全体説明.
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、後述する演出を制御する手段によって遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
始動口62は、遊技球の入球が当否抽選を実行する契機となる入球口であって、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62に設けられた拡開機構63(いわゆる電動チューリップ)を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。拡開機構63は、始動口62の開口部上部に設けられた二つの羽根部材で構成され、閉鎖時は始動口62の真上から落下する遊技球だけが入球できる程度の狭い開口幅となる。一方、拡開機構63が拡開された開放時は始動口62の開口幅が拡がることとなり、始動口62の真上だけでなくその近傍を落下する遊技球も始動口62へ誘導でき入球容易性が向上する。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、始動口62へ入球があるたびに実行される。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を開放させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに開始される特別遊技において「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66は、例えばアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の設置個数としては、一つだけ設置する構成に限らず、複数個の大入賞口66を設置してそれぞれを遊技状態等に応じて使い分ける構成としてもよい。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示装置である。特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄である。特別図柄192の変動表示が停止したときの図柄態様が、あらかじめ当りと定められた図柄であった場合に、その停止図柄が表示されたタイミングが大当り発生タイミングとなる。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。本実施例における特別図柄192は、当りの図柄態様である「0」〜「9」といった数字、文字、記号、または外れの図柄態様である「−」の記号で表される。これらの数字または記号が高速で次々に入れ替わって特別図柄表示装置61へ表示されることにより、特別図柄192の図柄変動表示が実現される。なお、特別図柄192の態様は上記の数字または記号に限られず、英字などの文字であってもよいし、7セグメントLEDを構成する各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってもよい。また、7セグメントLEDは、「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントからなる8個のセグメントで構成されてもよい。この場合、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。さらに、特別図柄表示装置61を7セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の特別図柄192を表現してもよい。
演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄190を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクターが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄190は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄190の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
また、演出表示装置60は、特別遊技が実行されているときに特別遊技が実行中であることを遊技者が容易に認識できるように、所定の演出ストーリーにしたがった演出的な画像で構成される特別遊技用の演出を表示する。ここで、演出ストーリーとは、時間的に区分されるとともに複数の段階にて区分され、時間の経過とともに順番に実行される(変化される)区分演出から構成された演出表示態様である。特別遊技用の演出は、例えば当否抽選の際に変動する図柄とともに表示される絵柄として示されるキャラクタを用いた演出とすることができる。一例としては、キャラクタ同士が戦う戦闘シーンやキャラクタの紹介ムービーを用いることができる。このような戦闘シーンや紹介ムービーは大当りした場合の特典演出ともいえる。特別遊技用の演出は、特別遊技の開始に対応して開始され、特別遊技の終了に対応して終了する。なお、特別遊技用の演出を実行するときに、特別遊技開始前の通常遊技状態では提供されないような音声の出力や遊技効果ランプの点消灯、可動役物の制御を併せて行ってもよい。
演出表示装置60は、本実施例では液晶ディスプレイなどの高精細なドットマトリクス型表示装置で構成されるが、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を7セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は拡開機構63を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。本実施例における普通図柄表示装置59は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。このとき、通常状態では例えば1/256程度の低確率にて普通図柄が当りの図柄で停止し、後述する入球容易状態では例えば250/256程度の高確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、拡開機構63が所定時間拡開される。拡開機構63の開放時間は、例えば通常状態では0.1秒間であり、入球容易状態では6秒間である。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技領域52の左下部には、特別図柄保留表示装置20が設けられ、その対称位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に普通図柄保留表示装置22が設けられている。
特別図柄保留表示装置20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
普通図柄保留表示装置22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作する操作入力手段であり、その操作入力の内容に応じて演出内容等に変化が加えられる。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。本実施例における操作ボタン82は一つのボタンで構成されるが、複数のボタンや十字キーなどの方向指示ボタンで構成されてもよい。可動役物140は、演出に連動して動作が制御される可動物であり、その動作によって演出的役割を果たす。例えば可動役物140は、遊技者による操作ボタン82を介した操作入力に応じて動作する。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。特別図柄192は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄190は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって特別図柄192が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄190が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄192および装飾図柄190の変動が停止される。
装飾図柄190の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄190の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。
特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口66が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または10球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口66の開閉ないし単位遊技が所定の複数回数、例えば15回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって特別遊技が終了される。これに対し、当否抽選が小当りと呼ばれる結果に該当した場合は小当り遊技が実行される。小当りは、当否抽選の結果としては外れに含まれる結果である。小当り遊技は、一部の種類の特別遊技と類似の態様にて実行される単位遊技である。ただし、小当り遊技として実行される単位遊技は1回だけであり、複数回数の単位遊技が実行される特別遊技とは異なる。本実施例の場合、特別遊技は、単位遊技の継続回数を特別図柄192に応じて定めている。例えば、特別図柄192が、「7」、「3」の場合、単位遊技の継続回数を15回としてもよい。また、特別図柄192が、「1」、「5」、「9」の場合、単位遊技の継続回数を8回としてもよい。単位遊技の継続回数は、特別図柄192の表示によって遊技者が予測できるようにしてもよいし、特別図柄192は特別遊技に移行するか否かだけ示唆して継続回数については示唆しないようにしてもよい。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである特別図柄192および装飾図柄190の変動時間短縮(以下、適宜「時短」という)が開始される。特別図柄192および装飾図柄190の時短は、特別図柄192および装飾図柄190の変動時間が通常状態よりも短縮される状態である。特別図柄192および装飾図柄190の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短も終了する。時短により特別図柄192および装飾図柄190の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。
特別図柄192および装飾図柄190の時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態が実施される。入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、拡開機構63の開放延長が実施されることにより始動口62への入球容易性が高められる状態である。普通図柄の時短は、普通図柄の変動時間が通常状態より短縮される状態である。開放抽選の確率変動は、開放抽選の当り確率を通常状態より高める状態である。拡開機構63の開放延長は、拡開機構63の開放時間を通常状態よりも長くする状態である。このように、入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、始動口62への入球容易性も増すため、始動口62への入球数が増加する可能性も高い。したがって、特別図柄192および装飾図柄190の時短および入球容易状態により、その期間中は始動口62への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさずに遊技し続けることが可能となる。
なお、本実施例における入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、拡開機構63の開放延長という3つの機能を用いて始動口62への入球容易性を高める。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて始動口62への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても始動口62への入球容易性を高めることは可能である。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである当否抽選の確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。当否抽選の確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。当否抽選の確変は次の大当りが発生するまで継続されるが、変形例として、所定の限定的な回数の図柄変動がなされたときに終了する構成であってもよい。本実施例においては、確変が開始されるときに同時に特別図柄192および装飾図柄190の時短や入球容易状態も開始されるが、変形例として時短や入球容易状態の開始を伴わない確変が実行される場合があってもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、変動パターン決定手段115、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出表示制御手段134、役物制御手段136を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への入球を契機に、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112が当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。
当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当りの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
当否抽選手段112は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための開放抽選として抽選値を取得する。当否抽選手段112は、開放抽選の抽選値と当否結果の対応関係が定められた当否テーブルを保持し、その当否テーブルを参照して開放抽選の当否結果を決定する。通常状態においては1/256の確率で当りとなる当否テーブルを参照し、入球容易状態においては250/256の確率で当りとなる当否テーブルを参照する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
図4は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。当否抽選手段112は、当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。当否抽選手段112による当否抽選においては、通常時には図4(a)の通り、当否抽選値が0〜399の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には図4(b)の通り、大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜399の範囲に該当する場合だけでなく、400〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。大当りに該当した場合、15R大当り、8R大当り、2R大当りのいずれとなるか、および、確変を伴うか否かは、特別図柄の停止図柄に応じて別途決定される。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない、いわゆる外れとなった場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、当否抽選手段112が取得する当否抽選値が65000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図3に戻り、当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄のかたちで変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。当否抽選手段112は、図柄変動を開始するタイミングにおいて、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄を、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。図柄決定手段114は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。
図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を、当否抽選手段112による開放抽選の結果に応じて決定する。図柄決定手段114は、開放抽選の結果を普通図柄のかたちで普通図柄表示装置59に変動表示させるために、開放抽選の結果に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が始動口62の拡開機構63を所定時間拡開する。
図柄決定手段114は、決定した停止図柄を示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。
図5は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図5(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図5(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図5(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。図柄決定手段114は、図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、「0」〜「9」の数字および「−」の記号で表される特別図柄と図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、奇数の数字が大当りに対応し、偶数の数字が小当りに対応し、「−」の記号が外れに対応する。
図5(a)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち奇数の数字である特別図柄「1」「3」「5」「7」「9」が大当りに対応付けられている。そのうち、特別図柄「7」は確変を伴う15R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「0〜99」に対応付けられる。特別図柄「3」は確変を伴わない15R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられる。特別図柄「1」は確変を伴う8R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「150〜189」に対応付けられる。特別図柄「5」は確変を伴わない8R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「190〜229」に対応付けられる。また、特別図柄「9」は確変を伴う2R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「230〜255」に対応付けられる。
図5(b)に示す通り、特別図柄「−」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図5(c)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち偶数の数字である特別図柄「0」「2」「4」「6」「8」が小当りに対応付けられている。特別図柄「0」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、特別図柄「2」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。特別図柄「4」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、特別図柄「6」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、特別図柄「8」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
図3に戻り、変動パターン決定手段115は、当否抽選の結果に応じて複数種の変動パターンからいずれかの変動パターンを選択する。変動パターン決定手段115は、変動パターンを決定するために参照すべき変動パターンテーブルを保持する。変動パターン決定手段115は、決定した変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。変動パターン決定手段115は、複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつとともに、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄および装飾図柄の変動が停止される。
図6は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。変動パターン決定手段115は、当否判定結果が外れのときは図6(a)に示される外れ用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が15Rまたは8R大当りのときは図6(b)に示される15Rまたは8R大当り用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が2R大当りまたは小当りのときは図6(c)に示される2R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルを参照する。
図6(a)においては、パターン抽選値0〜10には「スーパー1」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値11〜20には「スーパー2」というスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値21〜255には「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のいずれかの変動パターンが対応付けられている。このように、当否判定結果が外れの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれも選択される可能性がある。なお、外れ用の変動パターンテーブルにおいて、特に「リーチなし」の変動パターンを選択するとき、時短状態においては通常状態よりもさらに変動時間が概ね短い変動パターンが選択されるよう異なるテーブルを参照する。また、外れ用の変動パターンテーブルは保留数ごとに参照すべき欄が異なるように規定されるが、通常状態を例とするその詳細は後述する図7において説明する。
図6(b)においては、パターン抽選値0〜120には「スーパー1」のスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値121〜240には「スーパー2」のスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値241〜250には「ノーマル1」のリーチが対応付けられ、パターン抽選値251〜255には「ノーマル2」のリーチが対応付けられている。このように、当否判定結果が15Rまたは8R大当りの場合はリーチ付きの変動パターンが選択される。
図6(c)においては、パターン抽選値0〜122には「スーパー3」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値123〜255には「ノーマル3」というノーマルリーチが対応付けられている。このように当否判定結果が2R大当りまたは小当りの場合は「スーパー3」または「ノーマル3」がそれぞれ約50%の確率で選択される。
図3に戻り、変動パターン決定手段115は、普通図柄の変動表示時間を決定する。通常状態においては変動表示時間を60秒に決定し、入球容易状態においては変動表示時間を6秒に決定する。
保留制御手段116は、始動口62へ新たな入球があって新たに当否抽選が実行されるときにそれ以前の入球ないし抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな入球に基づく当否抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では当否抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保留球として保持する。ここでいう当否抽選値は、当否抽選値、図柄抽選値、変動パターン抽選値を含む。保留制御手段116はさらに、当否抽選手段112により取得された普図抽選値を保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ特別図柄保留表示装置20、普通図柄保留表示装置22の点灯数または点滅数により表される。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、変動パターン決定手段115により決定された変動パターンにしたがって特別図柄192の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、それ以前になされた当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。メイン表示制御手段118は、特別図柄192の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、判定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値を変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口66を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を15回繰り返す15R大当りと、単位遊技を8回繰り返す8R大当りと、15R大当りおよび8R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。15R大当り、8R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を約0.5秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、15R大当り、8R大当りと同様の開放態様で大入賞口66を開放させてもよい。
特定遊技実行手段122は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、特別遊技の終了後に遊技状態を時短状態および入球容易状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、図柄決定手段114により決定された図柄が確変への移行を伴う大当り図柄であった場合に限られる。時短状態および入球容易状態は、特別図柄192の変動表示回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。ただし、同時に確変状態へ移行した場合は確変状態が続く限り時短状態および入球容易状態も継続される。すなわち、次の大当りが発生するまで継続される。このように時短状態および入球容易状態の終期は遊技状態に応じて定まる。時短状態においては、特別図柄192の変動表示時間が概ね短くなるよう、変動パターン決定手段115が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段116による当否抽選結果の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段116による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の時短、普通図柄の確変、拡開機構63の開放延長が実施される。一方、確変状態は、次の大当りによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は当否抽選手段112による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段132は、当否抽選手段112から受け取る当否抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、変動パターン決定手段115により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータからいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出し、その変動演出パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。演出決定手段132は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段131は、装飾図柄190の停止図柄の組合せとその配置を、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば当否抽選手段112による当否判定結果が15R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄190として揃える数字には、特別図柄192と同じ数字が選ばれるのが好ましいが、必ずしも同じ数字でなくともよい。例えば、特別図柄192が「7」の場合は装飾図柄190が「777」となる。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄を含む演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動開始コマンドを受け取ったときに新たな図柄変動を開始させる。
演出表示制御手段134は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
図7は、外れ用の変動パターンテーブルを詳細に示す図である。本図の変動パターンテーブル210においては、保留数ごとにそれぞれ変動パターンに対応付けられたパターン抽選値の範囲が異なる。具体的には、保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら変動時間の長い変動パターンが選択される確率を高めている。そのため、保留制御手段116による保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなる。したがって、保留制御手段116による保留数が所定数、例えば1〜2個より少なくなった場合に、変動時間の長い変動パターンの選択確率が通常より高くなり、変動時間が比較的長くなりやすい。
第1欄212には、保留制御手段116による当否抽選の結果保留数が1の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。同様に、第2欄214、第3欄216、第4欄218に、保留制御手段116による当否抽選の結果保留数がそれぞれ2、3、4の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。すなわち、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218が保留数ごとの変動パターンテーブルを示すと考えることができる。本図では、外れのときに選択され得る複数の変動パターンを変動時間別に5種類に分類した例を説明するが、実際にはそれらの分類ごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがその分類ごとの抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。なお、本図の第2欄214、第3欄216、第4欄218の各パターン抽選値範囲の割合と第1欄212におけるパターン抽選値範囲の割合を比較するために、第1欄212のパターン抽選値範囲の割合を示す破線を第2欄214、第3欄216、第4欄218に描いている。
第1範囲222には、抽選値が0から10までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー1」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。第2範囲224には、抽選値が11から20までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー2」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。このように、抽選値が0から10までのパターン抽選値と抽選値が11から20までのパターン抽選値の場合には、保留数にかかわらず同じ変動時間の変動パターンが選択される。
第3範囲226には、抽選値が21から255までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218にはそれぞれノーマルリーチである「ノーマル1」「ノーマル2」と「リーチなし外れ」の3種類の変動パターンが対応付けられる。ただし、それぞれの変動パターンが対応付けられるパターン抽選値の範囲は保留数によって異なる。第1欄212では、「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のそれぞれが対応付けられる抽選値範囲の大きさがそれぞれほぼ等しく、21から255をほぼ3等分した範囲が対応付けられている。これに対し、第2欄214では、「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさが「リーチなし」に対応付けられる抽選値範囲より小さい。また、第3欄216および第4欄218では「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさがさらに小さくなっている。
「ノーマル1」「ノーマル2」の変動時間は「リーチなし外れ」の変動時間より長くてもよく、また「リーチなし外れ」のときは時短状態のように変動時間が短縮される場合もあるため、上記の第3範囲226の設定内容に応じて平均的な変動時間が異なることとなる。保留数が0から1、2、3、4と多くなるにつれて「ノーマル1」および「ノーマル2」のパターン抽選値範囲は小さくなり、逆に「リーチなし外れ」のパターン抽選値範囲が大きくなる。したがって、保留数が多いほど平均的な変動時間は短くなり、逆に保留数が少ないほど平均的な変動時間は長くなる。このように保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現することができる。
第3欄216に対応付けられた「リーチなし外れ」の変動パターンは、第1欄212、第2欄214に対応付けられた「リーチなし外れ」よりも変動時間が短い、いわゆる「短縮変動」の変動パターンである。また、第4欄218に対応付けられた「リーチなし外れ」の変動パターンは、第1欄212、第2欄214に対応付けられた「リーチなし外れ」よりも変動時間が短く、第3欄216の「短縮変動」よりもさらに変動時間が短い、いわゆる「超短縮変動」の変動パターンである。
以下、本実施例のぱちんこ遊技機10に特徴的な構成を説明する。
[通常遊技中の演出]
第1実施例.
