JP2015157281A - 電界式ガス発生装置 - Google Patents

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邦昭 堀越
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海水 岩崎
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Abstract

【課題】電界効率が良好な電界式ガス発生装置を提供する。【解決手段】第1のガスを生成する上側の第1電極板2と、第2のガスを生成する下側の第2電極板3と、第1電極板2と第2電極板3との間に電圧を印加する電圧印加手段と、を備え、第1電極板2は回転可能な回転電極であり、第1電極板2全体および第2電極板3の少なくとも上面は被処理水に接触するように構成されており、第1電極2を回転させた状態で電圧を印加することで、第1電極板2が第1のガスを生成しながら回転して被処理水中に第1のガスを供給する。【選択図】図1

Description

本発明は、電界式ガス発生装置に関するものである。後述する実施形態では、水素ガス発生装置、及び、水素・酸素発生装置を例示する。
水素ガスを含む水である水素水には抗酸化作用があると言われており、近年その効用が着目されている。水素水は、例えば水道水を電気分解することで得られることができるため、飲用水として水素水を生成するアイデアが多く提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、動植物の活性化物質として水素水を広く用いるという着眼もある(特許文献2参照)。また、水を電気分解することで得られるもう一方のガス、すなわち、酸素ないしオゾンを活用したい場面もある。
被処理水を電気分解してガスを生成させる場合、発生したガスが陽極と陰極からなる電極対の間に滞留すると、電気分解の効率が低下する。また、繰り返し使用により電極に付着物が堆積すると、電気分解の効率が低下する。さらに、効率良く高濃度のガス溶存水を生成するために、生成したガスを効率良く溶解させたいと言う要望もある。
特開2012−217868 特開2013−189378
本発明は、簡単な構成で上記課題を解決できる電界式ガス発生装置を提供することを目的とするものである。
本発明が採用した技術手段は、
第1のガスを生成する第1電極板と、
第2のガスを生成する第2電極板と、
前記第1電極板と前記第2電極板との間に電圧を印加する電圧印加手段と、
を備え、
前記第1電極板は回転可能な回転電極であり、前記第1電極板および前記第2電極板は被処理水に接触するように構成されており、
前記第1電極を回転させた状態で前記第1電極板と前記第2電極板との間に電圧を印加することで、前記第1電極板が第1のガスを生成しながら回転して前記被処理水中に第1のガスを供給する、
電界式ガス発生装置、である。
1つの態様では、第1のガスは水素であり、第2のガスは酸素、ないし、オゾンである。
1つの態様では、第1電極板が上側に位置し、第2電極板が下側に位置する。
1つの態様では、前記第1電極板全体が被処理水に接触する。
1つの態様では、前記第2電極板の少なくとも部分(例えば、上面)が被処理水に接触する。
1つの態様では、前記第1電極板は垂直状に延びる回転軸に固定されており、
前記第2電極板には前記回転軸を回転自在に挿通させる挿通部を備えており、
前記回転軸は回転駆動手段に接続されている。
1つの態様では、前記回転軸は通電性であり、前記第1電極板には当該回転軸を介して電流が供給されるようになっている。
1つの態様では、前記第1電極板と前記第2電極板との間には気体封止通電性フィルムが設けてある。
この態様では、前記第2電極板で生成された第2のガスが気体封止通電性フィルムを越えて上方に移動することが防止される。
1つの態様では、前記第2電極板は前記第1電極板の下側に位置し、前記第2電極板の下側に止水通気性要素が設けある。
