JP2017217874A - スクリーン印刷用メッシュ部材及びスクリーン印刷版 - Google Patents

スクリーン印刷用メッシュ部材及びスクリーン印刷版 Download PDF

Info

Publication number
JP2017217874A
JP2017217874A JP2016115604A JP2016115604A JP2017217874A JP 2017217874 A JP2017217874 A JP 2017217874A JP 2016115604 A JP2016115604 A JP 2016115604A JP 2016115604 A JP2016115604 A JP 2016115604A JP 2017217874 A JP2017217874 A JP 2017217874A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
screen printing
mesh member
openings
line pattern
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2016115604A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017217874A5 (ja
Inventor
浩一 宮田
Koichi Miyata
浩一 宮田
達昭 篠田
Tatsuaki Shinoda
達昭 篠田
福田 正人
Masato Fukuda
正人 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobelco Research Institute Inc
Original Assignee
Kobelco Research Institute Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobelco Research Institute Inc filed Critical Kobelco Research Institute Inc
Priority to JP2016115604A priority Critical patent/JP2017217874A/ja
Priority to KR1020170036678A priority patent/KR101787948B1/ko
Priority to TW106111747A priority patent/TWI643023B/zh
Priority to CN201710299814.3A priority patent/CN107487069A/zh
Publication of JP2017217874A publication Critical patent/JP2017217874A/ja
Publication of JP2017217874A5 publication Critical patent/JP2017217874A5/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41FPRINTING MACHINES OR PRESSES
    • B41F15/00Screen printers
    • B41F15/14Details
    • B41F15/34Screens, Frames; Holders therefor
    • B41F15/36Screens, Frames; Holders therefor flat
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41NPRINTING PLATES OR FOILS; MATERIALS FOR SURFACES USED IN PRINTING MACHINES FOR PRINTING, INKING, DAMPING, OR THE LIKE; PREPARING SUCH SURFACES FOR USE AND CONSERVING THEM
    • B41N1/00Printing plates or foils; Materials therefor
    • B41N1/24Stencils; Stencil materials; Carriers therefor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41NPRINTING PLATES OR FOILS; MATERIALS FOR SURFACES USED IN PRINTING MACHINES FOR PRINTING, INKING, DAMPING, OR THE LIKE; PREPARING SUCH SURFACES FOR USE AND CONSERVING THEM
    • B41N1/00Printing plates or foils; Materials therefor
    • B41N1/04Printing plates or foils; Materials therefor metallic
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Printing Methods (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

【課題】印刷時に印刷条件の外乱に対して印刷特性が影響を受けにくい、つまりロバスト性の高いスクリーン印刷版に用いるための、圧延金属箔にエッチングにより開口部を設けたスクリーン印刷用メッシュ部材を提供する。
【解決手段】スクリーン印刷用メッシュ部材は、金属箔からなるスクリーン印刷用メッシュ部材であって、複数の開口部が一方向に沿って配置されており、長手方向が一方向であって複数の開口部にわたって、一方向と交差する方向について10μm以上60μm以下の範囲の幅Wを有するラインパターンにおいて、ラインパターン内の複数の開口部の面積の標準偏差が、3.8W(μm)以上(20W+10)(μm)以下の範囲にある。
【選択図】図2B

