以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤と、遊技盤を支持固定する遊技機用枠3とから構成されている。遊技盤には、ガイドレールによって囲まれた、略円形状の遊技領域2が形成されている。この遊技領域2には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤の所定位置には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bは、それぞれ、例えば、7セグメントやドットマトリクスのLED(Light Emitting Diode)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄が、変動可能に表示される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bは、それぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば、7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組み合わせを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下においては、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤における遊技領域2の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域においては、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば、3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示は、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいては、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときには、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域においては、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、又は第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、例えば、特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば、微少な揺れや伸縮等を生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮等も生じさせず、所定時間よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示すること等が含まれてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリアが配置されてもよい。始動入賞記憶表示エリアにおいては、可変表示の保留数を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていること等により、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに発生する。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件が成立したときには、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件が成立したときには、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算される。第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部を指すこともあるものとする。
パチンコ遊技機1には、始動入賞記憶表示エリアと共に、又は始動入賞記憶表示エリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例においては、始動入賞記憶表示エリアと共に、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bは、それぞれ、例えば、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値に対応した個数のLEDを含んで構成されている。
遊技盤の盤面上に形成された遊技領域2には、画像表示装置5の天辺よりも左側の左遊技領域2Aと、右側の右遊技領域2Bとがある。第1遊技領域である左遊技領域2Aと、第2遊技領域である右遊技領域2Bは、例えば、遊技領域2の内部における画像表示装置5の端面や釘の配列PL等により区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域2に打ち込まれた遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された場合に、例えば、釘の配列PLに沿って誘導されることにより、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導不可能又は誘導困難となる。
左遊技領域2Aには、普通入賞球装置6Aが設けられている。例えば、普通入賞球装置6Aは、画像表示装置5の中央下方に設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。このように、左遊技領域2Aには、常時、遊技球が進入可能な第1始動入賞口を形成する普通入賞球装置6Aが設けられている。
右遊技領域2Bには、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通可変入賞球装置6Bは、図3に示す普通電動役物用のソレノイド81によって、垂直位置となる閉鎖状態と、傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bにおいては、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bにおいては、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入し難いように構成してもよい。このように、右遊技領域2Bには、第2始動入賞口を遊技球が通過可能な第1可変状態と、遊技球が通過不可能又は通過困難な第2可変状態とに変化可能な普通可変入賞球装置6Bが設けられている。
左遊技領域2Aや右遊技領域2Bにおける普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6B等の配置により、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された遊技球は、第2遊技領域である右遊技領域2Bに設けられた普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過したりすることが不可能又は困難である。加えて、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導された遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aに設けられた普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過することが不可能又は困難である。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば、図3に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば、図3に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出された場合には、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出された場合には、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通可変入賞球装置6Bの下方には、2つの特別可変入賞球装置が設けられている。上特別可変入賞球装置7Aは、図3に示す上大入賞口扉用のソレノイド82Aによって開閉駆動される上大入賞口扉を備え、その上大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する上大入賞口を形成する。一例として、上特別可変入賞球装置7Aにおいては、上大入賞口扉用のソレノイド82Aがオフ状態であるときに上大入賞口扉が上大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、上特別可変入賞球装置7Aにおいては、上大入賞口扉用のソレノイド82Aがオン状態であるときに上大入賞口扉が上大入賞口を開放状態にする。上特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口に進入した遊技球は、例えば、図3に示す上大入賞口スイッチ23Aによって検出される。なお、この実施の形態においては、上大入賞口と下大入賞口は同様の扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化するが、入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変化させる手段は、上大入賞口と下大入賞口において異なっていてもよい。例えば、いずれか一方は、普通可変入賞球装置6Bのように閉鎖状態と開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物としてもよいし、遊技領域2に収納された状態から突出した状態に変化するようにしてもよい。
図2は、下特別可変入賞球装置7Bの要部の形態の一例を示す。下特別可変入賞球装置7Bは、図2及び図3に示す下大入賞口扉用のソレノイド82Bによって開閉駆動される下大入賞口扉71を備え、その下大入賞口扉71によって開放状態と閉鎖状態とに変化する下大入賞口を形成する。一例として、下特別可変入賞球装置7Bにおいては、下大入賞口扉用のソレノイド82Bがオフ状態であるときに下大入賞口扉71が下大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、下特別可変入賞球装置7Bにおいては、下大入賞口扉用のソレノイド82Bがオン状態であるときに下大入賞口扉71が下大入賞口を開放状態にする。下特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口に進入した遊技球は、例えば、図2及び図3に示す下大入賞口スイッチ23Bによって検出される。
上特別可変入賞球装置7Aが形成する上大入賞口や、下特別可変入賞球装置7Bが形成する下大入賞口を遊技球が通過した場合には、多数の遊技球が賞球として払い出される。即ち、上特別可変入賞球装置7Aは、上大入賞口扉により上大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態となる。下特別可変入賞球装置7Bは、下大入賞口扉71により下大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、上特別可変入賞球装置7Aは、上大入賞口扉により上大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態となる。下特別可変入賞球装置7Bは、下大入賞口扉71により下大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態となる。なお、遊技球が上大入賞口や下大入賞口を通過できない閉鎖状態に代えて、又は閉鎖状態の他には、遊技球が上大入賞口や下大入賞口を通過し難い一部開放状態を設けてもよい。
上特別可変入賞球装置7Aの内部には、上大入賞口扉により開放状態となった上大入賞口に進入した遊技球が上特別可変入賞球装置7Aから排出される排出経路が設けられている。上特別可変入賞球装置7Aから排出される遊技球は、排出経路に設置された第1排出スイッチ24Cによって検出される。
下特別可変入賞球装置7Bの内部には、下大入賞口扉71により開放状態となった下大入賞口に進入した遊技球が、所定の確変領域を通過して、又は通過せずに、下特別可変入賞球装置7Bから排出される排出経路まで誘導する誘導経路が設けられている。下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球は、まず、入賞した遊技球を検出するための下大入賞口スイッチ23Bが設けられた経路を通過した後、確変領域への誘導路73と、確変領域を通過せず排出経路に誘導する誘導路74とへの分岐点に誘導される。分岐点に誘導された遊技球が確変領域への誘導路73を流下した場合には、この遊技球が確変領域スイッチ24Aによって検出されることによって、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立する。即ち、確変領域スイッチ24Aの設置個所を確変領域とし、この確変領域を遊技球が通過した場合には、所定の確変制御条件を成立させることができる。確変領域は、下特別可変入賞球装置7Bの内部にあるので、下特別可変入賞球装置7Bに入賞した遊技球のみが通過可能である。
確変領域は、確変領域蓋用のソレノイド82Cによって駆動される確変領域蓋72によって、遊技球が通過可能な開放状態と、通過不可能な閉鎖状態とに変化する。一例として、確変領域蓋用のソレノイド82Cがオフ状態であるときには、確変領域蓋72が確変領域を塞ぐ位置に移動し、確変領域を閉鎖状態にする。その一方で、確変領域蓋用のソレノイド82Cがオン状態であるときには、確変領域蓋72が確変領域を塞がない位置に移動し、確変領域を開放状態にする。確変領域が閉鎖状態にあるときに分岐点に到達した遊技球は、確変領域を通過せず、そのまま下特別可変入賞球装置7Bから排出される。この場合、遊技球は、確変領域を通過せず排出経路に誘導する誘導路74に設置された第2排出スイッチ24Bによって検出される。一方、確変領域が開放状態にあるときに分岐点に到達した遊技球は、確変領域を通過し、確変領域に設置された確変領域スイッチ24Aによって検出される。そして、確変領域を通過した遊技球は、下特別可変入賞球装置7Bから排出される。下特別可変入賞球装置7Bに入賞した遊技球が確変領域を通過することによって、確変領域スイッチ24Aが確変領域を通過した遊技球を検出した場合には、確変状態に制御される。このため、遊技球が下特別可変入賞球装置7Bに入賞する割合、及び確変領域蓋72が許容位置にある時間の長さとそのタイミングを調整することによっては、確変状態に制御する割合を好適に設定することができる。
本実施の形態においては、下特別可変入賞球装置7Bの内部のうち、少なくとも確変領域の周辺は遊技者に視認可能となるように構成されている。このため、下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球が確変領域を通過したか否かは、遊技者にとって確認が可能である。このような構成によっては、下特別可変入賞球装置7Bが開放状態に変化した場合に、確変領域を遊技球が通過するか否かの期待感を煽ることができる。
遊技盤の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車、及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技盤の表面には、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域2の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられている。更に、遊技領域2の周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域2における各構造物の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域2に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドルが設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリングが設けられていればよい。遊技領域2の下方における所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持する上皿が設けられている。例えば、上皿の上面における手前側の所定位置には、押下操作等により遊技者が操作可能な操作ボタン30が設置されている。
