JP2015157123A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】可動体を好適に動作させることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】可動手段(可動体604)を初期位置から変位させ再び初期位置に戻す一連の動作を繰り返し行うように動作させる駆動手段(右側モータ603R)を備える遊技機において、所定のタイミングにおいて、駆動手段が第1位置(初期位置までの動作量が比較的に小さい位置)にある場合に駆動速度を減速させ、他方、所定のタイミングにおいて、駆動手段が第2位置(初期位置までの動作量が第1位置より小さい位置)にある場合、第1位置にある場合よりも加速させて一連の動作を1回分多く行うようにする。
【選択図】図13

Description

本発明は、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機には、遊技内容に関連するキャラクタを可動
に構成して可動体とし、駆動源であるモータやソレノイドでこのキャラクタを駆動して動
作させ、これにより演出効果を高めるようにした可動装置を役物として用いたものがある
特開2006−34728号公報
しかしながら、上記のような可動装置を備える遊技機においては、可動体を好適に動作
させるのが困難な場合がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みて案出されたものであり、可動体を好適に動作させるこ
とが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明にかかる遊技機は、上記目的を達成するために、
遊技球が流下可能な遊技領域と、該遊技領域に設けられ遊技球が入球可能な入球口と、該入球口に入球した遊技球を検出する入球検出手段と、該入球検出手段による遊技球の検出に基づいて当否抽選を行う抽選手段と、該抽選手段による当否抽選の結果に基づいて演出パターンを複数種類のうちから選択する選択手段と、該選択手段によって選択された演出パターンに基づいて所定の演出を制御する演出制御手段とを備え、
前記抽選手段による当否抽選の結果が特定結果となった場合に遊技者に有利な特定遊技状態を生じさせる遊技機において、
遊技者が操作可能な操作手段と、
所定の動作が可能に設けられる可動手段と、
該可動手段を動作させる駆動手段と、
前記選択手段により選択された所定の演出パターンにおいて、前記操作手段についての所定有効期間を設定する設定手段と、
該設定手段により設定された前記有効期間に前記操作手段が操作された場合に、前記操作手段の操作を検出する操作検出手段と、
前記可動手段に所定の動作を実行させるために前記駆動手段を制御する駆動制御手段と、を備え、
該駆動制御手段は、
前記可動手段を所定の待機位置から所定の可動位置まで変位させ再び待機位置に戻す特定動作を繰り返し行うように前記駆動手段を駆動制御する第1制御手段と、
前記操作検出手段によって前記操作手段の操作が検出された場合に、前記可動手段を可動開始又は可動終了するように制御する第2制御手段と、
前記可動手段を可動終了する場合に、前記可動手段が前記所定の待機位置にあるタイミングで可動を終了させる第3制御手段と、を備え、
該第3制御手段は、
前記可動手段を可動終了する場合の所定のタイミングにおいて、前記待機位置へ向けて前記可動手段を動作させている前記駆動手段が、その初期位置に復帰するまでの動作量が所定量となる第1駆動位置にある場合に、前記駆動手段の駆動速度を減速させてN回目に前記初期位置に復帰した時点で駆動制御を終了させる第1手段と、
前記可動手段を可動終了する場合の所定のタイミングにおいて、前記待機位置へ向けて前記可動手段を動作させている前記駆動手段が、前記初期位置に復帰するまでの動作量が前記第1駆動位置よりも少ない第2駆動位置にある場合に、前記駆動手段を制御してN+1回目に前記初期位置に復帰した時点で駆動制御を終了させる第2手段と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、上述の通り、可動装置を備える遊技機において、可動体を好適に動作
させることが可能となる。
パチンコ機の一例を示す正面図。 図1のパチンコ機の正面側の斜視図。 図1のパチンコ機の前面枠の斜視図。 遊技盤の一例を示す正面図。 主表示ユニットの斜視図。 図1のパチンコ機の背面の構成を示す分解斜視図。 図4の遊技盤の背面側の斜視図。 図4の遊技盤の背面図。 パチンコ機の電気的構成の一例を示すブロック図。 カメ役物ユニット(可動装置)の正面図。 第1可動体および第2可動体の前側からみた分解斜視図。 第1可動体および第2可動体の後側からみた分解斜視図。 駆動機構の配置を示す正面図。 第3可動体およびその駆動機構の正面図。 第1可動体および第2可動体の動作状況を示す正面図。 液晶取付枠部材の正面図。 第2伝達部材の他の例およびその動作状況を示す正面図。 可動装置の他の例を示す正面図。 可動装置の他の例を示す正面図。 第2伝達部材の他の例を前側からみた分解斜視図。 第2伝達部材の他の例を後側からみた分解斜視図。 図20の第2伝達部材の使用状況を示す正面図。
以下、本発明の最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、遊技機とし
てパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を挙げる。
(パチンコ機正面側の構成)
図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の斜視図、図3はパチンコ機1
0の前面枠の斜視図である。図1および図2に示すように、パチンコ機10は、当該パチ
ンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された
内枠12とを備えている。以下に、外枠11と内枠12との構成を個別に説明する。
上記外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能
な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の
軽金属により構成されていてもよい。このように構成することにより、パチンコ機の軽量
化を図ることができるからである。
一方、上記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル(後述する遊
技球発射ハンドル18)設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延び
るように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放でき
るようになっている。このような構成とするのは、内枠12の開閉軸線がハンドル設置箇
所側(図1のパチンコ機10の右側)で上下方向にあるとすると、内枠12を開放する際
に遊技球発射ハンドル18の頭部等が隣なりのパチンコ機やカードユニット(球貸しユニ
ット)に干渉することになり、内枠12を十分に開放できないからである。また、内枠1
2は合成樹脂、具体的にはABSアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂から成
る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発
揮される。
また、内枠12は、その最下部に下皿ユニット13を有し、内枠12の左側の上下方向
の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、樹脂ベース25
(図6参照)と、この樹脂ベース25の後側に取り付けられる後述の遊技盤30とを備え
ている。これらの各構成を以下に詳細に説明する。
上記下皿ユニット13は、前面枠セット14の一部として前面枠ベース部材に固定され
ている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射
ハンドル18と演出ボタン79が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニ
ット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿が満タンになった場合等に排出口1
6より排出される遊技球を停留する役割がある。上記球抜きレバー17は、下皿15内の
遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることに
より、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15
の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。上記
遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されてい
る。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、発射ソレノイドを備えた遊技
球発射装置によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。
前面枠セット14の上部には、スピーカからの音を出力するための音出力口24が設けら
れている。
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿とし
ての上皿19が前面枠セット14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を
一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿であ
る。また、上皿19の左下方には、装飾図柄表示装置42の背景を変える等の操作を遊技
者が行なうための演出ボタン79が設けられている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光
手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり遊技状態時等における遊技状態の変
化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を
果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状
電飾部102が左右対称に設けられ、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより
、大当たり遊技状態中であることを報知する構成である。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120に
は球貸しボタンと、返却ボタンと、度数表示部とが設けられている。パチンコ機10の側
方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入し
た状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。
球貸しボタンは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために
操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給
される。返却ボタンは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作さ
れる。度数表示部はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを
介さずに球貸し装置部から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機
では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール
等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金
機との貸球操作部の共通化が図れる。
次に、図4を用いて遊技盤30の構成を説明する。図4は遊技盤30の構成を示す正面
図である。遊技盤30は、一般入賞口を備える一般入賞装置31、可変入賞装置32、上
始動口33aと下始動口33b(作動チャッカ33bで構成)とから成る第1の始動入賞
装置33、第2の始動口を備える第2の始動入賞装置34(スルーゲートで構成)、主表
示ユニット371、装飾図柄表示装置42を備える可変表示装置ユニット35等が設けら
れている。これらの一般入賞装置31、可変入賞装置32、第1の始動入賞装置33、第
2の始動入賞装置34、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加
工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等に
より取り付けられている。また、下始動口33bの入口には、一対の開閉羽根60が設け
られており、遊技球を案内する開放位置と、下始動口33b内に遊技球が入りにくくなる
閉塞位置を採りうる。開閉羽根60は、遊技盤30の裏面側に配設されたソレノイドSL
1によって駆動される。また、下始動口33bの下方には、大入賞口(収容部の入口)6
1が配置されている。大入賞口61については、後に言及する。大入賞口61内には、入
球検出スイッチSW1が設けられている。
前述の一般入賞装置31、可変入賞装置32および第1の始動入賞装置33に遊技球が
入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口
スイッチ等)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿1
5)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けら
れており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しな
い球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を
適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、各種部材(役物)が配
設されている。
主表示ユニット371は、図4に示すように、右上の隅部が直角でその対辺が左上から
右下へ延びる斜辺となっている、やや上下に長い概略直角三角形の各隅部(角部)が丸く
角落ちするとともに、斜辺が遊技領域の右上部に沿って弧状に内側へ湾曲する正面形状を
有し、図5に示すように前後にやや厚みを有する立体状の外形を有する部品となっている
。主表示ユニット371における右上の背面側にはネジ挿通孔を有するフランジ371F
が形成され、右下の隅部には、前面側から後面壁まで凹入し該後面壁にネジ挿通孔(図示
せず)を有する正面視概略U字状のネジ挿通部371Nが形成され、図4に示すように、
フランジ371Fおよびネジ挿通部371Nにネジが螺入されて主表示ユニット371が
遊技盤30の前面における右上部に固定されている。主表示ユニット371における左上
の上面部は左下方へやや下傾するように形成され、その中央部は、図4に示すように、遊
技球の最大飛翔部分に対応する外レール52の先端部に近接し、この部位の上に、図5に
示すようにゴム板よりなる返しゴム371Rが取り付けられている。この返しゴム371
Rにより、所定以上の勢いで発射された遊技球が当たって跳ね返されるようになっている
。主表示ユニット371の前面部には、左上端近傍からネジ挿通部371Nに隣接するま
で斜辺に沿って弧状に延びる正面形状を有して内奥側へ段状に凹入する表示部371Mが
形成されている。
上記表示部371Mには、5個の表示装置371A、371B、371C、371D、
371Eが上から弧状に並ぶようにして順に配置されている。上から1番目の表示装置3
71Aは、左右2個のLEDで構成され、一方のみあるいは両方を点灯することにより3
通りに点灯表示し、これにより大当たりとなる確率が低確率、中確率および高確率のいず
れであるかを表示するようになっている。上から2番目の表示装置371Bは、数個(7
ないし9個)のLEDのセグメントから構成され、特別図柄の種類を表示するようになっ
ている。この上から2番目の表示装置371Bの表示内容は、装飾図柄表示装置42によ
っても表示される。上から3番目の表示装置371Cは、左右2個のLEDで構成され、
これらの点灯状態に点滅状態を加えて組み合わせることにより、特別図柄に関する保留球
の個数を表示するようになっている。なお、センターフレーム43の下部には、装飾図柄
表示装置42の下辺に沿って配列された4個のランプよりなる保留ランプ800aが配置
されており(図4参照)、この保留ランプ800aによっても上記特別図柄に関する保留
球の個数が表示されるようになっている。上から4番目の表示装置371Dは、同じく数
個のLEDのセグメントから構成され、当りのラウンド数を表示するようになっている。
上から5番目の表示装置371Eは、左列6個、右列3個の計9点のLEDで構成され、
このうち左上3個のLEDが、青または赤に点灯して当り外れを表示する普通図柄表示装
置となっており、右3個および左下3個のLEDが、点灯状態と点滅状態との組み合わせ
により、普通図柄に関する保留球の個数を表示するようになっている。
上記装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装
置により表示内容が制御される。装飾図柄表示装置42には、例えば上、中、及び下の3
箇所に識別情報としての図柄が表示される。これら図柄がスクロールされて装飾図柄表示
装置42に可変表示されるようになっている。なお本形態では、装飾図柄表示装置42(
液晶表示装置)は例えば10インチ或いは12インチサイズの大型の液晶ディスプレイを
備えている。
上記可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になって
おり、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動され
るようになっているが、その具体的な構成については後述する。簡略に触れれば、特別図
柄表示装置が特定の表示態様となった場合(装飾図柄表示装置42の停止後の確定図柄が
予め設定した特定の図柄の組み合せとなった場合)に特別遊技状態が発生する。そして、
可変入賞装置32が受球状態となり、遊技球の入賞を許す。具体的には、所定時間(例え
ば30秒)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装
置32の受球状態が所定回数繰り返し開放される。遊技球が第1の始動入賞装置33を通
過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ800aにて点灯表示さ
れるようになっている。なお、保留ランプ800aは、装飾図柄表示装置42の一部で変
動表示される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内
するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操
作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるよ
うになっている。レールユニット50はリング状をなす金属板にて構成されており、内外
二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。内レール51および外レ
ール52の後側端縁(遊技盤30に対向する端縁)には、所定間隔をおいて複数個所に鋲
56が設けられており、内レール51および外レール52は該鋲56を打ちつけるように
して遊技盤30に取り付けられている。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円
環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして外レール5
2が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構
成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部
分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を
有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。
これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上
部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるよ
うになっている。
尚、遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形
成されており、特に本形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領城が従来よりも
はるかに大きく構成されている。
(パチンコ機の背面構成)
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。図6はパチンコ機10の背面の構成を
示す分解斜視図である。
先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10には
その背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左
右に並べられるようにしてまたは前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、
遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の裏カバー(保護カバー)
等が取り付けられている。本形態では、各種制御基板を3つの取付台に分けて搭載して3
つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤
30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御基板、電源監視基板、これら基
板を収容する基板ボックスおよび該基板ボックスを封印する封印ユニットから構成される
主制御装置261を一つにユニット化し、表示制御基板、該表示制御基板を収容する基板
ボックスおよび装飾図柄表示装置42から構成される表示制御装置45とサブ制御基板お
よび該サブ制御基板を収容する基板ボックスから構成されるサブ制御装置262とを後述
する外包部材82に搭載してユニット化し、さらに払出制御基板、該払出制御基板を収容
する基板ボックス(払出制御基板ケース)および該基板ボックスを封印する封印ユニット
から構成される払出制御装置311と電源基板、発射制御基板およびこれら基板を収容す
る基板ボックス(電源・発射制御基板ケース203A)から構成される電源・発射制御装
置とを1つの取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、各ユニットを上記
の順に「第1制御基板ユニット201」、「第2制御基板ユニット202」および「第3
制御基板ユニット203」と称することとする。
また、払出機構および裏カバー(保護カバー)も上記第3制御基板ユニット203に一
体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここでは第3制御
基板ユニット203を「裏パックユニット203」とも称する。各ユニット201〜20
3の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201は、後述するように、取り外す場合には工具で封止状態を
解除する必要があるが取付はネジ等の締結具も工具も何ら要することなく行い得るよう構
成されており、第2制御基板ユニット202および裏パックユニット203は、ユニット
単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されている。更に、これに加え、各ユニ
ット201〜203は、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して
開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に
重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもあ
る。
上述した第1制御基板ユニット201は、その遊技の進行を統括する主制御基板及び電
源の監視を司る電源監視基板を有する。上記主制御基板と電源監視基板とは透明樹脂材料
等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。この基板ボックスは、略直方体形
状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、
これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニットによって開封不能に連結される
ことにより、基板ボックスが封印される。
尚、封印ユニットはボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であ
れば任意の構成が適用でき、また、封印ユニットによる封印処理は、その封印後の不正な
開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期にかつ容易に発見可
能とするものである。
第2制御基板ユニット202は、主制御基板からの指示に従い前記装飾図柄表示装置4
2の表示制御を司る表示制御装置45と主制御基板からの指示に従い音声ランプ制御を司
るサブ制御基板とを有する。上記表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42および表示
制御基板がユニットとして構成され、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて
後述する外包部材82の背面側に取り付けられている。上記サブ制御基板は透明樹脂材料
