JP2015159230A - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】細線化された電極パターンを生産性よく印刷できる太陽電池の製造方法を提供する。【解決手段】第1の半導体基板の表面に、所定パターンに対応する線状の開口部を備えた製版を配置すること、電極を形成するための電極形成用ペーストを、製版の第1端部であって、印刷方向に直交する幅方向で開口部が内包される領域の端部に供給すること、供給ペーストを、製版の第1端部から対向する第2端部に、開口部を通過させつつスキージにより移動させ、半導体基板へ第1の印刷を行うこと、第2の半導体基板の表面に第1の印刷後の製版を配置すること、移動されたペーストを、第2の端部から対向する第1の端部に、開口部を通過させつつスキージにより移動させることで、半導体基板へ第2の印刷を行うこと、印刷されたペーストを焼成し、所定パターンの電極を形成すること、を包含する半導体基板の表面に印刷された電極を備える太陽電池を製造する。【選択図】図5

Description

本発明は、印刷により電極パターンを形成する工程を含む太陽電池の製造方法に関する。
近年の環境意識の高まりや省エネの観点から太陽電池(ソーラーセル)の普及が急速に進んでおり、これに伴い従来よりも高性能なセル構造、即ち光電変換効率が良好で高出力なセル構造の太陽電池が求められている。かかる要求を実現するための一つの方策として、太陽電池のセル単位面積あたりの受光面積を拡大することが挙げられる。例えば、受光面積を拡大するための一つの手段として、受光面に形成されている線状電極の細線化(ファインライン化)が挙げられる。
現在主流となっているいわゆるシリコン型太陽電池のセル受光面には、銀等の導体によって形成されている線状のバスバー(接続用)電極と、該バスバーに接続する筋状の細線からなるグリッド(集電用)電極とが設けられている。これら電極は、総称して受光面電極とも呼ばれる。
太陽電池の受光面において、このような受光面電極が形成された部分は遮光部分(非受光部分)となる。このため、受光面電極を従来よりも細線化すればそれだけ遮光部分が減少し、セル単位面積あたりの受光面積が拡大されて、セル単位面積あたりの出力を向上させることができる。しかしながら、このとき、細線化された分だけ電極を嵩高く(厚く)しないと電極のライン抵抗が増加してしまい、その分だけ太陽電池の出力特性が低下してしまう。従って、受光面電極の細線化には、電極厚みの向上、即ち高アスペクト比(電極における厚みと線幅との比(厚み/線幅)を大きくすること。以下同じ。)が同時に求められる。
かかる従来の受光面電極は、導体成分としての銀等の金属粉末と、バインダや溶剤からなる有機ビヒクル成分とを含み、ペースト状(スラリー状、インク状を包含する。)に調製された材料(以下、「電極形成用ペースト」、単に「ペースト」等ともいう。)を用いたスクリーン印刷によって、所定の電極パターンで太陽電池(セル)の受光面に形成されている。このような線状の電極をスクリーン印刷等の技法を用いて半導体基板上に所定パターンで形成する従来技術として、例えば、特許文献1が挙げられる。
特開2012−54517号公報
ところで、上記のペーストを用いたスクリーン印刷の技法によると、典型的には、以下のようにして所定の電極パターンの印刷を行っている。すなわち、まず、シリコン型太陽電池用の半導体基板の受光面の上方に、所定の電極パターンに対応する線状の開口部を有するスクリーン印刷用のスクリーン製版(メッシュ製版)を、クリアランス(ギャップ)を設けて配置させる。次いで、かかるメッシュ製版のスクリーン紗上にペーストを供給した後、スクレーパーをスクリーン紗の表面に当接し、かかるスクレーパーをスクリーン紗の表面沿って一方の端部から他方の端部に移動させる。これにより、ペーストをスクリーン紗の表面に均一に広げるとともに、ペーストを転がしながら(ローリングしながら)開口部に充填する。その後、スクリーン紗をスキージにより半導体基板の表面に押しあてながら、かかるスキージをスクリーン紗の上記他方の端部から上記一方の端部に移動させる。これにより、過剰なペーストをスクリーン紗の表面で転がしながら開口部に充填されたペーストを基板の表面に押し出す。このとき、スキージの移動に合わせて、スクリーン紗は基板に接触した後、スキージの通過に追随するように連続的に版離れを起こす。かかる版離れに伴い、ペーストを所定の電極パターンにて基板上に印刷(転写)することができる。以上の工程を繰り返し行うことで、複数の半導体基板に電極パターンを順次印刷することができる。
すなわち上記のような従来のスクリーン印刷の技法によると、電極パターンの印刷方向は一定であって、一つの基板に電極パターンを一回印刷するに際し、供給されたペーストをスクレーパーとスキージとによりスクリーン製版上を一往復移動させる必要があった。
また、スクリーン製版は開孔部にスクリーン紗(メッシュ)を備えるため、高粘度のペーストを用いると目詰まりを起こしやすく、高粘度のペーストを用いた印刷を行うことができなかった。そのため、印刷後の電極パターンは厚みにムラが生じ易く、嵩高く印刷すると印刷後のペーストがダレて線幅が広がる等し、十分な細線化を実現することができなかった。
そこで本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、細線化された電極パターンを生産性よく印刷できる太陽電池の製造方法を提供することである。
上記の目的を実現するべく、ここに開示される発明は、半導体基板と上記半導体基板の表面に印刷された所定パターンの線状の電極とを備える太陽電池を製造する方法を提供する。かかる製造方法は、上記電極を形成するための電極形成用ペースト(以下、単に「ペースト」という場合がある。)を用意すること、第1の上記半導体基板の表面に、上記所定パターンに対応する線状の開口部を備えた製版を配置すること、上記ペーストを、上記製版の第1の端部であって、印刷方向に直交する幅方向で上記開口部が内包される領域の端部に供給すること、上記供給されたペーストを、上記製版の上記第1の端部から対向する第2の端部に、上記開口部を通過させつつスキージにより移動させることで、上記第1の半導体基板へ第1の印刷を行うこと、を包含する。かかる製造方法は、そしてまた、第2の上記半導体基板の表面に上記第1の印刷後の製版を配置すること、上記移動されたペーストを、上記第2の端部から対向する上記第1の端部に、上記開口部を通過させつつスキージにより移動させることで、上記第2の半導体基板へ第2の印刷を行うこと、上記印刷されたペーストを焼成し、上記所定パターンの電極を形成すること、を包含する。
かかる構成においては、製版の端部であって、開口部が内包される領域に亘ってペーストを供給するようにしている。そして、従来のスクリーン印刷の技法と異なり、スクレーパーによるペーストの均一化および開口部への充填の工程が含まれない。すなわち、所定のパターンの電極を印刷するに際し、スキージによってペーストを製版の開口部上を一度通過させるだけでよい。これにより、スキージの往復により2回の印刷を行うことができ、効率よく所定パターンの電極を形成することができる。延いては、生産性よく太陽電池を製造することができる。
なお、本明細書において、「印刷」とは、目的のパターン(即ち半導体基板の表面に形成したい電極パターン)に対応するパターンで開口部が形成された製版の当該開口部を介して、目的のパターンに電極形成用ペーストを半導体基板の表面に供給する印刷技法を意味し、使用する製版の材質や構成、および形成されるパターンの精密度等に限定されない。例えば、開口部が設けられる製版の構成材料としては、種々の合成樹脂(例えばポリエステル)材料、金属材料(例えばステンレス合金)等であってよい。また、製版は、製版原板にエッチングやレーザ加工等により所定のパターンの開口部を形成したマスク製版や、製版枠内に設けられたスクリーン紗に所定のパターンの開口を形成するよう乳剤を塗布したいわゆるスクリーン製版(メッシュ製版)等であってよい。