以下の説明においては、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1においては、左遊技領域2Aにおいて普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過すると、その遊技球が図3に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたこと等により第1始動条件が成立する。その後には、例えば、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、パチンコ遊技機1においては、右遊技領域2Bにおいて普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過すると、その遊技球が図3に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたこと等により第2始動条件が成立する。その後には、例えば、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。但し、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難又は通過不可能である。
本実施の形態においては、確変状態とは異なる通常遊技状態においては、普通可変入賞球装置6Bは第2可変状態であるので、第2始動入賞口を遊技球が通過困難又は通過不可能である。よって、第2特図を用いた特図ゲームは、開始されない又はされ難い。そこで、未だ確変状態に制御されない通常遊技状態においては、遊技者は遊技球を左遊技領域2Aへと誘導して、第1始動入賞口への入賞に基づく第1特図を用いた特図ゲームの開始と、該特図ゲームの「大当り」を目指すこととなる。第1特図を用いた特図ゲームの結果「大当り」の可変表示結果が導出されたことに基づく大当り遊技状態においては、特定のラウンドにて下特別可変入賞球装置7Bに遊技球が進入し、更に、確変領域を通過することが可能となる。確変領域を遊技球が通過した場合には、確変確定フラグがセットされ、高ベース状態に制御され、普通可変入賞球装置6Bが第1可変状態に変化し易くなり、第2始動入賞口を遊技球が通過可能となる。本実施形態においては、第2特図ゲームは第1特図ゲームよりも有利である。そのため、遊技者は、遊技球を右遊技領域2Aへと誘導して、第2始動入賞口への入賞に基づく第2特図を用いた特図ゲームの開始と、該特図ゲームの「大当り」を目指すこととなる。このような構成によっては、遊技状態に応じて変化する多様な遊技体験を遊技者に提供できる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによるぢ2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定される。そして、パチンコ遊技機1においては、可変表示結果の決定に基づく所定割合によって、変動パターンの決定等が行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図3に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば、変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおいては、特別図柄とは異なる飾り図柄の可変表示が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。即ち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出する以前に決定される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例としては、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態においては、上大入賞口又は下大入賞口が開放状態となって上特別可変入賞球装置7A又は下特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、大当り遊技状態においては、所定期間、又は所定個数の遊技球が上大入賞口又は下大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、上大入賞口又は下大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間においては、上大入賞口や下大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難又は発生不可能となる。上大入賞口に遊技球が進入したときには、上大入賞口スイッチ23Aにより入賞球が検出され、その検出毎に所定個数の遊技球が賞球として払い出される。下大入賞口に遊技球が進入したときには、下大入賞口スイッチ23Bにより入賞球が検出され、同様に所定個数の遊技球が払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数に達するまで繰り返し実行される。したがって、大当り遊技状態においては、遊技者が多数の賞球を極めて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。本実施の形態においては、下大入賞口から下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球の確変領域への通過を、確変領域スイッチ24Aが検出することが確変制御条件となる。この確変状態は、所定回数の可変表示が実行されるか、可変表示結果が「大当り」となるまで継続するように制御される。
確変状態においては、通常状態においては第2可変状態にある普通可変入賞球装置6Bを、第2始動入賞口を遊技球が通過可能な第1可変状態と、不可能な第2可変状態とに変化させる。このように、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、電チュー開放制御と称される。本実施形態においては、遊技球が第2始動入賞口を通過したことに基づき開始される第2特図ゲームが、通常状態においても通過可能な第1始動入賞口を通過したことに基づき開始される第1特図ゲームよりも遊技者にとって有利である。そのため、電チュー開放制御が実行される確変状態は、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、確変状態にて確変制御が行われるときには、電チュー開放制御が行われない場合があってもよい。例えば、可変表示結果が「大当り」となる場合には、大当り遊技状態にて上大入賞口や下大入賞口が開放状態となる上限時間が短く、遊技球が通過困難又は通過不可能なラウンド遊技が実行され、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御される場合がある。このような場合は、大当り種別が「突確」であるとも称される。そして、電チュー開放制御が行われていないときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となり確変制御が行われるものの、電チュー開放制御が行われないようにしてもよい。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば、数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。または、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1において再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
この実施の形態においては、大当り種別にかかわらず、特定遊技状態にて10回のラウンド遊技が実行される。このうち、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「1」、「3」、「5」、「7」及び「9」となったときに、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて下特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「1」、「3」、「5」、「7」及び「9」以外であるときには、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて上特別可変入賞球装置7Aが遊技者にとって有利な第1状態となる。1回目と3回目と5回目と7回目と9回目に実行されるラウンド遊技においては、下特別可変入賞球装置7Bが第1状態となり下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球が確変領域を通過し得るため、これらのラウンド遊技は、確変開放ラウンド遊技ともいう。これに対し、ラウンド遊技は、2回目、4回目、6回目、8回目、10回目の上特別可変入賞球装置7Aが第1状態となるラウンド遊技を、通常開放ラウンド遊技ともいう。また、一つのラウンド遊技が実行される期間を1ラウンドとして、一の「大当り」に基づいて実行される大当り遊技状態には、複数回のラウンドが含まれる。このうち、第1と第3と第5と第7と第9回目に実行される下特別可変入賞球装置7Bが開放状態となるラウンドは、下開放ラウンドと表現する。第2と第4と第6と第8と第10ラウンド目に実行される上特別可変入賞装置7Aが開放状態となるラウンドは、上開放ラウンドと表現する。即ち、可変表示結果が「大当り」であった場合に、その「大当り」に基づいて制御される大当り遊技状態においては、下大入賞口扉71の作動時間が設けられたラウンド遊技と、上大入賞口扉の作動時間が設けられたラウンド遊技とを含む複数回のラウンド遊技を実行する。
本実施の形態においては、可変表示結果が「大当り」であった場合の大当り種別として、その「大当り」に基づき制御される大当り遊技状態において、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「1」、「3」、「5」、「7」及び「9」であるときに、下大入賞口を開放状態とする上限時間が異なる複数種類の大当り種別がある。一例として、大当り種別が「第1大当り(非確変)」の場合には、下大入賞口を開放状態とする上限時間が52ミリ秒に設定された「第1大当り遊技状態」に制御される。大当り種別が「第3大当り(確変2)」の場合には、下大入賞口を開放状態とする上限時間が第1大当りよりも長い時間に設定された大当り遊技状態に制御される。第1大当り遊技状態においては、開放状態となる制御時間が52ミリ秒と短いため、遊技球が実際に下大入賞口に入賞して下特別可変入賞球装置7Bに進入できる割合は低い。したがって、大当り種別が「第1大当り(非確変)」の場合には、下大入賞口を遊技球が通過する可能性が低く、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立し難い。一方、第3大当り遊技状態においては、約29秒間開放されるので、下特別可変入賞球装置7Bが設置された右遊技領域2Bに遊技球が誘導されれば高い割合で遊技球が下特別可変入賞球装置7Bに進入できる。よって、大当り遊技状態の終了後には、確変状態となるための確変制御条件が成立し易い。
また、この実施形態においては、可変表示結果が「大当り」であった場合の大当り種別として、その「大当り」に基づき制御される大当り遊技状態において、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「2」、「4」、「6」、「8」及び「10」であるときに、上大入賞口を開放状態とする上限時間が異なる複数種類の大当り種別がある。「第2大当り(確変1)」の可変表示結果導出された場合は、第1又は第2大当りと比して、その大当りに基づいて実行される大当り遊技状態において払い出される賞球の数が少ないが、「第3大当り(確変2)」と同様に、「第1大当り(非確変)」よりも大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立し易い。具体的には、第2大当りの第8と第10ラウンド目に実行される上開放ラウンドにおいては、上大入賞口を開放状態とする時間が52ミリ秒と短く、上大入賞口への遊技球が通過する可能性が低く、賞球の払い出し条件が成立しないからである。一方、第9ラウンド目に実行される下開放ラウンドにおいては、下大入賞口を開放状態とする上限時間が約2秒と第1大当りよりも長いため、第2大当りは第3大当りと同様に確変制御条件が成立し易い。
大当り種別を複数種類のいずれとするかは、例えば、特図ゲームの開始時に可変表示結果を「大当り」とする決定が成されたことに対応して、所定割合で決定される。下特別可変入賞球装置7Bに遊技球が進入すると、所定個の遊技球が払い出されるにとどまらず、確変領域蓋72の位置によっては、確変領域を遊技球が通過し可変表示結果が「大当り」となる確率が非確変状態よりも高い確変状態に制御される。よって、第2大当り遊技状態は、第1大当り遊技状態よりも遊技者にとって有利である。
パチンコ遊技機1には、例えば、図3に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間において伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15等も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤等の背面には、例えば、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板等といった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12等から成るサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等を備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED等の点灯、消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100や、スイッチ回路110、ソレノイド回路111等が搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81、上大入賞口扉用のソレノイド82A、下大入賞口扉用のソレノイド82B、確変領域蓋用のソレノイド82Cに伝送する。本実施形態においては、ソレノイド回路111が各ソレノイドに駆動信号を伝達するか否かは、遊技制御フラグ設定部に記憶されたソレノイド出力データテーブルの値に応じて決定される。具体的には、図18に示すように、ソレノイド出力データテーブルの各ビットがそれぞれ複数のソレノイドに制御信号を伝達するか否かを示すフラグとして用いられる。フラグがセット状態である場合には、対応するソレノイド駆動用の制御信号が伝達可能である。一方、クリア状態である場合には、駆動用の制御信号は伝達されない。このため、ソレノイド出力データテーブルを更新することによっては、普通電動役物や上大入賞口扉、下大入賞口扉71、確変領域蓋72等を駆動制御するか否かを遊技の進行に応じて好適に切り替えることができる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9や装飾用LED等における点灯、消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路等が搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、遊技効果ランプ9や節電中報知LED等における点灯、消灯駆動を行うランプドライバ回路等が搭載されている。
図3に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ、大入賞口スイッチ、確変領域スイッチ24A、第2排出スイッチ24Bといった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えば、センサと称されるもの等のように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B等の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば、電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LED、更には節電中報知LEDの点灯動作等を制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100においては、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105等は外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100においては、CPU103がROM101に格納されているプログラムに従って制御を実行する。したがって、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100が実行するということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100においては、例えば、乱数回路104等により、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104等のハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することによってソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、乱数値の更新は、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が不定期的に格納値を更新することによって、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