この態様では、前記第2電極板で生成された第2のガスは止水通気性要素を通って下方に排出される。
1つの態様では、前記止水通気性要素の下方には多孔性底部が設けてあり、当該第2電極板で生成された第2のガスは多孔性底部を通して排出される。
あるいは、底部を孔無しに形成し、当該底部と前記止水兼通気性要素との間に排出路を形成してもよい。
1つの態様では、前記第1電極板及び前記第2電極板は共に被処理水中に配置されるようになっており、第1のガス及び第2のガスが処理水中に供給される。
1つの態様では、前記第1電極板及び前記第2電極板は、多孔性のケースに覆われている。
1つの態様では、前記回転軸の一端側には前記回転駆動手段が接続されており、前記回転体の他端側は被処理水中に位置するようになっており、ガス拡散用ファンが設けてある。1つの態様では、前記回転軸の上端側は、前記第1電極板を越えて上方に延びており、ガス拡散用ファンが設けてあり、前記第1電極板及び前記第2電極板、ガス拡散用ファンは、多孔性のケースに覆われている。
1つの態様では、前記回転軸には、複数枚の第1電極板が固定されており、複数枚の第2電極板が共通の支持部材に支持されている。1つの態様では、前記回転軸及び前記支持部材は共に導電性であり、前記第1電極板には前記回転軸を介して電流が供給され、前記第2電極板には前記支持部材を介して電流が供給される。
1つの態様では、前記電圧印加手段は、第1電極と第2電極の極性切換手段を備えている。
第1電極と第2電極の極性を切り換えることで、各電極から選択的に、水素、酸素ないしオゾンを生成させることができる。
また、第1電極と第2電極の極性を適宜切り換えて電流を流すことで、特定の物質が電極に付着することを可及的に防止することができる。
1つの態様では、前記第1電極板は円板である。
1つの態様では、前記第1電極板は多孔板である。
1つの態様では、前記第1電極板及び前記第2電極板は多孔板である。
1つの態様では、前記第1電極板と前記第2電極板は離間対向しており、
前記第1電極板には、複数の第1孔が形成されており、前記第2電極板には、複数の第2孔が形成されており、
前記第1孔と前記第2孔は、対向時に完全に一致しないような位置に形成されている。
1つの態様では、前記第1電極板と前記第2電極板は、中心を一致させて対向させた円板であり、
前記中心から前記第1孔までの距離と前記中心から前記第2孔までの距離を異ならしめてある。
1つの態様では、前記第1電極板の表面に1つあるいは複数の突起を形成してもよい。
1つの態様では、前記第2電極板は固定電極である。もっとも、本発明は、前記第2電極板を回転電極から構成することを排除しない。
1つの態様では、前記第1電極板と前記第2電極板は離間対向しており、前記第1電極板と前記第2電極板との間隔は可変である。
本発明では、被処理水を電気分解する電極ユニットの少なくとも一方の電極を回転電極としたので、回電電極が回転しながらガスを生成するため、電極間の被処理水が拡散され、電極間に生成されたガスが滞留し難い。したがって、電極間に生成したガスが滞留して電界効率を低下させることを防止することができる。
回転電極あるいは対向する両電極を多孔板から形成することで、生成されたガスを拡散させることにより電極間のガス溜まりをさらに無くすことができる。
また、回転電極については、電極が動いているので、当該電極に付着物が付き難く、当該電極をより清浄に保つことができ、電極の汚れに起因する電界効率の低下を可及的に防止する。
回転電極は回転しながらガスを生成するので、生成したガスを被処理水と混合する作用を有し、生成したガスの被処理水への溶解を促進することができ、もって、より短時間でより高濃度の溶存ガス被処理水が得られる。
本発明に係る第1実施形態を示す図である。 本発明に係る第2実施形態を示す図である。 本発明に係る第3実施形態を示す図である。 第1電極板の平面図である。 第2電極板の平面図である。
[A]第1実施形態
