JP2015155648A - エンジンの制御装置及び制御方法 - Google Patents

エンジンの制御装置及び制御方法 Download PDF

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尚純 加藤
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博文 土田
大介 高木
Daisuke Takagi
大介 高木
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Abstract

【課題】フュエルカットによる燃料消費の改善効果を高めることができるエンジンを提供する。【解決手段】排気還流機構80を備えるエンジン100の制御装置であって、フュエルカット条件が成立したか否かを判定する条件判定部と、吸気量に対する還流排気量の割合である還流排気率が基準値よりも大きいか否かを判定する還流排気率判定部と、フュエルカット条件成立時に還流排気率が基準値よりも大きい場合に追加負荷を付与する追加負荷付与部と、追加負荷に応じた発生トルクを出力させるとともに、発生トルクから追加負荷分を除いた出力トルクをフュエルカット条件成立後から漸次低下させるトルク制御部と、出力トルクが所定値まで低下した場合に燃料の供給及び追加負荷の付与を停止するフュエルカット実行部と、を備えることを特徴とする。【選択図】図12

Description

本発明は、排気の一部を吸気通路に還流するエンジンの制御装置及び制御方法に関する。
従来から、エンジン運転状態に応じて排気の一部を吸気通路に還流したり、車両減速時等にフュエルカットしたりするエンジン(内燃機関)が広く知られている。
このようなエンジンでは、フュエルカット条件の成立後すぐに燃料の供給を停止すると、大きなトルクショックが生じてしまう。そのため、フュエルカット条件成立後にエンジンの出力トルク(軸トルク)を所定値まで低下させてから、フュエルカットを実行することで、フュエルカット実行時におけるトルクショックの発生を抑制している。しかしながら、還流排気量が多い運転状態において、フュエルカット前のトルク低下制御を行うと、燃焼が不安定となって失火が生じてしまう。
特許文献1には、還流排気量を所定値まで低下させてから、点火時期を遅角制御して出力トルクを低下させ、その後フュエルカットを実行することで、トルク低下制御中における失火及びフュエルカット実行時におけるトルクショックの発生を抑制するエンジンが開示されている。
特開2010−223103号公報
しかしながら、特許文献1に記載のエンジンでは、還流排気量が所定値まで低下してからフュエルカットを実行するため、フュエルカット条件が成立してからフュエルカットを実行するまでにある程度時間がかかり、フュエルカットによる燃料消費の改善効果が低いという問題がある。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、フュエルカットによる燃料消費の改善効果を高めることができるエンジンを提供することを目的とする。
本発明は、エンジン運転状態に応じて排気の一部を吸気通路に還流する排気還流機構を備えるエンジンの制御装置である。エンジンの制御装置は、フュエルカット条件が成立したか否かを判定する条件判定部と、吸気量に対する還流排気量の割合である還流排気率が基準値よりも大きいか否かを判定する還流排気率判定部と、フュエルカット条件成立時に還流排気率が基準値よりも大きい場合に、エンジンに追加負荷を付与する追加負荷付与部と、追加負荷に応じた発生トルクを出力させるとともに、当該発生トルクから追加負荷分を除いた出力トルクをフュエルカット条件成立後から漸次低下させるトルク制御部と、出力トルクが所定値まで低下した場合に、エンジンへの燃料の供給及び追加負荷の付与を停止するフュエルカット実行部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、フュエルカット条件成立時に還流排気率が基準値よりも大きい場合には、追加負荷に応じた発生トルクを出力させるとともに、発生トルクから追加負荷分を除いた出力トルクをフュエルカット条件成立後から漸次低下させ、出力トルクが所定値まで低下してからフュエルカットを実行するので、トルク低下制御時における燃焼性を安定させることができ、失火を招くことがない。このように還流排気率の低下を待たずに出力トルクを低下させる制御を実行できるので、フュエルカットの開始タイミングが早くなり、フュエルカットによる燃料消費の改善効果を高めることが可能となる。
本発明の第1実施形態によるエンジンの概略構成図である。 エンジンを制御するコントローラが実行するフュエルカット制御を示すフローチャートである。 エンジン回転速度−トルクのマップである。 コントローラが実行するフュエルカット制御Aを示すフローチャートである。 コントローラが実行するフュエルカット前制御Aを示すフローチャートである。 コントローラが実行するフュエルカット実行制御Aを示すフローチャートである。 コントローラが実行するリカバリー制御Aを示すフローチャートである。 コントローラが実行するフュエルカット制御Bを示すフローチャートである。 コントローラが実行するフュエルカット前制御Bを示すフローチャートである。 コントローラが実行するフュエルカット実行制御Bを示すフローチャートである。 コントローラが実行するリカバリー制御Bを示すフローチャートである。 外部EGR率が基準値よりも大きい場合におけるフュエルカット制御Bを示すタイミングチャートである。 第2実施形態によるエンジンを制御するコントローラが実行するフュエルカット前制御Bを示すフローチャートである。 外部EGR率が基準値よりも大きい場合におけるフュエルカット制御Bを示すタイミングチャートである。
(第1実施形態)
図1を参照して、本発明の第1実施形態によるエンジン100について説明する。
