に関する。
鋼板のめっき加工工程において、一般的には、焼鈍し等の前処理を連続的に施し高温に保持した被めっき鋼板を、溶融金属ポット(溶融めっき浴)中のシンクロールに通板して上方へ走行させ、その走行下でめっき付着量、つまり溶融金属の膜厚が調整されている。
めっきされた鋼板は乾燥工程へと搬送されるが、めっきが乾燥する前にローラを接触させるとキズとなるため、シンクロールから乾燥工程までの間にローラを用いることができない。よって、この搬送工程において通板の際に発生する機械的振動やたわみによって歪みが生じやすくなる。ゆえに、通板の際に生じる歪みを非接触で抑制することが求められる。
従来、めっき加工工程における非接触型の鋼板位置決め装置として、鋼板の走行方向に沿って両側に電磁石や永久磁石を配置し、この電磁石や永久磁石をアクチュエータで操作する装置が用いられている(非特許文献1)。非特許文献1記載の装置は、アクチュエータを用いて鋼板がゆがんだ方向へ磁石を移動させることにより、磁石と鋼板との距離を調整するものである。これにより、鋼板の歪みを矯正することができる。
このような非接触型の鋼板位置決め装置において、鋼板に発生する磁力(吸引力)の向上が求められている。
また、電磁石を用いる場合、電力消費が大きく、振動が一定距離を超える場合、鋼板位置決め装置に接触する可能性があるという問題がある。
上記電磁石を用いた場合の問題点を解消するべく、永久磁石を用いることで、省電力化、制御範囲の拡大を図ることも提案されている。しかし、薄鋼板の場合、高磁場を働かせたときに磁気飽和しやすくなるという問題がある。
また、磁石を走行する鋼板に対し移動させると、鋼板に渦電流が発生する。この渦電流は鋼板が走行するのを妨げる力となる。
非特許文献1に記載の鋼板の非接触型位置決め装置において、鋼板の歪みを矯正するための十分な磁力を得るためには磁石のサイズを大きくする必要がある。しかしながら、磁石のサイズを大きくすると鋼板に生じる渦電流も大きくなる。これにより、鋼板の走行が妨げられるため、鋼板の走行速度が遅くなるという問題、あるいは走行速度を維持するためにより大きな力が必要となるという問題がある。
つまり、従来の鋼板の非接触型位置決め装置では、磁石のサイズが小さいと鋼板を吸引する吸引力も小さくなり、鋼板の振動を十分に抑制することができない。一方、鋼板の振動を抑制するために磁石のサイズ大きくすると、鋼板に発生する渦電流が大きくなり、鋼板の走行が妨げられるという問題がある。
上記問題は、めっき加工工程に限らず、圧延工程などの鋼板を搬送する工程において存在する。
日本AEM学会誌 Vol.20, No.2 (2012) p.216-221
本発明は、上述したような問題点を解決すべくなされたものであって、高い吸引力を有するとともに磁気飽和が改善された鋼板の非接触型位置決め装置を提供するものである。また、鋼板に発生する渦電流を抑制することにより鋼板の搬送速度を維持しつつより小さな力で鋼板の搬送を行うことができる鋼板の非接触型位置決め装置を提供するものである。
請求項1に係る発明は、搬送される鋼板の表面側と裏面側に鋼板吸引用永久磁石を備えた鋼板の非接触型位置決め装置であって、前記鋼板吸引用永久磁石は、前記鋼板の表面及び裏面に対し間隔をおいて且つ対向するように配されており、前記鋼板吸引用永久磁石の前記鋼板と対向する面の配列は、ハルバッハ配列であることを特徴とする鋼板の非接触型位置決め装置に関する。
請求項2に係る発明は、前記鋼板吸引用永久磁石は、円筒状または多角形筒状であり、その側面が互いに対向するとともに前記基準軸が前記鋼板の搬送方向に対して垂直となるように配されており、前記鋼板吸引用永久磁石の配列は、周方向にハルバッハ配列が組まれており、前記鋼板の非接触型位置決め装置は、前記鋼板吸引用永久磁石を基準軸回りに回転させる回転駆動手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の鋼板の非接触型位置決め装置に関する。
請求項3に係る発明は、前記鋼板吸引用永久磁石の配列は、長手方向に隣り合う磁石が1/2〜1/4位相ずつずらした組み合わせからなることを特徴とする請求項2記載の鋼板の非接触型位置決め装置に関する。
請求項4に係る発明は、前記鋼板吸引用永久磁石は八角以上の多角形筒状であることを特徴とする請求項2又は3に記載の鋼板の非接触型位置決め装置に関する。
