以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は、以下の順序で行うものとする。
(1)第1の実施形態
(1−1)電子機器の構成について
(1−2)生活圏判定方法の具体例について
(1−3)生活圏判定方法の流れについて
(1−4)情報選択方法の流れについて
(2)第2の実施形態
(2−1)電子機器の構成について
(2−2)情報判定サーバの構成について
(2−3)生活圏判定方法の流れについて
(2−4)情報選択方法の流れについて
(3)本発明の実施形態に係る電子機器のハードウェア構成について
(4)まとめ
(第1の実施形態)
<電子機器の構成について>
まず、図1を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る電子機器の構成について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る電子機器の構成を示したブロック図である。
本実施形態に係る電子機器10は、図1に示したように、位置検出部101と、時刻検出部103と、記録制御部105と、判定部107と、情報選択部109と、表示制御部111と、記憶部113と、を主に備える。
位置検出部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信装置等により実現される。位置検出部101は、GPS、携帯電話等の移動体通信で利用される基地局、RFID(Radio Frequency Idetification)やWi−Fiで利用されるアクセスポイントや無線基地局等を利用して、電子機器10の現在位置を検出する。
位置検出部101は、電子機器10の現在位置を検出すると、検出した現在位置を表す情報(以下、現在位置情報とも称する。)を、後述する記録制御部105に出力する。なお、現在位置情報の例として、現在位置の緯度及び経度に関する情報を挙げることができる。なお、現在位置情報は、現在位置の緯度及び経度に関する情報に限定されるわけではなく、現在位置を一意に特定することが可能であれば、任意の情報であってもよい。
位置検出部101は、電子機器10の現在位置を、任意のタイミングで検出することができる。例えば、位置検出部101は、電子機器10の現在位置を常時検出していてもよく、所定の周期ごとに検出してもよい。
また、位置検出部101は、検出した現在位置に関する現在位置情報を、任意のタイミングで記録制御部105に出力することが可能である。例えば、位置検出部101は、現在位置を検出して現在位置情報を生成するごとに、生成した現在位置情報を記録制御部105に出力してもよい。また、位置検出部101は、現在位置が変化したときに、変化した現在位置に関する現在位置情報を、記録制御部105に出力してもよい。
なお、現在位置情報は、電子機器10のわずかな位置のズレによっても変化しうる情報である。そのため、電子機器10の現在位置の変化はわずかであり、実質的には同じ場所に位置しているとみなすことが可能な場合であっても、現在位置情報自体は変化している可能性がある。従って、現在位置の変化に応じて現在位置情報が出力される場合、電子機器10が移動したか否かを判断するための閾値領域を予め設定しておき、位置検出部101は、電子機器10が閾値領域を超えて移動したときに、現在位置が変化したと判断してもよい。
図2は、現在位置が変化したか否かを判断する方法の一例を説明するための説明図である。例えば図2に示したように、ある時刻t1において電子機器10が位置P1に存在した場合を考える。ここで、位置検出部101には、「着目している地点を中心として半径20m」などといった、現在位置が変化したか否かを判断するための閾値領域が設定されているものとする。図2に示した場合、時刻t2における位置P2、時刻t3における位置P3、及び、時刻t4における位置P4は、位置P1を中心とする閾値領域の内部に存在する位置である。従って、位置P1〜位置P4については、位置検出部101は、現在位置の変化はないと判断する。他方、時刻t5における位置P5は、図2に示した閾値領域の範囲外に存在する位置である。従って、位置検出部101は、位置P5に関する現在位置情報を取得すると、取得した位置P5に関する現在位置情報を、記録制御部105に出力する。その結果、記録制御部105では、電子機器10の現在位置が変化した場合に、履歴情報を記録することとなる。
時刻検出部103は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置等により実現される。時刻検出部103は、現在位置に対応する時刻を検出し、検出した時刻を表す情報(以下、時刻情報とも称する。)を、後述する記録制御部105に出力する。時刻検出部103は、現在位置に対応する時刻を、電子機器10の有する時計機能を利用して検出してもよい。また、時刻検出部103は、現在位置に対応する時刻を、位置検出部101が取得したGPS等からのデータを参照して検出してもよく、ネットワークを介して時刻サーバ等の外部サーバを参照することで検出してもよい。
記録制御部105は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。記録制御部105は、位置検出部101から出力された現在位置情報と、時刻検出部103から出力された時刻情報とを互いに関連付けて、後述する記憶部113等の所定の箇所に履歴情報として記録する処理の制御を実施する。
記録制御部105が、現在位置情報と時刻情報とを関連付けて記録することにより、例えば記憶部113等には、図3に示したような履歴情報が格納されることとなる。図3に示したように、履歴情報には、現在位置を表す緯度・経度の記載された現在位置情報と、対応する時刻の記載された時刻情報とが含まれている。なお、図3に示した例はあくまでも一例であって、履歴情報には、図示したもの以外の情報(例えば、電子機器のユーザを表すユーザID等の情報や、平日/休日などのカレンダーに関する情報等)が更に関連付けられていてもよい。
判定部107は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置等により実現される。判定部107は、記憶部113等の所定の格納場所に記録された履歴情報を少なくとも利用して、電子機器10の保持者(ユーザ)が日常的に訪れる領域(地域)を表す生活圏を判定する。
判定部107が判定するユーザの生活圏の種類は、特に限定されるわけではないが、例えば、図4に示したような項目が、生活圏として判定される。また、判定部107は、自宅、職場/学校、利用駅、食事エリア、買い物エリア、スポーツエリア、趣味・娯楽エリアといった各生活圏のうち、少なくともいずれかを判定することが可能である。