第1実施例は、通常遊技中の演出に特徴を有する。
前述したように、図柄の演出表示として、リーチ画像を用いたリーチ演出などが用いられている。リーチ演出は、演出効果を向上させるために複数種類準備されている。また、演出内容を多彩にするため長短様々な変動時間のリーチ演出が準備されている。一般には、相対的に変動時間の短いリーチを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチを「スーパーリーチ」と称している。リーチ演出が開始された場合、エフェクトや役物などによる演出が追加されることはあるが、基本的には選択されたリーチ演出が最初から最後まで表示されていた。そのため、特にスーパーリーチの場合、変動時間が長く途中で変化のない意外性に欠ける演出により、遊技者の演出に対する興味が続かない場合がある。
そこで、第1実施例において、図3に示したパターン記憶手段130は、所定の演出ストーリーにしたがって図柄の変動を表示させる過程が定められた複数の演出パターンを記憶する。複数の演出パターンには、遊技者が操作ボタン82を操作入力した場合に、演出ストーリーが異なる演出ストーリーに切り替わり得ることを示唆する演出内容である分岐演出を含んだスーパーリーチの演出パターンである第1の演出パターンが含まれる。また、複数の演出パターンには、第1の演出パターンとは異なる演出ストーリーにしたがって図柄の変動を表示させる過程が定められ、当否抽選の結果が当りである場合に選択され得る分岐演出パターンである第2の演出パターンが含まれる。
演出表示制御手段134は、第1の演出パターンにしたがって図柄を変動表示させる有効期間に遊技者が操作ボタン82を操作入力した場合に、当否抽選の結果が当りであることを条件に第1の演出パターンの演出ストーリーにしたがった図柄の変動表示を第2の演出パターンの演出ストーリーにしたがった図柄の変動表示に切り替える。有効期間とは、遊技者が操作ボタン82を操作入力した場合に、その操作入力が有効となり、切替抽選の実行が許可される期間、つまり所定演出から分岐演出に切り替わるための遊技者の操作入力を受け付け可能な期間である。切替抽選は、表示中の第1の演出パターンを、演出ストーリーが異なる第2の演出パターンに切り替えるかどうかを判断するための抽選である。また、演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動表示が開始されてからの経過時間をタイマによって計測する。
演出決定手段132は、切替抽選手段200を含む。切替抽選手段200は、切替抽選を実行する。
図8は、装飾図柄190の変動パターンを詳細に示す図である。装飾図柄190の変動パターンは、パターン記憶手段130に記憶されている。ここでは、図7に示した変動パターンである「リーチなし外れ」「ノーマル1」「ノーマル2」「スーパー1」「スーパー2」のうち、「リーチなし外れ」「ノーマル1」「スーパー1」を例に説明する。「ノーマル2」「スーパー2」もそれぞれ「ノーマル1」「スーパー1」と演出内容以外は同様である。
演出表示が開始される時刻を時刻t0とする。第1の演出パターンである「スーパー1」には、第1の有効期間が時刻t1〜t2に設けられている。「スーパー1」は、時刻t3において第1の分岐演出を含む。分岐演出は、遊技者が操作ボタン82を操作入力した場合に、演出ストーリーが異なる演出ストーリーに切り替わり得ることを示唆する演出内容である。また、時刻t3には「スーパー1」とは演出ストーリーが異なる第2の演出パターンである「分岐1」に演出が切り替わり得る第1の切替ポイントが設けられている。
「スーパー1」には、さらに、第2の有効期間が続く時刻t4〜t5に設けられている。「スーパー1」は時刻t6において第2の分岐演出を含み、時刻t6には「スーパー1」とは演出ストーリーが異なる第2の演出パターンである「分岐2」に演出が切り替わり得る第2の切替ポイントが設けられている。さらに、第3の有効期間が続く時刻t7〜t8に設けられている。「スーパー1」は、時刻t9において第3の分岐演出を含み、時刻t9には「スーパー1」とは演出ストーリーが異なる第2の演出パターンである「分岐3」に演出が切り替わり得る第3の切替ポイントが設けられている。演出が切り替わるかどうかは、図9を用いて後述する切替抽選の当否により演出表示制御手段134が判断する。
分岐演出が表示されると、遊技者は以降の演出ストーリーとして、少なくとも2つの異なる演出内容を予想することができる。または、分岐演出以降の演出ストーリーとして、少なくとも2つの異なる演出内容を、遊技者に違和感を与えることなく切替ポイントから続けることができる。演出ストーリーが異なるとは、図10を用いて具体的に説明するように、第1の演出パターンの時刻t3以降の演出ストーリーと、第1の演出パターンから切り替えられた第2の演出パターンの演出ストーリーとが、何らかの点で異なることを遊技者に知覚させる表示であればよい。演出ストーリーが第2の演出パターンに切り替えられた場合、遊技者は実際には第1の演出パターンの時刻t3以降の演出ストーリーを知ることはできない。そのため、第1の演出パターンの時刻t3以降の演出ストーリーは、第2の演出パターンの演出ストーリーに比べ、第1の演出パターンの時刻t3より前の演出ストーリーと演出ストーリーの連続性がより高いという印象を遊技者に与える演出ストーリーであることが好ましい。つまり、遊技者が第1の演出パターンの時刻t3までの演出内容を視た場合に必然的に予想されるような内容を、第1の演出パターンは時刻t3以降の演出ストーリーとして含むことが好ましい。これにより、第1の演出パターンが第2の演出パターンに切り替えられたときに、演出ストーリーが切り替えられたことを遊技者に対しより明確に示唆することができるため、遊技者の当否抽選の結果に対する期待度をより高めることができる。その結果、図柄の演出表示に対する遊技者の興味を持続させることにより、遊技機の稼働率向上を図ることができる。
また、第1の演出パターンである「スーパー1」に対して、複数の分岐演出が対応づけられている。パターン記憶手段130は、第2の演出パターンとして、複数の分岐演出のそれぞれに対応する複数種類の演出パターンを記憶する。分岐演出のそれぞれに対応する所定期間のいずれに遊技者の操作ボタン82の操作入力がなされたかに応じて、演出表示制御手段134は、第1の演出パターンを異なる種類の第2の演出パターンの演出ストーリーにしたがった図柄の変動表示に切り替えられる。これにより、当否抽選の結果をいつ知りたいかや演出パターンに対する興味の程度に応じて、遊技者は自分自身の操作入力により自分の好みのタイミングで演出パターンを変化させうる。その結果、遊技者の演出表示に対する興味を持続させることができる。
さらに、第2の演出パターンである「分岐1」〜「分岐3」のそれぞれには、演出表示時間が同じでストーリーの結末が異なる3つのバリエーションであるストーリーA、BおよびCが用意され、パターン記憶手段130に記憶されている。ストーリーが同じであれば、切替ポイントが異なっても、当否抽選の結果に関して遊技者に示唆する演出内容は同じである。なお、同じストーリーが選択される場合でも切替ポイントの位置によりストーリーの終点までの時間値が異なる。このように終点までの時間値が異なる場合でも同じストーリーの内容にするためには、ストーリーの一部をカットして短縮した内容とすることができる。例えば、一連の連続した内容(ストーリー)を納めた画像(または動画)を複数つなぎ合わせたものをストーリーAとした場合に、つなぎ合わせの対象となる画像(または動画)の組み合わせを切替ポイントに応じて、またはその切替ポイントからストーリー終点までの残り時間に応じて異ならせることができる。また、単純に一部の画像(または動画)をカットしてもよい。例えばストーリーの前半部分のみをカットしたり、後半部分のみをカットしたりすることができる。また、ストーリー全体として表現する内容は同一でも切替ポイントの位置に応じて演出自体の内容を全く異なるものにしてもよい。
さらに、「スーパー1」には、遊技者の操作ボタン82の操作入力に応じてエフェクト演出が有効となるエフェクト期間が時刻t10〜t11に設けられている。エフェクト演出については図10を用いて後述する。「スーパー1」の演出表示は、その後の時刻t12に停止される。同様に、演出が「分岐1」「分岐2」「分岐3」に切り替えられた場合も、演出表示は時刻t12に停止される。つまり、「分岐1」は時刻t3〜t12、「分岐2」は時刻t6〜t12、「分岐3」は時刻t9〜t12の期間それぞれ表示される。ここでは、エフェクト期間の操作入力に対する第2の演出パターンが設けられていない場合を例に示したが、これらが設けられていてもよい。
一方、パターン記憶手段130は、演出パターンとして、当否抽選の結果が外れである場合に選択される第3の演出パターンである「リーチなし外れ」パターン、および「ノーマル1」パターンをさらに記憶する。「リーチなし外れ」および「ノーマル1」には、時刻t1〜t2にエフェクト期間が設けられてはいるが、時刻t3に第1の切替ポイントが設けられていない。つまり、エフェクト期間は、遊技者には操作ボタン82の操作入力を受け付けるように見えるが、実際にはその操作入力が有効となって演出パターンが切り替えられることはない擬似的な有効期間である。しかし、「リーチなし外れ」および「ノーマル1」は、第1の演出パターンに含まれる演出パターンのうち分岐演出より前の演出内容を、演出の開始部分である時刻t0〜t3に含む。これにより、遊技者は少なくとも時刻t3までは、「リーチなし外れ」「ノーマル1」「スーパー1」の区別がつかない。そのため、演出表示に対する遊技者の興味を持続させることができる。「リーチなし外れ」および「ノーマル1」は、時刻t3の経過後、時刻t4より前の時刻t13および時刻t14においてそれぞれ停止される。
演出表示制御手段134は、第1の演出パターンにおいて当否抽選の結果が外れの場合には、第1の有効期間における遊技者の操作ボタン82の操作入力に基づいて、第1の演出パターンの演出ストーリーにしたがった演出実行中に装飾オブジェクトを演出表示装置60に表示することが好ましい。装飾オブジェクトは、第1の演出パターンの演出ストーリーに並行して表示される画像である。装飾オブジェクトが表示される場合には、第1の演出パターンは第2のストーリーには切り替わらない。しかし、装飾オブジェクトは、大当りの期待度、もしくは以降の分岐演出において第2のストーリーに切り替わる期待度が高い旨を示唆してもよい。これにより、当否抽選の結果が外れの場合でも、遊技者は当りであることをより強く期待するようになる。その結果、遊技者の演出表示に対する興味を持続させることができる。このようなオブジェクトとしては、たとえば図10を用いて説明するエフェクト画像が挙げられる。
図9は、切替抽選の切替確率を説明する図である。切替抽選は、有効期間において遊技者が操作ボタン82を操作入力した場合に、切替抽選手段200により実行される。切替確率は、(1)特別図柄抽選が当りであって、(2)第1の演出パターンであるスーパーリーチパターンの演出表示が演出表示中であり、(3)遊技者が有効期間中に操作ボタン82を操作入力した場合に、切替抽選に当選することにより演出ストーリーが異なる第2の演出パターンに演出が切り替わる確率である。
演出決定手段132は、切替抽選手段200による切替抽選の当選確率を変化させることにより、複数の分岐演出のうちの所定の分岐演出に対応する所定期間に操作入力がされなかった場合に、所定の分岐演出以降の分岐演出に対応する有効期間における操作入力によって、第1の演出パターンの演出ストーリーにしたがった図柄の変動表示を第2の演出パターンの演出ストーリーにしたがった図柄の変動表示に切り替える確率を高くする。
たとえば、図9では、第1の有効期間(時刻t1〜t2)において遊技者が操作ボタン82を操作入力した場合に、切替抽選手段200による切替抽選に当選する確率、つまり第1の切替ポイント(時刻t3)において演出表示制御手段134が演出パターンを切り替える切替確率を50%に設定している。この場合、第1の有効期間において遊技者が操作ボタン82を操作入力しても演出パターンが切り替わらない確率は50%である。第1の有効期間における操作入力により演出パターンが切り替わらなかった場合、第2の有効期間(時刻t4〜t5)における操作入力により第2の切替ポイント(時刻t6)において演出パターンが切り替わる切替確率は30%に低下する。一方、第1の有効期間において遊技者が操作ボタン82を操作入力しなかった場合、第2の有効期間における操作入力により第2の切替ポイントにおいて演出が切り替わる切替確率は80%に上昇する。
同様に、第2の切替ポイント(時刻t6)における切替確率が30%であった場合、第3の有効期間(時刻t7〜t8)における操作入力により第3の切替ポイント(時刻t9)において演出が切り替わる切替確率は10%に低下する。一方、第2の有効期間において遊技者が操作ボタン82を操作入力しなかった場合、第3の切替ポイントにおける切替確率は50%に上昇する。また、第2の切替ポイントにおける切替確率が80%であった場合、第3の有効期間における操作入力により第3の切替ポイントにおいて演出が切り替わる切替確率は50%に低下する。一方、第2の有効期間において遊技者が操作ボタン82を操作入力しなかった場合、第3の切替ポイントにおける切替確率は100%に上昇する。つまり、第1の有効期間(時刻t1〜t2)および第2の有効期間(時刻t4〜t5)でいずれも遊技者が操作ボタン82を操作入力しなかった場合、演出表示制御手段134は第3の有効期間(時刻t7〜t8)における操作入力により必ず演出を切り替える。
このように、演出切り替えタイミングが複数ある場合、遊技者が操作ボタン82を操作入力し続けると、切替抽選に外れる回数が増えるほど、次の切替抽選に当選する確率が低下する。一方、遊技者が操作ボタン82を操作入力するのを我慢する回数が多いほど、次に操作ボタン82を操作入力した場合に切替抽選が当りとなる確率が上昇する。これにより、当否抽選の結果をいつ知りたいかや演出パターンに対する興味の程度に応じて、遊技者は自分自身の操作入力により自分の好みのタイミングで演出パターンを変化させうる。その結果、演出ストーリーだけでなく第1の演出パターンに設けられた有効期間および有効期間における操作ボタン82の操作入力にも注意を払う必要があるため、遊技者の演出表示に対する興味を持続させることができる。
また、別の例としては、上述とは逆の傾向になるように設定してもよい。この場合、操作ボタン82の操作を早く行えば行うほど通常は目にしにくいキャラクタを用いた演出が表示される。つまり、遊技者が想像し得るぎりぎりに操作した方が普段とは異なる演出が見られるのではないかという心理の逆であり、遊技性のバリエーションを広げることができる。また、上述したような傾向のいずれを設定するかをその都度抽選等により決定してもよい。その場合、演出の傾向にランダム性を持たせることが容易になり遊技機としての面白味が向上できる。また、ストーリーの選択と当否抽選の結果とを関連付けてもよい。例えば15R大当りの場合は、上述したように、操作ボタン82の操作タイミングを早くすればするほどストーリーAが選択されやすくしてもよい。逆に、我慢して操作タイミングを遅くすればするほどストーリーCが選択されやすくしてもよい。一方、15R大当りではない場合、操作ボタン82の操作タイミングを早くすればするほどストーリーCが選択されやすくして、我慢して操作タイミングを遅くすればするほどストーリーAが選択されてしまうようにしてもよい。なお、15R大当りではない場合は、操作ボタン82の操作タイミングに関わりなく所定の確率でストーリーが選択されるようにしてもよい。
また、演出表示制御手段134は、複数の分岐演出のうちの所定の分岐演出に対応する所定期間に操作入力がされなかった場合には、当該所定期間に操作入力がされた場合に比べ、所定の分岐演出以降の分岐演出に対応する所定期間に操作入力がされた場合に、当否抽選の結果が当りであることを条件に、第1の演出パターンの演出ストーリーにしたがった図柄の変動表示を、当否抽選の結果が当りであることをより強く示唆する第2の演出パターンの演出ストーリーにしたがった図柄の変動表示に切り替える。
図9では、第1の演出パターンが3つの第2の演出パターンのそれぞれに対して準備されたストーリーA〜Cに切り替わる確率は、どの有効期間に遊技者が操作ボタン82を操作入力するかによりそれぞれ変化する。たとえば、遊技者が操作入力を後まわしにするほど、当初は選択されにくいストーリーCが高い確率で選択されるようになる。ストーリーCは、ストーリーAよりも当否抽選の結果が当りであることを遊技者により強く示唆する演出パターンである。一方、遊技者が操作ボタン82を操作して切替抽選に外れる回数が増えると、切替確率は低下するが、ストーリーAが選択される確率はストーリーA〜Cの中では相対的に高くなる傾向にある。これにより、遊技者は演出表示を楽しみつつ当否抽選の結果が当りであることをより強く確信したい場合には、操作ボタン82を操作するタイミングを遅らせるようになる。その結果、遊技者の演出表示に対する興味を持続させることができる。一方、当否抽選の結果が当りであることをとにかく早く知りたい場合には、操作ボタン82を早く操作することもできる。
図10は、演出表示過程を説明するための図である。図10を用いて、「スーパー1」が選択された場合の演出の切り替えについて説明する。なお、ここでは図8に示した「分岐1」〜「分岐3」として、分岐抽選においてストーリーAが選択された場合を例に説明する。図9に示したように選択される確率が異なる点以外はストーリーBおよびCも同様である。また、「スーパー2」が選択された場合も同様である。
演出表示は特別図柄192の変動開始タイミングと一致する必要のないタイミングで開始される。演出表示が開始されてから所定時間、主人公キャラクタ300が敵キャラクタ302を捜し、敵キャラクタ302との遭遇を予感させる示唆画面304が表示される。この示唆画面304は、敵キャラクタ302の登場を示唆する画面である。その後、敵キャラクタ302に遭遇する遭遇画面306が表示される。遭遇画面306は、主人公キャラクタ300と敵キャラクタ302との戦闘を示唆する画面である。遭遇画面306の表示中の第1の有効期間(図8の時刻t1〜t2)において、遊技者の操作ボタン82の操作入力を促す「PUSH」表示が演出表示に重ねて示される。
遊技者が操作ボタン82を操作入力しない場合および切替抽選に外れた場合、図8の時刻t3を経過したタイミングで戦闘画面308を用いた戦闘が開始される。戦闘画面308では、主人公キャラクタ300と敵キャラクタ302の戦闘シーンについての演出パターンにしたがって、演出表示が実行される。戦闘画面308の表示中の第2の有効期間(図8の時刻t4〜t5)において、遊技者の操作ボタン82の操作入力を促す2回目の「PUSH」表示が演出表示に重ねて示される。
遊技者がここでも操作ボタン82を操作入力しない場合および切替抽選に外れた場合、図8の時刻t6を経過したタイミングで戦闘画面310を用いた戦闘が継続される。戦闘画面310では、主人公キャラクタ300と敵キャラクタ302の戦闘シーンについての演出パターンにしたがって、演出表示が継続される。戦闘画面310の表示中の第3の有効期間(図8の時刻t7〜t8)において、遊技者の操作ボタン82の操作入力を促す3回目の「PUSH」表示が演出表示に重ねて示される。
遊技者がここでも操作ボタン82を操作入力しない場合および切替抽選に外れた場合、図8の時刻t9を経過したタイミングで戦闘画面312を用いた戦闘が継続される。戦闘画面312では、主人公キャラクタ300と敵キャラクタ302の戦闘シーンについての演出パターンにしたがって、演出表示が継続される。戦闘画面312の表示中のエフェクト期間(図8の時刻t10〜t11)において、遊技者の操作ボタン82の操作入力を促す4回目の「PUSH」表示が演出表示に重ねて示される。
この4回目の「PUSH」表示は、演出表示の時間軸上における最後の表示、つまり複数の「PUSH」表示のうち、演出表示が終了するとともに特別図柄が停止表示される直前の表示である。遊技者が操作ボタン82を操作入力しない場合には、演出表示がそのまま継続される。一方、遊技者が操作ボタン82を操作入力した場合には、エフェクト画像314が表示される。エフェクト画像は、戦闘がクライマックスに近づき間もなく演出表示が終了することを示唆するために、演出表示に重ねて表示される画像である。
これにより、遊技者の図柄の停止表示に対する期待感を煽ることができる。また、遊技者は演出パターンの再生がもうすぐ終了し当否抽選の結果が示されることを知ることができる。その結果、演出パターンの再生が終了するまで、遊技者を演出パターンに集中させることができる。エフェクト画像314は、遊技者が操作ボタン82を操作入力した回数だけリアルタイムに点滅して表示されるようにしてもよい。これにより、遊技者の期待感をさらに煽ることができる。
また、エフェクト画像314には、遊技者が操作ボタン82を操作入力するタイミングを複数設け、いずれのタイミングにおいても、エフェクト画像が切り替わる可能性があるようにしてもよい。また、遊技者が操作ボタン82を操作入力するタイミングに応じて、異なる種類のエフェクトが表示されてもよい。この場合、演出表示の時間軸上における後のタイミングになるほど、当否抽選の結果に対する期待度が高いエフェクト画像314が選択される可能性が高まるように設定することが好ましい。これにより、遊技者が操作ボタン82の操作入力を我慢すればするほど、期待度が高いエフェクト画像314が表示されやすくなる。
エフェクト期間における遊技者の操作入力の有無にかかわらず、特別図柄抽選が外れである場合には、主人公キャラクタ300が敵キャラクタ302との戦闘に負けたことを示唆する敗北画面316にて演出表示が終了する。一方、特別図柄抽選が当りである場合には、主人公キャラクタ300が敵キャラクタ302との戦闘に勝ったことを示唆する勝利画面318にて演出表示が終了する。
このように、遊技者が操作ボタン82を操作入力しない場合または遊技者が操作ボタン82を操作入力したにもかかわらず切替抽選に外れた場合には、戦闘画面158による戦闘の結果として特別図柄抽選の結果が表示される。この場合には、特別図柄抽選の結果は当りの場合も外れの場合も両方あり得る。
一方、第1の有効期間〜第3の有効期間のいずれかにおいて遊技者が操作ボタン82を操作入力した場合、特別図柄抽選が当りでありかつ切替抽選に当選したことを条件として、表示中の演出表示は演出ストーリーの異なる演出表示に切り替わる。
具体的には、戦闘画面308、戦闘画面310、または戦闘画面312に代えて、それぞれ「分岐1」「分岐3」「分岐3」のストーリーAに含まれる和解画面320を含む演出表示が実行される。和解画面320は、主人公キャラクタ300と敵キャラクタ302とが闘いを止めて仲直りしたことを示唆する画面である。次に、友情画面322が表示され、変動表示が終了する。友情画面322は、主人公キャラクタ300と敵キャラクタ302とが夕日に向かって肩を組んだ状態を示す画面である。これにより、主人公キャラクタ300と敵キャラクタ302との間に友情が芽生えたこと、および特別図柄抽選が大当りであることを示唆する画面である。
このように、切替抽選に当選した場合、切り替え前の戦闘とは異なるストーリーの結末として、特別図柄抽選の結果が表示される。この場合には、特別図柄抽選の結果は必ず当りである。
以上、「分岐1」〜「分岐3」のストーリーAを用いて、切り替え後の演出表示が切り替え前の戦闘に基づく演出表示とはストーリー性が異なる演出表示である例を示した。このような態様によれば、遊技者は演出が切り替わったことにより当否抽選に当選したことを確信することができる。これにより、遊技者は自分の演出および当否抽選の結果に対する興味のバランスを考慮して、演出表示を楽しむことができる。
また、切り替え後の演出表示は図10の表示には限られず、操作ボタン82を操作入力することにより何らかの点でストーリー性が変化したことを遊技者に知覚させる表示であればよい。たとえば、主人公キャラクタ300の勝ちが濃厚になったことを示唆するために、「分岐1」〜「分岐3」のストーリーBとして、主人公キャラクタ300が得意で敵キャラクタ302が苦手なボードゲームによって決着をつける演出表示に切り替わってもよい。また、主人公キャラクタ300が武器を持ったり必殺技を出す演出表示であってもよい。同様に、「分岐1」〜「分岐3」のストーリーCとして、ストーリーAよりもさらに深い友情が芽生えたことを示唆するために、主人公キャラクタ300と敵キャラクタ302とが酒を酌み交わす演出表示に切り替わってもよい。
このような態様によれば、「分岐1」〜「分岐3」のストーリーA〜Cを図9の切替確率で切り替えることにより、遊技者の操作入力の有無に応じて演出表示を多様化させることができる。そのため、変動時間の長いスーパーリーチの演出表示であっても、遊技者の遊技に対する集中力を維持させることができる。
なお、スーパーリーチの変動パターンにおいて、切替ポイントは1回以上設けられればよく、3回には限られない。また、第2の演出パターンのストーリーも1つ以上設けられればよく、3つには限られない。また、第1の演出パターンにエフェクト期間が設けられず、エフェクト画像314を用いた表示がされなくてもよい。また、本実施例では、第2の演出パターンには有効期間および切替ポイントを設けなかった。このような有効期間および切替ポイントを設けない演出パターンは、当否抽選の結果が大当りである場合のみに選択されることが好ましい。
図11は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入球した場合の処理を実行し(S10)、通常遊技中であれば(S12のY)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理(S16)や、小当り遊技の制御処理を実行し(S17)、S10の入賞処理においてセットされた賞球数により各種の入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図12は、図11におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段134へ送信し、これを受信した演出表示制御手段134が変動演出パターンにしたがって演出画像の変動表示を開始する(S36)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40をスキップする。
図13は、図12におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、当否抽選手段112が当否抽選値を読み出して(S42)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S44)。図柄決定手段114は、当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定し(S46)、変動パターン決定手段115が特別図柄の変動パターンを選択する(S48)。演出決定手段132は、当否判定結果および特別図柄に基づいて装飾図柄の停止図柄組合せを決定し(S50)、特別図柄の変動パターンに応じて装飾図柄の変動演出パターンを選択する(S52)。
