JP2015159386A - 多値変調・復調方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1つの8PSK波あるいは8APSK波と1つのQPSK波、あるいは複数の8PSK波あるいは8APSKを重畳合成して形成される信号空間配置であり、電力を正規化したとき、信号点間の最小の幾何距離が最大になるように8PSK波あるいは8APSK波とQPSK、8PSK波同士あるいは8APSK同士の相対振幅、相対位相関係を決定する。これらの2つの信号波を空間で重畳合成する。重畳合成の際には、重畳誤差を小さく保つために同心円上に配置した複数のアンテナ素子から構成されるフェーヅドアレイアンテナを使用する。
【選択図】図11
Description
また、本発明の第三の態様に係る多値変調・復調方法は、二つの8PSK波同士を重畳合成して形成される信号空間配置であり、電力を正規化したとき、信号点間の最小の幾何距離が最大になるように、複数の8PSK波の間の信号振幅比、複数の8PSK波の間の相対位相関係を決定することを特徴としている。
本発明の多値変調・復調方法においては、図12に示すように、2種以上の誤り訂正符号を使用し、1つの誤り訂正符号器Encoder−1ともう1つの誤り訂正符号器Encoder−2の間に、インターリーバ(Interleaver)を設置し、符号を撹拌する機能を備えたことを特徴とする。
本発明の多値変調・復調方法においては、変調後の電力増幅器の非線形特性を考慮して前置歪補償を施した信号配置とすることを特徴とする。
空間で電力合成する場合には、受信側が一点ではなく、広い地域をカバーする場合には、利得と位相に重畳誤差を伴う。これらの影響を小さくするために、変調側では、重畳する8PSK波とQPSK波の信号レベルを調整し、復調側では、利得と位相誤差を推測する機能を備え、利得誤差と位相誤差を算出し、変調時の信号空間配置に対して、推測した利得誤差、位相誤差をもとに変形した信号空間配置を求め、この配置に基づいて復調を行うようにした。
<構成>
図3は、本実施形態に係る32値の信号空間配置を示している。図11は、本実施形態において1つの8APSK(8相振幅位相変調)信号と1つのQPSK(4相位相変調)信号の合成による信号空間配置を実現する形成方法を示している。
図3に示すような信号点配置による伝送誤りは、伝送上の干渉波、熱雑音等により、伝送した信号点が隣接の信号点に変位するために、受信側で正しい信号点が識別できずに信号誤りが発生する。信号誤りを小さくするためには、同じ送信電力において、信号点配置における幾何学上の最小距離dを大きくすることが重要である。図13に示す信号点配置における送信電力Poutは次式で与えられる。
Pout=1/2(r1 2+r2 2)
r2/r1とthを調整することにより、(d2)/Poutを最大にすることが可能である。
このように、振幅比と相対位相関係を調整することにより、(d2)/Poutを高めることができる。このときの信号空間配置図を図13(c)に示す。
各8PSK波(8相位相変調波)あるいはQPSK変調出力を合成する際に、マイクロ波回路による重畳では回路損失を伴うが、別々のアンテナを用いて空間で重畳合成することにより回路損失を伴わないで、重畳可能となる。
このとき、変調器において、隣接する信号点間の符号間距離(“0”と“1”の異なる数)が最小となるように符号変換する。
図15(b)に示す受信側は従来技術と同様な構成であり、重畳合成された波を一括受信して復調し、伝送情報を取り出す。
C=S1+S2
現実には、合成する際に誤差が伴うために、送信信号Tは以下の式で表される。
これらの誤差のうち、利得誤差および位相誤差を調整するために、図15に示す可変利得器(V−ATT)、可変位相器(V−Phase)を使用することが可能である。可変利得器と可変位相器は、また図8に示したHPAのAM/AM変換、AM/PM変換による利得変化、位相変化を調整する目的でも使用可能である。