この実施の形態においては、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるためには、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
この実施の形態においては、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合等に対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
なお、飾り図柄の可変表示態様は、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組み合わせの一部を構成しているときに、未だ停止表示されていない飾り図柄については変動が継続している表示状態、あるいは全部又は一部の飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態となることによって、「リーチ」になる。具体的な一例としては、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部においては予め定められた大当り組み合わせを構成する飾り図柄が停止表示されているときに、未だ停止表示されていない残りの飾り図柄表示エリアにおいては飾り図柄が変動している状態、あるいは「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部又は一部において飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。また、リーチ状態となったことに対応して、画像表示装置5の表示領域には、飾り図柄とは異なるキャラクタ画像を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化は、リーチ演出表示という。こうした「リーチ」にはならない飾り図柄の可変表示態様は、「非リーチ」という。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ユーザプログラムを示す制御コードや固定データ等が記憶されている。また、ROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータ等が格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブル等を構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータ等が記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。即ち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態、即ち遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとは、遊技の進行状態を示すデータと定義する。こうしたRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御するために用いられる各種のデータが記憶される。
一例として、RAM102には、遊技制御用データ保持エリアが設けられている。遊技制御用データ保持エリアは、第1特図保留記憶部と、第2特図保留記憶部と、遊技制御フラグ設定部と、遊技制御タイマ設定部と、遊技制御カウンタ設定部と、遊技制御バッファ設定部とを備えている。
第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過したものの未だ開始されていない特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データ等を保留データとして、その記憶数が所定の上限値に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果に基づき所定の遊技価値が負よされるか否か等を判定可能にする保留記憶情報となる。
第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過したものの未だ開始されていない特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データ等を保留データとして、その記憶数が所定の上限値に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果に基づき所定の遊技価値が付与されるか否か等を判定可能にする保留記憶情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報と、第2始動入賞口を遊技球が通過したことによる第2始動条件の成立に基づく保留情報とは、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
遊技制御フラグ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態又はオフ状態を示すデータが記憶される。例えば、本実施形態においては、遊技制御フラグ設定部には、複数種類のソレノイドのそれぞれに対応して、ソレノイドの制御フラグを配置したソレノイド出力データテーブルを記憶するための領域が確保されている。また、遊技制御フラグ設定部には、遊技球を検出する複数種類のそれぞれに対応して、検出結果に応じて更新されるスイッチオンバッファや、検出結果が異常であるか否かを検出するために用いられる異常入賞確認テーブルを記憶するための領域が確保されている。
遊技制御タイマ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部には、遊技用乱数の一部又は全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御バッファ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図3に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理等を実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12においては、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線等が接続されている。更に、演出制御基板12には、操作ボタン30に対する遊技者の指示操作を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、操作検出ユニット31から伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12においては、例えば、乱数回路124等により、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図3に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブル等が格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータ等が記憶されている。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令等に基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切り換えタイミングを決定すること等により、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路等が搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、又はより一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば、書き換え不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリ等の書き換え可能な半導体メモリであってもよく、又は磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば、主基板11から伝送された演出制御コマンドや、操作検出ユニット31から伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令、ランプ制御基板14へと伝送される指令等が出力される。
音声制御基板13には、例えば、入出力ドライバや音声合成用IC(Integrated Circuit)、音声データROM、増幅回路、ボリューム等が搭載されている。一例として、音声制御基板13においては、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームによって設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されている。音声合成用ICは、音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音を生成する。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータ等から構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば、入出力ドライバやランプドライバが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14においては、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9や装飾用LED、更には節電中報知LED等に供給する。
以下の説明においては、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の動作を説明する。
主基板11においては、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定においては、例えば、RAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(Counter Timer Circuit)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間毎にCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は、定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了した場合には、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理においては、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理には、例えば、スイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、確変領域制御処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御するための処理が含まれている。
図4は、遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。この遊技制御用タイマ割込み処理において、CPU103は、スイッチ処理を実行する(ステップS11)。スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、上大入賞口スイッチ23A、下大入賞口スイッチ23B、確変領域スイッチ24A、第2排出スイッチ24B、第1排出スイッチ24Cといった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。
続いて、CPU103は、所定のメイン側エラー処理を実行する(ステップS12)。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。
ステップS12のメイン側エラー処理を実行した後には、情報出力処理を実行し(ステップS13)、その後、遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。情報出力処理は、例えば、パチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側において用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側において用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、普図表示決定用の乱数値MR4とが含まれていればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄等の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「第1大当り(非確変)」、「第2大当り(確変1)」、「第3大当り(確変2)」のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普図ゲームにおける普通図柄等の可変表示結果を「普図当り」とするか否かの決定に用いられる乱数値である。
続いて、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理においては、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定等を、所定の手順によって行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。この普通図柄プロセス処理においては、遊技制御フラグ設定部に設けられた普図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、その普図プロセスフラグの値に対応して、普通図柄表示装置による普図ゲームにおける普通図柄の可変表示を行うための各種設定や、普通電動役物用ソレノイド81の駆動制御により普通可変入賞球装置6Bに設けられた可動翼片を垂直位置又は傾動位置とするための各種設定等が行われる。
普通図柄プロセス処理に続いて、CPU103は、確変領域蓋72の位置を制御するための確変領域制御処理を実行する(ステップS17)。確変領域制御処理においては、CPU103は、大当り遊技状態にてRAM102の所定領域に設定された確変領域制御フラグの値が「2」にセットされたことに基づいて、確変領域蓋72の開閉制御が実行される。例えば、確変領域蓋72の開閉は、確変領域制御パターンテーブルに基づいて実行する。確変領域制御パターンテーブルは、確変領域蓋72の開閉状態を切り替えるタイミングがラウンド遊技におけるラウンド開始からの経過時間と対応付けて記憶された、確変領域蓋72の動作パターンを示すテーブルであればよい。または、下大入賞口の開閉と連鎖して、下大入賞口が開放状態である場合には確変領域も開放状態となり、下大入賞口が閉鎖状態である場合には確変領域も閉鎖状態となる、としてもよい。確変領域制御処理においては、ROM101に記憶された複数の確変領域制御パターンテーブルから、大当り種別と実行されるラウンド遊技のラウンド数に応じて使用パターンを選択する。そして、CPU103は、選択した使用パターンに基づいて、RAM102の所定領域に設定された確変領域開閉タイマを更新する。また、CPU103は、確変領域制御パターンテーブルの時間データの値に応じて、RAM102の所定領域に設定された確変領域開閉カウンタを更新することによって、時間データに応じて確変領域蓋用のソレノイド82Cのオン、オフを制御する。即ち、CPU103は、確変領域蓋72の位置を制御する。なお、確変領域開閉カウンタは、確変領域蓋用のソレノイド82Cにオン、オフを指定する制御信号を出力するための出力カウンタであり、このカウンタに格納された値に応じて、図27の確変領域制御実行処理において確変領域蓋用のソレノイド82Cに制御信号が出力される。
