以下の説明においては、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤と、遊技盤を支持固定する遊技機用枠3とから構成されている。遊技盤には、ガイドレールによって囲まれた、略円形状の遊技領域2が形成されている。この遊技領域2には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤の所定位置には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bは、それぞれ、例えば、7セグメントやドットマトリクスのLED(Light Emitting Diode)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄が、変動可能に表示される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bは、それぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば、7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組み合わせを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下においては、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤における遊技領域2の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域においては、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば、3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示は、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいては、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときには、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域においては、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、又は第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、例えば、特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば、微少な揺れや伸縮等を生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮等も生じさせず、所定時間よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示すること等が含まれてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリアが配置されてもよい。始動入賞記憶表示エリアにおいては、可変表示の保留数を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていること等により、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに発生する。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件が成立したときには、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件が成立したときには、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算される。第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリアと共に、又は始動入賞記憶表示エリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例においては、始動入賞記憶表示エリアと共に、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bは、それぞれ、例えば、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値に対応した個数のLEDを含んで構成されている。
遊技盤の盤面上に形成された遊技領域2には、画像表示装置5の天辺よりも左側の左遊技領域2Aと、右側の右遊技領域2Bとがある。第1遊技領域である左遊技領域2Aと、第2遊技領域である右遊技領域2Bは、例えば、遊技領域2の内部における画像表示装置5の端面や釘の配列PL等により区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域2に打ち込まれた遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された場合に、例えば、釘の配列PLに沿って誘導されることにより、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導不可能又は誘導困難となる。
左遊技領域2Aには、普通入賞球装置6Aが設けられている。例えば、普通入賞球装置6Aは、画像表示装置5の中央下方に設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。このように、左遊技領域2Aには、常時、遊技球が進入可能な第1始動入賞口を形成する普通入賞球装置6Aが設けられている。
右遊技領域2Bには、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって、垂直位置となる閉鎖状態と、傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bにおいては、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bにおいては、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入し難いように構成してもよい。このように、右遊技領域2Bには、第2始動入賞口を遊技球が通過可能な第1可変状態と、遊技球が通過不可能又は通過困難な第2可変状態とに変化可能な普通可変入賞球装置6Bが設けられている。
左遊技領域2Aや右遊技領域2Bにおける普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6B等の配置により、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された遊技球は、第2遊技領域である右遊技領域2Bに設けられた普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過したりすることが不可能又は困難である。加えて、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導された遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aに設けられた普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過することが不可能又は困難である。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値以下である場合には、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下である場合には、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通可変入賞球装置6Bの下方には、2つの特別可変入賞球装置が設けられている。上特別可変入賞球装置7Aは、図2に示す上大入賞口扉用のソレノイド82Aによって開閉駆動される上大入賞口扉を備え、その上大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する上大入賞口を形成する。一例として、上特別可変入賞球装置7Aにおいては、上大入賞口扉用のソレノイド82Aがオフ状態であるときに上大入賞口扉が上大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、上特別可変入賞球装置7Aにおいては、上大入賞口扉用のソレノイド82Aがオン状態であるときに上大入賞口扉が上大入賞口を開放状態にする。上特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口に進入した遊技球は、例えば、図2に示す上大入賞口スイッチ23Aによって検出される。なお、この実施の形態においては、上大入賞口と下大入賞口は同様の扉型の形状となっているが、2つの大入賞口の形状が異なっていてもよい。例えば、いずれか一方は、普通可変入賞球装置6Bのように閉鎖状態と開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物としてもよいし、遊技領域2に収納された状態から突出した状態に変化するような入賞口としてもよい。
下特別可変入賞球装置7Bは、図2に示す下大入賞口扉用のソレノイド82Bによって開閉駆動される下大入賞口扉を備え、その下大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する下大入賞口を形成する。一例として、下特別可変入賞球装置7Bにおいては、下大入賞口扉用のソレノイド82Bがオフ状態であるときに下大入賞口扉が下大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、下特別可変入賞球装置7Bにおいては、下大入賞口扉用のソレノイド82Bがオン状態であるときに下大入賞口扉が下大入賞口を開放状態にする。下特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口に進入した遊技球は、例えば、図2に示す下大入賞口スイッチ23Bによって検出される。
上特別可変入賞球装置7Aが形成する上大入賞口や、下特別可変入賞球装置7Bが形成する下大入賞口を遊技球が通過することによって、多数の遊技球が賞球として払い出される。即ち、上特別可変入賞球装置7Aは、上大入賞口扉により上大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態となる。下特別可変入賞球装置7Bは、下大入賞口扉により下大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、上特別可変入賞球装置7Aは、上大入賞口扉により上大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態となる。下特別可変入賞球装置7Bは、下大入賞口扉により下大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態となる。なお、遊技球が上大入賞口や下大入賞口を通過できない閉鎖状態に代えて、又は閉鎖状態の他には、遊技球が上大入賞口や下大入賞口を通過し難い一部開放状態を設けてもよい。
上特別可変入賞球装置7Aの内部には、上大入賞口扉により開放状態となった上大入賞口に進入した遊技球が上特別可変入賞球装置7Aから排出される排出経路が設けられている。上特別可変入賞球装置7Aから排出される遊技球は、排出経路に設置された第1排出スイッチ24Cによって検出される。
下特別可変入賞球装置7Bの内部には、下大入賞口扉により開放状態となった下大入賞口に進入した遊技球が、所定の確変領域を通過して、又は通過せずに、下特別可変入賞球装置7Bから排出される排出経路まで誘導する誘導経路が設けられている。下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球は、まず、入賞した遊技球を検出するための下大入賞口スイッチ23Bが設けられた経路を通過した後、確変領域への誘導路と、確変領域を通過せず排出経路に誘導する誘導路とへの分岐点に誘導される。分岐点に誘導された遊技球が確変領域への誘導路を流下すると、この遊技球が確変領域スイッチ24Aによって検出されることによって、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立する。即ち、確変領域スイッチ24Aの設置個所を確変領域とし、この確変領域を遊技球が通過したことに基づいては、所定の確変制御条件を成立させることができる。確変領域は、下特別可変入賞球装置7Bの内部にあるので、下特別可変入賞球装置7Bに入賞した遊技球のみが通過可能である。
確変領域は、確変領域蓋用のソレノイド82Cによって駆動される確変領域蓋によって、遊技球が通過可能な開放状態と、通過不可能な閉鎖状態とに変化する。一例として、確変領域蓋用のソレノイド82Cがオフ状態であるときには、確変領域蓋が確変領域を塞ぐ位置に移動し、確変領域を閉鎖状態にする。その一方で、確変領域蓋用のソレノイド82Cがオン状態であるときには、確変領域蓋が確変領域を塞がない位置に移動し、確変領域を開放状態にする。確変領域が閉鎖状態にあるときに分岐点に到達した遊技球は、確変領域を通過せず、そのまま下特別可変入賞球装置7Bから排出される。この場合、遊技球は、共通排出経路に設置された第2排出スイッチ24Bによって検出される。一方、確変領域が開放状態にあるときに分岐点に到達した遊技球は、確変領域を通過し、確変領域に設置された確変領域スイッチ24Aによって検出される。そして、確変領域を通過した遊技球は、下特別可変入賞球装置7Bから排出される。下特別可変入賞球装置7Bに入賞した遊技球が確変領域を通過することによって、確変領域スイッチ24Aが確変領域を通過した遊技球を検出したことに基づいて、確変状態に制御される。このため、遊技球が下特別可変入賞球装置7Bに入賞する割合、及び確変領域蓋が許容位置にある時間の長さとそのタイミングを調整することによって、確変状態に制御する割合を好適に設定することができる。
本実施の形態においては、下特別可変入賞球装置7Bの内部のうち、少なくとも確変領域の周辺は遊技者に視認可能となるように構成されている。このため、下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球が確変領域を通過したか否かは、遊技者にとって確認が可能である。
遊技盤の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車、及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口としては、例えば、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域2の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられている。更に、遊技領域2の周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域2における各構造物の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域2に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドルが設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリングが設けられていればよい。遊技領域2の下方における所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持する上皿が設けられている。例えば、上皿の上面における手前側の所定位置には、押下操作等により遊技者が操作可能な操作ボタン30が設置されている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1においては、左遊技領域2Aにおいて普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過すると、その遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたこと等により第1始動条件が成立する。その後は、例えば、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
右遊技領域2Bにおいて普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過する場合には、その遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたこと等により第2始動条件が成立する。その後は、例えば、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。但し、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難又は通過不可能である。
本実施の形態においては、確変状態とは異なる通常遊技状態においては、普通可変入賞球装置6Bは第2可変状態であるので、第2始動入賞口を遊技球が通過困難又は通過不可能である。よって、第2特図を用いた特図ゲームは、開始されない。そこで、未だ確変状態に制御されない通常遊技状態においては、遊技者は遊技球を左遊技領域2Aへと誘導して、第1始動入賞口への入賞に基づく第1特図を用いた特図ゲームの開始と、該特図ゲームの「大当り」を目指すこととなる。第1特図を用いた特図ゲームの結果「大当り」の可変表示結果が導出されたことに基づく大当り遊技状態においては、特定のラウンドにて下特別可変入賞球装置7Bに遊技球が進入し、更に、確変領域を通過することが可能となる。確変領域を遊技球が通過した場合には、確変確定フラグがセットされ、確変状態に制御される特別遊技状態への移行が確定する。その後、大当り遊技状態が終了した場合には、確変状態に制御され、普通可変入賞球装置6Bが第1可変状態に変化して、第2始動入賞口を遊技球が通過可能となる。本実施形態においては、第2特図ゲームは第1特図ゲームよりも有利である。そのため、遊技者は、遊技球を右遊技領域2Aへと誘導して、第2始動入賞口への入賞に基づく第2特図を用いた特図ゲームの開始と、該特図ゲームの「大当り」を目指すこととなる。このような構成によれば、遊技状態に応じて変化する多様な遊技体験を遊技者に提供できる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合によって、変動パターンの決定等が行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば、変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおいては、特別図柄とは異なる飾り図柄の可変表示が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。即ち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例としては、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態においては、上大入賞口又は下大入賞口が開放状態となって上特別可変入賞球装置7A又は下特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間、又は所定個数の遊技球が上大入賞口又は下大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にては、上大入賞口又は下大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間においては、上大入賞口や下大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難又は発生不可能となる。上大入賞口に遊技球が進入したときには、上大入賞口スイッチ23Aにより入賞球が検出され、その検出毎に所定個数の遊技球が賞球として払い出される。下大入賞口に遊技球が進入したときには、下大入賞口スイッチ23Bにより入賞球が検出され、同様に所定個数の遊技球が払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数に達するまで繰り返し実行される。したがって、大当り遊技状態においては、遊技者が多数の賞球を極めて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。本実施の形態においては、下大入賞口から下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球の確変領域への通過を、確変領域スイッチ24Aが検出することが確変制御条件となる。この確変状態は、所定回数の可変表示が実行されるまで継続するように制御される。即ち、所定回数の可変表示の終了は、確変終了条件である。