図1に示す車両用のエンジン100は、直列4気筒エンジンであって、シリンダブロック10と、シリンダブロック10の上側に配置されるシリンダヘッド20と、を備える。
シリンダブロック10には、ピストン1を収納するシリンダ11が形成される。ピストン1の冠面と、シリンダ11の壁面と、シリンダヘッド20の下面とによって燃焼室2が形成される。燃焼室2で混合気が燃焼すると、ピストン1は燃焼による燃焼圧力を受けてシリンダ11を往復動する。
シリンダヘッド20には、燃焼室2に吸気を供給するための吸気ポート3と、燃焼室2から排気を排出するための排気ポート4とが形成される。
シリンダヘッド20には、吸気ポート3を開閉する吸気バルブ5と、排気ポート4を開閉する排気バルブ6とが設けられる。吸気バルブ5は吸気側カム5Aによって駆動され、排気バルブ6は排気側カム6Aによって駆動される。
吸気バルブ5と排気バルブ6の間のシリンダヘッド20には、燃焼室2内の混合気を点火する点火プラグ7が設置されている。
吸気通路30は、外部から取り入れた空気(吸気)を、吸気マニホールド33を介して吸気ポート3に導く。吸気通路30には、過給機50の吸気コンプレッサ51、インタークーラ31、及びスロットルバルブ32が上流側から順番に設けられる。
過給機50は、吸気通路30に配置される吸気コンプレッサ51と、排気通路40に配置される排気タービン52と、吸気コンプレッサ51及び排気タービン52を連結するシャフト53と、から構成されている。吸気コンプレッサ51は、排気タービン52が燃焼室2から排出された排気によって回転することで駆動され、吸気通路30を流れる吸気を過給する。
インタークーラ31は、吸気コンプレッサ51よりも下流側の吸気通路30に設置される。インタークーラ31は、吸気コンプレッサ51によって圧縮されて高温となった吸気を冷却する。
スロットルバルブ32は、インタークーラ31よりも下流側の吸気通路30に設置される。スロットルバルブ32は、吸気通路30の吸気流通面積を変化させることで、燃焼室2に導入される吸気量を調整する。スロットルバルブ32の開度は、後述するコントローラ90によって制御される。スロットルバルブ32を通過した吸気は、吸気マニホールド33を介して各気筒に分配される。
吸気マニホールド33は、容積室であるコレクタ部33Aと、コレクタ部33A及び各気筒の吸気ポート3を接続するブランチ管33Bと、から構成されている。吸気マニホールド33のブランチ管33Bには、エンジン運転状態に応じた燃料を噴射する燃料噴射弁8が設けられる。
吸気コンプレッサ51とインタークーラ31の間の吸気通路30には、吸気コンプレッサ51通過後の吸気の圧力(過給圧)を検出する圧力センサ34が設けられる。また、吸気マニホールド33のコレクタ部33Aには、コレクタ部33A内の吸気の圧力(コレクタ圧)を検出する圧力センサ35が設けられる。
エンジン100は、過給圧に応じて、吸気コンプレッサ51通過後の吸気の一部を当該吸気コンプレッサ51の上流側に還流する吸気バイパス通路60を備える。
吸気バイパス通路60は、吸気コンプレッサ51とインタークーラ31の間の吸気通路30から分岐し、吸気コンプレッサ51より上流側の吸気通路30に合流する通路である。吸気バイパス通路60には、リサキュレーションバルブ61が設けられる。リサキュレーションバルブ61は、電動制御式の弁であって、エンジン運転状態に応じて吸気バイパス通路60を開閉する。リサキュレーションバルブ61の開度は、コントローラ90によって制御される。
エンジン100では、排気ポート4から排出される排気は、排気マニホールド42を介して排気通路40に導かれる。
排気通路40には、過給機50の排気タービン52及び三元触媒コンバータ41が上流側から順番に設けられる。排気通路40に排出された排気は、過給機50の排気タービン52を回転させ、三元触媒コンバータ41によって浄化されて、外部に放出される。
排気通路40には、排気タービン52を迂回するように排気を流す排気バイパス通路70が設けられる。
排気バイパス通路70は、排気タービン52より上流側の排気通路40から分岐し、排気タービン52より下流側の排気通路40に合流する通路である。排気バイパス通路70には、ウェイストゲートバルブ71が設けられる。ウェイストゲートバルブ71は、電動制御式の弁であって、エンジン運転状態に応じて排気バイパス通路70を開閉する。ウェイストゲートバルブ71の開度は、コントローラ90によって制御される。ウェイストゲートバルブ71の開度を制御することで、排気タービン52及び吸気コンプレッサ51の回転数を調整することができる。
吸気通路30と排気通路40の間には、エンジン運転状態に応じて、排気通路40の排気の一部を吸気通路30に還流する排気還流機構80が設けられる。排気還流機構80は、排気還流通路81と、当該排気還流通路81に設けられるEGRクーラ82及びEGRバルブ83を備える。
排気還流通路81は、三元触媒コンバータ41より下流側の排気通路40から分岐し、吸気コンプレッサ51より上流側の吸気通路30に合流する通路である。排気還流通路81には、排気通路40寄りの位置にEGRクーラ82が設けられ、吸気通路30寄りの位置にEGRバルブ83が設けられる。
EGRクーラ82は、還流される排気を冷却する冷却装置である。EGRバルブ83は、電動制御式の弁であって、エンジン運転状態に応じて排気還流通路81を開閉する。EGRバルブ83の開度は、コントローラ90によって制御される。
なお、以下では、排気還流通路81を介して吸気通路30に還流される排気を外部EGRガスと称する。また、エンジン100では、バルブタイミングに応じて排気通路40に排出された排気が燃焼室2に逆流するが、このように燃焼室2に導入される排気を内部EGRガスと称する。
コントローラ90は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。なお、コントローラ90を複数のマイクロコンピュータで構成してもよい。