ここで開示される太陽電池の製造方法の好ましい一態様において、上記製版は、上記開口部にメッシュを備えないマスク版であることを特徴としている。かかる構成によると、スキージによる一度のペーストの移動に伴い適切な量のペーストを基板に印刷することができる。これにより、線細りや線太り、滲み等の外観不良の発生を抑制して、太陽電池の電極を形成することができる。
ここで開示される太陽電池の製造方法の好ましい一態様において、上記印刷方向が、上記開口部に平行な方向であって、上記ペーストを、上記製版からの表面高さが0.5mm以上10mm以下となるように、上記供給されたペーストの上記印刷方向に直交する幅方向に供給することを特徴としている。
かかる構成によると、製版上にペーストを均一に供給することができ、スクレーパーを使用せずとも、外観不良の発生をより一層抑制して、太陽電池の電極を形成することができる。
ここで開示される太陽電池の製造方法の好ましい一態様においては、上記ペーストを、ノズル吐出型のペーストディスペンサーにより供給することを特徴としている。
かかる構成によると、簡便に、製版上にペーストを均一に供給することができる。したがって、上記の太陽電池の電極を、外観不良の発生を抑制しつつ、歩留まり良く形成することができる。また、かかるノズル吐出型のペーストディスペンサーとして、例えば、ハンドガンタイプのペーストディスペンサーを用いることができ、高価な設備を用意することなく簡便にペーストの供給を実現することもできる。
ここで開示される太陽電池の製造方法の好ましい一態様において、上記ペーストは、導電性粉末と該粉末を分散させる有機ビヒクル成分とを含み、回転速度が20rpmのときの粘度が200Pa・s以上400Pa・s以下であることを特徴としている。
かかるペーストによると、印刷によって半導体基板の表面に電極を形成するのに好適な粘度特性を示す。従って、より好適に所定の電極パターンで所望のアスペクト比の細線状の電極(特に、集電用のグリッド電極)を形成することができる。
ここで開示される太陽電池の製造方法の好ましい一態様においては、線幅が60μm以下であって厚みが15μm以上である上記線状の電極を上記半導体基板の受光面に形成することを特徴としている。
かかる構成によると、印刷を実施することにより、例えば線幅が60μm以下(より好ましくは55μm以下、特には50μm以下)であって厚みが15μm以上(より好ましくは20μm以上)の所定パターンの電極を半導体基板の表面に形成することができる。従って、ここで開示される製造方法は、受光面電極の細線化と高アスペクト比とを実現した太陽電池を製造するために好ましく採用することができる。
ここに開示される太陽電池の製造工程の前半の一実施形態を説明する工程図である。 ここに開示される太陽電池の製造工程の後半の一実施形態を説明する工程図である。 ここに開示される太陽電池の製造方法における電極形成用ペーストの供給の様子を説明する上面図である。 太陽電池の構造の一例を模式的に示す断面図である。 太陽電池の受光面に形成された電極のパターンを模式的に示す平面図である。 実施例において形成した太陽電池の(a)サンプル3および(b)サンプル4のグリッド電極のパターンを示す走査型電子顕微鏡(SEM)像である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している内容以外の技術的事項であって本発明の実施に必要な事項は、従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている技術内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
図3は、ここに開示される太陽電池の製造方法により好適に製造され得る太陽電池(ソーラーセル)10の一例を模式的に図示したものである。この太陽電池10は、単結晶もしくは多結晶あるいはアモルファス型のシリコン(Si)からなるウェハを半導体基板11として利用する、いわゆるシリコン型ソーラーセルである。この図3は、一般的な片面受光タイプの太陽電池10を例示しており、太陽電池10の表面(おもてめん)が受光面11Aとなる。
具体的には、この種の太陽電池10は、p型結晶シリコンからなるシリコン基板(p−Si層)11の受光面側11Aにpn接合形成により形成されたn−Si層16を備え、その表面にはCVD等により形成された酸化チタンや窒化シリコン等から成る反射防止膜14と、銀(Ag)粉末等を含む電極形成用ペーストから形成される受光面電極12とを備える。
一方、シリコン基板11の裏面11B側には、受光面電極12と同様に所定のペースト材料(典型的には導電性粉末がAg粉末である導体ペースト)により形成される裏面側外部接続用電極22と、いわゆる裏面電界(BSF;Back Surface Field)効果を奏するアルミニウム電極20とを備える。アルミニウム電極20は、アルミニウム粉末を主体とするアルミニウムペーストを印刷および焼成することによって裏面の略全面に形成される。この焼成時に図示しないAl−Si合金層が形成され、アルミニウムがシリコン基板11に拡散してp層24が形成される。かかるp層24、即ちBSF層が形成されることによって、光生成されたキャリアが裏面電極近傍で再結合することが防止され、例えば短絡電流や開放電圧(Voc)の向上が実現される。
太陽電池10のシリコン基板11の受光11A面側には、図4に示すように、受光面電極12として、数本の相互に平行な直線状のバスバー電極12Aと、該バスバー電極12Aと交差するように接続する相互に平行な筋状のグリッド電極(集電用電極、フィンガー電極等ともいう。)12Bとが形成されている。
グリッド電極12Bは、受光により生成した光生成キャリア(正孔及び電子)を収集するため多数本形成されている。バスバー電極12Aはグリッド電極12Bにより収集されたキャリアを集電するための接続用電極である。従って、上述のとおり、かかる受光面11A側に設けられるバスバー電極12Aとグリッド電極12B(特に数の多いグリッド電極12B)をできるだけ細線化することにより、太陽電池10の光電変換効率を高め、高出力化を図ることができる。
なお、かかる太陽電池10に関し、本質的な構成については、従来の太陽電池と同様である。そのため、かかる従来と同様の構成および従来と同様の材料の使用、さらには従来と同様の太陽電池の製法に関しては、本発明を特徴付けるものではないため、詳細な説明は省略する。
以上のような太陽電池10は、概略的には、次のようなプロセスを経て製造することができる。すなわち、適当なシリコン基板11を用意し、熱拡散法やイオンプランテーション等の一般的な技法により所定の不純物をドープして上記n−Si層16を形成する。次いで、例えばプラズマCVD等の技法により窒化ケイ素等からなる反射防止膜14を形成する。その後、上記シリコン基板11の裏面11B側に、先ず、所定の電極形成用ペースト(典型的には導電性粉末がAg粉末である導体ペースト)を用いて、所定のパターンにスクリーン印刷し、乾燥することにより、後に裏面側外部接続用電極22となる裏面側導体ペースト塗布物を形成する。次いで、裏面11B側の全面に、アルミニウム粉末を導体成分とするペーストをスクリーン印刷法等で塗布(供給)し、乾燥することによりアルミニウム膜を形成する。