等よりなる基板ボックスに収容され、上記表示制御装置45の背面側に取り付けられてい
る。
次に、前記第3制御基板ユニット(裏パックユニット)203は、払出制御基板、電源
基板、発射制御基板及びカードユニット接続基板を有している。上記払出制御基板により
賞品球や貸出球の払出が制御され、上記電源基板および発射制御基板により各種制御装置
等で要する所定の電源電圧が生成され出力されるとともに遊技者による遊技球発射ハンド
ル18の操作に従い発射ソレノイドの制御が行われる。また、上記カードユニット接続基
板は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)および図示しないカードユニット
に電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御基板に
出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が
直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板は不要である。
上記払出制御基板は、透明樹脂材料等よりなる払出制御基板ケース(図示せず)内に収
納されており、上記電源基板および発射制御基板は、透明樹脂材料等よりなる電源・発射
制御基板ケース203A内に収納されている。また、上記カードユニット接続基板は透明
樹脂材料等よりなるカードユニット接続基板ケース(図示せず)内に収納されている。特
に、払出制御基板では、前述した主制御基板と同様、基板ケース(被包手段)を構成する
ボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結
されることにより、基板ボックスが封印される。
上記払出制御基板は状態復帰スイッチと電気的に接続されており、例えば、払出モータ
部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押下されると、払出モ
ータがゆっくりと正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようにな
っている。
裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部35
2とを一体化したものである。
裏パック351は例えばABS樹脂により成型されており、略平坦状のベース部353
と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす裏カバー部(保護カバー部)35
4とを有する。裏カバー部354は左右側面および上面が閉鎖されかつ下面のみが開放さ
れた形状をなし、少なくとも電動役物ユニット(センター役物)を囲むのに十分な大きさ
を有する(但し本形態では、前述のサブ制御基板も合わせて囲む構成となっている)。裏
カバー部354の背面には多数の通気孔が設けられている。この通気孔は各々が長孔状を
なし、それぞれの通気孔が比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り
合う通気孔間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口
させることができる。つまり、通気孔間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置等
を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、裏カバー部354を迂回するようにして払出機構部352
が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355
が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐
次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流
側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356
の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレ
ール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊
技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図示しな
い払出通路等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356と、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ
359とが一体化するようにユニット化されており、仮にタンクレール356付近で球詰
まりが生じた際、バイブレータ359が駆動されることで球詰まりが解消されるようにな
っている。
上記払出機構部352には、前記払出制御基板から払出装置358への払出指令の信号
を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電
源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介
して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチの切替操作により電源ONまた
は電源OFFとされるようになっている。
なお、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内
枠開検出スイッチ(図示せず)が設けられており、内枠12が開かれると、内枠開検出ス
イッチからホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。ま
た、上記内枠開検出スイッチの左方には、前面枠開検出スイッチ(図示せず)が設けられ
ており、前面枠セット14が開かれると、前面枠開検出スイッチからホール内(パチンコ
店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。
(パチンコ機の電気的構成及び各種制御処理)
次に、図9を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。パチンコ機
10は、電源装置313と、電源監視装置540と、主制御装置261と、サブ制御装置
262と、払出制御装置311と、表示制御装置45等を備えている。以下に、これらの
装置を個別に詳細に説明する。尚、電源監視装置540と主制御装置261とは、上記し
たように封印ユニットで封印されている。
次いで、主制御装置261の構成について説明する。主制御装置261には、演算装置
である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている。MPU501には、該
MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM5
02と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等
を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、そのほか、割込回路やタイマ回
路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバック
アップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM
503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアが備えられている。
なお、MPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生によ
る電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成され
ており、その停電信号SG1がMPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI
割込処理が即座に実行される。
主制御装置261のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバス
ライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、
電源監視装置540内のRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御
装置312、サブ制御装置262、特別図柄表示装置、普通図柄表示装置、特別図柄保留
表示装置800、普通図柄保留表示装置801や、その他図示しないスイッチ群などが接
続されている。なお、特別図柄表示装置は上記したように9個のLEDセグメントで構成
されており、普通図柄表示装置は上記したように普通図柄用の第1および第2ランプで構
成されており、特別図柄保留表示装置800は上記したように特別図柄に関する保留球の
個数を表示する保留ランプ800aで構成されており、普通図柄保留表示装置801は上
記したように普通図柄に関する保留球の個数を表示する保留ランプ801aで構成されて
いる。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うもの
である。演算装置であるMPU511は、そのMPU511により実行される制御プログ
ラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRA
M513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、パ
チンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給され
てデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデ
ータ等を一時的に記憶するためのエリアが備えられている。
なお、主制御装置261のMPU501と同様、MPU511のNMI端子にも、停電
時の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように
構成されており、その停電信号SG1がMPU511へ入力されると、停電時処理として
のNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置311のMPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバ
スライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には
、主制御装置261、払出モータ358aがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射ソレノイドによる遊技球の発射を許可又は禁止するもので
あり、発射ソレノイドは、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、
払出制御装置311からカードユニットとの接続状態であることを示す接続信号が出力さ
れていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検
出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条
件に、発射制御装置312は発射許可信号を主制御装置261に出力する。発射許可信号
を入力した主制御装置261は、発射ソレノイド制御信号を発射制御装置312に出力す
る。これにより発射制御装置312は発射ソレノイド制御信号に応じて発射ソレノイドを
駆動し、その結果、遊技球発射ハンドルの操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
サブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドに基づいて装飾図柄の変動表
示に応じた演出用スピーカ810等の鳴動制御及び演出用ランプ811の点灯(点滅)制
御、並びに、主制御装置261からのコマンドに基づいて表示制御装置45へのコマンド
を編集して表示制御装置45に送信する機能を果たすものである。サブ制御装置262の
MPU550には、そのMPU550により実行される制御プログラムや固定値データ等
を記憶したROM551と、ワークメモリ等として使用されるRAM552とを備えてい
る。MPU550には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン553を介
して入出力ポート554が接続されている。入出力ポート554には、スピーカ、ランプ
、装飾図柄表示装置42における変動表示中において所定の表示演出を実行させるための
演出用ボタン79、及び主制御装置261がそれぞれ接続されている。演出用ボタン79
としては、例えば所定のキャラクタが順次出現する態様によって大当たり状態の可能性が
大きいことを予告するステップアップ予告等の表示演出用ボタン等が挙げられる。なお、
演出用ボタン79が押されると、所定の演出実行のための演出指定コマンドが生成されて
、装飾図柄表示装置42に送信されようになっている。
表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を制御するも
のである。表示制御装置45は、ワークRAM等として使用されるRAM523を有する
MPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ビデオRAM524と、キャラ
クタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート52
9とを備えている。
MPU521は、サブ制御装置262から送信されてくる図柄表示コマンド(停止図柄
コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等)を入力ポート527を介して受信す
るとともに、受信コマンドを解析し、又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行って
画像コントローラ526の制御(具体的には画像コントローラ526に対する内部コマン
ドの生成)を実施する。プログラムROM522は、MPU521により実行される各種
の制御プログラムや固定値を記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画
像データも併せて記憶保持されている。RAM523は、MPU521による各種プログ
ラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリであ
る。
画像コントローラ526は、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)で構成されてい
る。VDPは、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を
直接操作する一種の描画回路であり、ICチップ化されているため、「描画チップ」とも
呼ばれ、その実体は描画処理専用のソフトウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべ
きものである。画像コントローラ526は、MPU521、ビデオRAM524等のそれ
ぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524
に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して
、出力ポート529を介して装飾図柄表示装置42に出力して表示させる。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するため
のメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き換えることにより装飾図柄表示装置4
2の表示内容が変更される。キャラクタROM525は装飾図柄表示装置42に表示され
る図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担
うものである。このキャラクタROM525には、各種の表示図柄のビットマップ形式画
像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテ
ーブル等が保持されている。特に、ビットマップ形式の図柄画像データにはそれぞれ図柄
コード(図柄番号)が付与されており、コマンドレベルでは各図柄画像を図柄コードだけ
で管理可能としている。なお、キャラクタROM525を複数設け、各キャラクタROM
525に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムR
OM522に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM525に
記憶する構成とすることも可能である。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541を備え
ている。この電源部541は、電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置31
1等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外
部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する
ための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバック
アップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電
圧を、電源監視装置540、サブ制御装置262、払出制御装置311、表示制御装置4
5等に対して供給する。なお、主制御装置261に対しては、電源監視装置540を介し
て動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。また、発射制御装置312
に対しては、主制御装置261を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供
給される。
電源監視装置540は、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、リセ
ット信号を出力するリセット回路544と、を備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置261のMPU
501及び払出制御装置311のMPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力す
るための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧であ
る直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(
電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置261及び払出制御装置31
1へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置31
1は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安
定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充
分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように
構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、NMI割込処理
を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチが押下された場合に、主制御装
置261及び払出制御装置311へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去
信号SG2を出力する回路である。なお、払出制御装置311への信号の送信は、主制御
装置261を介して行われる。
主制御装置261及び払出制御装置311は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM
消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアする。
リセット回路544は、主制御装置261、払出制御装置311、サブ制御装置262
、及び表示制御装置45を初期化するため、リセット信号を出力する回路である。なお、
リセット回路544からのリセット信号は、主制御装置261に対しては直接与えられる
が、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45に対しては、電源
装置313を介して与えられるようになっている。
ここで、特別図柄表示装置、普通図柄表示装置、及び装飾図柄表示装置42の表示内容
について説明する。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、大当たりの発生を遊
技者に示すための図柄として特別図柄表示装置で表示される特別図柄と、装飾図柄表示装
置42で表示される装飾図柄との2種類が設けられている。装飾図柄は、特別図柄と同期
して変動が行われる図柄であり、特別図柄の変動開始と同時に(又はほぼ同時期に)変動
を開始し、また特別図柄の変動停止と同時に(またはほぼ同時期に)変動を停止するもの
である。この装飾図柄は、遊技者に多種多様な表示演出を行って飽きにくい遊技性を備え
るために設けられている。
先ず、特別図柄表示装置の表示内容について説明する。特別図柄の変動表示は、9個の
LEDセグメントの点灯パターンの変化により表現される。この特別図柄の変動表示は遊
技球の始動入賞装置33への入賞に基づいて開始され、一定時間後に特別図柄の変動表示
が同時に停止する。その停止後に、大当たりを示す点灯パターンあるいは外れを示す点灯
パターンが表示され、外れの場合は、始動入賞装置33への入賞に基づいて再度の変動表
示が行われる。遊技球が始動入賞装置33に入賞した回数は最大4回まで保留され、その
保留回数が特別図柄保留表示装置800の保留ランプ800aにて点灯表示されるように
なっている。
次いで、装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。装飾図柄表示装置42の
表示画面には、例えば、上段・中段・下段に区分けされた3つの表示領域に3つの装飾図
柄列Z1〜Z3が表示される。これら装飾図柄列Z1〜Z3は、右から左にスクロール表
示される。装飾図柄は、例えば「1」〜「9」の数字からなる主図柄と、主図柄より小さ
い副図柄とにより構成され、これら各主図柄および副図柄によって装飾図柄の図柄列が形
成される。装飾図柄で形成される各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列され
ると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されている。始動入賞装置33への入賞す
なわち始動入賞が発生すると、装飾図柄の変動表示が行われ、変動パターンに応じた一定
時間の経過後に変動表示が停止し、装飾図柄表示装置42には縦3×横3の9個の装飾図
柄が表示結果として表示される。大当たり抽選に当選した変動表示においては、9個の装
飾図柄のうち垂直あるいは斜めの一直線上に同一の主図柄が3つ揃って停止するように表
示制御装置45により制御が行われ、遊技者に大当たりの発生が示される。一方、大当た
り抽選に外れた変動表示においては、9個の装飾図柄のうち垂直あるいは斜めのいずれに
も同一の主図柄が3つ揃って停止しないように表示制御装置45により制御が行われ、遊
技者に外れの発生が示される。
次いで、普通図柄表示装置の表示内容について説明する。普通図柄の変動表示は、第1
ランプ(外観が○形状)と、第2ランプ(外観が×形状)とが交互に点灯することにより
表現される。この普通図柄の変動表示は遊技球が第2の始動入賞装置34を通過すること
を条件として開始され、一定時間後に普通図柄の変動表示が停止する。そして、第1ラン
プで停止した場合に第1の始動入賞装置33が所定時間だけ作動状態となる(開放される
)よう構成されている。遊技球が第2の始動入賞装置34を通過した回数は最大4回まで
保留され、その保留回数が普通図柄保留表示装置801の保留ランプ801aにて点灯表
示されるようになっている。
(電源投入時)
パチンコ機10の電源立ち上げ時には、動作確認および電源投入報知として、スピーカ
、装飾図柄表示装置42の液晶画面、枠に配置された各種LED、遊技盤30に配置され
た各種LED、可動体604(右側モータ603Rおよび左側モータ603L)等の各部
が所定時間(本実施形態では30秒間)に亘って予め定められた動作をするように設定さ
れている。このため、これら各部が正常に機能するか否かを目視確認できる。このとき、
パチンコ機10に不正な改変が加えられたりしていないか否かも併せて確認できる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本形態では、主制
御装置261内のMPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選
や特別図柄表示装置の図柄表示の設定などを行うこととしている。具体的には、特別図柄
に関連するカウンタ群と、普通図柄に関連するカウンタ群とを備えている。先ず、特別図
柄に関連するカウンタ群について説明する。特別図柄に関連するカウンタ群としては、大
当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、特別図柄表示装置の大当たり図柄
の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、特別図柄表示装置が外れ変動する際の停
止パターンの選択(装飾図柄の変動においてはリーチとするか完全外れとするかのリーチ