確変状態においては、通常状態においては第2可変状態にある普通可変入賞球装置6Bを、第2始動入賞口を遊技球が通過可能な第1可変状態と、不可能な第2可変状態とに変化させる。このように、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、電チュー開放制御と称される。本実施形態においては、遊技球が第2始動入賞口を通過したことに基づき開始される第2特図ゲームが、通常状態においても通過可能な第1始動入賞口を通過したことに基づき開始される第1特図ゲームよりも遊技者にとって有利である。そのため、電チュー開放制御が実行される確変状態は、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、確変状態にて確変制御が行われるときには、電チュー開放制御が行われない場合があってもよい。例えば、可変表示結果が「大当り」となる場合には、大当り遊技状態にて上大入賞口や下大入賞口が開放状態となる上限時間が短く、遊技球が通過困難又は通過不可能なラウンド遊技が実行され、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御される場合がある。このような場合は、大当り種別が「突確」であるとも称される。そして、電チュー開放制御が行われていないときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となり確変制御が行われるものの、電チュー開放制御が行われないようにしてもよい。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば、数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。または、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1において再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払い出しや得点の付与に限定されず、例えば、大当り遊技状態に制御することや、確変状態等の特別遊技状態に制御すること、大当りとなった場合により有利な大当り遊技状態が選択される割合が第2割合よりも高い第1割合となること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数よりも多い第1ラウンド数となること、確変状態における大当り確率が第2確率よりも高い第1確率となることといった、遊技者にとって有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
この実施の形態においては、大当り種別にかかわらず、特定遊技状態にて10回のラウンド遊技が実行される。このうち、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「1」、「3」、「5」、「7」及び「9」となったときに、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて下特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「1」、「3」、「5」、「7」及び「9」以外であるときには、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて上特別可変入賞球装置7Aが遊技者にとって有利な第1状態となる。1回目と3回目と5回目と7回目と9回目に実行されるラウンド遊技においては、下特別可変入賞球装置7Bが第1状態となり下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球が確変領域を通過し得るため、これらのラウンド遊技は、確変開放ラウンド遊技ともいう。これに対し、ラウンド遊技は、2、4、6、8、10回目の上特別可変入賞球装置7Aが第1状態となるラウンド遊技を、通常開放ラウンド遊技ともいう。また、一つのラウンド遊技が実行される期間を1ラウンドとして、一の「大当り」に基づいて実行される大当り遊技状態には、複数回のラウンドが含まれる。このうち、第1と第3と第5と第7と第9回目に実行される下特別可変入賞球装置7Bが開放状態となるラウンドは、下開放ラウンドと表現する。第2と第4と第6と第8と第10回目に実行される上特別可変入賞装置7Aが開放状態となるラウンドは、上開放ラウンドと表現する。即ち、可変表示結果が「大当り」であった場合に、その「大当り」に基づいて制御される大当り遊技状態においては、下大入賞口扉の作動時間が設けられたラウンド遊技と、上大入賞口扉の作動時間が設けられたラウンド遊技とを含む複数回のラウンド遊技を実行する。
本実施の形態においては、可変表示結果が「大当り」であった場合の大当り種別として、その「大当り」に基づき制御される大当り遊技状態において、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「1」、「3」、「5」、「7」及び「9」であるときに、下大入賞口を開放状態とする上限時間が異なる複数種類の大当り種別がある。一例として、大当り種別が「第1大当り」の場合には、下大入賞口を開放状態とする上限時間が52ミリ秒に設定された「第1大当り遊技状態」に制御される。大当り種別が「第3大当り」の場合には、下大入賞口を開放状態とする上限時間が第1大当りよりも長い時間に設定された大当り遊技状態に制御される。第1大当り遊技状態においては、開放状態となる制御時間が52ミリ秒と短いため、遊技球が実際に下大入賞口に入賞して下特別可変入賞球装置7Bに進入できる割合は低い。したがって、大当り種別が「第1大当り」の場合には、下大入賞口を遊技球が通過する可能性が低く、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立し難い。一方、第3大当り遊技状態においては、約29秒間開放されるので、下特別可変入賞球装置7Bが設置された右遊技領域2Bに遊技球が誘導されれば高い割合で遊技球が下特別可変入賞球装置7Bに進入できる。よって、大当り遊技状態の終了後には、確変状態となるための確変制御条件が成立し易い。
また、この実施形態においては、可変表示結果が「大当り」であった場合の大当り種別として、その「大当り」に基づき制御される大当り遊技状態において、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「1」、「3」、「5」、「7」及び「9」以外であるときに、上大入賞口を開放状態とする上限時間が異なる複数種類の大当り種別がある。「第2大当り」の可変表示結果導出された場合は、第1又は第3大当りと比して、その大当りに基づいて実行される大当り遊技状態において払い出される賞球の数が少ないが、その終了後に確変状態に制御される割合は「第3大当り」と同様に「第1大当り」よりも高い。具体的には、第2大当りの第8と第10の上開放ラウンドにおいては、上大入賞口を開放状態とする時間が52ミリ秒と短く、上大入賞口への遊技球が通過する可能性が低く、賞球の払い出し条件が成立しないからである。一方、第9の下開放ラウンドにおいては、下大入賞口を開放状態とする上限時間が約29秒と第1大当りよりも長いため、第2大当りは第3大当りと同様に確変制御条件が成立し易い。
大当り種別を複数種類のいずれとするかは、例えば、特図ゲームの開始時に可変表示結果を「大当り」とする決定が成されたことに対応して、所定割合で決定される。下特別可変入賞球装置7Bに遊技球が進入すると、所定個の遊技球が払い出されるにとどまらず、確変領域蓋の位置によって、確変領域を遊技球が通過し可変表示結果が「大当り」となる確率が非確変状態よりも高い確変状態に制御される。よって、第3大当り遊技状態は、第1大当り遊技状態よりも遊技者にとって有利である。また、第3大当り遊技状態は、上開放ラウンドにおける賞球の払い出しが多いという観点では第2大当り遊技状態より遊技者にとって有利である。第1大当りと第2大当りでは、賞球の払い出しという観点では第1大当りが、確変制御条件の成立という観点では第2大当りが有利である。
パチンコ遊技機1には、例えば、図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間において伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15等も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤等の背面には、例えば、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板等といった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12等から成るサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等を備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED等の点灯、消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111等が搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81、上大入賞口扉用のソレノイド82A、下大入賞口扉用のソレノイド82B、確変領域蓋用のソレノイド82Cに伝送する。本実施形態においては、ソレノイド回路111が各ソレノイドに駆動信号を伝達するか否かは、遊技制御フラグ設定部に記憶されたソレノイド出力データテーブルの値に応じて決定される。具体的には、図20に示すように、ソレノイド出力データテーブルの各ビットがそれぞれ複数のソレノイドに制御信号を伝達するか否かを示すフラグとして用いられる。フラグがセット状態である場合には、対応するソレノイド駆動用の制御信号が伝達可能である。一方、クリア状態である場合には、駆動用の制御信号は伝達されない。このため、ソレノイド出力データテーブルを更新することによって、普通電動役物や上大入賞口扉、下大入賞口扉、確変領域蓋等を駆動制御するか否かを遊技の進行に応じて好適に切り替えることができる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9や装飾用LED等における点灯、消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路等が搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、遊技効果ランプ9や節電中報知LED等における点灯、消灯駆動を行うランプドライバ回路等が搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ、大入賞口スイッチ、確変領域スイッチ24A、第2排出スイッチ24Bといった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えば、センサと称されるもの等のように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B等の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば、電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LED、更には節電中報知LEDの点灯動作等を制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100においては、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105等は外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100においては、CPU103がROM101に格納されているプログラムに従って制御を実行する。したがって、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100が実行するということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100においては、例えば、乱数回路104等により、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104等のハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することによってソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が不定期的に格納値を更新することによって、乱数値の更新は、行われるようにしてもよい。
この実施の形態においては、主基板11の側において、図3に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるためには、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄等の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。
図4は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態においては、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合等に対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
なお、飾り図柄の可変表示態様は、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組み合わせの一部を構成しているときに、未だ停止表示されていない飾り図柄については変動が継続している表示状態、あるいは全部又は一部の飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態となることによって、「リーチ」になる。具体的な一例としては、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部においては予め定められた大当り組み合わせを構成する飾り図柄が停止表示されているときに、未だ停止表示されていない残りの飾り図柄表示エリアにおいては飾り図柄が変動している状態、あるいは「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部又は一部において飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。また、リーチ状態となったことに対応しては、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化は、リーチ演出表示という。こうした「リーチ」にはならない飾り図柄の可変表示態様は、「非リーチ」という。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ユーザプログラムを示す制御コードや固定データ等が記憶されている。また、ROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータ等が格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブル等を構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータ等が記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。即ち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態、即ち、遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとは、遊技の進行状態を示すデータと定義する。こうしたRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御するために用いられる各種のデータが記憶される。
一例として、RAM102には、図5に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図5に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過したものの未だ開始されていない特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データ等を保留データとして、その記憶数が所定の上限値に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果に基づき所定の遊技価値が付与されるか否か等を判定可能にする保留記憶情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過したものの未だ開始されていない特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データ等を保留データとして、その記憶数が所定の上限値に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果に基づき所定の遊技価値が付与されるか否か等を判定可能にする保留記憶情報となる。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態又はオフ状態を示すデータが記憶される。例えば、本実施形態においては、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のソレノイドのそれぞれに対応して、ソレノイドの制御フラグを配置したソレノイド出力データテーブルを記憶するための領域が確保されている。また、遊技制御フラグ設定部152には、遊技球を検出する複数種類のスイッチのそれぞれに対応して、検出結果に応じて更新されるスイッチオンバッファや、検出結果が異常であるか否かを検出するために用いられる異常入賞確認テーブルを記憶するための領域が確保されている。遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部又は全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理等を実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12においては、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線等が接続されている。更に、演出制御基板12には、操作ボタン30に対する遊技者の指示操作を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、操作検出ユニット31から伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12においては、例えば、乱数回路124等により、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブル等が格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータ等が記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令等に基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切り換えタイミングを決定すること等により、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路等が搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、又はより一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば、書き換え不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリ等の書き換え可能な半導体メモリであってもよく、又は磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば、主基板11等から伝送された演出制御コマンドや、操作検出ユニット31から伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令、ランプ制御基板14へと伝送される指令等が出力される。
音声制御基板13には、例えば、入出力ドライバや音声合成用IC(Integrated Circuit)、音声データROM、増幅回路、ボリューム等が搭載されている。一例として、音声制御基板13においては、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームによって設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されている。音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出しては、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータ等から構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば、入出力ドライバやランプドライバが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14においては、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9や装飾用LED、更には節電中報知LED等に供給する。
次に、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の動作を説明する。