次いで、上記シリコン基板11の表面11A側に形成した反射防止膜14上に、典型的には、ここに開示される製造方法において特徴的な印刷手法に基づいて図4に示すような電極パターンで電極形成用ペーストを印刷(供給)する。ここで、かかる印刷方法の詳細については後述する。印刷の際の線幅は特に限定しないが、線幅が60μm以下程度、好ましくは40μm〜60μm程度の範囲、より好ましくは40μm〜50μm程度の範囲のグリッド電極を備える電極パターンの塗膜(印刷体)を形成する。その後、適当な温度域(典型的には100℃〜200℃、例えば120℃〜150℃程度)で基板を乾燥させる。
このように両面にそれぞれペースト塗布物(乾燥膜状の塗布物)が形成されたシリコン基板11を、大気雰囲気中で例えば近赤外線高速焼成炉のような焼成炉を用い、適切な焼成温度(例えば700〜900℃)で焼成する。
かかる焼成によって、受光面電極(典型的にはAg電極)12および裏面側外部接続用電極(典型的にはAg電極)22とともに、焼成アルミニウム電極20が形成され、また同時に、図示しないAl−Si合金層が形成されるとともにアルミニウムがシリコン基板11に拡散して上述したp層(BSF層)24が形成され、太陽電池10が製造される。
なお、上記のように同時焼成する代わりに、例えば受光面11A側の受光面電極(典型的にはAg電極)12を形成するための焼成と、裏面11B側のアルミニウム電極20および外部接続用電極22を形成するための焼成とを、別々に実施してもよい。
以上の太陽電池の製造プロセスにおいて、電極(受光面電極12および裏面側外部接続用電極22)の印刷には、ここに開示される太陽電池の製造方法に特徴的な印刷手法により好適に製造することができる。図1Aおよび図1Bは、ここに開示される太陽電池の製造方法を説明するための工程図である。かかる太陽電池の製造方法は、上記のとおり、電極の印刷工程の前段階まで用意された半導体基板11に対して、例えば、その表面(受光面)11Aに所定パターンの線状の電極(受光面電極)12を印刷することができる。かかる製造方法は、下記の工程を含んでいる。
(1)電極を形成するための電極形成用ペースト50を用意する。
(2)第1の半導体基板11aの表面11Aに、所定パターンに対応する線状の開口部60aを備えた製版60を配置する。
(3)上記(1)で用意したペースト50を、上記製版60の第1の端部P1であって、印刷方向Dに直交する幅方向で上記開口部60aが内包される領域の端部に供給する。
(4)上記(3)で供給されたペースト50を、製版60の第1の端部P1から対向する第2の端部P2に、開口部60aを通過させつつスキージ70により移動させることで、第1の半導体基板11aへ第1の印刷を行う。
(5)第2の前記半導体基板11bの表面11Aに第1の印刷後の製版60を配置する。
(6)移動されたペースト50を、第2の端部P2から対向する第1の端部P1に、開口部60aを通過させつつスキージ70により移動させることで、第2の半導体基板11bへ第2の印刷を行う。
(7)印刷されたペースト50を焼成し、所定パターンの電極12を形成する。
[1.電極形成用ペーストの用意]
ここで開示される電極形成用ペーストは、従来のこの種のペースト材料(導体ペースト)と同様に、導電性粉末と、該粉末を分散させるための有機ビヒクル成分とを主体に構成される材料を用いることができる。
該ペーストの固形分の主体をなす「導電性粉末」としては、太陽電池の電極を形成するに好適な導電性を示す導電性材料からなる粉末を特に制限なく使用することができる。典型的には、銀(Ag),白金(Pt),パラジウム(Pd),金(Au)等の貴金属の単体およびこれらの合金(Ag−Pd合金、Pt−Pd合金等)、ならびに上記貴金属と他の金属との合金等からなるものが好適な例として挙げられる。コストや電気的抵抗の低さ等の観点から、典型的には銀又は銀主体の合金からなる粉末(以下、これらを総称して「Ag粉末」という。)が特に好ましく用いられる。
Ag粉末その他の導電性粉末としては、平均粒子径が5μm以下のものが適当であり、平均粒子径が3μm以下(典型的には1〜3μm、例えば1〜2μm)のものが好ましく用いられる。なお、本明細書において、平均粒子径とは、レーザ散乱・回折法に基づく体積基準の粒度分布における累積50%粒径(D50)を意味している。
導電性粉末を構成する粒子の形状は特に限定されないが、典型的には、球状、麟片状、円錐状、棒状のもの等を好適に使用することができる。もちろん不定形状のものを用いることもできる。充填性がよく緻密な受光面電極を形成しやすい等の理由から、球状もしくは鱗片状の粒子を用いることが好ましい。使用する導電性粉末としては、粒度分布のシャープな(狭い)ものが好ましい。例えば、粒子径10μm以上の粒子を実質的に含まないような粒度分布のシャープな導電性粉末が好ましく用いられる。この指標としてレーザ散乱・回折法に基づく体積基準の粒度分布における累積10%時の粒径(D10)と累積90%時の粒径(D90)との比(D10/D90)を採用することができる。導電性粉末を構成する粒子径が全て等しい場合は、D10/D90の値は1となり、逆に粒度分布が広くなる程このD10/D90の値は0に近づくことになる。D10/D90の値が0.2以上(例えば0.2〜0.5)であるような、比較的狭い粒度分布の粉末の使用が好ましい。
このような平均粒子径及び粒子形状を有する導電性粉末を用いたペーストは、導電性粉末の充填性がよく、緻密な電極を形成し得る。このことは、受光面上に細かい配線パターンを形状精度よく形成するにあたって有利である。
このようなAg粉末等の導電性粉末を製造する方法は特に限定されない。例えば、周知の湿式還元法、気相反応法、ガス還元法等によって製造された導電性粉末(典型的にはAg粉末)を必要に応じて分級して用いることができる。かかる分級は、例えば、遠心分離法を利用した分級機器等を用いて実施することができる。
一方、上記導電性粉末を分散させる「有機ビヒクル成分」としては、従来のこの種のペースト材料に用いられているものを特に制限なく使用することができる。典型的には、ビヒクルは、種々の組成の有機バインダと有機溶剤とから構成される。
有機バインダとしては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系高分子、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等をベースとする有機バインダが好適に用いられる。特にセルロース系高分子(例えばエチルセルロース)が好ましく、特に良好なスクリーン印刷を行うことができる粘度特性を実現することができる。
また、有機溶剤としては、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート(BCA:ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート)等のエステル系溶剤、ブチルカルビトール(BC:ジエチレングリコールモノブチルエーテル)等のエーテル系溶剤、エチレングリコールおよびジエチレングリコール誘導体、トルエン、キシレン、ミネラルスピリット、ターピネオール、メンタノール等の有機溶媒が好適に用いられる。
有機ビヒクルを構成する溶媒として好ましいものは、沸点がおよそ200℃以上(典型的にはほぼ200〜260℃)の有機溶媒である。沸点がおよそ230℃以上(典型的にはほぼ230〜260℃)の有機溶媒がより好ましく用いられる。特に好ましい溶剤成分として、ブチルカルビトール(BC)、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート等が挙げられる。