空間重畳では、図16に示すように、上記の2個のアンテナが距離daを置いて設置される場合には、それらの距離に応じて、受信側では経路長の差に基づく重畳誤差が発生する、特に位相に誤差が発生する。
送信点と受信点の伝搬距離の差による位相誤差、放射パターンによる利得と位相誤差が発生すると、次式で示すように、受信信号が変化する。
2ビーム空間重畳合成時において、重畳誤差があるときの信号点配置は図21に示すように変形する。
図22は、本発明の実施例であり、電力増幅器の非線形領域(出力バックオフOBO=1.6dB)で動作しているときのビット誤り率特性(BER)、及び、従来方法におけるビット誤り率特性を示している。図22において、8x4 APSKは本実施例であり、4x4x2 APSKと4+12+16APSK(OBO=1.6dB又は6dB)は従来方法である。またNS8x4 APSKは、8x4 APSKと同一の信号空間配置であるが、空間合成を行わずに一括で電力増幅して、1ビームで送信した時の特性である。
図22より、従来法に比べて、格段に良好であり、非線形増幅に対して耐性を有していることが分かる。また、空間重畳合成時の重畳合成誤差による信号空間配置の変形は図23に示すとおりである。
表2は、図25に示す電力増幅器の実測データをもとに消費電力を算出した値の比較である。同一のビット誤り率時の特性である。表2において、8x4 APSKは本実施例であり、4x4x2 APSKおよび4+12+16APSKは従来方法である。表2より、本実施形態の方式は、従来方式の4+12+16APSKに比べてSSPA Pdcを1/2に減少可能であることが分かる。また、2ビームの空間重畳合成による32APSK(8x4 APSK)は、以下の示すシステム規模の縮小化を実現すると同時に、3ビームによる場合(4x4x2 APSK)とほぼ同等の低消費電力化を実現できることが分かる。
図26は、従来の3ビームを空間重畳合成して実現する32APSKのシステム構成図を示す。図27は、本実施形態の2ビームの空間重畳合成で実現する32APSKのシステム構成図を示す。図26と図27から、本実施形態のシステムでは、変調器と電力増幅器(HPA)とアンテナ素子数が削減でき、よりシステム規模を縮小でき、安価に製造が可能となる。
図28は、本発明を、静止衛星を用いた衛星通信システムに適用したときのシステムを示している。衛星搭載中継器が再生機能のないベントパイプ型(図28(a))では、上り回線に適用することにより、地球局の消費電力を削減できる。また、再生機能を有する衛星搭載中継器を利用する衛星通信システム(図28(b))では、上りと下り回線の両方で適用可能であり、衛星搭載中継器の消費電力を削減でき、経済的なシステム構築に貢献できる。
図29は本発明の実施例である不均一(modified)8PSKとQPSKの2ビームの空間重畳合成により実現する32APSKの原理を示している。図30は本発明の実施例である不均一(modified)8PSKの空間信号配置における点間の角度(位相)を示している。2xth0は2点間の角度を表している。
図32はmodified8PSKとQPSKの振幅比と信号点間幾何距離dの二乗(平均送信電力Pavで正規化)との関係を示している。0.442でdが最大となる。
図31、図32から、均一の配置よりは性能の良好となる信号空間配置が存在することが分かる。
図34は、2ビーム空間重畳合成による32APSK変調実現時の8APSKの振幅比(rr1/rr2の振幅比)と信号点間幾何距離dの二乗(平均送信電力Pavで正規化)との関係を(a)に示している。0.9近辺に最適値が存在する。また,8PSKの空間信号配置における(点間角度(位相)/2)と信号点間幾何距離dの二乗(平均送信電力Pavで正規化)との関係を(b)に示している。13.3度付近に最適値が存在する.