主基板11においては、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定においては、例えば、RAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(Counter Timer Circuit)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間毎にCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は、定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後には、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理においては、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図6のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図6に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介して各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。ステップS11においては、スイッチオンバッファのうち、上大入賞口スイッチがオン状態である場合には対応するビットが「1」にセットされると共に、下大入賞口スイッチがオン状態である場合には対応するビットが「1」にセットされる。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することによって、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。ステップS12において実行される処理には、入賞報知処理が含まれる。入賞報知処理においては、下大入賞口スイッチ23Aと上大入賞口スイッチ23Bとのいずれかオン状態となり下又は上大入賞口への遊技球の進入を検出した場合に、該検出が現在の遊技進行上正常であるか否かを判定し、異常な検出であったときには異常のエラー処理が実行される。この後には、所定の情報出力処理を実行することにより、例えば、パチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いては、主基板11の側において用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理においては、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、上特別可変入賞球装置7A、下特別可変入賞球装置7Bにおける大入賞口の開閉動作設定等を、所定の手順によって行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、CPU103は、確変領域蓋の位置と、確変領域の有効、無効とを制御するための確変領域ソレノイド制御処理を実行する(ステップS16A)。確変領域ソレノイド制御処理においては、CPU103は、大当り遊技状態にてRAM102の所定領域に設定された確変領域ソレノイド制御コードの値が「1」にセットされたことに基づいて、確変領域蓋の開閉制御と、確変領域の有効無効の切り替え制御が実行される。例えば、確変領域蓋の開閉、及び確変領域の有効無効の切り替えは、確変ソレノイドパターンテーブルに基づいて実行する。確変ソレノイドパターンテーブルは、確変領域蓋の開閉状態を切り替えるタイミングと、確変領域の有効無効を切り替えるタイミングとが、ラウンド遊技におけるラウンド開始からの経過時間と対応付けて記憶されたテーブルであればよい。または、下大入賞口の開閉と連鎖して、下大入賞口が開放状態である場合には、確変領域も開放状態となり、且つ、確変領域を有効とする、としてもよい。一方、下大入賞口が閉鎖状態である場合には、確変領域も閉鎖状態となり、且つ、確変領域を無効とする、としてもよい。確変領域ソレノイド制御処理においては、ROM101に記憶された複数の確変ソレノイドパターンテーブルから、大当り種別と実行されるラウンド遊技のラウンド数に応じて使用パターンを選択する。そして、選択した使用パターンに基づいては、RAM102の所定領域に設定された確変領域検出有効フラグを更新する。また、読み取ったソレノイド出力指定データの値に応じて、RAM102の所定領域に設定された確変領域ソレノイドバッファを更新することによって、ソレノイド出力指定データに応じて確変領域蓋用のソレノイド82Cのオン、オフを制御する。即ち、確変領域蓋の位置は、制御される。なお、確変領域ソレノイドバッファは、確変領域蓋用のソレノイド82Cにオン、オフを指定する制御信号を出力するための出力バッファであり、このバッファに格納された値に応じて、図6のコマンド制御処理において確変領域蓋用のソレノイド82Cに制御信号が出力される。
確変領域ソレノイド制御処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理においては、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすること等により、コマンド送信テーブルにおいての設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図7は、特別図柄プロセス処理として、図6のステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
図8は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンである場合には(ステップS201;YES)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;NO)、例えば、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;NO)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;YES)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンである場合には(ステップS204;YES)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;NO)、例えば、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じて、特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1保留記憶数カウント値を1加算する。一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることによって記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが第1特図保留記憶部151Aにセットされる。一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが第2特図保留記憶部151Bにセットされる。なお、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データは、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過したときに抽出されるものに限定されず、第1特図や第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときに抽出されるようにしてもよい。
ステップS210の処理に続いては、始動入賞時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。第1始動口入賞指定コマンドは、遊技球が第1始動入賞口を通過したことにより第1始動条件が成立したことを指定する演出制御コマンドである。第2始動口入賞指定コマンドは、遊技球が第2始動入賞口を通過したことにより第2始動条件が成立したことを指定する演出制御コマンドである。また、演出制御基板12に対しては、合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われてもよい。こうして設定された始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドは、例えば、特別図柄プロセス処理が終了した後、図6に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されること等により、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、始動入賞判定処理を終了する。
図7に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理においては、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無等に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理においては、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定する。更に、特別図柄通常処理においては、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄が設定される。特別図柄通常処理においては、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果等に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理等が含まれている。図4に示すように、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することによって、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。または、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することによって、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。また、この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果等に基づいて、大当りフラグをセットする処理が更に含まれる。更に、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理等が含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定等が行われ、大当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと等に基づき、大当り遊技状態において大当り種別に応じたラウンド遊技の実行を開始して上大入賞口又は下大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理等が含まれている。本実施の形態においては、この大当り開放前処理には、開始されるラウンド遊技が下大入賞口を開放状態とする確変開放ラウンドであるか否かを判定し、確変開放ラウンドである場合には、確変領域蓋の位置制御の開始と、確変領域の有効、無効の制御の開始とを支持する共通の制御データとして、確変領域ソレノイド制御コードを1に設定する処理が更に含まれる。また、開放される大入賞口に応じては、ソレノイド出力データテーブルを更新する処理も更に含まれる。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、上大入賞口又は下大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や上大入賞口スイッチ23A又は下大入賞口スイッチ23Bによって検出された遊技球の個数等に基づいて、上大入賞口又は下大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。この大当り開放中処理においては、確変開放ラウンドにおいて、下大入賞口検出処理が更に実行される。なお、下大入賞口検出処理は、下特別可変入賞球装置7Bに入賞した遊技球の数と、下特別可変入賞球装置7Bから排出された遊技球の数とに基づいて下特別可変入賞球装置7B内の遊技球を計数する処理、遊技球の確変領域への通過を検出したか否かを判定する処理、確変領域が有効なときに確変領域の通過を検出した場合に確変確定フラグをセットする処理を含む。そして、上大入賞口又は下大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。この実施の形態においては、ラウンド遊技を終了する際に、上大入賞口と下大入賞口とのいずれを閉鎖状態とする場合においても、上大入賞口を閉鎖状態とする処理と、下大入賞口を閉鎖状態とする処理とを共に実行する。このため、閉鎖する処理の対象となるのが上大入賞口と下大入賞口とのいずれかであるかを判定する処理は、不要となる。また、使用する大入賞口の数を減らす場合でも、増やす場合でも、閉鎖状態とする処理を削除又は追加するだけでよいので、設計変更は、容易である。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、上大入賞口又は下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理等が含まれている。本実施の形態においては、この大当り開放後処理は、確変開放ラウンドにおいて、上述した下大入賞口検出処理が更に実行される。また、大当り開放後処理には、大入賞口検出処理によって計数された下特別可変入賞球装置7B内の遊技球の数に基づいて、実行中のラウンド後の制御の実行を許容する処理が更に含まれる。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等といった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理等が含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図9は、特別図柄通常処理として、図7のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理においては、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;NO)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば、変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いては、例えば、第2保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリに記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理においては、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;YES)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理においては、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;NO)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば、変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いては、例えば、第1保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリに記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理においては、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理においては、予めROM101の所定領域に記憶する等して用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルにおいては、確変制御が行われる確変状態であるか否か等に応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図10(A)は、ステップS239の処理における決定例を示している。この決定例においては、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。より具体的に、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、確変制御が行われる確変状態であるときには、確変制御が行われない通常状態であるときよりも、特図表示結果が「大当り」になり易く、大当り遊技状態になり易い。即ち、確変制御が行われる確変状態は、確変制御が行われない通常状態よりも遊技者に有利である。
その後には、ステップS239にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;YES)、例えば、遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットして(ステップS241)、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理においては、予めROM101の所定領域に記憶する等して用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルにおいては、変動特図指定バッファ値等に応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図10(B)は、ステップS242の処理における決定例を示している。この決定例においては、開始条件が成立した特図ゲームにて可変表示される特別図柄が、第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。ここで、変動特図指定バッファ値が「1」であるときには、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの開始条件が成立しており、変動特図が第1特図となる。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であるときには、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの開始条件が成立しており、変動特図が第2特図となる。図10(B)に示す決定例においては、変動特図が第1特図であるときに、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」と「第3大当り」とのいずれかに決定される。一方、変動特図が第2特図であるときには、大当り種別が「第3大当り」にのみ決定される。即ち、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」に決定されるのは、変動特図が第1特図のときだけである。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて、異なる大当り種別に決定されてもよい。また、大当り種別が「第3大当り」に決定される割合は、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに高くなる。
この実施の形態においては、大当り種別にかかわらず、10ラウンドのラウンド遊技が実行され、大当り遊技状態における所定の確変開放ラウンドにて下大入賞口を開放状態とする。通常開放ラウンドにおいては、上大入賞口を開放状態とする。ここで、大当り種別が「第2大当り」及び「第3大当り」の場合には、大当り遊技状態における所定の確変開放ラウンドにおいて、大当り種別が「第1大当り」の場合よりも下大入賞口を開放状態とする上限時間が長くなり、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立し易い。図10(B)に示すような決定割合によって大当り種別が決定されることにより、変動特図が第2特図であるときには、第1特図であるときよりも高い割合で、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立する。即ち、第2特図ゲームにおいて特図表示結果が「大当り」となる場合には、第1特図ゲームにおいて特図表示結果が「大当り」となる場合よりも確変制御条件が成立し易い。
本実施の形態においては、大当り種別が「第1大当り」の場合は、下大入賞口を開放する上限時間が52ミリ秒と短いため、下大入賞口に遊技球が進入する割合は非常に低い。そのため、確変制御条件が成立する割合は、非常に低い。一方、「第2大当り」及び「第3」大当りの場合、上限時間が29秒であるため、下大入賞口に遊技球が進入する確率は、高い。よって、確変制御条件が成立する割合は、高い。本実施の形態においては、確変状態において「大当り」となる場合には大当り種別は「第2大当り」又は「第3大当り」が決定されるため、通常遊技状態から確変状態に制御される特別遊技状態となる割合を低くする一方、一旦確変状態に制御された場合には高い割合で「大当り」が続く、といった設定が可能となる。なお、「第2大当り」については、確変制御条件が成立する割合は「第3大当り」と同様に「第1大当り」よりも高いが、第1、3、5、7回目のラウンド遊技において下大入賞口が開放状態となる上限時間が短く、第8、10回目のラウンド遊技において上大入賞口が開放状態となる上限時間が短いので、その「大当り」に基づいて賞球として払い出される球の数は少なくなる。