Description

本発明は、スクリーン印刷用メッシュ部材及び該スクリーン印刷用メッシュ部材を用いたスクリーン印刷版に関する。
現在、太陽電池用フィンガー電極の印刷用としてワイヤメッシュ部材が普及している。このワイヤメッシュ部材を用いたスクリーン印刷版では、およそ線径16μm乃至20μmのステンレスワイヤを紗に編み込んだワイヤメッシュ部材を使用している。このため、スクリーン印刷版では、メッシュ同士の交差部が存在している。その結果、印刷されたフィンガー線の高低差が大きいという問題がある。また、版離れ時にペーストがスクリーン版に残存する、つまり、ペーストの抜けが良くない等の問題がある。さらに、繰返し印刷に対しては、ワイヤメッシュ部材の伸びが発生するので位置精度が悪化してくる等の問題が起こる場合がある。
更に、細線化を目指して高粘度ペーストを使用した場合、転写性が悪い、つまり、ペーストのメッシュ通過性が悪く、メッシュにペーストが詰って断線を引き起こす等の問題が発生している。
また、乳剤開口幅が30μm程度の細線領域になると、印刷したフィンガー線に擦れ、つまり、ペーストが十分被印刷体に転写されない問題が発生し、良好な細線印刷は実現できていない。
一方、ワイヤメッシュ部材とは別の技術として、圧延金属箔にエッチングにより孔開けしたスクリーンメッシュの技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2011−194885号公報 特号公報
上記圧延金属箔にエッチングにより孔開けしたスクリーンメッシュにおいても、ワイヤメッシュ部材と同等かそれ以上に、印刷条件の外乱に対して印刷特性が影響を受けにくい、つまりロバスト性の高いことが求められている。
本発明は、印刷時に印刷条件の外乱に対して印刷特性が影響を受けにくい、つまりロバスト性の高いスクリーン印刷版に用いるための、金属箔に開口部を設けたスクリーン印刷用メッシュ部材を提供することを目的とする。
本発明に係るスクリーン印刷用メッシュ部材は、金属箔からなるスクリーン印刷用メッシュ部材であって、
複数の開口部が一方向に沿って配置されており、
長手方向が前記一方向であって前記複数の開口部にわたって、前記一方向と交差する方向について10μm以上60μm以下の範囲の幅Wで離間する2本の直線によって画成されるラインパターンにおいて、前記ラインパターン内の前記複数の開口部の面積の標準偏差が、3.8W(μm)以上(20W+10)(μm)以下の範囲にある。
本発明に係るスクリーン印刷用メッシュ部材によれば、ワイヤメッシュ部材と同等以上に、印刷条件の外乱に対して印刷特性が影響を受けにくい、つまりロバスト性の高いスクリーン印刷版が得られる。
実施の形態1に係るスクリーン印刷用メッシュ部材の概要を示す平面図である。 図1のスクリーン印刷用メッシュ部材のフィンガー電極用パターンについて、一方向に沿って配置された複数の楕円状の開口部を示す拡大平面図である。 図1のスクリーン印刷用メッシュ部材のフィンガー電極用パターンについて、一方向に沿って配置された複数の矩形状の開口部を示す拡大平面図である。 実施の形態1に係るスクリーン印刷版の概要を示す平面図である。 図3AのA−A方向からみた端面の構造を示す端面図である。 図3Aのスクリーン印刷版のフィンガー電極用パターンについて、感光性乳剤によるラインパターンを設けた印刷面から見た、一方向に沿って配置された複数の楕円状の開口部を示す拡大平面図である。 図3Aのスクリーン印刷版のフィンガー電極用パターンについて、感光性乳剤によるラインパターンを設けた印刷面から見た、一方向に沿って配置された複数の矩形状の開口部を示す拡大平面図である。 従来のワイヤメッシュ部材を用いたスクリーン印刷版の概要を示す平面図である。 (a)から(e)は、図5のワイヤメッシュ部材を用いた印刷版において、それぞれ幅Wが20μm(a)、25μm(b)、30μm(c)、35μm(d)、40μm(e)のラインパターンに露出するワイヤ間の開口部を印刷面側から見た概略図である。 圧延金属箔からなるスクリーン印刷用メッシュ部材のフィンガー電極用パターンについて、一方向に沿って配置された複数の楕円状の開口部を示す拡大平面図である。 圧延金属箔からなるスクリーン印刷用メッシュ部材のフィンガー電極用パターンについて、一方向に沿って配置された複数の矩形状の開口部を示す拡大平面図である。 図7Aのスクリーン印刷用メッシュ部材を用いたスクリーン印刷版のフィンガー電極用パターンについて、感光性乳剤によるラインパターンを設けた印刷面から見た、一方向に沿って配置された複数の楕円状の開口部を示す拡大平面図である。 図7Bのスクリーン印刷用メッシュ部材を用いたスクリーン印刷版のフィンガー電極用パターンについて、感光性乳剤によるラインパターンを設けた印刷面から見た、一方向に沿って配置された複数の矩形状の開口部を示す拡大平面図である。 スクリーン印刷の概要を示す概略図である。 図6(b)の幅25μmのラインパターンに露出するワイヤ間の開口部の面積のヒストグラムである。 図6(c)の幅30μmのラインパターンに露出するワイヤ間の開口部の面積のヒストグラムである。 図6(d)の幅35μmのラインパターンに露出するワイヤ間の開口部の面積のヒストグラムである。 図6(c)の幅40μmのラインパターンに露出するワイヤ間の開口部の面積のヒストグラムである。 図6(a)〜(e)のワイヤメッシュ部材を用いた印刷版と、図8Bの金属箔からなるスクリーン印刷用メッシュ部材を用いた印刷版と、について、ラインパターンの幅とラインパターン内の開口部の平均面積との関係を示すグラフである。 図6(a)〜(e)のワイヤメッシュ部材を用いた印刷版と、図8Bの金属箔からなるスクリーン印刷用メッシュ部材を用いた印刷版と、について、ラインパターンの幅とラインパターン内の開口部の面積の標準偏差との関係を示すグラフである。
第1の態様に係るスクリーン印刷用メッシュ部材は、金属箔からなるスクリーン印刷用メッシュ部材であって、
複数の開口部が一方向に沿って配置されており、
長手方向が前記一方向であって前記複数の開口部にわたって、前記一方向と交差する方向について10μm以上60μm以下の範囲の幅Wで離間する2本の直線によって画成されるラインパターンにおいて、前記ラインパターン内の前記複数の開口部の面積の標準偏差が、3.8W(μm)以上(20W+10)(μm)以下の範囲にある。
第2の態様に係るスクリーン印刷用メッシュ部材は、上記第1の態様において、前記ラインパターン内の前記開口部の面積の平均値が700〜2000μmの範囲にあってもよい。
第3の態様に係るスクリーン印刷用メッシュ部材は、上記第1又は第2の態様において、前記金属箔は、厚さが5μm以上30μm以下であってもよい。
第4の態様に係るスクリーン印刷用メッシュ部材は、上記第1から第3のいずれかの態様において、前記金属箔は、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、アルミ合金の群から選ばれる少なくとも一つを含んでもよい。
第5の態様に係るスクリーン印刷版は、上記第1から第4のいずれかの態様の前記スクリーン印刷用メッシュ部材と、
前記一方向に沿って配置されている前記複数の開口部を覆う樹脂と、
長手方向が前記一方向であって前記複数の開口部にわたって設けられ、前記一方向と交差する方向について10μm以上60μm以下の範囲の幅Wで離間する2本の直線によって前記樹脂を開口して画成されたラインパターンと、
を備える。
<本発明に至った経緯について>
まず、本発明者は、圧延金属箔に多数の開口部を設けたスクリーン印刷用メッシュ部材を用いたスクリーン印刷版では、印刷条件の外乱に対して脆弱であるという問題を見出した。一方、本発明者は、従来のワイヤメッシュ部材を用いたスクリーン印刷版では印刷条件の外乱に対して比較的、印刷性の影響を受けにくいことを見出した。