なお、自宅、職場/学校、利用駅など、図4に示した項目に該当する生活圏は、1つだけに限定されるわけではなく、各項目について1または複数の地域が、該当する地域として判定される。
また、判定部107は、例えば図5に示したように、記憶部113等に格納されている履歴情報に加えて、各種の情報を利用しながらユーザの生活圏の判定を行うことが可能である。例えば、判定部107は、図5に示したように、履歴情報に加えて、ユーザ個人に関する個人情報(ユーザ情報)を利用することが可能である。このユーザ情報の例として、ユーザの自宅の住所、郵便番号、電話番号、性別、生年月日等を挙げることができる。また、判定部107は、ネットワーク3を介して接続可能な各種の情報検索サーバ5から取得した様々な情報を、生活圏の判定に利用することが可能である。
ここで、ネットワーク3は、電子機器10と情報検索サーバ5とを互いに双方向通信可能に接続する通信回線網である。このネットワークは、例えば、インターネット、電話回線網、衛星通信網、同報通信路等の公衆回線網や、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、IP−VPN(Internet Protocol−Virtual Private Network)、Ethernet(登録商標)、ワイヤレスLAN等の専用回線網などで構成されており、有線/無線を問わない。
また、情報検索サーバ5は、検索したい事柄に関するキーワード等を入力することで、当該キーワード等に関連する各種情報を提供する、各種の情報を管理しているサーバである。情報検索サーバ5から取得可能な情報の例として、平日/休日に関するカレンダー情報、地図に関する情報、建物・施設に関する情報、時刻表や路線情報等を含む乗り物に関する情報、道路に関する情報などを挙げることができる。また、図5に示した情報はあくまでも一例であって、判定部107は、取得可能な様々な情報を利用して、生活圏の判定を行うことが可能である。
また、判定部107は、各種サーバから取得する情報以外にも、例えば地図情報が格納されたDVDディスクやBlu−rayディスクなど、各種の記録媒体を参照して、格納されている各種の情報を利用することも可能である。
判定部107によるユーザの生活圏の判定処理は、例えば、所定の期間が経過するごとに実施される。この期間は、電子機器10に予め設定されていてもよく、ユーザが適宜設定した値であってもよい。ただ、以下で詳述するように、生活圏は履歴情報を解析する(例えば、統計処理を実施する)ことで得られるものであるため、履歴情報として登録されているデータの数が多いほど、正確な判定を行うことが可能となる。
従って、例えば、平日の行動に伴う生活圏を判定するのであれば、少なくとも1週間以上の期間で判定処理を実施することが好ましい。また、1カ月以上の期間で判定処理を実施することで、休日の行動に伴う生活圏をより精度よく判定することが可能となる。
判定部107が実施する生活圏の判定方法の具体例については、以下で改めて詳細に説明する。
なお、判定部107は、例えば図6に示したように、履歴情報と、予め設定された設定情報とに基づいて、生活圏の判定を行うことが可能である。例えば、設定情報として、図6に示したように、「1週間に10時間以上滞在する半径3kmの範囲」という条件が設定されていた場合、判定部107は、履歴情報に基づいて、各位置情報が生活圏か否かを判定することができる。
判定部107は、各種の生活圏の判定が終了すると、得られた生活圏に関する情報(例えば、各生活圏の範囲を示す情報など)を、記憶部113等に格納することが好ましい。また、判定部107は、得られた生活圏に関する情報(以下、生活圏情報とも称する。)を、後述する情報選択部109に出力してもよい。また、判定部107は、得られた生活圏情報を、電子機器10の外部に位置する各種の装置に出力することも可能である。
なお、本実施形態に係る判定部107は、ユーザの生活圏を自動的に判定するものであるが、ユーザが、判定部107による判定に先立って、自身の生活圏に関する情報(例えば、生活圏であることを表す情報や生活圏ではないことを表す情報)を入力してもよい。
また、本実施形態に係る判定部107は、ユーザの生活圏を判定するだけでなく、現在位置が、既に認定されている生活圏のいずれかに属するか否かを判定することも可能である。この場合、判定部107は、記憶部113に格納されている履歴情報に含まれる現在位置情報と、生活圏情報とを参照して、現在位置がいずれかの生活圏に含まれるか否かを判断する。判定部107は、記憶部113等に格納されている履歴情報を、任意のタイミングで参照する(例えば、常時参照する、所定の周期毎に参照するなど)ことで、かかる判断を実施することができる。
判定部107は、現在位置がある生活圏に属するか否かの判定結果を、後述する情報選択部109に出力したり、後述する表示制御部111を介して表示画面に表示したりすることが可能である。また、判定部107は、現在位置がある生活圏に属するか否かの判定結果を、外部の装置に出力することも可能である。
情報選択部109は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置等により実現される。情報選択部109は、判定部107が生成した生活圏情報、及び、ユーザ等により予め設定された、情報選択に関する設定情報等に基づいて、位置情報に関連付けられた様々な情報の中から、電子機器10の保持者に提供する情報の選択を行う。また、情報選択部109は、情報の選択に際して、ユーザの嗜好等に基づいて更に選択を行うことも可能である。
例えば、情報選択部109は、図7に示したように、電子機器10が備える記憶部113に格納されている、位置情報と関連づいた各種の情報の中から、ユーザに提供する情報を選択することができる。記憶部113等に、例えば、ユーザが気に入った飲食店に関する情報など、ユーザの嗜好に合致した各種の情報が予め格納されている場合には、情報選択部109は、かかる情報の中から設定情報に適合した情報を選択することができる。
また、情報選択部109は、生活圏に含まれる位置を表す位置情報に基づいて情報検索サーバ5や他の電子機器7等が保持している各種情報を検索し、得られた検索結果の中から、ユーザに提供する情報を選択することも可能である。例えば、情報選択部109は、生活圏に含まれる位置を表す位置情報に基づいて、店舗等の口コミ情報が記載されたサイトや、店舗紹介サイト等を検索することにより、生活圏に属する店舗の情報を提供することできる。