コントローラ90には、圧力センサ34,35のほか、所定クランク角ごとにクランク角信号を生成するクランク角センサ91や、車両が備えるアクセルペダルの踏込量を検出するアクセルペダルセンサ92からの信号が入力する。クランク角信号は、エンジン100のエンジン回転速度を代表する信号として用いられる。アクセルペダルの踏込量は、エンジン100のエンジン負荷を代表する信号として用いられる。
コントローラ90は、これらの入力信号に基づいて、スロットルバルブ32やEGRバルブ83の開度を制御したり、点火プラグ7による点火時期や燃料噴射弁8による燃料噴射時期等を制御したりする。また、コントローラ90は、車両減速時等に燃料の供給を停止するフュエルカット制御を実行する。
従来から、エンジン運転状態に応じて排気の一部を吸気通路に還流したり、車両減速時等にフュエルカットしたりするエンジンは広く知られている。例えば、特開2010−223103号公報に記載の従来手法によるエンジンでは、還流排気量を所定値まで低下させてから、点火時期を遅角制御して出力トルクを低下させ、その後フュエルカットを実行することで、トルク低下制御中における失火及びフュエルカット実行時におけるトルクショックの発生を抑制している。
しかしながら、従来手法によるエンジンでは、EGRバルブを閉弁して還流排気量を所定値まで低下させてからフュエルカットを実行するため、フュエルカット条件が成立してからフュエルカットを実行するまでにある程度時間がかかり、フュエルカットによる燃料消費の改善効果が低くなる。
従来手法によるエンジンを、本実施形態のように排気を排気コンプレッサの上流側に還流するエンジンとして構成した場合には、EGRバルブを閉弁しても、吸気通路内に多量の還流排気(外部EGRガス)が残ってしまう。そのため、吸気マニホールドのコレクタ部における外部EGRガスがある程度減少するのを待ってからフュエルカットを実行することとなるので、フュエルカットによる燃料消費の改善効果が一段と低下してしまう。
そこで、本実施形態では、排気還流をしていた場合においても速やかにフュエルカットを実行できるようにエンジン100を制御し、フュエルカットによる燃料消費の改善効果を向上させる。
図2を参照して、コントローラ90が実行するフュエルカット制御の処理について説明する。フュエルカット制御処理は、エンジン運転開始ともに実施され、一定間隔、例えば数ミリ秒周期で繰り返し実行される。
ステップ101(S101)では、コントローラ90は、アクセルペダルセンサ92の検出信号から得られるアクセルペダル踏込量、クランク角センサ91の検出信号から得られるエンジン回転速度、及び圧力センサ35の検出信号から得られるコレクタ圧を読み込み、S102の処理を実行する。
S102では、コントローラ90は、S101で読み込んだアクセルペダル踏込量及びエンジン回転速度に基づいて目標トルクを算出する。
S103では、コントローラ90は、予めROMに記憶されている図3に示すエンジン回転速度−トルクマップを参照し、S101で読み込んだエンジン回転速度とS102で算出した目標トルクとに基づいて、エンジン運転状態が外部EGRガスを還流する外部EGR実行領域内にあるか否かを判定する。
エンジン回転速度及び目標トルクにより定まる運転点が図3の領域A内にある場合には、コントローラ90は、エンジン運転状態が外部EGR実行領域内にあると判定し、S104の処理を実行する。これに対して、運転点が図3の領域A外にある場合には、コントローラ90は、エンジン運転状態が外部EGR実行領域内にないと判定し、S105の処理を実行する。
S104では、コントローラ90は、EGRバルブ83を目標外部EGR率が得られる所定開度に制御する。
S105では、コントローラ90は、EGRバルブ83を全閉に制御して、外部EGRガスの還流を停止する。
S104又はS105の処理後、コントローラ90は、S106において吸気マニホールド33のコレクタ部33Aにおける外部EGR率を算出する。コレクタ部33Aにおける外部EGR率は、コレクタ部33A内の吸気量に対する外部EGRガス量の割合を示すものであり、EGRバルブ83の開度、エンジン回転速度、及び外部EGRガス輸送遅れに基づいて算出される。なお、外部EGRガス輸送遅れは、EGRバルブ83からコレクタ部33Aまでの容積に基づく定数である。
S107では、コントローラ90は、第1フラグF1が0であるか否かを判定する。第1フラグF1は、フュエルカットを実行する運転状態であるか否かを判定するためのフラグである。
第1フラグF1が0である場合には、コントローラ90はフュエルカットを実行しない通常運転中であると判定し、S108の処理を実行する。これに対して、第1フラグF1が0以外である場合には、コントローラ90は、フュエルカットを実行する運転状態であると判定し、S112の処理を実行する。
S108では、コントローラ90は、フュエルカット条件が成立しているか否かを判定する(条件判定部,条件判定工程)。フュエルカット条件は、特定の車両減速時に成立する条件である。コントローラ90は、例えばエンジン暖機状態、アクセルオフ、及び高エンジン回転速度であることを検出した時に、フュエルカット条件が成立したと判定する。
フュエルカット条件が成立していない場合には、コントローラ90は本制御処理を終了する。これに対して、フュエルカット条件が成立している場合には、コントローラ90はS109の処理を実行する。
S109では、コントローラ90は、S106で算出した外部EGR率が基準値を越えているか否かを判定する(還流排気率判定部,還流排気率判定工程)。この基準値は、フュエルカット実行前に行われるトルク低下制御において失火が生じやすい状態であるか否かを判定するための値である。基準値は0を含む所定の値に設定される。基準値が0とは、吸気に外部EGRガスが含まれていない状態を示す。