確変領域制御処理を実行した後には、コマンド制御処理を実行する(ステップS18)。コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理においては、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすること等により、コマンド送信テーブルにおいての設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図6は、始動入賞判定処理として、図5のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図6に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンである場合には(ステップS201;YES)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば、RAM102に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;NO)、例えば、RAM102に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;NO)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;YES)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンである場合には(ステップS204;YES)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば、RAM102に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;NO)、例えば、RAM102に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1保留記憶数カウント値を1加算する。一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、CPU103は、RAM102に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104やRAM102のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを抽出する(ステップS209)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄等の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態にするか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば、「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「第1大当り(非確変)」、「第2大当り(確変1)」、「第3大当り(確変2)」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば、「0」〜「99」の範囲の値をとる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部又は全部を示す数値データを抽出する。
こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることによって記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部に乱数値MR1、MR2を示す数値データがセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部に乱数値MR1、MR2を示す数値データがセットされる。
図6に示すステップS210の処理に続いては、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、ROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納すること等により、演出制御基板12に対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するために第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、ROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納すること等により、演出制御基板12に対して、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば、特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されること等により、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
その後には、例えば、ROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納すること等により、演出制御基板12に対して、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンド、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドのいずれかを送信するための設定を行う(ステップS212)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば、特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されること等により、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。なお、CPU103は、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。即ち、CPU103は、合計保留記憶数の増加を通知するための合計保留記憶数通知コマンドを用いてもよい。
ステップS212の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS213)。このとき、始動口バッファ値が「1」である場合には(ステップS213;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」である場合には(ステップS213;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、CPU103は、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図5のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理においては、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無等に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理においては、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定する。更に、特別図柄通常処理においては、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄が設定される。特別図柄通常処理においては、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理等が含まれている。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば、「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理によっては、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄及び飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。即ち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理等が含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行される場合には、RAM102に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算又は1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定等が行われ、大当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。また、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと等に基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理等が含まれている。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開閉制御する処理や、カウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数等に基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、実行可能なラウンド遊技の回数が「0」であるか否かを判定する処理や、大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理等が含まれている。そして、実行可能なラウンド遊技の実行回数が「0」でないときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。一方、実行可能なラウンド遊技の回数が「0」であるときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等といった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理等が含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図7は、特別図柄通常処理として、図5のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理においては、RAM102に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;NO)、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば、変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いては、例えば、第2保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリに記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理においては、RAM102にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;YES)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理においては、RAM102にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、特図ゲームの実行は、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;NO)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば、変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いては、例えば、第1保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリに記憶された乱数値MR1、MR2を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理においては、RAM102にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図8に示す特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(ステップS239)。また、CPU103は、現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータを選択すればよい。
特図表示結果決定テーブル130は、特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態にするか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
特図表示結果決定テーブル130においては、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は時短状態であるか、確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
特図表示結果決定テーブル130において、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。特図表示結果決定テーブル130においては、遊技状態が確変状態であるときに、通常状態又は時短状態であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態においては、通常状態又は時短状態であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。即ち、特図表示結果決定テーブル130においては、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
図7に戻り、ステップS239の処理に続いては、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS239の処理においては現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理においては、特図ゲーム等の可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲーム等の可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。これに対して、特図ゲーム等の可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;YES)、RAM102に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図9に示す大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。
大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。即ち、大当り種別決定テーブル131によっては、大当り種別を「第1大当り(非確変)」、「第2大当り(確変1)」、「第3大当り(確変2)」のいずれかに決定することができる。大当り種別決定テーブル131においては、特図ゲームにおいて可変表示が行われた特別図柄が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値が、「第1大当り(非確変)」や「第2大当り(確変1)」、「第3大当り(確変2)」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131の設定例においては、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「第1大当り(非確変)」や「第2大当り(確変1)」、「第3大当り(確変2)」の大当り種別に対する決定値の割り当てが異なっている。即ち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値が「第1大当り(非確変)」や「第2大当り(確変1)」、「第3大当り(確変2)」に割り当てられる。一方で、変動特図が第2特図である場合には、「第1大当り(非確変)」や「第2大当り(確変1)」、の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定によっては、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とにおいて、大当り種別を「第1大当り(非確変)」や「第2大当り(確変1)」、「第3大当り(確変2)」に決定する割合を異ならせることができる。また、このような設定によっては、第1特図を用いた特図ゲームよりも、第2特図を用いた特図ゲームの方が、遊技者にとって有利な状態にすることができる。
なお、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「第1大当り(非確変)」や「第2大当り(確変1)」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「第1大当り(非確変)」や「第2大当り(確変1)」の大当り種別に割り当てられてもよい。または、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
図7に示すステップS243にてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「第1大当り(非確変)」、「第2大当り(確変1)」、「第3大当り(確変2)」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S244)。