抽選に相当する)に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC
1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用す
る種別を決定する変動種別カウンタCS1〜CS3とを備えている。
ここで、変動パターンとは、変動表示の特徴が共通するものを区分した場合における各
パターン(形態)を意味している。
上記カウンタC1〜C3,CINI1,CS1〜CS3、は、その更新の都度前回値に
1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短
時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッ
ファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留
第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア700が設けられており、これらの各エ
リアには、始動入賞装置33への遊技球の入賞タイミングに合わせて、大当たり乱数カウ
ンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞ
れ格納される。
次いで、各カウンタの具体的な内容について詳述する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大
値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC
1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カ
ウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINI1は、大当
たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜
738)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新さ
れる。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され
、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア7
00に格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定
されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727
」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,
163,211,263,317,367,421,479,523,577,631,
683,733」である。なお、高確率時とは、特別図柄の組み合せが予め定められた確
率変動図柄である特定図柄の組み合せによって大当たりになり付加価値としてその後の大
当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのよ
うな確変状態でない場合をいう。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、特別図柄表示装置における特別図柄の変
動停止時の図柄を決定するものであり、例えば0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最
大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。例えば、大当たり図柄カウンタ
C2の値が「0」、「1」の場合の停止図柄は、9個のLEDセグメントが特定の点灯パ
ターンで停止し、この場合の停止図柄の組み合せは非特定図柄(通常の大当たり図柄)を
意味する。
大当たり図柄カウンタC2の値が「2」、「3」、「4」の場合の停止図柄は、9個の
LEDセグメントが上記とは別の特定の点灯パターンで停止し、この場合の停止図柄の組
み合せは特定図柄(確率変動図柄)を意味する。
大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊
技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700
に格納される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、
最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本形態では、特別図柄の
変動表示は、9つのLEDセグメントで表現するように構成されているので、特別図柄の
場合にはリーチという概念はなく、リーチに相当する停止パターンを停止パターン選択カ
ウンタC3によって、決定することとしている。一方、装飾図柄の場合は、3つの装飾図
柄が停止するので、リーチが存在する。従って、装飾図柄の場合は、リーチ抽選を、停止
パターン選択カウンタC3によって決定している。即ち、装飾図柄の場合では、リーチ発
生した後に最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ
」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外
れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば
、停止パターン選択カウンタC3=0〜201が完全外れに該当し、停止パターン選択カ
ウンタC3=202〜208が前後外れリーチに該当し、停止パターン選択カウンタC3
=209〜238が前後外れ以外リーチに該当する。
ここで、リーチとは、装飾図柄表示装置42の表示画面に表示される装飾図柄が変動表
示を開始した後、先に停留する図柄の組み合せが同一図柄(複数の有効ラインがある装飾
図柄においてはいずれかの有効ライン上で同一図柄)であって大当たりの条件を満たして
おり、変動表示が続いている図柄の表示結果如何によっては大当たりとなることを遊技者
に示唆して大当たりの図柄の組み合せを遊技者に期待させる表示であり、興趣演出の1種
である。興趣演出とは、変動表示の途中で装飾図柄表示装置42の表示画面にリーチに代
表される所定の図柄を現出させたり、スピーカから特定の音声を出力したり、或いは、振
動用のモータによって遊技球発射ハンドル18を振動させる等、通常とは異なる態様を変
動表示に伴わせて変動表示後の表示結果が大当たりとなることを遊技者に期待させる演出
である。
なお、停止パターン選択カウンタC3は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更
新され、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エ
リア700に格納される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値
(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS2は、例
えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に
戻る構成となっている。変動種別カウンタCS3は、例えば0〜162の範囲内で順に1
ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後0に戻る構成となっている。
変動種別カウンタCS1によって、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリー
チ、プレミアムリーチ等のリーチの種別のような大まかな図柄変動態様が決定され、変動
種別カウンタCS2によって、例えばノーマルリーチA、ノーマルリーチB等のようにさ
らに細かな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばすべり停
止変動の場合の変動時間の加減算が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS
1〜CS3を組み合わせることで、変動パターンの多種多様性を容易に実現できる。
カウンタCS1〜CS3は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当
該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特別図柄表示装置による特
別図柄及び装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定
に際してカウンタCS1〜CS3のバッファ値が取得される。
次いで、普通図柄に関連するカウンタ群について説明する。普通図柄に関連するカウン
タ群としては、当たりの抽選に使用する当たり乱数カウンタC4と、当たり乱数カウンタ
C4の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI2とを備えている。
上記当たり乱数カウンタC4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達し
た後0に戻るループカウンタとなっている。カウンタは短時間間隔で更新され、その更新
値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM
503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる
保留球格納エリア701が設けられており、これらの各エリアには、第2の始動入賞装置
34への遊技球の通過に合わせて、当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
次いで、上記当たり乱数カウンタC4,初期値乱数CINI2の具体的な内容について
詳述する。当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され
、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。そして、当たり乱数カ
ウンタC4が1周した場合、その時点の当たり初期値乱数カウンタCINI2の値が当た
り乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINI2
は、当たり乱数カンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=
0〜250)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更
新される。当たり乱数カウンタC4は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新さ
れ、遊技球が第2の始動入賞装置34を通過したタイミングでRAM503の保留球格納
エリア701に格納される。当たり乱数カウンタC4の当たりとなる乱数の値の数は14
9で、その値は「5〜153」である。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を
重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、停止パターン選択カウンタC3、当たり乱数カ
ウンタC4、変動種別カウンタCS1〜CS3の大きさは何れも異なる素数とし、いかな
る場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
尚、主制御装置261内のMPU501により実行される各制御処理の詳細については、
ここでは詳細説明を省く。
しかし、要約すれば、上述のように、始動入賞装置33への入賞により、主制御装置2
61において所定の確率の当否抽選がなされ、当たりに際しては、特別遊技状態に移行す
るのであり、これに伴って可変入賞装置32が入賞球の受球状態となるものである。
(可変入賞装置と捕集部)
この実施例においては、上記の可変入賞装置32は、次のように構成されている。
この可変入賞装置32の基本構成は、遊技盤30の横方向に複数の遊技球を通過させる
ことのできる幅を持つ大入賞口61からの入球を収容部(図示せず)に収容し、該収容部
に設けた排出部から検出センサ(図示せず)に至って検出するように構成されている。
そして、前記遊技盤30の遊技領域に、窓部101と遊技盤30との間の流下空間を流
下する遊技球を入球させる始動入賞装置33(33a及び33b:図4参照)が設けられ
、前記始動入賞装置33への入球により、主制御装置261によって、所定の確率の当否
抽選が行われ、該当たり抽選によって遊技状態が特別遊技状態に移行し、該特別遊技状態
において、少なくとも1回、前記可変入賞装置32が、非受球状態から受球状態に切り替
わり、前記受球状態において、前記大入賞口61から収容部に収容された規定数の入賞球
を、前記検出センサにより検出することによって規定数の賞球を払い出すように構成して
ある。
(特徴構成)
上記パチンコ機10は、図4に示すように、外部から視認し得る位置である可変表示装
置ユニット35の一部に、演出用の可動装置としてカメ役物ユニット600が設けられた
構成となっている。
可変表示装置ユニット35は、遊技領域の中央部に配置され、遊技領域内の大きな面積
を占める大型の役物となっており、電動役物ユニットあるいはセンター役物とも称される
。この可変表示装置ユニット35は、表示部として装飾図柄表示装置42を中央に備え、
該装飾図柄表示装置42の上辺部、下辺部、左辺部および右辺部をセンターフレーム43
で包囲するようにして構成されている。センターフレーム43は、装飾図柄表示装置42
が配置される概略横長の長方形状の開口を内側に包含する枠状の部材となっていて、外周
にはネジ孔を有するフランジ43Fが設けられており、木ネジ等により遊技盤30上に前
方側から固定されるようになっている。
カメ役物ユニット600は、図10および図13に示すように、平面視概略横長の台形
状で、やや奥行を有し、裏面側が開放された中空形状となるように、透明性を有する青色
の樹脂で成形された外装部材601に、可動体604、該可動体604を駆動する駆動源
である右側モータ603Rおよび左側モータ603L等を含んで構成される駆動機構等を
装備して構成されている。外装部材601の前面には、不定形の波紋状に拡がる紋様をな
すように装飾用の凹凸が一面に形成され、上面部および両側面部における前後方向中央よ
りやや後方の位置からは、間隔をおいてネジ挿通孔が穿設された取付フランジ601Fが
外周側へ延出している。外装部材601の右側における斜状の側面部の右上方には取付フ
ランジ601Fが直角の隅部をなすように延出し、その上部には横長のハーネス挿通開口
601Pが穿設され、右下部には、前方へフック状に延出し、その先端との間にわずかに
間隔をおいて案内壁が設けられて内側にハーネスを案内し得るように構成されたハーネス
拘束部601Tが一体的に形成されている。
可動体604は、第1可動体604S、第2可動体604Mおよび第3可動体604L
の3つの可動体より構成され、外装部材601の前側に露出して配置されている。
第1可動体604Sは、図11および図12に示すように、基体6041SとLED基
板6042Sと外形体6043Sとを後方からこの順に組み付けた構成となっている。基
体6041Sは、正面視概略横長の雲形状で外周から前方へ周壁が延出した形状を有する
樹脂成形体であり、下端部中央あたりの位置および上端部中央よりやや左寄りの位置にそ
れぞれ軸挿通孔およびピン挿通孔が形成されている。LED基板6042Sは、上記基体
6041Sに納まる横長の形状を有し、該基体6041Sに前方から嵌着、固定される。
外形体6043Sは、カメを縦断した左半分を模した形状となるように全体的に一体に成
形され、甲羅の部分は透明性を有する有色(薄紫色)の樹脂よりなるとともに亀甲の模様
を模した凹凸が表面に形成され、頭および肢の部分は不透明性を有する有色(黄色)の樹
脂よりなるものとなっており、上記LED基板6042Sが配置された基体6041Sに
前方から嵌着、固定される。上記LED基板6042Sには外形体6043Sの甲羅部分
に対応してLEDが配置され、該甲羅部分を通して前方へ光が照射され得るとともに、外
形体6043Sの頭部分にも対応してLEDが配置され、外形体6043Sの頭部分にお
ける目の部分は光を透過させ得るように構成されており、該目の部分を通しても前方へ光
が照射され得るように構成されている。
第2可動体604Mは、前記第1可動体604Sと基本的に同様の構成となっており、
それぞれほぼ同様の基体6041MとLED基板6042Mと外形体6043Mとを後方
からこの順に組み付けた構成となっているが、全体的に前記第1可動体604Sよりも大
型に構成されている点、外形体6043Mにおける甲羅の部分が同様に透明性を有する有
色樹脂よりなるがその色が薄いピンク色となっている点、肢の部分が外形体6043Mに
対して可動に構成されている点といった僅かな相違を有する構成、即ち、前記第1可動体
604Sに対して大部分が同様であるが完全には同一でない、実質的に相似な構成となっ
ている。肢の部分は、前記第1可動体604Sの場合と同様にカメの前肢を模しているが
、外形体6043Mとは別体の可動肢体6044Mとして成形され、該可動肢体6044
Mの付け根の部分(左端部)からは後方に回動軸6045Mが延出して基体6041Mに
回動自在に軸支され、前肢の中央近傍部分からは後方にカムピン6046Mが延出し、外
装部材601の前面に穿設されたカム溝601Gに嵌入されて、後述するように該カム溝
601G内を摺動して案内されるようになっている。
第1可動体604Sは、第1伝達部材605Sに連動するように連結されている。該第
1伝達部材605Sは、概略上下方向に一直線状に延びるリンクアームとなっており、下
端部が、前後方向に延びる第1回動軸606Sに回動自在に軸支され、下端部よりやや上
方からは前方に連結ピン6051Sが延出して前記第1可動体604Sにおける基体60
41Sのピン挿通孔に挿通され連結されている。前記第1可動体604Sにおける基体6
041Sは軸挿通孔で第1回動軸606Sに回動自在に軸支されており、したがって前記
第1可動体604Sと第1伝達部材605Sとは共に第1回動軸606Sを回動中心とし
て一体となって回動し得る構成となっている。第1伝達部材605Sの上側半部には、図
12に示すように、上端から中央近傍まで直線状に延びるカム溝6052Sが後側面から
陥入するように形成されている。
第2可動体604Mは、第2伝達部材605Mに連動するように連結されている。該第
2伝達部材605Mは、前記第1可動体604Sの第1伝達部材605Sの場合と同様に
、概略上下方向に延びるリンクアームとなっており、下端部が、前後方向に延びる第2回
動軸606Mに回動自在に軸支され、下端部よりやや上方の連結ピン6051Mで前記第
2可動体604Mにおける基体6041Mのピン挿通孔に挿通され連結されるとともに、
前記第2可動体604Mと共に第2回動軸606Mを回動中心として一体となって回動し
得る構成となっているが、上端部は右側へ円弧状に湾曲しながら延びており、図12に示
すように、中央近傍から上端まで延びる溝部が後側面から陥入するように形成されていて
、この溝部のうち、下側半部の直線状に延びる部分がカム溝6052M、該カム溝605
2Mの上端から、円の1/4をなす部分円(円弧)状に湾曲しながら延びる部分が逃げ溝
6053Mとなっている。
第1可動体604Sおよび第2可動体604Mは、右側モータ603Rの動力が伝達さ
れて駆動されるようになっている。右側モータ603Rの回転軸には、第1ギア607S
が固定され、該第1ギア607Sの外周部には前方へ延出するカムピン6071Sが設け
られて前記第1伝達部材605Sのカム溝6052Sに嵌入するようになっている。第1
ギア607Sには該第1ギア607Sより大径(ギア比2)の第2ギア607Mが連動す
るように配置され、該第2ギア607Mの外周部には前方へ延出するカムピン6071M
が設けられて前記第2伝達部材605Mのカム溝6052Mおよび逃げ溝6053Mに嵌
入するようになっている。第2ギア607Mの後側における上端よりやや左方の位置なら
びに右端よりやや上方の位置には、中央回転位置検知センサ608Cおよび端部回転位置
検知センサ608Eがそれぞれ配置されている。該中央および端部回転位置検知センサ6
08C、608Eはそれぞれ、間隔をおいて平行に延出する2本の角柱状体よりなるゲー
ト部を備え、該ゲート部の両角柱状体における一対の対向面のうち一方に発光素子が、他
方に受光素子がそれぞれ配置された構成となっている。第2ギア607Mの後側面におけ
る外周近傍には、上記ゲート部の間を通過し得る遮光片6072(図15参照)が後方に
延出しており、該遮光片6072が周回する途上で上記ゲート部を通過すると、発光素子
からの光が遮られて該遮光片6072の通過が検知され、これにより第2ギア607Mの
回転位置が把握されるようになっている。
上記第1伝達部材605S、第2伝達部材605M、右側モータ603R、第1ギア6
07S、第2ギア607M等は、外装部材601の右側半部における内周にほぼ追随する
外形を有する板状の右側支持基材(図示せず)に装架され、該右側支持基材は外装部材6
01の右側半部における背面部を蓋状に閉塞するように嵌着固定される。これにより、図
13に示すように、これら各部材が外装部材601の右側半部における内部の所定位置に
配置される。外装部材601の前側壁には、前記第1可動体604Sに連結される第1回
動軸606S、連結ピン6051S、LED基板6042Sに接続される配線(図示せず
)、前記第2可動体604Mに連結される第2回動軸606M、連結ピン6051Mなら
びにLED基板6042Mに接続される配線(図示せず)をそれぞれ挿通し得るとともに
これら部材のうち可動のものの移動軌跡を包含する形状の挿通孔が穿設されており(図示
せず)、上記各部材を該挿通孔を通して外部へ突出させ、外装部材601の前側から第1
可動体604Sおよび第2可動体604Mをそれぞれ取付固定するようになっている。第
1可動体604Sおよび第2可動体604Mを取り付けた状態では、上記挿通孔およびこ
れに挿通された上記各部材が、第1可動体604Sおよび第2可動体604Mにより前側
からほぼ覆われて隠蔽され、前方からは視認され難いようになっている。こうして、第1
可動体604S、第2可動体604Mおよびこれらの駆動機構を外装部材601内外の所
定位置に配置することにより、右側モータ603Rからの動力が伝達されて外装部材60
1の前面で第1可動体604Sおよび第2可動体604Mが動作し得る構成が得られる。
なお、上記第1可動体604Sおよび第2可動体604Mはそれぞれ第1伝達部材60
5Sおよび第2伝達部材605Mと全く一体となって動作するようになっていることから
、第1伝達部材605Sおよび第2伝達部材605Mもそれぞれ第1可動体604Sおよ
び第2可動体604Mの一部を構成するものとしてもよいものと考えられる。しかしなが
ら、本発明においては、第1可動体604Sおよび第2可動体604Mと第1伝達部材6
05Sおよび第2伝達部材605Mとはそれぞれ別の部材となっており、しかも両者は外
装部材601の内外に分かれて配置されることからしても、あくまで、第1可動体604
Sおよび第2可動体604Mは外装部材601の外部で動作をするもの、第1伝達部材6
05Sおよび第2伝達部材605Mは右側モータ603Rの動力を第1可動体604Sお
よび第2可動体604Mにそれぞれ伝達する媒介の部材であるとしている。
上記第2可動体604Mの左方には、図10および図13に示すように、第3可動体6
04Lが配置されている。該第3可動体604Lは、前記第1可動体604Sと基本的に
同様の構成となっているが、左側モータ603Lにより単独で駆動されるようになってい
る、即ち1個の駆動源に対して1つの第3可動体604Lのみが駆動されるようになって
いる(したがってこれにともない動力がギアではなく回転板を介して伝達されるようにも
なっている)点では大きく異なっており、また、全体的に前記第1可動体604Sよりも
大型に、さらには前記第2可動体604Mよりも大型に構成されている点、外形体604
3Lにおける甲羅の部分が同様に透明性を有する有色樹脂よりなるがその色が緑色となっ
ている点、頭および肢の部分が外形体6043Lに対して可動に構成されている点といっ
た僅かな相違を有する構成、即ち、前記第1可動体604S(ないし前記第2可動体60
4M)に対して大部分が同様であるが完全には同一でない、実質的に相似な構成となって
いる。
第3可動体604Lは、図13および図14に示すように、第3伝達部材605Lに連
動するように連結されている。該第3伝達部材605Lは、図14に示すように、前記第
1可動体604Sの第1伝達部材605Sの場合と同様に、概略上下方向に一直線状に延
びるリンクアームとなっており、下端部が、前後方向に延びる第3回動軸606Lに回動
自在に軸支され、上側半部には、上端から中央近傍まで直線状に延びるカム溝6052L
が後側面から陥入するように形成されている。
図14に示すように、該第3伝達部材605Lの下端部よりやや上方からは、該第3伝
達部材605Lの長さ方向に沿って、前方に矩形状の突起片6051Lが延出し、一方、
前記第3可動体604Lにおける基体(図示省略)は、軸挿通孔で第3回動軸606Lに
回動自在に軸支されているとともに、後側面からは左右に間隔をおいて1組の掛止片60
47Lが延出していて、該掛止片6047Lの間に上記第3伝達部材605Lの突起片6
051Lを挟むようにして配置されている。第3伝達部材605Lが左右に揺動すると、
突起片6051Lが掛止片6047Lのいずれかに掛止し、これにより第3伝達部材60
5Lの揺動が第3可動体604Lに伝達されるようになっており、このとき、掛止片60
47Lの間隔は突起片6051Lの厚さよりも大きく(およそ倍程度)、したがって第3
伝達部材605Lの揺動はこの間隔のぶんだけ僅かに遅延して第3可動体604Lに伝達
される。
第3伝達部材605Lの下端部には左方に延出する正面視概略長円状の延出部6054
Lが一体的に形成され、該延出部6054Lは第3可動体604Lの頭の部分の後方に隠
蔽されて位置するようになっている。第3可動体604Lの頭の部分は、外形体6043
Lとは別体の可動頭体6010Lとして成形され、第3回動軸606Lに回動自在に軸支
される(図示せず)とともに、後方に連結ピン6048Lが延出して上記第3伝達部材6