図1を参照しつつ、本発明の第1実施形態について説明する。第1の実施形態は、水素発生装置に係るものであり、本実施形態に係る水素発生装置は、家庭用、工業用を問わず用いることができる。
水素発生装置は、被処理水の収容部1と、収容部1の底部に設けた電極ユニットと、を備えている。収容部1としてはポット(例えば、家庭用)や水槽(例えば、工業用)が例示される。被処理水は例えば水道水である。
電極ユニットは、上側の第1電極板(回転電極)2と、下側の第2電極板(固定電極)3と、対向する第1電極板2と第2電極板3との間に電圧を印加する電圧印加手段と、を備えている。電圧印加手段は各電極へ通電する電源4と、第1電極用通電ライン及び第2電極用通電ラインと、を備えている。本実施形態では、電圧印加手段は、さらに、第1電極と第2電極の極性切換手段を備えている。電源4は後述するモータ6の駆動電源を兼用してもよい。
第1電極板2、第2電極板3は、共に、略同じ面積を備えた多孔性の円板である。多孔円板の態様を図4、図5に例示する。図4に示すように、第1電極板2には、複数の孔20が形成されている。より具体的には、中心から等角度で放射状に8つの孔列200が形成されており、孔列200を形成する各孔20は径方向に等間隔で形成されている。図5に示すように、第2電極板3には、複数の孔30が形成されている。より具体的には、中心から等角度で放射状に8つの孔列300が形成されており、孔列300を形成する各孔30は径方向に等間隔で形成されている。孔列200を形成する孔20間の間隔と、孔列300を形成する孔30間の間隔と、は同じである。第1電極板2の中心と第2電極板3の中心は上下に一致している。第1電極板2の中心から各孔列200の最も中心寄りの孔20までの距離と、第2電極板3の中心から各孔列300の最も中心寄りの孔30までの距離と、は異ならしめてあり、第1電極板2の孔20と第2電極板3の孔30は上下には完全には一致しないようになっている。第2電極板3に対して第1電極板2が回転する時には、平面視において、第1電極板2の孔20の同心円状の軌跡の径方向に隣位の同心円間に第2電極板3の孔30が位置するようになっている。図示の態様では、第1電極板2の孔20と第2電極板3の孔30は上下に僅かにオーバーラップしているが、上下に完全に一致しないようにしてもよい。孔列200、300の本数や、孔列200、300を形成する孔20、30の数は図示のものに限定されない。本発明に係る第1電極板2、第2電極板3の形状や構成は、このものに限定されない。例えば、第1電極板2の表面に1つあるいは複数の突起、隆起部、ひだ等、を形成してもよい。第1電極板2、第2電極板3は所定の導電性を備えていれば材質は限定されないが、例えば、金属材料としてはチタン、プラチナ、酸化イリジウムが例示される。
第1電極板2は垂直状に延びる回転軸5の上端に固定されている。例えば、多孔性円板の中央の下面に筒状部を一体形成し、回転軸5の上端を筒状部に挿入して螺子等で固定する。第2電極板3には回転軸5を回転自在に挿通させる挿通部を備えており、回転軸5は第2電極板3の挿通部を挿通して下方に延びており、下端にはモータ6が接続されている。第1電極板2はモータ6によって回転可能となっている。モータ6の駆動電源は、電源4を用いても、あるいは他の電源を用いてもよい。
回転軸5は導電性部材(例えば、導電性の金属)からなり、電源4からの第1電極用通電ラインの先端に形成したカーボンスプリング(図示せず)を回転軸5の周面に接触させることで回転する回転軸5に対して常時接触を維持するように構成し、回転軸5を介して第1電極板2に通電するようになっている。
第1電極板2の下面と第2電極板3の上面との間には気体封止通電性フィルム7が設けてある。第1電極板2と第2電極板3との間に気体封止通電性フィルム7を設けることで、第1電極板2と第2電極板3間でのイオンのやり取りを妨げることなく、第2電極板3側で生成された気体が第1電極板2側に移動することを防止する。気体封止通電性フィルム7としては、伝導性高分子膜であるNafion(登録商標)を例示することができる。気体封止通電性フィルム7は、第1電極板2及び第2電極板3より大きい面積を備えており、第1電極板2の下面全体を下方から覆い、第2電極板3の上面全体を上方から覆うようになっている。