ステップS244の処理にて大当り種別を決定することによっては、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば、RAM102に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定すること等により(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例としては、大当り種別が「第1大当り(非確変)」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「第2大当り(確変1)」であれば「1」とし、「第3大当り(確変2)」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合や(ステップS241;NO)、ステップS245の処理を実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、更には、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS246)。一例として、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄の何れかを、確定特別図柄に設定する。即ち、大当り種別を「第1大当り(非確変)」とする決定結果に応じては、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「第3大当り(確変2)」とする決定結果に応じては、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「第2大当り(確変1)」とする決定結果に応じては、「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS246にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;YES)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定においては、例えば、画像表示装置5において所定の演出画像を表示すること等によるデモンストレーション表示を指定する演出制御コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みである場合には、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信である場合には、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図10は、特別図柄停止処理として、図5に示すステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるかオフであるかを判定する(ステップS281)。このとき、大当りフラグがオンである場合には(ステップS281;YES)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS282)。例えば、ステップS282の処理においては、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部に設けられて遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。続いては、当り開始指定コマンドのうちEXTデータの設定により大当り開始指定コマンドとなる演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS283)。
ステップS283の処理を実行した後には、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS284)。また、CPU103は、例えば、遊技制御フラグ設定部といったRAM102の所定領域に設けられた大当り開始フラグをオン状態にセットする(ステップS285)。また、特図表示結果が「大当り」となったことに対応して、確変制御や時短制御を終了するための設定を行う(ステップS286)。例えば、ステップS286の処理においては、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする。また、時短回数カウント値が「0」以外の値である場合には、時短回数カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化すればよい。その後には、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS287)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS281にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS281;NO)、特図プロセスフラグの値を“0”に初期化する(ステップS288)。ステップS288の処理を実行した後には、確変制御や時短制御を終了するか否かの判定を行う(ステップS289)。例えば、ステップS289の処理においては、時短回数カウント値が、図17のステップS385の処理にて設定された時短回数カウンタの値と合致するか否かを判定し、合致していなければ、時短回数カウント値を1加算するように更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が時短回数カウンタの値と合致したときには、時短制御を終了する旨の判定を行うようにすればよい。このとき、時短制御を終了すると判定された場合には、例えば、時短フラグをクリアしてオフ状態とすること等により、時短制御を終了するための設定を行う。また、時短制御を終了する場合には、確変制御を終了させてもよい。または、確変制御が行われている確変制御中は、特図表示結果が「大当り」となるまで、時短制御も継続して行われるようにしてもよい。また、確変制御を終了させるか否かの判定は、時短制御を終了させるか否かの判定とは別個に行われるようにしてもよい。その後には、遊技状態指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS290)、特別図柄停止処理を終了する。
図11は、大当り開放前処理として、図5のステップS114にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す大当り開放前処理において、CPU103は、まず、大当り開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS321)。
ステップS321にて大当り開始フラグがオンであるときには(ステップS321;YES)、大当り開始時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS322)。そして、大当り開始時演出待ち時間が経過していない場合には(ステップS322;NO)、大当り開放前処理を終了することによって、大当り開始時演出待ち時間が経過するまで待機する。演出制御基板12の側においては、例えば、大当り開始時演出待ち時間が経過するまでの期間において、大当り遊技状態が開始されることを報知する演出動作等が実行されるようにすればよい。
ステップS322にて大当り開始時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS322;YES)、大当り遊技状態における最初のラウンド遊技が開始するための処理として、大当り開始フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS323)、例えば、制御カウンタ設定部といったRAM102の所定領域に設けられたラウンドカウンタに、ラウンド遊技の実行回数に対応するカウント初期値として「0」を設定する(ステップS324)。
ステップS321にて大当り開始フラグがオフであるときや(ステップS321;NO)、ステップS324の処理を実行した後には、例えば、RAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファから、図7のステップS245において決定された大当り種別を示す大当り種別バッファ値を読み出し、例えば、遊技制御カウンタ設定部といったRAM102の所定領域に設けられたラウンドカウンタから、今から開始されるラウンド遊技のラウンド数を示すラウンドカウント値を読み出す(ステップS325)。
そして、CPU103は、ステップS325において読み出した大当り種別バッファ値とラウンドカウント値とに基づいて、開始されるラウンド遊技において開放状態とする大入賞口を、上特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口、又は下特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口のいずれかに決定する(ステップS326)。図13に示すように、ラウンドカウント値が「0」、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれかであるときには、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。一方、ラウンドカウント値が「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のいずれかであるときには、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。ここで、本実施形態においては、ステップS324において、ラウンド遊技の実行回数に対応するカウント初期値として「0」を設定している。即ち、今から開始されるラウンド遊技のラウンド数は、図13に示すラウンドカウント値に1加算した値となる。したがって、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「1」、「3」、「5」、「7」、「9」となったときには、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行され、下特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。
CPU103は、ステップS326の処理により開放する大入賞口を決定することにあわせて、遊技球を有効に検出するための検出有効スイッチを設定してもよい。例えば、ラウンドカウント値が「0」、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれかであるときには、下大入賞口が開放状態となることにあわせて、下大入賞口スイッチ23Bによる遊技球の検出を有効にする。一方、ラウンドカウント値が「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のいずれかであるときには、上大入賞口が開放状態となることにあわせて、上大入賞口スイッチ23Aによる遊技球の検出を有効にする。
次に、CPU103は、ステップS326において決定した開放する大入賞口が下大入賞口であるか否かを判定し(ステップS327)、下大入賞口である場合には(ステップS327;YES)、RAM102の所定領域に設定された確変領域制御フラグの値が“0”であるか否かを判定し(ステップS328)、確変領域制御フラグの値が“0”である場合には(ステップS328;YES)、確変領域制御フラグの値を図21の確変領域制御パターン設定処理に対応した値である“1”に設定する(S329)。なお、確変領域制御フラグは、確変領域ソレノイド制御領域にて確変領域ソレノイドを用いた確変領域蓋72の位置制御を指定する制御フラグであり、確変領域蓋72の位置制御が行われていないときには“0”にセットされ、確変領域蓋72の位置制御を開始するときには“1”にセットされる。ステップS328において確変領域制御フラグの値が“0”でないと判定した場合には(ステップS328:NO)、大当り開放前処理を終了する。したがって、このような処理によっては、下大入賞口を開放することに決定されたとしても、確変領域制御フラグの値が“0”でない場合、即ち、前回の下大入賞口を開放するラウンドに対応する確変領域蓋72の制御を行っている場合には、下大入賞口を開放するラウンドが開始されないようにすることができる。
ステップS327において、決定した開放する大入賞口が下大入賞口でないと判定するか(ステップS327;NO)、ステップS329の処理を終了した場合には、大入賞口開放パターンテーブル決定処理を実行する(ステップS330)。このような処理によっては、上大入賞口を開放することに決定された場合、確変領域フラグの値を参照しないので、確変領域蓋72の制御が行われているか否かにかかわらず、上大入賞口を開放するラウンドを開始することができる。
図12は、図11のステップS330における大入賞口開放パターンテーブル決定処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す大入賞口開放パターンテーブル決定処理において、CPU103は、大当り種別を特定し(ステップS351)、ラウンドカウント値を特定する(ステップS352)。
続いて、CPU103は、ステップS351の処理にて特定した大当り種別と、ステップS352の処理にて特定したラウンドカウント値とに応じて、ソレノイド出力データを指定する。具体的には、図13に示すように、大当り種別とラウンドカウント値とに応じて開放する大入賞口が定められているため、CPU103は、開放する大入賞口ソレノイドに対応するソレノイド出力データを指定する。ソレノイド出力データD3は、上大入賞口ソレノイドを示している。ソレノイド出力データD1は、下大入賞口ソレノイドを示している。ソレノイド出力データD2は、第2始動口ソレノイドを示している。その値が「1」である場合には、開放を示している。「0」である場合には、閉鎖を示している。ステップS353の処理においては、例えば、ステップS351の処理にて特定した大当りが「第1大当り(非確変)」であり、ステップS352の処理にて特定したラウンドカウント値が「0」である場合、下大入賞口が開放されることから、ソレノイド出力データD1を指定する。
ステップS353の処理を実行した後には、大入賞口開放パターン指定テーブルをセットし(ステップS354)、大入賞口開放パターンテーブルを決定して(ステップS355)、大入賞口パターンテーブル決定処理を終了する。図13は、ステップS354の処理にてセットされる大入賞口開放パターン指定テーブルの一例を示す図である。図13に示す大入賞口開放パターン指定テーブル140においては、大当り種別とラウンド数に応じて、大入賞口開放パターンテーブル1、2のいずれかが割り当てられている。大入賞口開放パターンテーブルは、大入賞口の開閉パターンが定められたテーブルである。大入賞口開放パターン指定テーブル140においては、例えば、ステップS351の処理にて特定した大当り種別が「第1大当り(非確変)」である場合、ラウンド数が「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の間は、大入賞口開放パターンテーブル1に示される開閉パターンに従って下大入賞口を開閉制御し、ラウンド数が「2」、「4」、「6」、「8」、「10」の間は、大入賞口開放パターンテーブル2に示される開閉パターンに従って上大入賞口を開閉制御することを示している。また、ステップS351の処理にて特定した大当り種別が「第2大当り(確変1)」である場合には、ラウンド数が「1」、「3」、「5」、「7」の間は、大入賞口開放パターンテーブル1に示される開閉パターンに従って下大入賞口を開閉制御し、ラウンド数が「2」、「4」、「6」の間は、大入賞口開放パターンテーブル2に示される開閉パターンに従って上大入賞口を開閉制御し、ラウンド数が「9」の間は、大入賞口開放パターンテーブル2に示される開閉パターンに従って下大入賞口を開閉制御し、ラウンド数が「7」、「9」の間は、大入賞口パターンテーブル1に示される開閉パターンに従って上大入賞口を開閉制御することを示している。
図14(A)、(B)は、図12のステップS355の処理において決定される大入賞口開放パターンテーブルの構成例を示す図である。図示するように、大入賞口開放パターンテーブルには、大入賞口を開閉制御する時間が設定されている。なお、終了コードは、閉鎖制御することを示すと共に、当該ラウンド遊技の終了を示している。図12のステップS355の処理においては、決定された大入賞口開放パターンテーブルの1が示す開放時間データが大入賞口開放前ワークテーブルにタイマ値としてセットされる。
図11に戻り、ステップS330の処理を実行した後には、ソレノイド制御処理を実行する(ステップS331)。
ステップS331の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を大当り開放中処理に対応した値である“5”に更新し(ステップS333)、ラウンドカウント値を1加算するように更新してから(ステップS333)、大当り開放前処理を終了する。
図15は、大当り開放中処理として、図5のステップS115にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す大当り開放中処理において、CPU103は、まず、入賞個数カウント値が所定の最大入賞判定値に達したか否かを判定する(ステップS341)。ステップS341にて最大入賞判定値に達していないときには(ステップS341;NO)、大入賞口開放前ワークテーブルに終了コードがセットされているか否かを判定する(ステップS342)。終了コードがセットされていないと判定した場合には(ステップS342;NO)、電動役物開放パターン処理を実行する(ステップS343)。電動役物開放パターン処理は、図12のステップS355の処理において決定された大入賞口開放パターンテーブルにより示される開閉パターンに従って、上大入賞口又は下大入賞口を開閉制御する処理である。