その仕組みを具体的に説明すると、第1特図を用いた特図ゲームにおいては、可変表示結果が「大当り」となった場合に、所定の割合で第1大当りとなり、その「大当り」に基づいて制御される大当り遊技状態において確変制御条件が成立せず、大当り遊技状態が終了した後には、確変状態に制御されない通常遊技状態に移行する。一方、第1特図を用いた特図ゲームにおいて「第2大当り」又は「第3大当り」となる場合には、その「大当り」に基づいて制御される大当り遊技状態において高い割合で確変制御条件が成立し、大当り遊技状態が終了した後に、確変状態に制御される特別遊技状態に制御される。特別遊技状態においては、普通可変入賞球装置6Bが開放状態に制御され、第2特図を用いた特図ゲームが開始可能となる。第2特図を用いた特図ゲームにおいては、可変表示結果が「大当り」となった場合には必ず「第3大当り」となるため、高確率で大当り終了後に再び確変状態に制御される。このため、確変状態において所定回数の特図ゲームが全て「ハズレ」となり確変終了条件が成立するまでは、「大当り」と確変状態とが連続して続くこととなる。このような構成によれば、通常遊技状態において行われる第1特図ゲームにおいて大当り種別が「第2大当り」又は「第3大当り」の可変表示結果となる割合を下げる一方、一旦「第2大当り」又は「第3大当り」の可変表示結果が導出された後は、連続して確変状態と「大当り」が続く割合が高くなるため、メリハリのある刺激的な遊技体験を提供できる。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。ステップS243の処理においては、例えば、遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファといったRAM102の所定領域に、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することによって、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて「大当り」ではないと判定された場合や(ステップS240;NO)、ステップS243の処理を実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、更には、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS244)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に設定すればよい。この実施の形態においては、大当り種別が「第1大当り」である場合には「5」又は「9」の記号を、「第2大当り」である場合には「3」の記号を、「第3大当り」である場合には「7」の記号を、それぞれ示す特別図柄を確定図柄に設定する。
ステップS244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS245にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;YES)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定においては、例えば、画像表示装置5において所定の演出画像を表示すること等によるデモンストレーション表示を指定する演出制御コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みである場合には、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信である場合には、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図11は、特別図柄停止処理として、図7のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、例えば、遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、オン状態にセットされる。
ステップS261にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS261;NO)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行い(ステップS262)、また、図柄確定時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS263)。例えば、図柄確定コマンドとして予め用意された演出制御コマンドは、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる。更には、特図表示時間として予め定められた一定時間をセットする(ステップS264)。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットした後には(ステップS265)、特別図柄停止処理を終了する。このときには、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに特別図柄停止処理が再び実行される。
ステップS261にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS261;YES)、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS266)。このときには、特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS266;NO)、特別図柄停止処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに特別図柄停止処理が再び実行され、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS266にて特図確定表示時間が経過した場合には(ステップS266;YES)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS267)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS268)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS268;YES)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS269)。このときには、大当り開始時におけるコマンドの送信設定が行われ(ステップS270)、また、例えば、遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた大当り開始フラグをオン状態にセットする(ステップS271)。続いては、確変制御を終了するための設定を行う(ステップS272)。例えば、ステップS272の処理としては、遊技制御フラグ設定部152等に設けられた確変フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、確変制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするための確変回数カウンタをクリアする処理等が実行されればよい。
確変回数カウンタは、例えば、遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられ、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる場合に、確変制御が行われる特図ゲームの上限回数等に対応するカウント初期値が設定されればよい。
ステップS272の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“4”に更新してから(ステップS273)、特別図柄停止処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“4”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS114の大当り開放前処理が実行される。
ステップS268にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS268;NO)、特図プロセスフラグの値を“0”に初期化する(ステップS274)。ステップS274の処理を実行した後には、確変制御を終了させるか否かの判定を行う(ステップS275)。一例として、ステップS275の処理においては、確変回数カウンタの格納値である確変回数カウント値が「0」以外であるときに、そのカウント値を1減算する等して更新し、更新後の確変回数カウント値が所定の確変終了判定値と合致するか否かの判定を行う。このとき、確変終了判定値と合致する場合には、所定の確変フラグをクリアすること等により、確変制御を終了すればよい。一方、確変終了判定値と合致しない場合には、確変フラグの状態を維持する等して、ステップS275の処理を終了すればよい。
ステップS275の処理を実行した後には、遊技状態指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS276)、特別図柄停止処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“0”に更新されることにより、次回のタイマ割込み処理が発生したときには、図7に示すステップS110の特別図柄通常処理が実行される。
図12は、大当り開放前処理として、図7のステップS114にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す大当り開放前処理において、CPU103は、まず、大当り開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。大当りフラグは、大当り遊技状態の開始に対応して、図11に示すステップS271の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS291にて大当り開始フラグがオンであるときには(ステップS291;YES)、大当り開始時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS292)。このとき、大当り開始時演出待ち時間が経過していない場合には(ステップS292;NO)、大当り開放前処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生した時に大当り開放前処理が再び実行され、大当り開始時演出待ち時間が経過するまで待機する。
ステップS292にて大当り開始時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS292;YES)、大当り遊技状態における最初のラウンド遊技を開始するための処理として、大当り開始フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS293)、例えば、制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられたラウンドカウンタに、ラウンド遊技の実行回数に対応するカウント初期値として「1」を設定する(ステップS294)。
ステップS291にて大当り開始フラグがオフであるときや(ステップS291;NO)、ステップS294の処理を実行した後には、例えば、RAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファから、図9のステップS245において決定された大当り種別を示す大当り種別バッファ値を読み出し、例えば、遊技制御カウンタ設定部といったRAM102の所定領域に設けられたラウンドカウンタから、今から開始されるラウンド遊技のラウンド数を示すラウンドカウント値を読み出す(ステップS295)。
そして、CPU103は、ステップS295において読み出した大当り種別バッファ値とラウンドカウント値とに基づいて、開始されるラウンド遊技において開放状態とする大入賞口を、上特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口、又は下特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口のいずれかに決定する(ステップS296)。図14に示すように、ラウンドカウント値が「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のいずれかであるときには、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。一方、ラウンドカウント値が「2」、「4」、「6」、「8」、「10」のいずれかであるときには、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。したがって、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「1」、「3」、「5」、「7」、「9」となったときには、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行され、下特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。
CPU103は、ステップS296の処理により開放する大入賞口を決定することにあわせて、遊技球を有効に検出するための検出有効スイッチを設定してもよい。例えば、ラウンドカウント値が「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のいずれかであるときには、下大入賞口が開放状態となることにあわせて、下大入賞口スイッチ23Bによる遊技球の検出を有効にする。一方、ラウンドカウント値が「2」、「4」、「6」、「8」、「10」のいずれかであるときには、上大入賞口が開放状態となることにあわせて、上大入賞口スイッチ23Aによる遊技球の検出を有効にする。
次に、CPU103は、ステップS296において決定した開放する大入賞口が下大入賞口であるか否かを判定し(ステップS297)、下大入賞口である場合には(ステップS297;YES)、RAM102の所定領域に設定された確変領域ソレノイド制御コードの値が“0”であるか否かを判定し(ステップS298)、確変領域ソレノイド制御コードの値が“0”である場合には(ステップS298;YES)、確変領域ソレノイド制御コードの値を図23の確変領域制御パターン設定処理に対応した値である“1”に設定する(S299)。なお、確変領域ソレノイド制御コードは、確変領域ソレノイド制御領域にて確変領域ソレノイドを用いた確変領域蓋の位置制御を指定する制御フラグであり、確変領域蓋の位置制御が行われていないときには“0”にセットされ、確変領域蓋の位置制御を開始するときには“1”にセットされる。ステップS298において確変領域ソレノイド制御コードの値が“0”でないと判定した場合には(ステップS298:NO)、大当り開放前処理を終了する。したがって、このような処理によれば、下大入賞口を開放することに決定されたとしても、確変領域ソレノイド制御コードの値が“0”でない場合、即ち、前回の下大入賞口を開放するラウンドに対応する確変領域蓋の制御を行っている場合には、下大入賞口を開放するラウンドが開始されないようにすることができる。
ステップS297において、決定した開放する大入賞口が下大入賞口でないと判定するか(ステップS297;NO)、ステップS299の処理を終了した場合には、大入賞口開放パターンテーブル決定処理を実行する(ステップS300)。このような処理によれば、上大入賞口を開放することに決定された場合、確変領域ソレノイド制御コードの値を参照しないので、確変領域蓋の制御が行われているか否かにかかわらず、上大入賞口を開放するラウンドを開始することができる。
図13は、図12のステップS300における大入賞口開放パターンテーブル決定処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す大入賞口開放パターンテーブル決定処理において、CPU103は、大当り種別を特定し(ステップS351)、ラウンドカウント値を特定する(ステップS352)。
続いて、CPU103は、ステップS351の処理にて特定した大当り種別と、ステップS352の処理にて特定したラウンドカウント値とに応じて、ソレノイド出力データを指定する。具体的には、図14に示すように、大当り種別とラウンドカウント値とに応じて開放する大入賞口が定められているため、CPU103は、開放する大入賞口ソレノイドに対応するソレノイド出力データを指定する。ソレノイド出力データD3は、上大入賞口ソレノイドを示している。ソレノイド出力データD1は、下大入賞口ソレノイドを示している。ソレノイド出力データD2は、第2始動口ソレノイドを示している。その値が「1」である場合には、開放を示している。「0」である場合には、閉鎖を示している。ステップS353の処理においては、例えば、ステップS351の処理にて特定した大当りが「第1大当り(非確変)」であり、ステップS352の処理にて特定したラウンドカウント値が「1」である場合、下大入賞口が開放されることから、ソレノイド出力データD1を指定する。
ステップS353の処理を実行した後には、大入賞口開放パターン指定テーブルをセットし(ステップS354)、大入賞口開放パターンテーブルを決定して(ステップS355)、大入賞口パターンテーブル決定処理を終了する。
図14は、ステップS354の処理にてセットされる大入賞口開放パターン指定テーブルの一例を示す図である。図14に示す大入賞口開放パターン指定テーブル140においては、大当り種別とラウンド数に応じて、大入賞口開放パターンテーブル1、2のいずれかが割り当てられている。大入賞口開放パターンテーブルは、大入賞口の開閉パターンが定められたテーブルである。大入賞口開放パターン指定テーブル140においては、例えば、ステップS351の処理にて特定した大当り種別が「第1大当り(非確変)」である場合、ラウンド数が「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の間は、大入賞口開放パターンテーブル1に示される開閉パターンに従って下大入賞口を開閉制御し、ラウンド数が「2」、「4」、「6」、「8」、「10」の間は、大入賞口開放パターンテーブル2に示される開閉パターンに従って上大入賞口を開閉制御することを示している。また、ステップS351の処理にて特定した大当り種別が「第2大当り(確変1)」である場合には、ラウンド数が「1」、「3」、「5」、「7」の間は、大入賞口開放パターンテーブル1に示される開閉パターンに従って下大入賞口を開閉制御し、ラウンド数が「2」、「4」、「6」の間は、大入賞口開放パターンテーブル2に示される開閉パターンに従って上大入賞口を開閉制御し、ラウンド数が「9」の間は、大入賞口開放パターンテーブル2に示される開閉パターンに従って下大入賞口を開閉制御し、ラウンド数が「7」、「9」の間は、大入賞口パターンテーブル1に示される開閉パターンに従って上大入賞口を開閉制御することを示している。
図15(A)、(B)は、図13のステップS355の処理において決定される大入賞口開放パターンテーブルの構成例を示す図である。図示するように、大入賞口開放パターンテーブルには、大入賞口を開閉制御する時間が設定されている。なお、終了コードは、閉鎖制御することを示すと共に、当該ラウンド遊技の終了を示している。図13のステップS355の処理においては、決定された大入賞口開放パターンテーブルの1が示す開放時間データが大入賞口開放前ワークテーブルにタイマ値としてセットされる。
図12に戻り、ステップS300の処理を実行した後には、ソレノイド制御処理を実行する(ステップS301)。
ステップS301の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を大当り開放中処理に対応した値である“5”に更新する(ステップS302)。
ステップS302の処理を実行した後、CPU103は、上大入賞口を閉鎖状態にしてから下大入賞口を開放状態にするまでのインターバル時間や、下大入賞口を閉鎖状態にしてから上大入賞口を開放状態にするまでのインターバル時間を設定するインターバル時間設定処理を実行する(ステップS303)。
図16は、図12のステップS303におけるインターバル時間設定処理の一例を示すフローチャートである。図16に示すインターバル時間設定処理において、CPU103は、まず、大入賞口開放前ワークテーブルから、図12のステップS355においてセットされた開放時間データT1を示すタイマ値を読み出す(ステップS121)。
ステップS121の処理を実行した後、CPU103は、例えば、RAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファから、図9のステップS245において決定された大当り種別を示す大当り種別バッファ値を読み出す(ステップS122)。
ステップS122の処理を実行した後、CPU103は、例えば、遊技制御カウンタ設定部といったRAM102の所定領域に設けられたラウンドカウンタから、今から開始されるラウンド遊技の次に開始されるラウンド遊技のラウンド数を示すラウンドカウント値を読み出す(ステップS123)。
ステップS123の処理を実行した後、CPU103は、図14に示すような大入賞口開放パターン指定テーブル140をセットする(ステップS124)。
ステップS124の処理を実行した後、CPU103は、図14に示すような大入賞口開放パターン指定テーブル140を参照して、ステップS122にて読み出した大当り種別バッファ値と、ステップS123にて読み出したラウンドカウント値とに基づいて、図15に示すような複数の大入賞開放パターンテーブルのうち、参照すべき大入賞口開放パターンテーブルを決定する。そして、CPU103は、決定した大入賞口開放パターンテーブルの1が示す開放時間データT2を読み出す(ステップS125)。
ステップS121にて読み出した開放時間データT1が52ミリ秒であって(ステップS126;YES)、ステップS125にて読み出した開放時間データT2が52ミリ秒である場合(ステップS127;YES)、CPU103は、ラウンド終了時からの経過時間を計時するために、RAM102の所定領域に設定されたインターバルタイマに、インターバル時間「200ミリ秒」に対応する値を設定し(ステップS130)、インターバル時間設定処理を終了する。