図14は、図12におけるS40の図柄変動表示処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選手段112が判定した当否抽選の結果が当りであり(S200のY)、演出決定手段132が装飾図柄の変動演出パターンとしてパターン記憶手段130に記憶された変動パターンのうちスーパーリーチの変動パターンを選択し(S202のY)、遊技者が操作ボタン82を操作入力し(S204のY)、その操作が有効期間内にあり(S206のY)、切替抽選手段200による切替抽選の結果も当りであれば(S208のY)、演出表示制御手段134は、図柄を切り替える切替処理を行う(S210)。その後、図柄の変動表示が終了する(S212)。
遊技者が操作ボタン82を操作入力しない場合(S204のN)、遊技者が操作ボタン82を操作入力したがその操作入力が有効期間内でない場合(S206のN)、遊技者の操作入力が有効期間内であるが切替抽選の結果が外れの場合(S208のN)には、演出表示制御手段134は、タイマによって計測された経過時間に基づいて、第3の有効期間(時刻t8)が経過したかどうかを判断する(S214)。第3の有効期間が経過していない場合には(S214のN)、遊技者が操作ボタン82を操作入力したかどうかが再度判断される(S204)。第3の有効期間が経過している場合には(S214のY)、遊技者が操作ボタン82を操作入力し(S216のY)、その操作入力が有効期間内であれば(S218のY)、エフェクト処理を行う(S220)。遊技者が操作ボタン82を操作入力しない場合(S216のN)、遊技者が操作ボタン82を操作入力したがその操作入力が有効期間内でない場合には(S218のN)、演出表示制御手段134はエフェクト処理を行わずに変動表示を終了する(S212)。
また、切替抽選手段200による当否抽選が外れの場合(S200のN)または当否抽選が当りであって演出決定手段132が装飾図柄の変動演出パターンとしてスーパーリーチの変動パターン以外を選択した場合(S202のN)、演出表示制御手段134が切替処理を行うことなく図柄の変動表示が終了する(S212)。
図15は、図11におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が大当りであった場合(S90のY)、すでに特別遊技が開始済みであって(S92のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S98のN)、大入賞口66の開放処理を実行する(S100)。このとき、設定された大当り演出の表示も開始する。大入賞口66が開放済みであれば(S98のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、S106へ移行する。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S92において特別遊技が開始済みでない場合は(S92のN)、特別遊技を開始して(S94)、その開始デモ演出の表示を開始し(S96)、本処理を一旦終了する。
S106においては、特別遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S106のN)、後述する終了フラグを参照して特別遊技終了条件が満たされるか否かを判定し(S110)、特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S106にてデモ演出中であると判定され(S106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了し(S118)、特定遊技、すなわち確変、時短、および入球容易状態を開始する(S120)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118およびS120の処理をスキップする。大当りでない場合は(S90のN)、本図のS92以降のフローをスキップする。
図16は、図15におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、通過フラグを一律にオフにするとともに開閉パターンの動作を設定し(S124)、大入賞口66を開放させる(S126)。また、現在の単位遊技の繰り返し回数に対応した大当り演出、または繰り返し回数が異なる回数になることに対応した大当り演出を設定して開始する。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
図17は、図15におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は大入賞口66を閉鎖させる。すなわち、特別遊技中において、入球数による終了条件が満たされるか(S130のY)、入球数による終了条件が満たされなくとも(S130のN)、開放時間による終了条件が満たされれば(S132のY)、大入賞口66を閉鎖する(S134)。開放時間による終了条件も満たされなければ(S132のN)、S134以降のフローをスキップする。
なお、開放されている大入賞口66の入球数による終了条件は大入賞口66への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から開閉パターンに沿った設定時間の経過である。15R大当り、8R大当りの場合は、その開放開始から30秒の経過であり、2R大当りの場合は、その開放開始から0.5秒の経過である。ただし、0.5秒の開放は極めて短いため、10球以上の入球はもちろん、入球そのものが困難である。その大入賞口の開放と同時に遊技球を打ち出したとしても入球困難であるため、大入賞口66の極短開放が行われる2R大当りについては、大入賞口66の開放前にその開放を予測して遊技球を打ち出す必要がある。一方、15R大当り、8R大当りにおける入球数による終了条件は大入賞口への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から30秒の経過である。このとき、継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
図18は、図11におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が小当りであった場合(S150のY)、既に小当り遊技が開始済みであって(S152のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S158のN)、大入賞口66の開放処理を実行し(S160)、開放済みであれば(S158のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S162)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S164のY)、S166へ移行する。閉鎖状態でなければ(S164のN)、S166以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S152において小当り遊技が開始済みでない場合は(S152のN)、小当り遊技を開始して(S154)、2R大当りと同様の開始デモ演出の表示を開始し(S156)、本処理を一旦終了する。
S166においては、小当り遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。小当り遊技演出中でなければ(S166のN)、小当り遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、小当り遊技終了条件が満たされることになる。小当り遊技終了条件が満たされていれば(S170のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S172)、終了デモ演出の表示を開始する(S174)。小当り遊技終了条件が満たされていなければ(S170のN)、本処理を一旦終了する。S166にてデモ演出中であると判定され(S166のY)、終了デモ演出が終了した場合(S176のY)、小当り遊技を終了する(S178)。終了デモ演出が終了していない場合は(S176のN)、S178の処理をスキップする。小当りでない場合は(S150のN)、本図のS152以降のフローをスキップする。
図19は、図18におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S180のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S182)、大入賞口66の開放を開始する(S184)。開放タイミングでないときは(S180のN)、S182およびS184の処理をスキップする。
図20は、図18におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の終了タイミングとなったとき(S190のY)、終了フラグをオンにし(S192)、大入賞口66を閉鎖する(S194)。なお、この閉鎖タイミングは、大入賞口66の開放開始から0.5秒の経過したタイミングである。閉鎖タイミングでなければ(S190のN)、S192およびS194の処理をスキップする。
上記の第1実施例においては、第2の演出パターンのそれぞれには、有効期間および切替ポイントを設けなかった。変形例においては、各第2の演出パターンにも有効期間および切替ポイントを設け、演出表示制御手段134が第2の演出パターンの演出表示中に、当否抽選の結果が当りであることをさらに強く示唆する演出へとさらに切り替えてもよい。たとえば、「分岐1」に第2の有効期間および第3の有効期間を設けることにより、「スーパー1」が「分岐1」に切り替わった後に、遊技者が操作ボタン82を操作入力することにより「分岐2」に切り替わりうるようにしてもよい。遊技者が操作ボタン82を操作入力することにより「分岐2」が「分岐3」にさらに切り替わりうるようにしてもよい。この変形例では、スーパーリーチパターンを用いてさらに多様な演出表示を行うことができる。また、この場合には、第1の演出パターンおよび第2の演出パターンのそれぞれに、演出表示の時間軸上の対応する位置に、共通する分岐演出を設けてもよい。これにより、各演出パターンの切り替えを遊技者により違和感なく見せることができる。
上記の第1実施例においては、ノーマルリーチパターンに対しては有効期間を設け、切替ポイントは設けなかった。変形例においては、ノーマルリーチパターンに対しても切替ポイントを設けて演出を切り替えてもよい。たとえば、「ノーマル1」を時刻t3において切り替えるためのノーマルリーチ用の第2の演出パターンを用いてもよい。これにより、ノーマルリーチとスーパーリーチとの違いを途中までさらに区別しづらくすることができる。
[特別遊技中の演出]
第2実施例および第3実施例は特別遊技中の演出に特徴を有する。
前述したように、特別遊技は、大入賞口の開放が所定回数終了するまで比較的長い時間継続される遊技であり、その間に表示される特別遊技用の演出は、所定長さの演出やムービーが繰り返し表示される場合が多かった。そのため、演出内容に意外性が乏しいという懸念があった。また、特別遊技は、頻繁に当否抽選の結果を表示して遊技者の興味を引き付けやすい特別遊技開始前の遊技状態とは異なり、大入賞口に入球させる単調な遊技になりがちであるとの懸念があった。そのため、遊技者にとって興味の対象である特別遊技であるにも拘わらず、遊技に対する興味が薄れやすくなってしまう場合があった。そこで、発明者らは、特別遊技の演出中に特別遊技による利益を左右するような演出ができれば、特別遊技中の遊技者の興味を長く持続させられるとの結論に至った。
そこで、第2実施例、第3実施例において、図3に示したパターン記憶手段130は、所定の演出ストーリーにしたがって特別遊技が実行中であることを演出的に示す画像を表示させる過程が定められた複数の特別遊技演出パターンを記憶する。この複数の特別遊技演出パターンとしては、操作ボタン82を用いて遊技者の操作入力がなされた場合に演出ストーリーが異なる演出ストーリーに切り替わり得ることを示唆する演出内容である分岐演出を含んだ第1の特別遊技演出パターンを含む。また、複数の特別遊技演出パターンには第1の特別遊技演出パターンとは異なる演出ストーリーにしたがって画像を表示する過程が定められた第2の特別遊技演出パターンを含む。第2実施例として、第2の特別遊技演出パターンは、特別遊技の実行に先立ち決定される単位遊技設定回数が予め定められた上限回数である場合に選択され得る。また第3実施例として、第2の特別遊技演出パターンは、特別遊技の終了後に特定遊技状態に移行する旨が決定されている場合に選択され得る。第1の特別遊技演出パターンによる演出と第2の特別遊技演出パターンによる演出の詳細は後述する。
演出決定手段132は、切替抽選手段200を含む。切替抽選手段200は、操作ボタン82の操作入力によって今まで表示していた演出内容を別の内容に切り替えるときに、その演出内容を複数の種類の中から選択する。演出内容は、例えば操作ボタン82が操作されるタイミングが演出内容ごとの選択確率と対応付けられていてもよい。また、抽選値と演出内容を対応付けておき、操作ボタン82の有効な操作入力がなされたときに抽選値を取得して演出内容を決定してもよい。
演出表示制御手段134は、特別遊技が開始されると、第1の特別遊技演出パターンにしたがった演出画像を演出表示装置60に表示させる。また、第2実施例では演出表示制御手段134は、第1の特別遊技演出パターンによる演出における有効期間内に遊技者が操作ボタン82の操作入力をした場合で、そのときの単位遊技設定回数が上限回数、例えば15Rであることを条件に第2の特別遊技演出パターンによる演出に切り替える。また、第3実施例では演出表示制御手段134は、第1の特別遊技演出パターンによる演出における有効期間内に遊技者が操作ボタン82の操作入力をした場合で、特別遊技の終了後に特定遊技状態に移行する旨が決定されていることを条件に第2の特別遊技演出パターンによる演出に切り替える。つまり、第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の表示を第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の表示に切り替える。有効期間とは、遊技者が操作ボタン82を操作入力した場合に、その操作入力が有効となり、特別遊技演出の演出内容の切り替えを許可する期間である。切替抽選は、表示中の第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーを演出ストーリーが異なる第2の特別遊技演出パターンに切り替えるとき、切り替える演出内容を選択するための抽選である。以下、第2実施例と第3実施例を詳細に説明する。
第2実施例.
図21は、特別遊技中に使用する特別遊技演出パターンを詳細に示す図である。第2実施例では、特別遊技を構成する単位遊技が15Rまで継続することを条件に第2の特別遊技演出パターンを用いた演出に切り替える。
特別遊技演出パターンは、パターン記憶手段130に記憶されている。ここでは、8R大当りの場合と15R大当りの場合に使用される特別遊技演出パターンについて説明する。例えば遊技機の仕様として特別遊技を構成する単位遊技の継続回数が複数種類設定されていることが、遊技機の仕様表等により紹介されている場合、遊技者は特別遊技が実行される場合に単位遊技が何回継続するかに興味を持ちやすい。そこで、第2実施例は特別遊技中に当該特別遊技の実行中であることを示す演出の途中で、それまでのストーリーとは別のストーリーに演出を切り替えることで継続回数の報知を実行すると共に、演出に意外性を持たせている。また、そのストーリーの切り替えの契機となる操作を遊技者が行えるようにすることで特別遊技が大入賞口66へ入球させる遊技だけでなく、特別遊技中に他の操作を要求するようにすることで遊技者に遊技参加を促す遊技者参加型の遊技機が構成できる。なお、本実施例の場合、大当りの種類として2R大当りがあるが、2R大当りの場合は1回の単位遊技における大入賞口66の開放時間が約0.5秒間なので、第1の特別遊技演出パターンから第2の特別遊技演出パターンの演出に切り替える演出は行わない。ただし、2R大当りによる特別遊技の遊技時間が第1の特別遊技演出パターンから第2の特別遊技演出パターンの演出に切り替えて演出を実行するのに十分な時間の場合、上述した実施例と同様に切り替え演出を行ってもよい。
上述したように、第2実施例の場合、8Rを超えて単位遊技が15Rまで継続されるかが遊技者の興味の対象になるので、8Rまでに単位遊技の継続回数の報知を実行することが好ましい。なお、遊技者が報知を受けるチャンスは1回でもよいが、複数回報知を受けるチャンスを設けることにより、遊技者の遊技内容の選択肢が増やせて遊技性が向上できる。本実施例では、遊技者の操作により報知を受けるチャンスが3回ある場合を説明する。
ところで、単位遊技は、大入賞口66の開放が約30秒間続いた後、または10球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。つまり、単位遊技ごとの遊技時間は、30秒の場合もあれば、10球以上の落入により30秒より短い場合もある。したがって、3回の報知チャンスを確実に設定するためには、有効期間を第1の特別遊技演出パターンにおいてどのタイミングに設定するかが重要である。遊技者は大入賞口66に入球させようとする場合、通常発射ハンドル17を手で固定して発射位置を安定させる。したがって、大入賞口66に遊技球が10球以上落入するための平均的な時間は予め試験等により得ることができる。そこで、演出表示制御手段134は、第1の特別遊技演出パターンによる演出が開始されてからの経過時間をタイマによって計測しておく。そして、第1の特別遊技演出パターンの経過時間軸上で、例えば2R実行中と見なせる経過時間に対応する位置に第1の有効期間を設定する。また、4R実行中、6R実行中と見なせる経過時間に対応する位置に第2、第3の有効期間を設定するようにしてもよい。また、別の例では、特別遊技制御手段120からの単位遊技の実行ラウンド数の情報を取得して、例えば2R、4R、6R等の実行中に有効期間を設定するようにしてもよい。また、有効期間の設定は2つのラウンドを跨いで設定されてもよい。図21の例では、第1の特別遊技演出パターンの経過時間軸上で、例えば2R、4R、6Rの実行中と見なせる経過時間に対応する位置に第1、第2、第3の有効期間を設定した例を説明する。
図21において、特別遊技中の基本的な演出パターンである「第1の特別遊技演出パターン」に対応する「第1の特別遊技演出」が開始される時刻を時刻t0とする。第1の特別遊技演出パターンは、8R用と15R用が準備される。「第1の特別遊技演出」の演出内容は8R用と15R用とで実質的に同じ内容にしておくことが望ましい。15R用の特別遊技演出パターンにおいては、第2の特別遊技演出パターンによる演出に切り替わる「分岐1」〜「分岐3」が準備されている。
まず、15R用の特別遊技演出パターンを説明する。15R用の特別遊技演出パターンには、第1の有効期間が例えば2Rが実行中であると見なせる時刻t1〜t2に設けられている。15R用の特別遊技演出パターンは、時刻t3において第1の分岐演出を含む。分岐演出は、遊技者が操作ボタン82を操作入力した場合に、演出ストーリーが異なる演出ストーリーに切り替わり得ることを示唆する演出内容である。また、時刻t3には「第1の特別遊技演出」とは演出ストーリーが異なる第2の特別遊技演出パターンで表示される「第2の特別遊技演出」のうちの「分岐1」に演出が切り替わり得る第1の切替ポイントが設けられている。
15R用の特別遊技演出パターンには、さらに、第2の有効期間が例えば4Rが実行中であると見なせる時刻t4〜t5に設けられている。15R用の特別遊技演出パターンは時刻t6において第2の分岐演出を含み、時刻t6には「第1の特別遊技演出」とは演出ストーリーが異なる第2の特別遊技演出パターンで表示される「第2の特別遊技演出」のうちの「分岐2」に演出が切り替わり得る第2の切替ポイントが設けられている。さらに、第3の有効期間が例えば6Rが実行中であると見なせる時刻t7〜t8に設けられている。「第1の特別遊技演出」は、時刻t9において第3の分岐演出を含み、時刻t9には「第1の特別遊技演出」とは演出ストーリーが異なる第2の特別遊技演出パターンで表示される「第2の特別遊技演出」のうちの「分岐3」に演出が切り替わり得る第3の切替ポイントが設けられている。
分岐演出が表示されると、遊技者は以降の演出ストーリーとして、少なくとも2つの異なる演出内容を予想することができる。または、分岐演出以降の演出ストーリーとして、少なくとも2つの異なる演出内容を、遊技者に違和感を与えることなく切替ポイントから続けることができる。演出ストーリーが異なるとは、図23を用いて具体的に説明するように、第1の特別遊技演出パターンの例えば時刻t3以降の演出ストーリーと、第1の特別遊技演出パターンから切り替えられた第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーとが、何らかの点で異なることを遊技者に知覚させる表示であればよい。言い換えれば、第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーと第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーとを一貫性のないストーリー(非一貫性のストーリー)とすることで、遊技者に演出の切り替えを知覚させる。また、第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーを第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーから予測できないストーリー(非予測ストーリー)とすることで、遊技者に演出の切り替えを知覚させる。演出ストーリーが第2の特別遊技演出パターンに切り替えられた場合、遊技者は実際には第1の特別遊技演出パターンの時刻t3以降の演出ストーリーを知ることはできない。そのため、第1の特別遊技演出パターンの時刻t3以降の演出ストーリーは、第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーに比べ、第1の特別遊技演出パターンの時刻t3より前の演出ストーリーと演出ストーリーの連続性がより高いという印象を遊技者に与える演出ストーリーであることが好ましい。つまり、遊技者が第1の特別遊技演出パターンの時刻t3までの演出内容を視た場合に必然的に予想されるような内容を、第1の特別遊技演出パターンは時刻t3以降の演出ストーリーとして含むことが好ましい。これにより、第1の特別遊技演出パターンが第2の特別遊技演出パターンに切り替えられたときに、演出ストーリーが切り替えられたことを遊技者に対してより明確に示唆することができる。その結果、遊技者は単位遊技が最後の15Rまで継続するかもしれないという期待をより高めることができる。また、特別遊技中の演出に対する意外性を高め、遊技に対する興味を持続させやすく飽き難い遊技機にすることができる。また、別の例としては、逆に第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーと第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーとを一貫性のあるストーリーとしてもよい。ただし、この場合、ストーリーに一貫性があるものの、その分岐の位置に応じて示唆する内容が異なるようにすることが望ましい。例えば、一連の演出の内容が遊技者にとって好ましい結果を招く内容であったり、好ましくない結果を招く内容であることを確定的に示したり、示唆するものであってもよい。また、その時点では結果が確定的ではなく次の切替ポイントまで結果が分からないようにする内容でもよい。
また、第1の特別遊技演出パターンである「15R用の特別遊技演出パターン」は、分岐演出を複数有する。パターン記憶手段130は、第2の特別遊技演出パターンとして、複数の分岐演出のそれぞれに対応する複数種類の特別遊技演出パターンを記憶する。分岐演出のそれぞれに対応する有効期間のいずれに遊技者の操作ボタン82の操作入力がなされたかに応じて、演出表示制御手段134は、第1の特別遊技演出パターンを異なる種類の第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった演出内容に切り替えられる。これにより、単位遊技が15Rまで継続されるか否かの結果をいつ知りたいかや特別遊技演出の内容に対する興味の程度に応じて、遊技者は自分自身の操作入力により好みのタイミングで演出内容を変化させ得る。その結果、特別遊技中の演出に対し興味を持たせやすくなる。
さらに、第2の特別遊技演出パターンに対応する第2の特別遊技演出である「分岐1」〜「分岐3」のそれぞれには、ストーリーの結末が異なる3つのバリエーションであるストーリーA、BおよびCが用意され、パターン記憶手段130に記憶されている。なお、同じストーリーが選択される場合でも切替ポイントの位置によりストーリーの終点までの時間値が異なる。このように終点までの時間値が異なる場合でも同じストーリーの内容にするためには、ストーリーの一部をカットして短縮した内容とすることができる。例えば、一連の連続した内容(ストーリー)を納めた画像(または動画)を複数つなぎ合わせたものをストーリーAとした場合に、つなぎ合わせの対象となる画像(または動画)の組み合わせを切替ポイントに応じて、またはその切替ポイントからストーリー終点までの残り時間に応じて異ならせることができる。また、単純に一部の画像(または動画)をカットしてもよい。例えばストーリーの前半部分のみをカットしたり、後半部分のみをカットしたりすることができる。また、ストーリー全体として表現する内容は同一でも切替ポイントの位置に応じて演出自体の内容を全く異なるものにしてもよい。
また、15R用の特別遊技演出パターンには、遊技者の操作ボタン82の操作入力に応じてエフェクト演出が有効となるエフェクト期間が例えば8Rが実行中であると見なせる時刻t10〜t11に設けられている。エフェクト演出については図23を用いて後述する。