図15におけるステップS343の処理を実行した後には、カウントスイッチから伝送される検出信号をチェックすること等により、カウントスイッチがオンであるか否かを判定する(ステップS344)。例えば、ステップS344の処理においては、上大入賞口と下大入賞口のうち、開閉制御が行われている大入賞口のカウントスイッチから伝送される検出信号をチェックする。そして、カウントスイッチがオフである場合には(ステップS344;NO)、大当り開放中処理を終了する。これに対して、カウントスイッチがオンであるときには(ステップS344;YES)、入賞個数カウント値を1加算するように更新してから(ステップS345)、大当り開放中処理を終了する。
ステップS341にて入賞個数カウント値が最大入賞判定値に達した場合には(ステップS341;YES)、例えば、開閉制御が行われている大入賞口に対応するソレノイドの駆動を停止して大入賞口を閉鎖状態とする設定を行う(ステップS346)。例えば、開閉制御が行われている大入賞口が上大入賞口である場合には、上大入賞口扉用ソレノイド82Aの駆動を停止して上大入賞口を閉鎖状態とする設定を行う。
ステップS346の処理を実行した後、又はステップS342の処理にて終了コードがセットされていると判定した場合には(ステップS342;YES)、ラウンド終了コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS347)。
次に、CPU103は、ラウンドカウント値に基づいて、終了するラウンドが下大入賞口を開放するラウンドであるか否かを判定する(ステップS348)。そして、下大入賞口を開放するラウンドであると判定した場合には(ステップS348;YES)、確変領域制御フラグの値を確変領域制御実行処理に対応した値である“3”に設定し(ステップS349)、ラウンド終了後からの経過時間を計時するために、RAM102の所定領域に設定されたインターバルタイマに、インターバル時間「200ミリ秒」に対応する値を設定し(ステップS350)、タイムアップするまでのカウントを開始する。
ステップS348の処理にて下大入賞口を開放するラウンドでないと判定した場合には(ステップS348;NO)、ラウンド終了後からの経過時間を計時するために、RAM102の所定領域に設定されたインターバルタイマに、インターバル時間「100ミリ秒」に対応する値を設定し(ステップS351)、タイムアップするまでのカウントを開始する。
ステップS350の処理を実行した後、又はステップS351の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を大当り開放後処理に対応した値である“6”に更新してから(ステップS352)、大当り開放中処理を終了する。
図16は、大当り開放後処理として、図5のステップS116にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す大当り開放後処理において、CPU103は、まず、インターバルタイマ値が1減算されるように更新する(ステップS361)。このときには、更新後のインターバルタイマ値が「0」となったか否かを判定する(ステップS362)。そして、インターバルタイマ値が「0」以外である場合には(ステップS362;NO)、大当り開放後処理を終了する。
ステップS362にてインターバルタイマ値が「0」であるときには(ステップS362;YES)、ラウンドカウント値が「10」となったか否かを判定する(ステップS363)。そして、ラウンドカウント値が「10」以外であれば(ステップS363;NO)、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS364)、大当り開放後処理を終了する。こうして、ステップS363の処理によりラウンドカウント値が「10」であると判定されるまでは、図5のステップS115〜S116の処理を繰り返し実行することにより、大当り遊技状態にて大入賞口を開放状態とする複数回のラウンドを実行させることができる。
ステップS363にてラウンドカウント値が「10」であると判定したときには(ステップS363;YES)、大当り終了時演出待ち時間を設定する(ステップS365)。このときには、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする。続いて、CPU103は、大当り終了コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS366)。その後には、特図プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である“7”に更新してから(ステップS367)、大当り開放後処理を終了する。なお、CPU103は、時短状態の継続回数をカウントして、大当り終了コマンドのEXTデータ等により特定可能とし、演出制御基板12に対して時短状態の継続回数を通知するようにしてもよい。
図17は、大当り終了処理として、図5のステップS117にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS381)。一例として、図16に示す大当り開放後処理におけるステップS365の処理においては、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS381の処理においては、例えば、遊技制御プロセスタイマ値を1減算すること等により更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS381にて大当り終了時演出待ち時間が経過していない場合には(ステップS381;NO)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS381にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合(ステップS381;YES)、CPU103は、通過フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS382)。ここで、通過フラグは、確変領域スイッチ24Aが遊技球の確変領域への通過を検出した場合に、オン状態にセットされるフラグである。
ステップS382にて通過フラグがオンであるときには(ステップS382;YES)、確変制御を開始してパチンコ遊技機1における遊技状態を確変状態とするための設定を行う(ステップS383)。一例として、ステップS383の処理においては、確変フラグをオン状態にセットすることに加え、確変状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数等に対応するカウント初期値を、確変回数カウンタに設定する。その後には、通過フラグをリセットしてオフ状態にする(ステップS384)。なお、ステップS383の処理においては、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短制御を開始するための設定が実行されてもよい。
ステップS384の処理を実行した後、又はステップS382の処理にて通過フラグがオンでない場合には(ステップS382;NO)、高ベース制御を開始するための設定を行う(ステップS385)。一例として、ステップS385の処理においては、時短フラグと有利状態フラグがオン状態にセットされると共に、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値が、特図変動回数カウンタにセットされればよい。
ステップS385の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから(ステップS386)、大当り終了処理を終了する。
図18は、ソレノイド出力データテーブルの構成例を示す図である。ソレノイド出力データテーブルは、RAM102の所定領域に設けられ、8ビットの値が格納される。図示するように、8ビットのデータのうち、2ビット目の値は、ソレノイド出力データD1であり、下大入賞口ソレノイドに対応している。また、3ビット目の値は、ソレノイド出力データD2であり、第2始動口ソレノイドに対応している。また、4ビット目の値は、ソレノイド出力データD3であり、上大入賞口ソレノイドに対応している。このように、ソレノイド出力データテーブルにおいては、第2始動口ソレノイドに対応するソレノイド出力データD2がソレノイド出力データD1とD3の間に設定されているため、ノイズ等により本来開放すべき大入賞口ではない大入賞口を開放状態に制御する虞を低減させることができる。各ソレノイドの開閉制御は、このソレノイド出力データテーブルの各ビット値を「0」又は「1」に更新することにより行われる。なお、ソレノイド出力データテーブルにより示される8ビットのデータは、ソレノイド出力ビットと呼ぶ。ソレノイド出力ビットは、初期値として「00000000」が設定されている。
図19は、図11のステップS331の処理にて実行されるソレノイド制御処理の一例を示すフローチャートである。図19のソレノイド制御処理において、CPU103は、まず、駆動対象となるソレノイドを特定する(ステップS191)。具体的には、図11のステップS331にて当該ソレノイド制御処理が実行された場合には、ソレノイド出力データテーブルには、大当り種別とラウンドカウント値とに応じて、図12のステップS353の処理にて上大入賞口ソレノイド又は下大入賞口ソレノイドが指定されているため、当該指定されたソレノイドを駆動対象のソレノイドとして特定する。具体的には、上大入賞口ソレノイドが指定されている場合は、ソレノイド出力データを「00001000」とし、下大入賞口ソレノイドが指定されている場合には、ソレノイド出力データを「00000010」とすることによって、駆動対象のソレノイドを特定する。
ステップS191にて駆動対象となるソレノイドを特定した後には、特定した駆動対象のソレノイドを駆動して(ステップS192)、ソレノイド制御処理を終了する。
図20は、図15のステップS343の処理にて実行される電動役物開放パターン処理の一例を示すフローチャートである。図20の電動役物開放パターン処理において、CPU103は、まず、図12の大入賞口開放パターンテーブル決定処理におけるステップS355の処理にてセットされたタイマ値を「1」減算する(ステップS931)。
ステップS931の処理を実行した後には、ステップS931の処理において減算したタイマ値が「0」であるか否かを判定する(ステップS932)。タイマ値が「0」でない場合には(ステップS932;NO)、電動役物開放パターン処理を終了する。一方、タイマ値が「0」である場合には(ステップS941;YES)、対象となる大入賞口開放パターンテーブルを参照し、現在、大入賞口開放前ワークテーブルにセットされている時間データの次にセットされる時間データを読み出し、大入賞口開放前ワークテーブルにセットする(ステップS933)。例えば、対象となる大入賞口開放パターンテーブルが図14(A)に示す大入賞口開放パターンテーブル1であって、且つ、大入賞口開放パターンテーブル1の先頭の時間データである「大入賞口開放時間1」が大入賞口開放前ワークテーブルにセットされている場合には、図20のステップS932にてタイマ値が「0」であると判定すると、大入賞口開放パターンテーブル1の先頭の時間データの次に設定されている「終了コード」を読み込み、大入賞口開放前ワークテーブルにセットして時間データを更新する。なお、読み込む対象となる時間データは、大入賞口開放前ワークテーブルに時間データがセットされる度にポインタが先頭から順にシフトされることによって特定されればよい。
ステップS933の処理を実行した後には、駆動対象となるソレノイドを開閉制御させるためにソレノイド出力データの切り替えを行う(ステップS934)。具体的には、「00000000」のソレノイド出力データのうち、駆動対象となるソレノイドに対応するビットの値を「1」に切り替える。例えば、駆動対象となるソレノイドが上大入賞口ソレノイドである場合には、ソレノイド出力データD3を「1」に、即ち、「00001000」に切り替える。なお、駆動対象となるソレノイドは、図12のステップS353の処理にて指定されている。したがって、CPU103は、これに従って切り替えを行えばよい。
ステップS934の処理を実行した後には、ソレノイド出力データと開放時間データに従って、上大入賞口、下大入賞口、第2始動入賞口のいずれかの電動役物を開放状態又は閉鎖状態とする電動役物開放制御を行ってから(ステップS935)、電動役物開放パターン処理を終了する。なお、本実施形態においては、大入賞口開放パターンテーブルによって開放状態にする時間がセットされ、タイマ値に応じて開放状態や閉鎖状態に制御される。しかしながら、閉鎖状態から開放状態に駆動する駆動時間や、開放状態から閉鎖状態に駆動する駆動時間は、入賞口の種類に応じて異なるようにしてもよい。
図21は、確変領域制御処理として、図4のステップS17にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す確変領域制御処理において、CPU103は、まず、入賞球/排出球検出処理を実行する(ステップS410)。例えば、ステップS410の入賞球/排出球検出処理においては、下大入賞口スイッチ23B、確変領域スイッチ24A、第2排出スイッチ24Bから伝送された検出信号がオン状態となったか否かの判定等が行われる。
ステップS410の入賞球/排出球検出処理を実行した後には、確変領域制御フラグの値に応じて、図21に示すステップS420、S430、S440の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS420の確変領域制御通常処理は、確変領域制御フラグの値が“0”のときに実行される。この確変領域制御通常処理においては、下特別可変入賞球装置7Bに入賞した遊技球の数と、下特別可変入賞球装置7Bから排出された遊技球の数とが一致するか否かの判定等が行われる。
ステップS430の確変領域制御パターン設定処理は、確変領域制御フラグの値が“1”のときに実行される。この確変領域制御パターン設定処理においては、確変領域72の制御パターンを設定する処理等が行われる。
ステップS440の確変領域制御実行処理は、確変領域制御フラグの値が“2”又は“3”のときに実行される。この確変領域制御処理においては、確変領域72を制御する処理等が行われる。
図22は、図21のステップS410にて実行される入賞球/排出球検出処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す入賞球/排出球検出処理において、CPU103は、まず、例えば、下大入賞口23Bがオンであるか否かを判定することにより(ステップS411)、下大入賞口スイッチ23Bにより入賞球が検出されたか否かを判定する。
ステップS411にて下大入賞口23Bがオンである場合には(ステップS411;YES)、RAM102に設けられた不一致カウンタの格納値であるカウント値を、1加算するように更新する(S412)。
ステップS412の処理を実行した後や、ステップS411にて大入賞口23Bがオンでない場合には(ステップS411;NO)、例えば、第2排出スイッチ24Bがオンであるか否かを判定することにより(ステップS413)、第2排出スイッチ24Bにより排出球が検出されたか否かを判定する。
ステップS413にて第2排出スイッチ24Bがオンである場合には(ステップS413;YES)、RAM102に設けられた不一致カウンタの格納値であるカウント値を、1減算するように更新する(ステップS414)。
ステップS414の処理を実行した後や、ステップS413にて第2排出スイッチ24Bがオンでない場合には(ステップS413;NO)、例えば、確変領域スイッチ24Aがオンであるか否かを判定することにより(ステップS415)、確変領域スイッチ24Aにより排出球が検出されたか否かを判定する。
ステップS415にて確変領域スイッチ24Aがオンである場合には(ステップS415;YES)、RAM102に設けられた不一致カウンタの格納値であるカウント値を、1減算するように更新する(ステップS416)。なお、これらの処理は、遊技制御用タイマ割込み処理として、ステップS15の特図プロセス処理にて実行される図11のステップS331の処理とは無関係に実行されるため、次のラウンド遊技が開始された後にも、継続して実行される。
ステップS416にて不一致カウンタを更新した後には、RAM102に設けられた通過フラグをオン状態にセットする(ステップS417)。
ステップS417の処理を実行した後や、ステップS415にて確変領域スイッチ24Aがオンでない場合には(ステップS415;NO)、入賞球/排出球検出処理を終了する。
図23は、図21のステップS420にて実行される確変領域制御通常処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す確変領域制御通常処理において、CPU103は、まず、RAM102に設けられた不一致カウンタの格納値であるカウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS421)。ここで、不一致カウンタの格納値であるカウント値が「0」以外である場合には(ステップS421;NO)、下特別可変入賞球装置7B内に遊技球があることとなる。このような場合には、下可変入賞球装置7B内における球詰まり等による排出エラーや、不正行為が行われていることが想定されるので、画像表示装置5等によりエラー状態であることを報知するための設定を行う(ステップS422)。ここでは、エラー状態であることを示すフラグをオン状態にしたり、画像表示装置5等によりエラー状態であることを報知するための報知エラーコマンドを演出制御基板12に送信するための設定等が実行されればよい。また、ここでは、ホールの管理者等が使用する管理コンピュータといった外部装置にエラー信号を送信するようにしてもよい。また、ここでは、遊技の制御を停止するようにしてもよい。なお、ここでは、不一致カウンタの格納値であるカウント値が「0」以外である場合に、エラー状態であると判定するようになっているが、下特別可変入賞球装置7B内に滞留可能と想定される所定値を超えた場合に、エラー状態であると判定してもよい。このように、大入賞口内の遊技球が所定値を超えた時点において、エラーを報知することによっては、エラー状態のまま、その後の遊技が進行してしまうことを防止できる。なお、CPU103は、不一致カウンタの格納値であるカウント値がマイナスの値以下になった場合に、即ち、下特別可変入賞球装置7Bへの入賞が検出された数よりも排出が検出された数が多くなった場合に、エラー状態であることを報知するための設定を行うようにしてもよい。このようなエラーは、下大入賞口スイッチ23Bの故障時等に起こり得る。