一方、ステップS121にて読み出された開放時間データT1が29秒であって(ステップS126;NO)、ステップS125にて読み出された開放時間データT2が29秒である場合(ステップS128;NO)、CPU103は、ラウンド終了時からの経過時間を計時するために、RAM102の所定領域に設定されたインターバルタイマに、インターバル時間「100ミリ秒」に対応する値を設定し(ステップS131)、インターバル時間設定処理を終了する。
一方、ステップS121にて読み出された開放時間データT1が52ミリ秒であって(ステップS126;YES)、ステップS125にて読み出された開放時間データT2が29秒である場合(ステップS128;NO)、開始するラウンドが下大入賞口を開放するラウンドであれば(ステップS129;YES)、CPU103は、ラウンド終了時からの経過時間を計時するために、RAM102の所定領域に設定されたインターバルタイマに、インターバル時間「200ミリ秒」に対応する値を設定し(ステップS130)、インターバル時間設定処理を終了する。
一方、ステップS121にて読み出された開放時間データT1が52ミリ秒であって(ステップS126;YES)、ステップS125にて読み出された開放時間データT2が29秒である場合(ステップS128;NO)、開始するラウンドが下大入賞口を開放するラウンドでなければ(ステップS129;NO)、CPU103は、ラウンド終了時からの経過時間を計時するために、RAM102の所定領域に設定されたインターバルタイマに、インターバル時間「100ミリ秒」に対応する値を設定し(ステップS131)、インターバル時間設定処理を終了する。
一方、ステップS121にて読み出された開放時間データT1が29秒であって(ステップS126;NO)、ステップS125にて読み出された開放時間データT2が52ミリ秒である場合(ステップS128;YES)、開始するラウンドが下大入賞口を開放するラウンドであれば(ステップS129;YES)、CPU103は、ラウンド終了時からの経過時間を計時するために、RAM102の所定領域に設定されたインターバルタイマに、インターバル時間「200ミリ秒」に対応する値を設定し(ステップS130)、インターバル時間設定処理を終了する。
一方、ステップS121にて読み出された開放時間データT1が29秒であって(ステップS126;NO)、ステップS125にて読み出された開放時間データT2が52ミリ秒である場合(ステップS128;YES)、開始するラウンドが下大入賞口を開放するラウンドでなければ(ステップS129;NO)、CPU103は、ラウンド終了時からの経過時間を計時するために、RAM102の所定領域に設定されたインターバルタイマに、インターバル時間「100ミリ秒」に対応する値を設定し(ステップS131)、インターバル時間設定処理を終了する。
図12に戻り、ステップS334の処理を実行した後、CPU103は、大当り開放前処理を終了する。
図17は、大当り開放中処理として、図7のステップS115にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す大当り開放中処理において、CPU103は、まず、入賞個数カウント値が所定の最大入賞判定値に達したか否かを判定する(ステップS341)。ステップS341にて最大入賞判定値に達していないときには(ステップS341;NO)、大入賞口開放前ワークテーブルに終了コードがセットされているか否かを判定する(ステップS342)。終了コードがセットされていないと判定した場合には(ステップS342;NO)、電動役物開放パターン処理を実行する(ステップS343)。電動役物開放パターン処理は、図13のステップS355の処理において決定された大入賞口開放パターンテーブルにより示される開閉パターンに従って、上大入賞口又は下大入賞口を開閉制御する処理である。
図17におけるステップS343の処理を実行した後には、カウントスイッチから伝送される検出信号をチェックすること等により、カウントスイッチがオンであるか否かを判定する(ステップS344)。例えば、ステップS344の処理においては、上大入賞口と下大入賞口のうち、開閉制御が行われている大入賞口のカウントスイッチから伝送される検出信号をチェックする。そして、カウントスイッチがオフである場合には(ステップS344;NO)、大当り開放中処理を終了する。これに対して、カウントスイッチがオンであるときには(ステップS344;YES)、入賞個数カウント値を1加算するように更新してから(ステップS345)、大当り開放中処理を終了する。
ステップS341にて入賞個数カウント値が最大入賞判定値に達した場合には(ステップS341;YES)、例えば、開閉制御が行われている大入賞口に対応するソレノイドの駆動を停止して大入賞口を閉鎖状態とする設定を行う(ステップS346)。例えば、開閉制御が行われている大入賞口が上大入賞口である場合には、上大入賞口扉用ソレノイド82Aの駆動を停止して上大入賞口を閉鎖状態とする設定を行う。
ステップS346の処理を実行した後、又はステップS342の処理にて終了コードがセットされていると判定した場合には(ステップS342;YES)、ラウンド終了コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS347)。
次に、CPU103は、ラウンドカウント値に基づいて、終了するラウンドが下大入賞口を開放するラウンドであるか否かを判定する(ステップS348)。そして、下大入賞口を開放するラウンドであると判定した場合には(ステップS348;YES)、確変領域ソレノイド制御コードの値を確変領域制御実行処理に対応した値である“3”に設定する(ステップS349)。
ステップS350の処理を実行した後、又はステップS348の処理にて下大入賞口を開放するラウンドでないと判定した場合には(ステップS348;NO)、特図プロセスフラグの値を大当り開放後処理に対応した値である“6”に更新してから(ステップS352)、大当り開放中処理を終了する。
図18は、大当り開放後処理として、図7のステップS116にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す大当り開放後処理において、CPU103は、まず、インターバルタイマ値が1減算されるように更新する(ステップS361)。このときには、更新後のインターバルタイマ値が「0」となったか否かを判定する(ステップS362)。そして、インターバルタイマ値が「0」以外である場合には(ステップS362;NO)、大当り開放後処理を終了する。
ステップS362にてインターバルタイマ値が「0」であるときには(ステップS362;YES)、ラウンドカウント値が「10」となったか否かを判定する(ステップS363)。そして、ラウンドカウント値が「10」以外であれば(ステップS363;NO)、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS364)、大当り開放後処理を終了する。こうして、ステップS363の処理によりラウンドカウント値が「10」であると判定されるまでは、図7のステップS115〜S116の処理を繰り返し実行することにより、大当り遊技状態にて大入賞口を開放状態とする複数回のラウンドを実行させることができる。
ステップS363にてラウンドカウント値が「10」であると判定したときには(ステップS363;YES)、大当り終了時演出待ち時間を設定する(ステップS365)。このときには、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする。続いて、CPU103は、大当り終了コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS366)。その後には、特図プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である“7”に更新してから(ステップS367)、大当り開放後処理を終了する。なお、CPU103は、時短状態の継続回数をカウントして、大当り終了コマンドのEXTデータ等により特定可能とし、演出制御基板12に対して時短状態の継続回数を通知するようにしてもよい。
図19は、大当り終了処理として、図7のステップS117にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS381)。一例として、図18に示す大当り開放後処理におけるステップS365の処理においては、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS381の処理においては、例えば、遊技制御プロセスタイマ値を1減算すること等により更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS381にて大当り終了時演出待ち時間が経過していない場合には(ステップS381;NO)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS381にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合(ステップS381;YES)、CPU103は、通過フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS382)。ここで、通過フラグは、確変領域スイッチ24Aが遊技球の確変領域への通過を検出した場合に、オン状態にセットされるフラグである。
ステップS382にて通過フラグがオンであるときには(ステップS382;YES)、確変制御を開始してパチンコ遊技機1における遊技状態を確変状態とするための設定を行う(ステップS383)。一例として、ステップS383の処理においては、確変フラグをオン状態にセットすることに加え、確変状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数等に対応するカウント初期値を、確変回数カウンタに設定する。その後には、通過フラグをリセットしてオフ状態にする(ステップS384)。なお、ステップS383の処理においては、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短制御を開始するための設定が実行されてもよい。
ステップS384の処理を実行した後、又はステップS382の処理にて通過フラグがオンでない場合には(ステップS382;NO)、高ベース制御を開始するための設定を行う(ステップS385)。一例として、ステップS385の処理においては、時短フラグと有利状態フラグがオン状態にセットされると共に、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値が、特図変動回数カウンタにセットされればよい。
ステップS385の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから(ステップS386)、大当り終了処理を終了する。
図20は、ソレノイド出力データテーブルの構成例を示す図である。ソレノイド出力データテーブルは、RAM102の所定領域に設けられ、8ビットの値が格納される。図示するように、8ビットのデータのうち、2ビット目の値は、ソレノイド出力データD1であり、下大入賞口ソレノイドに対応している。また、3ビット目の値は、ソレノイド出力データD2であり、第2始動口ソレノイドに対応している。また、4ビット目の値は、ソレノイド出力データD3であり、上大入賞口ソレノイドに対応している。このように、ソレノイド出力データテーブルにおいては、第2始動口ソレノイドに対応するソレノイド出力データD2がソレノイド出力データD1とD3の間に設定されているため、ノイズ等により本来開放すべき大入賞口ではない大入賞口を開放状態に制御する虞を低減させることができる。各ソレノイドの開閉制御は、このソレノイド出力データテーブルの各ビット値を「0」又は「1」に更新することにより行われる。なお、ソレノイド出力データテーブルにより示される8ビットのデータは、ソレノイド出力ビットと呼ぶ。ソレノイド出力ビットは、初期値として「00000000」が設定されている。
図21は、図12のステップS301の処理にて実行されるソレノイド制御処理の一例を示すフローチャートである。図21のソレノイド制御処理において、CPU103は、まず、駆動対象となるソレノイドを特定する(ステップS191)。具体的には、図12のステップS301にて当該ソレノイド制御処理が実行された場合には、ソレノイド出力データテーブルには、大当り種別とラウンドカウント値とに応じて、図13のステップS353の処理にて上大入賞口ソレノイド又は下大入賞口ソレノイドが指定されているため、当該指定されたソレノイドを駆動対象のソレノイドとして特定する。具体的には、上大入賞口ソレノイドが指定されている場合は、ソレノイド出力データを「00001000」とし、下大入賞口ソレノイドが指定されている場合には、ソレノイド出力データを「00000010」とすることによって、駆動対象のソレノイドを特定する。
ステップS191にて駆動対象となるソレノイドを特定した後には、特定した駆動対象のソレノイドを駆動して(ステップS192)、ソレノイド制御処理を終了する。
図22は、図17のステップS343の処理にて実行される電動役物開放パターン処理の一例を示すフローチャートである。図22の電動役物開放パターン処理において、CPU103は、まず、図13の大入賞口開放パターンテーブル決定処理におけるステップS355の処理にてセットされたタイマ値を「1」減算する(ステップS931)。
ステップS931の処理を実行した後には、ステップS931の処理において減算したタイマ値が「0」であるか否かを判定する(ステップS932)。タイマ値が「0」でない場合には(ステップS932;NO)、電動役物開放パターン処理を終了する。一方、タイマ値が「0」である場合には(ステップS941;YES)、対象となる大入賞口開放パターンテーブルを参照し、現在、大入賞口開放前ワークテーブルにセットされている時間データの次にセットされる時間データを読み出し、大入賞口開放前ワークテーブルにセットする(ステップS933)。例えば、対象となる大入賞口開放パターンテーブルが図15(A)に示す大入賞口開放パターンテーブル1であって、且つ、大入賞口開放パターンテーブル1の先頭の時間データである「大入賞口開放時間1」が大入賞口開放前ワークテーブルにセットされている場合には、図22のステップS932にてタイマ値が「0」であると判定すると、大入賞口開放パターンテーブル1の先頭の時間データの次に設定されている「終了コード」を読み込み、大入賞口開放前ワークテーブルにセットして時間データを更新する。なお、読み込む対象となる時間データは、大入賞口開放前ワークテーブルに時間データがセットされる度にポインタが先頭から順にシフトされることによって特定されればよい。
ステップS933の処理を実行した後には、駆動対象となるソレノイドを開閉制御させるためにソレノイド出力データの切り替えを行う(ステップS934)。具体的には、「00000000」のソレノイド出力データのうち、駆動対象となるソレノイドに対応するビットの値を「1」に切り替える。例えば、駆動対象となるソレノイドが上大入賞口ソレノイドである場合には、ソレノイド出力データD3を「1」に、即ち、「00001000」に切り替える。なお、駆動対象となるソレノイドは、図13のステップS353の処理にて指定されている。したがって、CPU103は、これに従って切り替えを行えばよい。
ステップS934の処理を実行した後には、ソレノイド出力データと開放時間データに従って、上大入賞口、下大入賞口、第2始動入賞口のいずれかの電動役物を開放状態又は閉鎖状態とする電動役物開放制御を行ってから(ステップS935)、電動役物開放パターン処理を終了する。なお、本実施形態においては、大入賞口開放パターンテーブルによって開放状態にする時間がセットされ、タイマ値に応じて開放状態や閉鎖状態に制御される。しかしながら、閉鎖状態から開放状態に駆動する駆動時間や、開放状態から閉鎖状態に駆動する駆動時間は、入賞口の種類に応じて異なるようにしてもよい。
図23は、確変領域ソレノイド制御処理として、図6のステップS16Aにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す確変領域制御処理において、CPU103は、まず、入賞球/排出球検出処理を実行する(ステップS410)。例えば、ステップS410の入賞球/排出球検出処理においては、下大入賞口スイッチ23B、確変領域スイッチ24A、第2排出スイッチ24Bから伝送された検出信号がオン状態となったか否かの判定等が行われる。
ステップS410の入賞球/排出球検出処理を実行した後には、確変領域ソレノイド制御コードの値に応じて、図23に示すステップS420、S430、S440の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS420の確変領域制御通常処理は、確変領域ソレノイド制御コードの値が“0”のときに実行される。この確変領域制御通常処理においては、下特別可変入賞球装置7Bに入賞した遊技球の数と、下特別可変入賞球装置7Bから排出された遊技球の数とが一致するか否かの判定等が行われる。
ステップS430の確変領域制御パターン設定処理は、確変領域ソレノイド制御コードの値が“1”のときに実行される。この確変領域制御パターン設定処理においては、確変領域の制御パターンを設定する処理等が行われる。
ステップS440の確変領域制御実行処理は、確変領域ソレノイド制御コードの値が“2”又は“3”のときに実行される。この確変領域制御処理においては、確変領域を制御する処理等が行われる。
図24は、図23のステップS410にて実行される入賞球/排出球検出処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す入賞球/排出球検出処理において、CPU103は、まず、例えば、下大入賞口スイッチ23Bがオンであるか否かを判定することにより(ステップS411)、下大入賞口スイッチ23Bにより入賞球が検出されたか否かを判定する。
ステップS411にて下大入賞口スイッチ23Bがオンである場合には(ステップS411;YES)、RAM102に設けられた不一致カウンタの格納値であるカウント値を、1加算するように更新する(S412)。
ステップS412の処理を実行した後や、ステップS411にて大入賞口23Bがオンでない場合には(ステップS411;NO)、例えば、確変領域スイッチ24Aがオンであるか否かを判定することにより(ステップS413)、確変領域スイッチ24Aにより排出球が検出されたか否かを判定する。
ステップS413にて確変領域スイッチ24Aがオンである場合には(ステップS413;YES)、RAM102に設けられた不一致カウンタの格納値であるカウント値を、1減算するように更新する(ステップS414)。
ステップS414にて不一致カウンタを更新した後には、RAM102に設けられた通過フラグをオン状態にセットして(ステップS415)、入賞球/排出球検出処理を終了する。
一方、ステップS413にて確変領域スイッチ24Aがオンでない場合には(ステップS413;NO)、例えば、第2排出スイッチ24Bがオンであるか否かを判定することにより(ステップS416)、第2排出スイッチ24Bにより入賞球が検出されたか否かを判定する。
ステップS416にて第2排出スイッチ24Bがオンである場合には(ステップS416;YES)、RAM102に設けられた不一致カウンタの格納値であるカウント値を、1減算するように更新して(ステップS417)、入賞球/排出球検出処理を終了する。
一方、ステップS416にて第2排出スイッチ24Bがオンでない場合には(ステップS416;NO)、入賞球/排出球検出処理を終了する。
なお、これらの処理は、遊技制御用タイマ割込み処理として、ステップS15の特図プロセス処理にて実行される図12のステップS301の処理とは無関係に実行されるため、次のラウンド遊技が開始された後にも、継続して実行される。
図25は、図23のステップS420にて実行される確変領域制御通常処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す確変領域制御通常処理において、CPU103は、まず、RAM102に設けられた不一致カウンタの格納値であるカウント値が「0」未満であるか否かを判定する(ステップS421)。ここで、不一致カウンタの格納値であるカウント値が「0」未満である場合には(ステップS421;YES)、下大入賞口スイッチ23Bにて遊技球が検出されなかったことになる。このような場合には、画像表示装置5等によりエラー状態であることを報知するためのエラー報知設定処理を実行する(ステップS422)。
不一致カウンタの格納値であるカウント値が「0」以上である場合や(ステップS421;YES)、ステップS422の処理の後には、確変領域制御通常処理を終了する。
図26は、図23のステップS430にて実行される確変領域制御パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す確変領域制御パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当り種別を特定し(ステップS431)、ラウンドカウント値を特定する(ステップS432)。
ステップS432の処理を実行した後には、確変ソレノイドパターン指定テーブルをセットし(ステップS433)、確変ソレノイドパターンテーブルを決定する(ステップS434)。
図27は、ステップS433の処理にてセットされる確変ソレノイドパターン指定テーブルの一例を示す図である。図27に示す確変ソレノイドパターン指定テーブル150においては、大当り種別とラウンド数に応じて、確変制御パターンテーブル1〜3のいずれかが割り当てられている。