一方、パターン記憶手段130は、特別遊技演出パターンとして、単位遊技の設定回数として上限回数より少ない回数が決定されている場合、つまり8R大当りが決定された場合に選択される8R用の特別遊技演出パターンを有する。8R用の特別遊技演出パターンの場合、第1の有効期間が例えば2Rが実行中であると見なせる時刻t1〜t2に設けられている。また、第2の有効期間が例えば4Rが実行中であると見なせる時刻t4〜t5に、第3の有効期間が例えば6Rが実行中であると見なせる時刻t7〜t8に、エフェクト期間が例えば8Rが実行中であると見なせる時刻t10〜t11に設けられている。しかし、15R用の特別遊技演出パターンのように時刻t3の第1の切替ポイント、時刻t6の第2の切替ポイント、時刻t9の第3の切替ポイントは設けられていない。つまり、各有効期間は、遊技者には操作ボタン82の操作入力が受け付けられるように見えるが、実際にはその操作入力によって特別遊技演出パターンが別の特別遊技演出パターンに切り替えられることはない擬似的な有効期間である。これにより、遊技者に少なくとも操作ボタン82の操作入力が行われるまでは、第2の特別遊技演出パターンに切り替わるかもしれないという期待を持たせる演出ができる。この場合、各有効期間およびエフェクト期間において操作ボタン82の操作入力がなされた場合、第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の表示に重ねて当該画像を装飾するオブジェクトを表示するようにしてもよい。この場合、画像を装飾するオブジェクトが15Rまで単位遊技が継続すること確定するものではないが、所定回数単位遊技が継続することを示唆する内容としてもよい。例えば単位遊技が次回1回まで継続することを示唆する「白色」のオブジェクトとしてサブキャラクタを表示させてもよい。また、単位遊技があと3回継続することを示唆する「青色」のサブキャラクタや単位遊技があと5回継続することを示唆する「赤色」のサブキャラクタを表示させてもよい。さらに、第2の特別遊技演出パターンに切り替わる可能性があることを示唆する「金色」のサブキャラクタを表示してもよい。このような画像を装飾するオブジェクトを演出に重ねて表示することにより、単位遊技がまだ継続するかもしれないという期待感を遊技者に与えることが容易になり、特別遊技中の演出に対し遊技者の興味が薄れることを抑制できる。
図22は、切替抽選の切替確率を説明する図である。切替抽選は、15R大当りが確定していることを条件に有効期間中に遊技者が操作ボタン82を操作入力した場合に、切替抽選手段200により実行される。前述したように第1の特別遊技演出パターンは、分岐演出を複数含んでいる。また、パターン記憶手段130は、第2の特別遊技演出パターンとして、第1の特別遊技演出パターンの複数の分岐演出のそれぞれに対応する複数種類の特別遊技演出パターンを記憶している。そして、演出表示制御手段134は、分岐演出のそれぞれに対応する有効期間のいずれに操作ボタン82の操作入力がなされたかに応じて、異なる種類の第2の特別遊技演出パターンを選択してその演出ストーリーにしたがった演出画像の表示に切り替える。
たとえば、図22では、第2の特別遊技演出パターンのうち「ストーリーA」は、通常遊技中に装飾図柄190と共に表示されるキャラクタのみを用いた第2の特別遊技演出を実行する第2の特別遊技演出パターンである。また、「ストーリーB」は、通常遊技中に装飾図柄190と共に表示されるキャラクタを主とするストーリーに装飾図柄190の変動中には登場しないキャラクタを交えた第2の特別遊技演出を実行する第2の特別遊技演出パターンである。「ストーリーC」は、装飾図柄190の変動中には登場しないキャラクタを多数登場させたストーリーの第2の特別遊技演出を実行する第2の特別遊技演出パターンである。図22に示す例の場合、特別遊技が開始されて早い段階で操作ボタン82の操作入力を行った場合、演出内容としては「ストーリーA」が選択されやすくなる。例えば、第1の有効期間である時刻t1〜t2で操作ボタン82の操作入力を行った場合、「ストーリーA」が80%の確率で選択され、「ストーリーB」が15%の確率で選択される。そして、通常遊技では見ることのできないキャラクタが多数登場する「ストーリーC」の選択確率は、5%であり、選択されにくくされている。また、第2の有効期間である時刻t4〜t5で操作ボタン82の操作入力を行った場合、「ストーリーA」が30%の確率で選択され、「ストーリーB」が50%の確率、「ストーリーC」が20%の確率で選択される。つまり、「ストーリーB」が最も選択されやすくなる。一方、6R目の単位遊技の実行中であると見なせる第3の有効期間である時刻t7〜t8で操作ボタン82の操作入力を行った場合、「ストーリーA」が2%の確率で選択され、「ストーリーB」が18%の確率、「ストーリーC」が80%の確率で選択される。つまり、「ストーリーC」が最も選択されやすくなる。このように、少しでも早く単位遊技が15Rまで継続するか否か知りたい遊技者は、早期の段階で操作ボタン82の操作を行いその報知結果を得ることができる。その反面、表示される第2の特別遊技演出パターンの演出内容は装飾図柄190の変動時によく見かけるキャラクタで構成される。この場合、報知取得優先の遊技を遊技者が選択できる。一方、単位遊技が15Rまで継続するか否かの結果の取得を我慢した場合、15Rまで継続するか否かの不安感が生じる反面、表示される第2の特別遊技演出パターンの演出内容は珍しい内容となる。この場合、演出を楽しむことを優先する遊技を遊技者が選択できる。また、操作ボタン82の操作入力のタイミングで異なる演出結果が生じる演出が可能になり、遊技者の操作入力への興味を向上させやすくなる。
また、別の例としては、上述とは逆の傾向になるように設定してもよい。この場合、操作ボタン82の操作を早く行えば行うほど通常は目にしにくいキャラクタを用いた演出が表示される。つまり、遊技者が想像し得る例としてぎりぎりに操作した方が普段とは異なる演出が見られるのではないかというものが考えられるが、前記の例はその心理の逆であり、遊技性のバリエーションを広げることができる。また、上述したような傾向のいずれを設定するかをその都度抽選等により決定してもよい。その場合、演出の傾向性を弱くすることが容易になり遊技機としての面白味が向上できる。また、ストーリーの選択と当否抽選の結果とを関連付けてもよい。例えば15R大当りの場合は、上述したように、操作ボタン82の操作タイミングを早くすればするほどストーリーAが選択されやすくしてもよい。逆に、我慢して操作タイミングを遅くすればするほどストーリーCが選択されやすくしてもよい。一方、15R大当りではない場合、操作ボタン82の操作タイミングを早くすればするほどストーリーCが選択されやすくして、我慢して操作タイミングを遅くすればするほどストーリーAが選択されてしまうようにしてもよい。なお、15R大当りではない場合は、操作ボタン82の操作タイミングに関わりなく所定の確率でストーリーが選択されるようにしてもよい。
図23は、特別遊技演出の表示過程を説明するための図である。なお、ここでは図21に示した「分岐1」〜「分岐3」として、分岐抽選においてストーリーAが選択された場合を例に説明するが、図22に示したように操作ボタン82の操作入力のタイミングによって異なる演出内容が選択されるやすくなり、ストーリーBやストーリーCが表示される場合がある。
当否抽選の結果、15R大当りまたは8R大当りになった場合、特別図柄192、および装飾図柄190の大当り図柄での変動停止後、特別遊技が開始されたことを遊技者に示唆する特別遊技演出パターンによる演出が開始される。特別遊技が開始されるとまず、開始デモ演出が表示される。例えば、演出表示装置60に「大当り」等の表示がなされる。所定時間、開始デモが表示された後、第1の特別遊技演出パターンによる第1の特別遊技演出として、例えば、主人公キャラクタ300が敵キャラクタを捜すシーン404が表示される。続いて、第1の特別遊技演出が開始されてから所定時間経過すると、主人公キャラクタ300が敵キャラクタ302に遭遇する遭遇画面406が表示される。遭遇画面406は、主人公キャラクタ300と敵キャラクタ302との戦闘を示唆する画面である。遭遇画面406の表示中の例えば2Rが実行中であると見なせる第1の有効期間(図21の時刻t1〜t2)において、遊技者の操作ボタン82の操作入力を促す「PUSH」表示が演出表示に重ねて示される。
遊技者が操作ボタン82を操作入力しない場合、図21の時刻t3を経過したタイミングで戦闘画面408を用いた戦闘が開始される。戦闘画面408では、主人公キャラクタ300と敵キャラクタ302の戦闘シーンについての第1の特別遊技演出パターンにしたがって、演出表示が実行される。戦闘画面408の表示中の例えば4Rが実行中であると見なせる第2の有効期間(図21の時刻t4〜t5)において、遊技者の操作ボタン82の操作入力を促す2回目の「PUSH」表示が演出表示に重ねて示される。
遊技者がここでも操作ボタン82を操作入力しない場合、図21の時刻t6を経過したタイミングで戦闘画面410を用いた戦闘が継続される。戦闘画面410では、主人公キャラクタ300と敵キャラクタ302の戦闘シーンについての第1の特別遊技演出パターンにしたがって、演出表示が継続される。戦闘画面410の表示中の例えば6Rが実行中であると見なせる第3の有効期間(図21の時刻t7〜t8)において、遊技者の操作ボタン82の操作入力を促す3回目の「PUSH」表示が演出表示に重ねて示される。
遊技者がここでも操作ボタン82を操作入力しない場合、図21の時刻t9を経過したタイミングで戦闘画面412を用いた戦闘が継続される。戦闘画面412では、主人公キャラクタ300と敵キャラクタ302の戦闘シーンについての第1の特別遊技演出パターンにしたがって、演出表示が継続される。戦闘画面412の表示中の例えば8Rが実行中であると見なせるエフェクト期間(図21の時刻t10〜t11)において、遊技者の操作ボタン82の操作入力を促す4回目の「PUSH」表示が演出表示に重ねて示される。
この4回目の「PUSH」表示は、8Rで単位遊技が終了するか8Rを超えて15Rまで単位遊技が継続するかの分かれ目となる単位遊技中の最後の表示である。つまり複数の「PUSH」表示のうち、8R目が終了する直前の表示である。遊技者が操作ボタン82を操作入力しない場合には、演出表示がそのまま継続される。一方、遊技者が操作ボタン82を操作入力した場合には、エフェクト画像414が表示される。エフェクト画像は、戦闘がクライマックスに近づき間もなく8R目の単位遊技が終了することを示唆するために、演出表示に重ねて表示される画像である。
これにより、8R終了後の単位遊技の継続有無に関し遊技者の期待感を煽ることができる。また、遊技者は8R目の単位遊技がもうすぐ終了し8R目以降の単位遊技の継続有無の結果が示されることを知ることができる。その結果、8R目の特別遊技演出の再生表示が終了するまで、遊技者を特別遊技演出に集中させることができる。エフェクト画像414は、8R目の単位遊技の終了を示唆するだけでなく、その後の単位遊技の継続回数を示唆する内容でもよい。例えば、エフェクト画像414の稲妻の色として「白色」、「青色」、「赤色」、「金色」、「黒色」等を準備しておき、それぞれに継続回数の期待度を対応させてもよい。例えば、「白色」の稲妻は1回の継続可能性を示唆、「青色」の稲妻は3回の継続可能性を示唆、「赤色」の稲妻は5回の継続可能性を示唆、「金色」の稲妻は15Rまで継続する可能性があることを示唆、「黒色」の稲妻は継続回数不明を示唆するように対応付けてもよい。このようなエフェクト画像を表示することにより、仮に15R大当りで、各有効期間内に操作ボタン82の操作入力を行わなかったとしても、単位遊技の継続を示唆する演出ができる。また、8R大当りの場合でも、エフェクト画像の表示によって、8R目の単位遊技が終了するまで、単位遊技継続の期待を遊技者に持たせやすくなり、演出内容に興味を持たせ続けやすくなる。
なお、8R大当りの場合に第1〜第3の有効期間、またはエフェクト期間のいずれかで操作ボタン82の操作入力が行われた場合に、いずれかのエフェクト画像414を表示するようにすれば、どこまで単位遊技が継続するかは定かではないが、単位遊技の継続が期待できる演出を実行することができる。
そして、各有効期間またはエフェクト期間における遊技者の操作入力の有無にかかわらず、8R大当りである場合には、主人公キャラクタ300が敵キャラクタ302との戦闘に負けたことを示唆する敗北画面416にて演出が終了し、併せて特別遊技も終了する。一方、15R大当りである場合には、主人公キャラクタ300が敵キャラクタ302との戦闘に勝ったことを示唆する勝利画面418にて演出が一旦終了し、さらに戦闘シーンを示す特別遊技演出画像が表示され、9R以降の単位遊技が実行される。
このように、8R大当りの場合は、遊技者が操作ボタン82を操作入力しない場合または遊技者が操作ボタン82を操作入力した場合のいずれの場合も、最終的には戦闘画面による戦闘の結果として主人公キャラクタ300が負けるシーンが表示される。一方、15R大当りの場合は、遊技者が操作ボタン82を操作入力しない場合または遊技者がエフェクト期間で操作ボタン82を操作入力した場合のいずれの場合も、最終的には戦闘画面による戦闘の結果として主人公キャラクタ300が勝つシーンが表示される。
特別遊技が15R大当りである場合、第1の有効期間〜第3の有効期間のいずれかにおいて遊技者が操作ボタン82を操作入力した場合、表示中の演出表示は演出ストーリーの異なる演出表示に切り替わる。
具体的には、戦闘画面408、戦闘画面410、または戦闘画面412に代えて、それぞれ「分岐1」「分岐2」、「分岐3」のストーリーAに含まれる和解画面420を含む演出表示が実行される。和解画面420は、主人公キャラクタ300と敵キャラクタ302とが闘いを止めて仲直りしたことを示唆する画面である。次に、友情画面422が表示される。友情画面422は、主人公キャラクタ300と敵キャラクタ302とが夕日に向かって肩を組んだ状態を示す画面であり、例えば、この時点で単位遊技が15Rまで継続するメッセージが提供される。その後、主人公キャラクタ300と敵キャラクタ302が協力して平和のために働いていくシーン等が15R目の単位遊技が終了するまで表示される。
以上、「分岐1」〜「分岐3」のストーリーAを用いて、切り替え後の演出表示が切り替え前の戦闘に基づく演出表示とはストーリー性が異なる演出表示である例を示した。このような態様によれば、遊技者は演出が切り替わったことにより単位遊技が15Rまで継続することを確信することができる。また、遊技者は単位遊技が15Rまで継続するか否かの報知を自分の好みのタイミングで得ることができる。さらに、その演出内容が報知を受けるタイミングによって変化するので、報知の取得と演出内容の選択とを遊技者の好みにより決定できるという面白みのある遊技機が提供できる。
このように、「分岐1」〜「分岐3」のストーリーA〜Cを図22の切替確率で切り替えることにより、遊技者の操作入力の有無に応じて演出表示を多様化させることができる。そのため、遊技時間の長い特別遊技中の演出表示であっても、遊技者の遊技に対する集中力を維持させやすくなる。
なお、第1の特別遊技演出パターンにおいて、切替ポイントは1回以上設けられればよく、3回には限られない。また、第2の特別遊技演出パターンのストーリーも1つ以上設けられればよく、3つには限られない。また、第1の特別遊技演出パターンにエフェクト期間が設けられず、エフェクト画像414を用いた表示がされなくてもよい。
また、上述の例では、単位遊技設定回数が予め定められた上限回数であることを条件に(15R大当りであることを条件に)、第2の特別遊技演出パターンを用いた演出に切り替える例を説明した。別の実施例においては、特別遊技において予定される大入賞口66の総開放時間が予め定められた開放時間であることを条件に第2の特別遊技演出パターンを用いた演出に切り替えてもよい。例えば、大入賞口66の開放パターンの例として、30秒間開放する長時間開放を8回、その後0.5秒間開放する超短時間開放を7回行うような場合がある。つまり、開閉回数としては15回となる。しかし、この場合は、実質的に遊技球が大入賞口66に入球できるのは長時間開放の8回になるので、第2の特別遊技演出パターンを用いた演出に切り替える条件を満たしていないとしてもよい。また、別の実施例においては、特別遊技において予定される大入賞口66の開放により遊技者が受ける利益状態が所定値となることを条件に第2の特別遊技演出パターンを用いた演出に切り替えてもよい。例えば、30秒間開放する長時間開放を10回、50秒間開放する超長時間開放を3回行うような場合がある。この場合、総開放時間は450秒であり、実質的に30秒の長時間開放を15回実行して総開放時間は450秒とした場合と同じ利益を遊技者が受けられるので、第2の特別遊技演出パターンを用いた演出に切り替える条件を満たしているとしてもよい。
第3実施例.
上述の第2実施例においては、特別遊技中の単位遊技の継続回数が15Rまで継続するか否か、すなわち、予測される特別遊技の利益を最大限得られるか否かの報知を特別遊技中の演出を途中で別のストーリーの演出に切り替えることで実施する例を示した。第3実施例においては、特別遊技の終了後に特定遊技に移行するか否かの報知を特別遊技中の演出を途中で別のストーリーの演出に切り替えることで実施する例を説明する。
前述したように、特定遊技状態は、特別遊技を実行する旨が決定された場合であって、特別遊技の終了後にあらたに特別遊技を獲得する容易性が通常状態より有利となる状態である。特定遊技実行手段122は、特定遊技状態に移行させる所定の移行条件が成立している場合、所定の終了条件が満たされるまで特定遊技状態に移行させる。特定遊技状態は、確変状態、時短状態、および入球容易状態の少なくとも1つを含む。また、所定の移行条件とは、例えば特別遊技に移行したときの特別図柄192に応じて異なる。本実施例の場合、例えば特別図柄192が「7」、「1」、「9」の場合、確変状態、時短状態、および入球容易状態になる。また、特別図柄192が「3」、「5」の場合、時短状態、および入球容易状態になる。なお、以下に示す例では、特別遊技後に特定遊技として「確変」が付与されるか否かを報知する場合を説明する。
パターン記憶手段130は、所定の演出ストーリーにしたがって特別遊技が実行中であることを演出的に示す画像を再生表示させる過程が定められた複数の特別遊技演出パターンを記憶する。パターン記憶手段130は、複数の特別遊技演出パターンとして、操作ボタン82による遊技者の操作入力がなされた場合に演出ストーリーが異なる演出ストーリーに切り替わり得ることを示唆する演出内容である分岐演出を含んだ第1の特別遊技演出パターンを含む。また、第1の特別遊技演出パターンとは異なる演出ストーリーにしたがって画像を表示する過程が定められ、特別遊技の終了後に特定遊技状態に移行する旨が決定されている場合に選択され得る第2の特別遊技演出パターンを含む。
演出表示制御手段134は、第1の特別遊技演出パターンにしたがって画像を表示させる所定期間に操作入力がされた場合に、特定遊技状態に移行することが決定されていることを条件に第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の再生表示を第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の表示に切り替える。
例えば遊技機の仕様として特別遊技終了後に特定遊技が実行される場合と非実行となる場合があることが、遊技機の仕様表等により紹介されている場合、遊技者は特別遊技が実行される場合に特定遊技が実行されるか否かに興味を持ちやすい。そこで、第3実施例は特別遊技中に当該特別遊技の実行中であることを示す演出の途中で、それまでのストーリーとは別のストーリーに演出を切り替えることで特定遊技の実行または非実行の報知を実行すると共に、演出に意外性を持たせている。また、そのストーリーの切り替えの契機となる操作を遊技者が行えるようにすることで特別遊技が大入賞口66へ入球させる遊技だけでなく、特別遊技中に他の操作を要求するようにすることで遊技者に遊技参加を促す遊技者参加型の遊技機が構成できる。なお、本実施例の場合大当りの種類として2R大当りがあるが、2R大当りの場合は1回の単位遊技における大入賞口66の開放時間が約0.5秒間なので、第1の特別遊技演出パターンから第2の特別遊技演出パターンの演出に切り替える演出は行わない。ただし、2R大当りによる特別遊技の遊技時間が第1の特別遊技演出パターンから第2の特別遊技演出パターンの演出に切り替えて演出を実行するのに十分な時間の場合、そのような切り替え演出を行ってもよい。
前述した第2実施例の場合、8Rを超えて単位遊技が15Rまで継続されるかが遊技者の興味の対象になるので、8Rまでに単位遊技の継続回数の報知を実行することが好ましかった。一方、第3実施例の場合、特別遊技は特別遊技の終了後に実行されるので、特定遊技が実行されるか否かの報知は特定遊技が終了するまでに実行されればよい。例えば、15R大当りの場合は、15Rが終了するまでに報知されればよい。また、8R大当りの場合は、8Rが終了するまでに報知されればよい。なお、遊技者が報知を受けるチャンスは1回でもよいが、複数回報知を受けるチャンスを設けることにより、遊技者の遊技内容の選択肢が増やせて遊技性が向上できる。本実施例では、遊技者の操作により報知を受けるチャンスが3回ある場合を説明する。別の実施例においては、報知の回数を特別遊技の開始ごとに選択できるようにしてもよい。例えば、特別遊技が開始される際に表示される開始デモの間に、操作ボタン82を用いて遊技者に指定させたり、報知回数を決定する回数抽選によって決定してもよい。
ところで、単位遊技は、大入賞口66の開放が約30秒間続いた後、または10球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。つまり、単位遊技ごとの遊技時間は、30秒の場合もあれば、10球以上の落入により30秒より短い場合もある。したがって、3回の報知チャンスを確実に設定するためには、有効期間を第1の特別遊技演出パターンにおいてどのタイミングに設定するかが重要である。遊技者は大入賞口66に入球させようとする場合、通常発射ハンドル17を手で固定して発射位置を安定させる。したがって、大入賞口66に遊技球が10球以上落入するための平均的な時間は予め試験等により得ることができる。そこで、演出表示制御手段134は、第1の特別遊技演出パターンによる演出が開始されてからの経過時間をタイマによって計測しておく。そして、第1の特別遊技演出パターンの経過時間軸上で、例えば2R実行中と見なせる経過時間に対応する位置に第1の有効期間を設定する。また、4R実行中、6R実行中と見なせる経過時間に対応する位置に第2、第3の有効期間を設定するようにしてもよい。また、別の例では、特別遊技制御手段120からの単位遊技の実行ラウンド数の情報を取得して、例えば2R、4R、6R等の実行中に有効期間を設定するようにしてもよい。また、有効期間の設定は2つのラウンドを跨いで設定されてもよい。特別遊技中に使用する特別遊技演出パターンの具体的な例を図24に示す。この例では、「15R非確変確定用の特別遊技演出パターン」と「15R確変確定用の特別遊技演出パターン」の例を示す。
図24において、特別遊技中の基本的な演出パターンである「第1の特別遊技演出パターン」に対応する「第1の特別遊技演出」が開始される時刻を時刻t0とする。第1の特別遊技演出パターンの「第1の特別遊技演出」の演出内容は非確変確定用と確変確定用とで実質的に同じ内容にしておくことが望ましい。確変確定用の特別遊技演出パターンにおいては、第2の特別遊技演出パターンによる演出に切り替わる「分岐1」〜「分岐3」が準備されている。
まず、確変確定用の特別遊技演出パターンを説明する。確変確定用の特別遊技演出パターンには、第1の有効期間が例えば2Rが実行中であると見なせる時刻t1〜t2に設けられている。確変確定用の特別遊技演出パターンは、時刻t3において第1の分岐演出を含む。分岐演出は、遊技者が操作ボタン82を操作入力した場合に、演出ストーリーが異なる演出ストーリーに切り替わり得ることを示唆する演出内容である。また、時刻t3には「第1の特別遊技演出」とは演出ストーリーが異なる第2の特別遊技演出パターンで表示される「第2の特別遊技演出」のうちの「分岐1」に演出が切り替わり得る第1の切替ポイントが設けられている。
確変確定用の特別遊技演出パターンには、さらに、第2の有効期間が例えば4Rが実行中であると見なせる時刻t4〜t5に設けられている。確変確定用の特別遊技演出パターンは時刻t6において第2の分岐演出を含み、時刻t6には「第1の特別遊技演出」とは演出ストーリーが異なる第2の特別遊技演出パターンで表示される「第2の特別遊技演出」のうちの「分岐2」に演出が切り替わり得る第2の切替ポイントが設けられている。さらに、第3の有効期間が例えば6Rが実行中であると見なせる時刻t7〜t8に設けられている。「第1の特別遊技演出」は、時刻t9において第3の分岐演出を含み、時刻t9には「第1の特別遊技演出」とは演出ストーリーが異なる第2の特別遊技演出パターンで表示される「第2の特別遊技演出」のうちの「分岐3」に演出が切り替わり得る第3の切替ポイントが設けられている。
分岐演出が表示されると、遊技者は以降の演出ストーリーとして、少なくとも2つの異なる演出内容を予想することができる。または、分岐演出以降の演出ストーリーとして、少なくとも2つの異なる演出内容を、遊技者に違和感を与えることなく切替ポイントから続けることができる。演出ストーリーが異なるとは、第1の特別遊技演出パターンの例えば時刻t3以降の演出ストーリーと、第1の特別遊技演出パターンから切り替えられた第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーとが、何らかの点で異なることを遊技者に知覚させる表示であればよい。言い換えれば、第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーと第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーとを一貫性のないストーリー(非一貫性のストーリー)とすることで、遊技者に演出の切り替えを知覚させる。また、第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーを第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーから予測できないストーリー(非予測ストーリー)とすることで、遊技者に演出の切り替えを知覚させる。演出ストーリーが第2の特別遊技演出パターンに切り替えられた場合、遊技者は実際には第1の特別遊技演出パターンの時刻t3以降の演出ストーリーを知ることはできない。そのため、第1の特別遊技演出パターンの時刻t3以降の演出ストーリーは、第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーに比べ、第1の特別遊技演出パターンの時刻t3より前の演出ストーリーと演出ストーリーの連続性がより高いという印象を遊技者に与える演出ストーリーであることが好ましい。つまり、遊技者が第1の特別遊技演出パターンの時刻t3までの演出内容を視た場合に必然的に予想されるような内容を、第1の特別遊技演出パターンは時刻t3以降の演出ストーリーとして含むことが好ましい。これにより、第1の特別遊技演出パターンが第2の特別遊技演出パターンに切り替えられたときに、演出ストーリーが切り替えられたことを遊技者に対してより明確に示唆することができる。その結果、遊技者は確変確定であることを確信しやすくなる。また、特別遊技中の演出に対する意外性を高め、遊技に対する興味を持続させやすく飽き難い遊技機にすることができる。また、別の例としては、逆に第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーと第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーとを一貫性のあるストーリーとしてもよい。ただし、この場合、ストーリーに一貫性があるものの、その分岐の位置に応じて示唆する内容が異なるようにすることが望ましい。例えば、一連の演出の内容が遊技者にとって好ましい結果を招く内容であったり、好ましくない結果を招く内容であること確定的に示したり、示唆するものであってもよい。また、その時点では結果が確定的ではなく次の切替ポイントまで結果が分からないようにする内容でもよい。
