JP2015148280A - 車両用多板クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来に比較して、非係合時におけるインナークラッチプレートとアウタークラッチプレートの間の引き摺りトルクを低減させる車両用多板クラッチを提供する。
【解決手段】皿バネ94によって一対のアウタークラッチプレート84および86の間に隙間が確保されると共に、インナークラッチプレート82が推力Fによって環状部材78の外周スプライン歯78bに設けられたストッパー78eに当接するまでアウタークラッチプレート86から離間する方向に移動するので、非係合時にはインナークラッチプレート82は一対のアウタークラッチプレート84および86の間でいずれにも所定の隙間Δx1、Δx2を隔てた状態で位置させられる。このため、非係合時におけるインナークラッチプレート82とアウタークラッチプレート84および86の間の引き摺りトルクが好適に低減させられる。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両用多板クラッチにおいて、その車両用多板クラッチの非係合時における引き摺りトルクを従来に比較して低減させる技術に関するものである。
一回転軸線まわりに相対回転する第1部材および第2部材の相互に径方向に対向する外周面および内周面にそれぞれ形成された第1スプラインおよび第2スプラインに、前記回転軸線方向に重なるようにそれぞれスプライン嵌合されたインナークラッチプレートおよびそのインナークラッチを挟む少なくとも一対のアウタークラッチプレートと、そのインナークラッチプレートおよびアウタークラッチプレートを押圧するアクチュエータとを備え、そのアクチュエータの押圧により発生するそのインナークラッチプレートおよびアウタークラッチプレートの間の摩擦によりトルクを伝達する車両用多板クラッチが知られている。例えば、特許文献1に記載された車両用多板クラッチがそれである。
上記特許文献1の車両用多板クラッチでは、上記一対のアウタークラッチプレートの間にその一対のアウタークラッチプレートを相互に離間する方向に付勢するバネ部材が設けられており、上記車両用多板クラッチの非係合時には、そのバネ部材の付勢力によってその一対のアウタークラッチプレートの間に隙間を確保させて、上記一対のアウタークラッチプレートと上記インナークラッチプレートとの間の引き摺りトルクを低減させている。
特開平01−288630号公報
しかしながら、上記のような車両用多板クラッチでは、上記インナークラッチプレートの位置が規定されていないため、例えば何らかの力によってインナークラッチプレートが移動してそのインナークラッチプレートとアウタークラッチプレートとの間が小さくなると、そのインナークラッチプレートとアウタークラッチプレートとの間で十分な引き摺りトルク低減効果が充分に得られないという問題があった。特に、車両用多板クラッチが、トルク増幅装置の入力クラッチ、たとえばパイロットクラッチとして用いられている場合には上記の問題が顕著である。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、従来に比較して、非係合時におけるインナークラッチプレートとアウタークラッチプレートの間の引き摺りトルクを低減させる車両用多板クラッチを提供することにある。
上記目的を達成するための、本発明の要旨とするところは、(a) 一回転軸線まわりに相対回転する第1部材および第2部材の相互に径方向に対向する外周面および内周面にそれぞれ形成された第1スプラインおよび第2スプラインに、前記回転軸線方向に重なるようにそれぞれスプライン嵌合されたインナークラッチプレートおよびそのインナークラッチプレートを挟む少なくとも一対のアウタークラッチプレートと、そのインナークラッチプレートおよびアウタークラッチプレートを押圧するアクチュエータとを備え、そのアクチュエータの押圧により発生するそのインナークラッチプレートおよびアウタークラッチプレートの間の摩擦によりトルクを伝達する車両用多板クラッチにおいて、(b) 前記アウタークラッチプレートを相互に離間する方向に付勢するバネ部材を設け、(c) 非係合時に前記インナークラッチプレートに生じる引き摺りトルクによってそのインナークラッチプレートに前記アウタークラッチプレートの一方から離隔する方向の推力を発生させる捩れ角を前記第1スプラインに設け、(d) 前記インナークラッチプレートが前記推力により移動した時に前記アウタークラッチプレートの他方との間に隙間が形成される位置でそのインナークラッチプレートを当接させるストッパーを、前記第1スプラインに設けたことにある。
このように構成された車両用多板クラッチによれば、前記バネ部材によって前記一対のアウタークラッチプレートの間に隙間が確保されると共に、前記インナークラッチプレートが前記推力によって前記第1スプラインに設けられたストッパーに当接するまで前記一対のアウタークラッチプレートの一方から離間する方向に移動するので、非係合時には前記インナークラッチプレートは前記一対のアウタークラッチプレートの間でいずれにも所定の隙間を隔てた状態で位置させられる。このため、非係合時における前記インナークラッチプレートと前記アウタークラッチプレートの間の引き摺りトルクが好適に低減させられる。