外部EGR率が基準値より小さい場合には、コントローラ90は、コレクタ部33A内における外部EGRガス量が少なく失火しにくい状態であると判定し、ステップS110において第1フラグF1を1に設定する。
これに対して、外部EGR率が基準値以上である場合には、コントローラ90は、コレクタ部33A内における外部EGRガス量が多く失火しやすい状態であると判定し、ステップS111において第1フラグF1を2に設定する。
S110又はS111の処理後、コントローラ90は、S112において第1フラグが1に設定されているか否かを判定する。
第1フラグが1に設定されている場合には、コントローラ90は、S113においてフュエルカット制御Aを実行して、本制御処理を終了する。フュエルカット制御Aの詳細については、図4〜図7を参照して後述する。
一方、第1フラグが2に設定されている場合には、コントローラ90は、S114においてフュエルカット制御Bを実行して、本制御処理を終了する。フュエルカット制御Bの詳細については、図8〜図11を参照して後述する。
図4を参照して、コントローラ90が実行するフュエルカット制御Aの処理について説明する。フュエルカット制御Aは、従来から一般的に行われているフュエルカット制御である。このフュエルカット制御Aでは、コントローラ90は、図4のS201〜S205の処理を実行する。
S201では、コントローラ90は、燃料供給を再開させるリカバリー条件が成立しているか否かを判定する。コントローラ90は、例えばフュエルカット中にアクセルペダルが踏み込まれた場合や、フュエルカット中にエンジン回転速度が所定値以下となった場合に、リカバリー条件が成立したと判定する。
リカバリー条件が成立していない場合には、コントローラ90は、ステップS202において第2フラグF2が0に設定されているか否かを判定する。第2フラグF2は、フュエルカット前制御(トルク低下制御)が実行済みであるか否かを判定するためのフラグである。
第2フラグF2が0である場合には、コントローラ90は、S203においてフュエルカット前制御Aを実行し、本制御処理を終了する。フュエルカット前制御Aの詳細については、図5を参照して後述する。
一方、第2フラグF2が1である場合には、コントローラ90は、S204においてフュエルカット実行制御Aを実行し、本制御処理を終了する。フュエルカット実行制御Aの詳細については、図6を参照して後述する。
ところで、S201においてリカバリー条件が成立していると判定された場合には、コントローラ90は、S205においてリカバリー制御Aを実行する。リカバリー制御Aの詳細については、図7を参照して後述する。
図5を参照して、コントローラ90が実行するフュエルカット前制御Aの処理について説明する。フュエルカット前制御Aは、フュエルカット実行時におけるトルクショックを抑制することを目的として行われる制御である。フュエルカット前制御Aは、第2フラグF2が0に設定されている場合に実行される(図4のS202及びS203参照)。
S301では、コントローラ90は、スロットルバルブ32を全閉に制御し、その後S302の処理を実行する。
S302では、コントローラ90は、現在のコレクタ圧、エンジン回転速度、及びコレクタ部33Aにおける外部EGR率に基づいて、燃焼室2内に供給されるシリンダ吸入空気量を算出する。
S303では、コントローラ90は、算出したシリンダ吸入空気量に基づいて、燃料噴射量Tiと基本点火時期ITOを算出する。燃料噴射量Tiは、シリンダ吸入空気量に基づき空燃比が1となるように設定される。
S304では、コントローラ90は、基本点火時期ITOを遅角補正量hITだけ遅角させ、点火時期ITを決定する。遅角補正量hITは、一定値としてもよいし、時間経過とともに大きくなる値としてもよい。このように点火時期を遅角制御することで、エンジン100の軸トルク(出力トルク)を低下させる。
S305では、コントローラ90は、燃料噴射量Ti及び点火時期ITに基づいて、エンジン100が発生させる発生トルクTeを算出する。
S306では、コントローラ90は、S305で算出した発生トルクTeをクランク軸に生じる軸トルクTに設定する。
S307では、コントローラ90は、軸トルクT及びエンジンフリクショントルクTfに基づいて、フュエルカットした時に生じるトルク変化量ΔTを算出する。トルク変化量ΔTは、軸トルクTから、各種エンジン構成部材間の摩擦力等に基づいて決定されるエンジンフリクショントルクTfを減算することで算出される。
S308では、コントローラ90は、トルク変化量ΔTが許容変化量ΔTLより小さいか否かを判定する。
トルク変化量ΔTが許容変化量ΔTL以上である場合には、コントローラ90は、軸トルクTが十分に低下しておらず、フュエルカット時におけるトルクショックが大きいと判定し、第2フラグF2の設定を変更せずに本制御処理を終了する。
一方、トルク変化量ΔTが許容変化量ΔTLより小さい場合には、コントローラ90は、軸トルクTが十分に低下しており、フュエルカットを実行してもトルクショックがほとんど生じないと判定し、S309において第2フラグF2を1に設定して、本制御処理を終了する。
図6を参照して、コントローラ90が実行するフュエルカット実行制御Aの処理について説明する。フュエルカット実行制御Aは、第2フラグF2が1に設定されている場合に実行される(図4のS202及びS204参照)。
S401では、コントローラ90は、燃料噴射弁8の燃料噴射量Tiを0に設定し、燃料の供給を停止して、フュエルカットを実行する。このようにフュエルカットを実行することで、燃料を無駄に使用することを抑制でき、減速時等における燃料消費を改善することができる。S401の処理後、コントローラ90は本制御処理を終了する。
図7を参照して、コントローラ90が実行するリカバリー制御Aの処理について説明する。リカバリー制御Aは、リカバリー条件が成立した時に、フュエルカット実行制御Aを終了して燃料供給を再開させるための制御である(図4のS201及びS205参照)。