ペースト全体に占める導電性粉末の含有割合は、ペースト全体を100質量%としたときのおよそ80質量%以上(典型的には80〜90質量%)とすることが適切であり、例えば85質量%程度とすることが好ましい。導電性粉末の含有割合を高くすることは、形状精度がよく緻密な電極のパターンを形成するという観点から好ましい。一方、この含有割合が高すぎると、ペーストの取扱性やスクリーン印刷に対する適性等が低下することがあるため好ましくない。
また、上記有機ビヒクルの含有割合は、ペースト全体を100質量%としたときの5〜20質量%となる量が適当であり、10〜20質量%(特に10〜15質量%)となる量が好ましい。
また、有機ビヒクル成分のうち有機バインダは、導電性粉末100質量部に対して15質量部以下(典型的には1〜10質量部)の割合で含有されることが好ましい。特に好ましくは、導電性粉末100質量部に対して5〜10質量部の割合で含有される。
なお、各成分の含有率に係る上記数値範囲は厳密に解釈すべきでなく、本発明の目的を達成し得る限りにおいて、かかる範囲からの若干の逸脱を許容するものである。
上記主体となる導電性粉末ならびに有機ビヒクル成分の他、本発明の目的を達成し得る限りにおいて、種々の無機添加剤及び/又は有機添加剤を含ませることができる。無機添加剤の好適例として、ガラス粉末その他のセラミック粉末(ZnO、Al、SiO等)、その他種々の材料からなるフィラーが挙げられる。このなかでもセラミック粉末、特にガラス粉末(ガラスフリット)の添加が好ましい。この種の粉末(フィラー)の平均粒子経は、典型的には、導電性粉末と同等かそれ以下に調整される。例えば平均粒子径が3μm以下、好適には2μm以下、典型的には平均粒子径が0.1〜2μm程度のガラス粉末その他の粉末(フィラー)を用いることができる。
添加されるガラス成分としては、通常の非晶質のほか結晶化ガラスであってもよい。具体例として、ケイ酸鉛ガラス、アルミノケイ酸鉛ガラス、ホウケイ酸鉛ガラス、アルミノホウケイ酸鉛ガラス等の、鉛、ホウ素、ケイ素等の酸化物を含有するものが挙げられる。ガラス軟化点は特に限定されないが、300〜600℃程度(例えば400〜500℃)であることが好ましい。このようなガラス粉末を添加すると、ペース塗布物が焼成された際、ガラス成分が基板(典型的にはシリコン基板)と溶着することにより電極との密着性に優れた電極を形成することができる。
なお、ガラス粉末その他のセラミック粉末の含有割合は、ペースト全体を100質量%としたときの10質量%以下が適当であり、典型的には5質量%以下(例えば1〜5質量%程度)である。
この電極形成用ペーストには、上記の成分の他、必要に応じて種々の添加成分を加えることができる。例えば、界面活性剤、消泡剤、酸化防止剤、分散剤、重合禁止剤等の添加剤が挙げられる。
ここで開示される太陽電池製造方法に好適に使用される本発明の電極形成用ペーストは、回転速度:20rpmのときの粘度(以下「η20」)が200Pa・s以上400Pa・s以下である。かかる粘度は、典型的には、ブルックフィールド型回転粘度計により、適当なスピンドル(例えば4番のスピンドル)を用いて供試ペースト材料を上記いずれかの回転速度条件で回転させて測定した粘度である。電極形成用ペーストのη20が200Pa・s以上400Pa・s以下であることにより、ここで開示される太陽電池製造方法により電極を形成する際に好適な粘性を示し得る。かかるη20を満たすことにより、印刷時に用いる製版等からの脱離性や、吐出口またはメッシュ等の開口部のすり抜け性を維持しつつ、印刷後の基板上でのダレや滲み等の発生し難い印刷体の形成が可能となり得る。したがって、かかる性状の電極形成用ペーストを用いた場合には、断線や線細り(即ちペーストの供給不良)の発生を防止することができる。ひいては、線幅が細いながらも均一で、かつ、嵩高い電極の形成が可能となる。電極形成用ペーストのη20は、250Pa・s以上350Pa・s以下であるのがより好ましい。
なお、電極形成用ペーストの粘性は、回転速度が10rpmのときの粘度:η10と回転速度が50rpmのときの粘度:η50との粘度比:η10/η50が、2〜4.5の範囲にあるのがより好ましい。さらに好ましくは、η10/η50が2.5〜4の範囲にあることである。以下、かかる点について説明する。
回転速度:10rpmにおける粘度:η10が一定であるとした場合、上記回転速度:50rpmにおける粘度η50が低くなるにつれて上記粘度比:η10/η50の値は大きくなる。かかる回転速度:50rpm(即ち、ずり速度が回転数10rpmの場合よりも大きい場合)における粘度η50が低くなるということは、ペーストをスクリーン印刷する際のようなずり速度が上昇している場合には種々のスクリーン印刷用マスク(典型的にはメタルマスク)からのペーストの「抜け」即ち流出が良好であるということを示している。特にスクリーン印刷法の採用によって太陽電池のセルを構成する半導体基板の受光面にスクリーン印刷用のマスクを介してペースト材料を付与(供給)する場合(具体的にはスキージを用いてマスクの開口部にペースト材料を充填させるとき)に好ましい粘度特性である。良好な流動性を示して当該マスクからのペーストの「抜け」がよいからである。
一方、回転速度:50rpmにおける粘度:η50が一定であるとした場合、上記回転速度:10rpmにおける粘度η10が高くなるにつれて上記粘度比(η10/η50)の値は大きくなる。かかる回転速度:10rpm(即ち、ずり速度が回転数50rpmの場合よりも小さい場合)における粘度η10が高くなるということは、基板の受光面に印刷されたペーストが流れ難い(ペーストの垂れが少ない)という観点から好ましい。このことにより、スクリーン印刷法を実行して種々のマスクを介して所定のパターンで基板の受光面に印刷された後(即ち受光面に塗布された後のずり速度が極めて低くなった状態)では、良好な粘性(形状維持性能)を示してライン幅の好ましくない拡がりを防止することができる。
即ち、焼成するまでの間に受光面に塗布された配線パターンの形状が滲みにくいので、形状精度のよい電極パターンを形成することができる。なお、上記粘度比(η10/η50)の値が大きすぎると、ペーストのレベリング性が全般に低下傾向となるため好ましくない。
かかる粘度(η10、η20、η50)及び/又は粘度比(η10/η50)は、例えば、ペーストに含まれる導電性粉末の含有割合、当該導電性粉末の平均粒子径や導電性粉末の粒度分布等によっても調整することができるが、好ましくは、上述した導電性粉末の好適な形状(外形ならびに平均粒子径や粒度分布)を維持しつつ、有機ビヒクルを構成する溶剤の種類、有機バインダの種類およびこれらの含有割合等を調整することにより設定することができる。
ここで開示される電極形成用ペーストは、従来のこの種の導体ペーストと同様に、典型的には上記導電性粉末と上記有機ビヒクル成分とを混和することによって調製することができる。このとき、必要に応じて上述したような添加剤(例えばガラス粉末等の無機フィラーや粘度調整剤等の補助成分)を添加・混合することができる。例えば、三本ロールミルやその他の混練機を用いて、上記導電性粉末および各種添加剤を有機ビヒクル成分とともに所定の配合比で混合し、相互に練り合わせることにより、種々の組成の電極形成用ペーストを調製することができる。
[2.第1の半導体基板への製版の配置]
次いで、図1Aの(イ)に示すように、第1の半導体基板11aの表面11Aに、所定パターンに対応する線状の開口部60aを備えた製版60を配置する。
