JP2015148731A - 電子写真用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非晶質樹脂部位(A)と結晶性樹脂部位(C)とを有するブロック共重合樹脂であり、前記非晶質樹脂部位(A)は、少なくともスルホン酸基、スルホン酸塩基のいずれかを含有する単量体(M)を構成単位として持っていることを特徴とするトナー用樹脂。
【選択図】図1
Description
に関する。
したがって、本発明の目的は、高いレベルで低温定着性と凝集体発生の抑制を両立しつつ、転写性能の低下を抑制できるトナー用樹脂ならびにトナーを提供することにある。
即ち、上記課題は、つぎの本発明の(1)「非晶質樹脂部位(A)と結晶性樹脂部位(C)とを有するブロック共重合樹脂であり、前記非晶質樹脂部位(A)は、少なくともスルホン酸基、スルホン酸塩基のいずれかを含有する単量体(M)を構成単位として持っていることを特徴とするトナー用樹脂」によって解決される。
(2)「タッピングモードAFMによって観察される位相像を、前記位相像における位相差の最大値と最小値との中間値で二値化処理して得られる二値化像において、位相差の大きい部位からなる第一の位相差像が位相差の小さい部位からなる第二の位相差像中に分散された構造をとることを特徴とする前記(1)に記載のトナー用樹脂。」
(3)「前記単量体(M)を前記結着樹脂に対して1〜5重量%含有することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のトナー用樹脂。」
(4)「前記トナー用樹脂の非晶質樹脂部位(A)と前記結晶性樹脂部位(C)との重量比((A)/(C))が、80/20〜70/30であることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載のトナー用樹脂。」
(5)「前記(1)乃至(4)のいずれかに記載のトナー用樹脂を含有することを特徴とするトナー。」
(6)「少なくとも結着樹脂及び/又はその前駆体を含む有機溶媒からなる油相を、水系媒体中に乳化または分散させ、乳化粒子を含む乳化分散液を作製する工程と、前記乳化粒子を収斂させてトナー母体粒子を造粒する工程と、前記有機溶媒を除去する工程と、を有する製造方法により得られたものであることを特徴とする前記(5)に記載のトナー。」
(7)「前記(5)又は(6)に記載のトナーを含有することを特徴とする現像剤。」
(8)「静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記現像剤が、前記(7)に記載の現像剤であることを特徴とする画像形成装置。」
一般に、異種の高分子鎖は、互いに非相溶である系が多く、水と油のように、混ざり合うことは少ない。そのため、単純混合系では、異なる高分子鎖は独立に動けるので、マクロ相分離する。
一方、共重合樹脂の場合、異なる高分子鎖同士が連結されているため、マクロ相分離することができない。しかしながら、両者は連結しているとはいえ、同種の高分子鎖同士は近づき、異なる高分子とは可能な限り離れようとするため、高分子鎖の大きさの程度で、各高分子鎖の密度が高い領域を各々形成し相分離する。相分離する形(構造)は、両者の組成、長さ(分子量及び分布)、配合比率などにより変化し、球状、棒状、ラメラ状、ジャイロイド状の構造が知られている。
本発明のブロック共重合樹脂においては、非晶質部位(A)をマトリックスとして、ドメインの結晶性部位(C)を数十nm〜数百nmのスケールでミクロ相分離させることで、結晶性部位(C)を比較的多く含有しても構造内に封じ込めて表面への露出を防げるため、耐凝集性に優れる。また、ミクロ相分離することで非晶質部位(A)と結晶性部位(C)の接触面積が比較的大きくなるため、加熱時に非晶質部位(A)が効果的に融点降下を生じ、高い低温定着性を有するものと考えられる。
一方、結晶性部位(C)は、抵抗が低く、電荷保持部位を有していないことから、電荷保持性能が低いという欠点を持っており、結晶性部位(C)を多く含有すると電荷保持性能が著しく低下して転写性能が悪化することが検討の中で明らかとなった。この課題に対し、従来の帯電制御樹脂では帯電性と副作用の抑制を両立するのが困難である一方で、前記ブロック共重合樹脂の非晶質部位(A)にスルホン酸基またはスルホン酸塩基を含有する単量体(M)を導入することで解決できることを見出した。特に、スルホン酸塩基や電子吸引基を有するモノマーを構造単位に持つ帯電制御樹脂の場合は、電荷保持性能を改善するために添加量を増やすと高温高湿環境下での帯電性や耐凝集性が悪化するのに対して、本発明の構成では電荷保持性能、耐凝集性ともに良好であった。この違いの理由については必ずしも明らかとなっていないが、帯電制御樹脂では吸湿性の高いスルホン酸塩基や電子吸引基がトナー表面に配置され易いのに対して、本発明の構成では非晶質部位(A)と化学的に結合されているのでスルホン酸基またはスルホン酸塩基が内部に均一分散しているためではないか、と推定される。
前記トナー用樹脂は、非晶質性樹脂部位(A)と結晶性樹脂部位(C)とを有するブロック共重合樹脂であり、さらに、前記非晶質樹脂部位(A)は、少なくともスルホン酸基、スルホン酸塩基のいずれかを含有する単量体(M)を構成単位として持っていることが必要である。
本発明における結晶性樹脂とは、結晶構造を持った部位を有する樹脂のことであり、X線回折装置によって得られる回折スペクトルに結晶構造に由来する回折ピークを有する。 前記結晶性樹脂の性状は、高架式フローテスターにより測定される軟化温度と、示差走査熱量計(DSC)により測定される融解熱の最大ピーク温度との比(軟化温度/融解熱の最大ピーク温度)が0.8〜1.6である、熱により急峻に軟化する性状を示す。
また、本発明における非結晶質樹脂は、結晶構造を有しない樹脂のことであり、X線回折装置によって得られる回折スペクトルに結晶構造に由来する回折ピークを有しない。前記非結晶質樹脂の性状は、軟化温度と融解熱の最大ピーク温度との比(軟化温度/融解熱の最大ピーク温度)が1.6より大きく、熱により緩やかに軟化する性状を示す。
前記結晶性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリオールとポリカルボン酸とから合成される重縮合ポリエステル樹脂、ラクトン開環重合物、ポリヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2価の脂肪族アルコール成分と2価の脂肪族カルボン酸成分とを構成成分に有する結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
前記ポリオールとしては、例えば、2価のジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオールなどが挙げられる。
前記炭素数3〜36の3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリンなどが挙げられる。
これらの中でも、3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール及びノボラック樹脂のAO付加物が好ましく、ノボラック樹脂のAO付加物がより好ましい。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、ジカルボン酸、3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられる。
前記アルカンジカルボン酸としては、例えば、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸などが挙げられる。
前記アルケニルコハク酸としては、例えば、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸などが挙げられる。
前記アルケンジカルボン酸としては、例えば、炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸などが挙げられる。
前記脂環式ジカルボン酸としては、例えば、炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸としては、例えば、ダイマー酸(2量化リノール酸)などが挙げられる。
前記非晶質樹脂は、少なくともスルホン酸基、スルホン酸塩基のいずれかを含有する単量体(M)を構成単位として持っていることが必要である。目的に応じて適宜選択することができるが、非晶質ポリエステル樹脂が好ましい。
前記非晶質ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオールとポリカルボン酸とから合成される重縮合ポリエステル樹脂などが挙げられる。
前記非晶質ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2価の脂肪族アルコール成分と多価の芳香族カルボン酸成分とを構成成分に有する非晶質ポリエステル樹脂が好ましい。
前記ポリオールとしては、例えば、2価のジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオールなどが挙げられる。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、ジカルボン酸、3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられる。これらの中でも多価の芳香族カルボン酸が好ましい。
前記アルカンジカルボン酸としては、例えば、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸などが挙げられる。
前記アルケニルコハク酸としては、例えば、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸などが挙げられる。
前記アルケンジカルボン酸としては、例えば、炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸などが挙げられる。
前記脂環式ジカルボン酸としては、例えば、炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸としては、例えば、ダイマー酸(2量化リノール酸)などが挙げられる。
前記スルホン酸基、スルホン酸塩基のいずれかを含有する単量体(M)としては、例えば、芳香族スルホン酸基含有単量体、脂肪族スルホン酸基含有単量体、及びこれらのスルホン酸のみが塩となったものが挙げられる。これらの中でも2価以上のカルボン酸を有する芳香族スルホン酸基含有単量体が好ましい。
スルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸としては、例えば5−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、4−スルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体[低級アルキル(C1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル等)、酸無水物等]が挙げられる。
スルホ基を有する脂肪族ジカルボン酸としては、例えばスルホコハク酸およびそのエステル形成性誘導体[低級アルキル(C1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル等)、酸無水物等]が挙げられる。
これらのスルホ基のみが塩となったものとしては、例えばアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)の塩、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)の塩、アンモニウム塩、ヒドロキシアルキル(C2〜4)基を有するモノ−、ジ−およびトリ−アミン(モノ−、ジ−およびトリ−エチルアミン、モノ−、ジ−およびトリ−エタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の有機アミン塩)等のアミン塩、これらアミンの4級アンモニウム塩およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
これらの中でも5−スルホイソフタル酸塩が好ましく、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩および5−スルホイソフタル酸カリウム塩が特に好ましい。
前記共重合樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下の(1)〜(4)のいずれかの方法などが挙げられるが、分子設計の自由度の観点から(1)、(2)及び(4)が好ましく、(2)がより好ましい。
(1)予め重合反応により調製した非晶質樹脂と、予め重合反応により調製した結晶性樹脂とを適当な溶媒に溶解乃至分散させ、イソシアネート基、エポキシ基、カルボジイミド基等のポリマー鎖末端の水酸基、又はカルボン酸と反応する官能基を2つ以上有する伸長剤とを反応させることにより共重合する方法(ブロック共重合)。
(2)予め重合反応により調製した結晶性樹脂とイソシアネート基、エポキシ基、カルボジイミド基等のポリマー鎖末端の水酸基、又はカルボン酸と反応する官能基を2つ以上有する伸長剤とを反応させた結晶性樹脂プレポリマーと、予め重合反応により調製した非晶質樹脂とを適当な溶媒に溶解乃至分散させ、伸長反応させることにより共重合する方法(ブロック共重合プレポリマー法)。
(3)予め重合反応により調製した非晶質樹脂と、予め重合反応により調製した結晶性樹脂とを溶融混練し、減圧下でエステル交換反応により調製する方法(ブロック共重合エステル交換法)。
(4)予め重合反応により調製した結晶性樹脂の水酸基を重合開始成分として使用し、前記結晶性樹脂のポリマー鎖末端から非晶質樹脂を開環重合し共重合する方法(グラフト共重合)。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネートなどが挙げられる。
前記ジイソシアネートとしては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
前記結晶性樹脂のモル数、及び前記非晶質樹脂のモル数は、以下の換算式(1)により求めることができる。
前記トナーは、結着樹脂として前記トナー用樹脂を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記結着樹脂は、前記トナー用樹脂を含有することが必要である。更に必要に応じて、その他の樹脂を含有する。
前記その他の成分としては、例えば、着色剤、離型剤、外添剤などが挙げられる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料などが挙げられる。これらの中でも、イエロー顔料、マゼンタ顔料、及びシアン顔料のいずれかを含有することが好ましい。
前記黒色顔料は、例えば、ブラックトナーに用いられる。前記黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト、ニグロシン染料、鉄黒などが挙げられる。
前記イエロー顔料は、例えば、イエロートナーに用いられる。前記イエロー顔料としては、例えば、シイ・アイ・ピグメントイエロー(C.I.Pigment Yellow)74、93、97、109、128、151、154、155、166、168、180、185、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエローなどが挙げられる。
前記マゼンタ顔料は、例えば、マゼンタトナーに用いられる。前記マゼンタ顔料としては、例えば、キナクリドン系顔料、シイ・アイ・ピグメントレッド(C.I.Pigment Red)48:2、57:1、58:2、5、31、146、147、150、176、184、269等のモノアゾ顔料などが挙げられる。また、前記モノアゾ顔料に前記キナクリドン系顔料を併用してもよい。
前記シアン顔料は、例えば、シアントナーに用いられる。前記シアン顔料としては、例えば、Cu−フタロシアニン顔料、Zn−フタロシアニン顔料、Al−フタロシアニン顔料などが挙げられる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなどが挙げられる。
前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどが挙げられる。
前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミドなどが挙げられる。
前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミドなどが挙げられる。
前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトンなどが挙げられる。 これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワックス、サゾールワックスなどが挙げられる。
前記離型剤の融点は、例えば、示差走査熱量計(TA−60WS及びDSC−60、株式会社島津製作所製)を用いて測定することができる。まず、離型剤5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minで150℃まで昇温し、その後、150℃から降温速度10℃/minで0℃まで降温した後、更に昇温速度10℃/minで150℃まで昇温してDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、2回目の昇温時における融解熱の最大ピーク温度を融点として求めることができる。
前記外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、脂肪酸金属塩、金属酸化物、疎水化処理された酸化チタン、フルオロポリマーなどが挙げられる。
前記脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなどが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモンなどが挙げられる。
前記シリカの市販品としては、例えば、R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも、日本アエロジル株式会社製)などが挙げられる。
前記酸化チタンの市販品としては、例えば、P−25(日本アエロジル株式会社製)、STT−30、STT−65C−S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF−140(富士チタン工業株式会社製)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれも、テイカ株式会社製)などが挙げられる。
前記疎水化処理された酸化チタンの市販品としては、例えば、T−805(日本アエロジル株式会社製)、STT−30A、STT−65S−S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF−500T、TAF−1500T(いずれも、富士チタン工業株式会社製)、MT−100S、MT−100T(いずれも、テイカ株式会社製)、IT−S(石原産業株式会社製)などが挙げられる。
−−平均粒径−−
前記トナーの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm〜16μmが好ましい。上限は、11μmがより好ましく、9μmが特に好ましくい。下限は、0.5μmがより好ましく、1μmが特に好ましい。
前記トナーの体積平均粒径と個数平均粒径との比[体積平均粒径/個数平均粒径]としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粒径均一性の観点から、1.0〜1.4が好ましく、1.0〜1.3がより好ましい。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上40.30μm未満の粒子を対象とする。
まず、トナーを酢酸エチル、THFなどの溶媒を用いて溶解する(ソックスレー抽出でも可)。ついで、冷却機能付き高速遠心分離装置を用いて、例えば20℃、10,000rpm×10min.の遠心操作に供し、可溶分と不溶分に分離する。可溶分については、再沈殿を複数回行って精製を行う。この処理により、高度に架橋された樹脂成分、顔料、ワックスなどを分離することができる。
ついで、得られた樹脂成分に対してGPC測定を行い、分子量及び分布、クロマトグラムを獲得する。このとき、得られたクロマトグラムが多峰性の場合は、フラクションコレクターなどを活用して分画/分取を行い、得られた各フラクションについて上記同様に製膜する。この操作によって、各種樹脂成分を分離精製し、夫々を各種分析操作に供する。