そこで、本発明者らは、圧延金属箔に多数の開口部を設けたスクリーン印刷用メッシュ部材と、現在量産で主流となっているワイヤメッシュ部材とを詳細に比較・分析した。これにより、圧延金属箔に多数の開口部を設けたスクリーン印刷用メッシュ部材が印刷条件の外乱に対して脆弱である原因を突き止めた。一方、ワイヤメッシュ部材を用いたスクリーン印刷版では印刷条件の外乱に対して印刷性の影響を受けにくい(ロバスト性が高い)理由を突き止めた。
本発明者は、後述するように、圧延金属箔に多数の開口部を設けたスクリーン印刷版ではラインパターンの幅(乳剤開口幅)に拘わらず、ラインパターン内に露出する開口部の面積のばらつき(標準偏差)は、150μm以下と小さいことを見出した。一方、ワイヤメッシュ部材を用いたスクリーン印刷版の開口部の面積の標準偏差は、450μm以上と非常に大きいことを見出した。
つまり、圧延金属箔に孔を開けたスクリーン印刷用メッシュ部材が印刷条件の外乱によって影響を受け易かったのは、開口面積の標準偏差が極めて小さかったことに起因しているものと考える。一方、ワイヤメッシュ部材を用いたスクリーン印刷版では、開口部の面積の標準偏差は非常に大きいため、様々な面積の開口部を有しており、印刷条件の変化に対しても鈍感で同じような印刷特性が再現しやすいと考えられる。
更に、特に細線領域でワイヤメッシュ部材が繰り返し印刷に対してペースト目詰まりを起こしやすい原因を明らかにした。
本発明者は、後述するように、ワイヤメッシュ部材を用いたスクリーン印刷版では、開口部の面積が600μm以下の微少面積にわたって分布を有していることを見出した。このように開口部の面積が600μm以下では、ペーストが良好に通過できないため、ワイヤ51間の開口部の目詰まりを引き起こし、印刷には寄与しないだけでなく、量産現場でのスクリーン洗浄回数の増加を誘発し、印刷装置の停止回数を増加させスル―プットの減少に通じるなど問題を引き起こすものと思われる。
これらの知見を基にして、圧延金属箔に孔を開けたスクリーン印刷用メッシュ部材を改良することにより、印刷条件の外乱に対して影響を受けにくいスクリーン印刷用メッシュ部材及び該スクリーン印刷用メッシュ部材を用いたスクリーン印刷版を得ることができ、本発明に至った。
具体的には、本願発明に係るスクリーン印刷用メッシュ部材では、ラインパターンに露出する複数の開口部についてある程度の面積分布を有する。詳細には、ラインパターン内の複数の開口部の面積の標準偏差が、3.8W(μm)以上(20W+10)(μm)以下の範囲にある。
これにより、印刷特性がペーストの粘度経時変化等の印刷条件の外乱に対して影響を受けにくい、つまり、ロバスト性の高いスクリーン印刷版を実現することができる。
以下、実施の形態に係るスクリーン印刷用メッシュ部材及び該スクリーン印刷用メッシュ部材を用いたスクリーン印刷版について、添付図面を参照しながら説明する。なお、図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
(実施の形態1)
<スクリーン印刷用メッシュ部材>
図1は、実施の形態1に係るスクリーン印刷用メッシュ部材10の概要を示す平面図である。図2Aは、図1のスクリーン印刷用メッシュ部材10のフィンガー電極用パターン2について、一方向に沿って配置された複数の楕円状の開口部12を示す拡大平面図である。図2Bは、図1のスクリーン印刷用メッシュ部材のフィンガー電極用パターンについて、一方向に沿って配置された複数の矩形状の開口部14を示す拡大平面図である。なお、図面における開口部12,14は単に例示であって寸法比等は実際の状態を示すものではない。
実施の形態1に係るスクリーン印刷用メッシュ部材10は、金属箔からなる。また、このスクリーン印刷用メッシュ部材10は、複数の開口部12,14が一方向に沿って配置されている。さらに、長手方向が上記一方向であって複数の開口部12,14にわたって、上記一方向と交差する方向について10μm以上60μm以下の範囲の幅Wで離間する2本の仮想的な直線17a、17bを引く。この2本の直線17a、17bによって画成されるラインパターン18において、ラインパターン18内の複数の開口部12,14の面積の標準偏差が、3.8W(μm)以上(20W+10)(μm)以下の範囲にある。
このスクリーン印刷用メッシュ部材10によれば、ラインパターン18内の複数の開口部12,14の面積の標準偏差が上記範囲にあり、複数の開口部12、14の面積は、ある程度の分布を有する。そこで、スクリーン印刷版に用いた場合に、印刷時においてペーストの粘度の経時変化等の印刷条件の外乱が生じて複数の開口部12、14の最適な面積範囲が変化した場合にも、開口部12,14の面積が分布を有することで、変化した最適な面積範囲に対応できる。このため、このスクリーン印刷用メッシュ部材10によれば、印刷特性が印刷条件の外乱の影響を受けにくい、つまり高いロバスト性が得られる。
以下に、このスクリーン印刷用メッシュ部材10を構成する各部材について説明する。
<金属箔>
金属箔は、圧延金属箔である。なお、圧延金属箔にかぎられず、電鋳による金属箔であってもよい。また、金属箔は、例えば、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、アルミ合金の群から選ばれる少なくとも一つを含んでもよい。
また、金属箔は、厚さが5μm以上30μm以下であってもよい。
さらに、金属箔に設ける多数の開口部は、化学的エッチング、機械的な孔開け処理、あるいは電鋳方式によって形成されてもよい。
<フィンガー電極用パターン>
フィンガー電極用パターン2は、図2A、図2Bに示すように、開口部12、14が一方向に沿って配置されている。このように一方向に配置されているので、仮想的な2本の直線17a、17bを上記一方向に沿って幅Wで離間するように配置すれば、複数の開口部12、14にわたるラインパターン18を画成することができる。このラインパターン18は、後述するスクリーン印刷版におけるフィンガー電極用のラインパターンに対応する。また、開口部12、14の平面形状は、図2Aの楕円形、図2Bの矩形に限られず、他の形状であってもよい。
さらに、仮想的な2本の直線17a、17bの幅Wは、形成するフィンガー電極の幅に対応しており、例えば、10μm以上60μm以下の範囲である。
また、上記ラインパターン18内の複数の開口部12、14の面積の標準偏差は、3.8W(μm)以上であって、(20W+10)(μm)以下の範囲にある。上記数式の導出については後述する。下限の3.8W(μm)は、ラインパターン18の幅Wの3.8倍を意味しており、図12において、記号■及び記号▲をつなぐ直線で示されるより上の領域である。また、下限3.8Wは、複数の開口部12,14の大きさを一定にした場合のスクリーン印刷版のラインパターン内の開口部について実測された開口部の面積の標準偏差に対応する。なお、面積一定の場合には理論上は分布はなく、標準偏差は0となる。つまり、上記下限の場合にも、開口部12、14は、わずかに分布を有している。上限の(20W+10)(μm)は、ラインパターン18の幅Wの20倍に切片10μmが加算された値であり、図12において、記号◆をつなぐ直線で示されるより下の領域である。この上限(20W+10)(μm)は、後述のワイヤメッシュ部材を用いたスクリーン印刷版のラインパターン内の開口部について実測された開口部の面積の標準偏差に対応する。つまり、このスクリーン印刷用メッシュ部材10では、複数の開口部12、14は、面積一定の場合よりもやや分布を有する場合から、ワイヤメッシュ部材と同程度に面積の分布を有する場合までを含んでいる。これによって、ペーストの粘度の経時変化等の印刷条件の外乱が生じて複数の開口部12、14の最適な面積範囲が変化した場合にも、開口部12,14の面積がある程度の分布を有することで、変化した最適な面積範囲に対応できる。そこで、印刷条件の外乱の有無によらず安定した印刷特性が得られる。