S501では、コントローラ90は、第1フラグF1を0に設定するとともに第2フラグF2を0に設定して、本制御処理を終了する。このように第1フラグF1及び第2フラグを0に設定することで、次にフュエルカット条件が成立するまで通常運転制御が実行される(図2のS108参照)。
通常運転制御では、点火時期が通常運転用の点火時期に制御され、空燃比が1になるように制御される。なお、フュエルカット終了後から所定期間は、空燃比を1より小さいリッチ側に制御するようにしてもよい。
次に、図8を参照して、コントローラ90が実行するフュエルカット制御Bの処理について説明する。フュエルカット制御Bは、外部EGR率が基準値以上であって、吸気マニホールド33のコレクタ部33A内に多量の外部EGRガスが残っている場合に実行される制御である(図2のS109、S111、及びS114参照)。このフュエルカット制御Bでは、コントローラ90は、図8のS601〜S605の処理を実行する。
S601では、コントローラ90は、燃料供給を再開させるリカバリー条件が成立しているか否かを判定する。コントローラ90は、例えばフュエルカット中にアクセルペダルが踏み込まれた場合や、フュエルカット中にエンジン回転速度が所定値以下となった場合に、リカバリー条件が成立したと判定する。
リカバリー条件が成立していない場合には、コントローラ90は、ステップS602において第2フラグF2が0に設定されているか否かを判定する。
第2フラグF2が0である場合には、コントローラ90は、S603においてフュエルカット前制御Bを実行し、本制御処理を終了する。フュエルカット前制御Bの詳細については、図9を参照して後述する。
一方、第2フラグF2が1である場合には、コントローラ90は、S604においてフュエルカット実行制御Bを実行する(フュエルカット実行部,フュエルカット実行工程)。フュエルカット実行制御Bの詳細については、図10を参照して後述する。
ところで、S601においてリカバリー条件が成立していると判定された場合には、コントローラ90は、S605においてリカバリー制御Bを実行する(リカバリー制御実行部,リカバリー制御実行工程)。リカバリー制御Bの詳細については、図11を参照して後述する。
図9を参照して、コントローラ90が実行するフュエルカット前制御Bの処理について説明する。フュエルカット前制御Bは、失火を抑制するとともにフュエルカット実行時におけるトルクショックを抑制することを目的として行われる制御である。フュエルカット前制御Bは、第2フラグF2が0に設定されている場合に実行される(図8のS602及びS603参照)。
S701では、コントローラ90は、スロットルバルブ32を全閉に制御し、その後S702の処理を実行する。
S702では、コントローラ90は、エンジン100に付帯して設けられる補機を駆動させ、エンジン100に追加負荷を付与する(追加負荷付与部,追加負荷付与工程)。追加負荷を付与するための補機は、エンジンに負荷を付与できるものであればよく、オルタネータやウォータポンプ、油圧ポンプ、エアコンコンプレッサ等である。
例えば、オルタネータは、発電電力を制御可能なものが使用され、追加負荷を付与しない場合には車両全体で必要な電力だけを発生するように制御され、追加負荷を付与する場合には車両全体で必要な電力よりも大きな電力を発生するように制御される。なお、追加負荷付与時における余剰電力はバッテリの充電に用いられる。
また、ウォータポンプは、吐出流量を制御可能なものが使用され、追加負荷を付与しない場合にはエンジン運転状態に応じて決定される通常流量に制御され、追加負荷を付与する場合には通常流量よりも大きな大流量に制御される。
S703では、コントローラ90は、現在のコレクタ圧、エンジン回転速度、及びコレクタ部33Aにおける外部EGR率に基づいて、燃焼室2内に供給されるシリンダ吸入空気量を算出する。
S704では、コントローラ90は、算出したシリンダ吸入空気量に基づいて、燃料噴射量Tiと基本点火時期ITOを算出する。燃料噴射量Tiは、シリンダ吸入空気量に基づき空燃比が1となるように設定される。
S705では、コントローラ90は、基本点火時期ITOを遅角補正量hITBだけ遅角させ、点火時期ITを決定する(トルク制御部,トルク制御工程)。遅角補正量hITBは、遅角補正量hIT(図5のS304)よりも小さく設定されている。したがって、遅角補正量hITBにより補正した点火時期ITは、基本点火時期から遅角制御されるものの、遅角補正量hITにより補正する場合と比較して進角された時期となる。遅角補正量hITBは、エンジン100が追加負荷に応じた発生トルクを出力する点火時期ITとなるような値に設定されている。
このように点火時期の遅角補正量が小さくなると、燃焼室2内の温度及び圧力等の低下が抑制されて燃焼安定度が高まるので、筒内総残ガス率における失火限界値を高めることができる。筒内総残ガス率は、燃焼室2内の外部EGRガス量と内部EGRガス量の和を燃焼室2内の吸気量(新気量)で除して算出される値である。外部EGRガス量や内部EGRガス量等が増加して、筒内総残ガス率が失火限界値を越えると、失火が発生する可能性が高くなる。
S706では、コントローラ90は、燃料噴射量Ti及び点火時期ITに基づいて、エンジン100が発生させる発生トルクTeを算出する。
S707では、コントローラ90は、S706で算出した発生トルクTeから追加負荷分を除いた値を、軸トルク(出力トルク)Tとして設定する。このように、軸トルクTは、発生トルクTeから追加負荷を差し引いて求められる。
S708では、コントローラ90は、軸トルクT及びエンジンフリクショントルクTfに基づいて、フュエルカットした時に生じるトルク変化量ΔTを算出する。
S709では、コントローラ90は、トルク変化量ΔTが許容変化量ΔTLより小さいか否かを判定する。
トルク変化量ΔTが許容変化量ΔTL以上である場合には、コントローラ90は、軸トルクTが十分に低下しておらず、フュエルカット時におけるトルクショックが大きいと判定し、第2フラグF2の設定を変更せずに本制御処理を終了する。