得られた精製膜については、まず、DSC測定を行ってTg、融点、結晶化挙動などを把握する。冷却降温時に結晶化ピークが観られた場合、その温度域で24hrs.以上アニーリングして結晶成分を成長させる。結晶化は観られないが、融解ピークが観られた場合、融点−10℃程度の温度でアニーリングを行う。これにより、各種転移点及び結晶性骨格の存在を把握することができる。
次に、SPM(AFM)観察にて相分離構造の有無を確認し、所謂ミクロ相分離構造が確認できた場合には、共重合体、あるいは高い分子内/間相互作用を有する系であるということになる。
さらに、精製膜について、FT-IR測定、NMR測定(1H,13C)、GC/MS測定、場合によっては、分子構造をより詳細に分析できるNMR測定(2D)を行うことで、その組成、構造および各種特性を把握でき、例えば、ポリエステル骨格やウレタン結合の存在、それらの組成、組成比を確認することができる。これにより、非晶質樹脂部位と結晶性樹脂部位とを有するブロック共重合樹脂であるかを判断することができる。
ゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)測定装置(例えば、HLC−8220GPC(東ソー社製))を用いて測定することができ、フラクションコレクター付きのものが好ましい。
カラムとしては、TSKgel SuperHZM―H 15cm 3連(東ソー社製)などを好適に使用できる。測定する樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)(安定剤含有、和光純薬製)にて0.15質量%溶液にし、0.2μmフィルターで濾過した後、その濾液を試料として用いた。前記THF試料溶液を測定装置に100μl注入し、温度40℃の環境下にて、流速0.35ml/分間で測定した。
分子量は単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線を用いて計算を行った。前記標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDシリーズおよびトルエンを用いた。以下の3種類の単分散ポリスチレン標準試料のTHF溶液を作成し上記の条件で測定を行い、ピークトップの保持時間を単分散ポリスチレン標準試料の光散乱分子量として検量線を作成した。
溶液A:S-7450 2.5mg, S-678 2.5mg, S-46.5 2.5mg, S-2.90 2.5mg, THF 50ml
溶液B:S-3730 2.5mg, S-257 2.5mg, S-19.8 2.5mg, S-0.580 2.5mg, THF 50ml
溶液C:S-1470 2.5mg, S-112 2.5mg, S-6.93 2.5mg, トルエン2.5mg, THF 50ml
検出器にはRI(屈折率)検出器を用いることができるが、フラクション分画などを行う際にはより感度の高いUV検出器を使用することができる。
サンプル5mgをTAインスツルメンツ社製T−Zero簡易密閉パンに封入し、示差走査熱量計(DSC)(TAインスツルメンツ社製Q2000)を用いて測定した。測定は、窒素気流下、1st.ヒーティングとして、40℃から150℃まで5℃/分で昇温し、5分間保持した後、−70℃まで5℃/min.で冷却し、5分間保持した。次いで2nd.ヒーティングとして、昇温速度5℃/分で昇温して熱変化を測定し、「吸発熱量」と「温度」のグラフを描き、定法に従ってTg、冷結晶化、融点、結晶化温度などを求めた。なお、Tgは1st.ヒーティングのDSC曲線からミッドポイント法によって得た値を使用した。なお、昇温時に±0.3℃のモジュレーションを掛けることでエンタルピー緩和成分を分離することも可能である。
原子間力顕微鏡(AFM)によるタッピングモードによる位相像によって確認される。本発明における共重合体は低い軟質、すなわち位相差が大きい像として観察される部位と、硬質であり位相差が小さい像として観察される部位が微分散していることが特徴である。このとき、硬質である低位相差の部位からなる第二の位相差像が外相であり、軟質な高位相差の部位からなる第一の位相差像が内相で微分散された構造であることが本発明においては重要である。
前記位相像を得るためのサンプルとしては、例えばライカ製ウルトラミクロトームULTRACUT UCTを用いて以下の条件で樹脂のブロックを切断して切片を出したものを用いることで観察できる。
・切削厚み:60nm
・切削速度:0.4mm/sec
・ダイヤモンドナイフ(Ultra Sonic 35°)使用
前記AFM位相像を得るための代表的な装置としては、例えばアサイラムテクノロジー社製のMFP−3Dにて、カンチレバーとしてOMCL−AC240TS−C3を用いて以下の測定条件にて観察することができる。
・ target amplitude:0.5V
・ target percent:−5%
・ amplitude setpoint:315mV
・ scan rate:1Hz
・ scan points:256×256
・ scan angle:0°
■手順
(I)試料をRuO4水溶液の雰囲気に曝して、2時間染色を施した。
(II)試料をガラスナイフでトリミング後、ウルトラミクロトームを使用して下記条件で切片を作製した。
・切削厚み:75nm
・切削速度:0.05〜0.2 mm/sec
・ダイヤモンドナイフ(Ultra Sonic 35°)使用
(III)メッシュ上に切片を固定し、RuO4水溶液の雰囲気に曝して5分間切片染色を施した。
使用装置:日本電子製 透過型電子顕微鏡 JEM-2100F
加速電圧:200kV
形態観察:明視野法
設定条件:spot size:3, CLAP:1, OLAP:3, Alpha:3
■手順
(I)試料をRuO4水溶液の雰囲気に曝して、2時間染色を施した。
(II)試料をガラスナイフでトリミング後、ウルトラミクロトームを使用して下記条件で切片を作製した。
・切削厚み:75nm
・切削速度:0.05〜0.2 mm/sec
・ダイヤモンドナイフ(Ultra Sonic 35°)使用
(III)メッシュ上に切片を固定し、RuO4水溶液の雰囲気に曝して5分間切片染色を施した。
使用装置:SII ナノテク製 フィールドエミッション走査電子顕微鏡 MERILIN
加速電圧:3.0kV
WD(Working Distance):7.0mm
本発明においては、ブロック共重合樹脂を構成する非晶質樹脂部位がスルホン酸基、スルホン酸塩基のいずれかを含有する単量体を構成単位として持っていることが必要である。断面におけるSEM観察又はTEM観察とEDSによる元素分析を組み合わせることで、非晶質樹脂部位における硫黄元素の存在が確認できる。SEM観察と組み合わせた場合の例を示す。
・加速電圧:10kV
・積算時間:10sec
・積算回数:100回
・WD(Working Distance):13mm
FT−IRスペクトル測定は、FT−IRスペクトロメータ(パーキンエルマー社製、商品名「Spectrum One」)を用いて(16スキャン、分解能:2cm−1)、中赤外領域(400−4000cm−1)で行った。
サンプルを重クロロホルム中に可能な限り高濃度で溶解させた後、5mmφのNMRサンプルチューブに入れ、各種NMR測定に供した。測定装置はJEOL Resonance社製のJNM-ECX-300を使用した。
測定温度は何れも30℃とし、1H-NMR測定は、積算回数256回、繰り返し時間5.0sで行った。13C測定は、積算回数10,000回、繰り返し時間1.5sとした。得られるケミカルシフトから成分を帰属し、該当するピークの積分値をプロトン乃至カーボン数で除した数値から配合比を算出することが可能である。
更に詳細な構造解析を行う場合は、二量子フィルター1H-1Hシフト相関二次元NMR測定(DQF-COSY)測定などを行うことも可能であり、この場合は、積算回数1,000回、繰り返し時間2.45sまたは2.80sで行い、得られたスペクトルからそのカップリング状態、即ち反応サイトを特定することもできるが、通常の1Hおよび13C測定で十分に判別可能である。
本分析は反応試薬を用いた反応熱分解ガスクロマトグラフー質量分析(GC/MS)法を実施した。尚、反応熱分解GC/MS法で使用する反応試薬は水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の10%メタノール溶液(東京化成工業)を用いた。GC−MS装置は島津製作所製QP2010、データ解析ソフトは島津製作所製GCMS solution、加熱装置はフロンティア・ラボ製Py2020Dを使用した。
反応熱分解温度: 300℃
カラム: Ultra ALLOY-5L=30m ID=0.25mm Film=0.25μm
カラム昇温: 50℃(保持1分)〜10℃/min〜330℃(保持11分)
キャリアガス圧力: 53.6 kPa一定
カラム流量: 1.0ml/min
イオン化法: EI法 (70eV)
質量範囲: m/z 29〜700
注入モード: Split (1:100)
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、湿式造粒法、粉砕法などが挙げられる。前記湿式造粒法としては、例えば、溶解懸濁法、乳化凝集法などが挙げられる。
混練による分子切断、及び高分子量樹脂と低分子量樹脂との均一混練の難しさから、結着樹脂の混練を伴わない製造方法である、溶解懸濁法、乳化凝集法が好ましく、トナー粒子中の樹脂均一性の観点から溶解懸濁法がより好ましい。
前記溶解懸濁法としては、例えば、トナー材料相調製工程と、水系媒体相調製工程と、乳化乃至分散液調製工程と、有機溶剤除去工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む方法などが挙げられる。
前記トナー材料相調製工程は、少なくとも前記結着樹脂及び/又はその前駆体を含有し、更に必要に応じて、前記着色剤、前記離型剤などを含有するトナー材料を有機溶剤中に溶解又は分散させてトナー材料の溶解乃至分散液(トナー材料相又は油相と呼ぶこともある。)を調製する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチルなどの親油性有機溶媒に加えて、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの親水性有機溶媒が挙げられる。これらの中でも、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素が好ましく、酢酸エチルがより好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー材料100質量部に対して0質量部〜300質量部が好ましく、0質量部〜100質量部がより好ましく、25質量部〜70質量部が特に好ましい。