また、第3実施例に第1の特別遊技演出パターンである「確変確定用の特別遊技演出パターン」は、分岐演出を複数有する。パターン記憶手段130は、第2の特別遊技演出パターンとして、複数の分岐演出のそれぞれに対応する複数種類の特別遊技演出パターンを記憶する。分岐演出のそれぞれに対応する有効期間のいずれに遊技者の操作ボタン82の操作入力がなされたかに応じて、演出表示制御手段134は、第1の特別遊技演出パターンを異なる種類の第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった演出内容に切り替えられる。これにより、確変確定であるか否かの結果をいつ知りたいかや特別遊技演出の内容に対する興味の程度に応じて、遊技者は自分自身の操作入力により好みのタイミングで演出内容を変化させ得る。その結果、特別遊技中の演出に対し興味を持たせやすくなる。
さらに、第2の特別遊技演出パターンに対応する第2の特別遊技演出である「分岐1」〜「分岐3」のそれぞれには、ストーリーの結末が異なる3つのバリエーションであるストーリーA、BおよびCが用意され、パターン記憶手段130に記憶されている。なお、同じストーリーが選択される場合でも切替ポイントの位置によりストーリーの終点までの時間値が異なる。このように終点までの時間値が異なる場合でも同じストーリーの内容にするためには、ストーリーの一部をカットして短縮した内容とすることができる。例えば、一連の連続した内容(ストーリー)を納めた画像(または動画)を複数つなぎ合わせたものをストーリーAとした場合に、つなぎ合わせの対象となる画像(または動画)の組み合わせを切替ポイントに応じて、またはその切替ポイントからストーリー終点までの残り時間に応じて異ならせることができる。また、単純に一部の画像(または動画)をカットしてもよい。例えばストーリーの前半部分のみをカットしたり、後半部分のみをカットしたりすることができる。また、ストーリー全体として表現する内容は同一でも切替ポイントの位置に応じて演出自体の内容を全く異なるものにしてもよい。
また、確変確定用の特別遊技演出パターンには、遊技者の操作ボタン82の操作入力に応じてエフェクト演出が有効となるエフェクト期間が例えば8Rが実行中であると見なせる時刻t10〜t11に設けられている。この場合のエフェクト演出については図23の例と同じである。
一方、パターン記憶手段130は、特別遊技演出パターンとして、特定遊技が非実行となる場合、本実施例では非確変確定の場合に選択される非確変確定用の特別遊技演出パターンを有する。非確変確定用の特別遊技演出パターンの場合、第1の有効期間が例えば2Rが実行中であると見なせる時刻t1〜t2に設けられている。また、第2の有効期間が例えば4Rが実行中であると見なせる時刻t4〜t5に、第3の有効期間が例えば6Rが実行中であると見なせる時刻t7〜t8に、エフェクト期間が例えば8Rが実行中であると見なせる時刻t10〜t11に設けられている。しかし、確変確定用の特別遊技演出パターンのように時刻t3の第1の切替ポイント、時刻t6の第2の切替ポイント、時刻t9の第3の切替ポイントは設けられていない。つまり、各有効期間は、遊技者には操作ボタン82の操作入力が受け付けられるように見えるが、実際にはその操作入力によって特別遊技演出パターンが別の特別遊技演出パターンに切り替えられることはない擬似的な有効期間である。これにより、遊技者に少なくとも操作ボタン82の操作入力が行われるまでは、第2の特別遊技演出パターンに切り替わるかもしれないという期待を持たせる演出ができる。この場合、各有効期間およびエフェクト期間において操作ボタン82の操作入力がなされた場合、第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の表示に重ねて当該画像を装飾するオブジェクトを表示するようにしてもよい。この場合、画像を装飾するオブジェクトが、確変に移行するかもしれないことを示唆する内容としてもよい。例えばオブジェクトとしてのサブキャラクタを複数準備しておき、そのサブキャラクタによって確変移行の期待度を表現するようにしてもよい。このような画像を装飾するオブジェクトを演出に重ねて表示することにより、確変になるかもしれないという期待感を遊技者に与えることが容易になり、特別遊技中の演出に対し遊技者の興味が薄れることを抑制できる。
なお、第3実施例においても演出表示制御手段134は、分岐演出のそれぞれに対応する有効期間のいずれに操作ボタン82の操作入力がなされたかに応じて、異なる種類の第2の特別遊技演出パターンを選択してその演出ストーリーにしたがった演出画像の表示に切り替える。具体的な例は第2実施例の図22と同様であり、その説明は省略する。第3実施例の場合も、少しでも早く確変確定か否か知りたい遊技者は、早期の段階で操作ボタン82の操作を行いその報知結果を得ることができる。その反面、表示される第2の特別遊技演出パターンの演出内容は装飾図柄190の変動時によく見かけるキャラクタで構成される。この場合、報知取得優先の遊技を遊技者が選択できる。一方、確変確定か否かの結果の取得を我慢した場合、特別遊技は終了するまで確変が確定するか否かの不安感が生じる反面、表示される第2の特別遊技演出パターンの演出内容は珍しい内容となる。この場合、演出を楽しむことを優先する遊技を遊技者が選択できる。また、操作ボタン82の操作入力のタイミングで異なる演出結果が生じる演出が可能になり、遊技者の操作入力への興味を向上させやすくなる。
また、別の例としては、上述とは逆の傾向になるように設定してもよい。この場合、操作ボタン82の操作を早く行えば行うほど通常は目にしにくいキャラクタを用いた演出が表示される。つまり、遊技者が想像し得る例としてぎりぎりに操作した方が普段とは異なる演出が見られるのではないかというものが考えられるが、前記の例はその心理の逆であり、遊技性のバリエーションを広げることができる。また、上述したような傾向のいずれを設定するかをその都度抽選等により決定してもよい。その場合、演出の傾向性を弱くすることが容易になり遊技機としての面白味が向上できる。また、ストーリーの選択と当否抽選の結果とを関連付けてもよい。例えば確変大当りの場合は、上述したように、操作ボタン82の操作タイミングを早くすればするほどストーリーAが選択されやすくしてもよい。逆に、我慢して操作タイミングを遅くすればするほどストーリーCが選択されやすくしてもよい。一方、確変大当りではない場合、操作ボタン82の操作タイミングを早くすればするほどストーリーCが選択されやすくして、我慢して操作タイミングを遅くすればするほどストーリーAが選択されてしまうようにしてもよい。なお、確変大当りではない場合は、操作ボタン82の操作タイミングに関わりなく所定の確率でストーリーが選択されるようにしてもよい。
特別遊技演出の表示過程は、第2実施例の図23で説明したものと同様であり、詳細な説明は省略する。第3実施例の場合、非確変確定の場合、主人公キャラクタ300が敵キャラクタ302との戦闘に負けたことを示唆する敗北画面416が表示され、特別遊技が終了するまで敵キャラクタ302を主人公とする演出画像が表示される。一方、確変確定の場合で、いずれかの有効期間内に操作ボタン82の操作入力が行われなかった場合やエフェクト期間で操作入力が行われた場合、主人公キャラクタ300が敵キャラクタ302との戦闘に勝ったことを示唆する勝利画面418が表示され、特別遊技が終了するまで主人公キャラクタ300の演出画像が表示される。また、確変確定の場合で、いずれかの有効期間内に操作ボタン82の操作入力が行われた場合、表示中の演出表示は演出ストーリーの異なる演出表示に切り替わる。そして、和解画面420、友情画面422が表示されて、確変確定が遊技者に通知される。
図25は、第2実施例における特別遊技制御処理(第1実施例における図11のS16)を詳細に示すフローチャートである。なお、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートは第1実施例で示す内容と同じであり、その説明は省略する。
当否抽選の結果が大当りであった場合(S1090のY)、すでに特別遊技が開始済みであれば(S1092のY)、特別遊技中の演出内容を切り替える処理である特別遊技分岐処理を実行する(S1093)。そして、大入賞口66が開放済でなければ(S1098のN)、大入賞口66の開放処理を実行する(S1100)。大入賞口66が開放済みであれば(S1098のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S1102)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S1104のY)、S1106へ移行する。閉鎖状態でなければ(S1104のN)、S1106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S1092において特別遊技が開始済みでない場合は(S1092のN)、特別遊技を開始して(S1094)、その開始デモ演出の表示を開始し(S1096)、本処理を一旦終了する。開始デモは、例えば「大当り、大入賞口を狙え!」等のメッセージを表示する演出とすることができる。
S1106においては、特別遊技演出が実行中であるか否かを判定する。特別遊技演出中でなければ(S1106のN)、後述する終了フラグを参照して特別遊技終了条件が満たされるか否かを判定し(S1110)、特別遊技終了条件が満たされていれば(S1110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S1112)、終了デモ演出の表示を開始する(S1114)。終了デモは、特別遊技の終了を明確に遊技者に伝えられる内容が好ましく、例えば「大当り終了、次の大当りを狙え!」等のメッセージを表示する演出とすることができる。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S1110のN)、本処理を一旦終了する。S1106にて特別遊技演出中であると判定され(S1106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S1116のY)、特別遊技を終了し(S1118)、特定遊技処理を実行する(S1120)。すなわち、大当りが特別遊技終了後に確変、時短、入球容易状態等を伴う当りであった場合、設定された特定遊技を開始する。終了デモ演出が終了していない場合は(S1116のN)、S1118およびS1120の処理をスキップする。大当りでない場合は(S1090のN)、本図のS1092以降のフローをスキップする。
図26は、図25におけるS1093の特別遊技分岐処理を詳細に示すフローチャートである。特別遊技が開始済みであり、第1の特別遊技演出が実行済みでない場合(S1200のN)、第1の特別遊技演出パターンによる第1の特別遊技演出を開始する(S1202)。すでに、第1の特別遊技演出が実行済みの場合(S1200のY)、S1202の処理をスキップする。遊技者が操作ボタン82を操作入力し(S1204のY)、その操作が有効期間内であり(S1206のY)、特別遊技が15R大当りであれば(S1208のY)、演出表示制御手段134の切替抽選手段200は、操作ボタン82の操作入力のタイミングに応じた第2の特別遊技演出パターンを選択する演出選択処理を実行する(S1210)。その後、演出表示制御手段134は、第1の特別遊技演出パターンによる演出からS1210で選択された第2の特別遊技演出パターンによる演出に演出内容を切替える第2の特別遊技演出処理を実行して(S1212)このフローを終了する。
S1208において、15R大当りではない場合、すなわち8R大当りの場合(S1208のN)、エフェクト処理を実行する(S1214)。エフェクト画像を表示することで、まだ単位遊技が継続するかもしれないということを遊技者に印象付けられ、8Rが終了するまで遊技者に期待感を持たせ、演出への興味を持続させやすくなる。S1204において、遊技者が操作ボタン82を操作入力しない場合(S1204のN)、または、操作ボタン82が操作されたが、有効期間中ではなかった場合(S1206のN)、演出表示制御手段134は、タイマによって計測された経過時間に基づいて、第3の有効期間(時刻t8)が経過したかどうかを判断する(S1216)。第3の有効期間が経過していない場合には(S1216のN)、このフローを一旦終了する。第3の有効期間が経過している場合には(S1216のY)、遊技者が操作ボタン82を操作入力し(S1218のY)、その操作入力が有効期間内であれば(S1220のY)、エフェクト処理を実行する(S1214)。遊技者が操作ボタン82を操作入力しない場合(S1218のN)、遊技者が操作ボタン82を操作入力したがその操作入力が有効期間内でない場合には(S1220のN)、演出表示制御手段134はエフェクト処理を行わずにこのフローを終了する。
図27は、第3実施例の特徴を説明するフローチャートであり、第2実施例の図25におけるS1093の特別遊技分岐処理の代わりに実行されるフローである。特別遊技が開始済みであり、第1の特別遊技演出が実行済みでない場合(S1300のN)、第1の特別遊技演出パターンによる第1の特別遊技演出を開始する(S1302)。すでに、第1の特別遊技演出が実行済みの場合(S1300のY)、S1302の処理をスキップする。遊技者が操作ボタン82を操作入力し(S1304のY)、その操作が有効期間内であり(S1306のY)、特別遊技が確変確定であれば(S1308のY)、演出表示制御手段134の切替抽選手段200は、操作ボタン82の操作入力のタイミングに応じた第2の特別遊技演出パターンを選択する演出選択処理を実行する(S1310)。その後、演出表示制御手段134は、第1の特別遊技演出パターンによる演出からS1310で選択された第2の特別遊技演出パターンによる演出に演出内容を切替える第2の特別遊技演出処理を実行して(S1312)このフローを終了する。
S1308において、確変確定ではない場合、すなわち非確変確定の場合(S1308のN)、エフェクト処理を実行する(S1314)。エフェクト画像を表示することで、まだ確変になるかもしれないということを遊技者に印象付けられ、特別遊技が終了するまで遊技者に期待感を持たせ、演出への興味を持続させやすくなる。S1304において、遊技者が操作ボタン82を操作入力しない場合(S1304のN)、または、操作ボタン82が操作されたが、有効期間中ではなかった場合(S1306のN)、演出表示制御手段134は、タイマによって計測された経過時間に基づいて、第3の有効期間(時刻t8)が経過したかどうかを判断する(S1316)。第3の有効期間が経過していない場合には(S1316のN)、このフローを一旦終了する。第3の有効期間が経過している場合には(S1316のY)、遊技者が操作ボタン82を操作入力し(S1318のY)、その操作入力が有効期間内であれば(S1320のY)、エフェクト処理を実行する(S1314)。遊技者が操作ボタン82を操作入力しない場合(S1318のN)、遊技者が操作ボタン82を操作入力したがその操作入力が有効期間内でない場合には(S1320のN)、演出表示制御手段134はエフェクト処理を行わずにこのフローを終了する。このような特別遊技分岐処理を実行することで、確変確定か否かの報知を特別遊技の演出中に実行することができる。
上述の第2,第3実施例では、単位遊技の継続回数の報知と確変確定の報知のいずれか一方を実行する例を示したが、両方の報知を実行するようにしてもよい。例えば、確変付きの15大当りが確定している場合、最初に操作ボタン82の操作入力が有効となった場合に、第1の特別遊技演出パターンによる演出ストーリーから第2の特別遊技演出パターンによる演出ストーリーに切り替えて15R大当りであることを報知する。その後、さらに、操作ボタン82の操作入力が有効となった場合に、第2の特別遊技演出パターンによる演出ストーリーを別の演出ストーリーに切り替えて確変確定であることを報知する。報知の順番は逆でもよい。このような複合的な報知を実行することにより、特定遊技中の遊技者参加性がさらに向上し遊技性の高い遊技機が提供できる。また、遊技者が、どの報知を受けるかを選択できるようにしてもよい。その場合、例えば、操作ボタン82の操作入力のときに、報知の内容を選択できるようにしてもよい。この場合、遊技者の遊技選択性が向上できて遊技者の好みに合った遊技機が提供できる。さらに、第1実施例と第2実施例または第3実施例の少なくとも一方とを組み合わせてもよい。この場合、通常遊技中の演出および特別遊技中の遊技者参加を促すことが可能になり、遊技性が向上し遊技全体の面白味が向上できる。
第4実施例.
上述した第2実施例では、特別遊技中に特別遊技用の演出内容を遊技者による操作ボタン82の操作を契機に変化させて、単位遊技の継続回数を示唆することで特別遊技に対する興味が薄れることを抑制した。ところで、従来の遊技機の中には、単位遊技の継続回数(ラウンド回数ともいう)が複数種類ある場合、目立たない形態でラウンド回数を表示している場合がある。例えば、遊技の妨げにならない遊技盤の隅の部分にラウンド表示灯と呼ばれる小さなLEDを配置している場合がある。例えば、15R大当りの場合は、数字の「15」が付されたLEDが点灯し、8R大当りの場合は、数字の「8」が付されたLEDが点灯するようになっている。このようにラウンド表示灯は、目立たないように配置されているものの、その存在を知っている遊技者の場合、ラウンド表示灯を確認することで、ラウンド回数を容易に認識できてしまう場合がある。その結果、上述した第2実施例のように特別遊技中にラウンド回数を示唆するような演出を行っても演出への興味が高まり難く、設計者が意図する特別遊技中の演出効果が遊技者に届き難い場合がある。
そこで、第4実施例では、ラウンド回数の表示を行いつつも、その表示形態を工夫することにより特別遊技中のラウンド回数を示唆する演出の効果が妨げられないようにしている。
図28(a)は、本第4実施例で採用可能なラウンド表示灯400の一例である。このラウンド表示灯400も従来の遊技機と同様に、遊技の妨げにならない位置、例えば遊技盤50の左下隅等に配置される。ラウンド表示灯400は、例えば複数の小径のLED400aを配列して構成される。図28(a)の場合、10個のLED400a(LED400a−1〜400a−10)を三角形状に配列している。各LED400a−1〜LED400a−10は個別点消灯が可能で、特別遊技のラウンド回数に対応して点消灯する。このラウンド表示灯400の点灯パターンは、ラウンド回数の種類ごとに1対1で対応させてもよいが、1つのラウンド回数に対して複数種類の点灯パターンを対応させることが望ましい。図28(b)は、ラウンド回数ごとのラウンド表示灯400の点灯パターンの一例を示す表である。第4実施例の場合、1つのラウンド回数に対して20種類の点灯パターンを対応させている例を示す。例えば、2R大当りのうち、2RP1(2R大当りパターン1を意味する)場合は、メイン表示制御手段118は、LED400a−3,4,5,7,9が点灯し、他のLED400aは消灯している。また、2RP20(2R大当りパターン20を意味する)の場合、LED400a−5,8,9,10が点灯し、他のLED400aは消灯している。また、8R大当りのうち、8RP1(8R大当りパターン1を意味する)場合は、LED400a−2,3,8,9が点灯し、他のLED400aは消灯している。また、8RP20(8R大当りパターン20を意味する)の場合、LED400a−2,4,5,6,7,8,9が点灯し、他のLED400aは消灯している。同様に、15R大当りのうち、15RP1(15R大当りパターン1を意味する)場合は、LED400a−2,3,5,7,8,9,10が点灯し、他のLED400aは消灯している。また、15RP20(15R大当りパターン20を意味する)の場合、LED400a−1,5,6が点灯し、他のLED400aは消灯している。この場合、3種類のラウンド回数に対して60種類の点灯パターンが存在する。そして、点灯パターンは、全点灯、全消灯を含み点灯パターンの重複はなく、ある点灯パターンが表示されれば、それに対応するランド回数が示されたことになる。したがって、ラウンド回数ごとに個別のラウンド表示灯を設ける必要はなく、ラウンド回数の示唆ができると共に、遊技盤50上の構成をシンプルにすることができる。
上述したように、1つのラウンド回数に対して複数種類の点灯パターンが用意されているので、特別遊技中のラウンド回数の認識は容易でなく、第2実施例で示したような特別遊技中の第2の特別遊技演出パターンへの切り替えの有無に注意を向けさせ易くなる。その結果、演出により特別遊技中の興味を維持させやすくできる。また、逆にラウンド表示灯400を利用して特別遊技中の興味を向上させることもできる。例えば、複数種類の点灯パターンの個々の意味、すなわち、今回の特別遊技がいずれのラウンド回数であるかを予想させる等の新たな遊び方が提供できる。例えば、第2実施例の分岐演出は、特別遊技の開始後、数ラウンド終了した後になるが、それまでにラウンド表示灯400の表示からラウンド回数を予想して、操作ボタン82の操作により実際に第2の特別遊技演出パターンに切り替わるか否かを楽しむことも可能になる。また、ラウンド表示灯400によりラウンド回数を推定し、どのタイミングの分岐で操作ボタン82を操作するかを決めるという遊び方も提供できる。
上述のように、本第4実施例のラウンド表示灯400の場合、点灯パターンが複数存在するので、遊技者が理解し難く、ラウンド表示灯400の存在意味が薄れてしまうおそれもある。そこで、第4実施例においては、図28(b)に示すような点灯パターンの一覧表を、遊技者の要求に応じて表示するようにしている。表示方法としては、遊技盤50上に印刷等で示すことも考えられるが、第4実施例の場合、点灯パターンが多く、遊技盤50上での表示はスペース的に容易でなく現実的ではない。そこで、第4実施例の場合、一覧表を所定のタイミングや遊技者が所定操作を行った場合、または、その両方の場合に、演出表示装置60に表示するようにしてもよい。例えば、特別遊技の開始デモ中や、特別遊技中、遊技待機中などいずれかのタイミングまたは全てのタイミングで自動的に一覧表を表示するようにしてもよい。また、特別遊技の開始デモ中や、特別遊技中、遊技待機中などに遊技者が操作ボタン82の長押し操作や、他の入力装置の操作により、演出表示装置60に一覧表を表示するようにしてもよい。また、遊技者がラウンド回数を指定することにより、その点灯パターンのみを表示するようにしてもよい。例えば、特別遊技になったときのみ、このような一覧表が見られる機会を与えるようにすることで、一覧表の表示を特別遊技の特典の一つと位置づけることも可能で、遊技性の向上に寄与できる。また、点灯パターンの一覧表を表示することでユーザフレンドリーな遊技機とすることができると共に、一覧表を表示させるか否かは遊技者の選択に委ねることができるので、遊技選択の幅を広げることにも寄与できる。なお、別の例として、ラウンド表示灯400自体を利用して表示してもよい。例えば、遊技待機中や特別遊技以外の遊技中等に、遊技者に知りたい点灯パターンのラウンド回数、例えば「15」を入力させる。そして、ラウンド表示灯400で順次15Rに対応する点灯パターンを表示させる。この場合、点灯パターンの一覧表示中であることを示すために、通常とは異なる色でLED400aを点灯させるようにしてもよい。
このように、ラウンド表示灯400を設けることにより、ラウンド回数の判別の機会を演出による判別、ラウンド表示灯400による判別、両方を用いた判別に広げることが可能になり、遊技の幅を広げることができる。また、遊技機として特別遊技のラウンド回数の表示が必須になるような場合でも、識別が容易でないが、ラウンド表示灯400の点灯パターンによりラウンド回数の表示がされる。その結果、特別遊技中に表示される演出効果を損ねることなく、ラウンド回数表示の条件を満たすことができる。
なお、図28(a)の例では、10個のLED400aを三角形状に配列しているが、LED400aの数や配列の形態は適宜変更可能である。例えば、星形や花形に配列してもよい。LED400aの数が増えれば、点灯パターンの数も容易に増やせる。また、LED400a自体の形状も円形以外に星形や花形やその混在等適宜変更可能である。例えば、複数種類の形状のLED400aの点消灯を組合せることにより、点灯パターンを表現することもできる。また、個々のLED400aの点灯色を変化させたり、点滅パターンを変化させてもよい。例えば、同じ点灯パターンでも点灯色が異なれば、異なるラウンド回数を示すようにしてもよい。同様に同じ点灯パターンでも、点滅状態が異なる場合、異なるラウンド回数を示すようにしてもよい。また、図28(a)の場合、10個のLED400aを1ブロックとしてラウンド表示灯400を構成した例を示したが、このブロックを複数個設け、それぞれのブロックにおけるLED400aの点灯パターンの組合せによって、ラウンド回数を表現するようにしてもよい。いずれの場合も、点灯パターンとラウンド回数とが対応していればよい。
また、第4実施例では、特別遊技のラウンド回数が2R,8R、15Rの場合を示したが、これに限らず、遊技機の仕様に応じて例えば、2R,6R,8R,9R,12R,15R等を設定してもよく、それぞれに複数種類の点灯パターンを対応付けてもよい。この場合、点灯パターンが増大し、ラウンド回数を識別する楽しみが増す。また、点灯パターンも多彩になり、点灯パターン自体を楽しませることもできる。
なお、上述の例では、演出表示装置60にラウンド回数に対応する点灯パターンの一覧表示をする例を示した。別の例として、例えば、遊技待機中に、操作ボタン82や他の入力装置を用いて、LED400aの点消灯を遊技者に指定させて、その点灯パターンのラウンド回数を提示するようにしてもよい。例えばラウンド回数の種類が多い場合で頻繁に出る点灯パターンが存在する場合を考える。このような場合、その点灯パターンを指定することにより、逆にラウンド回数を示すことが可能になり、遊技者のラウンド表示灯400への興味を高めることができると共に、遊技性の理解度向上にも寄与できる。なお、頻繁に同じ点灯パターンが表示されると、複数のLED400aを用いたラウンド表示灯400を採用した意味が薄れてしまうと共に、点灯パターンに対する興味が薄れてしまう可能性がある。そこで、同じ点灯パターンが連続しないように、点灯パターンの表示履歴を記憶しておき、その表示履歴を参照することで、前回表示や過去所定回数の表示、例えば過去5回の点灯パターンが同じパターンにならないように点灯パターンの決定を行ってもよい。また、前回表示や過去所定回数の表示における表示パターンの選択確率と今回の表示パターンの選択確率を調整したり変化させて同じ点灯パターンが表示される可能性を抑制してもよい。
第5実施例.