05Lの延出部6054Lに連結されており、これにより、第3可動体604Lの可動頭
体6010Lが第3伝達部材605Lと一体となって揺動するようになっている。このと
き、第3可動体604Lの外形体6043Lは、前述の通り第3伝達部材605Lの揺動
よりも僅かに遅延して揺動するようになっているから、第3可動体604Lの可動頭体6
010Lに対しても同様に僅かに遅延して揺動するようになっている。
また、第3伝達部材605Lの下端部には、第3回動軸606Lを中心として放射状に
下方へ拡開しながら二又に(V字状に)延出する当接片6055Lが一体的に形成されて
いる。第3可動体604Lの肢の部分は、前記第2可動体604Mの場合と同様に、カメ
の前肢を模した可動肢体6044Lとして別に成形されていて、付け根の部分(左端部)
から後方に回動軸6045Lが延出して基体に回動自在に軸支されている。該回動軸60
45Lには、正面視「へ」字形状の鈍角をなして屈曲するレバー片6049Lが屈曲部で
回動自在に軸支され、該レバー片6049Lの一方片が上記第3伝達部材605Lの当接
片6055Lの間に入り込むように延出し、他方片の先端部が連結ピン6040Lで前肢
の付け根より先端寄りの位置に連結されている。第3伝達部材605Lが左方(反時計回
り方向)に揺動すると、当接片6055Lがレバー片6049Lを介して可動肢体604
4Lを回動軸6045Lを中心に時計回り方向に回動させるように駆動し、これにより可
動肢体6044Lが前下方へ開く動作が表現され、第3伝達部材605Lが右方に揺動す
ると逆に可動肢体6044Lが閉じる動作が表現される。この可動肢体6044Lの動作
は第3伝達部材605Lの揺動にほぼ同期して行われ、したがって第3可動体604Lの
外形体6043Lの揺動よりも僅かに先行して行われる。
第3伝達部材605Lは、左側モータ603Lの動力が伝達されて駆動されるようにな
っている。左側モータ603Lの回転軸には回転板609が固定され、該回転板609の
外周部には前方へ延出するカムピン6091が設けられて前記第3伝達部材605Lのカ
ム溝6052Lに嵌入するようになっている。回転板609の周縁からは遮光片6092
が径方向に延出し、該遮光片6092がゲート部の間を通過し得るように左側回転位置検
知センサ610が回転板609の右方よりやや上方に配置され、これにより回転板609
の回転位置が把握されるようになっている。
上記第3伝達部材605L、左側モータ603L、回転板609等は、外装部材601
の左側半部における内周にほぼ追随する外形を有する板状の左側支持基材(図示せず)に
装架され、該左側支持基材は外装部材601の左側半部における背面部を蓋状に閉塞する
ように(即ち前記右側支持基材とともに外装部材601の背面部を全面的に閉塞するよう
に)嵌着固定される。これにより、図13に示すように、これら各部材が外装部材601
の左側半部における内部の所定位置に配置される。また、前述の第1可動体604Sおよ
び第2可動体604Mの場合と同様にして、第3可動体604Lが外装部材601の前側
から取付固定される。こうして、図13に示すように、外装部材601の前面における下
端縁に沿って右寄りの位置に、第1可動体604S、第2可動体604Mおよび第3可動
体604Lが右からこの順に1列に、それぞれが頭を左に向けた体勢で配置され、即ち大
型、中型および小型のカメが先頭(左側)からこの順に1列に整列して左方へ進んでいく
状況を模して配置され、それぞれ外装部材601内の駆動機構により駆動されて動作する
ように設けられて、カメ役物ユニット600が構成される。
以下、可動体604S,604M,604Lの初期位置設定に係る制御について説明する。
パチンコ機10の電源立ち上げに伴い、主制御装置216内のMPU501によって初期
化処理が実行される場合において、主制御装置261からサブ制御装置262へ向けて初
期化動作用コマンドが送信される。サブ制御装置262ではこの初期化動作用コマンドに
基づいてカムピン6071S,6091をそれぞれ定められた位置に移動させるべく右側モ
ータ603R,左側モータ603Lを駆動させる制御が行われ、この制御に伴い可動体60
4S,604M,604Lがそれぞれ図15に示す初期位置にセットされる。例えば右側モー
タ603Rは、サブ制御装置262が初期化動作用コマンドを受信すると、正面視におけ
る反時計回り方向(図15にX11で示す方向)へ第1ギア607Sを回転させ、これに連
動して第2ギア607Mを正面視における時計回り方向(図15にX13で示す方向)へ回
転させるように駆動する。この駆動に従って、第2ギア607Mに設けられている遮光片
6072が中央回転位置検出センサ608Cまたは端部回転位置検出センサ608Eのいず
れか一方により検出されることとなるが、これらの回転位置検出センサのうち中央回転位
置検出センサ608Cによって遮光片6072が検出された場合には、検出時点(中央回
転位置検出センサ608Cの検出範囲に入った時点)から中央回転位置検出センサ608
Cの検出範囲のちょうど中央に至るまでの所定のステップ数、例えば3ステップだけ右側
モータ603Rの駆動を継続させたのち停止させる。なお、右側モータ603Rおよび左
側モータ603Lとしてはステッピングモータが用いられており、1ステップ(step
)で1°回転するようになっている。一方、端部回転位置検出センサ608Eによって遮
光片6072が検出された場合には、検出時点から3ステップ駆動させたところで駆動を
一旦停止させ、そこから所定のステップ数、たとえば90ステップだけ右側モータ603
Rを逆方向(図15にY13で示す反時計回り方向)に駆動させて、遮光片6072が中
央回転位置検出センサ608Cの検出範囲のちょうど中央にくるようにする。
なお、遮光片6072は、時計回り方向への第2ギア607Mの回転に対するストッパと
しての機能をも果たすものとなっており、当該ストッパとして遮光片6072が機能する
状態(時計回り方向へ第2ギア607Mを回転させた場合において端部回転位置検出セン
サ608Eの検出時点から右側モータ603Rを3ステップ継続駆動させた状態)にある場
合にも遮光片6072を検出できるように端部回転位置検出センサ608Eの検出範囲が
定められている。そして、端部回転位置検出センサ608Eが右側モータ603Rの駆動開
始時点において遮光片6072を検出している場合には、第2ギア607Mを反時計回り
方向へ回転させ、端部回転位置検出センサ608Eが非検出となった時点から87ステッ
プ駆動させて右側モータ603Rを駆動停止させ、これにより遮光片6072が中央回転
位置検出センサ608Cの検出範囲のちょうど中央にくるようにする。
当該制御により、遊技機の電源立ち上げ前において遮光片6072がどのような位置にあ
ったとしても予め定められた初期位置(図15に示す中央回転位置検出センサ608Cの
検出範囲のちょうど中央の位置)に遮光片6072を停止させることができ、確実に可動
体604S,604Mが初期位置へセットされることとなる。
以下、第1可動体604Sおよび第2可動体604Mの動作について順次説明する。
(1)初期位置においては、図15に示すように、第1ギア607Sにおいてカムピン6
071Sが右端より僅かに上方の位置にあり、このカムピン6071Sにカム溝6052
Sが規制されて、第1伝達部材605Sが最も垂直に近い体勢(厳密には垂直よりも若干
左傾した体勢)に保持され、これにともない第1可動体604Sが頭のほうを左上方にや
や持ち上げた体勢に保持されている。
一方、第2ギア607Mにおいてカムピン6071Mがほぼ左端の位置にあり、このカ
ムピン6071Mにカム溝6052Mおよび逃げ溝6053Mがこれらの境界位置で規制
されて、第2伝達部材605Mがほぼ垂直に立った体勢に保持され、これにともない第2
可動体604Mがほぼ水平な体勢で保持されている。またこれにともなって、第2可動体
604Mにおける可動肢体6044Mのカムピン6046Mが外装部材601におけるカ
ム溝601Gの右端部に位置して、該可動肢体6044Mが外形体6043Mにおける甲
羅の部分(胴体部分)に引き寄せられるようにして閉じた体勢に保持されている。
(2)初期位置から、図15の矢印X11に示すように、右側モータ603Rで第1ギア
607Sを反時計回り方向に回転させると、これにともない第1伝達部材605Sが左傾
する方向(即ち反時計回り方向)に回動して第1可動体604Sが図15の矢印X12に
示すように頭を下げる方向(即ち反時計回り方向)に回動する。
一方、上記第1ギア607Sの回転に連動して、第2ギア607Mが図15の矢印X1
3に示すように時計回り方向に回転する。このとき、第2ギア607Mのカムピン607
1Mが第2ギア607Mの周方向に沿って時計回り方向に周回するが、第2伝達部材60
5Mの逃げ溝6053Mが該カムピン6071Mの周回軌道に沿った円弧形状を有してい
るので、該カムピン6071Mが逃げ溝6053M内を移動するだけであって第2伝達部
材605Mへの動力伝達はなされず、したがって第2伝達部材605Mおよび第2可動体
604Mは初期位置のまま保持される。
カムピン6071Mが逃げ溝6053Mの終端部に達するまで、即ち第2ギア607Mが
初期位置から約90°時計回り方向に回転し、また一方、第1ギア607Sが初期位置か
ら約180°反時計回り方向に回転すると、遮光片6072が端部回転位置検知センサ6
08Eに到達して検知され、これにより第2ギア607Mが時計回り方向の限界位置まで
回転したことが把握されて、右側モータ603Rが逆回転され、駆動機構の全体が初期位
置に復帰する。
(3)初期位置から、図15の矢印Y11に示すように、右側モータ603Rで第1ギア
607Sを時計回り方向に回転させると、この場合にも第1伝達部材605Sが左傾する
方向(即ち反時計回り方向)に回動して第1可動体604Sが図15の矢印Y12に示す
ように頭を下げる方向(即ち反時計回り方向)に回動する。
このとき、第1伝達部材605Sのカム溝6052Sは、カムピン6071Sの初期位
置で該カムピン6071Sの周回軌道である円周に接する接線の方向に延びる直線状のカ
ム溝となっているので、カムピン6071Sが初期位置から図15の矢印X11およびY
11で示す反時計回り方向および時計回り方向のいずれの方向に移動しても、第1伝達部
材605Sはカムピン6071Sの初期位置からカムピン6071Sの周回軌道である円
周の中心すなわち第1ギア607Sの中心の側へ引き寄せられ、したがって同一方向(左
傾する方向)に回動するようになっている。
一方、上記第1ギア607Sの時計回り方向の回転に連動して、第2ギア607Mが反
時計回り方向に回転する。このとき、図15の矢印Y13に示すように、第2ギア607
Mのカムピン6071Mが初期位置に復帰した後は、該カムピン6071Mが直線状のカ
ム溝6052Mに嵌合した状態で反時計回り方向に周回していくので、これにともない第
2伝達部材605Mへ動力が伝達されて該第2伝達部材605Mが右傾する方向(即ち時
計回り方向)に回動して第2可動体604Mが図15の矢印Y14に示すように頭を上げ
る方向(即ち時計回り方向)に回動する。
また、上記第2可動体604Mの回動にともない、可動肢体6044Mのカムピン60
46Mが図15の矢印Y15に示すように外装部材601における水平方向に延びるカム
溝601Gに沿って左方へ案内され、これにより、可動肢体6044Mが図15の矢印Y
16に示すように外形体6043Mにおける甲羅の部分(胴体部分)から離れて開いてい
くように動作する。
なお、カムピン6071Sの周回軌道である円周の中心すなわち第1ギア607Sの中心
と、カムピン6071Sの初期位置と、第1伝達部材605Sの回動中心すなわち第1回
動軸606Sとは直角三角形をなす3点にあって、即ち同一直線上にないから、カムピン
6071Sが初期位置から反時計回り方向および時計回り方向のいずれの方向にも同量(
同角度)だけ、例えば最大限に即ち約180°ずつ移動、即ち対称に移動しても、このカ
ムピン6071Sの両方向への移動にそれぞれ連動する第1伝達部材605Sの回動は同
量(同角度)とはなっておらず、図15の矢印X12およびY12によっても模式的に示
すように、カムピン6071Sが第1伝達部材605Sの回動中心すなわち第1回動軸6
06Sの側へ向かって時計回り方向に周回する場合のほうが、反時計回り方向に周回する
場合よりも第1伝達部材605Sの回動量(回動角度)が大となっている、即ち頭を下げ
る方向への第1可動体604Sの移動量は非同一となる。したがって、カムピン6071
Sをどちらの方向に移動させる場合にも第1伝達部材605Sが同一方向(左傾する方向
)に沿ってほぼ同一の動作態様(回動量)で回動するように、第1ギア607Sと第2ギ
ア607Mとの回動量が若干小さくなるように設定されている。詳細には、第1ギア60
7Sが初期位置から約170°時計回り方向に回転し、また一方、第2ギア607Mが初
期位置から約85°反時計回り方向に回転すると限界位置となり、右側モータ603Rが
逆回転されて駆動機構の全体が初期位置に復帰する。
以上のように、第1ギア607Sを初期位置から図15の矢印X11に示すように反時
計回り方向に回転させると、第1可動体604Sのみが図15の矢印X12に示すように
頭を下げる動作をし、第1ギア607Sを初期位置から図15の矢印Y11に示すように
時計回り方向に回転させると、第1可動体604Sが図15の矢印Y12に示すように頭
を下げる同方向の動作(ほぼ同じ動作量で)をするとともに、第2可動体604Mが図1
5の矢印Y14に示すように頭を上げる動作ならびに可動肢体6044Mを図15の矢印
Y16に示すように開いていく動作をする。即ち、右側モータ603Rを初期位置から正
逆いずれの方向に回転させる場合にも第1可動体604Sにほぼ同一の動作をそれぞれ行
わせ、一方、第2可動体604Mは動作の停止すなわち制限動作と通常動作とをそれぞれ
切り替えるように行わせるようになっている。つまり、第1可動体604Sおよび第2可
動体604Mはいずれも、右側モータ603Rが正逆回転するのに従って単に反対の動作
態様をとるものではなく、これによって各可動体があたかも連動していないかのような動
作態様を単一の駆動源によって実現している。
このとき、第1ギア607Sを初期位置から図15の矢印X11に示すように反時計回
り方向に回転させた場合には、前述の通り、第2ギア607Mのカムピン6071Mが第
2伝達部材605Mの逃げ溝6053M内を移動することにより第2伝達部材605Mへ
の動力伝達がなされず、これにより第2伝達部材605Mおよび第2可動体604Mが動
作の停止、即ち通常動作よりも制限された制限動作を行うようになっている。このように
、第2ギア607Mのカムピン6071Mが第2伝達部材605Mの逃げ溝6053M内
を移動する構成とすることにより、右側モータ603Rの駆動範囲内の一部、即ち第1ギ
ア607Sを初期位置から反時計回り方向X11に回転させる駆動範囲において第2可動
体604Mへの動力伝達を断絶すなわち制限する伝動制限機構が構成されている。
第3可動体604Lは、前述の通り第1可動体604Sと基本的に同様の構成となって
いるので、その動作も基本的に同様となっており、このため同様の動作については説明を
省略する。ただし、第3可動体604Lの場合には、前述の通り、第3可動体604Lの
外形体6043Lが第3伝達部材605Lの揺動よりも僅かに遅延して揺動するようにな
っている点、可動頭体6010Lも別体として連動するようになっている点、ならびに可
動肢体6044Lが前記第2可動体604Mの可動肢体6044Mとは異なる機構により
連動するようになっている点が主として特徴的となっている。また、第1可動体604S
および第2可動体604Mを駆動する右側モータ603Rとは別の左側モータ603Lに
より単独で駆動されるようになっているので、第1可動体604Sおよび第2可動体60
4Mに対して独立して動作するよう駆動され、したがって例えば第1可動体604Sおよ
び第2可動体604Mの動作に多少とも関連したタイミングで動作を行う(例えば第1可
動体604Sないし第2可動体604Mの動作の周期と同一の周期で動作したり複数周期
ごとに間欠的に動作したり等)ようにも、あるいは第1可動体604Sおよび第2可動体
604Mの動作に無関係な独自のタイミングで動作を行うようにも、自在に制御すること
が可能となっている。
本パチンコ機10においては、前述の通り右側モータ603Rの正逆回転に応じて、第
1可動体604Sのみが動作するパターンと、第1可動体604Sおよび第2可動体60
4Mの両者が動作するパターンとが選択的に行われるようになっているが、この2つの動
作パターンに加えて、第1可動体604S、第2可動体604Mおよび第3可動体604
Lのすべてが動作するパターンも行われるように設定されている。これにより、動作する
可動体が多いほど大当たりの期待度が段階的に高まるように動作パターンが選択されると
共に、これらの動作パターンでは動作する可動体が小さい順に追加されていくように制御
される。またこの場合、前述の通り、第1可動体604Sは全体が一体として回動する動
作を、第2可動体604Mは全体の回動に加えて可動肢体6044Mが開く動作を、第3
可動体604Lは全体の回動に加えて可動肢体6044Lが開く動作および可動頭体60
10Lが揺動する動作を、それぞれ行うようになっているので、段階的に追加されていく
可動体のそれぞれの動作がより多岐化していくようになっている。
また、第1可動体604S、第2可動体604Mおよび第3可動体604Lが、それぞ
れの動作に応じて内部のLEDにより発光するように制御され、それぞれの外形体604
3S、6043M、6043Lの目の部分で発光がなされるとともに、それぞれの甲羅部
分の色で発光演出がなされるようになっている。さらにまた、前記右側支持基材および左
側支持基材の内側面には、右側モータ603Rおよび左側モータ603L、中央および端
部回転位置検知センサ608C、608E、左側回転位置検知センサ610、LED基板
6042S、6042M等の電気部品を中継する中継基板がそれぞれ取付固定され(図示
省略)、該中継基板自体の前面にも各所にLEDが搭載されていて、これらLEDから前
方へ、即ち第1可動体604S、第2可動体604Mおよび第3可動体604Lの背景部
から前方へ発光がなされるようになっている。
本パチンコ機10においては、大当たり期待度に合わせて4種類のリーチ種別(リーチ
変動パターン)が設定され、これら4種類のリーチ種別によって可動体の動作パターンが
制御されるように設定されている。より具体的には、第1の始動入賞装置33(始動口)
への入球タイミングに基づいて大当り乱数の抽選が行われ、この抽選の結果に応じて装飾
図柄表示装置42に表示する図柄の変動表示等といった演出内容が決定される。図柄の変
動表示には、リーチを含むものと含まないものとがあり、リーチを含むものとしては例え
ば、ノーマルリーチ(大当たりとなる確率が低確率であるリーチ状態)、スーパーリーチ
(大当たりとなる確率が中確率であるリーチ状態)、スペシャルリーチ(大当たりとなる
確率が高確率であるリーチ状態)、プレミアムリーチ(大当たりとなる確率が100%で
あるリーチ状態)等のリーチの種別が設定されている。これらのリーチの種別によって、
以下のa)〜d )の4通りの動作パターンのいずれかが選択的に行われるように制御され
るようになっている。
a)図柄変動表示期間のうちノーマルリーチとなる前(場合によっては後)の期間に、右
側モータ603Rで第1ギア607Sを初期位置から反時計回り方向X11に180°回
転させたのち初期位置に戻す往復動作を繰り返し行わせる「第1動作パターン」の動作を
制御することにより、第1可動体604Sのみを動作させ、第2可動体604Mは伝動制
限機構により停止(制限動作)させておき、また左側モータ603Lは稼動せず第3可動
体604Lは停止させておく
b)図柄変動表示期間のうちスーパーリーチとなる前(場合によっては後)の期間に、右
側モータ603Rで第1ギア607Sを初期位置から時計回り方向Y11に170°回転
させたのち初期位置に戻す往復動作を繰り返し行わせる「第2動作パターン」の動作を制
御することにより、第1可動体604Sを動作させるとともに、同周期で第2可動体60
4Mも通常動作を行わせ、また左側モータ603Lは稼動せず第3可動体604Lは停止
させておく
c)図柄変動表示期間のうちスペシャルリーチとなる前(場合によっては後)の期間に、
上記b)スーパーリーチとなった場合と同様にして第1可動体604Sおよび第2可動体
604Mの両者を往復動作させ、また左側モータ603Lで第3可動体604Lを往復動
作させる「第3動作パターン」の動作を制御する
d )図柄変動表示期間のうちプレミアムリーチとなる前の期間に、第1動作パターンの動
作態様と第2動作パターンの動作態様とが混在する第4動作パターンの動作、詳細には、
第1動作パターンの往復動作を繰り返し行う間に、第1ギア607Sを初期位置から反時
計回り方向X11に180°回転させた状態から初期位置を通過する350°の範囲を往
復する動作態様を所定のタイミングによって挿入する一連の動作を制御する
また、可動体604を動作させる上述のリーチ変動パターンは、可動体604の動作期
間の違いによって2種類の動作パターンに大別することができる。具体的には、変動開始
時点から動作させるAパターンと、リーチ期間中に動作させるBパターンとが設定されて
おり、上述のノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチはAパターンおよびB
パターンの両方の動作パターンが設定され、プレミアムリーチにはBパターンのみが設定
されている。なお、スペシャルリーチBの詳細については後述する。
このように、内部抽選の結果、大当たりとなる確率が高いリーチ種別となった場合ほど
動作する可動体も多くその動作も多岐となるため、大当たり期待度を可動体の動作態様か
ら容易に予測できるものとなっている。一方で例外的な特殊態様(プレミアムリーチの場
合)が存在しているが、法則に従った他の動作態様が互いに区別が容易となっていること
でこの特殊態様を判別し易くなっている。即ち、期待度の高さに応じて、可動体604に
おける動作の多さや盛大さの程度が低度もの、中程度のものおよび高度のものという3通
りの動作パターンにより大当たりの期待度が低度であること、中程度であることおよび高
度であることを示唆するように、内部抽選の結果に基づいてこれらの動作パターンのいず
れかが選択されるほか、例外的に特殊な動作パターンが選択される場合は確実に大当たり
となるように制御される。
このとき、装飾図柄表示装置42においても、大当たりとなる確率が高いリーチ種別と
なった場合ほど盛大な内容の演出パターンとなるような表示演出が行われるようになって
いるが、このような装飾図柄表示装置42すなわち液晶表示装置による表示演出だけでな
く、上述のように実物の可動体604の動作でもリーチ種別に応じた動作パターンで演出
を行うことにより、期待演出の内容、特に期待度の相違が視覚的に一層わかりやすく、興
趣もさらに盛り上がって演出効果もより良好となっている。
本パチンコ機10における遊技状態は、遊技が一定時間されていない場合の「デモンス
トレーション状態」から、遊技領域における入賞口への遊技球の入球に基づいて、数種に
異なる状態に変移する。即ち、図柄の変動表示がされている「図柄変動状態」、この図柄
変動状態として、図柄の変動表示開始後であってリーチが発生していない「非リーチ変動
状態」およびリーチが発生している「リーチ状態」、図柄の変動表示が停止され遊技者に
有利な「大当たり状態」、始動口に遊技球が入賞し易い「サポート状態」等に変移するが
、このように遊技状態が変化する幾度かのタイミングのうちのいずれかのタイミングを任
意に選択し、この選択したタイミングに応じて動作パターンを制御するようにすることが
できる。例えば、リーチ状態の開始および終了にともなって第1可動体604S、第2可
動体604Mおよび第3可動体604Lのすべてが一斉に動作するパターンを開始および
終了するように制御したりするようにしてもよい。また、例えば、デモンストレーション
状態または非リーチ変動状態で第1可動体604Sのみの動作を開始しておき、リーチ状
態の開始にともなって、第2可動体604Mの動作を追加して開始し、リーチ状態の終了
にともなって第1可動体604Sのみの動作に復帰するように制御するようにしてもよく
、あるいはこれに加えて、大当たり状態の開始にともなって、第3可動体604Lの動作
を追加して開始するといったように、遊技状態の変移に応じて作動態様を多段階に変化さ
せるように制御するようにし、これにより興趣演出にさらに変化を付与するようにしても
よい。さらには、動作する可動体としてより大型のものが段階的に追加されていくように
動作パターンを制御するようにしてもよい。
〔可動体に動作不良が発生した場合について〕
以下、可動体604に動作不良が発生した場合のエラー報知の一例について説明する。
(電源投入時)
上述したように、パチンコ機10の電源立ち上げ時には、動作確認および電源投入報知
として、スピーカ、装飾図柄表示装置42の液晶画面、枠に配置された各種LED、遊技
盤30に配置された各種LED、可動体604(右側モータ603Rおよび左側モータ6
03L)等の各部が所定時間(本実施形態では30秒間)に亘って予め定められた動作を
するように設定され、これら各部が正常に機能するか否かや、パチンコ機10に不正な改
変が加えられたりしていないか否かを目視確認できるようになっている。
可動体604(第1可動体604S、第2可動体604Mおよび第3可動体604L)
の電源投入報知(動作確認)としては、前述の初期位置設定を行った後、可動体604の
往復動作を行う。この電源投入報知(動作確認)の際、右側モータ603Rおよび左側モ
ータ603Lは、演出の際に可動体604を動作させる最大駆動範囲(後述)で駆動する
。具体的には、第1可動体604S、第2可動体604Mを往復動作させる右側モータ6
03Rは、以下に示す手順で駆動する。
反時計回り方向(180step)→切替(30ms)→時計回り方向(180step
)→停止(30ms)→時計回り方向(170step)→切替(停止30ms)→反時
計回り方向(170step)→停止(30ms)→・・・
上記往復動作において、「反時計回り方向」とは、前記右側モータ603Rで第1ギア
607Sを反時計回り方向(図15にX11で示す方向)へ回転させる動作を、「時計回
り方向」とは、前記右側モータ603Rで第1ギア607Sを時計回り方向(図15にY
11で示す方向)へ回転させる動作をそれぞれ表す。
また、右側モータ603Rの駆動速度(1stepに要する時間)としては、2ms、
4ms、6msおよび8msがあるが、動作確認としては、このうち最も遅いために最も