前記水系媒体相調製工程としては、水系媒体相を調製する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。この工程においては、水系媒体中に樹脂微粒子を含む水系媒体相を調製することが好ましい。
前記水と混和可能な溶剤としては、水と混和可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ(登録商標)類、低級ケトン類などが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなどが挙げられる。
前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アニオン性界面活性剤と前記樹脂微粒子の前記水系媒体中への添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、それぞれ、前記水系媒体に対して0.5質量%〜10質量%が好ましい。
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセリールボレイト脂肪酸エステルなどが挙げられる。
これらの中でも、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。
前記ビニル系樹脂としては、例えば、ビニル系モノマーを単独重合又は共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体などが挙げられる。
前記樹脂微粒子の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5nm〜200nmが好ましく、20nm〜300nmがより好ましい。
前記乳化乃至分散液調製工程としては、前記トナー材料の溶解乃至分散液(トナー材料相)と前記水系媒体相とを混合して乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
乳化乃至分散の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の分散機などを用いて行うことができる。前記分散機としては、例えば、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機などが挙げられる。
前記収斂工程としては、前記乳化乃至分散液中の乳化粒子を収斂させて粒径分布の狭いトナー母体粒子を造粒する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
収斂の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低せん断力下で徐々に粒径を均一にしていく方法などにより達成でき、公知の攪拌翼などを用いて行うことができる。
前記有機溶剤除去工程としては、前記乳化乃至分散液から前記有機溶剤を除去し脱溶剤スラリーを得る工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記有機溶剤の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、前記乳化乃至分散液の油滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法、(2)前記乳化乃至分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、前記乳化乃至分散液の油滴中の有機溶剤を完全に除去する方法、(3)は前記乳化乃至分散液を減圧して油滴中の有機溶剤を完全に除去する方法、などが挙げられる。有機溶剤の除去が行われるとトナー粒子(トナー母体粒子)が形成される。
有機溶剤除去工程の後に、アニーリング工程を実施することが、トナーの結晶化度を向上させる点で好ましい。アニーリング工程としては、トナーの結着樹脂中に含まれる結晶性樹脂の融点より低い温度環境下で脱溶剤スラリーを放置することが必要であり、融点より5℃低い温度と融点の間の温度に脱溶剤スラリーを放置することが好ましい。
前記その他の工程としては、例えば、洗浄工程、乾燥工程などが挙げられる。
前記洗浄工程としては、前記有機溶剤除去工程の後に、前記脱溶剤スラリーを水で洗浄する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記水としては、例えば、イオン交換水などが挙げられる。
前記乾燥工程としては、前記洗浄工程で得られたトナー粒子を乾燥する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記粉砕法粉砕法は、例えば、少なくとも結着樹脂を含有するトナー材料を溶融混練したものを、粉砕し、分級することにより、前記トナーの母体粒子を製造する方法である。 前記溶融混練は、前記トナー材料を混合して得られた混合物を溶融混練機に仕込んで行う。前記溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機、ロールミルによるバッチ式混練機などが挙げられる。具体的には、例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダーなどが挙げられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを含有する。前記現像剤は、一成分現像剤として使用してもよく、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。中でも、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
また、前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像手段における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材としては、磁性を有する粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケルが好ましい。また、近年著しく進む環境面への適応性を配慮した場合、前記フェライトとしては、従来の銅−亜鉛系フェライトではなく、マンガンフェライト、マンガン−マグネシウムフェライト、マンガン−ストロンチウムフェライト、マンガン−マグネシウム−ストロンチウムフェライト、リチウム系フェライトが好ましい。
前記樹脂層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ストレートシリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR206(アルキド変性シリコーン樹脂)、KR5208(アクリル変性シリコーン樹脂)、ES1001N(エポキシ変性シリコーン樹脂)、KR305(ウレタン変性シリコーン樹脂);東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2115(エポキシ変性シリコーン樹脂)、SR2110(アルキド変性シリコーン樹脂)などが挙げられる。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体(以下、「感光体」と称することがある。)と、静電潜像形成手段と、現像手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
本発明に関する画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記画像形成方法は、前記画像形成装置により好適に行うことができ、前記静電潜像形成工程は、前記静電潜像形成手段により好適に行うことができ、前記現像工程は、前記現像手段により好適に行うことができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
前記静電潜像担持体の材質、構造、大きさとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコンが好ましい。
前記静電潜像形成手段としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電部材と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光部材とを少なくとも有する手段などが挙げられる。
前記静電潜像形成工程としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段を用いて行うことができる。
前記帯電部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器などが挙げられる。
前記帯電は、例えば、前記帯電部材を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電部材として前記磁気ブラシを用いる場合、該磁気ブラシとしては、例えば、Zn−Cuフェライト等の各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。
前記帯電部材として前記ファーブラシを用いる場合、該ファーブラシの材質としては、例えば、カーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりすることで帯電部材とすることができる。
前記帯電部材としては、前記接触式の帯電部材に限定されるものではないが、帯電部材から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電部材を用いることが好ましい。
前記露光部材としては、前記帯電部材により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系等の各種露光部材などが挙げられる。
前記露光部材に用いられる光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の発光物全般などが挙げられる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもできる。