かかる製版60としては、従来この種の印刷により用いられてきた各種の製版を使用することができる。例えば、電極パターン形成技術として代表的な、いわゆるスクリーン印刷の手法に用いられる、スクリーン製版(メッシュ版)やマスク製版等の、各種の製版を用いることができる。
スクリーン製版とは、本質的には、スクリーン紗(メッシュ)を製版枠内に張りつけた構成であって、かかるスクリーン紗に所望の印刷パターンに対応した開口部(網目)を残して乳剤を付与したものである。この網目を電極形成用ペーストが通過し、基板の表面に付着することで、印刷体を形成することができる。本発明においては、比較的開口の大きいスクリーン紗を用いて印刷することができる。
また、マスク製版とは、板状の製版材料に、所望の印刷パターンに対応した開口部を精度良くくり抜き加工した構成である。かかる開口部を電極形成用ペーストが通過し、基板の表面に付着することで、印刷体を形成することができる。これらの製版(枠、メッシュ、板材等)を構成する材料は特に制限されず、例えば、ポリエステル等に代表される各種の樹脂材料、ステンレス等に代表される各種の金属材料などから適宜選択して構成することができる。
特に制限されるものではないが、ここに開示される製造方法においては、好適な一例として、エッチング処理やレーザ加工によって正確な形状で電極パターンに対応する開口部が形成されたメタルマスク製版を使用することが挙げられる。以下では、比較的薄く柔軟性のあるメタルマスク製版を用いて、非コンタクト印刷した場合を主たる例として説明を行う。
使用する製版60の開口部60aの開口幅は、受光面電極12の細線化を実現し得るサイズとすることができ、使用するペーストの性状等に応じて適宜設定することができる。例えば、線幅60μm程度のグリッド電極を形成する場合には、そのサイズに対応する開口幅、典型的には60μm以下程度(例えば35〜55μm程度)の製版60(マスク製版、スクリーン製版のいずれであっても良い)を使用することができる。あるいは、線幅50μm程度のグリッド電極を形成する場合には、そのサイズに対応する開口幅、典型的には50μm以下程度(例えば25〜45μm程度)の製版60を使用することができる。また、例えば、線幅40μm程度のグリッド電極を形成する場合には、そのサイズに対応する開口幅、典型的には40μm以下程度(例えば2〜35μm程度)の製版60を使用することができる。このように目的とする線幅にもよるため特に限定するものではないが、例えば目的とするグリッド電極の線幅よりも10〜50%程度(例えば、2〜40%程度)狭い開口幅の製版60(例えば線幅45μm程度の電極が目的であれば、開口幅が25±5μm程度の製版60)を使用するのが好適であり得る。また、使用する製版60としては、グリッド電極ライン形成用の開口部とバスバー電極ライン形成用の開口部の両方が形成されているものでも、或いは、グリッド電極ライン用の開口部のみ形成されているものでもよい。グリッド電極ライン形成用の開口部のみ形成されている製版60を使用する場合には、バスバー電極は別の製版60を用いて形成することができる。
なお、製版60がスクリーン製版の場合は、常法に従い、第1の半導体基板11aの表面11Aに、所定のクリアランスを設けて、第1の半導体基板11aの上方に製版60を配置することができる。また、製版60がマスク製版の場合は、第1の半導体基板11aの表面11Aに接触するように製版60を配置(すなわちコンタクト印刷)しても良いし、スクリーン製版と同様に所定のクリアランスを設けて配置(すなわち非コンタクト印刷)するようにしてもよい。なお、クリアランスを設けて配置する場合には、後述のスキージ70の移動により当該マスク製版と基板11とのコンタクトおよび版離れ可能なように、当該マスク製版を柔軟性が高くなるよう構成することが好ましい。
[3.ペーストの供給]
ここで、上記で用意したペースト50を、例えば、図2に示したように、製版60の第1の端部P1であって、印刷方向Dに直交する幅方向で上記開口部60aが内包される領域の端部に供給する。かかるペースト供給領域は、後工程の印刷の際にペースト50が全ての開口部60a上を通過し得る領域であればよい。ここで第1の端部P1は、製版60の印刷方向Dの手前側の端部である。
ここで、ペースト50は、製版からの表面高さが0.5mm以上10mm以下となる厚みで製版60の第1の端部P1に供給されるのが好ましい。このようにすることで、次工程の印刷において、開口部60aに充填されるペースト50の量を均一かつ精密に制御することができる。かかるペースト50の表面高さは、1mm以上9mm以下であるのが好ましく、例えば2mm以上8mm以下とすることができる。なお、かかるペーストの表面高さは、特に限定されるものではないが、例えば、レーザ式の表面粗さ分析装置や、非破壊X線検査装置等を用いることで測定することができる。
かかるペースト50の供給の手法は特に制限されず、例えば、従来よりこの種の製造方法で慣習的に行われているように、作業者がヘラ(スパチュラ等であり得る。)を用いて適量のペースト50をすくい取り、製版60の第1の端部P1に供給するようにしても良い。あるいは、例えば、電力等の動力を利用したペースト自動供給装置を用いて適量のペースト50を製版60の第1の端部P1に供給するようにしても良い。
しかしながら、これらの手法によると、供給されたペースト50の表面高さを上記の範囲に収めるのは困難な場合があり得る。というのは、例えば、上記のとおりの粘度η20を満足するペースト50は、比較的粘度が高い。したがって、ヘラを用いてペースト50を供給することは、作業者の熟練度等によって精度を保つのが困難であり得る。また、例えば、テレビやパーソナルコンピュータ等のディスプレイ印刷やハンダ印刷等に使用されている汎用のペースト自動供給装置では、このような高粘度のペースト50を、ペースト供給量を好適に制御しつつ供給することが困難であるためである。また、かかるペースト自動供給装置は比較的高価であり、かかる装置の駆動のための電力等も必要とされる。
そこで、より好ましい一形態では、ノズル吐出型のペーストディスペンサーによりペースト50を製版60の第1の端部P1に供給することである。かかるノズル吐出型のペーストディスペンサーを用いることにより、高粘度のペースト50であっても、ペースト供給量を好適に制御しつつ簡便に適量のペースト50を製版60の第1の端部P1に供給することができる。かかるノズル吐出型のペーストディスペンサーとしては、電力等により予め設定された条件で自動的にペーストを吐出可能に構成されたものであっても良いし、作業者が手動で駆動することにより人為的に(人力で)ペーストを吐出可能に構成されたものであっても良い。なお、このようなディスペンサーを用いることで、例えば、作業者の熟練度に依らず、ペーストを好適に基板上に供給することが可能となる。後者の手動で供給するノズル吐出型のペーストディスペンサーとしては、例えば、ハンドガンタイプのペーストディスペンサーを好適な例として上げることができる。
かかるノズル吐出型のペーストディスペンサーにおいて、ノズルの吐出口の形状は特に制限されず、例えば、円形であっても良いし、矩形であっても良い。例えば吐出口の形状が円形である場合、代表的な5〜6インチサイズの太陽電池の基板11に対してかかる受光面電極12を形成することを考慮すると、吐出口の直径は2mm以上15mm以下程度(例えば、3mm以上10mm以下程度)であるのが好適である。また、吐出口の形状が円形以外の場合は、吐出口の面積が上記直径の円に相当する面積であるのが好ましい。かかる寸法の吐出口を備えたノズル吐出型のペーストディスペンサーによると、例えば、作業者が、表面高さを簡便に制御しながらペースト50を製版60上に供給することができる。これにより、例えば断面形状の良好な受光面電極12を形成することが可能となる。