一方、トルク変化量ΔTが許容変化量ΔTLより小さい場合には、コントローラ90は、軸トルクTが十分に低下しており、フュエルカットを実行してもトルクショックがほとんど生じないと判定し、S710において第2フラグF2を1に設定して、本制御処理を終了する。
図10を参照して、コントローラ90が実行するフュエルカット実行制御Bの処理について説明する。フュエルカット実行制御Bは、第2フラグF2が1に設定されている場合に実行される(図8のS602及びS604参照)。
S801では、コントローラ90は、燃料噴射弁8の燃料噴射量Tiを0に設定し、燃料の供給を停止して、フュエルカットを実行する。このようにフュエルカットを実行することで、燃料を無駄に使用することを抑制でき、減速時等における燃料消費を改善することができる。
S802では、コントローラ90は、補機に対する制御量等を低下させ、追加負荷の付与を停止して、本制御処理を終了する。
図11を参照して、コントローラ90が実行するリカバリー制御Bの処理について説明する。リカバリー制御Bは、リカバリー条件が成立した時に、フュエルカット実行制御Bを終了して燃料供給を再開させるための制御である(図8のS601及びS605参照)。
S901では、コントローラ90は、第1フラグF1を0に設定するとともに第2フラグF2を0に設定して、本制御処理を終了する。このように第1フラグF1及び第2フラグを0に設定することで、次にフュエルカット条件が成立するまで通常運転制御が実行される(図2のS108参照)。
通常運転制御では、点火時期が通常運転用の点火時期に制御され、空燃比が1になるように制御される。なお、フュエルカット終了後から所定期間は、空燃比を1より小さいリッチ側に制御するようにしてもよい。
次に、図12のタイミングチャートを参照して、コレクタ部33Aの外部EGR率が大きい場合に実行されるフュエルカット制御Bについて説明する。
排気還流機構80による外部EGRガス還流時において、時刻t1でアクセルオフされると、図12(A)に示すようにアクセルペダル踏込量が0になり、図12(B)に示すようにエンジン回転速度が低下して車両が減速し始め、フュエルカット条件が成立する。この時、スロットルバルブ32及びEGRバルブ83は全閉状態に制御される。
時刻t1までは外部EGRガスが還流されており、図12(H)に示すコレクタ部33Aにおける外部EGR率は基準値より大きくなっているので、フュエルカット制御Bが実行される。時刻t2から時刻t3の間はフュエルカット前制御Bが行われ、時刻t3から時刻t4の間はフュエルカット実行制御Bが行われ、時刻t4でリカバリー制御Bが行われる。
時刻t2において、図12(F)に示すようにエンジン100に追加負荷が付与されるとともに、図12(E)に示すように点火時期の遅角制御が行われる。フュエルカット前制御Bでの点火時期は、図12(E)の破線で示すフュエルカット前制御Aにおける点火時期よりも進角側に設定される。このように点火時期を制御することにより、エンジン100の発生トルクは、追加負荷分を補うように高められる(図12(G)の一点鎖線)。しかしながら、発生トルクの増加分は追加負荷を駆動させるものであるため、エンジン100の軸トルク(出力トルク)は図12(G)の実線の通り追加負荷分を除いたものとなる。軸トルクは、点火時期の遅角制御に伴って漸次低下していく。
スロットルバルブ32が閉弁され、コレクタ圧が低下すると、燃焼室2に導かれる吸気量及び外部EGRガス量が減少するが、内部EGRガス量は運転状態によらずほぼ一定となるから、図12(I)に示すように筒内総残ガス率は上昇する。この筒内総残ガス率が失火限界値を越えると、フュエルカット前におけるトルク低下制御において失火してしまう。しかしながら、本実施形態では、点火時期の遅角補正量を従来(フュエルカット前制御A)よりも小さくして燃焼安定度を高めることで、失火限界値を高めているので、図12(I)に示すように筒内総残ガス率が失火限界値を越えることがない。
そして、時刻t3において軸トルクが所定値まで低下し、軸トルクからエンジンフリクショントルクを引いたトルク変化量ΔTが許容変化量ΔTLとなった時に、図12(C)に示すように燃料の供給が停止され、フュエルカットが実行される。
その後、時刻t4においてリカバリー条件が成立すると、リカバリー制御Bが実行され、図12(C)に示すように燃料の供給が再開されるとともに、図12(E)に示すように点火時期がエンジン運転状態に応じて設定される。なお、フュエルカット終了後から所定期間は、空燃比が1より小さいリッチ側に制御される。
上記した第1実施形態のエンジン100の制御装置及び制御方法によれば、フュエルカット条件成立時に外部EGR率が基準値よりも大きい場合には、エンジン100に追加負荷を付与し、追加負荷を補うように発生トルクを出力させるとともに、追加負荷分を除いた軸トルクを漸次低下させるようにフュエルカット前制御Bを実行する。そして、軸トルクが所定値まで低下した後に、エンジン100への燃料の供給及び追加負荷の付与を停止する。
フュエルカット前制御Bでは、点火時期の遅角補正量をフュエルカット前制御Aにおける遅角補正量よりも小さく(進角側に設定)することで、燃焼性を安定させて失火限界値を高めるので、外部EGR率が高い状態においてトルクを低下させる制御を行っても、失火を招くことがない。点火時期の遅角補正量を小さくすると、その分(進角分)だけ発生トルクが増加するが、発生トルクの増加分は追加負荷で消費される。そのため、遅角補正量を小さくしても軸トルクには影響がなく、エンジン100の軸トルクを速やかに所定値まで低下させることができる。
したがって、外部EGR運転状態からの減速時においてフュエルカット条件が成立した場合に、外部EGR率の低下を待たずにエンジン100の軸トルクを低下させることができ、フュエルカットの開始タイミングが早くなり、フュエルカットによる燃料消費の改善効果を高めることが可能となる。