確変制御パターンテーブルは、図28に示すように、確変領域蓋を、開放状態から閉鎖状態へ変化、閉鎖状態から開放状態へ変化、開放状態のまま維持、又は閉鎖状態のまま維持させる動作パターンが定められたテーブルである。
確変ソレノイドパターン指定テーブル150においては、例えば、ステップS431の処理にて特定した大当り種別が「第1大当り(非確変)」である場合、ラウンド数が「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の間は、確変ソレノイドパターンテーブル1に示される開閉パターンに従って確変領域蓋を開閉制御することを示している。また、ステップS431の処理にて特定した大当り種別が「第2大当り(確変1)」である場合、ラウンド数が「1」、「3」、「5」、「7」の間は、確変ソレノイドパターンテーブル1に示される開閉パターンに従って確変領域蓋を開閉制御し、ラウンド数が「9」の間は、確変ソレノイドパターンテーブル2に示される開閉パターンに従って確変領域蓋を開閉制御することを示している。
ステップS434の処理を実行した後には、ステップS434の処理において決定した確変ソレノイドパターンテーブルの1が示すソレノイド出力指定データを、確変領域開閉タイマにセットする(S435)。
ステップS435の処理を実行した後には、RAM102の所定領域に設定された確変領域ソレノイドバッファの値を「2」に設定する(ステップS436)。
ステップS436の処理を実行した後には、確変領域ソレノイド制御コードの値を確変領域制御実行処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS437)、確変領域制御パターン設定処理を終了する。
図29は、図23のステップS440にて実行される確変領域制御実行処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す確変領域制御実行処理において、CPU103は、まず、確変領域ソレノイド制御コードの値が「3」であるか否かを判定する(ステップS441)。例えば、ステップS441の処理においては、RAM102に記憶されている確変領域ソレノイド制御コードの値を読み出し、その読出値が「3」であるか否かを判定すればよい。
ステップS441にて確変領域ソレノイド制御コードの値が「3」であるときには(ステップS441;YES)、RAM102に設けられた不一致カウンタの格納値であるカウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS450)。
ステップS441にて確変制御フラグの値が「3」でない場合(ステップS441;NO)、又はステップS450にて不一致カウンタの格納値であるカウント値が「0」以外である場合には(ステップS450;NO)、図26のステップS435の処理においてセットした確変領域開閉タイマ値が「0」であるか否かを判定する(ステップS442)。タイマ値が「0」でない場合には(ステップS442;NO)、タイマ値を「1」減算する(ステップS443)。
ステップS443の処理を実行した後には、ステップS443の処理において減算したタイマ値が「0」であるか否かを判定する(ステップS444)。タイマ値が「0」でない場合には(ステップS444;NO)、確変領域制御実行処理を終了する。
ステップS442にてタイマ値が「0」である場合(ステップS442;YES)、又はステップS444にてタイマ値が「0」である場合には(ステップS444;YES)、図26のステップS434の処理にて決定された確変制御パターンテーブルから、RAM102の所定領域に設定された確変領域ソレノイドバッファの値が示すソレノイド出力指定データをロードする(ステップS445)。
ステップS445の処理を実行した後には、ステップS445の処理においてロードしたソレノイド出力指定データが終了コードであるか否かを判定する(ステップS446)。
ステップS450にて不一致カウンタの格納値であるカウント値が「0」以外であり(ステップS450;NO)、ステップS446にてソレノイド出力指定データが終了コードである場合には(ステップS446;YES)、下特別可変入賞球装置7B内に遊技球があることとなる。このような場合には、下可変入賞球装置7B内における球詰まり等による排出エラーや、不正行為が行われていることが想定されるので、画像表示装置5等によりエラー状態であることを報知するための設定を行い(ステップS455)、確変領域制御実行処理を終了する。この一連の処理は、ステップS450において、不一致カウンタの格納値であるカウント値が「0」となるまで繰り返される。
ステップS446にてソレノイド出力指定データが終了コードでない場合には(ステップS446;NO)、ステップS445の処理においてロードしたソレノイド出力指定データを、確変領域開閉タイマにセットする(ステップS447)。
ステップS447の処理を実行した後には、RAM102の所定領域に設定された確変領域ソレノイドバッファの値を1加算するように更新する(ステップS448)。
ステップS448の処理を実行した後には、確変領域蓋用のソレノイド82Cのオン、オフを切り替えて(ステップS449)、確変領域制御実行処理を終了する。
ステップS450にて不一致カウンタの格納値であるカウント値が「0」である場合には(ステップS450;YES)、RAM102の所定領域に設定された確変領域開閉タイマをクリアして、その格納値を「0」にする(ステップS451)。
ステップS451の処理を実行した後には、RAM102の所定領域に設定された確変領域ソレノイドバッファをクリアして、そのカウント値を「0」にする(ステップS452)。
ステップS452の処理を実行した後には、確変領域蓋用のソレノイド82Cをオフにする(ステップS453)。
ステップS453の処理を実行した後には、確変領域ソレノイド制御コードをクリアして、その値を確変領域制御通常処理に対応した値である“0”に設定し(ステップS454)、確変領域制御実行処理を終了する。
図30は、確変領域蓋の開閉期間を示すタイミングチャートである。例えば、図26のステップS434の処理において、確変ソレノイドパターンテーブル1が決定された場合、確変領域蓋は、図30(A)に示すように、閉鎖状態において52ミリ秒が経過後、開放状態に変化し、開放状態において52ミリ秒が経過後、閉鎖状態に変化し、閉鎖状態において4000ミリ秒が経過後、開放状態に変化し、開放状態において52ミリ秒が経過後、閉鎖状態において2000ミリ秒が経過後に、開閉動作を終了する。
また、例えば、図26のステップS434の処理において、確変ソレノイドパターンテーブル2が決定された場合、確変領域蓋は、図30(B)に示すように、閉鎖状態において52ミリ秒が経過後、開放状態に変化し、開放状態において52ミリ秒が経過後、閉鎖状態に変化し、閉鎖状態において4000ミリ秒が経過後、開放状態に変化し、開放状態において35896ミリ秒が経過後、閉鎖状態において2000ミリ秒が経過後に、開放状態に変化し、開放状態において52ミリ秒が経過後、閉鎖状態において2000ミリ秒が経過後に、開閉動作を終了する。
また、例えば、図26のステップS434の処理において、確変ソレノイドパターンテーブル3が決定された場合、確変領域蓋は、図30(C)に示すように、閉鎖状態において52ミリ秒が経過後、開放状態に変化し、開放状態において39948ミリ秒が経過後、閉鎖状態において2000ミリ秒が経過後に、開放状態に変化し、開放状態において52ミリ秒が経過後、閉鎖状態において2000ミリ秒が経過後に、開閉動作を終了する。
図31は、下大入賞口の開閉期間と、確変領域蓋の開閉期間とを示すタイミングチャートである。例えば、図13のステップS355の処理において、大入賞口開放パターンテーブル1が決定された場合、下大入賞口は、図31(A)に示すように、開放状態において52ミリ秒が経過後、閉鎖状態に変化する。その後には、下大入賞口が閉鎖状態のまま200ミリ秒が経過した後に、下大入賞口を開放するラウンドが終了する。ここで、下大入賞口を開放する大入賞口開放パターンテーブル1は、大当り種別が「第1大当り(非確変)」でラウンド数が「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のいずれかの場合、又は大当り種別が「第2大当り(確変1)」でラウンド数が「1」、「3」、「5」、「7」のいずれかの場合に決定される。その場合、図26のステップS434の処理においては、確変ソレノイドパターンテーブル1が決定される。上述したように、確変ソレノイドパターンテーブル1が決定された場合、確変領域蓋は、図30(A)に示すように変化する。したがって、このような場合、遊技球が確変領域を通過するには、図31(A)に示すように、下大入賞口が開放している52ミリ秒の間に下大入賞口を通過した後、確変領域蓋が開放している52ミリ秒の間に確変領域蓋を通過しなければならない。しかしながら、下大入賞口の開放期間が短すぎるため、遊技球は、下大入賞口を通過し得ない。また、図2に示すように、下大入賞口から確変領域蓋までの経路の距離があり、確変領域蓋の開放期間が短すぎるため、遊技球は、仮に下大入賞口を通過したとしても、確変領域蓋の位置に到達し得ない。したがって、大当り種別が「第1大当り(非確変)」でラウンド数が「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のいずれかの場合、又は大当り種別が「第2大当り(確変1)」でラウンド数が「1」、「3」、「5」、「7」のいずれかの場合には、遊技球が確変領域を通過し得ないため、確変状態とは成り得ない。
また、例えば、図13のステップS355の処理において、大入賞口開放パターンテーブル2が決定された場合、下大入賞口は、図31(B)又は図31(C)に示すように、開放状態において29000ミリ秒が経過後、閉鎖状態に変化する。その後には、下大入賞口が閉鎖状態のまま200ミリ秒が経過した後に、下大入賞口を開放するラウンドが終了する。ここで、下大入賞口を開放する大入賞口開放パターンテーブル2は、大当り種別が「第2大当り(確変1)」でラウンド数が「9」の場合、又は大当り種別が「第3大当り(確変2)」でラウンド数が「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のいずれかの場合に決定される。その場合、図26のステップS434の処理においては、確変ソレノイドパターンテーブル2又は確変ソレノイドパターンテーブル3が決定される。上述したように、確変ソレノイドパターンテーブル2又は確変ソレノイドパターンテーブル3が決定された場合、確変領域蓋は、図30(B)又は図30(C)に示すように変化する。したがって、このような場合、遊技球が確変領域を通過するには、図31(A)に示すように、下大入賞口が開放している29000ミリ秒の間に下大入賞口を通過した後、確変領域蓋が開放している35896ミリ秒又は39948ミリ秒の間に確変領域蓋を通過すればよい。上述したように、下大入賞口から確変領域蓋までの経路の距離はあるが、下大入賞口及び確変領域蓋の開放期間が十分に長いため、遊技球は、下大入賞口を通過して確変領域を通過し得る。したがって、大当り種別が「第2大当り(確変1)」でラウンド数が「9」の場合、又は大当り種別が「第3大当り(確変2)」でラウンド数が「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のいずれかの場合には、遊技球が確変領域を通過し得るため、確変状態に成り得る。
図32は、下大入賞口の開閉期間と、確変領域蓋の開閉期間と、上大入賞口の開閉期間とを示すタイミングチャートである。大当り種別が「第1大当り(非確変)」の場合には、図13のステップS355の処理において、下大入賞口の開放パターンテーブルとして大入賞口開放パターンテーブル1が決定され、上大入賞口の開放パターンテーブルとして大入賞口開放パターンテーブル2が決定される。また、大当り種別が「第1大当り(非確変)」の場合には、図26のステップS434の処理において、確変ソレノイドパターンテーブル1が決定される。ここで、上述したように、下大入賞口から確変領域蓋までの経路の距離があるため、下大入賞口や確変領域蓋の開放期間が短すぎる場合、遊技球は、確変領域を通過し得ない。したがって、大当り種別が「第1大当り(非確変)」の場合には、図32(A)に示すように、10ラウンドのラウンド遊技のうち、実質は「2」、「4」、「6」、「8」、「10」ラウンドの5ラウンド分の出玉しか得られない。
また、大当り種別が「第2大当り(確変1)」の場合には、図13のステップS355の処理において、「1」、「3」、「5」、「7」ラウンド目のときに下大入賞口の開放パターンテーブルとして大入賞口開放パターンテーブル1が決定され、「9」ラウンド目のときに下大入賞口の開放パターンテーブルとして大入賞口開放パターンテーブル2が決定され、「2」、「4」、「6」ラウンド目のときに上大入賞口の開放パターンテーブルとして大入賞口開放パターンテーブル2が決定され、「8」、「10」ラウンド目のときに上大入賞口の開放パターンテーブルとして大入賞口開放パターンテーブル1が決定される。また、大当り種別が「第2大当り(確変1)」の場合には、図26のステップS434の処理において、「1」、「3」、「5」、「7」ラウンド目のときに確変ソレノイドパターンテーブル1が決定されて、「9」ラウンド目のときに確変ソレノイドパターンテーブル2が決定される。ここで、上述したように、下大入賞口から確変領域蓋までの経路の距離があるため、下大入賞口や確変領域蓋の開放期間が短すぎる場合、遊技球は、確変領域を通過し得ない。また、下大入賞口と同様に、上大入賞口の開放期間が短すぎる場合にも、遊技球は、上大入賞口を通過し得ない。したがって、大当り種別が「第2大当り(確変1)」の場合には、図32(B)に示すように、10ラウンドのラウンド遊技のうち、実質は「2」、「4」、「6」、「9」ラウンドの4ラウンド分の出玉しか得られず、「9」ラウンド目に遊技球が確変領域を通過し得る状態に制御される。
大当り種別が「第2大当り(確変2)」の場合には、図13のステップS355の処理において、下大入賞口及び上大入賞口の開放パターンテーブルとして大入賞口開放パターンテーブル2が決定される。また、大当り種別が「第3大当り(確変2)」の場合には、図26のステップS434の処理において、確変ソレノイドパターンテーブル3が決定される。ここで、上述したように、下大入賞口や確変領域蓋の開放期間が十分に長い場合、遊技球は、下大入賞口を通過して確変領域を通過し得る。したがって、大当り種別が「第3大当り(確変2)」の場合には、図32(C)に示すように、10ラウンド全てにおいて出玉が得られると共に、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」ラウンド目に遊技球が確変領域を通過し得る状態に制御される。
ところで、一般的に、本実施の形態のように、確変領域を遊技球が通過したことに基づいて、所定の確変制御条件を成立させるパチンコ遊技機は、大当り後の遊技状態が確変になるか否かが、確変領域を遊技球が通過するまで不確定である。そのため、このようなパチンコ遊技機は、大当り中の保留内連荘の演出を、確変領域を遊技球が通過したときか、それ以降にしか行うことができない。したがって、下大入賞口の開閉期間と、確変領域蓋の開閉期間とが、図32(B)に示すようなパターンの大当りの場合には、確変領域を遊技球が通過すれば、9ラウンド以降のエンディング期間を含む期間で演出を実行することができる。また、下大入賞口の開閉期間と、確変領域蓋の開閉期間とが、図32(C)に示すようなパターンの大当りの場合には、確変領域を遊技球が通過すれば、1ラウンド目から演出を実行することができる。なお、演出が実行可能な期間が異なるので、例えば、図32(B)に示すようなパターンの大当りであれば、確変領域を遊技球が通過したときにキャラクタが登場して大当り中の保留内連荘の演出を実行するようにし、図32(C)に示すようなパターンの大当りであれば、1ラウンド〜10ラウンドまでのストーリー演出を行ってエンディングで報知する等、演出態様もそれに合った演出で行うようにしてもよい。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12においては、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図33のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図33に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また、演出制御基板12に搭載されたCTCのレジスタ設定等を行う。
その後には、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えば、CTCのレジスタ設定に基づき、所定期間が経過する毎にオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフである場合には(ステップS72;NO)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側においては、所定期間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば、主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば、所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理においては、I/O125に含まれる入力ポートのうちにおいて、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれたコマンドは、例えば、演出制御バッファ設定部に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目と2バイト目を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;YES)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にすると共に(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理においては、例えば、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理においては、例えば、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定、設定等が行われる。
ステップS75の演出制御プロセスに続いては、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部のランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後には、ステップS72の処理に戻る。
図34は、コマンド解析処理として、図33のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図34に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、第1始動口入賞指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS501)。例えば、演出制御基板12の側において受信した演出制御コマンドは演出制御コマンド受信用バッファに格納されており、演出制御用CPU120は、この演出制御コマンド受信用バッファに格納されているコマンドを読み出して内容を確認することにより、受信した演出制御コマンドを特定できればよい。
ステップS501にて第1始動口入賞指定コマンドを受信したと判定されたときには(ステップS501;YES)、第1始動口入賞時に対応した表示更新の設定を行う(ステップS502)。例えば、ステップS502の処理においては、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示エリアにおいて非表示となっている表示部位のうちの1つを、第1始動入賞口を通過した遊技球の検出による第1始動条件の成立に応じて、青色表示に変化させるための表示設定等が行われればよい。
ステップS502にて第1始動口入賞指定コマンドを受信していないと判定されたときには(ステップS501;NO)、第2始動口入賞指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS503)。このとき、第2始動口入賞指定コマンドを受信したと判定された場合には(ステップS503;YES)、第2始動口入賞時に対応した表示更新の設定を行う(ステップS504)。例えば、ステップS504の処理においては、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示エリアにおいて非表示となっている表示部位のうちの1つを、第2始動入賞口を通過した遊技球の検出による第2始動条件の成立に応じて、赤色表示に変化させるための表示設定等が行われればよい。
ステップS502、S504の処理のいずれかを実行した後には、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容を、入賞時判定結果バッファに記憶させる(ステップS505)。例えば、ステップS505の処理においては、主基板11から伝送された第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドのEXTデータを、保留記憶情報として入賞時判定結果バッファにおける空きエントリの先頭にセットすることによって、保留記憶情報が記憶されるようにすればよい。このときには、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドのMODEデータ等に応じた始動口情報も、保留記憶情報に含めて入賞時判定結果バッファ200における空きエントリの先頭にセットされればよい。