請求項1に係る発明によれば、鋼板吸引用永久磁石が鋼板の表面及び裏面に対し間隔をおいて且つ対向するように配されており、前記鋼板吸引用永久磁石の前記鋼板と対向する面の配列がハルバッハ配列であることにより、高い吸引力を有するとともに磁気飽和が改善された鋼板の非接触型位置決め装置とすることができる。
請求項2に係る発明によれば、鋼板吸引用永久磁石は、円筒状または多角形筒状であり、その側面が互いに対向するとともに前記基準軸が前記鋼板の搬送方向に対して垂直となるように配されており、前記鋼板吸引用永久磁石の配列は、周方向にハルバッハ配列が組まれており、前記鋼板の非接触型位置決め装置は、前記鋼板吸引用永久磁石を基準軸回りに回転させる回転駆動手段を備えていることにより、鋼板への渦電流の発生を抑制することができ、これにより鋼板の走行を妨げる力を抑えることができる。よって、より小さな力で搬送速度を落とすことなく鋼板の搬送を行うことができる。よって、鋼板吸引用永久磁石のサイズが小さくても鋼板の位置決めを行うのに十分な吸引力を発揮することができる。
請求項3に係る発明によれば、鋼板吸引用永久磁石の配列が、長手方向に隣り合う磁石が1/2〜1/4位相ずつずらした組み合わせからなることにより、通板の際の渦電流の発生をより抑えることができ、吸引力を回転角度に依存せずより一定に維持することができる。
請求項4に係る発明によれば、鋼板吸引用永久磁石が八角以上の多角形筒状であることにより、鋼板と対向する鋼板吸引部材の側面の面積がより小さくなるため、鋼板に発生する渦電流をより小さくすることができ、これにより鋼板の走行を妨げる力をより抑えることができる。よって、より小さな力で搬送速度を落とすことなく鋼板の搬送を行うことができる。
本発明に係る鋼板の非接触型位置決め装置の第1実施形態の概略図である。 本発明に係る鋼板の非接触型位置決め装置の第1実施形態の鋼板吸引用永久磁石の配列を示す概略図であり、(a)1次元のハルバッハ配列、(b)2次元のハルバッハ配列を示す図である。 本発明に係る鋼板の非接触型位置決め装置の第2実施形態の概略図である。 本発明に係る鋼板の非接触型位置決め装置の第2実施形態の鋼板吸引用永久磁石の配列を示す概略図であり、(a)長手方向に隣り合う磁石の位相が同じである場合、(b)長手方向に隣り合う磁石が1/4位相ずつずらした組み合わせからなる場合、(c)長手方向に隣り合う磁石が1/2位相ずつずらした組み合わせからなる場合の斜視図である。 実施例1−4及び比較例1の鋼板の非接触型位置決め装置の吸引力と間隙との関係を示すグラフである。 実施例5及び比較例1の鋼板の非接触型位置決め装置の磁場と最大磁束密度の関係を示すグラフである。 実施例5の鋼板の非接触型位置決め装置の、鋼板が走行する場合と走行しない場合の吸引力と空隙との関係を示すグラフである。 実施例6−8の鋼板の非接触型位置決め装置の、永久磁石が回転する場合と回転しない場合の吸引力と空隙との関係を示すグラフである。
以下、本発明に係る鋼板の非接触型位置決め装置について、図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態において、本発明に係る鋼板の非接触型位置決め装置をめっき加工工程にて使用する形態について説明するが、本発明に係る鋼板の非接触型位置決め装置は、めっき加工工程に限定されるものではなく、圧延工程などの鋼板を搬送する工程において鋼板の振動を抑制することが必要な工程で使用することができる。
図1は、本発明に係る鋼板の非接触型位置決め装置の第1実施形態の概略図である。鋼板(2)は、溶融金属ポット(4)中のシンクロール(3)に案内されて、溶融金属ポット(4)中に進入し表面にめっきを施した後、溶融金属ポット(4)外へと上方へ走行し、乾燥工程へ送られるようになっている。
本発明に係る鋼板の非接触型位置決め装置(10)は、鋼板吸引用永久磁石(1)を備えており、詳しくは、搬送される鋼板(2)の表面側と裏面側に鋼板吸引用永久磁石(1a、1b)を備えている。以下、鋼板吸引用永久磁石(1a、1b)を永久磁石(1a、1b)ともいう。永久磁石(1a、1b)は、鋼板(2)の表面及び裏面に対し間隔をおいて且つ対向するように配されている。
永久磁石(1a、1b)の磁力により、鋼板(2)を表面側と裏面側とから吸引することができる。永久磁石(1a、1b)は、該永久磁石(1a、1b)を図1における左右方向に移動させるためのアクチュエータ(6)と接続されている。これにより、鋼板(2)と磁石(1a)との距離と、鋼板(2)と磁石(1b)との距離とが保たれ、鋼板(2)の振動に起因する歪みを矯正することができる。