図35は、2ビーム空間重畳合成による32APSK変調実現時の8APSKとQPSKの相対角度(φ)と空間信号配置の信号点間幾何距離dの二乗(平均送信電力Pavで正規化)の関係を示している。14度近辺に最適値が存在する。
以上のように、8APSKの振幅ならびに8APSKとQPSKの相対角度をある範囲に限定することにより、性能が向上する。
図37は従来の64QAMの信号空間配置である。図38は、64APSKの信号空間配置である。図39は3ビーム空間重畳型64QAMの動作原理を示す図である。図40は、64APSKの実施例であって、64=26値多値変調波に適用した構成例を示す。図40(a)、(b)に示す2波の8PSKの出力を重畳合成して、図40(c)に示す64APSKが得られる。これにより、従来技術の64APSKに比べてHPAの低消費電力化の効果が期待できる。
以上のように、上記実施形態のシステムにおいて、振幅比と角度をある特定の値に調整することにより、性能が向上する。
2ビームの空間重畳合成時の重畳誤差を受信側で推定するアルゴリズムの例を以下に示す。
通信中の一定期間ごとに、短期間にパイロット信号として受信側に既知の信号を送信側から送信し、受信信号から重畳誤差を推定することが可能である。
送信側から2つの変調波S1とS2を伝送すると空間重畳合成により下記の式で示すSt1が作成される。この時の受信信号Sr1は、図48(a)に示すようにSt1に重畳誤差と雑音が付加された信号となる。
さらに、送信側から図48(b)に示すように先のパイロット信号とは空間信号配置が180度異なる−S1と−S2の2波を伝送すると、空間重畳合成により下記の式で示すSt2が作成される。
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が可能である。
Claims (14)
- 一つの8PSK波と一つのQPSK波を重畳合成して形成される信号空間配置であり、送信電力を正規化したとき、信号点間の最小の幾何距離が最大になるように前記8PSK波と前記QPSKの信号振幅比と前記8PSK波と前記QPSKの相対位相関係を決定し、
前記重畳合成の際に、前記8PSK波と前記QPSK波を変調波ごとに2系統のアンテナからそれぞれ送信して空間でベクトル的に重畳合成し、
前記2系統のアンテナは、送信中心点が互いに同一なフェーズドアレイアンテナであって、複数のアンテナ素子をそれぞれ有し、
A及びBを整数としたとき、前記フェーズドアレイアンテナは、半径の異なるA重の同心円状に前記2系統のアンテナの前記アンテナ素子を配置したものであり、前記同心円にはそれぞれB個の整数倍の前記アンテナ素子が、前記2系統のアンテナの系統ごとに交互に、等間隔で配置されていることを特徴とする多値変調・復調方法。 - 一つの8APSK波と一つのQPSK波を重畳合成して形成される信号空間配置であり、送信電力を正規化したとき、信号点間の最小の幾何距離が最大になるように前記8APSK波と前記QPSKの信号振幅比と前記8APSK波と前記QPSKの相対位相関係を決定し、
前記重畳合成の際に、前記8APSK波と前記QPSK波を変調波ごとに2系統のアンテナからそれぞれ送信して空間でベクトル的に重畳合成し、
前記2系統のアンテナは、送信中心点が互いに同一なフェーズドアレイアンテナであって、複数のアンテナ素子をそれぞれ有し、
A及びBを整数としたとき、前記フェーズドアレイアンテナは、半径の異なるA重の同心円状に前記2系統のアンテナの前記アンテナ素子を配置したものであり、前記同心円にはそれぞれB個の整数倍の前記アンテナ素子が、前記2系統のアンテナの系統ごとに交互に、等間隔で配置されていることを特徴とする多値変調・復調方法。 - 二つの8PSK波を重畳合成して形成される信号空間配置であり、送信電力を正規化したとき、信号点間の最小の幾何距離が最大になるように前記の二つの8PSK波の信号振幅比と前記二つの8PSK波の相対位相関係を決定し、
前記重畳合成の際に、前記二つの8PSK波を変調波ごとに2系統のアンテナから送信して空間でベクトル的に重畳合成し、
前記2系統のアンテナは、送信中心点が互いに同一なフェーズドアレイアンテナであって、複数のアンテナ素子をそれぞれ有し、
A及びBを整数としたとき、前記フェーズドアレイアンテナは、半径の異なるA重の同心円状に前記2系統のアンテナの前記アンテナ素子を配置したものであり、各同心円にはB個の整数倍の前記アンテナ素子が、前記2系統のアンテナの系統ごとに交互に、等間隔で配置されていることを特徴とする多値変調・復調方法。 - 前記8PSK波の8つの信号空間配置点に関して、隣接の信号点間の角度が均一ではなく、異なる値Th1とTh2であり、それらが交互に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の多値変調・復調方法。