[4.第1の印刷]
ここでは、上記のとおり供給されたペースト50を、製版60の第1の端部P1から対向する第2の端部P2に、開口部60aを通過させつつスキージ70により移動させることで、第1の半導体基板11aの印刷を行う。スキージ70としては、汎用されている各種のものを用いることができる。例えば、一例として、硬度が60度から90度程度(例えば、60度から80度程度)であって、ウレタンゴムやシリコンゴム、合成ゴム、金属、プラスチック等からなるスキージ70を用いることが挙げられる。スキージ70の先端形状についても特に制限されず、平型、角型、剣型等のものを用いることができる。
ここで、スキージ70は、図1Aの(イ)に示されるとおり、製版60の第1の端部P1に供給されたペースト50よりも、製版60外側の位置P11に当接させる。そして、図1Aの(ロ)に示されるとおり、第1の端部P1に対向し、開口部60aを通過した第2の端部P2にまで移動させる。かかる移動に際し、コンタクト印刷の場合は製版60と基板11aとが接触しているため、スキージ70は製版60の表面を水平に移動させることで良い。また、非コンタクト印刷の場合は、スキージ70で製版60を押圧して製版60と基板11aとを接触させながら、スキージ70を端部P2にまで移動させる。このときペースト50は、製版60とスキージ70との間で回転(ローリング)しながら搬送される。このローリングにより、適切な量のペースト50が開口部60aに充填され、第1の半導体基板11aの表面に付着される。これにより、第1の半導体基板11aの電極パターンの印刷を行うことができる。なお、スキージ70は、ペースト50よりも製版60内側の位置P21に配置される。
スキージ70の移動速度および印圧(スキージにかける圧力)は特に制限されない。例えば、一例として、適当な形状のスキージ70を100〜300mm/秒(例えば150〜250mm/秒)の移動速度で高速移動させることにより、ペースト50に適度な充填作用を与え、製版60の開口部60aにペースト50を適量充填させることができる。また、スキージ70の印圧は、印刷方法に応じて常法に基づき決定することができる。例えば、スキージ70の印圧は、スキージ70自体の材質や構造によって適宜異なり得るために特に限定はないが、典型的には、0.05MPa〜0.3MPa程度とすることができ、典型的には0.1〜0.2MPa程度とすることができる。
このようなスムーズなスキージの移動により、効率よく正確なサイズ(線幅)でペーストを印刷することができる。
[5.第2の半導体基板への製版の配置]
上記の第1の印刷後は、図1Aの(ハ)に示されるとおり、第2の半導体基板11bの表面11Aに、第1の印刷後の製版60を配置する。
このとき、非コンタクト印刷の場合は、製版60が半離れにより第1の半導体基板11aの表面11Aからクリアランスを保って上方に位置しているため、第1の半導体基板11aを製版60の下から移動させ、製版60の下に第2の半導体基板11bを搬送すればよい。
また、コンタクト印刷の場合は、製版60を第1の半導体基板11aの表面11Aから上方に移動させ、かかる状態で第1の半導体基板11aを製版60の下から移動させ、製版60の下に第2の半導体基板11bを搬送する。その後、第2の半導体基板11bの表面11Aに製版60を設置すればよい。
[6.第2の印刷]
次いで、第2の端部P2にまで移動されたペースト50を、第2の端部P2から対向する第1の端部P1に、開口部60aを通過させつつスキージ70により移動させることで、第2の半導体基板11bへ第2の印刷を行う。ここで、スキージ70は、適時に、図1Aの(ロ)に示されるとおり、ペースト50よりも製版60内側の位置P21に配置されていたものを、図1A(ハ)〜図1B(二)に示されるように、上方に持ち上げてペースト50よりも製版60外側の位置P22に移動させておく。その後、引き続き、図1B(ホ)に示されるように、スキージ70を第1の端部P1にまで移動させる。この時のスキージ70の移動は、上記の第1の印刷とは逆方向である以外は同様に行うことができる。これにより、ペースト50は製版60とスキージ70との間で回転(ローリング)しながら搬送される。このローリングにより、適切な量のペースト50が開口部60aに充填され、第2の半導体基板11bの表面に付着される。そして、第2の半導体基板11bの電極パターンの印刷を行うことができる。なお、スキージ70は、ペースト50よりも製版60内側の位置P12に配置される。したがって、適時に、図1B(へ)〜図1A(イ)に示されるように、スキージ70を上方に持ち上げてペースト50よりも製版60外側の位置P11に移動させることができる。
[7.ペーストの焼成]
半導体基板11に印刷されたペースト50を焼成することで、所定のパターンの電極12とすることができる。かかる焼成の条件は、上記に説明したとおりである。また、このように印刷されたペースト50は、上記のように半導体基板11の裏面11B側に印刷されたアルミニウム電極20および外部接続用電極22を形成するためのペーストと同時に焼成するようにしても良い。
[連続印刷]
以上のようにして、スキージ70を製版60の第1の端部P1と第2の端部P2との間を一往復させる間に、第1の半導体基板11aおよび第2の半導体基板11bの2枚に電極パターンを連続的に印刷することができる。
そしてまた、新たな半導体基板を第1の半導体基板11aおよび第2の半導体基板11bとして所望の数だけ用意し、上記の(4)〜(6)の工程を繰り返して実施することで、所望の数の半導体基板11に電極パターンを連続印刷することができる。なお、製版60上のペーストの量が少なくなってきた場合には、適宜上記(3)の工程を実施して、ペーストを追加すればよい。
ここで開示される太陽電池の製造方法によると、例えば、上記のメタルマスク製版またはスクリーン製版等を用いた往復印刷により、簡便かつ生産性良く、電極パターンの印刷を行うことができる。かかる方法で製造される電極パターンは、線の細りや断線の発生を大幅に低減した状態で、嵩高く、高品質に形成され得る。したがって、かかる製造方法によると、変換効率の高い高性能な太陽電池を、生産性良く製造することができる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
(実施態様1)
[電極形成用ペーストの用意]
以下の手順で電極形成用ペーストを調製した。すなわち、導電性粉末としては、平均粒径が2μmであるAg粉末を用いた。有機ビヒクル成分としては、樹脂成分としてエチルセルロースを含むビヒクルを使用した。また、ガラスフリットとして、電子材料分野で電極形成用ペーストの調製の際によく用いられる一般的なホウケイ酸鉛ガラス粉末(平均粒径:0.5〜1.6μm)を使用した。そして、これらの材料の配合比を、Ag粉末85質量%、ガラスフリット3質量%および有機ビヒクル12質量%の割合で配合し、三本ロールミルを用いてよく混練することで、電極形成用ペーストとした。
なお、Ag粉末の平均粒子径は、レーザ回折・散乱式の粒子径分布測定装置(株式会社堀場製作所製品:LA−920)により測定される体積基準の粒度分布における積算50%粒径である。
次いで、得られたペーストの粘度を、回転速度10rpm、20rpm及び50rpmにて測定し、粘度:η10、η20、η50および粘度比:η10/η50を得た。その結果、上記で用意したペーストのη20は300Pa・s、η10/η50は3.0であった。