なお、ステップS420の処理が実行される状況としては、大当り遊技状態ではない場合と、大当り遊技状態であっても下大入賞口が開放されていない場合が想定される。このような状況において、不一致カウンタの格納値であるカウント値が「0」でないということは、基本的にあり得ず、不正行為が行われていることが想定される。したがって、このような状況において、ステップS420の処理によりエラーを報知することによっては、不正行為が行われている可能性があることを、ホールの管理者等に対して早急に知らしめることができる。
不一致カウンタの格納値であるカウント値が「0」である場合や(ステップS421;YES)、ステップS422の処理の後には、確変領域制御通常処理を終了する。
図24は、図21のステップS430にて実行される確変領域制御パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す確変領域制御パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当り種別を特定し(ステップS431)、ラウンドカウント値を特定する(ステップS432)。
ステップS432の処理を実行した後には、確変領域制御パターン指定テーブルをセットし(ステップS433)、確変領域制御パターンテーブルを決定する(ステップS434)。図25は、ステップS433の処理にてセットされる確変領域制御パターン指定テーブルの一例を示す図である。図25に示す確変領域制御パターン指定テーブル150においては、大当り種別とラウンド数に応じて、確変制御パターンテーブル1〜3のいずれかが割り当てられている。確変制御パターンテーブルは、図26に示すように、確変領域蓋72を、開放状態から閉鎖状態へ変化、閉鎖状態から開放状態へ変化、開放状態のまま維持、又は閉鎖状態のまま維持させる動作パターンが定められたテーブルである。
ここで、本実施形態においては、図11のステップS333において、ラウンドカウント値が1加算されている。即ち、今から開始されるラウンド遊技のラウンド数は、図13に示すラウンドカウント値となる。
確変領域制御パターン指定テーブル150においては、例えば、ステップS431の処理にて特定した大当り種別が「第1大当り(非確変)」である場合、ラウンド数が「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の間は、確変領域制御パターンテーブル1に示される開閉パターンに従って確変領域蓋72を開閉制御することを示している。また、ステップS431の処理にて特定した大当り種別が「第2大当り(確変1)」である場合、ラウンド数が「1」、「3」、「5」、「7」の間は、確変領域制御パターンテーブル1に示される開閉パターンに従って確変領域蓋72を開閉制御し、ラウンド数が「9」の間は、確変領域制御パターンテーブル2に示される開閉パターンに従って確変領域蓋72を開閉制御することを示している。
ステップS434の処理を実行した後には、ステップS434の処理において決定した確変領域制御パターンテーブルの1が示す開閉時間データを、確変領域開閉タイマにセットする(S435)。
ステップS435の処理を実行した後には、RAM102の所定領域に設定された確変領域開閉カウンタのカウント値を「2」に設定する(ステップS436)。
ステップS436の処理を実行した後には、確変領域制御フラグの値を確変領域制御実行処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS437)、確変領域制御パターン設定処理を終了する。
図27は、図21のステップS440にて実行される確変領域制御実行処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す確変領域制御実行処理において、CPU103は、まず、確変領域制御フラグの値が「3」であるか否かを判定する(ステップS441)。例えば、ステップS441の処理においては、RAM102に記憶されている確変領域制御フラグの値を読み出し、その読出値が「3」であるか否かを判定すればよい。
ステップS441にて確変領域制御フラグの値が「3」であるときには(ステップS441;YES)、RAM102に設けられた不一致カウンタの格納値であるカウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS450)。
ステップS441にて確変制御フラグの値が「3」でない場合(ステップS441;NO)、又はステップS450にて不一致カウンタの格納値であるカウント値が「0」以外である場合には(ステップS450;NO)、図24のステップS435の処理においてセットした確変領域開閉タイマ値が「0」であるか否かを判定する(ステップS442)。タイマ値が「0」でない場合には(ステップS442;NO)、タイマ値を「1」減算する(ステップS443)。
ステップS443の処理を実行した後には、ステップS443の処理において減算したタイマ値が「0」であるか否かを判定する(ステップS444)。タイマ値が「0」でない場合には(ステップS444;NO)、確変領域制御実行処理を終了する。
ステップS442にてタイマ値が「0」である場合(ステップS442;YES)、又はステップS444にてタイマ値が「0」である場合には(ステップS444;YES)、図24のステップS434の処理にて決定された確変制御パターンテーブルから、RAM102の所定領域に設定された確変領域開閉カウンタのカウント値が示す開閉時間データをロードする(ステップS445)。
ステップS445の処理を実行した後には、ステップS445の処理においてロードした開閉時間データが終了コードであるか否かを判定する(ステップS446)。
ステップS450にて不一致カウンタの格納値であるカウント値が「0」以外であり(ステップS450;NO)、ステップS446にて開閉時間データが終了コードである場合には(ステップS446;YES)、下特別可変入賞球装置7B内に遊技球があることとなる。このような場合には、下可変入賞球装置7B内における球詰まり等による排出エラーや、不正行為が行われていることが想定されるので、図23のステップS420の処理と同様に、画像表示装置5等によりエラー状態であることを報知するための設定を行い(ステップS455)、確変領域制御実行処理を終了する。この一連の処理は、ステップS450において、不一致カウンタの格納値であるカウント値が「0」となるまで繰り返される。
ステップS446にて開閉時間データが終了コードでない場合には(ステップS446;NO)、ステップS445の処理においてロードした開閉時間データを、確変領域開閉タイマにセットする(ステップS447)。
ステップS447の処理を実行した後には、RAM102の所定領域に設定された確変領域開閉カウンタのカウント値を1加算するように更新する(ステップS448)。
ステップS448の処理を実行した後には、確変領域蓋用のソレノイド82Cのオン、オフを切り替えて(ステップS449)、確変領域制御実行処理を終了する。
ステップS450にて不一致カウンタの格納値であるカウント値が「0」である場合には(ステップS450;YES)、RAM102の所定領域に設定された確変領域開閉タイマをクリアして、その格納値を「0」にする(ステップS451)。
ステップS451の処理を実行した後には、RAM102の所定領域に設定された確変領域開閉カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」にする(ステップS452)。
ステップS452の処理を実行した後には、確変領域蓋用のソレノイド82Cをオフにする(ステップS453)。
ステップS453の処理を実行した後には、確変領域制御フラグをクリアして、その値を確変領域制御通常処理に対応した値である“0”に設定し(ステップS454)、確変領域制御実行処理を終了する。
図28は、確変領域蓋72の開閉期間を示すタイミングチャートである。例えば、図24のステップS434の処理において、確変領域制御パターンテーブル1が決定された場合、確変領域蓋72は、図28(A)に示すように、閉鎖状態において52ミリ秒が経過後、開放状態に変化し、開放状態において52ミリ秒が経過後、閉鎖状態に変化し、閉鎖状態において4000ミリ秒が経過後、開放状態に変化し、開放状態において52ミリ秒が経過後、閉鎖状態において2000ミリ秒が経過後に、開閉動作を終了する。
また、例えば、図24のステップS434の処理において、確変領域制御パターンテーブル2が決定された場合、確変領域蓋72は、図28(B)に示すように、閉鎖状態において52ミリ秒が経過後、開放状態に変化し、開放状態において52ミリ秒が経過後、閉鎖状態に変化し、閉鎖状態において4000ミリ秒が経過後、開放状態に変化し、開放状態において35896ミリ秒が経過後、閉鎖状態において2000ミリ秒が経過後に、開放状態に変化し、開放状態において52ミリ秒が経過後、閉鎖状態において2000ミリ秒が経過後に、開閉動作を終了する。
また、例えば、図24のステップS434の処理において、確変領域制御パターンテーブル3が決定された場合、確変領域蓋72は、図28(C)に示すように、閉鎖状態において52ミリ秒が経過後、開放状態に変化し、開放状態において39948ミリ秒が経過後、閉鎖状態において2000ミリ秒が経過後に、開放状態に変化し、開放状態において52ミリ秒が経過後、閉鎖状態において2000ミリ秒が経過後に、開閉動作を終了する。
図29は、下大入賞口の開閉期間と、確変領域蓋72の開閉期間とを示すタイミングチャートである。例えば、図12のステップS355の処理において、大入賞口開放パターンテーブル1が決定された場合、下大入賞口は、図29(A)に示すように、開放状態において52ミリ秒が経過後、閉鎖状態に変化する。その後には、下大入賞口が閉鎖状態のまま200ミリ秒が経過した後に、下大入賞口を開放するラウンドが終了する。ここで、下大入賞口を開放する大入賞口開放パターンテーブル1は、大当り種別が「第1大当り(非確変)」でラウンド数が「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のいずれかの場合、又は大当り種別が「第2大当り(確変1)」でラウンド数が「1」、「3」、「5」、「7」のいずれかの場合に決定される。その場合、図24のステップS434の処理においては、確変領域制御パターンテーブル1が決定される。上述したように、確変領域制御パターンテーブル1が決定された場合、確変領域蓋72は、図28(A)に示すように変化する。したがって、このような場合、遊技球が確変領域を通過するには、図29(A)に示すように、下大入賞口が開放している52ミリ秒の間に下大入賞口を通過した後、確変領域蓋72が開放している52ミリ秒の間に確変領域蓋72を通過しなければならない。しかしながら、下大入賞口の開放期間が短すぎるため、遊技球は、下大入賞口を通過し得ない。また、図2に示すように、下大入賞口から確変領域蓋72までの経路の距離があり、確変領域蓋72の開放期間が短すぎるため、遊技球は、仮に下大入賞口を通過したとしても、確変領域蓋72の位置に到達し得ない。したがって、大当り種別が「第1大当り(非確変)」でラウンド数が「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のいずれかの場合、又は大当り種別が「第2大当り(確変1)」でラウンド数が「1」、「3」、「5」、「7」のいずれかの場合には、遊技球が確変領域を通過し得ないため、確変状態とは成り得ない。
また、例えば、図12のステップS355の処理において、大入賞口開放パターンテーブル2が決定された場合、下大入賞口は、図29(B)又は図29(C)に示すように、開放状態において29000ミリ秒が経過後、閉鎖状態に変化する。その後には、下大入賞口が閉鎖状態のまま200ミリ秒が経過した後に、下大入賞口を開放するラウンドが終了する。ここで、下大入賞口を開放する大入賞口開放パターンテーブル2は、大当り種別が「第2大当り(確変1)」でラウンド数が「9」の場合、又は大当り種別が「第3大当り(確変2)」でラウンド数が「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のいずれかの場合に決定される。その場合、図24のステップS434の処理においては、確変領域制御パターンテーブル2又は確変領域制御パターンテーブル3が決定される。上述したように、確変領域制御パターンテーブル2又は確変領域制御パターンテーブル3が決定された場合、確変領域蓋72は、図28(B)又は図28(C)に示すように変化する。したがって、このような場合、遊技球が確変領域を通過するには、図29(A)に示すように、下大入賞口が開放している29000ミリ秒の間に下大入賞口を通過した後、確変領域蓋72が開放している35896ミリ秒又は39948ミリ秒の間に確変領域蓋72を通過すればよい。上述したように、下大入賞口から確変領域蓋72までの経路の距離はあるが、下大入賞口及び確変領域蓋72の開放期間が十分に長いため、遊技球は、下大入賞口を通過して確変領域を通過し得る。したがって、大当り種別が「第2大当り(確変1)」でラウンド数が「9」の場合、又は大当り種別が「第3大当り(確変2)」でラウンド数が「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のいずれかの場合には、遊技球が確変領域を通過し得るため、確変状態に成り得る。
図30は、下大入賞口の開閉期間と、確変領域蓋72の開閉期間と、上大入賞口の開閉期間とを示すタイミングチャートである。大当り種別が「第1大当り(非確変)」の場合には、図12のステップS355の処理において、下大入賞口の開放パターンテーブルとして大入賞口開放パターンテーブル1が決定され、上大入賞口の開放パターンテーブルとして大入賞口開放パターンテーブル2が決定される。また、大当り種別が「第1大当り(非確変)」の場合には、図24のステップS434の処理において、確変領域制御パターンテーブル1が決定される。ここで、上述したように、下大入賞口から確変領域蓋72までの経路の距離があるため、下大入賞口や確変領域蓋72の開放期間が短すぎる場合、遊技球は、確変領域を通過し得ない。したがって、大当り種別が「第1大当り(非確変)」の場合には、図30(A)に示すように、10ラウンドのラウンド遊技のうち、実質は「2」、「4」、「6」、「8」、「10」ラウンドの5ラウンド分の出玉しか得られない。
また、大当り種別が「第2大当り(確変1)」の場合には、図12のステップS355の処理において、「1」、「3」、「5」、「7」ラウンド目のときに下大入賞口の開放パターンテーブルとして大入賞口開放パターンテーブル1が決定され、「9」ラウンド目のときに下大入賞口の開放パターンテーブルとして大入賞口開放パターンテーブル2が決定され、「2」、「4」、「6」ラウンド目のときに上大入賞口の開放パターンテーブルとして大入賞口開放パターンテーブル2が決定され、「8」、「10」ラウンド目のときに上大入賞口の開放パターンテーブルとして大入賞口開放パターンテーブル1が決定される。また、大当り種別が「第2大当り(確変1)」の場合には、図24のステップS434の処理において、「1」、「3」、「5」、「7」ラウンド目のときに確変領域制御パターンテーブル1が決定されて、「9」ラウンド目のときに確変領域制御パターンテーブル2が決定される。ここで、上述したように、下大入賞口から確変領域蓋72までの経路の距離があるため、下大入賞口や確変領域蓋72の開放期間が短すぎる場合、遊技球は、確変領域を通過し得ない。また、下大入賞口と同様に、上大入賞口の開放期間が短すぎる場合にも、遊技球は、上大入賞口を通過し得ない。したがって、大当り種別が「第2大当り(確変1)」の場合には、図30(B)に示すように、10ラウンドのラウンド遊技のうち、実質は「2」、「4」、「6」、「9」ラウンドの4ラウンド分の出玉しか得られず、「9」ラウンド目に遊技球が確変領域を通過し得る状態に制御される。
大当り種別が「第2大当り(確変2)」の場合には、図12のステップS355の処理において、下大入賞口及び上大入賞口の開放パターンテーブルとして大入賞口開放パターンテーブル2が決定される。また、大当り種別が「第3大当り(確変2)」の場合には、図24のステップS434の処理において、確変領域制御パターンテーブル3が決定される。ここで、上述したように、下大入賞口や確変領域蓋72の開放期間が十分に長い場合、遊技球は、下大入賞口を通過して確変領域を通過し得る。したがって、大当り種別が「第3大当り(確変2)」の場合には、図30(C)に示すように、10ラウンド全てにおいて出玉が得られると共に、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」ラウンド目に遊技球が確変領域を通過し得る状態に制御される。