なお、本実施形態で用いたNafion(登録商標)は吸水によって反り返る性質があるため、第1電極板2の下面と気体封止通電性フィルム7との間に樹脂製の多孔性押さえ板8を配置してある。
気体封止通電性フィル7ム、樹脂製押さえ板8の中央部位には、回転軸5を回転自在に挿通させる挿通部が形成されている。これらの挿通部と回転軸5の周面とのクリアランスは比較的大きく取ってあり、被処理水が第2電極板3の少なくとも上面に十分に行きわたるようになっている。
第2電極板3の下側には、第2電極板3の下面全体及び周面を下方から覆うように止水通気性要素9が設けある。第2電極板3の下側に止水通気性要素9を設けることで、第2電極板3まで行きわたった被処理水が第2電極板3の下側に漏れることを防止する一方、第2電極板3で生成されたガスを下方に排気可能となっている。止水通気性要素9は、耐水性かつ通気性を備えた樹脂であるポリフロン(登録商標)を例示することができる。
止水通気性要素9の下方には多孔性底部10が設けてあり、第2電極板3で生成されたガスは多孔性底部10を通して排出される。あるいは、底部を孔無しに形成し、当該底部と前記止水兼通気性要素との間に排出路を形成してもよい。多孔性底部10は円筒状の台座100に支持されている。多孔性底部10は円筒状の台座100は一体係止してもよい。モータ6は、多孔性底部10あるいは台座100に対して支持させることができる。図面ではモータ支持手段は省略する。
図に示すように、回転軸5の下方側は、多孔性底部10を挿通して下方に延びており、多孔性底部10の下方にモータ6が配置されている。挿通部には、シャフトシール11が設けてあり、回転軸5の回転を許容しつつ、挿通部から水分が下方に漏れることを防止している。
このように構成された回転式水素ガス発生装置において、収容部1に被処理水を収容して、モータ6によって第1電極板2を回転させながら、第1電極板2を陰極、第2電極板3を陽極とするように電圧を印加すると、第1電極板2が回転しながら水素を発生させて被処理水中に水素が供給される。第1電極板2が回転しながら水素を発生させることで、第1電極板2と第2電極板3との間に生成した気体が滞留して電界効率を低下させることを可及的に防止し、また、生成した水素をより短期間で被処理水と混合させることができる。第2電極板3から生成された酸素は、止水通気性要素9、多孔性底部10を通して排出される。
[B]第2実施形態
図2を参照しつつ、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態及び第2実施形態を通して、実質的に同じ要素には、同じ参照番号が付してある。第2の実施形態は、水素・酸素発生装置に係るものであり、本実施形態に係る水素・酸素発生装置は、全体を被処理水中に水没させるようにして用いられる。被処理水としては、動植物用の水槽等が例示される。なお、本実施形態に係る水素・酸素発生装置を用いてオゾンを生成することが可能であり、雨水貯蔵装置における殺菌等、循環型トイレにおける殺菌、脱臭等の用途に用いることができる。
水素・酸素発生装置は、上側の第1室1Aと、下側の第2室1Bと、を備えている。上側の第1室1Aは多孔性のケース12からなり、内部に電極ユニットが設けてある。ケース12の筒状の壁面には、複数の孔が周方向に亘って互いに間隔を存して形成されており、上側の孔120は主としてガス排出用の孔として機能し、下側の孔121は被処理水の吸水口として機能する。水素・酸素発生装置を被処理水中に水没させた状態で、上側の第1室1Aには被処理水が供給されるが、第2室1Bは防水構造を備えており、内部には被処理水は浸水しないようになっている。孔120、121のサイズは、想定する動植物、昆虫が第1室1Aの内部空間に侵入することを規制できる程度の大きさに設定される。なお、水素・酸素発生装置において、多孔性のケース12によって形成された第1室1Aは、用途に応じても用いられる任意要素であり、例えば、雨水貯蔵装置や循環型トイレに水素・酸素発生装置を設置する場合には、多孔性のケース12は必ずしも必要ではない(設ける態様を排除するものではない)。