なお、ペーストの粘度は、ブルックフィールド社製の回転粘度計(HBT型 DV III+)により、4番スピンドル(スピンドル「SC−4−14」)を使用し、25℃で各回転速度(10,20,50rpm)において測定した値である。
また、比較のために、市販の太陽電池のグリッド電極形成用の銀ペースト((株)ノリタケカンパニーリミテド製、NP−4694A1)を用意した。かかる比較のペーストの粘度を、回転速度10rpm、20rpm及び50rpmにて測定し、粘度:η10、η20、η50および粘度比:η10/η50を得た。その結果、比較のペーストのη20は230Pa・s、η10/η50は3.4であった。
[試験用太陽電池素子(受光面電極)の作製]
上記で得られた電極形成用ペーストと比較のペーストとを用い、スクリーン印刷法により、太陽電池素子の受光面電極(即ち、グリッド電極とバスバー電極からなる櫛型電極)を形成した。
すなわち、市販の156mm四方(6インチ角)の太陽電池用p型単結晶シリコンウェハ基板(板厚200μm)を用意し、その表面(受光面)をNaOH水溶液によりアルカリエッチング処理してダメージ層を除去するとともに、凹凸のテクスチャ構造を形成した。次いで、上記テクスチャ構造面に対してリン含有溶液を塗布し、熱拡散処理を行なうことによって、この基板の受光面に厚さが約0.3μm〜0.4μmのn−Si層(n層)を形成した。次いで、このn−Si層上に、プラズマCVD(PECVD)法により厚みが50nm〜100nm程度の窒化ケイ素膜を製膜し、反射防止膜とした。
その後、サンプル1〜3の基板に対しては、上記で調製した電極形成用ペーストを用い、サンプル4の基板に対しては、比較のペーストを用いて、大気雰囲気中、室温条件下で、下記の表1に示す3通りの印刷条件によって受光面電極(Ag電極)用の電極パターンを上記反射防止膜上に印刷した。
具体的には、図4に示したように、3本の相互に平行な直線状バスバー電極と、このバスバー電極に直交するようにして相互に平行な67本のグリッド電極とからなる電極パターンを印刷にて形成した。グリッド電極は、下記の表1に示すように、設計線幅が25〜45μmに設定された製版を用いて印刷することにより形成した。また、バスバー電極は、目標とする線幅が1.5mmとなるように印刷した。
なお、サンプル1〜3のグリッド電極の印刷に用いる印刷製版には、金属性の薄板に所定の設計線幅の開口部が形成された特殊なマスク製版(スクリーンメッシュなし)をそれぞれ用いた。また、サンプル4の印刷に用いる印刷製版には、従来の一般的なスクリーン印刷に用いる、所定の設計線幅の開口部が設けられたスクリーン製版(スクリーンメッシュあり)を用いた。
サンプル1〜3の印刷では、このマスク製版を一枚目の基板の受光面上に配置し、電極形成用ペーストをかかるマスク製版上に供給した。ペーストの供給には、手動のハンドガンタイプのペーストディスペンサーを用いた。かかるペーストディスペンサーのペースト接触部の材質はポリプロピレン(PP)またはポリエチレン(PE)であり、ノズル吐出口のサイズは約5mm×10mmであり、ペースト収容可能量は約100〜800gであるものを用いた。ペーストは、マスク製版の印刷方向の手前側(一方)の端部に、製版の幅方向で電極パターンを内包するように、かつ、おおよそ平均高さが5mmで均一となるように供給した。
マスク製版上に供給したペーストは、シリコンゴム(もしくはウレタンゴム等であってもよい。)製のスキージ(硬度70度)をアタック角度45度、印圧0.2MPaでマスク製版上のペーストの外方側に接触させ、製版の手前側(一方)の端部から奥側(他方)の端部まで、版上を200mm/秒の速度で高速移動させることで、マスク製版上を回転させながら通過させた。これにより、マスク製版の開口部にペーストを充填し、次いでマスク製版を持ち上げることで、一枚目の基板の印刷を行った。引き続き、かかるマスク製版を二枚目の基板の受光面上に配置し、スキージをペーストの外方側に配置させ、今度は製版の奥側(他方)の端部から手前側(一方)の端部まで、同様に回転させながら移動させることで、二枚目の基板の印刷を行った。
サンプル4の印刷では、従来のスクリーンメッシュ製版を用いたスクリーン印刷の手法を用いて、印刷した。すなわち、サンプル4の印刷では、スクリーン製版を一枚目の基板の受光面の上方にクリアランス(隙間)を設けて配置し、上記のサンプル1〜3と同様に電極形成用ペーストをかかるスクリーン製版上に供給した。次いで、供給されたペーストを、スクレーパーを用いて製版の印刷方向手前側(一方)の端部から奥側(他方)の端部まで製版の表面に沿って移動させることで、スクリーン紗の開口部にペーストを充填した。次いで、上記のサンプル1〜3と同様に、シリコンゴム製のスキージをアタック角度45度、印圧0.2MPaでスクリーン製版上を移動されたペーストの印刷方向外方側に押し当て、製版と基板とを接触させながら、製版上の奥側(他方)の端部から手前側(一方)の端部まで、版上を200mm/秒の速度で高速移動させた。これにより、スクリーン製版上でペーストを回転させながら通過させ、スクリーン製版の開口部のペーストを基板に付着させるとともに、スクリーン製版を版離れさせることで、一枚目の基板の印刷を行った。引き続き、かかるマスク製版を二枚目の基板の受光面上に配置し、上記と同じ手順で、二枚目の基板の印刷を行った。この印刷条件は、一般的なものであり、特殊な条件や操作等を含むものではない。
上記で印刷したサンプル1〜4の基板を、120℃で乾燥させ、次いで、大気雰囲気中、近赤外線高速焼成炉を用いて焼成温度域700〜800℃で焼成することで、受光面電極(グリッド電極およびバスバー電極)を形成した。
そして、形成されたグリッド電極の形状を調べることで、印刷精度を評価した。具体的には、100μmの長さのグリッド電極の横断面において、その幅および高さを、かかるグリッド電極を10μm毎に分割した位置においてレーザ顕微鏡にて測定した。その結果を表2〜4に示すとともに、幅および高さの平均値と標準偏差を表1に示した。
図5に、設計線幅が45μmである製版を用いた印刷により形成した(a)サンプル3と(b)サンプル4のグリッド電極の走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;SEM)像を例示した。図5および表1に示されるように、設計線幅が45μmである製版を用いた印刷により形成されたサンプル3とサンプル4のグリッド電極の形状を比較すると、サンプル3の方が、幅および高さともに均一でばらつきが小さく、印刷精度良く形成されていることが確認できた。すなわち、ここに開示される方法によると、従来のペーストを用いた従来のスクリーン印刷の手法に比べて、印刷精度良くグリッド線を形成でき、さらに、往復印刷が可能で生産性よくグリッド印刷を形成できることが確認できた。
また、サンプル1〜3のグリッド電極の形状の比較から、ここに開示される方法においてより細い設計線幅のマスク製版を用いることで、より線幅が細く、より嵩高で、アスペクト比の高いグリッド電極を、精度よく形成できることが確認された。例えば、平均線幅が約43μm(その標準偏差は1.80μm)であって、平均高さが約18μm(その標準偏差は0.63μm)、アスペクト比が約0.42(その標準偏差は0.03)のグリッドラインが形成できた。
(実施態様2)
太陽電池のグリッド電極を印刷により形成するに際し、電極形成用ペーストの製版上への供給の仕方と、印刷方法、および、作業者の熟練度の条件を、下記の表6に示すように、様々に変化させてグリッド電極を形成した基板を各200枚ずつ印刷した。これにより形成されたグリッド電極の外観への影響について検討した。
すなわち、電極形成用ペーストとしては、嵩高い電極の形成が可能な、上記実施態様1で調製したサンプル1の電極形成用ペーストを用いた。