図2は、本発明に係る鋼板の非接触型位置決め装置の鋼板吸引用永久磁石の配置を示す概略図であり、(a)1次元のハルバッハ配列、(b)2次元のハルバッハ配列を示す図である。
図示の如く、永久磁石(1a、1b)の鋼板(2)と対向する面の配列は、ハルバッハ配列である。ハルバッハ配列は、片側に磁場を集中させることで比較的無駄なく磁力を得られる手法である。本発明において、永久磁石(1a、1b)の配列をハルバッハ配列とすることにより、吸引力を向上させることができるとともに、磁気飽和を改善することができる。
永久磁石(1a、1b)の配列は、図2(a)に示す如く一方向にハルバッハ配列を用いた1次元のハルバッハ配列であってもよく、図2(b)に示す如く縦方向及び横方向にハルバッハ配列を用いた2次元のハルバッハ配列であってもよい。
図3は、本発明に係る鋼板の非接触型位置決め装置の第2実施形態の概略図である。
磁石(1a、1b)は、円筒状または多角形筒状であり、その側面が互いに対向するとともに基準軸が鋼板(2)の走行方向と垂直となるように配されている。
尚、図示していないが、本実施形態においても、第1実施形態と同様、永久磁石(1a、1b)に該永久磁石(1a、1b)を図3における左右方向に移動させるためのアクチュエータが接続されており、永久磁石(1a、1b)と鋼板(2)との間隙距離を調整することができる。
本発明に係る鋼板の非接触型位置決め装置(10)は、磁石(1a、1b)を基準軸回りに回転させる回転駆動手段(図示せず)を備えている。
回転駆動手段は、永久磁石(1a、1b)の基準軸回りに回転させることができるものであれば特に限定されるものではなく、モータが好適に用いられる。永久磁石(1a、1b)の回転方向は限定されず、任意の方向とされる。
回転駆動手段により、永久磁石(1a、1b)を基準軸回りに回転させる。永久磁石(1a、1b)が回転することで、通板の際に発生する渦電流を抑制することができる。
回転速度は、鋼板の走行速度と同じとすることが好ましい。これにより、応答に優れたものとすることができる。
さらに、永久磁石(1a、1b)が円筒状または多角形筒状であることにより、鋼板(2)と対向する永久磁石(1a、1b)の側面の面積が小さくなる。図3に示す如く、永久磁石(1a、1b)が基準軸回りに回転する際、鋼板(2)と対向する面(即ち、鋼板(2)と最も距離が近い面)は、多角形の一辺を含む側面のうちいずれか一面のみである。したがって、鋼板(2)に発生する渦電流を小さくすることができる。鋼板(2)に発生する渦電流は鋼板(2)の走行を妨げるものであるので、渦電流を小さくすることにより鋼板(2)の走行を妨げる力を抑えることができる。よって、より小さな力で搬送速度を落とすことなく鋼板(2)の搬送を行うことができる。
図4は、本発明に係る鋼板の非接触型位置決め装置の第2実施形態の鋼板吸引用永久磁石の配列を示す概略図であり、(a)長手方向に隣り合う磁石の位相が同じである場合、(b)長手方向に隣り合う磁石が1/4位相ずつずらした組み合わせからなる場合、(c)長手方向に隣り合う磁石が1/2位相ずつずらした組み合わせからなる場合の斜視図である。
永久磁石(1a、1b)は、八角以上の多角形筒状であることがより好ましく、図3に示す如く八角形筒状であってもよく、図4に示す如く十六角形筒状であってもよい。磁石(1a、1b)を八角以上の多角形筒状とすることにより、鋼板(2)と対向する磁石(1a、1b)の側面の面積がより小さくなるため、鋼板(2)に発生する渦電流をより小さくすることができる。これにより鋼板(2)の走行を妨げる力をより抑えることができる。よって、より小さな力で搬送速度を落とすことなく鋼板(2)の搬送を行うことができる。
また磁石(1a、1b)を多角形筒状とすることにより、円筒状に比べて磁石の製作が容易である。
永久磁石(1a、1b)は、図4(a)に示す如く、周方向にハルバッハ配列が組まれている。これにより、高い吸引力を有するとともに、通板の際に発生する渦電流を抑制することができる。
永久磁石(1a、1b)は、図4(b)、(c)に示す如く、長手方向に隣り合う磁石が1/2〜1/4位相ずつずらした組み合わせからなることが好ましい。これにより、渦電流の発生をより抑えることができ、吸引力を回転角度に依存せずより一定に維持することができる。
磁石(1a、1b)の径及び高さは、鋼板(2)の幅などによって適宜決定することができる。
以下の実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明に係る鋼板の非接触型位置決め装置は、これらに限定されるものではない。