電極ユニットは、上側の第1電極板(回転電極)2と、下側の第2電極板(固定電極)2と、対向する第1電極板2と第2電極板3との間に電圧を印加する電圧印加手段と、を備えている。電圧印加手段は電源4と、第1電極用通電ライン及び第2電極用通電ラインと、を備えている。本実施形態では、電圧印加手段は、さらに、第1電極と第2電極の極性切換手段を備えている。電源4は太陽光発電を用いる。
第1電極板2、第2電極板3は、共に、略同じ面積を備えた多孔性の円板(第1実施形態と同様に、図4に示す第1電極板2、図5に示す第2電極板3を用いることができる)であるが、本発明に係る第1電極板2、第2電極板3の形状や構成は、このものに限定されない。例えば、第1電極板2の表面に1つあるいは複数の突起、隆起部、ひだ等、を形成してもよい。第1電極板2、第2電極板3は所定の導電性を備えていれば材質は限定されないが、例えば、金属材料としてはチタンやプラチナが例示される。
第1電極板2は垂直状に延びる回転軸5の上端側に固定されている。例えば、多孔性円板の中央に筒状部を一体形成し、回転軸5の上端側を筒状部に挿入して螺子等で固定する。回転軸5に対する第1電極板2の取付位置を可変とすることで、第1電極板2と第2電極板3との間隔を可変とすることができる。第2電極板3には回転軸5を回転自在に挿通させる挿通部を備えており、回転軸5は第2電極板3の挿通部を挿通して下方に延びており、さらに第2室1Bの上壁を挿通して第2室1B内部に延びている。挿通部には、水分の浸水を防止しつつ回転軸を回転自在に挿通させるシャフトシール11が設けてある。第2室1Bの内部空間において、回転軸5の下端にはモータ6が接続されている。第1電極板2はモータ6によって回転可能となっている。モータ6の駆動電源は太陽光発電を用いる。第1電極用通電ライン、第2電極用通電ライン、モータ用通電ラインはシールされて第2室1Bの壁から外部に導出される。なお、第2電極板3は、例えば、図示しない支持手段によって、第2室1Bの上壁に支持されている。モータ6は、例えば、図示しない支持手段によって、第2室1Bのいずれかの壁面に対して支持させることができる。
回転軸5は導電性部材(例えば、導電性の金属)からなり、第2室の内部空間において、電源4からの第1電極用通電ラインの先端に形成したカーボンスプリング(図示せず)を回転軸5の周面に接触させることで回転する回転軸5に対して常時接触を維持するように構成し、回転軸5を介して第1電極板2に通電するようになっている。
回転軸5の上端側は、第1電極板2を越えてさらに上方に延びており、上端にはガス拡散用ファン13が設けてある。モータ6によって回転軸5を回転させることで、第1電極板2、ガス拡散用ファンが回転するようになっている。第1室の壁の下端側には、1つあるいは複数の被処理水の吸入口が形成されている。なお、第1の実施形態の回転軸5にも同様にガス拡散用ファン13を設けてもよい。
このように構成された回転式水素・酸素発生装置を被処理水中に水没させた状態で、太陽光電源から電極ユニット(第1電極板2、第2電極板3)、モータ6に通電が行われると、電極の極性に応じて、一方の電極板からは水素が、他方の電極板からは酸素が生成される。第1電極板2が回転しながらガスを発生させて被処理水中にガスが供給される。第1電極板2が回転しながらガスを発生させることで、第1電極板2と第2電極板3との間に生成した気体が滞留して電界効率を低下させることを可及的に防止し、また、回転電極2とガス拡散用ファン13とが協働することで、生成したガスをより短期間で被処理水と混合させることができる。ガス拡散用ファン13によって、第1室内1Aの被処理水が多孔性ケース12の壁体の孔120から外部に押し出されると共に、壁体の下方の孔121から新たに被処理水が第1室1A内に供給される。