例えば、図2A及び図2Bでは、複数の開口部12、14は、その面積が一定ではなく、ある分布を有する場合について例示している。図2A及び図2Bでは、異なる面積を有する複数の開口部12,14がランダムに配列されている。複数の開口部12、14は、面積の分布において上記標準偏差を有するように大きさを変化させている。なお、これは開口部12、14の面積がある程度の分布を有することを示すための単なる例示であって、図2A及び図2Bの場合に開口部12、14の面積の標準偏差が上記範囲を満たすことを意味するものではない。また、様々な面積を有する開口部12、14の一方向についての配置も例示であって、ランダムに配置する場合に限られず、例えば、周期的に面積変化するように配置させてもよい。
さらに、ラインパターン18の幅Wが10μm〜60μmにおいて、ラインパターン18内の開口部12、14の面積の平均値は、700〜2000μmの範囲にあってもよい。なお、開口部12、14の面積の平均値は、ラインパターン18の幅Wに応じて適宜変化するようにしてもよい。例えば、図2A及び図2Bに示すように、開口部12、14をラインパターン18の幅方向に延在させておくことで、開口部12、14のラインパターン18内に露出する面積は、ラインパターン18の幅Wに応じて比例的に変化する。
<スクリーン印刷用メッシュ部材の製造方法>
なお、開口部12、14は、金属箔の片面又は両面からエッチングによって形成できる。開口部12、14の所望の形状及び面積、及びその分布等に応じて適宜エッチングを行えばよい。例えば、金属箔にレジストを塗布し、所望の大きさ及び配置で複数の開口部を配列し、印刷したパターンを描画したマスクを使って露光後、現像する。その後、エッチングにより、開口部を開ける部分の金属箔を溶かして、金属箔に開口部12、14を開けたスクリーン印刷用メッシュ部材10を作製できる。
なお、スクリーン印刷用メッシュ部材の製造方法としては、金属箔へのエッチングに製造方法を限定するものではなく、例えば、機械的な孔開け加工、電鋳による製造法でも実現可能である。
<スクリーン印刷版>
図3Aは、実施の形態1に係るスクリーン印刷版20の概要を示す平面図である。図3Bは、図3AのA−A方向からみたスクリーン印刷版20の端面の構造を示す端面図である。図4Aは、図3Aのスクリーン印刷版20のフィンガー電極用パターンについて、感光性乳剤16によるラインパターン18を設けた印刷面から見た、一方向に沿って配置された複数の楕円状の開口部12を示す拡大平面図である。図4Bは、図3Aのスクリーン印刷版20のフィンガー電極用パターンについて、感光性乳剤による樹脂16によるラインパターン18を設けた印刷面から見た、一方向に沿って配置された複数の矩形状の開口部14を示す拡大平面図である。
このスクリーン印刷版20は、図3A及び図3Bに示すように、アルミ製の枠22にポリエステル細線を編んだメッシュ織物24等を介して上記スクリーン印刷用メッシュ部材10を配置している。このスクリーン印刷版20は、上記スクリーン印刷用メッシュ部材と、一方向に沿って配置されている複数の開口部12、14を覆う樹脂16と、10μm以上60μm以下の範囲の幅Wで離間する2本の直線によって樹脂16を開口して画成されたラインパターン18と、を有する。上記ラインパターン18は、長手方向が一方向であって複数の開口部12,14にわたって設けられている。また、上記幅Wは、長手方向と交差する方向である。上記幅Wは、例えば、長手方向と角度をなして交差する方向であってもよい。あるいは、上記幅Wは、長手方向に垂直な方向であってもよい。
また、このスクリーン印刷版20は、図9に示すように、樹脂16を開口して画成されたラインパターン18を設けた印刷面48と、印刷するペースト43をパターンを介して印刷するスキージ42を当てるためのスキージ面47と、を有する。
このスクリーン印刷版20によれば、上記スクリーン印刷用メッシュ部材10を用いている。そこで、幅Wで離間する2本の直線によって樹脂16を開口して画成されたラインパターン18において、ラインパターン18内の複数の開口部12,14の面積の標準偏差が、3.8W(μm)以上(20W+10)(μm)以下の範囲にある。
なお、開口部12、14の面積の分布は、スキージ面47側のラインパターン18内の複数の開口部12、14に関する。この場合、印刷面48からの樹脂16がスキージ面47まで達し、ラインパターン18以外の開口部12、14を埋めている。
これによって、印刷時においてペーストの粘度の経時変化等の印刷条件の外乱が生じて複数の開口部12、14の最適な面積範囲が変化した場合にも、開口部12,14の面積が分布を有することで、変化した最適な面積範囲に対応できる。このため、このスクリーン印刷用メッシュ部材10によれば、印刷特性が印刷条件の外乱の影響を受けにくい、つまり高いロバスト性が得られる。
以下に、このスクリーン印刷版20を構成する各部材について説明する。
<スクリーン印刷用メッシュ部材>
スクリーン印刷用メッシュ部材は、上記スクリーン印刷用メッシュ部材10を用いるので説明を省略する。
<樹脂>
樹脂16は、図4A及び図4Bに示すように、一方向に沿って配置されている複数の開口部12、14を覆っている。
この樹脂16は、感光性乳剤を光硬化させたものである。
<ラインパターン>
ラインパターン18は、幅Wで離間する2本の直線によって樹脂16を開口して画成されている。このラインパターン18は、長手方向が一方向であって複数の開口部12,14にわたって設けられている。また、上記幅Wは、長手方向と交差する方向である。
<スクリーン印刷版の製造方法>
このスクリーン印刷版20は、以下のようにして作製できる。例えば、金属箔の全面に樹脂(感光性乳剤)を塗布した後、開口させるラインパターンに対応する部分をマスクで覆って、マスクで覆った箇所以外を露光する。露光した箇所の樹脂(感光性乳剤)を硬化させ、マスクで覆った箇所の開口させる部分の樹脂(感光性乳剤)を除去して、スクリーン印刷版20を作製できる。なお、上記作製方法は例示であってこれに限定されるものではない。
<スクリーン印刷について>
図9は、スクリーン印刷の概要を示す概略図である。
印刷時には、スクリーン印刷版のスキージ面47を鉛直上面とし、印刷面48を鉛直下面とする。印刷面48をスクリーン印刷する印刷対象物46に対向させる。一方、スキージ面にはペースト43を載せると共に、スキージ42を図9の左から右へ移動させることにより、ラインパターン18(図4A、図4B参照)の開口部(孔)12、14にペースト43を充填すると共に、印刷対象物46にペースト43を付着させる。スキージ42が通過した後は、スクリーン印刷版の張力(テンション)によりスクリーン印刷版と印刷対象物46とが離れる。一方、ペースト43は印刷対象物46に残る。これによって、スクリーン印刷が行われ、ラインパターン18に露出する開口部12,14の配列に対応したペースト43が印刷される。その後、開口部12、14の配置に由来する凹凸を有するペースト43はレべリング過程を経てフィンガー電極が形成される。
<作用・効果について>
実施の形態1に係るスクリーン印刷版の作用・効果について、従来のワイヤメッシュ部材を用いたスクリーン印刷版50と、圧延金属箔に一定の大きさの開口部を設けたスクリーン印刷用メッシュ部材40a、40bを用いたスクリーン印刷版と、を対比して説明する。
<従来のワイヤメッシュ部材について>
図5は、従来のワイヤメッシュ部材を用いたスクリーン印刷版50の概要を示す平面図である。
従来のワイヤメッシュ部材を用いたスクリーン印刷版50は、図5に示すように、金属または樹脂(例えば、ポリエステル)からなるワイヤ51を編んだワイヤメッシュ部材が広く使用されている。スクリーン印刷版50は、図3Aの場合と同様に、このワイヤメッシュ部材の周縁に、ポリエステル細線を編んだメッシュ織物を接合させ、さらにアルミ枠に固定している。また、ワイヤメッシュ部材を用いたスクリーン印刷版50は、樹脂56で覆われており、樹脂56を開口してフィンガー電極用のラインパターン53が形成されている。ラインパターン53内にはワイヤ51間の開口部52が露出している。
<ワイヤメッシュ部材を用いたスクリーン印刷版におけるラインパターン>