ここで、好適には、前記アクチュエータは、前記回転軸線方向において互いに重なるように配置された前記アウタークラッチプレートおよびインナークラッチプレートに対してその回転軸線方向の一方の側に位置固定に設けられた電磁石と、前記互いに重なるように配置されたアウタークラッチプレートおよびインナークラッチプレートに対して前記回転軸線方向の他方の側で第2スプラインにスプライン嵌合され、前記電磁石の磁力により引きつけられてその互いに重ねられたアウタークラッチプレートおよびインナークラッチプレートを押圧する可動片とを有する。このため、前記回転軸線方向において、前記アウタークラッチプレートおよび前記インナークラッチプレートを挟むように前記可動片および前記電磁石が配置されるので、アクチュエータの径方向の寸法が小型となる。また、非係合時において前記電磁石の残留磁気によって前記インナークラッチプレートが前記一対のアウタークラッチプレートの一方に接近する方向に力を受けても、前記推力によって前記インナークラッチプレートがその残留磁気による力に抗して前記ストッパーに当接するように移動するので、前記電磁石を使用した場合でも、非係合時に前記インナークラッチプレートを前記一対のアウタークラッチプレートの隙間の所定位置に位置させることができる。
また、好適には、(a) 前記第2部材は、左右の駆動輪に車両の駆動源から伝達される駆動力を配分する左右駆動力配分ユニットのケースであり、(b) そのケース内には、前記車両の駆動源から伝達される駆動力の一部が伝達されるスリーブ軸を貫通させた円筒状のリングギヤが、前記回転軸線まわりに回転可能に設けられ、(c) 前記リングギヤの端部に設けられた係合歯と、前記スリーブ軸に相対回転不能かつ前記回転軸心方向の移動可能に設けられて前記係合歯と噛み合う係合位置と非係合位置とに移動可能な可動係合部材とを備えた噛合式のドグクラッチが、前記リングギヤと前記スリーブ軸との間に設けられ、(d) 前記回転軸線方向に互いに重なる状態で介挿された一対の環状部材と、その一対の環状部材の互いに対向する面に溝深さが周方向に連続的に変化するようにそれぞれ形成された一対のカム溝により挟まれた球状転動体とを有し、前記一対の環状部材が相対回転させられるとその一対の環状部材間が離隔して前記ドグクラッチを係合させるボールカムが、設けられており、(e) 前記第1部材は、そのボールカムの一対の環状部材の一方である。このため、前記車両多板クラッチが係合させられることによって、前記第1部材の回転が停止して前記一対の環状部材が相対回転するので、前記ボールカムにより車両用多板クラッチで発生したトルクが方向変換され且つ増幅された前記回転軸線方向の推力により前記可動係合部材が前記係合位置と前記非係合位置とに移動させられる。
また、好適には、前記一対の環状部材のうちの一方は前記スリーブ軸に相対回転可能に設けられ、他方はそのスリーブ軸に相対回転不能且つ前記回転軸線方向に移動可能に設けられている。このため、前記車両多板クラッチが係合して前記一対の環状部材の一方の回転が停止すると、前記一対の環状部材の他方がその一方に対して相対回転して前記球状転動体を介して前記回転軸線方向において往復移動させられ入力したトルクより大きな推力を発生する。
また、好適には、前記インナークラッチプレートおよびアウタークラッチプレートの間には油膜が介在している、湿式クラッチである。このため、前記車両用多板クラッチの非係合時において、前記油膜を介して伝達される前記インナークラッチプレートと前記アウタークラッチプレートとの間の油膜に起因する引き摺りトルクが好適に低減することができる。
また、好適には、前記クラッチの必要伝達トルクが得られるように、前記バネ部材のバネ荷重、前記第1スプラインの捩れ角、前記電磁石の可動片の磁気吸引力が設定されているので、好適に、前記クラッチの必要伝達トルクが得られる。
本発明が好適に適用された4輪駆動車両の構成を概略的に説明する骨子図である。 図1の4輪駆動車両に設けられたトランスファの構成を説明する断面図である。 図2に示すトランスファに設けられたパイロットクラッチを説明する図2の拡大図である。 図3のパイロットクラッチに設けられたインナークラッチプレートと環状部材とがスプライン嵌合された状態を示す図3のIV-IV視断面図である。 図4のV−V視断面図である。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が好適に適用された4輪駆動車両(車両)10の構成を概略的に説明する骨子図である。