情報選択に関する設定情報として、例えば、「生活圏に属する施設や生活圏内で行われる各種イベント等の情報を提供しない」といった設定や、「生活圏に属する施設や生活圏内で行われる各種イベント等の詳細情報を提供する」といった設定が設定可能である。このような設定情報が予め登録されていることで、情報選択部109は、ユーザのニーズに応じた情報を適切に選択することが可能となる。
また、情報選択部109は、現在位置が生活圏外にある場合に、ユーザの嗜好情報やユーザによって登録された生活圏内の各種情報を利用して、情報検索サーバ5等から取得した情報のマッチングを行うことも可能である。これにより、情報選択部109は、ユーザの嗜好にあった生活圏外の情報を、適切に選択することが可能となる。
また、情報選択部109は、現在位置が生活圏外にある場合に、現在位置に基づいて情報検索サーバ5等で情報検索を行い、得られた情報をユーザに提供することも可能である。これにより、例えば、ユーザが旅行などで生活圏外の場所を訪れた場合に、電子機器10を旅行ガイドブックのようにして利用することができる。
情報選択部109は、このようにして選択した情報を、後述する表示制御部111を介して電子機器10が備えるディスプレイ等の表示部に表示させることが可能である。また、情報選択部109は、選択した情報を外部の装置に出力することも可能である。
なお、以上説明したような情報の選択処理は、あくまでも一例であって、他にも様々な情報選択処理を実施することが可能である。
表示制御部111は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。表示制御部111は、本実施形態に係る電子機器10が備えるディスプレイ等の表示装置に表示される表示画面の制御を行う。また、表示制御部111は、ユーザが電子機器10に対して行った操作に関するユーザ操作情報、及び、情報選択部109から出力される各種情報等の少なくとも何れかに応じて、表示画面に表示されている内容を変更する。
記憶部113は、本実施形態に係る電子機器10が備えるストレージ装置の一例である。記憶部113には、記録制御部105によって生成された履歴情報や、判定部107により生成された生活圏情報等が格納される。また、記憶部113には、電子機器10のユーザに関するユーザ情報や、ユーザの嗜好を表したユーザ嗜好情報や、ユーザによって予め選択された各種の情報などが、記録されていてもよい。さらに、記憶部113には、本実施形態に係る電子機器10が、何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等、または、各種のデータベースやプログラム等が、適宜記録される。
以上、本実施形態に係る電子機器10の構成について、その一例を説明した。
なお、上記説明では、電子機器10が情報選択部109を備える場合について説明を行ったが、電子機器10は、情報選択部109を備えていなくともよい。
また、本実施形態に係る電子機器10は、パーソナルコンピュータや各種サーバ等のコンピュータとして実現されてもよく、携帯用音楽プレーヤ、携帯用ゲーム機、携帯電話、スマートフォン、PDA、タッチスクリーンタブレット等の携帯型電子機器として実現されてもよい。また、本実施形態に係る電子機器10は、テレビ、DVDレコーダやBlu−Rayレコーダ等の各種レコーダとして実現されてもよく、カーナビゲーションシステム等として実現されてもよい。
以上、本実施形態に係る電子機器10の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
なお、上述のような本実施形態に係る電子機器の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
<生活圏判定方法の具体例について>
続いて、本実施形態に係る判定部107で実施される生活圏判定方法について、具体的に説明する。なお、以下で説明する具体例は、判定部107で実施される生活圏判定方法のあくまでも一例であって、判定部107で実施される生活圏判定方法が下記の例に限定されるわけではない。
[自宅の判定例]
通常、ユーザは、夜間の時間帯(特に、午前0時以降の深夜の時間帯)には、自宅で休息していたり、睡眠を取ったりしていると考えられる。そこで、判定部107は、夜間の時間帯に、所定時間以上移動がなかった場所を、ユーザの生活圏における自宅と判定することができる。
例えば、判定部107は、夜間の時間帯に該当する履歴情報に記載されている位置情報の重心を算出し、算出した重心の位置を、ユーザの生活圏における自宅と判定することができる。また、判定部107は、夜間の時間帯に該当する履歴情報に記載されている位置情報を用いて、位置に関する頻度分布を特定し、最大頻度となった位置を、ユーザの生活圏における自宅と判定することができる。
[職場/学校の判定例]
通常、ユーザは、昼間の時間帯(特に、平日の昼間の時間帯)には、職場や学校で活動をしていると考えられる。そこで、判定部107は、昼間(特に、平日の昼間)に、所定の日数かつ所定時間以上移動がなかった場所を、ユーザの生活圏における職場又は学校と判定することが可能である。
また、判定部107は、ユーザの個人情報が記憶部113等に格納されている場合には、ユーザの年齢等を参照して、特定した位置に存在する施設が職場か学校かを大まかに判断することができる。
また、判定部107は、特定した位置情報(例えば、緯度・経度に関する情報)を利用して、情報検索サーバ等で情報検索を行い、特定した位置に何が存在するのかを調べてもよい。例えば、情報検索サーバ等に格納されている地図情報を参照して、該当する位置に学校が検出された場合、判定部107は、該当する位置を、ユーザの生活圏における学校と判定することができる。逆に、該当する位置が学校ではなかった場合には、該当する位置を、ユーザの生活圏における職場と判定することが可能である。
[利用駅の判定例]
ユーザの自宅と職場又は学校とが特定されると、判定部107は、自宅から職場又は学校に移動する際に所定時間以上位置変化のなかった場所を、ユーザが通勤又は通学で利用する駅と判定することができる。なお、ここでいう駅とは、鉄道の駅のみならず、船が接岸する港湾、飛行機を利用する際の空港、バスの停車するバス停など、交通機関を利用するための乗降箇所を含むものである。
また、判定部107は、特定した位置情報(例えば、緯度・経度に関する情報)を利用して、情報検索サーバ等で情報検索を行い、特定した位置が、鉄道の駅、港湾、バス停等であるか否かを判断してもよい。また、判定部107は、利用駅の位置を特定すると、情報検索サーバ等で該当する交通機関の時刻表を検索して、駅名等を特定することも可能である。
[食事エリアの判定例]