ステップS505の処理を実行したときには、判定結果記憶番号最大値を1加算するように更新してから(ステップS506)、コマンド解析処理を終了する。例えば、ステップS506の処理においては、演出制御カウンタ設定部に設けられた判定結果記憶カウンタの格納値である判定結果記憶カウント値を1加算することにより、判定結果記憶番号最大値が1加算されるようにすればよい。判定結果記憶カウンタは、入賞時判定結果バッファにおける保留記憶情報の記憶数をカウントするためのものであり、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドにより通知されて入賞時判定結果バッファに記憶された判定結果と対応付けられた記憶番号の最大値を、判定結果記憶カウント値により特定することができる。
ステップS503にて第2始動口入賞指定コマンドを受信していないと判定されたときには(ステップS503;NO)、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンドといった、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS507)。このときには、変動開始コマンドを受信したと判定されれば(ステップS507;YES)、例えば、演出制御フラグ設定部等に設けられた変動開始コマンド受信フラグをオン状態にセットする(ステップS508)。また、入賞判定結果バッファの記憶内容は、シフトさせる(ステップS509)。例えば、入賞時判定結果バッファにおいては、記憶番号「1」と対応付けて記憶されている保留記憶情報を消去すると共に、記憶番号「1」より下位のエントリに記憶された保留記憶情報を、1エントリずつ上位にシフトする。そして、例えば、判定結果カウント値を1減算すること等により、判定結果記憶番号最大値を1減算するように更新した場合には(ステップS510)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS507にて変動開始コマンドを受信していないと判定されたときには(ステップS507;NO)、主基板11から中継基板15を介して受信した他のコマンドに応じた設定を行ってから(ステップS511)、コマンド解析処理を終了する。
図35は、演出制御プロセス処理として、図33のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド等を受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類等に応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理等を含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。こうした演出制御を行った後には、例えば、図柄変動制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、又は主基板11から伝送される飾り図柄停止コマンドを受信したこと等に対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。図柄変動制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときには、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側において自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したときには、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り開始処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大当り開始処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り開始処理において、演出制御用CPU120は、可変表示時間の終了後、画像表示装置5に大当り遊技状態の発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値は、ラウンド中処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のラウンド中処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このラウンド中処理において、演出制御用CPU120は、ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理に対応した値である“6”に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値は、大当り終了後処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS176のラウンド後処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。このラウンド後処理において、演出制御用CPU120は、ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値は、ラウンド中処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS177の大当り終了後処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。この大当り終了後処理において、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値は、可変表示開始待ち処理に対応した値である“0”に更新する。
図36は、図35のステップS174にて実行される大当り開始処理の詳細を示すフローチャートである。図36に示す大当り開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、大入賞口開放中通知コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS741)。ここで、大入賞口開放中通知コマンドとは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知するコマンドである。
大入賞口開放中通知コマンドを受信していないときには(ステップS741;NO)、演出制御用CPU120は、大当り開始演出を制御するための設定を行って(ステップS742)、大当り開始処理を終了する。一例として、ステップS742の処理においては、プロセスタイマの値を1減算し、プロセスデータnの内容に従って演出装置の制御を実行する。例えば、画像表示装置5においては、大当り表示図柄を表示すると共に、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタ等を表示する演出が実行される。次いで、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切り替えを行い、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータに切り替え、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる。
大入賞口開放中通知コマンドを受信しているときは(ステップS741;YES)、大当り中演出を開始するための設定を行う(ステップS743)。一例として、ステップS743の処理においては、大入賞口開放中通知コマンドの内容に基づいてラウンド中演出を選択し、次いで、ラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択し、プロセスタイマをスタートさせる。
そして、演出プロセスフラグの値は、ラウンド中処理に対応した値である“5”に更新してから(ステップS744)、大当り開始処理を終了する。
図37は、図35のステップS175にて実行されるラウンド中処理の詳細を示すフローチャートである。図37に示すラウンド中処理において、演出制御用CPU120は、まず、大入賞口開放後指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS751)。大入賞口開放後指定コマンドを受信していない場合(ステップS751;NO)、演出制御用CPU120は、ラウンド数に応じたラウンド演出となる演出動作を制御するための設定を行う(ステップS752)。一例として、ステップS752の処理においては、プロセスタイマの値を1減算し、プロセスデータnの内容に従って演出装置の制御を実行する。例えば、画像表示装置5においては、大当り表示図柄を表示すると共に、ラウンド数を示す文字や、その他のキャラクタ等を表示させる演出が実行される。次いで、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切り替えを行い、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータに切り替え、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる。
次いで、演出制御用CPU120は、例えば、主基板11から伝送された大入賞口開放中通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ること等により、大当り種別が「第2大当り」であるか否かを判定する(ステップS753)。
ステップS753にて大当り種別が「第2大当り」でない場合(ステップS753;NO)、演出制御用CPU120は、ラウンド中処理を終了する。
一方、ステップS753にて大当り種別が「第2大当り」である場合(ステップ753;YES)、演出制御用CPU120は、主基板11から確変確定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS754)。ここで、確変確定コマンドとは、確変領域スイッチ24Aがオンとなって、確変状態となることが確定したことを通知するコマンドである。
ステップS754にて確変確定コマンドを受信している場合(ステップS754;YES)、演出制御用CPU120は、入賞演出制御設定を行う(ステップS755)。例えば、演出制御用CPU120は、入賞演出制御設定として、確変領域に遊技球が入賞したことを示す入賞演出を実行する。
次いで、演出制御用CPU120は、ラウンド遊技中に確変領域に遊技球が入賞したことを示す入賞フラグをオン状態にセットする(ステップS756)。
ステップS754にて確変確定コマンドを受信していない場合(ステップS754;NO)、又はステップS756の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、指示演出を開始するための設定が行われているか否かを判定する(ステップS757)。ここで、指示演出とは、下特別可変入賞球装置7Bへの遊技球の発射操作を遊技者に指示する演出である。
ステップS757にて指示演出を開始するための設定(指示演出開始設定)が行われている場合(ステップS757;YES)、演出制御用CPU120は、指示演出制御設定を行う(ステップS758)。例えば、演出制御用CPU120は、指示演出制御設定として、指示演出を実行する。
ステップS757にて指示演出を開始するための設定(指示演出開始設定)が行われていない場合(ステップS757;NO)、又はステップS758の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、報知演出を開始するための設定(報知演出開始設定)が行われているか否かを判定する(ステップS759)。ここで、報知演出とは、遊技球が確変領域を通過したことを報知する演出である。
ステップS759にて報知演出を開始するための設定(報知演出開始設定)が行われている場合(ステップS759;YES)、演出制御用CPU120は、報知演出制御設定を行う。例えば、演出制御用CPU120は、報知演出制御設定として、報知演出を実行する。
ステップS759にて報知演出を開始するための設定(報知演出開始設定)が行われていない場合(ステップS759;NO)、又はステップS759の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ラウンド中処理を終了する。
ステップS751にて大入賞口開放後コマンドを受信している場合(ステップS751;YES)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後コマンドの内容に基づいて、インターバル演出を開始するための設定を行う(ステップS761)。ここで、インターバル演出とは、ラウンド数に応じたインターバル表示を行う演出である。次いで、演出制御用CPU120は、設定したインターバル演出に応じたプロセステーブルを選択し、プロセスタイマをスタートさせる。
次いで、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を、ラウンド後処理に対応した値である“6”に更新し(ステップS762)、ラウンド中処理を終了する。
図38は、図35のステップS176にて実行されるラウンド後処理の詳細を示すフローチャートである。図38に示すラウンド後処理において、演出制御用CPU120は、まず、当り終了指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS771)。ここで、当り終了指定コマンドとは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定するコマンドである。当り終了コマンドを受信していないときは(ステップS771;NO)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中通知コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS772)。
大入賞口開放中通知コマンドを受信していないときは(ステップS772;NO)、演出制御用CPU120は、ラウンド数に応じたインターバル演出となる演出動作を制御するための設定を行う(ステップS773)。一例として、ステップS773の処理においては、プロセスタイマの値を1減算し、プロセスデータnの内容に従って演出装置の制御を実行する。次いで、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切り替えを行い、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータに切り替え、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる。
大入賞口開放中コマンドを受信しているときは(ステップS772;YES)、演出制御用CPU120は、ラウンド数に応じたインターバル演出となる演出動作を終了するための設定を行う(ステップS774)。次いで、演出制御用CPU120は、例えば、主基板11から伝送された大入賞口開放中通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ること等により、大当り種別が「第2大当り」であるか否かを判定する(ステップS775)。このとき、大当り種別が「第2大当り」である場合には(ステップS775;YES)、例えば、主基板11から伝送された大入賞口開放中通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ること等により、次のラウンドが9ラウンドであるか否かを判定する(ステップS776)。
ステップS776にて次のラウンドが9ラウンドである場合(ステップS776;YES)、演出制御用CPU120は、指示演出を開始するための設定(指示演出開始設定)を行う(ステップS777)。一例として、ステップS777の処理においては、指示演出に応じたプロセステーブルを選択し、プロセスタイマをスタートさせる。
一方、ステップS776にて次のラウンドが9ラウンドでない場合(ステップS776;NO)、演出制御用CPU120は、例えば、主基板11から伝送された大入賞口開放中通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ること等により、次のラウンドが10ラウンドであるか否かを判定する(ステップS778)。
ステップS778にて次のラウンドが10ラウンドである場合(ステップS778;YES)、演出制御用CPU120は、入賞フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS779)。
ステップS779にて入賞フラグがオン状態にセットされている場合(ステップS779;YES)、演出制御用CPU120は、報知演出を開始するための設定(報知演出開始設定)を行う(ステップS780)。一例として、ステップS780の処理においては、報知演出に応じたプロセステーブルを選択し、プロセスタイマをスタートさせる。
ステップS775にて大当り種別が「第2大当り」でない場合(ステップS775;NO)、ステップS778にて次のラウンドが10ラウンドでない場合(ステップS778;NO)、又はステップS779にて入賞フラグがオン状態にセットされていない場合(ステップS779;NO)、演出制御用CPU120は、ラウンド数に応じたラウンド演出となる演出動作を開始するための設定を行う(ステップS781)。一例として、ステップS781の処理においては、ラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択し、プロセスタイマをスタートさせる。
ステップS777の処理を実行した後、ステップS780の処理を実行した後、又はステップS781の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値をラウンド中処理に対応した値である“5”に更新し(ステップS782)、ラウンド後処理を終了する。
ステップS771の処理にて当り終了コマンドを受信しているときには(S771;YES)、大当り中演出を終了するための設定を行い(ステップS782)、演出プロセスフラグの値を大当り終了後処理に対応した値である“7”に更新してから(ステップS781)、ラウンド後処理を終了する。
図39は、図38のステップS782にて実行される大当り中演出終了設定処理の一例を示すフローチャートである。図39に示す大当り中演出終了設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、入賞フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS791)。
ステップS791にて入賞フラグがオン状態にセットされている場合(ステップS791;YES)、演出制御用CPU120は、終了時演出Aを開始するための設定を行う(ステップS792)。ここで、終了時演出Aは、例えば、「大当り」の終了後に特別遊技状態に移行することを報知する演出であればよい。一例として、ステップS792の処理においては、終了時演出Aに応じたプロセステーブルを選択し、プロセスタイマをスタートさせる。
ステップS792の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、入賞フラグをクリアして(ステップS793)、大当り中演出終了設定処理を終了する。
ステップS791にて入賞フラグがオン状態にセットされていない場合(ステップS791;NO)、演出制御用CPU120は、終了時演出Bを開始するための設定を行う(ステップS794)。ここで、終了時演出Bは、例えば、「大当り」の終了後に通常遊技状態に移行することを報知する演出であればよい。一例として、ステップS794の処理においては、終了時演出Bに応じたプロセステーブルを選択し、プロセスタイマをスタートさせる。
続いては、大当り遊技状態中における具体的な演出動作について説明する。図40は、大当り種別が「第2大当り」である場合の演出動作例を示す図である。
図40(A)は、第9ラウンドにおける演出の一例を示している。図40(A)に示すように、第9ラウンドにおいては、図37のステップS758において設定された指示演出が実行される。ここでは、「Vを狙え!!」というメッセージを表示して、下特別可変入賞球装置7Bへの遊技球の発射操作を遊技者に指示している。ここで、「V」とは、確変領域を意味する。
その後、第9ラウンド中に確変領域へ遊技球が入賞した場合には、図40(B)に示すように、図37のステップS755において設定された入賞演出が実行される。ここでは、「V入賞!!」というメッセージを表示して、確変領域に遊技球が入賞したことを示している。
第9ラウンド中に確変領域へ遊技球が入賞した場合、その後のラウンド中においては、図40(C)に示すように、図37のステップS760において設定された報知演出が実行される。ここでは、「V」というメッセージを表示して、遊技球が確変領域を通過したことを示している。
第9ラウンド中に確変領域へ遊技球が入賞した場合、大当り遊技状態のラウンドが終了した後のエンディング中においては、図40(C)に示すように、図39のステップS792において開始設定された終了時演出Aが実行される。ここでは、「やったね!」というメッセージと、Vサインをしているキャラクタとを表示して、「大当り」の終了後に特別遊技状態に移行することを示している。
なお、終了時演出は、入賞フラグがオンのときに、大当り種別が「第2大当り」か「第3大当り」かによって、演出態様を異ならせてもよい。具体的には、大当り種別が「第3大当り」では図40(A)に示すような「Vを狙え!!」といった指示演出を実行しないので、終了時演出でも図40(D)に示すような「やったね!」といった何かを獲得したことを示唆する演出よりも、「モード継続!」のような終了時演出を実行することが好ましい。