[C]第3実施形態
本発明に係る電界式ガス発生装置は、本出願人の一人が開発したエマルジョン燃料を用いた燃焼装置及び方法(WO2011/037077)の電気分解槽に適用することができる。 より具体的には、かかる燃焼装置は、燃料油を収容する油タンクと、水を収容する水タンクと、攪拌手段を備えた混合室と、油タンクから混合室へ油を供給する油供給路と、水タンクから混合室へ水を供給する水供給路と、水供給路に設けた電気分解槽と、混合室へのオゾン供給手段と、燃焼手段と、混合室から燃焼手段へ燃料を供給する燃料供給路と、を備え、前記電気分解槽において、前記水タンクから供給された水を電気分解して、水と、酸素及び水素の気泡と、の混合物が生成され、前記混合室において、燃料油と前記混合物を、オゾンを供給しながら攪拌・混合することでエマルジョン燃料が生成される。
図3に示すように、水素・酸素発生装置は、電気分解槽14を備えており、電気分解槽14には、被処理水の供給口140と、処理水と、酸素及び水素の気泡と、の混合物の排出口141と、を備えている。電気分解槽14は供給口140を介して図示しない水タンクと連通されており、排出口141を介して図示しない混合室と連通されている。
電極ユニットは、第1電極板(回転電極)2と、第2電極板(固定電極)2と、対向する第1電極板2と第2電極板3との間に電圧を印加する電圧印加手段と、を備えている。第1電極板2、第2電極板3は、共に、多孔性の円板であるが、本発明に係る第1電極板2、第2電極板3の形状や構成は、このものに限定されない。第1電極板2、第2電極板3は所定の導電性を備えていれば材質は限定されないが、例えば、金属材料としてはチタンやプラチナが例示される。電圧印加手段は電源4と、第1電極用通電ライン及び第2電極用通電ラインと、を備えている。
本実施形態では、複数枚(図示の例では3枚)の第1電極板2、複数枚(図示の例では2枚)の第2電極板3を備えている。3枚の第1電極板2は垂直状に延びる回転軸5に長さ方向に間隔を存して互いに平行状に固定されている。回転軸5は、電気分解槽14の上壁を挿通して上方に延びており、上端にはモータ6が接続されている。第1電極板2はモータ6によって回転可能となっている。
3枚の第1電極板2の間に位置し、第1電極板2に対向するように2枚の第2電極板3がそれぞれ設けてある。第2電極板3は支持体15によって片持ち状に支持されている。第2電極板3には回転軸5を回転自在に挿通させる挿通部を備えており、回転軸5は第2電極板3の挿通部を挿通して延びている。
回転軸5は導電性部材(例えば、導電性の金属)からなり、電気分解槽14の外側において、電源4からの第1電極用通電ラインの先端に形成した図示しないカーボンスプリング(例えば、図示しないカーボンケースに内装されている)を回転軸5の周面に接触させることで回転する回転軸5に対して常時接触を維持するように構成し、回転軸5を介して第1電極板2に通電するようになっている。
支持部材15は導電性部材(例えば、導電性の金属)からなり、電気分解槽14の外側において、電源4からの第2電極用通電ラインと電気的に接続されており、支持体15を介して第2電極板3に通電するようになっている。
このように構成された回転式水素・酸素発生装置において、電気分解槽14に供給口140から被処理水を供給し、電極ユニット(第1電極板2、第2電極板3)、モータ6に通電が行われると、第1電極板2が回転しながらガスを生成し、電極の極性に応じて、一方の電極板からは水素が、他方の電極板からは酸素が生成されることで、処理水と酸素及び水素の気泡との混合物が得られ、この混合物が排出口141から排出され、混合室へ送られる。
1 収容部
1A 第1室
1B 第2室
2 第1電極板
20 孔
3 第2電極板
30 孔
4 電源