判定部107は、朝食、昼食、夕食を摂る時間帯に、所定時間以上移動のなかった、自宅、職場及び学校以外の場所を、ユーザの生活圏における食事エリアと判定することができる。かかる場合においても、判定部107は、特定した位置情報を利用して情報検索を行い、該当する位置が飲食店等であるか否かに基づいて、食事エリアを判定することも可能である。
なお、朝食、昼食、夕食の時間帯は、初期値として設定することも可能であるが、ユーザが自身の生活パターンに則した時間帯を指定してもよい。
[スポーツエリアの判定例]
判定部107は、特定した位置情報を利用して情報検索を行い、該当する位置がスポーツ施設、公園、河川敷等であった場合に、かかる場所を、ユーザの生活圏におけるスポーツエリアと判定することが可能である。
[買い物エリアの判定例]
判定部107は、職場もしくは学校と判定された場所から自宅への移動の間に、所定日数かつ所定時間以上移動がなかった場所、又は、休日に所定日数かつ所定時間以上移動がなかった場所であって、位置情報に基づく情報検索の結果、各種販売店に該当する場所もしくは店舗が密集している場所に該当する場所を、ユーザの生活圏における買い物エリアと判定することが可能である。
[趣味・娯楽エリアの判定例]
判定部107は、平日に所定時間以上移動がない場所であって上記エリアに該当しない場所、又は、休日に所定時間以上移動がない場所を、ユーザの生活圏における趣味・娯楽エリアと判定することが可能である。
また、上記エリアに当てはまらず、所定時間以上滞在することが多い場所については、その他の生活圏として名前を自由にユーザが指定して、新たな生活圏とすることが可能である。
判定部107は、これら生活圏と判定された各エリアを中心に所定の距離の範囲を、上記各エリアと判断することで、各エリアの範囲を指定することも可能である。この際に、各エリアの範囲に関して、ユーザは、その広さを自由に設定することが可能である。
ここで、上記説明における所定の期間は、ユーザが自由に設定することができる。また、設定の仕方についても、単純に何時間というように設定してもよく、1日に何時間、1週に何時間、1月に何時間などといったように設定すること可能である。
また、上記例では、日中に仕事や学校に行き、夜間は自宅に戻る生活パターンを想定して説明を行ったが、逆に、夜間仕事をして日中は自宅にいる生活パターンを予測することも可能である。また、休日を日曜祭日に限らず自由に設定することにより、生活圏を判断することも可能である。
以上、本実施形態に係る判定部107で実施される生活圏の判定方法の一例について、具体的に説明した。
<生活圏判定方法の流れについて>
次に、図8〜図12を参照しながら、本実施形態に係る電子機器10で実施される生活圏判定方法の流れを説明する。
[生活圏判定方法の全体的な流れ]
まず、図8を参照しながら、本実施形態に係る生活圏判定方法の全体的な流れについて、簡単に説明する。図8は、本実施形態に係る生活圏判定方法の全体的な流れを示した流れ図である。
まず、電子機器10の位置検出部101は、GPS、基地局、アクセスポイント等から取得したデータを利用して、電子機器10の現在位置を検出する(ステップS101)。位置検出部101は、現在位置を検出すると、検出した現在位置を表す現在位置情報を、記録制御部105に出力する。
また、電子機器10の時刻検出部103は、現在位置に対応する時刻を検出し(ステップS103)、検出した時刻に関する時刻情報を、記録制御部105に出力する。
記録制御部105は、位置検出部101から出力された現在位置情報と、時刻検出部103から出力された時刻情報とを互いに関連付けて、履歴情報として、記憶部113等に記録する(ステップS105)。
電子機器10の判定部107は、前回生活圏の判定処理を実施してから所定の時間が経過したか否かを判断する(ステップS107)。所定の時間が経過していない場合には、電子機器10は、ステップS101に戻って処理を継続する。
他方、所定の時間が経過していた場合には、判定部107は、先に説明したような生活圏判定処理を実施する(ステップS109)。判定部107は、生活圏判定処理が終了すると、ステップS101に戻って、次に生活圏判定処理を実施するタイミングが到来するまで、待ち受けを行う。
[自宅の判定処理−その1]
次に、図9を参照しながら、判定部107で実施される自宅の判定処理の流れについて、簡単に説明する。図9は、本実施形態に係る判定部107で実施される自宅の判定処理の流れを示した流れ図である。
判定部107は、まず、記憶部113等に格納されている履歴情報のうち、夜間帯に属する履歴情報を抽出する(ステップS111)。次に、判定部107は、抽出した履歴情報に含まれる位置情報を取得し、得られた位置情報の重心位置を算出する(ステップS113)。その後、判定部107は、算出した重心位置を、ユーザの自宅であると判定する(ステップS115)。
[自宅の判定処理−その2]
また、判定部107は、図10に示したような流れで、ユーザの自宅位置を判定することも可能である。図10は、本実施形態に係る判定部107で実施される自宅の判定処理の流れを示した流れ図である。
判定部107は、まず、記憶部113等に格納されている履歴情報のうち、夜間帯に属する履歴情報を抽出する(ステップS121)。次に、判定部107は、抽出した履歴情報に含まれる位置情報を取得し、位置情報に記載されている位置の頻度分布を算出する(ステップS123)。その後、判定部107は、算出した頻度分布のうち最大頻度となる位置を、ユーザの自宅であると判定する(ステップS125)。
判定部107は、以上説明したような方法により、履歴情報からユーザの自宅の位置を判定することができる。
なお、判定部107における職場/学校の判定処理については、先に説明したように、図9及び図10に示した方法と同様の方法で特定することが可能であるため、説明は省略する。
[利用駅の判定処理]
次に、図11を参照しながら、判定部107が実施するユーザの利用駅の判定処理について、その流れを説明する。図11は、本実施形態に係る判定部107で実施される利用駅の判定処理の流れを示した流れ図である。
以下の説明に先立ち、判定部107は、記憶部113等に格納されている履歴情報を参照して、電子機器10の保持者であるユーザが、ユーザの生活圏における自宅に居ることを把握しているものとする。また、判定部107は、記憶部113等に格納されている履歴情報を任意のタイミングで参照しており、ユーザの移動開始を検知可能である。
判定部107は、記憶部113等に格納されている履歴情報に含まれる現在位置情報を参照して、ユーザが自宅からの移動を開始したことを検知する(ステップS131)。判定部107は、ユーザの移動に伴って順次追加される履歴情報を参照して、ユーザの動きを把握するとともに、ユーザが所定時間以上停止しているか否かを判断する(ステップS133)。