<実施例1>
図1に示す鋼板の非接触型位置決め装置において、鋼板吸引用永久磁石として、縦40×横40mm×厚さ1.0mmのネオジム磁石からなるとともに、鋼板と対向する面が図2(a)に示す如く5つの磁石が一方向にハルバッハ配列を用いて配列された1次元のハルバッハ配列を用いたものを実施例1とした。
<実施例2>
実施例1とは、鋼板吸引用永久磁石として9つの磁石が一方向にハルバッハ配列を用いて配列された1次元のハルバッハ配列を用いたこと以外は同じである。
<実施例3>
実施例1とは、鋼板吸引用永久磁石として、図2(b)に示す如く、縦方向及び横方向に5×5の磁石がハルバッハ配列を用いて配列された2次元のハルバッハ配列を用いたこと以外は同じである。
<実施例4>
実施例1とは、鋼板吸引用永久磁石として、縦方向及び横方向に9×9の磁石がハルバッハ配列を用いて配列された2次元のハルバッハ配列を用いたこと以外は同じである。
<実施例5>
実施例1とは、鋼板吸引用永久磁石として、縦方向及び横方向に11×11の磁石がハルバッハ配列を用いて配列された2次元のハルバッハ配列を用いたこと以外は同じである。
<比較例1>
鋼板吸引用永久磁石として、縦40×横40mm×厚さ1.0mmのネオジム磁石からなるとともにハルバッハ配列を用いていないものを比較例1とした。
(試験方法)
板幅40mm、厚さ0.5mmのSS400製の薄鋼板の両サイドに、実施例1−5及び比較例1の永久磁石を配置し、静止する或いは走行する鋼板に対し永久磁石を近づけていった場合の吸引力の変化を測定した。
図5は、実施例1−4及び比較例1の鋼板の非接触型位置決め装置の吸引力と空隙との関係を示すグラフである。鋼板は静止した状態である。
図5からわかるように、ハルバッハ配列を用いた実施例1−4はハルバッハ配列を用いていない比較例1に比べて吸引力が大きく、鋼板との間隙距離を近づけていくと急激に吸引力が増加する。
図6は、実施例5及び比較例1の鋼板の非接触型位置決め装置の磁場と最大磁束密度の関係を示すグラフである。配列無しの永久磁石(比較例1)は、間隙2.0mmでSS400の飽和磁束密度(=1.95[T])を超えているのに対し、2次元ハルバッハ配列を用いた永久磁石(実施例5)は0.9mmで初めてSS400の飽和磁束密度を超えた。これは、ハルバッハ配列を用いることにより、吸引力向上だけでなく、磁気飽和を改善することができることを示している。
図7は、実施例5の鋼板の非接触型位置決め装置の、鋼板が走行する場合と走行しない場合の吸引力と空隙との関係を示すグラフである。鋼板の走行速度は200m/minとした。鋼板が走行する場合は、走行しない場合に比べて、通板による渦電流損によって吸引力が半減した。
この渦電流損回避を図るため、以下の実施例にて渦電流損回避の程度を調べた。
<実施例6>
図3に示す鋼板の非接触型位置決め装置において、図4(a)に示す如く、周方向にハルバッハ配列を組んで配列された、半径20mm×長さ40mmの16角形筒状のネオジム磁石を用いたものを実施例6とした。
<実施例7>
鋼板吸引用永久磁石において、図4(b)に示す如く、長手方向に隣り合う磁石を1/4位相ずつずらしたこと以外は実施例6と同じとした。
<実施例8>
鋼板吸引用永久磁石において、図4(c)に示す如く、長手方向に隣り合う磁石を1/2位相ずつずらしたこと以外は実施例6と同じとした。
図8は、実施例6−8の鋼板の非接触型位置決め装置の、永久磁石が回転する場合と回転しない場合の吸引力と間隙との関係を示すグラフである。尚、永久磁石と鋼板との間隙距離は4.0mm、鋼板の走行速度は200m/minとし、永久磁石の回転速度は鋼板の走行速度と同じとした。
図8から、永久磁石を回転させることにより発生する渦電流を減少させることができることがわかる。また、長手方向に隣り合う磁石の位相をずらしたもの(実施例7及び8)は、位相をずらしていないもの(実施例6)に比べて渦電流の発生を抑制することができ、特に1/2位相ずつずらしたもの(実施例8)が、最も吸引力が一定にできることがわかる。
本発明は、鋼板のめっき加工工程や圧延工程などの鋼板を搬送する工程において、鋼板の振動を抑制することにより鋼板の位置決めを行う装置として好適に利用されるものである。
1(1a、1b) 鋼板吸引用永久磁石(磁石)
2 鋼板
3 シンクロール
4 溶融金属ポット
6 アクチュエータ
10 鋼板の非接触型位置決め装置