負荷がかかる8msの速度で右側モータ603Rを駆動するようにする。したがって、1
回の往復動作に要する時間は、
8(ms)×180(step)×2+8(ms)×170(step)×2+30(m
s)×4=5720(ms)
である。つまり、前述の初期位置設定の後にこの往復動作を5回繰り返し(5720ms
×5回=28600ms)、全体として約30sの電源投入報知(動作確認)とする。
前述の通り、第2ギア607Mの遮光片6072が中央回転位置検知センサ608Cな
いし端部回転位置検知センサ608Eで検出されることにより、第1可動体604Sおよ
び第2可動体604Mの位置(体勢)も把握されるようになっているが、上記初期位置設
定および往復動作の間に中央回転位置検知センサ608Cないし端部回転位置検知センサ
608Eに検出不良があると、例えば第1可動体604Sないし第2可動体604Mがど
こかに引っ掛かって動かない、右側モータ603Rが故障している、中央回転位置検知セ
ンサ608Cないし端部回転位置検知センサ608Eのコネクタが抜けている、等の何ら
かの異常の発生が考えられるので、この場合にはエラー報知を行う。ただし、可動体60
4の動作にエラーが生じても、スピーカ、装飾図柄表示装置42の液晶画面、各種LED
等により演出を行うことは可能であるが、一方、電源投入時の報知が正しくなされないと
なると、エラー報知や不正の発見からしてなされないこととなるので、可動体604のエ
ラー報知よりも、パチンコ機10の電源投入報知を優先的に必ず行うようにする。つまり
、可動体604の動作不良が発生した場合、動作不良のある側のモータ(右側モータ60
3Rまたは左側モータ603L)の駆動を停止し、動作停止した側の可動体604(第1
可動体604Sおよび第2可動体604Mまたは第3可動体604L)のLEDを高輝度
で点滅させてエラー報知をする一方、スピーカ、装飾図柄表示装置42の液晶画面、枠に
配置された各種LED、遊技盤30に配置された各種LED(可動体604のLEDを除
く)等の各部については所定期間の経過(28.0s経過)まで電源投入報知を継続し、
電源投入報知が終了したタイミングから改めて可動体604(右側モータ603Rないし
左側モータ603L)についてのエラー報知を行うようにする。エラー報知としては、可
動体604のLEDを高輝度で点滅させる、装飾図柄表示装置42の液晶画面でエラー表
示を行う、スピーカで音声により報知する、枠に配置された各種LEDの点灯により報知
する、等の態様により行う。可動体604のLEDを高輝度で点滅させてエラー報知する
際には、それ以外のLED、例えば遊技盤30に配置された各種LEDを併せて発光させ
るようにしてもよいが、可動体604以外のLEDは発光させないで可動体604のエラ
ー報知を目立たせるようにしてもよい。
(図柄変動中ないし大当たり状態中)
図柄変動期間または大当たり状態中に可動体604の動作不良(中央回転位置検知セン
サ608Cないし端部回転位置検知センサ608Eの検出不良)が発生した場合、当該図
柄変動期間または大当たり状態中はエラー報知を行わないようにする。これは、遊技中に
エラー報知を行うと遊技者の興趣向上を妨げることになるためである。この場合、右側モ
ータ603Rおよび左側モータ603の駆動は停止させるが、エラー報知については、保
留が消化された後、デモンストレーション状態(遊技がなされていない時に宣伝を目的と
して行われるデモンストレーションの状態)になってから行うようにする。
(デモンストレーション状態)
デモンストレーション状態は、電源投入報知後、または図柄変動がされない状態のまま
15s経過した場合に開始する。デモンストレーション状態の間、可動体604を動作さ
せるようにし、駆動速度は8msとする。この可動体604の動作は、遊技前の動作確認
の用途も兼ねるものである。
デモンストレーション状態において可動体604の動作不良(中央回転位置検知センサ
608Cないし端部回転位置検知センサ608Eの検出不良)が発生した場合、その時点
でエラー報知を行うようにする。
〔デモンストレーション状態での可動体の動作について〕
以下、デモンストレーション状態における可動体604の動作について説明する。
(デモ演出)
デモンストレーション状態においては、デモ演出として、装飾図柄表示装置42の液晶
画面での演出と、可動体604を動作させての演出とを行う。可動体604による演出と
しては、右側モータ603Rおよび左側モータ603をそれぞれ駆動して第1可動体60
4S、第2可動体604Mおよび第3可動体604Lを動作させる。
(デモ演出の終了)
デモンストレーション状態においては、始動入賞を検出したタイミングで装飾図柄表示
装置42の液晶画面でのデモ演出を終了させるが、可動体604によるデモ演出について
は、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることがセンサ信号により検出されたタ
イミングで、第1可動体604S、第2可動体604Mおよび第3可動体604Lを2m
sの速度で初期位置へ帰還させて終了するようにする。
デモンストレーション状態を終了させる契機の別例として、可動体604によるデモ演
出についても、始動入賞を検出したタイミングで終了させるようにしてもよい。ただしこ
の場合、可動体604が初期位置に復帰する前に図柄の変動表示が開始されることとなる
。このとき、可動体604が用いられる変動パターンとして上述のAパターン(変動開始
時点から可動体604を動作させるパターン)が選択されると、可動体604の動作期間
が重複する、換言すれば図柄の変動表示が開始された時点で初期位置から動作を開始する
べきはずの可動体604がまだ初期位置に復帰していない、という不具合が生じることと
なる。このため、可動体604によるデモ演出も始動入賞を検出したタイミングで終了さ
せるこの別例の場合には、上記2パターンのうちBパターンのみを選択するように制限す
る、即ちAパターンは選択しないようにすることが望ましい。
一方、本実施形態(本例)においては前述の通り、デモンストレーション状態における
可動体604によるデモ演出を遊技球発射ハンドル18に対するタッチ(接触)の検出の
時点で終了させるようになっており、したがって上述の別例の場合のような不具合は生じ
難く、基本的にいずれの変動パターンも問題なく選択することができる構成となっている
が、この構成の場合であっても、デモンストレーション状態を終了させる始動入賞の時点
で選択可能な変動パターンをいずれかに制限するようにしてもよい。
〔変動パターンに組み込まれる可動体の動作について〕
可動体604が動作するリーチ変動パターンとしては、上述したように、ノーマルリー
チAおよびB、スーパーリーチAおよびB、スペシャルリーチAおよびB、ならびにプレ
ミアムリーチBの合計7種類の変動パターンが設定されている。これら7種類の変動パタ
ーンは、ノーマル、スーパー、スペシャルおよびプレミアムの4段階に種別され、この4
段階は前述の通り大当たりとなる確率が上記の順に高くなるように設定されている。また
、上記7種類の変動パターンはそれぞれ、同じ期待度のAまたはBの2種類のパターンに
種別されるようにもなっているが、Aパターンは変動開始時点からリーチ発生時点まで動
作させるパターン、Bパターンはリーチ期間中に動作させるパターンとなっている。
これらのリーチ変動パターンのうち、スペシャルリーチBパターンは、押しボタン(演
出ボタン79)を使い、可動体604が動けば当たりとする演出とする。内部抽選で大当
たり乱数が当り値となり、かつこのスペシャルリーチBパターンが選択された場合、リー
チ期間中のボタン有効期間(例えば5s)の間にボタン押下が検出されれば、この検出タ
イミングで第1可動体604S、第2可動体604Mおよび第3可動体604Lの動作を
同時に開始させて図柄停止まで継続することにより、大当たり状態への移行を報知する。
この場合、ボタン押下のタイミングにより、一定の往復動作を繰り返す可動体604の
動作期間が異なることとなるが、仮に可動体604が図柄停止のタイミングを越えて動作
すると、図柄停止のタイミングで確実に図柄変動の停止となったか否かがあやふやとなり
、あたかも図柄が停止した後に再び変動を開始する可能性があるかのような印象を遊技者
に与えることともなるので、可動体604の動作(および他の演出も含め)は図柄停止の
タイミングを越えて行わないようにすることが望ましい。また、可動体604の動作とし
ては、一定の動作期間の間に一定の態様の動作が継続されて違和感がないようにすること
が望ましい。これらのことから、可動体604の動作は初期位置で終了するようにすると
ともに、往復動作を中断しないようにすることが望ましい。
上述の通り、ボタン押下のタイミングによって可動体604の動作期間は異なるが、こ
れにより、場合によっては可動体604の動作終了のタイミングが図柄停止のタイミング
と大きくずれることとなる。例えば、可動体604の1回の往復動作に要する時間をt1
(ms)とすると、図柄停止のタイミングまで残りちょうどt1となった時点で可動体6
04が新たな往復動作に入る直前(即ち初期位置に復帰する直前)であった場合、そのま
ま可動体604の動作を継続すると、図柄停止のタイミングでは可動体604がまだ初期
位置に復帰する直前にあるため、図柄停止後に可動体604が初期位置に復帰するまで僅
かに動作するということになってしまう。このため、可動体604が図柄停止のタイミン
グを越えて動作しないようにするためには、図柄停止のタイミングまでほぼt1(ほぼ1
往復動作分)を残した時点で可動体604の動作を初期位置で終了させることが必要とな
る。この場合、可動体604の動作が終了してからほぼt1だけ図柄変動のみが継続され
ることとなり、この間の時間が間延びしたものとなってしまう。
なお、スペシャルリーチは、前述の通り、第1可動体604Sおよび第2可動体604
Mの両者を往復動作させるパターンであり、右側モータ603Rで第1ギア607Sを初
期位置から時計回り方向Y11に170°回転させたのち初期位置に戻す往復動作を繰り
返し行わせる「第2動作パターン」の動作となっているから、可動体604を一定速度6
msで動作させるとすると、1回の往復動作に要する時間をt1は以下の通りとなる。
t1=6(ms)×170(step)×2+30(ms)×2=2100(ms)
さて、前述のように図柄変動期間の終端部で可動体604の動作がほぼ1往復動作分t
1だけ早く終了して図柄停止までの時間が間延びするという事態をなるべく避けるように
するため、本実施形態においては、図柄停止のタイミングより前に定めた所定のタイミン
グ、具体的には、1往復動作に要する2100msよりも短い2.0sだけ前の時点をボ
タン押下の有効期間が終了するタイミングとして設定すると共に、この所定のタイミング
となった時点で、右側モータ603Rの状態(1往復動作340stepにおける回転位
置)を特定し、その特定した状態に応じて、そこから初期位置に復帰するまでの可動体6
04の駆動速度として、6ms(等速)、4ms(高速)および8ms(低速)のうちか
ら最適な速度を選択するようにし、これにより、右側モータ603Rの状態(1往復動作
における位置)に関わらず、図柄停止のタイミング直前の一定期間(850ms)の間に
可動体604を初期位置に到達させるようにする。なお、可動体604の駆動速度として
は前述の通り2msも可能であるが、2msだと速過ぎて違和感を生じるためここでは使
用しない。
図柄停止の2.0s前の時点における右側モータ603Rの回転位置(初期位置からの
距離)のそれぞれにおける駆動速度等を表1および表2に示す。表1は、初期位置から時
計回り方向Y11に170°(170step)まで回転する範囲、即ち初期位置から時
計回り方向Y11に離隔していく範囲(往路)を、表2は、170°(170step)
の位置から初期位置0°(0step)まで復帰していくように反時計回り方向に回転す
る範囲(復路)を、それぞれ1°(1step)毎に示す。
Figure 2015157123
Figure 2015157123
表1に示すように、図柄停止の2.0s前の時点で初期位置から1〜11stepの位
置にあるときには、残り駆動量が329〜339stepと多くなっているので、1st
epに要する時間すなわち駆動速度を6msから4msに速めてこの残りの駆動量を消化
するようにしている。一方、図柄停止の2.0s前の時点で初期位置から12step以
上の位置にあるときには、残り駆動量が328stepから次第に少なくなっているので
、駆動速度を4msから6ms、6msから8msへと段階的に落としていくようにして
いる。この往路においては、いずれの位置からも、170°(170step)の位置で
反転(折返し)して初期位置に復帰していくので、駆動切替時間はいずれも切替1回分の
30msとなっている。こうして、往路においては、図柄停止の2.0s前の時点から初
期位置に復帰するまでの時間すなわち初期位置到達時間は、1346〜1998msとな
っているので、図柄停止まで2〜654ms残した時点で初期位置に到達するようになっ
ている。
なお、この往路においては、仮にそれぞれの位置で反転して反時計回り方向に回転する
ようにしたとすると少ない駆動量で初期位置に復帰できることともなるが、このように往
路の途中で反転するようなことはせず、可動体604に一定の完全な往復動作(初期位置
と170°の位置との間の往復動作)をさせるようにする。
また、表2に示すように、復路の始端域、即ち図柄停止の2.0s前の時点で初期位置
から170〜146stepの位置にあるときには、往路の終端域にあったときの駆動速
度8msの低速を維持して残りの駆動量170〜146stepを消化するようにしてい
る。この場合には、それぞれの位置から初期位置まで専ら反時計回り方向に戻っていくの
みであるため、駆動切替時間は無しとなっている。一方、図柄停止の2.0s前の時点で
初期位置から145step以下の位置にあるときには、初期位置に近いため、低速で駆
動したとしても初期位置到達時点で時間が大幅に余ることとなり、かといって仮に例えば
15msのようにさらに低速とすると等速6msとの差が過大となってしまう。そこで、
この場合には逆に、駆動速度を等速6msと2msしか異ならない4msの高速に上げて
もう1回余分に往復動作して初期位置に復帰するようにしている。この場合、1往復動作
が付加されることにより、初期位置および170°(170step)の位置でそれぞれ
反転することになるから、駆動切替時間は切替2回分の60msとなっている。こうして
、復路においては、図柄停止の2.0s前の時点から初期位置に復帰するまでの時間すな
わち初期位置到達時間は、1168〜2000msとなっているので、図柄停止まで0〜
832ms残した時点で初期位置に到達するようになっている。
以上のように可動体604の速度を制御することにより、ボタン押下のタイミングによ
って可動体604の動作期間が大きく(最大でほぼ1往復動作分t1まで)異なっても、
図柄停止のタイミング直前の一定期間(850ms)の間に可動体604を初期位置に到
達させることができる。換言すれば、ボタン押下のタイミングによって可動体604の動
作期間が大きくずれた場合でも、動作終了のタイミングを図柄停止のタイミング直前の比
較的に短い一定期間(1秒より短い850ms)内に収めることができる。また、仮に、
可動体604の動作期間の全体を通して、場合に応じ4msないし8msから選択したい
ずれかの駆動速度で動作を行ったとすると、この駆動速度の相違によって期待度に差があ
るかのような印象を遊技者に与えやすいことともなるが、これに対し本実施形態において
は、可動体604の動作期間の大半(即ち、リーチ期間中にボタン押下が検出されて可動
体604の動作が開始されてから、図柄停止の2.0s前となるまでの間)は共通の速度
(ここでは6ms)とするので、期待度が異なるかのような印象を遊技者に与え難くする
ことができる。
〔大当たり状態中のラウンドインターバルについて〕
大当たり状態中の1R開始から14R後のインターバル終了までの間と、15Rでの昇
格演出(それまで通常大当たり図柄の組み合わせを表示しておいたところで確変大当たり
図柄の組み合わせに切り換える演出)とにおいて、可動体604を動作させるようにする
この場合、15Rでの昇格演出の開始までに可動体604が初期位置にあるようにして
おく必要がある。ところが、大当たり状態の1ラウンドは、所定時間(例えば30秒)の
経過又は所定個数(例えば10個)の入賞をもって終了するというようになっているので
、1R開始から14R後のインターバル終了までの時間は遊技のやり方により長短があっ
て一定しない。このため、14R後のインターバルを、可動体604の1往復動作に要す
る時間(6ms×340step+30ms×2=2100ms)より長く設定し、この
インターバル中に可動体604が確実に初期位置に到達するようにする。可動体604は
到達した時点で停止させるようにする。
(昇格演出)
15R中にボタン有効期間(ボタンチャンス)を設け、ボタン押下が検出される毎に可
動体604を第1可動体604Sから順次1個ずつ動作開始させていき、その途上におけ
るボタン押下検出の各契機で、動作開始するべき可動体604(第1可動体604S、第
2可動体604Mおよび第3可動体604Lのいずれか)が動作しない場合にはその時点
で終了とする。結果的に最大3回のボタン押下に対応して第1可動体604S、第2可動
体604Mおよび第3可動体604Lの全てが動作した場合には昇格(確変大当たり)確
定とする。
本実施形態においては、第1可動体604Sおよび第2可動体604Mは駆動源を共通
の1個の右側モータ603Rとしているとしているため、第1可動体604Sの動作中に
ボタン押下が検出されたタイミングでは、もし第1可動体604Sがその時点でちょうど
初期位置に戻っていたとすれば直ちに第2可動体604Mを動作開始させることができる
が、このような場合は極めて稀であり、殆どの場合には第1可動体604Sは初期位置に
はなく、直ちに第2可動体604Mを動作開始させることは不可能である。この場合、2
回目のボタン押下のタイミングと第2可動体604Mの動作開始のタイミングとが大きく
ずれると遊技者が違和感を抱くこととなる。そこで、この事態を防止するため、2回目の
ボタン押下のタイミングで、1)第2可動体604MのLED(例えば目の部分のLED
)を第1可動体604SのLEDよりも高輝度で発光させることにより、第2可動体60
4Mを目立たせるとともに、2)前述のリーチ変動パターンの場合と同様に、右側モータ
603Rの駆動速度を複数から選択し、第1可動体604Sの初期位置への復帰を早める
か、またはLEDの高輝度発光の時間を一定以上確保するために遅らせるようにする(低
速にするかまたは高速にしてもう1回分往復動作させる)。
第3可動体604Lは、別の左側モータ603Lにより独立して駆動されるようになっ
ているので、第2可動体604Mの動作中にボタン押下が検出された場合には、そのタイ
ミングで直ちに第3可動体604Lを動作開始させることも可能である。しかしながら、
この第3可動体604Lについても、敢えて前述の第2可動体604Mの場合と同様に、
1)第3可動体604LのLEDを高輝度で発光させるとともに、2)第1可動体604
Sおよび第2可動体604Mの駆動速度を場合に応じて調整する、というようにしたほう
が、可動体604全体の演出が同様の態様でなされるとともに動作タイミングも揃って調
和のとれた演出となる。
上述の構成により、ボタン押下のタイミングのズレによる違和感を抑制した昇格演出と
することができる。なお、このような演出は、同様にして図柄変動パターンに組み込むよ
うにしてもよい。
上記カメ役物ユニット600は、図16に示すように、液晶取付枠部材620に取り付
け一体化される。液晶取付枠部材620は、主として装飾図柄表示装置42の取付台とし
て機能する枠状の部材であり、装飾図柄表示装置42の表示画面を露出させる概略横長の
長方形状の開口620Sを中央やや下方寄りに有し、背面側から装飾図柄表示装置42が
取付固定されて支持されるようになっている。左上の隅部が角落ちして斜辺となった概略
矩形状の外形を有していて、周縁からは取付フランジ620Fが延出して該取付フランジ
620Fで遊技盤30の後方からネジ固定されるようになっている。開口620Sの右側
、左側および下側にはそれぞれLED基板が配置されており(図示せず)、各LED基板
を覆うようにして、それぞれ光透過性を有する樹脂よりなり全体に装飾が形成された右側
基板カバー620R、左側基板カバー620Lおよび下側基板カバー620Bがそれぞれ
取付固定されている。装飾図柄表示装置42が取付固定された液晶取付枠部材620は、
前記センターフレーム43とともに、可変表示装置ユニット35を構成している。カメ役
物ユニット600は、液晶取付枠部材620の上部に、開口620Sの上端縁に沿って取
付固定され、液晶取付枠部材620とともに遊技盤30の中央部に配置されて、図4に示
すように、遊技領域の中央部において、装飾図柄表示装置42の表示画面と上下に並ぶよ
うにして、可動体604を含む大部分が前方へ露出するようになっている。
(作用)
本実施形態のパチンコ機10は、
遊技球が流下可能な遊技領域と、該遊技領域に設けられ遊技球が入球可能な入球口(一
般入賞装置31、可変入賞装置32、第1の始動入賞装置33等)と、該入球口に入球し
た遊技球を検出する入球検出手段(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ
等の検出スイッチ)と、該入球検出手段による遊技球の検出に基づいて当否抽選を行う抽
選手段と、該抽選手段による当否抽選の結果に基づいて演出パターンを複数種類のうちか
ら選択する選択手段と、該選択手段によって選択された演出パターンに基づいて所定の演
出を制御する演出制御手段とを備え、
前記抽選手段による当否抽選の結果が特定結果となった場合に遊技者に有利な特定遊技
状態(大当たり状態等)を生じさせる構成において、
遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン79)と、
該操作手段についての有効期間を、前記選択手段により選択される演出パターンに基づ
いて設定する設定手段と、
該設定手段により設定された前期有効期間に前記操作手段が操作されたことを検出する
操作検出手段と、
所定の動作が可能に設けられる可動手段(可動体604)と、
該可動手段を動作させる駆動手段(右側モータ603R)と、
前記可動手段を待機位置から変位させ再び待機位置に戻す一連の動作を繰り返し行うよ
うに前記駆動手段を駆動制御する手段であって、前記駆動手段の所定の駆動制御について
、開始、または終了段階への移行のうち少なくとも何れかを、前記操作検出手段によって
前記操作が検出されたタイミングに応じて行うと共に、前記終了段階に移行した後、前記
可動手段が前記待機位置にあるタイミングで前記駆動手段の前記駆動制御を終了させる駆
動制御手段とを備え、
該駆動制御手段は、
前記駆動制御が終了段階に移行する所定のタイミング(図柄停止の2.0s前)におい
て、前記待機位置へ向けて前記可動手段を動作させている前記駆動手段が、その初期位置
に復帰するまでの動作量が所定量となる第1駆動位置(往路において初期位置から12s
tep以上の位置)にある場合に、前記駆動手段の駆動速度を減速させてx回目に前記初
期位置に復帰した時点で前記駆動手段の前記駆動制御を終了させる第1手段と、
前記所定のタイミングにおいて、前記待機位置へ向けて前記可動手段を動作させている
前記駆動手段が、前記初期位置に復帰するまでの動作量が前記第1駆動位置よりも少ない
第2駆動位置(復路において初期位置から145step以下の位置)にある場合に、前
記駆動手段の駆動速度を加速させてx+1回目に前記初期位置に復帰した時点で前記駆動
手段の前記駆動制御を終了させる第2手段とを備えていることを特徴とする。
上記本パチンコ機10の構成によれば、所定のタイミングにおいて、駆動手段が第1位
置(初期位置までの動作量が比較的に小さい位置)にある場合に駆動速度を減速させるた
め、駆動制御の終了タイミングを、初期位置までの動作量が第1位置よりも大きい位置(
往路において初期位置から11step以下の位置)にある場合の終了タイミングと近づ
けることができ、したがって駆動制御の終了タイミングについてのズレ幅を小さくするこ
とができる。
他方、所定のタイミングにおいて、駆動手段が第2位置(初期位置までの動作量が第1
位置より小さい位置)にある場合、第1位置にある場合よりも減速させるのではなく、逆
に加速させて一連の動作を1回分多く行うため、駆動速度を大幅に変更することなく(変
更幅2ms)、第1位置から減速させる場合の終了タイミングと近づけることができ、し
たがって駆動制御の終了タイミングについてのズレ幅を小さくすることができる。
また、操作手段が操作された直後の駆動速度が6msで共通化されているため、駆動速
度が共通化されない場合のように、大当たりの期待度が異なっているのでは、といった不
信感を遊技者が抱くことが防止されるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ機10は、上記構成において、
前記可動手段は、第1可動部(第1可動体604S)と第2可動部(第2可動体604
M)とを備え、
前記駆動制御手段は、前記駆動手段を前記初期位置に対し一方(図15の矢印X11に
示す反時計回り方向)へ駆動させることで前記第1可動部を動作させる第1駆動制御と、
前記駆動手段を前記初期位置に対し他方(図15の矢印Y11に示す時計回り方向)へ駆
動させることで前記第1可動部および第2可動部を動作させる第2駆動制御とを行う手段
であって、
前記操作検出手段により第1の検出がされたタイミングに応じて前記第1駆動制御を開
始させ、該第1駆動制御がされる期間のうち第2の検出が前記操作検出手段によってされ
たタイミングを前記所定のタイミングとして、前記駆動手段が前記初期位置に復帰した時
点で前記第1駆動制御を終了させ、前記第2駆動制御を開始させることを特徴とする。
上記構成によれば、第1可動部と第2可動部とを共通の駆動手段(右側モータ603R
)で駆動し、操作手段の操作に応じて第1駆動制御から第2駆動制御に切り替える構成に
おいて、操作手段の操作が検出されたタイミングから駆動制御が切り替えられるタイミン
グ(即ち駆動手段が初期位置に復帰するタイミング)までの期間を一定に近くすることが
でき、これにより切り替えタイミングに対する遊技者の違和感が防止されるようになって
いる。
また、上記パチンコ機10は、外部から視認し得る位置である可変表示装置ユニット3
5の上部に、演出用の可動装置としてカメ役物ユニット600が設けられた構成において