ユーザが所定時間以上停止していない場合には、判定部107は、ステップS133に戻って、処理を継続する。また、ユーザが所定時間以上停止している場合には、判定部107は、ユーザが停止している場所を表す現在位置情報に基づいて、情報検索サーバにより地図情報を検索する(ステップS135)。
判定部107は、検索の結果を利用して、ユーザが停止している場所が駅などの交通機関を利用するための乗降箇所であるか否かを判断する(ステップS137)。ユーザが停止している場所が駅などの交通機関を利用するための乗降箇所ではなかった場合には、判定部107は、ステップS133に戻って処理を継続する。他方、ユーザが停止している場所が駅などの交通機関を利用するための乗降箇所であった場合、検出した場所を、ユーザの利用駅と判定する(ステップS139)。
このような処理を行うことで、判定部107は、ユーザの生活圏における利用駅を、履歴情報及び情報検索結果を利用して判定することができる。
[食事エリアの判定処理]
次に、図12を参照しながら、判定部107が実施するユーザの食事エリアの判定処理について、その流れを説明する。図12は、本実施形態に係る判定部107で実施される食事エリアの判定処理の流れを示した流れ図である。
以下の説明に先立ち、判定部107には、朝食、昼食及び夕食を取り得る時間帯が予め設定されているものとする。この時間帯の設定は、ユーザによってなされたものであってもよく、予め設定されたものであってもよい。
判定部107は、電子機器10に設けられた時計機能や、GPS、基地局、アクセスポイント等から取得した情報や、ネットワークに接続された各種サーバから取得した情報等に基づき、食事を取りうる所定の時間帯が到来した旨を検知する(ステップS141)。
判定部107は、ユーザの移動に伴って順次追加される履歴情報を参照して、ユーザの動きを把握するとともに、ユーザが所定時間以上停止しているか否かを判断する(ステップS143)。
ユーザが所定時間以上停止していない場合には、判定部107は、ステップS143に戻って、処理を継続する。また、ユーザが所定時間以上停止している場合には、判定部107は、ユーザが停止している場所を表す現在位置情報に基づいて、情報検索サーバにより地図情報を検索する(ステップS145)。
判定部107は、検索の結果を利用して、ユーザが停止している場所が飲食店であるか否かを判断する(ステップS147)。ユーザが停止している場所が飲食店ではなかった場合には、判定部107は、ステップS143に戻って処理を継続する。他方、ユーザが停止している場所が飲食店であった場合、検出した場所を、ユーザの生活圏における食事エリアと判定する(ステップS149)。
このような処理を行うことで、判定部107は、ユーザの生活圏における食事エリアを、履歴情報及び情報検索結果を利用して判定することができる。
なお、スポーツエリア、買い物エリア、趣味・娯楽エリアの判定処理についても、大まかな流れは図12に示した場合と同様であるため、以下では説明は省略する。
<情報選択方法の流れについて>
次に、図13を参照しながら、本実施形態に係る電子機器10で実施されうる情報選択方法の流れを、簡単に説明する。図13は、本実施形態に係る情報選択部109で実施される情報選択方法の流れを示した流れ図である。
情報選択部109は、位置検出部101及び記憶部113の少なくとも何れかから、電子機器10の現在位置に関する位置情報を取得する(ステップS151)とともに、記憶部113等に格納されている生活圏情報を取得する(ステップS153)。
次に、情報選択部109は、情報選択に関する設定情報に基づいて、記憶部113、情報検索サーバ、他の電子機器等から取得した情報(位置情報に関連づけられた情報)の中から、条件に適合するものを検索する(ステップS155)。これにより、情報選択部109は、生活圏に属している情報の詳細を選択したり、逆に、生活圏に属している情報を選択しなかったりすることで、ユーザの求める情報を選択することができる。
情報選択部109は、検索の結果得られた情報を、表示制御部111等を介してディスプレイ等の表示装置に表示する(ステップS157)。これにより、ユーザは、情報選択部109により選択された情報を把握することが可能となる。
以上、本発明の第1の実施形態に係る電子機器10及び生活圏判定方法について、詳細に説明した。
(第2の実施形態)
先に説明した本発明の第1の実施形態に係る電子機器10は、電子機器10が現在位置情報及び時刻情報を取得して、自らユーザの生活圏を判定するものであった。以下で説明する第2の実施形態は、現在位置情報を取得する電子機器10と、現在位置情報を利用してユーザの生活圏を判定する情報判定サーバ20とが互いに連携することでユーザの生活圏を判定する、情報判定システムに関するものである。
<電子機器の構成について>
まず、図14を参照しながら、本実施形態に係る電子機器10の構成について説明する。図14は、本実施形態に係る電子機器10の構成を示したブロック図である。
本実施形態に係る電子機器10は、図14に示したように、位置検出部101と、情報選択部109と、表示制御部111と、記憶部113と、送信部151と、受信部153と、を主に備える。
ここで、本実施形態に係る位置検出部101、表示制御部111及び記憶部113は、第1の実施形態に係る各処理部と同様の構成を有し、同様の効果を奏するものである。従って、以下では詳細な説明は省略する。
また、本実施形態に係る情報選択部109は、ユーザに提供する情報を選択する際に、後述する受信部153が情報判定サーバ20から取得した生活圏情報を利用する。また、本実施形態に係る情報選択部109は、取得した生活圏情報と、記憶部113等に格納されている履歴情報に含まれる現在位置情報を参照することで、現在位置が既に登録されている生活圏に含まれるか否かを判断することが可能である。情報選択部109は、現在位置が生活圏に含まれているか否かの判断結果を、表示制御部111を介して、電子機器10が有するディスプレイ等の表示装置に出力することができる。
また、本実施形態に係る情報選択部109は、後述する情報判定サーバ20から送信されたユーザに提供するための情報を、更なる選択処理を行うことなくユーザに提供してもよい。
なお、本実施形態に係る情報選択部109は、上記の機能以外は第1の実施形態に係る情報選択部109と同様の構成を有し、同様の効果を奏するものである。従って、以下では詳細な説明は省略する。
送信部151は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置等により実現される。送信部151は、位置検出部101が検出した現在位置に関する情報(現在位置情報)を、ネットワーク3を介して、後述する情報判定サーバ20に送信する。