エンジン100が、外部EGRガスをスロットルバルブ32よりも上流側、より具体的には吸気コンプレッサ51よりも上流側に還流するように構成され、車両減速時に外部EGR率が大きい状態がある程度継続するものであっても、フュエルカットを早期に実施でき、燃料消費の改善効果を高めることができる。
なお、リカバリー制御Bの実行時(時刻t4)において、外部EGR率が基準値よりも大きい場合には、図12(F)に示すようにエンジン100に追加負荷を付与し、図12(G)の一点鎖線に示すようにエンジン100の発生トルクが追加負荷分だけ増加するようにトルク制御してもよい。追加負荷分のトルク増加は、点火時期の進角制御によって行われる。リカバリー制御Bを実行してから所定時間経過した時刻t5で、追加負荷の付与が停止される。このように追加負荷が付与された状態でリカバリー時のトルク制御を行うことで、失火することなく、エンジン100での燃焼を再開させることができる。
(第2実施形態)
図13及び図14を参照して、本発明の第2実施形態によるエンジン100の制御について説明する。第2実施形態によるエンジン100の制御は、第1実施形態とほぼ同様であるが、フュエルカット前制御Bの処理の一部において相違する。
図13は、第2実施形態によるエンジン100が備えるコントローラ90が実行するフュエルカット前制御Bの処理を示すフローチャートである。フュエルカット前制御Bは、失火を抑制するとともにフュエルカット実行時におけるトルクショックを抑制することを目的として行われる制御である。
なお、図13のS702〜S704、S706〜S710の処理は、図9のS702〜S704、S706〜S710の処理と同じ処理であるので、詳細な説明を省略する。
フュエルカット前制御Bが開始されると、S701Aにおいて、コントローラ90は、スロットルバルブの開度を所定の小開度に制御する(トルク制御部,トルク制御工程)。第1実施形態では点火時期の遅角補正量を小さくすることで追加負荷分のトルクを補うが、第2実施形態ではスロットルバルブを小開度に設定し、減速時に燃焼室2に導入される吸気量を増やすことで、追加負荷分のトルクを補う。したがって、スロットルバルブの開度は、エンジン100に付与される追加負荷の大きさに応じて設定される。
S702では、コントローラ90は、補機を駆動させてエンジン100に追加負荷を付与し、その後S703及びS704の処理を実行する。
S704の処理後、コントローラ90はS705Aにおいて、基本点火時期ITOを、フュエルカット制御Aの場合(図5のS304)と同様に遅角補正量hITだけ遅角させ、点火時期ITを決定する(トルク制御部,トルク制御工程)。このように点火時期を遅角制御することで、発生トルクから追加負荷分を除いた軸トルク(出力トルク)を低下させる。
S705Aの処理後、コントローラ90は、S706以降の処理を実行し、本制御処理を終了する。
次に、図14のタイミングチャートを参照して、第2実施形態によるフュエルカット制御Bにおけるフュエルカット前制御Bについて説明する。
時刻t2においてフュエルカット前制御Bが開始されると、図14(F)に示すようにエンジン100に追加負荷が付与されるとともに、図14(E)に示すように点火時期の遅角制御が行われる。この時、スロットルバルブ32の開度は追加負荷の負荷に応じて所定の小開度に設定されるので、図14(D)に示すようにコレクタ圧が緩やかに低下する。したがって、コレクタ圧は、第1実施形態のようにスロットルバルブ32を全閉にした場合(図14(D)の破線)よりも大きな値となる。なお、フュエルカット前制御Bにおける空燃比は1に設定されている。
第2実施形態では、点火時期をフュエルカット制御Aと同様の遅角補正量で遅角するが、スロットルバルブ32の開度を制御してコレクタ圧の低下量を抑制するので、エンジン100の発生トルクは追加負荷分を補うように高められる(図14(G)の一点鎖線)。しかしながら、発生トルクの増加分は追加負荷を駆動させるものであるため、エンジン100の軸トルク(出力トルク)は図14(G)の実線の通り追加負荷分を除いたものとなる。軸トルクは、点火時期の遅角制御に伴って漸次低下していく。
そして、時刻t3において軸トルクが所定値まで低下し、軸トルクからエンジンフリクショントルクを引いたトルク変化量ΔTが許容変化量ΔTLとなった時に、図14(C)に示すように燃料の供給が停止され、フュエルカットが実行される。
時刻t2から時刻t3において実行されるフュエルカット前制御Bでは、コレクタ圧の低下量が抑制され、燃焼室2に導入される吸気量が増えるので、図14(I)に示すように筒内総残ガス率の上昇幅が小さくなる。その結果、筒内総残ガス率が失火限界値を越えることが抑制される。
上記した第2実施形態のエンジン100の制御装置及び制御方法によれば、フュエルカット条件成立時に外部EGR率が基準値よりも大きい場合には、エンジン100に追加負荷を付与し、追加負荷を補うように発生トルクを出力させるとともに、追加負荷分を除いた軸トルクを漸次低下させるようにフュエルカット前制御Bを実行する。そして、軸トルクが所定値まで低下した後に、エンジン100への燃料の供給及び追加負荷の付与を停止する。
フュエルカット前制御Bでは、スロットルバルブ32の開度を所定の小開度に設定し、コレクタ圧の低下量を小さくすることで、筒内総残ガス率の上昇幅を抑制して燃焼性を安定させるので、外部EGR率が高い状態においてトルクを低下させる制御を行っても、失火を招くことがない。スロットルバルブ32を小開度に設定してコレクタ圧の低下量を小さくすると、その分だけ発生トルクが増加するが、発生トルクの増加分は追加負荷で消費される。そのため、コレクタ圧の低下量を小さくしても軸トルクには影響がなく、エンジン100の軸トルクを速やかに所定値まで低下させることができる。