、上記カメ役物ユニット600は、動作し得るよう可動に構成された第2可動体604M
と、上記第2可動体604Mを動作させるための動力を発生する駆動源として右側モータ
603Rとを備え、上記右側モータ603Rの駆動範囲内の一部、即ち第1ギア607S
を初期位置から反時計回り方向X11に回転させる駆動範囲において上記第2可動体60
4Mへの動力伝達を制限(断絶)する伝動制限機構が設けられた構成となっている。
上記構成によれば、右側モータ603Rから第2可動体604Mへ動力が伝達されて第
2可動体604Mが動作するが、右側モータ603Rの駆動範囲内の一部、即ち第1ギア
607Sを初期位置から反時計回り方向X11に回転させる駆動範囲においては伝動制限
機構により動力伝達が制限(断絶)され、これにともない第2可動体604Mの動作が制
限(断絶)される。したがって、伝動制限機構を設けるだけの簡単な構成により、右側モ
ータ603Rの駆動範囲において、第2可動体604Mに通常の回動動作(通常動作)と
、この通常動作よりも制限された、動作の停止すなわち制限動作との両方が行われるよう
になっており、これにより第2可動体604Mの動作に効率的に変化が付与されている。
また、第1の始動入賞装置33(始動口)への入球を契機として内部抽選が行われ、こ
の抽選の結果に応じて複数の異なる演出パターン即ちノーマルリーチ、スーパーリーチ、
スペシャルリーチおよびプレミアムリーチを含んで構成されるリーチ演出(期待演出)が
なされ、上記複数の演出パターンのうちの特定の演出パターンであるノーマルリーチ演出
などがなされるときに選択的に上記伝動制限機構が上記第2可動体604Mへの動力伝達
を制限するように構成されているので、第2可動体604Mの通常動作と制限動作(動作
の停止)とが、抽選の結果に基づく演出パターンの相違に応じて行われるようになってお
り、したがって演出が視覚的にさらにわかりやすく、演出効果もより良好となっている。
また、可動体604が、第1可動体604Sと第2可動体604Mとを含む複数(3つ
)の可動体より構成され、上記第1可動体604Sおよび第2可動体604Mの両者が同
一の駆動源である右側モータ603Rからの動力により駆動され、上記右側モータ603
Rの駆動範囲内の一部、即ち第1ギア607Sを初期位置から反時計回り方向X11に回
転させる駆動範囲において、上記第1可動体604Sおよび第2可動体604Mのうちの
一方である第2可動体604Mのみへの動力伝達が上記伝動制限機構により制限(断絶)
されるようになっているので、通常動作時には第1可動体604Sおよび第2可動体60
4Mの両者が駆動され、右側モータ603Rの駆動範囲内の一部においては一方である第
2可動体604Mの動作が制限されることとなる。即ち、第1可動体604Sおよび第2
可動体604Mの両者が通常動作をするパターンと、一方の第1可動体604Sが通常動
作を、他方の第2可動体604Mが制限動作(動作の停止)をそれぞれするパターンと、
の2通りの動作パターンで動作が行われることとなる。したがって、可動体604の動作
にいっそう効果的に変化が付与され、特に、上述の通り複数の演出パターンのうちの特定
の演出パターンであるノーマルリーチ演出がなされるときに選択的に上記伝動制限機構が
上記第2可動体604Mへの動力伝達を制限するように構成されているので、抽選の結果
に基づく演出パターンの相違がより効果的に表現されるようになっている。また、第1可
動体604Sおよび第2可動体604Mの一方である第1可動体604Sに通常動作を、
他方である第2可動体604Mに制限動作をそれぞれ行わせるのに、同一の駆動源である
右側モータ603Rからの動力を用いるようにしているので、それぞれ別の駆動源を用い
る場合に比して構成が簡略化されている。あるいは換言すれば、それぞれ別の駆動源を用
いる場合には複数の可動体のそれぞれに個別の動作を行わせるのもごく容易であるのに対
し、同一の駆動源である右側モータ603Rの駆動範囲内の一部において第1可動体60
4Sおよび第2可動体604Mの一方である第2可動体604Mのみに選択的に制限動作
を行わせるようになっているので、伝動制限機構を設ける構成が特に有用となっている。
また、上記伝動制限機構が、動力伝達対象である第2伝達部材605Mへの動力伝達を
断絶するようになっているので、駆動源である右側モータ603Rの駆動範囲内の一部に
おいて第2伝達部材605Mの動作が停止するようになっており、この場合、動作の停止
が制限動作に相当するものとなっている。したがって、通常動作と制限動作とが、通常動
作とその停止となって対比がより明確となっている。
また、上記駆動源である右側モータ603Rからの動力が、該動力により移動する接触
子であるカムピン6071Mが動力伝達対象である第2伝達部材605Mのカム溝605
2Mに当接することによって伝達され、上記伝動制限機構が、カムピン6071Mが第2
伝達部材605Mに抵触しない非抵触部として逃げ溝6053Mを設けることにより構成
されているので、簡単な構成によって動力伝達対象である第2伝達部材605Mへの動力
伝達を断絶することが可能な伝動制限機構が構成されている。
また、上記カムピン6071Mが第1方向すなわち初期位置から時計回り方向X13へ
の移動(および初期位置への復帰)の方向と、該第1方向とは異なる第2方向すなわち初
期位置から反時計回り方向Y13への移動(および初期位置への復帰)の方向とに移動す
ることができ、動力伝達対象である第2伝達部材605Mが、上記第1方向および第2方
向の一方である第1方向において上記カムピン6071Mが内部を移動する、該カムピン
6071Mの幅より僅かに大きい幅で該カムピン6071Mの移動方向に沿って延びる逃
げ溝6053Mと、他方である第2方向において上記カムピン6071Mが当接する当接
部であるカム溝6052Mと、が形成されたものとなっているので、逃げ溝6053Mの
内部をカムピン6071Mが移動する間は動力伝達がなされず、したがって、逃げ溝60
53Mを設けるという簡単な構成により非抵触部が構成されている。さらにまた、逃げ溝
6053Mの内部をカムピン6071Mが移動する間は、逃げ溝6053Mの幅方向の動
きがカムピン6071Mにより規制されるので、逃げ溝6053Mが形成された第2伝達
部材605Mが余分な動きをしないように規制されるようになっている。このとき、例え
ば、第1方向の側で逃げ溝を形成するのではなく動力伝達対象(伝達部材)を開放するよ
うにし、この第1方向側では接触子(カムピン)が何ものにも規制されないようにしても
非抵触部を構成することができるが、この構成の場合、動力伝達対象の動きも規制されな
いため、例えば何らかの外力を受けて動力伝達対象が動くこともあり得る。このように動
力伝達対象が本来動くべきでないときに誤って動いたりすると、これによって異なる演出
パターンがなされたように遊技者が誤解することともなる。これに対し、本パチンコ機1
0においては、非抵触部である逃げ溝6053Mにおいて動力伝達対象である第2伝達部
材605Mの動きが規制されるようになっているので、動力伝達対象(第2伝達部材60
5M)の余分な動きによって遊技者に誤解が生じるといった事態が回避されるようになっ
ている。特に本パチンコ機10の場合、前述の通り、大当たりとなる確率がノーマルリー
チよりも高いスーパーリーチまたはプレミアムリーチとなったときに第2伝達部材605
Mが動作するように設定されているので、第2伝達部材605Mが動くべきでないときに
動くと、実際よりも期待度が高いような誤解が生じることとなる。
また、動力伝達対象が、回動可能に軸支されるとともにカム溝6052Mが形成された
リンクアームである第2伝達部材605Mを含み、上記駆動源である右側モータ603R
が正逆回転可能なモータであって、該右側モータ603Rの回転軸に、第2伝達部材60
5Mのカム溝6052Mに嵌合するカムピン6071Mが偏心位置に配設された第2ギア
607Mが連動するように連結され、上記第2ギア607Mのカムピン6071Mが、上
記第2伝達部材605Mのカム溝6052Mにおける一方端(上端)に嵌合し、該カムピ
ン6071Mがカム溝6052Mの他方端(下端)側へ移動するように上記第2ギア60
7Mが回転することで該第2ギア607Mから第2伝達部材605Mへ動力が伝達され、
上記第2伝達部材605Mのカム溝6052Mにおける一方端(上端)からは、上記第2
ギア607Mのカムピン6071Mの移動軌跡に沿って円弧状にのびる逃げ溝6053M
が、上記カム溝6052Mに連通するように形成されているので、第2伝達部材605M
のカム溝6052Mにおける一方端(上端)に第2ギア607Mのカムピン6071Mが
嵌合した初期位置から、該カムピン6071Mがカム溝6052Mの他方端(下端)側へ
移動するように第2ギア607Mが回転すると、該第2ギア607Mから第2伝達部材6
05Mへ動力が伝達されて該第2伝達部材605Mが回動し、一方、カムピン6071M
が初期位置から上記とは反対側(上方)へ移動するように第2ギア607Mが回転すると
、該カムピン6071Mが逃げ溝6053Mに沿って移動して第2伝達部材605Mへの
動力伝達はなされない。即ち、カムピン6071Mが初期位置からカム溝6052M内を
移動するように第2ギア607Mが回転すると、駆動源である右側モータ603Rから動
力が伝達されて第2伝達部材605Mが通常動作として回動し、一方、カムピン6071
Mが初期位置から逃げ溝6053M内を移動するように第2ギア607Mが回転すると、
第2伝達部材605Mへの動力伝達が断絶して該第2伝達部材605Mが停止状態となる
。このように、カムピン6071Mが初期位置からカム溝6052M内と逃げ溝6053
M内とを選択的に移動し得る構成とすることで、駆動源である右側モータ603Rの駆動
範囲内の一部において動力伝達対象である第2伝達部材605Mへの動力伝達を効果的に
制限し得る伝動制限機構が構成されている。
また、上記第2可動体604Mとは別の第1可動体604Sを有し、上記右側モータ6
03Rの動力が、該右側モータ603Rの全駆動範囲内において、上記第2ギア607M
とは別の第1ギア607Sを介して、上記第1可動体604Sへ伝達され、右側モータ6
03Rの全駆動範囲内において第1可動体604Sが動作を行うので、第2可動体604
Mおよび第1可動体604Sの両者が通常動作をするパターンと、一方である第1可動体
604Sが通常動作を、他方である第2可動体604Mが制限動作(動作の停止)をそれ
ぞれするパターンと、の2通りの動作パターンで動作が行われるようになっている。した
がって、可動体604の動作にいっそう効果的に変化が付与されている。また、第1可動
体604Sおよび第2可動体604Mのうちの一方である第1可動体604Sに通常動作
を、他方である第2可動体604Mに制限動作をそれぞれ行わせるのに、同一の右側モー
タ603Rからの動力を用いるようにしているので、それぞれ別の駆動源を用いる場合に
比して構成が簡略化されている。換言すれば、同一の右側モータ603Rの駆動範囲内の
一部において、第1可動体604Sおよび第2可動体604Mのうちの一方である第2可
動体604Mのみに選択的に制限動作を行わせるようになっているので、伝動制限機構を
設ける構成が特に有用となっている。さらにまた、同一の右側モータ603Rからの動力
を、2つのギアすなわち第1ギア607Sおよび第2ギア607Mを介して第1可動体6
04Sおよび第2可動体604Mの両者へ伝達するようになっているので、簡略な構成に
より伝達機構が構成されている。
(変更態様)
上記パチンコ機10には、例えば以下に列挙するように様々な変更を加えることが可能
である。なお、以下に列挙する変更態様において、前記実施形態の場合と同様の部位や部
材には同一の符号を付し、その説明は基本的に省略する。
(1)前記実施形態において、上記カメ役物ユニット600は、動力を発生する駆動源と
して右側モータ603Rと、この右側モータ603Rの駆動を共有して動作し得るよう可
動に構成された第1可動体604S及び第2可動体604Mと、これらの各可動体に上記
右側モータ603Rの駆動を伝達するための第1ギア607S、第1伝達部材605S、
第2ギア607M、第2伝達部材605Mなどを備えていたが、これに替えて、第2可動
体604M、第2ギア607M及び第2伝達部材605Mを削除した構成、若しくは異な
る駆動源によって動作させる構成としてもよい。つまり、右側モータ603Rを、上記第
1可動体604Sのみを動作させるための構成として使用する。
なお、このように第1可動体を単独で動作させる構成にあっては、第1可動体604Sを
動作させるための前記実施形態における構成に対してさらに以下の変更を加えることが好
ましい。つまり、前記実施形態では、上記右側モータ603Rから、第1の駆動方向すな
わち第1ギア607Sの初期位置から反時計回り方向X11への移動(および初期位置へ
の復帰)の方向と、該第1の駆動方向とは異なる第2の駆動方向すなわち第1ギア607
Sの初期位置から時計回り方向Y11への移動(および初期位置への復帰)の方向との2
通りの駆動方向に沿った駆動力が上記第1可動体604Sへ伝達されるように、上記第1
の駆動方向と第2の駆動方向とのそれぞれに右側モータ603Rが駆動されることで、上
記第1可動体604Sが、図15の矢印X12およびY12に示すように同一方向すなわ
ち反時計回り方向(頭を下げる方向)に沿ってほぼ同一の動作態様で動作し得るように構
成されていたが、これに替えて、異なる動作態様(回動量すなわち回動角度)で動作し得
るように構成する。この場合には、右側モータ603Rから第1可動体604Sへ動力が
伝達されて第1可動体604Sが動作するが、第1の駆動方向に沿った駆動力が伝達され
るときと第2の駆動方向に沿った駆動力が伝達されるときとで、同一方向に沿って異なる
動作態様で第1可動体604Sが動作することで、該第1可動体604Sの動作に変化が
付与される。このとき、動作の方向が同一であって動作態様が異なるようにして変化が付
与されるので、多少の変化をつけながら同様の動作が反復されるようになり、これにより
、第1可動体604Sの動作に注目を集めることができる効果的な演出が行われるように
なる。
また、前記実施形態の構成を利用すれば、右側モータ603Rの正逆回転を利用した第
1の駆動方向と第2の駆動方向との動作量や動作速度等を異なるものとしなくても自動的
に第1可動体604Sの動作態様が異なるものとなる構成となっており、したがって機構
を複雑化させたり大掛かりとしたりすることなく前述の効果的な演出を実現できるものと
なっている。つまり、上記駆動源である右側モータ603Rが正逆回転可能なモータであ
って、上記右側モータ603Rにより回転駆動されて所定の円周上を正逆方向すなわち反
時計回り方向X11および時計回り方向Y11に周回し得るカムピン6071Sを有し、
動力伝達対象である第1伝達部材605Sが、前記カムピン6071Sの初期位置で該カ
ムピン6071Sが周回する円周に接する接線の方向に延びるカム溝6052Sを有して
該カム溝6052Sで前記カムピン6071Sに嵌合し、該カムピン6071Sの初期位
置と該カムピン6071Sが周回する円周の中心すなわち第1ギア607Sの中心とを通
る直線上にない位置である当該第1伝達部材605Sの下端部で回動可能に軸支されてい
るので、カムピン6071Sが初期位置から移動すると、これにともなってカム機構によ
り動力伝達対象である第1伝達部材605Sが移動するが、このときカム溝6052Sは
、カムピン6071Sの初期位置で該カムピン6071Sの周回軌道である円周に接する
接線の方向に延びるものとなっているので、カムピン6071Sが正逆いずれの方向に移
動しても、第1伝達部材605Sはカムピン6071Sの初期位置からカムピン6071
Sの周回軌道である円周の中心すなわち第1ギア607Sの中心の側へ引き寄せられ、し
たがって同一方向(左傾する方向)に回動するようになっている。
さらにこのとき、カムピン6071Sの周回軌道である円周の中心すなわち第1ギア60
7Sの中心と、カムピン6071Sの初期位置と、第1伝達部材605Sの回動中心であ
る第1回動軸606Sとは同一直線上にないから、例えばカムピン6071Sが初期位置
から正逆いずれの方向にも同量(同角度)移動する、即ち対称に移動しても、このカムピ
ン6071Sの両方向への移動にそれぞれ連動する第1伝達部材605Sの回動は同量(
同角度)とはならず多少ともずれる、即ち非対称となるようになっている。したがって、
動力伝達対象である第1伝達部材605Sが同一方向に沿って異なる動作態様で動作する
機構が簡潔な構成により得られている。
(2)前記実施形態においては、接触子であるカムピン6071Mが第2伝達部材605
Mに抵触しない非抵触部として逃げ溝6053Mを設けることにより伝動制限機構が構成
されていたが、これにかえて、例えば図17に示すように、第2伝達部材621Mにおけ
るカム溝6212Mの上端側を開放するように形成してこの開放部6213Mを非抵触部
としてもよい。
この構成においては、カムピン6071Mが第2方向すなわち初期位置から反時計回り方
向Y13へ移動(および初期位置へ復帰)するときには、前記実施形態の場合と同様に、
該カムピン6071Mがカム溝6212Mに嵌合した状態で反時計回り方向に周回して第
2伝達部材621Mへ動力が伝達され、これにより該第2伝達部材621Mが右傾する方
向(即ち時計回り方向)に回動するが、一方、カムピン6071Mが第1方向すなわち初
期位置から時計回り方向X13へ移動(および初期位置へ復帰)するときには、該カムピ
ン6071Mが開放部6213Mから外部へ出て第2伝達部材621Mから離脱し、この
後は何物にも包囲されることなく時計回り方向に周回して第2伝達部材621Mへの動力
伝達がなされず、したがって前記実施形態の場合と同様に第2可動体604Mが初期位置
のまま保持される。
ただし、この構成の場合、前述の通り、カムピン6071Mが第1方向に移動して第2
伝達部材621Mから離脱すると、動力伝達対象である該第2伝達部材621Mの動きも
規制されなくなるため、例えば該第2伝達部材621Mが本来動くべきでないときに何ら
かの外力を受けて誤って動いたりすると、これによって異なる演出パターンがなされたよ
うに遊技者が誤解しやすいという問題がある。このため、カムピン6071Mが第1方向
に移動している間に第2伝達部材621Mが動かないように保持しておく手段を別に設け
る必要がある。また、カムピン6071Mが第1方向すなわち初期位置から時計回り方向
X13へ移動して初期位置へ復帰する際に、第2伝達部材621Mが一定以上にずれてい
るとカムピン6071Mがカム溝6212Mにちゃんと戻らず逸脱してしまうことともな
り、このため本実施形態では、第2伝達部材621Mが多少ずれてもカム溝6212Mに
ちゃんと戻り得るように、開放部6213Mが両側へ逆「ハ」字形状に次第に拡開してい
く形状に形成され、これにより、第2伝達部材621Mが多少ずれてもカムピン6071
Mがカム溝6212M内に案内されて戻ることができるようになっている。しかしながら
、この場合にも、例えば第2伝達部材621Mが多少ずれて、復帰してきたカムピン60
71Mが開放部6213Mの拡開部に当接したりすると、これによって第2伝達部材62
1Mがさらにずれるという問題もある。したがって、こうした観点からは、前記実施形態
におけるように非抵触部として逃げ溝を設けるほうが望ましい。
(3)前記実施形態においては、第1可動体604S、第2可動体604Mおよび第3可
動体604Lがいずれも、カメが体を起こしたり伏せたりするのを模した回動(揺動)動
作をするものとなっていたが、例えば図18に示すように、可動体が直線運動(往復動作
)をするものとしてもよい。
同図に示す例においては、カメが頭を手前側に向けているのを模して成形された比較的小
型の第1可動体622Sと、同様の形状(相似形)に成形された比較的大型の第2可動体
622Mとが間隔をおいて上下に配置され、該第1可動体622Sおよび第2可動体62
2Mが、これらの間に配置された駆動機構623により駆動される構成となっている。駆
動機構623は、正逆回転可能なモータ624と、該モータ624の回転軸に固定された
ピニオン625と、該ピニオン625の上下にそれぞれ連動するように配置された第1ラ
ック626Sおよび第2ラック626Mと、第2ラック626Mに連動するスライド片6
27とを有して構成されている。駆動機構623は、鎖線の仮想線で示すように、全面に
装飾(図示せず)が施された隠蔽板部材628により、前方からは視認し難くなるように
前側からほぼ覆われており、また、第1ラック626S、第2ラック626Mおよびスラ
イド片627はそれぞれ左右方向に架設されたレール(図示せず)により左右にスライド
自在に支持されている。第1ラック626Sは、横長に延びる角柱(直方体)状であって
下面に歯が形成された構成となっている。第2ラック626Mは、該第1ラック626S
と対称な外形から、正面視左下部を矩形状に切欠いた構成となっていて、スライド片62
7は該切欠部に対応する角柱(直方体)状に形成されて該切欠部内に納まるように配置さ
れている。第1ラック626Sおよびスライド片627には第1可動体622Sおよび第
2可動体622Mがそれぞれ固定されている。
初期位置においては、図18に示すように、第2ラック626Mの切欠部内にスライド
片627が納まった状態で、第1可動体622S、第2可動体622M、第1ラック62
6S、第2ラック626Mおよびスライド片627が中央部に寄り合うようにして上下に
並ぶ体勢となっている。このとき、スライド片627は右方への移動の限界位置にあり、
この初期位置より右方へは移動し得ないようになっている。
初期位置から、図18の矢印X21に示すように、モータ624でピニオン625を反
時計回り方向に回転させると、矢印X22に示すように第1ラック626Sが左方へスラ
イド移動し、これにともない第1可動体622Sが左方へスライド移動する。一方、矢印
X23に示すように第2ラック626Mが右方へスライド移動するが、スライド片627
は移動せず第2可動体622Mは初期位置に留まる。
初期位置から、図18の矢印Y21に示すように、ピニオン625を時計回り方向に回
転させると、矢印Y22に示すように第1ラック626Sが右方へスライド移動し、これ
にともない第1可動体622Sが右方へスライド移動する。一方、矢印Y23に示すよう
に第2ラック626Mがスライド片627とともに左方へスライド移動し、これにともな
い第2可動体622Mが矢印Y24に示すように左方へスライド移動する。
この構成においては、上述の通り、ピニオン625を初期位置から図18の矢印X21
に示すように反時計回り方向に回転させた場合には、第2ラック626Mのみが右方へス
ライド移動してスライド片627への動力伝達がなされず、これによりスライド片627
および第2可動体622Mが動作の停止、即ち通常動作よりも制限された制限動作を行い
、ピニオン625を初期位置から図18の矢印Y21に示すように時計回り方向に回転さ
せた場合には、第2ラック626Mからスライド片627に動力が伝達されて該スライド
片627および第2可動体622Mが左方へスライド動作すなわち通常動作を行うように
なっている。このように、第2ラック626Mの左下の切欠部内に、スライド片627が
初期位置から左方へのみ移動し得るように配置された構成とすることにより、モータ62
4の駆動範囲内の一部、即ちピニオン625を初期位置から反時計回り方向X21に回転
させる駆動範囲において第2可動体622Mへの動力伝達を断絶すなわち制限する伝動制
限機構が構成されている。
即ち、本変更態様は、外部から視認し得る位置に演出用の可動装置が設けられた構成に
おいて、上記可動装置は、動作し得るよう可動に構成された第2可動体622Mと、上記
第2可動体622Mを動作させるための動力を発生する駆動源としてモータ624とを備
え、上記モータ624の駆動範囲内の一部、即ちピニオン625を初期位置から反時計回
り方向X21に回転させる駆動範囲において上記第2可動体622Mへの動力伝達を制限
(断絶)する伝動制限機構が設けられた構成となっている。
上記構成によれば、モータ624から第2可動体622Mへ動力が伝達されて第2可動
体622Mが動作するが、モータ624の駆動範囲内の一部、即ちピニオン625を初期
位置から反時計回り方向X21に回転させる駆動範囲においては伝動制限機構により動力
伝達が制限(断絶)され、これにともない第2可動体622Mの動作が制限(断絶)され
る。したがって、伝動制限機構を設けるだけの簡単な構成により、モータ624の駆動範
囲において、第2可動体622Mに通常のスライド動作(通常動作)と、この通常動作よ
りも制限された、動作の停止すなわち制限動作との両方が行われるようになっており、こ
れにより第2可動体622Mの動作に効率的に変化が付与されている。
(4)前記変更態様(1)においては、動力伝達対象である第1伝達部材605Sが、カ
ムピン6071Sの初期位置で該カムピン6071Sが周回する円周に接する接線の方向
に延びるカム溝6052Sを有して該カム溝6052Sでカムピン6071Sに嵌合し、
該カムピン6071Sの初期位置と該カムピン6071Sが周回する円周の中心すなわち
第1ギア607Sの中心とを通る直線上にない位置である当該第1伝達部材605Sの下
端部で第1回動軸606Sに回動可能に軸支され、これにより、第1の駆動方向すなわち
第1ギア607Sの初期位置から反時計回り方向X11への移動(および初期位置への復
帰)の方向と、第2の駆動方向すなわち第1ギア607Sの初期位置から時計回り方向Y
11への移動(および初期位置への復帰)の方向とのそれぞれに対し、第1可動体604
Sが同一方向すなわち反時計回り方向に沿って異なる動作態様(回動量すなわち回動角度
)で動作し得るように構成されていたが、このような駆動機構にかえて、例えば図19に
示すような駆動機構630としてもよい。
同図に示す駆動機構630は、正逆回転可能なモータ631と、該モータ631の回転
軸に固定されたピニオン632と、該ピニオン632の上に連動して左右に往復動し得る
ように配置されたラック633と、該ラック633に連動するカム従動子634とを有し
て構成されている。ラック633の上面には、中央から左上方へ所定角度で傾斜する左側
カム面633Lと、中央から右上方へ左側カム面633Lの傾斜角度よりも小さい角度で
傾斜する右側カム面633Rとが形成されている。カム従動子634は、直線状に延びる
棒状の部材であり、ラック633の中央の上方に垂直な体勢で上下動自在に支持され、上
端にはカメを模した可動体635が固定され、下端は丸くかつ平滑に成形されていてラッ
ク633の上面に摺動自在に当接している。
初期位置においては、図19に示すように、ラック633の中央がカム従動子634の