ここで、以下で説明するように、本実施形態に係る情報判定システムでは、ネットワーク3に接続された情報判定サーバ20により、ユーザの生活圏を判定する。そこで、どのユーザに関する現在位置情報であるかを情報判定サーバ20が明確に把握することが可能となるように、送信部151は、送信する現在位置情報に、ユーザに固有の識別情報(例えば、ユーザID等)を関連付ける。
ここで、送信部151は、位置検出部101により新たな現在位置が通知される毎に現在位置情報を送信してもよいが、現在位置に変更があった場合に現在位置情報を送信するようにすることが好ましい。新たな現在位置が通知される毎に現在位置情報を送信すると、現在位置情報の送信に要するリソースが膨大なものとなるが、現在位置に変更があった場合に現在位置情報を送信するようにすることで、現在位置情報の送信に要するリソースを削減することができる。
受信部153は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置等により実現される。受信部153は、後述する情報判定サーバ20から送信された当該電子機器10の保持者(ユーザ)の生活圏情報を受信する。受信部153は、ユーザの生活圏情報を受信すると、取得した生活圏情報を、記憶部113に記録する。また、受信部153は、取得した生活圏情報を、情報選択部109に直接出力してもよい。
なお、本実施形態に係る電子機器10は、パーソナルコンピュータや各種サーバ等のコンピュータとして実現されてもよく、携帯用音楽プレーヤ、携帯用ゲーム機、携帯電話、スマートフォン、PDA、タッチスクリーンタブレット等の携帯型電子機器として実現されてもよい。また、本実施形態に係る電子機器10は、テレビ、DVDレコーダやBlu−Rayレコーダ等の各種レコーダとして実現されてもよく、カーナビゲーションシステム等として実現されてもよい。
以上、本実施形態に係る電子機器10の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
なお、上述のような本実施形態に係る電子機器の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
<情報判定サーバの構成について>
続いて、図15を参照しながら、本実施形態に係る情報判定サーバ20の構成について説明する。図15は、本実施形態に係る情報判定サーバ20の構成を示したブロック図である。
本実施形態に係る情報判定サーバ20は、図15に示したように、情報取得部201と、時刻検出部203と、記録制御部205と、判定部207と、情報提供部209と、記憶部211と、を主に備える。
ここで、時刻検出部203、記録制御部205及び判定部207は、第1の実施形態に係る電子機器10が備える時刻検出部103、記録制御部105及び判定部107と同様の構成を有し、同様の効果を奏するものである。そのため、以下では詳細な説明は省略する。
情報取得部201は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置等により実現される。情報取得部201は、ネットワーク3を介して電子機器10から送信された現在位置情報を取得して、後述する記録制御部205に出力する。電子機器10から送信される現在位置情報には、ユーザに固有な識別情報(例えば、ユーザID等)が関連付けられている。そのため、現在位置情報を取得した情報判定サーバ20は、どのユーザに関する現在位置情報であるかを、容易に判別することが可能である。
情報提供部209は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置等により実現される。情報提供部209は、判定部207により判定された電子機器10のユーザの生活圏に関する生活圏情報を、対応する電子機器10に対して提供する。
また、情報提供部209は、ユーザの生活圏情報と、当該ユーザの履歴情報とに基づいて、ユーザに提供する情報(位置情報に関連づけられた各種情報)の選択を行い、対応する電子機器10に提供する。換言すれば、本実施形態に係る情報提供部209は、第1の実施形態に係る電子機器10が有する情報選択部109の機能を兼ね備えているといえる。
記憶部211は、本実施形態に係る情報判定サーバ20が備えるストレージ装置の一例である。記憶部211には、記録制御部205によって生成された履歴情報や、判定部207により生成された生活圏情報等が、ユーザ毎に関連づけられて格納される。また、記憶部211には、電子機器10のユーザに関するユーザ情報や、ユーザの嗜好を表したユーザ嗜好情報や、ユーザによって予め選択された各種の情報などが、記録されていてもよい。さらに、記憶部211には、本実施形態に係る情報判定サーバ20が、何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等、または、各種のデータベースやプログラム等が、適宜記録される。
なお、記憶部211には、電子機器10のユーザに関するあらゆる情報が格納されうるが、ユーザの個人情報については、個人情報保護の観点から、保持していない方が好ましい。なお、ユーザの個人情報を保持しないために、確定が困難になる生活圏情報が存在する場合には、情報判定サーバ20は、候補となる情報を電子機器10に出力して、電子機器10のユーザによって、生活圏情報の属性づけを実施してもらうことができる。
また、記憶部211には、生活圏情報や履歴情報を含むユーザ情報が、ユーザ毎に格納されている。そのため、本実施形態に係る判定部207は、各ユーザ情報を参照して、同一の自宅に関する生活圏情報や、職場/学校に関する生活圏情報を保持しているユーザを、例えば、家族や、職場の同僚/学校の同窓生等として判定することができる。
以上、本実施形態に係る情報判定サーバ20の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
なお、上述のような本実施形態に係る情報判定サーバの各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
<生活圏判定方法の流れについて>
次に、図16を参照しながら、本実施形態に係る情報判定サーバ20で実施される生活圏判定方法の全体的な流れを説明する。図16は、本実施形態に係る生活圏判定方法の全体的な流れを示した流れ図である。
なお、情報判定サーバ20で実施される個別の生活圏判定処理の流れは、第1の実施形態に係る電子機器10で実施される生活圏判定処理の流れと同様のものであるため、以下では詳細な説明は省略する。