図6(a)から図6(e)は、図5のワイヤメッシュ部材(#360−φ16CL)を用いたスクリーン印刷版50において、それぞれ幅Wが20μm(a)、25μm(b)、30μm(c)、35μm(d)、40μm(e)のラインパターン58に露出するワイヤ51間の開口部52を印刷面側から見た概略図である。上記幅Wは、ラインパターン58の幅(乳剤開口部の幅)である。なお、図6は、ラインパターン長1.8mmについて示している。
図6では、ワイヤメッシュ部材は、ラインパターン58の長手方向について22.5°傾けて、つまりバイアスをかけて、スクリーン製版を行っている。このようにバイアスをかけない場合、つまりワイヤメッシュ部材を傾けない場合には、ラインパターン58の幅Wが狭い場合に、ラインパターン58をワイヤ51が縦断して遮ってしまう場合が発生する。その場合、当該ラインパターン58は、ワイヤ51に開口部を遮られてまともに印刷できない事態が発生する。そのため、ワイヤメッシュ部材は、ラインパターン58の長手方向について22.5°傾斜させて製版を実施する(乳剤を塗布する)のが一般的である。
ワイヤメッシュ部材を用いたスクリーン印刷版50では、ラインパターン58の長手方向についてワイヤメッシュ部材を22.5°傾斜させている。そこで、図6(a)から図6(e)に示すように、ラインパターン58に露出するワイヤ51間の開口部の形状は種々雑多であり、且つ、その開口面積はばらばらであることが理解できる。また、ラインパターンの幅(乳剤開口幅)が幅W40から幅W20へと細くなるにつれて、ワイヤ51間の開口部の面積が小さくなることが分かる。
図10Aは、図6(b)の幅25μmのラインパターン58に露出するワイヤ51間の開口部の面積のヒストグラムである。図10Bは、図6(c)の幅30μmのラインパターン58に露出するワイヤ51間の開口部の面積のヒストグラムである。図10Cは、図6(d)の幅35μmのラインパターン58に露出するワイヤ51間の開口部の面積のヒストグラムである。図10Dは、図6(e)幅40μmのラインパターン58に露出するワイヤ51間の開口部の面積のヒストグラムである。なお、図10Aから図10Dは、1.8mmのラインパターン58の中に存在するワイヤ51間の開口部の面積を示している。なお、この面積は、ワイヤ51間の開口部全体ではなく、開口部と樹脂56の壁とによって形成された面積を示している。
ラインパターン58の幅Wが40μmの場合、図10Dに示すように、ラインパターン58に露出するワイヤ51間の開口部の面積は、100〜2300μmの間にほぼ均等に分布している。
ラインパターン58の幅Wが35μmの場合も、図10Cに示すように、ラインパターン58に露出するワイヤ51間の開口部の面積は、やや開口面積が大きい1800〜2100μmの頻度が高くなっているものの、100〜2100μmの間に偏りなく分布している。
一方、ラインパターン58の幅Wが狭くなるにつれて、図10A及び図10Bに示すように、ラインパターン58に露出するワイヤ51間の開口部の面積の最大値は小さくなってくることが分かる。
図10Aから図10Dのデータから、ワイヤメッシュ部材を用いたスクリーン印刷版50において、ラインパターン58の幅Wと、ラインパターン58に露出するワイヤ51間の開口部の面積の分布の平均値と面積のばらつき(標準偏差σ)との関係を表1にまとめた。標準偏差は、平均開口面積の7割程度もあり、バイアスをかけたワイヤメッシュ部材を用いたスクリーン印刷版では、開口面積のばらつきが極めて大きいことがわかる。
Figure 2017217874
<圧延金属箔に孔開けしたスクリーン印刷版>
図7Aは、圧延金属箔からなるスクリーン印刷用メッシュ部材40aのフィンガー電極用パターンについて、一方向に沿って配置された複数の楕円状の開口部32を示す拡大平面図である。図7Bは、金属箔からなるスクリーン印刷用メッシュ部材40bのフィンガー電極用パターンについて、一方向に沿って配置された複数の矩形状の開口部34を示す拡大平面図である。図8Aは、図7Aのスクリーン印刷用メッシュ部材40aを用いたスクリーン印刷版のフィンガー電極用パターンについて、感光性乳剤36によるラインパターン38を設けた印刷面から見た、一方向に沿って配置された複数の楕円状の開口部32を示す拡大平面図である。図8Bは、図7Bのスクリーン印刷用メッシュ部材40bを用いたスクリーン印刷版のフィンガー電極用パターンについて、感光性乳剤36によるラインパターン38を設けた印刷面から見た、一方向に沿って配置された複数の矩形状の開口部34を示す拡大平面図である。
図7A及び図7Bに示すように、この圧延金属箔からなるスクリーン印刷用メッシュ部材40a、40bは、同一の大きさの開口部32、34を設けている。また、図8A及び図8Bに示すように、この圧延金属箔からなるスクリーン印刷用メッシュ部材40a、40bを用いたスクリーン印刷版では、樹脂36を開口したラインパターン38に露出する開口部32,34は、設計上同一である。実際には、エッチング時の寸法ばらつきが各々の開口部の幅に対して±5μm以内であることから、いずれも実質的に同じ大きさを有する。また、開口部の面積の分布も非常に狭く標準偏差も小さくなっている。例えば、開口部32、34の間隔が70μmピッチ(PW)の場合について、ラインパターン38の幅Wに対する、開口部32、34の平均面積及び開口面積の標準偏差を表2に示す。この場合、スキージ面の開口幅(AW)は44μmである。また、開口部32、34の間隔が80μmピッチ(PW)の場合について、ラインパターン38の幅Wに対する、開口部32、34の平均面積及び開口面積の標準偏差を表3に示す。この場合、スキージ面の開口幅(AW)は50μmである。
Figure 2017217874
Figure 2017217874
いずれの場合も、開口部の面積の標準偏差は、開口部の平均面積の10%以内に抑えられている。つまり、ワイヤメッシュ部材を用いたスクリーン印刷版において、ラインパターンに露出する開口部の面積での標準偏差が平均面積の7割に達する場合と比べると顕著に差が出ている。
図11は、図6(a)〜(e)のワイヤメッシュ部材を用いた印刷版50と、図8Bの金属箔からなるスクリーン印刷用メッシュ部材40a、40bを用いた印刷版と、について、ラインパターンの幅とラインパターン内の開口部の平均面積との関係を示すグラフである。図11では、ワイヤメッシュ部材(#360−φ16CL)を用いた印刷版50について記号◆で示した。また、金属箔からなるスクリーン印刷用メッシュ部材40bについて、開口部34の間隔が70μmピッチ、スキージ面の開口幅が44μmである場合を記号▲で示した。さらに、、金属箔からなるスクリーン印刷用メッシュ部材40bについて、開口部34の間隔が80μmピッチ、スキージ面の開口幅が50μmである場合を記号■で示した。
図11及びその印刷試験結果に示すように、開口部の平均面積が2000μm以上(■2000μm)になるとペーストの吐出過多が発生し、印刷したフィンガー電極に滲みが発生した。つまり、ラインパターンの幅(乳剤開口幅)に対して、印刷されたフィンガー電極の線幅が15〜20μm程度太くなる現象が見られた。これは、圧延金属箔に孔を開けたスクリーンメッシュ部材を用いたスクリーン印刷版の場合に顕著であった。これは、印刷条件に最適な開口部の面積と適合しなかった結果と考えられる。
一方、平均開口面積が1000〜1200μmに存在するワイヤメッシュ部材(#360−φ16CL)を用いたスクリーン印刷版では、印刷したフィンガー電極の滲みは抑制されていた。しかしながら、ラインパターンの幅(乳剤開口幅)が700μmより小さい開口部の面積(◆670μm)ではペーストのワイヤ51間の開口部通過に支障が生じて、印刷したフィンガー電極に擦れ・断線が確認できた。
以上の結果より、開口部の平均面積を、例えば700μm以上、好ましくは800μm以上であって、2000μm以下、好ましくは1800μm以下の範囲に設定することにより、必要、且つ、十分なペースト吐出性能、つまり、断線・擦れのない、且つ、滲まない)がペースト吐出性能が得られる。