このように、上記の構成においては、遊技領域(例えば、遊技領域2等)に設けられた始動領域(例えば、普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B等)を遊技媒体(例えば、遊技球等)が通過したことに基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄等)の可変表示を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)であって、遊技媒体が進入可能な第1状態(例えば、開放状態等)と、遊技媒体が進入不可能又は困難な第2状態(例えば、閉鎖状態等)とに変化する第1可変入賞手段(例えば、下特別可変入賞球装置7B等)と、遊技媒体が進入可能な第1状態(例えば、開放状態等)と、遊技媒体が進入不可能又は困難な第2状態(例えば、閉鎖状態等)とに変化する第2可変入賞手段(例えば、上特別可変入賞球装置7A等)と、前記識別情報の可変表示の表示結果として特定表示結果(例えば、大当り等)が導出されたときに、前記第1可変入賞手段又は前記第2可変入賞手段を、第1状態に少なくとも1回変化させるラウンド遊技を複数回行う特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態等)に制御する特定遊技状態制御手段(例えば、ステップS114〜S117の処理を実行するCPU103等)と、前記特定遊技状態において、前記第1可変入賞手段に設けられた特定領域(例えば、確変領域等)を遊技媒体が通過したことに基づいて、通常状態よりも前記特定表示結果となり易い特別遊技状態(例えば、確変状態等)に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、ステップS417、S382〜S383の処理を実行するCPU103等)と、前記第1可変入賞手段に設けられ、前記特定遊技状態において遊技媒体が前記特定領域を通過可能な非規制状態(例えば、開放状態等)と、遊技媒体が前記特定領域を通過不可能又は困難な規制状態(例えば、閉鎖状態等)とに変化する規制手段(例えば、確変領域蓋72等)とを備え、前記規制手段は、前記第1可変入賞手段が第1状態に変化するラウンド遊技が特定回数目(例えば、トータルのラウンド遊技の回数、又は下特別可変入賞球装置7Bが変化するラウンド遊技の回数が特定回数目)のラウンド遊技である場合に前記非規制状態に変化することを特徴とする。
このような構成によっては、入賞した後の興趣を高めることができる。
また、上記の構成においては、遊技領域(例えば、遊技領域2等)に設けられた始動領域(例えば、普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B等)を遊技媒体(例えば、遊技球等)が通過したことに基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄等)の可変表示を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)であって、遊技媒体が進入可能な第1状態(例えば、開放状態等)と、遊技媒体が進入不可能又は困難な第2状態(例えば、閉鎖状態等)とに変化する第1可変入賞手段(例えば、下特別可変入賞球装置7B等)と、遊技媒体が進入可能な第1状態(例えば、開放状態等)と、遊技媒体が進入不可能又は困難な第2状態(例えば、閉鎖状態等)とに変化する第2可変入賞手段(例えば、上特別可変入賞球装置7A等)と、前記識別情報の可変表示の表示結果として特定表示結果(例えば、大当り等)が導出されたときに、前記第1可変入賞手段又は前記第2可変入賞手段を、第1状態に少なくとも1回変化させるラウンド遊技を複数回行う特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態等)に制御する特定遊技状態制御手段(例えば、ステップS114〜S117の処理を実行するCPU103等)と、前記特定遊技状態において、前記第1可変入賞手段に設けられた特定領域(例えば、確変領域等)を遊技媒体が通過したことに基づいて、通常状態よりも前記特定表示結果となり易い特別遊技状態(例えば、確変状態等)に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、ステップS417、S382〜S383の処理を実行するCPU103等)と、前記第1可変入賞手段に設けられ、前記特定遊技状態において遊技媒体が前記特定領域を通過可能な非規制状態(例えば、開放状態等)と、遊技媒体が前記特定領域を通過不可能又は困難な規制状態(例えば、閉鎖状態等)とに変化する規制手段(例えば、確変領域蓋72等)とを備え、前記特定遊技状態は、複数種類(例えば、第1大当り(非確変)、第2大当り(確変1)、第3大当り(確変2)等)あって、前記規制手段は、特定遊技状態の種類に応じて異なる態様(例えば、異なるラウンド、異なる開放期間、異なる開放タイミング等)で前記非規制状態に変化することを特徴とする。
このような構成によっては、入賞した後の興趣を高めることができる。
また、上記の構成においては、前記第1可変入賞手段への遊技媒体の進入を検知する進入検知手段(例えば、下大入賞口スイッチ22B等)と、前記第1可変入賞手段に進入した遊技媒体の排出を検知する排出検知手段(例えば、確変領域スイッチ24A、第2排出スイッチ24B等)と、前記規制手段を、動作パターンに基づいて変化させる制御を行う規制制御手段(例えば、ステップS17の処理を実行するCPU103等)とを更に備え、前記規制制御手段は、前記進入検知手段による検知と、前記排出検知手段による検知とに応じて、一の前記ラウンド遊技で開始された一の前記動作パターンに基づく制御を終了し、次の前記動作パターンに基づく制御を行う(例えば、ステップS410、S440〜S444、S328〜S329の処理を実行するCPU103等)。
このような構成によっては、第1可変入賞手段に入賞した遊技媒体の詰まりや、不正行為が疑われる状況下において、動作パターンが終了せずに、次の動作パターンが実行されてしまうことを防止することができる。
また、上記の構成においては、前記規制制御手段は、一の前記ラウンド遊技において、前記進入検知手段によって検知された遊技媒体の数が所定数に達し、かつ、前記進入検知手段によって検知された遊技媒体の数と前記排出検知手段によって検知された遊技媒体の数とが一致する場合に、前記動作パターンに基づく制御を終了する(例えば、ステップS341〜S349、S431〜S444の処理を実行するCPU103等)。
このような構成によっては、第1可変入賞手段に入賞した遊技媒体の詰まりや、不正行為が疑われる状況下において、動作パターンが終了せずに、次の動作パターンが実行されてしまうことを防止することができる。
また、上記の構成においては、前記規制制御手段は、一の前記ラウンド遊技において、前記第1可変入賞手段が第1状態に変化した後の経過時間が所定時間に達し、且つ、前記進入検知手段によって検知された遊技媒体の数と前記排出検知手段によって検知された遊技媒体の数とが一致する場合に、前記動作パターンに基づく制御を終了する(例えば、ステップS342〜S349、S431〜S444の処理を実行するCPU103等)。
このような構成によっては、第1可変入賞手段に入賞した遊技媒体の詰まりや、不正行為が疑われる状況下において、動作パターンが終了せずに、次の動作パターンが実行されてしまうことを防止することができる。
また、上記の構成においては、前記第2可変入賞手段は、前記規制制御手段が前記規制手段を制御しているときであっても、第1状態に変化する(例えば、ステップS321〜S331の処理をCPU103が実行することによって変化する上特別可変入賞球装置7A等)。
このような構成によっては、大当りが冗長にならず、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上記の構成においては、前記特別遊技状態制御手段は、前記特定領域を遊技媒体が通過したか否かを判定する通過判定手段(例えば、ステップS415の処理を実行するCPU103等)を有し、前記通過判定手段は、一の前記ラウンド遊技が開始されたときに前記特定領域を遊技媒体が通過したか否かの判定を開始し、次のラウンド遊技が開始された後にも、当該判定を継続して実行可能である(例えば、遊技制御用タイマ割込み処理として、ステップS15、S17を実行するCPU103等)。
このような構成によっては、特定遊技状態を、速やかに消化することができる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1においては、上記実施の形態において示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態において説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記の実施の形態においては、確変領域への誘導路73に確変領域スイッチ24Aを設け、確変領域を通過せず排出経路に誘導する誘導路74に第2排出スイッチ24Bを設ける例を示した。しかしながら、これは、一例である。他の実施の形態としては、誘導路73及び誘導路74の下流側において、排出経路が合流するようにして、誘導路74に第2排出スイッチ24Bを設けずに、この排出経路に第2排出スイッチを設けるようにしてもよい。更に他の実施の形態としては、誘導路73及び誘導路74の下流側において、排出経路が合流するようにして、誘導路74に第2排出スイッチ24Bを設けずに、この排出経路に第2排出スイッチを設けると共に、誘導路73に確変領域スイッチ24Aを設けずに、誘導路74に非確変領域スイッチを設けるようにしてもよい。
上記の実施の形態においては、大入賞口開放パターンテーブルの時間データとして、開放時間を示すデータのみが定義されている例を示した。しかしながら、これは、一例である。他の実施の形態としては、大入賞口開放パターンテーブルには、時間データとして、開放時間を示すデータと、閉鎖時間を示すデータとが交互に定義されていてもよい。
上記の実施の形態においては、ステップS341の処理において、入賞個数カウント値が所定の最大入賞判定値に達したか否かを判定する例を示した。しかしながら、これは、一例である。他の実施の形態としては、入賞個数カウント値が、開放する入賞口が下大入賞口であるか上大入賞口であるかに応じてそれぞれ設定された所定の最大入賞判定値に達したか否かを判定するようにしてもよい。
上記の実施の形態においては、確変領域制御パターンが大当り種別とラウンド数に応じて、複数の確変制御パターンテーブルのうち、いずれかのテーブルが割り当てられている例を示した。しかしながら、これは、一例である。他の実施の形態としては、複数の制御パターンテーブルが大当り種別にのみ応じて割り当てられていてもよいし、ラウンド数のみに応じて割り当てられていてもよい。即ち、確変領域蓋72は、大当り種別のみに応じて制御されてもよいし、ラウンド数のみに応じて制御されてもよい。
上記の実施の形態においては、上大入賞口を開放するラウンドと、下大入賞口を開放するラウンドとを通しでカウントしたラウンドカウント値における、上大入賞口を開放するラウンドカウント値に応じて、確変領域制御パターンが割り当てられている例を示した。しかしながら、これは、一例である。他の実施の形態としては、上大入賞口を開放するラウンドをカウントせずに、下大入賞口を開放するラウンドのみをカウントしたラウンドカウント値に応じて、確変領域制御パターンが割り当てられてられていてもよい。
上記の実施の形態においては、複数の確変領域制御パターンテーブル1〜3の中から、確変領域制御パターンテーブルを決定する例を示した。しかしながら、これは、一例である。他の実施の形態としては、図26の確変領域制御パターンテーブル2のように、短すぎる開放期間の後に、所定の時間を置いて、十分な開放期間があるようなパターンの確変領域制御パターンテーブルを1つだけ用意しておき、下大入賞口の開放パターンとの組み合わせによって、遊技球が確変領域を通過し得る状態と、通過し得ない状態とを実現するようにしてもよい。即ち、確変領域蓋72が確変領域制御パターンテーブル2の動作パターンによって常に制御される場合には、当該テーブルの4が示す開閉時間データ「開放時間2(35986ミリ秒)」に基づいた確変領域蓋72の制御が開始されるよりも前に下大入賞口を閉鎖状態に制御することによって、遊技球が確変領域を通過し得ない状態を実現することができ、当該テーブルの4が示す開閉時間データ「開放時間2(35986ミリ秒)」に基づいた確変領域蓋72の制御が開始されてから、遊技球が確変領域に到達するのに必要な時間が経過するまでは下大入賞口を閉鎖状態に制御しないことによって、遊技球が確変領域を通過し得る状態を実現することができる。
上記の実施の形態においては、複数の確変領域制御パターンテーブル1〜3のいずれにおいても、確変領域蓋72が開放状態になる例を示した。しかしながら、これは、一例である。他の実施の形態としては、確変領域蓋72が開放状態にならないパターンのテーブルが用意されていてもよい。
上記の実施の形態においては、下特別可変入賞球装置7Bに入賞した遊技球の数と、下特別可変入賞球装置7Bから排出された遊技球の数とが一致しない場合に、エラーを報知する例を示した。しかしながら、これは、一例である。他の実施の形態としては、上特別可変入賞球装置7Aに入賞した遊技球の数と、上特別可変入賞球装置7Aから排出された遊技球の数とが一致しない場合にも、エラーを報知するようにしてもよい。
上記の実施の形態においては、下大入賞口から確変領域蓋72までの経路の距離があるため、下大入賞口や確変領域蓋72の開放期間が短すぎる場合、遊技球が確変領域を通過し得ない例を示した。しかしながら、これは、一例である。他の実施の形態としては、下大入賞口から確変領域蓋72までの経路の距離と、下大入賞口や確変領域蓋72の開放期間との設計によって、遊技球が確変領域を通過し難いようにしてもよい。
上記の実施の形態においては、図8の特図表示結果決定テーブル130において、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に、当選確率が約1/400となるように、特図表示結果用の乱数値MR1と比較される数値が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている例を示した。しかしながら、これは、一例である。他の実施の形態としては、図8の特図表示結果決定テーブル130において、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は時短状態であることに応じて、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられる特図表示結果用の乱数値MR1と比較される数値が、当選確率が約1/199となるように割り当てられてもよい。
上記実施の形態においては、変動時間、及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドにおいては擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドにおいてはリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは、2つのコマンドの組み合わせから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方においては、2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知するようにしてもよい。その場合、それぞれのタイミングにおいて実行される具体的な変動態様については、演出制御マイクロコンピュータの方において選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合には、同一のタイマ割込内において2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドによって示される変動態様は、この例に限定されるわけではない。また、送信する順序は、適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることによっては、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートによって示した処理等を実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作、更には遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えば、パチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布、提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことによって配布される形態を採っても構わない。更に、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態は、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。更には、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。