図41は、上大入賞口や下大入賞口への異常入賞を報知する場合の入賞報知処理の処理例を示すフローチャートである。図41に示す変形例においては、入賞報知処理において、CPU103は、まず、スイッチ処理にてセットされるスイッチオンバッファを読み出す(ステップS151)。次いで、CPU103は、特図プロセスフラグの値を読み出し(ステップS152)、特図プロセスフラグの値が“4”以上となっているか否かを確認する(ステップS153)。
特図プロセスフラグの値が“4”未満であれば(ステップS153;NO)、CPU103は、ステップS151にて読み出したスイッチオンバッファに基づいて、下大入賞口スイッチ23Bがオン状態となっているか否かを確認する(ステップS154)。下大入賞口スイッチ23Bがオン状態となっている場合には(ステップS154;YES)、パチンコ遊技機1への電源投入後に下大入賞口への1回目の異常入賞を既に報知済みであることを示す初回異常報知済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS155)。初回異常報知済フラグがセットされていなければ(ステップS155;NO)、CPU103は、側部の遊技効果ランプ9を点灯する制御を行う(ステップS156)。一方、初回異常報知済フラグがセットされていれば(ステップS155;YES)、CPU103は、上部の遊技効果ランプ9を点灯する制御を行う(ステップS157)。そして、CPU103は、セットされていなければ、初回異常報知済フラグをセットする(ステップS158)。
ステップS154にて下大入賞口スイッチ23Bがオン状態となっていなければ(ステップS154;NO)、CPU103は、ステップS151にて読み出したスイッチオンバッファに基づいて、上大入賞口スイッチ23Aがオン状態となっているか否かを確認する(ステップS159)。上大入賞口スイッチ23Aがオン状態となっていれば(ステップS159;YES)、CPU103は、上部の遊技効果ランプ9を点灯する制御を行う(ステップS160)。
ステップS153にて特図プロセスフラグの値が“4”未満であるということは、図7に示す特図プロセス処理において、特別図柄通常処理〜特別図柄停止処理のいずれかの処理が実行可能な状態となっているということであり、即ち、大当り遊技状態に制御されていない状態であり、上大入賞口又は下大入賞口の制御が行われることのない期間である。それにもかかわらず、ステップS154、S159にて“YES”と判定され上大入賞口又は下大入賞口への入賞が検出されたということは、上大入賞口又は下大入賞口に対して何らかの異常、又は不正が行われている可能性があることを示している。そこで、CPU103は、ステップS153にて特図プロセスフラグの値が“4”未満であった場合に、ステップS154、S159にて上大入賞口スイッチ23A又は下大入賞口スイッチ23Bのオン状態を検出した場合には、上大入賞口又は下大入賞口への異常入賞が発生したと判定し、上部又は側部の遊技効果ランプ9を点灯する制御を行う。
一方、ステップS153にて特図プロセスフラグの値が“4”以上であるということは、図7に示す特図プロセス処理において、大当り開放前処理〜大当り終了処理のいずれかの処理が実行されていることを意味し、即ち、大当り遊技状態に制御され、上大入賞口又は下大入賞口の開放制御が行われ得る期間であり、上大入賞口又は下大入賞口への遊技球の入賞があり得る。そこで、CPU103は、ステップS153にて特図プロセスフラグの値が“4”以上であった場合には(ステップS153;YES)、そのまま入賞報知処理を終了する。
なお、図41においては記載を省略しているが、ステップS156、S157、S159にて遊技効果ランプ9を点灯して異常報知を開始した後には、例えば、所定期間を経過したことに基づいて、異常報知を終了するようにすればよい。この場合には、例えば、異常報知を開始するときにタイマをセットし、そのタイマがタイムアウトしたことに基づいて、遊技効果ランプ9を消灯して異常報知を終了するようにすればよい。また、例えば、異常報知を開始した後には、遊技店員等によってエラー解除ボタン等が押下されたことに基づいて、異常報知を終了するようにしてもよい。
図31に示す変形例によれば、上特別可変入賞球装置7Aへの遊技球の異常入賞を検出した場合と、下特別可変入賞球装置7Bへの遊技球の異常入賞を検出した場合とで、異なる報知態様によって異常入賞を報知する。具体的には、上特別可変入賞球装置7Aへの異常入賞を検出した場合には上部の遊技効果ランプ9を点灯させるのに対して、パチンコ遊技機1への電源投入後に下特別可変入賞球装置7Bへの異常入賞を検出した場合には側部の遊技効果ランプ9を点灯させるため、いずれの特別可変入賞球装置に対して異常入賞が発生したのかを認識可能とすることができる。
また、図41に示す変形例によれば、上特別可変入賞球装置7Aへの異常入賞を検出した場合には上部の遊技効果ランプ9を点灯させる一方で、パチンコ遊技機1への電源投入後に最初に下特別可変入賞球装置7Bへの異常入賞を検出した場合には異なる報知態様によって異常報知するので、例えば、パチンコ遊技機1の工場出荷時等のエラー検査を行う際に、上大入賞口への異常入賞と下大入賞口への異常入賞との両方を同時に発生させても、上大入賞口への異常入賞であるか、下大入賞口への異常入賞であるかを見分けることができると共に、上大入賞口への異常入賞と、下大入賞口への異常入賞とを、それぞれ正常に検出できていることを検査することができる。一方、2回目以降の異常入賞の検出においては、いずれの大入賞口への異常入賞を検出した場合であっても同じ上部の遊技効果ランプ9が点灯するので、遊技店員が異常入賞を発見する場合には上部の遊技効果ランプ9のみを確認すればよく、容易に異常入賞を発見することができる。
このように、上記実施形態の遊技機は、各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)であって、遊技媒体(例えば、遊技球等)が進入容易な第1状態(例えば、29秒間開放される状態等)と、遊技媒体が進入し難い又は進入不能な第2状態(例えば、閉鎖状態や52ミリ秒間開放される状態等)とに変化する可変入賞手段(例えば、下特別可変入賞球装置7B等)と、識別情報の可変表示の表示結果として特定表示結果が導出されたときに、前記可変入賞手段を前記第1状態に変化させる特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態等)に制御する特定遊技状態制御手段(例えば、ステップS114〜S117の処理を実行するCPU103等)と、前記可変入賞手段の前記第1状態への変化に応じて、前記可変入賞手段への遊技媒体の発射操作を遊技者に指示する指示演出を実行する指示演出実行手段(例えば、ステップS758の処理を実行する演出制御用CPU120等)と、前記特定遊技状態において、前記可変入賞手段に設けられた特定領域(例えば、確変領域等)を遊技媒体が通過したことに基づいて、通常状態よりも前記特定表示結果となり易い特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、ステップS415、S382、S383の処理を実行するCPU103等)とを備え、前記特定遊技状態制御手段は、前記可変入賞手段を前記第1状態に変化させる回数が異なる複数種類の特定遊技状態に制御可能であり(例えば、CPU103が、下特別可変入賞球装置7Bを29秒間開放する回数が異なる「第1大当り」「第2大当り」「第3大当り」に制御可能であること等)、前記指示演出実行手段は、前記特定遊技状態制御手段によって前記可変入賞手段が前記第1状態に変化する回数が多い第1特定遊技状態に制御されている場合(例えば、CPU103によって下特別可変入賞球装置7Bが第1状態に変化する回数が多い「第3大当り」に制御され、ステップS775にて「第2大当り」ではない場合等)、前記指示演出の実行を制限(例えば、ステップS757にて指示演出を開始するための設定が行われておらず、演出制御用CPU120が指示演出を実行しないこと等)する一方で、前記特定遊技状態制御手段によって前記可変入賞手段が前記第1状態に変化する回数が少ない第2特定遊技状態に制御されている場合(例えば、CPU103によって下特別可変入賞球装置7Bが第1状態に変化する回数が少ない「第2大当り」に制御され、ステップS775にて「第2大当り」である場合等)、前記指示演出を実行(例えば、ステップS757にて指示演出を開始するための設定が行われており、ステップS758にて演出制御用CPU120が指示演出を実行すること等)する。
このような構成によれば、指示演出を、必要性に応じて適切に行うことができる。
また、上記実施形態の遊技機は、遊技媒体が前記特定領域を通過したときに前記特別遊技状態に移行することを報知する報知演出を実行する報知演出実行手段(例えば、ステップS760の処理を実行する演出制御用CPU120等)を更に備え、前記報知演出実行手段は、前記特定遊技状態制御手段によって前記第1特定遊技状態に制御されている場合、前記報知演出の実行を制限する一方で(例えば、演出制御用CPU120が報知演出を実行しないこと等)、前記特定遊技状態制御手段によって前記第2特定遊技状態に制御されている場合、前記報知演出を実行する(例えば、演出制御用CPU120が報知演出を実行すること等)。
このような構成によれば、報知演出を、必要性に応じて適切に行うことができる。
また、上記実施形態の遊技機は、複数の可変入賞手段(例えば、上特別可変入賞球装置7A、下特別可変入賞球装置7B等)と、前記可変入賞手段に進入した遊技媒体を検出する可変入賞検出手段(例えば、上大入賞口スイッチ23A、下大入賞口スイッチ23B等)と、前記可変入賞手段が前記第2状態であるときに前記可変入賞検出手段によって遊技媒体が検出されたことに対応して、異常が発生したことを報知する異常報知手段(例えば、ステップS153、S154、S156、S157、S159、S160の処理を実行するCPU103等)とを更に備え、前記異常報知手段は、所定条件が成立しているとき(例えば、初回異常報知済フラグがセットされていないとき等)に、複数の可変入賞手段のいずれで遊技媒体が検出されたかに応じて異なる態様で異常報知を行う(例えば、CPU103が、上特別可変入賞球装置7Aにて遊技球が検出されれば上部の遊技効果ランプ9を点灯させ、初回異常報知済フラグがセットされていないときに、下特別可変入賞球装置7Bにて遊技球が検出されれば側部の遊技効果ランプ9を点灯させること等)。
このような構成によれば、異常報知が適切に実行されるかを容易に確認することができる。
また、上記実施形態の遊技機は、前記可変入賞手段は、第1可変入賞手段(例えば、下特別可変入賞球装置7B等)と第2可変入賞手段(例えば、上特別可変入賞球装置7A等)とを含み、前記特定遊技状態制御手段は、前記第1可変入賞手段と前記第2可変入賞手段とを所定の順序に従って前記第1状態に変化させ(例えば、CPU103が、大当り種別とラウンド数に応じて割り当てられた大入賞口の開閉パターンに従って、上大入賞口と下大入賞口とを開閉制御すること等)、前記特定遊技状態は、少なくとも、前記可変入賞手段が第1期間(例えば、29秒間等)前記1状態に変化する状態を含む第3特定遊技状態と、前記可変入賞手段が前記第1期間よりも短い第2期間(例えば、52ミリ秒間等)前記第1状態に変化する状態を含む第4特定遊技状態とがあり、前記特定遊技状態制御手段は、前記第4特定遊技状態に制御する場合には、前記第3特定遊技状態に制御する場合と比較して、前記第1可変入賞手段又は前記第2可変入賞手段のうちのいずれか一方の可変入賞手段を前記第2状態に変化させてから他方の可変入賞手段を前記第1状態に変化させるまでの不利期間(例えば、インターバル時間等)が長くなるように制御する(例えば、CPU103が、上大入賞口又は下大入賞口のうちのいずれか一方を29秒間開放した後に閉鎖してから他方を29秒間開放させるまでのインターバル時間を100ミリ秒にセットし、上大入賞口又は下大入賞口のうちのいずれか一方を52ミリ秒間開放した後に閉鎖してから他方を52ミリ秒間開放させるまでのインターバル時間を200ミリ秒にセットすること等)。
このような構成によれば、第1の前記可変入賞手段と第2の前記可変入賞手段とを交互に第1期間が経過するまで第1状態に変化させるときには遊技媒体を入賞させ易くする一方で、第1の前記可変入賞手段と第2の前記可変入賞手段とを交互に第2期間が経過するまで第1状態に変化させるときには遊技媒体を入賞させ難くすることができる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1においては、上記実施の形態において示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態において説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施形態においては、確変領域がある下特別可変入賞球装置7Bと、確変領域がない上特別可変入賞球装置7Aとの2つの特別可変入賞球装置を設ける例を示したが、このような態様に限られず、例えば、確変領域がない特別可変入賞球装置を設けずに、確変領域がある特別可変入賞球装置のみ設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、ステップS114の大当り開放前処理にてインターバル時間設定処理(ステップS303)を実行する場合を示したが、このような態様に限られず、例えば、インターバル時間設定処理は、ステップS116の大当り開放後処理にて実行されるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、下大入賞口の開放期間が十分に長いラウンド遊技の回数が少ない遊技状態のときには指示演出を実行し、下大入賞口の開放期間が十分に長いラウンド遊技の回数が多い遊技状態のときには指示演出を実行しない場合を示したが、このような態様に限られず、例えば、CPU103は、下大入賞口の開放期間が十分に長いラウンド遊技の回数が少ない遊技状態のときには派手な指示演出を実行し、下大入賞口の開放期間が十分に長いラウンド遊技の回数が多い遊技状態のときには控えめな指示演出を実行するようにしてもよい。また、CPU103は、下大入賞口の開放期間が十分に長いラウンド遊技の回数が少ない遊技状態のときには、下大入賞口の開放期間が十分に長いラウンド遊技が実行される度に指示演出を実行し、下大入賞口の開放期間が十分に長いラウンド遊技の回数が多い遊技状態のときには、指示演出を一度だけ実行するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、下大入賞口の開放期間が十分に長いラウンド遊技の回数が少ない遊技状態のときには報知演出を実行し、下大入賞口の開放期間が十分に長いラウンド遊技の回数が多い遊技状態のときには報知演出を実行しない場合を示したが、このような態様に限られず、CPU103は、下大入賞口の開放期間が十分に長いラウンド遊技の回数が少ない遊技状態のときには派手な報知演出を実行し、下大入賞口の開放期間が十分に長いラウンド遊技の回数が多い遊技状態のときには控えめな報知演出を実行するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、指示演出として、「Vを狙え!!」というメッセージを表示して、下特別可変入賞球装置7Bへの遊技球の発射操作を遊技者に指示する場合を示したが、このような態様に限られず、指示演出は、「アタッカーを狙え!!!」や「右打ちしろ!!!」等のメッセージを表示して、下特別可変入賞球装置7Bへの遊技球の発射操作を遊技者に指示するものであってもよい。ここで、「アタッカー」とは、下特別可変入賞球装置7Bを意味する。
また、第2大当りと第3大当りとで、例えば、図40(A)〜(C)の右上に示すような、「右打ち→」等の共通の右打ち指示があってもよい。また、このような共通の右打ち指示は、大入賞口の開放期間の長さにかかわらず、大当り中は常に表示するようにしてもよい。
また、図41に示す変形例においては、大当り遊技中でないときに上大入賞口スイッチ23A又は下大入賞口スイッチ23Bのオン状態を検出すると直ちに異常報知する場合を示したが、このような態様に限られず、例えば、上大入賞口スイッチ23Aや下大入賞口スイッチ23Bのオン状態の検出数をカウントし、その検出数が所定のしきい値に達したことを条件として異常報知するようにしてもよい。
また、図41に示す変形例においては、大当り遊技中であっても2つの大入賞口のうち開放対象でない方の大入賞口に遊技球が所定のしきい値以上入賞した場合にも異常入賞と判定して異常報知するようにしてもよい。この場合、開放対象の大入賞口が閉鎖した後、遅れてカウントスイッチによって検出される遊技球の存在も考慮して、大当り遊技中のときに異常判定に用いるしきい値は、大当り遊技中でないときに異常判定に用いるしきい値よりも大きい値としてもよい。
また、図41に示す変形例においては、パチンコ遊技機1への電源投入後に最初に下特別可変入賞球装置7Bへの異常入賞を検出した場合には側部の遊技効果ランプ9を点灯させる場合を示したが、異常入賞の報知の態様の異ならせ方は、このような態様に限られず、例えば、パチンコ遊技機1への電源投入後に最初に下特別可変入賞球装置7Bへの異常入賞を検出した場合に、側部及び上部の遊技効果ランプ9の両方を点灯させるようにしてもよい。
また、図41に示す変形例においては、遊技効果ランプ9を点灯させることによって異常報知する場合を示したが、異常報知の態様は、このような態様に限られない。例えば、CPU103は、異常入賞を検出した旨を示すコマンドを演出制御用CPU120に対して送信するようにし、演出制御用CPU120は、そのコマンドを受信したことに基づいて、画像表示装置5において異常報知画面を表示するようにしてもよい。また、例えば、CPU103は、異常入賞を検出した旨を示す外部出力信号をホールコンピュータ等に外部出力するようにしてもよい。
また、図41に示す変形例においては、上部及び側部の遊技効果ランプ9を用いることにより異常入賞の報知態様を異ならせる場合を示したが、1つの遊技効果ランプ9のみを用いて異常入賞の報知態様を異ならせるようにしてもよく、例えば、パチンコ遊技機1への電源投入後に最初の下大入賞口への異常入賞を検出した場合には遊技効果ランプ9を点滅させるようにし、2回目以降の下大入賞口への異常入賞を検出した場合には同じ遊技効果ランプ9を点灯させるようにしてもよい。
また、図41に示す変形例においては、例えば、初回異常報知済フラグをバックアップRAMに記憶するようにし、下大入賞口への異常入賞の報知態様を一度異ならせた後、次回はRAMの初期化が行われるまで下大入賞口への異常入賞の報知態様を上大入賞口への異常入賞の報知態様と同じとしてもよい。
また、図41に示す変形例においては、パチンコ遊技機1への電源投入後に1回のみ下大入賞口への異常入賞の報知態様を異ならせる場合を示したが、1回に限られず、パチンコ遊技機1への電源投入後の所定回の下大入賞口への異常入賞の報知態様を異ならせるようにしてもよい。例えば、パチンコ遊技機1への電源投入後には、下大入賞口への異常入賞を検出したときに2回まで側部の遊技効果ランプ9の方を点灯させるようにしてもよい。
上記実施の形態においては、変動時間、及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドにおいては擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドにおいてはリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは、2つのコマンドの組み合わせから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方においては、2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知するようにしてもよい。その場合、それぞれのタイミングにおいて実行される具体的な変動態様については、演出制御マイクロコンピュータの方において選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合には、同一のタイマ割込内において2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドによって示される変動態様は、この例に限定されるわけではない。また、送信する順序は、適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることによれば、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけに限らず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるものも含む概念である。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートによって示した処理等を実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作、更には遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えば、パチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布、提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことによって配布される形態を採っても構わない。更に、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態は、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。更には、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。