前記露光は、例えば、前記露光部材を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像手段としては、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像して可視像を形成する、トナーを備える現像手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記現像工程としては、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段としては、前記トナーを摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に前記トナーを含む現像剤を担持して回転可能な現像剤担持体を有する現像装置が好ましい。
前記現像手段内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記その他の手段としては、例えば、転写手段、定着手段、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
前記その他の工程としては、例えば、転写工程、定着工程、クリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程などが挙げられる。
前記転写手段としては、可視像を記録媒体に転写する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
前記転写工程としては、可視像を記録媒体に転写する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましい。
前記転写工程は、例えば、前記可視像を、転写帯電器を用いて前記感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
ここで、前記記録媒体上に二次転写される画像が複数色のトナーからなるカラー画像である場合に、前記転写手段により、前記中間転写体上に各色のトナーを順次重ね合わせて当該中間転写体上に画像を形成し、前記中間転写手段により、当該中間転写体上の画像を前記記録媒体上に一括で二次転写する構成とすることができる。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルトなどが好適に挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着手段としては、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧部材が好ましい。前記加熱加圧部材としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せなどが挙げられる。
前記定着工程としては、前記記録媒体に転写された可視像を定着させる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着工程は、前記定着手段により行うことができる。
前記加熱加圧部材における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記クリーニング手段としては、前記感光体上に残留する前記トナーを除去できる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。
前記クリーニング工程としては、前記感光体上に残留する前記トナーを除去できる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記クリーニング手段により行うことができる。
前記除電手段としては、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電ランプなどが挙げられる。
前記除電工程としては、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記除電手段により行うことができる。
前記リサイクル手段としては、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像装置にリサイクルさせる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の搬送手段などが挙げられる。
前記リサイクル工程としては、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像装置にリサイクルさせる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記リサイクル手段により行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御できる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器などが挙げられる。
前記制御工程としては、前記各工程の動きを制御できる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記制御手段により行うことができる。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図3中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、前記露光部材である露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には前記定着手段である定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
樹脂の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により以下のようにして測定した。
まず、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、前記温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mLの流速で流し、試料濃度として0.05質量%〜0.6質量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50μL〜200μL注入して測定した。試料の分子量測定に当たっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により、作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical Co.又は東ソー株式会社製の重量平均分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いた。また、検出器には、RI(屈折率)検出器を用いた。
樹脂のガラス転移温度は、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、株式会社島津製作所製)を用いて測定した。具体的には、熱変化を下記手順により求めた。
得られるDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、一回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温一回目における上記ガラス転移温度をミッドポイント法によって得た値を使用した。
〔測定条件〕
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50mL/min)
温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:−20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
樹脂の融点、及びトナーの最大融点ピーク温度は、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、株式会社島津製作所製)を用いて測定した。
具体的には、対象試料の吸熱ピーク温度のうち、樹脂の場合は、最大の吸熱ピーク温度を樹脂の融点とし、トナーの場合には、樹脂の融点に相当する最大吸熱ピークの温度を下記手順により求めた。
得られるDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラム『吸熱ピーク温度』を用いて、二回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温二回目における上記吸熱ピークを求めた。
〔測定条件〕
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50mL/min)
温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:−20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとしてプロピレングリコールと、ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチル、フマル酸ジメチル、及び5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウムとを、モル比、OH基とCOOH基との比率(OH/COOH)が表1に記載された比率になるように仕込み、仕込んだ原料の質量に対して300ppmのチタンテトライソプロポキシドと共に、メタノールを流出させながら反応させた。最終的に230℃に昇温して樹脂酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。その後、20mmHg〜30mmHgの減圧下にて4時間反応させ、線状の非晶質ポリエステル樹脂である[非晶質樹脂A1]を得た。
得られた樹脂のガラス転移温度(Tg)63℃であった。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとしてプロピレングリコールと、ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチル、フマル酸ジメチル、及び2−スルホテレフタル酸ジメチルナトリウムとを、モル比、OH基とCOOH基との比率(OH/COOH)が表1に記載された比率になるように仕込み、仕込んだ原料の質量に対して300ppmのチタンテトライソプロポキシドと共に、メタノールを流出させながら反応させた。最終的に230℃に昇温して樹脂酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。その後、20mmHg〜30mmHgの減圧下にて4時間反応させ、線状の非晶質ポリエステル樹脂である[非晶質樹脂A2]を得た。