上述した各実施例では、特別遊技における出玉を伴う単位遊技は、大入賞口66の開放が約30秒間続いた後、または10球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される例を示した。この場合、ラウンド回数の大小によって遊技者が得られる利益が異なるようになっている。そして、特別遊技のラウンド回数が8Rや15R等複数種類設定されている場合、ラウンド回数によって遊技者の利益が左右されるため、上述したようなラウンド回数を表示することが好ましい場合がある。そのため、ラウンド回数ごとのラウンド表示灯を設けたり第4実施例で示したようなラウンド表示灯400を設けることがあった。第4実施例で示したように、ラウンド表示灯400を用いることにより、ラウンド回数の表示を行いながらも演出への興味を低下させないようにすることができる。その一方で、ラウンド回数の大小によらず、他の方法で遊技者の利益の大小を示せれば、遊技性にも変化が生じ演出への興味の低下を抑制できるとの考えに発明者らは至った。
そこで、本第5実施例では、特別遊技のときの大入賞口66の開閉パターンを変化させている。つまり、ラウンド回数を基本的には1種類に統一しつつ、ラウンド回数を8Rや15Rに設定していた場合と同様に遊技者の利益に差が生じるようにしている。具体的には、大当りのときの単位遊技の実行回数、つまり大入賞口66の開放回数を15回に統一する。そして、単位遊技として、大入賞口66の開放期間に入球が容易となるように、開放期間が相対的に長い長開放単位遊技と、この長開放単位遊技より入球が困難であり、長開放単位遊技より開放期間が相対的に短い短開放単位遊技とを設ける。例えば、長開放単位遊技は、開放期間を30秒とすることができる。一方、短開放単位遊技は、開放期間を0.5秒とすることができる。例えば、第2実施例における15R大当りの場合は、長開放単位遊技を15回繰り返すことで実行される(これを15R相当遊技という場合もある)。一方、第2実施例における8R大当りの場合は、長開放単位遊技を8回、短開放単位遊技を7回繰り返すことで実行される(これを8R相当遊技という場合もある)。短開放単位遊技の場合、実質的に入球は望めないので、遊技者が実質的に得られる利益は8R分となる。
図29は、第5実施例における大入賞口66の開閉パターンの例を説明する説明図である。なお、以下に示す開閉パターンは、長開放単位遊技Lと短開放単位遊技Sの実行状態を説明する概念図であり、長開放単位遊技L、短開放単位遊技S、大入賞口66の閉期間の各時間幅の比は実際の時間幅の比と対応するものではない。
長開放単位遊技Lの定義は、大入賞口66を例えば30秒開放後閉鎖または30秒未満でも10球以上の入球で閉鎖とすることができる。同様に、短開放単位遊技Sの定義は、大入賞口66を例えば0.5秒開放後閉鎖または0.5秒未満でも10球以上の入球で閉鎖とすることができる(遊技球の入球は現実的には困難)。なお、長開放単位遊技Lおよび短開放単位遊技Sにおいて、1回の単位遊技において、大入賞口66の総開放期間が同じであれば、複数回開閉することもできる。例えば、1回の単位遊技において、大入賞口66を3回開放する。長開放単位遊技Lであれば、10秒の個別開放を3回(閉期間を例えば1秒とする)終了または個別開放が3回未満または個別開放が10秒未満でも総計で10球以上の入球で終了とすることができる。同様に、短開放単位遊技Sであれば、0.16秒の個別開放を3回(閉期間を例えば0.1秒とする)終了または個別開放が3回未満または個別開放が0.16秒未満でも総計で10球以上の入球で終了とすることができる(遊技球の入球は現実的には困難)。
図29(a)は、長開放単位遊技Lが15回実行される15R相当遊技の大入賞口66の開閉パターンを示すものである。この場合、いずれの長開放単位遊技Lにおいても概ね所定数(例えば10球)の入球が可能であり、基本的には遊技者は15R分の単位遊技の利益が得られる。図29(b)は、長開放単位遊技Lが8回、短開放単位遊技Sが7回実行される8R相当遊技の大入賞口66の開閉パターンを示すものである。この場合、いずれの長開放単位遊技Lにおいても概ね所定数(例えば10球)の入球が可能である。一方、いずれの短開放単位遊技Sにおいても入球は基本的に望めず、基本的には遊技者は8分の単位遊技の利益を得ることになる。図29(c)は、短開放単位遊技Sが15回繰り返される出玉なし遊技の大入賞口66の開閉パターンを示すものである。この場合、いずれの短開放単位遊技Sにおいても入球は基本的に望めない。図29(c)に示す例は、例えば、上述した全体説明における2R大当りのときの大入賞口66の開閉パターンとることができる。なお、小当りの場合、単位遊技は基本的には1回である。したがって、1回の単位遊技の中で複数回の短開放、例えば15回の短開放を行えば、2R大当りのときの大入賞口66の開閉パターンと類似する開放パターンとすることが可能である。このように、両者の見分けが付きにくくなることで遊技性を向上させることができる。
図29(a)〜図29(c)に示すように、大入賞口66の開動作回数を統一して、15R相当遊技、8R相当遊技、2R相当遊技(本第5実施例での2R大当りであり、実質出玉がない短開放単位遊技Sのみの遊技を意味する)、小当り(短開放単位遊技Sのみの遊技を意味する)のいずれも大入賞口66の開放回数は15回とする。その結果、ラウンド回数による区別を設ける必要がなくなる。したがって、ラウンド回数表示が必要なくなり、ラウンド回数ごとのラウンド表示灯を設けたり第4実施例で示したようなラウンド表示灯400を設ける必要がなくなると共に、遊技者が実質得られるであろう利益を、ラウンド回数が同一であっても異ならせることができる。
図30(a)、図30(b)は、8R相当遊技の開閉パターンの変形例である。図30(a)の場合、はじめに短開放単位遊技Sを7回連続させ、その後長開放単位遊技Lを8回連続させる。この場合、図29(c)に示すような出玉なしの2R相当遊技または小当り遊技が実行されたかのように見せて、出玉に対する期待感を低下させた後、長開放単位遊技Lによる出玉の機会を提供し、復活の興奮感を提供するような演出とすることができる。また、図30(b)は、はじめに長開放単位遊技Lを2回連続させ、その後短開放単位遊技Sを7回連続させる。その後再び長開放単位遊技Lを6回連続させる。例えば、特別遊技の種類として出玉のある2R大当りがあるとする。すなわち、長開放単位遊技Lが2回のみで、あとは短開放単位遊技Sが実行される大当りがあるとする。このような大当りの形態がある場合において、2R大当りではない8R大当りが当たった場合に、はじめに長開放単位遊技Lを2回連続させ、その後短開放単位遊技Sを連続させることで、この短開放単位遊技Sが連続している間は、出玉の少ない2R大当りに当たってしまったと思わせることができる。その後、再び長開放単位遊技Lによる出玉の機会を提供することで、大当り復活の興奮感を提供するような演出とすることができる。この他、長開放単位遊技Lと短開放単位遊技Sの組合せは、適宜変更可能で様々な開閉パターンを作ることができる。このように組合せを変えるだけで、フェイク的演出のバリエーションを容易に増やすことができる。
図31(a)は、15R相当遊技のときの大入賞口66の開閉パターンの変形例である。
図31(a)の開閉パターンの場合、長開放単位遊技Lを8回(8R)繰り返し実行し、8R目の長開放単位遊技Lの終了後、9Rの初めの部分で短開放単位遊技Sと類似する短開放Aを7回繰り返し実行する。この短開放Aは、例えば、短開放単位遊技Sと同様に、0.5秒の開放とすることができる。この時点では、図31(b)に示すような長開放単位遊技Lを8回実行した後、短開放単位遊技Sを7回実行する8R相当遊技(図29(b)と同じ)であるように見える。したがって、遊技者は8R分の出玉しか得られないと失望し易い。しかし、図31(a)の場合、7回の短開放Aの終了後、長開放Bを実行する。この長開放Bの開放期間は、長開放単位遊技Lの開放期間が30秒の場合、短開放Aの開放総期間3.5秒(0.5×7)を30秒から引いた期間、つまり、26.5秒とすることができる。なお、長開放Bは、26.5秒未満でも10球以上の入球により閉鎖する。つまり、短開放A×7+長開放Bが9R目の長開放単位遊技Lとなる。したがって、遊技者に長開放単位遊技Lが継続していることを認識さることができる。その後、10R目〜15R目までの長開放単位遊技Lを実行する。すなわち、実質的に15R相当遊技を実行する。その結果、復活の興奮感を提供するような演出とすることができる。この場合、図31(a)の開閉パターンと図31(b)の開閉パターンが存在することにより。8R目の終了後の短開放Aまたは短開放単位遊技Sが、長開放Bが実施されるか否かの煽り演出となる。したがって、遊技者に8R目の終了後期待感を持たせながら繰り返される短い開放動作を見守らせることができる。
このような開放パターンで各特別遊技が実行される場合でも、第2実施例と同様な分岐演出を伴う特別遊技演出パターンの切り替えにより遊技者が受け得る利益を報知することができる。特別遊技中における特別遊技演出パターンの表示および切り替えは、基本的には第2実施例の場合と同様である。ただし、第2実施例では、演出表示制御手段134は、所定期間に操作ボタン82の操作入力があった場合に、単位遊技設定回数が上限回数、例えば15回であることを条件に特別遊技演出パターンの切り替えを行ってた。具体的には、第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の再生表示を第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の再生表示に切り替えていた。一方、第5実施例で示すような大入賞口66の開閉パターンを適用する場合、演出表示制御手段134は、所定期間に操作ボタン82の操作入力があった場合に、今回実行する特別遊技における開閉パターンに含まれる長開放単位遊技Lが予め定められた設定回数以上であることを条件に特別遊技演出パターンを切り替える。
具体的には、特別遊技制御手段120は当否抽選手段112による当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口66を開放させることにより特別遊技を実行する。つまり、特別遊技制御手段120は、大入賞口66の開放期間が相対的に長い長開放単位遊技Lとこの長開放単位遊技Lより開放期間が相対的に短い短開放単位遊技Sの少なくとも一方を所定回数に至るまで実行する複数種類の開閉パターンのうちいずれかにしたがって特別遊技を実行する。そして、演出表示制御手段134は、特別遊技が開始され、第1の特別遊技演出パターンにしたがって画像を表示させている間の所定期間に操作ボタン82による操作入力を受け付ける。そして、今回実行する特別遊技における開閉パターンに含まれる長開放単位遊技Lが予め定められた設定回数以上であることを条件に第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の表示を第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の表示に切り替える。例えば、図29(a)に示すように、長開放単位遊技Lの実行回数が、予め定められた設定回数、例えば15回である特別遊技が実行される場合に、第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがう画像の再生表示から第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の再生表示に切り替える。切り替え条件である長開放単位遊技Lの設定回数は適宜変更可能であり、遊技者が最大の利益を獲得し得る15回の他、例えば、8R相当遊技で得られる利益より多い利益が得られることが予想される回数、例えば10回や12回等でもよい。
例えば遊技機の仕様として特別遊技のラウンド回数が同じでも、実際に獲得できる出玉(利益)に違いが設けられていることが、遊技機の仕様表等により紹介されている場合、遊技者は特別遊技が実行される場合にどれだけの出玉が得られるかに興味を持ちやすい。そこで、第5実施例は特別遊技中に当該特別遊技の実行中であることを示す演出の途中で、それまでのストーリーとは別のストーリーに演出を切り替えることで得られる利益の大小の報知を実行すると共に、演出に意外性を持たせている。また、そのストーリーの切り替えの契機となる操作を遊技者が行えるようにすることで特別遊技が大入賞口66へ入球させる遊技だけでなく、特別遊技中に他の操作を要求するようにすることで遊技者に遊技参加を促す遊技者参加型の遊技機が構成できる。なお、本実施例の場合、大当りの種類として2R大当りがあるが、2R大当りの場合は短開放単位遊技Sの繰り返しになり1回の短開放単位遊技Sにおける大入賞口66の開放時間が約0.5秒間なので、第1の特別遊技演出パターンから第2の特別遊技演出パターンの演出に切り替える演出は行わない。ただし、2R大当りによる特別遊技の遊技時間が第1の特別遊技演出パターンから第2の特別遊技演出パターンの演出に切り替えて演出を実行するのに十分な時間の場合、上述した実施例と同様に切り替え演出を行ってもよい。なお、本第5実施例と第2実施例とでは、基本的には第1の特別遊技演出パターンから第2の特別遊技演出パターンの演出に切り替えるための条件が異なるのみである。例えば、操作ボタン82の操作を可能にする有効期間の設定や、分岐演出以降の演出ストーリーの構築の仕方、切替抽選の切り替え確率、特別遊技演出の表示過程等、特別遊技中の基本的な演出パターンは第2実施例と基本的には同じである。したがって、第2実施例の8R大当りを8R相当遊技、15R大当りを15R相当遊技等に読み替えることにより第2実施例の説明を第5実施例に対応した内容とすることができるので、その説明は省略する。
また、第2実施例の場合、演出表示制御手段134は、単位遊技設定回数として上限回数(例えば15回)より少ない回数が決定されている場合には、所定期間における操作ボタン82の操作入力に基づいて、第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の再生表示に重ねて当該画像を装飾するオブジェクトを表示するようになっている。第5実施例の場合も演出表示制御手段134は、長開放単位遊技Lの回数が設定回数(例えば15回)より少ない場合に、所定期間における操作ボタン82の操作入力に基づいて、第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の表示に重ねて当該画像を装飾するオブジェクトを表示する。
第5実施例におけるオブジェクトの表示を、第2実施例の図21を引用しながら説明する。この場合も、8R大当りを8R相当遊技、15R大当りを15R相当遊技に読み替える。長開放単位遊技Lが設定回数より少ない特別遊技演出パターン(8R相当遊技の特別遊技演出パターン)の場合、第1の有効期間が例えば2Rが実行中であると見なせる時刻t1〜t2に設けられている。また、第2の有効期間が例えば4Rが実行中であると見なせる時刻t4〜t5に、第3の有効期間が例えば6Rが実行中であると見なせる時刻t7〜t8に、エフェクト期間が例えば8Rが実行中であると見なせる時刻t10〜t11に設けられている。一方、長開放単位遊技Lが所定回数以上(15回)の特別遊技演出パターン(15R相当遊技の特別遊技演出パターン)に設けられている時刻t3の第1の切替ポイント、時刻t6の第2の切替ポイント、時刻t9の第3の切替ポイントは設けられていない。つまり、各有効期間は、遊技者には操作ボタン82の操作入力が受け付けられるように見えるが、実際にはその操作入力によって特別遊技演出パターンが別の特別遊技演出パターンに切り替えられることはない擬似的な有効期間である。これにより、遊技者に少なくとも操作ボタン82の操作入力が行われるまでは、第2の特別遊技演出パターンに切り替わるかもしれないという期待を持たせる演出ができる。この場合、各有効期間およびエフェクト期間において操作ボタン82の操作入力がなされた場合、第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の表示に重ねて当該画像を装飾するオブジェクトを表示するようにしてもよい。この場合、画像を装飾するオブジェクトが長開放単位遊技Lが所定回数(15回)まで継続すること確定するものではないが、所定回数長開放単位遊技Lが継続することを示唆する内容としてもよい。例えば長開放単位遊技Lが次回1回まで継続することを示唆する「白色」のオブジェクトとしてサブキャラクタを表示させてもよい。また、長開放単位遊技Lがあと3回継続することを示唆する「青色」のサブキャラクタや長開放単位遊技Lがあと5回継続することを示唆する「赤色」のサブキャラクタを表示させてもよい。さらに、第2の特別遊技演出パターンに切り替わる可能性があることを示唆する「金色」のサブキャラクタを表示してもよい。このような画像を装飾するオブジェクトを演出に重ねて表示することにより、長開放単位遊技Lがまだ継続するかもしれないという期待感を遊技者に与えることが容易になり、特別遊技中の演出に対し遊技者の興味が薄れることが抑制できる。
なお、第5実施例で示したように、特別遊技における大入賞口66の開放パターンを複数種類に分ける一方、大入賞口66の開放回数を実質的に統一することで、ラウンド表示灯が実質的に不要になる。ただし、第5実施例においても第4実施例のラウンド表示灯400と同様な表示灯を設けてもよい。この場合の表示灯は、ラウンド回数ではなく、長開放単位遊技Lの実行回数を表示する長開放単位遊技表示灯になる。そして、長開放単位遊技表示灯も、1つの長開放単位遊技Lの実行回数、例えば15回を示すLEDの点灯パターンを複数持たせれば、第4実施例と同様な、点灯パターンに基づく遊技性を得ることができる。
第6実施例.