図12は、図6(a)〜(e)のワイヤメッシュ部材(#360−φ16CL)を用いた印刷版50と、図8Bの金属箔からなるスクリーン印刷用メッシュ部材40bを用いた印刷版と、について、ラインパターンの幅とラインパターン内の開口部の面積の標準偏差との関係を示すグラフである。図12では、ワイヤメッシュ部材(#360−φ16CL)を用いた印刷版50について記号◆で示した。また、金属箔からなるスクリーン印刷用メッシュ部材40bについて、開口部34の間隔が70μmピッチ、スキージ面の開口幅が44μmである場合を記号▲で示した。さらに、、金属箔からなるスクリーン印刷用メッシュ部材40bについて、開口部34の間隔が80μmピッチ、スキージ面の開口幅が50μmである場合を記号■で示した。
図12を参照すると、圧延金属箔に開口部を設けたスクリーン印刷用メッシュ部材40bを用いたスクリーン印刷版では、ラインパターンの幅(乳剤開口幅)に拘わらず、ラインパターン内に露出する開口部の面積のばらつき(標準偏差)は、150μm以下と小さい。これに比べて、ワイヤメッシュ部材を用いたスクリーン印刷版の開口部の面積の標準偏差は、450μm以上と非常に大きいことが分かる。
圧延金属箔にエッチングにより開口部を設けたスクリーン印刷用メッシュ部材を用いたスクリーン印刷版では、印刷条件の外乱によって影響を受け易かったのは開口面積の標準偏差が極めて小さかったことに起因しているものと考える。平均開口面積を中心に非常に狭い開口面積分布しか有していないため、ペースト粘度等の変化により印刷時の条件が変化すると、最適条件を容易に逸脱してしまうことになる。
これに対して、ワイヤメッシュ部材の開口部の面積の標準偏差は非常に大きいため、様々な面積の開口部を有しており、印刷条件の変化に対しても鈍感で同じような印刷特性が再現しやすいと考えられる。
しかし、ワイヤメッシュ部材では、開口部の面積が600μm以下の比較的微少な面積にわたって分布している。このように開口部の面積が600μm以下では、ペーストが良好に通過できないため、ワイヤ51間の開口部の目詰まりを引き起こし、印刷には寄与しないだけでなく、量産現場でのスクリーン洗浄回数の増加を誘発し、印刷装置の停止回数を増加させスル―プットの減少に通じるなど問題を引き起こすものと思われる。
従って、本発明者は、以下のスクリーン印刷版によって、印刷条件の外乱に対して影響を受けにくい、つまり、ロバスト性の高いスクリーン印刷版を実現することができることを見出し、本発明に至った。まず、金属箔にエッチング等により開口部を設けたスクリーン印刷用メッシュ部材において、擦れ・断線が生じず、且つ、滲みが発生しない適切な開口部の面積の平均値を求める。次いで、上記適切な平均面積を中心に意図的に開口部の面積の標準偏差をある程度有するように、ある程度の面積の分布を有する複数の開口部を設ける。
具体的には、本願発明に係るスクリーン印刷用メッシュ部材では、ラインパターンに露出する複数の開口部についてある程度の面積分布を有する。詳細には、ラインパターン内の複数の開口部の面積の標準偏差が、3.8W(μm)以上(20W+10)(μm)以下の範囲にある。
これにより、印刷特性がペーストの粘度経時変化等の印刷条件の外乱に対して影響を受けにくい、つまり、ロバスト性の高いスクリーン印刷版を実現することができる。
なお、細線領域で現在主流となっているワイヤメッシュ部材(#360−φ16CL)では、ワイヤ51の間隔が決まっているため、開口部の面積の標準偏差を400μm以下にすることは不可能である。
(参考例)
圧延金属箔、ここでは25μm厚のステンレス鋼SUS301にエッチングにより孔を開けたスクリーンメッシュ部材を用いて作製したスクリーン印刷版と、ワイヤメッシュ部材(#360−φ16CL)を用いて作製したスクリーン印刷版とを各々作製して印刷試験を2回に亘り実施した。
ステンレス鋼SUS301箔で作製したスクリーン印刷用メッシュ部材のフィンガー電極用パターンの開口部のピッチは70μmであり、開口部の間隔は44μmであった。これを70/44とする。つまり、開口部は一定のピッチで配置され、一定の大きさを有する。このスクリーン印刷用メッシュ部材に2種類の幅W(乳剤開口幅)40μm及び35μmのラインパターンを製版により設けた。製版に用いた樹脂(乳剤)は互応化学社製(ERS−2P)で、樹脂(乳剤)厚みは10μmであった。
一方、ワイヤメッシュ部材(#360−φ16CL)に対する製版も同じ樹脂(乳剤:互応化学社製(ERS−2P))を用い、樹脂(乳剤)厚みも同じく10μmとし、2種類の幅W35μm及び40μmのラインパターンを設けた。
SUS301箔で作製したスクリーン印刷用メッシュ部材を用いたスクリーン印刷版とワイヤメッシュ部材を用いたスクリーン印刷版とを用いて、日を変えて2回同一の印刷機及び印刷条件で多結晶Si基板上にフィンガーパターンを印刷し、フィンガー幅を測定した。
印刷機はマイクロテック社製を用いて、スキージ速度:200mm/秒、印圧:80N、スキージ角度:70°、クリアランス:1.5mmも2回の印刷で同一とした。使用した銀ペーストも同じ物であった。
しかし、同じスクリーン版、同一ペースト、同一印刷条件で印刷したにも拘わらず、印刷されたフィンガー幅は、2つのスクリーン印刷版の間で顕著な違いが見られた。例えば、ラインパターンの幅(乳剤開口幅)が35μmの場合、ワイヤメッシュ部材を用いたスクリーン印刷版によるフィンガー電極の線幅の差異は4μm以下であった。一方、SUS301の孔を開けた上記70/44のスクリーン印刷用メッシュ部材を用いたスクリーン印刷版によるフィンガー電極では8μmも線幅が細くなった。
つまり、ステンレス鋼SUS301箔で作製した一定のピッチで配置され、一定の大きさの開口部を有するスクリーン印刷用メッシュ部材では、2回の印刷時の印刷条件の変化の影響を顕著に受けていることがわかる。
(実施例)
実施例1に係るスクリーン印刷版に用いられるスクリーン印刷用メッシュ部材では、10μ〜60μmの範囲にある幅Wが35μmで離間する2本の直線によって樹脂16を開口して画成されたラインパターン18において、ラインパターン18内の複数の開口部12,14の面積の標準偏差が、460μmであり、3.8W(μm)以上(20W+10)(μm)以下の範囲にある。
これによって、印刷時においてペーストの粘度の経時変化等の印刷条件の外乱が生じて複数の開口部12、14の最適な面積範囲が変化した場合にも、開口部12,14の面積が分布を有することで、変化した最適な面積範囲に対応できる。このため、このスクリーン印刷用メッシュ部材10によれば、印刷特性が印刷条件の外乱の影響を受けにくい、つまり高いロバスト性が得られる。
なお、本開示においては、前述した様々な実施の形態及び/又は実施例のうちの任意の実施の形態及び/又は実施例を適宜組み合わせることを含むものであり、それぞれの実施の形態及び/又は実施例が有する効果を奏することができる。
本発明に係るスクリーン印刷用メッシュ部材によれば、幅Wで離間する2本の直線によって画成されるラインパターン内の複数の開口部の面積の標準偏差が、3.8W(μm)以上(20W+10)(μm)以下の範囲にある。そこで、印刷条件の外乱が生じた場合にも影響を受けにくいスクリーン印刷版とすることができる。
2 フィンガー電極用パターン
4 バスバー電極用パターン
10、10a、10b スクリーン印刷用メッシュ部材
12 開口部(孔(楕円))
14 開口部(孔(矩形))
16 樹脂(感光性乳剤)
17a、17b 仮想線
18 ラインパターン
20 スクリーン印刷版
22 アルミ枠
24 ポリエステルメッシュ
32 開口部
34 開口部
36 樹脂(感光性乳剤)
38 ラインパターン
40a、40b スクリーン印刷用メッシュ部材
42 スキージ
43 銀ペースト
44 スクレッパ
46 Siウエハ
47 スキージ面
48 印刷面
50 スクリーン印刷版
51 ワイヤ
52 開口部
53 ラインパターン
56 樹脂(感光性乳剤)
58 ラインパターン