- 前記8PSK波の8つの信号空間配置点に関して、隣接の信号点間の角度が異なる値Th1とTh2であり、22.0度≦Th1≦28.0度、62.0度≦Th2≦68.0度の範囲にあり、それぞれ交互に配置され、さらに8PSK波とQPSKの信号振幅比(r2/r1)が0.38≦r2/r1≦0.5の範囲にあることを特徴とする請求項4に記載の多値変調・復調方法。
- 前記8APSK波の8つの信号空間配置点に関して、隣接の信号点間の角度が異なる値Th1とTh2であり、24.0度≦Th1≦29.0度、61.0度≦Th2≦66.0度の範囲にあり、それぞれ交互に配置され、さらに8つの信号の振幅が二つの異なる値rr1、rr2をとり、0.85≦(rr2/rr1)≦0.93の範囲にあって、それぞれ交互に配置され、さらに8APSK波の大きい方の振幅rr1とQPSKの信号振幅r2の比(r2/rr1)が0.17≦(r2/rr1)≦0.27の範囲にあり、かつ8APSK波とQPSK波の相対角度Th12は、9.0度≦Th12≦16.5度であることを特徴とする請求項2に記載の多値変調・復調方法。
- 前記二つの8PSK波の一方の8PSK波の8つの信号空間配置点に関して、隣接の信号点間の角度が異なる値Th1−1とTh2−1であり、28.0度≦Th1−1≦32.0度、58.0度≦Th2−1≦62.0度の範囲にあり、それぞれ交互に配置され、
前記二つの8PSK波の他方の8PSK波の8つの信号空間配置点に関して、隣接の信号点間の角度が異なる値Th1−2とTh2―2であり、32.0度≦Th1−2≦42.0度、48.0度≦Th2−2≦58.0度の範囲にあり、それぞれ交互に配置され、さらに前記の一方の8PSK波の振幅r1と前記の他方の8PSKの信号振幅r2の比(r2/r1)が0.38≦r2/r1≦0.42の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の多値変調・復調方法。 - 前記二つの8PSK波の一方の8PSK波の8つの信号空間配置点に関して、隣接の信号点間の角度が異なる値Th1−2とTh2−2であり、42.0度≦Th1−2≦48.0度、42.0度≦Th2−2≦48.0度の範囲にあり、それぞれ交互に配置され、
前記二つの8PSK波の一方の8PSK波の8つの信号空間配置点に関して、隣接の信号点間の角度が異なる値Th1−3とTh2―3であり、38.0度≦Th1−3≦52.0度、38.0度≦Th2−3≦52.0度の範囲にあり、それぞれ交互に配置され、
前記二つの8PSK波の両方において、振幅r1−2とr2−2の信号振幅比(r2−2/r1−2)が0.52≦(r2−2/r1−2)≦0.6の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の多値変調・復調方法。 - 8PSK変調、8APSK変調、またはQPSK変調する前に、情報ビットストリームに誤り訂正符号とインターリーバを設置し、符号を撹拌する機能を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の多値変調・復調方法。
- 2種以上の誤り訂正符号を使用し、1つの誤り訂正符号器ともう1つの誤り訂正符号器の間に、インターリーバを設置し、符号を撹拌する機能を備えたことを特徴とする請求項9に記載の多値変調・復調方法。
- 隣接する信号点間の符号間距離が最少となるように符号変換を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の多値変調・復調方法。
- 変調後の電力増幅器の非線形特性を考慮して前置歪補償を施した信号配置とすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の多値変調・復調方法。
- 電力増幅器非線形特性の歪を受けた後に最小の幾何距離が最大になるように、信号配置の半径と相対位相関係を伝送特性が最適となるように調整することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の多値変調・復調方法。
- 受信側において、既知信号を送信したときの空間重畳に伴う振幅あるいは位相誤差を推定して、この推定誤差をもとに修正した信号空間配置を用いて復調することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の多値変調・復調方法。
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