上述した第2実施例においては、特別遊技の単位遊技設定回数が上限回数の場合、分岐演出後に第1の特別遊技演出パターンによる演出ストーリーから第2の特別遊技演出パターンによる演出ストーリーに切り替えることにより、遊技者に単位遊技が上限回数まで継続することを報知した。また、第5実施例においては、特別遊技の長開放単位遊技Lの設定回数が予め定めた設定回数以上の場合、分岐演出後に第1の特別遊技演出パターンによる演出ストーリーから第2の特別遊技演出パターンによる演出ストーリーに切り替えることにより、遊技者に長開放単位遊技Lによる大きな利益を獲得し得ることを報知した。つまり、分岐演出は、単位遊技または長開放単位遊技Lが継続する可能性を示唆する演出でもあるし、単位遊技または長開放単位遊技Lが継続しない可能性を示唆する演出であるといえる。また、分岐演出は、継続するか否かの期待感を煽る演出であるともいえる。いずれの場合も、このような演出は、単位遊技の終了後にさらに単位遊技が実行されるか否かを示唆する継続演出であるといえる。また、この継続演出は、単位遊技または長開放単位遊技Lが継続するか終了するかにかかわらず遊技の1つの区切りであることを示す演出であるともいえる。つまり、継続演出は、特別遊技の1つの区切りであることを示している。さらに詳細に言うと、継続演出の表示以降に単位遊技がさらに実行されるか否かにかかわらず、継続演出の表示により、そこで一連の特別遊技が終了したように見えるようにできるといえる。言い換えれば、継続演出を表示した時点で到達または終了した単位遊技が後述する特殊特別遊技における最終の単位遊技であったか否かにかかわらず、特殊特別遊技に設定されている所定の特定設定回数に係る単位遊技に到達した、もしくはその特定設定回数に係る単位遊技が終了したことを示しているような演出とすることで特別遊技の区切りを演出できる。なお、詳細に後述するが、選択された特殊特別遊技に複数種類の特定設定回数が設定されている場合、その特定設定回数のうち最後以外の特定設定回数に係る単位遊技に到達して継続演出が表示された場合、つまり、特殊特別遊技の途中で継続演出が表示された場合には、最後の特定設定回数に係る単位遊技が終了するまで、単位遊技が継続されることになる。以下、本第6実施例では、分岐演出の変形例である継続演出を詳細に説明する。
例えば、特別遊技の単位遊技の設定回数が第2実施例と同様に、複数種類設定されている場合を考える。例えば、設定回数として、6回、9回、12回、15回が設定されている場合を考える。この場合、単位遊技が15回の特別遊技が選択されていた場合、分岐演出と対応する継続演出が例えば、6回目の単位遊技の終了後に表示される。そして継続演出の終了後にそれまで表示されていた第1の特別遊技演出パターンによる演出ストーリーから第2の特別遊技演出パターンによる演出ストーリーに切り替えることができる。同様に、9回目、12回目の単位遊技の終了後に継続演出が表示され、それまでの特別遊技演出パターンによる演出ストーリーから別の特別遊技演出パターンによる演出ストーリーに切り替えることができる。つまり、第2実施例における分岐演出と同様に、特別な演出が表示されか否か、またその演出内容に応じて単位遊技がさらに継続するか否か期待感を持たせながら特別遊技を楽しませることができる。なお、継続演出が複数回表示される場合、継続演出は毎回同じ内容でもよいが、それぞれ異なる内容とすることが望ましい。例えば、継続演出後に切り替え表示される特別遊技演出パターンによる演出ストーリーの内容と関連する内容とすることができる。
本第6実施例では、当否抽選の結果に応じて決定される特別遊技の種類として継続演出の表示を伴わない通常特別遊技と継続演出の表示を伴う特殊特別遊技とを含む。特殊特別遊技は、継続演出により単位遊技が継続する否かの期待感を遊技者に提供するために、特別遊技が一時的に中断されたように見せて、その中断中に継続演出を表示するようにしている。そのために、特殊特別遊技と通常特別遊技とで大入賞口66の開閉パターンを異ならせている。具体的には、特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選の当りの種類に応じた異なる単位遊技設定回数の特別遊技の中からいずれかを実行する。特別遊技としては、所定の単位遊技設定回数に至るまで大入賞口66の開動作を第1の閉期間を挟んで繰り返す通常特別遊技がある。別の特別遊技として、単位遊技を単位遊技設定回数における上限回数以下の予め定められた複数種類の特定設定回数のいずれかに至るまで繰り返すと共に、それぞれの特定設定回数に対応する単位遊技とそれに続いて実行される単位遊技との間において大入賞口66の閉動作が行われる際には当該閉動作後の大入賞口閉期間を第1の閉期間より長い第2の閉期間で実行する特殊特別遊技がある。この特殊特別遊技は、第2の閉期間で閉動作を実行する以外の単位遊技間では、大入賞口66の閉動作を第1の閉期間で実行する。そして、継続演出は、大入賞口66が第2の閉期間で閉鎖されている間に表示される。
パターン記憶手段130は、第2実施例と同様に、所定の演出ストーリーにしたがって特別遊技が実行中であることを演出的に示す画像を表示させる過程が定められた複数の特別遊技演出パターンを記憶する。それに加え、パターン記憶手段130は、特別遊技演出パターンとして、単位遊技設定回数のうち上限回数(例えば15回)以外の特定設定回数(例えば、6回、9回、12回等)に対応する単位遊技が終了するごとに、当該単位遊技の終了後にさらに単位遊技が実行されるか否かを示唆する継続演出を含む継続演出パターンを含む。
継続演出は、特殊特別遊技が選択された場合で、単位遊技がさらに実行される可能性のある単位遊技の終了後に実行され得る。例えば、特殊特別遊技のうち特定設定回数が最小の最小特殊特別遊技が実行される場合、第6実施例では、例えば特定設定回数が6回の場合、特定設定回数に対応する単位遊技の終了後に継続演出を表示する。また、特殊特別遊技のうち特定設定回数が最大の最大特殊特別遊技が実行される場合、第6実施例では、例えば特定設定回数が上限回数である15回の場合、この上限回数に対応する単位遊技の終了後は継続演出を非表示とする。ただし、それ以外の特定設定回数に対応する単位遊技の終了後、例えば6回目、9回目、12回目の単位遊技の終了後の第2の閉期間で実行される閉動作のたびに継続演出を表示する。また、最小特殊特別遊技および最大特殊特別遊技以外の特殊特別遊技が実行される場合、例えば特定設定回数が9回、12回の場合、特定設定回数に対応する単位遊技のうち、最後の単位遊技の終了後、および、最後の単位遊技以外の特定設定回数に対応する単位遊技の終了後の第2の閉期間で実行される閉動作のたびに継続演出を表示する。継続演出の表示は、演出表示制御手段134によって制御される。
図32および図33は、通常特別遊技(継続演出を伴わない15R大当り、9R大当り)、特殊特別遊技(継続演出を伴う6R大当り、9R大当り、12R大当り、15R大当り)における大入賞口66の開閉パターンおよび開始/終了演出のタイミングを説明する説明図である。また、図33においては継続演出の存在、および、継続演出の表示タイミングを併せて説明する。
図32(a)は、単位遊技設定回数が上限回数である15回の通常特別遊技(15R通常特別遊技)における大入賞口66の開閉パターンと開始/終了演出のタイミングを示す。当否抽選手段112による当否抽選の結果、15R通常特別遊技が選択された場合、演出表示制御手段134は、特別図柄192および装飾図柄190の完全停止後に特別遊技が開始される旨を示す開始演出ESを演出表示装置60に表示する。この場合、各単位遊技は、大入賞口66が、開放後例えば30秒経過、または10球の入球で閉鎖する。閉期間は、例えば、0.5秒であり、これが第1の閉期間Pに相当する。15R通常特別遊技は、第1の閉期間Pで実行される閉動作を各単位遊技間に挟み、開動作を15回繰り返す。そして、大入賞口66が15回目の開動作を終了すると、演出表示制御手段134は、特別遊技が終了した旨を遊技者に告知する終了演出EEを演出表示装置60に表示する。なお、演出表示制御手段134は、開始演出ESや終了演出EEとは別に、特別遊技が実行であることを示す特別遊技演出パターンに基づく演出を演出表示装置60に表示する。
図32(b)は単位遊技設定回数が上限回数以下である例えば9回の通常特別遊技(9R通常特別遊技)における大入賞口66の開閉パターンと開始/終了演出のタイミングを示す。当否抽選手段112による当否抽選の結果、9R通常特別遊技が選択された場合、15R通常特別遊技と同様に、演出表示制御手段134は、特別図柄192および装飾図柄190の完全停止後に特別遊技が開始される旨を示す開始演出ESを演出表示装置60に表示する。9R通常特別遊技も第1の閉期間Pで実行される閉動作を各単位遊技間に挟み、開動作を9回繰り返す。そして、大入賞口66が9回目の開動作を終了すると、演出表示制御手段134は、特別遊技が終了した旨を遊技者に告知する終了演出EEを演出表示装置60に表示する。この場合も演出表示制御手段134は、開始演出ESや終了演出EEとは別に、特別遊技が実行であることを示す特別遊技演出パターンに基づく演出を演出表示装置60を表示する。なお、15R通常特別遊技と9R通常特別遊技で、開始演出ES、終了演出EEおよび特別遊技演出パターンに基づく演出をそれぞれ異なる内容としてもよい。
図33(a)〜図33(d)は、単位遊技を単位遊技設定回数における上限回数(15回)以下の予め定められた複数種類の特定設定回数のいずれかに至るまで繰り返す特殊特別遊技における大入賞口66の開閉パターンと開始/継続/終了演出のタイミングを示す。
図33(a)は、特殊特別遊技のうち特定設定回数が最小の最小特殊特別遊技が実行される場合を示している。第6実施例では、最小特殊特別遊技は、単位遊技が6回繰り返される6R特殊特別遊技である例を示す。前述したように、最小特殊特別遊技の場合、特定設定回数(6回)に対応する単位遊技の終了後に継続演出を表示する。当否抽選手段112による当否抽選の結果、6R特殊特別遊技が選択された場合、演出表示制御手段134は、特別図柄192および装飾図柄190の完全停止後に特別遊技が開始される旨を示す開始演出ESを演出表示装置60に表示する。この場合、各単位遊技は、大入賞口66が、開放後例えば30秒経過、または10球の入球で閉鎖する。閉期間は、例えば、0.5秒であり、これが第1の閉期間Pに相当する。6R特殊特別遊技は、第1の閉期間Pで実行される閉動作を各単位遊技間に挟み、開動作を6回繰り返す。そして、大入賞口66が6回目の開動作を終了すると、演出表示制御手段134は、さらに単位遊技が実行されるか否かを示唆する継続演出EKを演出表示装置60に表示する。6R特殊特別遊技の場合、内部的には、6回で単位遊技が終了することが決まっているが、他の特定設定回数の特殊特別遊技との区別をし難くすると共に、遊技者に期待感を抱かせるように(煽るように)継続演出EKを表示する。ただし、大入賞口66は6回目の単位遊技の終了、つまり特別遊技の終了に伴い、閉動作が継続されるので、継続演出EKは、特別遊技終了後の大入賞口66の閉動作の最初の期間を利用して表示されることになる。
継続演出EKは、遊技者に期待感を抱かせるような(煽るような)演出を行った後に、少なくとも単位遊技が継続される旨を示す成功演出か単位遊技が継続しない旨を示す失敗演出を表示する。成功演出の場合、第2実施例における分岐演出と同様に、今まで表示していた第1の特別遊技演出パターンに基づく演出ストーリーから第2の特別遊技演出パターンに基づく演出ストーリーに切り替わることを示唆する演出とすることができる。逆に、失敗演出の場合、今まで表示していた第1の特別遊技演出パターンに基づく演出ストーリーから第2の特別遊技演出パターンに基づく演出ストーリーに切り替わらないこと示唆する演出とすることができる。また、失敗演出は、最後の部分に終了演出EEと同じ内容を含んで、継続演出EKの失敗演出が実質的な終了演出EEになるようにしてもよい。したがって、6R特殊特別遊技の場合、継続演出EKは失敗演出となり、最終的には、終了演出EEと同様な演出内容で演出を終了する。
図33(b)は、特殊特別遊技のうち特定設定回数が最小特殊特別遊技および最大特殊特別遊技以外、例えば特定設定回数が9回である9R特殊特別遊技を示している。演出表示制御手段134は、特別図柄192および装飾図柄190の完全停止後に特別遊技が開始される旨を示す開始演出ESを演出表示装置60に表示する。そして、まず単位遊技を6回繰り返す。6回目までの各単位遊技間の大入賞口66の閉動作は、第1の閉期間Pで実行される。前述したように、特殊特別遊技として、6R特殊特別遊技が存在するので、遊技者は、6回目の単位遊技が終了した時点で、単位遊技が継続するか否かに興味を持つ。そのため、9R特殊特別遊技の場合、まず、6回目の単位遊技の終了後に継続演出EKを表示する。この場合、内部的には単位遊技の継続が決定されており特別遊技継続中であるが、遊技者に単位遊技が継続するか否かの期待感や不安感を持たせ易くするための、大入賞口66を通常より長く閉鎖する。つまり、6回目と7回目の単位遊技間の閉動作を第1の閉期間Pよりも長い第2の閉期間Qで実行する。第2の閉期間Qは、例えば、10秒とすることができる。そして、その第2の閉期間Qの間に継続演出EKを表示する。この場合、単位遊技が継続することは内部的に確定しているので、継続演出EKでは、遊技者に期待感を抱かせるような(煽るような)演出に続き成功演出が表示された後、再び単位遊技が再開されることになる。7回目〜9回目までの単位遊技間の閉動作は、第1の閉期間Pで実行される。9R特殊特別遊技の場合、内部的には、9回で単位遊技が終了することが決まっているが、単位遊技が継続する他の特定設定回数の特殊特別遊技との区別をし難くすると共に、遊技者に期待感を抱かせるように9回目の単位遊技の終了後も継続演出EKを表示する。ただし、大入賞口66は9回目の単位遊技の終了、つまり特別遊技の終了に伴い、閉動作が継続されるので、継続演出EKは、特別遊技終了後の大入賞口66の閉動作の最初の期間を利用して表示されることになる。したがって、この場合、継続演出EKは失敗演出となり、最終的には、終了演出EEと同様な演出内容で演出を終了する。この場合も、演出表示制御手段134は、開始演出ESや終了演出EEとは別に、単位遊技中は特別遊技が実行であることを示す特別遊技演出パターンに基づく演出を演出表示装置60を表示する。
なお、上述の実施例では、継続演出が実行されている期間の終期(終盤)に成功演出(継続確定演出)を表示して継続演出を終了させ、その後に大入賞口66を再開放させる例を示した。別の実施例においては、成功演出が大入賞口66の再開放と同時または再開放後に行われてもよい。例えば、継続演出(煽り演出)の一部である成功演出の表示と同時または表示開始直後に当該成功演出中に大入賞口66を再開放させてもよい。また、大入賞口66の再開放を開始した後に成功演出を表示してもよい。このように成功演出の表示タイミングを大入賞口66の再開放と関連付けることで、継続演出における煽り演出の効果を向上させることができる。例えば、次に大入賞口66が開放されるギリギリまで、または単位遊技の終了もしくは終了が確定するギリギリまで継続演出により遊技者の期待感を煽ることが可能となる。
図33(c)は、特殊特別遊技のうち特定設定回数が最小特殊特別遊技および最大特殊特別遊技以外、例えば特定設定回数が12回である12R特殊特別遊技を示している。12R特殊特別遊技の場合は9R特殊特別遊技の場合と同様に、演出表示制御手段134は、特別図柄192および装飾図柄190の完全停止後に特別遊技が開始される旨を示す開始演出ESを演出表示装置60に表示する。そして、1回目から6回目の単位遊技間の閉動作を第1の閉期間Pで実行する。そして、他の特殊特別遊技との区別を付く難くするために、6回目の単位遊技の終了後の大入賞口66の閉動作は第2の閉期間Qで実行すると共に継続演出EKを表示する。この継続演出EKは成功演出となり、7回目〜9回目までの単位遊技が第1の閉期間Pの閉操作を挟んで実行される。再び他の特殊特別遊技との区別を付く難くするために、9回目の単位遊技の終了後の大入賞口66の閉動作は第2の閉期間Qで実行すると共に継続演出EKを表示する。この継続演出EKも成功演出となり、10回目〜12回目までの単位遊技が第1の閉期間Pの閉操作を挟んで実行される。12R特殊特別遊技の場合、内部的には、12回で単位遊技が終了することが決まっているが、単位遊技が継続する他の特定設定回数の特殊特別遊技との区別をし難くすると共に、遊技者に期待感を抱かせるように12回目の単位遊技終了後も継続演出EKを表示する。ただし、大入賞口66は12回目の単位遊技の終了、つまり特別遊技の終了に伴い、閉動作が継続されるので、継続演出EKは、特別遊技終了後の大入賞口66の閉動作の最初の期間を利用して表示されることになる。したがって、この場合、継続演出EKは失敗演出となり、最終的には、終了演出EEと同様な演出内容で演出を終了する。
図33(d)は、特殊特別遊技のうち特定設定回数が最大の最大特殊特別遊技が実行される場合を示している。第6実施例では、最大特殊特別遊技は、単位遊技が15回繰り返される15R特殊特別遊技の例を示す。前述したように、最大特殊特別遊技の場合、上限回数(15回)に対応する単位遊技の終了後は継続演出を非表示とする。一方、それ以外の特定設定回数に対応する単位遊技の終了後、第6実施例の場合6回目、9回目、12回目の単位遊技の終了後は、大入賞口66を第2の閉期間Qで閉動作させ、そのたびに継続演出を表示させる。開始演出および1回目から12回目までの単位遊技間の閉動作、継続演出は、図33(c)の場合と同じである。15R特殊特別遊技の場合、内部的には13回目〜15回目までの単位遊技の実行が確定しているので、12回目の単位遊技の終了後の大入賞口66は第2の閉期間Qで実行される。また、その間に継続演出EKの成功演出が表示される。その後、13回目から15回目までの単位遊技が大入賞口66の第1の閉期間Pでの閉動作を伴いながら実行される。そして、15回目の単位遊技が終了した場合、これ以上の単位遊技の継続はないので、特別遊技の終了に伴う大入賞口66の閉動作の最初の期間に終了演出EEを表示する。なお、15R特殊特別遊技の場合の終了演出EEは、最大の利益を得られた特殊特別遊技の終了を示す演出として、他の特殊特別遊技の場合の継続演出EKの失敗演出に続く終了演出とは異なる。目的達成を意味する終了演出とすることが望ましい。
このように、特定設定回数の種類が複数ある特殊特別遊技において、上限回数以外の特定設定回数に対応する単位遊技が終了するごとに、当該単位遊技の終了後にさらに単位遊技が実行されるか否かを示唆する継続演出を実行する。これにより、大入賞口66に入球させるだけで単調になりがちな特別遊技を、何回単位遊技が継続するかワクワクさせながら楽しませることができる。また、継続演出EKにおいて成功演出が表示されるたびに、それまで特別遊技演出パターンによる演出ストーリーとは異なる特別遊技演出パターンによる演出ストーリーに順次切り替わる。その結果、最初から最後まで連続したストーリーの演出が行われる場合に比べて、様々な演出ストーリーによる面白みのある演出ができる。そして、単調な遊技になりがちな特別遊技を演出により面白みのあるものにできる。
なお、通常、特別遊技は、装飾図柄190が同じ図柄、例えば「333」や「777」で揃った場合に移行することが多い。第6実施例も同様に同じ装飾図柄190が揃ったときに特別遊技に移行するようにしてもよい。例えば、偶数のぞろ目で揃った場合に通常特別遊技に移行し、奇数のぞろ目で揃った場合に特殊特別遊技に移行するようにしてもよい。また、別の例では、装飾図柄190がぞろ目で揃った場合は通常特別遊技に移行し、ぞろ目以外の特定の図柄組合せ、例えば、「123」や「3A3」(Aは数字以外のオールマイティ図柄等)のようにしてもよい。この場合、遊技者が利益を得られる装飾図柄190の組合せが従来より多くなっているように見せることが可能で、出玉を得やすい遊技機であるという印象を遊技者に与えやすくなる。
また、通常特別遊技と特殊特別遊技とで開放される大入賞口は同じでもよいし、通常特別遊技用の大入賞口および特殊特別遊技用の大入賞口を個別に設けてもよい。大入賞口をそれぞれ異なる位置に設けることにより、通常特別遊技のときと特殊特別遊技のときとで、遊技球の発射目標位置を変えさせることができる。その結果、単調になりやすい特別遊技を技術介入性が高められた面白みのあるものにできる。また、通常特別遊技と特殊特別遊技とで、1個の入球に対する賞球の数は同じでもよいし、異なるようにしてもよい。例えば、通常特別遊技より特殊特別遊技の賞球を少なくしてもよい。このように、ラウンド数の違いに加え、1個の入球に対する賞球の数を変えることで、特別遊技に対する利益の違いを出しやすくなり、特別遊技のバリエーションを容易に増やすことができる。また、ラウンド数の違いと1個の入球に対する賞球の違いを適宜組み合わせることにより、出玉数の調整範囲を広げることが可能で、遊技機の仕様バリエーションを容易に増やすことができる。
上述した第6実施例では、特殊特別遊技が実行される場合、継続演出EKを表示することにより単位遊技がさらに継続するか否かを報知している。この場合、継続演出EKが表示されるまでは、特別遊技演出パターンにしたがう演出ストーリーが表示されることになる。そこで、特別遊技演出パターンにしたがう演出ストーリーが表示される間に、単位遊技の継続を期待させるような演出ができれば、特別遊技中の遊技者の興味をさらに演出に引きつけることができるとの考えに発明者らは至った。つまり、第6実施例において演出表示制御手段134は、継続演出EKで単位遊技がさらに実行される結果となる可能性を示唆するオブジェクトを、継続演出EKを表示する前の先の単位遊技の実行中に表示するようにしている。
例えば、特殊特別遊技が実行される場合、継続演出EKが表示される前の単位遊技において、演出表示装置60上で継続演出EKが表示された場合に成功演出となるか否かの可能性を示唆する示唆演出を行う。図34(a)〜図34(c)は、特殊特別遊技の実行中で継続演出EKが表示される前の演出表示装置60の表示イメージを説明する図である。
図34(a)に示すように、演出表示制御手段134は、特殊特別遊技の実行中で、継続演出EKを表示する前の単位遊技の実行中に、演出表示装置60が表示する演出画像の背景色を演出表示装置60の左右から徐々に変化させる。例えば、演出表示装置60の左隅から右に向かい赤色の背景色範囲R(第1演出の範囲)を徐々に広げる。一方、演出表示装置60の右隅から左に向かい緑色の背景色範囲G(第2演出の範囲)を徐々に広げる。この場合、背景色範囲Rの広さが継続演出EKで失敗演出である可能性があることを示唆し、背景色範囲Gの広さが継続演出EKで成功演出である可能性があることを示唆する。なお、背景色範囲Rと背景色範囲Gの広がる速度は不均一である。例えば、継続演出EKで成功演出となる可能性が高いことを示唆する場合には、図34(b)に示すように、継続演出EKが表示される前の単位遊技が終了するまでに、背景色範囲Rより背景色範囲Gの範囲が広くなるようにする。逆に、継続演出EKで失敗演出となる可能性が高いことを示唆する場合には、図34(c)に示すように、継続演出EKが表示される前の単位遊技が終了するまでに、背景色範囲Rより背景色範囲Gの範囲が広くなるようにする。その結果、遊技者に、特殊特別遊技で継続演出EKが表示される前の段階から、特殊設定回数に至った後にさらに単位遊技が継続するか否か期待感を持ちながら特別遊技を楽しませることができる。