Claims (4)

  1. 搬送される鋼板の表面側と裏面側に鋼板吸引用永久磁石を備えた鋼板の非接触型位置決め装置であって、
    前記鋼板吸引用永久磁石は、前記鋼板の表面及び裏面に対し間隔をおいて且つ対向するように配されており、
    前記鋼板吸引用永久磁石の前記鋼板と対向する面の配列は、ハルバッハ配列であることを特徴とする鋼板の非接触型位置決め装置。
  2. 前記鋼板吸引用永久磁石は、円筒状または多角形筒状であり、その側面が互いに対向するとともに前記基準軸が前記鋼板の搬送方向に対して垂直となるように配されており、
    前記鋼板吸引用永久磁石の配列は、周方向にハルバッハ配列が組まれており、
    前記鋼板の非接触型位置決め装置は、前記鋼板吸引用永久磁石を基準軸回りに回転させる回転駆動手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の鋼板の非接触型位置決め装置。
  3. 前記鋼板吸引用永久磁石の配列は、長手方向に隣り合う磁石が1/2〜1/4位相ずつずらした組み合わせからなることを特徴とする請求項2記載の鋼板の非接触型位置決め装置。
  4. 前記鋼板吸引用永久磁石は八角以上の多角形筒状であることを特徴とする請求項2又は3に記載の鋼板の非接触型位置決め装置。
JP2014037606A 2014-02-27 2014-02-27 鋼板の非接触型位置決め装置 Expired - Fee Related JP6256982B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014037606A JP6256982B2 (ja) 2014-02-27 2014-02-27 鋼板の非接触型位置決め装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014037606A JP6256982B2 (ja) 2014-02-27 2014-02-27 鋼板の非接触型位置決め装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015161002A true JP2015161002A (ja) 2015-09-07
JP6256982B2 JP6256982B2 (ja) 2018-01-10