図1において、4輪駆動車両10は、エンジン12を駆動源とし、エンジン12の動力を主駆動輪に対応する左右の前輪14L、14R(特に区別しない場合には、前輪14という)に伝達する第1の動力伝達経路と、エンジン12の動力を副駆動輪に対応する左右の後輪16L、16R(特に区別しない場合には、後輪16という)に伝達する第2の動力伝達経路とを備えているFFベースの4輪駆動装置を備えている。この4輪駆動車両10の2輪駆動状態では、エンジン12から自動変速機18を介して伝達された駆動力を前輪用駆動力配分ユニット(左右駆動力配分ユニット)20および左右の車軸22L、22Rを通して左右の前輪14L、14Rへ伝達される。この2輪駆動状態では、少なくともトランスファ26に設けられた第1クラッチ24が解放され、プロペラシャフト28、および、後輪用駆動力配分ユニット30および後輪16へは動力が伝達されない。しかし、4輪駆動状態では、上記2輪駆動状態に加えて、第1クラッチ24および第2クラッチ32が共に係合されて、上記プロペラシャフト28、および、後輪用駆動力配分ユニット30および後輪16へエンジン12からの駆動力が伝達される。
前輪用駆動力配分ユニット20は、回転軸線C1まわりに回転可能に設けられ、自動変速機18の出力歯車18aと噛み合うリングギヤ20rと、それに固定されたデフケース(ディファレンシャルケース)20cと、そのデフケース20c内に収容された差動歯車機構20dとを有しており、前輪14の左右の車軸22L、22Rにそれらの差回転を許容しつつ駆動力を伝達する。なお、上記デフケース20cには、トランスファ26に設けられた入力軸(スリーブ軸)34の軸端に形成された第1外周スプライン歯34aと嵌合する内周噛合歯20aが形成されている。これにより、エンジン12からデフケース20cを介して左右の前輪14L、14Rへ伝達する駆動力の一部が、入力軸34を介してトランスファ26に入力されるようになっている。
左右の後輪16へ駆動力を配分する後輪用駆動力配分ユニット30には、図1に示すように、プロペラシャフト28の一端部にカップリング36を介して連結されたドライブピニオン38と噛み合う円筒状の第1回転部材40と、その第1回転部材40と後輪16の一対の車軸42L、42Rとの間を選択的に連結する第2クラッチ32と、その第2クラッチ32を介して入力されるエンジン12からの動力を後輪16の左右の車軸42L、42Rに適宜差回転を与えつつ伝達させる差動歯車装置42とが、備えられている。なお、差動歯車装置42は公知の技術であるため、具体的な構造や作動の説明については省略する。また、カップリング36は、例えば湿式多板クラッチで構成される電子制御カップリングであり、カップリング36の伝達トルクを制御することにより、前後輪のトルク配分を100:0〜50:50の間で連続的に変更することができる。
上記第2クラッチ32は、第1回転部材40と差動歯車装置42のデフケース(ディファレンシャルケース)42cとの間を選択的に連結するための噛合クラッチ、すなわち第1回転部材40と差動歯車装置42との間を断接するための噛合クラッチである。また、上記第2クラッチ32は、第1回転部材40に形成されたクラッチ歯40aと、デフケース42cに形成されたクラッチ歯42aと、それらクラッチ歯40aおよびクラッチ歯42aと噛合可能な内周歯44aが形成されて回転軸線C2方向に移動可能に設けられているスリーブ44と、そのスリーブ44を回転軸線C2方向に駆動させる第2クラッチアクチュエータ46とを備える噛合式のドグクラッチ(断接機構)である。上記第2クラッチ32には、スリーブ44の内周歯44aを第1回転部材40のクラッチ歯40aに噛み合わせるのに先立って第1回転部材40の回転とデフケース42cの回転とを同期させるよく知られた同期装置48が備えられている。なお、上記第2クラッチ32では、第1クラッチ24が解放されている2輪駆動状態において、図1に示すように、第2クラッチアクチュエータ46によってスリーブ44が差動歯車装置42側に移動させられて、プロペラシャフト28と後輪16L、16Rとの間すなわち第1回転部材40とデフケース42cとの間が解放されると、左右の後輪16L、16Rからプロペラシャフト28等が切り離されて、そのプロペラシャフト28等の回転抵抗による車両の走行抵抗が低減される。
トランスファー26は、図1および図2に示すように、プロペラシャフト28を駆動するためにそのプロペラシャフト28の他端部に連結されたドリブンピニオン50と噛み合う円筒状のリングギヤ52と、エンジン12からデフケース20cを介して前輪14L、14Rへ伝達される駆動力の一部が入力される円筒状の入力軸34と、デフケース20cからプロペラシャフト28への動力伝達経路において、そのデフケース20cとプロペラシャフト28との間すなわちデフケース20cに連結された入力軸34とプロペラシャフト28に連結されたリングギヤ52との間を断接する第1クラッチ24とを備えており、その第1クラッチ24が係合して入力軸34とリングギヤ52との間が接続されると、エンジン12から左右の前輪14L、14Rに伝達される駆動力の一部が、プロペラシャフト28を介して左右の後輪16L、16Rへ出力されるようになっている。