かかる電極形成用ペーストの製版上への供給の仕方は、上記の実施態様1と同様に作業者がディスペンサーを用いて供給した場合を、表6の「ペースト供給」の欄に「ディスペンサー」と示し、作業者がヘラを用いて電極形成用ペーストをすくい取り、版上に供給した後、均一にならした場合を「ヘラ」と示した。
電極形成用ペーストの印刷の仕方は、上記の実施態様1のサンプル1と同様にここに開示される方法に沿って印刷した場合を、表6の「印刷方法」の欄に「本発明」と示し、上記の実施態様1のサンプル4と同様に従来のスクリーン印刷方法に沿って印刷した場合を「従来法」と示した。
また、作業者には、熟練度の高いAと、熟練度の低いBと、その中間の熟練度のCとを選んだ。
なお、電極の外観に関し、目視にて、形成された線幅の2倍以上の線太りが1枚の基板に3カ所以上含む場合を外観不良と判断し、形成された線幅の2枚以上の線太りが1枚の基板に3カ所未満の場合を外観良好と判断した。そして、外観不良と良好との合計に占める外観不良の割合を外観不良率として表6に示した。
また、評価に関しては、外観不良率が20%以上の場合を×とし、外観不良率が5%以上20%未満の場合を○とし、外観不良率が5%未満の場合を◎として、表6に示した。
表6に示されるように、従来法によると、熟練度の高い作業者Aが電極を形成しても、印刷によって適切な量のペーストを基板に供給することができなかった。その結果、ペースト不足による未印刷部分の発生や、ペースト過剰によるペーストのダレや滲みが発生し、外観不良率が高くなってしまうことがわかった。
一方の、ここに開示される方法に従って印刷することで、製版を通過するペースト量を好適に制御することができ、ダレや滲みを発生させずに細く嵩高い電極を形成することができた。したがって、形成されるグリッド電極の外観不良率が低く抑えられることが確認できた。
なお、ここに開示される方法において、ディスペンサーを用いてペーストの供給を行うことで、製版を通過するペースト量をより精密に制御することができ、極めて印刷精度の高い印刷を行え、高品質なグリッド電極を形成できることが分かった。また、かかる方法によると、作業者の熟練度のばらつきがほとんど発生しないことも確認された。
(実施態様3)
太陽電池のグリッド電極を印刷により形成するに際し、電極形成用ペーストを製版上へ供給する際に用いるディスペンサーの口径を変化させて、その他は実施態様1のサンプル1と同様にして、グリッド電極を形成した基板を各200枚ずつ印刷した。これにより形成されたグリッド電極の外観への影響について検討した。
すなわち、電極形成用ペーストとしては、上記実施態様1で調製したサンプル1の電極形成用ペーストを用いた。そして、下記の表7に示すように、かかる電極形成用ペーストを製版上に供給する際に用いたディスペンサーの口径を変化させた。表7には、楕円形のディスペンサーの口径を、「短径×長径」として示した。また、併せて、製版上に供給されたペーストの、製版からの表面高さを測定し、その結果を表7に示した。
なお、電極の外観に関しては、上記実施形態2と同様に、目視にて、形成された線幅の2倍以上の線太りが1枚の基板に3カ所以上含む場合を外観不良と判断し、形成された線幅の2枚以上の線太りが1枚の基板に3カ所未満の場合を外観良好と判断した。そして、外観不良と良好との合計に占める外観不良の割合を外観不良率として表7に示した。
また、生産性に関し、2000枚の6インチ太陽電池基板に電極パターンを印刷したときに、ディスペンサーで製版上に電極形成用ペーストを供給した回数を調べた。そして、供給回数が8回以上の場合を×とし、供給回数が5回以上7回以下の場合を○とし、供給回数が1回以上4回以下の場合を◎として、表7に示した。なお、本実施態様においては、生産性が×となる例はなかった。
表7に示されるように、吐出口の口径に依らずディスペンサーを使用することで外観不良率を低く維持してペーストを供給できることがわかった。(また、ディスペンサーを用いることで、ペーストの版からの表面高さを好適に調整できることも確認できた。)ただし、No.1に示されるように、吐出口の口径が小さくなると電極外観不良率を充分低減できるものの、ペーストの供給回数が増えて生産性が低下してしまう。また、No.4に示されるように、吐出口の口径が大きくなると生産性は良いものの、マスク版から基板に供給されるペースト量も多くなりがちであり、電極の外観が不良となる率が若干高まる。これらのことから、ディスペンサーの口径は、直径が2mm以上15mm以下程度の円形か、これに相当する大きさ(面積)であるのが好ましく、かかる場合に外観不良率をより一層低減でき生産性良く電極パターンを形成できることが確認できた。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
10 太陽電池
11 半導体基板(シリコン基板)
11A 受光面(表面)
11B 裏面
12 受光面電極
12A バスバー電極
12B グリッド電極
14 反射防止膜
16 n−Si層
20 アルミニウム電極
22 外部接続用電極
24 p

Claims (6)

  1. 半導体基板と前記半導体基板の表面に印刷された所定パターンの線状の電極とを備える太陽電池を製造する方法であって、
    前記電極を形成するための電極形成用ペーストを用意すること、
    第1の前記半導体基板の表面に、前記所定パターンに対応する線状の開口部を備えた製版を配置すること、
    前記ペーストを、前記製版の第1の端部であって、印刷方向に直交する幅方向で前記開口部が内包される領域の端部に供給すること、
    前記供給されたペーストを、前記製版の前記第1の端部から対向する第2の端部に、前記開口部を通過させつつスキージにより移動させることで、前記第1の半導体基板へ第1の印刷を行うこと、
    第2の前記半導体基板の表面に前記第1の印刷後の製版を配置すること、
    前記移動されたペーストを、前記第2の端部から対向する前記第1の端部に、前記開口部を通過させつつスキージにより移動させることで、前記第2の半導体基板へ第2の印刷を行うこと、
    前記印刷されたペーストを焼成し、前記所定パターンの電極を形成すること、
    を包含する、太陽電池の製造方法。
  2. 前記製版は、前記開口部にメッシュを備えないマスク版である、請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
  3. 前記印刷方向が、前記開口部に平行な方向であって、
    前記ペーストを、前記製版からの表面高さが0.5mm以上10mm以下となるように、前記供給されたペーストの前記印刷方向に直交する幅方向に供給する、請求項1または2に記載の太陽電池の製造方法。
  4. 前記ペーストを、ノズル吐出型のペーストディスペンサーにより供給する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
  5. 前記ペーストは、
    導電性粉末と該粉末を分散させる有機ビヒクル成分とを含み、
    回転速度が20rpmのときの粘度が200Pa・s以上400Pa・s以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
  6. 線幅が60μm以下であって厚みが15μm以上である前記線状の電極を前記半導体基板の受光面に形成する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
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