まず、電子機器10の位置検出部101は、GPS、基地局、アクセスポイント等から取得したデータを利用して、電子機器10の現在位置を検出する(ステップS201)。位置検出部101は、現在位置を検出すると、検出した現在位置を表す現在位置情報を、送信部151に出力する。
送信部151は、位置検出部101から出力された現在位置情報を参照し、電子機器10の現在位置が変化したと判断される場合に、位置検出部101から出力された現在位置情報を、ネットワーク3を介して情報判定サーバ20に出力する(ステップS203)。この際、送信部151は、電子機器10を保持しているユーザの識別情報(例えば、ユーザID等)を、送信する現在位置情報に関連付ける。
情報判定サーバ20の情報取得部201は、電子機器10から送信された現在位置情報を取得すると、取得した現在位置情報を、記録制御部205に出力する。また、時刻検出部203は、取得した現在位置情報に対応する時刻を検出し(ステップS205)、検出した時刻に関する時刻情報を、記録制御部205に出力する。
情報判定サーバ20の記録制御部205は、情報取得部201から出力された現在位置情報と、時刻検出部203から出力された時刻情報とを互いに関連付けて、履歴情報として、記憶部211等に記録する(ステップS207)。この際、記録制御部205は、現在位置情報に関連付けられているユーザの識別情報を参照して、該当するユーザの履歴情報に、取得した新たな履歴情報を追記する。
情報判定サーバ20の判定部207は、前回生活圏の判定処理を実施してから所定の時間が経過したか否かを判断する(ステップS209)。所定の時間が経過していない場合には、情報判定サーバ20は、ステップS205に戻って処理を継続する。
他方、所定の時間が経過していた場合には、判定部207は、先に説明したような生活圏判定処理を実施する(ステップS211)。判定部207は、生活圏判定処理が終了すると、判定結果を該当するユーザのユーザ情報に関連付けて記憶部211等に格納する(ステップS213)。また、判定部207は、判定の結果得られた生活圏情報を、情報提供部209に出力する。情報提供部209は、判定の結果得られた生活圏情報を、該当する電子機器10に出力する(ステップS213)。
電子機器10の受信部153は、情報判定サーバ20から送信された生活圏情報を取得すると、取得した生活圏情報を、記憶部113等に格納する(ステップS215)。これにより、電子機器10は、ユーザの生活圏に関する情報を取得することができる。
<情報選択方法の流れについて>
次に、図17及び図18を参照しながら、本実施形態に係る電子機器10及び情報判定サーバ20からなる情報判定システムで実施される情報選択方法の流れを、簡単に説明する。図17及び図18は、本実施形態に係る情報判定システムで実施される情報選択方法の流れを示した流れ図である。
まず、電子機器10の情報選択部109は、送信部151を介して、ユーザIDと、どのような情報の取得を希望するかを表したリクエスト情報とを互いに関連付けて、情報判定サーバ20に送信する(ステップS221)。なお、このリクエスト情報には、ユーザの現在位置に関する現在位置情報が含まれていることが好ましい。
情報判定サーバ20の情報取得部201は、電子機器10から送信されたユーザIDとリクエスト情報とを取得すると、取得したこれらの情報を、情報提供部209に出力する。情報提供部209は、これらの情報を取得すると、取得したユーザIDを参照して、対応するユーザの生活圏情報を、記憶部211等の所定の箇所から抽出する(ステップS223)。
次に、情報提供部209は、取得したリクエスト情報と、生活圏情報とに基づいて、ユーザに提供する各種の情報を検索する(ステップS225)。次に、情報提供部209は、リクエスト情報等に記載されている、どのような情報の取得を希望するのかを表す設定情報に基づいて、検索結果の中から、電子機器10に提供する情報を選択する(ステップS227)。その後、情報提供部209は、選択した情報を、リクエスト情報を送信した電子機器10に対して出力する(ステップS229)。
電子機器10の受信部153は、情報判定サーバ20から送信された情報を取得すると、取得した情報を、情報選択部109に出力する。情報選択部109は、情報判定サーバ20から出力された情報を取得すると、取得した情報を、表示制御部111を介して表示する(ステップS231)。これにより、電子機器10のユーザは、生活圏情報に基づいて選択された各種の情報を、把握することが可能となる。
なお、本実施形態に係る情報判定システムでは、図18に示したような流れで、ユーザが自身の生活圏の範囲外に存在している場合において、ユーザの嗜好に則した情報を提供することが可能となる。ユーザが自身の生活圏の範囲外に居るということは、ユーザの日常的な生活パターンとは異なるイレギュラーな事態が生じていると想定される。そこで、本実施形態に係る情報判定システムでは、生活圏の範囲外に関する情報であっても、生活圏情報を利用して情報のマッチングを図ることにより、ユーザの嗜好に則した情報をユーザに提供することができる。
まず、電子機器10の情報選択部109は、送信部151を介して、ユーザIDと、どのような情報の取得を希望するかを表したリクエスト情報とを互いに関連付けて、情報判定サーバ20に送信する(ステップS241)。なお、このリクエスト情報には、ユーザの現在位置に関する現在位置情報が含まれていることが好ましい。
情報判定サーバ20の情報取得部201は、電子機器10から送信されたユーザIDとリクエスト情報とを取得すると、取得したこれらの情報を、情報提供部209に出力する。情報提供部209は、これらの情報を取得すると、取得したユーザIDを参照して、対応するユーザの生活圏情報を、記憶部211等の所定の箇所から抽出する(ステップS243)。
次に、情報提供部209は、取得したリクエスト情報と、生活圏情報とに基づいて、生活圏内の各種の情報を検索する(ステップS245)。次に、情報提供部209は、現在位置情報を少なくとも利用して、ユーザに提供する情報の候補となる、現在位置周辺の情報を検索する(ステップS247)。
続いて、情報提供部209は、生活圏内の各種の情報と、現在位置周辺の各種の情報とのマッチングを行う(ステップS249)。これにより、ユーザの嗜好に則した情報を、現在位置周辺の各種情報の中から抽出することが可能となる。その後、情報提供部209は、リクエスト情報等に記載されている、どのような情報の取得を希望するのかを表す設定情報に基づいて、抽出結果の中から、電子機器10に提供する情報を選択する(ステップS251)。その後、情報提供部209は、選択した情報を、リクエスト情報を送信した電子機器10に対して出力する(ステップS253)。