5 回転軸
6 モータ
7 気体封止通電性フィルム
8 多孔性押さえ板
9 止水通気性要素
10 多孔性底部
11 シャフトシール
12 多孔性ケース
120 ガス排出用の孔
121 被処理水吸水用の孔
13 ガス拡散用ファン
14 電気分解槽
15 支持部材15

Claims (15)

  1. 第1のガスを生成する第1電極板と、
    第2のガスを生成する第2電極板と、
    前記第1電極板と前記第2電極板との間に電圧を印加する電圧印加手段と、
    を備え、
    前記第1電極板は回転可能な回転電極であり、前記第1電極板および前記第2電極板は被処理水に接触するように構成されており、
    前記第1電極を回転させた状態で前記第1電極板と前記第2電極板との間に電圧を印加することで、前記第1電極板が第1のガスを生成しながら回転して前記被処理水中に第1のガスを供給する、
    電界式ガス発生装置。
  2. 前記第1電極板は垂直状に延びる回転軸に固定されており、
    前記第2電極板には前記回転軸を回転自在に挿通させる挿通部を備えており、
    前記回転軸は回転駆動手段に接続されている、
    請求項1に記載の電界式ガス発生装置。
  3. 前記回転軸は通電性であり、前記第1電極板には当該回転軸を介して電流が供給されるようになっている、請求項2に記載の電界式ガス発生装置。
  4. 前記第1電極板と前記第2電極板との間には気体封止通電性フィルムが設けてある、請求項1〜3いずれか1項に記載の電界式ガス発生装置。
  5. 前記第2電極板は前記第1電極板の下側に位置し、前記第2電極板の下側に止水通気性要素が設けある、請求項1〜4いずれか1項に記載の電界式ガス発生装置。
  6. 前記止水通気性要素の下方には多孔性底部が設けてあり、当該第2電極板で生成された第2のガスは多孔性底部を通して排出される、請求項5に記載の電界式ガス発生装置。
  7. 前記回転軸の一端側には前記回転駆動手段が接続されており、前記回転体の他端側は被処理水中に位置するようになっており、ガス拡散用ファンが設けてある、請求項1〜3いずれか1項に記載の電界式ガス発生装置。
  8. 前記第1電極板及び前記第2電極板は共に被処理水中に配置されるようになっており、第1のガス及び第2のガスが処理水中に供給される、請求項1〜3、7いずれか1項に記載の電界式ガス発生装置。
  9. 前記第1電極板及び前記第2電極板、ガス拡散用ファン(請求項7を従属するものに限る)は、多孔性のケースに覆われている、請求項8に記載の電界式ガス発生装置。
  10. 前記回転軸には、複数枚の第1電極板が固定されており、複数枚の第2電極板が共通の支持部材に支持されている、請求項8(請求項2の従属項に限る)に記載の電界式ガス発生装置。
  11. 前記電圧印加手段は、第1電極と第2電極の極性切換手段を備えている、請求項1〜10いずれか1項に記載の電界式ガス発生装置。
  12. 前記第1電極板及び前記第2電極板は多孔板である、請求項1〜11いずれか1項に記載の電界式ガス発生装置。
  13. 前記第1電極板と前記第2電極板は離間対向しており、
    前記第1電極板には、複数の第1孔が形成されており、前記第2電極板には、複数の第2孔が形成されており、
    前記第1孔と前記第2孔は、対向時に完全に一致しないような位置に形成されている、請求項12に記載の電界式ガス発生装置。
  14. 前記第1電極板と前記第2電極板は、中心を一致させて対向させた円板であり、
    前記中心から前記第1孔までの距離と前記中心から前記第2孔までの距離を異ならしめてある、請求項13に記載の電界式ガス発生装置。
  15. 前記第1電極板と前記第2電極板は離間対向しており、
    前記第1電極板と前記第2電極板との間隔は可変である、請求項1〜15いずれか1項に記載の電界式ガス発生装置。
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