上記円筒状のリングギヤ52は、図2に示すように、例えば斜歯又はハイポイドギヤが形成された傘歯車であり、そのリングギヤ52の内周部から前輪14R側に略円筒状に突出する軸部52aが形成されている。また、円筒状のリングギヤ52は、ユニットケース(第2部材)54内に設けられた軸受56によりその軸部52aが支持されることによって回転軸線C1まわりに回転可能に片持状に支持されている。上記円筒状の入力軸34は、図2に示すように、円筒状のリングギヤ52の内側を貫通して、その入力軸34の一部がリングギヤ52の内側に配置されている。また、上記円筒状の入力軸34は、ユニットケース54内に設けられた一対の軸受58に両端部が支持されることによって、その入力軸34が回転軸線C1まわりに回動可能にすなわちリングギヤ52と同心に回転可能に支持されている。
上記第1クラッチ24は、トランスファ26の入力軸34とリングギヤ52との間を断接するための噛合クラッチであり、図2に示すように、入力軸34の中央部の外周面に形成された第2外周スプライン歯34bに回転軸線C1方向の移動可能に常時噛み合う内周噛合歯60a、および回転軸線C1方向の移動により円筒状のリングギヤ52の軸部52aの前輪14L側の側面に形成された噛合歯(係合歯)52bと噛み合い可能な外周噛合歯60bが形成された可動スリーブ(可動係合部材)60と、その可動スリーブ60を、その外周噛合歯60bがリングギヤ52の噛合歯52bと噛み合うことによりリングギヤ52と入力軸34とが相対回転不能に連結する噛合位置(図2の回転軸線C1の下側に示す係合位置)とその外周噛合歯60bがリングギヤ52の噛合歯52bと噛み合わないことによりリングギヤ52と入力軸34との相対回転を許容する非噛合位置(図2の回転軸線C1の上側に示す非係合位置)とに回転軸線C1方向に移動させて切り換える電磁アクチュエータ62等とを、含んで構成される噛合式のドグクラッチである。
電磁アクチュエータ62には、図2に示すように、可動スリーブ60と一対の軸受58の前輪14L側の軸受58との間に介在され、その可動スリーブ60を上記非噛合位置から上記噛合位置に向かって付勢するスプリング64が備えられている。更に、電磁アクチュエータ62には、ユニットケース54内に設けられた環状の電磁石66が円板状の可動片68を吸着することによりボールカム70を介して所定のストロークで回転軸線C1方向に往復移動させられる環状の第1ピストン72と、入力軸34に対して相対回転可能に設けられ、その第1ピストン72によりスプリング64の付勢力に抗して回転軸線C1方向に移動させられる環状の第2ピストン74と、複数段の掛止歯を有して入力軸34に相対回転不能かつ回転軸線C1方向に移動不能に設けられ、その複数段の掛止歯のいずれかで第1ピストン72により回転軸線C1方向前輪14L側に移動させられたその第2ピストン74を掛け止める環状のホルダー76とを備え、その第1ピストン72の所定回の往復ストロークでその第2ピストン74が可動スリーブ60を前記非噛合位置へスプリング64の付勢力に抗して移動させ、その所定回を越えるとその第2ピストン74を掛け外してスプリング64の付勢力に従って可動スリーブ60を前記噛合位置へ移動させるラチェット機構77が備えられている。なお、ラチェット機構77と電磁石66との間に配設されたボールカム70は、回転軸線C1方向に互いに重なる状態で介挿された前述した環状の第1ピストン(環状部材)72および環状の環状部材(第1部材)78と、それら第1ピストン72および環状部材78の互いに対向する面に溝深さが周方向に連続的に変化するようにぞれぞれ形成された一対のカム溝72a、78aにより挟まれた球状転動体80とを有し、第1ピストン72と環状部材78とが相対回転させられることによりそれら第1ピストン72および環状部材78が回転軸線C1方向に離隔させられるようになっている。
また、電磁アクチュエータ62には、図3に示すように、回転軸線C1まわりに相対回転する環状部材78およびユニットケース54の相互に径方向に対向する外周面および内周面にそれぞれ形成された外周スプライン歯(第1スプライン)78bおよび内周スプライン歯(第2スプライン)54aに、回転軸線C1方向に重なるようにそれぞれスプライン嵌合された円板状のインナークラッチプレート82およびそのインナークラッチプレート82を挟む円板状の一対のアウタークラッチプレート84および86と、そのインナークラッチプレート82および一対のアウタークラッチプレート84および86を回転軸線C1方向に押圧するアクチュエータ88とを有し、そのアクチュエータ88の押圧により発生するインナークラッチプレート82およびアウタークラッチプレート84、86の間の摩擦によりトルクを伝達するパイロットクラッチ90が備えられている。なお、上記環状部材78は、非回転部材であるユニットケース54内において回転軸線C1まわりに回転可能に支持されおり、その環状部材78の前輪14R側の側面78cとユニットケース54の前輪14R側の側壁部54bの壁面54cとの間には、環状のスラストニードルベアリング92が配設されている。