得られた樹脂のガラス転移温度(Tg)64℃であった。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとしてプロピレングリコールと、ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチル、フマル酸ジメチル、及び5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウムとを、モル比、OH基とCOOH基との比率(OH/COOH)が表1に記載された比率になるように仕込み、仕込んだ原料の質量に対して300ppmのチタンテトライソプロポキシドと共に、メタノールを流出させながら反応させた。最終的に230℃に昇温して樹脂酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。その後、20mmHg〜30mmHgの減圧下にて4時間反応させ、線状の非晶質ポリエステル樹脂である[非晶質樹脂A3]を得た。
得られた樹脂のガラス転移温度(Tg)66℃であった。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとしてプロピレングリコールと、ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチル、フマル酸ジメチル、及び5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウムとを、モル比、OH基とCOOH基との比率(OH/COOH)が表1に記載された比率になるように仕込み、仕込んだ原料の質量に対して300ppmのチタンテトライソプロポキシドと共に、メタノールを流出させながら反応させた。最終的に230℃に昇温して樹脂酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。その後、20mmHg〜30mmHgの減圧下にて4時間反応させ、線状の非晶質ポリエステル樹脂である[非晶質樹脂A3]を得た。
得られた樹脂のガラス転移温度(Tg)64℃であった。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとしてプロピレングリコールと、ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチル、及びフマル酸ジメチルとを、モル比、OH基とCOOH基との比率(OH/COOH)が表1に記載された比率になるように仕込み、仕込んだ原料の質量に対して300ppmのチタンテトライソプロポキシドと共に、メタノールを流出させながら反応させた。最終的に230℃に昇温して樹脂酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。その後、20mmHg〜30mmHgの減圧下にて4時間反応させ、線状の非晶質ポリエステル樹脂である[非晶質樹脂A5]を得た。
得られた樹脂のガラス転移温度(Tg)62℃であった。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとして1,8−オクタンジオールと、ジカルボン酸としてアジピン酸とを、OH基とCOOH基との比率(OH/COOH)が表1に記載された比率になるように仕込み、仕込んだ原料の質量に対して300ppmのチタンテトライソプロポキシドと共に、水を流出させながら反応させた。最終的に230℃に昇温して樹脂酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。その後、10mmHg以下の減圧下にて5時間反応させ、結晶性ポリエステル樹脂である[結晶性樹脂C1]を得た。
得られた樹脂の融点(Tm)60℃であった。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとして1,8−オクタンジオールと、ジカルボン酸としてアジピン酸、及び5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウムとを、OH基とCOOH基との比率(OH/COOH)が表1に記載された比率になるように仕込み、仕込んだ原料の質量に対して300ppmのチタンテトライソプロポキシドと共に、水を流出させながら反応させた。最終的に230℃に昇温して樹脂酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。その後、10mmHg以下の減圧下にて5時間反応させ、結晶性ポリエステル樹脂である[結晶性樹脂C2]を得た。
得られた樹脂の融点(Tm)62℃であった。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、[非晶質樹脂A1]1700gと、[結晶性樹脂C1]300gとを仕込み、60℃で2時間、10mmHgで減圧乾燥を行った。窒素解圧後、モレキュラーシーブス4Aにて脱水処理を行った酢酸エチル2,000gを投入し、窒素気流下、均一になるまで溶解させた。次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを表2に記載の比率になる量を計り投入し、目視下にて均一になるまで撹拌した。その後、触媒として2−エチルヘキサン酸スズを樹脂固形分の質量に対して100ppm投入し、80℃まで昇温させ、リフラックス下で5時間反応させた。次いで、減圧下にて酢酸エチルを留去し、[共重合樹脂B1]を得た。SEM観察とEDS測定の結果から、非晶質樹脂部位中に硫黄元素が存在することが確認された。また、NMR測定、GC/MS測定で得られたスペクトルから、非晶質樹脂部位中の硫黄元素はスルホン酸であることが確認された。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、[非晶質樹脂A2]1700gと、[結晶性樹脂C1]300gとを仕込み、60℃で2時間、10mmHgで減圧乾燥を行った。窒素解圧後、モレキュラーシーブス4Aにて脱水処理を行った酢酸エチル2,000gを投入し、窒素気流下、均一になるまで溶解させた。次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを表2に記載の比率になる量を計り投入し、目視下にて均一になるまで撹拌した。その後、触媒として2−エチルヘキサン酸スズを樹脂固形分の質量に対して100ppm投入し、80℃まで昇温させ、リフラックス下で5時間反応させた。次いで、減圧下にて酢酸エチルを留去し、[共重合樹脂B2]を得た。SEM観察とEDS測定の結果から、非晶質樹脂部位中に硫黄元素が存在することが確認された。また、NMR測定、GC/MS測定で得られたスペクトルから、非晶質樹脂部位中の硫黄元素はスルホン酸であることが確認された。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、[非晶質樹脂A3]1700gと、[結晶性樹脂C1]300gとを仕込み、60℃で2時間、10mmHgで減圧乾燥を行った。窒素解圧後、モレキュラーシーブス4Aにて脱水処理を行った酢酸エチル2,000gを投入し、窒素気流下、均一になるまで溶解させた。次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを表2に記載の比率になる量を計り投入し、目視下にて均一になるまで撹拌した。その後、触媒として2−エチルヘキサン酸スズを樹脂固形分の質量に対して100ppm投入し、80℃まで昇温させ、リフラックス下で5時間反応させた。次いで、減圧下にて酢酸エチルを留去し、[共重合樹脂B3]を得た。SEM観察とEDS測定の結果から、非晶質樹脂部位中に硫黄元素が存在することが確認された。また、NMR測定、GC/MS測定で得られたスペクトルから、非晶質樹脂部位中の硫黄元素はスルホン酸であることが確認された。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、[非晶質樹脂A4]1700gと、[結晶性樹脂C1]300gとを仕込み、60℃で2時間、10mmHgで減圧乾燥を行った。窒素解圧後、モレキュラーシーブス4Aにて脱水処理を行った酢酸エチル2,000gを投入し、窒素気流下、均一になるまで溶解させた。次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを表2に記載の比率になる量を計り投入し、目視下にて均一になるまで撹拌した。その後、触媒として2−エチルヘキサン酸スズを樹脂固形分の質量に対して100ppm投入し、80℃まで昇温させ、リフラックス下で5時間反応させた。次いで、減圧下にて酢酸エチルを留去し、[共重合樹脂B4]を得た。SEM観察とEDS測定の結果から、非晶質樹脂部位中に硫黄元素が存在することが確認された。また、NMR測定、GC/MS測定で得られたスペクトルから、非晶質樹脂部位中の硫黄元素はスルホン酸であることが確認された。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、[非晶質樹脂A4]1300gと、[結晶性樹脂C1]700gとを仕込み、60℃で2時間、10mmHgで減圧乾燥を行った。窒素解圧後、モレキュラーシーブス4Aにて脱水処理を行った酢酸エチル2,000gを投入し、窒素気流下、均一になるまで溶解させた。次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを表2に記載の比率になる量を計り投入し、目視下にて均一になるまで撹拌した。その後、触媒として2−エチルヘキサン酸スズを樹脂固形分の質量に対して100ppm投入し、80℃まで昇温させ、リフラックス下で5時間反応させた。次いで、減圧下にて酢酸エチルを留去し、[共重合樹脂B5]を得た。SEM観察とEDS測定の結果から、非晶質樹脂部位中に硫黄元素が存在することが確認された。また、NMR測定、GC/MS測定で得られたスペクトルから、非晶質樹脂部位中の硫黄元素はスルホン酸であることが確認された。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、[非晶質樹脂A4]1500gと、[結晶性樹脂C1]500gとを仕込み、60℃で2時間、10mmHgで減圧乾燥を行った。窒素解圧後、モレキュラーシーブス4Aにて脱水処理を行った酢酸エチル2,000gを投入し、窒素気流下、均一になるまで溶解させた。次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを表2に記載の比率になる量を計り投入し、目視下にて均一になるまで撹拌した。その後、触媒として2−エチルヘキサン酸スズを樹脂固形分の質量に対して100ppm投入し、80℃まで昇温させ、リフラックス下で5時間反応させた。次いで、減圧下にて酢酸エチルを留去し、[共重合樹脂B6]を得た。