Claims (5)

  1. 金属箔からなるスクリーン印刷用メッシュ部材であって、
    複数の開口部が一方向に沿って配置されており、
    長手方向が前記一方向であって前記複数の開口部にわたって、前記一方向と交差する方向について10μm以上60μm以下の範囲の幅Wで離間する2本の直線によって画成されるラインパターンにおいて、前記ラインパターン内の前記複数の開口部の面積の標準偏差が、3.8W(μm)以上(20W+10)(μm)以下の範囲にある、スクリーン印刷用メッシュ部材。
  2. 前記ラインパターン内の前記開口部の面積の平均値が700〜2000μmの範囲にある、請求項1に記載のスクリーン印刷用メッシュ部材。
  3. 前記金属箔は、厚さが5μm以上30μm以下である、請求項1又は2に記載のスクリーン印刷用メッシュ部材。
  4. 前記金属箔は、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、アルミ合金の群から選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のスクリーン印刷用メッシュ部材。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の前記スクリーン印刷用メッシュ部材と、
    前記一方向に沿って配置されている前記複数の開口部を覆う樹脂と、
    長手方向が前記一方向であって前記複数の開口部にわたって設けられ、前記一方向と交差する方向について10μm以上60μm以下の範囲の幅Wで離間する2本の直線によって前記樹脂を開口して画成されたラインパターンと、
    を備えたスクリーン印刷版。
JP2016115604A 2016-06-09 2016-06-09 スクリーン印刷用メッシュ部材及びスクリーン印刷版 Withdrawn JP2017217874A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016115604A JP2017217874A (ja) 2016-06-09 2016-06-09 スクリーン印刷用メッシュ部材及びスクリーン印刷版
KR1020170036678A KR101787948B1 (ko) 2016-06-09 2017-03-23 스크린 인쇄용 메쉬 부재 및 스크린 인쇄판
TW106111747A TWI643023B (zh) 2016-06-09 2017-04-07 網版印刷用網狀構件及網版印刷版
CN201710299814.3A CN107487069A (zh) 2016-06-09 2017-04-28 丝网印刷用网眼构件以及丝网印刷版