電子機器10の受信部153は、情報判定サーバ20から送信された情報を取得すると、取得した情報を、情報選択部109に出力する。情報選択部109は、情報判定サーバ20から出力された情報を取得すると、取得した情報を、表示制御部111を介して表示する(ステップS255)。これにより、電子機器10のユーザは、生活圏の範囲外に居る場合であっても、生活圏情報に基づいて選択された各種の情報を取得することが可能となる。
以上、図17及び図18を参照しながら、本実施形態に係る情報選択方法の流れについて、簡単に説明した。
(ハードウェア構成について)
次に、図19を参照しながら、本発明の実施形態に係る電子機器10のハードウェア構成について、詳細に説明する。図19は、本発明の実施形態に係る電子機器10のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
電子機器10は、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、を備える。また、電子機器10は、更に、ホストバス907と、ブリッジ909と、外部バス911と、インターフェース913と、入力装置915と、出力装置917と、ストレージ装置919と、ドライブ921と、接続ポート923と、通信装置925とを備える。
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体927に記録された各種プログラムに従って、電子機器10内の動作全般またはその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。
ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、電子機器10の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器929であってもよい。さらに、入力装置915は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。電子機器10のユーザは、この入力装置915を操作することにより、電子機器10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置およびランプなどの表示装置や、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置や、プリンタ装置、携帯電話、ファクシミリなどがある。出力装置917は、例えば、電子機器10が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、電子機器10が行った各種処理により得られた結果を、テキストまたはイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
ストレージ装置919は、電子機器10の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種データなどを格納する。
ドライブ921は、記録媒体用リーダライタであり、電子機器10に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体927は、例えば、DVDメディア、HD−DVDメディア、Blu−rayメディア等である。また、リムーバブル記録媒体927は、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash:CF)、フラッシュメモリ、または、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等であってもよい。また、リムーバブル記録媒体927は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)または電子機器等であってもよい。
接続ポート923は、機器を電子機器10に直接接続するためのポートである。接続ポート923の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート等がある。接続ポート923の別の例として、RS−232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)ポート等がある。この接続ポート923に外部接続機器929を接続することで、電子機器10は、外部接続機器929から直接各種のデータを取得したり、外部接続機器929に各種のデータを提供したりする。
通信装置925は、例えば、通信網931に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。通信装置925は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置925は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置925は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置925に接続される通信網931は、有線または無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信等であってもよい。
以上、本発明の実施形態に係る電子機器10の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
また、本発明の実施形態に係る情報判定サーバ20のハードウェア構成は、本発明の実施形態に係る電子機器10のハードウェア構成と同様であり、以下では、詳細な説明は省略する。
(まとめ)
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、ユーザが電子機器を保持して行動するだけで、電子機器は、ユーザの自宅や職場/学校の位置、利用する買い物スポットやスポーツ施設、食事場所などの生活圏を自動的に判断することができる。また、かかる生活圏に関する情報を利用することで、生活に密着した情報は、ユーザが生活圏内にいるときに提供することが可能となり、ユーザが生活圏外に出たときには、レジャーなどの情報の提供を行うことが可能となる。
これにより、本発明の実施形態では、TPOに合わせた情報の提供をユーザに行うことが可能となり、ユーザのライフスタイルそのものを大きく変えることが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、装置の保持者が普段の生活で日常的に訪れる領域である生活圏を、自動的に判定することが可能な、電子機器、サーバ、情報判定方法及びプログラムを提供することにある。