位置にあり、したがってカム従動子634が左側カム面633Lと右側カム面633Rと
の境界すなわち谷の部分にあって該カム従動子634および可動体635が最も低い位置
にある。
初期位置から、図19の矢印X31に示すように、モータ631でピニオン632を反
時計回り方向に回転させると、矢印X32に示すようにラック633が左方へスライド移
動し、これにともない矢印X33に示すようにカム従動子634が右側カム面633Rに
より上方へ押し上げられる。
初期位置から、図19の矢印Y31に示すように、ピニオン632を時計回り方向に回
転させると、矢印Y32に示すようにラック633が右方へスライド移動し、これにとも
ない矢印Y33に示すようにカム従動子634が左側カム面633Lにより上方へ押し上
げられる。
この構成においては、ピニオン632を反時計回り方向に回転させる方向X31および
時計回り方向に回転させる方向Y31をそれぞれ第1の駆動方向および第2の駆動方向と
すると、第1の駆動方向X31における駆動量と第2の駆動方向Y31における駆動量と
を同量としてラック633を左方X32と右方Y32とに同量(同距離)だけ移動すなわ
ち対称に移動させた場合、右側カム面633Rの傾斜角度を左側カム面633Lの傾斜角
度よりも小としているので、矢印X33、Y33の大きさで模式的に示すように、第1の
駆動方向X31の場合のほうが第2の駆動方向Y31の場合よりも、カム従動子634の
移動量は小(非対称)となっている。
即ち、本変更態様は、外部から視認し得る位置に演出用の可動装置が設けられた構成に
おいて、上記可動装置は、動作し得るよう可動に構成された可動体635と、上記可動体
635を動作させるための動力を発生する駆動源としてモータ631とを備え、上記モー
タ631から、第1の駆動方向すなわちピニオン632の初期位置から反時計回り方向X
31への移動(および初期位置への復帰)の方向と、該第1の駆動方向とは異なる第2の
駆動方向すなわちピニオン632の初期位置から時計回り方向Y31への移動(および初
期位置への復帰)の方向との2通りの駆動方向に沿った駆動力が上記可動体635へ伝達
されることができ、上記第1の駆動方向X31と第2の駆動方向Y31とのそれぞれに対
し、上記可動体635が、図19の矢印X33およびY33に示すように同一方向すなわ
ち上方に異なる動作態様(移動量すなわち移動距離)で動作し得るように構成されている
ので、モータ631から可動体635へ動力が伝達されて可動体635が動作するが、第
1の駆動方向X31に沿った駆動力が伝達されるときと第2の駆動方向Y31に沿った駆
動力が伝達されるときとで、同一方向に沿って異なる動作態様で可動体635が動作する
ことで、該可動体635の動作に変化が付与されている。このとき、モータ631の正逆
回転のそれぞれが一定の動作量及び一定の駆動速度であっても、可動体635の動作の方
向が同一であって動作態様が異なるようにして変化が付与されるので、モータ631の正
逆回転を単に対称的な駆動としても、可動体635は多少の変化をつけながら同様の動作
が反復されるようになっており、これにより、可動体635の動作に注目を集めることが
できる効果的な演出が行われるようになっている。また、第1の駆動方向X31と第2の
駆動方向Y31とが、モータ631の正逆回転を利用して容易に得ることができるととも
に、動作態様は右側カム面633Rの傾斜角度と左側カム面633Lの傾斜角度とを異な
るようにすることにより容易に変化させることができる構成となっており、したがって機
構を複雑化させたり大掛かりとしたりすることなく構成されている。
(5)前記実施形態においては、駆動源として右側モータ603Rおよび左側モータ60
3Lが用いられていたが、モータ以外にもソレノイド等を用いてもよく、特に、上述(3
)(4)の変更態様のようにラックないし可動体を直線運動(往復動作)させる構成の場
合には、プランジャが直線運動(往復動作)するソレノイド等を好適に使用することがで
きる。
(6)前記実施形態においては、駆動源である右側モータ603Rおよび左側モータ60
3Lと可動体604とに連動するように配置されて上記右側モータ603Rおよび左側モ
ータ603Lから動力を可動体604に伝達する第1伝達部材605S、第2伝達部材6
05Mおよび第3伝達部材605Lとを備える構成となっていたが、例えば図20および
図21に示すように、伝達部材636の少なくとも一部を単独で着脱自在に構成するよう
にしてもよい。
同図に示す第2伝達部材636Mは、単独で着脱自在に構成されている以外は前記実施
形態の第2伝達部材605Mと同様の構成を有するものとなっている。該第2伝達部材6
36Mの下端部には、前後に貫通する軸挿通孔が形成され、該軸挿通孔の下端部が外部と
連通するように開裂し、該開裂部の両内側面が対向する方向に(内方へ)山状に突出した
係合爪形状となるように成形され、これにより軸受部6367Mが形成されている。一方
、第2可動体637Mの基体6371Mは、ピン挿通孔の上端部が外部と連通するように
開裂し、該開裂部の両内側面が対向する方向に(内方へ)山状に突出した係合爪形状とな
るように成形され、これによりピン受部6372Mが形成されている以外は、前記実施形
態における第2可動体604Mの基体6041Mと同様の構成を有するものとなっている
。該基体6371Mは、前記実施形態における第2可動体604Mの基体6041Mの場
合と同様に、軸挿通孔6373Mで第2回動軸638Mに回動自在に軸支されるようにな
っている。第2伝達部材636Mは、軸受部6367Mを上方から第2回動軸638Mに
弾性的に係合させ嵌着するとともに、連結ピン6361Mを上方から基体6371Mのピ
ン受部6372Mに弾性的に係合させ嵌着するようにして取り付けられ、これにより、基
体6371Mとともに第2回動軸638Mに回動自在に支持される。第2伝達部材636
Mには、図21に示すように、前記実施形態における第2伝達部材605Mのカム溝60
52Mおよび逃げ溝6053Mと基本的に同様のカム溝6362Mおよび逃げ溝6363
Mが形成されている。第2伝達部材636Mは、軸受部6367Mを第2回動軸638M
に弾性的に係合させて容易かつ確実に固定し得るとともに容易に取り外し得、また、特に
カムピン6071Mをカム溝6362Mないし逃げ溝6363Mに出入させやすいように
全体的に容易に多少変形させる(撓ませる)ことが可能な程度の適度な弾性を有する樹脂
で成形されている。
本変更態様に係る第2伝達部材636Mは、前記実施形態における第2伝達部材605
Mの場合と同様にして、駆動機構において第2ギア607Mと第2可動体637Mとに連
動し得るように連結され、前者から後者へ動力を伝達し得るように設置される。一方、図
22に示すように、本変更態様に係る外装部材639は、上面壁を別体に構成して一端部
(右端部)で前後方向に延びる軸を中心に回動可能に軸支して開閉蓋639Tとした以外
は前記実施形態における外装部材601と同様の構成となっている。また、本変更態様に
おいては、一部形状を変更したカム溝6402Mとした以外は上記第2伝達部材(以下、
「正規第2伝達部材」とも称す)636Mと同様の構成を有する変則第2伝達部材640
Mが用意されるようになっている。図22に示すように、前記正規第2伝達部材636M
のカム溝6362Mが直線状であるのに対し、変則第2伝達部材640Mのカム溝640
2Mは、上端部(逃げ溝6403Mとの境界部)から右下方へ延びて逸脱部6404Mを
なし、該逸脱部6404Mの下端から左下方へ延びて復帰部6405Mをなして、該復帰
部6405Mの下端から下方へ延びる形状となっており、全体として、上下に直線状に延
びる形状における上部が右方へ概略「く」の字と左右対称をなすように屈曲する変則的な
形状となるように成形されている。
本変更態様においては、例えば、遊技機の製造段階では正規第2伝達部材636Mを組
み付けておき、ホールに設置して稼動を開始してから任意の時点で、正規第2伝達部材6
36Mを変則第2伝達部材640Mに付け替えるという使用態様が可能である。このとき
、図22に示すように、開閉蓋639Tを開放し、正規第2伝達部材636Mを取り外し
て変則第2伝達部材640Mを取り付ければよいが、工具を用いることもなく、また正規
第2伝達部材636M以外の部材を取り外したり、開閉蓋639Tを開放する以外には部
材を移動させたりすることもなく、容易かつ簡便に正規第2伝達部材636Mを変則第2
伝達部材640Mに付け替えることができる。
変則第2伝達部材640Mによれば、図22の矢印Y43に示すように、第2ギア60
7Mのカムピン6071Mを反時計回り方向に周回させると、該カムピン6071Mがカ
ム溝6402Mの逸脱部6404Mを移動することにより変則第2伝達部材640Mが左
傾する方向(反時計回り方向)にわずかに回動し、続いて該カムピン6071Mが復帰部
6405Mに到達すると、これ以降は変則第2伝達部材640Mが反転して初期位置に復
帰する方向(時計回り方向)に回動する。この変則第2伝達部材640Mの動作にともな
い、第2可動体637Mが図22の矢印Y44に示すように頭を下げる方向(即ち反時計
回り方向)にわずかに回動した後、図22の矢印Y45に示すように頭を上げる方向(即
ち時計回り方向)に回動するように動作する。即ち、直線状のカム溝6362Mを有する
正規第2伝達部材636Mによれば、前記実施形態の場合と同様に、カムピン6071M
が初期位置から反時計回り方向Y43へ周回するのにともなって該正規第2伝達部材63
6Mが専ら右傾する方向(即ち時計回り方向)に回動するのみであるのに対し、変則第2
伝達部材640Mによれば、同じ動作範囲において、該変則第2伝達部材640Mがいっ
たん左傾する方向(反時計回り方向)にわずかに回動してから反転して初期位置に復帰す
る方向(時計回り方向)に回動していくというように、動作初期に反対方向の回動動作が
付加されるという変則動作がなされるようになっている。
このように、本変更態様によれば、正規第2伝達部材636Mを変則第2伝達部材64
0Mに付け替えるだけで、容易に動作に変更を加えることができ、付け替え作業もいたっ
て容易となっている。
なお言うまでもなく、正規第2伝達部材636Mと変則第2伝達部材640Mとは何時
でも何度でも付け替えることができ、さらに、初めに変則第2伝達部材640Mを取り付
けておいて後から正規第2伝達部材636Mに付け替えるようにするという使用態様も可
能である。また、変則第2伝達部材640Mにかえて、カム溝の形状を例えばS字状に蛇
行する形状とするといったように任意の形状とすることができ(図示省略)、さらには、
カム溝の形状が異なる3以上の第2伝達部材を用意するようにしてもよい。また、本変更
態様のように正規第2伝達部材636Mを容易に着脱可能とする構成ならびに変則第2伝
達部材640Mと容易に交換可能とする構成は、第2伝達部材だけでなく第1伝達部材な
いし第3伝達部材に適用してもよい。
また、第2伝達部材636Mの全体を単独で着脱自在に構成する以外にも、例えばカム
溝の形成部位を含む上部のみを単独で着脱自在に構成するようにしてもよい(図示省略)
また、本変更態様の開閉蓋639Tのように外装部材639の一部を開閉可能に構成す
る以外にも、例えば外装部材の一部(上面壁、背面壁等)に、伝達部材の交換を可能とす
る開口を設けるようにしてもよい。
本変更態様は、外部から視認し得る位置に演出用の可動装置が設けられた構成において
、上記可動装置は、動作し得るよう可動に構成された第2可動体637Mと、上記第2可
動体637Mを動作させるための動力を発生する駆動源である右側モータ603Rと、上
記右側モータ603Rと上記第2可動体637Mとに連動するように配置されて上記右側
モータ603Rから動力を上記第2可動体637Mに伝達する第2伝達部材636Mとを
備え、上記第2伝達部材636Mの全体が単独で着脱自在に構成されたものとなっている
上記本変更態様の構成によれば、第2伝達部材636Mを着脱して別の構成を有する変
則第2伝達部材640Mに容易に変更することができ、これにより第2可動体637Mへ
の動力伝達の様態を変更して異なる動作を表現するようにすることができる。したがって
、第2伝達部材636M以外の構成をそのまま利用して、即ち、変更箇所を必要最小限と
して、第2可動体637Mの動作態様を容易に更新することができる。
また、上記第2伝達部材636Mの軸受部6367Mおよび連結ピン6361Mが、弾
性的に係合することにより着脱自在に構成されているので、該第2伝達部材636Mをワ
ンタッチ式に容易に着脱することができ、また、係合爪が突起構造物に弾性的に係合する
係合構造を用いた簡潔な構造により構成されている。
また、上記第2伝達部材636Mの下端部が、第2回動軸638Mと軸受部6367M
とにより回動可能に軸支され、該第2回動軸638Mと軸受部6367Mとが弾性的に係
合することにより着脱自在に構成されているので、第2回動軸638Mと軸受部6367
Mとの軸支構造を利用して容易に着脱自在な取付構造が構成されている。即ち、軸受部6
367Mに係合爪を設けて該係合爪が第2回動軸638Mに弾性的に係合する係合構造を
用いた簡潔な構造により、容易に着脱自在な取付構造が構成されている。
(7)前記実施形態においては、第2ギア607Mのカムピン6071Mが第2伝達部材
605Mの逃げ溝6053M内を移動する構成とすることにより、右側モータ603Rの
駆動範囲内の一部、即ち第1ギア607Sを初期位置から反時計回り方向X11に回転さ
せる駆動範囲において第2可動体604Mへの動力伝達を断絶すなわち制限する伝動制限
機構が構成されていたが、伝動制限機構としては、駆動源の駆動範囲内の一部、例えばギ
アを初期位置から一方向に回転させる駆動範囲において該ギアの回転力を低減する適宜な
抵抗手段を設け、これにより可動体へ動力を減殺して伝達する構成としてもよい。あるい
はまた、例えばギアを初期位置から一方向に回転させる駆動範囲において該ギアの回転を
部分的に停止させる適宜な停止手段を設け、これにより可動体へ動力を部分的に限定して
伝達する構成としてもよい。
(8)また、前記実施形態においては、パチンコ機10が例示されていたが、遊技機とし
ては、パチンコ機以外にも、スロット機、パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機も
例示される。
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した
後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)
の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタ
ン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が
停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技
者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報か
らなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動
用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止
用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過するこ
とにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報で
あることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生
手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に
際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出される
ように構成されている遊技機」となる。
なお本明細書は、以下に掲げる手段A1および手段A2、手段B1から手段B8、手段
C1および手段C2ならびに手段D1から手段D3の発明についていずれも開示している
[手段A1および手段A2に係る発明]
本発明にかかる遊技機は、手段A1として、
遊技球が流下可能な遊技領域と、該遊技領域に設けられ遊技球が入球可能な入球口と、
該入球口に入球した遊技球を検出する入球検出手段と、該入球検出手段による遊技球の検
出に基づいて当否抽選を行う抽選手段と、該抽選手段による当否抽選の結果に基づいて演
出パターンを複数種類のうちから選択する選択手段と、該選択手段によって選択された演
出パターンに基づいて所定の演出を制御する演出制御手段とを備え、
前記抽選手段による当否抽選の結果が特定結果となった場合に遊技者に有利な特定遊技
状態を生じさせる遊技機において、
遊技者が操作可能な操作手段と、
該操作手段についての有効期間を、前記選択手段により選択される演出パターンに基づ
いて設定する設定手段と、
該設定手段により設定された前期有効期間に前記操作手段が操作されたことを検出する
操作検出手段と、
所定の動作が可能に設けられる可動手段と、
該可動手段を動作させる駆動手段と、
前記可動手段を待機位置から変位させ再び待機位置に戻す一連の動作を繰り返し行うよ
うに前記駆動手段を駆動制御する手段であって、前記駆動手段の所定の駆動制御について
、開始、または終了段階への移行のうち少なくとも何れかを、前記操作検出手段によって
前記操作が検出されたタイミングに応じて行うと共に、前記終了段階に移行した後、前記
可動手段が前記待機位置にあるタイミングで前記駆動手段の前記駆動制御を終了させる駆
動制御手段とを備え、
該駆動制御手段は、
前記駆動制御が終了段階に移行する所定のタイミングにおいて、前記待機位置へ向けて
前記可動手段を動作させている前記駆動手段が、その初期位置に復帰するまでの動作量が
所定量となる第1駆動位置にある場合に、前記駆動手段の駆動速度を減速させてx回目に
前記初期位置に復帰した時点で前記駆動手段の前記駆動制御を終了させる第1手段と、
前記所定のタイミングにおいて、前記待機位置へ向けて前記可動手段を動作させている
前記駆動手段が、前記初期位置に復帰するまでの動作量が前記第1駆動位置よりも少ない
第2駆動位置にある場合に、前記駆動手段の駆動速度を加速させてx+1回目に前記初期
位置に復帰した時点で前記駆動手段の前記駆動制御を終了させる第2手段とを備えている
ことを特徴とする。
上記手段A1の構成によれば、所定のタイミングにおいて、駆動手段が第1位置(初期
位置までの動作量が比較的に小さい位置)にある場合に駆動速度を減速させるため、駆動
制御の終了タイミングを、初期位置までの動作量が第1位置よりも大きい位置にある場合
の終了タイミングと近づけることができ、したがって駆動制御の終了タイミングについて
のズレ幅を小さくすることができる。
他方、所定のタイミングにおいて、駆動手段が第2位置(初期位置までの動作量が第1
位置より小さい位置)にある場合、第1位置にある場合よりも減速させるのではなく、逆
に加速させて一連の動作を1回分多く行うため、駆動速度を大幅に変更することなく、第
1位置から減速させる場合の終了タイミングと近づけることができ、したがって駆動制御
の終了タイミングについてのズレ幅を小さくすることができる。
また、駆動制御が開始された直後の駆動速度を共通化することができるため、駆動速度
が共通化されない場合のように、大当たりの期待度が異なっているのでは、といった不信
感を遊技者が抱くことを防止することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A2として、手段A1の遊技機において、
前記可動手段は、第1可動部と第2可動部とを備え、
前記駆動制御手段は、前記駆動手段を前記初期位置に対し一方へ駆動させることで前記
第1可動部を動作させる第1駆動制御と、前記駆動手段を前記初期位置に対し他方へ駆動
させることで前記第1可動部および第2可動部を動作させる第2駆動制御とを行う手段で
あって、
前記操作検出手段により第1の検出がされたタイミングに応じて前記第1駆動制御を開
始させ、該第1駆動制御がされる期間のうち第2の検出が前記操作検出手段によってされ
たタイミングを前記所定のタイミングとして、前記駆動手段が前記初期位置に復帰した時
点で前記第1駆動制御を終了させ、前記第2駆動制御を開始させることを特徴とする。
上記手段A2の構成によれば、第1可動部と第2可動部とを共通の駆動手段で駆動し、
操作手段の操作に応じて第1駆動制御から第2駆動制御に切り替える構成において、操作
手段の操作が検出されたタイミングから駆動制御が切り替えられるタイミングまでの期間
を一定に近くすることができ、これにより切り替えタイミングに対する遊技者の違和感を
防止することができる。
[手段B1から手段B8に係る発明が解決しようとする課題]
パチンコ機などの遊技機は、例えば、遊技領域を流下する遊技球が始動口に入球すると
内部抽選が行われ、この抽選の結果が当選であった場合に大当り遊技に移行するようにな
っており、このとき、大当たりとなる期待度が高まっていることを遊技者に示唆する、リ
ーチと称される期待演出がなされる構成となっているのが一般的である。このため、上記
可動装置も、遊技状態の移行にあわせて遊技者の期待度が高じるような効果的な演出がな
されるように構成されていることが望まれる。
しかしながら、可動装置においては、駆動源であるモータやソレノイドの回転や往復に
よる動力をそのまま可動体に伝達するだけでは動作が単調となりやすいが、可動体の動作
にさらに変化を付与しようとすると、それだけ伝動機構を複雑化することが必要となる。
手段B1から手段B8の発明は、かかる問題点に鑑みて案出されたものであり、機構を
複雑化することなく、可動装置における可動体の動作に効率的に変化を付与することが可
能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段(B1〜B8)]
本発明の手段B1にかかる遊技機は、上記目的を達成するために、
外部から視認し得る位置に演出用の可動装置が設けられた遊技機であって、
前記可動装置は、
動作し得るよう可動に構成された可動体と、
前記可動体を動作させるための動力を発生する駆動源とを備え、
前記駆動源の駆動範囲内の一部において前記可動体への動力伝達を制限する伝動制限機
構が設けられていることを特徴とする。
本発明において、「駆動源」とは、回転運動を発生するか直線運動(往復動)を発生す
るか、あるいは継続的に動作するか散発的に動作するかといった形式の相違を問わず任意
のものを含意し、例えばモータ、ソレノイド等をいずれも含意する。
また、「可動体への動力伝達を制限する」とは、例えば、可動体へ動力を多少とも減殺
して伝達すること、可動体へ動力を部分的に限定して伝達すること、可動体への動力伝達
を断絶すること、等をいずれも含意する。
上記手段B1の構成によれば、駆動源から可動体へ動力が伝達されて可動体が動作する
が、駆動源の駆動範囲内の一部においては伝動制限機構により動力伝達が制限され、これ
にともない可動体の動作が制限される。したがって、伝動制限機構を設けるだけの簡単な
構成により、駆動源の駆動範囲において、可動体に通常の動作(通常動作)と、この通常
動作よりも制限された動作(制限動作)との両方を行わせることができ、これにより可動
体の動作に効率的に変化を付与することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B2として、手段B1の遊技機において、
始動口への入球を契機として内部抽選が行われ、この抽選の結果に応じて複数の異なる
演出パターンを含んで構成される演出がなされ、
前記複数の演出パターンのうちの特定の演出パターンがなされるときに選択的に前記伝
動制限機構が前記可動体への動力伝達を制限するように構成されていることを特徴とする
上記手段B2の構成によれば、可動体の通常動作と制限動作とが、抽選の結果に基づく
演出パターンの相違に応じて行われることになり、したがって演出が視覚的にさらにわか
りやすくなり、演出効果もより良好となる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B3として、手段B1または手段B2の遊技機に
おいて、
前記可動体が、少なくとも第1可動体と第2可動体とを含む複数の可動体より構成され

前記第1可動体および第2可動体の両者が同一の前記駆動源からの動力により駆動され

前記駆動源の駆動範囲内の一部において、前記第1可動体および第2可動体のうちの一
方のみへの動力伝達が前記伝動制限機構により制限されることを特徴とする。
上記手段B3の構成によれば、通常動作時には第1可動体および第2可動体の両者が駆
動され、駆動源の駆動範囲内の一部においては第1可動体および第2可動体のうちの一方
の動作が制限されることとなる。即ち、第1可動体および第2可動体の両者が通常動作を
するパターンと、一方が通常動作を、他方が制限動作をそれぞれするパターンと、の2通
りの動作パターンで動作が行われることとなる。したがって、可動体の動作にいっそう効
果的に変化が付与され、特に上記手段B2の構成を備える場合に、抽選の結果に基づく演
出パターンの相違がより効果的に表現される。また、第1可動体および第2可動体の一方
に通常動作を、他方に制限動作をそれぞれ行わせるのに、同一の駆動源からの動力を用い
るようにしているので、それぞれ別の駆動源を用いる場合に比して構成を簡略化すること
ができる。あるいは換言すれば、それぞれ別の駆動源を用いる場合には第1可動体および
第2可動体のそれぞれに個別の動作を行わせるのもごく容易であるのに対し、同一の駆動
源の駆動範囲内の一部において、第1可動体および第2可動体の一方のみに選択的に制限
動作を行わせる場合には、伝動制限機構を設けるようにした本発明(手段B1)の構成が
特に有用となっている。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B4として、手段B1から手段B3のいずれかの
遊技機において、
前記伝動制限機構が、動力伝達対象への動力伝達を断絶するようになっていることを特
徴とする。
本発明において、「動力伝達対象」とは、駆動源から可動体へ直接的に動力が伝達され
る場合には当該可動体を、駆動源から別の部材を介して可動体へ動力が伝達される場合に
は当該別の部材および可動体の両者を、それぞれ意味し、後者の場合、「動力伝達対象へ
の動力伝達を断絶する」とは、当該別の部材および可動体のうちの少なくとも一方への動
力伝達を断絶することを意味する。
上記手段B4の構成によれば、駆動源の駆動範囲内の一部において動力伝達対象の動作