SEM観察とEDS測定の結果から、非晶質樹脂部位中に硫黄元素が存在することが確認された。また、NMR測定、GC/MS測定で得られたスペクトルから、非晶質樹脂部位中の硫黄元素はスルホン酸であることが確認された。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、[非晶質樹脂A3]1500gと、[結晶性樹脂C1]500gとを仕込み、60℃で2時間、10mmHgで減圧乾燥を行った。窒素解圧後、モレキュラーシーブス4Aにて脱水処理を行った酢酸エチル2,000gを投入し、窒素気流下、均一になるまで溶解させた。次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを表2に記載の比率になる量を計り投入し、目視下にて均一になるまで撹拌した。その後、触媒として2−エチルヘキサン酸スズを樹脂固形分の質量に対して100ppm投入し、80℃まで昇温させ、リフラックス下で5時間反応させた。次いで、減圧下にて酢酸エチルを留去し、[共重合樹脂B7]を得た。SEM観察とEDS測定の結果から、非晶質樹脂部位中に硫黄元素が存在することが確認された。また、NMR測定、GC/MS測定で得られたスペクトルから、非晶質樹脂部位中の硫黄元素はスルホン酸であることが確認された。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、[非晶質樹脂A5]1500gと、[結晶性樹脂C1]500gとを仕込み、60℃で2時間、10mmHgで減圧乾燥を行った。窒素解圧後、モレキュラーシーブス4Aにて脱水処理を行った酢酸エチル2,000gを投入し、窒素気流下、均一になるまで溶解させた。次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを表2に記載の比率になる量を計り投入し、目視下にて均一になるまで撹拌した。その後、触媒として2−エチルヘキサン酸スズを樹脂固形分の質量に対して100ppm投入し、80℃まで昇温させ、リフラックス下で5時間反応させた。次いで、減圧下にて酢酸エチルを留去し、[共重合樹脂B8]を得た。SEM観察とEDS測定の結果から、非晶質樹脂部位中に硫黄元素が存在しないことが確認された。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、[非晶質樹脂A5]500、[結晶性樹脂C2]1500gとを仕込み、60℃で2時間、10mmHgで減圧乾燥を行った。窒素解圧後、モレキュラーシーブス4Aにて脱水処理を行った酢酸エチル2,000gを投入し、窒素気流下、均一になるまで溶解させた。次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを表2に記載の比率になる量を計り投入し、目視下にて均一になるまで撹拌した。その後、触媒として2−エチルヘキサン酸スズを樹脂固形分の質量に対して100ppm投入し、80℃まで昇温させ、リフラックス下で5時間反応させた。次いで、減圧下にて酢酸エチルを留去し、[共重合樹脂B9]を得た。SEM観察とEDS測定の結果から、非晶質樹脂部位中に硫黄元素が存在しないことが確認された。
[共重合樹脂B1]100部、シアン顔料(C.I.Pigment blue 15:3)100部、及びイオン交換水30部をよく混合して、オープンロール型混練機(ニーデックス、日本コークス工業株式会社製)を用いて混練を行った。混練温度は90℃から混練を始め、その後、50℃まで徐々に冷却し、樹脂と顔料の比率(質量比)が1:1である[着色剤マスターバッチPB1]を作製した。
[共重合樹脂B1]を[共重合樹脂B2]に変更すること以外は、同様にして、[着色剤マスターバッチPB2]を作製した。
[共重合樹脂B1]を[共重合樹脂B3]に変更すること以外は、同様にして、[着色剤マスターバッチPB3]を作製した。
[共重合樹脂B1]を[共重合樹脂B4]に変更すること以外は、同様にして、[着色剤マスターバッチPB4]を作製した。
[共重合樹脂B1]を[共重合樹脂B5]に変更すること以外は、同様にして、[着色剤マスターバッチPB5]を作製した。
[共重合樹脂B1]を[共重合樹脂B6]に変更すること以外は、同様にして、[着色剤マスターバッチPB6]を作製した。
[共重合樹脂B1]を[共重合樹脂B7]に変更すること以外は、同様にして、[着色剤マスターバッチPB7]を作製した。
[共重合樹脂B1]を[共重合樹脂B8]に変更すること以外は、同様にして、[着色剤マスターバッチPB8]を作製した。
[共重合樹脂B1]を[共重合樹脂B9]に変更すること以外は、同様にして、[着色剤マスターバッチPB9]を作製した。
[共重合樹脂B1]を[非晶質樹脂A4]に変更すること以外は、同様にして、[着色剤マスターバッチPA4]を作製した。
冷却管、温度計及び撹拌機を装備した反応容器に、パラフィンワックス(HNP−9(融点75℃)、日本精蝋株式会社製)20部、及び酢酸エチル80部を入れ、78℃に加熱して充分溶解し、撹拌しながら1時間で30℃まで冷却を行った後、更にウルトラビスコミル(アイメックス社製)にて、送液速度1.0kg/時間、ディスク周速度:10m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズ充填量80体積%、パス数6回の条件で湿式粉砕し、酢酸エチルを加えて固形分濃度を調整し、固形分濃度20%の[ワックス分散液]を作製した。
p−t−ブチルフェノール0.45molと、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン0.032molと、パラホルムアルデヒド18.5g(ホルムアルデヒドとして0.6mol)と、5N水酸化カリウム水溶液3gとを用いて、300mLのキシレン中で水を留去しながら還流反応を8時間行った。
反応溶液を、メタノールを用いて再結晶を行い、ろ過し、ろ過物をさらにメタノールで洗浄し、得られた固体を乾燥してフェノール類とアルデヒド類との重縮合反応により得られた[帯電制御剤B]を得た。
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管、滴下装置及び減圧装置を備えた加圧可能な反応容器に、溶媒としてメタノール250部、2−ブタノン150部及び2−プロパノール100部、モノマーとしてスチレン95部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸5.0部を仕込み、撹拌しながら還流温度まで加熱した。重合開始剤であるt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート4.0部を2−ブタノン20部で希釈した溶液を、30分かけて滴下して4 時間撹拌し、更にt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート0.40部を2−ブタノン20部で希釈した溶液を、30分かけて滴下して、更に5時間撹拌して重合を終了し、[帯電制御剤C]を得た。
温度計及び攪拌機を装備した容器に、[共重合樹脂B1]を表2に記載の比率で投入し(着色剤マスターバッチの樹脂もここに含む)、酢酸エチルを油相全体の固形分が50%となる量を入れ、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させ、[ワックス分散液]をワックス量が油相全体の固形分の5%となる量、及び[着色剤マスターバッチPB1]を顔料が油相全体の固形分の6%となる量を加え、50℃にてTK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)で回転数10,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相1]を得た。なお、[油相1]の温度は容器内にて50℃に保つようにした。
次に、撹拌機及び温度計をセットした別の容器内に、イオン交換水75部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25%分散液(三洋化成工業株式会社製)3部、カルボキシメチルセルロースナトリウム(セロゲンBS−H−3、第一工業製薬株式会社製)1部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)16部、及び酢酸エチル5部を40℃で混合撹拌させて水相溶液([水相1])を作製した。その[水相1]全量へ、50℃に保った[油相1]50部を加え、45℃〜48℃にてTKホモミキサー(プライミクス株式会社製)で回転数12,000rpmで1分間混合して、[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリー1]を投入し、50℃で2時間脱溶剤して、[スラリー1]を得た。
得られたトナー母体粒子の[スラリー1]100部を減圧濾過し濾過ケーキを得た。その濾過ケーキについて、以下の洗浄処理を行った。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(2)前記(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
(3)前記(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(4)前記(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過する操作を2回行い、[濾過ケーキ1]を得た。
得られた[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmのメッシュで篩い、[トナー母体粒子1]を作製した。
次に、得られた[トナー母体粒子1]100部に疎水性シリカ(HDK−2000、ワッカー・ケミー社製)1.0部、及び酸化チタン(MT−150AI、テイカ株式会社製)0.3部を、ヘンシェルミキサーを用いて混合して、[トナー1]を作製した。
得られたトナーについて、粒径分布を測定した。
芯材として、Mnフェライト粒子(重量平均径:35μm)5,000部を用いた。
被覆材として、トルエン300部、ブチルセロソルブ300部、アクリル樹脂溶液(組成比(モル比)メタクリル酸:メタクリル酸メチル:2−ヒドロキシエチルアクリレート=5:9:3、固形分50%トルエン溶液、Tg38℃)60部、N−テトラメトキシメチルベンゾグアナミン樹脂溶液(重合度1.5、固形分77%トルエン溶液)15部、及びアルミナ粒子(平均一次粒子径0.30μm)15部をスターラーで10分間分散して調製されたコート液を用いた。