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016115604A JP2017217874A (ja) 2016-06-09 2016-06-09 スクリーン印刷用メッシュ部材及びスクリーン印刷版

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017217874A true JP2017217874A (ja) 2017-12-14
JP2017217874A5 JP2017217874A5 (ja) 2018-11-08

Family

ID=60296266

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016115604A Withdrawn JP2017217874A (ja) 2016-06-09 2016-06-09 スクリーン印刷用メッシュ部材及びスクリーン印刷版

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP2017217874A (ja)
KR (1) KR101787948B1 (ja)
CN (1) CN107487069A (ja)
TW (1) TWI643023B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019159980A1 (ja) * 2018-02-15 2019-08-22 ミタニマイクロニクス株式会社 スクリーンマスク用メッシュ、スクリーンマスク、及び印刷物の製造方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102019122126A1 (de) * 2019-08-16 2021-02-18 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Siebdruckform zur Verwendung in einem Siebdruckverfahren, Siebdruckvorrichtung und Siebdruckverfahren
CN114834149A (zh) * 2022-06-06 2022-08-02 福建金石能源有限公司 一种全开口网版及其制造方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05124176A (ja) * 1991-10-31 1993-05-21 Fujitsu Ltd メタルマスク及びそれを用いたスクリーン印刷装置
JP4180311B2 (ja) * 2002-06-20 2008-11-12 大日本印刷株式会社 スクリーン印刷装置、スクリーン印刷方法
JP2005289015A (ja) * 2004-04-06 2005-10-20 Smk Corp スクリーン印刷用メタルマスク版
JP2008110533A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Fujitsu Hitachi Plasma Display Ltd スクリーンマスク
TW200906250A (en) * 2007-07-27 2009-02-01 Samsung Electro Mech Mask for screen printing and screen printing method using the same
JP5395375B2 (ja) 2008-07-16 2014-01-22 株式会社ボンマーク マスクの印刷パターン開口用のメッシュ、マスク、2層構造マスク、メッシュパターンデータの作成方法、マスク製造方法及び2層構造マスク製造方法
JP5547672B2 (ja) 2010-02-26 2014-07-16 株式会社コベルコ科研 スクリーン印刷用メッシュ部材
JP5584530B2 (ja) 2010-06-29 2014-09-03 株式会社コベルコ科研 スクリーン印刷用メッシュ部材
KR102063832B1 (ko) * 2012-12-17 2020-01-09 삼성디스플레이 주식회사 스크린 마스크
JP6062383B2 (ja) * 2014-02-25 2017-01-18 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 太陽電池の製造方法
JP6438678B2 (ja) * 2014-05-14 2018-12-19 Jxtgエネルギー株式会社 凹凸構造を有するフィルム部材
TW201604898A (zh) * 2014-06-06 2016-02-01 英諾瓦動力股份有限公司 圖案化透明導體及相關組成物以及製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019159980A1 (ja) * 2018-02-15 2019-08-22 ミタニマイクロニクス株式会社 スクリーンマスク用メッシュ、スクリーンマスク、及び印刷物の製造方法
JP2019137024A (ja) * 2018-02-15 2019-08-22 ミタニマイクロニクス株式会社 スクリーンマスク用メッシュ、スクリーンマスク、及び印刷物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
TW201809890A (zh) 2018-03-16
TWI643023B (zh) 2018-12-01
CN107487069A (zh) 2017-12-19
KR101787948B1 (ko) 2017-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102762386B (zh) 网版印刷用网状构件
JP2017217874A (ja) スクリーン印刷用メッシュ部材及びスクリーン印刷版
JP2006347077A (ja) スクリーン印刷版およびスクリーン印刷装置
JP4886905B2 (ja) スクリーン印刷用メッシュ部材の製造方法
KR101420040B1 (ko) 스크린 인쇄용 메쉬 부재
TW201511316A (zh) 太陽能電池網版及其使用方法
US3329541A (en) Method of forming fine mesh screens
TWI615279B (zh) 具有複合材質網之網版製作方法
JP2006334957A (ja) スクリーン印刷版
JP2012522140A (ja) スクリーン
TWI656981B (zh) 網版印刷版
CN215872021U (zh) 一种防焊丝印镂空垫板单只钻孔结构
JP2012011590A (ja) スクリーン印刷用メッシュ部材
WO2018168008A1 (ja) ラインパターン印刷方法及びラインパターン印刷用スクリーン版
JP2005111788A (ja) 精密印刷用スクリーン印版及びその製造方法
JP7125534B1 (ja) 印刷用メタルマスク
TWI804177B (zh) 複合式印刷網版
TWM650154U (zh) 經粗糙化處理之印刷網版
TWI706865B (zh) 印刷網版
JP2003504892A (ja) プリント回路の製造
JPH1117313A (ja) スクリーン印刷用ソリッドメタルマスク
TWM487207U (zh) 具應力分散結構的印刷鋼版
JP2006150868A (ja) ロータリースクリーン印刷用製版
JP3087497U (ja) プリント配線板印刷用メタルマスク版
JPH0796684A (ja) スクリーン印刷用版及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180920

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180920

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20190520

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190529