を停止することができ、この場合、動作の停止状態が制限動作に相当する。したがって、
通常動作と制限動作とが、通常動作とその停止となって対比がより明確となる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B5として、手段B4の遊技機において、
前記駆動源からの動力が、該動力により移動する接触子が動力伝達対象の一部に当接す
ることによって伝達され、
前記伝動制限機構が、前記接触子が前記動力伝達対象に抵触しない非抵触部を設けるこ
とにより構成されていることを特徴とする。
上記手段B5の構成によれば、非抵触部を設けることにより、簡単な構成によって動力
伝達対象への動力伝達を断絶することが可能な伝動制限機構を得ることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B6として、手段B5の遊技機において、
前記接触子が第1方向と、該第1方向とは異なる第2方向とに移動することができ、
前記動力伝達対象が、前記第1方向および第2方向の一方の方向において前記接触子が
内部を移動する、該接触子の幅より僅かに大きい幅で該接触子の移動方向に沿って延びる
逃げ溝と、他方の方向において前記接触子が当接する当接部と、が形成されていることを
特徴とする。
上記手段B6の構成によれば、逃げ溝の内部を接触子が移動する間は動力伝達がなされ
ず、したがって、逃げ溝を設けるという簡単な構成により非抵触部を構成することができ
る。さらにまた、逃げ溝の内部を接触子が移動する間は、逃げ溝の幅方向の動きが接触子
により規制されるので、逃げ溝が形成された動力伝達対象が余分な動きをしないように規
制されることとなる。このとき、例えば、第1方向および第2方向の一方の側で動力伝達
対象を開放し、この一方側では接触子が何ものにも規制されないようにしても非抵触部を
構成することができるが、この構成の場合、動力伝達対象の動きも規制されないため、例
えば何らかの外力を受けて動力伝達対象が動くこともあり得る。このように動力伝達対象
が本来動くべきでないときに誤って動いたりすると、これによって異なる演出パターンが
なされたように遊技者が誤解することともなる。そこで、上記手段B6のように、非抵触
部において動力伝達対象の動きが規制されるようになっていれば、動力伝達対象の余分な
動きによって遊技者に誤解が生じるといった事態を回避することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B7として、手段B4から手段B6のいずれかの
遊技機において、
前記動力伝達対象が、回動可能に軸支されるとともにカム溝が形成されたリンクアーム
を含み、
前記駆動源が正逆回転可能なモータであって、該モータの回転軸に、前記リンクアーム
のカム溝に嵌合するカムピンが偏心位置に配設されたギアが、直接的に固定または連動す
るように連結され、
前記ギアのカムピンが、前記リンクアームのカム溝における一方端に嵌合し、該カムピ
ンがカム溝の他方端側へ移動するように前記ギアが回転することで該ギアからリンクアー
ムへ動力が伝達され、
前記リンクアームのカム溝における一方端からは、前記ギアのカムピンの移動軌跡に沿
って円弧状にのびる逃げ溝が、前記カム溝に連通するように形成されていることを特徴と
する。
上記手段B7の構成によれば、リンクアームのカム溝における一方端にギアのカムピン
が嵌合した初期位置から、該カムピンがカム溝の他方端側へ移動するようにギアが回転す
ると、該ギアからリンクアームへ動力が伝達されて該リンクアームが回動し、一方、カム
ピンが初期位置から上記とは反対側へ移動するようにギアが回転すると、該カムピンが逃
げ溝に沿って移動してリンクアームへの動力伝達はなされない。即ち、カムピンが初期位
置からカム溝内を移動するようにギアが回転すると、駆動源であるモータから動力が伝達
されてリンクアームが通常動作として回動し、一方、カムピンが初期位置から逃げ溝内を
移動するようにギアが回転すると、リンクアームへの動力伝達が断絶して該リンクアーム
が停止状態となる。このように、カムピンが初期位置からカム溝内と逃げ溝内とを選択的
に移動し得る構成とすることで、駆動源の駆動範囲内の一部において動力伝達対象である
リンクアームへの動力伝達を効果的に制限し得る伝動制限機構が構成される。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B8として、手段B7の遊技機において、
前記可動体とは別の可動体を有し、
前記モータの動力が、該モータの全駆動範囲内において、前記ギア、前記ギアとは別の
ギアまたはこれら両者を介して、前記別の可動体へ伝達されることを特徴とする。
上記手段B8の構成によれば、モータの全駆動範囲内において別の可動体が動作を行う
ので、前記可動体および別の可動体の両者が通常動作をするパターンと、一方が通常動作
を、他方が制限動作をそれぞれするパターンと、の2通りの動作パターンで動作が行われ
ることとなる。したがって、可動体の動作にいっそう効果的に変化が付与される。また、
両可動体のうちの一方に通常動作を、他方に制限動作をそれぞれ行わせるのに、同一のモ
ータからの動力を用いるようにしているので、それぞれ別の駆動源を用いる場合に比して
構成を簡略化することができる。換言すれば、同一のモータの駆動範囲内の一部において
、両可動体のうちの一方のみに選択的に制限動作を行わせるようになっているので、伝動
制限機構を設けるようにした本発明(手段B1)の構成が特に有用となっている。さらに
また、同一のモータからの動力を、1つまたは2つのギアを介して両可動体へ伝達するよ
うになっているので、簡略な構成により伝達機構が構成され、特に共通の1つのギアのみ
を用いる場合には部品点数もより少なくて済む。
[手段C1および手段C2に係る発明が解決しようとする課題]
パチンコ機などの遊技機は、例えば、遊技領域を流下する遊技球が始動口に入球すると
内部抽選が行われ、この抽選の結果が当選であった場合に大当り遊技に移行するようにな
っており、このとき、大当たりとなる期待度が高まっていることを遊技者に示唆する、リ
ーチと称される期待演出がなされる構成となっているのが一般的である。このため、上記
可動装置も、このような遊技状態の移行にしたがって興趣が徐々に高じていくような効果
的な演出がなされるように構成されていることが望まれる。
しかしながら、可動装置においては、駆動源であるモータやソレノイドの回転や往復に
よる動力をそのまま可動体に伝達するだけでは、例えば同一の動作を反復するだけといっ
たように動作が平板で単調となりやすく、上述のように興趣が徐々に高じていくよう、例
えば同様の動作を反復するにも多少の変化をつけるといったように効果的な演出を行おう
とすると、それだけ伝動機構を複雑化することが必要ともなる。
手段C1および手段C2に係る発明は、かかる問題点に鑑みて案出されたものであり、
機構を複雑化することなく、可動装置における可動体の動作に効果的に変化を付与するこ
とが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段(C1、C2)]
本発明の手段C1にかかる遊技機は、上記目的を達成するために、
外部から視認し得る位置に演出用の可動装置が設けられた遊技機であって、
前記可動装置は、
動作し得るよう可動に構成された可動体と、
前記可動体を動作させるための動力を発生する駆動源とを備え、
前記駆動源から、第1の駆動方向と、該第1の駆動方向とは異なる第2の駆動方向との
2通りの駆動方向に沿った駆動力が前記可動体へ伝達されることができ、
前記第1の駆動方向と第2の駆動方向とのそれぞれに対し、前記可動体が、同一方向に
沿って異なる動作態様で動作し得るように構成されていることを特徴とする。
本発明において、「駆動源」とは、回転運動を発生するか直線運動(往復動)を発生す
るか、あるいは継続的に動作するか散発的に動作するかといった形式の相違を問わず任意
のものを含意し、例えばモータ、ソレノイド等をいずれも含意する。
また、「同一方向に沿って異なる動作態様で動作する」という場合の「方向」とは、例
えば、回転運動の場合であれば正逆いずれかの回転方向を、直線運動の場合であれば同一
直線上における一方および他方のいずれかの方向を、それぞれ意味し、また「動作態様」
とは、動作速度、動作量(回転角度、移動距離等)、断続動作の場合の動作間隔、等をい
ずれも含意する。
上記手段C1の構成によれば、駆動源から可動体へ動力が伝達されて可動体が動作する
が、第1の駆動方向に沿った駆動力が伝達されるときと第2の駆動方向に沿った駆動力が
伝達されるときとで、同一方向に沿って異なる動作態様で可動体が動作することで、該可
動体の動作に変化が付与される。このとき、動作の方向が同一であって動作態様が異なる
ようにして変化が付与されるので、多少の変化をつけながら同様の動作が反復されること
となり、これにより、興趣が徐々に高じていくような効果的な演出を行うことができる。
また、第1の駆動方向と第2の駆動方向とは、例えばモータの正逆回転やソレノイドの往
復動作等を利用して容易に得ることができるとともに、動作態様は動作量や動作速度等を
異なるようにすることにより容易に変化させることができ、したがって機構を複雑化させ
たり大掛かりとしたりすることもない。
また、本発明にかかる遊技機は、手段C2として、手段C1の遊技機において、
前記駆動源が正逆回転可能なモータであって、
前記モータにより回転駆動されて所定の円周上を正逆方向に周回し得るカムピンを有し

動力伝達対象が、前記カムピンの初期位置で該カムピンが周回する円周に接する接線の
方向に延びるカム溝を有して該カム溝で前記カムピンに嵌合し、該カムピンの初期位置と
該カムピンが周回する円周の中心とを通る直線上にない位置で回動可能に軸支されている
ことを特徴とする。
本発明において、「動力伝達対象」とは、駆動源から可動体へ直接的に動力が伝達され
る場合には当該可動体を、駆動源から別の部材を介して可動体へ動力が伝達される場合に
は当該別の部材および可動体の両者を、それぞれ意味する。
上記手段C2の構成によれば、カムピンが初期位置から移動すると、これにともなって
カム機構により動力伝達対象が移動するが、このときカム溝は、カムピンの初期位置で該
カムピンの周回軌道である円周に接する接線の方向に延びるものとなっているので、カム
ピンが正逆いずれの方向に移動しても、動力伝達対象はカムピンの初期位置からカムピン
の周回軌道である円周の中心の側へ引き寄せられ、したがって同一方向に回動することと
なる。さらにこのとき、カムピンの周回軌道である円周の中心と、カムピンの初期位置と
、動力伝達対象の回動中心とは同一直線上にないから、例えばカムピンが初期位置から正
逆いずれの方向にも同量(同角度)移動する、即ち対称に移動するとしても、このカムピ
ンの両方向への移動にそれぞれ連動する動力伝達対象の回動は同量(同角度)とはならず
多少ともずれる、即ち非対称となる。したがって、動力伝達対象が同一方向に沿って異な
る動作態様で動作する機構を簡潔な構成により実現することができる。
[手段D1から手段D3に係る発明が解決しようとする課題]
可動装置においては、駆動機構や可動体の構成を工夫することによって、いかに演出効
果に優れる動作を実現したとしても、同一の演出動作を繰り返していくうちに早晩飽きが
きて効果が薄れることが避けられず、このような場合に再び効果を取り戻すには、遊技機
ごと、あるいは少なくとも可動装置ごと、新たな構成のものに取り替えるといったように
、大掛かりな変更が必要となる。
手段D1から手段D3に係る発明は、かかる問題点に鑑みて案出されたものであり、可
動装置における可動体の動作を容易かつ簡便に変更することが可能な遊技機を提供するこ
とを目的とする。
[課題を解決するための手段(D1〜B3)]
本発明の手段D1にかかる遊技機は、上記目的を達成するために、
外部から視認し得る位置に演出用の可動装置が設けられた遊技機であって、
前記可動装置は、
動作し得るよう可動に構成された可動体と、
前記可動体を動作させるための動力を発生する駆動源と、
前記駆動源と前記可動体とに連動するように配置されて前記駆動源から動力を前記可動
体に伝達する伝達部材とを備え、
前記伝達部材の少なくとも一部が単独で着脱自在に構成されていることを特徴とする。
本発明において、「駆動源」とは、回転運動を発生するか直線運動(往復動)を発生す
るか、あるいは継続的に動作するか散発的に動作するかといった形式の相違を問わず任意
のものを含意し、例えばモータ、ソレノイド等をいずれも含意する。
また、「単独で着脱する」とは、周囲の部材を取り外したりすること(ただし、周囲の
部材を一時的に移動すること等は除く)を要することなく、それ自体のみで着脱すること
を意味する。
また、「着脱自在に構成されている」とは、ネジ固定や溶着等を用いずに取り付けられ
、工具を用いることなく容易に着脱し得るように構成されていることを意味する。
上記手段D1の構成によれば、伝達部材の少なくとも一部を着脱して別の構成を有する
伝達部材に容易に変更することができ、これにより可動体への動力伝達の様態を変更して
異なる動作を表現するようにすることができる。したがって、伝達部材以外の構成をその
まま利用して、即ち、変更箇所を必要最小限として、可動体の動作態様を容易に更新する
ことができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段D2として、手段D1の遊技機において、
前記伝達部材の少なくとも一部が、弾性的に係合することにより着脱自在に構成されて
いることを特徴とする。
上記手段D2の構成によれば、伝達部材の少なくとも一部をワンタッチ式に容易に着脱
することができ、また、係合爪が突起構造物に弾性的に係合する係合構造のような簡潔な
構造により構成することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段D3として、手段D2の遊技機において、
前記伝達部材の少なくとも一部が、回動軸と軸受部とにより回動可能に軸支され、該回
動軸と軸受部とが弾性的に係合することにより着脱自在に構成されていることを特徴とす
る。
上記手段D3の構成によれば、回動軸と軸受部との軸支構造を利用して容易に着脱自在
な取付構造を構成することができる。即ち、軸受部に係合爪を設けて該係合爪が回動軸に
弾性的に係合する係合構造のような簡潔な構造により、容易に着脱自在な取付構造を構成
することができる。
[手段E1から手段E3に係る発明]
また、本発明にかかる遊技機は、手段E1として、手段B1から手段B8、手段C1お
よび手段C2ならびに手段D1から手段D3のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機であることを特徴とする。
パチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じ
て有価物体の一例である球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配
設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置
において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙
げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変
入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応
じた有価価値(景品球のみならず、磁気カード書き込まれるデータ等も含む)が付与され
るものが挙げられる。
手段B1から手段B8のいずれかの構成を有するパチンコ機にあっては、可動装置に伝
動制限機構を設けたことによって、特に機構を複雑化することもなく、可動装置における
可動体の動作に効率的に変化を付与することが可能なパチンコ機が得られる。
また、手段C1または手段C2の構成を有するパチンコ機にあっては、第1の駆動方向
と第2の駆動方向とのそれぞれに対して可動体が同一方向に沿って異なる動作態様で動作
し得る構成としたことによって、特に機構を複雑化することもなく、可動装置における可
動体の動作に効果的に変化を付与することが可能なパチンコ機が得られる。
また、手段D1から手段D3のいずれかの構成を有するパチンコ機にあっては、伝達部
材の少なくとも一部を単独で着脱自在に構成したことによって、可動装置における可動体
の動作を容易かつ簡便に変更することが可能なパチンコ機が得られる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E2として、手段B1から手段B8、手段C1お
よび手段C2ならびに手段D1から手段D3のいずれかの遊技機において、
遊技機がスロット機であることを特徴とする。
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した
後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)
の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタ
ン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が
停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技
者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
手段B1から手段B8のいずれかの構成を有するスロット機にあっては、可動装置に伝
動制限機構を設けたことによって、特に機構を複雑化することもなく、可動装置における
可動体の動作に効率的に変化を付与することが可能なスロット機が得られる。
また、手段C1または手段C2の構成を有するスロット機にあっては、第1の駆動方向
と第2の駆動方向とのそれぞれに対して可動体が同一方向に沿って異なる動作態様で動作
し得る構成としたことによって、特に機構を複雑化することもなく、可動装置における可
動体の動作に効果的に変化を付与することが可能なスロット機が得られる。
また、手段D1から手段D3のいずれかの構成を有するスロット機にあっては、伝達部
材の少なくとも一部を単独で着脱自在に構成したことによって、可動装置における可動体
の動作を容易かつ簡便に変更することが可能なスロット機が得られる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E3として、手段B1から手段B8、手段C1お
よび手段C2ならびに手段D1から手段D3のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機とスロット機を融合させた遊技機であることを特徴とする。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報か
らなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動
用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止
用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過するこ
とにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報で
あることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生
手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に
際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出される
ように構成されている遊技機」となる。
手段B1から手段B8のいずれかの構成を有するパチンコ機とスロット機を融合させた
遊技機にあっては、可動装置に伝動制限機構を設けたことによって、特に機構を複雑化す
ることもなく、可動装置における可動体の動作に効率的に変化を付与することが可能な、
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機が得られる。
また、手段C1または手段C2の構成を有するパチンコ機とスロット機を融合させた遊
技機にあっては、第1の駆動方向と第2の駆動方向とのそれぞれに対して可動体が同一方
向に沿って異なる動作態様で動作し得る構成としたことによって、特に機構を複雑化する
こともなく、可動装置における可動体の動作に効果的に変化を付与することが可能な、パ
チンコ機とスロット機を融合させた遊技機が得られる。
また、手段D1から手段D3のいずれかの構成を有するパチンコ機とスロット機を融合
させた遊技機にあっては、伝達部材の少なくとも一部を単独で着脱自在に構成したことに
よって、可動装置における可動体の動作を容易かつ簡便に変更することが可能な、パチン
コ機とスロット機を融合させた遊技機が得られる。
本発明は、パチンコ機等の遊技機に好適に実施することが可能である。

本発明にかかる遊技機は、上記目的を達成するために、
遊技球が流下可能な遊技領域と、該遊技領域に設けられ遊技球が入球可能な入球口と、該入球口に入球した遊技球を検出する入球検出手段と、該入球検出手段による遊技球の検出に基づいて当否抽選を行う抽選手段と、該抽選手段による当否抽選の結果に基づいて演出パターンを複数種類のうちから選択する選択手段と、該選択手段によって選択された演出パターンに基づいて所定の演出を制御する演出制御手段とを備え、
前記抽選手段による当否抽選の結果が特定結果となった場合に遊技者に有利な特定遊技状態を生じさせる遊技機において、
遊技者が操作可能な操作手段と、
所定の動作が可能に設けられる可動手段と、
該可動手段を動作させる駆動手段と、
前記選択手段により選択された所定の演出パターンにおいて、前記操作手段についての所定有効期間を設定する設定手段と、
該設定手段により設定された前記有効期間に前記操作手段が操作された場合に、前記操作手段の操作を検出する操作検出手段と、
前記可動手段に所定の動作を実行させるために前記駆動手段を制御する駆動制御手段と、を備え、
該駆動制御手段は、
前記可動手段を所定の待機位置から所定の可動位置まで変位させ再び待機位置に戻す特定動作を繰り返し行うように前記駆動手段を駆動制御する第1制御手段と、
前記操作検出手段によって前記操作手段の操作が検出された場合に、前記可動手段を可動開始又は可動終了するように制御する第2制御手段と、
前記可動手段を可動終了する場合に、前記可動手段が前記所定の待機位置にあるタイミングで可動を終了させる第3制御手段と、を備え、
該第3制御手段は、
前記可動手段を可動終了する場合の所定のタイミングにおいて、前記待機位置へ向けて前記可動手段を動作させている前記駆動手段が、その初期位置に復帰するまでの動作量が所定量となる第1駆動位置にある場合に、前記駆動手段の駆動速度を減速させてN回目に前記初期位置に復帰した時点で駆動制御を終了させる第1手段と、
前記可動手段を可動終了する場合の所定のタイミングにおいて、前記待機位置へ向けて前記可動手段を動作させている前記駆動手段が、前記初期位置に復帰するまでの動作量が前記第1駆動位置よりも少ない第2駆動位置にある場合に、前記駆動手段を制御してN+1回目に前記初期位置に復帰した時点で駆動制御を終了させる第2手段と、を備え
前記可動手段は、第1可動部と第2可動部とを備え、
前記駆動制御手段は、前記駆動手段を前記初期位置に対し一方へ駆動させることで前記第1可動部を動作させる第1駆動制御と、前記駆動手段を前記初期位置に対し他方へ駆動させることで前記第1可動部および第2可動部を動作させる第2駆動制御とを行う手段であって、
前記操作検出手段により第1の検出がされたタイミングに応じて前記第1駆動制御を開始させ、該第1駆動制御がされる期間のうち第2の検出が前記操作検出手段によってされたタイミングを前記所定のタイミングとして、前記駆動手段が前記初期位置に復帰した時点で前記第1駆動制御を終了させ、前記第2駆動制御を開始させることを特徴とする。

Claims (1)

  1. 遊技球が流下可能な遊技領域と、該遊技領域に設けられ遊技球が入球可能な入球口と、該入球口に入球した遊技球を検出する入球検出手段と、該入球検出手段による遊技球の検出に基づいて当否抽選を行う抽選手段と、該抽選手段による当否抽選の結果に基づいて演出パターンを複数種類のうちから選択する選択手段と、該選択手段によって選択された演出パターンに基づいて所定の演出を制御する演出制御手段とを備え、
    前記抽選手段による当否抽選の結果が特定結果となった場合に遊技者に有利な特定遊技状態を生じさせる遊技機において、
    遊技者が操作可能な操作手段と、
    所定の動作が可能に設けられる可動手段と、
    該可動手段を動作させる駆動手段と、
    前記選択手段により選択された所定の演出パターンにおいて、前記操作手段についての所定有効期間を設定する設定手段と、
    該設定手段により設定された前記有効期間に前記操作手段が操作された場合に、前記操作手段の操作を検出する操作検出手段と、
    前記可動手段に所定の動作を実行させるために前記駆動手段を制御する駆動制御手段と、を備え、
    該駆動制御手段は、
    前記可動手段を所定の待機位置から所定の可動位置まで変位させ再び待機位置に戻す特定動作を繰り返し行うように前記駆動手段を駆動制御する第1制御手段と、
    前記操作検出手段によって前記操作手段の操作が検出された場合に、前記可動手段を可動開始又は可動終了するように制御する第2制御手段と、
    前記可動手段を可動終了する場合に、前記可動手段が前記所定の待機位置にあるタイミングで可動を終了させる第3制御手段と、を備え、
    該第3制御手段は、
    前記可動手段を可動終了する場合の所定のタイミングにおいて、前記待機位置へ向けて前記可動手段を動作させている前記駆動手段が、その初期位置に復帰するまでの動作量が所定量となる第1駆動位置にある場合に、前記駆動手段の駆動速度を減速させてN回目に前記初期位置に復帰した時点で駆動制御を終了させる第1手段と、
    前記可動手段を可動終了する場合の所定のタイミングにおいて、前記待機位置へ向けて前記可動手段を動作させている前記駆動手段が、前記初期位置に復帰するまでの動作量が前記第1駆動位置よりも少ない第2駆動位置にある場合に、前記駆動手段を制御してN+1回目に前記初期位置に復帰した時点で駆動制御を終了させる第2手段と、を備えていることを特徴とする遊技機。
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