また、インナークラッチプレート82の内周面には、環状部材78の外周スプライン歯78bと相対回転不能且つ回転軸線C1方向の移動可能に噛み合う内周歯82aが形成されており、アウタークラッチプレート84および86の外周面には、ユニットケース54の内周スプライン歯54aと相対回転不能且つ回転軸線C1方向の移動可能に噛み合う外周歯84a、86aが形成されている。また、一対のアウタークラッチプレート84および86の間には、それらアウタークラッチプレート84および86を回転軸線C1方向においてそれぞれ相互に離間する方向に付勢する環状の皿バネ(バネ部材)94が設けられている。また、上記パイロットクラッチ90は、例えば、インナークラッチプレート82およびアウタークラッチプレート84、86の間に油膜が介在されている湿式クラッチである。
上記アクチュエータ88は、図3に示すように、回転軸線C1方向において互いに重なるように配設されたアウタークラッチプレート84、86およびインナークラッチプレート82に対してその回転軸線C1方向の一方の側すなわち前輪14R側に位置固定に設けられた環状の電磁石66と、その互いに重なるように配置されたアウタークラッチプレート84、86およびインナークラッチプレート82に対してその回転軸線C1方向の他方の側すなわち前輪14L側でユニットケース54の内周スプライン歯54aにスプライン嵌合され、電磁石66の磁力により引きつけられてその互いに重ねられたアウタークラッチプレート84、86およびインナークラッチプレート82を押圧する環状の可動片68とを有する。なお、上記可動片68の外周面には、ユニットケース54の内周スプライン歯54aに相対回転不能且つ回転軸線C1方向の移動可能に噛み合う外周歯68aが形成されている。また、ユニットケース54の内周スプライン歯54aの前輪側14Lの端部には、環状のスナップリング96を取り付ける取付溝54dが形成されており、可動片68は、その取付溝54dに取り付けられたスナップリング96によって回転軸線C1方向の前輪14L側の移動が制限されている。また、ユニットケース54の側壁部54bには、その側壁部54bの電磁石66側においてアウタークラッチプレート86側に環状に突き出す突部54eが形成されており、アウタークラッチプレート86は、その突部54eの当接面54fによって回転軸線C1方向の前輪14R側の移動が制限されている。また、ボールカム70において、環状部材78は入力軸34に相対回転可能に設けられており、第1ピストン72はその第1ピストン72の内周面に形成された内周歯72bが入力軸34の前輪14R側の端部の外周面に形成された第3外周スプライン歯34cと噛み合うことにより、その入力軸34に相対回転不能且つ回転軸線C1方向に移動可能に設けられている。
上記のように構成されたパイロットクラッチ90では、例えば、車両走行中で入力軸34が回転している時において、電磁石66によって可動片68が吸着されると、その可動片68によって環状部材78と共に回転しているインナークラッチプレート82が一対のアウタークラッチプレート84および86に挟圧されてユニットケース54に一体的に固定される。つまり、電磁石66によって可動片68が吸着されてインナークラッチプレート82とアウタークラッチプレート84および86とが係合すなわちパイロットクラッチ90が係合すると、第1ピストン72と共に回転していた環状部材78がユニットケース54に一体的に固定される。このため、車両走行中にパイロットクラッチ90が係合されることによって、環状部材78と第1ピストン72との間に相対回転が発生して、第1ピストン72は球状転動体80を介して環状部材78に対して回転軸線C1方向において前輪14L側、前輪14R側へ往復移動する。なお、電磁石66に可動片68が吸着されない時すなわちパイロットクラッチ90の非係合時には、環状部材78はユニットケース54に対して相対回転可能となるので、その環状部材78が球状転動体80を介して第1ピストン72と連れまわって環状部材78と第1ピストン72との間に相対回転が発生しなくなり、第1ピストン72の回転軸線C1方向における往復移動が停止する。
これによって、電磁アクチュエータ62では、パイロットクラッチ90が係合することによって、ボールカム70により第1ピストン72が回転軸線C1方向において前輪14R側、前輪14L側へ例えば1、2回程度往復移動させられると、図2に示す回転軸線C1に対して上側すなわちエンジン12側のトランスファ26に示すように、可動スリーブ60がラチェット機構77を介して前記非噛合位置へスプリング64の付勢力に抗して移動させられて、可動スリーブ60の外周噛合歯60bとリングギヤ52の噛合歯52bとの噛み合いが解かれて第1クラッチ24が解放する。また、パイロットクラッチ90が係合することによって、ボールカム70により第1ピストン72が例えば3回程度往復移動させられるとすなわち第1ピストン72の往復回数が所定回を超えると、図2の回転軸線C1に対して下側すなわちエンジン12側とは反対側のトランスファ26に示すように、第2ピストン74がラチェット機構77においてホルダー76の掛止歯から掛け外され可動スリーブ60がスプリング64の付勢力に従って前記噛合位置へ移動させられて、可動スリーブ60の外周噛合歯60bとリングギヤ52の噛合歯52bとが噛み合わされ第1クラッチ24が係合する。なお、図2に示すように、可動スリーブ60とラチェット機構77との間には、その可動スリーブ60が前記噛合位置に移動させられるのに先立って最も前記非噛合位置側に移動したときに、入力軸34の回転とリングギヤ52の回転とを同期させる同期装置98が備えられている。
図4および図5に示すように、環状部材78の外周スプライン歯78bには、その外周スプライン歯78bの前輪14L側の端部よりも前輪14R側の端部が環状部材78の回転方向A側となるように回転軸線C1に対して所定の角度傾斜する捩れ角θが設けられている。このため、環状部材78が回転する際には、その環状部材78と共に回転するインナークラッチプレート82に油の粘性や油膜などにより生じる引きずりトルクによって、そのインナークラッチプレート82にアウタークラッチプレート86から離間する方向すなわち図5の推力Fが発生するようになっている。なお、上記推力Fは、図5に示すように、環状部材78が回転する際にその環状部材78の外周スプライン歯78bがインナークラッチプレート82の内周歯82aを押圧する力F1の回転軸線C1方向における分力であり、F1×sinθで表せる。
図3に示すように、環状部材78の外周スプライン歯78bには、インナークラッチプレート82が前記推力Fにより移動した時にそのインナークラッチプレート82とアウタークラッチプレート86との間に所定の隙間Δx1が形成され且つそのインナークラッチプレート82とアウタークラッチプレート84との間に所定の隙間Δx2が形成される位置でインナークラッチプレート82を当接させる当接面78dが形成されたストッパー78eが設けられている。なお、上記隙間Δx1、Δx2は、環状部材78が回転軸線C1まわりに回転する際において、その環状部材78と共に回転するインナークラッチプレート82に作用する引き摺りトルクが好適に小さくなるように実験的に定められた値である。また、上記隙間Δx1、Δx2は、下記式(1)、(2)により算出されるものであり、上記隙間Δx1、Δx2が適値となるように、ユニットケース54内の部品例えばパイロットクラッチ90等の寸法が適宜設定されている。
Δx1=(g+h−i)−(f+e) ・・・(1)
Δx2=(f+a−b−c−d)−(g+h) ・・・(2)
但し、上記aは、ユニットケース54の側壁部54bの突部54eの当接面54fから取付溝54dに取り付け等れたスナップリング96の前輪14L側の側面96aまでの距離である。また、上記bは、スナップリング96の回転軸線C1方向における厚みである。また、上記cは、可動片68の回転軸線C1方向における厚みである。また、上記dは、アウタークラッチプレート84の回転軸線C1方向における厚みである。また、上記eは、アウタークラッチプレート86の回転軸線C1方向における厚みである。また、上記fは、ユニットケース54の側壁部54bにおいて、その壁面54cからその突部54eの当接面54fまでの回転軸線C1方向における距離である。また、上記gは、スラストニードルベアリング92の回転軸線C1方向における厚みである。また、上記hは、環状部材78において、その環状部材78の前輪14R側の側面78cからストッパー78eの当接面78dまでの回転軸線C1方向における厚みである。また、上記iは、インナークラッチプレート82の回転軸線C1方向における厚みである。
上記のように構成されたパイロットクラッチ90では、例えば、車両走行中で入力軸34が回転している時において、そのパイロットクラッチ90が非係合状態で第1ピストン72と共に環状部材78が回転すると、インナークラッチプレート82は前記推力Fによって前輪14L側へ移動してストッパー78eと当接する。これにより、パイロットクラッチ90が非係合状態において、インナークラッチプレート82が皿バネ94の付勢力により離間されたアウタークラッチプレート84および86の間において上記隙間Δx1、Δx2が形成される所定位置に位置させられる。
なお、上記インナークラッチプレート82に作用する推力Fは、無通電時の電磁石66の残留磁気による磁気吸引力、インナークラッチプレート82とアウタークラッチプレート84、86との間の油膜の表面張力、インナークラッチプレート82の内周歯82aと環状部材78の外周スプライン歯78bとのスプライン滑り抵抗の存在下でもそのインナークラッチプレート82が前輪14L側に移動する大きさの力である。また、上記インナークラッチプレート82に作用する推力Fは、ラチェット機構77において第1ピストン72と第2ピストン74とを離間させるスプリング100の付勢力より小さく、且つ、そのインナークラッチプレート82とアウタークラッチプレート84との面圧が許容値以下となるように、そのインナークラッチプレート82の内周歯82aと噛み合う環状部材78の外周スプライン歯78bの捩れ角θが設定されている。また、上記皿バネ94のバネ荷重は、アウタークラッチプレート84、86の外周歯84a、86aとユニットケース54の内周スプライン歯54aとのスプライン滑り抵抗、無通電時の電磁石66の磁気吸引力の存在下において、アウタークラッチプレート84、86を離間させる大きさより大きい力であり、通電時の電磁石66の可動片68を吸着する磁気吸引力より小さい力である。上記パイロットクラッチ90では、回転しているインナークラッチプレート82に必要伝達トルクが得られるように、すなわち回転しているインナークラッチプレート82が停止するような負のトルクが得られるように、例えば前述した皿板バネ94のバネ荷重、環状部材78の外周スプライン歯78bの捩れ角θ、通電時の電磁石66の磁気吸引力が設定されている。
上述のように、本実施例のパイロットクラッチ90によれば、皿バネ94によって一対のアウタークラッチプレート84および86の間に隙間が確保されると共に、インナークラッチプレート82が前記推力Fによって環状部材78の外周スプライン歯78bに設けられたストッパー78eに当接するまでアウタークラッチプレート86から離間する方向に移動するので、非係合時にはインナークラッチプレート82は一対のアウタークラッチプレート84および86の間でいずれにも所定の隙間Δx1、Δx2を隔てた状態で位置させられる。このため、非係合時におけるインナークラッチプレート82とアウタークラッチプレート84および86の間の引き摺りトルクが好適に低減させられる。
また、本実施例のパイロットクラッチ90によれば、アクチュエータ88は、回転軸線C1方向において互いに重なるように配置されたアウタークラッチプレート84、86およびインナークラッチプレート82に対してその回転軸線C1方向の前輪14R側に位置固定に設けられた電磁石66と、その互いに重なるように配置されたアウタークラッチプレート84、86およびインナークラッチプレート82に対して回転軸線C1方向の前輪14L側でユニットケース54の内周スプライン歯54aにスプライン嵌合され、電磁石66の磁力により引きつけられてその互いに重ねられたアウタークラッチプレート84、86およびインナークラッチプレート82を押圧する可動片68とを有する。このため、回転軸線C1方向において、アウタークラッチプレート84、86およびインナークラッチプレート82を挟むように可動片68および電磁石88が配置されるので、アクチュエータ88の径方向の寸法が小型となる。また、非係合時において電磁石88の残留磁気によってインナークラッチプレート82がアウタークラッチプレート86に接近する方向に力を受けても、前記推力Fによってインナークラッチプレート82がその残留磁気による力に抗してストッパー78eに当接するように移動するので、アクチュエータ88に電磁石66を使用した場合でも、非係合時にインナークラッチプレート82を一対のアウタークラッチプレート84および86の隙間の所定位置に位置させることができる。
また、本実施例のパイロットクラッチ90によれば、環状部材78と回転軸線C1まわりに相対回転されられる第2部材は、主駆動輪である左右の前輪14Lおよび14Rにエンジン12から伝達される駆動力を配分する前輪用駆動力配分ユニット20のユニットケース54であり、そのユニットケース54内には、エンジン12から伝達される駆動力の一部が伝達される入力軸34を貫通させた円筒状のリングギヤ52が、回転軸線C1まわりに回転可能に設けられ、リングギヤ52の端部に設けられた噛合歯52bと、入力軸34に相対回転不能かつ回転軸心C1方向の移動可能に設けられてその噛合歯52bと噛み合う噛合位置と非噛合位置とに移動可能な可動スリーブ60とを備えた噛合式のドグクラッチが、リングギヤ52と入力軸34との間に設けられ、回転軸線C1方向に互いに重なる状態で介挿された第1ピストン72および環状部材78と、それら第1ピストン72および環状部材78の互いに対向する面に溝深さが周方向に連続的に変化するようにそれぞれ形成された一対のカム溝72aおよび78aにより挟まれた球状転動体80とを有し、それら第1ピストン72および環状部材78が相対回転させられるとそれら第1ピストン72および環状部材78の間が離隔して前記ドグクラッチを係合させるボールカム70が、設けられており、ユニットケース54と回転軸線C1まわりに相対回転されられる第1部材は、そのボールカム70の環状部材78である。このため、パイロットクラッチ90が係合させられることによって、環状部材78の回転が停止して第1ピストン72と環状部材78とが相対回転するので、ボールカム70によりパイロットクラッチ90で発生したトルクが方向変換され且つ増幅された回転軸線C1方向の推力により可動スリーブ60が前記噛合位置と前記非噛合位置とに移動させられる。
また、本実施例のパイロットクラッチ90によれば、ボールカム70において環状部材78は入力軸34に相対回転可能に設けられ、第1ピストン72はその入力軸34に相対回転不能且つ回転軸線C1方向に移動可能に設けられている。このため、パイロットクラッチ90が係合して環状部材78の回転が停止すると、第1ピストン72が環状部材78に対して相対回転して球状転動体80を介して回転軸線C1方向において往復移動させられ入力したトルクより大きな推力を発生する。
また、本実施例のパイロットクラッチ90によれば、インナークラッチプレート82およびアウタークラッチプレート84、86の間には油膜が介在している、湿式クラッチである。このため、パイロットクラッチ90の非係合時において、前記油膜を介して伝達されるインナークラッチプレート82とアウタークラッチプレート84、86との間の油膜に起因する引き摺りトルクが好適に低減することができる。
また、本実施例のパイロットクラッチ90によれば、パイロットクラッチ90の必要伝達トルクが得られるように、皿バネ94のバネ荷重、環状部材の外周スプライン歯78bの捩れ角θ、通電時の電磁石66の可動片68の磁気吸引力が設定されているので、好適に、パイロットクラッチ90の必要伝達トルクが得られる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例のパイロットクラッチ90では、回転軸線C1まわり相対回転する第1部材として回転部材である環状部材78および第2部材として非回転部材であるユニットケース54が用いられ、パイロットクラッチ90が係合することによって、回転部材である環状部材78に負のトルクが伝達されて停止されていたが、本発明は、上記のようなパイロットクラッチ90以外の車両用多板クラッチにも好適に適用させることができる。
また、前述の実施例のパイロットクラッチ90では、インナークラッチプレート82およびそれを挟む一対のアウタークラッチプレート84および86を有する湿式クラッチであったが、例えば2枚以上のインナークラッチプレートおよびそれを挟む3枚以上のアウタークラッチプレートを有する多板クラッチであっても良いし、乾式の多板クラッチであっても差し支えない。
また、前述の実施例のパイロットクラッチ90では、インナークラッチプレート82およびアウタークラッチプレート84および86を押圧するアクチュエータ88として電磁石66および可動片68が使用されていたが、上記電磁石66および可動片68以外のものが使用されても良い。例えば、モータ、油圧シリンダ等を用いてインナークラッチプレート82およびアウタークラッチプレート84および86を押圧しても良い。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:4輪駆動車両(車両)
12:エンジン(駆動源)
14:前輪(駆動輪)
20:前輪用駆動力配分ユニット(左右駆動力配分ユニット)
34:入力軸(スリーブ軸)
52:リングギヤ
52b:係合歯(噛合歯)
54:ユニットケース(第2部材)
54a:内周スプライン歯(第2スプライン)
60:可動スリーブ(可動係合部材)
66:電磁石
68:可動片
70:ボールカム
72:第1ピストン(環状部材)
72a:カム溝
78:環状部材(第1部材)
78a:カム溝
78b:外周スプライン歯(第1スプライン)
78e:ストッパー
80:球状転動体
82:インナークラッチプレート
84、86:アウタークラッチプレート
88:アクチュエータ
90:パイロットクラッチ(車両用多板クラッチ)
94:皿バネ(バネ部材)
C1:回転軸線
F:推力
θ:捩れ角
Δx1、Δx2:隙間

Claims (1)

  1. 一回転軸線まわりに相対回転する第1部材および第2部材の相互に径方向に対向する外周面および内周面にそれぞれ形成された第1スプラインおよび第2スプラインに、前記回転軸線方向に重なるようにそれぞれスプライン嵌合されたインナークラッチプレートおよび該インナークラッチプレートを挟む少なくとも一対のアウタークラッチプレートと、該インナークラッチプレートおよびアウタークラッチプレートを押圧するアクチュエータとを備え、該アクチュエータの押圧により発生する該インナークラッチプレートおよびアウタークラッチプレートの間の摩擦によりトルクを伝達する車両用多板クラッチにおいて、
    前記アウタークラッチプレートを相互に離間する方向に付勢するバネ部材を設け、
    非係合時に前記インナークラッチプレートに生じる引き摺りトルクによって該インナークラッチプレートに前記アウタークラッチプレートの一方から離隔する方向の推力を発生させる捩れ角を前記第1スプラインに設け、
    前記インナークラッチプレートが前記推力により移動した時に前記アウタークラッチプレートの他方との間に隙間が形成される位置で該インナークラッチプレートを当接させるストッパーを、前記第1スプラインに設けた
    ことを特徴とする車両用多板クラッチ。
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