また、背景色範囲Rおよび背景色範囲Gは、単位遊技中の入球に応じていずれかの範囲が広がるようにしてもよい。図34(a)は、入球に応じて背景色範囲Rまたは背景色範囲Gが広がる様子を説明するために、演出表示装置60の表示領域を20個の領域に分けている状態を示している。例えば、図33(c)の12R特殊特別遊技の場合、5回目の単位遊技が開始されると、大入賞口66に入球があるたびに図34(a)の背景色範囲Rまたは背景色範囲Gの色が1領域ずつ色づいていく。12R特殊特別遊技の場合、内部的には、7回目〜9回目の単位遊技の実行が確定しているので、演出表示制御手段134は、5回目および6回目の単位遊技での入球の結果、継続演出EKが成功演出となることを示唆する表示になる。つまり、図34(b)のような背景色範囲Rより背景色範囲Gの領域が大きくなるように表示する。なお、大入賞口66の閉鎖条件である10個以上の入球は概ね達成されるが、5回目および6回目の単位遊技で総計20個の入球に至らない場合もある。その結果、成功演出となる場合でも、背景色範囲Gより背景色範囲Rの領域が大きい状態で6回目の単位遊技が終了してしまう場合がある。また、逆に失敗演出となる場合でも、背景色範囲Rより背景色範囲Gの領域が大きい状態で6回目の単位遊技が終了してしまう場合がある。しかし、単位遊技が継続するか否かの最終的な示唆は、継続演出EKの結果で行われるので、その前段階の示唆演出が必ずしも正確な結果を示す必要はないので、特に問題ない。また、必要に応じて、6回目の単位遊技の終了時点で、背景色範囲Rと背景色範囲Gの表示状態を修正するようにしてもよい。なお、背景色範囲Rと背景色範囲Gの表示状態は、6回目の単位遊技の終了を契機にリセットされる。つまり、示唆演出は、次回の継続演出EKの結果のみを示唆する演出となる。
継続演出EKの成功演出の表示の後、7回目〜9回目の単位遊技が実行される。そして、8回目の単位遊技が開始されると、5回目および6回目の単位遊技の場合と同様に、背景色範囲Rおよび背景色範囲Gの領域を拡大する演出が実施される。12R特殊特別遊技の場合は、次の10回目〜12回目の単位遊技の実行が内部的に確定しているので、図34(b)のような背景色範囲Rより背景色範囲Gの領域が大きくなるように表示する。
そして、継続演出EKが表示される前に、背景色範囲Rと背景色範囲Gの表示状態がリセットされ、継続演出EKの成功演出の表示の後、10回目〜12回目の単位遊技が実行される。11回目と12回目の単位遊技の実行中にも前回と同様に、背景色範囲Rおよび背景色範囲Gの領域を拡大する演出が実施される。ただし、12R特殊特別遊技の場合は、次の13回目以降の単位遊技の実行はないことが内部的に確定しているので、図34(c)のような背景色範囲Gより背景色範囲Rの領域が大きくなるように表示する。そして。継続演出EKでは、失敗演出となり、終了演出EEへと繋がる演出が実行される。
このように、示唆演出と入球状態を関連付けることにより、単調な遊技になりがちな特別遊技中でも入球状態と背景色範囲の変化を対応付けながら楽しませることができる。
なお、上述の例では、単位遊技を2回分で示唆演出を行う例を示したが、継続演出EKが表示される前の単位遊技全てを対象にしてもよい。すなわち、1回目の継続演出EKの前は、6回分の単位遊技で入球可能な60個の領域で背景色範囲Rと背景色範囲Gを範囲を変化させてもよい。同様に、2回目以降の継続演出EKの前は、3回分の単位遊技で入球可能な30個の領域で背景色範囲Rと背景色範囲Gを範囲を変化させてもよい。逆に、それぞれ1回分の単位遊技で入球可能な10個で背景色範囲Rと背景色範囲Gを範囲を変化させてもよい。さらに、各回において、示唆演出の対象となる単位遊技の数を抽選等で決定して変化させてもよい。この場合、示唆演出をしない場合を含んでもよい。その結果、示唆演出が表示されるか、またいつから表示されるか等を楽しませることも可能となり、遊技性向上に寄与できる。
示唆演出の表示は、図34の例以外にも適宜変更可能で、インジケータを用いてもよいし、2種類のキャラクタを準備し、入球ごとにキャラクタの表示数を増やすようにしてもよい。
また、別の示唆演出として、例えば、単位遊技ごとに演出表示装置60で表示する演出の背景を変化させてもよい。例えば、示唆演出を3回の単位遊技を対象で実施する場合、継続演出で失敗演出を示唆する場合は、1回目の単位遊技の背景色を「赤」にし2回目の背景色を「黄」、3回目の背景色を「青」とする。この変化は、順当な変化であると定義する。一方、継続演出で成功演出を示唆する場合は、1回目の単位遊技の背景色を「赤」にし2回目の背景色を「黄」、3回目の背景色を「青」ではなく「金」とする。この変化は、順当な変化ではなく期待感を煽る演出となる。また、3回目の背景色を順当色の「青」以外にする場合、例えば、「銀」「金」、「虹色」としてもよい。この場合、背景色に応じて期待度を変えるようにしてもよい。このように、示唆演出のバリエーションを増やすことで、特別遊技中の演出でさらに遊技者を楽しませることができる。
特殊特別遊技の場合、継続演出EKで成功演出となるたびに、これまでの特別遊技演出パターンにしたがう演出ストーリーとは異なる特別遊技演出パターンにしたがう演出ストーリーに変化させている。ところで、通常遊技中は、装飾図柄190が揃うか否かの期待感を高めるためにリーチ演出がある。そして、リーチ演出ごとに期待度を設定したスペシャルリーチを複数設定している場合がある。遊技者は、特別遊技より通常遊技を遊技する時間の方が長く、期待度を示すスペシャルリートを目にする機会も多く、演出内容ごとの期待度の順位を理解している場合がある。そこで、このスペシャルリーチにおける演出内容の期待度の順位と同じ順位で、特殊特別遊技における特別遊技演出パターンにしたがう演出ストーリーを展開させることで、演出内容を理解し易いものにできる。例えば、スペシャルリーチの期待度が、キャラクタA、キャラクタB、キャラクタC、キャラクタDの順に大きくないように設定されている場合を考える。そして、例えば15R特別遊技演出の場合を考える。この場合、1回目〜6回目の単位遊技中の特別遊技演出パターンにしたがう演出ストーリーをキャラクタAに関するストーリーとする。次に7回目〜9回目の単位遊技中の特別遊技演出パターンにしたがう演出ストーリーをキャラクタBに関するストーリーとし、10回目〜12回目の単位遊技中の特別遊技演出パターンにしたがう演出ストーリーをキャラクタCに関するストーリーとする。そして、13回目〜15回目の単位遊技中の特別遊技演出パターンにしたがう演出ストーリーをキャラクタDに関するストーリーとする。このように通常遊技中の期待度の順位と、特別遊技演出中の単位遊技の継続に関する表示を関連付けることにより、次の演出内容を期待させながら特別遊技を遊技させることが可能になり遊技性の向上に寄与できる。なお、このように表示順位があることを浸透させることができれば、特殊特別遊技中に異なる表示順位で表示することで、サプライズ演出とすることができる。つまり、何か予想外の結果が生じるのではないという印象を遊技者に与えやすくなり、演出のバリエーションを広げることができる。
なお、第6実施例においては、継続演出中に操作ボタン82の操作は要求されないが、操作ボタン82の操作を要求するようにしてもよい。例えば、操作ボタン82の操作の有無によって、継続演出後の演出内容を変化させるようにしてもよい。この場合、遊技者の選択により以降の演出内容が変化しているように見せることが可能になり、遊技者参加性を高めることができる。
また、第6実施例において、第4実施例で説明したラウンド表示灯400を併用してもよい。この場合、特殊特別遊技において単位遊技が継続するか否かを演出による報知と併せて、ラウンド表示灯400の表示変化による報知予想を楽しませることが可能になり、特別遊技中での楽しみが増え、特別遊技中の興味を維持させやすくできる。
また、第6実施例に、第5実施例で説明した短開放単位遊技、長開放単位遊技を適用してもよい。この場合第5実施例と第6実施例の効果の両方が得られ、遊技性をさらに向上させることができる。
なお、上述した実施例は、各実施例の構成を遊技球が実際に遊技者の手元に払い出されるタイプの遊技機に適用する例を説明したが、手持ちの遊技球の数を電子的に表示するタイプの遊技機に適用しても各実施例と同様の効果を得ることができる。具体的には、ぱちんこ遊技機10は、所定数の遊技球を保持し、それらの遊技球が遊技機外部へ流出しないように遊技機内部に封入された封入球式の構成であってもよい。言い換えれば、ぱちんこ遊技機10は、遊技球を遊技機外部へ流出させることなく、遊技機内部、例えば遊技球発射機構、遊技領域52、各入賞口またはアウト口58を循環させる構成であってもよい。この場合、ぱちんこ遊技機10は、遊技球の流出に関する各種部材、例えば上球皿15や下球皿16、払出ユニット43に代えて、遊技者が保有する遊技球数を遊技者の持点(いわゆるクレジット数)として電子的に管理する持点管理部を備えることができる。持点管理部は、ぱちんこ遊技機10での遊技状況に応じて遊技者の持点を刻々と増減させる。例えば、遊技球が発射されるたびに遊技者の持点を1減算してもよく、各入賞口への入賞を入球判定手段110が検出するたびにその入賞に対応する払い出し球数を遊技者の持点に加算してもよい。なお、ぱちんこ遊技機10とは別筐体の情報処理装置であり、ぱちんこ遊技機10と通信可能に接続された遊技用装置に持点管理部が設けられてもよい。この場合、ぱちんこ遊技機10は、遊技中に遊技者の持点が変化する所定のイベント、例えば遊技球の発射や入賞等を検出するたびに、遊技者の持点の変化量を遊技用装置へ通知してもよい。遊技用装置の持点管理部は、遊技者の持点を保持し、ぱちんこ遊技機10から通知された遊技者の持点の変化量に応じて、遊技者の持点を増減させてもよい。
尚、本願発明は上記実施例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施例に開示されている複数の構成要素の適宜組合せにより種々の発明を形成しても良いし、上記実施例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。更に、複数の実施例にわたる構成要素を適宜組み合わせることも可能である。
以下に、変形例の構成例を示す。
[構成1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動口と、
前記始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選の結果に応じた演出的な図柄の変動表示がなされる演出表示装置と、
所定の演出ストーリーにしたがって前記図柄の変動を表示させる過程が定められた複数の演出パターンを記憶するとともに、前記複数の演出パターンとして、遊技者の操作入力がなされた場合に前記演出ストーリーが異なる演出ストーリーに切り替わり得ることを示唆する演出内容である分岐演出を含んだ第1の演出パターンと、前記第1の演出パターンとは異なる演出ストーリーにしたがって前記図柄の変動を表示させる過程が定められ、前記当否抽選の結果が当りである場合に選択され得る第2の演出パターンと、を含むパターン記憶手段と、
前記当否抽選の結果に応じて前記複数の演出パターンからいずれかを選択する演出決定手段と、
前記選択された演出パターンにしたがって前記演出表示装置に前記図柄を変動表示させる演出表示制御手段と、
遊技者からの前記操作入力を受け付ける操作入力手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の受け入れ状態が遊技者に有利な状態に変化可能な大入賞口と、
前記当否抽選の結果が前記特別遊技への移行を示す当りとなった場合に、前記大入賞口の受け入れ状態を遊技者に有利な状態へ変化させることにより前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
を備え、
前記演出表示制御手段は、前記第1の演出パターンにしたがって前記図柄を変動表示させる所定期間に前記操作入力がされた場合に、前記当否抽選の結果が当りであることを条件に前記第1の演出パターンの演出ストーリーにしたがった前記図柄の変動表示を前記第2の演出パターンの演出ストーリーにしたがった前記図柄の変動表示に切り替えることを特徴とする弾球遊技機。
[構成2]
前記演出表示制御手段は、前記当否抽選の結果が外れの場合には、前記所定期間における前記操作入力に基づいて、前記第1の演出パターンの演出ストーリーにしたがった演出実行中に装飾オブジェクトを表示することを特徴とする構成1に記載の弾球遊技機。
[構成3]
前記パターン記憶手段は、前記演出パターンとして、前記当否抽選の結果が外れである場合に選択される第3の演出パターンをさらに記憶し、
前記第3の演出パターンは、前記第1の演出パターンに含まれる演出パターンのうち前記分岐演出より前の演出内容を、演出の開始部分に含むことを特徴とする構成1または構成2に記載の弾球遊技機。
[構成4]
前記第1の演出パターンは、前記分岐演出を複数有し、
前記パターン記憶手段は、前記第2の演出パターンとして、前記複数の分岐演出のそれぞれに対応する複数種類の演出パターンを記憶し、
前記第1の演出パターンは、前記分岐演出のそれぞれに対応する所定期間のいずれに前記操作入力がなされたかに応じて、異なる種類の前記第2の演出パターンの演出ストーリーにしたがった前記図柄の変動表示に切り替えられることを特徴とする構成1から構成3のいずれか1つ記載の弾球遊技機。
[構成5]
前記演出決定手段は、前記複数の分岐演出のうちの所定の分岐演出に対応する所定期間に前記操作入力がされなかった場合に、前記所定の分岐演出以降の分岐演出に対応する所定期間における前記操作入力によって、前記第1の演出パターンの演出ストーリーにしたがった前記図柄の変動表示を前記第2の演出パターンの演出ストーリーにしたがった前記図柄の変動表示に切り替える確率を高くすることを特徴とする構成4に記載の弾球遊技機。
[構成6]
前記演出表示制御手段は、前記複数の分岐演出のうちの所定の分岐演出に対応する所定期間に前記操作入力がされなかった場合には、当該所定期間に前記操作入力がされた場合に比べ、前記所定の分岐演出以降の分岐演出に対応する所定期間に前記操作入力がされた場合に、前記当否抽選の結果が当りであることを条件に、前記第1の演出パターンの演出ストーリーにしたがった前記図柄の変動表示を、前記当否抽選の結果が当りであることをより強く示唆する前記第2の演出パターンの演出ストーリーにしたがった前記図柄の変動表示に切り替えることを特徴とする構成4または構成5に記載の弾球遊技機。
[構成7]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動口と、
前記始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の受け入れ状態が遊技者に有利な状態に変化可能な大入賞口と、
前記当否抽選の結果が前記特別遊技への移行を示す当りとなった場合に、前記大入賞口の受け入れ状態を遊技者に有利な状態へ変化させることにより前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記特別遊技を実行する旨が決定された場合であって、前記特別遊技の終了後にあらたに前記特別遊技を獲得する容易性が通常状態より有利となる状態である特定遊技状態に移行させる所定の移行条件が成立している場合、所定の終了条件が満たされるまで前記特定遊技状態に移行させる特定遊技実行手段と、
遊技の進行に応じて画像が表示される演出表示装置と、
所定の演出ストーリーにしたがって前記特別遊技が実行中であることを演出的に示す画像を表示させる過程が定められた複数の特別遊技演出パターンを記憶するとともに、前記複数の特別遊技演出パターンとして、遊技者の操作入力がなされた場合に前記演出ストーリーが異なる演出ストーリーに切り替わり得ることを示唆する演出内容である分岐演出を含んだ第1の特別遊技演出パターンと、前記第1の特別遊技演出パターンとは異なる演出ストーリーにしたがって画像を表示する過程が定められ、前記特別遊技の終了後に前記特定遊技状態に移行する旨が決定されている場合に選択され得る第2の特別遊技演出パターンと、を含むパターン記憶手段と、
前記当否抽選の結果に応じて前記複数の特別遊技演出パターンからいずれかを選択する演出決定手段と、
前記選択された特別遊技演出パターンにしたがって前記演出表示装置に前記画像を表示させる演出表示制御手段と、
遊技者からの前記操作入力を受け付ける操作入力手段と、
を備え、
前記演出表示制御手段は、前記第1の特別遊技演出パターンにしたがって前記画像を表示させる所定期間に前記操作入力がされた場合に、前記特定遊技状態に移行することが決定されていることを条件に前記第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の表示を前記第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の表示に切り替えることを特徴とする弾球遊技機。
[構成8]
前記演出表示制御手段は、前記特定遊技状態への非移行が決定されている場合には、前記所定期間における前記操作入力に基づいて、前記第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の表示に重ねて当該画像を装飾するオブジェクトを表示することを特徴とする構成7に記載の弾球遊技機。
[構成9]
前記第1の特別遊技演出パターンは、前記分岐演出を複数有し、
前記パターン記憶手段は、前記第2の特別遊技演出パターンとして、前記複数の分岐演出のそれぞれに対応する複数種類の特別遊技演出パターンを記憶し、
前記演出表示制御手段は、前記分岐演出のそれぞれに対応する所定期間のいずれに前記操作入力がなされたかに応じて、異なる種類の前記第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった前記画像の表示に切り替えることを特徴とする構成7または構成8に記載の弾球遊技機。
[構成10]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた始動口と、
前記始動口への入球を契機として当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられて前記当否抽選の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否抽選の結果が当りとなった場合、前記大入賞口の開閉を伴う単位遊技が所定回数に至るまで前記当否抽選の当りの種類に応じた開閉パターンにしたがって実行される特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
遊技の進行に応じて画像が表示される演出表示装置と、
所定の演出ストーリーにしたがって前記特別遊技が実行中であることを演出的に示す画像を表示させる過程が定められた複数の特別遊技演出パターンを記憶するとともに、前記複数の特別遊技演出パターンとして、遊技者の操作入力がなされた場合に前記演出ストーリーが異なる演出ストーリーに切り替わり得ることを示唆する演出内容である分岐演出を含んだ第1の特別遊技演出パターンと、前記第1の特別遊技演出パターンとは異なる演出ストーリーにしたがって画像を表示する過程が定められ、前記特別遊技の実行に先立ち決定される前記開閉パターンが予め定められた開閉パターンである場合に選択され得る第2の特別遊技演出パターンと、を含むパターン記憶手段と、
前記当否抽選の当りの種類に応じて前記複数の特別遊技演出パターンからいずれかを選択する演出決定手段と、
前記選択された特別遊技演出パターンにしたがって前記演出表示装置に前記画像を表示させる演出表示制御手段と、
遊技者からの前記操作入力を受け付ける操作入力手段と、
を備え、
前記特別遊技制御手段は、前記大入賞口の開放期間が相対的に長い長開放単位遊技と前記長開放単位遊技より開放期間が相対的に短い短開放単位遊技の少なくとも一方を前記所定回数に至るまで実行する複数種類の前記開閉パターンのうちいずれかにしたがって前記特別遊技を実行し、
前記演出表示制御手段は、前記第1の特別遊技演出パターンにしたがって前記画像を表示させる所定期間に前記操作入力がされた場合に、前記特別遊技の前記開閉パターンに含まれる前記長開放単位遊技が予め定められた設定回数以上であることを条件に前記第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の表示を前記第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の表示に切り替えることを特徴とする弾球遊技機。
[構成11]
前記演出表示制御手段は、前記長開放単位遊技の回数が前記設定回数より少ない場合には、前記所定期間における前記操作入力に基づいて、前記第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の表示に重ねて当該画像を装飾するオブジェクトを表示することを特徴とする構成10に記載の弾球遊技機。
[構成12]
前記第1の特別遊技演出パターンは、前記分岐演出を複数有し、
前記パターン記憶手段は、前記第2の特別遊技演出パターンとして、前記複数の分岐演出のそれぞれに対応する複数種類の特別遊技演出パターンを記憶し、
前記演出表示制御手段は、前記分岐演出のそれぞれに対応する所定期間のいずれに前記操作入力がなされたかに応じて、異なる種類の前記第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった前記画像の表示に切り替えられることを特徴とする構成10または構成11に記載の弾球遊技機。
[構成13]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた始動口と、
前記始動口への入球を契機として当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられて前記当否抽選の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否抽選の結果が当りとなった場合、前記大入賞口の開閉を伴う単位遊技を所定の単位遊技設定回数に至るまで繰り返す特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
遊技の進行に応じた演出画像が表示される演出表示装置と、
所定の演出ストーリーにしたがって前記特別遊技が実行中であることを演出的に示す画像を表示させる過程が定められた複数の特別遊技演出パターンを記憶するパターン記憶手段と、
前記当否抽選の当りの種類に応じて前記複数の特別遊技演出パターンからいずれかを選択する演出決定手段と、
前記選択された特別遊技演出パターンにしたがう前記画像を前記特別遊技中に前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、
を備え、
前記特別遊技制御手段は、前記当否抽選の当りの種類に応じた異なる前記単位遊技設定回数の特別遊技として、所定の単位遊技設定回数に至るまで前記大入賞口の開動作を第1の閉期間を挟んで繰り返す通常特別遊技と、前記単位遊技を前記単位遊技設定回数における上限回数以下の予め定められた複数種類の特定設定回数のいずれかに至るまで繰り返すと共に、それぞれの前記特定設定回数に対応する単位遊技とそれに続いて実行される単位遊技との間において前記大入賞口の閉動作が行われる際には当該閉動作後の大入賞口閉期間を前記第1の閉期間より長い第2の閉期間で実行し、それ以外の前記単位遊技間の前記大入賞口の閉動作を前記第1の閉期間で実行する特殊特別遊技のいずれかを前記当否抽選の当りの種類に応じて実行し、
前記パターン記憶手段は、前記特別遊技演出パターンとして、前記単位遊技設定回数のうち前記上限回数以外の前記特定設定回数に対応する単位遊技が終了するごとに、当該単位遊技の終了後にさらに前記単位遊技が実行されるか否かを示唆する継続演出を含む継続演出パターンを含み、
前記演出表示制御手段は、前記特殊特別遊技のうち前記特定設定回数が最小の最小特殊特別遊技が実行される場合、前記特定設定回数に対応する単位遊技の終了後に前記継続演出を表示し、前記特殊特別遊技のうち前記特定設定回数が最大の最大特殊特別遊技が実行される場合、前記上限回数に対応する単位遊技の終了後は前記継続演出を非表示とし、それ以外の前記特定設定回数に対応する単位遊技の終了後の前記第2の閉期間で実行される閉動作のたびに前記継続演出を表示し、前記最小特殊特別遊技および前記最大特殊特別遊技以外の前記特殊特別遊技が実行される場合、前記特定設定回数に対応する単位遊技のうち最後の単位遊技の終了後および前記最後の単位遊技以外の前記特定設定回数に対応する単位遊技の終了後の前記第2の閉期間で実行される閉動作のたびに前記継続演出を表示することを特徴とする弾球遊技機。
[構成14]
前記演出表示制御手段は、前記継続演出で前記単位遊技がさらに実行される結果となる可能性を示唆するオブジェクトを、前記継続演出を表示する前の先の単位遊技の実行中に表示することを特徴とする構成13記載の弾球遊技機。