Family

ID=54184319

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014037606A Expired - Fee Related JP6256982B2 (ja) 2014-02-27 2014-02-27 鋼板の非接触型位置決め装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6256982B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000053295A (ja) * 1998-08-12 2000-02-22 Nkk Corp 帯状鋼板の振動低減装置
JP2003313647A (ja) * 2002-04-25 2003-11-06 Jfe Steel Kk 溶融金属めっき浴中ロール及び溶融金属めっき鋼帯の製造方法
DE10240954A1 (de) * 2002-09-05 2004-05-06 Sms Demag Ag Vorrichtung zur Schmelztauchbeschichtung eines Metallstranges
WO2006067974A1 (ja) * 2004-12-20 2006-06-29 Kyushu Institute Of Technology 超電導磁気浮上による非接触搬送装置
JP2012526249A (ja) * 2009-05-06 2012-10-25 ポスコ ロール軸を支持するマグネチック軸受装置
US20140356548A1 (en) * 2011-12-26 2014-12-04 Posco Electromagnetic wiping device, steel sheet wiping device including same, and method for manufacturing steel sheet

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000053295A (ja) * 1998-08-12 2000-02-22 Nkk Corp 帯状鋼板の振動低減装置
JP2003313647A (ja) * 2002-04-25 2003-11-06 Jfe Steel Kk 溶融金属めっき浴中ロール及び溶融金属めっき鋼帯の製造方法
DE10240954A1 (de) * 2002-09-05 2004-05-06 Sms Demag Ag Vorrichtung zur Schmelztauchbeschichtung eines Metallstranges
WO2006067974A1 (ja) * 2004-12-20 2006-06-29 Kyushu Institute Of Technology 超電導磁気浮上による非接触搬送装置
JP2012526249A (ja) * 2009-05-06 2012-10-25 ポスコ ロール軸を支持するマグネチック軸受装置
US20140356548A1 (en) * 2011-12-26 2014-12-04 Posco Electromagnetic wiping device, steel sheet wiping device including same, and method for manufacturing steel sheet

Also Published As

Publication number Publication date
JP6256982B2 (ja) 2018-01-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6165992B2 (ja) 磁気浮上搬送装置
US20050200209A1 (en) Linear drive unit reducing stress generated in movable part in horizontal direction
JP2021102495A5 (ja)
JP6092349B2 (ja) 基板搬送装置
JP6256982B2 (ja) 鋼板の非接触型位置決め装置
KR101318173B1 (ko) 기판 이송 장치
JPH0582248A (ja) 誘導加熱方法並びにその装置
KR101883950B1 (ko) 자기부상 이송 장치
CN103199669B (zh) 多相大行程圆筒型磁通切换式直线电机
JP2015104200A (ja) リニアモータ
TWI687361B (zh) 磁浮系統、真空系統與運輸載體之方法
JP2019216591A5 (ja)
JP5176097B2 (ja) 磁気浮上装置並びに磁気浮上方法
KR20220002515A (ko) 자기 부상 시스템, 자기 부상 시스템의 베이스 및 캐리어, 및 캐리어를 부상시키는 방법
JP4505002B2 (ja) 搬送装置
KR20210104134A (ko) 자기 부상 시스템, 자기 부상 시스템을 위한 캐리어, 진공 시스템, 및 캐리어를 이송하는 방법
JP2015054297A (ja) 棒磁石
KR101394258B1 (ko) 영구자석형 하중 보상 전자기 구동기
KR102001970B1 (ko) 비접촉식 기판 이송 장치
JP5652669B2 (ja) 界磁ヨーク組立体及びリニアモータ
KR20170064767A (ko) 비 접촉식 이송 가이드
JP4451901B2 (ja) 搬送装置
JP2010216271A (ja) 運動状態維持装置ユニットおよび運動状態維持装置
Oda et al. Non-contact Suspension System for Flexible Steel Plate Using Electromagnetic Actuator: Experimental Consideration on Levitation Supporting
JP2009094269A (ja) 永久磁石の着磁方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20150701

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161026

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170804

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170809

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171016

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171130

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6256982

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees