JP2015156419A - リアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】リアクトルのコアに設けられたギャップに発生する漏れ磁束によるコイルの熱損失を抑制する技術を提供する。
【解決手段】リアクトル200は、直列に接続されている2つのコイル21、22が巻回径方向に並んで配置されている。当該リアクトルは、柱状の一対の内部コア31、32と外部コア34を備えている。内部コア31、32は、コイル21、22の巻回軸線方向におけるコイル端面21b、22bから突出するように夫々のコイル21、22を貫通している。外部コア34は、内部コア31、32のコイル端面21b、22bから突出している部分の互いに対向する側面31a、32aの間にギャップG1、G2を介して配置されている。
【選択図】図2

Description

本明細書が開示する技術は、リアクトルに関する。なお、リアクトルとは、コイルを利用した受動素子であり、「インダクタ」と称されることもある。
リアクトルは、力率改善、高調波電流の抑制(直流電流の平滑化)等のために用いられる。また、リアクトルは、直流電圧を昇圧する回路に用いられることもある。
一般的なリアクトルの構造が、特許文献1に開示されている。そのリアクトルは、平行に配置された2個のコイルと、夫々のコイルを通過する環状のコアを備えている。特許文献1に開示されるリアクトルのコアは、コアを形成する材料利用の効率の観点から、複数のパーツを組み合わせて環状となるように構成されている。そして、そのパーツとパーツの間には、環状方向にギャップが存在している。リアクトルの磁束は、コアの内部を通過するように、環状に構成されたコアに沿って形成されるが、このギャップ部分から、コアの外部に磁束が漏れる現象が生じる。この漏れる磁束がコイルを通過することで、コイルに渦電流が発生し、リアクトルの熱損失の原因となる。
特許文献1では、コアの形状に工夫を施すことで、コイルを通過する漏れ磁束を低減する技術が開示されている。特許文献1に開示されるリアクトルのコアは、コイルが巻回される第1コアと、巻回軸線方向でコイルの外側に配置される第2コアにより、環状に構成されている。第1コアの巻回軸線方向の端面はコイルの端面と略面一をなしており、その第1コアの端面に第2コアが対向している。第1コアと第2コアの間のギャップは、コイルの巻回軸線方向の端面と略面一となる。そして、第1コアの巻回軸線方向の端部には、第1コアと第2コアで構成される環の内周側に相当する位置に切欠きが設けられている。この切欠きにより、ギャップの巻回軸線方向の幅が、環状に構成されたコアの内周側で外周側よりも大きくなっている。この構成により、ギャップの大きい側(コアの内周側)では、磁束の経路(以下、磁路)が形成され難くなるため、ギャップの狭い側(コアの外周側)に磁路が偏ることになる。つまり、磁束が環状をなすコアの外周側に集中することになる。特許文献1によれば、上記の構造によってギャップの近傍でコアの内周側から漏れる磁束が弱められ、環状に構成されたコアの内周側に位置するコイルに発生する渦電流を低減することができるとのことである。
また、本明細書で開示する技術と似た構造のリアクトルが特許文献2、3に開示されている。特許文献2、3に開示されている技術は、リアクトルの小型化に関する技術である。特許文献2、3では、リアクトルの巻回軸線方向の小型化を、コアの巻回軸線方向に突出した部分の長さを短くすることで実現している。さらに、特許文献2、3では、コアの巻回軸線方向に突出した部分の長さが短くなることにより狭くなった磁路を補うために、巻回軸線方向のコイル端面に沿って高さ方向に張り出す張出部が設けられている。
特開2006−351959号公報 特開2004−327569号公報 特開2013−138257号公報
ギャップは、インダクタンスと直流重畳特性を望ましい大きさにするために意図的に設けられる。しかし、ギャップに起因して漏れ磁束が発生し、その漏れ磁束がコイルを通過するとコイルに渦電流が発生し、熱損失が生じる。
特許文献1に開示されるリアクトルのギャップは、巻回軸線方向におけるコイル端面に沿って設けられている。そして、第1コアの巻回軸線方向における端面がコイル端面と略面一に配置されている。よって、ギャップの周囲にコイルの内周面が位置することになる。他方、漏れ磁束は、コアの端面からではなく、コアの端部に近い側面から流れ出る。したがって、ギャップ近傍でコアの側面から漏れる磁束は、コイルの内側全周に亘って、コイルを通過する。このため、一部箇所のギャップの幅を大きくして、漏れる磁束による影響を低減しても、他の箇所から漏れる磁束の影響を低減することが難しい。なお、第1コア部の巻回軸線方向における端面の全周に亘って、切欠きを設けることも可能であるが、コアの横断面積の縮小となり、リアクトルの性能を低下させる虞がある。
本明細が開示する技術は、特許文献1よりも簡易な構造で、漏れ磁束に起因するコイルの熱損失を抑制することを目的とする。
本明細書が開示するリアクトルは、直列に接続される2つのコイルが巻回径方向に並んで配置されている。そして、このリアクトルのコアは、内部コアと外部コアにより環状に構成されている。柱状の一対の内部コアは、巻回軸線方向におけるコイル端面から突出するように夫々のコイル内部を貫通している。外部コアは、一対の内部コアのコイル端面から突出している部分の互いに対向する側面の間にギャップを介して配置されている。別言すれば、外部コアは、コイル端面に沿って配置されており、外部コアのコイル端面と交差する方向の側面が、内部コアのコイル端面から突出している部分の側面とギャップを介して対向している。したがって、外部コアと内部コアの間に設けられるギャップは、コイル端面と交差する方向に拡がっている。
このような構成によれば、ギャップの周囲の一部にコイルが対面しているだけとなる。そのため、ギャップ近傍のコアの側面であってコイル端面と対向する側面から漏れる磁束は、コイルを通過するが、それ以外のコア側面から漏れる磁束はコイルを通過しない。したがって、漏れ磁束が通過するコイルの範囲を一部分に抑えることができる。これにより、漏れ磁束によりコイルに渦電流が発生する箇所はこの一部分となり、コイルの熱損失を低減することができる。
また、特許文献1と異なり、コアの端面に切欠きを設けなくても良い。したがって、簡易な形状のコア、例えば直方体のコアを、複数組み合わせることで、本明細書に開示するリアクトルを実現することができる。
上記のリアクトルでは、一対の内部コア、及び、外部コアはいずれも単純な四角柱(直方体)で構成することができる。そのような形状は低コストで製造できる。直方体のコアは、焼結や圧縮成形などの加工法により、コアを磁性体粒子を含む粉体を固めて作る場合に好都合である。
また、外部コアは、巻回軸線方向と一対の内部コアの並び方向の双方と直交する方向におけるその両端がコイル外周面と面一をなしているとよい。別言すれば、巻回軸線方向から見たときに、一対の内部コアの並び方向と直交する方向において、外部コアは内部コアよりも外側に突出しているとよい。そのような構造によれば、上記突出している部位にも磁束が通るので、外部コアの磁路の断面積を大きくすることができる。
本明細書が開示する技術によれば、リアクトルのコアに設けられたギャップから漏れる磁束がコイルに及ぼす影響を低減するができる。本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
実施例のリアクトルの斜視図である。 図1の矢印IIの方向から視た平面図である。 図1の矢印IIIの方向から視た正面図である。 図1の矢印IVの方向から視た側面図である。 図4の矢印Vの方向から視た部分断面図である。 比較例のリアクトルの斜視図である。 図6の矢印VIIの方向から視た平面図である。 図6の矢印VIIIの方向から視た側面図である。 図8の矢印IXの方向から視た部分断面図である。
図面を参照して実施例のリアクトル200を説明する。本実施例のリアクトル200は、ハイブリッド車や電気自動車に搭載される電力変換装置に用いられるものである。ハイブリッド車や電気自動車は、走行用モータとして、誘導モータやPMモータ等の交流モータを備える。そのため、これらの車両では、バッテリの直流電力を昇圧する電圧コンバータ回路と、直流電力を交流電力に変換するインバータ回路を含む電力変換装置を搭載している。例えば、リアクトル200は、このうちの電圧コンバータ回路に使用される。
リアクトル200の構成について図1から図4を参照して説明する。図1に実施例のリアクトル200の斜視図を示す。図2、3、4は、図1の矢印II、III、IVの夫々の方向から見た平面図、正面図、側面図を示す。これらの図において表されている座標系L、W、Hは、リアクトル200の長さ(L)、幅(W)、高さ(H)の夫々の方向を示すものである。以下、L軸方向を「長さ方向L」、W軸方向を「幅方向W」、H軸方向を「高さ方向H」、と夫々称する。なお、「長さ」、「幅」、「高さ」は、説明の便宜上の呼称である。
リアクトル200は、コイル21、22と複数のパーツに分かれたコア30により構成されている。コイル21、22は、銅からなる平角線23をエッジワイス巻きに巻回したコイルである。即ち、これらのコイル21、22では、平角線23の幅広の側面がコイルの巻回軸線WLの方向(以下、巻回軸線方向)を向いて積層されるように平角線23を巻回している。平角線23の幅広の側面の幅(線幅)は、リアクトル200の電気的な特性若しくは仕様によって適宜設定される。本実施例では、コイル21、22は、巻回軸線方向(長さ方向L)から見て矩形状(ほぼ正方形状)を成すように巻回されている。コイル21と22は、1本の平角線23で作られており、電気的には直列に接続されている。巻回されたコイル21、22は、巻回の径方向に並ぶように配置される。また、コイル21、22の長さ方向Lの長さは同じであり、コイル21、22は長さ方向Lの端面が略面一となるように配置されている。そして、図3によく表されているように、巻回軸線方向(長さ方向L)から見たときに、コイル21、22は、当該コイル21、22の高さ方向Hの両側面が互いに面一になるように並んでいる。したがって、2つ並んだコイル21、22を包括する外周面は、巻回軸線方向(長さ方向L)から見たときに、略矩形となる。
コイル21、22には、外部の電子部品と接続するために、2本の引出部21a、22aが設けられている。前述したように、コイル21、22は、1本の平角線23で作られている。そのため、平角線23の一端がコイル21の引出部21aに相当し、平角線23の他端がコイル22の引出部22aに相当する。また、両コイルは、コイル21の終端(又は始端)と、コイル22の始端(又は終端)に繋がる平角線23の中間部分23bで接続されている。引出部21a、22aは共に、コイル21、22の長さ方向Lの同一方向の端面21b、22b(以下、コイル端面21b、22b)から長さ方向Lに沿って伸びている。そして、図2によく表されているように、コイル21の引出部21aは、後述する内部コア31の上方(高さ方向Hの正方向)に位置している。コイル22の引出部22aも同様に、後述する内部コア32の上方に位置している。なお、図2、図4において、図面の理解を助けるために、コイル21、22の積層により表される線を一部省略している。
コア30の構成について説明する。コア30は、柱状の一対の内部コア31、32と2つの外部コア34のより構成されている。内部コア31、32と2つの外部コアを組み合わせることで環状のコア30が構成されている。図2によく表されているように、平行に並んだ一対の内部コア31、32の長さ方向Lの夫々の端部の間に外部コア34を配置することで、2つのコイル21、22の内部を通るとともに四角の環をなすコア30が完成する。また、コア30を構成する内部コア31、32、外部コア34は、夫々コイルのインダクタンスを高めるために磁性体により製造されている。例えば、焼結や圧縮成形などの加工法により、磁性体粒子を含む紛体を固めることで製造されている。
内部コア31、32について説明する。内部コア31は、長さ方向Lに長い角柱形状であり、コイル21の巻回軸WLに沿ってコイル21の内部を貫通している。同様に、内部コア31と一対を成す内部コア32も、長さ方向Lに長い角柱形状であり、コイル22の巻回軸WLに沿ってコイル22の内部を貫通している。なお、内部コア31、32の周囲にはボビンが配置されているが、本明細書の全ての図においてボビンは省略している。ボビンは、コア30とコイル21、22の間の電気的な絶縁を確保すると共に、コア30に対するコイル21、22の位置決めを容易にするものである。ボビンは、例えば、耐絶縁性、耐熱性の高い材料で作られる。
また、内部コア31は、コイル21の巻回軸線方向(長さ方向L)におけるコイル端面21bから突出している。内部コア31はコイル端面21bの反対側のコイル端面からも突出している。内部コア32も内部コア31と同様に、コイル22の巻回軸線方向(長さ方向L)におけるコイル端面22b及びその反対側のコイル端面から突出している。以下、説明の便宜上、内部コア31のコイル端面21bから突出している部分を突出部31bと称する。内部コア32についても同様に、突出部32bと称する。内部コア31、32の長さ方向Lの長さは同じであり、それらの長さ方向Lにおける端面は、互いに面一になるように配置されている。そして、一対の内部コア31、32は、角柱形状の平坦な細長の側面が互いに平行になるように配置されている。
次に、外部コア34について説明する。2つの外部コア34が、コイル21、22の巻回軸線方向(長さ方向L)の両端面に沿って夫々配置されている。当該両端面に配置される2個の外部コア34は、同一の構成を有している。以下、コイル21、22の引出線21a、22aが存在する側のコイル端面21b、22bに沿って配置される外部コア34について説明する。外部コア34は、高さ方向Hに長い角柱形状である。そして、外部コア34は、一対の内部コア31、32の突出部31b、32bの互いに対向する側面31a、32aの間に配置されている。そして、図2によく表されているように、外部コア34と内部コア31、32は、長さ方向Lの一方の端面同士が面一になるように配置されている。
また、図3によく表されているように、外部コア34の高さ方向Hの両端面は、コイル21、22の外周面と面一をなしている。つまり、外部コア34の上面34c(高さ方向Hの上方の端面)は、コイル21の高さ方向Hの上面と面一をなし、外部コア34の下面34d(高さ方向Hの下方の端面)は、コイル21の高さ方向Hの下面と面一をなしている。外部コア34の高さ方向Hの長さは、コイル21、22の高さ方向Hの長さと同一である。別言すれば、巻回軸線方向(長さ方向L)からみたときに、一対の内部コア31、32の並び方向(幅方向W)と直交する方向(高さ方向H)において、外部コア34は内部コア31、32の外側より突出している。
また、内部コア31の突出部31bと外部コア34の間にはギャップG1が設けられている。ギャップG1には、例えば、アルミナ等の非磁性材料からなるギャップ材が嵌挿されている。図面ではギャップ材の図示が省略されていることに留意されたい。図2に示すように、ギャップG1は、内部コア31の突出部31bの側面31aと、外部コア34の側面34bの間に形成されている。別言すれば、外部コア34のコイル端面21bと直交する方向の側面34bが、突出部31bのコイル端面21bと直交する方向の側面31aとギャップG1を介して対向している。したがって、ギャップG1は、コイル端面21bと直交する方向(長さ方向L)に拡がっている。また、内部コア32の突出部32bと外部コア34の間にもギャップG1と同様のギャップG2が形成されている。ギャップG2もギャップG1と同様に、コイル端面22bと直交する方向(長さ方向L)に拡がっている。また、コイル端面21b、22bとは反対側のコイル端面に沿って配置される外部コア34と内部コア31、32の間にも同様のギャップが設けられている。なお、このギャップG1、G2の幅は、リアクトル200のインダクタンスと直流重畳特性が所望の値となるように設定される。
図5を参照して、実施例のリアクトル200における磁束について説明する。特に、コア内を通る磁束とギャップから漏れる磁束(以下、漏れ磁束)について説明する。図5は、図4のV−V線に沿った断面であって、ギャップG2の周囲を拡大して示した部分断面図である。ギャップG1でも、ギャップG2と同様の磁束が発生する。以下、代表してギャップG2の周囲における磁束を説明する。
図5に示す符号MLが付された太線矢印が、コアの内部を通過する磁束を表している。リアクトル200の磁束MLは、内部コア32及び外部コア34の内部を通過するように、コア30により構成された四角の環に沿って形成される。内部コア32と外部コア34の間のギャップG2においては、大部分の磁束は、ギャップG2を挟んで対向する内部コア32の側面32aと外部コア34の側面34aの間を直進する。しかし、磁束の一部は直進せず、ギャップG2を迂回するように流れる。これが漏れ磁束に相当する。説明の便宜上、磁束MLは内部コア32から外部コア34に向かって、太線矢印の方向に向かって流れると仮定する。コア30により構成された四角の環の内周側では、ギャップG2を跨いで、内部コア32の内周側(幅方向Wの正方向側)の側面から外部コア34の内周側の側面(コイル端面22bと対向する側面)に向かって漏れ磁束ML1が発生する。一方、コア30により構成された四角の環の外周側では、ギャップG2を跨いで、内部コア32の外周側(幅方向Wの負方向側)の側面から外部コア34の外周側(コイル端面22bと対向する側面と反対側の側面)に向かって漏れ磁束ML2が発生する。なお、図5には図示されていないが、ギャップG2を跨いで、内部コア32の高さ方向Hの側面から外部コア34の高さ方向Hの側面に向かっても漏れ磁束が発生する。つまり、ギャップG2を跨いで、ギャップG2の全周に亘って、漏れ磁束が発生する。なお、図において漏れ磁束ML1、ML2を表す太線矢印は、理解を助けるために漏れ磁束の向きを模式的に表しており、正確ではないことに留意されたい。以降の図においても同様である。
上記のように、ギャップG2は、コイル端面22bと直交する方向に拡がっている。そのため、ギャップG2は、ギャップG2のコア30の内周側の部分だけがコイル22と対面している。したがって、ギャップG2の全周に亘って発生している漏れ磁束のうち、コア30の内周側に発生する漏れ磁束ML1はコイル22を通過するが、それ以外のコア30の側面から漏れる磁束はコイル22を通過しない。
漏れ磁束がコイルを通過することで、その通過した箇所に渦電流が発生し、その渦電流によりコイルに熱損失が生じる。したがって、実施例の構成によれば、コイル22の渦電流が発生する箇所は、漏れ磁束ML1が通過する箇所(コイル22のコア30の内周側に位置する箇所)の一部分に限定することができる。したがって、後述する従来のリアクトルと比較して、コイル22の熱損失を抑えることができる。なお、ギャップG2と同様の構成であるギャップG1についても同様である。そして、引出線21a、22aが設けられていない側のコイル端面において、内部コア31、32と外部コア34の間に位置するギャップについても同様の効果を得ることができる。
また、上記のように内部コア31、32及び外部コア34はいずれも単純な四角柱の形状である。したがって、内部コア31、32及び外部コア34の単体夫々だけでなく、単純な形状のパーツで組み合わされたコア30も低コストで製造することができる。
また、上記のように外部コア34は、高さ方向Hにおいて、内部コア31、32の外側よりも突出している。このような構成によれば、当該突出してる部分にも磁束が通るので、外部コア34を通過する磁路の断面積を大きくすることができる。また、上記のように、外部コア34の高さ方向Hの両端面は、コイル21、22を包括する外周面と面一をなしている。このような構成によれば、リアクトル200の高さ方向Hの外形サイズを大きくすること無く、外部コア34を通過する磁路の断面積を最大限に大きくすることができる。
実施例における熱損失抑制の効果について理解を助けるために、比較例として従来のリアクトルにおけるギャップ周囲に発生する漏れ磁束について説明する。図6に比較例のリアクトル300の斜視図を示す。図7、8は、図6の矢印VII、VIIIの夫々の方向から見た平面図と側面図を示す。
比較例のリアクトル300は、実施例のリアクトル200とは、コア130の形状が異なる。コイル121、122は、引出線121a、122aが引き出される位置以外は、実施例のリアクトル200のコイル21、22と構造は同じである。以下、形状の異なるコア130について説明する。コア130は、一対の柱角形状の内部コア131、132と2つの外部コア134により構成されている。図7に示すように、平行に並んだ一対の内部コア131、132の長さ方向Lの外側に外部コア134を配置することで、2つのコイル121、122の内部を通過するようにコア130が四角の環を構成している。リアクトル300の内部コア131、132は、巻回軸線方向(長さ方向L)の端面が、コイル121、122の巻回軸線方向における引出線121a、122aが設けられている側のコイル端面121b、122bと略面一となっている。同様に、コイル121、122のコイル端面121b、122bと反対側のコイル端面は、内部コア131、132の巻回軸線方向の端面と略面一となっている。別言すれば、内部コア131、132は、実施例の内部コア31、32と異なり、突出部を有していない。
外部コア134は、図6に示すように、長さ方向Lに薄い直方体であり、その幅広の側面がコイル121、122の長さ方向Lの端面に沿うように配置されている。なお、引出線121a、122aは、外部コア134の幅方向Wの両側面の外側に位置している。また、図8に示すように、外部コア134の高さ方向Hの両端面は、コイル122(121)の高さ方向Hの両側面と面一になるように設けられている。
内部コア131と外部コア134の間には、ギャップG101が設けられている。図7に示すように、内部コア131の巻回軸線方向(長さ方向L)の端面131aと外部コア134のコイル121、122の側に位置する幅広の側面134aの間にギャップG101が設けられている。ギャップG101は、コイル121の巻回軸線方向のコイル端面121bと略面一なるように配置されている。同様に、内部コア132と外部コア134の間にもギャップG102が設けられている。ギャップG102も、コイル122の巻回軸線方向のコイル端面122bと略面一なるように配置されている。
図9を参照して、比較例のリアクトル300におけるコア内を通る磁束及び漏れ磁束について説明する。図9は、図8のIX−IX線に沿った断面であって、ギャップG102の周囲を拡大して示した部分断面図である。ギャップG101でも、ギャップG102と同様の磁束が発生する。以下、代表してギャップG102の周囲における磁束を説明する。
図9に示す符号MLが付された太線矢印が、コア内部を通過する磁束を表している。リアクトル300の磁束MLは、内部コア132及び外部コア134の内部を通過するように、コア130により構成された四角の環に沿って形成される。内部コア132と外部コア134の間にはギャップG102が存在している。説明の便宜上、磁束MLは内部コア32から外部コア34に向かって、太線矢印の方向に向かって流れると仮定する。磁束MLのほとんどはギャップG102を直進して通過するが、一部の磁束は漏れ磁束となり、ギャップG102を迂回するように湾曲して流れる。コア130により構成された四角の環の内周側では、ギャップG102を跨いで、内部コア132の内周側(幅方向Wの正方向側)の側面から外部コア134のコイル側の側面134aに向かって漏れ磁束ML1が発生する。一方、コア130により構成された四角の環の外周側では、ギャップG102を跨いで、内部コア132の外周側(幅方向Wの負方向側)の側面から外部コア134の幅方向Wの側面に向かって漏れ磁束ML2が発生する。なお、図9には図示されていないが、ギャップG102を跨いで、内部コア132の高さ方向Hの両側面から外部コア134のコイル側の側面134aに向かって漏れ磁束が発生する。つまり、ギャップG102を跨いで、ギャップG102の全周に亘って、漏れ磁束が発生する。
上記のように、ギャップG102は、コイル端面122bと略面一となるように配置されている。したがって、図9によく表されているように、漏れ磁束ML1は、コイル端面122bのコア130の内周側を通過する。また、漏れ磁束ML2は、コイル端部122bのコア130の外周側を通過する。さらに、図示しないギャップG102の周囲に発生する漏れ磁束も、コイル端面122bを通過する。つまり、ギャップG102の全周に亘って発生する漏れ磁束は、コイル122の全周に亘ってコイル122の内側を通過する。
このような構成によれば、コイル122の内側全周に亘って、渦電流が発生し、コイル122に熱損失が生じる。なお、ギャップG102と同様の構成であるギャップG101についても同様であり、引出線121a、122aが設けられていない側のコイル端面において、内部コア131、132と外部コア314の間に位置するギャップについても同様である。以上の説明から明らかな通り、実施例のリアクトル200は、比較例である従来のリアクトル300に比べて、コイルの熱損失を低減することができる。
以下、実施例で示した技術に関する留意点を述べる。実施例ではエッジワイス巻きのコイルが用いられているが、それ以外の形状のコイルであっても良い。例えば、丸線を巻回した形状のコイルでもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
21、22、121、122:コイル
21b、22b、121b、122b:コイル端面
30、130:コア
31、32、131、132:内部コア
34、134:外部コア
G1、G2、G101、G102:ギャップ
21a、22a、121a、122a:引出線
200、300:リアクトル
WL:巻回軸線
ML:磁束
ML1、ML2:漏れ磁束

Claims (1)

  1. 直列に接続されている2つのコイルが巻回径方向に並んで配置されているリアクトルであり、
    前記コイルの巻回軸線方向におけるコイル端面から突出するように夫々の前記コイルを貫通している柱状の一対の内部コアと、
    前記一対の内部コアの前記コイル端面から突出している部分の互いに対向する側面の間にギャップを介して配置されている外部コアと、を備えるリアクトル。
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