前記芯材と、前記コート液とを、流動床内において回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、前記コート液を前記芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で220℃、2時間の条件で焼成し、[キャリア1]を得た。
[キャリア1]100部に対して[トナー1]7部を、容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで5分間均一混合し、二成分現像剤である[現像剤1]を得た。
図3に示す画像形成装置を用いて、転写紙(リコービジネスエキスパート株式会社製、複写印刷用紙<70>)上に、転写後のトナーの付着量が0.85±0.10mg/cm2の紙全面ベタ画像(画像サイズ3cm×8cm)を作像し、定着ベルトの温度を変化させて定着を行い、得られた定着画像表面を描画試験器AD−401(株式会社上島製作所製)を用いて、ルビー針(先端半径260μmR〜320μmR、先端角60度)、荷重50gで描画し、繊維(ハニコット#440、ハニロン社製)で描画表面を強く5回擦り、画像の削れが殆ど無くなる定着ベルト温度をもって定着下限温度とした。また、ベタ画像は転写紙上において、通紙方向先端から3.0cmの位置に作成した。なお、定着装置のニップ部を通過する速度は、280mm/秒間である。定着下限温度は、低い程、低温定着性に優れる。
〔評価基準〕
◎ :115℃以下
○ :115℃超125℃以下
△ :125℃超135℃以下
× :135℃超
<<<白抜け>>>
高温高湿(温度30℃、相対湿度80%)下において、デジタルフルカラー複写機(リコー社製imagioMP C4500)を用い、単色モードでA4紙に画像面積率3.0%のライン画像を10,000枚ランニング出力した後、A3全面にハーフトーン画像を出力して画像の白抜けの度合いを目視にて評価した。
〔評価基準〕
◎ :白抜けなし
○ :1箇所白抜けが見られる程度
△ :2から3箇所白抜けが見られる程度
× :4箇所以上城抜けが見られる程度
高温高湿(温度30℃、相対湿度80%)、もしくは低温低湿(温度10℃、相対湿度15%)下において、デジタルフルカラー複写機(リコー社製imagioMP C4500)を用い、単色モードでA4紙に画像面積率0.5%のライン画像を1,000,000枚ランニング出力した後、A3全面にハーフトーン画像を出力して画像の濃度ムラの度合いを目視にて評価した。
〔評価基準〕
◎ :濃度ムラなし
○ :一箇所ごくわずかな濃度ムラが見られる程度
△ :数箇所ごくわずかな濃度ムラが見られる程度
× :濃度ムラが明らかに見られる程度
実施例1のトナーの製造において、[共重合樹脂B1]を下記表3に示すように「共重合樹脂B2」に代え、[着色剤マスターバッチPB1]を下記表3に示すように「着色剤マスターバッチPB2」に代え、実施例1と同様にして[トナー2]及び[現像剤2]を作製した。
実施例1のトナーの製造において、[共重合樹脂B1]を下記表3に示すように「共重合樹脂B3」に代え、[着色剤マスターバッチPB1]を下記表3に示すように「着色剤マスターバッチPB3」に代え、実施例1と同様にして[トナー3]及び[現像剤3]を作製した。
実施例1のトナーの製造において、[共重合樹脂B1]を下記表3に示すように「共重合樹脂B4」に代え、[着色剤マスターバッチPB1]を下記表3に示すように「着色剤マスターバッチPB4」に代え、実施例1と同様にして[トナー4]及び[現像剤4]を作製した。
実施例1のトナーの製造において、[共重合樹脂B1]を下記表3に示すように「共重合樹脂B5」に代え、[着色剤マスターバッチPB1]を下記表3に示すように「着色剤マスターバッチPB5」に代え、実施例1と同様にして[トナー5]及び[現像剤5]を作製した。
実施例1のトナーの製造において、[共重合樹脂B1]を下記表3に示すように「共重合樹脂B6」に代え、[着色剤マスターバッチPB1]を下記表3に示すように「着色剤マスターバッチPB6」に代え、実施例1と同様にして[トナー6]及び[現像剤6]を作製した。
実施例1のトナーの製造において、[共重合樹脂B1]を下記表3に示すように「共重合樹脂B7」に代え、[着色剤マスターバッチPB1]を下記表3に示すように「着色剤マスターバッチPB7」に代え、実施例1と同様にして[トナー7]及び[現像剤7]を作製した。
実施例1のトナーの製造において、[89質量%の共重合樹脂B1]を下記表3に示すように「84質量%の共重合樹脂B8」に代え、[着色剤マスターバッチPB1]を下記表3に示すように「着色剤マスターバッチPB8」に代え、実施例1と同様にして[トナー8]及び[現像剤8]を作製した。ただし、トナー8の製造においては、各々の油相の調製時に5質量%の帯電制御剤Aを添加した。帯電制御剤Aは、サリチル酸金属錯体E−84(オリエント化学工業株式会社)である。
実施例1のトナーの製造において、[89質量%の共重合樹脂B1]を下記表3に示すように「84質量%の共重合樹脂B8」に代え、[着色剤マスターバッチPB1]を下記表3に示すように「着色剤マスターバッチPB8」に代え、実施例1と同様にして[トナー9]及び[現像剤9]を作製した。ただし、トナー9の製造においては、各々の油相の調製時に5質量%の前記帯電制御剤Bを添加した。
実施例1のトナーの製造において、[89質量%の共重合樹脂B1]を下記表3に示すように「84質量%の共重合樹脂B8」に代え、[着色剤マスターバッチPB1]を下記表3に示すように「着色剤マスターバッチPB8」に代え、実施例1と同様にして[トナー9]及び[現像剤9]を作製した。ただし、トナー10の製造においては、各々の油相の調製時に5質量%の前記帯電制御剤Cを添加した。
実施例1のトナーの製造において、[共重合樹脂B1]を下記表3に示すように「共重合樹脂B8」に代え、[着色剤マスターバッチPB1]を下記表3に示すように「着色剤マスターバッチPB8」に代え、実施例1と同様にして[トナー11]及び[現像剤11]を作製した。
実施例1のトナーの製造において、[共重合樹脂B1]を、下記表3に示すように「66.8質量%の非晶質樹脂A4」及び「33.2質量%の結晶性樹脂C1」のブレンドに(ここで、質量%は、トナー全体に対する質量比率を表し、非晶質成分/結晶性成分は、トナーから着色剤とWAXを除いた樹脂成分全体を100と見たときの比率を表している。)に代え、[着色剤マスターバッチPB1]を下記表3に示すように「着色剤マスターバッチPA4」に代え、実施例1と同様にして[トナー12]及び[現像剤12]を作製した。
実施例1のトナーの製造において、[共重合樹脂B1]を下記表3に示すように「共重合樹脂B9」に代え、[着色剤マスターバッチPB1]を下記表3に示すように「着色剤マスターバッチPB9」に代え、実施例1と同様にして[トナー13]及び[現像剤13]を作製した。
トナー及び現像剤の品質評価を行った結果を表3、表4に示す。
10Y イエロー静電潜像担持体
10M マゼンタ静電潜像担持体
10C シアン静電潜像担持体
14,15,16 支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト(無端ベルト)
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像器
41 現像ベルト
42K ブラック現像剤収容部
42Y イエロー現像剤収容部
42M マゼンタ現像剤収容部
42C シアン現像剤収容部
43Y イエロー現像剤供給ローラ
43K ブラック現像剤供給ローラ
43M マゼンタ現像剤供給ローラ
43C シアン現像剤供給ローラ
44Y イエロー現像ローラ
44K ブラック現像ローラ
44M マゼンタ現像ローラ
44C シアン現像ローラ
45K ブラック現像ユニット
45Y イエロー現像ユニット
45M マゼンタ現像ユニット
45C シアン現像ユニット
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置(現像装置)
61 現像手段
62 転写帯電器
63 クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100A、100B 画像形成装置
120 タンデム型現像器
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 レジストローラ
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ300
400 原稿自動搬送装置(ADF)
L 露光装置
Claims (8)
- 非晶質樹脂部位(A)と結晶性樹脂部位(C)とを有するブロック共重合樹脂であり、前記非晶質樹脂部位(A)は、少なくともスルホン酸基、スルホン酸塩基のいずれかを含有する単量体(M)を構成単位として持っていることを特徴とするトナー用樹脂。
- タッピングモードAFMによって観察される位相像を、前記位相像における位相差の最大値と最小値との中間値で二値化処理して得られる二値化像において、位相差の大きい部位からなる第一の位相差像が位相差の小さい部位からなる第二の位相差像中に分散された構造をとることを特徴とする請求項1に記載のトナー用樹脂。
- 前記単量体(M)を前記結着樹脂に対して1〜5重量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー用樹脂。
- 前記トナー用樹脂の非晶質樹脂部位(A)と前記結晶性樹脂部位(C)との重量比((A)/(C))が、80/20〜70/30であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー用樹脂。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー用樹脂を含有することを特徴とするトナー。
- 少なくとも結着樹脂及び/又はその前駆体を含む有機溶媒からなる油相を、水系媒体中に乳化または分散させ、乳化粒子を含む乳化分散液を作製する工程と、前記乳化粒子を収斂させてトナー母体粒子を造粒する工程と、前記有機溶媒を除去する工程と、を有する製造方法により得られたものであることを特徴とする請求項5に記載のトナー。
- 請求項5又は6に記載のトナーを含有することを特徴とする現像剤。
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記現像剤が、請求項7に記載の現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
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