したがって、外部EGR運転状態からの減速時においてフュエルカット条件が成立した場合に、外部EGR率の低下を待たずにエンジン100の軸トルクを低下させることができ、フュエルカットの開始タイミングが早くなり、フュエルカットによる燃料消費の改善効果を高めることが可能となる。
なお、リカバリー制御Bの実行時(時刻t4)において、外部EGR率が基準値よりも大きい場合には、図14(F)に示すようにエンジン100に追加負荷を付与し、図14(G)の一点鎖線に示すようにエンジン100の発生トルクが追加負荷分だけ増加するようにトルク制御してもよい。追加負荷分のトルク増加は、スロットルバルブ32の開度制御によって行われる。リカバリー制御Bを実行してから所定時間経過した時刻t5で、追加負荷の付与が停止される。このように追加負荷が付与された状態でリカバリー時のトルク制御を行うことで、失火することなく、エンジン100での燃焼を再開させることができる。
本発明は、上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなし得ることは明白である。
第1実施形態及び第2実施形態では、外部EGR率に応じてエンジン100に付与する追加負荷の値を調整してもよい。つまり、外部EGR率が大きくなるほど、大きな追加負荷をエンジン100に付与し、その追加負荷に応じた発生トルクをエンジン100に出力させることで、フュエルカット前制御B中における失火の発生を確実に抑制できる。また、補機による追加負荷の付与を、外部EGR率に応じて必要最小限なものとすることができる。
100 エンジン
2 燃焼室
7 点火プラグ
8 燃料噴射弁
30 吸気通路
32 スロットルバルブ
33 吸気マニホールド
35 圧力センサ
40 排気通路
51 吸気コンプレッサ
52 排気タービン
80 排気還流機構
81 排気還流通路
83 EGRバルブ
90 コントローラ
91 クランク角センサ
92 アクセルペダルセンサ

Claims (9)

  1. エンジン運転状態に応じて排気の一部を吸気通路に還流する排気還流機構を備えるエンジンの制御装置であって、
    フュエルカット条件が成立したか否かを判定する条件判定部と、
    吸気量に対する還流排気量の割合である還流排気率が基準値よりも大きいか否かを判定する還流排気率判定部と、
    フュエルカット条件成立時に還流排気率が基準値よりも大きい場合に、前記エンジンに追加負荷を付与する追加負荷付与部と、
    追加負荷に応じた発生トルクを出力させるとともに、当該発生トルクから追加負荷分を除いた出力トルクをフュエルカット条件成立後から漸次低下させるトルク制御部と、
    出力トルクが所定値まで低下した場合に、前記エンジンへの燃料の供給及び追加負荷の付与を停止するフュエルカット実行部と、を備えることを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 前記エンジンは、前記吸気通路に設置されたスロットルバルブの上流側に排気を還流するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記エンジンは、前記スロットルバルブよりも上流側の前記吸気通路に設置された吸気コンプレッサの上流側に排気を還流するように構成されることを特徴とする請求項2に記載のエンジンの制御装置。
  4. 前記トルク制御部は、点火時期を進角制御することで、追加負荷分のトルクが出力されるようにトルク制御を実行することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載のエンジンの制御装置。
  5. 前記トルク制御部は、スロットルバルブを所定開度に開弁することで、追加負荷分のトルクが出力されるようにトルク制御を実行することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載のエンジンの制御装置。
  6. 前記追加負荷付与部は、還流排気率が大きくなるほど、大きな追加負荷を付与することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つに記載のエンジンの制御装置。
  7. 前記追加負荷付与部は、前記エンジンに付帯して設けられる補機を駆動させることで、前記エンジンに追加負荷を付与することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一つに記載のエンジンの制御装置。
  8. フュエルカット後に燃料供給を再開するリカバリー制御実行部をさらに備え、
    前記追加負荷付与部は、リカバリー制御実行時に還流排気率が基準値よりも大きい場合に、前記エンジンに追加負荷を付与し、
    前記トルク制御部は、追加負荷が付与された状態で前記エンジンのトルク制御を実行することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一つに記載のエンジンの制御装置。
  9. エンジン運転状態に応じて排気の一部を吸気通路に還流する排気還流機構を備えるエンジンの制御方法であって、
    フュエルカット条件が成立したか否かを判定する条件判定工程と、
    吸気量に対する還流排気量の割合である還流排気率が基準値よりも大きいか否かを判定する還流排気率判定工程と、
    フュエルカット条件成立時に還流排気率が基準値よりも大きい場合に、前記エンジンに追加負荷を付与する追加負荷付与工程と、
    追加負荷に応じた発生トルクを出力させるとともに、当該発生トルクから追加負荷分を除いた出力トルクをフュエルカット条件成立後から漸次低下させるトルク制御工程と、
    出力トルクが所定値まで低下した場合に、前記エンジンへの燃料の供給及び追加負荷の付与を停止するフュエルカット実行工程と、を備えることを特徴とするエンジンの制御方法。
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